JPWO2007116801A1 - 電子機器筐体 - Google Patents
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Abstract
Description
図4において、光学式エンコーダの基台部101は剛性を必要とするため一般的には金属で出来ており、量産性を高めるためにアルミダイキャスト等を用いることが多い。回転部102はパターン円板であり、モータにおけるロータ等の回転体(図示せず)に連結されているものである。絶縁部103は樹脂製の部品であり基台部101とプリント基板104を絶縁している。プリント基板104には後述する受光素子、発光素子、あるいは信号処理を行う電子回路が搭載されている。絶縁部固定ネジ105は基台部101に対し絶縁部103を固定するためのものである。検出部106はプリント基板104上に搭載されている。
図5に示す光学式エンコーダは、基台部101とプリント基板104より構成されているため、高い剛性を得ることができるが、プリント基板104は金属製である基台部101に直接当接しており、プリント基板104の当接している個所には部品を配置することも、パターンを配置することもできない。プリント基板内絶縁部104aとして示したハッチング部分が、この部品を配置することも、パターンを配置することもできない部分であり、これによりプリント基板の有効に利用できる面積が減少する。特に小型電子機器においては大きな問題となる。
図6における接着部301は、基台部101と絶縁部103を結合するためのものである。図6における基台部101と絶縁部103は接着部301において接着剤により結合しているため、基台部101と絶縁部103の位置決め精度が低下することが考えられる。最終的に、検出部106と回転部102であるパターン円板の相対的位置関係が適正な状態にないと、エンコーダの機能である回転体の位置検出性能に大きく影響を与えることになる。
上記基台部をアルミニュームから構成すると共に、表面にナノレベルの凹凸を形成し、更に、上記樹脂部を絶縁性樹脂で構成し、上記凹凸に上記樹脂部の樹脂を鍵構造により結合させて上記基台部と上記樹脂部を固着するものである。
以下、この発明の実施の形態1について図を用いて説明する。
図1及び図2は本実施形態である電子機器筐体の構造を示す図であり、光学式エンコーダの構造を具体例にあげて図示したものである。
また、図2(a)がエンコーダを回転軸に対し垂直方向である底面から見た図であり、図2(b)が図2(a)における矢視A−Aの断面図である。
図1において、樹脂部402が基台部101と固着されており、その固着はナノモールド部401において行われている。尚、ナノモールドとは「日本国特開2002−225073号公報」、あるいは「日本国特開2003−03563号公報」、「日本国特開2003−170531号公報」、「日本国特開2003−200453号公報」、「日本国特開2003−251654号公報」、「日本国特開2004−050488号公報」、「日本国特開2004−216425号公報」、「日本国特開2004−216609号公報」、「日本国特開2004−268936号公報」、「日本国特開2004−271161号公報」、「日本国特開2004−330509号公報公報」、「日本国特開2005−009728号公報」、「日本国特開2005−053179号公報公報」、「日本国特開2005−119005号公報」、「日本国特開2005−119237号公報公報」、「日本国特開2005−136117号公報」により公開されている技術であり、アルミニュームのポーラス構造にアンカー効果により樹脂を接合するモールド技術であり、金属製部材と樹脂製部材を接着剤等を使用せずに一体化させる技術、即ち、アルミニュームの表面にナノレベルの凹凸を形成し、この凹凸に樹脂を鍵構造により結合させる技術である。また、樹脂部402に当接するようにプリント基板104が配置されている。尚、図1における樹脂部402は、基台部101、即ちアルミニュームと線膨張係数が同等の絶縁性樹脂で構成されており、図4における絶縁部103に相当する。
また、基台部101と樹脂部402のナノモールド部401による結合は、基台部101の中に樹脂部402が入り込むような強固な固着方法であるため、非常に高い剛性を得ることが可能となっている。
エンコーダにおける具体的な動作を図2に基づき説明する。発光素子509から出た光は円板507上にあるパターン部513により一部の光が遮蔽され、円板507を通過した光はミラー506にて反射し、再度円板507を通過して受光素子508にて受光し、光電変換され電気信号として処理される。ここにおいて、回転部分であるミラー506、円板507、パターン部513と、固定部分である発光素子509、受光素子508の相対的位置関係が適正な状態にないと、エンコーダの機能である回転体の位置検出性能に大きく影響を与えることになり、エンコーダによるモータ軸の位置検出が正確にできない。
モータを用いて速度制御や位置決め制御などを行う場合に、回転体であるモータの磁極位置が正確に検出できないと、速度制御や位置決め制御の性能が低下するという不具合にいたる可能性がある。
図6の例では、接着部は絶縁部103とプリント基板104の両方の部品の質量を支えている。これに対し、図2の例では、プリント基板511のみを支えており、図2の例の方が接着部が支える質量が軽量であり、従って接着部への負担が少なくなり、剛性も高くなり、接着部への信頼性が向上するという差がある。
図3は、別の実施の形態である密閉性を必要とする電子機器筐体の構造を示す図であり、検出部が筐体外部にあり、信号処理などを行うプリント基板が筐体内部にあるような電子機器を例にあげて図示したものである。
例えば、モータに取り付けられた磁気式エンコーダにおいて、磁気円板がモータのロータ軸端に取り付けられており、磁気検出部は本実施の形態による電子機器筐体の外側に取り付けられ、電子機器筐体の中は密閉性が保たれており、プリント基板を内蔵しているような例である。
図3において、基台部601はアルミダイキャスト等による金属製のものであり、樹脂部602が上記基台部601と固着されており、その固着はナノモールド部603により行われている。プリント基板605は密閉性を有する筐体内部に設置されており、この実施の形態では、フレキシブル・プリント基板(Flexible Printed Circuit)608により、筐体外部にある検出部607と接続されている。樹脂部602には、密閉性を保つためのオーリング604(本実施の形態における密閉性を保つための部品の一例)を納めるスペースが設けられている。ここにおいて、オーリング604は、樹脂部602と基台部601に当接しており、更に、フタ606にも当接している。
樹脂部602は非常に滑らかな面であり、オーリング604が当接することにより密閉性を保つことが可能である。
また、オーリング604が当接する基台部601の部分は、アルミダイキャストの場合は鋳肌面であり比較的荒い表面であるが、樹脂部602とナノモールド部603により固着されているため、樹脂部602と基台部601の境界部において十分な密閉性を保つことが可能である。
また、オーリングを納める部分の形状が円形の場合は旋盤加工など比較的簡単な加工で済むが、本実施の形態の図3のような円形以外の多角形の形状の場合、ミーリング等による複雑な加工が必要であり、加工に多大な時間を要するが、本実施の形態による電子機器筐体では密閉性を得るための追加加工工程が不要となる。尚、密閉性を保つための部品オーリング4はオイルシールなどの部品であってもよい。
また、部品点数が削減され、ひいては組立性が向上するという効果が得られる。
特に小型プリント基板を内臓する電子機器では、この効果が顕著である。
Claims (5)
- 基台部と、該基台部に固着される樹脂部と、上記樹脂部に当接するプリント基板を備えた電子機器筐体において、
上記基台部を表面にナノレベルの凹凸が形成されたアルミニュームから構成すると共に、上記樹脂部を絶縁性樹脂で構成し、上記凹凸に上記樹脂部の樹脂を鍵構造により結合させて上記基台部と上記樹脂部を固着することを特徴とする電子機器筐体。 - 基台部と、該基台部に固着されると共に、上記基台部内に電子機器を保持する樹脂部と、
上記基台部内を密閉性保持部材の介在により密閉する蓋体と、を備えた電子機器筐体において、
上記基台部を表面にナノレベルの凹凸が形成されたアルミニュームから構成すると共に、上記樹脂部を絶縁性樹脂で構成し、上記凹凸に上記樹脂部の樹脂を鍵構造により結合させて上記基台部と上記樹脂部を固着することを特徴とする電子機器筐体。 - 回転部を有する電子機器に適用したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器筐体。
- 検出器に適用したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器筐体。
- 検出器はエンコーダであることを特徴とする請求項4に記載の電子機器筐体。
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