JP2003315147A - 検出器及びセンサ付転動装置 - Google Patents

検出器及びセンサ付転動装置

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JP2003315147A
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郁紀 坂谷
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茂 遠藤
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    • F16C19/52Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with devices affected by abnormal or undesired conditions
    • F16C19/527Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with devices affected by abnormal or undesired conditions related to vibration and noise
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転動装置の振動等の状態を正確に外部に知ら
せることができる検出器及びセンサ付転動装置を提供す
る。 【解決手段】 転動装置17の状態を検出する検出器2
0は、プリント基板25と、プリント基板25に実装さ
れた振動検出素子30とを少なくとも有し、プリント基
板25の板方向と、振動検出素子30の振動検出方向と
が平行に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサ付転動装置
に関し、機械装置などの予防保全、例えば温度変化が大
きい環境下で使用される鉄道車両、自動車、搬送車など
の移動体の軸受装置やギヤボックス等の予防保全に最適
なものである。また、電気情報機器用の軸受等の異常検
知にも適用でき、ボールねじやリニアガイドなどの直動
部品の異常検知にも適用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、転動装置における軸受の剥離等の
異常を検出するために、転動装置に温度センサが設けら
れている。剥離等の異常が生じた際に転動装置の温度が
上昇することを、温度センサで検出していた。
【0003】しかし、温度センサのみで転動装置の異常
を検出する場合、例えば軸受の温度が上昇しても、その
温度が温度センサまで伝わるのに時間がかかり、異常を
早期に検出することが難しかった。そこで、振動センサ
を使用して、転動装置の異常を検出することが試みられ
ている。図9に、そのようなセンサ付転動装置の一例を
示す。センサ付転動装置(センサ付軸受装置)80は、
軸方向に間隔をあけて配された一対の転がり軸受81,
81の外輪82,82に外嵌されたハウジング88に、
検出器(センサユニット)90を取り付けた構成になっ
ている。検出器90は、ハウジング88の内面と外面と
を貫通する取付孔88aに挿通されて、ボルト99によ
りハウジング88に固定されている。
【0004】検出器90は、転動装置の状態を検出する
ために、振動センサ(加速度センサ)をセンサケース9
1内に備えている。振動センサの振動検出素子100と
しては、片持ち構造や両持ち構造の圧電素子が使用され
ている。振動検出素子100は、プリント基板95に実
装されている。軸受の剥離等の異常が生じると、転動装
置が振動する。振動センサはこの振動を検出して、外部
に伝送する。
【0005】プリント基板95に実装された振動検出素
子100や他の電子部品に対する給電や信号の送受等
は、一端がプリント基板95に接続されたケーブル98
によって行われる。本実施の形態の場合、一端がプリン
ト基板95に接続されたケーブル98は、センサケース
91のケーブル取出口91aにねじ込み装着された筒構
造のケーブルグランド93を介して、センサケース91
の外部に引き出されて、外部の電源あるいは計測装置等
に接続される。
【0006】ケーブルグランド93は、詳細は図示して
いないが、センサケース91のケーブル取出口91aに
螺合するねじ部を外周に有した円筒状のケース螺合部
と、このケース螺合部を挿通する前記ケーブル98の外
周部を把持するケーブル支持管部とを有した構造で、ケ
ーブル支持管部にはケーブル等の間の隙間を塞ぐパッキ
ン等が装備されて、挿通したケーブル98の固定と、ケ
ーブル挿通部の防水等を図る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のセンサ
付転動装置80ように、振動検出素子100として片持
ち構造や両持ち構造の圧電素子を使用し、圧電素子の静
電容量の変化によって発生する微小電圧を外部に伝送す
る場合、ノイズに弱いなどの問題があった。そこで、セ
ンサケース91にアンプを内蔵し、振動検出素子100
からの出力電圧を増幅してからセンサ外部に伝送する方
法が試みられている。しかし、この方法では、振動検出
素子100やプリント基板95の固有振動数成分が増幅
の阻害要因となり、振動を正確に測定できないことがあ
った。
【0008】すなわち、振動検出素子100やプリント
基板95には固有振動数が存在し、その固有振動数に近
い加振周波数成分が加わると、それらが共振してしま
う。この際、図10(A)に示すように、振動検出素子
の出力は、検出信号Vに、固有振動数による共振周波数
成分が重畳された信号Nとなる。ここでは説明のため、
単一周波数成分の検出信号Vに、固有振動数による共振
周波数成分が重畳された様子を示している。一般に共振
周波数成分の振幅は、共振現象のため、その他の周波数
成分の信号振幅に比べ、10倍以上も高レベルになる。
図10(A)のような出力信号をそのまま増幅すると、
図10(B)に示すように共振周波数成分も増幅され
て、共振周波数成分がオペアンプの出力上限を超えてし
まう場合がある。オペアンプの出力電圧の上限、下限を
+VOP,−VOPとすると、+VOP以上、−VOP以下の出
力はでないので、結果として、図10(C)に示すよう
に、増幅後の信号波形VOが本来の信号波形からずれる
ことがあった。また、この信号を外部で受信するとき
に、ローパスフィルタを挿入すれば、固有振動数成分が
減衰されて本来の波形に近くなるが、前記のように共振
周波数成分がオペアンプの出力上限を超えてしまうと、
図10(D)に示すように、ローパスフィルタ直後の波
形が、VFOのように本来の信号波形からずれることがあ
った。
【0009】また、センサケース91からのケーブル9
8の取り出しにケーブルグランド93を使用する構造で
は、ケーブルグランド93自体がセンサケース91の外
部に大きく突出する構造となるため、検出器が大型化す
るという問題があった。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、転動装置の振動等の状態を正確に外部
に知らせることができる検出器及びセンサ付転動装置を
提供すること、更には、ケーブル取出口に十分な防水性
を確保して浸水に起因する動作不良の発生を長期に渡っ
て防止すると同時に、装置の小型化を実現することので
きる検出器及びセンサ付転動装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成により達成される。 (1) 転動装置の状態を検出する検出器であって、プ
リント基板と、前記プリント基板に実装された振動検出
素子とを少なくとも有し、前記プリント基板の板方向
と、前記振動検出素子の振動検出方向とが平行に設定さ
れていることを特徴とする検出器。 (2) 前記振動検出素子の出力信号に重畳された固有
振動数成分を減衰させるローパスフィルタと、前記ロー
パスフィルタの出力信号を増幅する増幅器とを備えてい
ることを特徴とする前記(1)に記載の検出器。 (3) 前記振動検出素子の出力信号がバッファアンプ
を介して前記ローパスフィルタに供給されることを特徴
とする前記(2)に記載の検出器。 (4) 前記振動検出素子として、圧電素子、ひずみゲ
ージ、シリコン加速度センサの少なくとも一つが用いら
れていることを特徴とする前記(1)から(3)のいず
れか1つに記載の検出器。 (5) 前記プリント基板に、更に温度検出素子が実装
されていることを特徴とする前記(1)から(4)のい
ずれか1つに記載の検出器。 (6) 転動装置の状態を検出する検出器であって、転
動装置の状態に関係する物理量を検出する検出素子及び
電子部品が実装されたプリント基板と、前記プリント基
板を収容するセンサケースと、前記センサケースに貫通
形成されたケーブル取出口を挿通して前記センサケース
内に位置する一方の端部がセンサケース内の回路に接続
されると共に、外部に位置する他方の端部が外部の回路
に接続されるケーブルとを備え、前記ケーブル取出口と
前記ケーブルとの間の隙間に、防水材を充填したことを
特徴とする検出器。 (7) 前記センサケース内に位置するケーブル端がセ
ンサケース内の前記プリント基板に接続されていること
を特徴とする前記(6)に記載の検出器。 (8) 前記ケーブル取出口を挿通するケーブルに、前
記センサケースの内側から前記ケーブル取出口に嵌合す
るテーパ状のブッシュを装着していることを特徴とする
前記(6)又は(7)に記載の検出器。 (9) 前記防水材は、シリコン樹脂で、その硬度がデ
ュロメータAで10〜80であることを特徴とする前記
(6)から(8)のいずれか1つに記載の検出器。 (10) 前記検出素子が、温度検出素子、振動検出素
子、速度検出素子の少なくとも一つであることを特徴と
する前記(6)(9)のいずれか1つに記載の検出器。 (11) 前記(1)〜(10)のいずれかに記載の検
出器を転動装置に備え、前記検出器により前記転動装置
の状態を検出することを特徴とするセンサ付転動装置。 (12) 前記転動装置の外面に、その外面と、前記プ
リント基板の板方向とが平行になるように前記検出器が
設けられていることを特徴とする前記(11)に記載の
センサ付転動装置。 (13) 前記転動装置が転がり軸受であることを特徴
とする前記(11)又は(12)に記載のセンサ付転動
装置。 (14) 前記転動装置がボールねじであることを特徴
とする前記(11)又は(12)に記載のセンサ付転動
装置。 (15) 前記転動装置がリニアガイドであることを特
徴とする前記(11)又は(12)に記載のセンサ付転
動装置。
【0012】上記構成によれば、プリント基板が厚さ方
向に振動したとしても、その振動は振動検出素子で検出
されない。振動検出素子は、プリント基板の板方向(面
方向)に平行な振動を検出するからである。プリント基
板自身の板方向(長さ方向)の伸縮剛性は、厚さ方向の
曲げ剛性に比べて大きく、プリント基板自身の板方向の
固有振動数は高い。仮にプリント基板の板方向の固有振
動数でプリント基板が共振したとしても、その固有振動
数は高周波数であり、ローパスフィルタによって容易に
減衰・除去することができる。したがって、ローパスフ
ィルタの設定周波数(カットオフ周波数)以下の振動
を、振動検出素子によって正確に検出することができ
る。
【0013】そして、振動検出素子の出力信号を増幅器
で増幅してから外部に伝送することで、ノイズ等の影響
を受けずに、転動装置の状態を正確に外部に知らせるこ
とができる。なお、上記(8)においていう「転がり軸
受」には、複数の転がり軸受の外輪にハウジングが外嵌
されてなる、いわゆる軸受装置も、含まれる。
【0014】また、(6)〜(10)に示した構成の検
出器は、センサケースに貫通形成されたケーブル取出口
は、ケーブル挿通後に、ケーブル取出口とケーブルとの
間の隙間に防水材を充填することによって、隙間を封止
して防水性能を確保するもので、例えば充填する防水材
として所定の硬度(弾性)のシリコン樹脂等を使用する
ことで、長期に渡って安定した十分な防水性能を得るこ
とができ、センサケース内の浸水に起因した動作不良等
の発生を長期に渡って防止することができる。また、ケ
ーブル取出口への防水材の充填によって防水性能を確保
するため、センサケースから大きく突出するケーブルグ
ランドを使用する必要が無くなり、ケーブルグランドの
廃止によって、装置の小型化を実現することができる。
また、ケーブルグランドの廃止によって部品点数や組み
立て工程数が削減されて、コストの低減を図ることがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳しく説明する。図1に、本発明の第1の実施
の形態のセンサ付転動装置(センサ付軸受装置)10を
示す。センサ付転動装置10は、軸方向に間隔をあけて
配された一対の転がり軸受(ここでは玉軸受)11,1
1と、それら転がり軸受の外輪12,12に外嵌された
ハウジング18と、を備えた転がり軸受装置17に、セ
ンサユニット(検出器)20を取り付けた構成になって
いる。転がり軸受の内輪13,13に、軸15が内嵌さ
れている。ここでは、外輪12,12及びハウジング1
8が外方部材かつ静止部材として機能し、内輪13,1
3及び軸15が内方部材かつ可動部材として機能し、両
者の間には転動体(ここでは玉)14が配されている。
【0016】ハウジング18は円筒形状に形成されてお
り、一方の(図中右方の)転がり軸受11よりも軸方向
に突出して延びており、その端部には、エンドカバー1
9が固定されている。軸15は、ハウジング18内で、
エンドカバー19に至る手前で終端している。ハウジン
グ18のセンサユニット取付部は、円筒状でも、平面状
でもよい。
【0017】センサユニット20は、上方に開放した収
容部を持つセンサケース21、センサケース21の開放
部を覆うケースカバー22、センサケース21のケーブ
ル取出口を挿通するケーブル23を備え、センサケース
21内にセンサ本体24が収容されている。センサ本体
24は、プリント基板25に、振動センサ(加速度セン
サ)、温度センサ、及び信号を処理するための電子部品
などが実装されてなる。
【0018】図2(A)に示すように、センサケース2
1は、ハウジング18外面上に隙間無く置かれた取付板
21aと、取付板21aに立設された側板21bと、取
付板21aと同様にハウジング18外面上に隙間無く置
かれて側板21bより外周側に突出したフランジ21c
とを有している。取付板21aの取付面(ハウジング1
8外面に相対する面)は、ハウジング18外面にならっ
た形状にされている。取付板21aと側板21bとで囲
まれた収容空間に、センサ本体24が設置されている。
センサ本体24のプリント基板25は、その縁部を、側
板21bの内側で取付板21a上に設けられた支持台2
1dに固定されている(両持ち構造でもよいし、プリン
ト基板25の全周が固定されてもよい)。プリント基板
25は、ハウジング18の外面と平行に固定されてい
る。プリント基板25の支持台21d上に置かれた箇所
より内側の箇所は、取付板21aとの間に隙間をあけて
位置している。プリント基板25を支持台21d上に固
定するために、ここではねじ等の固定具を用いている
が、接着剤等を用いてもよい。プリント基板25の一方
の表面(図では上面;ケースカバー22側の面)には振
動検出素子30が実装され、プリント基板25の他方の
表面(図では下面;取付板21a側の面)には温度検出
素子31が実装されている。図示しないが、温度セン
サ、振動センサの取付は、逆でもよいし、一方の表面の
みでもよい。軸受装置の状態を監視するための検出素子
として、その他の検出素子を設けてもよい。また、速度
検出素子を設けてもよい。
【0019】センサケース21は、ハウジング18の外
面上に、ねじ等の機械的固定具を用いて固定することが
好ましい。こうすることで、軸受装置17にかかる振動
や温度をより正確かつ迅速に検出できる。また、センサ
ケース21とハウジング18の間に熱伝導を良くするペ
ーストや接着剤を充填すると、温度の測定精度が向上す
るので好ましい。
【0020】振動検出素子30は、プリント基板25に
表面実装されている。プリント基板25上には、振動検
出素子30以外に、検出信号の高周波成分を減衰除去す
るためのローパスフィルタや、信号を増幅するための増
幅回路、検出信号を電圧出力又は電流出力(電流ループ
出力)で出力するための出力回路及びそれらの回路を構
成する電子部品などが表面実装されている。このよう
に、プリント基板25上に全ての素子を表面実装する
と、プリント基板25をセンサケース21内に組み込む
だけで組立が完了するので、組立工数が少なくてすむ。
なお、検出素子や電子部品は、表面実装タイプに限ら
ず、リードが付いているタイプでもよい。リードタイプ
及び表面実装タイプの選定は、コスト、組立性などを考
慮して適宜選択する。
【0021】振動検出素子30の振動検出方向は、プリ
ント基板25の板方向と平行にされている。すなわち、
図中符号Vで示す方向の振動(ここではハウジング18
及び軸の軸線方向の振動)を、振動検出素子30は検出
する。この理由は、振動検出の方向をプリント基板25
の板と平行にしない場合は、プリント基板25の曲げ方
向の振動を検出してしまうためである。振動検出素子3
0は、軸受装置17に作用する振動を常時検出して振動
の信号(値)を出力し、その振動信号(値)を同じくプ
リント基板25に実装された電子部品に供給する。電子
部品は、振動検出素子30から与えられた振動信号
(値)を処理し、電圧信号又は電流信号として出力す
る。
【0022】また、振動検出方向は、プリント基板25
の板と平行な方向であれば、一方向でも、二方向でも、
又はそれ以上でもよい。例えば、図2(B)に示すよう
に、直交する二方向の振動V1,V2を検出するように
できる。このように二方向の振動を検出する場合、その
値を合成することで、プリント基板25に平行な全方向
の振動を検出することができる。
【0023】一般にプリント基板25の曲げ方向の剛性
は、プリント基板25の板方向の伸縮の剛性より小さ
い。そのため、プリント基板25の曲げ方向の固有振動
数は、板の伸縮方向の固有振動数より低い。測定しよう
としている外部振動にこの固有振動数を含む周波数帯域
があると、プリント基板25が曲げ方向に共振してしま
う。この際、振動の検出方向をプリント基板25と平行
にしていない場合は、プリント基板25の曲げ方向の共
振の振動を測定してしまい、本来の振動波形を正確に測
定することができない。それに対し、本実施形態のよう
に、振動検出方向をプリント基板25の板と平行な方向
にしておくと、曲げ方向の振動は検出しないので、本来
の振動波形を正確に測定することができる。
【0024】なお、この曲げ方向の固有振動数は、一般
に1〜4kHzに存在することが多く、測定したい周波
数帯域と重複することが多い。それに対し、プリント基
板25の伸縮方向の固有振動数はその剛性が大きいの
で、10kHz以上にあることが多く、測定したい周波
数帯域より高くなる。したがって、振動検出素子30の
振動検出方向をプリント基板25の板方向(長さ方向)
と平行にすることで、測定対象の振動を精度良く測定す
ることができる。この際、ローパスフィルタを用いて、
測定対象周波数を超える周波数成分の振動を減衰・除去
すると、振動の測定精度をさらに向上させることができ
る。
【0025】なお、ローパスフィルタが不要な場合は、
ローパスフィルタを省いてもよいが、プリント基板25
や振動検出素子の固有振動数成分の振動を除去するため
には、ローパスフィルタを設けた方が良い。測定対象の
振動周波数が2〜4kHz以下の場合で、プリント基板
25の板方向の固有振動数が約10kHz、振動検出素
子の固有振動数が約30kHzの場合は、設定周波数が
5〜6kHzのローパスフィルタを設けるのが好まし
い。この際、ローパスフィルタは、測定対象の周波数以
上で、且つ除去したい固有振動数の1/2の周波数以下
に設定するのが好ましい。この条件を満足できない場合
は、ローパスフィルタの設定周波数は、測定対象周波数
以上で、且つ除去したい固有振動数成分の1/2になる
べく近い周波数に設定するのが好ましい。また、ローパ
スフィルタは、1次のフィルタでもよいが、4次フィル
タのような高次のフィルタを設けると固有振動数成分の
振動を効率良く減衰させることができる。
【0026】なお、振動検出素子30の固有振動数での
振動の値は極端に大きくなることがあり、その値をその
まま増幅すると、増幅器の増幅の上限を超えてしまい、
増幅後の波形が変形する場合がある。そのため、少なく
とも振動検出素子30の固有振動数成分の振動は、ロー
パスフィルタで減衰させるのが好ましい。
【0027】振動検出素子30としては、シリコン加速
度センサを用いることもできる。これは、シリコン・マ
イクロマシン部品(機械素子)を電子回路と同一のシリ
コン基板上に集積することにより、小型化、高性能化及
び低コスト化を図ったものである。シリコン加速度セン
サは、フォトリソグラフィなどICの製造技術を利用し
て製造される。しかしシリコン加速度センサに限定はさ
れず、振動検出素子30として、圧電素子を使用したバ
イモルフ型の振動センサや、圧電素子と重錘を組合せた
振動センサ、あるいは片持ちはり構造の振動センサ等の
ほか、圧電素子の代わりにひずみゲージを利用した振動
センサなどを用いてもよい。また、表面実装タイプの振
動検出素子でなく、リードタイプの振動検出素子でもよ
い。
【0028】本実施形態では、振動検出素子だけでな
く、温度検出素子31も設けることで、軸受装置の温度
も測定して、振動による異常検出だけでなく、温度によ
っても異常を検出できる。なお、振動検出素子30と温
度検出素子31とを、同一のプリント基板25に一体に
設けることで、それぞれのセンサを個別に取り付ける場
合に比べて取付工数を削減できる。また、取付スペース
も小さくできる。
【0029】プリント基板25から延びた配線(図示せ
ず)は、センサケース21又はケースカバー22に貫通
形成されたケーブル取出口(図示せず)を挿通して外部
に延びたケーブル23に電気的に接続されている。ケー
ブル23を介して外部に伝送する信号は、電圧出力でも
よいし、電流出力でもよい。電流出力の場合は、電流ル
ープ出力にすると、ノイズの影響を受けにくくなるので
好ましい。電流ループ出力の場合は、ケーブル23の信
号線と電源線をツイストしておくとノイズの影響をさら
に受けにくくなるのでより好ましい。また、電圧出力の
場合も、ケーブル23の信号線をツイストしておく方が
ノイズの影響を受けにくいので好ましい。なお、本実施
形態では、ケーブル23で信号を取り出したが、無線な
どを使用しワイヤレスで信号を伝送してもよい。ワイヤ
レスの場合は、可動部材側(内輪13や軸15)にセン
サを設けてもよい。
【0030】センサケース21内にプリント基板25を
固定するために、ねじや接着剤を用いる他に、エポキシ
樹脂などのモールド材をセンサケース21内にモールド
して固定してもよい。また、ねじで固定した場合、その
後にエポキシ樹脂などでモールドしてもよい。また、防
水のため、軟らかいシリコン樹脂やシリコンゲルなどを
充填してもよい。なお、エポキシ樹脂のような硬い樹脂
でモールドする場合は、検出素子や電子部品部分をシリ
コン樹脂等のやわらかい樹脂で被覆した後に、モールド
材でモールドするのが良い。この際、発泡性の樹脂(発
泡性シリコン樹脂など)をやわらかい樹脂の上に覆った
後にモールド材でモールドすると、温度変化による熱膨
張率差によって発生する圧力を緩和できるので、圧力に
よる検出素子や電子部品の破損を防止できるので、さら
に好ましい。
【0031】本実施形態におけるプリント基板25上の
振動信号用の電子回路は、図3に示すような回路構成に
することができる。図3(A)は、振動検出素子30の
出力信号を増幅器(オペアンプ)34によって増幅した
後に、ローパスフィルタ33を通過させる方式を示す。
振動検出素子30の出力端子には、バッファアンプ3
2,32が接続され、各バッファアンプ32の出力端子
は、差動増幅器としてのオペアンプ34の入力端子に接
続されている。図3(B)は、振動検出素子30の出力
信号をローパスフィルタ33に通し、その後にオペアン
プ34で増幅させる方式を示す。振動検出素子30の出
力端子には、バッファアンプ32,32が接続され、各
バッファアンプ32の出力端子は、ローパスフィルタ3
3,33に接続されている。また、各ローパスフィルタ
33,33の出力端子は、差動増幅器としてのオペアン
プ34の入力端子に接続されている。
【0032】図3(A)及び(B)に示すいずれの方式
も採用可能である。図3(A)の方式においても、不要
な高周波成分の振動は除去できる。しかし、固有振動数
成分の振動値が極端に大きい場合は、増幅時に増幅の上
限を超えてしまい、振動波形が歪む場合がある。それに
対し、図3(B)の方式では、最初に固有振動数成分の
振動をローパスフィルタで減衰・除去し、その後に増幅
するので、固有振動数成分の振動によって波形が歪むこ
とがないので、さらに好ましい。バッファアンプ32,
32は、高入力インピーダンスかつ低出力インピーダン
スに構成され、これにより信号伝達中におけるノイズの
影響を抑制できる。すなわち、振動検出素子30の高イ
ンピーダンスの出力信号を、バッファアンプ32を介し
てローパスフィルタ33に供給することで、ノイズの影
響をさらに抑制できる。ローパスフィルタ33,33
は、振動検出素子30の振動信号(検出信号)は通過さ
せるが、より高周波の固有振動数成分(共振周波数成
分)はカットするように、カットオフ周波数を設定され
ている。このように、振動検出素子30の出力信号をロ
ーパスフィルタ33に通し、プリント基板25や振動検
出素子30の片持ち梁構造又は両持ち梁構造の固有振動
数成分を減衰させた後に、オペアンプ34で増幅する
と、固有振動数成分の信号は増幅されない。
【0033】軸受装置17ないしセンサユニット20
に、プリント基板や振動検出素子の固有振動数に近い加
振周波数成分が加わると、図4(A)に示すように振動
検出素子30の出力は、検出信号Vに共振周波数成分が
重畳された信号Nとなる。しかし、ローパスフィルタ3
3,33からは、図4(B)に示すように検出信号Vの
みが得られる。この検出信号Vが、次段のオペアンプ3
4に供給される。そしてオペアンプ34は、図4(C)
に示すような増幅された出力信号Voを出力する。出力
信号Voは、ケーブル23を介して、図示しないモニタ
ー装置や計測器等に伝送される。こうして、軸受装置1
7の状態を、正確に外部に知らせることができる。
【0034】図5は、本発明に係るセンサユニット(検
出器)の第2の実施の形態を示したものである。ここに
示したセンサユニット20Aは、ケーブル取出口の防水
性を確保するために改良したもので、ケーブル取出口に
おける防水構造以外の構成は、図2(A)に示したセン
サユニット(検出器)20と共通であり、共通する部位
には同番号を付して、説明を省略又は簡略化する。
【0035】センサユニット20Aは、上方に開放した
収容部を持つセンサケース21と、センサケース21の
開放部を覆うケースカバー22と、センサケース21の
ケーブル取出口を挿通するケーブル23とを備え、セン
サケース21内にセンサ本体24が収容されている。セ
ンサ本体24は、プリント基板25に、振動検出素子3
0及び温度検出素子31、及び信号を処理するための各
種の電子部品などが実装されてなる。
【0036】ケーブル23は、図示のように、前記セン
サケース21の側板21bに貫通形成されたケーブル取
出口41を挿通して装備されている。そして、このケー
ブル23の一端(センサケース21内に位置するケーブ
ル端)は、外部被覆が除去されてケーブルを構成する配
線23aがむき出しにされ、各配線23aがプリント基
板25の接続端子部に、半田付け等によって接続されて
いる。このようなプリント基板25との接続によって、
ケーブル23は、プリント基板25に搭載された各検出
素子や電子部品等への給電及び信号の送受を果たす。ケ
ーブル取出口41を通ってセンサケース21の外部に取
り出されたケーブル23の他端は、図示はしていない
が、検出素子の検出信号から転動装置の異常の有無を診
断する測定装置や電源回路等に接続される。
【0037】本実施の形態において、ケーブル取出口4
1は、側板21bを水平に貫通している断面円形状の孔
であるが、内径が一定ではなく、ケース内に臨む細径の
ケーブル固定用穴42と、ケース外部に臨む太径の防水
材充填用穴43とによって、段付き穴に形成されてい
る。
【0038】細径のケーブル固定用穴42は、挿通する
ケーブル23との間の隙間に接着剤44を充填して、ケ
ーブル23を固定するためのもので、ケーブル23との
間の隙間が1mm以下となるように内径を設定してい
る。このようにケーブル23との間の隙間を1mm以下
に設定しておくと、挿通したケーブル23が大きくガタ
つくことがなく、また、接着剤の塗布時に接着剤が不用
意に流動せず、ケーブル23の固定が速やかに、且つ確
実にできるようになる。
【0039】太径の防水材充填用穴43は、挿通するケ
ーブル23との間の隙間に防水材45を充填して、ケー
ブル挿通部に外部からの雨水や塵埃等の侵入を防止する
防水性を得るためのもので、ケーブル23との間の隙間
が5mm以下で、且つ細径のケーブル固定用穴42との
間の段差が0.1mm以上となる適宜値に内径を設定し
ている。防水材充填用穴43の穴径を設定しておくと、
ケーブル固定用穴42に塗布した余分な接着剤が防水材
充填用穴43側に溢れても、溢れた接着剤で防水材充填
用穴43が占有されることがなく、防水材45の充填量
のばらつきを少なくして、安定した防水性能を得ること
が可能になる。
【0040】ケーブル固定用穴42の長さL1と、防水
材充填用穴43の長さL2は、本実施の形態の場合はL
1:L2=6:4程度に設定しているが、ケーブル固定
用穴42におけるケーブルの接着強度や、防水材45に
おける防水性能が確保できれば、それぞれの長さL1,
L2は上記実施の形態に限定するものではない。
【0041】防水材45としては、耐熱性及び耐候性に
優れ、且つ接着性があるシリコン樹脂が好ましい。な
お、センサユニットの設置環境の温度変化等による熱膨
張差等でケーブル取出口41との間に剥離や隙間が生じ
ることの無いように、使用するシリコン樹脂の硬度はあ
まり硬過ぎず、適度な弾性を持つものを選択することが
好ましい。そこで、本実施の形態では、防水材45とし
て、硬度がデュロメータAで10〜80であるシリコン
樹脂を採用している。
【0042】このような硬度のシリコン樹脂は、センサ
ユニットの設置環境の温度変化等によるケーブル23と
センサケース21との間の熱膨張差で、防水材充填用穴
43とケーブル23との間の隙間の間隔が変動しても、
シリコン樹脂の保有する弾性によって、隙間間隔の変動
を許容することができ、シリコン樹脂の接着面に剥離等
が生じることがなく、良好な防水性能を維持することが
できる。
【0043】以上に説明したセンサユニット20Aで
は、センサケース21に貫通形成されたケーブル取出口
41に挿通したケーブル23は、接着剤44によってケ
ーブル固定用穴42に接着固定した後、防水材充填用穴
43とケーブル23との間の隙間に防水材45が充填さ
れる。この防水材45の充填によって、防水材充填用穴
43とケーブル23との間の隙間が封止されて、防水性
能が確保される。従って、充填する防水材として適正な
の硬度(弾性)のシリコン樹脂等を採用することで、周
囲の温度変化等の影響を受けずに、長期に渡って安定し
た十分な防水性能を得ることができ、センサケース21
内の浸水に起因した動作不良等の発生を長期に渡って防
止することができる。
【0044】また、ケーブル取出口41への防水材の充
填によって防水性能を確保するため、センサケース21
から大きく突出するケーブルグランドを使用する必要が
無くなり、ケーブルグランドの廃止によって、装置の小
型化を実現することができる。また、ケーブルグランド
の廃止によって部品点数や組み立て工程数が削減され
て、コストの低減を図ることができる。
【0045】更に、ケーブル取出口41を挿通したケー
ブル23は、接着剤44によってケーブル取出口41の
一部であるケーブル固定用穴42に強固に接着・固定さ
れているため、センサケース21の外部の振動等でケー
ブル23に張力が作用したとしても、その張力がセンサ
ケース21内でケーブル23とプリント基板25との接
続部に作用することが防止される。従って、外部の振動
等がケーブル23を介してプリント基板25上の接続部
に作用して、プリント基板25が破損したり、あるいは
ケーブル23とプリント基板25との接続部がダメージ
を受けることがない。
【0046】図6は、ケーブル取出口41におけるケー
ブル23の固定構造を更に改善したものである。この実
施の形態では、ケーブル取出口41が、ケース内に臨む
細径のケーブル固定用穴42と、ケース外部に臨む太径
の防水材充填用穴43とから構成されて段付き穴となっ
ている点、ケーブル固定用穴42の隙間には接着剤44
を充填してケーブル23の接着固定を行う点、防水材充
填用穴43の隙間には防水材45を充填して防水性を確
保する点は、第2の実施の形態の場合と共通している。
しかし、本実施の形態では、ケーブル固定用穴42のケ
ース内側は、ケース内方に向かって内径が徐々に拡径す
るテーパ穴42aになっている。そして、ケーブル取出
口41を挿通するケーブル23に、前記センサケース2
1の内側からテーパ穴42aに嵌合するテーパ状のブッ
シュ47を装着している。ブッシュ47は、図示はして
いないが、拡径又は縮径が可能なように、軸線方向に沿
って周壁が切り離されている。
【0047】このように、テーパ状のブッシュ47を採
用した構造では、ケーブル23に外方への張力が作用し
た場合に、ブッシュ47がテーパ穴42a及びケーブル
23の外周に食い込む楔効果を発生して、ケーブル23
の抜けを防止する。そのため、外部からの張力に対する
固定強度が強化される。ブッシュ47がテーパ穴42a
及びケーブル23の外周に食い込む楔効果は、上記のよ
うに、ブッシュ47の周壁を軸線方向に切り離した構成
としておくことによって一層顕著に得られるが、切り離
しのない単純なテーパ状でも、構わない。また、ブッシ
ュ47は、予め、適宜接着剤によってケーブル23の外
周面に接着固定しておいても良い。
【0048】更に、上記の第2の実施の形態や第3の実
施の形態において、接着剤44や防水材45が接触する
ケーブル23の外周面は、予め、粗面加工や化学的な表
面処理を施しておくことで、接着剤44や防水材45と
の接着強度を向上させたり、あるいは、シリコン樹脂の
硬化阻害を防止すると良い。また、上記の実施の形態で
は、防水材として、シリコン樹脂を採用したが、耐熱
性,耐候性,接着性,弾性等で同等の性能を有するその
他の樹脂を利用することが可能である。
【0049】更に、以上のセンサユニット20,20A
では、センサケース21内には、検出素子として、振動
検出素子と温度検出素子とを装備した。しかし、装備す
る検出素子は上記実施の形態に限定するものではない。
センサケース21内に装備する検出素子は、単一又は複
数でも良く、温度検出素子、振動検出素子、速度検出素
子の少なくとも一つ以上が装備されて、転動装置の状態
を検出するものであればよい。
【0050】また、本発明は、以上に説明した各実施の
形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が
可能である。例えば、上記実施形態では、ケーブル23
で信号を取り出していたが、無線などを使用してワイヤ
レスで信号を伝送してもよい。ワイヤレスの場合は、可
動輪側に(可動部材側に)センサユニットを設けてもよ
い。また、ローパスフィルタ33やオペアンプ34は複
数段設けてもよい。オペアンプ部にフィルタを併設する
こともできる。また、軸受装置17における転がり軸受
は玉軸受に限らず、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受や、各
種の複列軸受でもよい。
【0051】更に、軸受装置17に限らず、図7に示す
ようにボールねじ50に本発明を適用することもでき
る。ボールねじ50では、ナット51にセンサユニット
60を取り付けることにより、ねじ軸52とナット51
との係合部における剥離等の異常を検知することができ
る。なお、センサユニット60の取付け相手はナット5
1に限らず、ねじ軸52をサポートしている固定側のサ
ポートユニット53や単純支持側のサポートユニット5
4に取り付けてもよい。ねじ軸52はロックナット55
により固定側のサポートユニット53に軸方向に固定さ
れており、カップリング56を介して結合された駆動モ
ータ57によって回転する。また、ボールねじに限ら
ず、リニアガイドやその他の直同部品における可動部や
レールにセンサユニット60を取り付けることによっ
て、剥離等の異常を検知することもできる。
【0052】また、図8に示すように、上述したセンサ
ユニット20を、別のセンサユニット90とともに、転
動装置に設けることもできる。センサユニット90は、
ハウジング88の内面と外面とを貫通する取付孔88a
に挿通されている。ハウジング88内における軸85の
端部には、被検出部材としての速度検出用歯車86が設
けられている。速度検出用歯車86は、鋼材等の磁性金
属材料からなり、その外周縁部における磁気特性を円周
方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。軸8
5が回転することで、歯車86が回転する。速度検出用
歯車86の代わりに、S極、N極が互い違いに着磁され
た磁極部がその外周面に形成された速度検出用エンコー
ダを採用することもできる。センサユニット90のプリ
ント基板95の先端部には、速度センサ101が配置さ
れている。センサユニット90をハウジング88に取り
付けた際に、速度センサ101はハウジング88の内面
より突出した位置で速度検出用歯車86に近接配置され
る。このように、速度検出用歯車86の最も近くに速度
センサ101を配置することで、速度を正確に測定でき
るようにしている。速度センサ101は、軸85が回転
する際に、速度検出用歯車86の磁気特性の変化による
変動磁束(磁束量の変化)に基づいてパルス状の速度信
号を出力する。こうして、軸85の回転速度も測定し
て、異常検出をより確実に行うことができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の検出器の
ように、プリント基板に搭載された振動検出素子による
振動検出方向を、プリント基板の面に沿う方向に設定す
れば、プリント基板自体に発生する板厚方向の振動は、
振動検出素子の検出対象にならない。従って、転動装置
の振動等の状態を正確に外部に知らせることができる検
出器及びセンサ付転動装置を提供できる。
【0054】また、本発明の検出器は、センサケースに
貫通形成されたケーブル取出口に防水材を充填すること
によって、ケーブル取出口の防水性能を確保するもの
で、防水材を適宜に選定することで、長期に渡って安定
した十分な防水性能を得ることができ、センサケース内
の浸水に起因した動作不良等の発生を長期に渡って防止
することができる。また、ケーブル取出口への防水材の
充填によって防水性能を確保するため、センサケースか
ら大きく突出するケーブルグランドを使用する必要が無
くなり、ケーブルグランドの廃止によって、装置の小型
化を実現することができる。また、ケーブルグランドの
廃止によって部品点数や組み立て工程数が削減されて、
コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセンサ付転動装置の第1の実施の
形態の縦断面図である。
【図2】図1に示したセンサ付転動装置における検出器
(センサユニット)の拡大図である。
【図3】図2の検出器の回路構成を示す回路図である。
【図4】図2の検出器の回路動作を示す波形図である。
【図5】本発明に係るセンサ付転動装置の検出器の第2
の実施形態の拡大断面図である。
【図6】本発明に係るセンサ付転動装置の検出器の第3
の実施形態の要部の拡大断面図である。
【図7】本発明が適用されるボールねじを示す図であ
る。
【図8】本発明に係るセンサ付転動装置の第4の実施形
態の拡大断面図である。
【図9】従来のセンサ付転動装置の断面図である。
【図10】従来例における回路動作を示す波形図であ
る。
【符号の説明】
10 センサ付軸受装置(センサ付転動装
置) 11 転がり軸受 12 外輪 13 内輪 15 軸 17 転がり軸受装置(転動装置) 20,20A センサユニット(検出器) 23 ケーブル 25 プリント基板 30 振動検出素子 32 バッファアンプ 33 ローパスフィルタ 34 オペアンプ(増幅器) 41 ケーブル取出口 42 ケーブル固定用穴 42a テーパ穴 43 防水材充填用穴 44 接着剤 45 防水材 47 ブッシュ 50 ボールねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 茂 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 森田 耕一 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 2G024 AD18 BA11 CA13 CA17 2G064 AA17 AB22 BA15 BD18 CC02 CC13 3J101 AA01 AA62 AA81 BA77 FA24 GA01 GA11 GA53 GA60

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転動装置の状態を検出する検出器であっ
    て、プリント基板と、前記プリント基板に実装された振
    動検出素子とを少なくとも有し、前記プリント基板の板
    方向と、前記振動検出素子の振動検出方向とが平行に設
    定されていることを特徴とする検出器。
  2. 【請求項2】 前記振動検出素子の出力信号に重畳され
    た固有振動数成分を減衰させるローパスフィルタと、前
    記ローパスフィルタの出力信号を増幅する増幅器とを備
    えていることを特徴とする請求項1に記載の検出器。
  3. 【請求項3】 前記振動検出素子の出力信号がバッファ
    アンプを介して前記ローパスフィルタに供給されること
    を特徴とする請求項2に記載の検出器。
  4. 【請求項4】 前記振動検出素子として、圧電素子、ひ
    ずみゲージ、シリコン加速度センサの少なくとも一つが
    用いられていることを特徴とする請求項1から3のいず
    れか1つに記載の検出器。
  5. 【請求項5】 前記プリント基板に、更に温度検出素子
    が実装されていることを特徴とする請求項1から4のい
    ずれか1つに記載の検出器。
  6. 【請求項6】 転動装置の状態を検出する検出器であっ
    て、転動装置の状態に関係する物理量を検出する検出素
    子及び電子部品が実装されたプリント基板と、前記プリ
    ント基板を収容するセンサケースと、前記センサケース
    に貫通形成されたケーブル取出口を挿通して前記センサ
    ケース内に位置する一方の端部がセンサケース内の回路
    に接続されると共に、外部に位置する他方の端部が外部
    の回路に接続されるケーブルとを備え、前記ケーブル取
    出口と前記ケーブルとの間の隙間に、防水材を充填した
    ことを特徴とする検出器。
  7. 【請求項7】 前記センサケース内に位置するケーブル
    端がセンサケース内の前記プリント基板に接続されてい
    ることを特徴とする請求項6に記載の検出器。
  8. 【請求項8】 前記ケーブル取出口を挿通するケーブル
    に、前記センサケースの内側から前記ケーブル取出口に
    嵌合するテーパ状のブッシュを装着していることを特徴
    とする請求項6又は7に記載の検出器。
  9. 【請求項9】 前記防水材は、シリコン樹脂で、その硬
    度がデュロメータAで10〜80であることを特徴とす
    る請求項6から8のいずれか1つに記載の検出器。
  10. 【請求項10】 前記検出素子が、温度検出素子、振動
    検出素子、速度検出素子の少なくとも一つであることを
    特徴とする請求項6から9のいずれか1つに記載の検出
    器。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか1つに記
    載の検出器を転動装置に備え、前記検出器により前記転
    動装置の状態を検出することを特徴とするセンサ付転動
    装置。
  12. 【請求項12】 前記転動装置の外面に、その外面と、
    前記プリント基板の板方向とが平行になるように前記検
    出器が設けられていることを特徴とする請求項11に記
    載のセンサ付転動装置。
  13. 【請求項13】 前記転動装置が転がり軸受であること
    を特徴とする請求項11又は12に記載のセンサ付転動
    装置。
  14. 【請求項14】 前記転動装置がボールねじであること
    を特徴とする請求項11又は12に記載のセンサ付転動
    装置。
  15. 【請求項15】 前記転動装置がリニアガイドであるこ
    とを特徴とする請求項11又は12に記載のセンサ付転
    動装置。
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