JP2009036335A - 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 - Google Patents

回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 Download PDF

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篤正 中村
Yuushiro Ono
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Abstract

【課題】センサホルダの剛性を高めてクリープ変形を防止すると共に、他部品との密着性を向上して長期間に亘って気密性と耐久性を高めた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】外方部材3の端部にシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形で形成されて回転速度センサ29が包埋されたセンサホルダ20を備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、シール11が、センサホルダ20がインサート成形された芯金24、およびこれに接合されたシール部材25からなる環状のシール板21と、内輪6に圧入されたスリンガ22と、周方向交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダ28を有するパルサリング23とを備え、センサホルダ20にガラス繊維が10〜45wt%充填されると共に、センサホルダ20の硬度がデュロメータAで10〜90の範囲に設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等の車輪の回転速度を検出する回転速度センサを内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御するために車輪の回転速度を検出する装置が軸受に内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知られている。従来、このような車輪用軸受装置は、転動体を介して転接する内方部材および外方部材の間にシール装置が設けられ、円周方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコーダを前記シール装置に一体化させると共に、磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに対面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコーダの磁極変化を検出する回転速度センサとで回転速度検出装置が構成されている。
前記回転速度センサは、懸架装置を構成するナックルに車輪用軸受装置が装着された後、当該ナックルに装着されているものが一般的である。しかし、この回転速度センサと磁気エンコーダとのエアギャップ調整作業の煩雑さを解消すると共に、よりコンパクト化を狙って最近では、回転速度センサをも軸受に内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が提案されている。
このような回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一例として図5に示すような構造が知られている。この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、ハブ輪55と複列の転がり軸受50と等速自在継手61が着脱自在にユニット化されている。複列の転がり軸受50は、外方部材51と内方部材52と複列のボール53、53とを備えている。外方部材51は、外周に懸架装置を構成するナックル54に取り付けられるための車体取付フランジ51bを一体に有し、内周に複列の外側転走面51a、51aが一体に形成されている。
一方、内方部材52は、ハブ輪55と、このハブ輪55に固定された内輪56とからなる。ハブ輪55は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ55dを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面51a、51aの一方に対向する内側転走面55aと、この内側転走面55aから軸方向に延びる円筒状の小径段部55bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション55cが形成されている。
内輪56は、外周に前記複列の外側転走面51a、51aの他方に対向する内側転走面56aが形成され、ハブ輪55の小径段部55bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、小径段部55bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部57によって内輪56が軸方向に固定されている。
外方部材51の複列の外側転走面51a、51aと、これらに対向するハブ輪55の内側転走面55aおよび内輪56の内側転走面56a間には複列のボール53、53が収容され、保持器58、58によって転動自在に保持されている。また、外方部材51と内方部材52との間に形成される環状空間の開口部にはシール59、60が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
等速自在継手61は、外側継手部材62と継手内輪63とケージ64およびトルク伝達ボール65からなる。外側継手部材62は、カップ状のマウス部66と、このマウス部66の底部をなす肩部67と、この肩部67から軸方向に延びる軸部68とを一体に有している。軸部68の外周にはハブ輪55のセレーション55cに係合するセレーション68aと、このセレーション68aの端部に雄ねじ68bが形成されている。そして、ハブ輪55にこの外側継手部材62がセレーション55c、68aを介してトルク伝達可能に内嵌され、雄ねじ68bに締結された固定ナット69によってハブ輪55と外側継手部材62が着脱自在にユニット化されている。
シール60は、図6に示すように、第1のシールリング70と第2のシールリング71とが組み合わされた、所謂パックシールで構成されている。第1のシールリング70は外方部材51に装着され、断面が略L字状に形成された芯金72と、この芯金72に被着され、主リップ73aと補助リップ73bからなるシール部材73とからなる。
第2のシールリング71は内輪56に装着され、断面が略L字状に形成された芯金74と、この芯金74に被着されたラジアルリップ75とからなる。この第2のシールリング71にパルサリング76が取り付けられている。パルサリング76は、芯金74に外嵌され、断面が略コの字状に形成された芯金77と、この芯金77に被着された多極磁石ロータ78からなる。この多極磁石ロータ78は、磁性粉を含有したゴムまたは樹脂を加硫接着して周方向交互にN極、S極を配置するように径方向から着磁されている。
ここで、第1のシールリング70における芯金72の外周面全周にはセンサホルダ79が積層されている。このセンサホルダ79はポリフェニレンサルファイド(PPS)等の非磁性の樹脂材で形成され、磁気センサ80が埋設されている。そして、センサホルダ79の円周所定位置には、磁気センサ80と車体の電子回路に接続されたハーネス(図示せず)とを結線する雌型のコネクタ81が径方向外方に突出する状態で一体に形成されている。
このように、ラジアルリップ75がパルサリング76よりも外側に配置されているので、パルサリング76がダスト等により汚れるのを防止することができると共に、第1のシールリング70の主リップ73aおよび補助リップ73bによってボール53および転走面から隔離されているので、ボール53の回転によって生じる金属摩耗粉等がパルサリング76に付着するのを防止することができ、検出精度の低下を回避することができる。
特開2005−98332号公報
然しながら、こうした従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、センサホルダ79の円周所定位置に雌型のコネクタ81が径方向外方に垂直に突出した状態で一体形成されているため、コネクタ81の接続時に圧入固定部に無理な力が作用し、第1のシールリング70や磁気センサ80の位置精度が崩れるだけでなく、樹脂製のセンサホルダ79自体が損傷する恐れがある。また、このセンサホルダ79は粘弾性材料である樹脂製のため、圧入固定部が歪み、経年変化によってクリープ変形する恐れがある。このクリープ変形によって固定力が低下するとセンサホルダ79が位置ずれを起こし、速度検出機能を満足しなくなってしまう。
さらに、寒冷地や温度変化が激しい厳しい環境で使用された場合、温度変化による熱膨張で外方部材51との嵌合面や回転速度センサ80やハーネス等との接触面に剥離やすきまが生じて密着性が低下し、樹脂製のセンサホルダ79に劣化、硬化、ひび割れ等が生じると、長期間に亘って外方部材51と間に充分な気密性を維持することができなくなる恐れがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、センサホルダの剛性を高めてクリープ変形を防止すると共に、他部品との密着性を向上して長期間に亘って気密性と耐久性を高めた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部にシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記シールのうちインナー側のシールが、前記センサホルダがインサート成形され、鋼板からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して前記内輪の外径に圧入され、鋼板からプレス加工によって形成されたスリンガと、円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化するように構成され、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙した磁気エンコーダとを備え、前記センサホルダに繊維状強化材が所定量充填されると共に、当該センサホルダの硬度がデュロメータAで10〜90の範囲に設定されている。
このように、外方部材のインナー側の端部にシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダを備えた内輪回転タイプの回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、シールのうちインナー側のシールが、センサホルダがインサート成形され、鋼板からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して内輪の外径に圧入され、鋼板からプレス加工によって形成されたスリンガと、円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化するように構成され、回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙した磁気エンコーダとを備え、センサホルダに繊維状強化材が所定量充填されると共に、当該センサホルダの硬度がデュロメータAで10〜90の範囲に設定されているので、センサホルダの耐熱性が向上し、弾性率の増大により剛性が高くなり、外方部材に直接圧入されるこの種のセンサホルダにおいて、嵌合部が歪んで経年変化でクリープ変形が生ずるのを防止することができ、固定力の低下によるセンサホルダの位置ずれを防止することができると共に、温度変化による熱膨張差で外方部材との嵌合面やモールド部品との接触面に剥離やすきまが生じるのを抑制して密着性を向上させることができ、長期間に亘って所望の速度検出機能を満足することができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記繊維状強化材が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維のいずれかからなり、充填量が10〜45wt%の範囲に設定されていれば、その効果が充分に発揮されると共に、成形品内の繊維が異方性を引き起こし、密度が大きくなって寸法安定性が低下するのを防止することができる。
また、請求項3記載の発明のように、前記センサホルダの円周所定位置に前記回転速度センサと電子回路に接続されたハーネスとを結線するコネクタが径方向外方に所定の角度傾斜して突設されると共に、このコネクタに凹所が形成され、この凹所が前記外方部材のインナー側の端部を覆うように所定のシメシロを介して前記外方部材に嵌合固定されていれば、ハーネスを結線する際、コネクタに直接圧入力が加わらずに圧入力は外方部材の端部で受けることになるので、コネクタに無理な力が作用してシールや回転速度センサの位置精度が崩れることはなく、信頼性と組立性の向上を図ると共に、組立精度を高めることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記スリンガが、前記内輪の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とからなる断面が略L字状に形成され、この立板部の端部にラジアルリップが一体に接合されると共に、鋼板からプレス加工によって断面が略コの字状に形成され、前記スリンガの円筒部に外嵌固定される円筒状の内径部と、この内径部から径方向外方に延びる立板部、およびこの立板部から軸受内方側に延びる円筒状の外径部からなる芯金と、この芯金の外径部に一体に接合された前記磁気エンコーダとからなるパルサリングを備え、前記スリンガのラジアルリップが前記シール板の芯金に摺接されていれば、磁気エンコーダがダスト等により汚れるのを防止することができるので、長期間に亙って所望の検出精度を維持することができる。
好ましくは、請求項5に記載の発明のように、前記シール部材が複数のシールリップを一体に有し、これらシールリップが前記パルサリングの芯金に摺接されていれば、転動体および各転走面から隔離され、転動体の回転によって生じる金属摩耗粉等が磁気エンコーダに付着するのを防止することができ、長期間に亙って所望の検出精度を維持することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記スリンガが、前記内輪の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部、およびこの立板部から軸受内方側に延びる円筒状の外径部からなる断面が略コの字状に形成され、このスリンガの外径部に前記磁気エンコーダが一体に接合されると共に、前記シール部材が複数のシールリップを一体に有し、これらシールリップが当該スリンガに摺接されていれば、部品点数を削減して低コスト化とコンパクト化を図ることができると共に、転動体および各転走面から隔離され、転動体の回転によって生じる金属摩耗粉等が磁気エンコーダに付着するのを防止することができる。
好ましくは、請求項7に記載の発明のように、前記磁気エンコーダのインナー側の端部に環状壁が突出して形成され、前記シール板における芯金の円筒部に僅かな径方向すきまを介して対峙してラビリンスシールが構成されていれば、部品点数を削減して低コスト化とコンパクト化を図ることができると共に、磁気エンコーダの検出部に外部から直接雨水やダスト等が侵入するのを防止し、密封性を向上することができる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記磁気エンコーダがエラストマに磁性体粉が混入されたゴム磁石からなり、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されると共に、前記センサホルダが非磁性の合成樹脂で形成され、かつ、前記シール板の芯金がオーステナイト系ステンレス鋼鈑で形成されていれば、磁気検出に悪影響を及ぼさず、検出精度を向上させることができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部にシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記シールのうちインナー側のシールが、前記センサホルダがインサート成形され、鋼板からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して前記内輪の外径に圧入され、鋼板からプレス加工によって形成されたスリンガと、円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化するように構成され、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙した磁気エンコーダとを備え、前記センサホルダに繊維状強化材が所定量充填されると共に、当該センサホルダの硬度がデュロメータAで10〜90の範囲に設定されているので、センサホルダの耐熱性が向上し、弾性率の増大により剛性が高くなり、外方部材に直接圧入されるこの種のセンサホルダにおいて、センサホルダの剛性を確保してクリープ変形を防止すると共に、寒冷地や温度変化が激しい厳しい環境で使用されても、その弾性によって良好な密着性を維持して接触面にすきまが発生するのを許容し、また、外方部材との嵌合面に剥離等が発生するのを防止し、気密性を高めた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部に所定のシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダと備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記シールのうちインナー側のシールが、前記センサホルダがインサート成形され、非磁性体の鋼板からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して前記内輪の外径に圧入され、鋼板からプレス加工によって断面が略L字状に形成されたスリンガと、このスリンガに嵌合固定され、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙し、エラストマに磁性体粉が混入されたゴム磁石からなり、周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダを有するパルサリングとを備え、前記センサホルダにガラス繊維が10〜45wt%充填されると共に、当該センサホルダの硬度がデュロメータAで10〜90の範囲に設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の軸受部の側面図、図3は、図1の回転速度検出装置を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は駆動輪用の第3世代構造と呼称され、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手8をユニット化して構成されている。複列の転がり軸受2は、外方部材3と内方部材4と複列の転動体(ボール)5、5とを備えている。
外方部材3はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ3bを一体に有し、内周に複列の外側転走面3a、3aが一体に形成されている。そして、これらの複列の外側転走面3a、3aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
一方、内方部材4は、ハブ輪1と、このハブ輪1に固定された内輪6とからなる。ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ7を一体に有し、外周に前記複列の外側転走面3a、3aに対向するアウター側(一方)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。なお、車輪取付フランジ7の円周等配位置にはハブボルト7aが植設されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内側転走面1aをはじめ、後述するアウター側のシール10が摺接する車輪取付フランジ7のインナー側の基部7bから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、後述する加締部1dは未焼入れで鍛造加工後の表面硬さのままとされている。
内輪6は、外周に前記複列の外側転走面3a、3aに対向するインナー側(他方)の内側転走面6aが形成され、ハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、この小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部1dによってハブ輪1に対して内輪6が軸方向に固定されている。なお、内輪6および転動体5はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材3の複列の外側転走面3a、3aと、これらに対向するハブ輪1の内側転走面1aおよび内輪6の内側転走面6a間には複列の転動体5、5が収容され、保持器9、9によって転動自在に保持されている。そして、内輪6の小径側(正面側)の端面がハブ輪1の肩部に突合せ状態で衝合し、所謂背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成している。また、外方部材3と内方部材4との間に形成される環状空間の開口部にはシール10、11が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
なお、ここでは、転動体5をボールとした複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず転動体に円すいころを使用した複列円すいころ軸受であっても良い。また、ここでは、第3世代構造の車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず、ハブ輪1の小径段部1bに一対の内輪6が圧入された第2世代構造であっても良い。
等速自在継手8は、外側継手部材12と継手内輪13とケージ14およびトルク伝達ボール15とを備えている。外側継手部材12は、カップ状のマウス部16と、このマウス部16の底部をなす肩部17と、この肩部17から軸方向に延びる軸部18とを一体に有している。軸部18の外周にはハブ輪1のセレーション1cに係合するセレーション18aと、このセレーション18aの端部に雄ねじ18bが形成されている。そして、ハブ輪1にこの外側継手部材12がセレーション1c、18aを介して加締部1dの端面と肩部17が衝合するまで内嵌され、雄ねじ18bに締結された固定ナット19によってハブ輪1と外側継手部材12がトルク伝達可能に、かつ着脱自在に結合されている。
ここで、本実施形態では、センサホルダ20が外方部材3のインナー側の端部に装着されている。そして、インナー側のシール11はこのセンサホルダ20と内輪6との間に形成される環状空間の開口部に装着されている。シール11は、図3に示すように、断面略L字状に形成された環状のシール板21とスリンガ22およびこのスリンガ22に外嵌されたパルサリング23を備え、互いに対向して配置されている。シール板21は、センサホルダ20がインサート成形された芯金24と、この芯金24に加硫接着等で一体に接合されたシール部材25とからなる。
芯金24は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面略L字状に形成されている。特に、磁気検出に悪影響を及ぼさない非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑が好ましい。また、シール部材25は合成ゴム等の弾性部材からなり、主リップ25aとグリースリップ25bを一体に有している。
スリンガ22は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面略L字状に形成されている。このスリンガ22は、内輪6の外径に圧入される円筒部22aと、この円筒部22aから径方向外方に延びる立板部22bとを有し、この立板部22bの端部にラジアルリップ26が加硫接着によって一体に接合されている。
パルサリング23は、スリンガ22の円筒部22aに圧入される芯金27と、この芯金27に接合された磁気エンコーダ28からなる。芯金27は、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)あるいは防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からなり、スリンガ22の円筒部に圧入される円筒状の内径部27aと、この内径部27aから径方向外方に延びる立板部27b、およびこの立板部27bから軸受内方側に延びる円筒状の外径部27cを有し、プレス加工によって断面が略コの字状に形成されている。そして、シール部材25の主リップ25aとグリースリップ25bがパルサリング23における芯金27の内径部27aに摺接されると共に、スリンガ22のラジアルリップ26がシール板21の芯金24に摺接されている。一方、磁気エンコーダ28は、パルサリング23の外径部27cに加硫接着によって一体に接合されている。この磁気エンコーダ28はゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入されたゴム磁石からなり、周方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。
こうしたシール11を構成することにより、パルサリング23がダスト等により汚れるのを防止することができると共に、このパルサリング23に摺接するシール板21の主リップ25aおよびグリースリップ25bによって転動体5および各転走面から隔離されているので、転動体5の回転によって生じる金属摩耗粉等がパルサリング23に付着するのを防止することができ、長期間に亙って所望の検出精度を維持することができる。
ここで、本実施形態では、センサホルダ20はPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の非磁性の樹脂材で形成され、後述する繊維状強化材が充填されている。また、センサホルダ20には、磁気エンコーダ28に所定の径方向すきま(エアギャップ)を介して対峙する回転速度センサ29が包埋されている。この回転速度センサ29は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、この磁気検出素子の出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたICとからなる。これにより、低コストで信頼性の高い回転速度検出装置を得ることができる。なお、センサホルダ20は前述した材質以外にもPA(ポリアミド)66、PPA(ポリフタルアミド)等のポリアミド系樹脂やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等、射出成形可能な合成樹脂を例示することができる。
また、センサホルダ20の円周所定位置に、回転速度センサ29と車体の電子回路に接続されたハーネス(図示せず)とを結線する雌型のコネクタ30が一体に形成されている。このコネクタ30には凹所30aが形成され、外方部材3のインナー側の端部を覆うように所定のシメシロを介して外方部材3に嵌合固定されている。また、コネクタ30は径方向外方に所定の角度傾斜して突設されている。これにより、ハーネスを結線する際、コネクタ30に直接圧入力が加わらない。すなわち、この圧入力は外方部材3の端部で受けることになる。したがって、コネクタ30に無理な力が作用してシール11や回転速度センサ29の位置精度が崩れることはなく、信頼性と組立性の向上を図ると共に、組立精度を高めて所望の回転速度検出ができる回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
前述したPPSからなるセンサホルダ20には繊維状強化材、ここでは、GF(グラス繊維)が10〜45wt%充填されている。このGFを充填させることにより、半結晶性材料を、そのガラス転移温度を超える温度で使用することができため耐熱性が向上すると共に、弾性率の増大により剛性が高くなり、外方部材3に直接圧入されるこの種のセンサホルダ20において、嵌合部が歪んで経年変化でクリープ変形が生ずるのを防止することができる。したがって、固定力の低下によるセンサホルダ20の位置ずれを防止し、長期間に亘って所望の速度検出機能を満足することができる。
ここで、充填量が10wt%未満ではその効果が発揮されず、また、45wt%を超えて充填されると、成形品内の繊維が異方性を引き起こして密度が大きくなって寸法安定性が低下し、外方部材3に直接圧入されるセンサホルダ20としては好ましくない。なお、繊維状強化材としては、GFに限らず、これ以外に、CF(炭素繊維)やアラミド繊維、ホウ素繊維等を例示することができる。
さらに本実施形態では、センサホルダ20の硬度が所定の範囲に規制されている。センサホルダ20の硬度が高くなると剛性が高くなり、嵌合部の歪みを防止することができるが、余り高くなり過ぎると、温度変化による熱膨張で外方部材3との嵌合面や回転速度センサ29やハーネス等との接触面に剥離やすきまが生じるため、適度な弾性を有する範囲に設定する必要がある。そのため、本実施形態では、センサホルダ20の硬度はデュロメータAスケールで硬度がHDA10〜90、好ましくは、HDA30〜75の範囲に設定されている。これにより、センサホルダ20の剛性を確保してクリープ変形を防止すると共に、寒冷地や温度変化が激しい厳しい環境で使用されても、その弾性によって良好な密着性を維持して接触面にすきまが発生するのを許容し、また、外方部材3との嵌合面に剥離等が発生するのを防止し、気密性を高めた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
ここで、デュロメータは、ISO(国際標準化機構)への整合を目的に、1993年に制定されたJIS K 6253対応の硬度計で、中硬さ用のタイプA、高硬さ用のタイプD、低硬さ用のタイプEの3タイプがあり、中心となるタイプAは従来のA形硬度計に比べ、1〜2ポイント高い値を示す傾向がある。
デュロメータでHDA10未満の場合、樹脂自体が柔らかくなり過ぎて車両走行時の振動や衝撃によって変形し易くなり、一方、HDA90を超えると、硬くなり過ぎて外方部材3との熱収縮差、すなわち、両者の線膨張係数の差による収縮量の差を吸収することが難しくなり、亀裂等が発生する恐れがあるので好ましくない。
なお、本実施形態では、回転速度検出装置として、磁気エンコーダ28と、ホール素子等の磁気検出素子からなる回転速度センサ29とからなるアクティブタイプの回転速度検出装置を例示したが、本発明に係る回転速度検出装置はこれに限らず、例えば、歯車等と、磁石と巻回された環状のコイル等からなるパッシブタイプであっても良い。
図4は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す要部拡大図である。なお、この実施形態は、前述した第1の実施形態と基本的にはセンサホルダとシールの構成が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同一の機能を有する部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
センサホルダ31は、前述した実施形態と同様、PPS等の非磁性のエーテル系合成樹脂で形成され、GFからなる繊維状強化材が10〜45wt%充填されている。このセンサホルダ31は外方部材3のインナー側の端部内周に圧入され、回転速度センサ29が包埋されると共に、この回転速度センサ29と車体の電子回路に接続されたハーネス(図示せず)とを結線する雌型のコネクタ31aが径方向外方に突出して形成されている。
ここで、インナー側のシール32はセンサホルダ31と内輪6との間に形成される環状空間の開口部に配設されている。シール32は、断面略L字状に形成された環状のシール板33とスリンガ34を備え、互いに対向して配置されている。シール板33は、センサホルダ31がインサート成形された芯金35と、この芯金35に加硫接着等で一体に接合されたシール部材36とからなる。
芯金35は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面略L字状に形成されている。この芯金35は、センサホルダ31がインサート成形された円筒部35aと、この円筒部35aから径方向内方に延びる内径部35bを有し、この内径部35bにシール部材36が接合されている。そして、円筒部35aの端縁には径方向外方に延びる折曲部35cが形成され、センサホルダ31が芯金35から剥離するのを防止している。一方、シール部材36は合成ゴム等の弾性部材からなり、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ36aと、主リップ36bおよびグリースリップ36cを一体に有している。
スリンガ34は、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)あるいは防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からなり、プレス加工によって断面が略コの字状に形成されている。このスリンガ34は、内輪6の外径に圧入される円筒部34aと、この円筒部34aから径方向外方に延びる立板部34bと、この立板部34bから軸受内方側に延びる円筒状の外径部34cとを有している。そして、シール部材36のサイドリップ36aが立板部34bに摺接されると共に、主リップ36bとグリースリップ36cがスリンガ34の円筒部34aに摺接されている。
また、スリンガ34の立板部34bから外径部34cに亙って磁気エンコーダ37が加硫接着により一体に接合されている。磁気エンコーダ37はゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入されたゴム磁石からなり、周方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。この磁気エンコーダ37のインナー側の端部には環状壁37aが突出して形成され、シール板33における芯金35の円筒部35aの内径面に僅かな径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシール38が構成されている。これにより、部品点数を削減して低コスト化とコンパクト化を図ると共に、磁気エンコーダ37の検出部に外部から直接雨水やダスト等が侵入するのを防止し、密封性を向上することができる。
こうしたシール32を構成することにより、前述した実施形態と同様、磁気エンコーダ37が、スリンガ34に摺接するサイドリップ36aと、主リップ36bおよびグリースリップ36cによって転動体5および各転走面から隔離されているので、転動体5の回転によって生じる金属摩耗粉等が磁気エンコーダ37に付着するのを防止することができ、長期間に亙って所望の検出精度を維持することができる。
本実施形態においても前述した実施形態と同様、センサホルダ31の硬度がデュロメータAスケールで硬度がHDA10〜90、好ましくは、HDA30〜75の範囲に設定されている。これにより、センサホルダ31の剛性を確保してクリープ変形を防止すると共に、寒冷地や温度変化が激しい厳しい環境で使用されても、その弾性によって良好な密着性を維持して接触面にすきまが発生するのを許容し、また、外方部材3との嵌合面に剥離等が発生するのを防止し、気密性を高めた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、内輪回転構造のあらゆるタイプの回転速度検出装置が内蔵された車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1の軸受部の側面図である。 図1の回転速度検出装置を示す要部拡大図である。 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 図5の要部拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、6a・・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、18a・・・・・・・・・・・セレーション
1d・・・・・・・・・・・・・・・加締部
2・・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
3a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
3b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
4・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
5・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
6・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
6b・・・・・・・・・・・・・・・小径部
7・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
7a・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
7b・・・・・・・・・・・・・・・基部
8・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
9・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
11、32・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
12・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
13・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
14・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
15・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
16・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
17・・・・・・・・・・・・・・・肩部
18・・・・・・・・・・・・・・・軸部
18b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
19・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
20、31・・・・・・・・・・・・センサホルダ
21、33・・・・・・・・・・・・シール板
22、34・・・・・・・・・・・・スリンガ
22a、34a、35a・・・・・・円筒部
22b、27b、34b・・・・・・立板部
23・・・・・・・・・・・・・・・パルサリング
24、27、35・・・・・・・・・芯金
25、36・・・・・・・・・・・・シール部材
25a、36b・・・・・・・・・・主リップ
25b、36c・・・・・・・・・・グリースリップ
26・・・・・・・・・・・・・・・ラジアルリップ
27a、35b・・・・・・・・・・内径部
27c、34c・・・・・・・・・・外径部
28、37・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
29・・・・・・・・・・・・・・・回転速度センサ
30、31a・・・・・・・・・・・コネクタ
30a・・・・・・・・・・・・・・凹所
35c・・・・・・・・・・・・・・折曲部
36a・・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
37a・・・・・・・・・・・・・・環状壁
38・・・・・・・・・・・・・・・ラビリンスシール
50・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
51・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
51a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
51b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
52・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
53・・・・・・・・・・・・・・・ボール
54・・・・・・・・・・・・・・・ナックル
55・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
55a、56a・・・・・・・・・・内側転走面
55b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
55c、68a・・・・・・・・・・セレーション
55d・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
56・・・・・・・・・・・・・・・内輪
57・・・・・・・・・・・・・・・加締部
58・・・・・・・・・・・・・・・保持器
59・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
60・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
61・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
62・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
63・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
64・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
65・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
66・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
67・・・・・・・・・・・・・・・肩部
68・・・・・・・・・・・・・・・軸部
68b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
69・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
70・・・・・・・・・・・・・・・第1のシールリング
71・・・・・・・・・・・・・・・第2のシールリング
72、74、77・・・・・・・・・芯金
73・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
73a・・・・・・・・・・・・・・主リップ
73b・・・・・・・・・・・・・・補助リップ
75・・・・・・・・・・・・・・・ラジアルリップ
76・・・・・・・・・・・・・・・パルサリング
78・・・・・・・・・・・・・・・多極磁石ロータ
79・・・・・・・・・・・・・・・センサホルダ
80・・・・・・・・・・・・・・・磁気センサ
81・・・・・・・・・・・・・・・コネクタ

Claims (8)

  1. 外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、
    前記外方部材のインナー側の端部にシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
    前記シールのうちインナー側のシールが、前記センサホルダがインサート成形され、鋼板からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、
    このシール板に対向して前記内輪の外径に圧入され、鋼板からプレス加工によって形成されたスリンガと、
    円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化するように構成され、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙した磁気エンコーダとを備えると共に、
    前記センサホルダに繊維状強化材が所定量充填されると共に、当該センサホルダの硬度がデュロメータAで10〜90の範囲に設定されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  2. 前記繊維状強化材が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維のいずれかからなり、充填量が10〜45wt%の範囲に設定されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  3. 前記センサホルダの円周所定位置に前記回転速度センサと電子回路に接続されたハーネスとを結線するコネクタが径方向外方に所定の角度傾斜して突設されると共に、このコネクタに凹所が形成され、この凹所が前記外方部材のインナー側の端部を覆うように所定のシメシロを介して前記外方部材に嵌合固定されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  4. 前記スリンガが、前記内輪の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とからなる断面が略L字状に形成され、この立板部の端部にラジアルリップが一体に接合されると共に、鋼板からプレス加工によって断面が略コの字状に形成され、前記スリンガの円筒部に外嵌固定される円筒状の内径部と、この内径部から径方向外方に延びる立板部、およびこの立板部から軸受内方側に延びる円筒状の外径部からなる芯金と、この芯金の外径部に一体に接合された前記磁気エンコーダとからなるパルサリングを備え、前記スリンガのラジアルリップが前記シール板の芯金に摺接されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  5. 前記シール部材が複数のシールリップを一体に有し、これらシールリップが前記パルサリングの芯金に摺接されている請求項4に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  6. 前記スリンガが、前記内輪の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部、およびこの立板部から軸受内方側に延びる円筒状の外径部からなる断面が略コの字状に形成され、このスリンガの外径部に前記磁気エンコーダが一体に接合されると共に、前記シール部材が複数のシールリップを一体に有し、これらシールリップが当該スリンガに摺接されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  7. 前記磁気エンコーダのインナー側の端部に環状壁が突出して形成され、前記シール板における芯金の円筒部に僅かな径方向すきまを介して対峙してラビリンスシールが構成されている請求項6に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  8. 前記磁気エンコーダがエラストマに磁性体粉が混入されたゴム磁石からなり、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されると共に、前記センサホルダが非磁性の合成樹脂で形成され、かつ、前記シール板の芯金がオーステナイト系ステンレス鋼鈑で形成されている請求項1乃至7いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
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