JP2008261461A - 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 - Google Patents

回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量・コンパクト化を図ると共に、直接検出部に異物が侵入するのを防止して信頼性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】センサホルダ10が、回転速度センサ14が包埋された合成樹脂製の保持部12と、外方部材5の端部に外嵌される円筒状の嵌合部11aと、これから径方向内方に延び、外方部材5の端面に密着される鍔部11bと、さらに径方向内方に延びる底部11cとからなるカバー11を備え、保持部12が射出成形により断面が略矩形状に、全体として円環状に形成され、その内径部26と外径部27が外側継手部材22の肩部23とナックル28の内径と平行になるように形成されると共に、内径部26と外径部27が、0.5〜3.0mmの範囲に設定された径方向すきまを介して肩部23とナックル28と対峙してラビリンスシール29、30が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承すると共に、この車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御し、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知られている。従来、このような車輪用軸受装置は、転動体を介して転接する内方部材および外方部材の間にシール装置が設けられ、円周方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコーダを前記シール装置に一体化させると共に、磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに対面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコーダの磁極変化を検出する回転速度センサとで回転速度検出装置が構成されている。
前記回転速度センサは、懸架装置を構成するナックルに車輪用軸受装置が装着された後、当該ナックルに装着されているものが一般的である。しかし、この回転速度センサと磁気エンコーダとのエアギャップの調整作業の煩雑さを解消すると共に、よりコンパクト化を狙って、最近では回転速度センサをも軸受に内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が提案されている。
このような回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一例として図3に示すような構造が知られている。この回転速度検出装置は、内輪50に外嵌されたエンコーダ51と、これに対向して外方部材52の端部に装着されたセンサホルダ53と、これに装着され、エンコーダ51に所定のエアギャップを介して対峙する回転速度センサ54とを備えている。エンコーダ51はシール56を構成するスリンガ57の側面に接合されている。
シール56は、断面略L字状に形成されたスリンガ57と、このスリンガ57に対向して外方部材52装着され、断面略L字状に形成された環状のシール板58とからなる。スリンガ57は、内輪50に外嵌された円筒部57aと、この円筒部57aから径方向外方に延びる立板部57bとからなる。一方、シール板58は、外方部材52の端部に内嵌される芯金59と、この芯金59に加硫接着されたシール部材60とからなる。このシール部材60はゴム等のエラストマからなり、スリンガ57の立板部57bに摺接するサイドリップ60aと、円筒部57aに摺接するグリースリップ60bおよび中間リップ60cとからなる。
センサホルダ53は、外方部材52に外嵌された鋼板製のカバー55と、このカバー55の底部55cに結合された合成樹脂製の保持部61とからなり、この保持部61に回転速度センサ54が包埋されている。カバー55は、外方部材52の外嵌された円筒状の嵌合部55aと、この嵌合部55aから径方向内方に延びる鍔部55bと、この鍔部55bから軸方向に延びる底部55cとからなる。
回転速度センサ54の出力はハーネス62によって取り出され、図示しないABSの制御器に送られる。ハーネス62は、保持部61に設けられた取出し口63を介して結線されると共に、取出し口63は、外側継手部材64の外周面の傾斜角βよりも大きく設定された傾斜角αに形成されている。
これにより、ハーネス62が垂れ下がって外側継手部材64と干渉するのを防止することができるので、ハーネス62の垂れ下がりを止めるためのクリップが最小限で済むと共に、ハーネス62自体も過度に曲げる必要がなくなり、内部配線への悪影響を防止して信頼性を一段と向上させることができる。したがって、簡単な構成でハーネス62の固定作業を簡便化でき、組立の作業性を向上させてコスト低減を図ることができる。
特開2006−145418号公報
然しながら、この従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置では、センサホルダ53がナックル66と外側継手部材64との間に配設される構造のため、これらナックル66と外側継手部材64間の環状空間から泥水等の異物が侵入して検出精度が低下する恐れがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化を図ると共に、直接検出部に異物が侵入するのを防止して信頼性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材が内嵌され、この外側継手部材の肩部が前記内輪の端面に衝合した状態で、当該外側継手部材が前記ハブ輪にトルク伝達可能に、かつ着脱自在にユニット化されると共に、前記外方部材のインナー側の端部に装着され、前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが配設されたセンサホルダと、前記内輪に外嵌されて前記シールを構成するスリンガの側面に接合され、前記回転速度センサに軸方向すきまを介して対峙された磁気エンコーダとからなる回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記センサホルダが、前記回転速度センサが包埋された合成樹脂製の保持部と、円環状に形成され、前記外方部材のインナー側の端部に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記外方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方に延びる底部とからなるカバーとを備え、前記保持部が射出成形により断面が矩形状に、全体として円環状に形成され、当該保持部の内径部と外径部が前記外側継手部材の肩部と前記ナックルの内径と平行になるように形成されると共に、これら内径部と外径部が僅かな径方向すきまを介して前記肩部とナックルとそれぞれ対峙してラビリンスシールが形成されている。
このように、内輪回転タイプの回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、センサホルダが、回転速度センサが包埋された合成樹脂製の保持部と、円環状に形成され、外方部材のインナー側の端部に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、外方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方に延びる底部とからなるカバーとを備え、保持部が射出成形により断面が矩形状に、全体として円環状に形成され、当該保持部の内径部と外径部が外側継手部材の肩部とナックルの内径と平行になるように形成されると共に、これら内径部と外径部が僅かな径方向すきまを介して肩部とナックルとそれぞれ対峙してラビリンスシールが形成されているので、軸受部と外側継手部材との間のスペースを有効に活用することができ、コンパクト化が可能となると共に、ラビリンスシールによって検出部の密封性を高めて異物が侵入するのを防止し、検出精度を高めて長期間に亘って信頼性を向上させることができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記径方向すきまが0.5〜3.0mmの範囲に設定されていれば、両者との干渉を避け、かつ検出部の密封性を確保することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記外側継手部材の肩部の外径が内輪の外径よりも小径に設定され、かつ前記外方部材のインナー側の端面と前記内輪の端面が略面一に設定されていれば、保持部の径方向断面高さをシールの断面高さ以上に設定することが可能となり、形状・寸法の制約を受けずに保持部の設計自由度が多くなると共に、軸受部と外側継手部材とのスペースを有効に活用して軽量・コンパクト化を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記カバーが非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑から形成されていれば、回転速度センサの感知性能に悪影響を及ぼさず、正確な検出精度を確保することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記保持部が、ガラスファイバーが添加された非磁性のポリフェニレンサルファイドで形成されていれば、回転速度センサの感知性能に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に優れ、長期間に亘って強度・耐久性を向上させることができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材が内嵌され、この外側継手部材の肩部が前記内輪の端面に衝合した状態で、当該外側継手部材が前記ハブ輪にトルク伝達可能に、かつ着脱自在にユニット化されると共に、前記外方部材のインナー側の端部に装着され、前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが配設されたセンサホルダと、前記内輪に外嵌されて前記シールを構成するスリンガの側面に接合され、前記回転速度センサに軸方向すきまを介して対峙された磁気エンコーダとからなる回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記センサホルダが、前記回転速度センサが包埋された合成樹脂製の保持部と、円環状に形成され、前記外方部材のインナー側の端部に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記外方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方に延びる底部とからなるカバーとを備え、前記保持部が射出成形により断面が矩形状に、全体として円環状に形成され、当該保持部の内径部と外径部が前記外側継手部材の肩部と前記ナックルの内径と平行になるように形成されると共に、これら内径部と外径部が僅かな径方向すきまを介して前記肩部とナックルとそれぞれ対峙してラビリンスシールが形成されているので、軸受部と外側継手部材との間のスペースを有効に活用することができ、コンパクト化が可能となると共に、ラビリンスシールによって検出部の密封性を高めて異物が侵入するのを防止し、検出精度を高めて長期間に亘って信頼性を向上させることができる。
外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材が内嵌され、この外側継手部材の肩部が前記内輪の端面に衝合した状態で、当該外側継手部材が前記ハブ輪にトルク伝達可能に、かつ着脱自在にユニット化されると共に、前記外方部材のインナー側の端部に装着され、前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが配設されたセンサホルダと、前記内輪に外嵌されて前記シールを構成するスリンガの側面に接合され、前記回転速度センサに軸方向すきまを介して対峙された磁気エンコーダとからなる回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記センサホルダが、前記回転速度センサが包埋された合成樹脂製の保持部と、鋼板からプレス加工によって円環状に形成され、前記外方部材のインナー側の端部に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記外方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方に延びる底部とからなるカバーとを備え、前記保持部が射出成形により断面が矩形状に、全体として円環状に形成され、当該保持部の内径部と外径部が前記外側継手部材の肩部と前記ナックルの内径と平行になるように形成されると共に、これら内径部と外径部が、0.5〜3.0mmの範囲に設定された径方向すきまを介して前記肩部とナックルとそれぞれ対峙してラビリンスシールが形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の検出部を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は駆動輪用の第3世代と称され、ハブ輪1と内輪2からなる内方部材3と、この内方部材3に複列の転動体(ボール)4、4を介して外挿された外方部材5とを備えている。
ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円周等配位置にハブボルト6aが植設されている。また、外周にはアウター側(一方)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にはトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。ハブ輪1の小径段部1bには外周にインナー側(他方)の内側転走面2aが形成された内輪2が所定のシメシロを介して圧入固定されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内側転走面1aをはじめ、後述するシール8のシールランド部となる車輪取付フランジ6の基部6bから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。これにより、基部6bの耐摩耗性が向上するばかりでなく、内輪2の嵌合面となる小径段部1bのフレッティングが抑制されると共に、車輪取付フランジ6に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性が向上する。なお、内輪2および転動体4は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。
外方部材5はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周にナックル(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ5bを一体に有し、内周には前記内方部材3の複列の内側転走面1a、2aに対向する複列の外側転走面5a、5aが一体に形成されている。これら外側転走面5a、5aは高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。この外方部材5の外側転走面5a、5aと、これらに対向する複列の内側転走面1a、2a間には複列の転動体4、4がそれぞれ収容され、保持器7、7によって転動自在に保持されている。また、外方部材5と内方部材3との間に形成される環状空間の開口部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
等速自在継手13は、外側継手部材22と、図示しない継手内輪とケージおよびトルク伝達ボールとを備えている。外側継手部材22は、肩部23から軸方向に延びる軸部24を一体に有している。軸部24の外周にはハブ輪1のセレーション1cに係合するセレーション24aと、このセレーション24aの端部に雄ねじ24bが形成されている。そして、肩部23が内輪2の端面と衝合するまでハブ輪1に外側継手部材22がセレーション1c、24aを介して内嵌され、雄ねじ24bに締結された固定ナット25によってハブ輪1と外側継手部材22がトルク伝達可能に、かつ着脱自在にユニット化されている。
本実施形態では、センサホルダ10が外方部材5の端部に装着されている。このセンサホルダ10は、カップ状に形成されたカバー11と、このカバー11に結合された保持部12とからなる。カバー11は、図2に拡大して示すように、外方部材5のインナー側の端部外周に圧入される円筒状の嵌合部11aと、この嵌合部11aから径方向内方に延び、外方部材5の端面に密着する鍔部11bと、この鍔部11bからさらに径方向内方に延びる底部11cとからなり、全体として円環状に形成されている。
このように、鍔部11bを外方部材5の端面に密着させた状態で、嵌合部11aが外方部材5のインナー側の端部に外嵌されているので、外方部材5に対してセンサホルダ10が容易に、かつ正確に位置決め固定することができ、車輪の回転速度を精度良く検出することができる。このカバー11は、耐食性を有する非磁性体の鋼鈑、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)等のステンレス鋼板をプレス加工にて形成されている。これにより、後述する回転速度センサ14の感知性能に悪影響を及ぼさず、また、カバー11の発錆を抑えて長期間に亘って信頼性を維持させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
また、カバー11における底部11cの径方向外方の一箇所に保持部12が一体に接合されている。保持部12は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の非磁性の特殊エーテル系合成樹脂材から射出成形によって形成され、さらにGF(ガラスファイバー)等の強化材が添加されている。これにより、回転速度センサ14の感知性能に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に優れ、長期間に亘って強度・耐久性を向上させることができる。この保持部12には後述する磁気エンコーダ16に所定の軸方向すきま(エアギャップ)を介して対峙する回転速度センサ14が包埋されている。この回転速度センサ14は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、この磁気検出素子の出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたICとからなる。これにより、低コストで信頼性の高い回転速度検出ができる。なお、保持部12は前述した材質以外にPA(ポリアミド)66、PPA(ポリフタルアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の射出成形可能な合成樹脂を例示することができる。
保持部12と軸方向に対向するように内輪2の外径にはスリンガ15が圧入されている。このスリンガ15は、後述するインナー側のシール9を構成し、内輪2に圧入される円筒部15aと、この円筒部15aから径方向外方に延びる立板部15bとからなる。なお、このスリンガ15は、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工によって断面略L字状に形成されている。そして、スリンガ15における立板部15bのインナー側の側面には、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入された磁気エンコーダ16が加硫接着等によって一体に接合されている。この磁気エンコーダ16は、周方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。
インナー側のシール9は、前記スリンガ15と、このスリンガ15に対向して外方部材5に装着され、断面略L字状に形成された環状のシール板17とからなる、所謂パックシールで構成されている。シール板17は、外方部材5のインナー側の端部に内嵌される円筒部18aと、この円筒部18aの一端から径方向内方に延びる立板部18bとからなる芯金18と、この芯金18に加硫接着されたシール部材19とからなる。芯金18は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形成されている。
一方、シール部材19は合成ゴム等の弾性部材からなり、スリンガ15の立板部15bに摺接するサイドリップ19aと、円筒部15aに摺接するグリースリップ19bおよび中間リップ19cからなる。また、スリンガ15における立板部15bの外縁は、芯金18の円筒部18aと僅かな径方向すきまを介して対峙してラビリンスシール20が構成されている。
本実施形態では、インナー側のシール9とセンサホルダ10とが軸方向に対向配置され、シール9を構成するスリンガ15に磁気エンコーダ16が一体に接合されると共に、センサホルダ10を構成する保持部12に回転速度センサ14が包埋され、この回転速度センサ14と磁気エンコーダ16とが軸方向に対向配置されている。そして、回転速度センサ14の出力がハーネス21によって取り出され、図示しないABSの制御器に送られる。
ここで、外側継手部材22の肩部23の外径D1が内輪2の外径D2よりも小径になるように設定されると共に、外方部材5のインナー側の端面5cと内輪2のインナー側の端面2bが略面一になるように構成されている。これにより、保持部12が外方部材5や内輪2に干渉することないので、径方向断面高さをシール9の断面高さ以上に設定することが可能となる。したがって、形状・寸法の制約を受けずに保持部12の設計自由度が多くなると共に、軸受部と外側継手部材22とのスペースを有効に活用して軽量・コンパクト化を図ることができる。
また、保持部12が断面略矩形状に形成され、内径部26と外径部27が外側継手部材22の肩部23およびナックル28と平行になるように形成されると共に、この保持部12の内径部26と外径部27が僅かな径方向すきまを介して肩部23およびナックル28とそれぞれ対峙してラビリンスシール29、30が形成されている。これにより、軸受部と外側継手部材22との間のスペースを有効に活用することができ、一層のコンパクト化が可能となると共に、ラビリンスシール29、30によって検出部の密封性を高めて異物が侵入するのを防止し、検出精度を高めて長期間に亘って信頼性を向上させることができる。なお、保持部12と肩部23およびナックル26との径方向すきまは0.5〜3.0mmの範囲に設定されるのが好ましい。これにより、両者との干渉を避け、かつ密封性を確保することができる。
なお、ここでは回転速度検出装置として、磁気エンコーダ16と、ホール素子等の磁気検出素子からなる回転速度センサ14とからなるアクティブタイプの回転速度検出装置を例示したが、本発明に係る回転速度検出装置はこれに限らず、例えば、歯車と、磁石と巻回された環状のコイル等からなるパッシブタイプであっても良い。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、内輪回転構造においてあらゆるタイプの回転速度検出装置が内蔵された車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の検出部を示す要部拡大図である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を示す要部拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、2a・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、24a・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・・・・内輪
2b・・・・・・・・・・・・・・内輪の端面
3・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
4・・・・・・・・・・・・・・・転動体
5・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
5a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
5b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5c・・・・・・・・・・・・・・外方部材の端面
6・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6a・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・・・・・基部
7・・・・・・・・・・・・・・・保持器
8・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
9・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
10・・・・・・・・・・・・・・センサホルダ
11・・・・・・・・・・・・・・カバー
11a・・・・・・・・・・・・・嵌合部
11b・・・・・・・・・・・・・鍔部
11c・・・・・・・・・・・・・底部
12・・・・・・・・・・・・・・保持部
13・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
14・・・・・・・・・・・・・・回転速度センサ
15・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
15a、18a・・・・・・・・・円筒部
15b、18b・・・・・・・・・立板部
16・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
17・・・・・・・・・・・・・・シール板
18・・・・・・・・・・・・・・芯金
19・・・・・・・・・・・・・・シール部材
19a・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
19b・・・・・・・・・・・・・グリースリップ
19c・・・・・・・・・・・・・中間リップ
20、29、30・・・・・・・・ラビリンスシール
21・・・・・・・・・・・・・・ハーネス
22・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
23・・・・・・・・・・・・・・肩部
24・・・・・・・・・・・・・・軸部
24b・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
25・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
26・・・・・・・・・・・・・・保持部の内径部
27・・・・・・・・・・・・・・保持部の外径部
28・・・・・・・・・・・・・・ナックル
50・・・・・・・・・・・・・・内輪
51・・・・・・・・・・・・・・エンコーダ
52・・・・・・・・・・・・・・外方部材
53・・・・・・・・・・・・・・センサホルダ
54・・・・・・・・・・・・・・回転速度センサ
55・・・・・・・・・・・・・・カバー
55a・・・・・・・・・・・・・嵌合部
55b・・・・・・・・・・・・・鍔部
55c・・・・・・・・・・・・・底部
56・・・・・・・・・・・・・・シール
57・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
57a・・・・・・・・・・・・・円筒部
57b・・・・・・・・・・・・・立板部
58・・・・・・・・・・・・・・シール板
59・・・・・・・・・・・・・・芯金
60・・・・・・・・・・・・・・シール部材
60a・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
60b・・・・・・・・・・・・・グリースリップ
60c・・・・・・・・・・・・・中間リップ
61・・・・・・・・・・・・・・保持部
62・・・・・・・・・・・・・・ハーネス
63・・・・・・・・・・・・・・取出し口
64・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
65・・・・・・・・・・・・・・肩部
66・・・・・・・・・・・・・・ナックル
D1・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材の肩部の外径
D2・・・・・・・・・・・・・・内輪の外径
α、β・・・・・・・・・・・・・傾斜角

Claims (5)

  1. 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、
    前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材が内嵌され、この外側継手部材の肩部が前記内輪の端面に衝合した状態で、当該外側継手部材が前記ハブ輪にトルク伝達可能に、かつ着脱自在にユニット化されると共に、
    前記外方部材のインナー側の端部に装着され、前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが配設されたセンサホルダと、
    前記内輪に外嵌されて前記シールを構成するスリンガの側面に接合され、前記回転速度センサに軸方向すきまを介して対峙された磁気エンコーダとからなる回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
    前記センサホルダが、前記回転速度センサが包埋された合成樹脂製の保持部と、円環状に形成され、前記外方部材のインナー側の端部に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記外方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方に延びる底部とからなるカバーとを備え、
    前記保持部が射出成形により断面が矩形状に、全体として円環状に形成され、当該保持部の内径部と外径部が前記外側継手部材の肩部と前記ナックルの内径と平行になるように形成されると共に、これら内径部と外径部が僅かな径方向すきまを介して前記肩部とナックルとそれぞれ対峙してラビリンスシールが形成されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  2. 前記径方向すきまが0.5〜3.0mmの範囲に設定されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  3. 前記外側継手部材の肩部の外径が内輪の外径よりも小径に設定され、かつ前記外方部材のインナー側の端面と前記内輪の端面が略面一に設定されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  4. 前記カバーが非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑から形成されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  5. 前記保持部が、ガラスファイバーが添加された非磁性のポリフェニレンサルファイドで形成されている請求項1乃至4いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
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