JP2009030760A - 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 - Google Patents

回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 Download PDF

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圭三 小林
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Abstract

【課題】外方部材とセンサホルダの嵌合部の気密性を高めて密封性を確保した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】外方部材5の端部に圧入され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサ28が包埋されたセンサホルダ19と、磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁されたゴム磁石からなり、回転速度センサ28に所定のエアギャップを介して対峙する磁気エンコーダ27とを備えると共に、シール9が、センサホルダ19と内輪2との間に装着された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、センサホルダ19の嵌合部に金属環30がインサート成形により一体に結合され、この金属環30を介して外方部材5に圧入されると共に、金属環30の端部に折曲部31と係止部30aが形成され、この係止部30aが外方部材5の内周に形成された環状凹部5cに係止されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪の回転速度を検出する回転速度センサを内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御するために車輪の回転速度を検出する装置が軸受に内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知られている。従来、このような車輪用軸受装置は、転動体を介して転接する内方部材および外方部材の間にシール装置が設けられ、円周方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコーダを前記シール装置に一体化させると共に、磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに対面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコーダの磁極変化を検出する回転速度センサとで回転速度検出装置が構成されている。
前記回転速度センサは、懸架装置を構成するナックルに車輪用軸受装置が装着された後、当該ナックルに装着されているものが一般的である。しかし、この回転速度センサと磁気エンコーダとのエアギャップ調整作業の煩雑さを解消すると共に、よりコンパクト化を狙って最近では、回転速度センサをも軸受に内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が提案されている。
このような回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一例として図9に示すような構造が知られている。この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、ハブ輪55と複列の転がり軸受50と等速自在継手61が着脱自在にユニット化されている。複列の転がり軸受50は、外方部材51と内方部材52と複列のボール53、53とを備えている。外方部材51は、外周に懸架装置を構成するナックル54に取り付けられるための車体取付フランジ51bを一体に有し、内周に複列の外側転走面51a、51aが一体に形成されている。
一方、内方部材52は、ハブ輪55と、このハブ輪55に固定された内輪56とからなる。ハブ輪55は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ55dを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面51a、51aの一方に対向する内側転走面55aと、この内側転走面55aから軸方向に延びる円筒状の小径段部55bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション55cが形成されている。
内輪56は、外周に前記複列の外側転走面51a、51aの他方に対向する内側転走面56aが形成され、ハブ輪55の小径段部55bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、小径段部55bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部57によって内輪56が軸方向に固定されている。
外方部材51の複列の外側転走面51a、51aと、これらに対向するハブ輪55の内側転走面55aおよび内輪56の内側転走面56a間には複列のボール53、53が収容され、保持器58、58によって転動自在に保持されている。また、外方部材51と内方部材52との間に形成される環状空間の開口部にはシール59、60が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
等速自在継手61は、外側継手部材62と継手内輪63とケージ64およびトルク伝達ボール65からなる。外側継手部材62は、カップ状のマウス部66と、このマウス部66の底部をなす肩部67と、この肩部67から軸方向に延びる軸部68とを一体に有している。軸部68の外周にはハブ輪55のセレーション55cに係合するセレーション68aと、このセレーション68aの端部に雄ねじ68bが形成されている。そして、ハブ輪55にこの外側継手部材62がセレーション55c、68aを介してトルク伝達可能に内嵌され、雄ねじ68bに締結された固定ナット69によってハブ輪55と外側継手部材62が着脱自在にユニット化されている。
シール60は、図10に示すように、第1のシールリング70と第2のシールリング71とが組み合わされた、所謂パックシールで構成されている。第1のシールリング70は外方部材51に装着され、断面が略L字状に形成された芯金72と、この芯金72に被着され、主リップ73aと補助リップ73bからなるシール部材73とからなる。
第2のシールリング71は内輪56に装着され、断面が略L字状に形成された芯金74と、この芯金74に被着されたラジアルリップ75とからなる。この第2のシールリング71にパルサリング76が取り付けられている。パルサリング76は、芯金74に外嵌され、断面が略コの字状に形成された芯金77と、この芯金77に被着された多極磁石ロータ78からなる。この多極磁石ロータ78は、磁性粉を含有したゴムまたは樹脂を加硫接着して周方向交互にN極、S極を配置するように径方向から着磁されている。
ここで、第1のシールリング70における芯金72の外周面全周にはセンサホルダ79が積層されている。このセンサホルダ79はポリフェニレンサルファイド(PPS)等の非磁性の樹脂材で形成され、磁気センサ80が埋設されている。そして、センサホルダ79の円周所定位置には、磁気センサ80と車体の電子回路に接続されたハーネス(図示せず)とを結線する雌型のコネクタ81が径方向外方に突出する状態で一体に形成されている。
このように、ラジアルリップ75がパルサリング76よりも外側に配置されているので、パルサリング76が雨水やダスト等により汚れるのを防止することができると共に、第1のシールリング70の主リップ73aおよび補助リップ73bによってボール53および転走面から隔離されているので、ボール53の回転によって生じる金属摩耗粉等がパルサリング76に付着するのを防止することができ、検出精度の低下を回避することができる。
特開2005−98332号公報
然しながら、こうした従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、センサホルダ79がシメシロを持って直接外方部材51の端部に圧入される構造で、センサホルダ79が粘弾性材料からなる樹脂製のため、圧入により固定部が歪み、密封性が確保できない恐れがある。これでは、センサホルダ79の固定力が低下して軸受内部に雨水やダスト等が侵入すると共に、センサホルダ79が位置ずれを起こし、速度検出機能を満足しなくなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、外方部材とセンサホルダの嵌合部の気密性を高めて密封性を確保した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部にシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダと、円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化するように構成され、前記回転速度センサに所定のエアギャップを介して対峙するパルサリングとを備えると共に、前記シールのうちインナー側のシールが、前記センサホルダと内輪との間に配設された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記センサホルダの嵌合部に金属環がインサート成形により一体に結合され、この金属環を介して当該センサホルダが前記外方部材に圧入されている。
このように、外方部材のインナー側の端部にシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダを備えた内輪回転タイプの回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、センサホルダの嵌合部に金属環がインサート成形により一体に結合され、この金属環を介して当該センサホルダが外方部材に圧入されているので、センサホルダが粘弾性材料からなる樹脂製であっても、嵌合部を補強して圧入によって嵌合部が歪むのを防止することができ、センサホルダの固定力を確保することができる。したがって、外方部材とセンサホルダの嵌合部の気密性を高めて密封性を確保した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明は、前記金属環の端部に折曲部が形成され、この折曲部に前記センサホルダがモールドされていれば、センサホルダが金属環から剥離するのを防止し、長期間に亘って嵌合部の気密性を維持することができる。
さらに好ましくは、請求項3に記載の発明は、前記折曲部が径方向に延びる複数の折曲片で構成されていれば、運転中に振動等によって金属環に対してセンサホルダが回動するのを防止することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記外方部材の内周に環状凹部が形成されると共に、前記金属環の端部に径方向外方に傾斜して係止部が形成され、この係止部が前記環状凹部に係止されていれば、センサホルダが外方部材に対して位置ずれするのを防止し、長期間に亘って安定した速度検出を行うことができ、信頼性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記センサホルダが圧入される前記外方部材の嵌合部に環状凹部が形成されると共に、前記金属環の嵌合部に円弧状の環状凸部が形成され、この環状凸部が前記環状凹部に係止されていれば、センサホルダが外方部材に対して位置ずれするのを防止することができると共に、外方部材にセンサホルダをスムーズに圧入することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記センサホルダが圧入される前記外方部材の嵌合部に環状凹部が形成されると共に、前記金属環の嵌合部に径方向外方に突出する弾性片が切り起こし加工によって周方向等配に複数形成され、この弾性片が前記環状凹部に係止されていれば、センサホルダが外方部材に対して位置ずれするのを防止することができると共に、外方部材にセンサホルダを圧入する際、弾性片が容易に弾性変形してスムーズに圧入することができ、圧入後はこの弾性片が外方部材の環状凹部に確実に係合し、センサホルダの引抜き耐力を格段に高めることができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記金属環が防錆能を有する鋼鈑からプレス加工によって形成されていれば、嵌合部から雨水等が浸入しても外方部材が発錆するのを防止することができ、センサホルダの固定力を確保することができる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記シールのうちインナー側のシールが、前記センサホルダがインサート成形され、鋼板からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して前記内輪の外径に圧入され、鋼板からプレス加工によって断面が略L字状に形成されたスリンガと、このスリンガに嵌合固定された前記パルサリングと、このパルサリングに一体に接合された磁気エンコーダとを備え、この磁気エンコーダが、磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁されたゴム磁石からなり、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙されると共に、前記シール部材が複数のシールリップを一体に有し、これらシールリップが前記パルサリングに摺接されていれば、転動体および各転走面から隔離され、転動体の回転によって生じる金属摩耗粉等が磁気エンコーダに付着するのを防止することができ、長期間に亘って所望の検出精度を維持することができる。
好ましくは、請求項9に記載の発明のように、前記センサホルダが、繊維状強化材が所定量充填された非磁性の合成樹脂で形成されると共に、前記芯金が非磁性の鋼板からプレス加工にて形成されていれば、回転速度センサの感知性能に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に優れ、長期間に亘って強度・耐久性を向上させることができると共に、長期間に亘って所望の速度検出機能を満足することができる。
また、請求項10に記載の発明のように、前記シールのうちインナー側のシールが、鋼板からプレス加工によって形成され、前記センサホルダがインサート成形されて前記外方部材のインナー側の端部内周に圧入された芯金、およびこの芯金に一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して配置されたスリンガとを備え、このスリンガが、鋼板からプレス加工によって断面が略コの字状に形成され、前記内輪の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部と、この立板部から軸受内方側に延びる円筒状の外径部を有し、この外径部に、磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁されたゴム磁石からなる磁気エンコーダが一体に接合され、この磁気エンコーダが前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙されると共に、前記シール部材が複数のシールリップを一体に有し、これらシールリップが前記スリンガに摺接されていれば、部品点数を削減して低コスト化とコンパクト化を図ることができると共に、転動体および各転走面から隔離され、転動体の回転によって生じる金属摩耗粉等が磁気エンコーダに付着するのを防止することができる。
好ましくは、請求項11に記載の発明のように、前記磁気エンコーダのインナー側の端部に環状壁が突出して形成され、前記センサホルダの内径面に僅かな径方向すきまを介して対峙してラビリンスシールが構成されていれば、部品点数を削減して低コスト化とコンパクト化を図ることができると共に、磁気エンコーダの検出部に外部から直接雨水やダスト等が侵入するのを防止し、密封性を向上することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部にシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダと、円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化するように構成され、前記回転速度センサに所定のエアギャップを介して対峙するパルサリングとを備えると共に、前記シールのうちインナー側のシールが、前記センサホルダと内輪との間に配設された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記センサホルダの嵌合部に金属環がインサート成形により一体に結合され、この金属環を介して当該センサホルダが前記外方部材に圧入されているので、センサホルダが粘弾性材料からなる樹脂製であっても、嵌合部を補強して圧入によって嵌合部が歪むのを防止することができ、センサホルダの固定力を確保することができる。したがって、外方部材とセンサホルダの嵌合部の気密性を高めて密封性を確保した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部に所定のシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダと、磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁されたゴム磁石からなり、前記回転速度センサに所定のエアギャップを介して対峙する磁気エンコーダとを備えると共に、前記シールのうちインナー側のシールが、前記センサホルダと内輪との間に装着された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記センサホルダの嵌合部に金属環がインサート成形により一体に結合され、この金属環を介して当該センサホルダが前記外方部材に圧入されると共に、前記金属環の端部に径方向外方に延びる複数の折曲片で構成された折曲部と径方向外方に傾斜して延びる係止部が形成され、この係止部が前記外方部材の内周に形成された環状凹部に係止されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の検出部を示す要部拡大図、図3(a)は、図2の金属環を示す縦断面図、(b)は、(a)の正面図、図4は、図2の変形例を示す要部拡大図、図5(a)は、図4の金属環を示す縦断面図、(b)は、(a)の正面図、図6および図7は、図2の他の変形例を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は駆動輪用の第3世代構造と呼称され、ハブ輪1と内輪2からなる内方部材3と、この内方部材3に複列の転動体(ボール)4、4を介して外挿された外方部材5とを備え、等速自在継手10が連結されている。
内方部材3は、ハブ輪1と、このハブ輪1に固定された内輪2とからなる。ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、外周にアウター側(一方)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。なお、車輪取付フランジ6の円周等配位置にはハブボルト6aが植設されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内側転走面1aをはじめ、後述するアウター側のシール10が摺接する車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、後述する加締部1dは未焼入れで鍛造加工後の表面硬さのままとされている。
内輪2は、外周にインナー側(他方)の内側転走面2aが形成され、ハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入され、ハブ輪1の小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部1dによって所定の軸受予圧が付与された状態で軸方向に固定されている。なお、内輪2および転動体4はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材5はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ5bを一体に有し、内周に内方部材3の内側転走面1a、2aに対向する複列の外側転走面5a、5aが一体に形成されている。そして、これらの複列の外側転走面5a、5aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材5の複列の外側転走面5a、5aと、これらに対向するハブ輪1の内側転走面1aおよび内輪2の内側転走面2a間には複列の転動体4、4が収容され、保持器7、7によって転動自在に保持されている。そして、内輪2の小径側(正面側)の端面がハブ輪1の肩部に突合せ状態で衝合し、所謂背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成している。また、外方部材5と内方部材3との間に形成される環状空間の開口部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
等速自在継手10は、外側継手部材11と継手内輪12とケージ13およびトルク伝達ボール14とを備えている。外側継手部材11は、カップ状のマウス部15と、このマウス部15の底部をなす肩部16と、この肩部16から軸方向に延びる軸部17とを一体に有している。軸部17の外周にはハブ輪1のセレーション1cに係合するセレーション17aと、このセレーション17aの端部に雄ねじ17bが形成されている。そして、ハブ輪1にこの外側継手部材11がセレーション1c、17aを介して加締部1dの端面と肩部16が衝合するまで内嵌され、雄ねじ17bに締結された固定ナット18によってハブ輪1と外側継手部材11がトルク伝達可能に、かつ着脱自在に結合されている。
本実施形態では、センサホルダ19が外方部材5のインナー側の端部に装着されている。そして、インナー側のシール9はこのセンサホルダ19と内輪2との間に形成される環状空間の開口部に装着されている。シール9は、図2に拡大して示すように、断面略L字状に形成された環状のシール板20とスリンガ21、およびこのスリンガ21に外嵌されたパルサリング22を備え、シール板20とスリンガ21は互いに対向して配置されている。シール板20は、センサホルダ19がインサート成形された芯金23と、この芯金23に加硫接着等で一体に接合されたシール部材24とからなる。
芯金23は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面略L字状に形成されている。特に、磁気検出に悪影響を及ぼさない非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑が好ましい。また、シール部材24は合成ゴム等の弾性部材からなり、主リップ24aとグリースリップ24bを一体に有している。
スリンガ21は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面略L字状に形成されている。このスリンガ21は、内輪2の外径に圧入される円筒部21aと、この円筒部21aから径方向外方に延びる立板部21bとを有し、この立板部21bの端部にラジアルリップ25が加硫接着によって一体に接合されている。
パルサリング22は、スリンガ21の円筒部21aに圧入される芯金26と、この芯金26の外径部に加硫接着により一体に接合された磁気エンコーダ27からなる。芯金26は、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)あるいは防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からなり、プレス加工によって断面が略コの字状に形成されている。そして、シール部材24の主リップ24aとグリースリップ24bが芯金26に摺接されると共に、スリンガ21のラジアルリップ25がシール板20の芯金23に摺接されている。一方、磁気エンコーダ27はゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入されたゴム磁石からなり、周方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。
こうしたシール9を構成することにより、パルサリング22が外部から侵入するダスト等により汚れるのを防止することができると共に、このパルサリング22に摺接するシール板20の主リップ24aおよびグリースリップ24bによって転動体4および各転走面から隔離されているので、転動体4の回転によって生じる金属摩耗粉等が磁気エンコーダ27に付着するのを防止することができ、長期間に亙って所望の検出精度を維持することができる。
センサホルダ19はPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の非磁性の樹脂材で形成され、GF(グラス繊維)からなる繊維状強化材が10〜45wt%充填されている。これにより、回転速度センサ28の感知性能に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に優れ、長期間に亘って強度・耐久性を向上させることができる。また、GFを充填させることにより、半結晶性材料を、そのガラス転移温度を超える温度で使用することができるため耐熱性が向上すると共に、弾性率の増大により剛性が高くなり、外方部材5に直接圧入されるこの種のセンサホルダ19において、嵌合部が歪んで経年変化でクリープ変形が生ずるのを防止することができる。
GFの充填量に関しては、10wt%未満ではその効果が発揮されず、また、45wt%を超えて充填されると、成形品内の繊維が異方性を引き起こして密度が大きくなって寸法安定性が低下し、外方部材5に直接圧入されるセンサホルダ19としては好ましくない。なお、センサホルダ19はPPS以外にもPA(ポリアミド)66、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の射出成形可能な合成樹脂を例示することができる。また、繊維状強化材としては、GFに限らず、CF(炭素繊維)やアラミド繊維、ホウ素繊維等が例示できる。
センサホルダ19には回転速度センサ28が包埋され、磁気エンコーダ27に所定の径方向すきま(エアギャップ)を介して対峙している。この回転速度センサ28は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、この磁気検出素子の出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたICとからなる。これにより、低コストで信頼性の高い回転速度検出装置を得ることができる。センサホルダ19の円周所定位置(図中垂直方向の上部)には、回転速度センサ28と車体の電子回路に接続されたハーネス(図示せず)とを結線する雌型のコネクタ29が径方向外方に突出して設けられている。
なお、本実施形態では、回転速度検出装置として、磁気エンコーダ27と、ホール素子等の磁気検出素子からなる回転速度センサ28とからなるアクティブタイプの回転速度検出装置を例示したが、本発明に係る回転速度検出装置はこれに限らず、例えば、歯車等と、磁石と巻回された環状のコイル等からなるパッシブタイプであっても良い。
ここで、外方部材5の端部内周に圧入されるセンサホルダ19の嵌合部に金属環30がインサート成形により一体に結合されている。この金属環30は、防錆能を有するオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)からプレス加工によって形成され、端部に係止部30aと折曲部31が形成されている。係止部30aは、外方部材5の内周に形成された環状凹部5cに係止するように径方向外方に傾斜して形成されている。これにより、センサホルダ19が外方部材5に対して位置ずれするのを防止し、長期間に亘って安定した速度検出を行うことができ、信頼性を向上させることができる。
また、折曲部31は、図3(b)に示すように、径方向外方に延びる複数の折曲片31a、31aで構成され、センサホルダ19が金属環30から軸方向に剥離するのを防止すると共に、運転中に振動等によって金属環30に対してセンサホルダ19が回動するのを防止し、長期間に亘って嵌合部の気密性を維持することができる。このように、本実施形態では、センサホルダ19の嵌合部に金属環30が一体に結合されているので、センサホルダ19が粘弾性材料からなる樹脂製であっても、嵌合部を補強して圧入によって嵌合部が歪むのを防止することができると共に、嵌合部から雨水等が浸入しても外方部材5が発錆するのを防止することができ、センサホルダ19の固定力を確保することができる。
なお、金属環30は、前述したオーステナイト系ステンレス鋼鈑以外に、例えば、Cr、Ni、Sn等の各種メッキ鋼板をはじめ、溶融亜鉛メッキ鋼板や、この溶融亜鉛メッキ後、加熱によりメッキ層をZn−Feの合金にした合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、亜鉛アルミニウム合金メッキ鋼板、クロムやホウ素を拡散浸透させる、所謂クロマイジング鋼板やカロライジング鋼板、あるいは、Zn−Al−Mg系のメッキ鋼板(商品名:ZAM)等を例示することができる。
図4は、前述した実施形態の変形例を示している。この実施形態は図2に示す金属環の一部構成が異なるのみで、その他同一部品同一部位あるいは同一の機能を有する部品部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
センサホルダ19の嵌合部に金属環32がインサート成形により一体に結合され、この金属環32を介してセンサホルダ19が外方部材5の端部内周に圧入されている。この金属環32は、防錆能を有するオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)からプレス加工によって形成され、端部に係止部30aと折曲部33が形成されている。
折曲部33は、図5(b)に示すように、径方向内方に延びる複数の折曲片33a、33aで構成され、センサホルダ19が金属環32から軸方向に剥離するのを防止すると共に、運転中に振動等によって金属環32に対してセンサホルダ19が回動するのを防止し、長期間に亘って嵌合部の気密性を維持することができる。また、複数の折曲片32aが径方向内方に延びて形成されているので、金属環32の剛性を高めることができ、薄肉の鋼板を素材として使用してもセンサホルダ19の嵌合部を補強することができ、圧入によって嵌合部が歪むのを防止してセンサホルダ19の固定力を確保することができる。
図6および図7は、前述した実施形態の他の変形例を示している。この実施形態は前述した金属環の構成が異なるのみで、その他同一部品同一部位あるいは同一の機能を有する部品部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
センサホルダ19の嵌合部に金属環34がインサート成形により一体に結合され、この金属環34を介してセンサホルダ19が外方部材5の端部内周に圧入されている。この金属環34は、防錆能を有するオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)からプレス加工によって形成され、一端部に折曲部33が形成されている。
この金属環34の嵌合部には径方向外方に環状凸部34aが形成されている。この環状凸部34aは、ローリング加工等によって円弧状に形成され、外方部材5の嵌合部に形成された環状凹部5dに係合してセンサホルダ19が外方部材5に対して位置ずれするのを防止し、長期間に亘って安定した速度検出を行うことができる。また、環状凸部34aが円弧状に形成されているので、外方部材5にセンサホルダ19をスムーズに圧入することができる。
図7に示す金属環35は、前述した実施形態と同様、防錆能を有するオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)からプレス加工によって形成され、嵌合部に径方向外方に突出する弾性片35aが形成されている。この弾性片35aは切り起こし加工によって周方向等配に複数形成され、圧入に伴って弾性変形し、外方部材5の嵌合部に形成された環状凹部5dの位置で弾性復帰して係合する。この弾性片35aが環状凹部5dに係合することにより、センサホルダ19が外方部材5に対して位置ずれするのを防止している。また、外方部材5にセンサホルダ19を圧入する際、弾性片35aが容易に弾性変形してスムーズに圧入することができると共に、圧入後はこの弾性片35aが外方部材5の環状凹部5dに確実に係合し、センサホルダ19の引抜き耐力を格段に高めることができる。
図8は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す要部拡大図である。なお、この実施形態は、前述した第1の実施形態と基本的にセンサホルダとシールの構成が異なり、その他同一部品同一部位あるいは同一の機能を有する部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
センサホルダ36は、前述した実施形態と同様、PPS等の非磁性の樹脂材で形成され、GFからなる繊維状強化材が10〜45wt%充填されている。このセンサホルダ36は外方部材5のインナー側の端部内周に圧入され、回転速度センサ28が包埋されると共に、この回転速度センサ28と車体の電子回路に接続されたハーネス(図示せず)とを結線する雌型のコネクタ29が径方向外方に突出して形成されている。
ここで、インナー側のシール37はセンサホルダ36と内輪2との間に形成される環状空間の開口部に配設されている。シール37は、断面略L字状に形成された環状のシール板38とスリンガ39を備え、互いに対向して配置されている。シール板38は、センサホルダ36がインサート成形された芯金40と、この芯金40に加硫接着等で一体に接合されたシール部材41とからなる。
芯金40は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面略L字状に形成されている。芯金40は、外方部材5のインナー側の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒部40aと、この円筒部40aから径方向内方に延びる内径部40bを有し、この内径部40bにシール部材41が接合されている。そして、円筒部40aの端縁には径方向外方に延びる折曲部40cが形成され、センサホルダ36が芯金40から剥離するのを防止している。一方、シール部材41は合成ゴム等の弾性部材からなり、主リップ24aとグリースリップ24b、および径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ41aを一体に有している。
スリンガ39は、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)あるいは防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からなり、プレス加工によって断面が略コの字状に形成されている。このように、後述する磁気エンコーダ42を一体に接合するスリンガ39が強磁性体で構成されているため、磁気エンコーダ42の出力信号が強くなり安定した検出精度を確保することができる。このスリンガ39は、内輪2の外径に圧入される円筒部39aと、この円筒部39aから径方向外方に延びる立板部39bと、この立板部39bから軸受内方側に延びる円筒状の外径部39cとを有している。そして、シール部材41の主リップ24aとグリースリップ24bがスリンガ39の円筒部39aに摺接されると共に、サイドリップ41aが立板部39bに摺接されている。
また、スリンガ39の立板部39bから外径部39cに亙って磁気エンコーダ42が加硫接着により一体に接合されている。磁気エンコーダ42はゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入されたゴム磁石からなり、周方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。さらに、磁気エンコーダ42のインナー側の端部には環状壁42aが突出して形成され、センサホルダ36の内径面に僅かな径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシール43が構成されている。これにより、部品点数を削減して低コスト化とコンパクト化を図ると共に、磁気エンコーダ42の検出部に外部から直接雨水やダスト等が侵入するのを防止し、密封性を向上することができる。
こうしたシール37を構成することにより、前述した実施形態と同様、磁気エンコーダ42が、スリンガ39に摺接する主リップ24aとグリースリップ24b、およびサイドリップ41aによって転動体4および各転走面から隔離されているので、転動体4の回転によって生じる金属摩耗粉等が磁気エンコーダ42に付着するのを防止することができ、長期間に亙って所望の検出精度を維持することができる。
本実施形態では、シール37を構成する芯金40にセンサホルダ36がインサート成形により一体に結合され、露出した芯金40を介してセンサホルダ36が外方部材5のインナー側の端部内周に金属嵌合されているので、センサホルダ36が粘弾性材料からなる樹脂製であっても、嵌合部を補強して圧入によって嵌合部が歪むのを防止することができ、センサホルダ36の固定力を高めることができると共に、部品点数を削減して低コスト化とコンパクト化を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、回転速度センサが包埋された樹脂製のセンサホルダを備え、このセンサホルダが外方部材の端部に圧入された車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1の検出部を示す要部拡大図である。 (a)は、図2の金属環を示す縦断面図である。 (b)は、(a)の正面図である。 図2の変形例を示す要部拡大図である。 (a)は、図4の金属環を示す縦断面図である。 (b)は、(a)の正面図である。 図2の他の変形例を示す要部拡大図である。 同上、図2の他の変形例を示す要部拡大図である。 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す要部拡大図である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 図9の要部拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、2a・・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、17a・・・・・・・・・・・セレーション
1d・・・・・・・・・・・・・・・加締部
2・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
3・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
4・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
5・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
5a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
5b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5c、5d・・・・・・・・・・・・環状凹部
6・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6a・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・・・・・・インナー側の基部
7・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
8・・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
9、37・・・・・・・・・・・・・インナーの側のシール
10・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
11・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
12・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
13・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
14・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
15・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
16・・・・・・・・・・・・・・・肩部
17・・・・・・・・・・・・・・・軸部
17b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
18・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
19、36・・・・・・・・・・・・センサホルダ
20、38・・・・・・・・・・・・シール板
21、39・・・・・・・・・・・・スリンガ
21a、39a、40a・・・・・・円筒部
21b、39b・・・・・・・・・・立板部
22・・・・・・・・・・・・・・・パルサリング
23、26、40・・・・・・・・・芯金
24、41・・・・・・・・・・・・シール部材
24a・・・・・・・・・・・・・・主リップ
24b・・・・・・・・・・・・・・グリースリップ
25・・・・・・・・・・・・・・・ラジアルリップ
27、42・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
28・・・・・・・・・・・・・・・回転速度センサ
29・・・・・・・・・・・・・・・コネクタ
30、32、34、35・・・・・・金属環
30a・・・・・・・・・・・・・・係止部
31、33、40c・・・・・・・・折曲部
31a、33a・・・・・・・・・・折曲片
34a・・・・・・・・・・・・・・環状凸部
35a・・・・・・・・・・・・・・弾性片
39c・・・・・・・・・・・・・・外径部
40b・・・・・・・・・・・・・・内径部
41a・・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
42a・・・・・・・・・・・・・・環状壁
43・・・・・・・・・・・・・・・ラビリンスシール
50・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
51・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
51a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
51b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
52・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
53・・・・・・・・・・・・・・・ボール
54・・・・・・・・・・・・・・・ナックル
55・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
55a、56a・・・・・・・・・・内側転走面
55b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
55c、68a・・・・・・・・・・セレーション
55d・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
56・・・・・・・・・・・・・・・内輪
57・・・・・・・・・・・・・・・加締部
58・・・・・・・・・・・・・・・保持器
59・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
60・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
61・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
62・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
63・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
64・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
65・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
66・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
67・・・・・・・・・・・・・・・肩部
68・・・・・・・・・・・・・・・軸部
68b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
69・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
70・・・・・・・・・・・・・・・第1のシールリング
71・・・・・・・・・・・・・・・第2のシールリング
72、74、77・・・・・・・・・芯金
73・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
73a・・・・・・・・・・・・・・主リップ
73b・・・・・・・・・・・・・・補助リップ
75・・・・・・・・・・・・・・・ラジアルリップ
76・・・・・・・・・・・・・・・パルサリング
78・・・・・・・・・・・・・・・多極磁石ロータ
79・・・・・・・・・・・・・・・センサホルダ
80・・・・・・・・・・・・・・・磁気センサ
81・・・・・・・・・・・・・・・コネクタ

Claims (11)

  1. 外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、
    前記外方部材のインナー側の端部にシメシロを介して内嵌され、合成樹脂から射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダと、
    円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化するように構成され、前記回転速度センサに所定のエアギャップを介して対峙するパルサリングとを備えると共に、
    前記シールのうちインナー側のシールが、前記センサホルダと内輪との間に配設された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
    前記センサホルダの嵌合部に金属環がインサート成形により一体に結合され、この金属環を介して当該センサホルダが前記外方部材に圧入されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  2. 前記金属環の端部に折曲部が形成され、この折曲部に前記センサホルダがモールドされている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  3. 前記折曲部が径方向に延びる複数の折曲片で構成されている請求項2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  4. 前記外方部材の内周に環状凹部が形成されると共に、前記金属環の端部に径方向外方に傾斜して係止部が形成され、この係止部が前記環状凹部に係止されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  5. 前記センサホルダが圧入される前記外方部材の嵌合部に環状凹部が形成されると共に、前記金属環の嵌合部に円弧状の環状凸部が形成され、この環状凸部が前記環状凹部に係止されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  6. 前記センサホルダが圧入される前記外方部材の嵌合部に環状凹部が形成されると共に、前記金属環の嵌合部に径方向外方に突出する弾性片が切り起こし加工によって周方向等配に複数形成され、この弾性片が前記環状凹部に係止されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  7. 前記金属環が防錆能を有する鋼鈑からプレス加工によって形成されている請求項1乃至6いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  8. 前記シールのうちインナー側のシールが、前記センサホルダがインサート成形され、鋼板からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して前記内輪の外径に圧入され、鋼板からプレス加工によって断面が略L字状に形成されたスリンガと、このスリンガに嵌合固定された前記パルサリングと、このパルサリングに一体に接合された磁気エンコーダとを備え、この磁気エンコーダが、磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁されたゴム磁石からなり、前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙されると共に、前記シール部材が複数のシールリップを一体に有し、これらシールリップが前記パルサリングに摺接されている請求項1乃至7いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  9. 前記センサホルダが、繊維状強化材が所定量充填された非磁性の合成樹脂で形成されると共に、前記芯金が非磁性の鋼板からプレス加工にて形成されている請求項8に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  10. 前記シールのうちインナー側のシールが、鋼板からプレス加工によって形成され、前記センサホルダがインサート成形されて前記外方部材のインナー側の端部内周に圧入された芯金、およびこの芯金に一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して配置されたスリンガとを備え、このスリンガが、鋼板からプレス加工によって断面が略コの字状に形成され、前記内輪の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部と、この立板部から軸受内方側に延びる円筒状の外径部を有し、この外径部に、磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁されたゴム磁石からなる磁気エンコーダが一体に接合され、この磁気エンコーダが前記回転速度センサに所定の径方向すきまを介して対峙されると共に、前記シール部材が複数のシールリップを一体に有し、これらシールリップが前記スリンガに摺接されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  11. 前記磁気エンコーダのインナー側の端部に環状壁が突出して形成され、前記センサホルダの内径面に僅かな径方向すきまを介して対峙してラビリンスシールが構成されている請求項10に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
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