JPWO2007080796A1 - 積層体 - Google Patents

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Abstract

特に介護用や医療用のシート等の衛生材料、或いはフェイスマスク等の化粧用シートとして好ましく用いられる積層体であって、表面が、液体拡散性が高く、且つ、リウェット性(液体戻り性)を制御できる積層体を提供する。本発明の積層体は、平均繊維径が特定の範囲にあり、分岐構造を有する分岐状繊維からなる繊維シート(A)、ポリオレフィン製不織布(B)、水不透過性フィルム(C)が、表面から(B)、(A)、(C)の順に積層してなる。

Description

本発明は、液体拡散性が高く、且つリウェット性が用途に応じて制御できる、積層体に関する。特に、液体吸収をするのに好ましい積層体に関する。
従来、表面に液透過性シート、裏面に防水性シート、これらの中間層に吸液シートを挟んだ構造の積層体が知られており、かかる積層体は表面から液体を吸収し、中間層で液体を保持し、裏面には漏らさない構造となっている。このような積層体は、例えば人間等が寝る際に敷くシート、或いは、化粧用シートに使用されている。特に、病院及び介護施設等では、患者が長時間横になるため、特に、汗等を素早く吸収し、吸収した液体が戻らない性質(低リウェット性)に優れていることが求められている。一方、化粧用シートは、薬液をシートに染み込ませて必要に応じて薬液を放出させて使用するため、液の拡散ムラが少ないことが求められている。
これらの問題点を解決する為に、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとの間に、親水性合成繊維の層と綿状パルプの層とからなるセカンドシート及び吸収体を配置したものが提案されている(例えば、特開平9−56748号公報)。しかし、このシートでは液体拡散性が十分でなく水分を保持する範囲が狭いので、汗等の吸液や拡散を目的とする用途においてはジメジメ感が残るおそれがあり、また、構造が複雑であり、厚くなりすぎるので取り扱いが不便である虞がある。また、シートに一旦薬液等を染み込ませ必要に応じて薬液を放出することを目的とする用途においては、拡散ムラを生じる虞がある。
また、不織布層と繊維ウェブ層との積層体が提案されているが(例えば、特開2000−103677号公報)、繊維ウェブ層はステープル状繊維を開繊したり、短繊維をウェブ化したりしたものであり、繊維の絡み合いが平面的或いは一方向のみであり、繊維の絡み合いにより形成される空隙が潰れやすく保液力が十分ではない虞がある。また、繊維の先端の断面が太いため液体吸収力が十分でない虞があり、そのために特開2000−103677号公報では、別の態様としてSAP粒子を担持させた複合シートが開示されている。
さらに、分岐した繊維を用いる吸収性不織布が提案されている(例えば、特開2005−113339号公報)。この吸収性不織布には、分岐した繊維の他に天然パルプが混合されており、天然パルプの吸液性により、液体は吸収するものの、天然パルプ自体に液体が吸収されるため液体拡散性が十分でない虞がある。
特開平9−56748号公報 特開2000−103677号公報 特開2005−113339号公報
本発明の目的は、特に介護用や医療用のシート等の衛生材料、或いは、フェイスマスク等の化粧用シートとして好ましく用いられる積層体を得ることであって、表面が、液体拡散性が高く、且つ、リウェット性を制御できる積層体を得ることである。
上記課題を解決する為に誠意検討した結果、平均繊維径が特定の範囲にあり、分岐構造を有する分岐状繊維からなる繊維シート(A)、ポリオレフィン製不織布(B)、水不透過性フィルム(C)からなり、表面から(B)、(A)、(C)の順に積層してなる積層体によって上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のようになる。
[1]平均繊維長が0.05〜50mmであって分岐構造を有する分岐状繊維からなる繊維シート(A)、ポリオレフィン製不織布(B)、水不透過性フィルム(C)からなり、表面から(B)/(A)/(C)の順に積層してなる積層体。
[2]積層体の表面が、液体拡散性100cm2以上である[1]記載の積層体。
[3]繊維シート(A)が、目付け30〜60g/m2の範囲にある[1]又は[2]に記載の積層体。
[4]繊維シート(A)が、目付け10〜20g/m2の範囲にある[1]又は[2]に記載の積層体。
[5]積層体の表面が、リウェット性30%以下である[3]に記載の積層体。
[6]積層体の表面が、リウェット性50%以上である[4]に記載の積層体。
[7]繊維シート(A)、ポリオレフィン製不織布(B)及び水不透過性フィルム(C)の接合部の面積が、積層体の全表面積に対して0.5〜35%の範囲にある[1]〜[6]のいずれかに記載の積層体。
[8]分岐状繊維が、ポリオレフィン繊維を含んでなる[1]〜[7]のいずれかに記載の積層体。
[9]繊維シート(A)が、バインダー繊維を含有する[1]〜[8]のいずれかに記載の積層体。
[10]繊維シート(A)及びポリオレフィン製不織布(B)がエンボス加工により熱接着されてなる[1]〜[5]のいずれかに記載の積層体。
[11][1]、[2]、[3]、[5]又は[7]〜[10]のいずれかに記載の積層体からなるシート。
[12][1]、[2]、[4]、[6]又は[7]〜[10]のいずれかに記載の積層体からなる化粧用シート。
本発明の積層体は、表面が、液体拡散性が高く、且つ、リウェット性(液体戻り性)が調節可能な積層体であって、種々の用途に使用することができる。例えば、液体吸収用シートに好ましく用いることができ、具体的には寝装具や医療用のシートに用いることができる。その場合には、本発明の積層体は、表面から液体を吸収した後に素早く液体がシート内部に拡散し、表面から圧力を掛けても液体の戻りが無い。また、シートの裏面から液体が漏れることもないので、その下に敷いた布団等が濡れることもない。したがって、介護用寝装具や医療用の敷布として使用するのに適している。
また、本発明の積層体は、化粧用シートとして用いることができる。その場合には、本発明の積層体は、表面から化粧液等の液体を吸収した後に素早く液体が内部に拡散し、表面から圧力をかければ吸収した液体が戻るので、顔の上に載せたときに吸収した液体が顔に付着する。また、シート裏面から液体が漏れることがないので、液体が外気に触れて乾燥することが無く、無駄なく顔に液体が付着する。したがって、フェイスマスク等の化粧シートに適している。
本発明に係る分岐状繊維の顕微鏡写真である。 繊維シート(A)を製造するバッチ式のエアレイド試験機である。 本発明の積層体の接合部(エンボス)のパターンの例である。 本発明の積層体の液体拡散性の測定装置である。
繊維シート(A)
本発明に係る繊維シート(A)は、特定の構造を有する分岐状繊維からなる。
本発明に係る分岐状繊維は、種々の化合物からなるが、熱可塑性樹脂からなることが好ましく、その中でもポリオレフィンからなることが好ましい。ポリオレフィンとしては、炭素数2〜6のα−オレフィンの単独重合体、あるいは相互の共重合体、さらにはこれらと他の共重合性のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル等との共重合体、さらにはこれら単独重合体や共重合体に不飽和カルボン酸モノマーを過酸化物でグラフト反応させて得られるポリマーが好ましく例示される。特に、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテンまたは4−メチル−1−ブテンの結晶性の重合体および共重合体が好ましく例示される。具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンやエラストマー(エチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、マレイン酸やアクリル酸による酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ3−メチルブテン、ポリ4−メチルブテン及びこれらの混合物が挙げられる。これらのポリオレフィンは、発明の趣旨から明らかなようにどのような製造法で製造されたものであっても良い。
本発明に係る分岐状繊維は、本発明の目的を損なわない範囲において他の種々の化合物を含有していても良い。例えば、従来公知の抗菌剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、各種安定剤、酸化防止剤、分散剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤等が挙げられる。これらのうち、複数の化合物を含有していても良く、その含有量は目的に応じて適宜選択できる。
本発明に係る分岐状繊維は、1本の繊維の最長部分の平均値(以下、「平均繊維長」という。)が、通常0.05〜50mmであり、0.05〜10mmであるのが好ましく、0.1〜10mmであるのが特に好ましい。平均繊維長がこの範囲にあれば、当該繊維を集合体としたときに適度な嵩高性を有するので好ましい。平均繊維長は、例えば以下の手順で求めることができる。
濃度0.02重量%になるように繊維の集合体を水に分散し、フィンランド国のメッツォオートメーション社製自動繊維測定機(製品名;FiberLab-3.5)で一本一本の繊維の長さを測定する。当該測定機では、キャピラリー中を流れる際の繊維にキセノンランプ光を照射してCCD(電荷結合素子)センサーで映像信号を採取し、画像解析する。繊維の長さは0.05mm刻み(級)で、繊維の長さと各繊維の長さに該当する繊維の存在率(%)の両方を測定し、これらをもとに以下の式により平均繊維長を得る。測定は、12000〜13000本の繊維について行う。
各級の平均繊維長Lnを求める。
Ln=ΣL/N
L:1つの級における一本一本の実測繊維長
N:1つの級における繊維本数
これらから以下の式により平均繊維長を求める。
平均繊維長(mm)=Σ(Nn×Ln3)/Σ(Nn×Ln2
Nn:各級の繊維本数
Ln:各級の数平均繊維長(mm)
本発明に係る分岐状繊維は、直径(以下、「繊維径」という)の最小値が0.5μm程度であることが好ましく、その最大値は50μm程度であることが好ましい。繊維径がこの範囲にあれば、当該繊維を集合体としたときに適度な嵩高性を有するので好ましい。繊維径は、1本、1本の繊維を光学顕微鏡あるいは、電子顕微鏡で観察する事で測定することができる。具体的には、例えば、繊維径の最大値および最小値は、次のようにして測定することができる。
キーエンス社製デジタルHFマイクロスコープVH8000にて倍率100倍で繊維を観察し、繊維径が10μm以上の部分を無作為に100箇所選択し、選択部分の繊維径を測定し、該測定値のうち最大の値を「繊維径の最大値」とする。
日本電子社製走査型電子顕微鏡JSM6480にて倍率3000倍で繊維を観察し、繊維径が10μm未満の部分を無作為に100箇所選択し、選択部分の繊維径を測定し、該測定値の最小の値を「繊維径の最小値」とする。
本発明に係る分岐状繊維は、1本の繊維が多数に枝分かれした分岐構造を有している。分岐構造としては、例えば図1に示すような形態がある。分岐状繊維は、例えば、光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察することにより確認することができる。図1は、後述する実施例1の分岐構造の繊維の集合体を、キーエンス社製デジタルHFマイクロスコープVH8000にて100倍で観察した写真である。分岐状繊維は、多数集合した場合には、構造繊維同士が特定方向に整列せず、分岐した繊維同士が互いに絡み合ったり、分岐部分が交差したりして入り込む。絡み合ったり交差したりした繊維により、多数の空孔が形成される。この空孔は、分岐状繊維が複雑に絡み合い或いは交差して形成されているので、圧力をかけても潰れ難い。従って、分岐状繊維からなる繊維シート(A)は、空孔部分に一旦水分が入り込むと、その部分にそのまま水分を保持できる。即ち、リウェット性が低い。また、水分を空孔に取り入れやすいので水分拡散性に優れる。
本発明に係る分岐状繊維は、合成繊維の一種として知られている合成パルプを包含する。
本発明の繊維シート(A)は、目付けを調節することで種々の目的や用途に用いることが出来る。例えば、目付けを30〜60g/m2、好ましくは40〜50g/m2の範囲にすれば、繊維シート(A)の保水力が高いのでリウェット性が低いものが得られる。目付けが高すぎると液体拡散性能が悪くなる。目付けを10〜20g/m2、好ましくは10〜15g/m2の範囲にすれば、リウェット性が高いものが得られる。目付けが低すぎると実質的に繊維シートとして形態をなさなくなり、液体拡散性が悪くなる。
このように目付けを調節することで、液体拡散性が高く維持したままで、リウェット性を高くしたり低くしたりすることができる。
(分岐状繊維の製造方法)
本発明に係る分岐状繊維は、種々の方法により得られるが、通常はフラッシュ法で製造することが可能である。フラッシュ法とは、高圧でポリマーを溶媒に溶解したものを減圧下に噴出することによって溶媒を揮散させ、さらに必要に応じワーリング・ブレンダー、ディスクリファイナー等にて繊維を切断および叩解することで不織布を製造する方法である。特に、特開昭48−44523に記載されている方法により、ポリオレフィン溶液を懸濁剤の存在下、水媒体に分散させたものをフラッシュさせると、繊維状物質が乱雑に分岐した形状を有する本発明の繊維の集合体が得られる。かかる繊維の集合体を不織布にしたもの(合成パルプ)は強度も大きい。
フラッシュ法は、具体的には、水と懸濁剤の存在下に熱可塑性樹脂溶液をフラッシュする。最初に、原料樹脂を、該樹脂を溶解可能な溶剤に溶解し、前述した懸濁剤及び水を加えてエマルジョンを得る。
溶剤としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素系、ベンゼン、トルエン等の芳香族系、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭素類等の中から、原料樹脂を溶解させることができ、且つ、フラッシュ時に揮発して、得られた繊維の集合体に残存しにくいものを適宜選択する。
懸濁剤の添加量は、繊維中、懸濁剤が0.1〜5質量%となる量とすることが好ましい。製造過程において、添加した懸濁剤の一部が抜けるような操作をする場合は多めに添加する等、適宜調整し添加する。添加量の目安としては、原料樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部である。懸濁剤を添加することにより、エマルションを安定化することができるとともに、フラッシュ後の繊維切断を水中で安定的に行うことができる。
次に、得られたエマルジョンを、100〜200℃、好ましくは130〜150℃に加熱し、圧力(絶対圧力)0.1〜5MPa、好ましくは圧力0.5〜1.5MPaの加圧状態にし、ノズルより減圧下へ噴出(フラッシュ)すると同時に溶剤を気化させる。減圧の条件は、圧力1kPa〜95kPaとすることが好ましく、噴出先は窒素雰囲気等の不活性雰囲気であることが好ましい。本発明において、「圧力」とは絶対圧力のことを示す。
上記のようにしてフラッシュすることにより、分岐構造を有する不定長の繊維が得られる。この繊維は、さらにワーリング・ブレンダー、ディスクリファイナー等にて切断および叩解して、所望の長さにすることが好ましい。そのとき、繊維を0.5〜5g/リットル濃度の水スラリーの状態にして上記切断・叩解処理を行うことが好ましい。乾燥後、所望によりミキサー等によって開綿してもよい。
以上説明した方法によれば、分岐構造を有する繊維、特に本発明に係る分岐状繊維を好ましく製造することができる。尚、分岐状繊維に、前記の添加剤を混合する場合には、エマルジョンの段階で添加することが好ましい。そうすることで、分岐状繊維に成形した後も添加剤の効果を長期間保持することが可能となる。
(バインダー繊維)
本発明に係る繊維シート(A)は、バインダー繊維を含有していても良い。バインダー繊維とは、上記の合成繊維同士を結合して繋ぎ止めるものであって、繊維シート(A)をシート状に保持するのに適している。バインダー繊維としては、上記合成繊維同士を結合するものであればいずれの形状・素材であっても良く、合成繊維であっても良い。例えば、ポリエステルからなる繊維を用いることができるが、接着性が良好である点から、ポリオレフィンからなることが好ましい。例えば、炭素数2〜6のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体、さらにはこれらと他の共重合性のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル等との共重合体、さらにはこれら単独重合体や共重合体に不飽和カルボン酸モノマーを過酸化物でグラフト反応させて得られるポリマーが好ましく例示される。特に、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテンまたは4−メチル−1−ブテンの結晶性の重合体および共重合体が好ましく例示される。具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンやエラストマー(エチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、マレイン酸やアクリル酸による酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ3−メチルブテン、ポリ4−メチルブテン及びこれらの混合物が挙げられる。
バインダー繊維は種々の形状をとることができるが、通常は繊維径1〜100μm、好ましくは5〜50μm、更に好ましくは10〜20μmである。バインダー繊維は複数の樹脂からなってもよく、例えば、繊維の中心とその外側の組成が異なる芯鞘構造であっても、異なる樹脂同士が繊維表面に配置するサイドバイサイド構造であっても良い。その中でも、上記の特定構造の合成繊維を結合しやすく、且つ、シート状にした際に適宜シートの強度を有する点で、芯がポリプロピレンで鞘がポリエチレンである芯鞘構造の繊維であることが好ましい。このような組み合わせであれば、熱をかけて接着する場合に、バインダー繊維の表面のみが溶融し、バインダー繊維の芯は溶融せず形状が維持されるので好ましい。
バインダー繊維は、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができ、その添加量は好ましくは5〜50%、更に好ましくは15〜40%、特に好ましくは20〜30%である。バインダー繊維が多すぎると液体拡散性が低下する虞がある。
(他の成分)
本発明の繊維シート(A)は、上記の分岐繊維やバインダー繊維の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を含むことができる。例えば、従来公知の耐熱安定剤、耐候安定剤、各種安定剤、酸化防止剤、分散剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤等が挙げられる。これらは複数使用してもよく、その含有量は、用途に応じて適宜選択できる。
(繊維シート(A)の製造方法)
本発明に係る繊維シート(A)の製造方法は、公知の種々の方法を用いることができ、通常は、上記の分岐状繊維とバインダー繊維とを別々に得た後に、繊維シート(A)にする。例えば、図2のようなバッチ式のエアレイド試験機にて、解綿装置で投入繊維の解綿をすると共に複数の繊維を混合し、集塵機で吸引する事で、フォーミングボックス内に繊維を降らせてメッシュで繊維を捕集し、シートを形成することができる。
不織布(B)
本発明に係る不織布(B)は、ポリオレフィンを主成分とする。ポリオレフィンとしては、炭素数2〜6のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体、これらと他の共重合性のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル等との共重合体、さらにはこれら単独重合体や共重合体に不飽和カルボン酸モノマーを過酸化物でグラフト反応させて得られるポリマーが好ましく例示される。特に、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテンまたは4−メチル−1−ブテンの結晶性の重合体および共重合体が好ましく例示される。具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンやエラストマー(エチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、マレイン酸やアクリル酸による酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ3−メチルブテン、ポリ4−メチルブテン及びこれらの混合物が挙げられる。リウェット性が低い積層体を得る場合は、本発明に係る不織布(B)を構成する繊維自体が水分を吸収すると表面から液体戻りが生じるので、水分吸収が少ないものが好ましい。また、前記繊維シート(A)との接着性が良好な樹脂を選択するのが好ましい。リウェット性が高い積層体を得る場合は、本発明に係る不織布(B)を構成する繊維は繊維自体が水分を吸収するものであることが好ましい。
本発明に係る不織布(B)は、種々の形状をとることができるが、通常は繊維径1〜200μm、好ましくは5〜50μm、更に好ましくは10〜30μmである。また、繊維は複数の樹脂からなってもよく、例えば、繊維の中心とその外側の組成が異なる芯鞘構造であっても、異なる樹脂同士が繊維表面に配置するサイドバイサイド構造であっても良い。その中でも、上記の特定構造の合成繊維を結合しやすく、且つ、シート状にした際に適当なシートの強度が得られる点で、芯がポリプロピレンであり鞘がポリエチレンである芯鞘構造の繊維であることが好ましい。このような組み合わせであれば、熱をかけて接着する場合に、繊維の表面のみが溶融し、繊維の芯は溶融せず形状が維持されるので好ましい。
本発明に係る不織布(B)の目付けは、用途及び目的に応じて種々選択できるが、通常は10〜200g/m2、好ましくは12〜100g/m2、更に好ましくは15〜25g/m2である。
本発明に係る不織布(B)の製造方法は、公知の種々の方法をとることができる。例えば、スパンボンド法、メルトブロー法、カーディング法などが挙げられるが、この中でもカーディング法が嵩高な不織布が得られる点で好ましい。
水不透過性フィルム(C)
本発明に係る水不透過性フィルム(C)は、水を透過させないフィルムである。具体的には、JIS−L−1092B法に準じて測定された耐水圧が10kPa以上であれば、特に限定は無く、通気性であっても非通気性であっても良く、孔が有っても無くても良い。その中でも、水は透過させないが気体は透過させるものが好ましく、そのようなものとしては微多孔フィルムが挙げられる。更には、柔軟性を有する点でポリエチレン微多孔フィルムであることが好ましい。また、非通気性フィルムの場合でも、柔軟性の点でポリエチレンフィルムが好ましい。
本発明に係る水不透過性フィルム(C)の厚さは、通常5〜50μm、好ましくは5〜30μm、更に好ましくは5〜20μmである。通気性フィルムである場合は、液体は透過させないが気体は透過させる微細な孔を有し、その孔の直径は通常0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm、更に好ましくは1〜3μmである。
本発明に係る水不透過性フィルム(C)の製造方法としては、公知の種々の方法をとることができ、例えば、押出成膜多孔化法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
積層体
本発明の積層体は、上記の繊維シート(A)、不織布(B)及び水不透過性フィルム(C)を、(B)、(A)、(C)の順に積層してなる。このような構成にすることにより、表面の液体拡散性が高く且つリウェット性を調節可能な積層体となる。
液体拡散性は、積層体の表面に液体を与えて吸液させたときに、その液体が拡散する性質のことである。液体拡散性が高ければ、液体を表面に与えると、その液体が素早く積層体の表面に広い範囲に拡散する。吸収された液体は、繊維シート(A)の目付けが、30〜60g/m2の場合には積層体表面が乾燥しやすく表面が濡れた感じがせず、10〜20g/m2の場合には少し圧力をかければ液体が表面に戻るので好ましい。液体拡散性は、通常100cm2以上、好ましくは130cm2以上、更に好ましくは150cm2以上である。液体拡散性が100cm2以上になると、吸収した液体が素早く積層体の表面の広い範囲に拡散する。
リウェット性は、積層体の表面に液体を与えて吸液させたときに、その液体が表面に再度戻ってくる性質のことであり、繊維シート(A)の目付け量を適宜調節することで調節できる。リウェット性が低ければ、液体を表面に与えても表面が乾燥した感じになる。リウェット性は、繊維シート(A)の目付けが高いとき、例えば30〜60g/m2の場合には通常30%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは15%以下である。リウェット性が30%以下になると、吸水後の湿潤感が少なくなる。また、リウェット性が高ければ液体を表面に与え、少し圧力をかける又はかけなくても、当該表面に液体が戻り湿った感じになる。リウェット性は、繊維シート(A)の目付けが低いとき、例えば10〜20g/m2の場合には通常50%以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上である。
ここで、水分拡散性、リウェット性、湿潤保温性の測定方法を、図4を参考にしながら示す。
(液体拡散性の測定)
図4の様な、中心に直径25mmの穴の開いた樹脂製プレート(縦100mm×横100mm、厚さ20mm)を、評価サンプル上面に載せ、樹脂製プレートの穴から水2gを流し込む。水を流し込み始めてから3分後に水が拡散した面積を「液体拡散性」とした。
(リウェット性の測定)
上記の「拡散面積」を測定した後、直ちにサンプルの上表面に、予め重量を測定したろ紙(坪量335g/m2(含水率10%)、厚さ1mm)を3枚載せて、その上に3.2kgの重りを載せ、2分間静置する。その後、ろ紙が吸収した水分量を測定して、次式によりリウェット性を算出する。
リウェット性(%)=100×[ろ紙が吸収した水分量(g)]÷[流し込んだ水分量2(g)]
本発明の積層体は、上記3層が適度な間隔をおいた接合部にて接合することで一体化していることが好ましい。接合は、3層が分離することなく接合し、且つ、各層間に適度な空間を有することが好ましい。接合部は嵩密度が高く、その他の部分は嵩密度が低い。接合部の部分を通じて吸収した液体を主に拡散させ、接合部以外の部分で吸収した液体を保持させることにより、液体拡散性及びリウェット性が良好となる。接合部は、適度に間隔を置いて存在することが好ましい。接合部の形状が点状、円状、楕円状、長方形状、多角形状或いは異型の点状等の場合には、多数の接合部が均一に分散していることが好ましい。また、接合部の形状が線状等で連続している場合には、接合部の間隔が同じ巾である、或いは接合部以外の部分の形状が同一であることが好ましい。例えば、図3のようなパターンにすることも可能である。
接合部の面積は、積層体の表面積に対して通常0.5〜35%、好ましくは5〜15%、更に好ましくは5〜15%である。この範囲にあれば、液体拡散性及びリウェット性が良好である。また、接合部の1つの接合部の大きさは、特に限定されないが、接合部の形状が点状或いは円状の場合には、通常直径が通常0.1mm〜10mm、好ましくは1mm〜5mmである。楕円状又は長方形状の場合には、長さが短い方がこれらの範囲にあるのが好ましい。本発明の積層体は、接合部は嵩密度が高く、それ以外の部分は嵩密度が低い。その場合には、通常は、嵩密度が低い部分は、積層体の表面積に対して95〜65%存在し、その嵩密度は0.05〜0.12g/cm3である。嵩密度が高い部分は、積層体の表面積に対して5〜35%存在し、その嵩密度は0.3g/cm3以上である。嵩密度の測定は、レーザー変位測定機(キーエンス社製LK−035)により厚みを測定して行うことができる。測定は、不織布(B)及び繊維シート(A)の2層、又は、不織布(B)、繊維シート(A)及び水不透過性フィルム(C)の3層の積層体について行う。
(積層体の製造方法)
本発明の積層体は、種々公知の方法によって得ることができるが、通常は、上記3層を予め作成しておき、それらを接合してなる。接合は、上記3層を一度に行っても良いし、上記3層のうち2層を先に接合した後、残りの1層を接合することもできる。各層の間は、種々公知の方法により接合することが可能であり、接着剤を用いても良いし、熱や超音波等により接合しても良いが、この中でも熱融着させることが好ましい。熱融着の方法としては、エンボス加工、超音波加工法等種々公知の方法が挙げられるが、加工が容易な点からエンボス加工が好ましい。
例えば、前記繊維シート(A)の一方の面に不織布(B)を熱により接合した後、繊維シート(A)の他方の面に水不透過性フィルム(C)をエンボス加工により接合する方法が挙げられる。接合温度は、使用する繊維シート(A)、不織布(B)及び水不透過性フィルム(C)の素材等に応じて適宜選択できる。
用途
本発明の積層体は、不織布(B)側から液体を吸収して、繊維シート(A)で液体を吸収及び保持し、水不透過性フィルム(C)で吸収した液体が反対側に漏出することを防止することができる。したがって、本発明の積層体は、種々の用途に使用することが可能であるが、特に液体吸収する用途として使用することが可能である。具体的には、寝具用或いは医療用の敷布、食品用包装紙、医療用包装紙の包装材、壁紙、透湿防水シート、ふすま紙等の建材、使い捨てのオムツ、ナプキン、シーツのトップシートや吸収体、ワイパー、油脂取り材等の衛生材料等の多岐に渡って好適に使用することが出来る。本発明の積層体は、更には保温性を有するので、上記の用途の中でも寝具用或いは医療用の敷布として用いる場合には、横たわった人の体温を保持できるので好ましい。
本発明の積層体は、燃やしても有毒なガスが発生したり、環境を汚染することがないので、使用した後に、燃やすことにより破棄することが可能であり好ましい。
[実施例]
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。使用した合成パルプは、平均繊維径が1〜50μmの範囲にあり、分岐構造を有する、すなわち「特定の構造を有する分肢状繊維」であることが分っている。得られた結果は、表1に示す。表1において、それぞれの記号は以下の意味を示す。
PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン
PP/PE芯鞘構造:芯がポリプロピレンで鞘がポリエチレンの構造
r−PP/PP:ランダムポリプロピレンとホモポリプロピレンの複合紡糸
SWP E505:三井化学(株)製 SWP(登録商標) E505
SWP UL415:三井化学(株)製 SWP(登録商標) UL415
[評価方法]
(液体拡散性(流し込んだ水分量が2gの場合)の測定)
図4の様な、中心に直径25mmの穴の開いた樹脂製プレート(縦100mm×横100mm、厚さ20mm)を、評価サンプル上面に載せ、樹脂製プレートの穴から水2gを流し込む。水を流し込み始めてから3分後に水が拡散した面積を求めた。
(リウェット性(流し込んだ水分量が2gの場合)の測定)
上記の「拡散面積」を測定した後、直ちにサンプル上表面に、予め重量を測定したろ紙(坪量(目付け量)335g/m2(含水率10%)、厚さ1mm)を3枚載せて、その上に3.2kgの重りを載せ2分間静置する。その後、ろ紙が吸収した水分量を測定して、下記式によりリウェット性を算出した。
リウェット性(%)=100×[ろ紙が吸収した水分量(g)]÷[流し込んだ水分量2(g)]
(実施例1)
合成パルプ(三井化学(株)製 SWP(登録商標) E505、融点135℃)(以下、「SWP E505」という。)と合成パルプ(三井化学(株)製 SWP(登録商標) UL415、融点125℃)(以下、「SWP UL415」という。)とを、重量比3:1で混合し、バッチ式のエアレイド試験機で繊維シート(20×20cm、坪量(目付け量)40g/m2)を作製した。この繊維シートは、SWP E505が30g/m2、SWP UL415が10g/m2とからなる。次に、芯がポリプロピレン、鞘が低密度ポリエチレンである芯鞘構造の複合繊維(バイコンポーネントファイバー、略称バイコン)を用いてカーディング法により得られた不織布を前記繊維シートの上に載せ、熱板により125℃で溶融熱接着した。こうして得られた繊維シートと不織布との接合物の該繊維シート側と、ポリエチレン製通気フィルム(三井化学(株)製 エスポアール(登録商標) 坪量22g/m2)をエンボス加工することで貼り合せて、積層体を得た。得られた積層体は、エンボス加工により接合した面積の率(以下、「エンボス面積率」という)が15%、液体拡散性が155cm2、リウェット性が7.0%であった。
(実施例2)
「SWP UL415」を「芯がポリプロピレン、鞘が低密度ポリエチレンである芯鞘構造の複合繊維」にした以外は、実施例1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体のエンボス面積率は15%、液体拡散性140cm2、リウェット性12.0%であった。
(実施例3)
「芯がポリプロピレン、鞘が低密度ポリエチレンである芯鞘構造の複合繊維を用いてカーディング法により得られた不織布」を、「ランダムポリプロピレンを用いてスパンボンド法により得られた不織布」に替えた以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体のエンボス面積率は15%、液体拡散性は165cm2、リウェット性が24.0%であった。
(実施例4)
「芯がポリプロピレン、鞘が低密度ポリエチレンである芯鞘構造の複合繊維を用いてカーディング法により得られた不織布」を、「ランダムポリプロピレンとホモポリプロピレンの複合紡糸を用いてスパンボンド法により得られた捲縮不織布」に替えた以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体のエンボス面積率は15%、液体拡散性は170cm2、リウェット性は15.0%であった。
(実施例5)
エンボス面積率が5%となるように調節した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の液体拡散性は130cm2、リウェット性は10.0%であった。
(実施例6)
エンボス面積率が35%となるように調節した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の液体拡散性は180cm2、リウェット性は20.0%であった。
(実施例7)
繊維シートを、45g/m2のSWP E505と、15g/m2のSWP UL415とからなるものとして秤量を60g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体のエンボス面積率は15%、液体拡散性は100cm2、リウェット性が5.0%であった。
(実施例8)
繊維シートを、24g/m2のSWP E505と、8g/m2のSWP UL415とからなるものとして秤量を32g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体のエンボス面積率は15%、液体拡散性は100cm2、リウェット性が28.0%であった。
(実施例9)
繊維シートを、12g/m2のSWP E505と、4g/m2のSWP UL415とからなるものとして秤量を16g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体のエンボス面積率は15%、液体拡散性は190cm2、リウェット性が65.0%であった。
(実施例10)
エンボス面積率が0.5%となるように調節した以外は実施例9と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の液体拡散性は180cm2、リウェット性が65.0%であった。
(比較例1)
「SWP E505が30g/cm2、SWP UL415が10g/cm2」である繊維シートを、「天然パルプが30g/cm2、芯がポリプロピレンで鞘が低密度ポリエチレンである芯鞘構造の複合繊維が10g/cm2」に替えた以外は実施例1と同様にして積層体を得た。即ち、天然パルプと、芯がポリプロピレンで鞘が低密度ポリエチレンである芯鞘構造の複合繊維とを重量比3:1となるように混合し、バッチ式のエアレイド試験機で20×20cm、坪量40g/m2の繊維シートを作製した。得られた積層体は、エンボス面積率が15%、液体拡散性が64cm2、リウェット性が65.0%であった。
(参考例1)
繊維シートと不織布とを、「エンボスロールを使って溶融熱接着」する工程を、「0.5mmのスペーサーを四隅に入れた状態でホットプレスにて125℃で溶融熱接着」する工程に替えた以外は実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体のエンボス面積率は0%、液体拡散性は90cm2、リウェット性は30.0%であった。
(参考例2)
積層体のエンボス面積率が50%となるように調節した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の液体拡散性は110cm2、リウェット性は50.0%であった。
符号の説明
1 バッチ式のエアレイド試験機
2 フォーミングボックス
3 スクリーンメッシュ
4 集塵装置
5 開綿装置
6 積層体
7 接合部
8 樹脂プレート

Claims (12)

  1. 平均繊維長が0.05〜50mmであって分岐構造を有する分岐状繊維からなる繊維シート(A)、ポリオレフィン製不織布(B)、水不透過性フィルム(C)からなり、表面から(B)/(A)/(C)の順に積層してなる積層体。
  2. 積層体の表面が、液体拡散性100cm2以上である請求項1記載の積層体。
  3. 繊維シート(A)が、目付け30〜60g/m2の範囲にある請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 繊維シート(A)が、目付け10〜20g/m2の範囲にある請求項1又は2に記載の積層体。
  5. 積層体の表面が、リウェット性30%以下である請求項3に記載の積層体。
  6. 積層体の表面が、リウェット性50%以上である請求項4に記載の積層体。
  7. 繊維シート(A)、ポリオレフィン製不織布(B)及び水不透過性フィルム(C)の接合部の面積が、積層体の全表面積に対して0.5〜35%の範囲にある請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 分岐状繊維が、ポリオレフィン繊維を含んでなる請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
  9. 繊維シート(A)が、バインダー繊維を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
  10. 繊維シート(A)及びポリオレフィン製不織布(B)がエンボス加工により熱接着されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
  11. 請求項1、2、3、5又は7〜10のいずれかに記載の積層体からなるシート。
  12. 請求項1、2、4、6又は7〜10のいずれかに記載の積層体からなる化粧用シート。

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