JP3459251B2 - メルトブローン部品を有する吸収性製品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、メルトブローン部品を有するオシメ、生理
用ナプキン、成人失禁装置などの吸収性製品に関する。

発明の背景 月経、尿および糞などの体液を吸収するように形成さ
れたあらゆる種類の吸収性製品はもちろん公知である。
吸収性製品は、代表的には多数の材料層から成る。これ
らの材料層は、一般に、上から下に、透液性層、吸収性
層および不透液性層を含む。これらの層の間に追加層を
介在させる事ができる。これらの追加層が種々の目的に
役立つ。

これらの層は、一般に、その外周に沿って、接着剤、
クリンピング、融着などの通常手段およびその他の業界
公知の方法によって相互に保持される。吸収性製品はそ
の外周に沿って不透液性結合を有する事ができ、また多
くの場合にこのような結合を有する事が好ましい。これ
は、吸収性製品の機能とは干渉しない。しかし、これら
の層をその側面において相互に結合する事が望ましい場
合が多い。これらの層の側面の固着はいくつかの技術的
問題を生じる。これは特に、上方の透液性層と吸収性層
とを固着する事が望ましい場合である。この場合、層の
外周を固着するために使用されるものと同一の手段を使
用する事ができない。これらの固着手段は、吸収性層に
対する液体の流れを阻止する傾向があるからである。

この問題を処理するための多くの試みが成された。こ
れは、ホットメルト接着剤およびその他の非水性接着剤
を使用することにあった。これらの接着剤は体液に接触
した時に溶解しにくい。他の試みは、下層への液体の流
れとの干渉を最小限にするため、接着剤を非常に薄い層
または特にパタン状に付着させるにあった。ミネトラに
付与された米国特許第4,573,986号は接着剤の好ましい
付着方法を開示している。米国特許第4,573,986号に記
載の接着剤の付着方法は非常によく機能するが、吸収性
製品の層の表面に接着剤を付着する改良法の研究が続け
られてきた。

層の表面の固着の改良法を探求する主たる理由は、多
くの場合、最初によく機能する接着剤が場合によって無
効になって透液性層を離脱させる事にある。このような
問題は、特に吸収性製品の長期間使用の際に明かとな
る。このような問題は、特に透液性層が孔あきプラスチ
ックフィルムである場合に強い。本発明の譲受人の所有
する特許によって製造された孔あきプラスチックフィル
ムは、非常によく機能するが、これらの孔あきフィルム
が下層から分離する時に問題が生じる。これらの孔あき
プラスチックフィルムは、離脱した時に着用者の身体の
裂け目（着用者の尻下部の間のスペースなど）の中に移
動できる程度に薄い。これは、着用者にとってきわめて
不愉快で刺激的である。このような場合、透液性層は、
そのプラスチック組成の故に、着用者の皮膚に固着する
可能性がある。接着剤が着用者の身体に近いフィルム面
を接着性に成し、透液性層を着用者の皮膚にますます固
着させる。

孔あきフィルムが吸収性層から離脱すると、排泄物
が、しばしば製品の上側面から長手方向縁に沿って流出
する。下側の吸収性層は、排泄物を滲透させるためにフ
ィルムに接触していないので、排泄物はフィルムを透過
しない。これは、特に、吸収性コアとしてエアフェルト
バットを有する厚いパッドの場合である。厚いパッドの
吸収性コアは、最初の湿潤に際して、圧潰してその中心
部において横方向に束状を成しまたは寄せられる傾向が
ある。このようなパッドの寄せが、孔あきフィルムの分
離と協働して、パッドの長手方向縁部分の下方に吸収性
材料をなくし、従って、排泄物が製品上側面に沿って長
手方向縁を越えて流出または漏れる可能性が増大する。

二、三の特許は、吸収性層を種々の目的から前記以外
の方法で保持するように成された吸収性製品を記載して
いる。このような吸収性製品は、米国特許第3,965,906
号、米国特許第4,184,902号、米国特許第4,391,861号、
米国特許第4,397,644号、米国特許第4,475,911号、米国
特許第4,726,976号、米国特許第4,752,349号、米国特許
第4,753,840号、米国特許第4,753,840号、米国特許第4,
823,837号、米国特許第4,844,965号および米国特許第4,
908,026号に記載されている。

しかし、これらの特許の大部分は、孔あきフィルムを
不織布材料の表面に融着する方法を開示していない。こ
れらの特許およびその他の特許は吸収性層の中への液体
の収容と干渉しない結合部を形成するために融着方法を
使用することを開示していない。

従って、層間において、特に、上方透液性層間におい
て改良された結合を有する吸収性製品の必要が存在す
る。本発明の目的は、層間において、特に上方透液性層
間において、長期使用においても固着状態を保持する結
合部を有する吸収性製品を提供することにある。

本発明の他の目的は、吸収性層への液体の収容と干渉
しない構造を有する結合箇所において透液性層が相互に
結合された吸収性製品を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、液体の吸収を促進する可
能性を有する事を着用者が目で確認する事のできる吸収
性を提供することにある。

発明の概要 本発明によれば、融着層を有するオシメ、生理用ナプ
キンまたは成人失禁装置などの吸収性製品が提供され
る。本発明の吸収性製品は、孔を設けた熱可塑性フィル
ム孔で形成された透液性トップシートと、前記トップシ
ートに接合された不透液性バックシートと、吸収性コア
と、吸収層とを含む。

吸収性コアは、トップシートとバックシートとの間に
配置される。吸収層は、好ましくはスパンレース不織繊
維ウエブから成る。吸収層は、トップシートと吸収性コ
アとの間に配置された別個のウエブとするか、またはト
ップシートの一部あるいは吸収性コア（あるいは他の要
素）の一部を成す事ができる。トップシートとバックシ
ートは吸収性製品の外周の少なくとも一部に沿って相互
に接合される。トップシートと吸収層（またはその他の
下層）は相互に対向関係に配置される。トップシートは
このような下層に対して別々の結合区域において固着さ
れる。これらの結合区域の少なくとも一部は、液体を吸
収性コアに通す排出通路構造を成す。

トップシートと吸収層の対向面の融着により、これら
の層は長期使用においても固着状態に保持される。この
ような固着状態が、特に前記の目的を達成すると思われ
る。またこの固着は、吸収性コアへの液体の収容と干渉
しない構造を提供する結合部位を与えると思われる。ま
た、このような固着により、下層の吸収性層を孔あきフ
ィルムトップシートと常に接触状態に保持するので、吸
収性コアへ液体の吸収が容易に成される。

図面の簡単な説明 第１図は本発明の生理用ナプキンの平面図である。

第２図は第１図の２−２線に沿った横断面図である。

第３図は本発明の生理用ナプキンの部品の他の構造を
示す第２図と類似の横断面図である。

第４図はプロファイル形状の厚い生理用ナプキンの平
面図である。

第５図は第４図の５−５線に沿った横断面図である。

第６図は第４図の６−６線に沿った横断面図である。

第７図は不織繊維とからみ合った孔あきフィルムを含
むトップシート材料の横断面図である。

第7A図は不織繊維とからみ合った孔あきフィルムの拡
大下面写真である。

第８図は生理用ナプキンのトップシートが下側の繊維
吸収層に融着された結合部位の拡大断面図である。

第8A図は融着結合を生じるために使用される装置の部
分側面図である。

第９図は代表的融着部位区域の融着層の拡大平面写真
である。

第10図は代表的融着部位区域の融着層の拡大下面写真
である。

第11図は深い結合のトップシート構造の部分横断面図
である。

第12図は浅い結合のトップシート構造の部分横断面図
である。

第13A図は結合パタンを備えた生理用ナプキンの平面
図である。

第13B図は他の結合パタンを備えた生理用ナプキンの
上側平面図である。

第13C図は他の結合パタンを備えた生理用ナプキンの
下側平面図である。

第13D図は他の結合パタンを備えた生理用ナプキンの
写真である。

第14図は下側繊維層が孔あきフィルムに融着される前
に延伸された実施態様の横断面写真である。

第15図は本発明において使用に適した吸収性コアおよ
びパンティーファスナー接着剤とを有する生理用ナプキ
ン組立体の分解斜視図である。

第16図は不織材料と孔あきフィルムとを含む他のトッ
プシートの断面図である。

第17図は他の型の結合構造の斜視図である。

第18図は第７図と第7A図のトップシートを製造するた
めに使用される装置の斜視図である。

第19図は第18図の装置に供給される孔あきフィルムの
斜視図である。

第20図はバイモード細孔分布のグラフである。

第21図は本発明によるメルトブローン吸収性コア材料
に存在する細孔と通常のエアレイドティシュの細孔とを
比較するグラフである。

第22図は無負荷のメルトブローン吸収性コア材料の平
均湿潤細孔半径と0.25psiの負荷における同じコア材料
の平均湿潤細孔半径とを比較するグラフである。

第23図はメルトブローンウエブに包まれた繊維フロッ
キングされた超吸収性材料粒子を有する吸収性コアの一
部拡大図である。

第24図は２つ以上のウエブを相互に固着するために一
次および二次結合剤として超吸収性材料粒子を使用する
複合吸収性構造の製造装置の概略図である。

第25図は第24図に示す製造装置によって製造された多
層複合体の概略図である。

第26図はバイモード細孔分布を有するメルトブローン
吸収層の部分断面図である。

第27図は液体押出分析の手順を実施する装置の概略図
である。

以下、本発明を図面に示す実施例について詳細に説明
するが本発明はこれに限定されるものではない。

好ましい実施態様の詳細な説明 1.序論 本発明は、層を有するオシメ、生理用ナプキン、成人
用失禁装置などの吸収性製品に関する。

この明細書に使用される「吸収性製品」とは身体の排
泄物を吸収し収容する物品を言う。さらに詳しくは、こ
の用語は、着用者の身体に対してまたは身体に近接して
配置されて身体から排泄される種々の排泄物を吸収し収
容する物品を言う。「吸収性製品」は、オシメ、生理用
ナプキン、パンティライナー、および失禁パッドなどを
含むものとする。「使い捨て」とは、一回使用後に廃棄
されまた好ましくはリサイクルされ、堆肥にされ、また
はその他、環境に適合するように処分される製品を言
う。（すなわち、洗濯され、またはその他の方法で原状
回復されて吸収性製品として再使用されない。） 図示の好ましい実施態様においては、吸収性製品は、
符号20で示す生理用ナプキンである。

「生理用ナプキン」とは、女性によって陰部に隣接し
て着用され、身体から排泄される種々の排泄物（例え
ば、血液、月経および尿）を吸収し収容する製品を言
う。しかし、本発明は、図示の特定の型または形状の吸
収性製品には限定されない。

生理用ナプキン20は、２つの面、すなわち身体と接触
する身体面20aと衣類面20bとを有する。第１図におい
て、生理用ナプキン20は、その身体面20aから見られる
平面図で示す。身体面20aは、着用者の身体に隣接する
ように着用される。衣類面20bは、生理用ナプキン20が
着用された時、身体面20aの反対側に配置され着用者の
下着に隣接配置される面である。

生理用ナプキン20は、２つの中心線、すなわち長手方
向中心線ｌと横方向中心線ｔとを有する。「長手方向」
とは、生理用ナプキン20を着用した時に直立した着用者
を身体の左半分と右半分とに二等分する垂直面とほぼ整
列し（例えば、ほぼ平行となる）生理用ナプキン20の面
の線、軸線または方向を言う。また、「横断方向」また
は「横方向」は、相互に交換可能の用語であり、長手方
向に対してほぼ直角の生理用ナプキン20の面にある線、
軸線または方向を言う。第１図に見られるように、生理
用ナプキン20は、２つの相互に離間された長手方向縁ま
たは側縁22と、２つの相互離間された横方向縁または末
端縁（または「末端」）24とを有し、これらの縁が全体
として生理用ナプキン20の外周26を形成する。

生理用ナプキン20は、任意厚さとする事ができ、比較
的厚くまたは比較的薄くする事ができる。第１図乃至第
３図に図示の生理用ナプキンの実施態様は比較的薄い生
理用ナプキンの実施例である。しかし、これらの図を見
ると、各種材料層の数から生理用ナプキン20が実際より
厚く見える。「薄い」生理用ナプキン20は好ましくは厚
さが約３ミリメートル以下である。また、図示の薄い生
理用ナプキン20は、好ましくは比較的可撓性であって、
着用者に対して快適でなければならない。

第２図は生理用ナプキンのそれぞれの部品を示す。本
発明の生理用ナプキン20は、一般に少なくとも３種類の
基本的部品を含む。これらの部品は、透液性トップシー
ト28、不透液性バックシート（または「バリア手段」）
30および吸収性コア32を含む。吸収性コア32はトップシ
ート28とバックシート30との間に配置される。また生理
用ナプキン20は、透液性吸収層（または収容シート）34
を含む。吸収層34は、トップシート28と吸収性コア32と
の間に配置された別個の要素とし、またはトップシート
28の一部あるいは吸収性コア32の一部とする事ができ
る。好ましくは、生理用ナプキン20は、着用者のパンテ
ィの股部分に沿って折り畳まれるオプションとしてのサ
イドフラップまたはウィング36を含む。また図示の生理
用ナプキン20は生理用ナプキンを着用者の下着に固着す
るための接着固着手段38を有する。接着剤が使用前に下
着の股部分以外の面に付着する事を防止するため、接着
固着手段38を着脱自在のリリースライナー40がカバーし
ている。

2.吸収性製品の各部品 生理用ナプキン20の各部品についてさらに詳細に説明
する。

A.トップシート トップシート28は第１透液性部品を成す。生理用ナプ
キン20を使用する際に、トップシート28はユーザの皮膚
に隣接配置される。トップシート28は好ましくはできる
だけ形状合致性で、柔らかな感触を有し、ユーザの皮膚
に対して非刺激性とする。またトップシート28はすぐれ
た液体透過性と共に、再湿潤傾向が少なくなければなら
ない。このようにして身体の排泄物を迅速に透過させて
吸収性コア32に流すが、これらの排泄物をトップシート
28を通して着用者の皮膚に向かって逆流させないように
しなければならない。

トップシート28は、２つの側面（または面または表
面）、すなわち身体対向面28aと衣類対向面（またはコ
ア対向面）28bとを有する。トップシート28の身体対向
面28aは全体として生理用ナプキン20の身体接触面
（「身体面」）20aの少なくとも一部を成す。トップシ
ート28は２つの長手方向縁28cと２つの末端縁28dとを有
する。（生理用ナプキンの他の部品について同様の参照
符号を使用する。すなわち着用者の身体に対向する部品
の側面はその部品の番号と参照文字「ａ」を付す。着用
者の下着に対向する面はその部品の番号と文字「ｂ」と
によって表示される。側縁と末端縁は部品番号と参照文
字「ｃ」および「ｄ」によって示される。） 適当なトップシート28は各種の材料から製造する事が
できる。非限定的例としては、織布および不織材料、孔
あき熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム、
ハイドロフォームドフィルム、多孔性フォーム、網状フ
ォーム、網状熱可塑性フィルムおよび熱可塑性スクリム
から製造する事ができる。適当な織布材料および不織布
材料は、天然繊維（例えば木材繊維または綿繊維）、合
成繊維（例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊
維などのポリマー繊維、およびポリエチレンまたはポリ
ビニルアルコール、デンプンベース樹脂、ポリウレタ
ン、セルローズエステル、ナイロンおよびレーヨン繊
維）または天然繊維と合成繊維との組合せを含む。孔あ
きフィルムは、透液性で適当な孔を有していれば液体を
逆流させて着用者の皮膚を再湿潤させる傾向が少ないの
で、一般にトップシート28にとって好ましい材料であ
る。

第１図から明らかなように、孔あきフィルムのトップ
シート28は多数の孔29を備える。これらの孔29は、通
常、溶融結合点44を明瞭にするためフラップ36に重なっ
たトップシート部分にのみ示されているが、これらの孔
29は、通常少なくともは生理用ナプキン20の本体部分
（「中心吸収性パッド」）21全体に分布される。

トップシート28は、孔を形成する前には、約0.001−
0.002インチ（0.025−0.05mm）の間の厚さである。トッ
プシート28は、孔を形成した後は、好ましくはより大き
な厚さ（約0.02−0.03インチ）になる。これは、下記に
説明する工程によってトップシートが形成される際に、
テーパ毛管構造（第７図）が形成されるからである。

適当に形成されたフィルムは、米国特許第3,99929,13
5号、米国特許第4,324,426号、米国特許第4,342,314
号、米国特許第4,463,045号および米国特許第5,006,394
号に記載されている。他の適当に孔を形成したハイドロ
フォームドフィルムは、米国特許第4,609,518号、米国
特許第4,629,643号、米国特許第4,695,422号、米国特許
第4,772,444号、米国特許第4,778,644号および米国特許
第4,839,216号に記載されている。

他の実施態様において、トップシート28は、第16図に
図示のように不織材料25とプラスチックフィルム27とを
含み、これは米国特願第07/794,745号に詳細に記載され
ている。トップシートに使用するのに適したさらに他の
材料は、米国特許第4,775,579号、米国特許第5,023,124
号および欧州特願第0,304,617A2号に記載されている。

特に好ましい実施態様において、トップシート28は繊
維からみ合いフィルムを含む。「繊維からみ合いフィル
ム」とは、繊維が孔の中にまた孔に沿ってからみ合わさ
れた孔あきフィルムを言う。このようなトップシートの
孔あきフィルムは、前記フィルムまたはスクリムを含
む。このフィルムはゆるく機械的にまたは熱機械的にか
らみ合わされた不織繊維を有する。これらの繊維は好ま
しくは吸収コアの側面28bに沿ってまたはこの側面の方
向からからみ合う。

第７図は、このような繊維からみ合いトップシート材
料の１例を示す。第７図に図示のトップシート28は、親
水性（または疎水性）繊維42'を孔あきフィルムに固着
する事によって製造される。これらの繊維42'はポリオ
レフィン繊維とする事ができる。これらの繊維42'は、
吸収層34に結合して使用され、または吸収層34の代わり
に使用する事ができる。

繊維をからみ合わせる主たる目的は、プラスチックフ
ィルムから表面流体を排出させるにある。さらに詳しく
述べれば、からみ合わされた繊維42'は、単にフィルム
に隣接して配置された不織材料よりもはるかに緊密に孔
29の底開口29bと接触する。この密接な接触により、孔
の底開口29bにおいて不織材料とフィルムとの間の間隙
の形成を防止する。間隙が形成されないので、繊維42'
は、液体をフィルム27を通して排出する事ができ、この
ようにして孔の底開口29bにおけるメニスカスの形成を
防止する。さもなければ、液体がこの場所に溜まって、
着用者の皮膚を再び濡らす事になる。

繊維は、任意適当な方法によってフィルムに機械的ま
たは熱機械的にからみ合いさせる事ができる。例えば、
繊維をフィルムの上にメルトブローン処理し、あるいは
フィルムの上にスパンボンディング処理しあるいはフィ
ルムの中にカーディング処理し、あるいはフィルムが溶
融状態にある間に繊維をフィルムの上にフロッキングま
たはメルトブローンする事によってからみ合いさせ、あ
るいはフィルムとハイドロからみ合い加工する事ができ
る。

フィルムに繊維を固着する好ましい方法は、空気レイ
ダウン法と共に空気減衰法または機械的引っ張り法を使
用する。第18図はこのようなトップシート構造を得るた
めの好ましい方法を示す。この場合、合成熱可塑性ポリ
マー親水性材料が繊維の形で押出される。これらの繊維
は、ダイス102を出ると同時に空気流を指向する事によ
って減衰作用を受ける。この工程はメルトブローン方法
として公知であり、米国特許第3,978,185号に記載され
ている。適当な親水性繊維は、ナイロン成分と親水性成
分とを含むナイロン共重合体など湿潤繊維から形成する
事ができる。このような材料は、ライドシグナル社か
ら、商標Hydrofil SCFXで市販されている。フィルム27
のコア対向面27bをダイス102のヘッドに対向させなけれ
ばならない。フィルム27は、好ましくは円錐系突起（コ
ーン）23を有し、これらの突起がテーパ毛管を画成す
る。このようなフィルム27の製造工程によって、ギザギ
ザの縁を有する外側面を示すコーン23が形成される。特
に適当な孔形成フィルム27が、米国特許第4,463,045号
に記載されており、下記に説明するようにリング・ロー
リング処理され、一定の延伸度をもって提供される。

繊維42'が、ダイス102から噴射され、プラスチックフ
ィルム27のコア側面27bに付着する。繊維42'とフィルム
27のコーン23が溶融する。これにより、繊維42'は、第7
A図に図示のように、フィルムに永久的に固着する。部
分的にした繊維42'と、孔あきフィルム27の毛管を成す
コーン23の外側面のギザギザ縁との間に固着が生じる。

他の好ましい実施態様において、繊維42'は熱可塑性
で、疎水性の合成材料とする事ができる。疎水性繊維
は、ポリエチレンとしてダウケミカル社から商標ASPUN
で市販され、またはポリプロピレンとしてエクソン社か
ら、商標ESCORENE 3,400および3500シリーズで市販さ
れている。ウエブ全体が形成された時に、これを親水性
にするために任意公知の方法（下記に詳細に説明）によ
って処理する。このような工程により孔の流体処理能力
が向上する。これらの処理を実施した後に、ウエブ全体
をリングローリング処理する事ができる。

繊維からみ合いトップシート28は、孔あきフィルム27
と不織繊維42'との間に一層密接な接触を生じる。これ
により、フィルムを通して繊維42'への、またコア32ま
たは吸収層34などの下方層への液体の流れが改良され
る。またフィルム27が下方のからみ合い繊維42'から分
離する傾向が少なくなるので安楽性が改良される。また
これはトップシート28が着用者の体の裂開部の中に入る
事を防止する。

さらに、他の実施態様（第15図）において、生理用ナ
プキンは、これを着用した時に延伸する（すなわち特に
長手方向に延伸する事のできる）部品から成る。好まし
くは生理用ナプキン20は、その非延伸長の約15％乃至約
40％延伸する事ができる。このような延伸性は、すぐれ
たフィット性と着用者の下着に対する固着と安楽性を改
良し、シミ付きを減少させる。他の実施態様において
は、生理用ナプキンの部品の一部のみを延伸性とする事
ができる。

第15図に図示の実施態様に使用されるトップシート28
の１つの型が米国特許第4,463,045号によって製造さ
れ、これをリングローリング処理して一定の長手方向延
伸度を与える事ができる。リングローリング処理または
「予波形化処理」を実施する適当な方法は米国特許第4,
107,364号、米国特許第4,834,741号および同時係属、同
一譲り受け米国特願第07/662,536号、米国特願第07/66
2,537号および米国特願第07/662,543号に記載されてい
る。トップシートの波型の折り線はこのトップシートが
長手方向に延伸性であるように横方向に走らなければな
らない。このようなトップシートは下記の米国特願に記
載されている。すなわち米国特願第07/734.404号、米国
特願第07/734,392号および米国特願第07/734,405号。こ
れらの米国特願特願を集合的に「毛管チャンネル繊維」
米国特願と呼ぶ。

さらに本発明の好ましい実施態様において、トップシ
ート28の少なくとも一部が界面活性剤によって処理され
る。この処理は当業者には公知の通常の技術によって実
施する事ができる。界面活性剤をもってトップシートを
処理する適当な方法は多くの文献に記載される。例え
ば、米国特許第4,950,264号、米国特許第5,009,653号お
よび米国特願第07/794,745号である。最後の特願は不織
布／熱可塑性孔形成フィルムのトップシートの孔あきフ
ィルムを界面活性剤によって処理する方法を記載してい
る。好ましくは界面活性剤は、熱可塑性成形フィルムを
製造するために使用する樹脂の中に含有される。

界面活性剤によるトップシート28の処理は、トップシ
ート28の表面を親水性に成す。その結果、表面処理され
ない場合よりも迅速にトップシート28の中に液体を透過
させる。これにより、トップシート28を通して体液が排
出されるのでなくトップシートから流れ落ちる傾向を低
減させる事ができる。

B.吸収層 吸収層（収容／分布層または収容シート）34を第２図
に図示する。吸収層34はトップシート28と吸収性コア32
の少なくとも一部との間に配置される。

第２図に図示の実施態様において、吸収層34は不織布
材料の折り畳まれたシートである。しかし、吸収層34は
折り畳まれたシートである必要はない。この明細書に使
用される「層」または「ウエブ」とは、非限定的に単一
の折り畳まれていないシート、折り畳まれたシート、材
料ストリップ、または結合された繊維、材料の多層また
はラミネートまたはこれらの材料の組合わせを含む。従
って、これらの２つの用語は、単一の折り畳まれていな
い層またはシートに限定されない。

第２図において、吸収層34は二重Ｚ折りシートであ
る。さらに詳しくはシート34は、生理用ナプキンの横方
向線に沿って切断した時、断面の左半分が逆Ｚ状となり
右半分がＺ状となるように折り畳まれる。シート34は、
好ましくは、その上部54が平面において長方形ストリッ
プとなるように折り畳まれる。この上部54は好ましくは
長さ約227mm、幅が約25mmと約38mmとの範囲内にある。
上部54は、好ましくは約0.5mm乃至約4mmの厚さを有する
（上部54の厚さが大きいほど厚い製品が得られる）。こ
のような折り畳み構造は、米国特願第07/605,583号に詳
細に記載されている。

第３図は生理用ナプキン30の部品の他の構造を示す第
２図と類似の簡略断面図である。第３図において、吸収
層34は、吸収性コア32の上に配置された別個の層ではな
く積層吸収性コア32の上層としての一体層（部品）であ
る。

本発明のさらに他の実施態様によれば、吸収層34全部
が省略される。吸収層34のない実施態様の場合、吸収性
コア32は、トップシート28が融着できる少なくともある
種の型の繊維（好ましくは合成繊維）で製造されなけれ
ばならない。融着を容易にするため、好ましくは、十分
量のこの種の繊維が吸収性コア32の身体面32a近くに配
置される。

フィルムトップシートをセルローズ繊維の周囲に融着
する事により、セルローズなどの天然繊維との結合を成
す事ができる。しかし、代表的には合成繊維による結合
がすぐれている。セルローズ繊維はどちらかと言えば短
い繊維である。結合点が相互に分離されている時、一部
のセルローズ繊維が離脱しまたは１箇所においてのみ結
合される。その結果、これらの繊維が結合構造から脱落
する事になる。合成繊維はセルローズ繊維よりも長く製
造する事ができる。

この場合、トップシート28は、吸収層34に対して融着
されたものと記載されている。これは説明を簡便にする
ためである。実際に、同時にすべての可能な実施態様に
ついて説明するよりは、１つの好ましい実施態様を説明
する方が容易である。トップシート28は単数または複数
の他の部品に対して直接に（または間接に）融着する事
ができる。最も広い意味で、トップシート28は下方の第
２部品に対して融着される第１部品である。第２部品は
別個の部品とする事ができる。あるいは、第２部品は他
の部品の一部とし、例えばトップシートの一部、吸収性
コアの一部、またはその他の部品の一部とする事ができ
る。

従って、例えば、吸収層34が、吸収性コア32の一体層
を成す実施態様においては（第３図の場合）、トップシ
ート28は、吸収性コア32の一部に融着されたとみなされ
る。

吸収層34の機能は全体として吸収性コア32との関連に
おいて説明される。吸収層34が吸収性コア32の一部を成
す実施態様においては、吸収層34はほとんど同様に機能
する。しかし吸収層34は（吸収性コア32そのものより
は）吸収性コア32の他の部分と同様に機能する。

吸収層34は、吸収性コア32上にまたはその中に排泄物
を滲透させる作用を増進するのに役立つ。排泄物の滲透
作用が重要なのにはいくつかの理由がある。これは吸収
性コア全体に排泄物をさらに均等に分布させる。

滲透作用の改良の故に、本発明の生理用ナプキンは比
較的薄く製造する事ができる。吸収層34は、吸収性コア
32の表面積全体に排泄物を分布させる事ができる。この
ようにして、吸収層34は生理用ナプキン20に比較的多量
の排泄物を吸収させる事ができる。先行技術のかさばっ
た生理用ナプキンは、排泄物が最初に落とされる箇所で
の高度の垂直吸収に依存している。これら先行技術の生
理用ナプキンは、相当に厚いので、比較的低い表面吸収
能力または横方向吸収能力のみで多量の排泄物を吸収す
る事ができた。

本発明の生理用ナプキン20が、比較的多量の排泄物を
吸収できるのは、滲透作用によって、排泄物が吸収性コ
ア32の大表面上に分散され、そこで排泄物が吸収性コア
32の中に垂直に迅速に吸収されるからである。

吸収層34は、比較的高度の一時的液体保持能力を生じ
るのに十分なスペースをその繊維間に有する事ができ
る。排泄物がトップシート28の上に落ちる時から排泄物
が吸収性コア32の中に吸収される時までの時間中に、こ
の一時的保持能力が使用される。これは、特にオシメお
よび失禁製品において有用である。これは、特に尿など
の液体奔流が吸収性製品の上に落とされる速度よりも吸
収性コア32の吸収速度が低い場合に、吸収層34がこの液
体を一時的に収容して保持するからである。

また吸収層34は排泄物を吸収性コアの末端32dに向か
って送るために使用される。吸収性コア32上に堆積され
た液体排泄物は、その落ちた箇所から外側に放射方向に
分布される傾向がある。生理用ナプキンの吸収性コア32
の幅は、その長さに対して比較的狭いので、液体排泄物
は、吸収性コアの末端32dよりも長手方向縁32cに早く到
達する。吸収層34は、排泄物の末端32dの方向、長手方
向に滲透させるために使用できる。これは、吸収性コア
の容量を有効に利用し、排泄物が長手方向縁32cに早く
到達する事による漏れの可能性を低下させる。

この場合、滲透とは、特記なき限り液体のｘ−ｙ面方
向と、垂直ｚ方向における移動を含む。これらの方向は
第１図と第２図に示され、吸収層34は液体を両方向に移
送する。

理想的には、液体はピラミッド分布パタン（さらに正
確には円錐分布パタン）で搬送される。ピラミッド（ま
たは円錐）の頂点は、液体が吸収層34の身体面34a上に
落ちる点である。次に液体は垂直にピラミッドまたは円
錐の底部に向かって分布される。

好ましい実施態様において、液体はカスケード作用に
よって吸収性コア32に分布される。この型の分布は米国
特願第07/637,090号および米国特願第07/637,571号に記
載されている。これはアイスボックスに水を満たす場合
と同様である。吸収性コア32の一部が一杯になった時、
液体が横方向に流れ、次に下方に流れて隣接部分を満た
す。

また吸収層34とトップシート38の組合わせは、米国特
許第4,950,264号および米国特許第5,009,653号に記載の
ように高い奔流収容能力とワイプ収容能力とを有する生
理用ナプキンを与える。従って、吸収層34は「ワイプ収
容シート」と呼ぶ事ができる。吸収層34の特性は下記で
ある。吸収層34は透液性でなければならない。また、吸
収層34は好ましくは可撓性で柔らかな感触で、ユーザの
皮膚に対して非刺激性である。吸収層は排泄物を前記の
ように分散する事のできる任意の材料で構成する事がで
きる。その材料は、好ましくは、トップシート28を融着
させる事のできるものとする。また吸収層34は延伸性を
有する。吸収層34は身体側面34aと衣類側面34bとを有す
る。

吸収層34は親水性でなければならない。吸収層34を成
す繊維または糸42は本来親水性である。これらの繊維を
親水性とするように処理する事もできる。繊維を親水性
とする適当な方法は繊維を界面活性剤で処理することに
ある。吸収層を成す繊維に界面活性剤を噴射し、あるい
はこれらの繊維を界面活性剤の中に浸漬する事によって
繊維を処理する。このような親水化処理と親水性につい
ては米国特許第4,988,344号および米国特許第4,988,345
号に記載されている。これらの繊維の親水性により、吸
収層34は液体排泄物を下からトップシート28を通して引
っ張る事ができる。

吸収層34は織布または不織材料から成る事ができる。
これらの材料は合成材料または部分的合成材料／部分的
天然材料とする事ができる。適当な合成繊維は、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ビ
スコースレーヨン繊維または酢酸セルローズを含み、ポ
リエステル繊維が好ましい。適当な天然繊維は、綿、セ
ルローズまたはその他の天然繊維を含む。吸収層34は少
なくとも部分的に橋かけ結合セルローズ繊維から成る事
ができる。適当な橋かけ結合セルローズ繊維は、米国特
許第4,888,093号、米国特許第4,822,543号、米国特許第
4,889,595号、米国特許第4,898,642号および米国特許第
4,935,022号に記載されている。しかしこのような天然
繊維または変成繊維は、トップシートが他の合成繊維に
十分に融着できないほどに多量であってはならない。ま
た吸収層34は毛管チャンネル繊維（すなわち、内部に、
好ましくは外面にチャンネルを形成した繊維）から成る
事ができる。このような繊維は、EPO特願第0,391,814号
およびその他の毛管チャンネル繊維特願に詳細に記載さ
れている。また吸収層34は、下記の吸収性コアに使用さ
れる繊維組成物と同様の材料組合わせ、またはその他任
意の同等材料または材料組合わせから成る事ができる。

吸収層34を成す材料は、各実施形態において、トップ
シート28の材料の融点以下、同等または以上の融点を有
する事ができる。吸収層34の材料は、好ましくは、トッ
プシート28の材料の融点以上または同等の融点を有す
る。ポリエステル材料は、高い融点（約375゜乃至約400
゜F）を有するが故に好ましい。このような特性によ
り、ポリエステル材料は、スパンレース処理に好適であ
る。スパンレース処理は高温乾燥処理を使用する。ポリ
エステル材料はこの処理を受けても損傷されない。

ポリエステル繊維を使用する利点は、この繊維が好ま
しいトップシート材料と共に使用するのに好適だからで
ある。ポリエステル繊維は、トップシートが吸収層に融
着される際のトップシートの代表的温度ではない。従っ
て、吸収層の繊維42は後にその繊維形状を保持する。ト
ップシート28が例えばポリエチレンフィルムを含むなら
ば、このトップシートは約165乃至215゜Fの範囲内の融
点を有する。本発明は、下記のように、相異なる融点を
有する材料を使用して、後に吸収層を通しての液体収容
を改良する構造を生じる事ができる。

吸収層34を成す繊維または糸42は、ステープル長から
連続フィラメントまで任意長さとする事ができる。繊維
42の長さは、好ましくは約１インチ乃至３インチ（約2,
5cm乃至約7.5cm）の範囲内、最も好ましくは、約1.5イ
ンチ（約3.8cm）である。繊維42は、約１乃至約３デニ
ール、最も好ましくは約1.5デニールである。

吸収層34の繊維は、好ましくは、主として単一方向に
配向される。代表的には吸収層34は機械方向（MD）に配
向された繊維から成る。吸収層34は、繊維42の大部分を
長手方向に配向して製品の中に配置する事ができる。す
なわち、繊維42が全体として生理用ナプキン20の長手方
向中心線ｌに対して平行と成る。長手方向中心線に対し
て「全体的に平行」とは、また類似の表現は長手方向中
心線から傾斜した繊維を含むものとする。これらの傾斜
繊維は、生理用ナプキンの横方向よりも長手方向に配向
されている限り中心線に対して平行とみなされる。この
ような吸収層34の繊維42の配向は、吸収層上に堆積した
液体排泄物を優先的に浸透させ吸収性コア32の末端32d
に向かって分布させる。

吸収層34は任意適当な寸法とする事ができる。吸収層
34は吸収性コア32の幅全体に延在する必要はない。例え
ば、吸収層34は、第１図と第４図に図示のＺ折り畳みシ
ートの上部54と同様のストリップとする事ができる。

吸収層34が不織布であれば、これは多くのプロセスに
よって製造する事ができる。これらのプロセスは、好ま
しくないものから最も好ましいものまでの優先順位で下
記のものを含むがこれに限定されない：メルトブローン
法、スパンボンデッド法、カーデッド法。最後のプロセ
スは優先順位で加熱結合法、エアスルー結合法、粉末結
合法、ラテックス結合法、溶媒結合法、または最も好ま
しくはスパンレース法を含む。これらの方法は、繊維を
単一方向に配向しやすいので最も好ましい。

吸収層34として使用するに適した市販の製品は、SONT
ARAとして知られる70％/30％レーヨン／ポリエステル繊
維を含む。このSONTARA繊維は米国特許第4,950,264号お
よび米国特許第5,009,653号に記載されている。

特に好ましい実施態様において、吸収層34は永久湿潤
性繊維から成るスパンレース不織ウエブを含む。好まし
くは、吸収層34は、30g/ヤード２（35g/m2）ポリエチレ
ンテレフタレート（またはPET）スパンレース不織ウエ
ブである。この型のスパンレースファブリックは、マサ
チューセッツ、ウオルポールのベラテック社によって製
造される。スパンレース不織ウエブは、繊維の大部分が
単一方向に配向さるように形成される。

特に好ましい吸収層34の繊維は、PET樹脂で製造さ
れ、永久湿潤性特性を有する仕上げ剤、CELWETを塗装さ
れる。これら繊維はノースカロライナ、シャーロットの
ヘキスト・セラニーズ社から入手される。用語「永久湿
潤性」とはASTM Ｄ 1117−74 バスケット真空法によ
ってテストされた時に約７秒またはこれ以下で沈む繊維
を言う。CELWET仕上げ剤は、孔あきフィルムまたはスク
リムとハイドロからみ合い不織繊維とを含むトップシー
ト28を有する生理用ナプキンにおいて使用するのに特に
好ましい。これは、この仕上げ剤を塗布された繊維はハ
イドロからみ合い処理後において非常に親水性であって
血液を非常にに良く浸透させるからである。

（１）吸収層に対するトップシートの融着 トップシート28は下層と接触固着される。下層はある
程度の吸収容量を有し、または吸収容量を有する層に液
体を搬送する事ができなければならない。第２図に図示
の実施態様において、これは吸収層34である。このよう
にして、トップシート28を透過する液体速度が急速にな
る。通常の製品においては、最初に下層とトップシート
28との間に接着剤を塗布する事によってトップシートが
下層と接触状態に保持される。本発明においては、トッ
プシート28と吸収層34とを融着する事によりトップシー
ト28を下方の吸収層34と面−面接合させる。本発明によ
るトップシート28と吸収層34との融着箇所は、生理用ナ
プキン20の外周26などの不透液性継ぎ目の内側の部分に
ある（「内側」とは生理用ナプキンの長手方向中心線と
横方向中心線の交差点に向かう方向を言う）。

この場合「融着」とは、（１）融着される材料が一緒
にされる真の融着、（２）第１材料が融解され、この融
解により第１材料が第２の非融解材料に対して機械的固
着手段によって固着される固着を含むがこれには限定さ
れない。

トップシート28と吸収層34は、全部融着によって、あ
るいは部分的融着によって、また部分的に他の型の固着
手段によって相互に固着する事ができる。融着は、加熱
結合および／または加圧接合、超音波接合、ダイナミッ
ク機械接合などによって実施する事ができる。また２つ
の部品を逆回転ロールの間に移動させ、あるいはこれら
の材料をアンビル上に配置してプラテンを材料上に下降
させ、または真空圧を加えるなどして適当方法で圧力を
加える事ができる。

吸収層34にトップシート28を融着するための適当手段
が下記特許に記載されている。すなわち米国特許第4,43
0,148号、米国特許第4,515,595号、米国特許第4,531,99
9号、米国特許第4,710,189号および米国特許第4,808,25
2号、米国特許第4,823,783号および米国特許第4,854,98
4号と米国特許第4,919,756号。

接合される２層、すなわちトップシート28と下方の吸
収層34は、１インチ×６インチ（2.5cm×15cm）サンプ
ルについて測定して、約50g/インチと同等またはこれ以
上、好ましくは約65g/インチと同等またはこれ以上の平
均剥離力を示す事が好ましい。これらの値は下記の第４
章「テスト法」に記載された180゜剥離接合力テストに
よる測定によって得られる。しかし、これらは好ましい
値である事を認識しなければならない。これより低い結
合力を使用する事のできる実施態様も存在する。例えば
吸収層34がトップシート28に部分的に機械的にからみ合
わされる場合である。

融着結合点は好ましくはそれぞれ融着結合パタン44を
含む。これらのパタンは任意の平面形状とする事ができ
る。例えば、結合パタン44は、直線または曲線とし、円
形、正方形、長方形、ダイヤモンド型などの幾何学形状
とし、または不規則形状とする事ができる。結合パタン
44は種々に配置する事ができる。

第１図に特に好ましい結合パタンを示す。この結合パ
タンは、円形の結合パタンから成る別々の結合点であ
る。これらの結合点44は生理用ナプキンの身体面20a全
体に沿って、フラップ以外に分布された点である。すな
わち先に「主本体部分」21と述べた部分に配置される。
第１図に示す結合点は、複数の大きな結合点44aと小さ
な結合点44bとを含む。大きな結合点44aは生理用ナプキ
ンの長手方向中心区域46に配置される。小さな結合点44
bは長手方向側面区域48に配置される。

第１図と第２図において、大きな結合点44aは、約2mm
の直径を有する。大きな結合点44aは好ましくは約4mm4
の結合面積を有する。小さな結合点44bは、約0.5mmの直
径を有し、好ましくは約0.25mm2の結合区域を成す。こ
の結合パタンにおける結合点44の直径は、約0.5mm乃至
約3mmの範囲内とする。結合点44の直径は、好ましくは
約0.5mm乃至約2mmとする。結合点44は、代表的には、ト
ップシート28の孔29より大きい。結合点44は、約0.5mm
乃至約1.5mm好ましくは約1mm乃至約1.5mmの範囲内の深
さの結合区域52を成す（この区域52については第８図に
ついてさらに詳細に説明する）。すなわち、Ｚ折り吸収
層34の場合、大きな結合点44aはトップシートを貫通
し、吸収層34の折り畳まれたシートの上部54の厚さの一
部を通る。

結合点44は、好ましくは、複数の相互に離間された対
角線の中に配置される。図示の好ましい結合パタンの線
は、生理用ナプキンの長手方向中心区域46と側面区域48
とにおいて同一方向に走る。これらの結合点44は、好ま
しくは、相互に約5mm乃至約16mm離間し、さらに好まし
くは、約5mm乃至約8mm離間する。このような間隔は結合
点の最短距離方向に測定される。大きな結合点44aは、
好ましくは平方インチあたり18結合点の密度で分布され
る。小さい結合点44bは、平方インチあたり25点の密度
で分布される。図示の結合パタンは、好ましいパタンで
あって、その他多くのパタンが可能である。

結合点44は、トップシート28の孔の間隔よりも離間し
て配置される。すなわち、結合点44は、場合によって
は、単数または複数の孔29と重なりまたは孔29の一部と
重なる。しかし、結合点44は下層への排泄物の流れと干
渉しないのであるから、結合点44を孔29と整列させよう
とする必要はない。

それぞれの結合点44の強さが各層間の結合強さを決定
する。代表的には、結合点の強さは結合面積に比例す
る。すなわち結合点44の面積が大きいほど結合力が強く
なる。複数の相互に近接した弱い結合点が全体として大
きな結合面積を成す事ができる。しかし、一般に、それ
ぞれの弱い結合を分離させるのに必要な比較的低い剥離
力を加える事により結合層が相互に分離される。さらに
また結合点が相互に近づきすぎると、その結合効果は、
接着剤を使用した場合の結合効果に近似して、剛性の製
品が得られる。本発明は液体の収容作用と干渉する事な
く、大きな一般に強い結合点を使用できるという利点を
もっている。

本発明は、大きな結合点の使用に対する制限を除去す
るものと思われる。本発明のこのような課題にり、相互
に近接した小結合点を使用する事による望ましくない問
題点を防止する事ができる。

第８図は１つの結合部位の拡大側面図である（この結
合部位は、第３図の中心線ｌの左側の結合点44aの拡大
図である）。前述のような吸収層34の繊維42に対するフ
ィルムトップシート28の融着は、繊維42をその原状のま
まに残している。第９図と第10図はこの状態をよく示し
ている。この結合部位は、トップシート28が吸収層34の
繊維42に対して融着された区域（または結合区域）50を
含む。結合部位を包囲するトップシート28と吸収層34の
区域は結合孔52（結合によって形成された孔）を画成し
ている。この結合孔52は、前述の深さ範囲にあるので、
トップシート28と吸収層34の厚さの一部とを貫通してい
る。

第８図から明らかなように、トップシート28と下層と
の面が相互に融着されていると記載されている場合、こ
れは、これらの部品間の全体的関係を示す。結合点44が
トップシート28と下層との界面において下層の面の中に
進入する事ができるが、これらの部品はそれぞれの面に
おいて相互に保持されているとみなされる。

この結合は、底部において区域50によって画成された
シンク構造またはタンク構造を形成する。第８図におい
て、タンクの側面は部分的にはフィルムトップシート28
の一部によって、また部分的に吸収層34によって形成さ
れる。吸収層34は複数の繊維42から成り、これらの繊維
間に複数の開放スペース（または空隙）58が存在する。
従って、吸収層34のこれらの開放スペースおよび親水性
繊維がタンクから出る排水通路またはドレン60を成す。
ドレン60は、区域50の外周の回りにタンクの側面56の下
部に沿って配置される。

他の実施態様において、タンクの側面56は相異なる部
品によって形成される。第３図の長手方向中心線ｌの右
側の結合点44aはこのような場合の一例を示す。この結
合点44aは生理用ナプキン（バックシート30以外）の各
部品を貫通して形成される。この結合点によって形成さ
れるタンクから出るドレン60は、結合孔52の貫通する生
理用ナプキン20の各部品または各層によって形成され
る。

結合点44は、特定の要件が満たされる限り、生理用ナ
プキンの全部または一部の部品または層を貫通して形成
される。好ましくは、前記の結合の場合と同様に、区域
50はトップシート28のコア対向面28bの下方に配置され
る。これは下方への排出と干渉しない結合構造を生じ
る。この結合点は、トップシート28の下方の少なくとも
一部の層の中に開く側壁56を生じる事が好ましい。しか
し、トップシート28の下方の層によって形成される側壁
56全部が開く必要はない。例えば、１つおきの層などが
締め切られた側壁56を有する事ができる。

結合は、液体の移送のために開いていると思われる下
層を締め切るような側壁56を生じてはならない。これ
は、下層を成す材料がトップシート28（またはその融着
される他の層）より高い融点を有する事によって達成さ
れる。これらの層を成す材料はプロセスにおいて生じる
温度より高い温度を有していなければならない。最後の
要件は、不透液性であるべきバックシート30などの下層
を完全に貫通する孔を生じてはならない事である。

また、ドレン60は、隣接層中の間隙以外の構造によっ
て形成する事もできる。このようにして、ドレン60は、
区域50の外周の上方の吸収層34の部分以外の箇所に生じ
る場合がある。例えば、第８図に図示のように、ドレン
60は区域50の中に形成される事もできる。ドレン60はタ
ンク構造の底部の区域50の亀裂70によって形成する事も
できる。

他の実施態様においては、区域50の中に孔72を故意に
形成する事ができる。例えば、結合点44を生じるための
装置74を第8A図に示す。この装置74（一部のみを図示）
はヘッド76を有する。ヘッド76は、その結合面80から延
在する１つまたは複数の穿孔要素78を備える。結合点44
が形成される際に、結合面80が区域50を形成する。穿孔
要素78は、区域の中にドレン60を形成するのに十分な孔
72を残すために使用される。穿孔要素が下層の繊維42の
一部を穿孔しまた／あるいは破断する事がある。この実
施態様は、深い結合に対する一般的優先性（下記に説
明）の例外を成す結合構造を生じる点で有意義である。
結合点44が結合層の界面において区域を有する比較的浅
い結合であるにも関わらず、この構造は下層への液体の
移送を可能とする。

第11図に図示される他の実施例において、トップシー
ト28の孔29またはその一部が下層中へのドレン60を成す
事ができる。第11図に図示のように、タンクの側面56は
全部トップシート28の部分によって形成される事ができ
る。

結合部位における排泄物の吸収は、どちらかと言えば
異常な現象とみなされていた。理論に拘束されるつもり
はないが、生理用ナプキン20は、下記のように機能す
る。液体がトップシート28上に落とされた時、液体の一
部が結合孔52に流入する。この場合、液体が瞬間的に結
合孔52の中に保持される。これは、液体を着用者の皮膚
に接触させない利点を示す。排泄物は短期間保持された
後に吸収層34に排出される。他の実施態様において、排
泄物は一時的に保持されないようにする事ができる。こ
れらの実施態様においては、排泄物は直接にドレン60を
通って吸収層34に流れる。

従って、トップシート28と吸収層34が結合される箇所
に形成される区域50は、液体の通過に対して望ましくな
い影響を与えない。さらに、予想とは相違し、大表面積
を有する結合（従って大区域）を有する孔あきフィルム
のトップシートを備えた生理用ナプキンは、全結合面積
が過大でなければ、吸収性コア32に対する液体を阻止す
る事なく、小区域を有する生理用ナプキンと同様に機能
する。

実際に大きな結合区域44aは見た目に吸収性の増大の
印象を与える。従って、第１図の好ましい実施態様にお
いては、大きな結合区域44aが分布され、長手方向中心
区域46における吸収性の増大の印象を与える。見た目の
印象は、ユーザにとって重要である事が発見された。ユ
ーザは、生理用ナプキンが非常に薄い場合、生理用ナプ
キンがよく機能するとは考えにくいからである。

理論に拘束されるつもりはないが、比較的深い結合点
44が使用される場合、このような結合によって形成され
た構造は、いくつかの追加特徴を有する。第11図と第12
図はこのような特徴を示す。第11図に図示のように、深
い結合点を使用すれば、結合区域50に隣接するトップシ
ート28の区域28'が結合区域50に向かって湾入する。こ
れは二、三の効果を示す。

深い結合によって形成された孔はカップ状凹部を成
す。カップ状凹部は、その底部を成す結合区域50より幅
広い口部開口62を有する。言い替えれば、カップ構造は
テーパ側壁56を有する。これは不織吸収層34の中への深
い進入によって生じる。その結果、結合点44を包囲する
吸収層34の部分の上方においてトップシート材料28を緊
張させる。カップ構造はすぐれた収容構造を示す。

第11図に図示のように、深い結合点44の区域におい
て、トップシート28が緊張され、トップシートの孔29が
側面56に向かって外側に開く。これらの孔29は小文字
「ａ」で示すような軸線を有する。これらの軸線は孔の
配列を決定する。これらの軸線は一般にＺ方向に配向さ
れる。孔29が外側に向いている時、その軸線は水平成分
（すなわちｘ−ｙ方向成分）を有する。このようにし
て、孔29は、区域50の方ではなく、吸収層34の隣接部分
の方に向く。これは孔29を通して液体を吸収層34の中に
移動するのに役立つ。

第12図に図示の構造は対称的な浅い結合点44の対称的
例である。「浅い結合点」とは、２つの材料層が相互に
隣接配置される時にその界面よりも深くない結合点を言
う。第12図においてこの浅い結合は平坦な区域50を成
す。これらの平坦区域50は、生理用ナプキンの外周に沿
って不透液結合を形成する際に形成された区域と類似で
ある。この平坦な区域50が、前記のような孔または亀裂
を備えていなければ液体を下層に転送する手段を有して
いない。

結合パタンは、相異なる形状の結合点の列、幾何学的
形状、グラフパタン、曲線または直線、破線など、無数
のパタンとする事ができる。さらにパタンは均一に分布
される必要もなく、あるいは生理用ナプキン全体に同一
パタンとする必要もない。また生理用ナプキンのそれぞ
れの部品について相異なる結合パタンを使用する事もで
きる。例えばトップシート28のそのすぐ下の層が１つの
パタンによって結合され、このように形成されたラミネ
ートが別の結合パタンを有する他の層に結合される事が
できる。

第13A図は波型の線の結合パタンを示す。この結合パ
タンは、液体を生理用ナプキンの１つの区域から他の区
域まで送るために使用する事ができる。例えば、これら
の波型線の区域に落ちた液体はこれらの線に沿ってまた
その中に流れ込もうとする。さらに他の実施態様におい
て、柔らかな感触の生理用ナプキンを生じるために、キ
ルトパタンを使用する事もできる。第13B図ないし第13D
図は、使用中に生理用ナプキン20が特定の形状をとるよ
うに少なくとも部分的に支援する接合パタンを用いた例
である。第13B図の生理用ナプキン20は楕円形の結合パ
タンを有する。この結合パタンは、生理用ナプキンの衣
類側面20b上に配置された曲げ抵抗性変形要素82と共に
使用される。この曲げ抵抗性変形要素82は、リブ84とチ
ャンネル86とを形成したシートから成る。この変形要素
は欧州特願第0,335,252号および欧州特願第0,335,253号
に詳細に記載されている。第13D図に図示のように、生
理用ナプキンが横方向内向き圧縮力を受けた時、前記の
欧州特願に記載された型の構造を成す。特定の構造を形
成するための他の適当な結合パタンは、長手方向中心線
ｌの両側に配置された２本の長手方向に対向する凹形の
内側線の形状とする事ができる。

トップシート28と吸収層34の融着はさらに他の利点を
示す。例えば、接着剤の代わりに融着を使用すれば、製
品の全体的可撓性を増進する。理論にこだわるつもりは
ないが、これは二、三の要因による。接着剤を除去すれ
ば追加材料層が除去される。特に比較的剛性の材料層
（接着剤層）が除去される。また、接着剤をもってこの
ような材料をスポット結合する事が困難である。一般に
接着剤は層状または線状に付着される。このような接着
剤層は、接着された材料の一部を他の部分の上に滑らせ
る事を極度に制限する傾向の故にドットパタンよりも剛
性の構造を成す。

しかし、生理用ナプキンの実際の可撓性は、使用され
る特定の結合パタンに依存している。例えば、非常に小
さい相互に近接された複数のドットを使用すれば、その
可撓性は、接着剤の固着層を有する製品の場合より優れ
ていない。これは、相互に近接された結合ドットが結合
区域全体を接着剤層と同様にカバーするからである。他
方、連続線または破線の形の結合パタンも、この線が生
理用ナプキンの曲げられる軸線を成すように配向されて
いれば可撓性は増進する。

また、トップシートおよび吸収層34は、他の適当な固
着手段またはその組合せまたは前記取り付け手段との組
合せによって少なくとも部分的に固着する事ができる。
トップシート28と吸収層34は、接着剤など、業界公知の
任意手段によって少なくとも部分的に固着する事ができ
る。接着剤が使用される場合、これは均一な連続層、パ
タン層または別々の線列、螺旋形または接着剤スポット
の形で使用する事ができる。接着剤による固着は好まし
くは米国特許第4,573,986号に記載のような接着剤フィ
ラメントのオープン・パタン・ネットワークとし、また
は米国特許第3,911,173号、米国特許第4,785,996号およ
び米国特許第4,842,666号に記載のように螺旋パタンに
巻かれた接着剤フィラメント線から成るフィラメントの
オープンパタンネットワークとする事ができる。適当な
接着剤は、ウイスコンシン、エルムグローブのフィンド
レー・アドヘッシブズ社によって製造されている。

さらに他の実施態様においてトップシート28と吸収層
34は、機械的／熱機械的からみ合い作用によって少なく
とも部分的に固着する事ができる。吸収層34の繊維は繊
維からみ合いフィルムトップシートを形成する前記の方
法に従ってからみ合わせる事ができる。

C.吸収性コア 吸収性コア32は、トップシート28とバックシート30と
の間に配置される。吸収性コア32は月経液およびその他
の排泄物を吸収するための手段を成す。吸収性コア32
は、一般に圧縮性で、快適で、ユーザの皮膚に対して非
刺激性である。

吸収性コア32は、このような目的のために業界におい
て使用される任意の材料とする事ができる。その例は綿
などの天然材料、一般にエアフェルトと呼ばれる砕木パ
ルプ、クレープ状ワッディング、ピートモス、橋かけ結
合セルローズ繊維、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、
合成ステープルファイバ、ポリマーファイバ、ハイドロ
ゲル形成ポリマーゲル化剤、またはその他同等の材料ま
たは組合せを含む。

第１図ないし第３図に図示の実施態様において、吸収
性コア32は、２層のエアレイドティシュと、第１層と第
２層（または上ティシュ層と下ティシュ層）との間に配
置された粒状などの超吸収性ポリマー材料層とから成る
ラミネートである。第１ティシュ層および第２ティシュ
層は、超吸収性ポリマー材料を収容し、吸収性コア32を
通しての排泄物の横方向滲透を改良し、一定の吸収性を
与える。適当なラミネートは、アイオワ、マスカタイ
ン、グレイン・プロセッシング・コーポレーションから
市販される超吸収性ラミネートWATER−LOCK Ｌ−535で
ある（WATER−LOCKは同社の登録商標）。このような超
吸収性ラミネートは、米国特許第4,467,012号および米
国特許第4,260,443号に記載されている。

吸収性コア32に使用されるポリマーゲル化剤は、一般
にハイドロゲル形成ポリマー材料の粒子を含む。粒子と
は、ペレット状、フレーク状または繊維状など、任意形
状の粒子を言う。吸収性コア32の特性（およびポリマー
材料の好ましい型、およびこれらのポリマーの粒子の製
法など）は米国特許第4,673,402号および米国特許第5,0
09,653号に詳細に記載されている。

前記の実施態様の好ましい変形において、吸収性コア
32は、第15図に図示のように長手方向に延伸性を有する
ように前記のラミネートにスリットまたは部分的スリッ
トを備える。このスリットまたは部分的スリットを有す
る吸収性コアは、毛管チャンネルファイバ特願に詳細に
記載されている。

前記実施形態の他の好ましい変形例において、吸収性
コア32はメルトブローン繊維から成る。このような吸収
性コアは融着層によって構成されていない吸収性製品に
おいても使用する事ができる（他の吸収性コアおよび本
明細書に記載の他の部品についても同様である）。

メルトブローン繊維は、好ましくは親水性となるよう
に処理される。そのための適当なプロセスを本発明にお
いて使用する事ができる。

この型の吸収性コア32は、吸収層34（またはその他の
上層）とこの吸収性コア32との間にバイモード細孔分布
を有する生理用ナプキン20を形成するために使用する事
ができる。「バイモード細孔分布」とは、吸収性コア32
の全体細孔分布が吸収層34と同一範囲の多数の細孔を含
まない事を意味する（すなわち、これらの２つの部品間
に細孔の重なり合いが実質的に存在しない）事を意味す
る。

第20図は、吸収性層（グラフ上ではフクムラ材料と示
す）とメルトブローン吸収性コア層（グラフ状ではMBと
示す）のそれぞれの細孔分布を示すグラフである。第20
図は、吸収性コア32の全体細孔分布が吸収層34の全体細
孔分布より低い事を示している。このようなバイモード
分布は、上層部品と下層部品との間に毛管グラジエント
を作る際に特に有効である。

他の実施態様において、吸収性コアに（またはその他
の吸収性構造に）三次元細孔グラジエントを生じるよう
に細孔を分布させる事ができる。例えば、吸収性コア
は、この吸収性コアの上に液体が落とされる区域（すな
わち液体収容区域）において大きな毛管を備え、この収
容区域から長手方向に、または機械方向に、または横方
向またはクロスマシン方向に、また／あるいはＺ方向に
離れた区域に小さい毛管を備えるような毛管グラジエン
トを備える事ができる。このような構造は、第18図につ
いて説明するプロセスを適当に変更する事によって実施
される（このプロセスは、繊維を付着させる面からメル
トブローンダイスの距離を変動させることにある）。

三次元細孔グラジエントを有する実施態様は、液体を
一層良く分布させる事ができ、従って、吸収性コアの有
効容量の利用率を高める事ができる。これは、超吸収性
材料を含有する構造において特に重要である。液体分布
の増大は、液体をこれより吸収性材料の表面と接触さ
せ、吸収性構造の有効容量を増大する。

メルトブローン吸収性コアに使用される繊維は、メル
トブロープロセスに使用するに適した任意の型の繊維を
含む事ができる。このような繊維は、非限定的にポリエ
チレン繊維、ポリプロピレン繊維およびナイロン繊維を
含む。メルトブローン吸収性コアにおいて使用される繊
維は、第７図に図示の繊維絡み合いフィルムに使用され
るものと類似の親水性ポリエチレン繊維とする。このよ
うな繊維は、約１乃至約100ミクロンの範囲の直径、好
ましくは、約１乃至約20ミクロンの範囲の直径を有す
る。このような繊維は、一般に１デニール以下であり、
マイクロデニール繊維として知られている。このような
繊維は、約1.5インチ以下の長さを有し、好ましくは、
約0.01インチ乃至１インチの長さを有する。

吸収性コア32は、好ましくはメルトブローンポリエチ
レン繊維の単数ウエブまたは複数ウエブから成る。この
ようなウエブは、好ましくは約60−180グラム／ヤード
２の坪量と、無負荷のもとに約30−40ミクロンの平均湿
潤細孔半径または単に平均湿潤細孔または類似の用語
と、無負荷のもとにウエブ中の細孔の約90％が約10−80
ミクロンの湿潤細孔半径を有するような全体細孔分布と
を有する事が好ましい。湿潤細孔半径はこの明細書の第
４章「液体押出分析法」によって測定される。

メルトブローン構造は、従来吸収性コアに使用された
ティシュウエブの細孔より小さい孔を有する吸収性コア
32を生じる。このような小さな細孔を第21図の通常のエ
アレイドティシュコア（Ft.ハワードティシュ）の細孔
と比較する。特にメルトブローンウエブは、メルトブロ
ーン繊維が湿潤されて圧力を加えられた時にもその細孔
を保持する程度に弾性である。第22図は、無負荷のメル
トブローンコア材料の細孔（テスト＃1,＃２）と、1/4p
si（18グラム/cm²）負荷における同一のメルトブローン
吸収性コア材料の細孔とを比較するグラフである。

メルトブローン吸収性コアの細孔は、1/4psi（18グラ
ム/cm²）の負荷を受けた時にその細孔の少なくとも約90
％保持する。小サイズ細孔と、これらの細孔が負荷のも
とに保持される傾向との故に、生理用ナプキンはそのト
ップシートから吸収性コア32まで毛管グラジエントを保
持し、また吸収性コア内部において毛管分布ネットワー
クを保持する。

前記のメルトブローン吸収性コア32の内部に保持され
た毛管分布ネットワークは、下記のように説明する事が
できる。一般に、従来のセルローズ吸収性コアは、比較
的小さい細孔を有していたが、このような吸収性コアの
上に液体が落とされると、湿ったセルローズ材料が圧潰
する傾向がある。これによって、湿ったセルローズ材料
の細孔寸法が減少する。しかしその周囲の乾いたセルロ
ーズ材料がその細孔寸法を保持する。その結果、湿った
セルローズ材料がこれより大きな細孔を有する乾いたセ
ルローズ材料によって包囲されるという問題を生じてい
た。その結果、液体が吸収性コア中への導入点から吸収
性コアの他の部分までできなくなるほどに、セルローズ
吸収性コアの毛管分布ネットワークが破壊される。

これに対して、本発明のメルトブローン吸収性コア
は、このような効果を減少または除去させる。メルトブ
ローン吸収性コアは、湿潤して圧力を受ける際に液体分
布ネットワークを保持する。これにより、液体が吸収性
コアの他の部分に移送され、吸収性コアの他の部分を使
用する事が可能になる。実際に、セルローズ繊維のみか
ら成る吸収性コアと比較して、このメルトブローン吸収
性コアは有効貯蔵容量を増大する。

このような貯蔵容量の増大行動は、特に本発明のメル
トブローン吸収性コアにおいて顕著である。これはメル
トブローン吸収性コア構造の弾性の改良と小さい毛管寸
法とによる。本発明のメルトブローン吸収性コア構造は
他の型の弾性材料から成る吸収性コアと相違している。
弾性材料から成る他の吸収性コアは、一般に比較的大き
な強い弾性繊維で作られる。これらの繊維は、弾性構造
を生じるのには有効であるが、構造中に大きな細孔を作
った。これは、吸収性コアの毛管ネットワークにとって
はマイナスである。

吸収性製品の構造にこのような弾性メルトブローン繊
維を使用する事によって、他の望ましい特徴を有する吸
収性製品を製造する事ができる。望ましい特徴として、
吸収性製品を薄くする事が可能になるのでフィットが良
くなる事を含む。メルトブローン繊維は、また可撓性の
改良された吸収性製品を提供する事ができる。可撓性の
改良は、薄い事と同様にフィット性と安楽性とを改良す
る。

またメルトブローン吸収性コアの弾性は、圧潰に対し
て抵抗性の毛管ネットワークを有する吸収性コア構造を
与えるのみならず、吸収性製品全体をも圧潰に対して抵
抗性とする傾向がある。吸収性製品の全体の弾性は、こ
の吸収性製品の着用中に加えられる圧力に対して圧潰
（すなわち束状になる）傾向を低下させるので、着用者
の衣類の一定の面積をカバーする能力を高める事ができ
る。このような吸収性製品に対する圧力は着用者の大腿
の内側面によって加えられる内向き圧縮力を含む。

吸収性製品の弾性は、この吸収性製品を前記のような
圧力が除去された時にその初形状に戻す傾向がある。こ
れにより、吸収性製品の着用中のフィットとカバー面積
との保持がすぐれた吸収性製品を提供する事ができる。

このようにして着用中に面積カバーが保持されると共
に、バイモード細孔分布による積極的な液体操作力によ
り、漏れ防止性能の高い吸収性製品を提供する事ができ
る。

前記のメルトブローン吸収性コア32は無数の構造に形
成する事ができる。

１つの実施態様において、吸収性コア32は、前記の坪
量範囲の単一ウエブ層とする事ができる。この単一ウエ
ブ層は、その中に超吸収性材料粒子を例えば均一配合物
の形で分散させる事ができる。

他の実施態様において、吸収性コア32は、２層のメル
トブローン繊維ウエブの間に粒子、繊維などの形の超吸
収性材料を含むラミネートとする事ができる。ティシュ
／超吸収性材料ラミネートの場合、メルトブローン材料
は、２つの別個のウエブの形とし、または超吸収性材料
の回りにＣ形にまたはｅ形に折り畳まれた単一のメルト
ブローン層とする事ができる。このような実施態様にお
いて、吸収性コア32は、前記のティシュ／超吸収性材料
ラミネートと同一構造とし、ティシュウエブの代わりに
メルトブローンウエブを使用する。

他の実施態様において、吸収性コア32は、前記の全体
坪量の単一の層またはウエブを含む事ができる。しか
し、この実施態様においては、ウエブは相異なる細孔寸
法を有する２区域以上の区域を有する。この実施態様
は、ウエブを形成するためのメルトブローン繊維を付着
させるプロセス中に実施される。例えば、第18図に図示
のメルトブローンプロセスを使用する事ができる。

第18図は、繊維がダイス102から表面に付着される状
態を示す。ダイス102は表面から特定間隔に配置され
る。ダイス102が表面に近いほど、（繊維の空気流の所
定流速に対して）繊維が密に付着される。本発明の実施
態様に使用されるプロセスは、代表的には表面に沿って
配置された２つ以上のダイスを使用するが、これらのダ
イスは表面から相異なる間隔に配置される。このメルト
ブローンプロセスにおいては、ダイスが表面に近く配置
された箇所では密な区域（小細孔寸法区域）を形成する
が、ダイスが表面から離間した箇所では粗な区域（大細
孔寸法区域）を形成する。

第23図に図示の他の実施態様においては、米国特許第
5,002,814号に記載のように繊維90をフロッキングされ
た超吸収性材料粒子88を含む事ができる。吸収性コア32
にこのような材料を使用すれば、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、PET、レーヨンおよびセルローズ繊維などの
ステープルファイバを超吸収性材料粒子と共に吸収性コ
アに介在させる事ができる。このようなフロッキングさ
れた超吸収性材料粒子は、好ましくは２つのメルトブロ
ーン繊維層92、94の間などのメルトブローン繊維マトリ
ックスの中に収容される。

各層中のメルトブローン繊維は、超吸収性材料粒子上
にフロッキングされた繊維に対して融着する事ができ
る。あるいはまたは追加的に、各層中のメルトブローン
繊維が相互にインタロックされまたは結合され、繊維を
フロッキングされた超吸収性材料粒子をその間に介在さ
せる事ができる。

第23図は（必ずしもスケール通りではないが）、超吸
収性材料粒子の回りに比較的大きな細孔を生じるために
このような実施態様を使用できる事を示している。これ
らの大細孔は、超吸収性材料粒子が液体を吸収する際に
膨潤するスペースを与える。この膨潤は、メルトブロー
ンネットワークの小細孔の中でのゲルブロッキングの発
生を低減させる。繊維フロッキングされた超吸収性材料
粒子は、特にメルトブローンマトリックス中に包囲され
た時に適当に配置保持される。これは、これらの超吸収
性材料粒子が着用者の皮膚に接触する望ましくない傾向
を低減させる。

前記の実施態様の変形例において、吸収性コア32は、
超吸収性材料粒子（繊維フロッキングされた粒子または
繊維をフロッキングされない粒子）を中間に介在させた
第１メルトブローン層と第２メルトブローン層とから成
る２層以上の構造とする事ができる。

第２層は、ティシュウエブ、あるいはカーディッド不
織ウエブまたはスパンボンディッド不織ウエブとする事
ができる。このような構造の利点は、各層を相互に固着
するために超吸収性材料粒子または繊維フロッキングさ
れた粒子を使用できることにある。これらの層を相互に
固着するには、超吸収性材料粒子に隣接配置される一方
または両方の層を適当溶媒によって処理し、次に繊維フ
ロッキングされまたは繊維フロッキングされていない超
吸収性材料粒子と、永久結合を誘導するような熱／圧力
組合わせを使用してウエブを固着することにある。この
プロセスにおいて、超吸収性材料粒子は、各層を相互に
結合するための一次または二次結合剤として役立つ。

第24図は、このような超吸収性材料ラミネートの製造
装置および製造方法を示す概略図である。

装置110の好ましい実施態様は、第１繰り出しスタン
ド112と、ウエブＡをプロセスに送る第１繰り出しロー
ル114と、ウエブＢをプロセスに送る第２繰り出しロー
ル116と、一対の溶媒アプリケータ118と、超吸収性材料
粒子アプリケータ120と、コンベアベルト122と、それぞ
れローラ対128、128'と130、130'との間に形成される２
つの加熱／加圧ニップと、２つのローラ134、138の間に
形成されるエンボス／乾燥ニップ132と、巻き取りロー
ル138とを有する。

このプロセスの好ましい実施態様において、使用され
る溶媒は水である。第１層は好ましくは第24図において
A/A'で表示される二重複合層である。層Ａは前述のよう
なメルトブローンポリオレフィン繊維のウエブまたは層
である。層A'は超吸収性材料粒子層と結合するために使
用される層である。層A'は反対側面において、第２層Ｂ
上の超吸収性材料粒子に隣接して配置される。好ましく
は層A'は、コネチカット、ハートフィールド、アライド
シグナル社から市販されるハイドロフィルとして公知の
ナイロン繊維ウエブ、または英国、ウエスト・ミッドラ
ンド、コートールズ・ファイバ社から市販されるレーヨ
ンファイバなどの水分吸収性ファイバである。第２層Ｂ
は、エアレイドティシュ層またはウエットレイドティシ
ュ層である。

このような吸収性コア32の使用によって、生理用ナプ
キン構造がさらに簡単化される。この実施態様は、超吸
収性材料粒子を収容するためにティシュウエブを２層に
折り畳む必要をなくす。また、この実施態様は、これら
の２層間のホットメルト接着剤の必要をなくし、接着剤
を使用する事による剛性化を最小限にする。またこの実
施態様においては、吸収性コア材料を適宜に連続ウエブ
状に形成し、このウエブを別個に生理用ナプキン製造プ
ロセスの中に送入する事ができる（すなわち、吸収性コ
アをオフライン組立てして、簡単に最終製品の中に組み
込む事ができる）ので生理用ナプキンの製造が簡単化さ
れる。

生理用ナプキンの他の実施態様においては、複合体の
層Ｂは、生理用ナプキンのトップシートまたは第２トッ
プシート（すなわち吸収層）として役立つ。これは実際
に複合トップシートを成す。この実施態様は、生理用ナ
プキン20の構造をさらに簡単化し、またフィット性の改
良のため生理用ナプキンをさらに薄く、さらに可撓性に
し、さらに弾性とする事ができる。

メルトブローン繊維の１つまたは複数のウエブを使用
する実施態様においては、これらのウエブは、液体分布
を増進する特徴を備える事ができる。例えば、長手方向
の液体分布を増進するため、長手方向またはマシン方向
に走る相互に離間されたパタンをメルトブローン繊維の
ウエブにエンボス加工する事ができる。

さらに他の実施態様においては、メルトブロープロセ
スを他の目的に使用する事ができる。例えば、吸収性コ
ア、特に超吸収性材料粒子を含む吸収性コアの外周部分
の密封のためにメルトブロープロセスを使用する事がで
きる。超吸収性材料粒子が吸収性コアから外れて着用者
の皮膚と接触する事を防止するため、外周部分が密封さ
れる。一般に従来は、この密封は吸収性コアをティシュ
の中に包囲し、または吸収性コアの縁を折り畳み、また
は吸収性コアを折り畳まれたラミネートから形成するな
どして実施されていた。

しかし、超吸収性材料粒子が吸収性コアから外れる事
を防止するため、吸収性コアの各側面に薄い繊維層をメ
ルトブローするためにメルトブロープロセスを使用する
事ができる。メルトブローン層が十分に薄ければ、メル
トブローン層は吸収性コアの流体処理特性を妨げない。
また、吸収性コアの縁の回りの部分の上に繊維をメルト
ブローするために、メルトブロープロセスを使用する事
ができる。これは吸収性コアの縁を密封する。これらの
種々の方法は、セルローズ材料を含めて種々の材料から
成る吸収性コアについて実施する事ができる。これらの
方法はメルトブローン繊維から成る吸収性コアには限定
されない。

特に、メルトブローン吸収性コア材料は、2B章に記載
のカーディッドまたはスパンボンディッド第２トップシ
ート材料と共に使用する事ができる。

メルトブローン吸収性コアは、特に約16.32グラム／
ヤード２の坪量と、無負荷において約40−90ミクロン、
1/4psiにおいて約20−80ミクロンの範囲内の平均湿潤細
孔半径と、ウエブ中の細孔の約90％が約20−125ミクロ
ンの湿潤細孔半径を有するような全体細孔分布とを有す
る親水性スパンボンディッドまたはカーディッドポリプ
ロピレンから成る吸収層34と共に使用する事ができる。
あるいは、スパンボンディッドまたはカーディッドポリ
プロピレンウエブは、複合トップシート材料の一部を成
す事ができよう。

第４図ないし第６図は、混合吸収性コアと呼ばれる、
特に好ましい吸収性コア32を示す。この特定の吸収性コ
アは、比較的厚い生理用ナプキン20の中に図示されてい
る。これは、薄い製品の中に使用される薄いウエブ状に
形成する事ができる。

混合吸収性コア32は、好ましくは均質繊維混合物の形
の繊維バットから成る。この混合吸収性コアは、少なく
とも２つのグループ（または型）の繊維から成る。これ
らの繊維は、第１グループの低デニールの比較的短い親
水性繊維と、第２グループの約５％、好ましくは少なく
とも約10％または20％乃至約90％の高デニールの長い合
成繊維とを含む。２つの繊維グループの混合比は、種々
の吸収性製品の望ましい特性を生じるように変動させら
れる。（この明細書に記載のすべてのパーセントは特記
なき限り重量％とする）。

第１グループの繊維は、綿、セルローズなどの天然繊
維またはその他の天然繊維を含む。あるいはまたは追加
的に第１グループの繊維は合成繊維、例えばレーヨン、
化学熱機械パルプ（または「CTMP」または「TMP」）、
砕木、または橋かけ結合セルローズ繊維などの化学変成
繊維を含む。第１実施態様として、第１繊維グループ
は、エアフェルトとして公知の砕木パルプ繊維を含む。
第１繊維グループの繊維は、固有親水性とし、または前
記のいずれかの方法によって処理して親水性とする。

湿潤時の圧縮抵抗の大部分を保持するために比較的剛
性の繊維を選ぶ事により、その性能が改良される（言い
替えれば、繊維は高い圧縮モジュラスを有しなければな
らない）。好ましくは、圧縮抵抗性であると共に湿潤お
よび乾燥弾性の繊維を選ぶ（すなわちこれらの繊維は圧
縮抵抗性であると共に圧縮時に跳ね返り傾向を有す
る）。この観点から橋かけ結合セルローズ繊維が特に好
ましい（しかし、橋かけ結合セルローズ繊維は、もはや
それ自体セルローズ繊維とも天然繊維とみなされない程
度に変成される）。

第２グループの繊維も、高い圧縮モジュラスを有し、
湿潤時に比較的高いモジュラスを保持するものでなけれ
ばならない。また第２グループの繊維も湿潤／乾燥弾性
でなければならない。適当な非限定繊維としては、吸収
層34の繊維として適当であると前述された材料から成る
剛性繊維を含む。（しかし繊維長、デニールなどは必ず
しも同一でない。好ましい繊維長などの例を下記に説明
する）。

好ましくは、第１グループの繊維は、第２グループの
繊維より長い。好ましくは、第２グループの繊維は、約
1/4インチ（約0.6cm）長またはこれ以上であり、好まし
くは、1/2インチ（約1.3cm）長またはこれ以上とする。
第２グループの繊維のデニールは、好ましくは、第１グ
ループの繊維のデニールより大とする。第２グループの
繊維は、好ましくは約６乃至約40デニールを有する。さ
らに好ましくは、デニールは約15乃至約30、最も好まし
くは約15乃至約25とする。

第２グループの繊維は、親水性、疎水性、または部分
的に親水性／部分的疎水性とする事ができる。また第２
グループの繊維は好ましくは少なくともある程度の親水
性成分（好ましくはセルローズ成分）を含む。第２グル
ープの繊維は、適当な方法で親水性成分を備える事がで
きる。これらの方法はこれらの繊維、または少なくとも
その正面を親水性とするために被覆しまたは処理する方
法を含むがこれに限定されない。

第２グループの繊維に使用されるのに適した型の合成
繊維は、ケン縮ポリエステル繊維である。適当な合成繊
維はテネシー・キングスポート・イーストマンコダック
・テキスタイル・ファイバ・ディビジョンからKODEL 2
00および400シリーズとして市販されている。適当な型
の合成ファイバはKODEL 410繊維である。適当なポリエ
ステル繊維はKODEL 431繊維である。これらのKODEL繊
維は好ましくはインチあたり（すなわち2.5cmあたり）
約５乃至７、好ましくは約６、好ましくは6.3のクリン
プ数でクリンプされる。これらの繊維は好ましくは約70
゜乃至約91゜、好ましくは約88゜のクリンプ角度でクリ
ンプされる。クリンプ処理は繊維の弾性を改良する。こ
れらの繊維は15デニールと、約0.5インチ（約1.3cm）の
長さとを有する。これらの繊維は任意公知の方法によっ
て親水性または疎水性仕上げ剤を塗布される。

他の実施態様において、第１グループのセルローズ繊
維の代わりに非常に短い、低デニールの合成繊維（親水
性面を有する繊維）を使用する事ができる。この場合、
混合吸収性コア32は、短い低デニールの親水性第１グル
ープの合成繊維（CELWET仕上げ剤を塗布したポリエステ
ル繊維）と、長い高デニールの第２グループ合成繊維と
から成る。

このような混合吸収性コアは、その吸収容量を増進す
るためハイドロゲル形成ポリマーゲル化剤の粒子を含有
する事ができる。

好ましい実施態様において、ハイドロゲル形成ポリマ
ーゲル化剤は高速吸収性ゲル化物質を含む。高速吸収性
ゲル化物質とは、約10秒またはこれ以下でその容量の少
なくとも約40％、好ましくは少なくとも約50％、最も好
ましくは少なくとも約90％に達する速度で排泄物を吸収
する事のできる吸収性ゲル化剤を意味する。容量のパー
セントレートを測定する適当な方法は米国特願第07/63
7,090号および米国特願第07/637,571号に記載されてい
る。他の実施態様において、高速吸収性ゲル化剤を他の
型の吸収性ゲル化剤（または通常速度ゲル化剤）と混合
する事が可能である。

好ましくは前記の実施態様において、高速吸収性ゲル
化剤は繊維形状とする。このような繊維は（必ずしも高
速繊維状吸収性ゲル化物質ではないが）米国特許第4,85
5,179号に記載されている。この場合、「繊維状吸収性
ゲル化剤物質」とは、全部吸収性ゲル化剤物質から成る
繊維状の吸収性ゲル化剤物質と、表面を吸収性ゲル化剤
物質によって被覆された他の材料から少なくとも部分的
に構成される２成分繊維とを含む。適当な繊維状高速吸
収性ゲル化剤物質は、ペンシルバニア・ニュートン・ス
クエアのアルコケミカル社によって製造されるFIBERSOR
B SA7000として知られているゲル化剤である。

このような混合吸収性コアにおけるハイドロゲル形成
ポリマーゲル化剤の有効利用が改良される。高濃度のゲ
ル化剤を使用する事も可能である。

混合吸収性コア32は、好ましくは少なくとも約1.5g/
立方インチ（約0.09g/cm3）の密度まで圧縮される。混
合吸収性コアは、柔らかさと可撓性を保持しながら流体
滲透性を改良するため、少なくとも約4.0g/立方インチ
（約0.25g/cm3）の密度まで圧縮する事ができる。（前
記の密度値は吸収性ゲル化剤物質の粒子重量を含まな
い）。圧縮作用は、吸収性コア32全体に対して、または
その一部についてのみ加える事ができる。またパタン圧
縮によって、流体処理特性を特定の必要に対応させる事
ができる。例えば、流体落下区域において流体収容速度
を最大限にするために密度を非常に低くし、吸収性コア
の縁近くで流体滲透を増進するために密度を非常に高く
する事ができる。

特に好ましい実施態様において、改良型吸収性コア32
は約15パーセントの0.5インチ長、15デニールのクリン
ブポリエステル繊維と、約85パーセントの約1g/立方イ
ンチ（約0.06g/cm³）の密度まで圧縮された橋かけ結合
セルローズ繊維とからなるエアレイド混合物とする。

混合吸収性コア32は、吸収性コア全体として使用する
事ができ、あるいは積層構造の単数または複数の層とし
て使用する事ができる。混合吸収性コア32は、吸収層34
と共に、あるいは吸収層なしで使用する事ができる。

第４図ないし第６図は、「プロファイル」生理用ナプ
キン20を製造するために各層を使用した吸収性コア32の
例を示す。このプロファイル生理用ナプキン20はその中
心部が厚く、その縁22と24に向かって薄くなるようにテ
ーパを成す。

第５図と第６図は、比較的短く狭い層の上に比較的長
く幅広い層を重ねる事により（またはその逆によって）
このようなプロファイル生理用ナプキン20が得られる事
を示している。

積層構造においては、単数または複数の層が全部セル
ローズから成り、またはセルローズ／ハイドロゲル形成
ポリマー材料混合物から成る事ができる。また各層は相
異なる繊維および／または吸収性ゲル化剤物質含有量を
有する事ができる。例えば下方層の吸収性ゲル化剤物質
のパーセントを高くして追加的液体貯蔵容量を成す事が
できる。

混合吸収性コア32は性能を増進する。混合吸収性コア
は高い流体収容速度と吸収性容量とを与える。このよう
な改良の結果、漏れが減少する。またこの吸収性コアは
小さく薄く製造する事ができるので、着用者にとって製
品をより快適にまた非刺激性にする。また吸収性コアの
強度が合成繊維含有量の故に改良される。このような改
良された特性は多くの要因による。

本発明の組成の吸収性コアは全部セルローズから成る
吸収性コアよりも低い湿潤密度を有する。低い湿潤密度
は合成繊維の存在の結果である。合成繊維の中に水は吸
収されず、従って湿潤した時に繊維モジュラスが変動せ
ず、圧潰しない。低い湿潤密度の故に、高い流体収容速
度と高い吸収容量とを有する混合吸収性コアが得られ
る。低い湿潤密度は、繊維マトリックスの中に含まれる
ハイドロゲル形成ポリマー材料の膨潤スペースを与える
ので、その液体吸収量を増大させる。

第１グループの繊維は漏れを低下させるのに役立つ。
混合吸収性コアは、100％合成繊維から成る吸収性コア
よりも小さい毛管を生じる。これらの小さい毛管によ
り、液体をトップシートを通して着用者の皮膚から引き
離す事ができる。これは、皮膚表面に沿って走って生理
用ナプキンから出る流体量を低下させる事により、漏れ
防止性能を改良する。

また、混合吸収性コアの第１グループの繊維は滲透性
能を改良する。この滲透性能は前記の小さな毛管の結果
である。この毛管は、吸収性コアの高密度化によって増
進される。セルローズは吸収性コアを乾燥時に高密度に
保持する事ができるが、これは一般に純粋合成繊維によ
って得られない。合成繊維の存在は、湿った吸収性コア
部分を膨張させて、これらの部分の密度を低下させる。
その近くの濃密区域はなお乾燥していて高い密度を有し
小さい毛管を与える。その結果、液体はこれらの隣接区
域の中に滲透する傾向がある。これが親水性と吸収速度
を保持する。

クリンブ合成繊維は、吸収性コアの圧縮抵抗と弾性と
を改良する。液体が吸収性コアに吸収されて吸収性コア
に対して圧力が加えられた後でさえ、この弾性は吸収性
コアの中に空隙を保持する。これらの空隙が吸収された
液体の追加貯蔵スペースを成す。またこの空隙は吸収性
ゲル化剤が液体を吸収して膨潤する追加スペースを与え
る。

他の型の吸収性コアの特性がここに引例とした特許お
よび文献の中に記載されている。また他の特性がここに
引例とした特許その他の文献の中にに記載されている。
さらに適当な吸収性コア構造が米国特許第4,988,344号
および米国特許第4,988,345号、および欧州特願第0,19
8,683号に記載されている。他の可能な吸収性コア材料
が米国特許第4,475,911号に記載されている。

生理用ナプキン20（またはその他の吸収性製品）は、
ここに引例とする特許に記載されたような他の追加層ま
たは他の部品を含む事ができる。例えば吸収性製品はト
ップシート28と吸収性コア32との間に配置された橋かけ
結合セルローズ繊維の吸収層またはパッチを含む事がで
きる。

D.バックシート バックシート30は不透液性である。バックシート30は
月経流体その他の排泄物がユーザの衣類を汚す事を防止
するのに役立つ。この目的のために先行技術において使
用された任意材料を使用する事ができる。適当な材料は
エンボス加工または非エンボス加工ポリエチレンフィル
ムおよび薄層ティシュである。適当なポリエチレンフィ
ルムはモンサントケミカル社によって製造され、フィル
ムNo.8020の商標で市販されている。

生理用ナプキン20の他の実施態様（代表的には、トッ
プシート28が主本体部分21のみをカバーし、外側に延在
してフラップ36の上面を形成しない実施態様）において
は、バックシート30は２層から成る事ができる。この場
合、バックシート30は、そのコア面30aに配置されたロ
フト材料の第１層を含む。この第１層の目的は、着用者
の身体に対して快適な非刺激性面を提供する。ロフト層
は任意適当な材料、例えば不織布から成る事ができる。
好ましくはロフト層は疎水性不織布から成る。第２層は
バックシート30の衣類側面30bに配置され、不透液性フ
ィルムから成る。約0.01乃至約0.05ミリメートル、好ま
しくは約0.02ミリメートルの厚さの低密度ポリエチレン
材料がこの第２層として好適である事が発見された。エ
チル コーポレーション、ヴィスクイーン・ディビジョ
ンによってモデルXP−39385として市販されているポリ
エチレンフィルムがこの第２層として特に好適である事
が発見された。またバックシート30はトップシート28と
比較して疎水性の柔らかな布状材料で作る事ができる。
ポリエステルまたはポリオレフィン繊維バックシート30
が好適である事が発見された。特に好ましい柔らかな布
様バックシート材料は、ポリエステル不織布材料と米国
特許第4,476,180号に記載のフィルムとのラミネートで
ある。

他の実施態様において、バックシート30は延伸性であ
る。特に好ましい延伸性バックシート30はウイスコンシ
ン、ワウワトサのフィンドレー・アドヘッシブズ・カン
パニーで製造されている延伸接着フィルムFormula ＃1
98−338である。これは毛管チャンネル繊維特願の中に
詳細に説明されている。

第１図と第２図に図示のように、トップシート28は好
ましくは生理用ナプキン20の外周26に沿った継ぎ目64に
よりバックシート30に固着される。継ぎ目64は、接着、
クリンピングまたは融着など、業界公知の手段によって
形成する事ができる。これは製造しやすい好ましい実施
態様である（各部品を結合する他の手段を使用する事も
できる）。例えば、他の実施態様においては、吸収性コ
ア32がトップシートによって完全に包囲され、その後吸
収性コアがバックシートの上に配置される。また生理用
ナプキン20は、自立するほどに一体性であって、一方の
面において透液性、他方の面において不透液性となるよ
うに処理された吸収性コアを含む事ができる。

また、第１図と第２図は、生理用ナプキン20を衣類の
股区域に対して固着するための接着剤ファスナー手段38
などのファスナーを備える。適当な接着剤ファスナー手
段は米国特許第4,917,697号に記載されている。本発明
において使用されるファスナーは接着剤ファスナーには
限定されない。このような目的のために業界公知の任意
のファスナーを使用する事ができる。例えば、米国特許
第4,946,527号に記載のファスナーによって生理用ナプ
キン20を着用者の下着に固着する事ができる。

ファスナー手段38は、着脱自在のリリースライナー40
によってカバーされる。接着剤が使用前に異物面に固着
する事を防止するため、感圧接着剤をリリースライナー
40でカバーする。適当なリリースライナーは米国特許第
4,917,697号に記載されている。生理用ナプキンのパッ
ケージとして役立つと共に接着剤のカバーとして役立つ
適当なラッパーが米国特許第4,556,146号に記載されて
いる。

3.他の実施態様 その他多くの実施態様が可能である。これらの他の実
施態様の一部を下記に説明する。

第14図に図示の実施態様においては、吸収層34がトッ
プシート28に融着される前に延伸される。トップシート
28と吸収層34がラミネートを成す。延伸されたラミネー
トが緩められると、結合区域44と谷68との間にタフト区
域66が形成される。

第14図に図示の実施態様は１つの重要な利点を記す。
この実施態様およびその変形例は、一般に延伸性と思わ
れていない材料から延伸性ラミネートを形成する事がで
きる。例えば孔あきプラスチックフィルムのトップシー
ト28は一般に延伸性と見なされていない。吸収層34を延
伸させてトップシートと結合させその後両方の部品を緩
めた時に、トップシート28は一定度の延伸度を備える。

タフト区域66は二、三の利点を示す。タフト66は一般
に柔らかである。これらのタフト区域は吸収層34の吸収
性繊維をタフトを有しない結合区域よりも着用者の身体
に近く配置する。理論に拘るつもりはないが、この構造
は（特にタフト区域66において）吸収性を増進する。Ｚ
方向（すなわち生理用ナプキン20の面に対して垂直方
向）における液体の吸収と、ｘ−ｙ面（生理用ナプキン
20の面）における流体の滲透とが増進される。これには
二、三の理由がある。

Ｚ方向吸収の増大は、吸収層34の延伸から生じる。メ
ルトブローン繊維またはスパンレースト繊維から成る吸
収層34のｘ−ｙ面の延伸は、ｘ−ｙ面において測定され
た繊維間スペースのサイズを増大させる。この延伸力が
除去された時、繊維間の摩擦力がこれらの繊維の初位置
に戻る事を困難にする。このようにして繊維間スペース
のサイズが永久的に増大されて、吸収層34をＺ方向にお
いてさらに透液性と成す。

ｘ−ｙ面における液体滲透はタフト区域の間に谷68が
形成された事による。二、三の実施態様においては、谷
68を長手方向に走らせて液体を生理用ナプキン20の両端
に向かって滲透させる事が望ましい。他の実施態様にお
いては、谷68を横方向に走らせてラミネートが長手方向
に延伸性となる事が望ましい。

他の実施態様においては、トップシート28と吸収層34
を相互に融着する前に延伸する事ができる。

さらに他の実施態様においては、フィルムトップシー
ト28中の孔29を形成するための主たる手段または補助的
手段として融着結合を使用する事ができる。融着前に、
トップシートは無孔フィルムとし、または最終製品に所
望の孔より小数の孔を有する事ができる。孔29は第8A図
に図示の装置74によって形成する事ができる。第１の場
合には、トップシート28の所望の孔全部が融着によって
形成される。第２の場合、融着は最初にトップシート28
の中にある孔数を所望の孔数にする補数の孔を形成す
る。

第17図に図示のさらに他の実施態様においては、融着
は別の型の接合構造を生じる。

第17図の実施態様においては、トップシート28の一部
が柔らかに可撓性となるまで加熱される。トップシート
28の加熱された区域に比較的高い圧力を加えて、結合区
域44を形成する。トップシート28は、加圧中にこれらの
結合区域44を形成する程度には加熱されない。従って、
トップシート28は、結合区域において孔29を完全に閉鎖
するほどに相互に流れない。従って、この結合による結
合区域44においては、最初の孔29は排出通路を成す。し
かし、加熱作用は、結合区域44において三次元フィルム
を実際上二次元フィルム上に圧潰させる。加熱はフィル
ムの孔29に不規則形状をとらせる。

第17図の結合点44は、可撓性トップシート28が不織繊
維42と接触させられる際に形成される。これにより、ト
ップシート28が繊維42の回りにからみ合わされる。第17
図に図示のように、これによって一部の繊維42が孔29の
中に延在させられあるいは孔29から外側に延在させられ
る。

第17図の実施態様において使用するに適した特に好ま
しい型のトップシート28は加熱密封フィルムである。低
温および低圧においてこのような結合点44を形成するた
めに加熱密封フィルムが使用される。一方の層または側
面が加熱密封性で他方の側面が加熱密封性でない熱密封
性フィルムが市販されている。このようなフィルムは、
加熱密封面を不織布層に隣接配置して結合できるので効
果的である。適当な加熱密封フィルムが市販されてい
る。

第17図の実施態様は、２つの結合層の界面に区域を有
する浅い結合点を有するにも関わらず液体流と干渉しな
い型の構造の一例を示す。

他の実施態様においては、吸収層34は２層複合構造を
含む。この複合構造は、内部にバイモード細孔分布を有
する構造とする事ができる。

このような構造は、その下側面に親水性カーディッド
またはスパンボンディッド・ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンまたは（前記のメルトブローン吸収
性コアの中に使用されるような）メルトブローン繊維を
有する類似の繊維を取付けられている。前記のように、
カーディッド繊維は、加熱結合、スパンレース、ニード
ルパンチまたは粉末結合などの種々の方法で結合する事
ができる。あるいは、このような構造は、カーディッド
あるいはスパンボンディッドウエブの下側面に対してエ
ンボシングまたは融着によって取付けられたメルトブロ
ーンウエブを含む事ができる。

カーディッドまたはスパンボンディッドファブリック
の下側面に対して直接に親水性マイクロデニール繊維を
固着し、その間の接着剤を省略する方法は吸収性コア32
への液体のを改良する。これは主として、吸収層の一部
としてのメルトブローン繊維ネットワークの細孔によっ
て生じる強い毛管駆動力による。

好ましくは、このような実施態様のメルトブローン繊
維は薄い層状に付着される。メルトブローン繊維は好ま
しくは30グラム/m2を超えない厚さの層状に付着され
る。好ましくは複合吸収層も薄くする。好ましくは複合
体の坪量は50グラム/m2を超えない。これは、吸収性コ
アへの運動を容易にし、また液体がこの複合層の中に留
まる可能性を低下させる。

上方のカーディッドまたはスパンボンディッドファブ
リックに直接に固着されたメルトブローン繊維は融着工
程に際して役立つ。メルトブローン繊維がトップシート
と同一ポリマー組成を有すれば、これらの繊維がトップ
シートと共に融着されるので非常に有効である。このよ
うな同時性はトップシートと吸収層の間の結合力を高め
る。

第26図に図示の本発明の好ましい実施態様において
は、２層複合構造の代わりに、吸収層34は相異なるデニ
ールを有する２グループ以上の繊維から成るカーディッ
ド不織ウエブを含む。例えば、吸収層は第１の比較的大
きなデニール（例えば、2.2乃至6.0デニール）を有する
第１グループの繊維と、第２の小デニール（例えば、0.
1乃至2.2dpf）を有する第２グループの繊維とから成る
事ができる。このカーディッド不織布は、カーディッド
ウエブの中において第１グループの繊維が第２グループ
の繊維の上方に（トップシートに近く）配置されるよう
に構成されれば、毛管グラジエントを生じるために２層
を相互に固着するのでなく、毛管グラジエントを吸収層
34の中に造り付ける事ができるという利点がある。

この変形例は、好ましくは、ポリエチレン、ポリエス
テル、ポリプロピレン、レーヨンまたは酢酸アクリル繊
維から成る親水性カーディッドまたはスパンボンディッ
ド繊維を含む。このカーディッドまたはスパンボンディ
ッド繊維は好ましくは２つの相異なる平均湿潤細孔半径
を有する。大デニール繊維を含有する構造部分は無負荷
で約50−140ミクロンの範囲内の平均湿潤細孔半径有す
る。小デニール繊維を含有する構造部分は無負荷で約７
−50ミクロンの範囲内の平均湿潤細孔半径を有する。

これらの複合ファブリックのいずれも、トップシート
に対して融着する事ができるが、その必要はない。

以上において本発明の好ましい数種の生理用ナプキン
の実施態様を記載したが、多数の他の型の生理用ナプキ
ンが入手可能であり、文献に記載されている。これらの
生理用ナプキンに本発明の融着層を備える事ができる。
このような生理用ナプキンは米国特許第4,285,343号、
米国特許第4,589,876号および米国特許第4,687,478号、
米国特許第4,917,697号および米国特許第5,007,906号、
米国特許第4,950,264号および米国特許第5,009,653号、
および米国特願第07/605,583号に記載のものを含む。

「パンティライナ」または「パンティ・ライナ」と
は、一般にに月経期間の間に婦人によって着用される生
理用ナプキンよりカサの低い吸収性製品を言う。本発明
の前記の層部品と共に使用できるパティライナの形の吸
収性製品は米国特許第4,738,676号に記載されている。
「失禁製品」とは、成人またはその他の失禁者によって
着用されるか否かに関わらず、パッド、下着類（ベルト
などの吊り下げシステムによって保持されるパッド）、
吸収性製品のインサート部品、吸収性製品の容量ブース
タ、ブリーフ、ベッドパッドなどを言う。本発明による
融着層を備えるに適した失禁製品は米国特許第4,253,46
1号、米国特許第4,597,760号および米国特許第4,597,76
1号、前記の米国特許第4,704,115号、米国特許第4,909,
802号、米国特許第4,964,860号および米国特願第07/63
7,090号および米国特願第07/637,571号に記載されてい
る。

用語「オシメ」とは、一般に幼児および失禁者によっ
て着用れ着用者の脚の間を引き上げられてウエスト回り
に固着される衣類である。本発明の融着層を備える事の
できるオシメの形の適当な吸収性製品は、米国特許第R
e.2,152号、米国特許第3,860,003号、米国特許第4,610,
678号、米国特許第4,673,402号、米国特許第4,695,278
号、米国特許第4,704,115号、米国特許第4,834,735号、
米国特許第4,888,231号および米国特許第4,909,803号に
記載されている。

本明細書に記載のすべての特許、特願（およびこれら
の特願に基づく任意の特許、およびこれに対応して公表
された外国特願）の開示、およびこれらの出版物はここ
に引例として含まれる。しかしこれらの引例に含まれる
文献のいずれかが本発明を教示しまたは開示するとは明
白に認められない。またこの明細書に記載の市販の材料
または製品のいずれかが本発明を教示しまたは開示する
とは明白に認められない。

従って本発明は、層間において、特に最上の透液性層
の間に結合を有し、この結合が長期使用においても固着
状態を保持するように成された吸収性製品を提供するに
ある。

4.テスト法 結合強さ180゜剥離テスト トップシート28がその下層から分離しない程度に融着
層間の結合が強い事を確認するために、下記の結合強さ
180゜剥離テストが実施される。

180゜剥離テストは本質的に融着層を引張テスターの
中に配置し、各層を分離するために力を加えるにある。
このテストは、分離力を加え方向の故に「180゜剥離テ
スト」と呼ばれる。サンプルが部分的に剥離され、次に
剥離されていない部分と剥離されるべき層とが背中合わ
せに配置された２つの大文字「Ｌ」に類似した形状を成
すように配向される。次に、部分的剥離された部品に対
して対向方向に引張力を加える。

原理 引張テスターは、特定のサンプルに対して徐々に増大
する引張力を滑らかに加え、一方の層が破損（破断）し
または両方の層が分離するまで剥離するにある。

範囲 この手順は積層材料に適用される。

装置 コンディショニングされた実験室:73±２゜F、 相対湿度:50±２％ オーブン：コールパーマ；モデルＮ−05015−10;イリ
ノイス 60648、シカゴ、ノースオークパークアヴェニ
ュー 7425、コールパーマ・インターナショナル製また
は類似装置。

保持スタンド:1インチ幅バネクランプを備えたアルミ
ニウムスタンド。

J.D.C.カッター：安全シールドを備えた１インチ幅
（25.4mm）のダブルエッジ・カッター。

ペンシルバニア 19154、ダルトン・ロード 10960、ス
ウィング・アルバート・インストルーメント社製または
類似装置。

電子引張テスター：汎用一定伸び率引張テスト装置;1
000グラムの全範囲、または必要に応じて他の測定範囲
を有する。

インストロン1122および4210、マサチューセッツ、カン
トン、インストロン・エンジニアリング・コーポレーシ
ョン製。または、スウィング・アルバート インテレク
ト500またはII、 ペンシルバニア、フィラデルフィア、ダルトン・ロード
10960、スウィング・アルバート・インストルーメン
ト社製、または同等装置。

ジョー：ライト・デューティ、ライン接触面（バーラ
イン）装備。前記の適当計器メーカから入手。

サンプルの準備 サンプリング指示に従ってサンプリング。サンプルを
コンディショニング室中で最小限２時間、73±２゜F、
相対湿度:50±２％に調整。

標識として各サンプルの隅部にラベルを貼付。ペンマ
ークがテスト区域に来ないように注意する。

マシン方向（MD）にサンプルをテストする場合 J.D.C.カッターを使用して、クロスマシン方向（CD）
１インチ（25.4mm）×マシン方向（MD）６インチ（152.
44mm）の４ストリップを切断する。

クロスマシン方向（CD）にサンプルをテストする場合J.
D.C.カッターを使用して、マシン方向（MD）１インチ
（25.4mm）×クロスマシン方向（CD）６インチ（152.44
mm）の４ストリップを切断する。

計器の準備 メーカの指示に従って、引張テスターを校正しゼロ設
定する。テストストリップのテスト結果がロードセルま
たはロードレンジの25％乃至75％の範囲内となるように
ロードセルを選ぶ。このレンジは最初に500グラム・フ
ルスケールに設定される。

ゲージ長を１インチに設定。

計器クロスヘッドを毎分22インチ（±２インチ毎分）
に設定。

チャート速度を毎分５インチに設定。

クロスヘッドが10.4インチ走行するように引張テスタ
ーを設定。これにより、テスターはサンプルを合計7.3
インチ剥離する際に発生する力をモニタする事ができ
る。

ペンがチャートの垂直ゼロライン（距離軸線）上にく
るように計器をゼロ設定。またペンがチャートの１つの
ヘビー・水平ライン（荷重軸線）上にくるようにチャー
トを回転させる。チャート用紙に、サンプルコード、テ
スト方向（MDまたはCD）、テスト実施日付、フルスケー
ル荷重値、チャート速度、クロスヘッド速度、ゲージ
長、およびテスト名（結合強さ）をラベル表示。

テスト手順 サンプルストリップの一端から約1.5インチ、手で分
離する。サンプルの１つの層の約0.5インチを引張テス
ターの上ジョーの中に配置する。このジョーを閉じる。
他の層を下ジョーの中に、たるみを除去するがペンをゼ
ロマークから移動させない程度の引張力をもって配置す
る。このジョーを閉じる。

メーカの指示に従って、テスターとレコーダを同時に
始動する。

サンプルの層が分離された後に（または一方の層が破
損または破断した後に）、チャートを停止し、引張テス
ターをその初位置に戻す。サンプルをジョーから除去
し、チャートを次のサンプルに対して配置する。

他のサンプルストリップについて前記手順を繰り返
す。計算／レポート作成 分析における最も共通の関心事項は分離および破断に
おける荷重（グラム力）である。

A.分離における結合力 平均分離力を捕獲してレポートする事のできない計器
の場合には、まっすぐな縁としてルーラを使用し、チャ
ート上で平均分離力を最寄りグラム数に物理的に決定す
る。分離力を捕獲しレポートする事のできる計器の場合
には、平均分離力をデジタル表示から最寄りグラム数に
読取る。

B.破断における結合力 平均破断力を捕獲してレポートする事のできない計器
の場合には、チャート上でピーク力を最寄りグラム数に
物理的に決定する。破断力を捕獲しレポートする事ので
きる計器の場合には、ピーク力をデジタル表示から最寄
りグラム数に読取る。

分離サンプル（１）の平均グラム数と破断サンプル
（２）のピーク力の４つの最寄りグラム数読み値を平均
しレポートする。分離における結合力を使用して前記の
平均剥離力を決定する。

液体押出分析の手順 序論 液体押出分析は吸収性構造中の細孔分布を特徴づける
ために有効である。

液体押出分析手順は、人が濡れた布製品を乾かすため
に絞る時の状態に類似していると考えられる。水がその
製品中の種々の寸法の細孔組織の中に収容されている。
製品を絞るためには、製品に対して圧力を加えなければ
ならない。

絞り出しプロセスの初期においては、比較的小さい圧
力で比較的多量の水が製品から抽出される。しかしこの
プロセスが進むに従って、製品から水を抽出するために
は、ますます大きな圧力が必要となる。同時にますます
小量の水が抽出される。これは、絞り出しプロセスの初
期において水が大きな細孔から抽出された事を反映して
いる。プロセスの終期においては、水は小さい細孔から
抽出され、従ってますます抽出が困難となる。

液体押出分析は（絞り出しプロセスではなく）製品に
対する圧力を制御するための加圧チャンバを使用する。
製品（サンプル）から除去された液体は膜を通して押出
され、秤で計量される。この液体押出分析に使用される
装置は第27図に概略図示されている。

液体押出分析の実施中に与えられた点において排出さ
れる細孔の半径は、下記のウオッシュバーン方程式のラ
プラス変換によって決定される。

ここに、γは使用される流体の表面張力、θは前進また
は後退時の流体とサンプルの接触角度、Ｒは排出される
細孔の半径、またΔＰは圧力変動とする。

簡単に言えば、この計器はサンプルを配置する加圧チ
ャンバと、この容器をタンクに接続するホースまたはパ
イプと、タンクそのものと、タンクを載置された秤とか
ら成る。

加圧チャンバは、ニュージャージ、プリンストンのTR
I社によって製造されるような細孔容積分布ユニット
（またはPVDユニットまたは「液体押出」ユニット）ま
たは同等装置とする。圧力チャンバは一連のグルーブを
備えている。また加圧チャンバは１セットの膜ディスク
を含む。これらのディスクは加圧容器中の支持体および
ろ過手段として役立つ。流体は計器の両「半体」を通し
て流れる。

液体押出分析は細孔容積分布、ヒステリシス、膨潤、
圧縮、後退および前進接触角度、表面細孔および多層を
研究するために使用する事ができる。

初セットアップ まず、圧力チャンバをテスト流体に露出するまえに完
全に洗浄しなければならない。ホースは、準備中に流体
がホースから流出してタンクの中に入らないように高い
水準に設定しなければならない。最初に流体をタンクと
圧力チャンバとの中に、気泡を形成しないようにゆっく
り装入する。

ブランド新ディスクからメーカの残留オイルを除去す
るため約２分乃至３分、トルエン中で洗浄する。新しい
鋼ディスクは３回エポキシ噴霧されなければならない。
前にエポキシ被覆されたディスクは２回だけ噴霧され
る。約２秒噴霧し、被覆は比較的軽く実施されなければ
ならない。新ディスクの場合、最初の１被覆または２被
覆はそれぞれ30分間、乾燥されなければならない。膜の
取付け前に被着される最後の被覆は45秒だけ乾燥され
る。膜に反射側面があれば、この側面はディスクに取付
けられる側面でなければならない。反射側面が識別でき
なければ、いずれの面をも使用する事ができる。取付け
後に、ディスクと膜を紙タオルなどの柔らかな面上で一
晩乾燥させる。この際に膜を下向きにして、上に軽い
（２−４ 1b.）の重りを置く。ディスクの側面から垂
れ下がった膜の余分の部分はネジドライバーなどの鈍い
刃物で除去する。鋼ディスクは通常、12エポキシ被覆に
耐える。通常、膜は老化または穿孔の故に交換される
が、注意して使用すれば膜の寿命は通常二、三カ月であ
る。膜を取り替える際に、剃刀の刃をもって古い膜をデ
ィスクから欠き落とす。この操作中に、剃刀の刃の縁が
ディスクから持ち上がらないように注意しなければなら
ない。ディスクから残留塗料を落とすためにアセトンま
たは塩化メチレンが使用される。

ディスクと膜を加圧チャンバ組立体の中に固定する前
に、テスト流体の中に浸漬しなければならない。加圧チ
ャンバにテスト流体を注入する前に加圧チャンバの中に
柔らかな泡層が配置され、次にこのチャンバが高い流体
レベルを保持するように流体を追加する。流体水準がデ
ィスクをカバーするほどに高くなるように金属の固定リ
ングを付け加える必要のある場合がある。ディスクが泡
層の上に、膜を下にしてセットされ、流体の中に半分だ
け浸漬される。

ディスクから空気が脱出するために数秒待った後にさ
らにテスト流体を加える事によってこの構造が完全に浸
漬される。再び空気の脱出のためにちょつと待った後
に、ディスクを加圧チャンバから慎重に取り出して急速
に逆転させ、この操作は短時間で行われる。次に泡層を
除去し、ディスクをチャンバの中にその正面を上にして
慎重に配置する。膜と加圧チャンバの界面近くに集まっ
ている気泡を点眼器によって除去しなければならない。

ネジなどを取り付ける際に膜の上に、しかし膜と接触
しないようにプラスチックの遮蔽板を吊り下げる。これ
はチャンバの組立中の膜の損傷を防止する。膜に決して
接触しない事が重要である。膜に接触すると膜の中に微
細穿孔を生じ、これがテスト結果に大きく影響する。膜
からサンプルの残留繊維を除去するためにラクダの毛の
塗装ブラシを使用しなければならない。またテスト終了
後にサンプルを加圧チャンバから除去するために塗装ブ
ラシを使用する事ができる。

システムに対する注入または圧力チャンバとタンクと
の間の吸引作用は、慎重に人工圧を加える事なく実施し
なければならない。ガラス管の水準が下がり、そこで秤
上のタンクにガラス管を取り付ける開口に向かって流体
が流れ始める。流体が開口から出始めた直後に、ガラス
管をタンクの中に流体面の下方に入れる。そこでガラス
管を確実に固定する。ガラス管の開口とタンクとの間に
おいて空気を補足してはならない。タンクの中に浮いて
いる気泡は点眼器によって除去しなければならない。ガ
ラス管の中に捕らえられた気泡は、ガラス管を上下運動
させる事によって気泡をレベルシリンダから加圧チャン
バに向かって押し出す事によって除去しなければならな
い。

次にディスクの浸漬から残った余分の流体を加圧チャ
ンバから除去しなければならない。これは加圧チャンバ
の最も外側のグルーブから流体を排出する弁を開く事に
よって実施される。ディスクと膜が配置されて加圧チャ
ンバの中の流体レベルが膜の下方になった後に、ディス
クの上にＯ−リング、次に金属固定リングを慎重に配置
する。

金属固定リングの上面からテスト流体を拭き取ってお
かなければならない。さもなければテスト流体が加圧チ
ャンバの内部に入ってテスト結果に影響する可能性があ
る。ディスクの浸漬中に金属固定リングのネジ孔から入
る流体を点眼器によって除去しなければならない。加圧
チャンバの回りのグルーブの中に残留するテスト流体
は、加圧チャンバ内部での凝縮を防止するので有効であ
る。すべての部材がセットされた時、レベルシリンダ中
のメニスカスの水準がその開口と正確に一致するように
加圧チャンバの水準を調整し、次に平衡状態を待つ。こ
の平衡状態に達した時、レベルシリンダの中にネジを挿
入する事ができる。

タンクと秤の間に小さなプラスチックディスクを配置
して、傾斜を防止し安定性を増進しなければならない。
秤に達するホースは自然の通路に従って、湾曲部または
屈折部を避けなければならない。またこの通路は大きな
くぼみまたは突起を避けなければならない。これらは流
れの平衡状態を変更するからである。ガラス管について
一定の通路が設定された時、この通路はできるだけ一定
に保持されなければならない。秤における測定に際して
振動が影響しないように、この通路は自由に立っていな
ければならない。しかしタンクの流体の中に入ったガラ
ス管は、振動がタンクに伝わらないように確実にクラン
プされなければならない。

液体押出ユニットの使用 テストを実行する前に、この装置についてブランクラ
ンを実施しなければならない。これは測定を実施しよう
とする圧力においてサンプルなしでテストを実施するに
ある。このブランクランは、チャンバトップに、特にＯ
−リングと膜との間のメニスカスの中に捕らえられる流
体を考慮して装置を校正するにある。

テストを実施する前に、この膜/O−リング界面は、多
量の流体を除去するために紙タオルをもって非常に静か
に拭き取らなければならない。ブランクは1gの2/10また
は3/10より大であってはならない。膜とディスクとの間
に捕らえられた空気は誤差の原因であって、ブランク中
に変動を生じる。もしブランクランに際して秤上の流体
量が下がらないで絶えず増大するようであれば、膜の中
に孔が存在する。このような場合には膜を取り替えなけ
ればならない。

ランニングサンプルが２グラム以上の流体を保持して
いる場合、このサンプルを予め飽和してこれを加圧チャ
ンバの中に配置する事が望ましい。そのため、サンプル
の浸漬中にこのサンプルを配置するプラスチックホルダ
ーを使用する事が望ましい。またサンプルをブラシをも
ってホルダーから滑り落とすのは良い方法である。この
方法は膜に接触しないからである。さらに余分の流体を
紙タオルをもって拭き取らなければならない。流体を最
後の１滴まで除去しようとしてはならない。紙タオルで
除去できない小量の液体はディスクの中に滲透するであ
ろう。

サンプルを予め飽和させるか、あるいは流体をタンク
から逆滲透させるかに関わらず、この装置はテスト開始
前に一定レベルの平衡状態、すなわち定常状態に達して
いなければならない。これは、秤上の質量が前記のよう
に特定の量だけ変動する事を意味する。その後テストを
開始する。

PVDは平衡計器である。すべてのテストは特定の平衡
レベルにおいて開始しまた実施されなければならない。
この特定の平衡レベルについて、「平衡定数」を選ばな
ければならない。この数は流体押出が僅少であると見な
される最大レートを言う。この数は所要の精度に依存す
る。この数字は定数であるよりもルール・オブ・サムで
ある。PVDユニットのメーカーは、サンプルから押出さ
れる流体1,000mm3あたり2mg/分のレートを想定してい
る。例えば流体1gを保持するサンプルの平衡レートは下
記である。

1g（1cm3）（103mm3）（2mg/mn）（1mn） （1g）（1cm3）（1000mm3）（60sec） ここに、1gが押出される量であるから、1cm³/gがを流
体の密度であり、1cm³の中に10³mm3が存在するので、想
定レートは1,000mm3あたり2mg/分であり、また１分は60
秒であるから、前記の例は0.033mg/sのレートを生じ
る。秤は最寄りの0.1mgに読み取るのであるから、0.1mg
/sの平衡レートでおそらく十分であろう。10乃至15gの
流体を保持する代表的な厚い吸収性コアの場合、これは
約0.4mg/sに達する。またこの平衡レートは少なくと30
秒間保持されると想定された。

実際上これは、単に所望の圧力を設定し、秤が所望の
平衡レートまで減速するのを待ち、30秒間待ち、最後に
秤上の質量を記録する事を意味する。

圧力は徐々にまた慎重に調整しなければならない。目
標圧力は常に同一方向から近接しなければならない。圧
力が増大されているならば、常に下方圧力から近接しな
ければならず、またその逆である。このような制約は、
接触角度の前進と後退が相違しまた各テスト段階におい
て同一の接触角度が含まれなければならないからであ
る。データの分析 データをグラフで表示する主たる２つの方法がある。
第１の方法においては、容積分布対半径のグラフが材料
の細孔容積分布の急速なブレイク・ダウンを生じる。第
２の方法においては全容積の累積的プロット対半径のグ
ラフは、より多くの情報を与えるが急速でない。

押出された容積パーセント対半径をプロットすれば、
容積分布グラフが得られる。代表的にｙ軸に容積パーセ
ント、ｘ軸に半径範囲を示す棒グラフを使用する。これ
は累積プロットの第１導関数である。第20図と第21図を
参照。

累積プロット構成は、サンプルグラムあたり押出され
る全体積をｙ軸に表示し、半径範囲をｘ軸に表示するに
ある。このグラフはサンプルの質量あたりの全体積また
は容量を表示するが、体積分布グラフはそうではない。

本発明は前記の説明のみに限定されるものではなく、
その主旨の範囲内において任意に変更実施できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ９５７，５７５ (32)優先日 平成４年10月７日(1992．10．7) (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (72)発明者 マーシャル，ロバート リー イー. アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナ チ、ラモナ、アベニュ、3018 (72)発明者 ブラウン，ブルース アメリカ合衆国オハイオ州、メインビ ル、アーバー、ヒル、レイン、3511 (72)発明者 プルムレイ，ユリアン ドイツ連邦共和国ザッテルドルフ、ノイ ビーゼンベーク、１ (72)発明者 コスティア，カリン ヘレン アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナ チ、ウエスト、リーズレイン、6913 (72)発明者 デビッド，ジェニファー リン アメリカ合衆国ウィスコンシン州、ラシ ーヌ、ウッドフィールド、コート、95 (56)参考文献 特開 平２−168949（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−1266（ＪＰ，Ａ) 米国特許5037409（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61F 13/00 - 13/84

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透液性トップシートと、 前記トップシートに接合された不透液性バックシート
   と、 前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され
   た吸収性コアと、 トップシートと吸収性コアとの間に配置され吸収層とを
   有し、 前記吸収性コアは、第１層と、第２層と、前記第１層と
   前記第２層との間に配置された複数の超吸収性材料粒子
   とを有し、前記第１層は、無負荷において第１平均湿潤
   細孔半径の細孔を繊維間に有する複数のマイクロデニー
   ルメルトブローン繊維のウエブを有し、前記第２層は、
   ティシュウエブと、カード処理不織ウエブと、スパンボ
   ンド不織ウエブから成るグループから選定される材料を
   有し、前記第１層と前記第２層の少なくとも一方が溶媒
   処理され、前記第１層と前記第２層は、少なくとも部分
   的に前記超吸収性材料粒子によって相互に加熱加圧結合
   され、 前記吸収層は、無負荷において第２平均湿潤細孔半径の
   細孔を内部に有し、前記第２平均湿潤細孔半径は前記第
   １平均湿潤細孔半径より大きいことを特徴とする吸収性
   製品。
2. 【請求項２】前記メルトブローン繊維ウエブは、18グラ
   ム/cm2の負荷で20乃至40ミクロンの第１平均湿潤細孔半
   径を有し、前記吸収層は、18グラム/cm2の負荷で40乃至
   140ミクロンの第２平均湿潤細孔半径を有することを特
   徴とする請求項１に記載の吸収性製品。
3. 【請求項３】前記メルトブローン繊維ウエブは、44乃至
   162グラム/m2の坪量を有することを特徴とする請求項１
   に記載の吸収性製品。
4. 【請求項４】前記メルトブローン繊維ウエブは、30乃至
   40ミクロンの第１平均湿潤細孔半径を有し、全体細孔
   は、ウエブ中の細孔の90％が７乃至50ミクロンの湿潤細
   孔半径を有するように分布されることを特徴とする請求
   項１に記載の吸収性製品。
5. 【請求項５】前記第１層と前記第２層は、２層に折り曲
   げられることを特徴とする請求項１に記載の吸収性製
   品。
6. 【請求項６】前記第１層は、メルトブローン繊維ウエブ
   と、 メルトブローン繊維ウエブと前記超吸収性材料粒子との
   間に位置する水分吸収繊維層とを有する２層複合構造で
   あることを特徴とする請求項１に記載の吸収性製品。
7. 【請求項７】前記吸収性コアは、長手方向に配向された
   複数の相互に離間したエンボスラインを備えていること
   を特 徴とする請求項１に記載の吸収性製品。