JPWO2007074692A1 - ジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)完全なバッチ反応方式
(2)蒸留塔を上部に設けた反応釜を用いるバッチ反応方式
(3)管式リアクターを用いる液状流通反応方式
(4)反応蒸留方式
の4方式であるが、それぞれ、以下に述べるような問題点があった。
1. 環状カーボネートと脂肪族1価アルコールからジアルキルカーボネートとジオール類を連続的に製造する方法であって、
(I)環状カーボネートと脂肪族1価アルコールとを触媒が存在する連続多段蒸留塔A内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するジアルキルカーボネートと未反応脂肪族1価アルコールを含む低沸点反応混合物(AT)を塔上部よりガス状で連続的に抜出し、ジオール類を含む高沸点反応混合物(AB)を塔下部より液状で連続的に抜出す反応蒸留方式によって、ジアルキルカーボネートとジオール類を連続的に製造する工程(I)と、
(II)該連続多段蒸留塔Aの塔上部より連続的に抜出されたジアルキルカーボネートと脂肪族1価アルコールを含む低沸点反応混合物(AT)を連続多段蒸留塔Bに連続的に供給し、脂肪族1価アルコールを主成分とする塔頂成分(BT)とジアルキルカーボネートを主成分とする塔底成分(BB)とに連続的に分離精製する工程(II)と、
を含み、
(a)該連続多段蒸留塔Aが、下記式(1)〜(6)を満足する長さL0(cm)、内径D0(cm)の円筒形の胴部を有し、内部に複数の孔をもつ棚段をn0段有する棚段塔であって、塔頂部又はそれに近い塔の上部に内径d01(cm)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径d02(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び/又は中間部に1つ以上の第1の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び/又は下部に1つ以上の第2の導入口を有する蒸留塔であって、
2100 ≦ L0 ≦ 8000 式(1)
180 ≦ D0 ≦ 2000 式(2)
4 ≦ L0/D0 ≦ 40 式(3)
20 ≦ n0 ≦ 120 式(4)
3 ≦ D0/d01 ≦ 20 式(5)
5 ≦ D0/d02 ≦ 30 式(6)
(b)該連続多段蒸留塔Bが、下記式(7)〜(14)を満足する長さL1(cm)、内径D1(cm)、内部に段数n1をもつインターナルを有する回収部と、長さL2(cm)、内径D2(cm)、内部に段数n2をもつインターナルを有する濃縮部からなる蒸留塔である、
500 ≦ L1 ≦ 3000 式(7)
100 ≦ D1 ≦ 1000 式(8)
2 ≦ L1/D1 ≦ 30 式(9)
10 ≦ n1 ≦ 40 式(10)
700 ≦ L2 ≦ 5000 式(11)
50 ≦ D2 ≦ 800 式(12)
10 ≦ L2/D2 ≦ 50 式(13)
35 ≦ n2 ≦ 100 式(14)
ことを特徴とするジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法、
2. 製造されるジアルキルカーボネートが1時間あたり、2トン以上であることを特徴とする前項1に記載の方法、
3. 製造されるジオール類が1時間あたり、1.3トン以上であることを特徴とする前項1又は2に記載の方法、
4. 該d01と該d02が、式(15)を満足することを特徴とする前項1〜3のいずれか一項に記載の方法:
1 ≦ d01/d02 ≦ 5 式(15)、
5. 該連続多段蒸留塔AのL0、D0、L0/D0、n0、D0/d01、D0/d02 がそれぞれ、2300≦L0≦6000、 200≦D0≦1000、 5≦L0/D0≦30、 30≦n0≦100、 4≦D0/d01≦15、 7≦D0/d02≦25であることを特徴とする前項1〜4のいずれか一項に記載の方法、
6. 該連続多段蒸留塔AのL0、D0、L0/D0、n0、D0/d01、D0/d02 がそれぞれ、2500≦L0≦5000、 210≦D0≦800、 7≦L0/D0≦20、 40≦n0≦90、 5≦D0/d01≦13、 9≦D0/d02≦20であることを特徴とする前項1〜5のいずれか一項に記載の方法、
7. 該連続多段蒸留塔Aの棚段が、多孔板トレイであることを特徴とする前項1〜6のいずれか一項に記載の方法、
8. 該連続多段蒸留塔Aの該多孔板トレイが、多孔板部の面積1m2あたり100〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする前項7記載の方法、
9. 該連続多段蒸留塔Aの該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が、0.5〜5cm2であることを特徴とする前項7又は8記載の方法、
10. 該連続多段蒸留塔Aの該多孔板トレイの開口比が、1.5〜15%であることを特徴とする前項7〜9のいずれか一項に記載の方法、
11. 該連続多段蒸留塔BのL1、D1、L1/D1、n1、L2、D2、L2/D2、n2がそれぞれ、800≦L1≦2500、 120≦D1≦800、 5≦L1/D1≦20、 13≦n1≦25、 1500≦L2≦3500、 70≦D2≦600、 15≦L2/D2≦30、 40≦n2≦70、 L1≦L2、 D2≦D1であることを特徴とする前項1〜10のいずれか一項に記載の方法、
12. 該連続多段蒸留塔Bの回収部及び濃縮部のインターナルが、それぞれトレイ及び/又は充填物であることを特徴とする前項1〜11のいずれか一項に記載の方法、
13. 該連続多段蒸留塔Bの回収部及び濃縮部のインターナルが、それぞれトレイであることを特徴とする前項12記載の方法、
14. 該連続多段蒸留塔Bの該トレイが、多孔板トレイであることを特徴とする前項13に記載の方法、
15. 該連続多段蒸留塔Bの該多孔板トレイが、多孔板部の面積1m2あたり150〜1200個の孔を有しており、且つ、孔1個あたりの断面積が、0.5〜5cm2であることを特徴とする前項14に記載の方法、
16. 該連続多段蒸留塔Bの該塔底成分(BB)中のジアルキルカーボネートの濃度が、該塔底成分100質量%に対して、97質量%以上であることを特徴とする前項1〜15のいずれか一項に記載の方法、
17. 該連続多段蒸留塔Bの該塔底成分(BB)中のジアルキルカーボネートの濃度が、該塔底成分100質量%に対して、99質量%以上であることを特徴とする前項1〜15のいずれか一項に記載の方法、
18. 該連続多段蒸留塔Bの該塔頂成分(BT)をジアルキルカーボネートとジオール類の製造用原料としてリサイクルすることを特徴とする前項1〜17のうち何れか一項に記載の方法、
19. 環状カーボネートがエチレンカーボネート及び/又はプロピレンカーボネートであり、脂肪族1価アルコールがメタノール及び/又はエタノールであり、製造されるジアルキルカーボネートがジメチルカーボネート及び/又はジエチルカーボネートであり、ジオール類がエチレングリコール及び/又はプロピレングリコールであることを特徴とする前項1〜18のうち何れか一項に記載の方法、
を提供する。
20. 前項1〜19のうち何れか一項に記載の方法で分離され、ハロゲン含有量が0.1ppm以下であることを特徴とするジアルキルカーボネート、
21. 前項1〜19のうち何れか一項に記載の方法で分離され、ハロゲン含有量が1ppb以下であることを特徴とするジアルキルカーボネート、
22. 脂肪族1価アルコールの含有量が0.1質量%以下であって、且つ、ハロゲン含有量が1ppb以下あることを特徴とする前項20又は21に記載の高純度ジアルキルカーボネート、
を提供する。
本発明の反応は、環状カーボネート(A)と脂肪族1価アルコール類(B)とから、ジアルキルカーボネート(C)とジオール類(D)が生成する下記式で表わされる可逆平衡なエステル交換反応である。
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属類;
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、アルコキシド化物類、アリーロキシド化物類、アミド化物類等の塩基性化合物類;
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩類、重炭酸塩類、有機酸塩類等の塩基性化合物類;
トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン類;
N−アルキルピロール、N−アルキルインドール、オキサゾール、N−アルキルイミダゾール、N−アルキルピラゾール、オキサジアゾール、ピリジン、アルキルピリジン、キノリン、アルキルキノリン、イソキノリン、アルキルイソキノリン、アクリジン、アルキルアクリジン、フェナントロリン、アルキルフェナントロリン、ピリミジン、アルキルピリミジン、ピラジン、アルキルピラジン、トリアジン、アルキルトリアジン等の含窒素複素芳香族化合物類;
ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)等の環状アミジン類;
酸化タリウム、ハロゲン化タリウム、水酸化タリウム、炭酸タリウム、硝酸タリウム、硫酸タリウム、タリウムの有機酸塩類等のタリウム化合物類;
トリブチルメトキシ錫、トリブチルエトキシ錫、ジブチルジメトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、ジブチルジエトキシ錫、ジブチルフェノキシ錫、ジフェニルメトキシ錫、酢酸ジブチル錫、塩化トリブチル錫、2−エチルヘキサン酸錫等の錫化合物類;
ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、エチレンジオキシ亜鉛、ジブトキシ亜鉛等の亜鉛化合物類;
アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニウム化合物類;
テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、ジクロロジメトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、酢酸チタン、チタンアセチルアセトナート等のチタン化合物類;
トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルメチルホスホニウムハライド、トリオクチルブチルホスホニウムハライド、トリフェニルメチルホスホニウムハライド等のリン化合物類;
ハロゲン化ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムアルコキシド、酢酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物類;
鉛及び鉛を含む化合物類、例えば、PbO、PbO2、Pb3O4などの酸化鉛類;
PbS、Pb2S3、PbS2などの硫化鉛類;
Pb(OH)2、Pb3O2(OH)2、Pb2[PbO2(OH)2]、Pb2O(OH)2などの水酸化鉛類;
Na2PbO2、K2PbO2、NaHPbO2、KHPbO2などの亜ナマリ酸塩類;
Na2PbO3、Na2H2PbO4、K2PbO3、K2[Pb(OH)6]、K4PbO4、Ca2PbO4、CaPbO3などの鉛酸塩類;
PbCO3、2PbCO3・Pb(OH)2などの鉛の炭酸塩及びその塩基性塩類;
Pb(OCH3)2、(CH3O)Pb(OPh)、Pb(OPh)2などのアルコキシ鉛類、アリールオキシ鉛類;
Pb(OCOCH3)2、Pb(OCOCH3)4、Pb(OCOCH3)2・PbO・3H2Oなどの有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;
Bu4Pb、Ph4Pb、Bu3PbCl、Ph3PbBr、Ph3Pb(又はPh6Pb2)、Bu3PbOH、Ph2PbOなどの有機鉛化合物類(Buはブチル基、Phはフェニル基を示す);
Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−Sbなどの鉛の合金類;
ホウエン鉱、センアエン鉱などの鉛鉱物類、及びこれらの鉛化合物の水和物類;
が挙げられる。
下記式(1)〜(6)を満足する長さL0(cm)、内径D0(cm)の円筒形の胴部を有し、内部に複数の孔をもつ棚段をn段有する棚段塔であって、塔頂部又はそれに近い塔の上部に内径d01(cm)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径d02(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び/又は中間部に1つ以上の第1の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び/又は下部に1つ以上の第2の導入口を有する連続多段蒸留塔であることが必要である:
2100 ≦ L0 ≦ 8000 式(1)
180 ≦ D0 ≦ 2000 式(2)
4 ≦ L0/D0 ≦ 40 式(3)
20 ≦ n0 ≦ 120 式(4)
3 ≦ D0/d01 ≦ 20 式(5)
5 ≦ D0/d02 ≦ 30 式(6)。
1 ≦ d01/d02 ≦ 5 式(7)。
該連続多段蒸留塔Bは、下記式(7)〜(14)を満足する長さL1(cm)、内径D1(cm)、内部に段数n1をもつインターナルを有する回収部と、長さL2(cm)、内径D2(cm)、内部に段数n2をもつインターナルを有する濃縮部からなる蒸留塔である:
500 ≦ L1 ≦ 3000 式(7)
100 ≦ D1 ≦ 1000 式(8)
2 ≦ L1/D1 ≦ 30 式(9)
10 ≦ n1 ≦ 40 式(10)
700 ≦ L2 ≦ 5000 式(11)
50 ≦ D2 ≦ 800 式(12)
10 ≦ L2/D2 ≦ 50 式(13)
35 ≦ n2 ≦ 100 式(14)。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
工程(I)
<連続多段蒸留塔A>
図1に示されるようなL0=3300cm、D0=300cm、L0/D0=11、n0=60、D0/d01=7.5、D0/d02=12 である連続多段蒸留塔Aを用いた。この蒸留塔のトレイは多孔板トレイであり、多孔板部の孔1個あたりの断面積=約1.3cm2、孔数=約180〜320個/m2を有していた。各トレイの開口比は、2.1〜4.2%の範囲であった。
<反応蒸留>
液状のエチレンカーボネート3.27トン/hrが下から55段目に設置された導入口(3−a)から蒸留塔Aに連続的に導入された。ガス状のメタノール(ジメチルカーボネートを8.96質量%含む)3.238トン/hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを6.66質量%含む)7.489トン/hrが、下から31段目に設置された導入口(3−b及び3−c)から蒸留塔に連続的に導入された。蒸留塔に導入された原料のモル比は、メタノール/エチレンカーボネート=8.36であった。
触媒はKOH(48質量%の水溶液)2.5トンにエチレングリコール4.8トンを加え、約130℃に加熱し、徐々に減圧にし、約1300Paで約3時間加熱処理し、均一溶液にしたものを用いた。この触媒溶液を、下から54段目に設けられた導入口(3−e)から、蒸留塔に連続的に導入した(K濃度:供給エチレンカーボネートに対して0.1質量%)。塔底部の温度が98℃で、塔頂部の圧力が約1.118×105Pa、還流比が0.42の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
<連続多段蒸留塔B>
図2に示されるようなL1=1600cm、D1=260cm、L1/D1=6.2、n1=18、L2=2700cm、D2=160cm、L2/D2=16.9、n2=58である連続多段蒸留塔Bを用いた。この実施例では、インターナルとして回収部、濃縮部ともに多孔板トレイ(孔1個あたりの断面積=約1.3cm2、 孔数=約300〜440個/m2)を用いた。
<塔頂成分(AT)の蒸留分離>
工程(I)で得られた、ジメチルカーボネート4.129トン/hr、メタノール6.549トン/hrから成る塔頂成分(AT)が、導入口(3−b)から連続多段蒸留塔Bに連続的に供給された。この導入口は、連続多段蒸留塔Bの下から18段目と19段目のトレイの間に設置されている。連続多段蒸留塔Bは、塔底温度約205℃、塔底圧力約1.46MPa、還流比1.8で連続的に運転された。
連続多段蒸留塔Bに供給されたジメチルカーボネートのうち、約87.7%が高純度ジメチルカーボネートとして得られたことになる。なお、塔頂成分(BT)はそのままで反応蒸留塔Aに送られ、ジメチルカーボネートとエチレングリコールを製造する原料の一部として用いられた。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、2000時間後、4000時間
後、5000時間後、6000時間後の1時間あたりのジメチルカーボネートの取得量は、3.62トン、3.62トン、3.62トン、3.62トン、3.62トンであり、非常に安定していた。分離精製されたジメチルカーボネート純度は、いずれも99.99%であり、ハロゲン含有量は検出限界外の1ppb以下であった。
工程(I)
実施例1と同じ連続多段蒸留塔Aを用いて、下記の条件で反応蒸留を行った。
液状のエチレンカーボネート2.61トン/hrが下から55段目に設置された導入口(3−a)から蒸留塔に連続的に導入された。ガス状のメタノール(ジメチルカーボネートを2.41質量%含む)4.233トン/hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを1.46質量%含む)4.227トン/hrが、下から31段目に設置された導入口(3−b及び3−c)から蒸留塔に連続的に導入された。蒸留塔に導入された原料のモル比は、メタノール/エチレンカーボネート=8.73であった。触媒は実施例1と同様にして、蒸留塔に連続的に供給された。塔底部の温度が93℃で、塔頂部の圧力が約1.046×105Pa、還流比が0.48の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
実施例1と同じ連続多段蒸留塔Bを用いて、下記の条件で蒸留分離を行った
工程(I)で得られた、ジメチルカーボネート2.84トン/hr、メタノール5.33トン/hrから成る塔頂成分(AT)が、導入口(3−b)から連続多段蒸留塔Bに連続的に供給された。この導入口は、連続多段蒸留塔Bの下から18段目と19段目のトレイの間に設置されている。連続多段蒸留塔Bは、塔底温度約205℃、塔底圧力約1.46MPa、還流比1.8で連続的に運転された。
連続多段蒸留塔Bに供給されたジメチルカーボネートのうち、約84.9%が高純度ジメチルカーボネートとして得られたことになる。なお、塔頂成分(BT)はそのままで反応蒸留塔Aに送られ、ジメチルカーボネートとエチレングリコールを製造する原料の一部として用いられた。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、2000時間後、4000時間
後、5000時間後、6000時間後の1時間あたりのジメチルカーボネートの取得量は、2.41トン、2.41トン、2.41トン、2.41トン、2.41トンであり、非常に安定していた。分離精製されたジメチルカーボネート純度は、いずれも99.99%であり、ハロゲン含有量は検出限界外の1ppb以下であった。
工程(I)
<連続多段蒸留塔A>
図1に示されるようなL0=3300cm、D0=300cm、L0/D0=11、n0=60、D0/d01=7.5、D0/d02=12 である連続多段蒸留塔Aを用いた。この蒸留塔のトレイは多孔板トレイであり、多孔板部の孔1個あたりの断面積=約1.3cm2、孔数=約220〜340個/m2を有していた。各トレイの開口比は、2.5〜4.5%の範囲であった。
<反応蒸留>
液状のエチレンカーボネート3.773トン/hrが下から55段目に設置された導入口(3−a)から蒸留塔に連続的に導入された。ガス状のメタノール(ジメチルカーボネートを8.97質量%含む)3.736トン/hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを6.65質量%含む)8.641トン/hrが、下から31段目に設置された導入口(3−b及び3−c)から蒸留塔に連続的に導入された。蒸留塔に導入された原料のモル比は、メタノール/エチレンカーボネート=8.73であった。触媒は実施例1と同様にして、蒸留塔に連続的に供給された。塔底部の温度が98℃で、塔頂部の圧力が約1.118×105Pa、還流比が0.42の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
実施例1と同じ連続多段蒸留塔Bを用いて、下記の条件で蒸留分離を行った
工程(I)で得られた、ジメチルカーボネート4.764トン/hr、メタノール7.556トン/hrから成る塔頂成分(AT)が、導入口(3−b)から連続多段蒸留塔Bに連続的に供給された。この導入口は、連続多段蒸留塔Bの下から18段目と19段目のトレイの間に設置されている。連続多段蒸留塔Bは、塔底温度約205℃、塔底圧力約1.46MPa、還流比1.8で連続的に運転された。
連続多段蒸留塔Bに供給されたジメチルカーボネートのうち、約85.8%が高純度ジメチルカーボネートとして得られたことになる。なお、塔頂成分(BT)はそのままで反応蒸留塔Aに送られ、ジメチルカーボネートとエチレングリコールを製造する原料の一部として用いられた。
この条件で長期間の連続運転を行った。1000時間後、2000時間後、3000時間後、5000時間後の1時間あたりのジメチルカーボネートの取得量は、4.089トン、4.089トン、4.089トン、4.089トンであり、非常に安定していた。分離精製されたジメチルカーボネート純度は、いずれも99.99%であり、ハロゲン含有量は検出限界外の1ppb以下であった。
工程(I)
<連続多段蒸留塔A>
図1に示されるようなL0=3300cm、D0=300cm、L0/D0=11、n0=60、D0/d1=7.5、D0/d02=12 である連続多段蒸留塔を用いた。この蒸留塔のトレイは多孔0板トレイであり、多孔板部の孔1個あたりの断面積=約1.3cm2、孔数=約240〜360個/m2を有していた。各トレイの開口比は、3.0〜5.0%の範囲であった。
<反応蒸留>
液状のエチレンカーボネート7.546トン/hrが下から55段目に設置された導入口(3−a)から蒸留塔に連続的に導入された。ガス状のメタノール(ジメチルカーボネートを8.95質量%含む)7.742トン/hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを6.66質量%含む)17.282トン/hrが、下から31段目に設置された導入口(3−b及び3−c)から蒸留塔に連続的に導入された。蒸留塔に導入された原料のモル比は、メタノール/エチレンカーボネート=8.36であった。触媒は実施例1と同様にして、蒸留塔に連続的に供給された。塔頂部の温度が65℃で、塔頂部の圧力が約1.118×105Pa、還流比0.42の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
<連続多段蒸留塔B>
図2に示されるようなL1=1600cm、D1=260cm、L1/D1=6.2、n1=18、L2=2700cm、D2=160cm、L2/D2=16.9、n2=58である連続多段蒸留塔Bを用いた。この実施例では、インターナルとして回収部、濃縮部ともに多孔板トレイ(孔1個あたりの断面積=約1.3cm2、 孔数=約530〜800個/m2)を用いた。
<塔頂成分(AT)の蒸留分離>
工程(I)で得られた、ジメチルカーボネート9.527トン/hr、メタノール15.114トン/hrから成る塔頂成分(AT)が、導入口(3−b)から連続多段蒸留塔Bに連続的に供給された。この導入口は、連続多段蒸留塔Bの下から18段目と19段目のトレイの間に設置されている。連続多段蒸留塔Bは、塔底温度約205℃、塔底圧力約1.46MPa、還流比1.8で連続的に運転された。
連続多段蒸留塔Bに供給されたジメチルカーボネートのうち、約84.7%が高純度ジメチルカーボネートとして得られたことになる。なお、塔頂成分(BT)はそのままで反応蒸留塔Aに送られ、ジメチルカーボネートとエチレングリコールを製造する原料の一部として用いられた。
この条件で長期間の連続運転を行った。1000時間後の1時間あたりのジメチルカーボネートの取得量は、8.069トンであり、非常に安定していた。分離精製されたジメチルカーボネート純度は、いずれも99.99%であり、ハロゲン含有量は検出限界外の1ppb以下であった。
Claims (22)
- 環状カーボネートと脂肪族1価アルコールからジアルキルカーボネートとジオール類を連続的に製造する方法であって、
(I)環状カーボネートと脂肪族1価アルコールとを触媒が存在する連続多段蒸留塔A内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するジアルキルカーボネートと未反応脂肪族1価アルコールを含む低沸点反応混合物(AT)を塔上部よりガス状で連続的に抜出し、ジオール類を含む高沸点反応混合物(AB)を塔下部より液状で連続的に抜出す反応蒸留方式によって、ジアルキルカーボネートとジオール類を連続的に製造する工程(I)と、
(II)該連続多段蒸留塔Aの塔上部より連続的に抜出されたジアルキルカーボネートと脂肪族1価アルコールを含む低沸点反応混合物(AT)を連続多段蒸留塔Bに連続的に供給し、脂肪族1価アルコールを主成分とする塔頂成分(BT)とジアルキルカーボネートを主成分とする塔底成分(BB)とに連続的に分離精製する工程(II)と、
を含み、
(a)該連続多段蒸留塔Aが、下記式(1)〜(6)を満足する長さL0(cm)、内径D0(cm)の円筒形の胴部を有し、内部に複数の孔をもつ棚段をn0段有する棚段塔であって、塔頂部又はそれに近い塔の上部に内径d01(cm)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径d02(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び/又は中間部に1つ以上の第1の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び/又は下部に1つ以上の第2の導入口を有する蒸留塔であって、
2100 ≦ L0 ≦ 8000 式(1)
180 ≦ D0 ≦ 2000 式(2)
4 ≦ L0/D0 ≦ 40 式(3)
20 ≦ n0 ≦ 120 式(4)
3 ≦ D0/d01 ≦ 20 式(5)
5 ≦ D0/d02 ≦ 30 式(6)
(b)該連続多段蒸留塔Bが、下記式(7)〜(14)を満足する長さL1(cm)、内径D1(cm)、内部に段数n1をもつインターナルを有する回収部と、長さL2(cm)、内径D2(cm)、内部に段数n2をもつインターナルを有する濃縮部からなる蒸留塔である、
500 ≦ L1 ≦ 3000 式(7)
100 ≦ D1 ≦ 1000 式(8)
2 ≦ L1/D1 ≦ 30 式(9)
10 ≦ n1 ≦ 40 式(10)
700 ≦ L2 ≦ 5000 式(11)
50 ≦ D2 ≦ 800 式(12)
10 ≦ L2/D2 ≦ 50 式(13)
35 ≦ n2 ≦ 100 式(14)
ことを特徴とするジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法。 - 製造されるジアルキルカーボネートが1時間あたり、2トン以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 製造されるジオール類が1時間あたり、1.3トン以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 該d01と該d02が、式(15)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法:
1 ≦ d01/d02 ≦ 5 式(15)。 - 該連続多段蒸留塔AのL0、D0、L0/D0、n0、D0/d01、D0/d02 がそれぞれ、2300≦L0≦6000、 200≦D0≦1000、 5≦L0/D0≦30、 30≦n0≦100、 4≦D0/d01≦15、 7≦D0/d02≦25であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔AのL0、D0、L0/D0、n0、D0/d01、D0/d02 がそれぞれ、2500≦L0≦5000、 210≦D0≦800、 7≦L0/D0≦20、 40≦n0≦90、 5≦D0/d01≦13、 9≦D0/d02≦20であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Aの棚段が、多孔板トレイであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Aの該多孔板トレイが、多孔板部の面積1m2あたり100〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする請求項7記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Aの該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が、0.5〜5cm2であることを特徴とする請求項7又は8記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Aの該多孔板トレイの開口比が、1.5〜15%であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔BのL1、D1、L1/D1、n1、L2、D2、L2/D2、n2がそれぞれ、800≦L1≦2500、 120≦D1≦800、 5≦L1/D1≦20、 13≦n1≦25、 1500≦L2≦3500、 70≦D2≦600、 15≦L2/D2≦30、 40≦n2≦70、 L1≦L2、 D2≦D1であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Bの回収部及び濃縮部のインターナルが、それぞれトレイ及び/又は充填物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Bの回収部及び濃縮部のインターナルが、それぞれトレイであることを特徴とする請求項12記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Bの該トレイが、多孔板トレイであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Bの該多孔板トレイが、多孔板部の面積1m2あたり150〜1200個の孔を有しており、且つ、孔1個あたりの断面積が、0.5〜5cm2であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Bの該塔底成分(BB)中のジアルキルカーボネートの濃度が、該塔底成分100質量%に対して、97質量%以上であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Bの該塔底成分(BB)中のジアルキルカーボネートの濃度が、該塔底成分100質量%に対して、99質量%以上であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
- 該連続多段蒸留塔Bの該塔頂成分(BT)をジアルキルカーボネートとジオール類の製造用原料としてリサイクルすることを特徴とする請求項1〜17のうち何れか一項に記載の方法。
- 環状カーボネートがエチレンカーボネート及び/又はプロピレンカーボネートであり、脂肪族1価アルコールがメタノール及び/又はエタノールであり、製造されるジアルキルカーボネートがジメチルカーボネート及び/又はジエチルカーボネートであり、ジオール類がエチレングリコール及び/又はプロピレングリコールであることを特徴とする請求項1〜18のうち何れか一項に記載の方法。
- 請求項1〜19のうち何れか一項に記載の方法で分離され、ハロゲン含有量が0.1ppm以下であることを特徴とするジアルキルカーボネート。
- 請求項1〜19のうち何れか一項に記載の方法で分離され、ハロゲン含有量が1ppb以下であることを特徴とするジアルキルカーボネート。
- 脂肪族1価アルコールの含有量が0.1質量%以下であって、且つ、ハロゲン含有量が1ppb以下あることを特徴とする請求項20又は21に記載の高純度ジアルキルカーボネート。
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