JP4936556B2 - 芳香族カーボネートの工業的製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族カーボネートの工業的製造法に関する。更に詳しくは、本発明は、環状カーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物から、高品質・高性能の芳香族ポリカーボネートを製造するために必要な芳香族カーボネートを、工業的に大量に長期間安定的に製造する方法に関する。
芳香族カーボネートの製法としては、芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応による方法が古くから知られており、最近も種々検討されている。しかしながら、この方法はホスゲン使用の問題に加え、この方法によって製造された芳香族カーボネートには分離が困難な塩素系不純物が存在しており、そのままでは芳香族ポリカーボネートの原料として用いることはできない。なぜならば、この塩素系不純物は、極微量の塩基性触媒の存在下で行うエステル交換法芳香族ポリカーボネートの重合反応を著しく阻害し、たとえば、1ppmでもこのような塩素系不純物が存在すると殆ど重合を進行させることができない。そのため、エステル交換法芳香族ポリカーボネートの原料とするには、希アルカリ水溶液と温水による十分な洗浄と油水分離、蒸留などの多段階の面倒な分離・精製工程が必要であり、さらにこのような分離・精製工程での加水分解ロスや蒸留ロスのため収率が低下するなど、この方法を経済的に見合った工業的規模で実施するには多くの課題がある。
一方、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とのエステル交換反応による芳香族カーボネートの製造方法も知られている。しかしながら、これらのエステル交換反応は全て平衡反応であって、しかもその平衡が原系に極端に偏っていることに加えて反応速度が遅いことから、この方法によって芳香族カーボネート類を工業的に大量に製造するのは多大な困難を伴っていた。
これを改良するためにいくつかの提案がなされているが、その大部分は、反応速度を高めるための触媒開発に関するものである。このタイプのエステル交換反応用触媒として数多くの金属化合物が提案されている。しかしながら、触媒開発だけでは、不利な平衡の問題を解決できないので、大量生産を目的とする工業的製造法にするためには、反応方式の検討を含め、非常に多くの検討課題がある。
一方、反応方式を工夫することによって平衡をできるだけ生成系側にずらし、芳香族カーボネート類の収率を向上させる試みもなされている。例えば、ジメチルカーボネートとフェノールの反応において、副生してくるメタノールを共沸形成剤とともに共沸によって留去する方法(特許文献1)、副生してくるメタノールをモレキュラーシーブで吸着させて除去する方法(特許文献2)が提案されている。また、反応器の上部に蒸留塔を設けた装置によって、反応で副生してくるアルコール類を反応混合物から分離させながら同時に蒸発してくる未反応原料との蒸留分離を行う方法も提案されている(特許文献3)。
しかしながら、これらの反応方式は基本的にはバッチ方式か、切り替え方式である。触媒開発による反応速度の改良もこれらのエステル交換反応に対しては限度があり、反応速度が遅いことから、連続方式よりもバッチ方式の方が好ましいと考えられていたからである。これらのなかには、連続方式として蒸留塔を反応器の上部に備えた連続攪拌槽型反応器(CSTR)方式も提案されているが、反応速度が遅いことや反応器の気液界面が液容量に対して小さいことから反応率を高くできないなどの問題がある。従って、これらの方法で芳香族カーボネートを連続的に大量に、長期間安定的に製造するという目的を達成することは困難であり、経済的に見合う工業的実施にいたるには、なお多くの解決すべき課題が残されている。
本発明者等はジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物を連続的に多段蒸留塔に供給し、触媒を存在させた該塔内で連続的に反応させ、副生するアルコールを含む低沸点成分を蒸留によって連続的に抜き出すと共に、生成したアルキルアリールカーボネートを含む成分を塔下部より抜き出す反応蒸留法(特許文献4)、アルキルアリールカーボネートを連続的に多段蒸留塔に供給し、触媒を存在させた該塔内で連続的に反応させ、副生するジアルキルカーボネートを含む低沸成分を蒸留によって連続的に抜き出すと共に、生成したジアリールカーボネートを含む成分を塔下部より抜き出す反応蒸留法(特許文献5)、これらの反応を2基の連続多段蒸留塔を用いて行い、副生するジアルキルカーボネートを効率的にリサイクルさせながらジアリールカーボネートを連続的に製造する反応蒸留法(特許文献6)、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物等を連続的に多段蒸留塔に供給し、塔内を流下する液を蒸留塔の途中段及び/又は最下段に設けられたサイド抜き出し口より抜き出し、蒸留塔の外部に設けられた反応器へ導入して反応させた後に、該抜き出し口のある段よりも上部の段に設けられた循環用導入口へ導入することによって、該反応器内と該蒸留塔内の両方で反応を行う反応蒸留法(特許文献7)等、これらのエステル交換反応を連続多段蒸留塔内で反応と蒸留分離とを同時に行う反応蒸留法を開発し、これらのエステル交換反応に対して反応蒸留方式が有用であることを世界で初めて開示した。
本発明者等が提案したこれらの反応蒸留法は、芳香族カーボネート類を効率よく、かつ連続的に製造することを可能とする初めてのものであり、その後これらの開示に基づいて、2基の連続多段蒸留塔を用いてジアルキルカーボネートからジアリールカーボネートを製造する方法が提案されている(特許文献8〜14)。
さらに、本出願人は、反応蒸留方式において、多量の触媒を必要とせずに高純度芳香族カーボネートを長時間、安定に製造できる方法として、触媒成分を含む高沸点物質を作用物質と反応させた上で分離し、触媒成分をリサイクルする方法(特許文献15)や、反応系内の多価芳香族ヒドロキシ化合物を触媒金属に対して重量比で2.0以下に保ちながら行う方法(特許文献16)を提案した。本発明者等はさらに、重合工程で副生するフェノールの70〜99質量%を原料として用いて、反応蒸留法でジフェニルカーボネートを製造しこれを芳香族ポリカーボネートの重合原料とする方法をも提案した(特許文献17)。
しかしながら、これら反応蒸留法による芳香族カーボネート類の製造を提案する全ての先行文献には、工業的規模の大量生産(例えば、1時間あたり1トン)を可能とする具体的な方法や装置の開示は全くなく、またそれらを示唆する記述もない。例えば、ジメチルカーボネートとフェノールから主としてジフェニルカーボネート(DPC)を製造するために開示された2基の反応蒸留塔の高さ(H及びH:cm)、直径(D及びD:cm)、段数(n及びn)と反応原料液導入量(Q及びQ:kg/hr)に関する記述は、表1のとおりである。
Figure 0004936556
すなわち、この反応を反応蒸留方式で実施するにあたり用いられた2基の連続多段蒸留塔の最大のものは、本出願人が特許文献15、16において開示したものである。このようにこの反応用に開示されている連続多段蒸留塔における各条件の最大値は、H=1200cm、H=600cm、D=20cm、D=25cm、n=n=50(この条件のみ特許文献10)、Q=86kg/hr、Q=31kg/hrであり、ジフェニルカーボネートの生産量は約6.7kg/hrに過ぎず、工業的規模の生産量ではなかった。
本発明の工程(II)で用いられるジアルキルカーボネートは、工業的規模で製造される必要があり、さらにハロゲンを含有しないことが必要である。芳香族ポリカーボネート原料として、ジアルキルカーボネートが工業的に大量に製造されている唯一の方法は、メタノールを一酸化炭素と酸素と反応させて、ジメチルカーボネートと水を製造する酸化的カルボニル化法によるものである。しかしながら、この酸化的カルボニル化法(特許文献18)は、大量のCuCl−HClを触媒として用いるスラリー状態で反応させる必要があり、反応系及び分離・精製系が非常に腐食性が高いことが問題である。しかも、この方法では一酸化炭素が二酸化炭素に酸化されやすいので、一酸化炭素基準の選択率が80%程度と低いことも問題である。
一方、環状カーボネートと脂肪族1価アルコール類の反応から、ジアルキルカーボネートとジオール類を製造する方法が、いくつかの提案されている。この反応では、ハロゲンを使用せずにジアルキルカーボネートが製造できるので、好ましい方法である。その反応方式として、4つの方式が提案されている。これら4つの反応方式は、最も代表的な反応例であるエチレンカーボネートとメタノールからのジメチルカーボネートとエチレングリコールの製造方法において用いられており、これらは、(1)完全なバッチ反応方式、(2)蒸留塔を上部に設けた反応釜を用いるバッチ反応方式、(3)管式リアクターを用いる液状流通反応方式、(4)本発明者等が初めて開示した反応蒸留方式(特許文献19〜27)である。しかしながら、これらの方式では、それぞれ、以下に述べるような問題点があった。
すなわち、(1)、(3)の場合には、環状カーボネートの反応率の上限は仕込み組成と温度から決まるため、反応を完全に終結させることはできず、反応率が低い。また、(2)の場合には環状カーボネートの反応率を高めるためには、生成するジアルキルカーボネートを、極めて大量の脂肪族1価アルコールを使用して留去しなければならず、長い反応時間を必要とする。(4)の場合には、(1)、(2)、(3)と比較して、高い反応率で反応を進行させることが可能である。しかしながら、これまで提案されている(4)の方法は、少量のジアルキルカーボネートとジオール類を製造する方法であるか、短期間の製造方法に関するものであり、工業的規模での長期間安定製造に関するものではなかった。すなわち、ジアルキルカーボネートを連続的に大量(例えば、1時間あたり2トン以上)に、長期間(例えば1000時間以上、好ましくは3000時間以上、より好ましくは5000時間以上)安定的に製造するという目的を達成するものではなかった。
例えば、エチレンカーボネートとメタノールからジメチルカーボネート(DMC)とエチレングリコール(EG)を製造するために開示されている実施例における反応蒸留塔の高さ(H:cm)、直径(D:cm)、段数(n)、ジメチルカーボネートの生産量P(kg/hr)、連続製造時間T(hr)に関する最大値を示す記述は、表2のとおりである。
Figure 0004936556
なお、特許文献26(第0060段落)には、「本実施例は上記の図1に示した好ましい態様と同様のプロセスフローを採用し、エチレンカーボネートとメタノールの接触転化反応によりエステル交換させてジメチルカーボネート及びエチレングリコールを製造する商業的規模装置の操業を目的になされたものである。なお、本実施例で下記する数値は実装置の操作にも十分適用可能である。」と記載され、その実施例として、3750kg/hrのジメチルカーボネートを具体的に製造したとの記載がなされている。実施例に記載のこの規模は年産3万トン以上に相当するので、特許文献26の出願当時(2002年4月9日)としては、この方法による世界一の大規模商業プラントの操業が実施されたことになる。しかしながら、本願出願時においてさえ、このような事実は全くない。また、特許文献26の実施例では、ジメチルカーボネートの生産量は理論計算値と全く同一の値が記載されているが、エチレングリコールの収率は約85.6%で、選択率は約88.4%であり、高収率・高選択率を達成しているとはいい難い。特に選択率が低いことは、この方法が工業的製造法として、致命的な欠点を有していることを表している。(なお、特許文献26は、2005年7月26日、未審査請求によるみなし取下処分がなされている。)
反応蒸留法は、蒸留塔内での反応による組成変化と蒸留による組成変化と、塔内の温度変化と圧力変化等の変動要因が非常に多く、長期間の安定運転の継続させることは困難を伴うことが多く、特に大量を扱う場合にはその困難性はさらに増大する。反応蒸留法によるジアルキルカーボネートとジオール類を高収率・高選択率を維持しつつ、それらの大量生産を長期間安定的に継続させるためには、反応蒸留装置に工夫をすることが必要である。しかしながら、これまでに提案されている反応蒸留法における、長期間の連続安定製造に関する記述は、特許文献19の400時間のみであった。
特開昭54−48732号公報(西独特許公開公報第736063号明細書、米国特許第4252737号明細書) 特開昭58−185536号公報(米国特許第410464号明細書) 特開昭56−123948号公報(米国特許第4182726号明細書) 特開平3−291257号公報 特開平4−9358号公報 特開平4−211038号公報(WO 91/09832号公報、欧州特許0461274号明細書、米国特許第5210268号明細書) 特開平4−235951号公報 特開平6−157424号公報(欧州特許0582931号明細書、米国特許第5334742号明細書) 特開平6−184058号公報(欧州特許0582930号明細書、米国特許第5344954号明細書) 特開平9−40616号公報 特開平9−59225号公報 特開平9−176094号公報 WO 00/18720公報(米国特許第6093842号明細書) 特開2001−64235号公報 WO 97/11049公報(欧州特許0855384号明細書、米国特許第5872275号明細書) 特開平11−92429号公報(欧州特許1016648号明細書、米国特許第6262210号明細書) 特開平9−255772号公報(欧州特許0892001号明細書、米国特許第5747609号明細書) WO 03/016257号公報 特開平4−198141号公報 特開平9−194435号公報 WO99/64382号公報(欧州特許第1086940号明細書、米国特許第6346638号明細書) WO00/51954号公報(欧州特許第1174406号明細書、米国特許第6479689号明細書) 特開平5−213830号公報(欧州特許第0530615号明細書、米国特許第5231212号明細書) 特開平6−9507号公報(欧州特許第0569812号明細書、米国特許第5359118号明細書) 特開2003−119168号公報(WO03/006418号公報) 特開2003−300936号公報 特開2003−342209号公報
本発明が解決しようとする課題は、環状カーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物から、高品質・高性能の芳香族ポリカーボネートを製造するために必要な芳香族カーボネートを、工業的に大量(例えば、1時間あたり1トン以上)に長期間(例えば、1000時間以上、好ましくは3000時間以上、より好ましくは5000時間以上)、安定的に製造できる具体的な方法を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を達成できる具体的な方法を見出すべき検討を重ねた結果、
本発明に到達した。すなわち、本発明は
1. 環状カーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物から芳香族カーボネートを連続的
に製造する方法であって、
(I)環状カーボネートと脂肪族1価アルコールとを触媒が存在する連続多段蒸留塔T0
内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するジアルキルカーボネー
トを含む低沸点反応混合物を塔上部よりガス状で連続的に抜出し、ジオール類を含む高沸
点反応混合物を塔下部より液状で連続的に抜出す反応蒸留方式によって、ジアルキルカー
ボネートとジオール類を連続的に製造する工程(I)と、
(II)該ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを原料とし、この原
料を触媒が存在する第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該第1塔内で反応と蒸留を
同時に行い、生成するアルコール類を含む第1塔低沸点反応混合物を該第1塔上部よりガ
ス状で連続的に抜出し、生成するアルキルアリールカーボネート類を含む第1塔高沸点反
応混合物を該第1塔下部より液状で連続的に抜出し、芳香族カーボネートを連続的に製造
する工程(II)と、を含み、
(a)該連続多段蒸留塔T0が、長さL0(cm)、内径D0(cm)の円筒形の胴部を
有し、内部に段数n0をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部又はそれに近
い塔の上部に内径d01(cm)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径
02(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び/又は中間
部に1つ以上の第1の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び/又は下部
に1つ以上の第2の導入口を有するものであって、L0、D0、L0/D0、n0、D0
/d01、D0/d02 が、それぞれ式(1)〜(6)を満足するものであり、
2100 ≦ L0 ≦ 8000 式(1)
180 ≦ D0 ≦ 2000 式(2)
4 ≦ L0/D0 ≦ 40 式(3)
10 ≦ n0 ≦ 120 式(4)
3 ≦ D0/d01 ≦ 20 式(5)
5 ≦ D0/d02 ≦ 30 式(6)
(b)該第1連続多段蒸留塔が、長さL1(cm)、内径D1(cm)の円筒形の胴部を
有し、内部に段数n1をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部又はそれに近
い塔の上部に内径d11(cm)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径
12(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び/又は中間
部に1つ以上の第3の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び/又は下部
に1つ以上の第4の導入口を有するものであって、L1、D1、L1/D1、n1、D1
/d11、D1/d12 がそれぞれ式(7)〜(12)を満足するものである
1500 ≦ L1 ≦ 8000 式(7)
100 ≦ D1 ≦ 2000 式(8)
2 ≦ L1/D1 ≦ 40 式(9)
20 ≦ n1 ≦ 120 式(10)
5 ≦ D1/d11 ≦ 30 式(11)
3 ≦ D1/d12 ≦ 20 式(12)
ことを特徴とする芳香族カーボネートの工業的製造法、
2. 製造される芳香族カーボネートが1時間あたり1トン以上であることを特徴とする
前項1に記載の方法、
3. 工程(I)で用いられる該連続多段蒸留塔T0の該d01と該d02が式(13)
を満足することを特徴とする前項1又は2に記載の方法:
1 ≦ d01/d02 ≦ 5 式(13)

4. 該連続多段蒸留塔T0のL0、D0、L0/D0、n0、D0/d01、D0/d
02 がそれぞれ、 2300≦L0≦6000、 200≦D0≦1000、 5≦L
0/D0≦30、 30≦n0≦100、 4≦D0/d01≦15、 7≦D0/d0
2≦25であることを特徴とする前項1〜3のうち何れいずれか一項に記載の方法、
5. 該連続多段蒸留塔T0のL0、D0、L0/D0、n0、D0/d01、D0/d
02 がそれぞれ、 2500≦L0≦5000、 210≦D0≦800、 7≦L0
/D0≦20、 40≦n0≦90、 5≦D0/d01≦13、 9≦D0/d02
20であることを特徴とする前項1〜4のうち何れいずれか一項に記載の方法、
6. 該連続多段蒸留塔T0が、該インターナルとしてトレイ及び/又は充填物を有する
蒸留塔であることを特徴とする前項1〜5のうち何れいずれか一項に記載の方法、
7. 該連続多段蒸留塔T0が、該インターナルとしてトレイを有する棚段式蒸留塔であ
ることを特徴とする前項6記載の方法、
8. 該連続多段蒸留塔T0の該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレ
イであることを特徴とする前項6又は7記載の方法、
9. 該連続多段蒸留塔T0の該多孔板トレイが該多孔板部の面積1m2あたり100〜
1000個の孔を有するものであることを特徴とする前項8記載の方法、
10. 該連続多段蒸留塔T0の該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5c
2であることを特徴とする前項8又は9記載の方法、
11. 該連続多段蒸留塔T0の該多孔板トレイの開口比が1.5〜15%の範囲である
ことを特徴とする前項8〜10のうち何れか一項に記載の方法、
12. 工程(II)で用いられる該第1連続多段蒸留塔の該d11と該d12が式(1
4)を満足することを特徴とする前項1〜11のうち何れか一項に記載の方法:
1 ≦ d12/d11 ≦ 5 式(14)、
13. 工程(II)で用いられる該第1連続多段蒸留塔のL1、D1、L1/D1、n
1、D1/d11、D1/d12 がそれぞれ、2000≦L1≦6000、 150≦
1≦1000、 3≦L1/D1≦30、 30≦n1≦100、 8≦D1/d11
≦25、 5≦D1/d12≦18であることを特徴とする前項1ないし12のうち何れ
か一項に記載の方法、
14. 該第1連続多段蒸留塔のL1、D1、L1/D1、n1、D1/d11、D1
12 がそれぞれ、2500≦L1≦5000、 200≦D1≦800、 5≦L1
/D1≦15、 40≦n1≦90、 10≦D1/d11≦25、 7≦D1/d12
≦15であることを特徴とする前項1ないし13のうち何れか一項に記載の方法、
15. 該第1連続多段蒸留塔が、それぞれ該インターナルとしてトレイ及び/又は充填
物を有する蒸留塔であることを特徴とする前項1ないし14のうち何れか一項に記載の方
法、
16. 該第1連続多段蒸留塔が、該インターナルとしてトレイを有する棚段式蒸留塔で
あることを特徴とする前項15記載の方法、
17. 該第1連続多段蒸留塔の該トレイそれぞれが、多孔板部とダウンカマー部を有す
る多孔板トレイであることを特徴とする前項15又は16記載の方法、
18. 該第1連続多段蒸留塔の該多孔板トレイが該多孔板部の面積1m2あたり100
〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする前項17記載の方法、
19. 該第1連続多段蒸留塔の該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5c
2であることを特徴とする前項17又は18記載の方法、
を提供する。
また、本発明は
20. ハロゲン含有量が0.1ppm以下である芳香族カーボネートを製造することを特徴とする前項1〜19のいずれか一項に記載の方法、
を提供する。
本発明の方法を実施することによって、環状カーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物から、高品質・高性能の芳香族ポリカーボネートを製造するために必要な芳香族カーボネートを、1時間当り1トン以上の工業的規模で製造できることが見出された。しかも長期間、たとえば2000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上、安定的に芳香族カーボネートが製造できることも見出された。従って、本発明は芳香族カーボネートの工業的製造方法として極めて優れた効果のある方法である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明では、先ず、環状カーボネートと脂肪族1価アルコール類とから、ジアルキルカーボネートとジオール類を工業的規模で連続的に製造する工程(I)が行われる。工程(I)の反応は、下記式で表わされる可逆的なエステル交換反応である。
Figure 0004936556
(式中、Rは2価の基−(CH)m−(mは2〜6の整数)を表わし、その1個以上の水素は炭素数1〜10のアルキル基やアリール基によって置換されていてもよい。また、Rは炭素数1〜12の1価の脂肪族基を表わし、その1個以上の水素は炭素数1〜10のアルキル基やアリール基で置換されていてもよい。)
このような環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類や、1,3−ジオキサシクロヘキサ−2−オン、1,3−ジオキサシクロヘプタ−2−オンなどが好ましく用いられ、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートが入手の容易さなどの点から更に好ましく使用され、エチレンカーボネートが特に好ましく使用される。
また、脂肪族1価アルコール類としては、生成するジオール類より沸点が低いものが用いられる。したがって、使用する環状カーボネートの種類によっても変わり得るが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、アリルアルコール、ブタノール(各異性体)、3−ブテン−1−オール、アミルアルコール(各異性体)、ヘキシルアルコール(各異性体)、ヘプチルアルコール(各異性体)、オクチルアルコール(各異性体)、ノニルアルコール(各異性体)、デシルアルコール(各異性体)、ウンデシルアルコール(各異性体)、ドデシルアルコール(各異性体)、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、メチルシクロペンタノール(各異性体)、エチルシクロペンタノール(各異性体)、メチルシクロヘキサノール(各異性体)、エチルシクロヘキサノール(各異性体)、ジメチルシクロヘキサノール(各異性体)、ジエチルシクロヘキサノール(各異性体)、フェニルシクロヘキサノール(各異性体)、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール(各異性体)、フェニルプロパノール(各異性体)などが挙げられ、さらにこれらの脂肪族1価アルコール類において、ハロゲン、低級アルコキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アシロキシ基、ニトロ基等の置換基によって置換されていてもよい。
このような脂肪族1価アルコール類の中で、好ましく用いられるのは炭素数1〜6のアルコール類であり、さらに好ましいのはメタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)の炭素数1〜4のアルコール類である。環状カーボネートとしてエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートを使用する場合に好ましいのはメタノール、エタノールであり、特に好ましいのはメタノールである。
工程(I)の反応蒸留を行うにあたって、反応蒸留塔内に触媒を存在させる方法はどのような方法であってもよいが、例えば、反応条件下で反応液に溶解するような均一系触媒の場合、反応蒸留塔内に連続的に触媒を供給することにより、反応蒸留塔内の液相に触媒を存在させることもできるし、あるいは反応条件下で反応液に溶解しないような不均一系触媒の場合、反応蒸留塔内に固体触媒を配置することにより、反応系に触媒を存在させることもできるし、これらを併用した方法であってもよい。
均一系触媒を反応蒸留塔内に連続的に供給する場合には、環状カーボネート及び/又は脂肪族1価アルコールと同時に供給してもよいし、原料とは異なる位置に供給してもよい。該蒸留塔内で実際に反応が進行するのは触媒供給位置から下の領域であることから、塔頂から原料供給位置までの間の領域に該触媒を供給することが好ましい。そして該触媒が存在する段は5段以上あることが必要であり、好ましくは7段以上であり、さらに好ましくは10段以上である。
また、不均一系の固体触媒を用いる場合、該触媒の存在する段の段数が5段以上あることが必要であり、好ましくは7段以上であり、さらに好ましくは10段以上である。蒸留塔の充填物としての効果をも併せ持つ固体触媒を用いることもできる。
工程(I)において用いられる触媒としては、例えば、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属類;
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、アルコキシド化物類、アリーロキシド化物類、アミド化物類等の塩基性化合物類;
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩類、重炭酸塩類、有機酸塩類等の塩基性化合物類;
トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン類;
N−アルキルピロール、N−アルキルインドール、オキサゾール、N−アルキルイミダゾール、N−アルキルピラゾール、オキサジアゾール、ピリジン、アルキルピリジン、キノリン、アルキルキノリン、イソキノリン、アルキルイソキノリン、アクリジン、アルキルアクリジン、フェナントロリン、アルキルフェナントロリン、ピリミジン、アルキルピリミジン、ピラジン、アルキルピラジン、トリアジン、アルキルトリアジン等の含窒素複素芳香族化合物類;
ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)等の環状アミジン類;
酸化タリウム、ハロゲン化タリウム、水酸化タリウム、炭酸タリウム、硝酸タリウム、硫酸タリウム、タリウムの有機酸塩類等のタリウム化合物類;
トリブチルメトキシ錫、トリブチルエトキシ錫、ジブチルジメトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、ジブチルジエトキシ錫、ジブチルフェノキシ錫、ジフェニルメトキシ錫、酢酸ジブチル錫、塩化トリブチル錫、2−エチルヘキサン酸錫等の錫化合物類;
ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、エチレンジオキシ亜鉛、ジブトキシ亜鉛等の亜鉛化合物類;
アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニウム化合物類;
テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、ジクロロジメトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、酢酸チタン、チタンアセチルアセトナート等のチタン化合物類;
トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルメチルホスホニウムハライド、トリオクチルブチルホスホニウムハライド、トリフェニルメチルホスホニウムハライド等のリン化合物類;
ハロゲン化ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムアルコキシド、酢酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物類;
鉛及び鉛を含む化合物類、例えば、PbO、PbO、Pbなどの酸化鉛類;
PbS、Pb、PbSなどの硫化鉛類;
Pb(OH)、Pb(OH)、Pb[PbO(OH)]、PbO(OH)などの水酸化鉛類;
NaPbO、KPbO、NaHPbO、KHPbOなどの亜ナマリ酸塩類;
NaPbO、NaPbO4、KPbO、K[Pb(OH)]、KPbO、CaPbO、CaPbOなどの鉛酸塩類;
PbCO、2PbCO・Pb(OH)などの鉛の炭酸塩及びその塩基性塩類;
Pb(OCH、(CHO)Pb(OPh)、Pb(OPh)などのアルコキシ鉛類、アリールオキシ鉛類;
Pb(OCOCH、Pb(OCOCH、Pb(OCOCH・PbO・3HOなどの有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;
BuPb、PhPb、BuPbCl、PhPbBr、PhPb(又はPhPb)、BuPbOH、PhPbOなどの有機鉛化合物類(Buはブチル基、Phはフェニル基を示す);
Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−Sbなどの鉛の合金類;
ホウエン鉱、センアエン鉱などの鉛鉱物類、及びこれらの鉛化合物の水和物類;
が挙げられる。
これらの化合物は、反応原料や、反応混合物、反応副生物などに溶解する場合には、均一系触媒として用いることができるし、溶解しない場合には固体触媒として用いることができる。さらには、これらの化合物を反応原料や、反応混合物、反応副生物などで事前に溶解させたり、あるいは反応させることによって溶解させた混合物を均一系触媒として用いることも好ましい方法である。
さらに3級アミノ基を有する陰イオン交換樹脂、アミド基を有するイオン交換樹脂、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基のうちの少なくとも一つの交換基を有するイオン交換樹脂、第4級アンモニウム基を交換基として有する固体強塩基性アニオン交換体等のイオン交換体類;シリカ、シリカ−アルミナ、シリカーマグネシア、アルミノシリケート、ガリウムシリケート、各種ゼオライト類、各種金属交換ゼオライト類、アンモニウム交換ゼオライト類などの固体の無機化合物類等が触媒として用いられる
固体触媒として、特に好ましく用いられるのは第4級アンモニウム基を交換基として有する固体強塩基性アニオン交換体であり、このようなものとしては、例えば、第4級アンモニウム基を交換基として有する強塩基性アニオン交換樹脂、第4級アンモニウム基を交換基として有するセルロース強塩基性アニオン交換体、第4級アンモニウム基を交換基として有する無機質担体担持型強塩基性アニオン交換体などが挙げられる。第4級アンモニウム基を交換基として有する強塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、スチレン系強塩基性アニオン交換樹脂などが好ましく用いられる。スチレン系強塩基性アニオン交換樹脂は、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体を母体として、交換基に第4級アンモニウム(I型あるいはII型)を有する強塩基性アニオン交換樹脂であり、例えば、次式で模式的に示される。
Figure 0004936556
式中、Xはアニオンを示し、通常、Xとしては、F、Cl、Br、I、HCO 、CO 2−、CHCO 、HCO 、IO 、BrO 、ClO の中から選ばれた少なくとも1種のアニオンが使用され、好ましくはCl、Br、HCO 、CO 2−の中から選ばれた少なくとも1種のアニオンが使用される。また、樹脂母体の構造としては、ゲル型、マクロレティキュラー型(MR型)いずれも使用できるが、耐有機溶媒性が高い点からMR型が特に好ましい。
第4級アンモニウム基を交換基として有するセルロース強塩基性アニオン交換体としては、例えば、セルロースの−OH基の一部又は全部をトリアルキルアミノエチル化して得られる、−OCHCHNRXなる交換基を有するセルロースが挙げられる。ただし、Rはアルキル基を示し、通常、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどが用いられ、好ましくはメチル、エチルが使用される。また、Xは前述のとおりのアニオンを示す。
第4級アンモニウム基を交換基として有する無機質担体担持型強塩基性アニオン交換体とは、無機質担体の表面水酸基−OHの一部又は全部を修飾することにより、4級アンモニウム基−O(CH)nNRXを導入したものを意味する。ただし、R、Xは前述のとおりである。nは通常1〜6の整数であり、好ましくはn=2である。無機質担体としては、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、チタニア、ゼオライトなどを使用することができ、好ましくはシリカ、アルミナ、シリカアルミナが用いられ、特に好ましくはシリカが使用される。無機質担体の表面水酸基の修飾方法としては、任意の方法を用いることができる。
第4級アンモニウム基を交換基として有する固体強塩基性アニオン交換体は、市販のものを使用することもできる。その場合には、前処理として予め所望のアニオン種でイオン交換を行なった後に、エステル交換触媒として使用することもできる。
また、少なくとも1個の窒素原子を含む複素環基が結合している巨大網状及びゲルタイプの有機ポリマー、又は少なくとも1個の窒素原子を含む複素環基が結合している無機質担体から成る固体触媒もエステル交換触媒として好ましく用いられる。また、さらにはこれらの含窒素複素環基の一部又は全部が4級塩化された固体触媒も同様に用いられる。なお、イオン交換体などの固体触媒は、充填物としての機能も果たすことができる。
工程(I)で用いられる触媒の量は、使用する触媒の種類によっても異なるが、反応条件下で反応液に溶解するような均一系触媒を連続的に供給する場合には、供給原料である環状カーボネートと脂肪族1価アルコールの合計質量に対する割合で表わして、通常0.0001〜50質量%、好ましくは0.005〜20質量%、さらに好ましくは0.01〜10質量%で使用される。また、固体触媒を該蒸留塔内に設置して使用する場合には、該蒸留塔の空塔容積に対して、0.01〜75容積%、好ましくは0.05〜60容積%、さらに好ましくは0.1〜60容積%の触媒量が好ましく用いられる。
工程(I)において反応蒸留塔である連続多段蒸留塔Tに、原料である環状カーボネート及び脂肪族1価アルコールを連続的に供給する方法については、特別な限定はなく、それらが該蒸留塔の少なくとも5段以上、好ましくは7段以上、より好ましくは10段以上の領域において触媒と接触させることができるような供給方法であれば如何なる方法であってもよい。すなわち、該環状カーボネートと該脂肪族1価アルコールは、連続多段蒸留塔の上記の条件を満たす段に必要な数の導入口から連続的に供給することができる。また、該環状カーボネートと該脂肪族1価アルコールは該蒸留塔の同じ段に導入されてもよいし、それぞれ別の段に導入してもよい。
原料である環状カーボネート及び脂肪族1価アルコールは液状、ガス状又は液とガスとの混合物として該連続多段蒸留塔Tに連続的に供給される。このようにして原料を該蒸留塔に供給する以外に、付加的にガス状の原料を該蒸留塔の下部から断続的又は連続的に供給することも好ましい方法である。また、環状カーボネートを触媒の存在する段よりも上部の段に液状又は気液混合状態で該蒸留塔に連続的に供給し、該蒸留塔の下部に該脂肪族1価アルコールをガス状及び/又は液状で連続的に供給する方法も好ましい方法である。この場合、環状カーボネート中に、脂肪族1価アルコールが含まれていても、もちろん構わない。
工程(I)において、供給原料中に、生成物であるジアルキルカーボネート及び/又はジオール類が含まれていてもよい。その含有量は、ジアルキルカーボネートが、脂肪族1価アルコール/ジアルキルカーボネート混合物中のジアルキルカーボネートの質量%で表わして、通常、0〜40質量%、好ましくは0〜30質量%、さらに好ましくは0〜20質量%であり、ジオール類が環状カーボネート/ジオール混合物中の質量%で表わして、通常、0〜10質量%、好ましくは0〜7質量%、さらに好ましくは0〜5質量%である。
工程(I)の反応を工業的に実施する場合、新規に反応系に導入される環状カーボネート及び/又は脂肪族1価アルコールに加え、この工程及び/又は他の工程で回収された、環状カーボネート及び/又は脂肪族1価アルコールを主成分とする物質が、これらの原料として使用できることは好ましいことである。本発明はこのことを可能にするものであり、これは本発明の優れた特徴である。他の工程とは、例えば、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物から芳香族カーボネートを製造する工程(II)があり、この工程(II)では、脂肪族1価アルコールが副生し、回収される。この回収副生脂肪族1価アルコールには、通常ジアルキルカーボネート、芳香族モノヒドロキシ化合物、アルキルアリールエーテルなどが含まれる場合が多く、さらには少量のアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネートなどが含まれる場合がある。副生脂肪族1価アルコールはそのままで工程(I)の原料とすることもできるし、蒸留等により該脂肪族1価アルコールよりも沸点の高い含有物質量を減少させた後に工程(I)の原料とすることもできる。
また、工程(I)で用いられる好ましい環状カーボネートは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシドなどのアルキレンオキシドと二酸化炭素との反応によって製造されたものであるので、これらの化合物などを少量含む環状カーボネートを、工程(I)の原料として用いることもできる。
工程(I)において、反応蒸留塔に供給する環状カーボネートと脂肪族1価アルコール類との量比は、エステル交換触媒の種類や量及び反応条件によっても異なるが、通常、供給される環状カーボネートに対して、脂肪族1価アルコール類はモル比で0.01〜1000倍の範囲で供給することができる。環状カーボネートの反応率を上げるためには脂肪族1価アルコール類を2倍モル以上の過剰量供給することが好ましいが、あまり大過剰に用いると装置を大きくする必要がある。このような意味において、環状カーボネートに対する脂肪族1価アルコール類のモル比は、2〜20が好ましく、さらに好ましくは3〜15、さらにより好ましくは5〜12である。なお、未反応環状カーボネートが多く残存していると、生成物であるジオール類と反応して2量体、3量体などの多量体を副生するので、工業的に実施する場合、未反応環状カーボネートの残存量をできるだけ減少させることが好ましい。本発明の方法では、このモル比が10以下であっても、環状カーボネートの反応率を98%以上、好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.9%以上にすることが可能である。このことも本発明の特徴のひとつである。
工程(I)においては、好ましくは1時間あたり約0.4トン以上のジアルキルカーボネートを連続的に製造するのであるが、そのために連続的に供給される環状カーボネートの最低量は、製造すべきジアルキルカーボネートの量(Pトン/hr)に対して、通常0.44Pトン/hr、好ましくは、0.42Pトン/hr、より好ましくは0.4Pトン/hrである。さらに好ましい場合は、0.39Pトン/hrよりも少なくできる。
工程(I)において用いられる連続多段蒸留塔Tとは、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部を有し、内部に段数nをもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部又はそれに近い塔の上部に内径d01(cm)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径d02(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び/又は中間部に1つ以上の第1の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び/又は下部に1つ以上の第2の導入口を有するものであって、L、D、L/D、n、D/d01、D/d02 が、それぞれ式(1)〜(6)を満足するものであることが必要である:
2100 ≦ L ≦ 8000 式(1)
180 ≦ D ≦ 2000 式(2)
4 ≦ L/D ≦ 40 式(3)
10 ≦ n ≦ 120 式(4)
3 ≦ D/d01 ≦ 20 式(5)
5 ≦ D/d02 ≦ 30 式(6)。
なお、本発明で用いる用語「塔頂部又はそれに近い塔の上部」とは、塔頂部から下方に約0.25Lまでの部分を意味し、用語「塔底部又はそれに近い塔の下部」とは、塔底部から上方に約0.25Lまでの部分を意味する(第1連続多段蒸留塔においては、0.25Lである。)。
式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)を同時に満足する連続多段蒸留塔Tを用いることによって、環状カーボネートと脂肪族1価アルコール類とから、ジアルキルカーボネートを1時間あたり好ましくは0.4トン以上、及び/又はジオール類を1時間あたり好ましくは0.26トン以上の工業的規模で、高反応率・高選択率・高生産性で、例えば1000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上の長期間、安定的に製造できることが見出されたのである。工程(I)を実施することによって、このような優れた効果を有する工業的規模でのジアルキルカーボネートとジオール類の製造が可能になった理由は明らかではないが、式(1)〜(6)の条件が組み合わさった時にもたらされる複合効果のためであると推定される。なお、各々の要因の好ましい範囲は下記に示される。
(cm)が2100より小さいと、反応率が低下するため目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、Lを8000以下にすることが必要である。より好ましいL(cm)の範囲は、2300≦L≦6000 であり、さらに好ましくは、2500≦L≦5000 である。
(cm)が180よりも小さいと、目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成しつつ設備費を低下させるには、Dを2000以下にすることが必要である。より好ましいD(cm)の範囲は、200≦D≦1000 であり、さらに好ましくは、210≦D≦800 である。
/Dが4より小さい時や40より大きい時は安定運転が困難となり、特に40より大きいと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり選択率の低下をもたらす。より好ましいL/Dの範囲は、5≦L/D≦30 であり、さらに好ましくは、7≦L/D≦20 である。
が10より小さいと反応率が低下するため目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、nを120以下にすることが必要である。さらに、nが120よりも大きいと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり選択率の低下をもたらす。より好ましいnの範囲は、30≦n≦100 であり、さらに好ましくは、40≦n≦90 である。
/d01が3より小さいと設備費が高くなるだけでなく大量のガス成分が系外に出やすくなるため、安定運転が困難になり、20よりも大きいとガス成分の抜出し量が相対的に小さくなり、安定運転が困難になるだけでなく、反応率の低下をもたらす。より好ましいD/d01の範囲は、4≦D/d01≦15 であり、さらに好ましくは、5≦D/d01≦13 である。
/d02が5より小さいと設備費が高くなるだけでなく液抜出し量が相対的に多くなり、安定運転が困難になり、30よりも大きいと液抜出し口や配管での流速が急激に速くなりエロージョンを起こしやすくなり装置の腐食をもたらす。より好ましいD/d02の範囲は、7≦D/d02≦25 であり、さらに好ましくは、9≦D/d02≦20 である。
さらに工程(I)で用いられる連続多段蒸留塔Tの該d01と該d02が式(7)を満足する場合、さらに好ましいことがわかった:
1 ≦ d01/d02 ≦ 5 式(7)。
工程(I)でいう長期安定運転とは、1000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上、フラッディングや、配管のつまりやエロージョンがなく、運転条件に基づいた定常状態で運転が継続でき、高反応率・高選択率・高生産性を維持しながら、所定量のジアルキルカーボネートとジオール類が製造されていることを意味する。
工程(I)でいうジアルキルカーボネート及びジオール類の選択率とは、反応した環状カーボネートに対するものであって、本発明では通常95%以上の高選択率であり、好ましくは97%以上、さらに好ましくは99%以上の高選択率を達成することができる。また工程(I)でいう反応率とは、通常、環状カーボネートの反応率を表し、本発明では環状カーボネートの反応率を95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.5以上、さらにより好ましくは99.9%以上にすることが可能である。このように高選択率を維持しながら、高反応率を達成できることも工程(I)の優れた特徴のひとつである。
工程(I)で用いられる連続多段蒸留塔Tは、インターナルとしてトレイ及び/又は充填物を有する蒸留塔であることが好ましい。なお、本発明でいうインターナルとは、蒸留塔において実際に気液の接触を行わせる部分のことを意味する。このようなトレイとしては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ、スーパーフラックトレイ、マックスフラックトレイ等が好ましく、充填物としては、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック等の不規則充填物やメラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッド等の規則充填物が好ましい。トレイ部と充填物の充填された部分とを合わせ持つ多段蒸留塔も用いることができる。また、本発明でいう用語「インターナルの段数n」とは、トレイの場合は、トレイの数を意味し、充填物の場合は、理論段数を意味する。したがって、トレイ部と充填物の充填された部分とを合わせて持つ多段蒸留塔の場合、段数nはトレイの数と理論段数の合計である。
環状カーボネートと脂肪族1価アルコール類とを反応させる工程(I)において、インターナルが所定の段数を有するトレイ及び/又は充填物からなる棚段式連続多段蒸留塔及び/又は充填塔式連続多段蒸留塔のいずれを用いても、高反応率・高選択率・高生産性を達成することができるが、インターナルがトレイである棚段式蒸留塔がより好ましいことが見出された。さらに、該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイが機能と設備費との関係で特に優れていることが見出された。そして、該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有していることが好ましいことも見出された。より好ましい孔数は該面積1mあたり120〜900個であり、さらに好ましくは、150〜800個である。
また、該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmであることが好ましいことも見出された。より好ましい孔1個あたりの断面積は、0.7〜4cmであり、さらに好ましくは0.9〜3cmである。さらには、該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有しており、かつ、孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmである場合、特に好ましいことが見出された。
さらに、該多孔板トレイの開口比が1.5〜15%の範囲であることが好ましいことが見出された。より好ましい該開口比は、1.7〜13%の範囲であり、さらに好ましくは1.9〜11%の範囲である。ここで、多孔板トレイの開口比とは、該トレイの多孔板部の面積(孔部の面積を含む)に対する該多孔板に存在する孔全部の断面積(全孔断面積)の割合を表す。各多孔板トレイにおいて、多孔板部の面積及び/又は全孔断面積が異なる場合があるが、この場合においても各多孔板トレイの開口比が上記の範囲であることが好ましい。なお、該多孔板部の孔数は、全ての多孔板において同じであってもよいし、異なるものであってもよい。連続多段蒸留塔Tに上記の条件を付加することによって、工程(I)における課題が、より容易に達成されることが判明したのである。
工程(I)を実施する場合、原料である環状カーボネートと脂肪族1価アルコール類とを触媒が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するジアルキルカーボネートを含む低沸点反応混合物を塔上部よりガス状で連続的に抜出し、ジオール類を含む高沸点反応混合物を塔下部より液状で連続的に抜出すことによりジアルキルカーボネートとジオール類が連続的に製造される。
また、工程(I)において、原料である環状カーボネートと脂肪族1価アルコール類を連続多段蒸留塔T内に連続的に供給するには、蒸留塔の上部のガス抜出し口よりも下部であるが塔の上部又は中間部に設置された1箇所又は数箇所の導入口から、原料混合物として、又はそれぞれ別々に、液状及び/又はガス状で供給してもよいし、環状カーボネート又はそれを多く含む原料を蒸留塔の上部又は中間部の導入口から液状で供給し、脂肪族1価アルコール類又はそれを多く含む原料を蒸留塔の下部の液抜出し口よりも上部であって塔の中間部又は下部に設置された導入口からガス状で供給することも好ましい方法である。
工程(I)で行われるエステル交換反応の反応時間は連続多段蒸留塔T内での反応液の平均滞留時間に相当すると考えられるが、これは蒸留塔のインターナルの形状や段数、原料供給量、触媒の種類や量、反応条件などによって異なるが、通常0.1〜20時間、好ましくは0.5〜15時間、より好ましくは1〜10時間である。
工程(I)の反応温度は、用いる原料化合物の種類や触媒の種類や量によって異なるが、通常、30〜300℃である。反応速度を高めるためには反応温度を高くすることが好ましいが、反応温度が高いと副反応も起こりやすくなる。好ましい反応温度は40〜250℃、より好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは、60〜150℃の範囲である。本発明においては、塔底温度として150℃以下、好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下、さらにより好ましくは100℃以下にして反応蒸留を実施することが可能である。このような低い塔底温度であっても高反応率・高選択率・高生産性を達成できることは、工程(I)の優れた特徴のひとつである。また、反応圧力は、用いる原料化合物の種類や組成、反応温度などにより異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常1Pa〜2×10Pa、好ましくは、10Pa〜10Pa、より好ましくは10〜5×10の範囲で行われる。
また、工程(I)の連続多段蒸留塔Tの還流比は、通常0〜10が用いられ、好ましくは0.01〜5が、さらに好ましくは0.05〜3が用いられる。
工程(I)で用いられる連続多段蒸留塔Tを構成する材料は、主に炭素鋼、ステンレススチールなどの金属材料であるが、製造する芳香族カーボネートの品質の面からは、ステンレススチールが好ましい。
本発明では、続いて、工程(I)で製造されたジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから芳香族カーボネートを工業的規模で連続的に製造する工程(II)が行われる。
工程(II)で用いられるジアルキルカーボネートとは、下記式で表されるものである。
OCOOR
ここで、Rは前記のとおりである。
このようなRを有するジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート(各異性体)、ジアリルカーボネート、ジブテニルカーボネート(各異性体)、ジブチルカーボネート(各異性体)、ジペンチルカーボネート(各異性体)、ジヘキシルカーボネート(各異性体)、ジヘプチルカーボネート(各異性体)、ジオクチルカーボネート(各異性体)、ジノニルカーボネート(各異性体)、ジデシルカーボネート(各異性体)、ジシクロペンチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジシクロヘプチルカーボネート、ジベンジルカーボネート、ジフェネチルカーボネート(各異性体)、ジ(フェニルプロピル)カーボネート(各異性体)、ジ(フェニルブチル)カーボネート(各異性体)ジ(クロロベンジル)カーボネート(各異性体)、ジ(メトキシベンジル)カーボネート(各異性体)、ジ(メトキシメチル)カーボネート、ジ(メトキシエチル)カーボネート(各異性体)、ジ(クロロエチル)カーボネート(各異性体)、ジ(シアノエチル)カーボネート(各異性体)等が挙げられる。
これらの中で、本発明において好ましく用いられるのは、Rがハロゲンを含まない炭素数4以下のアルキル基からなるジアルキルカーボネートであり、特に好ましいのはジメチルカーボネートである。また、好ましいジアルキルカーボネートのなかで、さらに好ましいのは、ハロゲンを実質的に含まない状態で製造されたジアルキルカーボネートであって、例えばハロゲンを実質的に含まない環状カーボネートとハロゲンを実質的に含まないアルコールから製造されたものである。
工程(II)で用いられる芳香族モノヒドロキシ化合物とは、下記一般式で表されるものであり、芳香族基に直接ヒドロキシル基が結合しているものであれば、どの様なものであってもよい:
ArOH
ここで、Arは炭素数5〜30の芳香族基を表す。このようなArを有する芳香族モノヒドロキシ化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール(各異性体)、キシレノール(各異性体)、トリメチルフェノール(各異性体)、テトラメチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、メチルエチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルフェノール(各異性体)、ジプロピルフェノール(各異性体)、メチルブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)、シクロヘキシルフェノール(各異性体)等の各種アルキルフェノール類;メトキシフェノール(各異性体)、エトキシフェノール(各異性体)等の各種アルコキシフェノール類;フェニルプロピルフェノール(各異性体)等のアリールアルキルフェノール類;ナフトール(各異性体)及び各種置換ナフトール類;ヒドロキシピリジン(各異性体)、ヒドロキシクマリン(各異性体)、ヒドロキシキノリン(各異性体)等のヘテロ芳香族モノヒドロキシ化合物類等が用いられる。これらの芳香族モノヒドロキシ化合物は、1種又はそれ以上の混合物として用いることができる。
これらの芳香族モノヒドロキシ化合物の中で、本発明において好ましく用いられるのは、Arが炭素数6から10の芳香族基からなる芳香族モノヒドロキシ化合物であり、特に好ましいのはフェノールである。また、これらの芳香族モノヒドロキシ化合物の中で、本発明において好ましく用いられるのは、ハロゲンを実質的に含まないものである。
工程(II)で原料として用いられるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物の量比はモル比で、0.1〜10であることが好ましい。この範囲外では、目的とするジアリールカーボネートの所定生産量に対して、残存する未反応の原料が多くなり、効率的でないし、またそれらを回収するために多くのエネルギーを要する。この意味で、このモル比は、0.5〜5がより好ましく、より好ましくは0.8〜3であり、さらに好ましくは、1〜2である。
本発明においては、1時間あたり1トン以上の芳香族カーボネートを連続的に製造するのであるが、そのためには工程(II)において、連続的に供給される芳香族モノヒドロキシ化合物の最低量は、製造すべき芳香族カーボネートの量(Qトン/hr)に対して、通常15Qトン/hrであり、好ましくは、13Qトン/hr、より好ましくは10Qトン/hrである。さらに好ましい場合は、8Qトン/hrよりも少なくできる。
なお、工程(II)において原料として用いられるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物はそれぞれ純度の高いものであってもいいが、他の化合物を含むものであってもよく、例えば、工程(I)や工程(II)及び/又は他の工程で生成する化合物や反応副生物を含むものであってもよい。工業的に実施する場合、これらの原料として、新規に反応系に導入されるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物に加え、第1連続多段蒸留塔及び/又は他の工程から回収されたものをも使用することが好ましい。他の工程とは、たとえばアルキルアリールカーボネートを主反応生成物として製造する工程(II)に引き続いて、通常行われるジアリールカーボネートを製造する工程や、該ジアリールカーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物とから芳香族ポリカーボネートを製造する工程である。なお、ここでいう新規に反応系に導入されるジアルキルカーボネートとは、工程(I)で製造されたジアルキルカーボネートのことである。
工程(II)を工業的に実施する場合、新規に反応系に導入されるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物に加え、この工程及び/又は他の工程で回収された、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物を主成分とする物質が、これらの原料として使用できることは好ましいことである。本発明はこのことを可能にするものであり、これは本発明の優れた特徴である。
したがって、工業的に実施する本発明においては、第1連続多段蒸留塔に供給される原料中には、アルコール類、アルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート、アルキルアリールエーテルなどが含まれているものが好ましく、さらには生成物であるアルキルアリールカーボネートやジアリールカーボネートのフリース転移生成物やその誘導体などの高沸点副生物を少量含むものであっても好ましく用いられる。本発明において例えば、ジアルキルカーボネートとしてジメチルカーボネートを、芳香族モノヒドロキシ化合物としてフェノールを原料にして、メチルフェニルカーボネート及びジフェニルカーボネートを製造する場合、その原料中に反応生成物であるメチルアルコールや、メチルフェニルカーボネート及びジフェニルカーボネートを含んでいることが好ましく、さらには反応副生物であるアニソールや、サリチル酸フェニル、サリチル酸メチルやこれらから誘導される高沸点副生物を少量含んでいてもよい。
本発明において製造される芳香族カーボネートとは、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とがエステル交換反応によって得られるアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート、及びこれらの混合物のことである。このエステル交換反応においては、ジアルキルカーボネートの1つ又は2つのアルコキシ基が芳香族モノヒドロキシ化合物のアリーロキシ基と交換されアルコール類を離脱する反応と、生成したアルキルアリールカーボネート2分子間のエステル交換反応である不均化反応によってジアリールカーボネートとジアルキルカーボネートに変換される反応が含まれている。本発明では、主としてアルキルアリールカーボネートが得られるが、このアルキルアリールカーボネートを、さらに芳香族モノヒドロキシ化合物とエステル交換反応をさせるか、不均化反応をさせることによって、ジアリールカーボネートとすることができる。このジアリールカーボネートは、ハロゲンを全く含まないため、エステル交換法でポリカーボネートを工業的に製造するときの原料として重要である。なぜならば、重合原料中にハロゲンがたとえば1ppmよりも少ない量であっても存在しておれば、重合反応を阻害するし、芳香族ポリカーボネートの安定製造を阻害するし、しかも生成した芳香族ポリカーボネートの物性低下や、着色の原因となるからである。
工程(II)の第1連続多段蒸留塔で使用される触媒としては、例えば下記の化合物から選択される。
<鉛化合物>PbO、PbO2、Pb34等の酸化鉛類;
PbS、Pb2S等の硫化鉛類;
Pb(OH)2、Pb22(OH)2等の水酸化鉛類;
Na2PbO2、K2PbO2、NaHPbO2、KHPbO2等の亜ナマリ酸塩類;
Na2PbO3、Na22PbO4、K2PbO3、K2[Pb(OH)6]、K4PbO4、Ca2PbO4、CaPbO3等の鉛酸塩類;
PbCO3、2PbCO3・Pb(OH)2等の鉛の炭酸塩及びその塩基性塩類;
Pb(OCOCH32、Pb(OCOCH34、Pb(OCOCH32・PbO・3H2O等の有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;
Bu4Pb、Ph4Pb、Bu3PbCl、Ph3PbBr、Ph3Pb(又はPh6Pb2)、Bu3PbOH、Ph3PbO等の有機鉛化合物類(Buはブチル基、Phはフェニル基を示す。);
Pb(OCH32、(CH3O)Pb(OPh)、Pb(OPh)2等のアルコキシ鉛類、アリールオキシ鉛類;
Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−Sb等の鉛の合金類;
ホウエン鉱、センアエン鉱等の鉛鉱物類、及びこれらの鉛化合物の水和物;
<銅族金属の化合物>CuCl、CuCl2、CuBr、CuBr2、CuI、CuI2、Cu(OAc)2、Cu(acac)2、オレフイン酸銅、Bu2Cu、(CH3O)2Cu、AgNO3、AgBr、ピクリン酸銀、AgC66ClO4、[AuC≡C−C(CH33]n、[Cu(C78)Cl]4等の銅族金属の塩及び錯体(acacはアセチルアセトンキレート配位子を表す。);
<アルカリ金属の錯体>Li(acac)、LiN(C492等のアルカリ金属の錯体;
<亜鉛の錯体>Zn(acac)2等の亜鉛の錯体;
<カドミウムの錯体>Cd(acac)2等のカドミウムの錯体;
<鉄族金属の化合物>Fe(C108)(CO)5、Fe(CO)5、Fe(C46)(CO)3、Co(メシチレン)2(PEt2Ph)2、CoC55(CO)7、Ni−π−C55NO、フェロセン等の鉄族金属の錯体;
<ジルコニウム錯体>Zr(acac)4,ジルコノセン等のジルコニウムの錯体;
<ルイス酸類化合物>AlX3、TiX3,TiX4、VOX3、VX5、ZnX2、FeX3、SnX4 (ここでXはハロゲン、アセトキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。)等のルイス酸及びルイス酸を発生する遷移金属化合物;
<有機スズ化合物>(CH33SnOCOCH3、(C253SnOCOC65、Bu3SnOCOCH3、Ph3SnOCOCH3、Bu2Sn(OCOCH32、Bu2Sn(OCOC11232、Ph3SnOCH3、(C253SnOPh、Bu2Sn(OCH32、Bu2Sn(OC252、Bu2Sn(OPh)2、Ph2Sn(OCH32、(C253SnOH、Ph3SnOH、Bu2SnO、(C8172SnO、Bu2SnCl2、BuSnO(OH)等の有機スズ化合物;
等の金属含有化合物が触媒として用いられる。これらの触媒は多段蒸留塔内に固定された固体触媒であってもいいし、反応系に溶解する可溶性触媒であってもよい。
もちろん、これらの触媒成分が反応系中に存在する有機化合物、例えば、脂肪族アルコール類、芳香族モノヒドロキシ化合物類、アルキルアリールカーボネート類、ジアリールカーボネート類、ジアルキルカーボネート類等と反応したものであってもよいし、反応に先立って原料や生成物で加熱処理されたものであってもよい。
工程(II)を反応系に溶解する可溶性触媒で実施する場合は、これらの触媒は、反応条件において反応液への溶解度の高いものであることが好ましい。この意味で好ましい触媒としては、例えば、PbO、Pb(OH)2、Pb(OPh)2;TiCl4、Ti(OMe)、(MeO)Ti(OPh)、(MeO)Ti(OPh)、(MeO)Ti(OPh)、Ti(OPh)4;SnCl4、Sn(OPh)4、Bu2SnO、Bu2Sn(OPh)2;FeCl3、Fe(OH)3、Fe(OPh)3等、又はこれらをフェノール又は反応液等で処理したもの等が挙げられる。第1連続多段蒸留塔で用いられる触媒と第2連続多段蒸留塔で用いられる触媒は同じ種類であっても、異なる種類のものであってもよい。
工程(II)において用いられる該第1連続多段蒸留塔とは、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部を有し、内部に段数nをもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部又はそれに近い塔の上部に内径d11(cm)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径d12(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び/又は中間部に1つ以上の第3の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び/又は下部に1つ以上の第4の導入口を有するものであって、L、D、L/D、n、D/d11、D/d12 が、それぞれ式(7)〜(12)を満足するものであることが必要である:
1500 ≦ L ≦ 8000 式(7)
100 ≦ D ≦ 2000 式(8)
2 ≦ L/D ≦ 40 式(9)
20 ≦ n ≦ 120 式(10)
5 ≦ D/d11 ≦ 30 式(11)
3 ≦ D/d12 ≦ 20 式(12)。
式(7)〜(12)の全てを同時に満足する第1連続多段蒸留塔を用いることによって、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから、芳香族カーボネートを1時間あたり約0.85トン以上、好ましくは1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で、例えば2000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上の長期間、安定的に製造できることが見出されたのである。本発明の方法を実施することによって、このような優れた効果を有する工業的規模での芳香族カーボネートの製造が可能になった理由は明らかではないが、式(7)〜(12)の条件が組み合わさった時にもたらされる複合効果のためであると推定される。なお、工程(II)で用いる連続多段蒸留塔を構成する各々の要因の好ましい範囲は下記に示される。
(cm)が1500より小さいと、反応率が低下するため目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、Lを8000以下にすることが必要である。より好ましいL(cm)の範囲は、2000≦L ≦6000 であり、さらに好ましくは、2500≦L≦5000 である。
(cm)が100よりも小さいと、目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成しつつ設備費を低下させるには、Dを2000以下にすることが必要である。より好ましいD(cm)の範囲は、150≦D≦1000 であり、さらに好ましくは、200≦D≦800 である。
なお、第1連続多段蒸留塔において、Dが上記の範囲にある限り、塔の上部から下部までそれぞれ同じ内径であってもよいし、部分的に内径が異なっていてもよい。例えば、この連続多段蒸留塔において、塔上部の内径が塔下部の内径よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
/Dが2より小さい時や40より大きい時は安定運転が困難となり、特に40より大きいと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり選択率の低下をもたらす。より好ましいL/Dの範囲は、3≦L/D≦30 であり、さらに好ましくは、5≦L/D≦15 である。
が20より小さいと反応率が低下するため第1連続多段蒸留塔での目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、nを120以下にすることが必要である。さらにnが120よりも大きいと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、第1連続多段蒸留塔の長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり選択率の低下をもたらす。より好ましいnの範囲は、30≦n≦100 であり、さらに好ましくは、40≦n≦90 である。
/d11が5より小さいと第1連続多段蒸留塔の設備費が高くなるだけでなく大量のガス成分が系外に出やすくなるため、第1連続多段蒸留塔の安定運転が困難になり、30よりも大きいとガス成分の抜出し量が相対的に小さくなり、安定運転が困難になるだけでなく、反応率の低下をもたらす。より好ましい D/d11の範囲は、8≦D/d11≦25 であり、さらに好ましくは、10≦D/d11≦20 である。
/d12が3より小さいと第1連続多段蒸留塔の設備費が高くなるだけでなく液抜出し量が相対的に多くなり、第1連続多段蒸留塔の安定運転が困難になり、20よりも大きいと液抜出し口や配管での流速が急激に速くなりエロ−ジョンを起こしやすくなり装置の腐食をもたらす。より好ましいD/d12の範囲は、5≦D/d12≦18 であり、さらに好ましくは、7≦D/d12≦15 である。
さらに工程(II)では、該d11と該d12が式(14)を満足する場合、さらに好ましいことがわかった:
1≦d12/d11≦5 式(14)。
工程(II)でいう長期安定運転とは、1000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上、フラッディングや、配管のつまりやエロージョンなどがなく、運転条件に基づいた定常状態で運転が継続でき、高選択率を維持しながら、所定量の芳香族カーボネートが製造されていることを意味する。
工程(II)では、1時間あたり好ましくは1トン以上の高生産性で芳香族カーボネートを高選択率で長期間安定的に生産することを特徴としているが、より好ましくは1時間あたり2トン以上、さらに好ましくは1時間あたり3トン以上の芳香族カーボネートを生産することにある。また、工程(II)では、第1連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d11、D/d12 がそれぞれ、2000≦L≦6000、 150≦D≦1000、 3≦L/D≦30、 30≦n≦100、 8≦D/d11≦25、 5≦D/d12≦18の場合は、1時間あたり2トン以上、好ましくは1時間あたり2.5トン以上、さらに好ましくは1時間あたり3トン以上の芳香族カーボネートを製造することを特徴とするものである。
さらに、工程(II)では、第1連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d11、D/d12 がそれぞれ、2500≦L≦5000、 200≦D≦800、 5≦L/D≦15、 40≦n≦90、 10≦D/d11≦25、 7≦D/d12≦15の場合は、1時間あたり3トン以上、好ましくは1時間あたり3.5トン以上、さらに好ましくは1時間あたり4トン以上の芳香族カーボネートを製造することを特徴とするものである。
工程(II)でいう芳香族カーボネートの選択率とは、反応した芳香族モノヒドロキシ化合物に対するものであって、工程(II)では通常95%以上の高選択率であり、好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上の高選択率を達成することができる。
工程(II)で用いられる第1連続多段蒸留塔は、インターナルとしてトレイ及び/又は充填物を有する蒸留塔であることが好ましい。本発明でいうインターナルとは、蒸留塔において実際に気液の接触を行わせる部分のことを意味する。このようなトレイとしては、工程(I)の項に記載のものが好ましい。また、「インターナルの段数n」とは、前記のとおりである。
工程(II)の第1連続多段蒸留塔においては、主としてジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物からアルキルアリールカーボネートを生成させる反応が行われるが、この反応は平衡定数が極端に小さく、しかも反応速度が遅いので、反応蒸留に用いる第1連続多段蒸留塔としては、インターナルがトレイである棚段式蒸留塔がより好ましいことが見出された。
さらに第1連続多段蒸留塔該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイが機能と設備費との関係で特に優れていることが見出された。 そして、該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有していることが好ましいことも見出された。より好ましい孔数は該面積1mあたり120〜900個であり、さらに好ましくは、150〜800個である。
また、該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmであることが好ましいことも見出された。より好ましい孔1個あたりの断面積は、0.7〜4cmであり、さらに好ましくは0.9〜3cmである。さらには、該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有しており、且つ、孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmである場合、特に好ましいことが見出された。第1連続多段蒸留塔に上記の条件を付加することによって、本発明の課題が、より容易に達成されることが判明したのである。
工程(II)を実施する場合、原料であるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを触媒が存在する第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該第1塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するアルコール類を含む第1塔低沸点反応混合物を該第1塔上部よりガス状で連続的に抜出し、生成するアルキルアリールカーボネート類を含む第1塔高沸点反応混合物を該第1塔下部より液状で連続的に抜出すことによって、芳香族カーボネートが連続的に製造される。
この原料中には、反応生成物であるアルコール類、アルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネートやアルキルアリールエーテルや高沸点化合物などの反応副生物が含まれていてもいいことは前述のとおりである。他の工程での分離・精製にかかる設備、費用のことを考慮すれば、実際に工業的に実施する本発明の場合は、これらの化合物を少量含んでいることが好ましい。
工程(II)において、原料であるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物を第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給するには、該第1蒸留塔の上部のガス抜出し口よりも下部であるが塔の上部又は中間部に設置された1箇所又は数箇所の導入口から、液状及び/又はガス状で供給してもよいし、芳香族モノヒドロキシ化合物を多く含む原料を該第1蒸留塔の上部の導入口から液状で供給し、ジアルキルカーボネートを多く含む原料を該第1蒸留塔の下部の液抜出し口よりも上部であって塔の下部に設置された導入口からガス状で供給することも好ましい方法である。
また、工程(II)において第1連続多段蒸留塔の塔頂ガス抜き出し成分を凝縮した後、その一部を蒸留塔上部にもどす還流操作を実施することも好ましい方法である。この場合、第1連続多段蒸留塔の還流比は0〜10の範囲であり、好ましくは0〜5、さらに好ましくは、0〜3の範囲である。第1連続多段蒸留塔では還流操作をしない還流比0も好ましい実施態様である。
工程(II)において、第1連続多段蒸留塔内に触媒を存在させる方法はどのようなものであってもよいが、触媒が反応液に不溶解性の固体状の場合は、第1連続多段蒸留塔内の段に設置する方法や、充填物状にして設置する方法などによって塔内に固定させることが好ましい。また、原料や反応液に溶解する触媒の場合は、該第1蒸留塔の中間部より上部の位置から蒸留塔内に供給することが好ましい。この場合、原料又は反応液に溶解させた触媒液を原料と一緒に導入してもよいし、原料とは別の導入口からこの触媒液を導入してもよい。本発明の第1連続多段蒸留塔で用いる触媒の量は、使用する触媒の種類、原料の種類やその量比、反応温度並びに反応圧力などの反応条件の違いによっても異なるが、原料の合計質量に対する割合で表して、通常0.0001〜30質量%、好ましくは0.0005〜10質量%、より好ましくは0.001〜1質量%で使用される。
工程(II)で行われるエステル交換反応の反応時間は第1連続多段蒸留塔内での反応液の平均滞留時間に相当すると考えられるが、これは該蒸留塔のインターナルの形状や段数、原料供給量、触媒の種類や量、反応条件などによって異なるが、第1連続多段蒸留塔内において、通常0.01〜10時間、好ましくは0.05〜5時間、より好ましくは0.1〜3時間である。
第1連続多段蒸留塔の反応温度は、用いる原料化合物の種類や触媒の種類や量によって異なるが、通常100〜350℃の範囲である。反応速度を高めるためには反応温度を高くすることが好ましいが、反応温度が高いと副反応も起こりやすくなり、例えばアルキルアリールエーテルなどの副生が増えるので好ましくない。このような意味で、第1連続多段蒸留塔での好ましい反応温度は130〜280℃、より好ましくは150〜260℃、さらに好ましくは、180〜250℃の範囲である。
また、第1連続多段蒸留塔の反応圧力は、用いる原料化合物の種類や組成、反応温度などにより異なるが、第1連続多段蒸留塔では減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常塔頂圧力が0.1〜2×10Pa、好ましくは、10〜10Pa、より好ましくは2×10〜5×10の範囲で行われる。
なお、工程(II)における第1連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることもできる。この場合、2基以上の蒸留塔を直列に連結することも、並列に連結することも、さらに直列と並列を組み合わせて連結することも可能である。
工程(II)で用いられる第1連続多段蒸留塔を構成する材料は、主に炭素鋼、ステンレススチールなどの金属材料であるが、製造する芳香族カーボネートの品質の面からは、ステンレススチールが好ましい。
また、本発明では、通常、ハロゲンを含まない原料と触媒を使用するので、取得される芳香族カーボネートのハロゲン含有量は0.1ppm以下であり、好ましくは10ppb以下であり、さらに好ましくは1ppb以下(イオンクロマトグラフで検出限界外)である。
工程(II)で製造される芳香族カーボネートは、第1連続多段蒸留塔の塔底液として得られるが、その塔底液中の主反応生成物は、通常、アルキルアリールカーボネートであり、少量の反応生成物としてジアリールカーボネートが含まれている。したがって、ジアリールカーボネートを大量に製造する場合には、このアルキルアリールカーボネートをジアリールカーボネートに変換する工程がさらに行われることが好ましい。この場合、これらの芳香族カーボネートを含む反応混合物及び/又はその反応混合物から芳香族カーボネート分離したものを用いて、不均化反応及び/又は芳香族モノヒドロキシ化合物との反応を行うことが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ハロゲンはイオンクロマト法で測定された。
実施例1
(1)ジメチルカーボネートとエチレングリコールを連続的に製造する工程(I)
<連続多段蒸留塔T
図1に示されるようなL=3300cm、D=300cm、L/D=11、n=60、D/d01=7.5、D/d02=12 である連続多段蒸留塔を用いた。なお、この実施例では、インターナルとして、多孔板部の孔1個あたりの断面積=約1.3cm、孔数=約180〜320個/mを有する多孔板トレイを用いた。
<反応蒸留>
液状のエチレンカーボネート3.27トン/hrが下から55段目に設置された導入口(3−a)から蒸留塔Tに連続的に導入された。ガス状のメタノール(ジメチルカーボネートを8.96質量%含む)3.238トン/hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを6.66質量%含む)7.489トン/hrが、下から31段目に設置された導入口(3−b及び3−c)から蒸留塔Tに連続的に導入された。蒸留塔Tに導入された原料のモル比は、メタノール/エチレンカーボネート=8.36であった。
触媒はKOH(48質量%の水溶液)2.5トンにエチレングリコール4.8トンを加え、約130℃に加熱し、徐々に減圧にし、約1300Paで約3時間加熱処理し、均一溶液にしたものを用いた。この触媒溶液を、下から54段目に設けられた導入口(3−e)から、蒸留塔Tに連続的に導入した(K濃度:供給エチレンカーボネートに対して0.1質量%)。塔底部の温度が98℃で、塔頂部の圧力が約1.118×10Pa、還流比が0.42の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
24時間後には安定的な定常運転が達成できた。塔頂部1からガス状で抜き出された低沸点反応混合物は熱交換器で冷却され液体にされた。蒸留塔から10.678トン/hrで連続的に抜き出された液状の低沸点反応混合物中のジメチルカーボネートは4.129トン/hrで、メタノールは6.549トン/hrであった。塔底部2から3.382トン/hrで連続的に抜出された液中の、エチレングリコールは、2.356トン/hrで、メタノールは1.014トン/hr、未反応エチレンカーボネート4kg/hrであった。原料に含まれるジメチルカーボネートを除いた、ジメチルカーボネートの1時間あたりの実質生産量は3.340トン、触媒溶液に含まれるエチレングリコールを除いた、エチレングリコールの1時間あたりの実質生産量は2.301トンであった。エチレンカーボネートの反応率は99.88%で、ジメチルカーボネートの選択率は99.99%以上で、エチレングリコールの選択率は99.99%以上であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、2000時間後、4000時間後、5000時間後、6000時間後の1時間あたりの実質生産量は、ジメチルカーボネートが3.340トン、3.340トン、3.340トン、3.340トン、3.340トン、エチレングリコールが、2.301トン、2.301トン、2.301トン、2.301トン、2.301トンであり、エチレンカーボネートの反応率は99.90%、99.89%、99.89%、99.88%、99.88%、で、ジメチルカーボネートの選択率は99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上で、エチレングリコールの選択率は99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上であった。
(2)メチルフェニルカーボネートを連続的に製造する工程(II)
<第1連続多段蒸留塔101>
図2に示されるようなL=3300cm、D=500cm、L/D=6.6、n=80、D/d11=17、D/d12=9(図面の符号に合わせました。ご確認下さい。)である連続多段蒸留塔を用いた。なお、この実施例では、インターナルとして、孔1個あたりの断面積=約1.5cm、孔数=約250個/mを有する多孔板トレイを用いた。
<反応蒸留>
フェノール/ジメチルカーボネート=1.9(重量比)からなる原料1を第1連続多段蒸留塔101(図3)の上部導入口11から液状で50トン/hrの流量で連続的に導入した。一方、ジメチルカーボネート/フェノール=3.6(重量比)からなる原料2を第1連続多段蒸留塔101の下部導入口12からガス状で50トン/hrの流量で連続的に導入した。第1連続多段蒸留塔101に導入された原料のモル比は、ジメチルカーボネート/フェノール=1.35であった。この原料にはハロゲンは実質的に含まれていなかった(イオンクロマトグラフィーでの検出限界外で1ppb以下)。触媒はPb(OPh)として、反応液中に約100ppmとなるように第1連続多段蒸留塔101の上部導入口11から導入された。第1連続多段蒸留塔101では塔底部の温度が225℃で、塔頂部の圧力が7×10Pa、還流比が0の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。メチルアルコール、ジメチルカーボネート、フェノール等を含む第1塔低沸点反応混合物を第1塔の塔頂部13よりガス状で連続的に抜き出し、熱交換器14を経て、抜出し口16から34トン/hrの流量で抜出した。一方、メチルフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、フェノール、ジフェニルカーボネート、触媒等を含む第1塔高沸点反応混合物を第1塔底部17を経て20より液状で連続的に抜き出した。
24時間後には安定した定常状態に達した。66トン/hrの流量で連続的に抜き出された第1塔高沸点反応混合物の組成は、メチルフェニルカーボネートが18.2質量%、ジフェニルカーボネートが0.8質量%含まれていた。メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートの生産量は1時間あたりそれぞれ12.012トン、0.528トンであることがわかった。反応したフェノールに対して、メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートの合計選択率は98%であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、2000時間後、4000時間後、5000時間後、6000時間後のメチルフェニルカーボネートの生産量は1時間あたり12.012トン、12.013トン、12.012トン、12.013トン、12.012トンであり、ジフェニルカーボネートの生産量は、1時間あたり0.53トン、0.528トン、0.529トン、0.528トン、0.528トンであり、選択率は98%、98%、98%、98%、98%、であり、非常に安定していた。また、製造された芳香族カーボネートには、ハロゲンは実質的に含まれていなかった(1ppb以下)。
なお、第1連続多段蒸留塔の塔頂部13を経て16より液状で連続的に抜き出されているメチルアルコール、ジメチルカーボネート、フェノール等を含む第1塔低沸点反応混合物は、フェノール等を除去した後、工程(I)の原料メタノールとして用いられた。
実施例2
(1)ジメチルカーボネートとエチレングリコールを連続的に製造する工程(I)
実施例1と同じ連続多段蒸留塔を用いて、下記の条件で反応蒸留を行った。
液状のエチレンカーボネート2.61トン/hrが下から55段目に設置された導入口(3−a)から蒸留塔に連続的に導入された。ガス状のメタノール(ジメチルカーボネートを2.41質量%含む)4.233トン/hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを1.46質量%含む)4.227トン/hrが、下から31段目に設置された導入口(3−b及び3−c)から蒸留塔に連続的に導入された。蒸留塔に導入された原料のモル比は、メタノール/エチレンカーボネート=8.73であった。触媒は実施例1と同様にして、蒸留塔に連続的に供給された。塔底部の温度が93℃で、塔頂部の圧力が約1.046×10Pa、還流比が0.48の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
24時間後には安定的な定常運転が達成できた。塔頂部1からガス状で抜き出された低沸点反応混合物は熱交換器で冷却され液体にされた。蒸留塔から8.17トン/hrで連続的に抜き出された液状の低沸点反応混合物中のジメチルカーボネートは2.84トン/hrで、メタノールは5.33トン/hrであった。塔底部2から2.937トン/hrで連続的に抜出された液中の、エチレングリコールは、1.865トン/hrで、メタノールは1.062トン/hr、未反応エチレンカーボネート0.2kg/hrであった。原料に含まれるジメチルカーボネートを除いた、ジメチルカーボネートの1時間あたりの実質生産量は2.669トン、触媒溶液に含まれるエチレングリコールを除いた、エチレングリコールの1時間あたりの実質生産量は1.839トンであった。エチレンカーボネートの反応率は99.99%で、ジメチルカーボネートの選択率は99.99%以上で、エチレングリコールの選択率は99.99%以上であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。1000時間後、2000時間後、3000時間後、5000時間後の1時間あたりの実質生産量は、ジメチルカーボネートが2.669トン、2.669トン、2.669トン、2.669トンであり、エチレングリコールが、1.839トン、1.839トン、1.839トン、1.839トンであり、エチレンカーボネートの反応率は99.99%、99.99%、99.99%、99.99%で、ジメチルカーボネートの選択率は99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上で、エチレングリコールの選択率は99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上であった。
(2)メチルフェニルカーボネートを連続的に製造する工程(II)
実施例1と同じ装置を用いて、下記の条件で反応蒸留を行った。
フェノール/ジメチルカーボネート=1.1(重量比)からなる原料1を第1連続多段蒸留塔101(図3)の上部導入口11から液状で40トン/hrの流量で連続的に導入した。一方、ジメチルカーボネート/フェノール=3.9(重量比)からなる原料2を第1連続多段蒸留塔101の下部導入口12からガス状で43トン/hrの流量で連続的に導入した。第1連続多段蒸留塔101に導入された原料のモル比は、ジメチルカーボネート/フェノール=1.87であった。この原料にはハロゲンは実質的に含まれていなかった(イオンクロマトグラフィーでの検出限界外で1ppb以下)。触媒はPb(OPh)として、反応液中に約250ppmとなるように第1連続多段蒸留塔101の上部導入口11から導入された。第1連続多段蒸留塔101では塔底部の温度が235℃で、塔頂部の圧力が9×10Pa、還流比が0の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。メチルアルコール、ジメチルカーボネート、フェノール等を含む第1塔低沸点反応混合物を第1塔の塔頂部13よりガス状で連続的に抜き出し、熱交換器14を経て、抜出し口16から43トン/hrの流量で抜出した。一方、メチルフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、フェノール、ジフェニルカーボネート、触媒等を含む第1塔高沸点反応混合物を第1塔底部17を経て20より液状で連続的に抜き出した。
24時間後には安定した定常状態に達した。40トン/hrの流量で連続的に抜き出された第1塔高沸点反応混合物の組成は、メチルフェニルカーボネートが20.7質量%、ジフェニルカーボネートが1.0質量%含まれていた。メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートの生産量は1時間あたりそれぞれ8.28トン、0.4トンであることがわかった。反応したフェノールに対して、メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートの合計選択率は97%であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、2000時間後、4000時間後、5000時間後、6000時間後のメチルフェニルカーボネートの生産量は1時間あたり8.28トン、8.28トン、8.29トン、8.28トン、8.28トンであり、ジフェニルカーボネートの生産量は、1時間あたり0.4トン、0.41トン、0.41トン、0.4トン、0.4トンであり、選択率は97%、98%、97%、97%、98%、であり、非常に安定していた。また、製造された芳香族カーボネートには、ハロゲンは実質的に含まれていなかった(1ppb以下)。
なお、第1連続多段蒸留塔の塔頂部13を経て16より液状で連続的に抜き出されているメチルアルコール、ジメチルカーボネート、フェノール等を含む第1塔低沸点反応混合物は、フェノール等を除去した後、工程(I)の原料メタノールとして用いられた。
実施例3
(1)ジメチルカーボネートとエチレングリコールを連続的に製造する工程(I)
図1に示されるようなL=3300cm、D=300cm、L/D=11、n=60、D/d01=7.5、D/d02=12 である連続多段蒸留塔を用いた。なお、この実施例では、インターナルとして、多孔板部の孔1個あたりの断面積=約1.3cm、孔数=約220〜340個/mを有する多孔板トレイを用いた。
液状のエチレンカーボネート3.773トン/hrが下から55段目に設置された導入口(3−a)から蒸留塔に連続的に導入された。ガス状のメタノール(ジメチルカーボネートを8.97質量%含む)3.736トン/hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを6.65質量%含む)8.641トン/hrが、下から31段目に設置された導入口(3−b及び3−c)から蒸留塔に連続的に導入された。蒸留塔に導入された原料のモル比は、メタノール/エチレンカーボネート=8.73であった。触媒は実施例1と同様にして、蒸留塔に連続的に供給された。塔底部の温度が98℃で、塔頂部の圧力が約1.118×10Pa、還流比が0.42の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
24時間後には安定的な定常運転が達成できた。塔頂部からガス状で抜き出された低沸点反応混合物は熱交換器で冷却され液体にされた。蒸留塔から12.32トン/hrで連続的に抜き出された液状の低沸点反応混合物中のジメチルカーボネートは4.764トン/hrで、メタノールは7.556トン/hrであった。塔底部から3.902トン/hrで連続的に抜出された液中の、エチレングリコールは、2.718トン/hrで、メタノールは1.17トン/hr、未反応エチレンカーボネート4.6kg/hrであった。原料に含まれるジメチルカーボネートを除いた、ジメチルカーボネートの1時間あたりの実質生産量は3.854トン、触媒溶液に含まれるエチレングリコールを除いた、エチレングリコールの1時間あたりの実質生産量は2.655トンであった。エチレンカーボネートの反応率は99.88%で、ジメチルカーボネートの選択率は99.99%以上で、エチレングリコールの選択率は99.99%以上であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。1000時間後、2000時間後、3000時間後、5000時間後の1時間あたりの実質生産量は、ジメチルカーボネートが3.854トン、3.854トン、3.854トン、3.854トンであり、エチレングリコールが、2.655トン、2.655トン、2.655トン、2.655トンであり、エチレンカーボネートの反応率は99.99%、99.99%、99.99%、99.99%で、ジメチルカーボネートの選択率は99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上で、エチレングリコールの選択率は99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上、99.99%以上であった。
(2)メチルフェニルカーボネートを連続的に製造する工程(II)
実施例1と同じ装置を用いて、下記の条件で反応蒸留を行った。
フェノール/ジメチルカーボネート=1.7(重量比)からなる原料1を第1連続多段蒸留塔101の上部導入口11から液状で86トン/hrの流量で連続的に導入した。一方、ジメチルカーボネート/フェノール=3.5(重量比)からなる原料2を第1連続多段蒸留塔101の下部導入口12からガス状で90トン/hrの流量で連続的に導入した。第1連続多段蒸留塔101に導入された原料のモル比は、ジメチルカーボネート/フェノール=1.44であった。この原料にはハロゲンは実質的に含まれていなかった(イオンクロマトグラフィーでの検出限界外で1ppb以下)。触媒はPb(OPh)として、反応液中に約150ppmとなるように第1連続多段蒸留塔101の上部導入口11から導入された。第1連続多段蒸留塔101では塔底部の温度が220℃で、塔頂部の圧力が8×10Pa、還流比が0の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。メチルアルコール、ジメチルカーボネート、フェノール等を含む第1塔低沸点反応混合物を第1塔の塔頂部13よりガス状で連続的に抜き出し、熱交換器14を経て、抜出し口16から82トン/hrの流量で抜出した。一方、メチルフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、フェノール、ジフェニルカーボネート、触媒等を含む第1塔高沸点反応混合物を第1塔底部17を経て20より液状で連続的に抜き出した。
24時間後には安定した定常状態に達した。94トン/hrの流量で連続的に抜き出された第1塔高沸点反応混合物の組成は、メチルフェニルカーボネートが16.0質量%、ジフェニルカーボネートが0.5質量%含まれていた。メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートの生産量は1時間あたりそれぞれ15.04トン、0.47トンであることがわかった。反応したフェノールに対して、メチルフェニルカーボネートとジフェニルカーボネートの合計選択率は98%であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、2000時間後、4000時間後、5000時間後、6000時間後のメチルフェニルカーボネートの生産量は1時間あたり15.04トン、15.04トン、15.05トン、15.05トン、15.04トンであり、ジフェニルカーボネートの生産量は、1時間あたり0.47トン、0.47トン、0.48トン、0.48トン、0.47トンであり、選択率は97%、97%、98%、98%、97%、であり、非常に安定していた。また、製造された芳香族カーボネートには、ハロゲンは実質的に含まれていなかった(1ppb以下)。
なお、第1連続多段蒸留塔の塔頂部13を経て16より液状で連続的に抜き出されているメチルアルコール、ジメチルカーボネート、フェノール等を含む第1塔低沸点反応混合物は、フェノール等を除去した後、工程(I)の原料メタノールとして用いられた。
本発明の方法を実施することによって、環状カーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物から、高品質・高性能の芳香族ポリカーボネートを製造するために必要な芳香族カーボネートを、1時間当り1トン以上の工業的規模で製造できることが見出された。しかも長期間、たとえば2000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上、安定的に芳香族カーボネートが製造できることも見出された。従って、本発明は芳香族カーボネートの工業的製造方法として極めて優れた効果のある方法である。
本発明を実施するのに好ましい連続反応蒸留塔Tの一例を示す概略図である。胴部内部には多孔板トレイからなるインターナルが設置されている。 本発明を実施するのに好ましい第1連続反応蒸留塔の一例を示す概略図である。胴部内部にはインターナルが設置されている。 本発明を実施するのに好ましい第1連続反応蒸留塔の一例を示す概略図である。胴部内部にはインターナルが設置されている。 なお、各図で使用した符号の説明は、以下のとおりである。(図1)1:ガス抜出し口、2:液抜出し口、3−aから3−e:導入口、4−aから4−b:導入口、5:鏡板部、6:インターナル、7:胴体部分、10:連続多段蒸留塔、L:胴部長さ(cm)、D:胴部内径(cm)、d01:ガス抜出し口の内径(cm)、d02:液抜出し口の内径(cm)(図2)1 : ガス抜出し口、2 : 液抜出し口、3 : 導入口、4 : 導入口、5 : 鏡板部、L :胴部長さ(cm)、D :胴部内径(cm)、d11 :ガス抜出し口内径(cm)、d12 :液抜出し口内径(cm)、(図3)101 :第1連続多段蒸留塔、11、12 :導入口、13 :塔頂ガス抜出し口、14、18:熱交換器、17 :塔底液抜出し口、16 :塔頂成分抜出し口、20:塔底成分抜出し口

Claims (20)

  1. 環状カーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物から芳香族カーボネートを連続的に製
    造する方法であって、
    (I)環状カーボネートと脂肪族1価アルコールとを触媒が存在する連続多段蒸留塔T0内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するジアルキルカーボネートを含む低沸点反応混合物を塔上部よりガス状で連続的に抜出し、ジオール類を含む高沸点反応混合物を塔下部より液状で連続的に抜出す反応蒸留方式によって、ジアルキルカーボネートとジオール類を連続的に製造する工程(I)と、
    (II)該ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを原料とし、この原料を触媒が存在する第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該第1塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するアルコール類を含む第1塔低沸点反応混合物を該第1塔上部よりガス状で連続的に抜出し、生成するアルキルアリールカーボネート類を含む第1塔高沸点反応混合物を該第1塔下部より液状で連続的に抜出し、芳香族カーボネートを連続的に製造する工程(II)と、を含み、
    (a)該連続多段蒸留塔T0が、長さL0(cm)、内径D0(cm)の円筒形の胴部を有し、内部に段数n0をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部又はそれに近い塔の上部に内径d01(cm)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径d02(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び/又は中間部に1つ以上の第1の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び/又は下部に1つ以上の第2の導入口を有するものであって、L0、D0、L0/D0、n0、D0/d01、D0/d02 が、それぞれ式(1)〜(6)を満足するものであり、
    2100 ≦ L0 ≦ 8000 式(1)
    180 ≦ D0 ≦ 2000 式(2)
    4 ≦ L0/D0 ≦ 40 式(3)
    10 ≦ n0 ≦ 120 式(4)
    3 ≦ D0/d01 ≦ 20 式(5)
    5 ≦ D0/d02 ≦ 30 式(6)
    (b)該第1連続多段蒸留塔が、長さL1(cm)、内径D1(cm)の円筒形の胴部を有し、内部に段数n1をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部又はそれに近い塔の上部に内径d11(cm)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径d12(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び/又は中間部に1つ以上の第3の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び/又は下部に1つ以上の第4の導入口を有するものであって、L1、D1、L1/D1、n1、D1/d11、D1/d12 がそれぞれ式(7)〜(12)を満足するものである
    1500 ≦ L1 ≦ 8000 式(7)
    100 ≦ D1 ≦ 2000 式(8)
    2 ≦ L1/D1 ≦ 40 式(9)
    20 ≦ n1 ≦ 120 式(10)
    5 ≦ D1/d11 ≦ 30 式(11)
    3 ≦ D1/d12 ≦ 20 式(12)
    ことを特徴とする芳香族カーボネートの工業的製造法。
  2. 製造される芳香族カーボネートが1時間あたり1トン以上であることを特徴とする請求
    項1に記載の方法。
  3. 工程(I)で用いられる該連続多段蒸留塔T0の該d01と該d02が式(13)を満
    足することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法:
    1 ≦ d01/d02 ≦ 5 式(13)
  4. 該連続多段蒸留塔T0のL0、D0、L0/D0、n0、D0/d01、D0/d02 がそれぞれ、 2300≦L0≦6000、 200≦D0≦1000、 5≦L0/D0≦30、 30≦n0≦100、 4≦D0/d01≦15、 7≦D0/d02≦25であることを特徴とする請求項1〜3のうち何れいずれか一項に記載の方法。
  5. 該連続多段蒸留塔T0のL0、D0、L0/D0、n0、D0/d01、D0/d02 がそれぞれ、 2500≦L0≦5000、 210≦D0≦800、 7≦L0/D0≦20、 40≦n0≦90、 5≦D0/d01≦13、 9≦D0/d02≦20であることを特徴とする請求項1〜4のうち何れいずれか一項に記載の方法。
  6. 該連続多段蒸留塔T0が、該インターナルとしてトレイ及び/又は充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする請求項1〜5のうち何れいずれか一項に記載の方法。
  7. 該連続多段蒸留塔T0が、該インターナルとしてトレイを有する棚段式蒸留塔であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 該連続多段蒸留塔T0の該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とする請求項6又は7記載の方法。
  9. 該連続多段蒸留塔T0の該多孔板トレイが該多孔板部の面積1m2あたり100〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 該連続多段蒸留塔T0の該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cm2であることを特徴とする請求項8又は9記載の方法。
  11. 該連続多段蒸留塔T0の該多孔板トレイの開口比が1.5〜15%の範囲であることを特徴とする請求項8〜10のうち何れか一項に記載の方法。
  12. 工程(II)で用いられる該第1連続多段蒸留塔の該d11と該d12が式(14)を満足することを特徴とする請求項1〜11のうち何れか一項に記載の方法:
    1 ≦ d12/d11 ≦ 5 式(14)。
  13. 工程(II)で用いられる該第1連続多段蒸留塔のL1、D1、L1/D1、n1、D1/d11、D1/d12 がそれぞれ、2000≦L1≦6000、 150≦D1≦1000、 3≦L1/D1≦30、 30≦n1≦100、 8≦D1/d11≦25、 5≦D1/d12≦18であることを特徴とする請求項1ないし12のうち何れか一項に記載の方法。
  14. 該第1連続多段蒸留塔のL1、D1、L1/D1、n1、D1/d11、D1/d12 がそれぞれ、2500≦L1≦5000、 200≦D1≦800、 5≦L1/D1≦15、 40≦n1≦90、 10≦D1/d11≦25、 7≦D1/d12≦15であることを特徴とする請求項1ないし13のうち何れか一項に記載の方法。
  15. 該第1連続多段蒸留塔が、それぞれ該インターナルとしてトレイ及び/又は充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする請求項1ないし14のうち何れか一項に記載の方法。
  16. 該第1連続多段蒸留塔が、該インターナルとしてトレイを有する棚段式蒸留塔であることを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 該第1連続多段蒸留塔の該トレイそれぞれが、多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とする請求項15又は16記載の方法。
  18. 該第1連続多段蒸留塔の該多孔板トレイが該多孔板部の面積1m2あたり100〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 該第1連続多段蒸留塔の該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cm2であることを特徴とする請求項17又は18記載の方法。
  20. ハロゲン含有量が0.1ppm以下である芳香族カーボネートを製造することを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法
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