JPWO2007069490A1 - セルロースエステルフィルムの製造方法、セルロースエステルフィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

セルロースエステルフィルムの製造方法、セルロースエステルフィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、製膜時に溶媒を使用しない溶融流延によって製造され、輝点異物が少なく、平面性に優れ、着色が少なく、寸法安定性に優れたセルロースエステルフィルムの製造方法、セルロースエステルフィルム、偏光板及び液晶表示装置を提供する。本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法は、下記一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールが縮合した、分配係数が1〜7.5であるエステル化合物と、セルロースエステルとを含有する形成材料を溶融流延法によりフィルム状とすることを特徴とする。【化1】

Description

本発明はセルロースエステルフィルムの製造方法、該セルロースエステルフィルムの製
造方法から得られるセルロースエステルフィルム、それを用いた偏光板及び液晶表示装置
に関する。
セルロースエステルフィルムは、その高い透明性・低複屈折性・偏光子との易接着性な
どから、写真用ネガフィルムの支持体や、液晶ディスプレイに用いられる偏光子を保護す
るフィルムなどに用いられてきた。
液晶ディスプレイは、その奥行きの薄さ、軽さから近年大幅に生産量が増大しており、
需要が高くなっている。また液晶ディスプレイを用いたテレビは、薄く軽いという特徴を
生かして、ブラウン菅を用いたテレビでは達成されなかったような大型のテレビが生産さ
れるようになっており、それに伴って液晶ディスプレイを構成する偏光子、偏光子保護フィルムも大型化が求められている。
しかしながら、偏光子を大型化していくと、温度や湿度などといった環境変動により影響を受けやすくなるため、偏光子の端部などが劣化してディスプレイの黒表示が明るくなり、コントラストが低下するといった問題が起きやすくなることが新たな課題となっている。このような偏光子の劣化は、偏光子保護フィルムの収縮や寸法変化が原因であるといわれており、セルロースエステルフィルムの寸法安定性の改良が求められている。
これらのセルロースエステルフィルムは、これまで専ら溶液流延法によって製造されて
きた。溶液流延法とは、セルロースエステルを溶媒に溶解した溶液を流延してフィルム形
状を得た後、溶媒を蒸発・乾燥させてフィルムを得るといった製膜方法である。
このような製膜方法では、溶媒乾燥時にフィルムの収縮が発生するので、表面の平面性を保つためにテンションをかけながら乾燥する必要がある。その結果、若干ながら内部応力が残留してしまい、長期間の経時では収縮が発生する原因となっている。
またさらに、溶液流延法は多量の有機溶媒を必要とし、環境負荷が大きいことも課題となっていた。セルロースエステルフィルムは、その溶解性から、環境負荷の大きいハロゲン系溶媒を用いて製膜されているため、特に溶剤使用量の削減が求められているため、溶液留延製膜によってセルロースエステルフィルムを増産することは困難となってきている。
そこで近年銀塩写真用(特許文献1)あるいは偏光子保護フィルム用(特許文献2)に
セルロースエステルを溶融製膜する試みが行われているが、セルロースエステルは溶融時
の粘度が非常に高い高分子であり、かつガラス転移温度も高い高分子であるため、セルロ
ースエステルを溶融してダイスから押出して冷却ドラムまたは冷却ベルト上にキャスティ
ングされてもレベリングし難く、押出し後に短時間で固化するため、得られるフィルムの
平面性、輝点異物が低いといった課題を有していることが判明した。
セルロースエステル等の有機高分子の溶融粘度・ガラス転移温度を低下させるために、
可塑剤を添加することが有効であることが知られている。
特許文献1、2では、トリフェニルホスフェートやフェニレンビスジフェニルホスフェート等のリン酸系の可塑剤を用いている。
しかし本発明の発明者らが検討した結果、これらのリン酸系の可塑剤は、吸湿や加熱に
よってリン酸エステルが分解してリン酸が発生し、発生したリン酸がセルロースエステル
を劣化させてフィルムを着色させるといった問題を有していることが判明した。さらに、セルロースエステルは溶融時の熱によって劣化が起こり、着色が発生する。このため、例えば、溶融温度を下げるなど、できるだけセルロースエステルの劣化が抑える溶融条件にしたいものの、セルロースエステルと可塑剤との混合性が劣化し、平面性が劣化することが判明した。
特表平6−501040号公報 特開2000−352620号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製膜時に溶媒を使用しない溶融流延によって製造され、輝点異物が少なく、平面性に優れ、着色が少なく、寸法安定性に優れたセルロースエステルフィルムの製造方法、セルロースエステルフィルム、偏光板及び液晶表示装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
1.下記一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールが縮合した、分配係数が1〜7.5であるエステル化合物と、セルロースエステルとを含有する形成材料を溶融流延法によりフィルム状とすることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
(式中、R1〜R5は水素原子またはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、オキシカルボニルオキシ基を表し、これらはさらに置換基を有していて良い。Lは連結基を表し、置換または無置換のアルキレン基、酸素原子、または直接結合を表す。)
2.前記一般式(1)で表される有機酸の連結基Lが直接結合であることを特徴とする前記1に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
3.前記多価アルコールが、2〜4の水酸基を有することを特徴とする前記1または2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
4.前記一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールとが縮合したエステル化合物の分子量が、300〜1500であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
5.前記一般式(1)で表される有機酸のR1又はR2又はRの少なくとも1つにアルコキシ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
6.前記形成材料が、脂肪族ポリエステル及び脂肪族−芳香族コポリエステルから選ばれる少なくとも1種のポリエステルを含有することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
7.前記脂肪族ポリエステルが、下記反復単位(a)または反復単位(b)から選ばれる少なくとも1種の反復単位を有することを特徴とする前記5に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
反復単位(a)
(式中、mは0〜10の整数であり、R10は水素原子、C1〜C12の無置換アルキル基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC1〜C12のアルキル基、C5〜C10の無置換シクロアルキル基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキル基、から選ばれる少なくとも1種の基である。)
反復単位(b)
(式中、R8はC2〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及びC6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基、から選ばれる少なくとも1種の基であり、R9はC2〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及び、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基、から選ばれる少なくとも1種の基である。)
8.前記脂肪族ポリエステルが(i)ヒドロキシ酸、そのエステル形成性誘導体、(ii)ジカルボン酸、その誘導体及び(iii)ジオールから選ばれる少なくとも1種のポリエステル形成物から調製されることを特徴とする前記6または7に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
9.前記脂肪族−芳香族コポリエステルが、下記反復単位(C)で表される反復単位を有することを特徴とする前記6に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
反復単位(c)
(式中、R4及びR7はそれぞれC2〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基C1〜C4のアルキル基、及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくと1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくと1個の置換基で置換されたC2〜C12のオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及び、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R5はC〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及び、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基、から選ばれる少なくとも1種の基であり、R6はC6〜C10の無置換アリーレン基、及び、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC6〜C10のアリーレン基、から選ばれる少なくとも1種の基である。)
10.前記脂肪族−芳香族コポリエステルが(i)ジカルボン酸、その誘導体及びii)ジオールから選ばれる少なくとも1種のポリエステル形成化合物から調製されることを特徴とする前記6または9に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
11.前記形成材料が酸化防止剤を少なくとも1種含有することを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
12.前記酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を少なくとも1種、またはリン系酸化防止剤を少なくとも1種含有することを特徴とする前記11に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
13.前記リン系酸化防止剤がホスホナイト系であることを特徴とする前記12に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
14.前記酸化防止剤として、耐熱加工安定剤を少なくとも1種含有することを特徴とする前記11に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
15.前記耐熱加工安定剤が、下記一般式(E)または、下記一般式(F)で表される化合物であることを特徴とする前記14に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
(式中、R12〜R15はおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表し、R16は水素
原子または置換基を表し、nは1または2を表す。nが1であるとき、R11は置換基を表
し、nが2であるとき、R11は2価の連結基を表す。)
16.酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を少なくとも1種と、リン系酸化防止剤を少なくとも1種と、耐熱加工安定剤を少なくとも1種とを含有することを特徴とする前記11に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
17.前記酸化防止剤がフェノール部及びヒンダードアミン部を有する酸化防止剤であることを特徴とする前記11に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
18.前記フェノール部及びヒンダードアミン部を分子中に有する化合物が下記一般式(I)で表されるヒドロキシベンジルマロン酸エステル誘導体又はその酸付加塩であることを特徴とする前記11に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
(式中、nは1または2を表し、Ra、Rb及びRdは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rcは炭素数1〜9のアルキル基を表し、Reは水素原子または炭素原子1〜5のアルキル基を表し、Rfは水素原子または炭素原子1〜5のアルキル基を表す。但し、Re及びRfは相互に交換可能であり、Xは−O−基または−NR−基(該基中、Rは水素原子、アルキル基を表す。)を表し、R1は水素原子、−O−、炭素原子1〜12のアルキル基、炭素原子3または4のアルケニル基を表し、またはR1がA−CO−基を表し、但しAは炭素原子1〜12のアルキル基を表す。
2が下記一般式(II)
(式中、R6及びR7はそれぞれ炭素原子1〜9のアルキル基を表し、R8は水素原子またはメチル基を表す。)
で表されるヒドロキシベンジル基を表し、R3はnが1のとき、炭素原子1〜20の無置換のアルキル基、−COOR12基、−OCOR13又は−P(O)(OR142基(該基中、R12は炭素原子、1〜18のアルキル基又は下記一般式(III)
(式中、R1、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは前記一般式(I)のそれらと同義である。)で表される基を表し、R13は無置換の炭素数1〜4のアルキル基又は水酸基で置換されてもよいフェニル基を表し、R14は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
で表される基で置換されている炭素数1〜10のアルキル基を表し、更に、R3は炭素数3〜18のアルケニル基、炭素数7〜19のアラルキル基、フェニル基を表す。
またR3は−OCOR16基(該基中、R16は炭素数1〜12のアルキル基、各々炭素数1〜4の2個のアルキル基又は水酸基で置換されていてもよいフェニル基を表す。)、−NHCOR16(R16は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)で表される基を表し、更にR3はnが2のとき、結合手又は炭素数1〜20のアルキレン基を表す。)
19.前記1〜18のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法によって製造されることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
20.前記19に記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする偏光板。
21.前記20に記載の偏光板を用いることを特徴とする液晶表示装置。
本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法、セルロースエステルフィルム、偏光板及び液晶表示装置は、製膜時に溶媒を使用しない溶融流延によって製造され、輝点異物が少なく、平面性に優れ、着色が少なく、寸法安定性に優れた効果を有する。
本発明に係るセルロースエステルフィルムの製造方法を実施する装置の1つの実施形態を示す概略フローシートである。 図1の製造装置の要部拡大フローシートである。 図3(a)は流延ダイの要部の外観図、図3(b)は流延ダイの要部の断面図である。 挟圧回転体の第1実施形態の断面図である。 挟圧回転体の第2実施形態の回転軸に垂直な平面での断面図である。 挟圧回転体の第2実施形態の回転軸を含む平面での断面図である。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、セルロース樹脂を熱溶融することによって製膜する方法を究明するためになされたもので、我々は、鋭意検討の結果、前記一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールが縮合した、分配係数が1〜7.5であるエステル化合物と、セルロースエステルとを含有する形成材料を溶融流延法によりフィルム状とするセルロースエステルフィルムにより、輝点異物、着色が改良できることを見出した。さらに、驚くべきことに、上記フィルム形成材料と溶融流延法との組み合わせによりフィルムの平面性がよく、寸法安定性に優れたセルロースエステルフィルムが得られることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。尚、前記一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールが縮合した、分配係数が1〜7.5であるエステル化合物は、本発明のセルロースエステルフィルム中において可塑剤として使用されるものである。
<有機酸と多価アルコールが縮合したエステル化合物>
前記一般式(1)において、R1〜R5は水素原子またはシクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、オキシカルボニルオキシ基を表し、これらはさらに置換基を有していて良い。Lは2価の連結基を表し、置換または無置換のアルキレン基、酸素原子、または直接結合を表す。
1〜R5で表されるシクロアルキル基としては、同様に炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、具体的にはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の基である。これらの基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、フェノキシ基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、アセチル基、プロピオニル基等の炭素数2〜8のアシル基、またアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等の炭素数2〜8の無置換のカルボニルオキシ基等が挙げられる。
1〜R5で表されるアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、γ−フェニルプロピル基等の基を表し、また、これらの基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
1〜R5で表されるアルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−オクチルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、もしくはt−ブトキシ等の各アルコキシ基である。また、これらの基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等を置換していてもよい)、アルケニル基、フェニル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい))、アセチル基、プロピオニル基等のアシル基が、またアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等の炭素数2〜8の無置換のアシルオキシ基、またベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基が挙げられる。
1〜R5で表されるシクロアルコキシ基としては、無置換のシクロアルコキシ基としては炭素数1〜8のシクロアルコキシ基が挙げられ、具体的には、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等の基が挙げられる。また、これらの基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
1〜R5で表されるアリールオキシ基としては、フェノキシ基が挙げられるが、このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等前記シクロアルキル基に置換してもよい基として挙げられた置換基で置換されていてもよい。
1〜R5で表されるアラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等が挙げられ、これらの置換基は更に置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
1〜R5で表されるアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基等の炭素数2〜8の無置換のアシル基が挙げられ(アシル基の炭化水素基としては、アルキル、アルケニル、アルキニル基を含む。)、これらの置換基は更に置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
1〜R5で表されるカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等の炭素数2〜8の無置換のアシルオキシ基(アシル基の炭化水素基としては、アルキル、アルケニル、アルキニル基を含む。)、またベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基が挙げられるが、これらの基は更に前記シクロアルキル基に置換してもよい基と同様の基により置換されていてもよい。
1〜R5で表されるオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、またフェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基を表す。これらの置換基は更に置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
また、R1〜R5で表されるオキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシカルボニルオキシ基を表し、これらの置換基は更に置換されていてもよく、好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
また、Lで表される連結基としては、置換または無置換のアルキレン基、酸素原子、または直接結合を表すを表すが、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の基であり、これらの基は、更に前記のR1〜R5で表される基に置換してもよい基としてあげられた基で置換されていてもよい。
中でも、Lで表される連結基として特に好ましいのは直接結合であり芳香族カルボン酸である。
またこれら本発明において可塑剤となるエステル化合物を構成する、前記一般式(1)で表される有機酸としては、R1〜R5が水素原子、または、少なくとも1つのR1〜R5に前記アルコキシ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基を有するものが好ましい。さらに、好ましくはR1〜R5の少なくとも2つ、さらに好ましくはR1〜R5の少なくとも3つが、前記アルコキシ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基を有するものが好ましい。R1又はR2又はRの少なくとも1つに前記アルコキシ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基を有することが好ましい。
なお本発明においては2価以上の多価アルコールの水酸基を置換する有機酸は単一種であっても複数種であってもよい。
本発明において、前記一般式(1)で表される有機酸と反応して多価アルコールエステル化合物を形成する2価以上の多価アルコール化合物としては、好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールであり、本発明おいて2価以上の多価アルコールは下記の一般式(2)で表されるものが好ましい。
一般式(2) R′−(OH)m
式中、R′はm価の有機基、mは2以上の正の整数、OH基はアルコール性水酸基を表す。特に好ましいのは、mとしては2〜4の範囲である多価アルコールである。
好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることが出来るが、本発明はこれらに限定されるものではない。アドニトール、アラビトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ガラクチトー
ル、グルコース、セロビオース、イノシトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることが出来る。特に、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましい。
一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールのエステルは、公知の方法により合成できる。実施例に代表的合成例を示したが、前記一般式(1)で表される有機酸と、多価
アルコールを例えば、酸の存在下縮合させエステル化する方法、また、有機酸を予め酸ク
ロライド或いは酸無水物としておき、多価アルコールと反応させる方法、有機酸のフェニ
ルエステルと多価アルコールを反応させる方法等があり、目的とするエステル化合物によ
り、適宜、収率のよい方法を選択することが好ましい。
この様にして得られる多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、300〜
1500であることが好ましく、400〜1000であることが更に好ましい。分子量が
大きい方が揮発し難くなるため好ましい。
添加量は、セルロールエステルに対して、0.1〜30質量部することが好ましく、より好ましくは1〜25質量部、さらに好ましくは5〜20質量部である。
一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールが縮合したエステル化合物は、分配係数が1〜7.5である化合物である。本発明における分配係数は、オクタノール・水分配係数(logP値)のことをさし、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)により求めた値である。logP値が7.5を超える化合物は、セルロースエステルとの相溶性が悪いため、溶融時に混合が不十分となり、輝点異物が発生しやすく、また形成後のフィルムも白濁や粉吹きを生じやすい。また、logP値が1よりも小さい化合物は親水性が高いためにセルロースエステルフィルムの耐水性を悪化させる場合がある。logP値としてさらに好ましい範囲は4.0〜6.5であり、特に好ましい範囲は5.0〜6.3である。
オクタノール・水分配係数(logP値)の測定は、JIS日本工業規格Z7260−
107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、オク
タノール・水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的
方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen’s fra
gmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21
(1987).)、Viswanadhan’sfragmentation法(J.C
hem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989).)、Broto
’s fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.−Chim.T
heor.,19,71(1984).)などが好ましく用いられるが、Crippen
’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.
,27,21(1987).)がより好ましい。ある化合物のlogPの値が測定方法あ
るいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Cr
ippen’s fragmentation法により判断することが好ましい。
本明細書に記載のlogPの値は、化合物の構造式より、Cambridge Sof
t社製、Chem Draw Ultra ver.0.1のCS ChemPropに
よりCrippen’s fragmentation:J.Chem.Inf.Com
put.Sci.,27,21(1987).にもとづいて計算を行って求めたものであ
る。
以下に、本発明に係わるエステル化合の具体的化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、構造式に併記した値は、分配係数の値と分子量を表す。
<脂肪族ポリエステル>
本発明において有用な脂肪族ポリエステルの1つのタイプは、好ましくは前記反復単位
(a)及び(b)から選ばれる少なくとも1種の反復単位を含む:
前記反復単位(a)において、mは0〜10の整数であり、R10は水素原子、C1〜C12の無置換アルキル基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC1〜C12のアルキル基、C5〜C10の無置換シクロアルキル基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキル基、から選ばれる少なくとも1種の基である。
もう一つのタイプの反復単位は、前記反復単位(b)で構成されているポリヒドロキシ
アルカノエートである。
反復単位(b)において、R8はC2〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及びC6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基、から選ばれる少なくとも1種の基であり、R9はC2〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及び、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基、から選ばれる少なくとも1種の基である。
本発明においては、前記脂肪族ポリエステルが、(i)ヒドロキシ酸、そのエステル形成性誘導体、(ii)ジカルボン酸、その誘導体又は(iii)ジオールから選ばれる少なくとも1種のポリエステル形成物から調製されることも好ましい。
ヒドロキシ酸としては、例えば、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン−カルボキシル酸、ヒドロキシトリメチル酢酸、6−ヒドロキシ−カプロン酸、グリコール酸、乳酸
、そのエステル形成誘導体及びその組合せから成るグループの中から選択され、ジカルボ
キシル酸としては、例えばマロン酸、スクシン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸
、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1
,3−シクロペンタンジカルボキシル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボキシル酸、1
,3−シクロヘキサンジカルボキシル酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸、2
,5−ノルボルナネジカルボキシル酸、そのエステル形成誘導体及びその組合せといった
ジ酸から成る群の中から選択され、ジオールとしては、例えばエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール
、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、チ
オジエタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサン−ジメ
タノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタン−ジオール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びその組合せから
成るグループの中から選択される。
好ましい脂肪族ポリエステルの具体例としては、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒド
ロキシブチレートとポリヒドロキシバレレートの共重合体、ポリ(グルタル酸ヘキサメチ
レン)、ポリ(アジピン酸ヘキサメチレン)、ポリ(セバシン酸エチレン)、ポリ(グル
タル酸テトラメチレン)、ポリ(アジピン酸テトラメチレン)、ポリ(セバシン酸テトラ
メチレン)、ポリ(グルタル酸エチレン)、ポリ(コハク酸エチレン)、ポリ(コハク酸
テトラメチレン)又はポリ(アジピン酸エチレン)が含まれる。
<脂肪族−芳香族コポリエステル>
本発明において有用な脂肪族−芳香族コポリエステルは、ランダム共重合体であり、好
ましくは、前記反復単位(c)で表される反復単位である。
反復単位(c)において、R4及びR7はそれぞれC2〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシから選ばれる少なくと1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシから選ばれる少なくと1個の置換基で置換されたC2〜C12のオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及び、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレンから選ばれる少なくとも1種の基であり、R5はC1〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及び、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基、から選ばれる少なくとも1種の基であり、R6はC6〜C10の無置換アリーレン基、及び、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC6〜C10のアリーレン基、から選ばれる少なくとも1種の基である。
前記一般式4で表される脂肪族−芳香族コポリエステルは、ジカルボン酸又はその誘導
体とジオールの任意のポリエステル形成組合せから調製される。
上記ジカルボン酸としては、例えばマロン酸、スクシン酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベ
リン酸、1,3−シクロペンタンジカルボキシル酸、1−4−シクロヘキサンジカルボキ
シル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボキシル酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレ
イン酸、2,5−ノルボルナネジカルボキシル酸、1,4−テレフタル酸、1,3−テレ
フタル酸、フタル酸、2,6−ナフトイン酸、1,5−ナフトイン酸及びそのエステル形
成誘導体及びそれらの組合せといったピロ酸から成る群の中から選択され、上記ジオール
はとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール
、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、
1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,
4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、及びその組合せから成る群の中から選択される。
好ましい化合物は、以下のモル%で以下のジオール及びジ酸(又はそのポリエステル形
成誘導体)から調製されるものである:
(1)グルタル酸(30〜65%);ジグリコール酸(0〜10モル%);テレフタル
酸(25〜60%);1,4−ブタンジオール(100モル%)。
(2)コハク酸(30〜85%);ジグリコール酸(0〜10%);テレフタル酸(5
〜60%);1,4−ブタンジオール(100モル%)。
(3)アジピン酸(30〜65%);ジグリコール酸(0〜10%);テレフタル酸(
25〜60%);1,4−ブタンジオール(100モル%)。
(4)コハク酸(30〜95%);テレフタル酸(5〜60%);エチレングリコール
(70〜100モル%);ジエチレングリコール(0〜30モル%)。
(5)コハク酸(30〜100%);ジグリコール酸(0〜70%);エチレングリコール(30〜100%);1,4−ブタンジオール(0〜70モル%)。
炭素数の平均が2〜3.5であるジオールと、炭層数の平均が4〜5.5であるジカル
ボン酸を含有する脂肪族ポリエステル、脂肪族−芳香族コポリエステルが好ましい。
尚、本発明において、本発明のポリエステル化合物、ポリエステル化合物の添加量は、セルロールエステルに対して、0.1〜30質量部、好ましくは1〜25質量部、より好
ましくは5〜20質量部である。
本発明に係わる可塑剤である前記一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールからなるエステル化合物は、セルロースエステルに対する相溶性が高く、高添加率で添加することができる特徴があるため、他の可塑剤や添加剤を併用してもブリードアウトを発生することがなく、必要に応じて他種の可塑剤や添加剤を容易に併用することができる。
併用できるその他の可塑剤としては、脂肪族カルボン酸−多価アルコール系可塑剤、特開2003−12823公報段落30〜33に記載されているような、無置換の芳香族カルボン酸またはシクロアルキルカルボン酸−多価アルコールエステル系可塑剤、あるいはジオクチルアジペート、ジシクロヘキシルアジペート、ジフェニルサクシネート、ジ2−ナフチル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート、トリシクロヘキシルトリカルバレート、テトラ3−メチルフェニルテトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボキシレート、テトラブチル−1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボキシレート、トリフェニル−1,3,5−シクロヘキシルトリカルボキシレート、トリフェニルベンゼン−1,3,5−テトラカルボキシレート、フタル酸系可塑剤(例えばジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等)、クエン酸系可塑剤(クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル等)等の多価カルボン酸エステル系可塑剤、トリフェニルホスフェート、ビフェニルジフェニルホスフェート、ブチレンビス(ジエチルホスフェート)、エチレンビス(ジフェニルホスフェート)、フェニレンビス(ジブチルホスフェート)、フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)(旭電化製アデカスタブPFR)、フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)(旭電化製アデカスタブFP500)、ビスフェノールAジフェニルホスフェート(旭電化製アデカスタブFP600)等のリン酸エステル系可塑剤、ポリマー可塑剤、炭水化物エステル系可塑剤などが挙げられる。
炭水化物エステル系可塑剤について説明する。炭水化物とは、糖類がピラノースまたはフラノース(6員環または5員環)の形態で存在する単糖類、二糖類または三糖類を意味する。炭水化物の非限定的例としては、グルコース、サッカロース、ラクトース、セロビオース、マンノース、キシロース、リボース、ガラクトース、アラビノース、フルクトース、ソルボース、セロトリオース及びラフィノース等が挙げられる。炭水化物エステルとは、炭水化物の水酸基とカルボン酸が脱水縮合してエステル化合物を形成したものを指し、詳しくは、炭水化物の脂肪族カルボン酸エステル、或いは芳香族カルボン酸エステルを意味する。脂肪族カルボン酸として、例えば酢酸、プロピオン酸等を挙げることができ、芳香族カルボン酸として、例えば安息香酸、トルイル酸、アニス酸等を挙げることができる。炭水化物は、その種類に応じた水酸基の数を有するが、水酸基の一部とカルボン酸が反応してエステル化合物を形成しても、水酸基の全部とカルボン酸が反応してエステル化合物を形成してもよい。本発明においては、水酸基の全部とカルボン酸が反応してエステル化合物を形成するのが好ましい。
炭水化物エステル系可塑剤として、具体的には、グルコースペンタアセテート、グルコースペンタプロピオネート、グルコースペンタブチレート、サッカロースオクタアセテート、サッカロースオクタベンゾエート等を好ましく挙げることができ、この内、サッカロースオクタアセテートがより好ましい。
また、ポリマー可塑剤として、例えば、脂肪族炭化水素系ポリマー、脂環式炭化水素系ポリマー、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルとの共重合体、アクリル酸とメタクリル酸メチルとメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルとの共重合体等のアクリル系ポリマー、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリN−ビニルピロリドン等のビニル系ポリマー、ポリスチレン、ポリ4−ヒドロキシスチレン等のスチレン系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア等が挙げられる。
しかしリン酸系可塑剤はセルロースエステルの溶融製膜に使用すると着色が発生しやすいため、フタル酸エステル系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、炭水化物エステル系可塑剤、アクリル酸ポリマー可塑剤を使用することが好ましい。
(セルロースエステル)
次に、本発明に用いられるセルロースエステルについて、詳述する。
本発明のセルロースエステルフィルムは、溶融流延法により製造される。溶融流延法は
フィルム製造時の有機溶媒使用量を、大幅に少なくすることが出来るため、従来の有機溶
媒を多量に使用する溶液流延法に比較して、環境適性が大幅に向上したフィルムが得られ
る。
本発明における溶融流延とは、実質的に溶媒を用いずにセルロースエステルを流動性を
示す温度まで加熱溶融しこれを用いて製膜する方法であり、例えば流動性のセルロースエ
ステルをダイスから押し出して製膜する方法である。なお溶融セルロースエステルを調製
する過程の一部で溶媒を使用してもよいが、フィルム状に成形を行う溶融製膜プロセスに
おいては溶媒を用いずに成形加工する。
光学フィルムを構成するセルロースエステルとしては、溶融製膜可能なセルロースエス
テルであれば特に限定はされないが、本発明に係るセルロースエステルは、脂肪酸アシル基、置換もしくは無置換の芳香族アシル基の中から少なくともいずれかの構造を含む、セルロースの前記単独または混合酸エステルであることが好ましい。
芳香族アシル基において、芳香族環がベンゼン環であるとき、ベンゼン環の置換基の例
としてハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ
基、アシル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、アラルキル基、ニト
ロ、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシルオキシ基、アルケニル基、アルキニル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシスルホニル基、アリ
ールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基及びアリールオキシスルホニル基
、−S−R、−NH−CO−OR、−PH−R、−P(−R)2、−PH−O−R、−P
(−R)(−O−R)、−P(−O−R)2、−PH(=O)−R−P(=O)(−R)2
、−PH(=O)−O−R、−P(=O)(−R)(−O−R)、−P(=O)(−O−
R)2、−O−PH(=O)−R、−O−P(=O)(−R)2−O−PH(=O)−O−
R、−O−P(=O)(−R)(−O−R)、−O−P(=O)(−O−R)2、−NH
−PH(=O)−R、−NH−P(=O)(−R)(−O−R)、−NH−P(=O)(
−O−R)2、−SiH2−R、−SiH(−R)2、−Si(−R)3、−O−SiH2
R、−O−SiH(−R)2及び−O−Si(−R)3が含まれる。上記Rは脂肪族基、芳
香族基またはヘテロ環基である。置換基の数は、1個〜五個であることが好ましく、1個
〜4個であることがより好ましく、1個〜3個であることが更に好ましく、1個または二
個であることが最も好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、カルボンアミド基、スルホンア
ミド基及びウレイド基が好ましく、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アシル基及びカルボンアミド基がより好ましく、ハロゲン原子、シア
ノ、アルキル基、アルコキシ基及びアリールオキシ基が更に好ましく、ハロゲン原子、ア
ルキル基及びアルコキシ基が最も好ましい。
上記ハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が含まれる。
上記アルキル基は、環状構造或いは分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素数は、1
〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが
更に好ましく、1〜4であることが最も好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル
、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル
及び2−エチルヘキシルが含まれる。上記アルコキシ基は、環状構造或いは分岐を有して
いてもよい。アルコキシ基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜12である
ことがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが最も好まし
い。アルコキシ基は、更に別のアルコキシ基で置換されていてもよい。アルコキシ基の例
には、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メトキシ−2−エトキシエトキ
シ、ブチルオキシ、ヘキシルオキシ及びオクチルオキシが含まれる。
上記アリール基の炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更
に好ましい。アリール基の例には、フェニル及びナフチルが含まれる。上記アリールオキ
シ基の炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。
アリールオキシ基の例には、フェノキシ及びナフトキシが含まれる。上記アシル基の炭素
数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。アシル基の
例には、ホルミル、アセチル及びベンゾイルが含まれる。上記カルボンアミド基の炭素数
は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。カルボンアミ
ド基の例には、アセトアミド及びベンズアミドが含まれる。上記スルホンアミド基の炭素
数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。スルホンア
ミド基の例には、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド及びp−トルエンスル
ホンアミドが含まれる。上記ウレイド基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1
〜12であることが更に好ましい。ウレイド基の例には、(無置換)ウレイドが含まれる
上記アラルキル基の炭素数は、7〜20であることが好ましく、7〜12であることが
更に好ましい。アラルキル基の例には、ベンジル、フェネチル及びナフチルメチルが含ま
れる。上記アルコキシカルボニル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、2〜1
2であることが更に好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルが
含まれる。上記アリールオキシカルボニル基の炭素数は、7〜20であることが好ましく
、7〜12であることが更に好ましい。アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキ
シカルボニルが含まれる。上記アラルキルオキシカルボニル基の炭素数は、8〜20であ
ることが好ましく、8〜12であることが更に好ましい。アラルキルオキシカルボニル基
の例には、ベンジルオキシカルボニルが含まれる。上記カルバモイル基の炭素数は、1〜
20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。カルバモイル基の例に
は、(無置換)カルバモイル及びN−メチルカルバモイルが含まれる。上記スルファモイ
ル基の炭素数は、20以下であることが好ましく、12以下であることが更に好ましい。
スルファモイル基の例には、(無置換)スルファモイル及びN−メチルスルファモイルが
含まれる。上記アシルオキシ基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、2〜12で
あることが更に好ましい。アシルオキシ基の例には、アセトキシ及びベンゾイルオキシが
含まれる。
上記アルケニル基の炭素数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることが
更に好ましい。アルケニル基の例には、ビニル、アリル及びイソプロペニルが含まれる。
上記アルキニル基の炭素数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることが更
に好ましい。アルキニル基の例には、チエニルが含まれる。上記アルキルスルホニル基の
炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。上記ア
リールスルホニル基の炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが
更に好ましい。上記アルキルオキシスルホニル基の炭素数は、1〜20であることが好ま
しく、1〜12であることが更に好ましい。上記アリールオキシスルホニル基の炭素数は
、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。上記アルキルス
ルホニルオキシ基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更
に好ましい。上記アリールオキシスルホニル基の炭素数は、6〜20であることが好まし
く、6〜12であることが更に好ましい。
本発明に係るセルロースエステルにおいて、セルロースの水酸基部分の水素原子が脂肪
族アシル基との脂肪酸エステルであるとき、脂肪族アシル基は炭素数が2〜20で、具体
的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキ
サノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられる。
本発明において前記脂肪族アシル基とは、更に置換基を有するものも包含する意味であ
り、置換基としては上述の芳香族アシル基において、芳香族環がベンゼン環であるとき、
ベンゼン環の置換基として例示したものが挙げられる。
また、上記セルロースエステルのエステル化された置換基が芳香環であるとき、芳香族
環に置換する置換基Xの数は0または1〜5個であり、好ましくは1〜3個で、特に好ま
しいのは1または2個である。更に芳香族環に置換する置換基の数が2個以上の時、互い
に同じでも異なっていてもよいが、また、互いに連結して縮合多環化合物(例えば、ナフ
タレン、インデン、インダン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、クロメン、ク
ロマン、フタラジン、アクリジン、インドール、インドリンなど)を形成してもよい。
上記セルロースエステルにおいて置換もしくは無置換の脂肪族アシル基、置換もしくは
無置換の芳香族アシル基の少なくともいずれか1種選択された構造を有する構造を有する
ことが本発明に係るセルロースエステルに用いる構造として用いられ、これらは、セルロ
ースの単独または混合酸エステルでもよく、2種以上のセルロースエステルを混合して用
いてもよい。
本発明に係るセルロースエステルとしては、セルロースアセテート、セルロースプロピ
オネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースア
セテートブチレート、セルロースアセテートフタレート及びセルロースフタレートから選
ばれる少なくとも1種であることが好ましい。中でも混合脂肪酸エステルであるセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートが好ましく、セルロースアセテートプロピオネートが特に好ましい。
なお溶液流延製膜で一般に用いられているセルロースエステルであるトリアセチルセルロースについては、溶融温度よりも分解温度の方が高いセルロースエステルであるため、溶融製膜には用いることは困難である。
混合脂肪酸エステルの置換度として、更に好ましいセルロースアセテートプロピオネー
トやセルロースアセテートブチレートの低級脂肪酸エステルは炭素数2〜4のアシル基を
置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基またはブチリル基の置
換度をYとした時、下記式(I)及び式(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロース樹脂である。
式(I) 2.5≦X+Y≦2.9
式(II) 0.1≦X≦2.5
この内特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも1.2≦
X≦2.1であり、0.1≦Y≦1.4であることが好ましい。上記アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているのものである。これらは公知の方法で合成
することができる。
アセチル基、プロピオニル基、ブチル基などのアシル基の置換度は、ASTM−D81796に準じて測定することができる。
更に、本発明で用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量Mw/数平均分子量
Mn比が1.5〜5.5のものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.7〜5.0であ
り、更に好ましくは2.0〜3.0である。
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用いて公知の方法で測定することが出来る。これを用いて数平均分子量、重量平均分子量を算出する。
〔GPC測定条件〕
溶媒 :テトヒドロフラン
装置 :HLC−8220(東ソー(株)製)
カラム :TSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)
カラム温度:40℃
試料温度 :0.1質量%
注入量 :10μl
流量 :0.6ml/min
校正曲線 :標準ポリスチレン:PS−1(Polymer Laboratorie
s社製)Mw=2,560,000〜580までの9サンプルによる校正曲線を使用した
このようなセルロースエステルは、例えばセルロースの水酸基を無水酢酸、無水プロピ
オン酸及び/又は無水酪酸を用いて常法によりアセチル基、プロピオニル基及び/または
ブチル基を上記範囲内に置換することで得られる。このようなセルロースエステルの合成
方法は、特に限定はないが、例えば、特開平10−45804号あるいは特表平6−50
1040号に記載の方法を参考にして合成することができる。
また、その他(酢酸等)残留酸を含めたトータル残留酸量は1000ppm以下が好ましい。
また、工業的にはセルロースエステルは硫酸を触媒として合成されているが、この硫酸
は完全には除去されておらず、残留する硫酸が溶融製膜時に各種の分解反応を引き起こし
、得られるセルロースエステルフィルムの品質に影響を与えるため、本発明に用いられる
セルロースエステル中の残留硫酸含有量は、硫黄元素換算で0.1〜40ppmの範囲で
ある。これらは塩の形で含有していると考えられる。残留硫酸含有量が40ppmを超え
ると熱溶融時のダイリップ部の付着物が増加するため好ましくない。また、熱延伸時や熱
延伸後でのスリッティングの際に破断しやすくなるため好ましくない。少ない方が好まし
いが、0.1未満とするにはセルロース樹脂の洗浄工程の負担が大きくなりすぎるため好
ましくないだけでなく、逆に破断しやすくなることがあり好ましくない。これは洗浄回数
が増えることが樹脂に影響を与えているのかもしれないがよく分かっていない。さらに0
.1〜30ppmの範囲が好ましい。残留硫酸含有量は、同様にASTM−D817−9
6により測定することができる。
本発明で用いられるセルロースエステルの原料セルロースは、木材パルプでも綿花リン
ターでもよく、木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ましい。
製膜の際の剥離性の点からは綿花リンターが好ましく用いられる。これらから作られたセ
ルロースエステルは適宜混合して、或いは単独で使用することができる。
例えば、綿花リンター由来セルロースエステル:木材パルプ(針葉樹)由来セルロース
エステル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエステルの比率が100:0:0、90
:10:0、85:15:0、50:50:0、20:80:0、10:90:0、0:
100:0、0:0:100、80:10:10、85:0:15、40:30:30で
用いることができる。
<酸化防止剤>
セルロースエステルフィルム中に酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等
を低下させることなく、成型時の熱や酸化劣化等による成形体の着色や強度低下を防止で
きる。
本発明において有用な酸化防止剤としては、フィルム成形材料の劣化を抑制する化合物であれば制限なく用いることができるが、中でも有用な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、耐熱加工安定剤、酸素スカベンジャー、前記一般式(I)で表されるフェノール部及びヒンダードアミン部を分子中に有する酸化防止剤、特公平8−27508号公報記載の3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン系化合物、3,3′−スピロジクロマン系化合物、1,1−スピロインダン系化合物、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリンオキシド、チオモルホリンジオキシド、ピペラジン骨格を部分構造に有する化合物、特開平3−174150号公報記載のジアルコキシベンゼン系化合物等の酸素スカベンジャー等が挙げられる。
これらの中でも、特にフェノール系酸化防止剤、耐熱加工安定剤、リン系酸化防止剤が好ましい。
本発明において、前記一般式(I)で表されるフェノール部及びヒンダードアミン部を
分子中に有する酸化防止剤を用いることが好ましい。
一般式(I)において、nは1または2を表し、Ra、Rb及びRdは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rcは炭素数1〜9のアルキル基を表し、Reは水素原子または炭素原子1〜5のアルキル基を表し、Rfは水素原子または炭素原子1〜5のアルキル基を表し、但しRe及びRfは相互に交換可能であり、Xは−O−または−NR−基(基中、Rは水素原子、アルキル基を表す。)を表し、R1は水素原子、−O−、炭素原子1〜12のアルキル基、炭素原子3または4のアルケニル基を表し、またはR1がA−CO−基を表し、但しAは炭素原子1〜12のアルキル基を表し、R2は前記一般式(II)であり、(一般式(II)において、R6及びR7は互いに独立して炭素原子1〜9のアルキル基を表し、そしてR8は水素原子またはメチル基を表す。)で表されるヒドロキシベンジル基を表し、R3はnが1のとき、炭素原子1〜20の非置換アルキル基、または−COOR12
−OCOR13または−P(O)(OR142((基中、R12は炭素原子1〜18のアルキル基、または前記一般式(III)であり、(一般式(III)において、中、R1、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは一般式2)のそれらと同義である。)で表される基を表し、R13は非置換もしくは炭素数1〜4のアルキル基または水酸基で置換されてもよいフェニル基を表し、そしてR14は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表される基の1個以上で置換される炭素数1〜10のアルキル基を表し、そしてR3は更に炭素数3〜18のアルケニル基、炭素数7〜19のアラルキル基、フェニル基を表し、またはR3は−OCOR16((基中、R16は炭素数1〜12のアルキル基、各々炭素数1〜4のアルキル基2個及び水酸基で置換されていてもよいフェニル基を表す。)、−NHCOR16(R16は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)で表される基を表し、そして更に加えるにR3はnが2のとき、直接結合、炭素数1〜20のアルキレン基を表す。)
前記一般式(I)において、Ra、Rb及びRdは炭素数1〜6の直鎖または分岐アル
キル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、イソペンチルまたは
n−ヘキシル基である。Rcは炭素数1〜9の直鎖または分岐アルキル基、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−エチル
ヘキシル、n−ノニルまたはイソノニル基である。Re及びRfは炭素数5までのアルキ
ル基で、但しReは好ましくはRbより炭素数を1少なく含み、そしてRe及びRfの位
置は交換可能である。
好ましいRa、Rb、Rc及びRdはメチル基であり、Re及びRfは水素原子である
。炭素数1〜12のアルキル基であるR1、R16及びAは第一アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシルもしくはn−ドデシル基である。
アルケニル基であるR1及びR16は、例えば、アリル、メタクリルもしくはブテニルでもよい。R1がA−CO−基を表す場合は、該基はAの意味によるが、カルボン酸基、例
えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、カプロニル、カプリロイル、ラウロイルであ
る。前記一般式(2)での定義に従って、R2はパラ−もしくはメタ−ヒドロキシベンジ
ル基である。ベンジル基にあるR6及びR7は炭素数1〜9の直鎖または分岐アルキル基で
あり、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、第三ブチル、1,1,3,3−テトラメ
チルブチルもしくは第三ノニル基である。R6及びR7は、好ましくは炭素数1〜4のアル
キル基、特にメチルもしくは第三ブチル基である。
nの値にとって、R3は一価若しくは二価有機基である。炭素数1〜20のアルキル基
であるR3は、例えば、上記R1で与えたアルキル基の一つであり、そしてまた分岐アルキ
ル基、例えば、イソプロピル、イソペンチル、2−エチルブチル、2−エチルヘキシルも
しくはイソノニル基、またはより高級アルキル基、例えば、n−ヘキサデシル、n−オク
タデシルもしくはn−エイコシル基を表す。
置換された、または中断されたアルキル基として、R3は、例えば、以下の基の一つで
ある:2−フェノキシエチル、2−ベンゾイルオキシエチル、2−p−トリルオキシプロ
ピル、シクロヘキシルオキシメチル、2,3−ジ(フェノキシ)プロピル、2−フェニル
チオエチル、2−(4−第三ブチルフェニルチオ)エチル、2−アセチルエチル、2−イ
ソブチリルエチル、2−(ドデシルカルボニル)エチル、2−シアノエチル、シアノメチ
ル、3−シアノプロピル、メトキシカルボニルメチル、ドデシルオキシカルボニルメチル
、2−エトキシカルボニルエチル、1,2−ジ(メトキシカルボニル)プロピル、2,3
−ジ(エトキシカルボニル)エチル、2−(ブチルアミノカルボニル)エチル、2−(シ
クロヘキシルカルボニル)エチル、2−(第三ブチルオキシカルボニル)エチル、2−(
オクタデシルオキシカルボニル)プロピル、4−(プロポキシカルボニル)ブチル、2−
アセトキシエチル、1,2−ジアセトキシエチル、2−(イソオクタノイルオキシ)プロ
ピル、2−(オクタデカノイルオキシ)エチル、2−(シクロペンチルカルボニルオキシ
)エチル、3−ベンゾイルオキシプロピル、2−(p−第三ブチルベンゾイルオキシ)エ
チル、2−サリチロイルオキシエチル、2−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ
ベンゾイルオキシ)エチル、2−フェニルアセチルオキシエチル、2−(3,5−ジ−第
三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)プロピル、ジエチルホスホノメ
チル、2−ジメチルホスホノエチル、2−(ジオクチルホスホノ)エチル、ジフェニルホ
スホノメチル、3−(ジアリルホスホノ)プロピル、メトキシメチル、2−ブトキシエチ
ル、2−オクタデシルオキシエチル、イソプロポキシメチル、3−ブチルチオプロピル、
2−ドデシルチオエチル、2−(イソヘキシルスルフィニル)エチル、2−オクタデシル
スルホニルエチル、2−エチルスルホニルプロピル、2−(2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−4−イルオキシカルボニル)エチル、2−(1,2,2,6,6−ペンタ
メチルピペリジン−4−イルアミノカルボニル)エチル、2−(2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン−4−イルオキシカルボニル)−2−(メトキシカルボニル)ヘキシル
または2,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシカルボ
ニル)ヘキシル。
アルケニル基であるR3は、例えば、アリル、メタクリル、2−ブテン−1−イル、3
−ヘキセン−1−イル、ウンデセニルまたはオレイル基である。
アラルキル基であるR3は、例えば、ベンジル、2−フェニルプロピル、β−ナフチル
メチル、4−メチルベンジル、4−第三ブチルベンジルもしくは4−メチルナフチル−1
−メチル基である。
−OCOR16もしくは−NHCOR16であるR3は、例えば、アセトキシ、プロピオキシ、ブチロキシ、オクタノイロキシ、ドデカノイロキシ、ベンゾイルオキシ、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ、アセトアミノ、ブチリルアミノもしくはデカノイルアミノ基である。
nが2の場合、R3は直接結合を表すか、または二価の有機基である。そのような基はアルキレン、例えば、メチレン、エチレンもしくは炭素数20までのポリメチレン基であ
る。
化合物は、式中RaないしRdがメチル基であり、そしてRe及びRfが水素原子であ
るか、またはRa及びRcはエチル基であり、Rb、Rd及びReはメチル基であり、そ
してRfが水素原子であるものである。
そしてまた好ましくは、式中Xは酸素またはNH基であり、R1が水素原子、−O−、炭素数1〜4のアルキル、アリル、プロパルギル、アセチル、アクリロイルもしくはクロ
トノイル基を表し、R2が下記一般式(IIa)及び(IIb)において、R6及びR7は各々独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、R8は水素原子またはメチル基を表し、R3
nが1の場合、炭素数1〜18の非置換アルキル基、または−COOR12、−OCOR13または−P(O)(OR142(基中、R12は炭素原子1〜4のアルキル基、または前記一般式(III)を表し、R13はフェニル基を表し、R14は炭素原子1〜4のアルキル基を表す。)で表される基の1つもしくは2つで置換されている炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のアルケニル基、フェニル基、炭素数7〜15のアラルキル基、または−OCOR16(基中、R16は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル基または2−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル基)で表される基、−NHCOR16(R16は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)で表される基を表すか、またはnが2の場合、直接結合、炭素数1〜12のアルキル基を表す一般式(I)で表される化合物である。
特に好ましくは、前記一般式(I)中、nが1もしくは2であり、Ra、Rb、Rc及
びRdがメチル基であり、そしてRe及びRfが水素原子であり、Xが酸素原子であり、
そしてR1は水素原子、−O−、炭素数1〜4のアルキル基、アリル基またはアセチル基
を表し、R2は、前記一般式(IIa)、(IIb)において、R6が第三ブチル基を表し、R
7はメチル基もしくは第三ブチル基を表し、R8は水素原子またはメチル基を表すヒドロキ
シベンジル基であり、そしてR3は−COOR12(基中、R12は炭素数1〜4のアルキル
基または下記一般式(IIIa)で表される基を表す。)で表される基の1つまたは2つで
置換されるか、または−P(O)(OR142(基中、R14は炭素数1〜4のアルキル基
)で表される基で置換される炭素数1〜18のアルキル基、またはアリル、ベンジル、フ
ェニル、炭素数1〜8のアルキレンもしくはキシリレンをあらわすような化合物である。
本発明はまた多くてもピペリジン基と当量で酸を添加して形成される、前記一般式(I
)で表される化合物は塩をも含む。そのような酸は、無機酸、例えば、硫酸、塩酸、リン
酸、有機カルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、安息香酸、またはサ
リチル酸、有機スルホン酸、例えば、m−もしくはp−トルエンスルホン酸、メタンスル
ホン酸または有機リン含有酸、例えば、ジフェニルリン酸、ジフェニルホスフィン酸であ
る。
以下、前記一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物の合成は、下記に示すようにマロン酸低級
アルキルエステル、例えば、ジエチルマロネートを(IV)で表される4−ピペリジノール、または4−アミノピペリジンと反応させて、相当するビスピペリジニルマロン酸誘導体(V)へ変換することから始まる。なおR1の導入は、N−アルキル化またはN−アシル化の一般的方法、例えば、アルキルハライド、アルケニルハライドまたはカルボン酸クロライドを好ましくは塩基1モル量以下の存在下で反応させる方法で行われ得る。
次にヒドロキシベンジル基R2の導入は、R2−S−CS−N(R)2(Rは炭素数1〜
5のアルキル基、または窒素原子と共に両方のRはモルホリン、ピロリジンまたはピペリ
ジン環を表す。)で表されるヒドロキシベンジルジチオカルバメートと反応させて行う。
かかるジチオカルバメートはフェノールをホルムアデヒド、二硫化炭素及び第二級アミン
と反応させることで得られる。
ヒドロキシベンジル基R2の他の導入は、ヒドロキシベンジルアミンR2−N(R)2
反応させることからなる。かかるアミンはフェノールを所謂マンニッヒ反応でホルムアル
デヒド及び第二級アミンと反応させることによって得られる。
Xが酸素原子である場合、R2は最初にアルカリ金属、アルカリアルコラート、アルカ
リアミドもしくはアルカリ水素化物、または同様な塩基性アルカリ化合物の1当量と反応
させて、エステル(IV)をアルカリ化合物(V)へ変換し、続いてヒドロキシベンジルハ
ロゲン化物(R2−Hal、Hal:Cl、BrもしくはI)1モルと常法により反応さ
せるマロン酸エステル合成の方法で導入される。
上記3つの方法のいずれかで下記(VI)で表されるヒドロキシベンジルマロン酸誘導体を製造し、該誘導体へR3が続いて導入される。
3の導入は最初に(VI)をそのアルカリ化合物へ変換し、該化合物をハロゲン化合物
3HalもしくはR3Hal2と反応させることによるマロン酸エステルのC−アルキル
化の従来法で行う。
合成例:化合物31の合成
ブチルマロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エス
テル、23.3g(0.05モル)及びN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ジメチルアミン、13.2g(0.05モル)を、トルエン200ml中に溶
解する。リチウムアミド0.25gを添加した後、混合物を4時間還流する。冷後、1%
酢酸1.5mlで中和し、有機相を繰り返し水洗する。Na2SO4で乾燥後、減圧下で溶
液を濃縮する。その結果、化合物31が得られる。融点:140℃。
他の例示化合物も同様にして得られる。
一般式(I)で表される化合物のセルロースエステルに対する添加量は添加する化合物
1種あたり、セルロースエステル100質量部に対して、通常0.001〜10.0質量
部、好ましくは0.01〜5.0質量部、更に好ましくは0.1〜3.0質量部である。
(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
本発明において好ましいヒンダードフェノール系酸化防止剤は、フェノール化合物の水酸基に対してオルト位置にかさ高い分岐アルキルを有する構造である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は既知の化合物であり、例えば、米国特許第4,839,405号明細書の第12〜14欄に記載されているものなどの、2,6−ジアルキルフェノール誘導体が好ましい。このような化合物には、以下の一般式(A)のものが含まれる。
上式中、R1、R2及びR3は、更に置換されているか、または置換されていないアルキ
ル置換基を表す。
ヒンダードフェノール系化合物の具体例には、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−アセテート、n−オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、n−ドデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、ネオ−ドデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシルβ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(n−オクチルチオ)エチル3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチ
オ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オ
クタデシルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−
(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエ
ート、ジエチルグリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル
)プロピオネート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアルアミドN,N−ビス−[エチレン
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−ブチ
ルイミノN,N−ビス−[エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ
)エチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート
、1,2−プロピレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコールビス−[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレング
リコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、グリ
セリン−l−n−オクタデカノエート−2,3−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリトリトール−テトラキス−[3−(3′,
5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,1−ト
リメチロールエタン−トリス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、ソルビトールヘキサ−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]、2−ヒドロキシエチル7−(3−メチル−5−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−ステアロイルオキシエチル7
−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,6−
n−ヘキサンジオール−ビス[(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル
)プロピオネート]、ペンタエリトリトール−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシヒドロシンナメート)が含まれる。上記タイプのヒンダードフェノール系酸
化防止剤化合物は、例えば、Ciba Specialty Chemicalsから、
”Irganox1076”及び”Irganox1010”という商品名で市販されて
いる。
(リン系酸化防止剤)
本発明で用いられるリン系酸化防止剤としては、下記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)、(C−4)、(C−5)で表される部分構造を分子内に有する化合物が好ましい。
特に好ましくは、一般式(C−2)で表される部分構造を分子内に有する化合物である。
式中、Ph1及びPh′1は2価の置換基を表し、好ましくはフェニレン基を表し、該フェニレン基の水素原子はフェニル基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基で置換されていてもよい。Ph1及びPh′1は互いに同一でもよく、異なってもよい。Xは単結合、硫黄原子または−CHR6−基を表す。R6は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数5〜8のシクロアルキル基を表す。また、これらは下記一般式(C−2)のPh2及びPh′2で表される置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
式中、Ph2及びPh′2は水素原子又は置換基を表す。置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、シアノ基、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(ジメチルスルファモイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えばエチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、フェニルスルホニル基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンオキシド基(例えばピリジン−オキシド基)、イミド基(例えばフタルイミド基等)、ジスルフィド基(例えばベンゼンジスルフィド基、ベンゾチアゾリル−2−ジスルフィド基等)、カルボキシル基、スルホ基、ヘテロ環基(例えば、ピロール基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等)等が挙げらる。これらの置換基は更に置換されてもよい。より好ましくは、Ph2及びPh′2はフェニル基またはビフェニル基を表し、該フェニル基またはビフェニル基の水素原子は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基で置換されていてもよい。Ph2及びPh′2は互いに同一でもよく、異なってもよい。また、これらは前記Ph2及びPh′2で表される置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
式中、Ph3は水素原子または置換基を表す。置換基としては前記Ph2及びPh′2で表される置換基と同義である。より好ましくは、Ph3はフェニル基またはビフェニル基を表し、該フェニル基またはビフェニル基の水素原子は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基または炭素数7〜12のアラルキル基で置換されていてもよい。また、これらは前記Ph2及びPh′2で表される置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
式中、Ph4は水素原子または置換基を表す。置換基としては前記Ph2及びPh′2で表される置換基と同義である。より好ましくは、Ph4は炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基を表し、該アルキル基またはフェニル基は前記Ph2及びPh′2で表される置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
式中、Ph5、Ph′5及びPh″5は水素原子または置換基を表す。置換基としては前記Ph2及びPh′2で表される置換基と同義である。より好ましくは、Ph5、Ph′5及びPh″5は炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基を表し、該アルキル基またはフェニル基は前記Ph2及びPh′2で表される置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
リン系化合物の具体例としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン、トリデシルホスファイト等のモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物;トリフェニルホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4′−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4′−ジイルビスホスホナイト等のホスホナイト系化合物;トリフェニルホスフィナイト、2,6−ジメチルフェニルジフェニルホスフィナイト等のホスフィナイト系化合物;トリフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等のホスフィン系化合物;等が挙げられる。
上記タイプのリン系化合物は、例えば、住友化学工業株式会社から、”SumilizerGP”、旭電化工業株式会社からADK STAB PEP−24G”、”ADK STAB PEP−36”及び”ADK STAB 3010”、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社から”IRGAFOS P−EPQ”、堺化学工業株式会社から“GSY−P101”という商品名で市販されている。
また、下記の化合物などが挙げられる。
(イオウ系化合物)
本発明においては、酸化防止剤の一つとして、下記一般式(D)で表されるイオウ系化合物も用いることができる。
一般式(D)において、R31及びR32は水素原子または置換基を表す。置換基としては置換基としては前記Ph2及びPh′2で表される置換基と同義である。これらの置換基は同様の置換基によってさらに置換されていてもよい。
イオウ系化合物の具体例としては、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
上記タイプのイオウ系化合物は、例えば、住友化学工業株式会社から、”Sumilizer TPL−R”及び”Sumilizer TP−D”という商品名で市販されている。
(耐熱加工安定剤)
本発明において、耐熱加工安定剤を用いることが好ましく、特に、下記一般式(E)または下記一般式(F)で表される化合物を用いる事が好ましい。
一般式(E)において、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表す。〕
一般式(E)中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子またはメチル基である。
2およびR3は、それぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表し、直鎖でも、分岐構造または環構造を有してもよい。R2およびR3は、好ましくは4級炭素を含む「*−C(CH32−R’」で表される構造(*は芳香環への連結部位を表し、R’は炭素数1〜5のアルキル基を表す。)である。R2は、より好ましくはtert−ブチル基、tert−アミル基またはtert−オクチル基である。R3は、より好ましくはtert−ブチル基、tert−アミル基である。
前記一般式(E)で表される化合物として、「Sumilizer GM」「Sumilizer GS」という商品名で、住友化学工業(株)から市販されている。
以下に上記炭素ラジカル捕捉剤の具体例(E−1〜E−18)を例示するが、本発明は
これらに限定されるものではない。
前記一般式(F)において、R12〜R15はおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。R12〜R15で表される置換基は、特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基
、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチ
ルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オ
クチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2
−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカ
ルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリー
ルオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレ
イド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等
の各基が挙げられる。これらの置換基は同様の置換基によってさらに置換されていてもよ
い。
前記一般式(F)において、R12〜R15は水素原子またはアルキル基が好ましい。
前記一般式(F)において、R16は水素原子または置換基を表し、R16で表される置換
基は、R12〜R15が表す置換基と同様な基を挙げることができる。
前記一般式(F)において、R16は水素原子が好ましい。
前記一般式(F)において、nは1または2を表す。
前記一般式(F)において、nが1であるときR11は置換基を表し、nが2であるとき
11は2価の連結基を表す。
11が置換基を表すとき、置換基としては、R12〜R15が表す置換基と同様な基を挙げることができる。R11は2価の連結基を表すとき、2価の連結基として例えば、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、あるいはこれらの連結基の組み合わせを挙げることができる。
前記一般式(F)において、nは1が好ましく、その時のR11は置換または無置換のフェニル基が好ましく、アルキル基、アシルオキシ基が置換したフェニル基が好ましい。
次に、本発明における前記一般式(F)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は
以下の具体例によって限定されるものではない。
(ヒンダードアミン光安定剤)
ヒンダードアミン光安定剤は、N原子近傍にかさ高い有機基(例えば、かさ高い分岐ア
ルキル基)を有する構造である。これは既知の化合物であり、例えば、米国特許第4,6
19,956号明細書の第5〜11欄及び米国特許第4,839,405号明細書の第3
〜5欄に記載されているように、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン化合物、ま
たはそれらの酸付加塩もしくはそれらと金属化合物との錯体が含まれる。このような化合
物には、以下の一般式(G)のものが含まれる。
一般式(G)において、R1及びR2は、Hまたは置換基である。ヒンダードアミン光安定剤の具体例には、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ア
リル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−
ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(4−t−ブチル−2−ブ
テニル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−エチル−4−サリチロイルオ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,
2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−
4−イル−β(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、
1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルマレイネート(mal
einate)、(ジ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−アジペ
ート、(ジ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−セバケート、(ジ
−1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)−セバケ
ート、(ジ−1−アリル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−フ
タレート、1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−アセテ
ート、トリメリト酸−トリ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)エ
ステル、1−アクリロイル−4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、ジブチル−マロン酸−ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4
−イル)−エステル、ジベンジル−マロン酸−ジ−(1,2,3,6−テトラメチル−2
,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)−エステル、ジメチル−ビス−(2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン−4−オキシ)−シラン,トリス−(1−プロピル−2,2
,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフィット、トリス−(1−プロピ
ル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフェート,N,N′−
ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,
6−ジアミン、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル
)−ヘキサメチレン−1,6−ジアセトアミド、1−アセチル−4−(N−シクロヘキシ
ルアセトアミド)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、4−ベンジルアミノ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ジブチル−アジパミド、N,N′−ビス−(
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ジシクロヘキシル−
(2−ヒドロキシプロピレン)、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン−4−イル)−p−キシリレン−ジアミン、4−(ビス−2−ヒドロキシエチル)
−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メタクリルアミド−1,
2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、α−シアノ−β−メチル−β−[N−(2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]−アミノ−アクリル酸メチルエステ
ル。
好ましいヒンダードアミン光安定剤の例には、以下のHALS−1及びHALS−2が
含まれる。
酸化防止剤は、前述のセルロースエステル同様に、製造時から持ち越される、あるいは
保存中に発生する残留酸、無機塩、有機低分子等の不純物を除去することが好ましく、より好ましくは純度99%以上である。残留酸及び水としては、0.01〜100ppmであることが好ましく、セルロースエステルを溶融製膜する上で、熱劣化を抑制でき、製膜安定性、フィルムの光学物性、機械物性が向上する。
酸化防止剤は、それぞれ1種あるいは2種以上組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、セルロースエステル100質量部に対して、通常0.001〜10.0質量部、好ましくは0.01〜5.0質量部、さらに好ましくは、0.1〜3.0質量部である。
酸化防止剤の添加量が少なすぎると溶融時に安定化作用が低いために、効果が得られず、また添加量が少なすぎるとセルロースエステルへの相溶性の観点からフィルムとしての透明性の低下を引き起こし、またフィルムが脆くなることがあるため好ましくない。
これら酸化防止剤の部分構造が、ポリマーの一部、或いは規則的にポリマーへペンダントされていてもよく、可塑剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に導入されていてもよい。
(酸掃去剤)
酸掃去剤とは製造時から持ち込まれるセルロースエステル中に残留する酸(プロトン酸
)をトラップする役割を担う剤である。また、セルロースエステルを溶融するとポリマー
中の水分と熱により側鎖の加水分解が促進し、CAPならば酢酸やプロピオン酸が生成す
る。これらの酸は、セルロースエステルの分解を促進するため、酸掃去剤を使用するのが
好ましい。酸と化学的に結合できればよく、エポキシ、3級アミン、エーテル構造等を有
する化合物が挙げられるが、これに限定されるものでない。
具体的には、米国特許第4,137,201号明細書に記載されている酸掃去剤として
のエポキシ化合物を含んでなるのが好ましい。このような酸掃去剤としてのエポキシ化合
物は当該技術分野において既知であり、種々のポリグリコールのジグリシジルエーテル、
特にポリグリコール1モル当たりに約8〜40モルのエチレンオキシドなどの縮合によっ
て誘導されるポリグリコール、グリセロールのジグリシジルエーテルなど、金属エポキシ
化合物(例えば、塩化ビニルポリマー組成物において、及び塩化ビニルポリマー組成物と
共に、従来から利用されているもの)、エポキシ化エーテル縮合生成物、ビスフェノール
Aのジグリシジルエーテル(即ち、4,4′−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン)
、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル(特に、2〜22この炭素原子の脂肪酸の4〜2個程
度の炭素原子のアルキルのエステル(例えば、ブチルエポキシステアレート)など)、及
び種々のエポキシ化長鎖脂肪酸トリグリセリドなど(例えば、エポキシ化大豆油などの組
成物によって代表され、例示され得る、エポキシ化植物油及び他の不飽和天然油(これら
は時としてエポキシ化天然グリセリドまたは不飽和脂肪酸と称され、これらの脂肪酸は一
般に12〜22個の炭素原子を含有している))が含まれる。特に好ましいのは、市販の
エポキシ基含有エポキシド樹脂化合物 EPON 815c、及び一般式(H)の他のエ
ポキシ化エーテルオリゴマー縮合生成物である。
上式中、nは0〜12である。用いることができる更に可能な酸掃去剤としては、特開
平5−194788号公報の段落番号87〜105に記載されているものが含まれる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、偏光子や表示装置の紫外線に対する劣化防止の観点から、波長
370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、且つ液晶表示性の観点から、波長400
nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。例えば、オキシベンゾフェノン系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合
物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、ベ
ンゾフェノン系化合物や着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特
開平10−182621号公報、同8−337574号公報記載の紫外線吸収剤、特開平
6−148430号公報、特開平2003−113317号公報記載の高分子紫外線吸収剤を用いてもよい。
有用なベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例として、2−(2′−ヒドロキシ−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t
ert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ
−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチ
ル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェ
ノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−
(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル
〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート
の混合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(1−メチル−1−フェニルエチル)−5′−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−フェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、市販品として、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN
)171、チヌビン(TINUVIN)360、チヌビン(TINUVIN)900、チヌビン(TINUVIN)928(いずれもチバ−スペシャルティ−ケミカルズ社製)、LA31(旭電化社製)、Sumisorb250(住友化学工業社製)などが挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,
2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5
−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニ
ルメタン)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、紫外線吸収剤は0.1〜20質量%添加することが好ましく、更に
0.5〜10質量%添加することが好ましく、更に1〜5質量%添加することが好ましい
。これらは2種以上を併用してもよい。
(マット剤)
本発明のセルロースエステルフィルムには、滑り性を付与するためにマット剤等の微粒
子を添加することができ、微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒
子が挙げられる。マット剤はできるだけ微粒子のものが好ましく、微粒子としては、例え
ば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニ
ウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙げ
ることができる。中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを低くできるので好ましい。
二酸化ケイ素のような微粒子は有機物により表面処理されている場合が多いが、このよう
なものはフィルムのヘイズを低下できるため好ましい。
表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、
シロキサンなどが挙げられる。微粒子の平均粒径が大きい方が滑り性効果は大きく、反対
に平均粒径の小さい方は透明性に優れる。また、微粒子の二次粒子の平均粒径は0.05
〜1.0μmの範囲である。好ましい微粒子の二次粒子の平均粒径は5〜50nmが好ま
しく、更に好ましくは7〜14nmである。これらの微粒子はセルロースエステルフィル
ム中では、セルロースエステルフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させる
為に好ましく用いられる。微粒子のセルロースエステル中の含有量はセルロースエステル
に対して0.005〜0.3質量%が好ましい。
二酸化ケイ素の微粒子としては、日本アエロジル(株)製のアエロジル(AEROSI
L)200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812
、OX50、TT600、NAX50等、日本触媒(株)製のKE−P10、KE−P30、KE−P100、KE−P150等を挙げることができ、好ましくはアエロジル200V、R972、R972V、R974、R202、R812、NAX50、KE−P30、KE−P100である。これらの微粒子は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。この場合、平均粒径や材質の異なる微粒子、例えば、アエロジル200VとR972Vを質量比で0.1:99.9〜99.9:0.1の範囲で使用できる。
上記マット剤として用いられるフィルム中の微粒子の存在は、別の目的としてフィルム
の強度向上のために用いることもできる。また、フィルム中の上記微粒子の存在は、本発
明の光学フィルムを構成するセルロースエステル自身の配向性を向上することも可能であ
る。
(リターデーション制御剤)
本発明の光学フィルムにおいて配向膜を形成して液晶層を設け、光学フィルムと液晶層
由来のリターデーションを複合化して光学補償能を付与して、液晶表示品質の向上のため
にこのような偏光板加工を行ってもよい。リターデーションを調節するために添加する化
合物は、欧州特許第911,656A2号明細書に記載されているような、二つ以上の芳
香族環を有する芳香族化合物をリターデーション制御剤として使用することもできる。ま
た2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。該芳香族化合物の芳香族環には、芳香族
炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族性ヘテロ環であることが特に好ま
しく、芳香族性ヘテロ環は一般に不飽和ヘテロ環である。中でも1,3,5−トリアジン
環が特に好ましい。
《溶融流延法》
本発明のセルロースエステルフィルムは、前述のように溶融流延によって製造することが特徴である。溶液流延法において用いられる溶媒(例えば塩化メチレン等)を用いずに、加熱溶融する溶融流延による成形法は、更に詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法等に分類できる。これらの中で、機械的強度及び表面精度等に優れる偏光板保護フィルムを得るためには、溶融押し出し法が優れている。
以下、溶融押し出し法を例にとり、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法について説明する。
図1は、本発明に係るセルロースエステルフィルムの製造方法を実施する装置の全体構成を示す概略フローシートであり、図2は、流延ダイから冷却ロール部分の拡大図である。
図1と図2において、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、セルロース樹脂、本発明のエステル化合物、添加剤等のフィルム材料を混合した後、押出し機1を用いて、流延ダイ4から第1冷却ロール5上に溶融押し出し、第1冷却ロール5に外接させるとともに、更に、第2冷却ロール7、第3冷却ロール8の合計3本の冷却ロールに順に外接させて、冷却固化してフィルム10とする。次いで、剥離ロール9によって剥離したフィルム10を、次いで延伸装置12によりフィルムの両端部を把持して幅方向に延伸した後、巻取り装置16により巻き取る。また、平面性を矯正するために溶融フィルムを第1冷却ロール5表面に挟圧するタッチロール6が設けられている。このタッチロール6は表面が弾性を有し、第1冷却ロール5との間でニップを形成している。タッチロール6についての詳細は後述する。
本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法において、溶融押し出しの条件は、他のポリエステル等の熱可塑性樹脂に用いられる条件と同様にして行うことができる。材料は予め乾燥させておくことが好ましい。真空または減圧乾燥機や除湿熱風乾燥機等で水分を1000ppm以下、好ましくは200ppm以下に乾燥させることが望ましい。
例えば、熱風や真空または減圧下で乾燥したセルロースエステル系樹脂を押出し機1を用いて、押し出し温度200〜300℃程度で溶融し、リーフディスクタイプのフィルター2等で濾過し、異物を除去する。
供給ホッパー(図示略)から押出し機1へ導入する際は、真空下または減圧下や不活性ガス雰囲気下にして、酸化分解等を防止することが好ましい。
可塑剤等の添加剤を予め混合しない場合は、それらを押出し機の途中で練り込んでもよい。均一に添加するために、スタチックミキサー3等の混合装置を用いることが好ましい。
本発明において、セルロースエステル系樹脂と、本発明のエステル化合物、その他必要により添加される安定化剤等の添加剤は、溶融する前に混合しておくことが好ましく、セルロースエステル系樹脂と本発明のエステル化合物、添加剤を加熱前に混合することが更に好ましい。混合は、混合機等により行ってもよく、また、前記したようにセルロース樹脂調製過程において混合してもよい。混合機を使用する場合は、V型混合機、円錐スクリュー型混合機、水平円筒型混合機等、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー一般的な混合機を用いることができる。
上記のようにフィルム構成材料を混合した後に、その混合物を押出し機1を用いて直接溶融して製膜するようにしてもよいが、一旦、フィルム構成材料をペレット化した後、該ペレットを押出し機1で溶融して製膜するようにしてもよい。また、フィルム構成材料が、融点の異なる複数の材料を含む場合には、融点の低い材料のみが溶融する温度で一旦、いわゆるおこし状の半溶融物を作製し、半溶融物を押出し機1に投入して製膜することも可能である。フィルム構成材料に熱分解しやすい材料が含まれる場合には、溶融回数を減らす目的で、ペレットを作製せずに直接製膜する方法や、上記のようなおこし状の半溶融物を作ってから製膜する方法が好ましい。
フィルム構成材料が溶融されるときの揮発成分の含有量は1質量%以下、好ましくは0
.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下のもの
であることが望ましい。本発明においては、示差熱重量測定装置(セイコー電子工業社製
TG/DTA200)を用いて、30℃から350℃までの加熱減量を求め、その量を揮
発成分の含有量とする。
押出し機1は、市場で入手可能な種々の押出し機を使用可能であるが、溶融混練押出し機が好ましく、単軸押出し機でも2軸押出し機でもよい。フィルム構成材料からペレットを作製せずに、直接製膜を行う場合、適当な混練度が必要であるため2軸押出し機を用いることが好ましいが、単軸押出し機でも、スクリューの形状をマドック型、ユニメルト型、ダルメージ等の混練型のスクリューに変更することにより、適度の混練が得られるので、使用可能である。フィルム構成材料として、一旦、ペレットやおこし状の半溶融物を使用する場合は、単軸押出し機でも2軸押出し機でも使用可能である。
押出し機1内及び押し出した後の冷却工程は、窒素ガス等の不活性ガスで置換するか、或いは減圧することにより、酸素の濃度を下げることが好ましい。
押出し機1内のフィルム構成材料の溶融温度は、フィルム構成材料の粘度や吐出量、製造するシートの厚み等によって好ましい条件が異なるが、一般的には、フィルムのガラス転移温度Tgに対して、Tg以上、Tg+130℃以下、好ましくはTg+10℃以上、Tg+120℃以下である。押し出し時の溶融粘度は、10〜100000ポイズ、好ましくは100〜10000ポイズである。また、押出し機1内でのフィルム構成材料の滞留時間は短い方が好ましく、5分以内、好ましくは3分以内、より好ましくは2分以内である。滞留時間は、押出し機1の種類、押し出す条件にも左右されるが、材料の供給量やL/D、スクリュー回転数、スクリューの溝の深さ等を調整することにより短縮することが可能である。
押出し機1のスクリューの形状や回転数等は、フィルム構成材料の粘度や吐出量等により適宜選択される。本発明において押出し機1でのせん断速度は、1/秒〜10000/秒、好ましくは5/秒〜1000/秒、より好ましくは10/秒〜100/秒である。
本発明に使用できる押出し機1としては、一般的にプラスチック成形機として入手可能である。
押出し機1から押し出されたフィルム構成材料は、流延ダイ4に送られ、流延ダイ4のスリットからフィルム状に押し出される。流延ダイ4はシートやフィルムを製造するために用いられるものであれば特に限定はされない。流延ダイ4の材質としては、ハードクロム、炭化クロム、窒化クロム、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタン、超鋼、セラミック(タングステンカーバイド、酸化アルミ、酸化クロム)等を溶射もしくはメッキし、表面加工としてバフ、#1000番手以降の砥石を用いるラッピング、#1000番手以上のダイヤモンド砥石を用いる平面切削(切削方向は樹脂の流れ方向に垂直な方向)、電解研磨、電解複合研磨等の加工を施したもの等が挙げられる。流延ダイ4のリップ部の好ましい材質は、流延ダイ4と同様である。またリップ部の表面精度は0.5S以下が好ましく、0.2S以下がより好ましい。
この流延ダイ4のスリットは、そのギャップが調整可能なように構成されている。これを図3に示す。流延ダイ4のスリット32を形成する一対のリップのうち、一方は剛性の低い変形しやすいフレキシブルリップ33であり、他方は固定リップ34である。そして、多数のヒートボルト35が流延ダイ4の幅方向すなわちスリット32の長さ方向に一定ピッチで配列されている。各ヒートボルト5には、埋め込み電気ヒータ37と冷却媒体通路とを具えたブロック36が設けられ、各ヒートボルト35が各ブロック36を縦に貫通している。ヒートボルト35の基部はダイ本体31に固定され、先端はフレキシブルリップ33の外面に当接している。そしてブロック36を常時空冷しながら、埋め込み電気ヒータ37の入力を増減してブロック36の温度を上下させ、これによりヒートボルト35を熱伸縮させて、フレキシブルリップ33を変位させてフィルムの厚さを調整する。ダイ後流の所要箇所に厚さ計を設け、これによって検出されたウェブ厚さ情報を制御装置にフィードバックし、この厚さ情報を制御装置で設定厚み情報と比較し、同装置から来る補正制御量の信号によってヒートボルトの発熱体の電力またはオン率を制御するようにすることもできる。ヒートボルトは、好ましくは、長さ20〜40cm、直径7〜14mmを有し、複数、例えば数十本のヒートボルトが、好ましくはピッチ20〜40mmで配列されている。ヒートボルトの代わりに、手動で軸方向に前後動させることによりスリットギャップを調節するボルトを主体とするギャップ調節部材を設けてもよい。ギャップ調節部材によって調節されたスリットギャップは、通常200〜1000μm、好ましくは300〜800μm、より好ましくは400〜600μmである。
第1〜第3冷却ロールは、肉厚が20〜30mm程度のシームレスな鋼管製で、表面が鏡面に仕上げられている。その内部には、冷却液を流す配管が配置されており、配管を流れる冷却液によってロール上のフィルムから熱を吸収できるように構成されている。この第1乃至第3冷却ロールの内、第1冷却ロール5が本発明の回転支持体に相当する。
一方、第1冷却ロール5に当接するタッチロール6は、表面が弾性を有し、第1冷却ロール5への押圧力によって第1冷却ロール5の表面に沿って変形し、第1ロール5との間にニップを形成する。すなわち、タッチロール6が本発明の挟圧回転体に相当する。
図4に、タッチロール6の一実施形態(以下、タッチロールA)の概略断面を示す。図に示すように、タッチロールAは、可撓性の金属スリーブ41の内部に弾性ローラ42を配したものである。
金属スリーブ41は厚さ0.3mmのステンレス製であり、可撓性を有する。金属スリーブ41が薄過ぎると強度が不足し、逆に厚過ぎると弾性が不足する。これらのことから、金属スリーブ41の厚さとしては、0.1〜1.5mmが好ましい。弾性ローラ42は、軸受を介して回転自在な金属製の内筒43の表面にゴム44を設けてロール状としたものである。そして、タッチロールAが第1冷却ロール5に向けて押圧されると、弾性ローラ42が金属スリーブ41を第1冷却ロール5に押しつけ、金属スリープ41及び弾性ローラ42は第1冷却ロール5の形状になじんだ形状に対応しつつ変形し、第1冷却ロールとの間にニップを形成する。金属スリーブ41の内部で弾性ローラ42との間に形成される空間には、冷却水45が流される。
図5、図6は挟圧回転体の別の実施形態であるタッチロールBを示している。タッチロールBは、可撓性を有する、シームレスなステンレス鋼管製(厚さ4mm)の外筒51と、この外筒51の内側に同一軸心状に配置された高剛性の金属内筒52とから概略構成されている。外筒51と内筒52との間の空間53には、冷却液54が流される。詳しくは、タッチロールBは、両端の回転軸55a、55bに外筒支持フランジ56a、56bが取付けられ、これら両外筒支持フランジ56a、56bの外周部間に薄肉金属外筒51が取付けられている。また、一方の回転軸55aの軸心部に形成されて流体戻り通路57を形成する流体排出孔58内に、流体供給管59が同一軸心状に配設され、この流体供給管59が薄肉金属外筒51内の軸心部に配置された流体軸筒60に接続固定されている。この流体軸筒60の両端部に内筒支持フランジ61a、61bがそれぞれ取り付けられ、これら内筒支持フランジ61a、61bの外周部間から他端側外筒支持フランジ56bにわたって約15〜20mm程度の肉厚を有する金属内筒52が取付けられている。そしてこの金属内筒52と薄肉金属外筒51との間に、例えば10mm程度の冷却液の流送空間53が形成され、また金属内筒52に両端部近傍には、流送空間53と内筒支持フランジ61a、61b外側の中間通路62a、62bとを連通する流出口52a及び流入口52bがそれぞれ形成されている。
また、外筒51は、ゴム弾性に近い柔軟性と可撓性、復元性をもたせるために、弾性力学の薄肉円筒理論が適用できる範囲内で薄肉化が図られている。この薄肉円筒理論で評価される可撓性は、肉厚t/ロール半径rで表されており、t/rが小さいほど可撓性が高まる。このタッチロールBではt/r≦0.03の場合に可撓性が最適の条件となる。通常、一般的に使用されているタッチロールは、ロール径R=200〜500mm(ロール半径r=R/2)、ロール有効幅L=500〜1600mmで、r/L<1で横長の形状である。そして図6に示すように、例えばロール径R=300mm、ロール有効幅L=1200mmの場合、肉厚tの適正範囲は150×0.03=4.5mm以下であるが、溶融シート幅を1300mmに対して平均線圧を98N/cmで挟圧する場合、同一形状のゴムロールと比較して、外筒51の肉厚を3mmとすることで相当ばね定数も等しく、外筒51と冷却ロールとのニップのロール回転方向のニップ幅kも約9mmで、このゴムロールのニップ幅約12mmとほぼ近い値を示し、同じような条件下で挟圧できることが分かる。なお、このニップ幅kにおけるたわみ量は0.05〜0.1mm程度である。
ここで、t/r≦0.03としたが、一般的なロール径R=200〜500mmの場合では、特に2mm≦t≦5mmの範囲とすると、可撓性も十分に得られ、また機械加工による薄肉化も容易に実施でき、極めて実用的な範囲となる。肉厚が2mm以下では加工時の弾性変形で高精度な加工ができない。
この2mm≦t≦5mmの換算値は、一般的なロール径に対して0.008≦t/r≦0.05となるが、実用にあたってはt/r≒0.03の条件下でロール径に比例して肉厚も大きくするとよい。例えばロール径:R=200ではt=2〜3mm、ロール径:R=500ではt=4〜5mmの範囲で選択する。
このタッチロールA、Bは不図示の付勢手段により第1冷却ロールに向けて付勢される。その付勢手段の付勢力をF、ニップにおけるフィルムの、第1冷却ロール5の回転軸に沿った方向の幅Wを除した値F/W(線圧)は、9.8〜147N/cmに設定される。本実施の形態によれば、タッチロールA、Bと第1冷却ロール5との間にニップが形成され、当該ニップをフィルムが通過する間に平面性を矯正すればよい。従って、タッチロールが剛体で構成され、第1冷却ロールとの間にニップが形成されない場合と比べて、小さい線圧で長時間かけてフィルムを挟圧するので、平面性をより確実に矯正することができる。すなわち、線圧が9.8N/cmよりも小さいと、ダイラインを十分に解消することができなくなる。逆に、線圧が147N/cmよりも大きいと、フィルムがニップを通過しにくくなり、フィルムの厚さにかえってムラができてしまう。
また、タッチロールA、Bの表面を金属で構成することにより、タッチロールの表面がゴムである場合よりもタッチロールA、Bの表面を平滑にすることができるので、平滑性の高いフィルムを得ることができる。なお、弾性ローラ42の弾性体44の材質としては、エチレンプロピレンゴム、ネオプレンゴム、シリコンゴム等を用いることができる。
さて、タッチロール6によってダイラインを良好に解消するためには、タッチロール6がフィルムを挟圧するときのフィルムの粘度が適切な範囲であることが重要となる。また、セルロースエステルは温度による粘度の変化が比較的大きいことが知られている。従って、タッチロール6がセルロースエステルフィルムを挟圧するときの粘度を適切な範囲に設定するためには、タッチロール6がセルロースエステルフィルムを挟圧するときのフィルムの温度を適切な範囲に設定することが重要となる。そして本発明者は、セルロースエステルフィルムのガラス転移温度をTgとしたとき、フィルムがタッチロール6に挟圧される直前のフィルムの温度Tを、Tg<T<Tg+110℃を満たすように設定すればよいことを見出した。フィルム温度TがTgよりも低いとフィルムの粘度が高過ぎて、ダイラインを矯正できなくなる。逆に、フィルムの温度TがTg+110℃よりも高いと、フィルム表面とロールが均一に接着せず、やはりダイラインを矯正することができない。好ましくはTg+10℃<T<Tg+90℃、更に好ましくはTg+20℃<T<Tg+70℃である。タッチロール6がセルロースエステルフィルムを挟圧するときのフィルムの温度を適切な範囲に設定するには、流延ダイ4から押し出された溶融物が第1冷却ロール5に接触する位置P1から第1冷却ロール5とタッチロール6とのニップの、第1冷却ロール5の回転方向に沿った長さLを調整すればよい。
本発明において、第1ロール5、第2ロール6に好ましい材質は、炭素鋼、ステンレス鋼、樹脂、等が挙げられる。また、表面精度は高くすることが好ましく表面粗さとして0.3S以下、より好ましくは0.01S以下とする。
本発明においては、流延ダイ4の開口部(リップ)から第1ロール5までの部分を70kPa以下に減圧させることが、上記、ダイラインの矯正効果が高く好ましい。好ましくは減圧は50〜70kPaである。流延ダイ4の開口部(リップ)から第1ロール5までの部分の圧力を70kPa以下に保つ方法としては、特に制限はないが、流延ダイ4からロール周辺を耐圧部材で覆い、減圧する等の方法がある。このとき、吸引装置は、装置自体が昇華物の付着場所にならないようヒーターで加熱する等の処置を施すことが好ましい。本発明では、吸引圧が小さ過ぎると昇華物を効果的に吸引できないため、適当な吸引圧とする必要がある。
本発明において、Tダイ4から溶融状態のフィルム状のセルロースエステル系樹脂を、第1ロール(第1冷却ロール)5、第2冷却ロール7、及び第3冷却ロール8に順次密着させて搬送しながら冷却固化させ、未延伸のセルロースエステル系樹脂フィルム10を得る。
図1に示す本発明の実施形態では、第3冷却ロール8から剥離ロール9によって剥離した冷却固化された未延伸のフィルム10は、ダンサーロール(フィルム張力調整ロール)11を経て延伸機12に導き、そこでフィルム10を横方向(幅方向)に延伸する。この延伸により、フィルム中の分子が配向される。
フィルムを幅方向に延伸する方法は、公知のテンター等を好ましく用いることができる。特に延伸方向を幅方向とすることで、偏光フィルムとの積層がロール形態で実施できるので好ましい。幅方向に延伸することで、セルロースエステル系樹脂フィルムからなるセルロースエステルフィルムの遅相軸は幅方向になる。
一方、偏光フィルムの透過軸も、通常、幅方向である。偏光フィルムの透過軸と光学フィルムの遅相軸とが平行になるように積層した偏光板を液晶表示装置に組み込むことで、液晶表示装置の表示コントラストを高くすることができるとともに、良好な視野角が得られる。
フィルム構成材料のガラス転移温度Tgはフィルムを構成する材料種及び構成する材料の比率を異ならしめることにより制御できる。セルロースエステルフィルムとして位相差フィルムを作製する場合、Tgは120℃以上、好ましくは135℃以上とすることが好ましい。液晶表示装置においては、画像の表示状態において、装置自身の温度上昇、例えば光源由来の温度上昇によってフィルムの温度環境が変化する。このときフィルムの使用環境温度よりもフィルムのTgが低いと、延伸によってフィルム内部に固定された分子の配向状態に由来するリターデーション値及びフィルムとしての寸法形状に大きな変化を与えることとなる。フィルムのTgが高過ぎると、フィルム構成材料をフィルム化するとき温度が高くなるために加熱するエネルギー消費が高くなり、またフィルム化するときの材料自身の分解、それによる着色が生じることがあり、従って、Tgは250℃以下が好ましい。
また延伸工程には公知の熱固定条件、冷却、緩和処理を行ってもよく、目的とする光学フィルムに要求される特性を有するように適宜調整すればよい。
セルロースエステルフィルムの膜厚変動は、±3%、更に±1%の範囲とすることが好ましい。以上のような目的において、互いに直交する2軸方向に延伸する方法は有効であり、互いに直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的には流延方向に1.0〜2.0倍、幅方向に1.01〜2.5倍の範囲とすることが好ましく、流延方向に1.01〜1.5倍、幅方向に1.05〜2.0倍に範囲で行うことが好ましい。
延伸後、フィルムの端部をスリッター13により製品となる幅にスリットして裁ち落とした後、エンボスリング14及びバックロール15よりなるナール加工装置によりナール加工(エンボッシング加工)をフィルム両端部に施し、巻取り機16によって巻き取ることにより、セルロースエステルフィルム(元巻き)F中の貼り付きや、すり傷の発生を防止する。ナール加工の方法は、凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱や加圧により加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、変形しており、フィルム製品として使用できないので、切除されて、原料として再利用される。
本発明のセルロースエステルフィルム製造に際し、延伸の前及び/または後で帯電防止層、ハードコート層、反射防止層、易滑性層、易接着層、防眩層、バリアー層、光学補償層等の機能性層を塗設してもよい。特に帯電防止層、ハードコート層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選ばれる少なくとも1層を設けることが好ましい。この際、コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等の各種表面処理を必要に応じて施すことができる。
前述の可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤等の添加物濃度が異なるセルロース樹脂を含む
組成物を共押出しして、積層構造のセルロースエステルフィルムを作製することもできる
。例えば、スキン層/コア層/スキン層といった構成のセルロースエステルフィルムを作
ることができる。例えば、マット剤はスキン層に多く、またはスキン層のみに入れること
ができる。可塑剤、紫外線吸収剤はスキン層よりもコア層に多く入れることができ、コア
層のみに入れてもよい。また、コア層とスキン層で可塑剤、紫外線吸収剤の種類を変更す
ることもでき、例えば、スキン層に低揮発性の可塑剤及び/または紫外線吸収剤を含ませ
、コア層に可塑性に優れた可塑剤、或いは紫外線吸収性に優れた紫外線吸収剤を添加する
こともできる。スキン層とコア層のTgが異なっていてもよく、スキン層のTgよりコア
層のTgが低いことが好ましい。また、溶融流延時のセルロースエステルを含む溶融物の
粘度もスキン層とコア層で異なっていてもよく、スキン層の粘度>コア層の粘度でも、コ
ア層の粘度≧スキン層の粘度でもよい。
本発明に係るセルロースエステルフィルムの膜の厚さは、使用目的によって異なるが、仕上がりフィルムとして、10〜500μmが好ましい。特に、下限は20μm以上、好ましくは35μm以上である。上限は150μm以下、好ましくは120μm以下である。特に好ましい範囲は25〜90μmである。
本発明のセルロースエステルフィルムは、寸度安定性が23℃55%RHに24時間放置したフィルムの寸法を基準としたとき、80℃90%RHにおける寸法の変動値が±1.0%未満であることが好ましく、更に好ましくは0.5%未満であり、特に好ましくは0.1%未満である。
本発明のセルロースエステルフィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向とのなす角をθ1とするとθ1は−1°以上+1°以下であることが好ましく、−0.5°以上+0.5°以下であることがより好ましい。このθ1は配向角として定義でき、θ1の測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて行うことができる。
θ1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏れを
抑制または防止することに寄与でき、カラー液晶表示装置においては忠実な色再現を得る
ことに寄与できる。
《偏光板》
本発明に係るセルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。本発明のセルロースエステルフィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、処理したセルロースエステルフィルムを、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面にも本発明のセルロースエステルフィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。本発明のセルロースエステルフィルムに対して、もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムは市販のセルロースエステルフィルムを用いることが出来る。例えば、市販のセルロースエステルフィルムとして、KC8UX2M、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA(以上、コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。或いは更にディスコチック液晶、棒状液晶、コレステリック液晶などの液晶化合物を配向させて形成した光学異方層を有している光学補償フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムを用いることも好ましい。例えば、特開2003−98348記載の方法で光学異方性層を形成することが出来る。本発明のセルロースエステルフィルムと組み合わせて使用することによって、平面性に優れ、安定した視野角拡大効果を有する偏光板を得ることが出来る。或いは、セルロースエステルフィルム以外の環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート等のフィルムをもう一方の面の偏光板保護フィルムとして用いてもよい。
上記アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、同6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施して偏光板加工を行ってもよい。
偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。偏光膜の膜厚は5〜40μm、好ましくは5〜30μmであり、特に好ましくは5〜20μmである。該偏光膜の面上に、本発明のセルロースエステルフィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる。
偏光膜は一軸方向(通常は長手方向)に延伸されているため、偏光板を高温高湿の環境下に置くと延伸方向(通常は長手方向)は縮み、延伸と垂直方向(通常は幅方向)には伸びる。偏光板保護用フィルムの膜厚が薄くなるほど偏光板の伸縮率は大きくなり、特に偏光膜の延伸方向の収縮量が大きい。通常、偏光膜の延伸方向は偏光板保護用フィルムの流延方向(MD方向)と貼り合わせるため、偏光板保護用フィルムを薄膜化する場合は、特に流延方向の伸縮率を抑えることが重要である。本発明のセルロースエステルフィルムは寸法安定に優れる為、このような偏光板保護フィルムとして好適に使用される。
即ち60℃、90%RHの条件での耐久性試験によっても波打ち状のむらが増加することはなく、裏面側に光学補償フィルムを有する偏光板であっても、耐久性試験後に視野角特性が変動することなく良好な視認性を提供することが出来る。
偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成することが出来る。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶セルへ貼合する面側に用いられる。
《液晶表示装置》
本発明のセルロースエステルフィルムを用いた偏光板を液晶表示装置に用いることによって、種々の視認性に優れた本発明の液晶表示装置を作製することができる。本発明の偏光板は、STN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPSなどの各種駆動方式の液晶表示装置に用いることができる。好ましくはVA(MVA,PVA)型液晶表示装置である。特に画面が30型以上の大画面の液晶表示装置であっても、環境変動が少なく、画面周辺部の光漏れが低減された液晶表示装置を得ることができる。特に、本発明のセルロースエステルフィルムを用いて製造された偏光板、液晶表示装置の群では、光漏れが発生する頻度を低減することができる。また色ムラや波打ちムラが少なく、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果があった。
以下に本発明を実施するための最良形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。尚、以下の「部」は、「質量部」を表す。
まず、用いる素材について記載する。
(合成例1)セルロースエステルC−1の合成
特表平6−501040号公報の例Bを参考にして合成した。
以下のような混合液A〜Eを作製した。
A:プロピオン酸:濃硫酸=5:3(質量比)
B:酢酸:純水=3:1(質量比)
C:酢酸:純水=1:1(質量比)
D:酢酸:純水:炭酸マグネシウム=12:11:1(質量比)
E:純水14.6kg中に、炭酸カリウム0.5モル、クエン酸1.0モルを溶解した 水溶液
機械式撹拌機を備えた反応容器に、綿花から精製したセルロース100質量部、酢酸317質量部、プロピオン酸67質量部を添加し、55℃で30分間攪拌した。反応容器の
温度を30℃に低下させた後、溶液Aを2.3質量部添加し、30分間攪拌した。反応容
器の温度を−20℃に冷却した後、無水酢酸100質量部および無水プロピオン酸250
質量部を添加し、1時間攪拌した。反応容器の温度を10℃に昇温した後、溶液Aを4.
5質量部添加し、60℃に昇温して3時間攪拌した。さらに溶液Bを533質量部添加し
、17時間攪拌した。さらに溶液Cを333質量部、溶液Dを730質量部添加し、15
分間攪拌した。不溶物をろ過した後、溶液を攪拌しながら、沈殿物の生成が終了するまで
水を添加した後、生成した白色沈殿をろ過した。得られた白色固体は、洗浄液が中性にな
るまで純水で洗浄した。この湿潤生成物に、溶液Eを1.8質量部添加し、次いで真空下
70℃で3時間乾燥し、セルロースアセテートプロピオネートを得た。
得られたセルロースアセテートプロピオネートの置換度をASTM−D817−96に
基づいて算出すると、アセチル基による置換度が1.9、プロピオニル基による置換度が
0.7であった。また下記の条件でGPCを測定したところ、重量平均分子量は20万で
あった。
〔GPC測定条件〕
溶媒 :テトヒドロフラン
装置 :HLC−8220(東ソー(株)製)
カラム :TSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)
カラム温度:40℃
試料温度 :0.1質量%
注入量 :10μl
流量 :0.6ml/min
校正曲線 :標準ポリスチレン:PS−1(Polymer Laboratorie
s社製)Mw=2,560,000〜580までの9サンプルによる校正曲線を使用した。
(合成例2)実施例の化合物 エステル化合物例1−7の合成
76質量部のトリメチレングリコールと、535質量部のサリチル酸フェニルと、1質
量部の炭酸カリウムを混合し、1.33×104Pa下155℃で3時間加熱し、188
質量部のフェノールが留去した。反応容器を常圧に戻した後に100℃まで冷却し、0.
5質量部の濃硫酸、225質量部の無水酢酸を添加し、100℃で1時間攪拌した。反応
終了後、1000質量部のトルエンを添加して氷冷すると、白色の結晶が生成した。生成
した白色結晶をろ過し、純水で2度洗浄した後、真空下30℃で減圧乾燥を行い、白色結
晶を224質量部(収率56%)得た。なおこの化合物の分子量は400である。
(合成例3)実施例の化合物(エステル化合物例1−40)の合成
180質量部のフタル酸モノメチル、トルエン180質量部、1質量部のジメチルホル
ムアミド、130質量部の塩化チオニルを混合し、60℃で30分間攪拌した。反応終了
後に冷却し、淡黄色の液体を得た。
31質量部のグリセリンと、101質量部のトリエチルアミンと、200質量部の酢酸
エチルの溶液に対し、上記の反応で得た淡黄色の液体を室温下で30分かけて滴下し、そ
のまま1時間攪拌を続けた。生成した白色沈殿をろ過した後、純水を加えて洗浄した後、
有機相を分取して有機溶媒を減圧留去し、116質量部(収率60%)の白色結晶を得た
。なおこの化合物の分子量は579である。
(合成例4)実施例の化合物(エステル化合物例1−45)の合成
80℃に保持した45質量部の2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン
ジオール、190質量部のピリジンおよび450質量部の酢酸エチルの混合溶液を攪拌し
ながら、330質量部のアセチルサリシロイルクロライドを30分間かけて滴下し、さら
に3時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸エチル・純水
を加えて洗浄し、有機相を分取して酢酸エチルを減圧留去し、目的の化合物を得た。なお
この化合物の分子量は606である。
(合成例5)エステル実施例の化合物(化合物例1−47)の合成
80℃に保持した45質量部の2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン
ジオール、190質量部のピリジンおよび450質量部の酢酸エチルの混合溶液を攪拌し
ながら、290質量部の2−メトキシベンゾイルクロライドを30分間かけて滴下し、さ
らに3時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸エチル・純
水を加えて洗浄し、有機相を分取して酢酸エチルを減圧留去し、目的の化合物を得た。な
おこの化合物の分子量は537である。
(合成例6)実施例のエステル化合物(1−化合物例60)の合成
136質量部のペンタエリスリトールと、1070質量部のサリチル酸フェニルと、2
質量部の炭酸カリウムを混合し、1.333×10-2MPa下155℃で3時間加熱し、
375質量部のフェノールが留去した。反応容器を常圧に戻した後に100℃まで冷却し
、1質量部の濃硫酸、450質量部の無水酢酸を添加し、100℃で1時間攪拌した。反
応終了後、2000質量部のトルエンを添加して氷冷すると、白色の結晶が生成した。生
成した白色結晶をろ過し、純水で2度洗浄した後、真空下30℃で減圧乾燥を行い、白色
結晶を667質量部(収率85%)得た。なおこの化合物の分子量は785である。
(合成例7)実施例のエステル化合物 (化合物例1−81)の合成
合成例4において、アセチルサリシロイルクロライドの変わりに3,4,5−トリメト
キシベンゾイルクロライド390質量部に変更し、目的の化合物を得た。なおこの化合物
の分子量は717である。
(合成例8)実施例のエステル化合物 (化合物例1−83)
100℃に保持した45質量部のトリメチロールプロパン、101質量部のトリエチルアミンの混合溶液を攪拌しながら、71質量部の塩化ベンゾイルを30分間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸エチル・純水を加えて洗浄し、有機相を分取して酢酸エチルを減圧留去し、目的の化合物を得た。なおこの化合物の分子量は446である。
(合成例9)実施例のエステル化合物 (化合物例1−87)
30質量部のグリセリンと101質量部のトリエチルアミンと2000質量部の酢酸エチルの混合溶液に対し、157質量部のクロロ蟻酸フェニルを室温下で30分間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸エチル・純水を加えて洗浄し、有機相を分取して酢酸エチルを減圧留去し、目的の化合物を得た。なおこの化合物の分子量は452である。
(合成例10)実施例のエステル化合物 (化合物例1−88)
45質量部の2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン
ジオールと101質量部のトリエチルアミンと2000質量部の酢酸エチルの混合溶液に対し、157質量部のクロロ蟻酸フェニルを室温下で30分間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸エチル・純水を加えて洗浄し、有機相を分取して酢酸エチルを減圧留去し、目的の化合物を得た。なおこの化合物の分子量は494である。
(合成例11)実施例のエステル化合物 (化合物例1−89)
30質量部のエチレングリコールと101質量部のトリエチルアミンと2000質量部の酢酸エチルの混合溶液に対し、270質量部の3,5−ジアセトキシベンゾイルクロライドを室温下で30分間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸エチル・純水を加えて洗浄し、有機相を分取して酢酸エチルを減圧留去し、目的の化合物を得た。なおこの化合物の分子量は502である。
(合成例12)実施例のポリエステル化合物(化合物A1)の合成
冷却凝縮器を装着した反応器に、236質量部のエチレングリコール、683質量部の
1,4ブチレングリコール、1180質量部のコハク酸、0.03質量部のテトラブチル
チタネートを投入し、140℃で2時間、220℃で2時間、冷却凝縮器を外して220
℃で更に20時間、脱水縮合反応を行って、酸数平均分子量2000の脂肪族ポリエステ
ル化合物A1を得た。これに使用したジオールの炭素数平均は3.33、ジカルボン酸の
炭素数平均は4であった。
(合成例13)実施例のポリエステル化合物(化合物A2)の合成
冷却凝縮器を装着した反応器に、699質量部のエチレングリコール、1180質量部
のコハク酸、0.03質量部のテトラブチルチタネートを投入し、合成例1と同様の操作
を行い、数平均分子量2000の脂肪族ポリエステル化合物A2を得た。これに使用した
ジオールの炭素数平均は2、ジカルボン酸の炭素数平均は4であった。
(合成例14)実施例のポリエステル化合物(化合物A3)の合成
冷却凝縮器を装着した反応器に、702質量部のエチレングリコール、885質量部の
コハク酸、365質量部のアジピン酸、0.03質量部のテトラブチルチタネートを投入
し、合成例1と同様の操作を行い、数平均分子量2000の脂肪族ポリエステル化合物A
3を得た。これに使用したジオールの炭素数平均は2、ジカルボン酸の炭素数平均は4.
5であった。
(合成例15)実施例のポリエステル化合物(化合物A4)の合成
冷却凝縮器を装着した反応器に、631質量部のエチレングリコール、101質量部の
1,4−ブチレングリコール、1062質量部のコハク酸、146質量部のアジピン酸、
0.03質量部のテトラブチルチタネートを投入し、合成例1と同様の操作を行い、数平
均分子量2000の脂肪族ポリエステル化合物A4を得た。これに使用したジオールの炭
素数平均は2.2、ジカルボン酸の炭素数平均は4.2であった。
(合成例16)実施例のポリエステル化合物(化合物A5)の合成
冷却凝縮器を装着した反応器に、226質量部のエチレングリコール、656質量部の
1,4−ブチレングリコール、1180質量部のコハク酸、0.03質量部のテトラブチ
ルチタネートを投入し、合成例1と同様の操作を行い、数平均分子量4000の脂肪族ポ
リエステル化合物A5を得た。これに使用したジオールの炭素数平均は3.33、ジカル
ボン酸の炭素数平均は4であった。
(合成例17)実施例のポリエステル化合物(化合物A6)の合成
冷却凝縮器を装着した反応器に、249質量部のエチレングリコール、721質量部の
1,4−ブチレングリコール、1180質量部のコハク酸、0.03質量部のテトラブチ
ルチタネートを投入し、合成例1と同様の操作を行い、数平均分子量1200の脂肪族ポ
リエステル化合物A6を得た。これに使用したジオールの炭素数平均は3.33、ジカル
ボン酸の炭素数平均は4であった。
(合成例18)実施例のポリエステル化合物(化合物A7)の合成
冷却凝縮器を装着した反応器に、648質量部のエチレングリコール、58質量部のジ
エチレングリコール、1121質量部のコハク酸、83質量部のテレフタル酸、0.03
質量部のテトラブチルチタネートを投入し、合成例1と同様の操作を行い、数平均分子量
1500の脂肪族−芳香族コポリエステル化合物7を得た。これに使用したジオールの炭
素数平均は2.1、ジカルボン酸の炭素数平均は4であった。
実施例1
100質量部のセルロースエステルC−1を、空気中、常圧下で130℃2時間乾燥し、室温まで冷却した。このセルロースエステル樹脂に、本発明のエステル化合物1−89を15質量部、およびポリエスエル化合物A7を5質量部、および酸化防止剤である化合物1を1質量部を添加し、2軸式押し出し機を用いて230℃で溶融混合しペレット化した。このペレットを、窒素雰囲気下、溶融温度250℃にて溶融してT型ダイから押し出し、図1の流延ダイ4から第1冷却ロール5上に押し出し、第1冷却ロール5とタッチロール6との間にフィルムを挟圧して成形した。流延ダイ4から押し出された樹脂が第1冷却ロール5に接触する位置P1から第1冷却ロール5とタッチロール6とのニップの第1冷却ロール5回転方向上流端の位置P2までの、第1冷却ローラ5の周面に沿った長さLを20mmに設定した。タッチロール6の第1冷却ロール5に対する線圧は14.7N/cmとした。
なお、フィルムは、厚さが80μmとなるように、押出し量及び引き取り速度を調整し、仕上がりのフィルム幅は1800mm幅とし、巻長は3200mとした。また、フィルム両端に幅10mm、高さ5μmのナーリング加工を施した。巻き取り張力220N/m、テーパー40%で巻芯に巻き取り、本発明居の試料1−1を作製した。
次に、エステル化合物、ポリエステル化合物、添加剤である酸化防止剤、酸掃去剤を表1に記載の化合物、添加量とした以外は、全く同様な方法で本発明試料1−2〜1−25、比較試料1−20〜1−30を作製した。
また、下記のドープ組成物を作製し、溶媒による溶液流延製膜法で光学フィルム作製を行い、比較のセルロースエステルフィルム1−31を作製した。
セルロースエステルC−1 100部
メチレンクロライド 400部
エタノール 75部
エステル化合物:1−45 15部
化合物 1 1部
上記組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し撹伴しながら完全に溶解してドープ組成物を得た。
上記ドープ組成物を濾過し、冷却して33℃に保ちステンレスバンド上に均一に流延し、剥離が可能になるまで溶媒を蒸発させたところで、ステンレスバンドから剥離し、多数のロールで搬送させながら乾燥させ、両端部に高さ10μmのナーリングを設けて巻き取り、膜厚80μm、幅1.8m、長さ3200mの比較のセルロースエステルフィルム試料1−31を得た。
実施例1で用いた素材は以下の通りである。
また、PFRは旭電化工業(株)より購入した。Irganox1010はチバスペシャルティケミカルズ(株)、LA−52及びLA−63Pは旭電化工業(株)、Sumilizer GPは住友化学社(株)より購入した。
(比較化合物1の合成)
合成例4において、アセチルサリシロイルクロライドの代わりに、p−トルオイルクロ
ライドに変更する以外は、同様の操作を行い比較化合物1を得た。この化合物の分子量は
、489である。
(比較化合物3の合成)
30質量部のエチレングリコールと101質量部のトリエチルアミンと2000質量部の酢酸エチルの混合溶液に対し、270質量部の3,4−ジアセトアミドベンゾイルクロライドを室温下で30分間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸エチル・純水を加えて洗浄し、有機相を分取して酢酸エチルを減圧留去し、目的の化合物を得た。なおこの化合物の分子量は499である。
(比較化合物4の合成)
45質量部のトリメチロールプロパンと101質量部のトリエチルアミンと2000質量部の酢酸エチルの混合溶液に対し、210質量部のクロロナフトエ酸を室温下で30分間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸エチル・純水を加えて洗浄し、有機相を分取して酢酸エチルを減圧留去し、目的の化合物を得た。なおこの化合物の分子量は597である。
得られたフィルムについて、下記の評価を実施し、結果を表3に示す。
(黄色度(YI)測定)
日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−3310を用いて、得られたセルロースエ
ステルフィルムの吸収スペクトルを測定し、三刺激値X、Y、Zを算出した。この三刺激
値X、Y、Zから、JIS−K7103に基づいて黄色度YIを算出し、次の基準でラン
ク付けした。
◎:0.8未満
○:0.8〜1.0
△:1.0〜1.3未満
×:1.3以上
(輝点異物)
直交状態(クロスニコル)に2枚の偏光板を配置して透過光を遮断し、2枚の偏光板の
間に各試料を置く。偏光板はガラス製保護板のものを使用した。片側から光を照射し、反
対側から光学顕微鏡(50倍)で1cm2当たりの直径0.01mm以上の輝点の数をカ
ウントした。
次の基準でランク付けした。
◎:0〜30個
○:31〜60個
△:61〜90個
×:91個以上
(平面性評価)
溶融製膜を開始して1時間が経過した時点でのサンプルを採取し、長さ100cm×幅
40cmのサンプルを切り取った。
平坦な机の上に黒紙を貼り、その上に上記の試料フィルムを置き、斜め上方に配置した
3本の蛍光灯をフィルムに映して蛍光灯の曲がり具合で平面性を評価し、次の基準でラン
ク付けした。
◎:蛍光灯が3本とも真っ直ぐに見える。
○:蛍光灯が若干曲がったように見えるところがある。
△:蛍光灯が曲がって見える。
×:蛍光灯が大きく畝って見える。
(寸法安定性)
寸法安定性は熱収縮率で表す。フィルムの流延方向および流延方向と直角方向より、120mm幅×30mm長さの試験片を各3枚採取する。試験片の両端に6mmφの穴をパンチで100mm間隔に開ける。これを23±3℃、相対温度65±5%の室内で3時間以上調湿する。自動ピンゲージ(新東科学(株)製)を用いてパンチ間隔の原寸(L1)を最小目盛り/1000mmまで測定する。次に試験片を80℃90%RHの恒温高湿器に300時間吊し、23±3℃、相対湿度65±5%の室内で3時間以上調湿した後、自動ピンゲージで湿熱処理後のパンチ間隔の寸法(L2)を測定する。そして、以下の式により湿熱処理による収縮率を算出する。
熱収縮率=|(L1−L2/L1)|×100
評価は、熱収縮率が0.5%未満を◎、0.5〜0.8%を○、0.8%〜1.0%を△、1.0%を超えるを×とした。
以上の様に、本発明試料1−1〜1−25は、比較試料1−26〜1−31と比較して
YIが低くて、輝点異物故障が少なく、平面性に優れ、更に寸法安定性に優れていることが明らかとなった。
〔偏光板の作製〕
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、沃化カリウム2質量
部、ホウ酸4質量部を含む水溶液に浸漬し、50℃で4倍に延伸し偏光子を作製した。
本発明試料1−1〜1−25、比較試料1−26〜1−31を、40℃の2.5M水酸
化ナトリウム水溶液で60秒間アルカリ処理し、更に水洗乾燥して表面をアルカリ処理し
た。
前記偏光子の両面に、本発明試料1−1〜1−25、比較試料1−26〜1−31のア
ルカリ処理面を、完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として両面から貼
合し、保護フィルムが形成された本発明偏光板1−1〜1−25、比較試料1−26〜1
−31を作製した。本発明偏光板1−1〜1−25、比較試料1−26〜1−31と比較
して光学的、物理的に優れ、良好な偏光度を有する偏光板であった。
〔液晶表示装置としての評価〕
15型TFT型カラー液晶ディスプレイLA−1529HM(NEC製)の偏光板を剥
がし、上記で作製した各々の偏光板を液晶セルのサイズに合わせて断裁した。液晶セルを
挟むようにして、前記作製した偏光板2枚を偏光板の偏光軸がもとと変わらないように互
いに直交するように貼り付け、15型TFT型カラー液晶ディスプレイを作製し、セルロ
ースエステルフィルムの偏光板としての特性を評価したところ、本発明偏光板1−1〜1
−25は、比較偏光板1−26〜1−31と比較してはコントラストも高く、優れた表示
性を示した。これにより、液晶ディスプレイなどの画像表示装置用の偏光板として優れて
いることが確認された。
実施例2
表4に示すセルロースエステル種、表5に記載の添加剤種、添加剤量を変更する以外は、実施例1と同様な方法でセルロースエステルフィルムを作製し、本発明の試料2−1〜2−22、比較試料2−23〜2−25とした。実施例1と同様に、YI、輝点異物、平面性、寸法安定性の評価を行った。結果を表6に示す。
上表から、本発明試料2−1〜2−22は、比較試料2−23〜2−25と比較して
実施例1を再現し、YIが低くて、輝点異物故障が少なく、平面性に優れ、更に寸法安定性に優れていることが明らかとなった。
更に、実施例1と同様にして偏光板を作製し、液晶表示装置としての評価を行った。
本発明の試料2−1〜2−22を用いた偏光板を装着した液晶表示装置は、コントラストも高く、優れた表示性を示した。これにより、液晶ディスプレイなどの画像表示装置用の偏光板として優れていることが確認された。

Claims (21)

  1. 下記一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールが縮合した、分配係数が1〜7.5であるエステル化合物と、セルロースエステルとを含有する形成材料を溶融流延法によりフィルム状とすることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。

    (式中、R1〜R5は水素原子またはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、オキシカルボニルオキシ基を表し、これらはさらに置換基を有していて良い。Lは連結基を表し、置換または無置換のアルキレン基、酸素原子、または直接結合を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表される有機酸の連結基Lが直接結合であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  3. 前記多価アルコールが、2〜4の水酸基を有することを特徴とする請求の範囲第1項または請求の範囲第2項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  4. 前記一般式(1)で表される有機酸と多価アルコールとが縮合したエステル化合物の分子量が、300〜1500であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  5. 前記一般式(1)で表される有機酸のR1又はR2又はRの少なくとも1つにアルコキシ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基を有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  6. 前記形成材料が、脂肪族ポリエステル及び脂肪族−芳香族コポリエステルから選ばれる少なくとも1種のポリエステルを含有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  7. 前記脂肪族ポリエステルが、下記反復単位(a)または反復単位(b)から選ばれる少なくとも1種の反復単位を有することを特徴とする請求の範囲第5項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
    反復単位(a)

    (式中、mは0〜10の整数であり、R10は水素原子、C1〜C12の無置換アルキル基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC1〜C12のアルキル基、C5〜C10の無置換シクロアルキル基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキル基、から選ばれる少なくとも1種の基である。)
    反復単位(b)

    (式中、R8はC2〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及びC6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基、から選ばれる少なくとも1種の基であり、R9はC2〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及び、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基、から選ばれる少なくとも1種の基である。)
  8. 前記脂肪族ポリエステルが(i)ヒドロキシ酸、そのエステル形成性誘導体、(ii)ジカルボン酸、その誘導体及び(iii)ジオールから選ばれる少なくとも1種のポリエステル形成物から調製されることを特徴とする請求の範囲第6項または第7項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  9. 前記脂肪族−芳香族コポリエステルが、下記反復単位(c)で表される反復単位を有することを特徴とする請求の範囲第6項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
    反復単位(c)

    (式中、R4及びR7はそれぞれC2〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくと1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくと1個の置換基で置換されたC2〜C12のオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及び、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R5はC〜C12の無置換アルキレン基、C6〜C10のアリール基、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のアルキレン基、C2〜C12の無置換オキシアルキレン基、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC2〜C12のオキシアルキレン基、C5〜C10の無置換シクロアルキレン基、及び、C6〜C10のアリール基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC5〜C10のシクロアルキレン基、から選ばれる少なくとも1種の基であり、R6はC6〜C10の無置換アリーレン基、及び、C1〜C4のアルキル基及びC1〜C4のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたC6〜C10のアリーレン基、から選ばれる少なくとも1種の基である。)
  10. 前記脂肪族−芳香族コポリエステルが(i)ジカルボン酸、その誘導体及びii)ジオールから選ばれる少なくとも1種のポリエステル形成化合物から調製されることを特徴とする請求の範囲第6項または第9項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  11. 前記形成材料が酸化防止剤を少なくとも1種含有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第10項のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  12. 前記酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を少なくとも1種、またはリン系酸化防止剤を少なくとも1種含有することを特徴とする請求の範囲第11項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  13. 前記リン系酸化防止剤がホスホナイト系であることを特徴とする請求の範囲第12項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  14. 前記酸化防止剤として、耐熱加工安定剤を少なくとも1種含有することを特徴とする請求の範囲第11項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  15. 前記耐熱加工安定剤が、下記一般式(E)または、下記一般式(F)で表される化合物であることを特徴とする請求の範囲第14項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。

    (式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表す。)

    (式中、R12〜R15はおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表し、R16は水素
    原子または置換基を表し、nは1または2を表す。nが1であるとき、R11は置換基を表
    し、nが2であるとき、R11は2価の連結基を表す。)
  16. 酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を少なくとも1種と、リン系酸化防止剤を少なくとも1種と、耐熱加工安定剤を少なくとも1種とを含有することを特徴とする請求の範囲第11項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  17. 前記酸化防止剤がフェノール部及びヒンダードアミン部を有する酸化防止剤であることを特徴とする請求の範囲第11項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  18. 前記フェノール部及びヒンダードアミン部を分子中に有する化合物が下記一般式(I)で表されるヒドロキシベンジルマロン酸エステル誘導体又はその酸付加塩であることを特徴とする請求の範囲第11項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。

    (式中、nは1または2を表し、Ra、Rb及びRdは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rcは炭素数1〜9のアルキル基を表し、Reは水素原子または炭素原子1〜5のアルキル基を表し、Rfは水素原子または炭素原子1〜5のアルキル基を表す。但し、Re及びRfは相互に交換可能であり、Xは−O−基または−NR−基(該基中、Rは水素原子、アルキル基を表す。)を表し、R1は水素原子、−O−、炭素原子1〜12のアルキル基、炭素原子3または4のアルケニル基を表し、またはR1がA−CO−基を表し、但しAは炭素原子1〜12のアルキル基を表す。
    2が下記一般式(II)

    (式中、R6及びR7はそれぞれ炭素原子1〜9のアルキル基を表し、R8は水素原子またはメチル基を表す。)
    で表されるヒドロキシベンジル基を表し、R3はnが1のとき、炭素原子1〜20の無置換のアルキル基、−COOR12基、−OCOR13又は−P(O)(OR142基(該基中、R12は炭素原子、1〜18のアルキル基又は下記一般式(III)

    (式中、R1、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは前記一般式(I)のそれらと同義である。)で表される基を表し、R13は無置換の炭素数1〜4のアルキル基又は水酸基で置換されてもよいフェニル基を表し、R14は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
    で表される基で置換されている炭素数1〜10のアルキル基を表し、更に、R3は炭素数3〜18のアルケニル基、炭素数7〜19のアラルキル基、フェニル基を表す。
    またR3は−OCOR16基(該基中、R16は炭素数1〜12のアルキル基、各々炭素数1〜4の2個のアルキル基又は水酸基で置換されていてもよいフェニル基を表す。)、−NHCOR16(R16は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)で表される基を表し、更にR3はnが2のとき、結合手又は炭素数1〜20のアルキレン基を表す。)
  19. 請求の範囲第1項〜第18項のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法によって製造されることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
  20. 請求の範囲第19項に記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする偏光板。
  21. 請求の範囲第20項に記載の偏光板を用いることを特徴とする液晶表示装置。
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