JPWO2007063930A1 - 光反応を用いるビタミンd誘導体の製法 - Google Patents

光反応を用いるビタミンd誘導体の製法 Download PDF

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Abstract

式:
【化1】
Figure 2007063930

で表される化合物を紫外線照射により開環し、次いで異性化することを特徴とする、[{(5Z,7E)−(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドの新規な製造方法、その製造に有用な中間体、およびその中間体の製造方法を提供する。

Description

本発明は、医薬品として有用なビタミンD誘導体の新規な製造方法、その製造に有用な中間体、およびその中間体の製造方法に関するものである。
式(1):
Figure 2007063930
で表されるビタミンD誘導体(化学名:[{(5Z,7E)−(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミド、または[{1α,3β−ジヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20(S)−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミド、または、N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−[{(1S,3R,5Z,7E,20S)−1,3−ジヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20−イル}オキシ]アセトアミド)は、有益なヒトケラチノサイト増殖抑制活性を示す一方で、有害なカルシウム上昇作用が従来のビタミンD誘導体と比べて低い化合物であるので、乾癬等の皮膚疾患治療薬等として有用である。
この化合物の製造方法としては、[{1α,3β−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20(S)−イル}オキシ]酢酸と2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンとを反応させる方法が知られている。WO2001/096293(特許文献1)を参照のこと。
WO2001/096293
しかしながら、上記の従来法は、中間体として(1S,3R,20S−)1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−ヒドロキシプレグナ−5,7,16−トリエンを経由するものであるところ、それを取得する際に一酸化炭素の挿入反応が必要であるという、スケールアップ製造にあたって障害となりうる課題を抱えている。また、上記の従来法において使用される一連の反応温度が立体選択性に影響するため、−15℃以下での反応を行うことが必要である等、それ以外にもスケールアップ製造にあたって障害となりうる種々の課題を抱えている。従って、より実用的な製造方法の開発が望まれていた。さらに、上記従来法は、前記中間体から式(1)で表されるビタミンD誘導体を製造するに際しても、収率・工程数等の面からみて満足できるものではなく、より効率的な製造方法の開発も望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、[{(5Z,7E)−(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドの実用的かつ効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、式(2):
Figure 2007063930
で表される化合物のステロイド骨格B環を紫外線照射により開環し、次いで異性化することにより目的の化合物を効率的に製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、式(1):
Figure 2007063930
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
Figure 2007063930
で表される化合物のステロイド骨格B環を紫外線照射により開環し、次いで
異性化することにより式(1)の化合物を得ること
を含んでなる、新規な方法を提供する。
好ましい態様では、式(2)で表される化合物が、
式(3):
Figure 2007063930
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換シリル基である。)
で表される化合物のステロイド骨格B環を共役ジエン化し、次いで
エポキシ基開環を伴うアリルアルコール化することにより、式(4):
Figure 2007063930
で表される化合物を得、
得られた該化合物を2−ブロモ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドと反応させることにより、式(5):
Figure 2007063930
で表される化合物を得、そして
得られた該化合物のR1およびR2を水素原子に変換すること
を含んでなる方法により得られる。
別の好ましい態様では、式(2)で表される化合物が、
式(4):
Figure 2007063930
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換シリル基である。)
で表される化合物を2−ブロモ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドと反応させることにより、式(5):
Figure 2007063930
で表される化合物を得、そして
得られた該化合物のR1およびR2を水素原子に変換すること
を含んでなる方法により得られる。
上記方法において使用される主要な中間体である、式(2):
Figure 2007063930
で表される化合物および式(3):
Figure 2007063930
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換シリル基である。)
で表される化合物は、新規化合物である。
従って、本発明は、式(2)の化合物および式(3)の化合物も提供する。
本発明において、「置換シリル基」における置換基は、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、および、フェニルアルキル基(当該フェニルアルキル基のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、また、当該フェニルアルキル基のフェニル基は、さらに炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基で置換されていてもよい)から選ばれる。炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基,1,1,2−トリメチルプロピル基(テキシル基)、およびn−ヘプチル基等が挙げられる。炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基の例としては、フェニル基、トリル基、およびエチルフェニル基等が挙げられる。上記フェニルアルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基、およびキシリル基等が挙げられる。
「置換シリル基」とは、これらの置換基の中から任意に選択される3つの置換基で置換されたトリ置換シリル基を意味する。3つの置換基の組み合わせは、全て同一であっても、全て異なっていても、同一の2つとそれと異なる1つとの組み合わせであってもよいが、全て同一であるか、同一の2つとそれと異なる1つとの組み合わせであるのが好ましく、同一の2つとそれと異なる1つとの組み合わせであるのが、さらに好ましい。
「置換シリル基」の具体例としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチルテキシルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、およびtert−ブチルメトキシフェニルシリル基が挙げられ、中でも、tert−ブチルジメチルシリル基(以下、TBS基とも称する)が好ましい。
「置換シリル基」であるR1およびR2は、同一でも異なっていてもよいが、同一であるのが好ましく、R1およびR2が、いずれもTBS基であるのがさらに好ましい。
本発明の好適な態様では、本発明の方法は、下記スキーム1で示される反応工程により行われる。
スキーム1:
Figure 2007063930
スキーム1に示した中間体のうち、式(6):
Figure 2007063930
で表される化合物も新規化合物である。
従って、本発明は、式(6)の化合物も提供する。
以下に、上記スキームに示す各反応工程について説明する。
<化合物1→化合物2> 化合物1は公知物質であり、例えばChem. Pharm. Bull., 40(5), 1120-4(1992)、Org. Process. Res. Dev., 2005, 9, 278-287または特開平5−19094号公報等に記載の方法により合成することができる。
化合物2(上記式(3)で表される化合物)は、化合物1をエポキシ化することにより得ることができる。このエポキシ化は、例えば、化合物1を適するエポキシ化剤と、適する溶媒中で、必要なら触媒の存在下、一般に5分間〜10時間、好ましくは2時間〜4時間反応させることにより行われる。エポキシ化剤の例には、m−クロロ過安息香酸、過安息香酸、過酢酸、およびモノペルオキシフタル酸マグネシウム等の過酸、ならびに過酸化水素およびtert−ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシドが含まれるが、m−クロロ過安息香酸およびモノペルオキシフタル酸マグネシウム等の過酸が好ましく、更に、副反応回避の観点および次工程における生成物の精製の容易さの観点では、m−クロロ過安息香酸が好ましい。エポキシ化剤の使用量は、二重結合を有する基質の反応性を考慮し、適宜選択されるが、通常、化合物1に対して、1〜3当量、好ましくは、1.1〜1.5当量である。使用される溶媒の例には、ジクロルメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素および四臭化炭素等のハロゲン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピルおよび酢酸t−ブチル等の酢酸エステル系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル、ベンジルシアニド等のニトリル系溶媒;ならびにメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノールおよびn−ブタノール等のアルコール系溶媒、さらには水が含まれ、これらを単独で使用しても組み合わせて使用してもよいが、反応進行の確認の容易さの観点では、酢酸エチル単独ならびに酢酸エチルおよびアセトニトリルの組み合わせが好ましく、さらに操作の簡便さの観点では、酢酸エチル単独が好ましい。必要に応じて反応系中に存在させることができる触媒には、無機アルカリ塩、有機アミン、バナジウム錯体、チタニウムアルコキシド、および酒石酸エステル等が含まれるが、存在させないことが好ましい。反応温度は、一般に−50〜+50℃で行われることが多いが、反応性、安全性を考慮すると、10〜25℃で行われることが好ましい。反応終了時に残存する未反応のエポキシ化剤は、例えば、還元剤で処理して不活性化すればよい。
好ましい態様では、化合物1のエポキシ化は、エポキシ化剤としてm−クロロ過安息香酸を使用し、酢酸エチルおよび/またはヘプタン、好ましくは酢酸エチルを溶媒として用い、10℃〜30℃の温度で2〜4時間反応させることにより行われる。
<化合物2→化合物3>
化合物3は、こうして得られた化合物2のステロイド骨格B環を共役ジエン化反応に供することにより得ることができる。化合物2の共役ジエン化反応は、化合物2のステロイド骨格B環内にある7位メチレン基をブロム化した後に脱臭化水素化することにより行われる。
まず、化合物2のブロム化は、適するブロム化剤を用い、ラジカル開始剤の存在下、適する溶媒中で、5分間〜1時間反応させることにより行うことができる。ブロム化剤の例には、ブロモコハク酸イミドやブロモヒダントイン等が含まれるが、ブロモコハク酸イミドが好ましい。ブロム化剤の量は、基質の反応性を考慮し適宜選択されるが、好ましくは化合物2に対し、1.3〜1.4当量である。ラジカル開始剤の例には、ベンゾイルパーオキシドおよび2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)等が含まれるが、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)が好ましい。使用される溶媒は、副反応が許容できる程度であり、安全性等に影響を与えなければ、特に限定されるものではないが、その例には、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素系溶媒、ならびにジクロルメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素および四臭化炭素等のハロゲン系溶媒が含まれ、好ましいものとしては炭化水素系溶媒、さらに好ましくはn−ヘプタンが挙げられる。なお、副反応回避および/又は化合物2の分解回避の観点では、さらに、次の脱臭化水素化の工程で用いるトリエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンおよびγ−コリジン等の有機アミンならびに炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カルシウム等の無機アルカリ塩などの塩基を予め加えることが好ましく、中でも、γ−コリジンを加えることが、特に好ましい。反応温度は、一般に−10℃〜150℃の間で行われることが多いが、反応性、安全性を考慮すると、0℃〜100℃の間で行われることが好ましく、さらに、65℃〜85℃の間で行われることが好ましい。反応時間は、通常、3分間〜3時間、好ましくは5分間〜30分間である。
好ましい態様では、化合物2のブロム化は,ブロム化剤としてブロモコハク酸イミドを用い、ラジカル開始剤に2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)を用い、さらに、γ−コリジンを添加して、n−ヘプタン溶媒中、70℃〜80℃で行われる。
ブロム化後は、目的化合物を単離精製することなく次反応である脱臭化水素化に付すこともでき、また、その方が好ましい。
ブロム化後の脱臭化水素化としては、塩基の存在下、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素系溶媒中、好ましくはトルエン中で室温〜加熱還流温度、好ましくは110〜120℃で、30分間〜3時間反応させる方法が挙げられる。塩基の使用量は、基質の反応性を考慮し、適宜選択されるが、好ましくは化合物2に対し、3〜4当量である。また、ブロム化の工程において予め加えた塩基が、ブロム化工程終了の時点で残存する場合は、さらに塩基を添加してもよいが、添加することなく、本工程における塩基としても使用することもでき、また、その方が効率化の観点で、好ましい。なお、得られる化合物3は公知物質であり、例えば、WO98/28266に記載されている。
<化合物3→化合物4>
化合物4(上記式(4)で表される化合物)は、こうして得られた化合物3に、エポキシ基開環を伴うアリルアルコール化を行うことにより得ることができる。化合物3のエポキシ基開環を伴うアリルアルコール化は、例えば、触媒量あるいは化学量論量、好ましくは化合物3に対し、0.1〜0.2当量の触媒量の適するルイス酸存在下、適する溶媒中で、室温〜還流温度で30分間〜3時間反応させることにより行うことができる。使用できるルイス酸の例には、アルミニウムトリアルコキシド、塩化アルミニウム、塩化チタン等が含まれるが、アルミニウムトリアルコキシドが好ましく、中でもアルミニウムイソプロポキシドがさらに好ましい。適する溶媒は、反応性に影響を与えないものであれば特に限定されないが、その例には、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素系溶媒およびジクロルメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素および四臭化炭素等のハロゲン系溶媒が含まれ、単独で用いても組み合わせて用いてもよい。中でも、炭化水素系溶媒単独、さらには、トルエン単独を用いることが好ましい。
好ましい態様では、化合物3のエポキシ基開環を伴うアリルアルコール化は、アルミニウムトリアルコキシド存在下、トルエン中で110〜120℃に加熱することにより行われる。
なお、上記した化合物2から化合物4を得るまでの工程は、化合物3を単離することなく連続した反応としてワンポットで行ってもよく、また、その方が好ましい。
さらに、化合物2をブロム化した後、塩基とルイス酸を同時に反応させること、すなわち、化合物2から化合物3を合成する際の脱臭化水素化の工程と、化合物3から化合物4を得る工程とを同時に行うこともでき、また、その方が好ましい。
また、化合物4も公知物質であり、例えば、WO98/28266に記載されている。
<化合物4→化合物5>
化合物5(上記式(5)で表される化合物)は、こうして得られた化合物4の水酸基を2−ハロ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドを用いてアルキル化することにより得ることができる。化合物4の水酸基のアルキル化は、例えば、化合物4に、適切な塩基の存在下、適する溶媒中、−80〜+10℃の温度で上記のハロ化合物を添加して反応させることにより行われる。適切な塩基の例には、ビス(トリメチルシリル)アミドカリウム、ビス(トリメチルシリル)アミドリチウム、およびビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム等のジシラザン、ならびに水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化カルシウム等の金属水素化物などの水酸基の脱プロトン化を行うことのできる塩基が含まれるが、ジシラザン、中でもビス(トリメチルシリル)アミドカリウムが好ましい。使用する塩基の量は、化合物5に対し、2〜3当量が好ましく、2.2〜2.8当量がさらに好ましい。上記ハロ化合物のハロの例には、クロロ、ブロモおよびヨードが含まれ、ブロモが好ましい。適する溶媒には、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびエーテル等のエーテル系溶媒、ならびにn−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素系溶媒などが含まれ、これらを単独で使用しても組み合わせて使用してもよいが、副反応回避、および/又は上記ハロ化合物添加時の反応温度の急激な上昇回避、および温度上昇により副生される副生成物量低減、および/又は上記ハロ化合物添加を完了するまでに要する時間短縮の観点では、エーテル系溶媒と炭化水素系溶媒との組み合わせ、中でもテトラヒドロフランとトルエンとの組み合わせが、さらに好ましい。さらに、反応系におけるテトラヒドロフランとトルエンの容量の比としては、7:3〜8:2であるのが好ましい。また、この溶媒容量比で反応を行った場合、上記ハロ化合物の添加に要する時間が、反応スケールによる影響を受けにくいという特徴がある。
好ましい態様では、化合物4の水酸基のアルキル化は、塩基としてビス(トリメチルシリル)アミドカリウムを用い、テトラヒドロフランおよびトルエンの混合溶媒中、−10〜0℃で、ハロ化合物として、スキーム1に示した2−ブロモ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミド(化合物9)を用いて行われる。
この反応に用いられる2−ハロ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドは、例えば、2,2,3,3,3−ペンタフルオロアミンと、ハロ酢酸またはハロ酢酸ハライド等とを、3級アミン若しくは縮合剤等の存在下、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピルおよび酢酸t−ブチル等の酢酸エステル系溶媒、ジクロルメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素および四臭化炭素等のハロゲン系溶媒、ならびに、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エーテル等のエーテル系溶媒中で行うことができる。ハロがブロモである場合、下記のスキーム2により容易に合成できる。
スキーム2:
Figure 2007063930
好ましい態様では、ハロ酢酸ハライドとしてブロモ酢酸ブロミドを用いて、酢酸エステル系溶媒、好ましくは酢酸エチル中、N,N−ジメチルアニリンの存在下で−20〜0℃で行われる。
<化合物5→化合物6>
化合物6(上記式(2)で表される化合物)は、先に得られた化合物5を脱保護反応である脱シリル化反応に供することにより得ることができる。脱シリル化反応により、TBS基、即ち、tert−ブチルジメチルシリル基が水素原子に変換される。化合物5の脱シリル化反応は、例えば、適切なフッ素系試薬を用いて、適する溶媒中、室温〜還流温度で10分間〜10時間反応することにより行われることができる。フッ素系試薬の例には、テトラn−ブチルアンモニウムフルオリドおよびフッ化水素ピリジン等が含まれる。この際、酢酸や安息香酸等の有機酸、好ましくは酢酸をさらに添加することにより反応液の塩基性を中和することにより塩基性条件下で安定でない基質や生成物の安定化を図ることもでき、また、添加するのが好ましい。適する溶媒の例には、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒、ならびにテトラヒドロフラン、ジオキサン、エーテル等のエーテル系溶媒が含まれるが、反応時間を短縮させる観点では、アミド系溶媒が好ましい。
好ましい態様では、化合物5の脱シリル化は、テトラn−ブチルアンモニウムフルオリドを使用し、反応液を中和するために酢酸あるいは安息香酸、好ましくは酢酸を添加し、アミド系溶媒中、好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド中、60℃〜150℃、好ましくは90℃〜120℃の温度で6〜12時間反応させることにより行われる。
副反応回避と反応時間短縮とのバランスの観点では、使用するテトラn−ブチルアンモニウムフルオリドの量は、化合物5に対し、2〜5当量が好ましく、2.3〜2.7当量がさらに好ましい。同じ観点で、使用する酢酸の量は、化合物5に対し、1〜5当量が好ましく、1.5〜2.5当量がさらに好ましい。 なお、上記した化合物4から化合物6を得るまでの工程は、化合物5を単離することなく連続した反応として行ってもよい。
なお、スキーム1において、化合物1〜5の1位および3位の水酸基の保護基はTBS基であるが、TBS基以外の置換シリル基を有する化合物を用いても、化合物1→化合物2、化合物2→化合物3、化合物3→化合物4、化合物4→化合物5、および化合物5→化合物6の変換と同様の変換をすることができる。1位および3位の水酸基の保護基がTBS基以外の化合物1〜5は、化合物1〜5を、それぞれ脱保護した後、TBS基以外の保護基で保護することにより得ることができる。脱保護および保護に際しては、例えば、反応に不適切な官能基が含まれていないか適宜検討した上で、「Greene and Wuts,“Protective Groups in Organic Sythesis”(第2版,John Wiley & Sons 1991)」記載の方法等を参照することができ、また、本願明細書の実施例4記載の方法を参考にすることもできる。なお、1位と3位の置換シリル基が異なる化合物1〜5は、1位の水酸基と3位の水酸基の間の反応性の差を利用することで、容易に合成し、利用し、脱保護することができる。
<化合物6→化合物7>
化合物7(上記式(6)で表される化合物)は、化合物6のステロイド骨格B環のジエン構造を開環することにより得ることができる。ステロイド骨格B環のジエン構造の開環は、例えば、適する溶媒中で紫外線照射することにより行うことができる。照射する紫外線波長は、当業者が適用可能な範囲において、特に限定するものではないが、280〜300nmが望ましい。使用する溶媒は、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノールおよびn−ブタノール等のアルコール系溶媒、ならびに酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピルおよび酢酸t−ブチル等の酢酸エステル系溶媒が望ましく、酢酸エチルがさらに好ましい。紫外線照射は、−30〜+20℃くらいの温度において、1〜10時間行えばよい。
好ましい態様では、化合物6の開環は、酢酸エステル系溶媒中、好ましくは酢酸エチル中で−10〜0℃で7〜9時間紫外線照射することにより行われる。
<化合物7→化合物8>
化合物8(上記式(1)で表される化合物)は、化合物7を異性化反応に供することにより得ることができる。化合物7の異性化反応は、例えば、適する溶媒中で、室温〜還流温度で1〜48時間行われる。溶媒は、基質ならびに生成物を溶解することができ、かつそれらの安定性を害することがないならば特に限定されず、上記紫外線照射反応時の溶媒をそのまま使用することも可能であり、好ましくは酢酸エステル系溶媒、さらに好ましくは酢酸エチルが使用される。
好ましい態様では、化合物7の異性化は、酢酸エチル中、1〜4時間加熱還流することにより行われる。
なお、上記した化合物6から化合物8を得るまでの工程は、化合物7を単離することなく連続した反応としてワンポットで行ってもよい。
以下に実施例により本発明の一態様をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例においては、NMRは日本電子ECP−500(実施例1)または日本電子EX−270(実施例3および4)を用いて測定した。
実施例1:(1S,3R,17R,20S)−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−17,20−エポキシプレグナ−5−エン(化合物2)の合成
Org. Process. Res. Dev., 2005, 9, 278-287に記載の方法に従って得た(17Z)−(1S,3R)−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プレグナ−5,17−ジエン(150g)を酢酸エチル(1.65L)に溶解し、m−クロロ過安息香酸(81.6g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応溶液にアセトニトリル(2.25L)を添加し、0℃に冷却した。析出物を濾取後、アセトニトリルにて洗浄し、減圧下乾燥して(1S,3R,17R,20S)−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−17,20−エポキシプレグナ−5−エンを白色結晶として得た(123g;収率:80%)。
1H-NMR (CDCl3): δ 0.03 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.88 (s, 18H), 0.89 (s, 3H), 0.97 (s, 3H), 1.22 (m, 1H), 1.38 (d, J=6.0 Hz, 3H), 1.35-1.65 (m, 8H), 1.65-1.90 (m, 4H), 1.95-2.00 (m, 1H), 2.16-2.25 (m, 2H), 2.30 (m, 1H), 2.97 (q, J=5.5 Hz, 1H), 3.77 (q, J=1.8 Hz, 1H), 4.00 (m, 1H), 5.47 (m, 1H)。
実施例2:(1S,3R,20S)−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−ヒドロキシプレグナ−5,7,16−トリエン(化合物4)の合成
実施例1で得た(1S,3R,17R,20S)−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−17,20−エポキシプレグナ−5−エン(100g)にN−ブロモスクシンイミド(38.3g)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(7.98g)、γ−コリジン(82.4mL)を加え、n−ヘプタン(1000mL)中、75℃にて15分間撹拌した。室温まで冷却後、析出物を濾別し、濾液であるn−ヘプタン溶液を減圧下濃縮した。得られたγ−コリジンを含む濃縮残渣にトルエン(650mL)、アルミニウムイソプロポキシド(3.64g)を加え、2時間加熱還流した。反応液を冷却し、有機層を塩酸、重曹水、水で順次洗浄後、減圧下濃縮した。得られた濃縮残渣を酢酸エチル、アセトニトリル、トリエチルアミンの混合溶媒に懸濁後、濾取し、アセトニトリル洗浄、減圧下加熱乾燥して(1S,3R,20S)−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−ヒドロキシプレグナ−5,7,16−トリエンを微黄色粉末として得た(37.5g;収率:37.7%)。
得られた(1S,3R,20S)−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−ヒドロキシプレグナ−5,7,16−トリエンのスペクトルデータはWO98/28266の実施例61に記載されている(1S,3R,20S)−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−ヒドロキシプレグナ−5,7,16−トリエンのスペクトルデータと一致した。
実施例3:2−ブロモ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミド(化合物9)の合成
2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン(Synquest社製)(389g)を酢酸エチル(1.56L)に溶かし、N,N−ジメチルアニリン(316g)を加え、−10℃に冷却後、ブロモ酢酸ブロミド(500g)を滴下した。滴下終了後、10℃〜0℃の間で2時間撹拌した。有機層を塩酸、重曹水、食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧濃縮し、白色粉末として2−ブロモ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドを得た(678g)。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.95 (s, 3H), 3.93-4.09 (m, 2H), 6.74 (bs, 1H)。
実施例4:[{(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシプレグナ−5,7,16−トリエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミド(化合物6)の合成
窒素雰囲気下、実施例2で得た(1S,3R,20S)−1,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−ヒドロキシプレグナ−5,7,16−トリエン(30,0g)をテトラヒドロフラン(630mL)に溶かし、0.55mol/Lビス(トリメチルシリル)アミドカリウムトルエン溶液(244mL)を−10℃にて滴下した。30分間撹拌後、実施例3で得た2−ブロモ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミド(15.9g)のテトラヒドロフラン溶液を20分間かけて−15℃にて滴下し、同温で撹拌を30分間継続した。反応混合液に塩化アンモニウム水溶液、酢酸エチルを加えて抽出し、有機層を水、食塩水で順次洗浄後、減圧濃縮した。さらに、メタノールにて酢酸エチルを減圧下共沸留去した。 次に、得られた濃縮残渣をN,N−ジメチルアセトアミド(300mL)に溶解し、これを75%テトラn−ブチルアンモニウムフルオリド水溶液(51mL)、酢酸(6.1mL)のN,N−ジメチルアセトアミド(60mL)溶液中に添加し、100〜105℃で7時間撹拌した。反応混合液に酢酸エチルを添加し、有機層を水、食塩水で順次洗浄後、有機層を減圧下濃縮した。得られた残渣を2−プロパノールと水から再結晶して[{(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシプレグナ−5,7,16−トリエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドを灰色粉末として得た(13.1g;収率:46.7%)。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.06 (s, 6H), 0.07 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.86-0.92 (m, 21H), 0.95 (s, 3H), 1.37 (d, J=6.4 Hz, 3H), 2.79-2.92 (m, 1H), 3.67-3.74 (m, 1H), 3.87 (d, J=15.7 Hz, 1H), 3.92-4.13 (m, 5H), 5.36-5.44 (m, 1H), 5.58-5.67 (m, 2H), 6.87-6.96 (m, 1H); MS m/z: 748 (M+), 73 (100%); UV λmax: 293, 281, 270, 261 nm; IR (neat): 2954, 2931, 2896, 1698, 1525, 1253, 1197, 1151, 1097 cm-1
実施例5:[{(5Z,7E)−(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミド(化合物8)の合成
実施例4で得た[{(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシプレグナ−5,17,16−トリエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミド(12.0g)を酢酸エチル(100mL)に溶かし、アルゴン気流下、−5〜7℃の間の反応温度にてUV照射を8時間行った。次に、同溶液を2時間加熱還流した後、反応液を減圧下濃縮した。
上記反応を10回行い、得られた濃縮残渣を合してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Merck シリカゲル60(230〜400mesh);移動相:酢酸エチル/n−ヘキサン=2/1)により精製、減圧下濃縮して[{(5Z,7E)−(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドを微黄色油状物として30.0g得た(収率:25%)。
得られた[{(5Z,7E)−(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドのスペクトルデータはWO2001/096293の実施例22(2)に記載されている[{(5Z,7E)−(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドのスペクトルデータと一致した。
<本発明方法と従来法との比較>
化合物4から化合物8を製造する場合、従来法に比べて本発明方法では次のような利点がある。
・工程数:従来法=5工程(WO2001/096293の実施例11(1)、17(1)、17(2)、22(1)および22(2)に記載の工程)に対し、本発明法=3工程(上記実施例3、4および5の工程)
・クロマト精製回数:従来法=5回(上記工程数で挙げた各工程毎)に対し、本発明法=1回(上記実施例5のみ)
・収率:従来法=5.7%(WO2001/096293の実施例11(1)=25%×17(1)および(2)=69%×22(1)および(2)=33%)に対し、本発明法:11.7%(上記実施例4=46.7%×実施例5=25%)
本発明の製造法により、医薬品として有用性な[{(5Z,7E)−(1S,3R,20S)−1,3−ジヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5,7,10(19),16−テトラエン−20−イル}オキシ]−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドの実用的かつ効率的な合成が可能となる。

Claims (7)

  1. 式(1):
    Figure 2007063930
    で表される化合物の製造方法であって、
    式(2):
    Figure 2007063930
    で表される化合物のステロイド骨格B環を紫外線照射により開環し、次いで
    異性化することにより式(1)の化合物を得ること
    を含んでなる方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、式(2)で表される化合物が、
    式(3):
    Figure 2007063930
    (式中、R1およびR2は、同一又は異なって、置換シリル基である。)
    で表される化合物のステロイド骨格B環を共役ジエン化し、次いで
    エポキシ基開環を伴うアリルアルコール化を行うことにより、式(4):
    Figure 2007063930
    で表される化合物を得、
    得られた該化合物を2−ブロモ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドと反応させることにより、式(5):
    Figure 2007063930
    で表される化合物を得、そして
    得られた該化合物のR1およびR2を水素原子に変換すること
    を含んでなる方法により得られる方法。
  3. 請求項1記載の方法であって、式(2)で表される化合物が、
    式(4):
    Figure 2007063930
    (式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換シリル基である。)
    で表される化合物を2−ブロモ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アセトアミドと反応させることにより、式(5):
    Figure 2007063930
    で表される化合物を得、そして
    得られた該化合物のR1およびR2を水素原子に変換すること
    を含んでなる方法により得られる方法。
  4. 1およびR2が、いずれもtert−ブチルジメチルシリル基である、請求項2または3記載の方法。
  5. 式(3):
    Figure 2007063930
    (式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換シリル基である。)
    で表される化合物。
  6. 1およびR2が、いずれもtert−ブチルジメチルシリル基である、請求項5記載の化合物。
  7. 式(2):
    Figure 2007063930
    で表される化合物。
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