JPWO2007061032A1 - シリコーン異型粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
(課題)シリコーン異型粒子及びその製造方法を提供することを課題とする。更には、形状、粒子径等が制御されたシリコーン異型粒子及びその製造方法を提供することを課題とする。(解決手段)R2SiO2/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むポリオルガノシロキサン(A)を、まずRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(B)で被覆し、次に水溶性電解質を添加し、さらにまたRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(C)を添加することにより合成されることを特徴とするシリコーン異型粒子並びにその製造方法。
Description
本発明は、シリコーン異型粒子およびその製造方法に関する。さらに詳細には、その形状、粒子径などが制御されたシリコーン異型粒子およびその製造方法に関する。
シリコーンは耐熱性、耐寒性、離型性、撥水性等の特異な性質を持っている。この特異な性質を応用したポリオルガノシロキサンのグラフト共重合体は、難燃剤、衝撃性改良剤、衝撃性改良助剤、離型剤等の数々の高付加価値商品として市場で利用されている。
プラスチックにポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体などのゴム含有粒子を分散させてプラスチックを改質する場合、通常は球状の粒子を用いることが一般的である。が、シリコーン系以外のゴム粒子に関しては、例えば、水溶性電解質の存在下で小さなブタジエン系ゴム粒子にビニル単量体をグラフト重合した異型粒子は、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を向上させることが開示されている(特許文献1参照)。
シリコーン系粒子についても、その粒子構造、形状などを制御することにより、通常の球状粒子では達成できない様々な物性を発現させることが期待されているが、そのような制御技術は知られていない。
一方、例えば、プラスチックにゴム粒子を分散させてプラスチックを改質する場合、プラスチックの種類によって異なる最適分散粒子径があることが知られており、プラスチックの種類によっては、平均粒子径の小さいポリオルガノシロキサンが必要となる場合もある。
ポリオルガノシロキサンの乳化重合法としては、Hydeらによる方法がよく知られている(特許文献2参照)。この方法では、ポリジメチルシロキサンの前駆物質、界面活性剤、水および重合触媒を混合、撹拌、加熱してラテックスを得ているが、平均粒子径が0.1μm以下のポリオルガノシロキサンラテックス粒子は得られていない。
小粒子径のポリオルガノシロキサンラテックスの製造方法としては、シクロポリオルガノシロキサン、界面活性剤(ポリオルガノシロキサンの0.15〜5倍の重量)、および水からなるエマルジョン前駆体を重合触媒を含む水溶液に逐次添加して、平均粒子径0.15μm以下のラテックスを得る方法が示されている(特許文献3参照)。
また、シロキサン系架橋剤を必須とするポリオルガノシロキサンラテックスではあるが、オルガノシロキサン系混合物、乳化剤および水からなる混合・乳化物を、最終オルガノシロキサン系混合物/(酸+乳化剤)の重量比が100/2〜12になるような重合触媒(酸)系に連続滴下して、数平均粒子径が0.1μm以下のラテックスを得る製造方法が示されている(特許文献4参照)。
これらの技術によれば小粒子径のポリオルガノシロキサンを製造することはできるが、これらの技術では多量の乳化剤量や酸触媒量を使用しているため、成形中に成形体が熱劣化を起こしたり、成形体の機械的性質の低下が起ったりする問題が発生する場合がある。
この問題を解決するために、我々は平均粒子径が0.075μm以下の小粒子径のポリオルガノシロキサンを合成する方法を既に開発している(特許文献5参照)。
乳化剤と酸触媒の使用量が少ない小粒子径のポリオルガノシロキサンはそのままでも十分活用できるものの、それだけでは用途が限られる場合もあるため、小粒子径のポリオルガノシロキサンを使用しながら、さらに色々な性能を広く向上させることが求められている。
特開2003−119396号公報
米国特許第2891920号明細書
特開昭62−141029号公報
特開平5−194740号公報
国際公開WO2006/16490号公報
本発明は、シリコーン異型粒子およびその製造方法を提供することを課題とする。更には、形状、粒子径等が制御されたシリコーン異型粒子およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、ポリオルガノシロキサンを、まずRSiO3/2単位を含むアルコキシシランで被覆し、次に水溶性電解質を添加し、さらにまたRSiO3/2単位を含むアルコキシシランを添加することによりシリコーン異型粒子が合成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1は R2SiO2/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むポリオルガノシロキサン(A)を、まずRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(B)で被覆し、次に水溶性電解質を添加し、さらにまたRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(C)を添加することにより合成されることを特徴とする、シリコーン異型粒子に関する。
好ましい実施態様は、前記ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径が0.1μm未満であることを特徴とする、前記のシリコーン異型粒子に関する。
好ましい実施態様は、前記ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径をa、シリコーン異型粒子の体積平均粒子径をbとした場合、b/aの値が1.5以上であることを特徴とする、前記いずれかに記載のシリコーン異型粒子に関する。
好ましい実施態様は、(A)/((B)+(C))の重量比率が、100/1から100/250であることを特徴とする、前記いずれかに記載のシリコーン異型粒子に関する。
本発明の第2は、R2SiO2/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上むポリオルガノシロキサン(A)を、まずRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(B)で被覆し、次に水溶性電解質を添加し、さらにまたRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(C)を添加することにより合成されることを特徴とする、シリコーン異型粒子の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、前記ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径が0.1μm未満であることを特徴とする、前記のシリコーン異型粒子の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、前記ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径をa、シリコーン異型粒子の体積平均粒子径をbとした場合、b/aの値が1.5以上であることを特徴とする、前記いずれかに記載のシリコーン異型粒子の製造方法に関する。
本発明によれば、ポリオルガノシロキサンを、まずRSiO3/2単位を含むアルコキシシランで被覆し、次に水溶性電解質を添加し、さらにまたRSiO3/2単位を含むアルコキシシランを添加することにより、シリコーン異型粒子を合成できる。当該シリコーン異型粒子は、色々な分野で色々な性能を向上させることが期待できる。
本発明は、R2SiO2/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含み、体積平均粒子径aであるポリオルガノシロキサン(A)を、まずRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(B)で被覆し、次に水溶性電解質を添加し、さらにまたRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(C)を添加することにより合成される体積平均粒子径bであるシリコーン異型粒子を提供するものである。
本発明に使用するポリオルガノシロキサン(A)は、分子内にR2SiO2/2単位を50モル%以上含む必要があり、更には当該単位が90モル%以上含まれることがより好ましい。ポリオルガノシロキサン(A)中のR2SiO2/2単位が50モル%未満ではゴムの特性がでない場合がある。
また、ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径aは1μm未満であることが好ましく、更には0.1μm未満であることがより好ましく、0.05μm未満であることが特に好ましい。ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径が1μm以上のものは通常の乳化系の重合では合成し難い傾向がある。ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径の下限値については特に制限はないが、合成し易さを考慮すると0.001μm以上であることが好ましい。なお、体積平均粒子径は、例えば、測定装置として日機装株式会社製の粒度分析計 NPA 150を用いて測定できる。
ポリオルガノシロキサン(A)のR2SiO2/2単位を形成する原料としては、R2SiX2(式中、Rは、上記と同じ基を表す。Xは、同一又は異なってもよく、ハロゲン、水酸基、または水酸基の脱水縮合物である。)で表される化合物や、直鎖状、分岐状または環状構造を有するオルガノシロキサンである。具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシランなど、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンなどを挙げることができる。これらオルガノシロキサンは、単独でも、あるいは2種以上を併用することもできる。また必要に応じて、RSiO3/2単位やSiO4/2単位を含むシラン化合物を加えてもよい。RSiO3/2単位を含む原料としてはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシランなどを挙げることができる。SiO4/2単位を含む原料としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、およびそれらの縮合物などが挙げられる。
ポリオルガノシロキサン(A)の合成は、例えば、乳化剤を用いて乳化したR2SiO2/2単位を形成する化合物を含む原料に触媒を加えて加温することにより行われる。特に粒子径の小さいポリオルガノシロキサンを得たい場合には、最初に親水性と膨潤性のあるシードポリマーを酸触媒水溶液に加え、加温後、乳化したR2SiO2/2単位を形成する化合物を含む原料を連続的に追加する方法が利用できる。
乳化剤としては、アニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤が使用されうる。アニオン系乳化剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどが挙げられるが、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましく用いられうる。ノニオン系乳化剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルやポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが挙げられる。
乳化剤は、R2SiO2/2単位を形成する化合物を含む原料および水と混合され、例えば、ホモジナイザーやラインミキサー等によって乳化液を調製することができる。
本発明に用いることのできる酸触媒は、例えば、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類、および硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類が挙げられる。これらの中では、オルガノシロキサンの乳化安定性にも優れる脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
反応のための加熱は適宜設定できるが、適度な重合速度が得られるという点で30〜120℃が好ましく、40〜90℃がより好ましい。
本発明に使用するRSiO3/2単位を含むアルコキシシラン(B)は、アルコキシシラン(B)中にRSiO3/2単位を50モル%以上含む必要があり、更には当該単位を70モル%以上含むことが好ましい。RSiO3/2単位が50モル%未満では、その後の凝集肥大が起こり難くなる傾向があり、目的のシリコーン異型粒子が得られにくい場合がある。
前記のRSiO3/2単位を含む原料としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシランなどを挙げることができる。また必要に応じて、R2SiO2/2単位やSiO4/2単位を含むシラン化合物を加えてもよい。R2SiO2/2単位の原料としてはジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシランなど、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンなどを挙げることができる。SiO4/2単位の原料としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、およびそれらの縮合物などが挙げられる。
本発明においては、まず前記ポリオルガノシロキサン(A)をアルコキシシラン(B)で被覆するが、ゴム状の球状粒子であるポリオルガノシロキサン(A)に、硬い成分となるアルコキシシラン(B)を連続的に添加して粒子表面を被覆することで、最終異型粒子の構成粒子が元の球形を保てるようにする。この被覆が十分でないと凝集肥大した最終の異型粒子表面の凹凸が明瞭にならない傾向がある。ポリオルガノシロキサン(A)粒子の周りをアルコキシシラン(B)が被覆している様子は、凝集肥大前のラテックスサンプルを水溶性エポキシに混合・硬化してオスミウム染色後、TEM観察することにより確認できる。
本発明においては、ポリオルガノシロキサン(A)をアルコキシシラン(B)で被覆し、次に水溶性電解質を添加するが、当該水溶性電解質は、RSiO3/2単位を50モル%以上含むシリコーンで被覆されたポリオルガノシロキサンを、その次のRSiO3/2単位を50モル%以上含むシリコーンとの反応中に凝集肥大するために使用されるものであり、具体的にはNa+、K+、Mg+、Ca2+、Al3+、H+などや、Cl−、Br−、SO4 2−、SO4 3−、NO2 −、NO3 −、PO4 3−、CO3 2−、OH−などに解離する化合物などがあげられる。具体的な化合物としては、例えば、NaCl、KCl、Na2SO4、CaCl2、AlCl3などがあげられる。水溶性電解質の添加量としては適宜設定できるが、ポリオルガノシロキサン(A)、アルコキシシラン(B)、アルコキシシラン(C)の合計量100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましい。水溶性電解質の添加量が0.1重量部未満だと凝集肥大しにくく、逆に10重量部を越えるとラテックスの安定性が不足して重合スケ−ルが多くなる傾向がある。
本発明に使用するRSiO3/2単位を含むアルコキシシラン(C)は、アルコキシシラン(C)中にRSiO3/2単位を50モル%以上含む必要があり、更には当該単位を70モル%以上含むことが好ましい。RSiO3/2単位が50モル%未満ではアルコキシシラン(C)の縮合反応中の凝集肥大が起こり難くなる傾向がある。
RSiO3/2単位を含む原料としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシランなどを挙げることができる。また必要に応じて、R2SiO2/2単位やSiO4/2単位を含むシラン化合物を加えてもよい。R2SiO2/2単位の原料としてはジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシランなど、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンなどを挙げることができる。SiO4/2単位の原料としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、およびそれらの縮合物などが挙げられる。
本発明のシリコーン異型粒子において、ポリオルガノシロキサン(A)、アルコキシシラン(B)およびアルコキシシラン(C)の使用比率については、特に制限はないが、ポリオルガノシロキサン(A)の柔軟な特性を活かす点から、(A)/((B)+(C))の重量比率が、100/1〜100/250であることが好ましく、100/5〜100/100であることがより好ましい。
本発明において、上記凝集肥大後に得られるシリコーン異型粒子の体積平均粒子径bは、乳化剤により水中のシリコーン粒子を安定化させる場合、安定性の点から、0.1〜3μmの範囲であることが好ましく、更には0.1〜1μmの範囲がより好ましい。なお、本発明において異型粒子とは、いわゆる球形粒子でないことを意味し、例えば、ぶどうの房状、コンペイ糖状などを例示することができる。
また、シリコーン異型粒子の体積平均粒子径bとポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径aとの比b/aの値は、1.5以上が好ましく、更には10以上200未満がより好ましい。条件を満たすと最終的に得られるシリコーン粒子の形状は、例えば良好なクラスター構造を有する異型粒子となり、様々な技術分野において新しい特性が期待できる。なお、シリコーン異型粒子の形状の確認は、例えば、ラテックス状の最終シリコーン異型粒子を水溶性エポキシに混合・硬化してオスミウム染色後、TEM観察することにより可能となる。
本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。なお、以下の実施例および比較例における測定および試験はつぎのように行った。
[体積平均粒子径]
シードポリマー、ポリオルガノシロキサン(A)およびシリコーン異型粒子の体積平均粒子径をラテックスの状態で測定した。測定装置として、日機装株式会社製の粒度分析計 NPA 150を用いて体積平均粒子径(μm)を測定した。
シードポリマー、ポリオルガノシロキサン(A)およびシリコーン異型粒子の体積平均粒子径をラテックスの状態で測定した。測定装置として、日機装株式会社製の粒度分析計 NPA 150を用いて体積平均粒子径(μm)を測定した。
(実施例1〜4、比較例1〜3)
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水400重量部(種々の希釈水も含む水の総量)およびドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(SDBS)8重量部(固形分)を混合した後50℃に昇温し、液温が50℃に達した後、窒素置換を行った。その後ブチルアクリレート10重量部、t−ドデシルメルカプタン3重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.01重量部の混合液を加えた。30分後、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002重量部、エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩0.005重量部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.2重量部を加えてさらに1時間重合させた。その後ブチルアクリレート90重量部、t−ドデシルメルカプタン27重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.1重量部の混合液を3時間かけて連続追加した。2時間の後重合を行いシードポリマーを得た。合成後の体積平均粒子径は0.04μmであった。
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水400重量部(種々の希釈水も含む水の総量)およびドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(SDBS)8重量部(固形分)を混合した後50℃に昇温し、液温が50℃に達した後、窒素置換を行った。その後ブチルアクリレート10重量部、t−ドデシルメルカプタン3重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.01重量部の混合液を加えた。30分後、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002重量部、エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩0.005重量部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.2重量部を加えてさらに1時間重合させた。その後ブチルアクリレート90重量部、t−ドデシルメルカプタン27重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.1重量部の混合液を3時間かけて連続追加した。2時間の後重合を行いシードポリマーを得た。合成後の体積平均粒子径は0.04μmであった。
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水400重量部(種々の希釈水も含む水の総量)、シードポリマーおよびドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)表1に示した量(固形分)を混合した後80℃に昇温し、液温が80℃に達した後、窒素置換を行った。その後、別途純水75重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.25重量部(固形分)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)表1に示した量からなる混合物をホモミキサーを用い7000rpmで5分間撹拌して得た乳化液を3時間かけて連続添加した。添加終了後、80℃で2時間撹拌を続けた後、25℃に冷却して20時間放置した。その後、このポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径aを測定し、結果を表1に示した。
上記ポリオルガノシロキサンを撹拌しながら窒素気流下で60℃まで昇温した。60℃到達後、メチルトリメトキシシラン(MTMS)表1に示した量、MTMSと同量の水、MTMSの5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダからなる混合物をホモミキサーを用い7000rpmで5分間撹拌して得た乳化液を0.5時間(比較例の場合は2時間)かけて連続添加した。追加終了0.5時間後、このMTMS被覆ポリオルガノシロキサンの体積平均粒子径を測定し、表1に示した。
つづいて、10重量%Na2SO4(SS)水溶液を表1に示した量(固形分)添加した。その後、メチルトリメトキシシラン(MTMS)表1に示した量、MTMSと同量の水、MTMSの5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダからなる混合物をホモミキサーを用い7000rpmで5分間撹拌して得た乳化液を2時間かけて連続添加した。追加終了1時間後、このシリコーン粒子の体積平均粒子径bを測定し、表1に示した。
R2SiO2/2単位を含むポリオルガノシロキサンを、まずRSiO3/2単位を以上含むアルコキシシランで被覆し、次に水溶性電解質を添加し、さらにまたRSiO3/2単位を含むアルコキシシランを添加することによりシリコーン異型粒子を得た。
Claims (7)
- R2SiO2/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むポリオルガノシロキサン(A)を、まずRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(B)で被覆し、次に水溶性電解質を添加し、さらにまたRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(C)を添加することにより合成されることを特徴とする、シリコーン異型粒子。
- 前記ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径が0.1μm未満であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコーン異型粒子。
- 前記ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径をa、シリコーン異型粒子の体積平均粒子径をbとした場合、b/aの値が1.5以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシリコーン異型粒子。
- (A)/((B)+(C))の重量比率が、100/1から100/250であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のシリコーン異型粒子。
- R2SiO2/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むポリオルガノシロキサン(A)を、まずRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(B)で被覆し、次に水溶性電解質を添加し、さらにまたRSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至24の芳香族基を示す)を50モル%以上含むアルコキシシラン(C)を添加することにより合成されることを特徴とする、シリコーン異型粒子の製造方法。
- 前記ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径が0.1μm未満であることを特徴とする、請求項5に記載のシリコーン異型粒子の製造方法。
- 前記ポリオルガノシロキサン(A)の体積平均粒子径をa、シリコーン異型粒子の体積平均粒子径をbとした場合、b/aの値が1.5以上であることを特徴とする、請求項5または6に記載のシリコーン異型粒子の製造方法。
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