JP2009057315A - 中空シリコーン系微粒子含有化粧料 - Google Patents

中空シリコーン系微粒子含有化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、配合剤との分散性に優れる中空シリコーン系微粒子および、透明性と肌へのフィット感に優れる化粧料を提供する。
【解決手段】 中空シリコーン系微粒子(A)を含有することを特徴とする、化粧料。中空シリコーン系微粒子(A)の体積平均粒子径は0.001〜1μmであることが好ましく、含有量は1〜80重量%であることが好ましい。中空シリコーン系微粒子(A)の外周部が、SiO4/2単位、RSiO3/2単位およびRSiO2/2単位からなる群より選ばれる1単位以上からなり、RSiO2/2単位の割合が20モル%以下、RSiO3/2単位の割合が50モル%以上であるシリコーン系化合物(B)からなることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、中空シリコーン系微粒子を含有する化粧料に関する。
これまで、シリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機酸化物粒子、あるいは更に有機基を含むこれら無機酸化物粒子や、PMMA、ナイロン、シリコーン、ポリスチレン等の樹脂系球状粒子が、パウダーファンデーション等のメーキャップ化粧品や乳液等の皮膚用化粧品に配合されて使用されている。無機酸化物系粒子の場合、硬度が高いためサラサラとしたドライな感触が得られ、樹脂系粒子の場合、硬度が比較的低いためにソフトな感触が得られる。また、これら粒子の粒子径が数μm以上と大きいと、得られる化粧料の伸びが良く、逆に粒子径が小さいと、皮膚との接触面が大きくなるため、得られる化粧料のフィット感が良く、透明性に優れるという特徴があった。
前記より透明性を得るためには低屈折率で粒子径が小さい粒子が所望される。そのため、シリカ粒子が好適に用いられてきたが、シリカの屈折率は1.47と十分に低いものではなかった。更に、化粧料は肌の汗や水分により屈折率が変化するという問題があった。そこで、多孔質シリカを用いる方法が開示されている(特許文献1)。多孔質シリカは、シリカよりも低屈折率で、肌の汗や水分を吸収することができる。しかし、多孔質シリカは中空状と異なり空隙率が低いため、十分な効果を得るには細孔を大きくする必要があり、それに伴い粒子径も数μm以上と大きくなるため、透明性に欠けるといった問題や、含量が増えると粒子径が大きいため、きしみ感が生じ肌触りが悪くなるといった問題があった。
また、中空シリカの製法は様々な製造方法が開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示された技術では、先ず珪酸塩等の無機物に有機溶剤を添加混合して水中油滴型(O/W型)乳化液を作り、これに親油性界面活性剤を含む有機溶剤を添加混合して油中水中油滴型(O/W/O型)乳濁液を作り、最後に無機酸や無機酸のアンモニウム塩等により無機化合物を水不溶性沈殿物に変え無機中空微粒子を得ている。しかし、重合時に使用した界面活性剤が粉末中に残留するため、その界面活性剤が化粧品の種類によっては他の配合剤の分散性等に悪影響を及ぼすといった問題があった。
特開2007−169186号公報 特開昭63−258642号公報
本発明は、配合剤との分散性に優れる中空シリコーン系微粒子および、透明性と肌へのフィット感に優れる化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、新規な中空シリコーン系微粒子を見出し、該中空シリコーン系微粒子を含有することを特徴とする化粧料が、透明性と肌へのフィット感に優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、中空シリコーン系微粒子(A)を含有することを特徴とする、化粧料に関する。
好ましい実施態様は、中空シリコーン系微粒子(A)の体積平均粒子径が0.001〜1μmであることを特徴とする、前記の化粧料に関する。
好ましい実施態様は、化粧料100重量%中の中空シリコーン系微粒子(A)の含有量が1〜80重量%であることを特徴とする、前記の化粧料に関する。
好ましい実施態様は、中空シリコーン系微粒子(A)の外周部が、SiO4/2単位、RSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至24の芳香族基、ビニル基、(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基を持つ有機基の少なくとも1種を示す)およびRSiO2/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至24の芳香族基、ビニル基、(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基を持つ有機基の少なくとも1種を示す)からなる群より選ばれる1単位又は2単位以上からなり、RSiO2/2単位の割合が20モル%以下、RSiO3/2単位の割合が50モル%以上であるシリコーン系化合物(B)からなることを特徴とする、前記の化粧料に関する。
好ましい実施態様は、前記中空シリコーン系微粒子(A)が下記工程(a)〜工程(b)により製造されたものであることを特徴とする、化粧料に関する。
(a)有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)からなる粒子を、シリコーン系化合物(B)により被覆して、コアシェル粒子(E)を製造する工程。
(b)コアシェル粒子(E)中の有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)からなる粒子を除去する工程。
本発明の中空シリコーン系微粒子は、配合剤との分散性に優れ、透明性と肌へのフィット感に優れる化粧料を提供することが出来る。
本発明は、中空シリコーン系微粒子を含有する化粧料を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
<中空シリコーン系微粒子(A)>
本発明に用いる中空シリコーン系微粒子(A)は、外周部がシリコーン系化合物(B)からなる中空構造の粒子である。このような中空シリコーン系微粒子(A)は、例えば、有機又は無機のコア粒子をシリコーン系化合物(B)で被覆した後、コア粒子を除去することによって得られる。簡便な方法で空隙率を高くできるという点からは、有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)からなる粒子を、SiO4/2単位、RSiO3/2単位およびRSiO2/2単位からなる群より選ばれる1単位又は2単位以上からなり、RSiO2/2単位の割合が20モル%以下、RSiO3/2単位の割合が50モル%以上であるシリコーン系化合物(B)で被覆した後、有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)を除去することにより得られる中空シリコーン系微粒子(A)であることが好ましい。
本発明の有機高分子粒子(C)の組成については限定されるものではなく、例えば、ポリアクリル酸ブチル、ポリブタジエン、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体等に代表される軟質重合体でもよく、アクリル酸ブチル−スチレン共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸ブチル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の硬質重合体でも問題なく使用できる。後の凝固工程での除去性という点から、これらのうち軟質重合体が好ましく、ポリアクリル酸ブチルがより好ましい。
本発明の有機高分子粒子(C)の製造法は、特に限定されず、乳化重合法、マイクロサスペンジョン重合法、ミニエマルション重合法、水系分散重合法など公知の方法が使用できる。なかでも、粒子径の制御が容易であり、工業生産にも適する点から、乳化重合法により製造することが特に好ましい。通常、乳化重合法で製造された有機高分子粒子(E)は球状になるため、これをコアとして用いると、球状の空洞を一つ有する中空シリコーン粒子を製造することができる。有機高分子粒子(E)のラテックスに無機塩などを加えて一部凝集させたものをコアに用いると、連球状など不定形の空洞を有する中空シリコーン粒子や、複数の空洞を有する中空シリコーン粒子を製造することもできる。空隙率を高くしやすいという点からは、中心部に球状の空洞を一つ有する構造にすることが好ましい。
前記有機高分子粒子(C)の重合にはラジカル重合開始剤が用いられうる。ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられる。上記重合を、例えば、硫酸第一鉄−ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ−エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩、硫酸第一鉄−グルコース−ピロリン酸ナトリウム、硫酸第一鉄−ピロリン酸ナトリウム−リン酸ナトリウムなどのレドックス系で行うと、低い重合温度でも効率的に重合を完了することができる。
本発明の有機高分子粒子(C)は、後の段階で行なわれる有機高分子の除去を有機溶媒により行う場合を考慮すると非架橋高分子であることが好ましく、有機高分子粒子(C)の分子量は低い方が好ましい。具体的には、重量平均分子量が30000未満であることが好ましく、さらには10000未満であることがより好ましい。有機高分子粒子(C)の重量平均分子量を低くするためには、例えば、連鎖移動剤の使用、高い重合温度に設定、多量の開始剤を使用するなど種々の手段を適宜組み合わせて選択することができる。連鎖移動剤の具体例としてはt−ドデシルメルカプタンやn−ドデシルメルカプタンなどが挙げられる。有機溶剤に溶解しやすい有機高分子粒子(E)が得られるという点からは、連鎖移動剤の使用量は原料モノマー100重量部あたり0.1〜40重量部が好ましく、5〜35重量部がより好ましく、15〜30重量部が特に好ましい。有機高分子粒子(C)の重量平均分子量の下限値は特に制限されるものではないが、合成の難易度の点から、概ね2000程度である。なお、重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析(ポリスチレン換算)によって測定できる。
本発明においては、有機高分子粒子(C)の粒子径分布を狭くするためにシード重合法を利用することもできる。中空シリコーン系微粒子が均一な屈折率を有するという点からは、有機高分子粒子(C)の粒子径分布は狭い方が好ましい。なお、ラテックス状態の有機高分子粒子(C)やコアシェル粒子(E)の体積平均粒子径は、光散乱法または電子顕微鏡観察から求められうる。体積平均粒子径および粒子径分布は、例えば、リード&ノースラップインスツルメント(LEED&NORTHRUP INSTRUMENTS)社製のMICROTRAC UPAを用いることにより測定することができる。
本発明における有機溶剤(D)は、水に溶けず、乳化剤により微粒子を形成できるものであればよく、具体例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、n−ヘキサン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明においては、有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)からなる粒子がコアシェル粒子(E)の製造におけるコアとして用いられうる。本発明では最終的に有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)を除去する。有機高分子粒子(C)および有機溶剤(D)を併用しても良く、有機高分子粒子(C)または有機溶剤(D)の単独使用でも良い。前記粒子において、有機高分子粒子(C)および有機溶剤(D)を併用する場合の使用割合については、重量比で有機高分子粒子(C)/有機溶剤(D)が100/0〜1/99の範囲が好ましい。
本発明の中空シリコーン系微粒子(A)において外周部となるシリコーン系化合物(B)は、SiO4/2単位、RSiO3/2単位およびRSiO2/2単位からなる群より選ばれる1単位又は2単位以上からなり、RSiO2/2単位の割合が20モル%以下、RSiO3/2単位の割合が50モル%以上であることが好ましい。複数のRは各々同じであっても良く、異なっていても良い。
前記SiO4/2単位の原料としては、例えば、四塩化ケイ素、テトラアルコキシシラン、水ガラスおよび金属ケイ酸塩からなる群より選択される1種または2種以上が挙げられる。テトラアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、およびそれらの縮合物などが挙げられる。
前記RSiO3/2単位の原料としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等などを挙げることができ、これらは1種または2種以上を組み合わせて適宜使用できる。
前記RSiO2/2単位の原料としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシランなど、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサン等が挙げられる。
本発明のシリコーン系化合物(B)100モル%中のRSiO3/2単位の割合は、コアシェル粒子(E)の粒子径分布の安定性の観点から、50〜100モル%であることが好ましく、更には75〜100モル%であることがより好ましい。RSiO3/2単位の割合が50モル%未満になると、コアシェル粒子(E)の外に小粒子径の新粒子が生成することがある。
本発明では、中空シリコーン系微粒子(A)に柔軟性を持たせたい場合にRSiO2/2単位を少量混入することができる。シリコーン系化合物(B)100モル%中のRSiO2/2単位の割合は20モル%以下であることが好ましく、さらには10モル%以下であることがより好ましい。RSiO2/2単位の割合が20モル%を越えると最終の中空シリコーン系微粒子(A)が柔軟になり過ぎて形状保持性に問題が起こる場合がある。なお、シリコーン系化合物(B)中のRSiO2/2単位の割合の下限値は0モル%である。
本発明において、シリコーン系化合物(B)100モル%中のSiO4/2単位の割合は、中空シリコーン系微粒子(A)の形状保持性の観点から、0〜50モル%であることが好ましく、更には0〜10モル%であることがより好ましい。SiO4/2単位の割合が50モル%を越えると、化粧料に配合した際に微粒子が凝集したりする場合がある。その結果、得られる化粧料の透明性が大きく低下する場合がある。
本発明では、有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)との合計量と、シリコーン系化合物(B)との重量比率は必ずしも制限されるものではないが、2/98〜95/5であることが好ましく、さらには10/90〜50/50がより好ましい。当該比率が2/98より小さいと最終の中空シリコーン系微粒子(A)の空隙率が低くなり過ぎる場合がある。また、逆に比率が95/5より大きいと中空シリコーン系微粒子(A)の強度が不足して加工中に壊れる場合がある。
本発明のコアシェル粒子(E)の体積平均粒子径は0.001〜1μmの範囲であることが好ましく、更には0.002〜0.5μmの範囲であることがより好ましい。0.001μmより小さいと粒子同士が凝集して、粒子径分布が広くなる場合がある。逆に粒子径が1μmより大きいと、得られる化粧料と肌との密着性が低下して、フィット感が低下する場合がある。
本発明のコアシェル粒子(E)の粒子径分布は特に制限されるものではないが、中空シリコーン系微粒子(A)が均一な屈折率を有するという点からは、コアシェル粒子(E)の粒子径分布は狭い方が好ましい。
本発明では、例えば、有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)と、酸触媒を含む5〜120℃の水に対し、乳化剤、SiO4/2単位の原料、SiO3/2単位の原料、およびRSiO2/2単位の原料と水の混合物をラインミキサーやホモジナイザーで乳化した乳化液を一括あるいは連続的に追加することにより、シリコーン系化合物(B)で被覆されたコアシェル粒子(E)を得ることができる。乳化液の追加は一括でも連続でも構わない。時間的には長くなるが、ラテックス状粒子の安定性や粒子径分布を重視するなら連続追加を採用することが好ましい。乳化液の追加前に酸触媒を添加して、直ちに加水分解と縮合反応が進む条件で連続追加を行うと、コアシェル粒子(E)は時間とともに大きく成長し、通常のシード重合のように、狭い粒子径分布を示すものを得ることができる。30分乃至1時間の比較的短い時間の連続追加を行うと、比較的良い生産性と狭い粒子径分布を両立することもできる。
本発明に使用できる乳化剤としては、アニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤が好適に使用されうる。アニオン系乳化剤の具体例としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどが挙げられるが、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好適に用いられる。ノニオン系乳化剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルやポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが挙げられる。
本発明に用いることのできる酸触媒は、例えば、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類、および硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類が挙げられる。これらの中では、オルガノシロキサンの乳化安定性に優れる観点から、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
コアシェル粒子(E)を製造する際の反応のための加熱は、適度な重合速度が得られるという点で5〜120℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。
本発明の中空シリコーン系微粒子(A)を水系で合成したコアシェル粒子(E)から得る場合、ラテックス中からコアシェル粒子(E)を抽出して脱水するために、金属塩や有機溶剤を加えてろ過する処理を加えても良い。得られる中空シリコーン系微粒子(A)の残存金属イオン成分量が少なく、分散性が良いという観点からは、本発明の中空シリコーン系微粒子(A)は、水系で乳化剤を用いて合成された体積平均粒子径が0.001〜1μmの粒子を有機溶剤によりラテックス中から抽出し脱水したものであることが好ましい。抽出に使用する有機溶剤としてはアセトンやメチルエチルケトン等の弱親水性溶剤が好ましく挙げられる。有機溶剤の種類や使用量を適切に選択すれば、抽出と同時にコアの除去を行うこともできる。
本発明において、コアシェル粒子(E)中から有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)からなる粒子を除去する方法としては、例えば、有機溶剤を用いる方法、燃焼による方法などがあげられる。コアシェル粒子(E)中の有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)からなる粒子を除去するのに使用される有機溶剤としては、コアになる有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)からなる粒子を溶解し、シェルになるシリコーン系化合物(B)を溶解しないものが好ましい。具体例としては、アセトン、トルエン、ベンゼン、キシレン、n−ヘキサン等が挙げられる。
また、本発明では、コアを除去したのちさらにシリコーン系微粒子を有機溶剤で洗浄することもできる。洗浄することにより、重合時に使用した界面活性剤や酸触媒等の不純物を洗い流すことができる。界面活性剤等の分散剤が粒子粉末に含まれていると、化粧品の種類によっては、他の配合剤の分散性等に悪影響することがあるので、化粧品に混入していない方が良い。洗浄に用いることのできる有機溶剤の具体例としては、メタノール、n−ヘキサン等が挙げられる。
有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)からなる粒子を除去して得られる、本発明の中空シリコーン系微粒子(A)の体積平均粒子径は0.001〜1μmの範囲であることが好ましく、更には0.002〜0.5μmの範囲であることがより好ましい。0.001μmより小さいと粒子同士が凝集して、粒子径分布が広くなり透明性が低下する場合がある。逆に粒子径が1μmより大きいと、得られる化粧料と肌との密着性が低下して、フィット感が低下する場合がある。
<化粧料>
本発明の化粧料において、中空シリコーン系微粒子の含有量は、化粧料100重量%中に1〜80重量%であることが好ましく、さらには3〜50重量%であることがより好ましい。中空シリコーン系微粒子の含有量が1重量%より少ないと、得られる化粧料の透明性や肌へのフィット感といった効果が十分に得られず、逆に80重量%より多いと化粧料中で中空シリコーン系微粒子が十分に溶解せず、フィット感や肌触りが低下する場合がある。
本発明の化粧料は、通常の化粧料に配合されている各種成分、例えば、高級脂肪アルコール、高級脂肪酸、エステル油・パラフィン油・ワックス等の油分、エチルアルコール・プロピレングリコール・ソルビトール・グリセリン等のアルコール類、ムコ多糖類・コラーゲン類・PCA塩・乳酸塩等の保湿剤、ノニオン系・カチオン系・アニオン系または両性の各種界面活性剤、アラビアガム・キサンタンガム・ポリビニルピロリドン・エチルセルロース・カルボキシメチルセルロース・カルボキシビニルポリマー・変性または未変性の粘度鉱物などの増粘剤、酢酸エチル・アセトン・トルエンなどの溶剤、無機顔染料、有機顔染料、BHT・トコフェロール等の酸化防止剤、水、薬剤、紫外線吸収剤、pH緩衝剤、キレート化剤、防腐剤、香料等の1種または2種以上を混合して用いることができる。
さらに、中空シリコーン系微粒子と前記化粧料の各種成分の他に、紫外線吸収剤、抗菌成分等、特定の機能を有する化合物を混合しても良い。
本発明の化粧料は、常法により製造することができ、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、液状、クリーム状などの各種形態で使用され、例えば、クリーム、ファンデーション、乳液、アイシャドウ、化粧下地などに用いることができる。
本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。なお、以下の実施例および比較例における測定および試験はつぎのように行った。
[体積平均粒子径]
有機高分子粒子、コアシェル粒子をラテックスの状態で測定した。測定装置として、日機装株式会社社製のMICROTRAC UPA150を用いて、光散乱法により体積平均粒子径(μm)を測定した。
[有機高分子の重量平均分子量]
有機高分子の重量平均分子量は、GPC測定データよりポリスチレン標準試料で作成した検量線を用いて換算して求めた。
[配合剤との分散性]
中空シリコーン系微粒子粉末をクリームに配合した際の混合性を目視で確認した。
良(○)・・・・粉末の塊が見られず、均一に分散している。
不良(×)・・・粉末の塊が見られる。
[官能評価]
得られた粉末を用いてクリームを作成し、10名のパネラーによる官能評価を実施した。各クリームを上腕部内側に少量を取り、指で軽くこすってみて、透明性、肌へのフィット感を評価した。透明性、肌へのフィット感はそれぞれ、「透明、肌になじみ軽さがある」=3点、「やや白濁、ややべたつく」=2点、「白濁、べたつく」=1点で採点し、パネラー10名の平均点を以下基準により評価した。
透明、肌になじみ軽さがある・・・平均点2.5点以上
やや白濁、ややべたつく・・・・・平均点1.5点〜2.4点
白濁、べたつく・・・・・・・・・平均点1.4点以下
(製造例)
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水400重量部(種々の希釈水も含む水の総量)およびドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(SDBS)8重量部(固形分)を混合した後、50℃に昇温し、液温が50℃に達した後、窒素置換を行った。その後、ブチルアクリレート10重量部、t−ドデシルメルカプタン3重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.01重量部の混合液を加えた。30分後、硫酸第一鉄(FeSO・7HO)0.002重量部、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム塩0.005重量部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.2重量部を加えてさらに1時間重合させた。その後ブチルアクリレート90重量部、t−ドデシルメルカプタン27重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.1重量部の混合液を3時間かけて連続追加した。2時間の後重合を行い、ラテックス状の有機高分子粒子を得た。このラテックスの体積平均粒子径は0.06μm、重量平均分子量は4000であった。
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水500重量部(種々の希釈水も含む水の総量)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)3重量部、上記有機高分子粒子のラテックス25重量部(固形分)を混合した。この時のpHは1.8であった。80℃に昇温し、窒素置換を行った。その後、別途純水100重量部、SDBS(固形分)0.5重量部、メチルトリメトキシシラン(MTMS)75重量部の混合液を30分かけて一定速度で全量を追加した。追加終了後、5時間撹拌を続けた後、25℃に冷却して20時間放置し、ラテックス状のコアシェル粒子を得た。このコアシェル粒子の体積平均粒子径は0.07μmであった。
つづいて、室温で、ラテックス状のコアシェル粒子100重量部に対し、アセトンをまず50重量部を加えて5分間撹拌し、その後アセトン150重量部を加えて25分間撹拌して凝固粒子を得た。その後、この凝固液を50℃に加温して1時間撹拌を行って、3時間静置すると凝固粒子層と透明な上澄層に分離した。上澄液を除いた後、濾紙を用いて凝固粒子層を単離した。それをメタノール70重量%、n−ヘキサン30重量%の混合溶剤300重量部に分散させ、50℃に加温した後1時間撹拌を行った。この分散液を3時間静置すると凝固粒子層と透明な上澄層に分離した。濾紙を用いて凝固粒子層を単離して、中空シリコーン系微粒子を得た。この中空シリコーン系微粒子をイソプロピルアルコール(IPA)に分散させ、粒子含有量が5重量%の中空シリコーン系微粒子のイソプロピルアルコール(IPA)分散液を得た。
前記中空シリコーン系微粒子のIPA分散液を、エバポレーターにて減圧乾燥を行い、中空シリコーン系微粒子粉末を得た。
(実施例1)
製造例で得られた中空シリコーン系微粒子粉末8重量部を50重量部の純水に分散した後、プロピレングリコール(和光純薬工業株式会社製)8重量部、グリセリン(和光純薬工業株式会社製)4重量部およびトリエタノールアミン(和光純薬工業株式会社製)1重量部を加えて、70℃に加熱して調整した水相部に、別途ステアリルアルコール(和光純薬工業株式会社製)5重量部、ステアリン酸(和光純薬工業株式会社製)8重量部、プロピレングリコールモノステアレート(和光純薬工業株式会社製)3重量部およびポリオキシエチレンセチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)1重量部を70℃で加熱融解して調整した油相部を加え、これらの混合物をホモミキサーで均一に乳化した後、冷却してクリームを得た。得られたクリームを用いて、官能評価を行った。評価結果を、表1に示す。
(比較例1)
実施例1記載の方法において、中空シリコーン系微粒子を添加しない以外は、実施例1と同様にクリームを作成し、官能評価を行った。評価結果を、表1に示す。
表1から明らかなように、中空シリコーン系微粒子を添加することにより、肌に塗った後の透明性、フィット感と軽さに優れるクリームを得ることができた。

Claims (5)

  1. 中空シリコーン系微粒子(A)を含有することを特徴とする、化粧料。
  2. 中空シリコーン系微粒子(A)の体積平均粒子径が0.001〜1μmであることを特徴とする、請求項1記載の化粧料。
  3. 化粧料100重量%中の中空シリコーン系微粒子(A)の含有量が1〜80重量%であることを特徴とする、請求項または2に記載の化粧料。
  4. 中空シリコーン系微粒子(A)の外周部が、SiO4/2単位、RSiO3/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至24の芳香族基、ビニル基、(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基を持つ有機基の少なくとも1種を示す)およびRSiO2/2単位(式中、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至24の芳香族基、ビニル基、(メタ)アクリロキシプロピル基又はSH基を持つ有機基の少なくとも1種を示す)からなる群より選ばれる1単位又は2単位以上からなり、RSiO2/2単位の割合が20モル%以下、RSiO3/2単位の割合が50モル%以上であるシリコーン系化合物(B)からなることを特徴とする、請求項1乃至3に記載の化粧料。
  5. 前記中空シリコーン系微粒子(A)が下記工程(a)〜工程(b)により製造されたものであることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の化粧料。
    (a)有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)からなる粒子を、シリコーン系化合物(B)により被覆して、コアシェル粒子(E)を製造する工程。
    (b)コアシェル粒子(E)中の有機高分子粒子(C)および/または有機溶剤(D)からなる粒子を除去する工程。
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