JP6731924B2 - 化学的異方性粉体を含有する化粧料組成物 - Google Patents

Description

本明細書には、乳化分散安定性が向上した化学的異方性粉体およびこれを含有する化粧料組成物が開示される。

従来より開発された界面活性剤を利用した乳化システムは、その粒子サイズが数μｍ以内に小さくかつ均一に製造されて初めて、クリーミング（Ｃｒｅａｍｉｎｇ）、凝集（Ｆｌｏｃｃｕｌａｔｉｏｎ）、合一（Ｃｏａｌｅｓｃｅｎｃｅ）、分離（Ｂｒｅａｋｉｎｇ）などの乳化破壊現象が起こることなく、安定的に製造が可能であると知られている。したがって、現在までは乳化粒子サイズを数μｍ以内に小さくかつ均一に製造する乳化剤形の具現に焦点を当てて研究が進められてきた。

しかし、このような剤形の具現のためには、オイルの含量に対する過量の界面活性剤を使用して界面膜を安定化させ、増粘剤やワックス等を利用して粘度を高め、乳化粒子の流動度を下げなければならない。これにより、べたつき、滑らかでない不快な使用感、粘度の制約、増粘剤の使用による垢落ち現象などの様々な限界点にぶつかり、剤形の多様化が難しい技術的困難があった。

一方、多様な形態およびサイズの微細粒子（ナノ、マイクロサイズ）の多様な製造方法が報告されてきており、特に、高分子からなる球形微粒子は、その製造方法によってサイズや形態が調節されるにつれ、応用可能性が拡大している。応用例の一つとして、微細球形粒子を利用して安定化された巨大乳化粒子を形成することができるピカリングエマルジョンがある。さらには、微細球形粒子に親水性と疎水性を同時に有する両親媒性を付与することにより、新たな異方性粉体を製造しようとする試みが行われてきている。その例として、ヤヌス球形粒子を挙げることができる。しかし、こうした球形の形態学的制限のため、化学的な異方性には限界がある。すなわち、形態学的に異方性であるとしても、全体的に疎水性であるか親水性であって、化学的異方性に限界があった。また、乳化粒子サイズによる比重差のため、相分離現象（Ｏ／Ｗ型の場合には上澄み液クリーミング現象、Ｗ／Ｏ型の場合には下層液沈殿現象）が起こり得る。

そこで、少量の増粘剤（たとえば、カルボマー）でも巨大乳化粒子の分散性を増加させて相分離を防止することができる異方性粉体と、これを含有する化粧料組成物を提供することとする。

韓国特許公開第１０−２０１４−００９１５５６号公報 韓国特許公開第１０−２０１４−００７３２１１号公報 韓国登録特許第１０−１２９９１４８号公報 韓国特許公開第１０−２００９−００７３３６８号公報 国際公開第２０１５／１８３０４２号

一側面において、本明細書は、異方性粉体を利用して乳化粒子間の静電的な反発力を高めて、増粘剤、ワックス等を利用した外部の粘度を最小化しつつ、かつ分散状態を維持させる化学的異方性粉体を提供することを目的とする。

他の側面において、本明細書は、安定しながらも巨大乳化粒子を形成し、乳化粒子サイズが均一でなくても合一が起こらない剤形であると同時に、粒子間の分散安定性が向上して外部の増粘剤を最小化することができる化粧料組成物を提供することを目的とする。

他の側面において、本明細書は、ローションのような柔軟感および保湿力を有するが、スキン、トナーといった低粘度または無粘度の乳化剤形を有することから、塗布性および使用感に優れた高含量オイルを含有する低粘度のエマルジョン化粧料組成物を提供することを目的とする。

一側面において、本明細書に開示された技術は、第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドを含み、前記第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドは、少なくとも部分的に相手のポリマースフェロイドを浸透する構造で結合し、前記第１ポリマースフェロイドは、コア‐シェル構造を有し、前記シェルは、官能基を含み、前記第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドのうち一つ以上は、負電荷を帯びるか、または正電荷を帯びる、分散性が向上した化学的異方性粉体を提供する。

例示的な具現例によると、前記第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドのうち一つ以上は、イオン性ビニルポリマーを含んでよい。

例示的な具現例によると、前記イオン性ビニルポリマーは、４‐ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムポリマーであってよい。

例示的な具現例によると、前記第１ポリマースフェロイドのコアと第２ポリマースフェロイドは、ビニルポリマーを含み、前記第１ポリマースフェロイドのシェルは、ビニルモノマーと官能基の共重合体を含んでよい。

例示的な具現例によると、前記ビニルポリマーは、ポリスチレンを含んでよい。

例示的な具現例によると、前記官能基は、シロキサンであってよい。

例示的な具現例によると、前記化学的異方性粉体は、第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドが結合された結合部を基準として、対称形状、非対称スノーマン（ｓｎｏｗｍａｎ）形状または非対称逆スノーマン形状を有してよい。

例示的な具現例によると、前記化学的異方性粉体は、粒子サイズが１００〜１５００ｎｍであってよい。

他の側面において、本明細書に開示された技術は、化学的異方性粉体を含有する、分散性が向上した化粧料組成物を提供する。

例示的な具現例によると、前記化学的異方性粉体は、５〜２００μｍの巨大乳化粒子を形成してよい。

例示的な具現例によると、前記化学的異方性粉体は、化粧料組成物全体の重量を基準として、０．１〜１５質量％含有されてよい。

例示的な具現例によると、前記化粧料組成物は、化粧料組成物全体の重量を基準として、１５〜３０質量％のオイル含量を有してよい。

例示的な具現例によると、前記化粧料組成物は、３００ＣＰＳ以下の低粘度乳化剤形を有してよい。

一側面において、本明細書に開示された技術は、乳化粒子の分散のために使用される増粘剤の含量を最小限に下げるために異方性粉体の表面を改質することにより、増粘剤なしでも粉体乳化粒子間の反発力により均一な分散が可能な乳化システムを提供する効果がある。こうした乳化システムは、最小限の増粘剤含量でも相分離現象を防ぎ、従来試みられなかった高含量オイルを含有するスキン形状の低粘度剤形を可能にする。

他の側面において、本明細書に開示された技術は、分散性が向上した化学的異方性粉体を含むことにより、安定しながらも、巨大な乳化粒子を形成して乳化粒子の大きさが均一でなくても合一が起こらない剤形であると同時に、粒子間の分散安定性が向上して外部増粘剤を最小限に抑えることができる化粧料組成物を提供する効果がある。

他の側面において、本明細書に開示された技術は、ローションのような柔軟感および保湿力を有しながらも、スキン、トナーといった低粘度または無粘度の乳化剤形を持って塗布性と使用感に優れた高含有量のオイルを含有する低粘度のエマルジョン化粧料組成物を提供する効果がある。

化学的異方性粉体を形成する模式図である。 本明細書に開示された高含量オイルを含有する低粘度剤形のエマルジョン化粧料組成物の粘度比較結果の写真である。左側から順に、（ａ）一般スキン剤形、（ｂ）製造例１の剤形、（ｃ）一般ローション剤形を示す。 本明細書に開示された高含量オイルを含有する低粘度剤形の顕微鏡観察結果の写真である。左の写真（ａ）は２００倍率、右の写真（ｂ）は４００倍率で拡大した写真であり、本明細書による化学的異方性粉体は、最小１５〜６０μｍと数十μｍの巨大乳化粒子を形成することを確認した。 本明細書に開示されたエマルジョン化粧料組成物の剤形安定性確認結果の写真である。左から順に、（ａ）常温、（ｂ）４５度、（ｃ）６０度、（ｄ）冷蔵４週目保管サンプルを示す。 本明細書に開示された（ａ）高含量オイルを含有する低粘度剤形のエマルジョン化粧料組成物（製造例１）と、（ｂ）一般スキン、（ｃ）一般ローション、（ｄ）一般クリームの保湿力比較結果のグラフである。 本明細書に開示された（ａ）高含量オイルを含有する低粘度剤形のエマルジョン化粧料組成物（製造例１）と、（ｂ）一般スキン、（ｃ）一般ローション、（ｄ）一般クリームの皮膚ツヤ測定比較結果のグラフである。

以下、添付した図面を参照しつつ、本出願の実施例についてより詳細に説明することとする。しかし、本出願に開示された技術は、ここで説明される実施例に限定されることなく、他の形態に具体化されてもよい。ただ単に、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底かつ完全となり得るよう、そして、当業者に本出願の思想が十分に伝達され得るようにするために提供されるものである。図面において各構成要素を明確に表現するために、構成要素の幅や厚さ等の大きさを多少拡大して示した。また、説明の便宜のために、構成要素の一部のみを図示したりもしたが、当業者であれば、構成要素の残りの部分についても容易に把握することができるであろう。また、当該分野における通常の知識を有する者であれば、本出願の技術的思想を逸脱しない範囲内で、本出願の思想を多様な他の形態で具現することができるであろう。

本明細書において、「置換された」は、別の定義がない限り、本発明の作用基のうち１つ以上の水素原子がハロゲン（Ｆ，Ｃｌ，ＢｒまたはＩ）、ヒドロキシ基、ニトロ基、イミノ基（＝ＮＨ，＝ＮＲ、Ｒは炭素数１〜１０のアルキル基である）、アミジノ基、ヒドラジンまたはヒドラゾン基、カルボキシ基、置換または非置換された炭素数１〜２０のアルキル基、置換または非置換された炭素数３〜３０のヘテロアリール基、置換または非置換交換された炭素数２〜３０のヘテロシクロアルキル基で置換されることを意味してよい。

本明細書において、「（メタ）アクリル」は、アクリル（ａｃｒｙｌ）および／またはメタクリル（ｍｅｔｈａｃｒｙｌ）を意味してよい。

本明細書において、両親媒性異方性粉体の粒子サイズは、粉体粒子の最も長い長さである最長径（ｍａｘｉｍｕｍ ｌｅｎｇｔｈ）を測定したものである。本明細書において、両親媒性粉体の粒子サイズの範囲は、組成物内に存在する両親媒性異方性粉体の９５％以上が前記範囲内に属することを意味する。

本明細書において、乳化粒子の平均粒径とは、単一粒子の直径の平均値を意味する。本明細書において、乳化粒子の平均粒径の範囲は、組成物内に存在する乳化粒子の９５％以上が前記範囲内に属することを意味する。

一側面において、本明細書に開示された技術は、第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドを含み、前記第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドは、少なくとも部分的に相手のポリマースフェロイドを浸透する構造で結合し、前記第１ポリマースフェロイドは、コア‐シェル構造を有し、前記シェルは、官能基を含み、前記第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドのうち一つ以上は、負電荷を帯びるか、または正電荷を帯びる、分散性が向上した化学的異方性粉体を提供する。

本明細書において、スフェロイドは、高分子で構成された一つの塊体であって、たとえば、球形体または楕円形体であってよく、塊体の断面において最長の長さを基準に、マイクロ単位またはナノ単位の長軸の長さを有してよい。

例示的な具現例によると、前記第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドのうち一つ以上は、イオン性ビニルポリマーを含んでよい。前記イオン性ビニルポリマーを含んで化学的異方性粉体に正電荷または負電荷を付与することにより、粒子生成中の相互合一（結合）を静電的に防止することができ、化学的異方性粉体を組成物に使用する際に、増粘剤の使用を最小化しながらも粒子間の合一が防止され、安定的な乳化組成物の製造に寄与することができる。

例示的な具現例によると、前記イオン性ビニルポリマーは、４‐ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムポリマーであってよい。

例示的な具現例によると、前記第１ポリマースフェロイドのコアと第２ポリマースフェロイドは、ビニルポリマーを含み、前記第１ポリマースフェロイドのシェルは、ビニルモノマーと官能基の共重合体を含んでよい。

例示的な具現例によると、前記ビニルポリマーは、ビニル芳香族系高分子であってよく、一例として、ポリスチレンであってよい。

例示的な具現例によると、前記官能基は、シロキサンであってよい。

例示的な具現例によると、前記化学的異方性粉体は、第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドが結合された結合部を基準として、対称形状、非対称スノーマン（ｓｎｏｗｍａｎ）形状または非対称逆スノーマン形状を有してよい。

例示的な具現例によると、前記化学的異方性粉体は、粒子サイズが１００〜１５００ｎｍであってよい。他の側面において、前記化学的異方性粉体は、粒子サイズが１００〜５００ｎｍ、または２００〜３００ｎｍであってよい。このとき、粒子サイズは、化学的異方性粉体の最も長い部分を測定した長さを意味する。具体的に、前記化学的異方性粉体は、粒子サイズが１００ｎｍ以上、２００ｎｍ以上、３００ｎｍ以上、４００ｎｍ以上、５００ｎｍ以上、６００ｎｍ以上、７００ｎｍ以上、８００ｎｍ以上、９００ｎｍ以上、１０００ｎｍ以上、１１００ｎｍ以上、１２００ｎｍ以上、１３００ｎｍ以上または１４００ｎｍ以上であってよく、また、１５００ｎｍ以下、１４００ｎｍ以下、１３００ｎｍ以下、１２００ｎｍ以下、１１００ｎｍ以下、１０００ｎｍ以下、９００ｎｍ以下、８００ｎｍ以下、７００ｎｍ以下、６００ｎｍ以下、５００ｎｍ以下、４００ｎｍ以下、３００ｎｍ以下または２００ｎｍ以下であってよい。

他の側面において、本明細書に開示された技術は、化学的異方性粉体を含有する分散性が向上した化粧料組成物を提供する。

例示的な具現例によると、前記化学的異方性粉体は、５〜２００μｍの巨大乳化粒子を形成してよい。他の側面において、前記化学的異方性粉体は、１０〜１００μｍ、１０〜５０μｍ、または２５μｍの巨大乳化粒子を形成するものであってあってよい。具体的に、前記化学的異方性粉体は、５μｍ以上、１０μｍ以上、１５μｍ以上、２０μｍ以上、２５μｍ以上、３０μｍ以上、４０μｍ以上、５０μｍ以上、８０μｍ以上、１００μｍ以上、１３０μｍ以上、１５０μｍ以上または１８０μｍ以上であり、また、２００μｍ以下、１８０μｍ以下、１５０μｍ以下、１３０μｍ以下、１００μｍ以下、８０μｍ以下、５０μｍ以下、４０μｍ以下、３０μｍ以下、２５μｍ以下、２０μｍ以下、１５μｍ以下または１０μｍ以下の乳化粒子を形成してよい。

前記化学的異方性粉体は、界面に対する互いに異なる方向性を有することにより、安定した巨大乳化粒子の形成が可能である。また、前記化学的異方性粉体を含有する化粧料組成物は、巨大乳化粒子の水はじけによる水分感と、その後の小さな乳化粒子の塗布性による栄養感を巨大乳化粒子の水はじけによる水分感と後の小さな乳化粒子の塗布性による栄養感を有する独特な二重使用感を提供する効果がある。また、化学的異方性粉体の粒子間反発力の増大により、巨大乳化粒子が最小限の粘度で安定して分散することから、低粘度形態のＯ／Ｗ剤形の乳化が可能である。

従来、分子レベルの界面活性剤では、数十μｍの粒径を有する安定化した巨大乳化粒子を作ることが難しく、界面活性剤の界面膜の厚さが約数ｎｍであったのに対し、本明細書に開示された両親媒性異方性粉体の場合、界面膜の厚さが約数百ｎｍに増加し、粉体間の強い結合により安定化した界面膜を形成することによって、乳化安定度が大幅に向上され得る。

例示的な具現例によると、前記化学的異方性粉体は、化粧料組成物全体の重量を基準として、０．１〜１５質量％含有されてよい。他の側面において、前記化学的異方性粉体は、化粧料組成物全体の重量を基準として、０．５〜５質量％含有されたものであってよい。具体的に、前記化学的異方性粉体は、化粧料組成物全体の重量を基準として、０．１質量％以上、０．５質量％以上、１質量％以上、２質量％以上、４質量％以上、６質量％以上、８質量％以上、１０質量％以上または１２質量％以上であってよく、また、１５質量％以下、１２質量％以下、１０質量％以下、８質量％以下、６質量％以下、４質量％以下または２質量％以下であってよい。前記化学的異方性粉体の含量を調節することにより、乳化粒子サイズを数μｍから数十、数百μｍまで調節可能である。

例示的な具現例によると、前記化粧料組成物は、エマルジョンであってよい。具体的に、前記エマルジョンは、水中油型（Ｏ／Ｗ）、油中水型（Ｗ／Ｏ）、Ｗ／Ｏ／ＷまたはＯ／Ｗ／Ｏの剤形のうち一つであってよい。

一側面において、前記エマルジョンは、化学的異方性粉体、油相部および水相部の含量比が、重量基準で０．１〜１５：５〜６０：１０〜８０である水中油型（Ｏ／Ｗ）剤形であってよい。他の側面において、前記エマルジョンは、化学的異方性粉体、油相部および水相部の含量比が、重量基準で０．１〜５：１５〜４０：５０〜８０である水中油型（Ｏ／Ｗ）剤形であってよい。また、前記エマルジョンは、化学的異方性粉体、油相部および水相部の含量比が、重量基準で１〜１５：５０〜８０：１０〜３０である油中水型（Ｗ／Ｏ）剤形であってよい。前記油相部は、液体油脂、固体油脂、ワックス類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油およびシリコン油から構成される群より選択される一つ以上を含んでよい。

例示的な具現例によると、前記化学的異方性粉体は、水相部とともに添加されてエマルジョン化粧料組成物を製造してよい。

例示的な具現例によると、前記化粧料組成物は、化粧料組成物全体の重量を基準として、オイルを１５質量％以上、１６質量％以上、１７質量％以上、１８質量％以上、１９質量％以上または２０質量％以上で、また、３０質量％以下、２９質量％以下、２８質量％以下、２７質量％以下、２６質量％以下または２５質量％以下で含んでよい。たとえば、前記オイルは、１５〜３０質量％、１５〜２５質量％、または２０〜２５質量％で含まれてよい。前記オイル含量を有する化粧料組成物は、安定化された巨大乳化粒子を有するだけではなく、粒子間の分散性が向上するため、増粘剤含量を最小化することができる効果がある。

前記オイルは、エステル系オイル、炭化水素系オイル、ワックス類、動物性オイル、植物性オイル、シリコーンオイルまたはこれらの混合物であってよい。具体的に、前記オイルは、ヘキシルラウレート（Ｈｅｘｙｌ ｌａｕｒａｔｅ）、ジカプリリルカーボネート（Ｄｉｃａｐｒｙｌｙｌ ｃａｒｂｏｎａｔｅ）、ジイソステアリルマレート（Ｄｉｉｓｏｓｔｅａｒｙｌ ｍａｌａｔｅ）、ブチレングリコールジカプリレート／ジカプレート（Ｂｕｔｙｌｅｎｅ ｇｌｙｃｏｌ ｄｉｃａｐｒｙｌａｔｅ／ｄｉｃａｐｒａｔｅ）、セチルエチルヘキサノエート（Ｃｅｔｙｌ ｅｔｈｙｌｈｅｘａｎｏａｔｅ）、トリエチルヘキサノイン（Ｔｒｉｅｔｈｙｌｈｅｘａｎｏｉｎ）、ジセテアリルダイマージリノレエート（Ｄｉｃｅｔｅａｒｙｌ ｄｉｍｅｒ ｄｉｌｉｎｏｌｅａｔｅ）、カプリリック／カプリックトリグリセリド（Ｃａｐｒｙｌｉｃ／Ｃａｐｒｉｃ Ｔｒｉｇｌｙｃｅｒｉｄｅ）、ポリグリセリル‐２トリイソステアレート（Ｐｏｌｙｇｌｙｃｅｒｙｌ‐２ Ｔｒｉｉｓｏｓｔｅａｒａｔｅ）およびペンタエリスリチルテトライソステアレート（Ｐｅｎｔａｅｒｙｔｈｒｉｔｙｌ Ｔｅｔｒａｉｓｏｓｔｅａｒａｔｅ）からなる群より選択されたエステル系オイル；ポリブテン（Ｐｏｌｙｂｕｔｅｎｅ）、ハイドロジェネイテッドポリイソブテン（Ｈｙｄｒｏｇｅｎａｔｅｄ ｐｏｌｙｉｓｏｂｕｔｅｎｅ）および植物性スクアラン（Ｐｈｙｔｏｓｑｕａｌａｎｅ）からなる群より選択された炭化水素系オイル；フェニルトリメチコン（Ｐｈｅｎｙｌ ｔｒｉｍｅｔｈｉｃｏｎｅ）およびジメチコン（Ｄｉｍｅｔｈｉｃｏｎｅ）からなる群より選択されたシリコン系オイルのうち１種以上であってよい。

例示的な具現例によると、前記化粧料組成物は、粘度測定が不可能なほぼ無粘度に近い低粘度の乳化剤形を有してよい。本明細書において、「無粘度」とは、通常の粘度測定器を使用して粘度が測定されない程度の低い粘度を意味する。

従来の乳化システムでは、乳化粒子サイズが小さくてオイル含量が高いほど、過量の界面活性剤を添加しなければならず、生成された乳化粒子の合一、相分離を防ぎ、安定化させるために、増粘剤、ワックスといった粘度上昇物質が要求される。これは、べたつき、滑らかでないなどの否定的な使用感を示し、ローションまたはクリーム状の剤形を有し、スキンのような剤形の製造が不可能である。一方、本明細書による化学的異方性粉体は、分散性が向上してオイル含量を２５質量％まで増加させながらも、最小限の増粘剤使用によりスキンのような剤形を有する３００ＣＰＳ以下の安定した化粧料乳化組成物の製造が可能である。

例示的な具現例によると、前記化粧料組成物は、粘度が、たとえば、３００ＣＰＳ以下であってよい。たとえば、前記粘度は、３００ＣＰＳ以下、２９０ＣＰＳ以下、２８０ＣＰＳ以下、２７０ＣＰＳ以下、２６０ＣＰＳ以下、２５０ＣＰＳ以下、２４０ＣＰＳ以下、２３０ＣＰＳ以下、２２０ＣＰＳ以下、２１０ＣＰＳ以下、２００ＣＰＳ以下、１９０ＣＰＳ以下、１８０ＣＰＳ以下、１７０ＣＰＳ以下、１６０ＣＰＳ以下、１５０ＣＰＳ以下、１４０ＣＰＳ以下、１３０ＣＰＳ以下、１２０ＣＰＳ以下、１１０ＣＰＳ以下、１００ＣＰＳ以下、９０ＣＰＳ以下、８０ＣＰＳ以下、７０ＣＰＳ以下、６０ＣＰＳ以下、５０ＣＰＳ以下、４０ＣＰＳ以下、３０ＣＰＳ以下または２０ＣＰＳ以下であってよく、０ＣＰＳ以上、１ＣＰＳ以上、２ＣＰＳ以上、３ＣＰＳ以上、４ＣＰＳ以上、５ＣＰＳ以上、６ＣＰＳ以上、７ＣＰＳ以上、８ＣＰＳ以上、９ＣＰＳ以上、１０ＣＰＳ以上、１１ＣＰＳ以上、１２ＣＰＳ以上、１３ＣＰＳ以上、１４ＣＰＳ以上、１５ＣＰＳ以上、１６ＣＰＳ以上、１７ＣＰＳ以上、１８ＣＰＳ以上、１９ＣＰＳ以上、２０ＣＰＳ以上であってよい。前記において組成物の粘度範囲を例示的に提示したが、実質的に粘度測定が不可能なほどの低粘度剤形を示してもよい。

前記化粧料組成物は、化学的異方性粉体を含むことにより乳化粒子間の反発力増大により、最小限の粘度でも安定して分散が可能であり、スキン形状のような低粘度形態のＯ／Ｗ剤形への乳化が可能である。

他の側面において、本明細書に開示された技術は、（１）第１モノマーおよび重合開始剤を攪拌して、第１ポリマースフェロイドのコアを製造するステップ；（２）前記製造された第１ポリマースフェロイドのコアを、第１モノマー、重合開始剤および官能基を含む化合物と攪拌して、コーティングされたコア‐シェル構造の第１ポリマースフェロイドを製造するステップ；および（３）前記製造されたコア‐シェル構造の第１ポリマースフェロイドを、第２モノマーおよび重合開始剤と攪拌して第２ポリマースフェロイドが形成された異方性粉体を製造するステップ；を含む化学的異方性粉体の製造方法を提供する。

例示的な一具現例によると、前記製造方法は、第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドのうち一つ以上を負電荷または正電荷に表面処理するステップを含んでよい。

例示的な一具現例によると、前記（１）および（２）のステップのうち一つ以上のステップにおいて、重合開始剤とともにイオン性ビニルモノマーを混合して攪拌することにより、第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドのうち一つ以上のスフェロイドに負電荷または正電荷を付与してよい。

前記（１）、（２）および（３）のステップにおいて、攪拌は、回転攪拌であってよい。均一な粒子の生成のために、化学的な改質とともに均一な機械的混合が必要であるため、回転攪拌することが好ましい。前記回転攪拌は、円筒形反応器で回転撹拌してよいが、回転攪拌方法をこれに限定するものではない。

このとき、反応器内部のデザインは、粉体の形成に大きな影響を及ぼす。円筒形反応器内の翼（ｂａｆｆｌｅｓ）の大きさと位置、およびインペラ（ｉｍｐｅｌｌｅｒ）との間隔の程度は、生成される粒子の均一性に大きな影響を及ぼす。内部翼とインペラのブレード（ｂｌａｄｅ）の間隔を最小化して対流の流れとその強さを均一化し、粉体反応液は、翼の長さ以下で投入され、インペラの回転速度は、高速を維持することが好ましい。２００ｒｐｍ以上の高速度で回転されてよく、反応器の直径と高さの長さの比率は、１〜３：１〜５、より具体的に、直径１０〜３０ｃｍおよび高さ１０〜５０ｃｍであってよい。反応器の大きさは、反応容量に比例して変化が可能である。また、円筒形反応器の材質は、セラミックス、ガラス等であってよく、攪拌時の温度は、５０〜９０℃であることが好ましい。

円筒形回転反応器における単純回転法は、均一な粒子の生成を可能にし、エネルギーが少なく所要される低エネルギー方法でありながら、かつ反応効率が最大化されて、大量生産を可能にする特徴がある。従来より使用されていた反応器自体が回転するタンブリング方式は、反応器全体を一定の角度に傾けて、高速で回転させなければならないため、高いエネルギーが必要であり、反応器の大きさが制限的であった。反応器の大きさの限界のため、生成される量もまた約数百ｍｇ〜数ｇ程度の少量と制限的であったため、大量生産に適合しなかった。

例示的な一具現例によると、前記第１モノマーと第２モノマーは、同一または異なってよく、具体的に、ビニルモノマーであってよい。また、前記（２）のステップにおいて添加される第１モノマーは、前記（１）のステップにおいて使用された第１モノマーと同一であり、各ステップにおいて使用される開始剤は、同一または異なってよい。

例示的な一具現例によると、前記ビニルモノマーは、ビニル芳香族系モノマーであってよい。前記ビニル芳香族系モノマーは、置換または非置換されたスチレンであってよく、たとえば、スチレン、アルファメチルスチレン、アルファエチルスチレンおよびパラメチルスチレンからなる群より選択される一つ以上であってよい。

例示的な一具現例によると、前記重合開始剤は、ラジカル重合開始剤であってよく、具体的に、パーオキサイド系およびアゾ系のうち一つ以上であってよい。また、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムも使用可能である。前記パーオキサイド系ラジカル重合開始剤は、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ｔ‐ブチルヒドロペルオキシド、ｏ‐クロロベンゾイルペルオキシド、ｏ‐メトキシベンゾイルペルオキシド、ｔ‐ブチルペルオキシ‐２‐エチルヘキサノエートおよびｔ‐ブチルペルオキシイソブチレートからなる群より選択される一つ以上であってよく、前記アゾ系ラジカル重合開始剤は、２，２´‐アゾビスイソブチロニトリル、２，２´‐アゾビス（２‐メチルイソブチロニトリル）および２，２´‐アゾビス（２，４‐ジメチルバレロニトリル）からなる群より選択される一つ以上であってよい。

例示的な一具現例によると、前記（１）のステップにおいて、第１モノマーおよび重合開始剤は、１００〜２５０：１の重量比で混合してよい。

他の側面において、前記（１）のステップにおいて、第１モノマー、重合開始剤とともにイオン性ビニルモノマーを添加して、第１モノマー、重合開始剤およびイオン性ビニルモノマーを１００〜２５０：１：０．００１〜５の重量比で混合してよい。粉体のサイズおよび形態は、初期（１）のステップの第１ポリマースフェロイドのサイズ調節によって決定され、第１ポリマースフェロイドのサイズは、第１モノマー、開始剤およびイオン性ビニルモノマーの反応比に応じて調節されてよい。また、前記範囲の重量比で混合することにより、異方性粉体の均一性を高めることができる効果がある。

例示的な一具現例によると、前記イオン性ビニルモノマーは、４‐ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムを利用してよい。イオン性ビニルモノマーを使用して製造される異方性粉体は、イオン性ビニルポリマーを含むため、生成された粒子の膨潤を防ぎ、粉体表面に正または負の電荷を付与することにより、粒子生成中の相互合一（結合）を静電気的に防止する。

化学的異方性粉体が２００〜２５０ｎｍのサイズを有する場合、第１モノマー、開始剤およびイオン性ビニルモノマーの比が１１０〜１３０：１：２〜４、具体的に１１５〜１２５：１：２〜４、より具体的に１２０：１：３である第１ポリマースフェロイドから製造されてよい。

また、化学的異方性粉体が４００〜４５０ｎｍのサイズを有する場合、第１モノマー、開始剤およびイオン性ビニルモノマーの比が２２５〜２４０：１：１〜３、具体的に２３０〜２３５：１：１〜３、より具体的に２３５：１：２である第１ポリマースフェロイドから製造されてよい。

また、化学的異方性粉体が１１００〜１５００ｎｍのサイズを有する場合、第１モノマー、開始剤およびイオン性ビニルモノマーの比が１１０〜１３０：１：０、具体的に１１５〜１２５：１：０、より具体的に１２０：１：０である第１ポリマースフェロイドから製造されてよい。

また、非対称スノーマン形状の化学的異方性粉体は、第１モノマー、開始剤およびイオン性ビニルモノマーの比が１００〜１４０：１：８〜１２、具体的に１１０〜１３０：１：９〜１１、より具体的に１２０：１：１０の反応比で製造された第１ポリマースフェロイドから製造されてよい。

また、非対称逆スノーマン形状の化学的異方性粉体は、第１モノマー、開始剤およびイオン性ビニルモノマーの比が１００〜１４０：１：１〜５、具体的に１１０〜１３０：１：２〜４、より具体的に１２０：１：３の反応比で製造された第１ポリマースフェロイドから製造されてよい。

例示的な一具現例によると、前記（２）のステップにおいて、第１モノマー、重合開始剤および官能基を含む化合物は、８０〜９８：０．２〜０．８：２〜２０の重量比で混合してよい。他の側面において、前記第１モノマー、重合開始剤および官能基を含む化合物は、１６０〜２００：１：６〜４０の重量比で混合してよい。反応比に応じてコーティングの程度を調節することができ、コーティングの程度に応じて、その後化学的異方性粉体の形状が構成され、前記反応比で反応させる場合、最初の厚さに比べて約１０〜３０％、具体的に２０％前後でコーティングの厚さが増加することとなり、コーティングが厚過ぎて粉体化が進行しなかったり、薄過ぎて多方向に粉体化されたりする問題もなく、粉体化が十分に進行することになる。また、前記範囲の重量比で混合することにより、異方性粉体の均一度を高めることができる効果がある。

例示的な一具現例によると、前記官能基を含む化合物は、シロキサンを含有する化合物であってよく、シロキサン含有（メタ）アクリレートモノマーであってよい。前記シロキサン含有（メタ）アクリレートモノマーは、３‐（トリメトキシシリル）プロピルアクリレート、３‐（トリメトキシシリル）プロピルメタクリレート、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリメトキシシランからなる群より選択された一つ以上であってよい。

例示的な一具現例によると、前記（３）のステップにおいて、第２モノマーおよび重合開始剤は、２００〜２５０：１の重量比で混合してよい。

他の側面において、前記（３）のステップにおいて、第２モノマー、重合開始剤とともにイオン性ビニルモノマーを添加して、第２モノマー、重合開始剤およびイオン性ビニルモノマーを２００〜２５０：１：０．００１〜５の重量比で混合してよい。イオン性ビニルモノマーの具体的な種類は、上述したとおりである。前記範囲の重量比で混合することにより、異方性粉体の均一性を高めることができる効果がある。

例示的な一具現例によると、前記（３）のステップにおいて、第２モノマーの含有量は、コア‐シェル構造の第１ポリマースフェロイドの重量が１００重量部であるとき、４０〜３００重量部混合してよい。具体的に、第２モノマーの含有量がコア‐シェル構造の第１ポリマースフェロイドの重量に対して４０〜１００％である場合には、非対称スノーマンタイプの粉体が得られ、１００〜１５０％または１１０〜１５０％である場合には、対称形状の粉体が得られ、１５０〜３００％または１６０〜３００％である場合には、非対称逆スノーマンタイプの粉体が得られる。また、前記範囲の重量比で混合することにより、異方性粉体の均一性を高めることができる効果がある。

従来より、ピカリングに使用される球形粉体粒子に界面活性力を付与して、その界面活性力を増大させようとする試みが行われてきており、その例としてヤヌス球形粒子があるが、幾何学的な限界性および均一な大量生産が難しいという問題点があり、実質的な応用がなされていなかった。これに対し、本明細書に開示された前記化学的異方性粉体の製造方法は、架橋剤を使用しないため製造上凝固物ができず、歩留まりが高く、均一であり、単純な攪拌方法を利用するためタンブリング方法に比べて大量生産が容易である。特に、３００ｎｍ以下のサイズのナノサイズを数十ｇ〜数十ｋｇ単位で大量生産することができる利点がある。

以下、実施例を通じて、本発明についてさらに詳細に説明することとする。これらの実施例は、ただ単に本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例により制限されるものと解釈されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって自明であろう。

準備例１．ポリスチレン（Ｐｏｌｙｓｔｙｒｅｎｅ，ＰＳ）第１ポリマースフェロイドの製造
水相に、モノマーとしてスチレン（Ｓｔｙｒｅｎｅ）、イオン性ビニルモノマーとして４‐ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム（Ｓｏｄｉｕｍ ４‐ｖｉｎｙｌｂｅｎｚｅｎｅｓｕｌｆｏｎａｔｅ）、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル（Ａｚｏｂｉｓｉｓｏｂｕｔｙｒｏｎｉｔｒｉｌｅ，ＡＩＢＮ）を混合して、７５℃で８時間反応させた。反応は、円筒形反応器で撹拌し、円筒形反応器は、直径１１ｃｍ、高さ１７ｃｍ、ガラス材質であり、２００ｒｐｍの速度で回転させた。

準備例２．コア‐シェル（Ｃｏｒｅ‐Ｓｈｅｌｌ，ＣＳ）構造のコーティングされた第１ポリマースフェロイドの製造
前記得られたポリスチレン（Ｐｏｌｙｓｔｙｒｅｎｅ，ＰＳ）第１ポリマー球状粒子に、モノマーとしてスチレン（Ｓｔｙｒｅｎｅ）、ＴＭＳＰＡ（３‐（ｔｒｉｍｅｔｈｏｘｙｓｉｌｙｌ）ｐｒｏｐｙｌａｃｒｙｌａｔｅ）、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル（Ａｚｏｂｉｓｉｓｏｂｕｔｙｒｏｎｉｔｒｉｌｅ，ＡＩＢＮ）を混合して反応させた。反応は、円筒形反応器で撹拌した。

準備例３．イオン性異方性粉体の製造
前記反応の結果、得られたポリスチレン‐コアシェル（ＰＳ‐ＣＳ）水分散溶液に、モノマーとしてスチレン（Ｓｔｙｒｅｎｅ）、陰イオン性ビニルモノマーとして４‐ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム（Ｓｏｄｉｕｍ ４‐ｖｉｎｙｌｂｅｎｚｅｎｅｓｕｌｆｏｎａｔｅ）、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル（Ａｚｏｂｉｓｉｓｏｂｕｔｙｒｏｎｉｔｒｉｌｅ，ＡＩＢＮ）を混合し、７５℃に加熱して反応を進めた。反応は、円筒形反応器で撹拌した。

製造例１．高含量オイル含有低粘度エマルジョン化粧料組成物
下記の表１のような配合比でエマルジョン化粧料組成物を製造するが、油相部を加温して溶解し、異方性粉体が含まれた水相部を加温して油相部と同一の温度に合わせた後、水相部に油相部を徐々に投入し、低速で乳化した。その後、増粘剤を投入して分散させ、高含量オイル含有低粘度水中油型エマルジョン化粧料組成物を製造した。

試験例１．粘度の比較
前記製造例１において製造した化粧料組成物と、一般スキン剤形、一般ローション剤形それぞれ０．２ｍｌを馬糞紙の上に落とした後、約６０度の角度に傾けた。その結果、図２から見られるように、一般スキン剤形と同様に流動性が大きいものと示され、優れた塗布性および使用感を有することが分かった。

試験例２．剤形安定性の確認
前記製造例１において製造した化粧料組成物を、（ａ）常温、（ｂ）４５度、（ｃ）６０度、（ｄ）冷蔵恒温槽で保管した後、乳化破壊の有無を１０週間観察した結果、図４から見られるように、乳化破壊現象なく安定して剤形を保持することが分かった。

試験例３．使用感官能評価
前記製造例１において製造した化粧料組成物を利用して、３０〜４０代の女性パネル４０名を対象に、使用感（１０点尺度、１点：非常に低い〜１０点：非常に高い）に対するアンケート調査を行った。製品は、製造例１において製造した化粧料組成物と、一般スキン、一般ローションおよび一般クリーム剤形を使用させて比較した。

その結果、製造例１において製造した化粧料組成物の場合、それぞれの乳化粒子が互いに合一することなく共存して巨大乳化粒子の水はじけによる水分感とその後の小さな乳化粒子の塗布性による栄養感を有する独特の二重使用感があることが確認された。

試験例４．保湿力および皮膚ツヤ評価
前記製造例１において製造した化粧料組成物、一般スキン、一般ローション、一般クリームを、社内研究員１５人を対象に皮膚に使用させ、保湿力、皮膚ツヤについて測定した。保湿力は、製品の使用前、使用４時間後および使用７時間後に、恒温、恒湿条件（２４℃、相対湿度４０％）で水分量を測定して評価し、ツヤは、同一条件における製品の使用前と使用直後のツヤを測定した。洗浄後、恒温恒湿条件で１５分待機した後、前膊部位を測定した。水分量は、皮膚水分量測定器（Ｃｏｒｎｅｏｍｅｔｅｒ ＣＭ８２５，Ｃ＋Ｋ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｃｏ．，ドイツ）で、皮膚静電負荷容量（ｃａｐａｃｉｔａｎｃｅ）測定を通じて皮膚の水分量を評価して図５に示し、ツヤは、Ｇｌｏｓｓｍｅｔｅｒ(R)で機器から特定波長の光が出され、正反射される光を感知、測定してツヤを評価し、結果を図６に示した。

その結果、図５および６から見られるように、製造例１において製造した化粧料組成物の場合、スキンの性状でありながら（図２）、ローション、クリームの保湿力とツヤを有することが確認された。

以上、本発明の内容の特定の部分について詳細に記述したが、当業界における通常の知識を有する者にとって、このような具体的な技術は、単なる好ましい実施態様であるにすぎず、これによって本発明の範囲が制限されるものではない点は明白なことである。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付された請求項とそれらの等価物によって定義されると言えよう。

Claims (10)

1. 分散性が向上した化学的異方性粉体とオイルとを含む化粧料組成物であって、
   前記化学的異方性粉体は、
   第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドを含み、
   前記第１ポリマースフェロイドおよび前記第２ポリマースフェロイドは、少なくとも部分的に相手のポリマースフェロイドを浸透する構造で結合し、
   前記第１ポリマースフェロイドは、コア‐シェル構造を有し、前記シェルは、官能基を含み、
   前記第２ポリマースフェロイドは、負電荷を帯びており、
   前記オイルは、
   ヘキシルラウレート、ジカプリリルカーボネート、ジイソステアリルマレート、ブチレングリコールジカプリレート／ジカプレート、セチルエチルヘキサノエート、トリエチルヘキサノイン、ジセテアリルダイマージリノレエート、カプリリック／カプリックトリグリセリド、ポリグリセリル‐２トリイソステアレートおよびペンタエリスリチルテトライソステアレートからなる群より選択されたエステル系オイル；ポリブテン、ハイドロジェネイテッドポリイソブテンおよび植物性スクアランからなる群より選択された炭化水素系オイル；フェニルトリメチコンおよびジメチコンからなる群より選択されたシリコン系オイル：のうち１種以上を含み、
   前記化粧料組成物は、
   前記化粧料組成物全体の重量を基準として１５〜３０質量％の前記オイル含量を有し、
   ３００ＣＰＳ以下の低粘度乳化剤形を有する、
   化粧料組成物。
2. 前記第２ポリマースフェロイドと前記第１ポリマースフェロイドのコアは、イオン性ビニルポリマーを含むことを特徴とする、請求項１に記載の化粧料組成物。
3. 前記イオン性ビニルポリマーは、４‐ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムポリマーであることを特徴とする、請求項２に記載の化粧料組成物。
4. 前記第１ポリマースフェロイドのコアと第２ポリマースフェロイドは、ビニルポリマーを含み、
   前記第１ポリマースフェロイドのシェルは、ビニルモノマーと官能基の共重合体を含むことを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
5. 前記ビニルポリマーは、ポリスチレンを含むことを特徴とする、請求項４に記載の化粧料組成物。
6. 前記官能基は、シロキサンであることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
7. 前記化学的異方性粉体は、第１ポリマースフェロイドおよび第２ポリマースフェロイドが結合された結合部を基準として、対称形状、非対称スノーマン（ｓｎｏｗｍａｎ）形状または非対称逆スノーマン形状を有することを特徴とする、請求項１〜６のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
8. 前記化学的異方性粉体は、粒子サイズが１００〜１５００ｎｍであることを特徴とする、請求項１〜７のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
9. 前記化学的異方性粉体は、５〜２００μｍの巨大乳化粒子を形成することを特徴とする、請求項１〜８のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
10. 前記化学的異方性粉体は、化粧料組成物全体の重量を基準として０．１〜１５質量％含有されることを特徴とする、請求項１〜９のいずれか一項に記載の化粧料組成物。

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