JP2005126406A - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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史高 石森
Yuji Noguchi
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Abstract

【課題】 本発明は、各種外用剤に配合されて用いられ、肌の凹凸や小皺を見えにくくして肌をきめ細かく明るく見せ、肌を美しく整える効果を奏する固形粉末化粧料を提供する。
【解決手段】 本発明の固形粉末化粧料は、半円球状の樹脂粒子又は/及び結合樹脂粒子と、所定粘度を有する油剤とからなり、この固形粉末化粧料を付着させて皮膚に沿って擦ると、樹脂粒子がその球面部を外方に向けて配向するので、外用剤中に含有させて用いることにより、樹脂粒子の球面部によって皮膚上に凸レンズの連続構造を形成することができ、この凸レンズの連続構造によって肌に入射する光を効果的に反射、拡散させて、皮膚の凹凸や小皺を見えにくくして肌をきめ細かく明るく見せて、肌を美しく整えることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種外用剤に配合して用いられ、肌の凹凸や小皺を見えにくくして肌をきめ細かく明るく見せ、肌を美しく整える効果を奏する固形粉末化粧料に関する。
従来から、粉体を含有する外用剤として、ファンデーション、白粉、ほほ紅、アイシャドーなどのメーキャップ化粧品、ボディーパウダー、ベビーパウダーなどのホディー化粧品、プレシェーブローション、ホディーローションなどのローション類が多種提供されている。これら外用剤には、肌上での伸びの向上、感触の向上、皺を見えにくくするために、ナイロン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子などの球状樹脂粒子が配合されている。
そして、外用剤に含有させる被覆粉体として、特許文献1には、板状構造を呈し、そのアスペクト比及び板状面の周囲長の2乗と板状面の正投影面の面積との比が所定範囲内にある硫酸バリウム粉体を酸化アルミニウム又は水酸化アルミニウムで表面処理してなる被覆粉体が提案されている。
しかしながら、上記被覆粉体は、肌の凹凸や小皺を見えにくくする効果を有するものの、充分なものではなく、肌をより美しく見せることができる粉体が望まれていた。
特開平8−217635号公報
本発明は、各種外用剤に配合されて用いられ、肌の凹凸や小皺を見えにくくして肌をきめ細かく明るく見せ、肌を美しく整える効果を奏する固形粉末化粧料を提供する。
本発明の固形粉末化粧料は、半円球状の樹脂粒子と、大気圧下、25℃の条件での粘度が100〜5000mPa・sである油剤とからなり、皮膚に付着させ皮膚に沿って擦ると、樹脂粒子がその球面部を外方に向けて配向するものである。
固形粉末化粧料を構成する樹脂粒子は、図1に示したように、円球を略半分に截断してなる半円球状体の平面部を全面的に外方に向かって凸円弧状に膨出させることによって断面円弧状の盛り上がり部11を形成してなる。そして、樹脂粒子1は、その盛り上がり部11を皮膚側に向けた状態、即ち、球面部12を外方に向けた状態で安定的に配設させることができるように構成されている。なお、樹脂粒子の盛り上がり部11及び球面部12には凹凸部が形成されていてもよい。
なお、図1では、半円球状の樹脂粒子1として、半円球状体に盛り上がり部11を形成した場合を図示したが、半円球状体の平面部は上述のように必ずしも膨出している必要はなく、平坦部に形成されていてもよい。なお、この平坦部には凹凸部が形成されていてもよい。
又、本発明の固形粉末化粧料は、上記樹脂粒子1の代わりに或いはこの樹脂粒子1と共に後述する結合樹脂粒子2を併用してもよい。この結合樹脂粒子2は、半円球状の樹脂粒子が複数個、樹脂皮膜を介して結合してなり、皮膚に付着させて皮膚に沿って擦ると、結合樹脂粒子の樹脂皮膜が崩壊して各樹脂粒子が分離、生成し、この樹脂粒子がその球面を外方に向けて配向するように構成されている。
即ち、上記結合樹脂粒子2は、図2及び図3に示したように、図1に示した樹脂粒子1が複数個、樹脂皮膜21を介して結合してなるものである。なお、図2及び図3に、結合樹脂粒子2として、図1の樹脂粒子1が複数個、樹脂皮膜21を介して結合してなるものを一例として示した。結合樹脂粒子2を構成している樹脂粒子1は、その盛り上がり部11又は平坦部の一部に崩壊後の樹脂皮膜21の一部が残存している場合があることを除いて上述と同様の構成であるので同一符号を付してその説明を省略する。
具体的には、上記結合樹脂粒子2は、上記樹脂粒子1がその盛り上がり部11又は平坦部を外方に向けた状態で樹脂皮膜21を介して結合され、結合樹脂粒子2の外周面の少なくとも一部は、結合樹脂粒子2を構成している樹脂粒子1の盛り上がり部11外面及び/又は平坦部外面と、樹脂皮膜21外面とによって、一つの連続面22に形成されており、この連続面22は、球面状であることが好ましいが、樹脂皮膜21部分が内方に向かって弛んだ状態であってもよい。なお、図2,3では、樹脂粒子1の盛り上がり部11外面と樹脂皮膜21外面とによって連続面22が形成されている。
そして、結合樹脂粒子2は、上述した連続面22の存在により、外用剤中に含有させて皮膚上に付着(塗布)させた際、外用剤の伸びを損なうことがない一方、外用剤が皮膚上に伸ばされる過程において樹脂皮膜21が外力によって円滑に崩壊して複数個の樹脂粒子1に分離、生成し、この生成した複数個の樹脂粒子1はそれぞれ、それらの球面部12を外方に向けて円滑に配向する。
更に、上記結合樹脂粒子2の圧縮強度は、小さいと、結合樹脂粒子を外用剤中に含有させる製造工程において、結合樹脂粒子2がその樹脂皮膜21から崩壊してしまう虞れがある一方、大きいと、結合樹脂粒子2を外用剤中に含有させて使用した場合、外用剤の使用時に結合樹脂粒子2が崩壊しない虞れがあることから、1.96〜7.85MPaが好ましい。
なお、上記結合樹脂粒子2の圧縮強度は、結合樹脂粒子を一定の負荷速度で9.806×10-3Nまで荷重を加えて圧縮試験を行い、圧縮前の粒子径D0 (mm)と、この粒子径D0 の10%に相当する量だけ結合樹脂粒子が変形した時の荷重W(N)を測定し、下記式に基づいて算出されたものをいう。なお、結合樹脂粒子の圧縮強度は、島津製作所社から商品名「微小圧縮試験機MCTM200」で市販されている測定装置を用いて測定することができる。
結合樹脂粒子の圧縮強度(MPa)=2.8×W/(πD0 2
又、結合樹脂粒子2における50%体積平均粒子径を測定する際におけるD50(崩壊後)/D50(崩壊前)の値は、小さいと、結合樹脂粒子を外用剤中に含有させる製造工程において、結合樹脂粒子2がその樹脂皮膜41から崩壊してしまう虞れがある一方、大きいと、結合樹脂粒子2を外用剤中に含有させて使用した場合、外用剤の使用時に結合樹脂粒子2が崩壊しない虞れがあることから、0.50〜0.80が好ましい。
なお、結合樹脂粒子における50%体積平均粒子径を測定する際におけるD50(崩壊後)/D50(崩壊前)の値は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、2枚の人工皮膚の対向面間に結合樹脂粒子を挟持し、人工皮膚の対向面間で結合樹脂粒子を任意の回数でもって擦り合わせた後、粒度分布測定装置を用いてJIS L0849(摩擦に対する染色堅牢度試験方法)を参考にして50%体積平均粒子径(D50)を測定する際における粒子径D50(崩壊後)及び粒子径D50(崩壊前)を測定し、粒子径D50(崩壊後)を粒子径D50(崩壊前)で除して算出することができる。なお、上記人工皮膚は、ビューラックス社から商品名「バイオスキンプレート」で市販されている。
そして、図1の樹脂粒子1及び図2、3の結合樹脂粒子2が崩壊して生成される樹脂粒子1の球換算体積平均粒子径は、外用剤の他の成分との混合性や外用剤を皮膚上に塗布した際における違和感の有無の観点から、3〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。なお、上記樹脂粒子の球換算体積平均粒子径は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、樹脂粒子1及び結合樹脂粒子2の球換算体積平均粒子径は電気抵抗法によって測定され、具体的には、アパチャー(細孔)の両側に電極が配設されたアパチャー・チューブを、測定対象となる樹脂粒子1又は結合樹脂粒子2が崩壊して生成される樹脂粒子が電解液中に懸濁されてなる懸濁液中に浸漬した状態とする。
上記アパチャー・チューブの電極間に上記懸濁液を介して電流を流し、電極間の電気抵抗を測定する。懸濁液中の樹脂粒子が吸引されてアパチャーを通過する時に樹脂粒子の体積に相当する電解液が置換されて、電極間の電気抵抗に変化が生じる。この電気抵抗の変化量は粒子の大きさに比例することから、上記電気抵抗の変化量を電圧パルスに変換して増幅、検出することによって粒子体積を算出することができ、この算出された粒子体積に相当する真球の直径を樹脂粒子の粒径とする。
そして、樹脂粒子1又は結合樹脂粒子2が崩壊して生成する樹脂粒子の球換算体積平均粒子径は、上記の如くして測定された各樹脂粒子の粒径の平均をとることにより算出することができ、即ち、樹脂粒子1又は結合樹脂粒子2が崩壊して生成する樹脂粒子の球換算体積平均粒子径は体積平均粒径を意味する。
なお、上記樹脂粒子1又は結合樹脂粒子2が崩壊して生成する樹脂粒子の球換算体積平均粒子径は、例えば、ベックマンコールター株式会社から商品名「コールターマルチサイザーII」で市販されている測定装置を用いて測定することができる。
又、樹脂粒子1はそれ自身が肌に対して配向性を有していることから、樹脂粒子1を含有する外用剤を皮膚に塗布し伸ばすと、樹脂粒子1は直ちに外力によって回転変位して球面部12を外方に向けた状態に皮膚上に配向する一方、結合樹脂粒子2は、外用剤を皮膚上に伸ばす過程において結合樹脂粒子2に加えられる外力によって先ず崩壊して樹脂粒子を生成した後、この樹脂粒子が該樹脂粒子に加えられる外力によって回転変位してその球面部を外方に向けた状態に皮膚上に配向する。
従って、樹脂粒子1と結合樹脂粒子2とを比較した場合、樹脂粒子1は、外用剤を皮膚に塗布してから所定の配向姿勢をとるまでにそれ程時間がかからないのに対して、結合樹脂粒子2は、上述のように、崩壊に要する時間分だけ、外用剤を皮膚に塗布してから樹脂粒子が所定姿勢に配向するまでに時間を必要とする。
つまり、樹脂粒子1は、外用剤を皮膚に伸ばし始めた箇所から比較的、近い箇所にて所定の配向姿勢となるのに対して、結合樹脂粒子2は、崩壊して複数個の樹脂粒子に分解するまでに時間を要すると共に、上述のように連続面22の存在によって外用剤の伸びを損なうことがないので、外用剤を皮膚に伸ばし始めた箇所から比較的、遠い箇所まで回転変位した上で崩壊して樹脂粒子を生成し、この樹脂粒子が所定の配向姿勢をとる。
よって、樹脂粒子1と結合樹脂粒子2とを併用して外用剤中に含有させることによって、外用剤を皮膚に最初に付着させた箇所に近い箇所から遠い箇所に至るまで、皮膚に伸ばした外用剤中に樹脂粒子を略均一に分散させることができ、外用剤を塗布した皮膚表面をより効果的に美しく見せることができる。
このような場合、外用剤中における樹脂粒子1と結合樹脂粒子2との重量比(樹脂粒子1/結合樹脂粒子2)は、上述のような効果を効果的に奏するために、1〜99であることが好ましく、1〜24がより好ましく、3〜24が特に好ましい。
更に、樹脂粒子1及び結合樹脂粒子2は、その表面に、無機酸化物処理や色素処理などの各種表面処理が施されてもよく、このような表面処理を施すことによって樹脂粒子1及び結合樹脂粒子2に光学的な特徴を付与して用途範囲を広げることができる。
次に、上記固形粉末化粧量を構成する油剤としては、固形粉末化粧料に結合樹脂粒子が含まれない場合には、大気圧下、25℃の条件での粘度が100〜5000mPa・sである油剤が用いられる一方、固形粉末化粧料に結合樹脂粒子が含まれている場合には、大気圧下、25℃の条件での粘度が200〜5000mPa・sである油剤が用いられる。
これは、油剤における大気圧下、25℃の条件での粘度が小さいと、樹脂粒子、及び結合樹脂粒子が崩壊して生成する樹脂粒子が皮膚上において球面部を外方に向けた状態で配向したとしても、樹脂粒子に加えられる外力によって再度、樹脂粒子が回転変位してしまって、樹脂粒子を皮膚上において球面部を外方に向けた状態に維持することができない一方、大きいと、樹脂粒子、及び結合樹脂粒子が崩壊して生成する樹脂粒子を皮膚上において球面部が外方を向いた状態に配向させるために円滑に回転変位させることができなくなるからである。
このような油剤としては、粘度が上記範囲内にあるものであればよいが、液体である油成分中に粘度調整剤を添加してなるものが好ましい。なお、液体とは、50℃で300kPa以下の蒸気圧をもつ流動物質をいい、他種の物質を溶け込ませて同一の液相を形成し得るものをいう。
上記油成分としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸セチル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなどのエステル系油剤、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールなどの高級アルコール、流動パラフィン、スクワランなどの炭化水素、ジメチルポリシロキサンやメチルハイドロジェンポリシロキサンなどのシリコーンオイルで25℃における粘度が100mPa・s以下のもの、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フルオロシリコーン、オリーブ油、ゴマ油、パーフルオロポリエーテルなどが挙げられ、エステル系油剤、高級アルコールが好ましく、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸セチル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールからなる群から選ばれた1種又が2種以上の油成分がより好ましい。
そして、上記油成分中に添加される粘度調整剤としては、油成分中に溶け込んで同一の液相を形成するものであればよく、固体状又はペースト状であることが好ましい。なお、ペースト状とは、50℃で300kPa以下の蒸気圧をもつ流動物質であって液体以外のものをいう。
このような粘度調整剤としては、特に限定されず、例えば、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、セラック、ラノリン、ミツロウ、サラシミツロウ、オゾケライト、セレシン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、リシノール酸セチル、トリウンデシレン酸グリセリル、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、乳酸セチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ヤシ油、牛脂、硬化油、馬油、シアバター、卵黄油や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル酸ポリマー及びその塩、アクリル酸−メタクリル酸共重合体及びその塩、シリコーン化プルランなどのシリコーン変性有機粘剤、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸などのシリコーン樹脂、トリフルオロプロピル変性ポリメチルシロキシケイ酸などのフッ素化シリコーン樹脂、アクリル化シリコーン、アルキル化シリコーン、ポリアミド変性シリコーン樹脂、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型メチルポリシロキサンなどのシリコーン系樹脂、ポリブテンなどが挙げられる。なお、粘度調整剤は、単独で用いられても併用されてもよい。
なお、上記油剤の粘度は、油剤を所定量だけ採取し、この油剤を攪拌混合しつつ50℃に加熱した上でガラス瓶内に供給してガラス瓶を密封し、25℃に保持した水槽内にガラス瓶を浸漬してガラス瓶内の油剤が25℃になるまで放置し、ガラス瓶内の油剤を測定試料とした。
そして、上記測定試料の粘度をJIS Z8803(1991年)「液体の粘度−測定方法」 9.円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に準拠して測定した。なお、上記油剤の粘度は、株式会社トキメック社から商品名「B型粘度計 B8H」で市販されている粘度計を用いて測定することができる。
更に、固形粉末化粧料中の油剤の量は、少ないと、樹脂粒子の肌に対する配向性が低下することがある一方、多いと、外用剤がべたつくことがあるので、0.1〜15重量%が好ましい。
又、上記固形粉末化粧料には、その物性を損なわない範囲内において、外用剤に通常、用いられる添加剤が添加されてもよく、このような添加剤としては、例えば、顔料、界面活性剤、紫外線防御成分、防腐剤、香料、保湿剤、増粘剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分などが挙げられる。
上記顔料としては、外用剤に通常、用いられるものであれば、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状など)、粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級など)、粒子構造(多孔質、無孔質等)などは限定されず、例えば、無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、タール色素、天然色素などが挙げられる。
具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、セリサイト、雲母、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカなどが挙げられる。
又、有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12−ナイロン、6−ナイロン、アクリルパウダー、アクリルエラストマー、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリアルキルシルセスキオキサン、スチレン−アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジンなどが挙げられる。
そして、界面活性剤金属塩粉体としては、ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウムなどが挙げられる。
又、有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄などの無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土などの無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラックなどの無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレットなどの無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルトなどの無機緑色顔料、紺青、群青などの無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及び、これらの顔料を複合化した合成樹脂粉体などが挙げられる。
更に、パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母などが挙げられる。
そして、金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダーなどが挙げられる。
更に、タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号などが挙げられる。
又、天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシンなどが挙げられる。これらの顔料は表面処理が施されていることが好ましく、このような表面処理としては、例えば、フッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理、パーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理が好ましい)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理が好ましい)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理が好ましい)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖などを付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理(アルキルシランやアルキルシラザン処理が好ましい)、油剤処理、N−アシル化リジン処理、金属石鹸処理(ステアリン酸やミリスチン酸塩による処理が好ましい)、金属酸化物処理、寒天処理、デオキシリボ核酸処理などが挙げられる。
又、上記顔料のうち、色素処理した無機粉体又は酸化チタン被覆雲母を配合すると、上記樹脂粒子の光学効果の影響で、彩度が向上し、ツヤ、透明感に優れた外用剤が得られる。そして、シリコーンエラストマー球状粉体やナイロンなどの有機棒状粉体を固形粉末化粧料に含有させると、光学効果が更に向上して皺の隠蔽などに効果が高い。
更に、ファンデーション、口紅など顔料級酸化チタンを用いる場合、特開平11−157839号記載の強凝集性酸化チタン、粒子径が0.5μm 以上の大粒径酸化チタンなどを配合すると、本発明で用いる樹脂粒子の光学効果の影響で、より明るく美しく見える化粧塗膜の形成が可能である。
又、金属粉末顔料を外用剤中に5重量%以上含む場合、本発明の配向した樹脂粒子の表面を金属粉末顔料が被覆し、一種のフリップフロップ調のアニソトロピックな塗膜が得られる場合がある。
そして、増粘剤としては、アラビアゴム、トラガカント、アラビノガラクタン、ローカストビーンガム(キャロブガム)、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガムなどの植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルランなどの微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチンなどの動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマーなどのビニル系高分子、ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリル酸アミドなどのアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、スメクタイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸などの無機系増粘剤などが挙げられる。
又、その他の増粘剤として油溶性ゲル化剤があり、例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミンなどのアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステルなどのデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトールなどのソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイト、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムモンモリナイトなどの有機変性粘土鉱物などが挙げられる。
そして、界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、外用剤に通常、用いられているものであれば、特に限定されない。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミンなどの脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合などのカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油などの硫硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤などが挙げられる。
又、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体などのアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられる
そして、非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミドなどが挙げられる。
又、両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体などが挙げられる。
更に、生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。このような生理活性成分としては、例えば、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分などが挙げられ、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が好ましい。
次に、本発明の固形粉末化粧料の製造方法について説明する。固形粉末化粧料の樹脂粒子及び結合樹脂粒子は、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂などのビニル系樹脂などの合成樹脂から形成され、アクリル系樹脂が好ましい。
そして、上記樹脂粒子又は結合樹脂粒子の製造方法としては、例えば、単官能単量体及び多官能単量体並びに疎水性の液状化合物を水系媒体に添加して重合開始剤の存在下にて懸濁重合を行なった後に上記液状化合物を除去することによって結合樹脂粒子を製造し、更に、この結合樹脂粒子を粉砕することによって樹脂粒子を製造する方法が挙げられる。
上記単官能単量体としては、疎水性の液状化合物を均一に溶解し且つ重合中に液状化合物と反応性(例えば、重合反応性や架橋反応性)を有しないものであれば、特に限定されない。
このような単官能単量体としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどのスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸エステル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロフルフリル、メタクリル酸ラウリルなどのメタクリル酸エステル系単量体;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ネオデカン酸ビニルなどのビニルエステル系単量体;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミドなどのN−アルキル置換アクリルアミド系単量体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル系単量体などのように分子中にビニル基を一個有する単官能性の疎水性単量体又はそれらのハロゲン(例えば、フッ素、臭素、塩素)置換体などが挙げられる。なお、単官能単量体は、単独で用いられても併用されてもよい。
又、多官能単量体の例としては、一分子中に重合性ビニル基を二個以上有する架橋性単量体であれば、特に限定されないが、単量体中にアリル基を有しないものや、脂肪族ジビニル化合物に属さないものが好ましい。
このような多官能単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体などの芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
そして、樹脂粒子を製造する場合、多官能単量体の添加量は、多いと、含水ケーキを乾燥させた上でジェットミルなどを用いて粉砕しようとしても、結合樹脂粒子が崩壊しにくくなることがあるので、単官能単量体100重量部に対して50重量以下とするか或いは多官能単量体を添加しないことが好ましい。
一方、結合樹脂粒子を製造する場合、多官能単量体の添加量は、少ないと、結合樹脂粒子が外用剤に含有させる工程中に崩壊し易くなる虞れがある一方、多いと、結合樹脂粒子が崩壊しにくくなることがあるので、単官能単量体100重量部に対して0.05〜1.0重量部が好ましく、0.1〜1.0重量部がより好ましい。
又、上記疎水性の液状化合物は、単官能単量体及び多官能単量体と反応性(例えば、重合反応性や架橋反応性)を有しないものであればよいが、媒体となる水と反応しないもの或いは水によって変質しないものが好ましい。
このような疎水性の液状化合物としては、オルガノポリシロキサン類や飽和炭化水素類が挙げられる。オルガノポリシロキサン類としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、各種変性ポリシロキサンなどが挙げられ、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。又、飽和炭化水素類としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、流動パラフィンなどが挙げられる。
そして、疎水性の液状化合物の添加量としては、少ないと、結合樹脂粒子を得にくくなることがある一方、多いと、重合速度が著しく遅くなることがあるので、単官能単量体及び多官能単量体の総量100重量部に対して8〜50重量部が好ましく、10〜45重量部がより好ましい。
又、疎水性の液状化合物の25℃における動粘度は、低いと、重合中に液滴内での層分離が起こりにくく、結合樹脂粒子を製造することができないことがある一方、高いと、単量体及び液状化合物からなる単量体組成物の粘度が著しく高くなり、分散媒への分散性が著しく低下し、結合樹脂粒子を製造することができないことがあるので、1×10-8〜1×10-12 /sが好ましく、1×10-7〜5×10-22 /sがより好ましい。なお、疎水性液状化合物の25℃における動粘度は、JIS Z8803(1991年)「液体の粘度−測定方法」5.毛細管粘度計による粘度測定方法」に準拠して、ウベローゼ粘度計(毛細管の内径0.2mm)を用いて時間tを測定し、下記式1に基づいて動粘度を算出した。なお、ν=C1 t−C2 /tにおいて、(C2 /t)は運動エネルギー補正が小さく、無視できる。
ν=C1 t・・・式1
(C1 (粘度計定数):0.0490)
そして、上記重合開始剤としては、従来から懸濁重合に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、オルソクロロベンゾイルパーオキサイド、オルソメトキシベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(
2,4−ジメチルバレロニトリル) 、2,2’−アゾビス( 2,3−ジメチルブチロニトリル) 、2,2’−アゾビス( 2−メチルブチロニトリル) 、2,2’−アゾビス( 2,3,3−トリメチルブチロニトリル) 、2,2’−アゾビス( 2−イソプロピルブチロニトリル) 、1,1’−アゾビス( シクロヘキサン−1−カルボニトリル) 、2,2’−アゾビス( 4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル) 、2−( カルバモイルアゾ)
イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス( 4−シアノバレリン酸) 、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートなどが挙げられ、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス( 2,4−ジメチルバレロニトリル) が好ましい。なお、重合開始剤は、単官能単量体及び多官能単量体の総量100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。
更に、単官能単量体及び多官能単量体と、疎水性の液状化合物との相分離を促進させるために、単官能単量体及び多官能単量体と反応しない燐酸化合物を相分離促進剤として添加することが好ましい。このようなリン酸化合物としては、例えば、亜燐酸モノエステル、亜燐酸ジエステル、ラウリルリン酸などの燐酸モノエステル、燐酸ジエステルなどが挙げられ、単独で用いられても併用されてもよい。なお、リン酸化合物の添加量は、単官能単量体及び多官能単量体の総量100重量部に対して0.001〜5重量部が好ましい。
又、懸濁重合の際に懸濁粒子の安定化を図るために、単官能単量体及び多官能単量体の総量100重量部に対して、通常、100〜1000重量部の水を分散媒体として用いると共に分散安定剤を添加することが好ましい。
上記分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛などのリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛などのピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイダルシリカなどの難水溶性無機化合物などが挙げられ、結合樹脂粒子が安定して製造することができるので、第三リン酸カルシウム、複分解生成法によるピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、コロイダルシリカが好ましい。
更に、上記分散安定剤に加えて、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤などの界面活性剤を添加してもよい。このようなアニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリなどの脂肪酸油の塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩などが挙げられる。
そして、カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
又、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマーなどが挙げられる。そして、両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどが挙げられる。
上記分散安定剤や界面活性剤は、樹脂粒子及び結合樹脂粒子の粒径や懸濁重合時の分散安定性などを考慮して、それらの種類や組み合わせ、使用量などが適宜、調整される。一例を挙げれば、分散安定剤の添加量は、単官能単量体及び多官能単量体の総量100重量部に対して0.5〜20重量部が好ましく、界面活性剤の添加量は、単官能単量体及び多官能単量体の総量100重量部に対して0.001〜0.1重量部が好ましい。
上記樹脂粒子及び結合樹脂粒子の製造方法を具体的に説明する。先ず、単官能単量体及び多官能単量体、疎水性の液状化合物並びに重合開始剤、必要に応じて上記添加剤を水系媒体に分散させる。
水系媒体への分散は、汎用の方法が用いられ、例えば、プロペラ翼などの撹拌力による方法、ローターとステーターから構成されたホモミキサーの高剪断力による方法、超音波分散機を用いる方法などが挙げられる。
なお、樹脂粒子及び結合樹脂粒子の最大径を揃えるには、マイクロフルイダイザー、ナノマイザーなどの液滴同士の衝突や、器壁への衝突力を利用した高圧型分散機を用いる方法やMPG(マイクロポーラスガラス) 多孔膜を通す方法を用いて、単官能単量体や多官能単量体を水系媒体中に圧入することが好ましい。
次に、上記のように単官能単量体及び多官能単量体を水系媒体に分散させてなる分散媒体を加熱して懸濁重合を行なう。懸濁重合反応の温度は30〜100℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。又、懸濁重合反応の時間は、0.1〜10時間が好ましい。重合反応中は、単官能単量体及び多官能単量体の液滴の浮上や、生成する結合樹脂粒子の沈降が防止される程度に水系媒体を撹拌するのが好ましい。
そして、懸濁重合反応の終了後に、必要に応じて、分散媒体中に塩酸などを添加して分散安定剤を溶解した上で、重合生成物を吸引濾過、遠心分離、遠心濾過などの汎用の方法を用いて分散媒体から分離する。
得られた重合生成物の含水ケーキを水洗し、乾燥した後、疎水性の液状化合物を除去することによって結合樹脂粒子を製造することができる。疎水性の液状化合物の除去は、例えば、液状化合物がオルガノポリシロキサン類である場合、液状化合物は溶解するが、重合生成物自体は溶解しない溶剤で重合生成物を一回或いは複数回に亘って洗浄することにより行われる。
このような溶剤としては、疎水性の液状化合物の種類や、単官能単量体や多官能単量体の種類にもよるが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノールなどのアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの低級炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。
又、液状化合物として飽和炭化水素類を用いた場合、液状化合物を除去する方法としては、例えば、液状化合物を常圧或いは減圧下にて通常の乾燥機、オーブンによる乾燥によって除去する方法の他に、重合反応終了後、常圧蒸留、減圧蒸留、水蒸気蒸留、気体バブリング処理、減圧処理、加熱処理などの簡単な蒸発操作によっても、液状化合物を容易に除去することができ、具体的には、水系懸濁重合後のスラリーを常圧又は減圧下でそのまま蒸留する方法或いは水蒸気で蒸留する方法によって重合生成物から液状化合物を除去することができる。
そして、この段階で作業を止めると、樹脂粒子が複数個、樹脂皮膜を介して結合してなる結合樹脂粒子を得ることができ、この結合樹脂粒子を機械的に崩壊させるか或いは篩を用いて崩壊させた後、粒度分布を揃えるなどの操作を必要に応じて行うことによって図1に示したような樹脂粒子を得ることができる。
そして、上記要領で製造された結合樹脂粒子又は/及び樹脂粒子に、大気圧下、25℃の条件での粘度が所定範囲内にある油剤を添加することによって固形粉末化粧料を得ることができる。なお、結合樹脂粒子又は/及び樹脂粒子に油剤を添加する要領としては、例えば、ローラーミル、ディスパー、押出機などの装置を用いればよい。
このようにして得られた固形粉末化粧料は、ファンデーション、化粧下地料、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、ネイルカラー、リップクリーム、口紅などのメイクアップ化粧料、乳液、クリーム、ローション、カラミンローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、エッセンスなどの基礎化粧料などの外用剤に含有させて用いられる。なお、外用剤の形態についても、特に限定はなく、液状、 乳液状、 クリーム状、固形状、 ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状などの何れであってもよい。
そして、外用剤中における固形粉末化粧料の含有量は、少ないと、固形粉末化粧料を含有させた効果を発現しないことがある一方、多いと、外用剤を皮膚に塗布した際の感触が低下することがあるので、0.1〜40重量%が好ましく、1〜20重量%が好ましい。
しかして、固形粉末化粧料を含有する外用剤を皮膚に塗布し、皮膚に沿って塗り伸ばすと、樹脂粒子、及び結合樹脂粒子が崩壊して生成した樹脂粒子は共に、油剤の作用によって外用剤中のその他の含有成分及び皮膚との間において適度な摩擦力が生じるように調整される。
従って、外用剤を皮膚に塗り伸ばす外力によって樹脂粒子は回動変位するものの、樹脂粒子がその盛り上がり部又は平坦部を皮膚側にした状態、即ち、樹脂粒子が一旦、その球面部を外方に向けた状態となると、それ以上外力を加えても、樹脂粒子はそれ以上回動変位し難く、球面部を外方に向けた状態を維持し、その結果、殆どの樹脂粒子がその球面部を皮膚上において外方に向けた状態に配向する。
このように樹脂粒子の殆どがその球面部を皮膚上において外方に向けた状態となって、皮膚上に樹脂粒子の球面部が連続的に配列された状態となり、微細な凸レンズを皮膚上に配列させた連続構造が形成される。
そして、この凸レンズの連続構造によって皮膚に照射された光が効果的に反射、拡散され、その結果、皮膚の凹凸や小皺を見えにくくして肌をきめ細かく明るく見せて、肌を美しく整えることができる。
本発明の固形粉末化粧料は、所定形状を有する樹脂粒子又は/及び結合樹脂粒子と、所定粘度を有する油剤とからなり、この固形粉末化粧料を付着させて皮膚に沿って擦ると、樹脂粒子又は/及び結合樹脂粒子が崩壊して生成する樹脂粒子がその球面部を外方に向けて配向するので、外用剤中に含有させて用いることにより、樹脂粒子の球面部によって皮膚上に凸レンズの連続構造を形成することができ、この凸レンズの連続構造によって肌に入射する光を効果的に反射、拡散させて、皮膚の凹凸や小皺を見えにくくして肌をきめ細かく明るく見せて、肌を美しく整えることができる。
そして、樹脂粒子及び結合樹脂粒子を透明な合成樹脂から形成することによって、肌の質感や透明感を損なうことなく、上記効果を効果的に発揮させることができ、化粧下地料に配合した場合は、該化粧下地料上に塗布するファンデーションの色を明るくきれいに見せることができる。
更に、結合樹脂粒子は複数個の樹脂粒子が樹脂皮膜を介して結合してなり、樹脂粒子の盛り上がり部及び/又は平坦部、並びに樹脂皮膜によって形成された連続面を有している。従って、結合樹脂粒子は、その樹脂皮膜が崩壊して生成する樹脂粒子に比して、外用剤の他の成分や皮膚との間の摩擦力が低い。
従って、外用剤を皮膚に塗布して塗り伸ばした直後は、結合樹脂粒子は、外用剤の塗り伸ばし性を損なうことなく外用剤中を円滑に変位して皮膚上に分散し、外用剤を円滑に皮膚上に塗り伸ばすことができる。
そして、結合樹脂粒子は、外用剤の塗り伸ばし過程中に加えられる外力によって徐々に崩壊して複数個の樹脂粒子を生成し、この樹脂粒子は、上述の樹脂粒子と同様の要領で、その球面部を外方に向けて配向し、肌に入射する光を効果的に反射、拡散して、皮膚の凹凸や小皺を見えにくくして肌をきめ細かく明るく見せて、肌を美しく整えることができる。
このように、固形粉末化粧料に結合樹脂粒子を含有させることによって、外用剤中に含有させて用いた際に外用剤の初期の塗り伸ばし性を良好に保持しつつ、結合樹脂粒子を徐々に崩壊させて複数個の樹脂粒子を生成し、この樹脂粒子によって上述の優れた効果を奏することができる。
(樹脂粒子Aの製造)
水200重量部に複分解法で製造されたピロリン酸マグネシウム5重量部を懸濁安定剤として添加してなる分散媒体をセパラブルフラスコに供給し、この分散媒体中に重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.1重量部を溶解させた。
一方、単官能単量体としてメタクリル酸メチル69.5重量部、多官能単量体としてエチレングリコールジメタクリレート0.55重量部、疎水性の液状化合物としてn−ヘプタン30重量部、相分離促進剤としてラウリルリン酸0.05重量部及び重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4重量部を完全に混合溶解させて単量体組成物を作製した。
この単量体組成物を上記分散媒体に加えてホモミキサー(IKA社製 商品名「ULTRA TURRAX T−25」)を用いて8000rpmで約10秒間攪拌して、単量体組成物を分散媒体中に微分散させた。
そして、上記セパラブルフラスコに撹拌翼、温度計及び還流冷却器を取付けてセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、このセパラブルフラスコを60℃の恒温水槽(ウォーターバス)中に設置し、セパラブルフラスコ内の分散媒体を撹拌速度200rpmで攪拌しつつ、セパラブルフラスコ内の分散媒体が60℃に達してから10時間に亘って懸濁重合を行った。
続いて、セパラブルフラスコからスラリーを取り出してn−ヘプタンをエバポレーターを用いて減圧留去した後、スラリーを冷却した上でスラリーのpHが2程度になるまで塩酸を添加して懸濁安定剤を分解して重合生成物を得た。
そして、上記重合生成物を濾紙を用いたブフナー漏斗で吸引濾過して分散媒体を分離し、得られた重合生成物の含水ケーキを1200重量部のイオン交換水で洗浄して懸濁安定剤を除去した。
更に、上記含水ケーキを乾燥させた上でジェットミルを用いて粉砕して樹脂粒子Aを得た。なお、樹脂粒子Aの倍率2000倍の走査型電子顕微鏡写真を図4に示した。この樹脂粒子Aは円球を略半分に截断してなり、その平面部を僅かに膨出させて盛り上がり部が形成され、樹脂粒子Aの球換算体積平均粒子径は5μmであった。又、樹脂粒子Aの反射率を測定した結果を図5に示した。
(結合樹脂粒子Aの製造)
含水ケーキを乾燥させた後にジェットミルを用いて粉砕しなかったこと以外は樹脂粒子Aと同様にして結合樹脂粒子Aを得た。なお、結合樹脂粒子Aの倍率1500倍の走査型電子顕微鏡写真を図6に示した。この結合樹脂粒子Aは、2〜5個の樹脂粒子が樹脂皮膜を介して結合されてなり、樹脂粒子の盛り上がり部の外面及び樹脂皮膜の外面によって一つの連続面が形成されていた。そして、結合樹脂粒子Aが崩壊して生成された樹脂粒子は、円球を略半分に截断してなり、その平面部を僅かに膨出させて盛り上がり部が形成されていた。
そして、結合樹脂粒子は、その球換算体積平均粒子径は18.1μm、圧縮強度は3.43MPa、50%体積平均粒子径を測定する際におけるD50(崩壊後)/D50(崩壊前)の値は0.71であった。
(結合樹脂粒子Bの製造)
メタクリル酸メチルを69.5重量部の代わりに69.4重量部用い、エチレングリコールジメタクリレートを0.55重量部の代りに0.07重量部用いたこと、含水ケーキを乾燥させた後にジェットミルを用いて粉砕しなかったこと以外は、樹脂粒子Aと同様の要領で結合樹脂粒子Bを得た。
この結合樹脂粒子Bは、2〜10個の樹脂粒子が樹脂皮膜を介して結合されてなり、樹脂粒子の盛り上がり部の外面及び樹脂皮膜の外面によって一つの連続面が形成されていた。又、結合樹脂粒子Bが崩壊して生成された樹脂粒子は、円球を略半分に截断してなり、その平面部を僅かに膨出させて盛り上がり部が形成されていた。
そして、結合樹脂粒子Bは、その球換算体積平均粒子径は12.1μm、圧縮強度は2.55MPa、50%体積平均粒子径を測定する際におけるD50(崩壊後)/D50(崩壊前)の値は0.66であった。
(結合樹脂粒子Cの製造)
多官能単量体としてエチレングリコールジメタクリレートを用いなかったこと、含水ケーキを乾燥させた後にジェットミルを用いて粉砕しなかったこと以外は、樹脂粒子Aと同様の要領で結合樹脂粒子Cを得た。
この結合樹脂粒子Cは、2〜10個の樹脂粒子が樹脂皮膜を介して結合されてなり、樹脂粒子の盛り上がり部の外面及び樹脂皮膜の外面によって一つの連続面が形成されていた。又、結合樹脂粒子Cが崩壊して生成された樹脂粒子は、円球を略半分に截断してなり、その平面部を僅かに膨出させて盛り上がり部が形成されていた。
そして、結合樹脂粒子Cは、その球換算体積平均粒子径は13.5μm、圧縮強度は0.88MPa、50%体積平均粒子径を測定する際におけるD50(崩壊後)/D50(崩壊前)の値は0.45であった。
(結合樹脂粒子Dの製造)
メタクリル酸メチルを69.5重量部の代わりに69.3重量部用い、エチレングリコールジメタクリレートを0.55重量部の代りに0.7重量部用いたこと、含水ケーキを乾燥させた後にジェットミルを用いて粉砕しなかったこと以外は、樹脂粒子Aと同様の要領で結合樹脂粒子Dを得た。
この結合樹脂粒子Dは、2〜10個の樹脂粒子が樹脂皮膜を介して結合されてなり、樹脂粒子の盛り上がり部の外面及び樹脂皮膜の外面によって一つの連続面が形成されていた。又、結合樹脂粒子Dが崩壊して生成された樹脂粒子は、円球を略半分に截断してなり、その平面部を僅かに膨出させて盛り上がり部が形成されていた。
そして、結合樹脂粒子Dは、その球換算体積平均粒子径は11.1μm、圧縮強度は10.49MPa、50%体積平均粒子径を測定する際におけるD50(崩壊後)/D50(崩壊前)の値は0.98であった。結合樹脂粒子Dは、その圧縮強度が10.49MPaと高く、崩壊しにくいものであった。
なお、上述した、樹脂粒子A及び結合樹脂粒子A〜Dの球換算体積平均粒子径、樹脂粒子Aの反射率、結合樹脂粒子の圧縮強度、結合樹脂粒子の50%体積平均粒子径を測定する際におけるD50(崩壊後)/D50(崩壊前)の値は下記の要領で測定されたものである。
(球換算体積平均粒子径)
ガラス製の試験管に樹脂粒子又は結合樹脂粒子0.1gと0.1重量%非イオン系界面活性剤溶液10ミリリットルを投入してタッチミキサー(ヤマト科学社製 商品名「タッチミキサー TOUCH MIXER MT-31 」)を用いて2秒間に亘って攪拌、混合した後、試験管内の溶液を、超音洗浄機(ヴェルヴォクリーア製 商品名「ULTRASONIC CLEANER VS-150 」)を用いて10秒間に亘って予備分散させた。
そして、この予備分散させた試験管内の溶液を、測定装置(ベックマンコールター株式会社 商品名「コールターマルチサイザーII」)に付属の測定用電解液(ベックマンコールター社製 商品名「ISOTON2」)を満たしたビーカー中に緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、測定装置の画面の濃度計の示度を10%前後に合わせた。
次に、測定装置にアパチャーサイズ、Current 、Gain及びPolarityを、ベックマンコールター株式会社発行のREFERENCE MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER (1987)に従って入力し、manualモードで測定を行った。なお、測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、樹脂粒子又は結合樹脂粒子を10万個測定した時点で測定を終了した。
(反射率)
樹脂粒子Aを黒色紙上に均一に塗布し、変角分光光度計(村上色彩技術研究所社製 商品名「GPS−2型」)を用いて入射角45°、受光角−80〜80°の時のCIE(国際照明委員会)Lab系のL値を角度別に測定した。なお、反射強度の高いものは正反射方向に強い反射を示すが、光を拡散するものは光が角度によらず比較的均一な値を示す。なお、図5において、横軸は受光角度(°)、縦軸はL値の相対強度である。
(圧縮強度の測定)
結合樹脂粒子の圧縮強度は、島津製作所社から商品名「微小圧縮試験機MCTM200」で市販されている測定装置を用いて測定した。そして、各粒子毎に6回の試験を行い、最大値及び最小値を除いた4回の測定結果の相加平均を樹脂粒子又は結合樹脂粒子の圧縮強度とした。なお、測定条件は下記の通りとした。
・試料調整:エタノール中に樹脂粒子を分散させた後、試料台に塗布乾燥し、測定用試料 を調整した。
・試験温度:常温
・試験用圧子:平面50(直径50μmの平面円形状の圧子)
・試験種類:圧縮試験(MODE1)
・試験荷重:9.806×10-3
・負荷速度:0.7109×10-3N/SEC
・変位フルスケール:10(μm)
(D50(崩壊後)/D50(崩壊前)の値)
JIS L0849に準拠した摩擦堅牢度試験機(大栄化学精器製作所社製 商品名「RT−200」)の試料台とこの試料台の上方に配設された摩擦子の対向面のそれぞれに人工皮膚(ビューラックス社製 商品名「バイオスキンプレート」)を取付けた。そして、摩擦堅牢度試験機の試料台における摩擦子の往復軌道上に結合樹脂粒子を0.2g付着させた。
しかる後、摩擦堅牢度試験機の摩擦子に300gの荷重をかけることによって、試料台上の結合樹脂粒子を試料台と摩擦子とによって挟んだ状態とし、この状態から摩擦子を試料台に対して水平方向に10往復させた。
そして、試料台上の結合樹脂粒子が崩壊して生成した粉体を採取してコールターカウンター法により50%体積平均粒子径(D50)を測定する際における粒子径D50(崩壊後)及び粒子径D50(崩壊前)を測定し、粒子径D50(崩壊後)を粒子径D50(崩壊前)で除して算出した。
(実施例1〜10、比較例1〜9)
表1,2に示した所定量の、樹脂粒子A、結合樹脂粒子A〜C、真球状アクリル樹脂粒子(積水化成品社製 商品名「MB−8C」)、シリコーンエラストマー球状粉体(東レダウコーニングシリコーン社製 商品名「トレフィルE−508」、平均粒径:8μm)、白色ワセリン(岩城製薬社製 商品名「ハクワセホワイト」)、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度:34mPa・s)、流動パラフィン(松村石油研究所社製 商品名「モレスコホワイトP−70」)、タルク(富士タルク工業社製 商品名「LMP−90」)、セリサイト(三信鉱工社製 商品名「セリサイトFSE」)、酸化チタン(テイカ社製 商品名「MT−500SA」)、酸化鉄(酸化鉄黄(チタン工業社製 商品名「TAROX LL−XLO」)67重量%、ベンガラ(チタン工業社製 商品名「TAROX R−516−L」)27重量%及び酸化鉄黒(チタン工業社製 商品名「TAROX BL−100」)6重量%の混合物)及び防腐剤をミキサーに供給して均一に混合し、メッシュを通した上で金型を用いて金皿に打型して固形粉末化粧料を得た。なお、表1、2における上記添加物の数値の単位は全て重量部である。ここで、上記タルク、セリサイト、酸化チタン及び酸化鉄は何れも、その表面をパーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩で処理したものであった。
得られた固形粉末化粧料を用いて樹脂粒子A及び結合樹脂粒子A〜Dが崩壊して生成する樹脂粒子の配向性及び外用剤の官能評価を下記に示した要領で測定し、その結果を表1,2に示した。
(樹脂粒子の配向性)
人工皮革(出光テクノファイン社製 商品名「サプラーレPBZ13001 BK」)上に化粧スポンジを用いて固形粉末化粧料を塗り伸ばした。この人工皮革上に塗り伸ばした固形粉末化粧料を走査型電子顕微鏡を用いて倍率1500倍で観察し、樹脂粒子がその球面部を同一方向に配向させている割合が75%以上のものを○、75%未満のものを×とした。
(官能評価)
「化粧の明るさ」「キメ、皺の目立ち」「化粧の美しさ」及び「肌上での伸び」の4項目について下記要領で評価した。即ち、各項目毎に10人の女性をパネラーとして選出し、各パネラーが手の甲部分に固形粉末化粧料約0.02gを市販の化粧用スポンジを用いて塗り伸ばし、下記基準に従って各項目毎に評価した。そして、各項目毎に各パネラーが評価した点数を合計し、各項目毎の官能評価とした。従って、点数が高いほど評価が高く、満点は50点である。表1、2中の官能評価の数値の単位は全て「点」である。
5・・・非常に効果がある。
4・・・効果がある。
3・・・やや効果がある。
2・・・どちらともいえない。
1・・・効果がない。
本発明の樹脂粒子の一例を示した断面図である。 本発明の結合樹脂粒子の一例を示した断面図である。 本発明の結合樹脂粒子の一例を示した断面図である。 樹脂粒子Aの倍率2000倍の走査型電子顕微鏡写真である。 樹脂粒子Aの反射率の測定結果を示したグラフである。 結合樹脂粒子Aの倍率1500倍の走査型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 樹脂粒子
11 盛り上がり部
12 球面部
2 結合樹脂粒子
21 樹脂皮膜
22 連続面

Claims (3)

  1. 半円球状の樹脂粒子と、大気圧下、25℃の条件での粘度が100〜5000mPa・sである油剤とからなり、皮膚に付着させ皮膚に沿って擦ると、樹脂粒子がその球面部を外方に向けて配向することを特徴とする固形粉末化粧料。
  2. 半円球状の樹脂粒子が複数個、樹脂皮膜を介して結合してなる結合樹脂粒子と、大気圧下、25℃の条件での粘度が200〜5000mPa・sである油剤とからなり、皮膚に付着させ皮膚に沿って擦ると、結合樹脂粒子が崩壊して樹脂粒子を生成し、この樹脂粒子がその球面部を外方に向けて配向することを特徴とする固形粉末化粧料。
  3. 半円球状の樹脂粒子と、半円球状の樹脂粒子が複数個、樹脂皮膜を介して結合してなる結合樹脂粒子と、大気圧下、25℃の条件での粘度が200〜5000mPa・sである油剤とからなり、皮膚に付着させ皮膚に沿って擦ると、上記樹脂粒子及び上記結合樹脂粒子が崩壊して生成した樹脂粒子がその球面部を外方に向けて配向することを特徴とする固形粉末化粧料。
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