JP2002327004A - 樹脂粒子凝集体、その製造方法および用途 - Google Patents

樹脂粒子凝集体、その製造方法および用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の適用分野で求められている高機能性
や、様々な使用目的に適した新規な形状を有する樹脂粒
子を得ることを課題とする。 【解決手段】 二つの曲面、または一つの曲面と一つの
平面とで形成され、両面の間に境界線を有する樹脂粒子
が複数個凝集してなり、1〜500μmの最大径を有す
ることを特徴とする樹脂粒子凝集体により、上記の課題
を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀塩フィルム用表
面改質剤・磁気テープ用フィルム改質剤・感熱紙走行安
定剤等の電子工業分野、接着剤分野、医療分野、低収縮
化剤・紙・歯科材料・樹脂改質剤等の一般工業分野での
使用に適した、新規な構造および形状を有する樹脂粒子
凝集体、その製造方法および用途に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの力学的性質を向上させた
り、現像剤の荷電性を変化させたりしないで、そのクリ
ーニング特性を向上させたり、塗料の艶消し性、隠蔽性
を向上させたり、化粧品の滑り性を向上させたりするな
ど、多様な目的で様々な樹脂粒子が使用されている。こ
のような樹脂粒子は、粉砕法や乳化重合法、懸濁重合
法、シード重合法、分散重合法等によって製造されるた
め、通常、不定形または球状の樹脂粒子しか得られず、
さらなる機能化が求められる用途には不向きであった。
【0003】例えば、特開平2−14222号では、乳
化重合法による窪みを有する偏平状樹脂粒子が開示され
ている。しかしながら、この樹脂粒子は乳化重合法によ
り製造されるため、1μm以上の大きさの偏平粒子を得
ることは困難である。また、特開平3−234734号
では懸濁重合法による中空非球状樹脂粒子が開示されて
おり、特開平5−317688号では懸濁重合法による
椀状樹脂粒子およびその製造方法が開示されている。
【0004】これら方法で得られる樹脂粒子では、球状
粒子に比べて形状にそれほど顕著な特徴がみられないこ
と、特定の樹脂組成のものしか得られないことなどか
ら、求められる様々な機能を果たすには十分でなかっ
た。一方、特開昭63−117040号および特開平7
−157672号では、板状粒子、円板状粒子およびそ
れらの製造法が開示されている。これらの樹脂粒子は、
新規な形状ではあるものの、板状であるために、例えば
タルク、マイカ等の従来の板状無機化合物と比べて、顕
著な特徴が見られない。また、特殊な製造方法で製造さ
れるため、工業的規模で生産し、使用することは困難で
あった。したがって、各適用分野で求められている高機
能性や、様々な使用目的に適した新規な形状を有する樹
脂粒子の開発が望まれていた。
【0005】一方、従来から、各種の液晶表示装置には
液晶の裏面より光を照射するバックライトが使用されて
おり、特に薄型化や小型化が要望されているノート型パ
ソコン等ではサイドライト型の面光源装置を用い、光拡
散フィルム等によって均一に光を拡散して伝播させる方
式が採用されている。該光拡散フィルムは、一般的には
透明フィルムを基材とし、この表面に無機または有機の
粒子をバインダーと混合して塗布することにより製造さ
れている。また、光拡散パネルは、ガラスやプラスチッ
クなどの透明パネルの表面に前記と同様な手法で該粒子
を塗布する方法や、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂と
該粒子とを混合して成形する方法により製造されてい
る。
【0006】ところが、従来の光拡散フィルムやパネル
では、光の出射面に対する角度の違いによる輝度分布に
難点があり、光を均一に拡散伝播させると共に、光の透
過率をも高めるための改良が望まれている。しかしなが
ら、現在のところ、充分な輝度分布と光透過率は達成さ
れていない。
【0007】また、これらの改良検討は、真球状の有機
粒子を用いてバインダーと混合して塗布する際の、粒子
とバインダーの比率(特開平5−35124号、特開平
8−16732号)、塗布面の形状(特開平8−1188
30号、8−121878号)、塗布面での粒子の埋設
状態(特開平9−229202号)など塗布方法に関する
ものが殆どであり、粒子自体を改良する方法は採られて
いない。
【0008】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たものであり、高い透過率と充分な光拡散性を光拡散フ
ィルムに付与することのできる光拡散剤、該光拡散剤を
含む樹脂組成物および該樹脂組成物を塗布してなる塗布
物を提供することを目的とする。
【0009】また、マット化剤として広く用いられてい
る無機材料は真比重が有機材料に比べて大きいため、マ
ット化剤としての性能を単位重量当たりで比較すると、
有機材料の方が優れている。また、無機材料は塗料やフ
ィルムなど基材との親和性も低いという欠点を有してい
る。一方、有機材料の微粒子集合体は、真比重が無機材
料に比べて小さく、塗料やフィルムなどの基材との親和
性も高いという利点を有しているものの、空隙率が高く
嵩比重の小さい集合体を作ることが困難であった。ま
た、有機材料の微粒子集合体は無機材料に比べて耐熱
性、耐溶剤性や強度が劣るという問題もあった。これら
の問題点を解決できる方法として、架橋重合体微粒子を
集合体とする方法が考えられるが、これまで有効な方法
は見出されていなかった。
【0010】例えば、特開平2−70741号に記載さ
れているように、不飽和カルボン酸を含む重合体を中和
膨潤させて種粒子として用い、それと異なる組成の重合
体を第2段階として乳化重合することにより集合体を得
る方法などが知られている。ところが、真比重が小さく
基材との親和性も高いという有機材料の特長を生かし
た、満足できる有機微粒子集合体からなるマット化剤
は、従来知られていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
期待に応えるべくなされたものであり、高機能性や様々
な使用目的に適した新規な形状を有する樹脂粒子、なら
びにその製造方法および用途を提供することを課題とす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のよ
うな課題を解決すべく鋭意研究した結果、重合性単官能
ビニルモノマー100重量部および重合性多官能ビニル
モノマー3〜100重量部に、これら両ビニルモノマー
と共重合性を有さず、25℃における粘度が500〜1
00000cStである疎水性の液状化合物を、両ビニ
ルモノマーの合計100重量部に対して8〜50重量部
混合溶解し、水系懸濁重合した後、重合生成物から疎水
性の液状化合物を除去することによって、新規な構造お
よび形状を有する樹脂粒子凝集体が得られることを見出
し、本発明を完成させた。
【0013】かくして、本発明によれば、二つの曲面、
または一つの曲面と一つの平面とで形成され、両者の間
に境界線を有する樹脂粒子(以下、「一次粒子」とい
う)が複数個凝集してなり、1〜500μmの最大径を
有する樹脂粒子凝集体が提供される。
【0014】また、本発明によれば、重合性単官能ビニ
ルモノマー100重量部および重合性多官能ビニルモノ
マー3〜100重量部に、これら両ビニルモノマーと共
重合性を有さず、25℃における粘度が500〜100
000cStである疎水性の液状化合物を、両ビニルモ
ノマーの合計100重量部に対して8〜50重量部混合
溶解し、水系懸濁重合した後、重合生成物から疎水性の
液状化合物を除去することを特徴とする、樹脂粒子凝集
体の製造方法が提供される。また、本発明によれば、上
記の樹脂粒子凝集体を含む光拡散剤およびマット化剤と
しての用途が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂粒子凝集体は、二つ
の曲面、または一つの曲面と一つの平面とで形成され、
両者の間に境界線を有する一次粒子が複数個凝集してな
る樹脂粒子の凝集体である。樹脂粒子凝集体を構成する
個々の一次粒子は、境界線を挟んで少なくとも一方の面
が曲面であるから、通常の円板状粒子や偏平状粒子、板
状粒子には見られない特性、例えば光散乱性、集光性等
の光学特性や滑り性のような摩擦特性を有している。ま
た、境界線を挟んだ他方の面が平面あるいは曲率半径が
より大きい曲面であるから、通常の球状粒子にはない特
性、例えば球状粒子より優れた付着性あるいは固着性を
も有している。
【0016】さらに、比表面積が大きいため、表面反応
性や機能性物質等の担持能力が増大している。その上、
真球状でないため、従来の球状粒子、中空粒子および多
孔質粒子ならびに球状粒子の集合体では期待できなかっ
た独特の光学特性を有するばかりでなく、表面改質等に
よる化学特性の向上や流動性等の物理特性の向上も期待
できる。したがって、本発明の樹脂粒子凝集体は、優れ
た光散乱性、集光性等の光学特性、および滑り性等の摩
擦特性、付着性あるいは固着性を併せ有する。樹脂粒子
凝集体を形成する一次粒子は、該一次粒子を形成する二
つの面の間を横方向とすると、この境界線を上方から見
た平面図は円形または略円形となる。そして、この境界
線を挟んで両側に位置する二つの面の形状によって、一
次粒子の形状は次の三つのタイプに大別される。
【0017】すなわち、境界線を横方向として、一次粒
子を側面から見たとき、一つの凸状の曲面が境界線を挟
んで上方に現れ、もう一つの凸状の曲面が境界線を挟ん
で、下方に現れるタイプ(以下、「タイプA」という:
図1参照)、一つの平面が境界線と一致し、一つの凸状
の曲面が境界線の上方または下方に現れるタイプ(以
下、「タイプB」という:図2参照)、および一つの凸
状の曲面と一つの凹状の曲面が、ともに境界線を挟んで
同一方向、例えば、下方に現れるタイプ(以下、「タイ
プC」という:図3参照)の三つに大別される。これら
の一次粒子は、境界線を横方向としたときの側面図にお
ける横方向の粒子径が通常1〜100μmである。
【0018】本発明でいう一次粒子を構成する樹脂とし
ては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルム
アルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、ユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂やポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系プ
ラスチック、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテ
ル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボネー
ト、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ジエン系プラ
スチック、ポリウレタン系プラスチック、芳香族ポリア
ミド、ポリフェニレン、ポリキシリレン、ポリフェニレ
ンオキシド、ポリスルホン、シリコン樹脂等の熱可塑性
樹脂、天然ゴム系プラスチック、セルロース系プラスチ
ック、タンパク質系プラスチック等の天然系樹脂等が挙
げられる。これらの中でも、アクリル系樹脂、メタクリ
ル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂あるいはそれ
らの共重合体が好ましい。
【0019】本発明の樹脂粒子凝集体は、上記のような
一次粒子が複数個疑集したものであり、例えば、略球
状、扁平状、略立方体状または略三角錐状の形状を有
し、1〜500μmの最大径を有するものである。な
お、ここでいう「略球状」、「略立方体状」および「略
三角錐状」とは、それぞれ球状、立方体状および三角錐
状のものならびにそれらに近似の形状を意味する。ま
た、「最大径」とは、樹脂粒子凝集体の投影図または顕
微鏡写真像における径の最大長さをいい、例えば、略球
状または偏平状であるときはその長径を、略立方体状ま
たは略三角錐状であるときはその最大長さを意味する。
樹脂粒子凝集体の形状が、略球状であれば、球状粒子の
もつ優れた滑り性を有しつつ、各方向に対して独特の光
学特性を有するものとなり、略立方体状であれば、立方
体状粒子のもつ付着性を有しつつ、規則的な方向に対し
て独特の光学持性を有するものとなり、偏平状であれ
ば、偏平状粒子のもつ優れた付着性を有しつつ、特定の
方向に独特の光学特性を有するものとなる。
【0020】すなわち、本発明の樹脂粒子凝集体は、一
次粒子のもつ特性とそれらの一次粒子の凝集体がもつ特
性とを併せて有する。本発明の樹脂粒子凝集体の製造方
法は、重合性単官能ビニルモノマー100重量部および
重合性多官能ビニルモノマー3〜100重量部に、これ
ら両ビニルモノマーと共重合性を有さず、25℃におけ
る粘度が500〜100000cStである疎水性の液
状化合物を、両ビニルモノマーの合計100重量部に対
して8〜50重両部混合溶解し、水系懸濁重合した後、
重合生成物から疎水性の液状化合物を除去することによ
り行われる。本発明の方法によれば、広範な樹脂種につ
いて、新規な形状を有する一次粒子の凝集体を安価で容
易に製造することができる。
【0021】以下、本発明の製造方法について詳細に説
明する。本発明で用いられる懸濁重合可能な重合性単官
能ビニルモノマーは、後記の疎水性の液状化合物を均一
に溶解し、重合中に液状化合物と反応性、例えば、重合
反応性あるいは架橋反応性を有さないものであれば、何
ら制限されない。そのような重合性単官能ビニルモノマ
ーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘ
キシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−
ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ド
デシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニル
スチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチ
レン等のスチレンおよびそれらの誘導体、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン,イソブチレンなどのエチレン不飽
和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン,臭
化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビ
ニルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロロエチ
ル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸
ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエ
チル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル等のアクリル酸もしくはメ
タクリル酸誘導体が挙げられ、場合によってはアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸等も使用で
きる。また、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル
類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチ
ルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビ
ニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイ
ンドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合
物、ビニルナフタレン塩等も重合性単官能ビニルモノマ
ーとして挙げられる。
【0022】これらの中でも、スチレンおよびその誘導
体、(メタ)アクリル酸エステルおよびその誘導体、ビニ
ルエステル類が特に好ましい。これらの重合性単官能ビ
ニルモノマーは、それぞれ単独で、または2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0023】本発明の方法で用いられる重合性多官能ビ
ニルモノマーとしては、1分子中に重合性ビニル基を2
つ以上有する架橋性モノマーであれば特に限定されない
が、モノマー中にアリル基を有しないもの、および脂肪
族ジビニル化合物に属さないものが望ましい。そのよう
な重合性多官能ビニルモノマーとしては、例えば、ジビ
ニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびそれらの誘導
体のような芳香族ジビニル化合物、エチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリエチレングリコールトリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート等の多価アルコー
ルの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。重合
性多官能ビニルモノマーの使用割合は、重合性単官能ビ
ニルモノマー100重量部に対して3〜100重量部で
あり、好ましくは5〜50重量部である。
【0024】本発明の製造方法で用いられる疎水性の液
状化合物は、25℃における粘度が500〜10000
0cSt、好ましくは1000〜50000cStであ
って、重合性単官能ビニルモノマーおよび重合性多官能
ビニルモノマーと共重合性を有しない、あるいは両ビニ
ルモノマー中に存在する官能基と懸濁重合中に架橋反応
せず、かつ媒体である水と反応したり、水によって変質
したりしないものが好ましい。そのような疎水性の液状
化合物としては、オルガノポリシロキサン類が挙げられ
る。
【0025】オルガノポリシロキサンとしては、例え
ば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン、各種変性ポリシロキサン等のポリ
シロキサン類が挙げられ、これらの中でも、ジメチルポ
リシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェ
ニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキ
サンがより好ましい。疎水性の液状化合物の使用割合
は、両ビニルモノマーの合計量100重量部に対して8
〜50重量部であり、好ましくは10〜40重量部であ
る。
【0026】本発明の方法では、目的とする樹脂粒子凝
集体が得られやすいという点から、重合開始剤を用いる
のが好ましい。重合開始剤としては、通常懸濁重合に用
いられる油溶性の過酸化物系あるいはアゾ系開始剤を使
用でき、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイ
ル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイ
ル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘ
キサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキ
サイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド等の過酸化物系開始剤、2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチル
ブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメ
チルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプ
ロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘ
キサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−
(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−ア
ゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル-2,2’−
アゾビスイソブチレート等が挙げられる。これらの中で
も、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が、目的とす
る樹脂粒子凝集体が得られやすいという点で好ましい。
【0027】これらの重合開始剤の使用割合は、両ビニ
ルモノマーの合計量100重量部に対して、0.01〜
10重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%で
ある。本発明の方法では、水系懸濁重合の際に、懸濁粒
子の安定化を図るために、両ビニルモノマーの合計量1
00重量部に対して、通常、100〜1000重量部程
度の水を分散媒体として用いるとともに、水相に分散安
定剤を添加することが好ましい。
【0028】分散安定剤としては、リン酸カルシウム、
リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛
等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグ
ネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等
のピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、コロイダルシリカ等の難水溶性無機化合物等
が挙げられる。これらの中でも、目的とする樹脂粒子凝
集体が安定して得られるという点で、第三リン酸カルシ
ウムや複分解生成法によるピロリン酸マグネシウム、ピ
ロリン酸カルシウムおよびコロイダルシリカが特に好ま
しい。
【0029】また、本発明の方法では、上記の分散安定
剤に加えて、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活
性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤
等の界面活性剤を併用することもできる。
【0030】アニオン性界面活性剤としては、オレイン
酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫
酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル
硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキル
スルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0031】ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキ
シプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0032】カチオン性界面活性剤としては、ラウリル
アミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のア
ルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド等の第四級アンモニウニム塩等が挙げられる。ま
た、両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチル
アミンオキサイド等が挙げられる。
【0033】これらの分散安定剤や界面活性剤は、得ら
れる一次粒子の粒子径および樹脂粒子凝集体の大きさ、
ならびに重合時の分散安定性などを考慮して、それらの
種類や組み合わせ、使用量などが適宜選択される。一例
を挙げれば、両重合性ビニルモノマーに対する分散剤の
添加量は0.5〜15重量%程度であり、界面活性剤の
添加量は水に対して0.001〜0.1重量%程度であ
る。
【0034】本発明の製造方法では、上記のような分散
媒体に、まず両ビニルモノマーを加えて分散させる。両
ビニルモノマーの分散は、プロペラ翼等の撹拌力による
方法や、ローターとステー夕ーから構成されたホモミキ
サーの高剪断力による方法、超音波分散機等を用る方法
などによって行うことができる。
【0035】樹脂粒子凝集体の最大径は、両ビニルモノ
マーと水との混合条件や、分散安定剤等の添加量および
撹拌条件、分散条件などにより調整可能である。本発明
の方法によれば、最大径1〜500μm程度の樹脂粒子
凝集体が得られ、この最大径は用途に応じて適宜調整さ
れる。
【0036】なお、樹脂粒子凝集体の最大径を揃えるに
は、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー等の液滴同
士の衝突や、器壁への衝突力を利用した高圧型分散機を
用いる方法、MPG(マイクロポーラスガラス)多孔膜を
通して、両ビニルモノマーを分散媒中に圧入する方法等
を用いればよい。
【0037】本発明の方法では、上記のようにして、両
ビニルモノマーが球状の液滴として分散された分散媒体
を加熱することにより重合反応が行われる。重合反応の
温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜80℃
である。重合反応の時間は、一般的に0.1〜10時間
程度である。重合反応中は、モノマー滴の浮上や、重合
後の樹脂粒子凝集体の沈降が防止される程度に緩く撹拌
を行うのが好ましい。
【0038】重合反応終了後、所望により、分散安定剤
を塩酸等により溶解し、樹脂粒子凝集体を吸引ろ過、遠
心分離、遠心ろ過等の操作により分散媒から分離するこ
とができる。得られた樹脂粒子凝集体の含水ケーキを水
洗し、乾燥した後、疎水性の液状化合物を除去すること
により、目的とする樹脂粒子凝集体を得ることができ
る。疎水性の液状化合物の除去は、例えば、液状化合物
は溶解するが、樹脂粒子自体は溶解しない溶剤で、重合
生成物を洗浄することにより行われる。
【0039】このような溶剤としては、用いられた疎水
性の液状化合物の種類や、凝集体を構成する一次粒子の
種類にもよるが、通常、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、イソブタノール等のアルコール類、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン
等の低級炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエー
テル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン類等が挙げられる。これらの
溶剤による洗浄は、繰り返し行ってもよい。
【0040】個々の一次粒子および樹脂粒子凝集体の形
状は、重合性単官能ビニルモノマー、重合性多官能ビニ
ルモノマー、疎水性の液状化合物の種類や使用割合、重
合速度および一次粒子の粒子径等により制御することが
可能であるが、一般に、一次粒子に形状は重合性多官能
ビニルモノマーの使用割合によって大きく左右され、樹
脂粒子凝集体の形状は疎水性の液状化合物の使用割合に
よって大きく左右される。
【0041】例えば、重合性単官能ビニルモノマーとし
てのメタクリル酸エステル100重量部に対して、重合
性多官能ビニルモノマーを3〜7重量部使用したときに
はタイプAの一次粒子が実質的に得られやすく、重合性
多官能ビニルモノマーを8〜20重量部使用したときに
はタイプBまたはタイプCの一次粒子が実質的に得られ
やすい。
【0042】また、重合性ビニルモノマー100重量部
に対し、液状化合物を8〜15重量部使用した場合に
は、略球状、略立方体状の樹脂粒子凝集体が得られやす
く、17〜50重量部使用した場合には、扁平状または
略三角錐状の樹脂粒子凝集体が実質的に得られやすい。
【0043】本発明の樹脂粒子凝集体は、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、塗料、接着剤、コーティング用樹脂
などに配合して、光拡散剤、艶消し剤、マット化剤等の
各種フィラーとして使用することができる。なお、本発
明の樹脂粒子凝集体に加えて、従来公知のシリカなどの
フィラーを併用してもよい。
【0044】本発明の樹脂粒子凝集体を光拡散剤として
使用すると、一次粒子1個当たりの光拡散性能が優れて
いると共に、重量が小さいので、従来の光拡散剤に比べ
て、少量の配合で高い効果を得ることができる。その結
果、優れた輝度分布と共に、高い光透過率を達成するこ
とができる。
【0045】本発明の樹脂粒子凝集体を光拡散剤として
用いる場合、その平均粒子径は2〜50μmの範囲であ
り、好ましくは5〜20μmの範囲である。平均粒子径
が2μmより小さいと光拡散性能が充分でなく、50μm
より大きいと光透過率が低くなり、好ましくない。
【0046】本発明の樹脂粒子凝集体の光拡散剤として
使用方法は、特に限定されないが、一般的には、フィル
ムやパネルなどの透明性基材の表面に、光拡散剤をコー
ティングする方法、あるいは光拡散剤をエポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、
ポリカーボネート樹脂などの成形用硬化性樹脂または熱
可塑性樹脂と混合して、種々の用途に応じた形状に成形
する方法が採用される。
【0047】上記の透明性基材として用いられる透明性
フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリスチレンなどを例示することがで
き、特にポリエチレンテレフタレートが安価であり、透
明性も高いので好適に用いられる。また、透明性基材と
して用いられる透明性パネルとしては、ガラス製パネ
ル、ポリエステル樹脂パネル、ポリカーボネート樹脂パ
ネル、ポリメチルメタクリレート樹脂パネルなどが好適
に用いられる。なお、本発明の光拡散剤が用いられる成
形体は、フィルムやパネルなど平面構造のものに限定さ
れず、LEDや蛍光などの発光装置のように立体構造を
有する成形体であってもよい。
【0048】光拡散剤のコーティングに際しては、通
常、樹脂バインダーを溶剤で希釈して光拡散剤と混合す
る。使用される樹脂バインダーとしては、例えば、アク
リル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、シリコーン樹脂などが挙げられ、光学的透明
性を有するものが好適に用いられる。希釈用に用いられ
る溶剤としては、例えば、水、トルエン、キシレン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エステル類、
アルコール類、エーテル類などが挙げられる。これらの
配合比率は、特に限定されないが、例えば、樹脂粒子凝
集体100重量部に対し、樹脂バインダー50〜300
重量部および溶剤50〜500重量部を混合して、光拡
散性コーティング用組成物を得ることができる。該コー
ティング用組成物には、樹脂バインダーの架橋剤、帯電
防止剤、光拡散剤の分散剤などを適宜配合することもで
きる。
【0049】さらに、上記のコーティング用組成物をフ
ィルム等の表面に塗布する方法は特に限定されないが、
コンマダイレクト法、スピンコーティング法、スプレー
コーティング法、ロールコート法、ディッピング法、ナ
イフコート法、カーテンフロー法、ラミネート法など、
従来知られている方法を採用することができる。なお、
コーティング用組成物を透明性フィルム等の表面に塗布
して得られる光拡散層の厚みは、5〜100μmの範囲
であることが好ましい。本発明の光拡散フィルムを、液
晶表示装置のバックライトなどに適用した場合には、高
い輝度と広い視野角を実現することができる。
【0050】また、本発明の樹脂粒子凝集体を成形用硬
化性樹脂または熱可塑性樹脂と混合して各種用途に応じ
た形状に成形する場合、樹脂粒子凝集体の配合割合は、
特に限定されないが、通常、樹脂粒子凝集体100重量
部に対して、成形用樹脂500〜100000重量部が
混合される。
【0051】本発明の樹脂粒子凝集体を艶消し剤、マッ
ト化剤等のフィラーとして塗料に添加して用いる場合、
樹脂粒子凝集体は、塗料組成物全体に対して、0.1〜
15重量%配合して用いられる。本発明の樹脂粒子凝集
体は、凝集体1個当たりの重量が小さいので、従来の艶
消し剤やマット化剤に比べて、より少量の配合で同等の
効果が得られる。
【0052】上記から明らかなように、本発明の樹脂粒
子凝集体を含む樹脂組成物は、光拡散性コーティング用
組成物、塗料組成物および樹脂成形体を含む。
【0053】また、本発明の樹脂粒子凝集体は、化粧
料、外用医薬品等の外用剤に1.0〜50重量%の範囲で
添加することもできる。本発明の樹脂粒子凝集体は特異
な構造を有するため、これが配合された外用剤は、従来
のものに比べて使用感に優れている。
【0054】本発明の樹脂粒子凝集体が配合される化粧
料としては、例えば、石鹸、ボディシャンプー、洗顔ク
リ−ム、スクラブ洗顔料等の洗浄用化粧品、化粧水、ク
リーム、乳液、パック類、おしろい類、ファンデーショ
ン、口紅、リップクリーム、頬紅、眉目化粧品、マニキ
ュア化粧品、洗髪用化粧品、染毛料、整髪料、芳香性化
粧品、歯磨き、浴用剤、制汗剤、日焼け止め製品、サン
タン製品、ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボデ
ィー用外用剤、髭剃り用クリーム、プレシェーブローシ
ョン、ボディローション等のローション等が挙げられ
る。
【0055】また、本発明の樹脂粒子凝集体が配合され
る外用医薬品としては、皮膚に適用するものであれば特
に制限されず、具体的には、クリーム剤、軟膏剤、乳
剤、ローション剤等が挙げられる。配合量が1.0重量%
より少ないと、樹脂粒子凝集体が少なすぎて効果が明確
に認められず、逆に50重量%を超えると、添加量の増
加に見合う顕著な効果の増進が認められないため好まし
くない。
【0056】なお、本発明の樹脂粒子凝集体は、予め油
剤、シリコーン化合物、弗素化合物等の表面処理剤、あ
るいは有機粉体、無機粉体等で処理したものを使用する
こともできる。
【0057】油剤は、通常外用剤に使用されているもの
であればいずれでもよく、例えば、流動パラフィン、ス
クワラン、ワセリン、パラフィンワックス等の炭化水素
油、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オ
キシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成
脂肪酸等の高級脂肪酸、トリオクタン酸グリセリル、ジ
カプリン酸プロピレングリコール、2-エチルヘキサン酸
セチル、ステアリン酸イソセチル等のエステル油、ミツ
ロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリ
ラロウ等のロウ類、アマニ油、綿実油、ヒマシ油、卵黄
油、ヤシ油等の油脂類、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸
亜鉛等の金属石鹸、セチルアルコール、ステアリルアル
コール、オレイルアルコール等の高級アルコール等が挙
げられる。
【0058】粒子を油剤で処理する方法は、特に限定さ
れないが、例えば、粒子に上記のような油剤を添加して
ミキサー等で撹拌することにより油剤でコーティングす
る乾式法や、油剤をエタノール、プロパノール、酢酸エ
チル、ヘキサン等の適当な溶剤に加熱溶解し、それに粒
子を加えて混合撹拌した後、溶媒を減圧除去または加熱
除去することにより、油剤でコーティングする湿式法等
を適用することができる。
【0059】シリコーン化合物は、通常外用剤に使用さ
れているものであればいずれでもよく、例えばジメチル
ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、アクリル-シリコ
ーン系グラフト重合体、有機シリコーン樹脂部分架橋型
オルガノポリシロキサン重合物等が挙げられる。
【0060】本発明の樹脂粒子凝集体をシリコーン化合
物で処理する方法も特に限定されず、上記の乾式法や湿
式法を適用できる。また、必要に応じて焼き付け処理を
行ってもよく、反応性を有するシリコーン化合物の場合
には反応触媒等を適宜添加してもよい。
【0061】弗素化合物は、通常、外用剤に配合されて
いるものであればいずれでもよく、例えば、パーフルオ
ロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラ
ン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ基を有す
る重合体等が挙げられる。
【0062】弗素化合物で処理する方法も特に限定され
ず、前記の乾式法や湿式法を適用できる。また、必要に
応じて焼き付け処理を行ってもよく、反応性を有するフ
ッ素変性のシリコン化合物の場合には反応触媒等を適宜
添加してもよい。
【0063】有機粉体としては、アラビアゴム、トラガ
ントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤ
ガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラ
ック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アル
ギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、結晶性セルロース等の
半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシ
ビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミ
ド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリメタクリル
酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコン粒子、
ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、フッ素系樹脂粒子等
の樹脂粒子が挙げられる。
【0064】無機粉体としては、酸化鉄、群青、コンジ
ョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、
マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タル
ク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケ
イ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、ゼオラ
イト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコ
ウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラ
ミックパウダー等が挙げられる。これら有機粉体や無機
粉体は、油剤、シリコン化合物、フッ素化合物などで予
め表面処理したものを使用してもよく、その表面処理方
法は、前記のような公知の表面処理技術を適用できる。
【0065】また、本発明の効果を損なわない範囲で、
外用剤に一般に用いられている成分を目的に応じて配合
することができる。そのような成分としては、例えば、
水、低級アルコール、油脂およびロウ類、炭化水素類、
高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エス
テル、金属石鹸、保湿剤、界面活性剤、高分子化合物、
色材原料、香料、防腐・殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、特殊配合成分などが挙げられる。
【0066】油脂およびロウ類としては、アボガド油、
アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ脂、
小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、
椿油、パーシック油、ひまし油、ブドウ油、マカダミア
ナッツ油、ミンク油、卵黄油、モクロウ、ヤシ油、ロー
ズヒップ油、硬化油、シリコン油、オレンジラフィー
油、カルナバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ホホバ
油、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられ
る。
【0067】炭化水素類としては、流動パラフィン、ワ
セリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリン
ワックス、スクワラン等が挙げられる。
【0068】高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリス
チル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベ
ヘニン酸、ウンデシレン酸、オキシステアリン酸、リノ
ール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸などが挙げられ
る。
【0069】高級アルコールとしては、ラウリルアルコ
ール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、
ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニル
アルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンア
ルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、
イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシル
テトラデカノール等が挙げられる。
【0070】ステロールとしてはコレステロール、ジヒ
ドロコレステロール、フィトコレステロール等が挙げら
れる。
【0071】脂肪酸エステルとしては、リノール酸エチ
ル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプ
ロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチ
ル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシ
ル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、
ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソオクタン酸セ
チル、パルミチン酸デシル、トリミリスチン酸グリセリ
ン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジオレイ
ン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリ
セリン、トリイソオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、
乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステ
アリン酸コレステリル、12-ヒドロキシステアリン酸コ
レステリル等の環状アルコール脂肪酸エステル等が挙げ
られる。
【0072】金属石鹸としては、ラウリン酸亜鉛、ミリ
スチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン
酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
【0073】保湿剤としては、グリセリン、プロピレン
グリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリ工チレン
グリコール、d,l−ピロリドンカルボン酸ナトリウ
ム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸ナト
リウム、ポリグリセリン、キシリット、マルチトール等
が挙げられる。
【0074】界面活性剤としては、高級脂肪酸石鹸、高
級アルコール硫酸エステル、N−アシルグルタミン酸
塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アミ
ン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性
剤、ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型、レシチ
ン等の両性界面活性剤、脂肪酸モノグリセリド、プロピ
レングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、酸化エチレン縮合物等の非イオン性界面活性剤が
挙げられる。
【0075】高分子化合物としては、アラビアコム、ト
ラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カ
ラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、
セラック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチ
ルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、
アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶性セルロース
等の半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリ
ピニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボ
キシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリ
アミド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリメタク
リル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコン粒
子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、シリカ粒子等の
樹脂粒子等の合成高分子化合物が挙げられる。
【0076】色材原料としては、酸化鉄、群青、コンジ
ョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、
マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タル
ク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケ
イ酸カルシウム、ケイ酸マクネシウム、シリカ、ゼオラ
イト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコ
ウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラ
ミックパウダー等の無機顔料、アゾ系、ニトロ系、ニト
ロソ系、キサンテン系、キノリン系、アントラキノリン
系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、フタロシアニ
ン系、ピレン系等のタール色素が挙げられる。
【0077】また、これら高分子化合物や色材原料など
の粉体原料は、予め表面処理をしたものも使用すること
ができる。表面処理方法としては、従来公知の表面処理
技術が利用でき、例えば、炭化水素油、エステル油、ラ
ノリン等による油剤処理、ジメチルポリシロキサン、メ
チルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサン等によるシリコーン処理、パーフルオロア
ルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、
パーフルオロポリエーテルおよびパーフルオロアルキル
基を有する重合体等による弗素化合物処理、3−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン等によるシランカップリ
ング剤処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェー
ト)チタネート等によるチタンカップリング剤処理、金
属石鹸処理、アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処
理、水添卵黄レシチン等によるレシチン処理、コーラー
ゲン処理、ポリエチレン処理、保湿性処理、無機化合物
処理、メカノケミカル処理等の処理方法が挙げられる。
【0078】防腐・殺菌剤としては、メチルパラペン、
エチルパラペン、プロピルパラペン、ベンザルコニウ
ム、ベンゼトニウム等が挙げられる。酸化防止剤として
は、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシア
ニソール、没食子酸プロピル、トコフェロール等が挙げ
られる。
【0079】紫外線吸収剤としては、微粒子酸化チタ
ン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化
鉄、微粒子酸化ジルコニウム等の無機系吸収剤、安息香
酸系、パラアミノ安息香酸系、アントラニル酸系、サル
チル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系、ジベンゾイル
メタン系等の有機系吸収剤が挙げられる。
【0080】特殊配合成分としては、エストラジオー
ル、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾ
ン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等のホルモン類、
ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE等の
ビタミン類、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロル
ヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜
鉛、硫酸亜鉛等の皮膚収斂剤、カンタリスチンキ、トウ
ガラシチンキ、ショウキョウチンキ、センブリエキス、
ニンニクエキス、ヒノキチオール、塩化カルプロニウ
ム、ペンタデカン酸グリセリド、ビタミンE、エストロ
ゲン、感光素等の発毛促進剤、リン酸−L−アスコルビ
ン酸マグネシウム、コウジ酸等の美白剤等を必要に応じ
て適宜配合してもよい。
【0081】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0082】実施例1 水200 gに対し、分散安定剤として複分解法でピロリン
酸マグネシウム5gを生成させた分散媒を500 mlセパラブ
ルフラスコに加え、界面活性剤としてラウリル硫酸ナト
リウム0.04 g、亜硝酸ナトリウム0.02 gを溶解させた。
これとは別に、メチルメタクリレート85.5 g、エチレン
グリコールジメタクリレート4.5 g、液状化合物として
ジメチルポリシロキサン(粘度1000 cSt、25℃)10 g、
重合開始剤として2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニ
トリル) 0.5 gを均一に混合溶解してなるモノマー組成
物を上記分散媒体に加えた。この混合物をホモミキサー
(IKA社製ULTRA TURRAX T-25)にて8000 rpmで約10秒間微
分散した。フラスコに撹拌翼、温度計および還流冷却器を
取り付け、 50℃の水浴中に設置した後、撹拌速度200 rpm
で10時間加熱を継続し、重合反応を行った。
【0083】重合反応が終了したことを確認した後、反
応液を冷却し、スラリーのpHが2程度になるまで塩酸を添
加して分散剤を分解した。ろ紙を用いたブフナー漏斗で
一次粒子を吸引ろ過し、 1.2 Lのイオン交換水で洗浄し
分散剤を除去した。 吸引ろ過後の脱水ケーキを乾燥した後、シクロヘキサン
に分散させ、吸引ろ過する事を数回繰り返して、目的の
樹脂粒子凝集体を得た。樹脂粒子凝集体の粒子径と形状
を電子顕微鏡写真にて観察した。得られた樹脂粒子凝集
体は、粒子径1〜10μmの凸面と凸面からなる一次粒子が
複数個凝集したものであり、長径8〜50μmの略球形の樹
脂粒子凝集体であった。この樹脂粒子凝集体の電子顕微
鏡写真を図4に示す。
【0084】実施例2 メチルメタクリレートの量を81 gに、エチレングリコー
ルジメタクリレートの量を9 gに変更した以外は、実施
例1と同様にして樹脂粒子凝集体を得た。 得られた樹脂粒子凝集体は、粒子径が3〜10μmの平面と
凸面からなる一次粒子が複数個凝集したものであり、最
大長さ6〜30μmの略立方体状の樹脂粒子凝集体であっ
た。この樹脂粒子凝集体の電子顕微鏡写真を図5に示
す。
【0085】実施例3 メチルメタクリレートをスチレン76 gに、エチレングリ
コールジメタクリレートをジビニルベンゼン4 gに、 2,
2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を1gに、ジメ
チルポリシロキサン(粘度1000 cSt、 25℃)を20 gに代え
た以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子凝集体を得
た。 得られた樹脂粒子凝集体は、粒子径3〜30μmの凸面と凸
面からなる一次粒子が複数個凝集したものであり、長径6
〜50μmの偏平状の樹脂粒子凝集体であった。この樹脂粒
子凝集体の電子顕微鏡写真を図6に示す。
【0086】実施例4 メチルメタクリレートの量を72 gに、エチレングリコー
ルジメタクリレートの量を8 gに、ジメチルポリシロキサ
ン(粘度1000 cSt、 25℃)の量を20 gに代えた以外は、実
施例1と同様にして樹脂粒子凝集体を得た。 得られた樹脂粒子凝集体は、粒子径3〜6μmの凹面と凸
面からなる一次粒子が複数個凝集してなる大きさが6〜3
0μmの略三角錐状の樹脂粒子凝集体であった。この樹脂
粒子凝集体の電子顕微鏡写真を図7に示す。
【0087】実施例5 メチルメタクリレートの量を85.5 gに、エチレングリコ
ールジメタクリレートをジビニルベンゼン4.5 gに、ジメ
チルポリシロキサン(粘度1000 cSt、 25℃)の量を10 gに
代えた以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子凝集体を
得た。 得られた樹脂粒子凝集体は、粒子径が3〜6μmの凸面と
凸面からなる一次粒子が複数個凝集したものであり、径
が6〜30μmの球状の樹脂粒子凝集体であった。
【0088】比較例1 疎水性の液状化合物をジメチルポリシロキサン(25℃で
の粘度:100 cSt)に代えた以外は、実施例1と同様にし
て重合を行った。樹脂粒子は得られたが、樹脂粒子の凝
集体は得られなかった。また、得られた樹脂粒子は大きさ
が5〜90μmの球状であった。
【0089】比較例2 メチルメタクリレートの量を95.5 gに、エチレングリコ
ールジメタクリレートの量を4.4 gに、ジメチルポリシロ
キサンの量を0.1 gに変更した以外は、実施例1と同様に
重合を行った。樹脂粒子は得られたが、樹脂粒子の凝集
体は得られなかった。得られた樹脂粒子は粒子径が8〜5
0μmの球状であった。
【0090】実施例6 バインダーとしてポリエステル樹脂分散液100 g (東洋
紡製:パイロナ-ルMD 12000、樹脂固形分34重量%、水
分散型ポリエステル樹脂)を用い、これに実施例1で得ら
れた樹脂粒子凝集体10 gを混合してコ-ティング用組成
物を得た。 基材フィルムとして、厚み100μmのポリエステルフィル
ム(東レ(株)製:ルミラー# 100T56)を用い、該フィル
ムの片面に上記のコーティング用組成物をウエット厚10
0μmのアプリケ一夕ーにて塗布し、80℃で1時間熱風乾
燥し、光拡散層を形成してフィルム(A)を得た。
【0091】比較例3 実施例1で得られた樹脂粒子凝集体の代わりに、市販の
真球状アクリル系微粒子(積水化成品工業(株)製「テ
クポリマーMBX-8」)を30 g用いた以外は、実施例6と同
様の操作を繰り返して、フィルム(B)を得た。
【0092】試験例1(光学特性の評価) 実施例6で得られたフィルム(A)と比較例3で得られたフ
ィルム(B)の光透過率および光拡散性能を以下の手順に
より測定した。ヘイズメーターを用い、全光線透過率を
測定した結果、フィルム(A)が89%であるのに対し、フ
ィルム(B)は90%であり、ほぼ同等であった。また、ゴ
ニオフォトメーターを用い、光拡散層に対して垂直方向
からビーム径6 mmの平行光を入射し、受光角を変えなが
ら出射光の透過光度を測定した。透過率が鉛直方向の半
分になる角度は、フィルム(A)が12度であったのに対し
て、フィルム(B)は5度であり、本発明の樹脂粒子凝集
体からなる光拡散剤は、大きな光拡散性を示した。
【0093】実施例7 実施例1で得られた樹脂粒子凝集体10 gをマット化剤と
して、市販の黒色塗料100 gに添加し、よく撹拌して分
散させ、塗料組成物を得た。この塗料組成物をウエット
厚75μmのアプリケ一夕一にて、ABS樹脂製プレートに塗
布し、80℃で1時間乾燥し、つや消し塗膜(C)を得た。
【0094】比較例4 実施例1で得られた樹脂粒子凝集体の代わりに、市販の
真球状アクリル系微粒子(積水化成品工業(株)製「テ
クポリマーMBX-8」)を用いた以外は、実施例7と同様の
操作を繰り返してつや消し塗膜(D)を得た。 試験例2(つや消し性能の評価) 実施例7で得られた塗膜(C)と比較例4で得られた塗膜
(D)のつや消し性能を以下の手順により測定した。ゴニ
オフォトメーターを用い、つや消し塗膜に対して45°の
角度からビーム径6 mmの平行光を入射し、受光角を変え
ながら反射光の強度を測定した。正反射方向の反射光の
強度が半分になる角度は、塗膜(C)が29°であったの
に対し、塗膜(D)は15°であり、本発明の樹脂粒子凝集
体からなるマット化剤は優れたつや消し性を示した。
【0095】実施例8(外用剤の製造) ボディローションの作成 樹脂粒子凝集体(実施例1) 3 重量部 エタノール 50 重量部 グリチルリチン酸 0.1 重量部 香料 0.5 重量部 精製水 46.4 重量部 樹脂粒子凝集体、エタノール、グリチルリチン酸、香
料、精製水をミキサーにて十分混合し、ボディーローシ
ョンを得た。
【0096】比較例5 実施例8で用いた樹脂粒子凝集体の代わりに市販のタル
クを用いた以外は、実施例8と同様にして、ボディロー
ションを得た。 試験例3(外用剤の評価) このようにして製造した化粧料について、パネラー5名
による官能試験を行った。この試験では評価項目とし
て、塗布時の伸び、均一塗布性、粒子の脱落性、滑らか
さを選び、各々の項目について、次のような基準で官能
評価を行った。 ○……良いと答えたパネラーが4人以上 △……良いと答えたパネラーが2〜3人 ×……良いと答えたパネラーが1人以下 この官能試験の結果を表1に示す。
【0097】
【表1】 上記の表から明らかなように、本発明の外用剤は使用感
に優れている。
【0098】
【発明の効果】本発明の樹脂粒子凝集体は、優れた光散
乱性、集光性等の光学特性、および滑り性等の摩擦特
性、付着性あるいは固着性を併せ有しており、銀塩フィ
ルム用表面改質剤・磁気テープ用フィルム改質剤・感熱
紙走行安定剤等の電子工業分野、レオロジーコントロー
ル剤・接着剤分野、抗原抗体反応検査用一次粒子等の医
療分野、滑り剤・体質顔料等の化粧品分野、低収縮化剤
・紙・歯科材料・樹脂改質剤等の一般工業分野の用途に
好適に使用される。本発明の樹脂粒子凝集体は、特に、
光拡散剤およぴマット化剤として、また化粧料等の外用
剤の触感改良剤として優れた特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂粒子凝集体を形成する一次粒子の
うち、タイプAに分類されるものの側面図である。
【図2】本発明の樹脂粒子凝集体を形成する一次粒子の
うち、タイプBに分類されるものの側面図である。
【図3】本発明の樹脂粒子凝集体を形成する一次粒子の
うち、タイプCに分類されるものの側面図である。
【図4】実施例1で得られた樹脂粒子凝集体の電子顕微
鏡写真である。
【図5】実施例2で得られた樹脂粒子凝集体の電子顕微
鏡写真である。
【図6】実施例3で得られた樹脂粒子凝集体の電子顕微
鏡写真である。
【図7】実施例4で得られた樹脂粒子凝集体の電子顕微
鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C08L 101/00 C08L 57:00 57:00) (72)発明者 日下 明芳 滋賀県甲賀郡水口町山3374−3 Fターム(参考) 4C076 AA06 AA17 AA22 BB31 EE02 EE03 EE09 EE11 FF02 4C083 AD021 AD071 AD091 BB26 CC01 4J002 BB042 BB142 BB172 BB182 BC002 BC012 BC042 BC112 BC122 BD032 BD102 BD112 BD132 BF012 BF022 BG001 BG012 BG041 BG042 BG052 BG062 BG072 BG082 BG092 BG102 BG132 BH022 BQ002 CF001 CK001 CP001 FD202 GB00 GH00 GJ01 GK00 GS01 4J011 AA08 JA06 JB14 JB26 PA99

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの曲面、または一つの曲面と一つの
    平面とで形成され、両者の間に境界線を有する一次粒子
    が複数個凝集してなる、最大径が1〜500μmの樹脂
    粒子凝集体。
  2. 【請求項2】 一次粒子が二つの曲面で形成され、それ
    らの曲面が凸面と凹面である請求項1に記載の樹脂粒子
    凝集体。
  3. 【請求項3】 一次粒子が一つの凸面と一つの平面から
    形成される請求頃1に記載の樹脂粒子凝集体。
  4. 【請求項4】 一次粒子が二つの曲面で形成され、それ
    らの曲面が共に凸面である請求項1に記載の樹脂粒子凝
    集体。
  5. 【請求項5】 形状が略球状である請求項1〜4のいず
    れかに記載の樹脂粒子凝集体。
  6. 【請求項6】 形状が偏平状である請求項1〜4のいず
    れかに記載の樹脂粒子凝集体。
  7. 【請求項7】 形状が略立方体状である請求項1〜4の
    いずれかに記載の樹脂粒子凝集体。
  8. 【請求項8】 形状が略三角錐状である請求項1〜4の
    いずれかに記載の樹脂粒子凝集体。
  9. 【請求項9】 重合性単官能ビニルモノマー100重量
    部と、重合性多官能ビニルモノマー3〜100重量部
    に、これら両ビニルモノマーとは共重合性を有さず、2
    5℃における粘度が500〜100000cStである
    疎水性の液状化合物を、両ビニルモノマーの合計100
    重量部に対して8〜50重量部混合溶解し、水系懸濁重
    合した後、重合生成物から疎水性の液状化合物を除去す
    ることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の
    樹脂粒子凝集体の製造方法。
  10. 【請求項10】 疎水性の液状化合物がオルガノポリシ
    ロキサンである請求項9に記載の樹脂粒子凝集体の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 オルガノポリシロキサンがジメチルポ
    リシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンお
    よびメチルフェニルポリシロキサンから選択される請求
    頃10に記載の樹脂粒子凝集体の製造方法。
  12. 【請求項12】 疎水性の液状化合物の除去が、疎水性
    の液状化合物は溶解するが、樹脂粒子は溶解しない溶剤
    で重合生成物を処理することにより行なわれる、請求項
    9〜11のいずれかに記載の樹脂粒子凝集体の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂
    粒子凝集体を含む樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂
    粒子凝集体を含む外用剤。
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