JP3124539B2 - 硬化性シリコーンエマルジョン組成物 - Google Patents

硬化性シリコーンエマルジョン組成物

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JP3124539B2 JP02185737A JP18573790A JP3124539B2 JP 3124539 B2 JP3124539 B2 JP 3124539B2 JP 02185737 A JP02185737 A JP 02185737A JP 18573790 A JP18573790 A JP 18573790A JP 3124539 B2 JP3124539 B2 JP 3124539B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、要すれば室温でまたは加熱して水分など揮
発成分を蒸発させて硬化させることにより、すぐれた力
学的特性のエラストマーなど形成するエマルジョン型シ
リコーン組成物に関する。
(従来の技術) 各種の有機樹脂の内部応力緩和や耐衝撃性改善のた
め、たとえばシリコーンゴム微粒子を、改質剤として使
用することが知られている。この種のシリコーンゴム微
粒子は、シリコーンゴムをたとえばグラインダーに掛け
て粉末化するか、あるいはシリコーンゴムをドライアイ
スなどで凍結した後粉砕するなどの手段で製造してい
た。しかし、こうしてえたシリコーン粒子は、微粒子化
に限界があるうえ、粒子の形状が不定形で凝集性が強く
分散性が悪いとともに潤滑性も劣るという問題があっ
た。
上記問題に対応してたとえば、特開昭59−68333号公
報および特開昭63−17959号公報には、液状シリコーン
ゴム組成物を熱風中に噴霧し、噴霧状態で球状の硬化物
を得る手段が開示されている。
また、特開昭62−243621号公報、特開昭62−257939号
公報、特開昭63−77942号公報および特開昭63−202658
号公報には、液状シリコーンゴム組成物を、水を媒体と
したエマルジョンもしくはサスペンジョンとした後、高
温の液体もしくは気体と接触させて硬化を行い、球状粒
子を得る手段が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、前記液状シリコーンゴム組成物は、(a)ケ
イ素原子結合ヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサ
ン、ケイ素原子結合水素原子含有ポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサンおよび硬化触媒、あるいは(b)ケイ
素原子結合アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、
ケイ素原子結合水素原子含有ポリオルガノハイドロジェ
ンシロキサンおよび硬化触媒をそれぞれ配合して構成さ
れている。したがって、前記両シロキサン成分の混合調
製を要し、しかもこの場合均一な混合調製に比較的多く
の時間がかかり、またその操作も煩雑であるという問題
がある。さらに、配合成分の分子量や導入置換基の違い
により、双方のシロキサンに粘度や極性の差がある場合
など、相溶性が悪く硬化性にも劣り、結果的に得られた
硬化物は、本来の特性を十分に発現し得ないという問題
がある。また、これら噴霧化、エマルジョン化もしくは
サスペンジョン化によって微細化すると、前記欠点はさ
らに助長され、それらを硬化して得られる粒状硬化物
も、本来の特性機能を有しない。したがって、有機樹脂
などへ添加配合しても、充分な改質機能を達成し得ない
という問題がある。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされた
もので、製造し易く取り扱いも容易で、室温もしくは加
熱して水分など揮発成分を蒸発させ硬化することによ
り、すぐれた力学的特性を有するエラストマー状の硬化
物を形成するシリコーンエマルジョン組成物を提供する
ことを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の硬化性シリコーンエマルジョンは、 (A)平均組成式 R1 aR2 bHcSiO(4−a−b−c)/2 (式中、R1はエチレン性不飽和基を含まない置換または
非置換の炭素原子数1〜18の1価の炭化水素基、R2はエ
チレン性不飽和基を含む置換または非置換の炭素原子数
1〜8の1価の炭化水素基を、aは1.02〜2.01、bは0.
005〜0.50、cは0.005〜0.50、b/c=1/5〜10/1、a+b
+c=1.80〜2.20の数を示す) で表されるポリオルガノハイドロジェンシロキサン 10
0重量部、 (B)乳化剤 1〜20重量部、 (C)水 50〜1000重量部および (D)硬化触媒(構成金属成分として) 1×10-6〜1
重量部を配合して成るエマルジョン組成物を特徴として
いる。
しかして、本発明に係る硬化性シリコーンエマルジョ
ン組成物は、次のようにして製造し得る。すなわち、前
記 (A)平均組成式 R1 aR2 bHcSiO(4−a−b−c)/2 で示されるポリオルガノハイドロジェンシロキサン100
重量部、(B)乳化剤1〜20重量部、(C)水50〜1000
重量部をそれぞれ秤取、たとえば高速回転するホモジナ
イザーにかけ、先ずエマルジョンョンを調製し、このエ
マルジョン中のポリハイドロジェンシロキサン成分100
重量部当り、(D)硬化触媒(構成金属成分として)1
×10-6〜1重量部を添加配合することによって製造し得
る。
本発明に係る硬化性エマルジョン組成物を、ガスもし
くは非相溶性液体系の分散媒体中で25℃以上に加熱して
含有するシリコーン成分を粉体化することにより、シリ
コーン粉体を得ることができる。そして、このシリコー
ン粉体は、粒子径が1mm以下さらに好ましくは0.1mmであ
り、また形状は球形ないしこれに近いことが望ましい。
すなわち、このような粒径および形状を有している方
が、より良好な分散性などを呈し、有機樹脂に対する特
性付与的なもしくは改質的な硬化をさらに高め易いから
である。
(作 用) 本発明に係る硬化性エマルジョン組成物に含有された
シリコーンは、単一な分子(複数種のシロキサンのブレ
ンドでない)から構成されているため、均質な組成およ
び特性を有している。したがって、各種の有機樹脂に対
して一様な分散性ないし相溶性を呈し、所要の特性付与
を十分に、かつ効果的に発揮することが可能となり、最
終的に得られた樹脂は、内部応力の緩和や耐衝撃性かい
ぜなどなされ、力学的強度にすぐれた性能を容易にかつ
確実に保持し得る。
(実施例) 先ず、本発明に係るシリコーン微粒子、シリコーン微
粒子含有のエマルジョンの組成分およびエマルジョンの
製造条件について説明する。
先ず、本発明において、(A)成分であるポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサンのケイ素原子上に結合する
一方の有機基は、エチレン性不飽和基を含まない置換も
しくは非置換の炭素原子数1〜18の1価の炭化水素基で
ある。このような非置換の有機基としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などの直鎖もし
くは分岐状アルキル基、フェニル基、ナフチル基、キセ
ニル基などのアリール基、ベンジル基、β−フェニルエ
チル基、メチルベンジル基、ナフチルメチル基などのア
ラルキル基およびシクロヘキシル基、シクロペンチル基
などのシクロアルキル基など例示される。
また、置換有機基としては、前記非置換の有機基の水
素原子をフッ素や塩素のようなハロゲン原子で置換した
ものであり、たとえば3,3,3−トリフルオロプロピル
基、3−クロロプロピル基などが例示される。
一方、(A)成分であるポリオルガノハイドロジェン
シロキサンのケイ素原子上に結合する他方の置換もしく
は非置換の炭素原子数1〜8の1価の炭化水素基は、エ
チレン性不飽和基を含む基である。このような、エチレ
ン性不飽和基を含む基としては、ビニル基、アリル基、
ホモアリル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基な
どが例示され、好ましくはビニル基、アリル基である。
一般式、 CH2=CH−O−(CH2−、 CH2=CH−(CH2− が挙げられる。ただし、上記式中nはo〜10の整数を表
わす。
CH2=CH−O−(CH2− で示されるものとしては、ビニロキシプロピル基、ビニ
ロキシエチル基などであり、ビニロキシプロピル基が好
ましい。
で示されるものの場合、R3は水素原子もしくは炭素数
1〜6(好ましくは1〜2)のアルキル基であり、ビニ
ルフェニル基、イソプロペニルフェニル基、1−(ビニ
ルフェニル)エチル基、2−(ビニルフェニル)エチル
基、(ビニルフェニル)メチル基、2−(ビニルフェノ
キシ)エチル基、3−(ビニルベンゾイルオキシ)プロ
ピル基、3−(イソプロペニルベンゾイルアミノ)プロ
ピル基などが例示される。
で示されるものの場合、R4は水素原子もしくはメチル基
であり、R5は炭素原子数1〜6のアルキレン基、−O−
や−S−を含むアルキレン基もしくは2価の基、または で示される基で、R6は炭素原子数1〜6の1価の炭化水
素基あるいは(メタ)アクリロイル基、R7は炭素原子数
1〜6のアルキレン基である。ここでエチレン性不飽和
基を含む基としては、γ−アクリロキシプロピル基、γ
−メタクリロキシプロピル基、N−メタクリロイル−N
−メチル−γ−アミノプロピル基、N−アクリロイル−
N−メチル−γ−アミノプロピル基、N,N−ビス−(メ
タクリロイル)γ−アミノプロピル基、n,n−ビス−
(アクリロイル)−γ−アミノプロピル基など例示され
る。
CH2=CH−(CH2− で示されるものは、nが0〜10の整数で、上記したヒニ
ル基、アリール基などである。
さらに、前記(A)成分における別の1価の置換炭化
水素基として、炭素原子と水素原子と、さらに窒素およ
び酸素のうち少なくとも1種の原子とによって構成され
る炭素官能性基が挙げられ、そのような炭素官能性基を
含む(A)成分を用いたシリコーン粉体は、各種の有機
樹脂やゴムに対して勿論のこと、繊維などの充填剤とし
て併用した場合、接着性(密着ないし固着)にすぐれ有
利である。そのような炭素官能性基としては、 −CH2CH2CH2NH2、 −CH2CH2CH2NHCH2CH2NH2、 −CH2CH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2NH2 −CH2CH2CH2SH などが挙げられる。
このような(A)成分を成すポリオルガノハイドロジ
ェンシロキサンにおいては、エチレン性不飽和基および
Si−H基のそれぞれの含有量が、全有機基中それぞれ0.
02〜10%好ましくは0.05〜5%を成すように選択され
る。その理由は前記範囲を外れると有機樹脂に対する相
溶性や分散性が低下したり、あるいはシリコーン微粒子
が硬くなり充填剤としの緩衝機能が低減するからであ
る。
前記(A)成分であるポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサンの分子構造は、実質的に直鎖状であることが好
ましく、この意味は直鎖状もしくはやや分岐した直鎖状
を指称する。また、ケイ素原子結合水素基およびエチレ
ン性不飽和基を含む基は、分子鎖末端および分子鎖中の
いずれの位置であってもよく、分子鎖末端が水素基およ
びエチレン性不飽和基でない場合は、水酸基、アルコキ
シ基、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル
基、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシリル基な
どで封鎖されたものが好ましい。
さらに、分子量は特に限定されないが、物性のすぐれ
たシリコーン粉体を得るには分子量3000程度以上が望ま
しい。なお、このポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ンは、たとえば環状のポリオルガノシロキサン類を開環
重合させるか、あるいは加水分解性基含有シラン化合物
の加水分解・縮重合などによって製造し得る。
(B)成分の乳化剤は、(A)成分のポリオルガノハ
イドジェンシロキサン粉体ないし微粒子を水中において
安定に存在させる役割および/もしくは、このシリコー
ン粉体を形成させる際の環状ポリオルガノシロキサン類
の乳化重縮合触媒としての役割をなすものであり、アニ
オン系乳化剤が好ましい。このようなアニオン系乳化剤
としては、脂肪族置換基が炭素原子数6〜18の長さの炭
素連鎖を有する脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族
置換ナフタレンスルホン酸、脂肪酸スルホン酸、シリル
アルキルスルホン酸、脂肪族置換ジフェニルエーテルス
ルホン酸などの有機スルホン酸系乳化剤が挙げられ、な
かでも脂肪族置換ベンゼンスルホン酸がより好ましい。
ただし、シリコーン粉体ないしシリカコア−シリコーン
シェル体エマルジョン調製時においては、これらスルホ
ン酸の状態で使用するが、後にアルカリで中和するの
で、本発明の組成物ではスルホン酸塩の形で存在する。
(B)成分の乳化剤の配合割合は、(A)成分のポリ
オルガノハイドロジェンシロキサン100重量部に対して
通常1〜20重量部である。配合量が1重量部未満では安
定なミセル形成が困難であり、20重量部を超えるとエマ
ルジョン粘度が上昇し、いずれも不安定なエマルジョン
となる。
また必要に応じて、(B)成分としてノニオン系乳化
剤を併用してもよい。このノニオン系乳化剤としては、
たとえばグリセリン脂肪族エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレン(以下POEと略す)アル
キルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリ
セリン脂肪酸エステル、POEアルキルフェノールエーテ
ル、POEポリオキシプロピレンブロック共重合体などが
挙げられる。
また、(C)成分の水の配合量は(A)成分の100重
量部に対して、通常50〜1000重量部の範囲である。
(C)成分が50重量部未満または1000重量部を超えると
乳化状態が悪く、エマルジョンが不安定になる。
(D)成分の硬化触媒はケイ素原子結合水素原子とエ
チレン性不飽和基とを付加反応させるためのものであっ
て、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウムおよび
白金系化合物など特に限定はないが、白金系化合物が好
ましい。このような白金系化合物としては、塩化白金
酸、これをアルコールやケトン類に溶解させたものおよ
びその溶液を熟成させたもの、塩化白金酸とオレフィン
類との錯化合物、塩化白金酸とアルケニルシロキサンと
の錯化合物、塩化白金酸とジケトンとの錯化合物、白金
黒および白金を担持に保持させたものが挙げられる。
(D)成分の硬化触媒の配合量は、(A)成分のポリ
オルガノハイドジェンシロキサン100重量部に対し、硬
化触媒を構成する金属として1×10-6〜1重量部であ
る。配合量が1×10-6重量部未満では架橋反応が十分進
行せず、一方、1重量部を超えてもそれ以上の効果が望
めず不経済である。
しかして、前記白金系触媒の添加は、たとえば塩化白
金酸−オレフィン錯塩のO/W型エマルジョンなどいわゆ
るエマルジョンタイプとして添加することが望ましい。
またこの添加配合(攪拌)時の温度は、前記シリコーン
成分の硬化反応が進行しない程度の低温が好ましい。
本発明に係る硬化性シリコーンエマルジョン組成物
は、上記(A),(B),(C)成分および(D)成分
の他に各種の充填剤、顔料、硬化抑制剤、耐熱性付与
剤、接着性向上剤、有機溶剤など添加配合してもよい。
充填剤としては、たとえばヒュームドシリカ、沈澱シリ
カ、焼成シリカ、ヒュームド酸化チタン、粉砕石英、ケ
イ藻土、アスベスト、アルミナケイ酸、酸化鉄、酸化亜
鉛、炭酸カルシゥム、カーボンブラック、鉄などの金属
粉末が例示される。また顔料としては、たとえばチタン
白、チタンイエロー、ベンガラなどが挙げられ、硬化抑
制剤としては、アセチレン系化合物、ヒドラジン類、ト
リアゾール類、フォスフィン類、メルカプタン類が例示
される。さらに、耐熱性付与剤としては、水酸化セリウ
ム、酸化セリウム、酸化鉄、フューム二酸化チタンなど
が挙げられ、接着性向上剤としては、アミノ基、メルカ
プト基、エポキシ基、アルケニル基などの有機基とアル
コキシ基を併せもつ有機ケイ素化合物があり、有機溶剤
としは、トルエン、シクロヘキサン、トリクロロエチレ
ンなどが挙げられる。
本発明に係る硬化性シリコーンエマルジョン組成物
は、たとえば少量づつ加温された液体中に滴下し攪拌す
るか、あるいは噴霧状にして25℃以上の気体に接触させ
ると、硬化したシリコーン微粒子(粉体)として得られ
る。勿論逆に硬化性シリコーンエマルジョン組成物に加
温された液体を滴下し攪拌しても同様に硬化したシリコ
ーン微粒子を得ることができる。この際の気体もしくは
液体の温度は50℃以上が好ましく、前記硬化性シリコー
ンエマルジョン組成物の硬化などに悪影響を及ぼさない
気体もしくは液体なら特には限定されない。このような
気体としては、たとえば空気、窒素ガス、各種の不燃性
液体ガスなどが挙げられる。また液体としては、たとえ
ば水、流動パラフィン、ワックス類、各種の熱媒体に使
用されるジメチルシリコーン油、フタル酸エステル類な
どが挙げられる。
次に、本発明に係るシリコーン微粒子ないしこの微粒
子を含有するエマルジョンの製造方法について説明す
る。
本発明に係るシリコーン粉体を含有するエマルジョン
組成物は、前記平均組成式で示されるポリオルガノハイ
ドロジェンシロキサンを、水性媒体中、有効量の乳化剤
でエマルジョン化するか、または乳化剤混合物の存在下
に環状ポリオルガノシロキサン類を乳化重縮合させるこ
とによってシリコーンエマルジョンを調製し、次いで
(D)成分の硬化触媒を添加することを骨子としてい
る。また、シリコーン粉体は、前記調製されたシリコー
ンエマルジョンを25℃以上に加熱し含有されているシリ
コーン成分を微細状に硬化させることを骨子としてい
る。
本発明に使用されるエチレン性不飽和基を含有するポ
リオルガノハイドロジェンシロキサンは、対応する構造
単位を有する直鎖状、分岐状または環状などのシリコー
ン化合物を所定の組成比に選択し、これらを乳化重縮合
させるか、あるいは加水分解性基含有シラン化合物類を
所定の組成比に選択し、これらを共加水分解・共縮重合
させることによって製造し得る。
前記ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの製造に
用いられる(1)ポリオルガノシロキサン成分として
は、たとえば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロ
ペンタシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロ
テトラシロキサン、テトラベンジルテトラメチルシクロ
テトラシロキサン、トリス(3,3,3−トリフルオロプロ
リル)トリメチルシクロトリシロキサンなどの環状化合
物が例示される。
同じくポリオルガノハイドロジェンシロキサンの製造
に用いられる(2)エチレン性不飽和基含有オルガノシ
ロキサンとしては、たとえば1,3,5,7−テトラビニルテ
トラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニ
ルトリメチルシクロトリシロキサン、1−ビニルヘプタ
メチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラアリ
ルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テ
トラ(5−ヘキセニル)テトラメチルシクロテトラシロ
ニル)テトラメチルシロテトラシロキサンなどのエチレ
ン性不飽和基を含有する環状化合物が例示される。
さらにポリオルガノハイドロジェンシロキサンの製造
に用いられる(3)オルガノハイドロジェンシロキサン
としては、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−
もしくは1,5−ジハイドロジェンヘキサメチルシクロテ
トラシロキサン、1,3,5,7−テトラフェニルシクロテト
ラシロキサン、1,3,5,7−テトラベンジルシクロテトラ
シロキサンなどのオルガノハイドロジェンシロキサン環
状化合物が例示される。
なお、上記例示した環状化合物の他、直鎖状あるいは
分岐状のオルガノシロキサン、エチレン性不飽和基を含
有オルガノシロキサンおよびオルガノハイドロジェンシ
ロキサンを用いてもよい。この場合、直鎖状あるいは分
岐状のシロキサンとしてはケイ素原子数2〜10のポリオ
ルガノシロキサンもしくはポリオルガノハイドロジェン
シロキサンを用いることが好ましく、その分子末端は水
酸基以外の有機基、たとえばアルコキシ基、トリメチル
シリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビ
ニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、3,3,3−ト
リフルオロプロピルジメチルシリル基などで封鎖されて
いるものが好ましい。
さらに、本発明においては、前記ポリオルガノハイド
ロジェンシロキサン成分に加え、必要に応じて(4)ア
ルコキシ基を1〜4個有する有機シラン化合物、たとえ
ばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリブロポキシシラン、ビニルトリプトキシ
シラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、γ−
メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシ
エチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシエチルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アクリロキシエチルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ジメチル
ビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラ
ン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリ
ブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピ
ルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラ
ン、プロピルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポ
キシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメ
トキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ
プロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、メチル
エチルトリメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシ
シラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどや、フルオロアルキルアルコキシシランなどのフ
ッ化アルコキシシランなどを併用してもよい。
しかし、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの平
均組成式 R1 aR2 bHcSiO(4−a−b−c)/2 (式中R1はエチレン性不飽和基を含まない置換または非
置換の炭素原子数1〜18の1価の炭化水素基、R2はエチ
レン性不飽和基を含む炭素原子数1〜8の1価の炭化水
素基を示す)において、a=1.2〜2.2、b=0.001〜0.
5、c=0.001〜0.5、b/c=1/5〜10/1、a+b+c=1.8
0〜2.20を満たすものになるように配合され、かつ共縮
重合された分子構造を呈するように、前記各シリコーン
成分(1)〜(4)は出発原料として選択される必要が
ある。
なお、前記アルコキシシラン化合物は、ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンの補強に有効な架橋剤として
使用することができ、たとえばトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシ
ランなどの3官能性架橋剤、テトラエトキシシランなど
の4官能性架橋剤の添加配合量は、前記平均組成式で示
されるポリオルガノハイドロジェンシロキサン量に対し
て10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
さらに、本発明に係るシリコーン微粒子の繊維などの
基材に対する接着性(密着ないし固着)を向上させるた
め、炭素原子と水素原子、ならびに 窒素と酸素の少なくとも1種の原子とによって構成され
る炭素官能性基と、アルコキシ基とを併せ持つ有機ケイ
素化合物を添加することもできる。このような有機ケイ
素化合物としては、3−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−トリエチレンジアミンプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘ
キシルエチルトリメトキシシランなどを挙げられ、前記
平均組成式で示されるポリオルガノハイドロジェンシロ
キサン量に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以
下添加配合してもよい。
前記本発明に係る硬化性シリコーンエマルジョン組成
物は、単独で用いていわゆるシリコーンエラストマー状
のもの、フィルムなど製造することができる。また硬化
性シリコーンエマルジョン組成物を出発材料とし、微粉
体状に硬化させて得た粉体は、充填剤などとして他の有
機樹脂もしくは塗料やセメントなどに添加配合し、それ
らの機械的強度を図ったり、あるいは耐水性、潤滑性、
剥離性、粘着防止性などを付与するために用い得る。
前記有機樹脂としては、天然ゴム、ポリクロロブレン
ゴム、ポリブタジェンゴム、SBR、EPR、EPTゴム、ポリ
イソブチレンゴム、ポリアクリル酸エステルゴム、ポリ
ウレタンゴム、ブタジェン−アクリロニトリル共重合体
ゴム、ポリエステルゴム、ポリサルファイドゴム、フッ
素ゴム、シリコーンゴム、各種のポリアミド樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
などの飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート、AB
S、AS、ポリスチレン、ポリブタジェン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ
ビニールアルコール、ポリビニールアセテート、ポリビ
ニールブチラート、ポリメチルメタアクリレート、含フ
ッ素樹脂、ポリエーテル類、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン
樹脂、セルロイド、アセチルセルロイド、エポキシアク
リレート、ポリアクリル酸塩、エポキシ樹脂などが挙げ
られる。
勿論これらのゴム類や樹脂類のブレンドでもよく、ま
た補強用の繊維類や他の充填剤、安定剤、顔料、改質剤
などとの併用も支障ない。
次に本発明の実施例を具体的に示す。
なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重
量部および重量%を表すものとする。
実施例1 ドデシルベンゼンスルホン酸2.0部と蒸溜水320部との
混合液中に、オクタメチルシクロテトラシロキサン100
部、ヘプタメチルシクロテトラシロキサン5.8部および
1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロ
キサン0.6部の混合物を加え、ホモミキサーにより予備
撹拌した後、ホモジナイザーにより300kgf/cm2の圧力で
2回通すことにより、乳化、分散させた。
この乳化、分散液をコンデンサー、窒素導入口および
撹拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混合し
ながら85℃で5時間加熱し、5℃で48時間冷却した後、
10%炭酸ナトリウム水溶液でPH7に中和し、縮合を終わ
らせた。
上記によって得たポリオルガノハイドロジェンシロキ
サン中の前記3種のシクロテトラシロキサンの縮合率は
94.6%であった。
また、前記ポリオルガノハイドロジェンシロキサンエ
マルジョンの一部をアセトン中に投入し、ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサン粉体(粒子)を得、この粉体
のIRおよび1H、29Si−NMR分析の結果、全シロキサンユ
ニット中、メチルハイドロジェンシロキサン単位、1.42
mol%、メチルビニルシロキサン単位0.48mol%それぞれ
含まれており、またGPC測定の結果、数平均重量Mw=3.2
4×105であった。
一方、前記シリコーン微粒子系のエマルジョン350部
(固形分23.5%)に対し塩化白金酸−オレフィン錯塩の
O/W型エマルジョン(白金含有量3重量%)0.82部を25
℃にて添加し、混合撹拌することにより、シリコーン微
粒子水性エマルジョン組成物を得た。
さらに、参考のために、上記組成物を用いて以下に示
すようにしてシリコーン粉体を得た。すなわち、この組
成物を60℃で5時間加熱撹拌した後、スプレードライヤ
ーを用いて入口温度250℃、出口温度100℃、吐出速度1
/hrの条件で噴霧し、硬化させたところ、平均粒子径
3.2μmの真球に近い形状を有する微粉体74.3g(収率9
0.3%)を得た。
次いで、前記シリコーンゴム微粉体10部と極限粘度
〔η〕が1.05のポリブチレンテレフタレート100部とを
混合し、熱可塑性樹脂組成物を調製した。この熱可塑性
樹脂組成物を、2軸押出し機を用いシリンダー温度230
℃で押出し加工してペレットを得た。このペレットにつ
いて破断面を走査型電子顕微鏡によって観察したとこ
ろ、シリコーン微粉体は均一に分散していたが、界面に
若干の空間の存在が認められた。
また、前記シリコーン微粉体系のエマルジョンに塩化
白金酸−オレフィン錯塩のO/W型エマルジョン添加して
調製したシリコーン微粒子水性エマルジョン組成物を、
フッ素樹脂製容器に注ぎ、温度25℃、相対湿度60%の雰
囲気中に1週間放置し、キャスティングおよび硬化を進
めることによって、厚さ1mm程度のエラストマー状シー
トが得られた。
実施例2 ドデシルベンゼンスルホン酸2.0部と蒸溜水320部との
混合液中に、オクタメチルシクロテトラシロキサン100
部、ヘプタメチルシクロテトラシロキサン5.8部、1,3,
5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサ
ン0.6部および3−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン5部の混合物を加え、ホモミキサーにより予備撹拌
した後、ホモジナイザーにより300kgf/cm2の圧力で2回
通すことにより、乳化、分散させた。
この乳化、分散液をコンデンサー、窒素導入口および
撹拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混合し
ながら85℃で5時間加熱し、5℃で48時間冷却した後、
10%炭酸ナトリウム水溶液でPH7に中和し、縮合を終わ
らせた。
前記で製造したシリコーンエマルジョンの一部をアセ
トン中に投入し、ポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン粉体(粒子)を得、この粉体のIRおよび1H、29Si−NM
R分析の結果、全シロキサンユニット中、メチルハイド
ロジェンシロキサン単位1.40ol%、メチルビニルシロキ
サン単位0.47ol%、3−アミノプロピルメチルシロキシ
単位1.97ol%それぞれ含まれており、またGPC測定の結
果、数平均重量Mw=2.89×105であった。
一方、前記シリコーン微粒子系のエマルジョン350部
(固形分23.5%)に対し塩化白金酸−オレフィン錯塩の
O/W型エマルジョン(白金含有量3重量%)0.82部を25
℃にて添加し、混合撹拌することにより、シリコーン微
粒子水性エマルジョン組成物を得た。
さらに、参考のために、上記組成物を用いて以下に示
すようにしてシリコーン粉体を得た。すなわち、この組
成物を60℃で5時間加熱撹拌した後、スプレードライヤ
ーを用いて入口温度250℃、出口温度100℃、吐出速度1
/hrの条件で噴霧し、硬化させたところ、平均粒子径
3.6μmの真球に近い形状を有する微粉体73.8g(収率8
7.6%)を得た。
次いで、前記シリコーンゴム微粉体10部と極限粘度
[η]が1.05のポリブチレンテレフタレート100部とを
混合し、熱可塑性樹脂組成物を調製した。この熱可塑性
樹脂組成物を、2軸押出し機を用いシリンダー温度230
℃で押出し加工してペレットを得た。このペレットにつ
いて破断面を走査型電子顕微鏡によって観察したとこ
ろ、シリコーン微粉体は均一に分散していおり、また界
面も完全に密着していた。
また、前記シリコーン微粒子系のエマルジョンに塩化
白金酸−オレフィン錯塩のO/W型エマルジョン添加して
調製したシリコーン微粒子水性エマルジョン組成物を、
フッ素樹脂製容器に注ぎ、温度25℃、相対湿度60%の雰
囲気中に1週間放置し、キャスティングおよび硬化を進
めることによって、厚さ1mm程度のエラストマー状シー
トが得られた。
実施例3 分子鎖末端が3,3,3−トリフルオロプロピルジメチル
シリル基で封鎖されている3,3,3−トリフルオロプロピ
ルジメチルシシロキシ単位98.0mol%、メチルハイドロ
ジェン単位0.5mol%およびメチルビニルシロキシ単位1.
5mol%から成る粘度が200cStのポリオルガノシロキサン
150部を、スタチックミキサーの装着された槽内に収容
し、−30℃での冷却攪拌下、塩化白金酸−オレフィン錯
塩(白金含有量3%)0.25部を添加して均一に混合し
た。
上記で得た混合物を、コロイドルミルに移送し、同時
にHLB=18のポリオキシエチレンオクチルフェニルエー
テル4.5部と5℃の蒸溜水750部とを流し込み、1500rp
m、0.1mm間隔の条件下でミルして硬化性シリコーンエマ
ルジョン組成物を調製した。
次に、上記エマルジョン組成物を室温にて24時間熟成
した後、実施例1の場合と同一条件で噴霧硬化を行っ
て、シリコーン粉体を得た。かくして得たシリコーン粉
体の収率は87.2%(135g)、平均粒子径は6.5μmであ
った。
上記で得たシリコーン粉体をAl板間に挟み擦り合せた
後、走査型電子顕微鏡で観察したところ、擦り合せ前後
で粒子の形状変化は認められなかった。
また、前記シリコーン微粒子系のエマルジョンに塩化
白金酸−オレフィン錯塩のO/W型エマルジョン添加して
調製したシリコーン微粒子水性エマルジョン組成物を、
フッ素樹脂製容器に注ぎ、温度25℃、相対湿度60%の雰
囲気中に1週間放置し、キャスティングおよび硬化を進
めることによって、厚さ1mm程度のエラストマー状シー
トが得られた。
比較例 分子鎖末端が3,3,3−トリフルオロプロピルジメチル
シリル基で封鎖されている3,3,3−トリフルオロプロピ
ルジメチルシシロキシ単位99.5mol%およびメチルビニ
ルシロキシ単位0.5mol%から成る粘度が200cStのポリオ
ルガノシロキサン150部と分子鎖末端がジメチルハイド
ロジェンシロキシ基で封鎖されているメチルハイドジェ
ンシロキシ単位100mol%のポリシロキサン(粘度30cS
t)0.9部との混合物を、スタチックミキサーの装着され
た槽内に収容し、−30℃での冷却攪拌下、塩化白金酸−
オレフィン錯塩(白金含有量3%)0.25部を添加して均
一に混合した。
以下実施例3の場合と同様に、エマルジョン形成およ
び噴霧・硬化を行なったが、チャンバー部にゲル状の固
形物が付着するのみで、シリコーン粉体は得られなかっ
た。
一方、前記において塩化白金酸−オレフィン錯塩(白
金含有量3%)を5部に増加させたところ、平均粒子径
21.3μmの真球に近いシリコーン粉体112g(収率72.3
%)%を得ることができた。しかし、上記で得られたシ
リコーン粉体は、Al板間に挟み擦り合せた後、走査型電
子顕微鏡で観察したところ、層剥離が起き破断しており
擦り合せ前後で粒子の形状変化が認めらた。
[発明の効果] 上記説明したように、本発明に係る硬化性シリコーン
エマルジョン組成物およびこれを出発材料として得られ
た粉体は、架橋形成置換基であるケイ素原子結合水素原
子およびエチレン性不飽和基を同一分子中に含有するポ
リオルガノハイドロジェンシロキサンを主要構成成分と
している。したがって、従来の硬化性シリコーンエマル
ジョン組成物や充填用シリコーン粉体の製造方法におい
て問題になっていた原料シロキサン間の極性や分子量の
差による相溶性および硬化性の欠如などを、全面的に回
避し得るし、またその製造も容易で生産性などの点でも
多くの利点をもたらす。しかして、前記シリコーン粉体
は、前記したように目的に対応して各種の置換基の導入
も可能なため、たとえば有機樹脂やゴムなどに添加配合
し、シリコーンのさまざまな特性をより有効に付与し得
る。つまり、シリコーンの耐熱性,離型性,耐水性な
ど、効果的に引出すことが可能となり、力学的強度など
物理的特性の改質剤として広く応用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/05 C08J 3/12 101 C08J 3/16 CFH C08L 83/07 C08L 83/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)平均組成式 R1 aR2 bHcSiO(4−a−b−c)/2 (式中、R1はエチレン性不飽和基を含まない置換または
    非置換の炭素原子数1〜18の1価の炭化水素基、R2はエ
    チレン性不飽和基を含む炭素原子数1〜8の1価の炭化
    水素基、aは1.02〜2.01、bは0.005〜0.50、cは0.005
    〜0.50、b/c=1/5〜10/1、a+b+c=1.80〜2.20の数
    を示す。) で表されるポリオルガノハイドロジェンシロキサン 100
    重量部、 (B)乳化剤 1〜20重量部、 (C)水 50〜1000重量部および (D)硬化触媒(構成金属として)1×10-6〜1重量部
    を配合して成ることを特徴とする硬化性シリコーンエマ
    ルジョン組成物。
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