JPWO2007060782A1 - 多周波共用マイクロストリップアンテナ - Google Patents

多周波共用マイクロストリップアンテナ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007060782A1
JPWO2007060782A1 JP2007546371A JP2007546371A JPWO2007060782A1 JP WO2007060782 A1 JPWO2007060782 A1 JP WO2007060782A1 JP 2007546371 A JP2007546371 A JP 2007546371A JP 2007546371 A JP2007546371 A JP 2007546371A JP WO2007060782 A1 JPWO2007060782 A1 JP WO2007060782A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna element
annular
msa
annular antenna
planar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007546371A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4296282B2 (ja
Inventor
操 羽石
操 羽石
木村 雄一
雄一 木村
雄介 四戸
雄介 四戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saitama University NUC
Original Assignee
Saitama University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saitama University NUC filed Critical Saitama University NUC
Publication of JPWO2007060782A1 publication Critical patent/JPWO2007060782A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4296282B2 publication Critical patent/JP4296282B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q13/00Waveguide horns or mouths; Slot antennas; Leaky-waveguide antennas; Equivalent structures causing radiation along the transmission path of a guided wave
    • H01Q13/10Resonant slot antennas
    • H01Q13/106Microstrip slot antennas
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/30Combinations of separate antenna units operating in different wavebands and connected to a common feeder system
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q5/00Arrangements for simultaneous operation of antennas on two or more different wavebands, e.g. dual-band or multi-band arrangements
    • H01Q5/40Imbricated or interleaved structures; Combined or electromagnetically coupled arrangements, e.g. comprising two or more non-connected fed radiating elements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Waveguide Aerials (AREA)
  • Details Of Aerials (AREA)

Abstract

【課題】多くの数の周波数を共用することができ、その周波数を任意に設定できる多周波共用マイクロストリップアンテナ(MSA)を提供する。【解決手段】このMSAは、アンテナ素子22として、中心線に対して左右対称の外形を有する環状の平面導電路で構成された環状アンテナ素子221,222,223と、環状アンテナ素子223の内側に形成された平面状アンテナ素子227とを具備し、アンテナ素子22への給電手段として、前記中心線と環状アンテナ素子221〜223または平面状アンテナ素子227とが交わる位置で環状アンテナ素子221〜223または平面状アンテナ素子227に電磁結合して給電を行うLプローブ24を具備している。各環状アンテナ素子221〜223及び平面状アンテナ素子227の各々に電流経路が形成され、各電流経路が異なる共振周波数で共振し、多周波共用特性を示す。

Description

本発明は、複数の周波数で動作する多周波共用特性を備えたマイクロストリップアンテナ(以下、“MSA”と略す。)に関し、特に、多数の周波数において直線偏波や円偏波の送受信が可能なアンテナの実現を図るものである。
MSAは、放射導体と地導体(GND)との間の電界により放射導体の端部で磁流を生じ、その磁流を波源として電波を放射するアンテナである。従来、MSAは、小形、軽量で、しかも薄型に構成できるため、移動通信を始めとして多くの分野で用いられており、また、MSA素子を2重に積み重ねて2周波共用特性を持つものや、3重に重ねて3周波共用特性を持つアンテナが作られている。
また、下記非特許文献1には、単層構造の多周波共用MSAが記載されている。このアンテナは、図40(a)に示すように、絶縁基板11上に形成されたMSAの放射素子12と、絶縁基板11の裏面に設けられる地導体13と、地導体13と同一平面に形成されるコプレーナ型の給電線路14とを備えており、放射素子12は、この給電線路14から電磁結合型の給電法で給電される。
この地導体13は60×60mmの大きさを有している。また、放射素子12は、図40(b)に示すように、22×22mm(面積480mm2)の正方形の内部に、四角形の一部が開口した2本のスリット15、16を有しており、スリット15、16で区画された2本のリング状素子部17、18と中央のMSA素子部19とがアンテナとして作用する。
図41は、この多周波共用MSAのリターンロス特性を表しており、周波数fL、fM及びfHに共振点を持つ3周波共用特性を示している。なお、図中、実線は実測値、点線はシミュレーション値を示している。
また、図42は、fL、fM及びfHの各共振周波数におけるE面及びH面の放射パターンを表している。図中、実線は実測値、点線はシミュレーション値を示し、また、一点鎖線は交差偏波レベルを示している。
交差偏波は、混信を避けるために抑える必要があるが、−20dB以下であれば実用上支障が無いとされている。この3周波共用MSAでは、各共振周波数でのボアサイト方向の交差偏波レベルが−20dB以下の値を示している。
また、下記特許文献1には、2周波共用特性を持ち、一方の周波数で直線偏波アンテナとして、他方の周波数で円偏波アンテナとして動作するMSAが記載されている。この直線偏波・円偏波共用アンテナは、図43(a)(平面図)及び図43(b)(図43(a)のAAでの断面図)に示すように、両面銅箔のテフロン(登録商標)ガラス基板9の一面に、エッチング加工で円形のパッチ1と環状リング2とを形成し、他面に地導体4を形成する。そして、環状リング2の外周部を無電解銅めっきで地導体4に短絡し、基板9に孔を空けて、給電線7をパッチ1に、また、給電線8を環状リング2に接続し、最後に、環状リング2に摂動パターン(切り込み)3を形成して特性を調整する。
このアンテナは、パッチ1が2.5GHz帯の共振周波数で直線偏波特性を示し、摂動パターン3を有する環状リング2が1.5GHz帯の共振周波数で円偏波特性を示す。そのため、このアンテナを自動車に搭載して、ビーコンを使った車載情報通信システムのアンテナとしてパッチ1を使用し、衛星を使った測位システム(GPS)のアンテナとして環状リング2を使用することができる。
特開平5−291816号公報 鈴木、羽石「折曲げスロット装荷周波数共用マイクロストリップアンテナ」電子情報通信学会論文誌B、Vol.J85−B、No.2、pp.207−215、2002年2月
最近の自動車は、GPSシステムや車載情報通信システム、ETCシステム、セルラーシステム、衛星放送受信システム、無線LANなど、多数のシステムを搭載しており、数多くのアンテナを必要としている。
多周波共用MSAは、1つの素子で、こうした複数の用途に対応することができる。
しかし、非特許文献1に記載された多周波共用MSAでは、放射素子の面積を変えない場合、3周波の共用が限度であり、共用数をさらに増やすと、交差偏波レベルが−20dBを超えてしまうなど放射パターンの劣化を伴う。また、この多周波共用MSAは直線偏波の波に対してのみ、多周波化が可能であり、円偏波の波を多周波化することはできない。
また、特許文献1に記載された直線偏波・円偏波共用アンテナでは、円偏波アンテナ素子として動作する環状リングが地導体に接続している必要があるため、円偏波アンテナ素子を同一面内に追加して共用周波数の数を増やしたり、地導体に非接続のアンテナ素子の偏波特性を任意に設定したりすることができない。
本発明は、こうした状況を改善するために創案したものであり、多数の周波数を共用することが可能であり、また、その共用周波数を任意に設定し、あるいは、共用周波数での偏波特性を自在に設定することができる多周波共用MSAを提供することを目的としている。
本発明の多周波共用MSAは、基板の一方の面に、中心線に対して左右対称の外形を有する環状の平面導電路で形成された環状アンテナ素子と、前記環状アンテナ素子の内側または外側に平面導電路で形成された、当該環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、形状が相似する一または複数個の他の環状アンテナ素子とを具備し、前記基板の他方の面に、前記中心線の位置で前記基板を介して前記環状アンテナ素子の各々と1箇所で交差する直線状部と、前記直線状部が前記環状アンテナ素子の各々と交差する位置で前記直線状部から前記環状アンテナ素子の各々に沿って所定長さだけ延びるスタブ部とを有するLプローブを具備し、前記環状アンテナ素子の各々に電磁結合した前記Lプローブから各環状アンテナ素子への給電が行われることを特徴とする。
この多周波共用MSAでは、各環状アンテナ素子のそれぞれに電流経路が形成され、各電流経路は、その長さが異なるために異なる共振周波数で共振し、その結果、多周波共用特性を示す。
また、本発明の多周波共用MSAは、基板の一方の面に、中心線に対して左右対称の外形を有する環状の平面導電路で形成された環状アンテナ素子と、前記環状アンテナ素子の内側に導電平面で形成された、当該環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、外形が相似する平面状アンテナ素子とを具備し、前記基板の他方の面に、前記中心線の位置で前記基板を介して前記環状アンテナ素子と1箇所で交差し、前記中心線の位置で前記基板を介して前記平面状アンテナ素子に対向する直線状部と、前記直線状部が前記環状アンテナ素子と交差する位置で前記直線状部から前記環状アンテナ素子に沿って所定長さだけ延びるスタブ部とを有するLプローブを具備し、前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子に電磁結合した前記Lプローブから前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子への給電が行われることを特徴とする。
この多周波共用MSAでは、環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子のそれぞれに電流経路が形成され、各電流経路は、その長さが異なるために異なる共振周波数で共振し、その結果、多周波共用特性を示す。
また、本発明の多周波共用MSAでは、さらに、前記環状アンテナ素子の外側に平面導電路で形成された、当該環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、形状が相似する一または複数個の他の環状アンテナ素子を具備し、前記Lプローブは、前記直線状部が前記基板を介して前記他の環状アンテナ素子と交差する位置で前記直線状部から前記他の環状アンテナ素子に沿って所定長さだけ延びるスタブ部を有しているように構成することができる。
この多周波共用MSAでは、各環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子のそれぞれに電流経路が形成され、各電流経路は、その長さが異なるために異なる共振周波数で共振し、その結果、多周波共用特性を示す。
また、本発明の多周波共用MSAでは、前記環状アンテナ素子が、四角形の外形を有し、前記四角形の一辺の中央部で前記Lプローブと電磁結合しているように構成することができる。
この四角形の環状アンテナ素子には、Lプローブの位置から、四角形上でその対称となる位置に向かう一様な電流分布が出現する。
また、本発明の多周波共用MSAでは、最も内側の環状アンテナ素子の中央空間に回路素子が配置されているように構成することもできる。
環状アンテナ素子の中央空間を回路素子の配置に利用することで、アンテナ装置を小型化することができる。
また、本発明の多周波共用MSAでは、前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子が直交する二つの中心線を有し、前記Lプローブが、前記中心線の各々の位置に配置されているように構成することもできる。
このMSAは、直交する垂直偏波と水平偏波とを共用する偏波共用アンテナとして用いることが可能である。
また、本発明の多周波共用MSAは、基板の一方の面に、正多角形または円形の外形を有する環状の平面導電路で形成され、点対称の位置に摂動素子が装荷された環状アンテナ素子と、前記環状アンテナ素子の内側または外側に平面導電路で形成された、前記環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、形状が相似し、かつ、点対称の位置に摂動素子が装荷された一または複数個の他の環状アンテナ素子とを具備し、前記基板の他方の面に、前記中心線の位置で前記基板を介して前記環状アンテナ素子の各々と1箇所で交差する直線状部と、前記直線状部が前記環状アンテナ素子の各々と交差する位置で前記直線状部から前記環状アンテナ素子の各々に沿って所定長さだけ延びるスタブ部とを有するLプローブを具備し、前記環状アンテナ素子の各々に電磁結合した前記Lプローブから各環状アンテナ素子への給電が行われ、前記環状アンテナ素子の各々に装荷する前記摂動素子の位置及び大きさが、前記摂動素子を装荷した他の環状アンテナ素子との相互作用を補償して所望の偏波特性が得られるように設定されていることを特徴とする。
このMSAでは、各環状アンテナ素子に形成される電流経路により、動作周波数が決まり、それらに装荷する摂動素子の位置及び大きさにより各環状アンテナ素子の偏波特性が決まる。
また、本発明の多周波共用MSAは、基板の一方の面に、正多角形または円形の外形を有する環状の平面導電路で形成され、点対称の位置に摂動素子が装荷された環状アンテナ素子と、前記環状アンテナ素子の内側に導電平面で形成された、前記環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、外形が相似し、かつ、点対称の位置に摂動素子が装荷された平面状アンテナ素子とを具備し、前記基板の他方の面に、前記中心線の位置で前記基板を介して前記環状アンテナ素子と1箇所で交差し、前記中心線の位置で前記基板を介して前記平面状アンテナ素子に対向する直線状部と、前記直線状部が前記環状アンテナ素子と交差する位置で前記直線状部から前記環状アンテナ素子に沿って所定長さだけ延びるスタブ部とを有するLプローブを具備し、前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子に電磁結合した前記Lプローブから前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子への給電が行われ、前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の各々に装荷する前記摂動素子の位置及び大きさが、前記摂動素子を装荷した環状アンテナ素子または平面状アンテナ素子との相互作用を補償して所望の偏波特性が得られるように設定されていることを特徴とする。
このMSAでは、環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子に形成される電流経路により、動作周波数が決まり、それらに装荷する摂動素子の位置及び大きさにより環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の偏波特性が決まる。
また、本発明の多周波共用MSAでは、さらに、前記環状アンテナ素子の外側に平面導電路で形成された、当該環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、形状が相似し、かつ、点対称の位置に摂動素子が装荷された一または複数個の他の環状アンテナ素子を具備し、前記Lプローブは、前記直線状部が前記基板を介して前記他の環状アンテナ素子と交差する位置で前記直線状部から前記他の環状アンテナ素子に沿って所定長さだけ延びるスタブ部を有し、前記他の環状アンテナ素子に装荷する前記摂動素子の位置及び大きさが、内側または外側に形成された前記摂動素子を装荷する環状アンテナ素子との相互作用を補償して所望の偏波特性が得られるように設定されているように構成することもできる。
このMSAでは、各環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子に形成される電流経路により、動作周波数が決まり、それらに装荷する摂動素子の位置及び大きさにより各環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の偏波特性が決まる。
また、本発明の多周波共用MSAでは、摂動素子の位置及び大きさを、環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の少なくとも1つで円偏波が発生するように設定し、あるいは右旋偏波が発生するように設定し、あるいは左旋偏波が発生するように設定し、あるいは環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の少なくとも1つで右旋偏波が発生し、他の環状アンテナ素子または平面状アンテナ素子で左旋偏波が発生するように設定し、あるいは環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の少なくとも1つで円偏波が発生し、他の環状アンテナ素子または平面状アンテナ素子で直線偏波が発生するように設定することができる。
本発明の多周波共用MSAは、多数の周波数を共用することができ、また、その周波数を任意に設定することができる。
また、その動作周波数の偏波特性を、左旋偏波、右旋偏波あるいは直線偏波に、自在に設定することができる。
本発明の第1の実施形態における多周波共用MSAの構成を示す図 本発明の第1の実施形態における多周波共用MSAの電流経路及び電流分布を示す図 本発明の第1の実施形態における多周波共用MSAのリターンロス特性を示す図 本発明の第1の実施形態における多周波共用MSAの放射パターンを示す図 本発明の第1の実施形態における多周波共用MSAの利得特性を示す図 1stモードのリング型MSAの幅を変えたときの共振周波数及び利得の変化を示す図 2ndモードのリング型MSAの幅を変えたときの共振周波数及び利得の変化を示す図 3rdモードのリング型MSAの幅を変えたときの共振周波数及び利得の変化を示す図 本発明の第1の実施形態における4個のリング型MSAと1個の方形MSAとから成る多周波共用MSAを示す図 図9の多周波共用MSAのリターンロス特性を示す図 図9の多周波共用MSAの電流経路及び電流分布を示す図 図9の多周波共用MSAの放射パターンを示す図 図9の多周波共用MSAの利得特性を示す図 本発明の第1の実施形態における6個のリング型MSAと1個の方形MSAとから成る多周波共用MSAを示す図 図14の多周波共用MSAのリターンロス特性を示す図 図14の多周波共用MSAの電流経路及び電流分布を示す図 図14の多周波共用MSAの放射パターンを示す図 本発明の第1の実施形態における方形MSAを抜いた多周波共用MSAの構成とリターンロス特性を示す図 本発明の第1の実施形態における偏波共用特性を持つ多周波共用MSAを示す図 図19の多周波共用MSAのリターンロス特性及びアイソレーション特性を示す図 本発明の第2の実施形態における多周波共用MSA(左旋−左旋)の構成を示す図 図21の多周波共用MSAのリターンロス特性及び電流分布を示す図 図21の多周波共用MSAの放射パターンを示す図 図21の多周波共用MSAの軸比を示す図 本発明の第2の実施形態における多周波共用MSA(左旋−左旋−左旋)の構成を示す図 図25の多周波共用MSAのリターンロス特性及び電流分布を示す図 図25の多周波共用MSAの放射パターンを示す図 図25の多周波共用MSAの軸比を示す図 本発明の第2の実施形態における多周波共用MSA(右旋−左旋−左旋)の構成を示す図 図29の多周波共用MSAのリターンロス特性及び電流分布を示す図 図29の多周波共用MSAの放射パターンを示す図 図29の多周波共用MSAの軸比を示す図 本発明の第2の実施形態における多周波共用MSA(直線−右旋−左旋)の構成を示す図(注、図25とはΔS1、ΔS2、ΔS3、ΔS4、ΔS5、ΔS6などを含む構造パラメータの寸法諸元が異なる。) 図33の多周波共用MSAのリターンロス特性を示す図 図33の多周波共用MSAの軸比を示す図 直線偏波MSAにLプローブ給電法を適用した形態(a)と、個別給電法を適用した形態(b)とを示す図 図36の各形態でのリターンロス特性を示す図 円偏波MSAにLプローブ給電法を適用した形態(a)と、個別給電法を適用した形態(b)とを示す図 図38の各形態でのリターンロス特性を示す図 従来の多周波共用MSAの構成を示す図 従来の多周波共用MSAのリターンロス特性を示す図 従来の多周波共用MSAの放射パターンを示す図 従来の多周波共用MSAの構成を示す図
符号の説明
1 パッチ
2 環状リング
3 摂動パターン
4 地導体
7 給電線
8 給電線
9 基板
11 絶縁基板
12 放射素子
13 地導体
14 給電線路
15 スリット
16 スリット
17 リング状素子部
18 リング状素子部
19 MSA素子部
21 第1の絶縁基板
22 放射素子
23 第2の絶縁基板
24 給電部(Lプローブ)
25 地導体
26 同軸コネクタ
31 スリット
32 スリット
33 スリット
221 リング型MSA
222 リング型MSA
223 リング型MSA
224 リング型MSA
225 リング型MSA
226 リング型MSA
227 方形MSA
241 Lプローブ
242 Lプローブ
2211 摂動素子
2212 摂動素子
2213 摂動素子
2214 摂動素子
2215 摂動素子
2216 摂動素子
2217 摂動素子
2218 摂動素子
2221 摂動素子
2222 摂動素子
2223 摂動素子
2224 摂動素子
2225 摂動素子
2226 摂動素子
2230 方形MSA
2231 摂動素子
2232 摂動素子
2233 摂動素子
2234 摂動素子
2235 摂動素子
2236 摂動素子
2237 摂動素子
2238 摂動素子
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態では、多数の周波数において直線偏波の送受信が可能な多周波共用MSAについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における多周波共用MSAの構成を示している。図1(a)は斜視図であり、図1(b)は断面図である。また、図1(c)はLプローブの拡大図、図1(d)は放射素子の拡大図である。
この多周波共用MSAは、第1の絶縁基板21に形成されたリング形状及び方形状の金属導体層から成る放射素子22と、第2の絶縁基板23に形成された串形状の金属導体層から成る給電部24と、第2の絶縁基板23の裏面に設けられた地導体25と、中心導体及び外側導体を有する同軸コネクタ26とを備えている。
放射素子22は、ロ字形状のリング型MSA221、222、223と、四角形状の方形MSA227とから成り、これらは、アンテナ部基板である第1の絶縁基板21上の金属導体層に3本のスリット31、32、33を設けることにより形成されている。
給電部24の串形状の金属導体層は、リング型MSA221、222、223の一辺の中央を横断して方形MSA227の下部にまで至る長さP1の直線部分と、この直線部分の両側からリング型MSA221、222、223の各々に沿って長さPtだけ延びるスタブ部分とを有している。
同軸コネクタ26の中心導体の先端は、第2の絶縁基板23を貫通して給電部24の直線部分に接続し、また、中心導体から絶縁された同軸コネクタ26の外側導体は、地導体25に接続している。
この給電部24は、広帯域での電磁結合型の給電が可能な従来の“Lプローブ”にスタブ部分を設けており、このスタブ部分の長さPtを調節して、各共振周波数に基づく固有モードの整合を取っている。
また、第2の絶縁基板23は、Lプローブ24を構成する給電用基板としての役割を果たし、アンテナ部基板である第1の絶縁基板21と、Lプローブ24を挟む形で積層されている。
リング型MSA221、222、223及び方形MSA227を有する放射素子22には、図2(a)(b)(c)(d)に示す4つの電流経路が形成され、Lプローブ24から給電を受けた場合に、各電流経路による共振現象が現れる。図2では、電磁界シミュレータ(モーメント法を用いる電磁界シミュレータ(IE3D))で求めた各電流経路の電流分布を矢印で模式的に示している。図2(a)(b)(c)(d)に示すように、各電流経路には、Lプローブ24の位置から、その対称位置に向かう一様な電流分布が出現する。
ここでは、リング型MSA221に現れる最も長い電流経路(図2(a))の電流分布に基づく現象を“1stモード”、リング型MSA222に現れる2番目に長い電流経路(図2(b))の電流分布に基づく現象を“2ndモード”、リング型MSA223に現れる3番目に長い電流経路(図2(c))の電流分布に基づく現象を“3rdモード”、方形MSA227に現れる最も短い電流経路(図2(d))の電流分布に基づく現象を“4thモード”と呼ぶことにする。
図3は、この多周波共用MSAのリターンロス特性を示している。ただし、図1に符号で示した多周波共用MSAの各種寸法諸元は次の通り設定した(単位はmm)。
a1=b1=22.1、 w1=w2=1.6、w3=1.2、d1=d2=d3=0.4、Pl=10.3、Pw=1.5、Ps=0.8、Pd=0.8、Pt=2.25、t1=t2=1.2
また、第1及び第2の絶縁基板21、23には、テフロン(登録商標)グラスファイバ基板(PTFE基板、比誘電率εr=2.6、tanδ=1.8×10-3)を使用し、この基板に銅薄膜が被着されたプリント基板をエッチングして、放射素子22とLプローブ24とを形成した。
図3では、縦軸にリターンロスの値(dB)、横軸に周波数(GHz)を示している。図中、実線は実測値(Exp)、点線はシミュレーション値(Sim)を示している。
図3において、(a)2.69GHz(Exp)(2.68GHz(Sim))にみられる共振現象は、1stモードの電流分布に対応するものである。また、(b)3.35GHz(Exp)(3.36GHz(Sim))、(c)4.32GHz(Exp)(4.33GHz(Sim))及び(d)6.62GHz(Exp)(6.59GHz(Sim))における共振現象は、各々、2ndモード、3rdモード及び4thモードの電流分布に対応するものである。
図2より明らかなように、モードの次数が増加するに伴い、各々のモードに対応する電流経路の経路長が短縮化され、図3に見られるように、各モードの共振周波数が上昇している。
このように、この多周波共用MSAにより、異なる4つの周波数を動作周波数とするマルチバンド特性が実現される。また、リターンロス特性の実測値は、図3から分かるように、設計上有意な範囲でシミュレーション値と良く一致している。
図4は、この多周波共用MSAの1stモード、2ndモード、3rdモード及び4thモードにおける放射パターンを(a)(b)(c)及び(d)に示している。なお、この図では、各共振周波数において、E面の放射パターンだけでなく、参考のために、H面の放射パターンを併せて示している。図中、実線は放射パターンを示し、点線は交差偏波レベルを示している。
図4から明らかのように、1stモード、2ndモード、3rdモード及び4thモードの放射パターンは、E面、H面共に単向性の良好なパターンを示し、交差偏波成分も天頂方向(θ=0°)において最悪値で−20dB以下まで抑制されている。
また、図5は、各モードにおける利得の値を示している。この図の横軸には周波数、縦軸には利得を取っている。1stモード、2ndモード、3rdモード及び4thモードのすべてにおいて4.0dBi以上の利得が得られている。
このように、この多周波共用MSAは、放射素子22の面積が図40の放射素子12と同程度にも関わらず、より多くの共振周波数を保持することが可能であり、各共振周波数での放射パターンの特性は、図40のMSAに比較して遜色がない。
この多周波共用MSAの串形状に成形したLプローブ24は、スタブの長さを、各モードにおいて整合が取れるように設定しているため、共振周波数が広い範囲に拡がる各モードの電流経路に対して、その範囲をすべてカバーする給電信号を効率的に供給することが可能であり、それが優れた多周波共用特性の実現にも貢献している。
次に、この多周波共用MSAの共振周波数を制御する方法について説明する。
この多周波共用MSAでは、アンテナ部基板上の金属導体層に形成するスリットの位置を変え、各モードの電流経路の長さを変えることにより、共振周波数を変更することができる。
図6は、2ndモードの電流経路の長さを変えるために、図6(a)に示すように、1stモードのリング型MSA221の幅W1を変えた(即ち、スリット31の位置を変えた)場合の1stモード及び2ndモードの共振周波数の変化を示している(スリット31の幅dは0.4mmに固定)。図6(b)は、このときの1stモード及び2ndモードの電流経路を示し、図6(c)は、幅W1に応じた共振周波数の変化をグラフで示している。この図の横軸はW1(mm)、縦軸は共振周波数(GHz)を表している。また、図6(d)は、幅W1の変化に伴う利得の値の変化をグラフで示している。この図の横軸はW1(mm)、縦軸は利得(dBi)を表している。
また、図7は、3rdモードの電流経路の長さを変えるために、図7(a)に示すように、1stモードのリング型MSA221の幅W1は固定して、2ndモードのリング型MSA222の幅W2を変えた場合の1stモード、2ndモード及び3rdモードの共振周波数の変化を示している(スリット31、32の幅dは0.4mmに、W1は1.6mmに固定)。図7(b)は、このときの1stモード、2ndモード及び3rdモードの電流経路を示し、図7(c)は、幅W2に応じた共振周波数の変化をグラフで示し、また、図7(d)は、幅W2の変化に伴う利得の値の変化をグラフで示している。
また、図8は、4thモードの電流経路の長さを変えるために、図8(a)に示すように、1stモードのリング型MSA221の幅W1、及び2ndモードのリング型MSA222の幅W2は固定して、3rdモードのリング型MSA223の幅W3を変えた場合の1stモード、2ndモード、3rdモード及び4thモードの共振周波数の変化を示している(スリット31、32、33の幅dは0.4mmに、W1、W2は1.6mmに固定)。このときの1stモード、2ndモード、3rdモード及び4thモードの電流経路は、図2に示すとおりである。図8(b)は、幅W3に応じた共振周波数の変化をグラフで示し、また、図8(c)は、幅W3の変化に伴う利得の値の変化をグラフで示している。
図6〜図8から明らかなように、各モードの電流経路の長さを変えることにより、共振周波数を変更することができる。リング型MSAの幅が増えても、そのリング型MSAの共振周波数は殆ど変化しない。これは、電流経路がリング型MSAや方形MSAの最外周近傍に形成されることを示している。利得の値は、リング型MSAの幅に大きく影響し、幅が狭いと利得が低下する。
この多周波共用MSAは、さらにモード数を増やすことが可能である。
図9は、放射素子22が、4個のリング型MSA221、222、223、224と、1個の方形MSA227とから成る多周波共用MSAを示している。図9(a)はその斜視図、図9(b)は断面図、図9(c)は放射素子の拡大図である。
この多周波共用MSAの各種寸法諸元は次の通り設定している(単位はmm)。
a=b=22.1、w1=w2=w3=w4=0.8、d1=d2=d3=d4=0.4、Pl=10.8、Pw=1.5、Ps=0.8、Pd=0.8、Pt=1.25、t1=t2=1.2
また、第1及び第2の絶縁基板21、23は、図1と同じものを使用した。
また、Lプローブ24には、リング型MSA221、222、223、224の各々に対応するスタブ部分を設けている。
図10は、この多周波共用MSAのリターンロス特性(シミュレーション値)を示している。図10において、(a)2.58GHzは1stモード、(b)2.95GHzは2ndモード、(c)3.39GHzは3rdモード、(d)3.99GHzは4thモード、(e)5.20GHzは1stモードの第1高次モード、(f)5.91GHzは2ndモードの第1高次モード、そして、(g)6.42GHzは5thモードに対応している。
図11(a)〜(g)は、図10の各モードにおける電流経路及び電流分布を示している。(a)1stモード、(b)2ndモード、(c)3rdモード、(d)4thモード、及び(g)5thモードの各電流経路には、Lプローブ24の位置から、その対称位置に向かう一様な電流分布が出現している。これに対して、(e)1stモードの第1高次モード、及び(f)2ndモードの第1高次モードでは、電流経路の途中で電流方向が反転する電流分布が出現している。
図12(a)〜(g)は、図10の各モードにおける放射パターンを示している。(e)1stモードの第1高次モード、及び(f)2ndモードの第1高次モードでは、高い交差偏波レベルを示しているが、(a)1stモード、(b)2ndモード、(c)3rdモード、(d)4thモード、及び(g)5thモードの各モードでは、単向性の良好な放射パターンを示し、交差偏波レベルも極めて低い。
また、図13は、(a)1stモード、(b)2ndモード、(c)3rdモード、(d)4thモード、及び(g)5thモードにおける利得の値を示している。
このように、この多周波共用MSAは、(e)及び(f)の高次モードを使用対象から除外することにより、(a)1stモード、(b)2ndモード、(c)3rdモード、(d)4thモード、及び(g)5thモードの各モードにおいて優れた特性を示す多周波共用アンテナとして使用することができる。
また、図14は、放射素子22が、6個のリング型MSA221、222、223、224、225、226と、1個の方形MSA227とから成る多周波共用MSAを示している。図14(a)はその斜視図、図14(b)は断面図、図14(c)は放射素子の拡大図である。
この多周波共用MSAの各種寸法諸元は次の通り設定している(単位はmm)。
a=b=22.1、w1〜w6=0.4、d1〜d6=0.4、Pl=10.8、Pw=1.5、Ps=0.8、Pd=0.8、Pt=3.75、t1=t2=1.2
また、第1及び第2の絶縁基板21、23は、図1と同じものを使用した。
また、Lプローブ24には、リング型MSA221、222、223、224、225、226の各々に対応するスタブ部分を設けている。
図15は、この多周波共用MSAのリターンロス特性(シミュレーション値)を示している。図15において、(a)2.53GHzは1stモード、(b)2.77GHzは2ndモード、(c)3.01GHzは3rdモード、(d)3.30GHzは4thモード、(e)3.65GHzは5thモード、(f)4.09GHzは6thモード、そして、(g)6.69GHzは7thモードに対応している。
図16(a)〜(g)は、図15の各モードにおける電流経路及び電流分布を示している。各モードの各電流経路には、Lプローブ24の位置から、その対称位置に向かう一様な電流分布が出現している。
図17(a)〜(g)は、図15の各モードにおける放射パターンを示している。各モードで単向性の良好な放射パターンを示しており、交差偏波レベルも極めて低い。
このように、この多周波共用MSAは、(a)1stモード、(b)2ndモード、(c)3rdモード、(d)4thモード、(e)5thモード、(f)6thモード、及び(g)7thモードの各モードにおいて優れた特性を示す多周波共用アンテナとして使用することができる。
また、これらの多周波共用MSAでは、方形MSAを除いて、リング型MSAだけを放射素子に用いることも可能である。図18は、その一例として、リング型MSA221、222、223だけから成る多周波共用MSAの放射素子形状(図18(a))と、リターンロス特性(図18(b))とを示している。
この多周波共用MSAの各種寸法諸元は次の通り設定した(単位はmm)。
a=b=22.1、w1=w2=1.6、w3=1.2、d1=d2=0.4、Pl=5.2、Pw=1.5、Ps=0.8、Pd=0.8、Pt=0.25、t1=t2=1.2
このように方形MSAを抜かした場合は、放射素子の中央部分を付属回路素子の設置場所として利用することが可能になり、アンテナ装置の小型化を図ることができる。
また、この多周波共用MSAは、図19に示すように、直交する位置に二つのLプローブ241、242を設けることにより、直線偏波の直交する垂直偏波と水平偏波とを共用する偏波共用アンテナとして用いることが可能である。図19(a)は、その斜視図、図19(b)は、放射素子の拡大図である。
偏波共用特性では、直交する二つの偏波を独立に、互いに干渉すること無く、送受信することが必要であり、交差偏波レベルが低いこと、及び、アイソレーション特性が良好であること、即ち、片方のポートから給電されたエネルギーが他方のポートへ出力される量の小さいこと、が求められる。
この多周波共用MSAの各種寸法諸元は次の通り設定している(単位はmm)。
a=b=22.1、w1=w2=1.6、w3=1.2、d1=d2=0.4、P1l=P12=5.8、Pw1=Pw2=1.5、Ps1=Ps2=0.8、Pd1=Pd2=0.8
図20は、この多周波共用MSAのリターンロス特性及びアイソレーション特性を示している。図中、実線はリターンロス特性を示し、そのスケールを左側に表記している。また、点線はアイソレーション特性を示し、そのスケールを右側に表記している。
各々の共振周波数におけるアイソレーションは、−30dB以下の値を示しており、良好な特性が得られている。
このように、この多周波共用MSAでは、もう一つのLプローブを追加することで、容易に偏波共用特性を実現することができる。
なお、これまでは多周波共用MSAの放射特性について説明してきたが、この多周波共用MSAを受信アンテナとして使用する場合に、全く同じ特性が得られることはアンテナの“相反性”から自明である。
このように、この多周波共用MSAは、直線偏波の電波を送受信する、単向性を備えた平面構造のマルチバンドアンテナとしての有用性を有している。この多周波共用MSAは、例えば、GSM、DCS及びPCS方式を受信するセルラ電話用3周波共用マルチバンドアンテナとして用いたり、また、無線LAN用(2.4GHz帯及び5.0GHz帯)及びVICS用(2.5GHz帯)のマルチバンドアンテナとしての応用などを想定することができる。さらに、移動通信(垂直偏波)とテレビ受信(水平偏波)との共用や偏波ダイバーシチ受信なども可能である。また、どの周波数帯にも対応可能なアンテナとして使用することもできる。
なお、ここでは、リング型MSAをロ字状に形成し、中央に方形MSAを形成する(または形成しない)場合について説明したが、リング型MSA及び中央のMSAの形状は、正方形、長方形、正六角形、正三角形、円等、中心線に対して左右対称の形状であれば良い。このとき、Lプローブは、その中心線の位置に配置する。
また、ここでは、基板としてテフロン(登録商標)グラスファイバ基板を使用し、この基板に形成された銅薄膜をエッチングして放射素子22やLプローブ24を形成する場合について説明したが、本発明は、それに限るものではなく、例えば、セラミックスグリーンシートに金属粉末を含むメタライズドペーストで放射素子やLプローブ等の導体パターンを印刷し、それらを積層して焼成するような方法で形成しても良い。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、複数の動作周波数における偏波特性を自在に設定できる多周波共用MSAについて説明する。
図21は、本発明の第2の実施形態における多周波共用MSAの構成を示している。図21(a)は斜視図であり、図21(b)は断面図である。また、図21(c)はLプローブの拡大図、図21(d)は放射素子の拡大図である。
この多周波共用MSAは、第1の絶縁基板21に形成されたリング形状及び方形状の金属導体層から成る放射素子22と、第2の絶縁基板23に形成された串形状の金属導体層から成る給電部24と、第2の絶縁基板23の裏面に設けられた地導体25と、中心導体及び外側導体を有する同軸コネクタ26とを備えている。
放射素子22は、正方形の枠状のリング型MSA221と、正方形の方形MSA2230とから成り、これらは、アンテナ部基板である第1の絶縁基板21上の金属導体層に1本のスリット31を設けることにより形成されている。また、リング型MSA221には、対角線上の二隅に、金属導体層を三角形状に切除した摂動素子2211、2212が形成され、また、方形MSA2230には、前記対角線と交差する対角線上の二隅に同様の摂動素子2231、2232が形成されている。
給電部24の串形状の金属導体層は、リング型MSA221の一辺の中央を横断して方形MSA2230にまで至る長さP1の直線部分と、この直線部分の両側からリング型MSA221に沿って長さPtだけ延びるスタブ部分とを有している。
同軸コネクタ26の中心導体の先端は、第2の絶縁基板23を貫通して給電部24の直線部分に接続し、また、中心導体から絶縁された同軸コネクタ26の外側導体は、地導体25に接続している。
この給電部24は、広帯域での電磁結合型の給電が可能な従来の“Lプローブ”にスタブ部分を設けており、このスタブ部分の長さPtを調節して、リング型MSA221が関与する固有モードの整合を取っている。
また、第2の絶縁基板23は、Lプローブ24を構成する給電用基板としての役割を果たし、アンテナ部基板である第1の絶縁基板21と、Lプローブ24を挟む形で積層されている。
この多周波共用MSAにおいて、図21に符号で示した各種寸法諸元は、次の通り設定している。
a=b=22.1、w1=1.6、d1=0.4、Pl=9.8、Pw=1.5、Ps=0.8、Pd=0.8、Pt=2.25、t1=t2=1.2(以上、単位はmm)。
また、方形MSA2230の摂動素子2231の面積をΔS1、摂動素子2232の面積をΔS2とするとき、ΔS1=ΔS2とし、方形MSA2230の摂動素子を装荷しない場合の全面積(摂動素子の面積を加えた面積)に対する(ΔS1+ΔS2)の比率を2.63%(“ΔS1+ΔS2=2.63%”と表記する。)に設定し、また、リング型MSA221の摂動素子2211の面積をΔS3、摂動素子2212の面積をΔS4とするとき、ΔS3=ΔS4とし、リング型MSA221の摂動素子を装荷しない場合の全面積に対する(ΔS3+ΔS4)の比率を、ΔS3+ΔS4=0.95%に設定している。
また、第1及び第2の絶縁基板21、23には、テフロン(登録商標)グラスファイバ基板(PTFE基板、比誘電率εr=2.6、tanδ=1.8×10-3)を使用し、この基板に銅薄膜が被着されたプリント基板をエッチングして、放射素子22とLプローブ24とを形成している。
この放射素子22のリング型MSA221には、給電を受けると、Lプローブ24上の点を始点とし、その始点と向かい合う点を終点とする第1の電流経路が形成され、それとともに、装荷された摂動素子2211、2212の作用で、第1の電流経路と直交する方向の第2の電流経路が形成される。それ故、給電を受けたリング型MSA221には、図22(a)に模式的に示すように、第1の電流経路に流れる電流分布(白矢印)と、第2の電流経路に流れる電流分布(黒矢印)とが生じ、これらの電流は直交している。
摂動素子2211、2212の大きさΔS3、ΔS4は、直交する電流の位相差が±90°となるように設定しており、そのため、リング型MSA221からは円偏波の電波が放射される。
なお、リング型MSA221が単独で存在する場合は、図22(a)に示すように、Lプローブ24が位置する辺の左側と、その対角線上の位置とに摂動素子2211、2212を装荷すると、右旋偏波(電波の進行方向に対して右旋回する円偏波)が発生し、逆に、Lプローブ24が位置する辺の右側と、その対角線上の位置とに摂動素子を装荷すると、左旋偏波が発生する。しかし、他のMSAが隣接している場合は、他のMSAとの相互作用により円偏波の旋回方向が変わってくる。
また、給電を受けた方形MSA2230にも、同様に、Lプローブ24上の点を始点とし、その始点と向かい合う点を終点とする第1の電流経路と、摂動素子2231、2232に起因する、第1の電流経路と直交する方向の第2の電流経路とが形成される(なお、第1の電流経路及び第2の電流経路は、方形MSA2230の周縁近くに形成される)。それ故、給電を受けた方形MSA2230には、図22(b)に模式的に示すように、第1の電流経路に流れる電流分布(白矢印)と、これに直交する第2の電流経路に流れる電流分布(黒矢印)とが生じる。
摂動素子2231、2232の大きさΔS1、ΔS2は、直交する電流の位相差が±90°となるように調整されており、そのため、方形MSA2230からも円偏波の電波が放射される。
図22(c)は、この多周波共用MSAのリターンロス特性を示している。縦軸にリターンロスの値(dB)、横軸に周波数(GHz)を示している。
リターンロスの値(dB)は、通常、アンテナでは−10dBを切ることが一応の目安とされているが、この多周波共用MSAでは、(a)2.75GHz及び(b)4.68GHzにおいて、その値が−10dBを大きく超えている。(a)2.75GHzの共振現象は、リング型MSA221の電流分布により齎されており、これを“1stモード”と呼ぶことにする。また、(b)4.68GHzの共振現象は、方形MSA2230により齎されており、これを “2ndモード”と呼ぶことにする。
図23(a)は、1stモードの放射パターンを示し、図23(b)は、2ndモードの放射パターンを示している。図23(a)(b)において、外側の実線及び点線(実線及び点線はほぼ重なっている)は、Lプローブの幅方向と天頂方向を含む面(以下、“φ=0°面”と呼ぶ。)及びLプローブの長さ方向と天頂方向を含む面(以下、“φ=90°面”と呼ぶ。)における左旋偏波の放射レベルを示し、内側の実線及び点線は、φ=0°面及びφ=90°面における右旋偏波の放射レベルを示している。この放射パターンから、この多周波共用MSAは、1stモード及び2ndモードのいずれにおいても左旋偏波を発生することが分かる。
図24は、天頂方向(θ=0)に放射される円偏波の軸比を示している。軸比の値(dB)は、楕円の長軸をa、短軸をbとするとき、20×log(a/b)で算出している。従って、完全な円偏波では、軸比の値が0dBになる。一般的には、3dB以下であれば円偏波と看做されている。
図24(c)は、各周波数での軸比を示しており、図24(a)は、1stモード(2.75GHz)における軸比の拡大図、図24(b)は、2ndモード(4.68GHz)における軸比の拡大図である。1stモード及び2ndモードの軸比は0.5dB程度であり、良好な円偏波が発生していることを示している。
このように、この多周波共用MSAは、異なる2つの周波数のそれぞれにおいて左旋の円偏波を発生することができる。
摂動素子2211、2212、2231、2232の設置位置及び大きさは、各モードにおいて所望の偏波特性が得られるように調整する必要がある。この多周波共用MSAでは、先ず、方形MSA2230が2ndモードの周波数で左旋偏波を発生するように摂動素子2231、2232の位置及び大きさを設定し、次に、リング型MSA221が、方形MSA2230との相互作用を受けながらも、1stモードの周波数で左旋偏波を発生するように摂動素子2211、2212の位置及び大きさを設定している。
こうして求めた摂動素子2211、2212、2231、2232の位置及び大きさが図21に示したものである。この場合、リング型MSA221の摂動素子2211、2212の位置及び大きさを先に決め、方形MSA2230の摂動素子2231、2232の位置及び大きさを後から決めても良い。また、同様の手順で、方形MSA2230及びリング型MSA221の一方または双方を右旋偏波に設定することも可能である。
また、Lプローブ24のスタブの長さは、1stモードにおいてリング型MSA221と整合が取れるように設定している。
また、この多周波共用MSAでは、各モードの電流経路の長さを変えて、共振周波数を変更することができる。放射素子22の外形を一定に保つ場合であっても、アンテナ部基板21上の金属導体層に形成するスリット31の位置を移動することで、方形MSA2230の電流経路の長さを変え、その共振周波数を変化させることができる。なお、リング型MSA221の電流経路は、リングの外周近くに形成されるため、スリット31の位置を移動しても、共振周波数は、左程変化しない。
この多周波共用MSAは、さらにモード数を増やし、その偏波特性を任意に設定することが可能である。
図25は、放射素子22が、摂動素子を有する2本のリング型MSA221、222と方形MSA2230とから成り、各MSA221、222、223が左旋の円偏波を発生する多周波共用MSAを示している。図25(a)は斜視図、図25(b)は断面図、図25(c)はLプローブの拡大図、図25(d)は放射素子の拡大図である。Lプローブ24には、リング型MSA221、222の各々に対応するスタブ部分を設けている。
この多周波共用MSAの各種寸法諸元は次の通り設定している。
a1=b1=22.1、w1=w2=1.6、d1=d2=0.4、Pl=10.8、Pw=1.5、Ps=0.8、Pd=0.8、Pt=2.25、t1=t2=1.2(以上、単位はmm)。
また、方形MSA2230の摂動素子2233の面積をΔS1、摂動素子2234の面積をΔS2、リング型MSA222の摂動素子2221の面積をΔS3、摂動素子2222の面積をΔS4、リング型MSA221の摂動素子2213の面積をΔS5、摂動素子2214の面積をΔS6とするとき、ΔS1=ΔS2、ΔS3=ΔS4、ΔS5=ΔS6であり、ΔS1+ΔS2=3.65%、ΔS3+ΔS4=0.71%、ΔS5+ΔS6=0.51%に設定している。
また、第1及び第2の絶縁基板21、23は、図21と同じものを使用している。
図26(d)は、この多周波共用MSAのリターンロス特性を示している。図中、(a)2.73GHz、(b)3.43GHz、(c)5.87GHzに現れている共振現象は、それぞれ、リング型MSA221、リング型MSA222、方形MSA2230の電流分布に基づいて生じており、これらを“1stモード” “2ndモード” “3rdモード” と呼ぶことにする。図26(a)、図26(b)、図26(c)には、それぞれ、1stモード、2ndモード、3rdモードの電流分布を模式的に示している。なお、図26(d)の5.3GHz付近に現れている共振現象は、1stモードの高次モードであり、これは共用対象の周波数から除外する必要がある。
図27(a)は、1stモードの放射パターンを示し、図27(b)は、2ndモードの放射パターンを示し、図27(c)は、3rdモードの放射パターンを示している。図27(a)(b)(c)において、外側の実線及び点線(実線及び点線はほぼ重なっている)は、φ=0°面及びφ=90°面における左旋偏波の放射レベルを示し、内側の実線及び点線は、φ=0°面及びφ=90°面における右旋偏波の放射レベルを示している。この放射パターンから、この多周波共用MSAは、1stモード、2ndモード及び3rdモードのいずれにおいても左旋偏波を発生することが分かる。
図28(d)は、各周波数での軸比を示しており、図28(a)は、1stモード(2.73GHz)における軸比の拡大図、図28(b)は、2ndモード(3.43GHz)における軸比の拡大図、図28(c)は、3rdモード(5.87GHz)における軸比の拡大図である。1stモードの軸比は0.5dB、2ndモード及び3rdモードの軸比は1dB程度であり、いずれのモードにおいても、良好な円偏波が発生していることを示している。
この多周波共用MSAでは、先ず、方形MSA2230が3rdモードの周波数で左旋偏波を発生するように摂動素子2233、2234の位置及び大きさを設定し、次に、リング型MSA222が、方形MSA2230との相互作用を受けながらも、2ndモードの周波数で左旋偏波を発生するように摂動素子2221、2222の位置及び大きさを設定し、次に、リング型MSA221が、方形MSA2230及びリング型MSA222との相互作用を受けながらも、1stモードの周波数で左旋偏波を発生するように摂動素子2213、2214の位置及び大きさを設定している。
こうして求めた摂動素子2213、2214、2221、2222、2233、2234の位置及び大きさが図25に示したものである。この場合、リング型MSA221またはリング型MSA222の摂動素子の位置及び大きさを先に決め、方形MSA2230の摂動素子の位置及び大きさを後から決めても良い。また、同様の手順で、方形MSA2230、リング型MSA222及びリング型MSA221の内の一または複数を右旋偏波に設定することも可能である。
また、Lプローブ24のスタブの長さは、1stモードにおいてリング型MSA221と整合が取れ、2ndモードにおいてリング型MSA222と整合が取れるように設定している。このように、串形状に成形したLプローブ24のスタブの長さを、各モードにおいて整合が取れるように設定することにより、共振周波数が広い範囲に拡がる各モードの電流経路に対して、その範囲をすべてカバーする給電信号を効率的に供給することが可能となる。
また、この多周波共用MSAでは、第1の絶縁基板21上の金属導体層に形成するスリット31、32の位置を移動することで、リング型MSA222や方形MSA2230の電流経路の長さを変え、それらの共振周波数を変化させることができる。
図29は、放射素子22が、摂動素子を有する2本のリング型MSA221、222と方形MSA2230とから成り、リング型MSA221が右旋の円偏波、リング型MSA222及び方形MSA2230が左旋の円偏波を発生する多周波共用MSAを示している。図29(a)は斜視図、図29(b)は断面図、図29(c)はLプローブの拡大図、図29(d)は放射素子の拡大図である。Lプローブ24には、リング型MSA221、222の各々に対応するスタブ部分を設けている。
この多周波共用MSAの各種寸法諸元は次の通り設定している。
a1=b1=22.1、w1=w2=1.6、d1=d2=0.4、Pl=10.8、Pw=1.5、Ps=0.8、Pd=0.8、Pt=2.25、t1=t2=1.2(以上、単位はmm)。
また、方形MSA2230の摂動素子2235の面積をΔS1、摂動素子2236の面積をΔS2、リング型MSA222の摂動素子2223の面積をΔS3、摂動素子2224の面積をΔS4、リング型MSA221の摂動素子2215の面積をΔS5、摂動素子2216の面積をΔS6とするとき、ΔS1=ΔS2、ΔS3=ΔS4、ΔS5=ΔS6であり、ΔS1+ΔS2=3.65%、ΔS3+ΔS4=0.66%、ΔS5+ΔS6=0.03%に設定している。
また、第1及び第2の絶縁基板21、23は、図21と同じものを使用している。
図30(d)は、この多周波共用MSAのリターンロス特性を示している。図中、(a)2.71GHz、(b)3.43GHz、(c)5.87GHzに現れている共振現象は、それぞれ、リング型MSA221、リング型MSA222、方形MSA2230の電流分布に基づいて生じており、これらを“1stモード” “2ndモード” “3rdモード” と呼ぶことにする。図30(a)、図30(b)、図30(c)には、それぞれ、1stモード、2ndモード、3rdモードの電流分布を模式的に示している。
図31(a)は、1stモードの放射パターンを示し、図31(b)は、2ndモードの放射パターンを示し、図31(c)は、3rdモードの放射パターンを示している。図31(a)において、外側の実線及び点線(実線及び点線はほぼ重なっている)は、φ=0°面及びφ=90°面における右旋偏波の放射レベルを示し、内側の実線及び点線は、φ=0°面及びφ=90°面における左旋偏波の放射レベルを示している。また、図31(b)(c)では、外側の実線及び点線(実線及び点線はほぼ重なっている)が、φ=0°面及びφ=90°面における左旋偏波の放射レベルを示し、内側の実線及び点線が、φ=0°面及びφ=90°面における右旋偏波の放射レベルを示している。この放射パターンから、この多周波共用MSAでは、1stモードで右旋偏波が発生し、2ndモード及び3rdモードで左旋偏波が発生することが分かる。
図32(d)は、各周波数での軸比を示しており、図32(a)は、1stモード(2.71GHz)における軸比の拡大図、図32(b)は、2ndモード(3.43GHz)における軸比の拡大図、図32(c)は、3rdモード(5.87GHz)における軸比の拡大図である。1stモード及び2ndモードの軸比は0.5dB以下、3rdモードの軸比は1dB程度であり、いずれのモードにおいても、良好な円偏波が発生していることを示している。
この多周波共用MSAでは、先ず、方形MSA2230が3rdモードの周波数で左旋偏波を発生するように摂動素子2235、2236の位置及び大きさを設定し、次に、リング型MSA222が、方形MSA2230との相互作用を受けながらも、2ndモードの周波数で左旋偏波を発生するように摂動素子2223、2224の位置及び大きさを設定し、次に、リング型MSA221が、方形MSA2230及びリング型MSA222との相互作用を受けながらも、1stモードの周波数で右旋偏波を発生するように摂動素子2225、2226の位置及び大きさを設定している。
こうして求めた摂動素子2215、2216、2223、2224、2235、2236の位置及び大きさが図29に示したものである。この場合、リング型MSA221またはリング型MSA222の摂動素子の位置及び大きさを先に決め、方形MSA2230の摂動素子の位置及び大きさを後から決めても良い。
また、図33は、放射素子22が、摂動素子を有する2本のリング型MSA221、222と方形MSA2230とから成り、リング型MSA221が直線偏波、リング型MSA222が右旋の円偏波、方形MSA2230が左旋の円偏波を発生する多周波共用MSAを示している。図33(a)は斜視図、図33(b)は断面図、図33(c)はLプローブの拡大図、図33(d)は放射素子の拡大図である。Lプローブ24には、リング型MSA221、222の各々に対応するスタブ部分を設けている。
この多周波共用MSAの各種寸法諸元は次の通り設定している。
a1=b1=22.1、w1=w2=1.6、d1=d2=0.4、Pl=10.8、Pw=1.5、Ps=0.8、Pd=0.8、Pt=2.25、t1=t2=1.2(以上、単位はmm)。
また、方形MSA2230の摂動素子2237の面積をΔS1、摂動素子2238の面積をΔS2、リング型MSA222の摂動素子2225の面積をΔS3、摂動素子2226の面積をΔS4、リング型MSA221の摂動素子2217の面積をΔS5、摂動素子2218の面積をΔS6とするとき、ΔS1=ΔS2、ΔS3=ΔS4、ΔS5=ΔS6であり、ΔS1+ΔS2=3.65%、ΔS3+ΔS4=1.21%、ΔS5+ΔS6=0.41%に設定している。
また、第1及び第2の絶縁基板21、23は、図21と同じものを使用している。
図34は、この多周波共用MSAのリターンロス特性を示している。図中の(a)(b)(c)に現れている共振現象は、それぞれ、リング型MSA221、リング型MSA222、方形MSA2230の電流分布に基づいて生じており、これらを“1stモード” “2ndモード” “3rdモード” と呼ぶことにする。
図35(d)は、各周波数での軸比を示しており、図35(a)は、1stモードにおける軸比の拡大図、図35(b)は、2ndモードにおける軸比の拡大図、図35(c)は、3rdモードにおける軸比の拡大図である。1stモードの軸比は30dB程度であり、直線偏波と看做すことができる。2ndモード及び3rdモードの軸比は1dB以下であり、良好な円偏波が発生していることを示している。
この多周波共用MSAでは、先ず、方形MSA2230が3rdモードの周波数で左旋偏波を発生するように摂動素子2237、2238の位置及び大きさを設定し、次に、リング型MSA222が、方形MSA2230との相互作用を受けながらも、2ndモードの周波数で右旋偏波を発生するように摂動素子2225、2226の位置及び大きさを設定し、次に、リング型MSA221が、方形MSA2230及びリング型MSA222との相互作用を受けながらも、1stモードの周波数で直線偏波を発生するように摂動素子2217、2218の位置及び大きさを設定している。
こうして求めた摂動素子2217、2218、2225、2226、2237、2238の位置及び大きさが図33に示したものである。この場合、リング型MSA221またはリング型MSA222の摂動素子の位置及び大きさを先に決め、方形MSA2230の摂動素子の位置及び大きさを後から決めても良い。
このように、この多周波共用MSAは、リング型MSAの数を増やして、動作周波数の多様化を図ることができ、また、それらの動作周波数の偏波特性を、左旋偏波、右旋偏波あるいは直線偏波に、自在に設定することができる。
また、この多周波共用MSAでは、方形MSAを除いて、リング型MSAだけで放射素子を構成することもできる。こうすることで、放射素子の中央部分を付属回路素子の設置場所として利用したり、Lプローブへの電気接続場所として使用したりできるため、アンテナ装置の小型化が可能になる。
なお、これまでは多周波共用MSAの放射特性について説明してきたが、この多周波共用MSAを受信アンテナとして使用する場合に、全く同じ特性が得られることはアンテナの“相反性”から自明である。
従って、本発明の多周波共用MSAは、1つの装置で、例えば、GPS(右旋)、衛星デジタル音声放送(左旋)、ETC(右旋)、移動通信(直線)、無線LAN(直線)などの受信が可能なアンテナとして使用することができる。
なお、ここでは、放射素子の外形が正方形のものについて説明したが、その外形は、正三角形や正六角形などの正多角形、あるいは円または円に近い楕円などの形状であっても良い。
また、ここでは、基板としてテフロン(登録商標)グラスファイバ基板を使用し、この基板に形成された銅薄膜をエッチングして放射素子22やLプローブ24を形成する場合について説明したが、本発明は、それに限るものではなく、例えば、セラミックスグリーンシートに金属粉末を含むメタライズドペーストで放射素子やLプローブ等の導体パターンを印刷し、それらを積層して焼成するような方法で形成しても良い。
なお、本発明の多周波共用MSAでは、各放射素子に対する給電を、直線状部とスタブ部とを有するLプローブを用いて電磁結合により行っている。この形状のLプローブによる電磁給電法(Lプローブ給電法)は、放射素子の各々にコネクタを個別に直接接続して給電を行う“個別給電法”に比べて、次のような利点がある。
Lプローブ給電法では、1本の給電線路でマルチバンド信号(複数の周波数の信号)を送受信しており、給電系をシンプルに構成することができる。そのため、装置全体の小型化が可能である。一方、個別給電法では、放射素子の数に応じた複数本の給電用線路が必要であり、装置全体をコンパクトに構成することができない。多数の放射素子を狭い間隔で設けた場合は、コネクタや、それに接続する同軸線路を物理的に配置することができなくなる。
また、1個のLプローブで複数の放射素子に給電するLプローブ給電法では、アンテナ系からの信号を処理した後、信号を複数の出力端に分ける分配器、または、各周波数成分を分離・選択する分波器を介して伝送系に出力することが必要であるが、現在、分配器や分波器は安価で小型、軽量なものが簡単に入手できるので、デメリットにはならない。むしろ、マルチバンドの信号を一箇所で統合処理できるメリットの方が大きい。アンテナ系と信号処理系とを一体化してマイクロ波集積回路(MMIC)を構成することも可能である。
また、個別給電法では、多周波共用MSAを小型化した場合に、複数のコネクタの間隔が接近し、コネクタの中心導体間に電磁結合が発生して、不要な放射等が生じる。そのため、良好な特性が得られない。
図36、図37、図38及び図39は、多周波共用MSAにLプローブ給電法及び個別給電法の夫々を適用した場合の特性の違いをシミュレーションで求め、その結果を示している。
図36(a)は、3本のリング型MSAを有する直線偏波用MSAにLプローブで電磁給電する本発明の構成を示し、図36(b)は、同一の直線偏波用MSAに個別給電法を適用して直接給電する場合の構成を示している。この多周波共用MSAの各種寸法諸元は次の通りである(単位はmm)。
a1=b1=22.1、 w1=w2=1.6、w3=1.2、d1=d2=0.4、Pl=5.2、Pw=1.5、Ps=0.8、Pd=0.8、Pt=2.25、t1=t2=1.2
また、絶縁基板の比誘電率はεr=2.6である。
図36(b)の個別給電法では、各リンク型MSAの中心線上の位置にピン(Port−1、Port−2、Port−3)を配置して直接給電している。Port-1は内側のMSAの導電路(幅w3)の端からρ1の位置に、Port-2は真中のMSAの導電路(幅w2)の端からρ2の位置に、そして、Port-3は外側のMSAの導電路(幅w1)の端からρ3の位置に配置している。
図37(a)は、Lプローブ給電法の場合のリターンロス特性を示しており、(a)(b)(c)の共振が現れている。
図37(b−1)は、ρ1=w3/2、ρ2=w2/2、ρ3=w1/2に設定して(即ち、ピンを導電路の中央に設定して)個別給電法を適用したときのリターンロス特性を示し、図37(b−2)は、ρ1=w3/3、ρ2=w2/4、ρ3=w1/4に設定して(即ち、ピンを導電路の端から0.4mmの位置に設定して)個別給電法を適用したときのリターンロス特性を示し、また、図37(b−3)は、ρ1=w3/4.8、ρ2=w2/6.4、ρ3=w1/6.4に設定して(即ち、ピンを導電路の端付近に設定して)個別給電法を適用したときのリターンロス特性を示している。なお、実線(S11)はPort−1のリターンロス特性、点線(S22)はPort−2のリターンロス特性、また、一点鎖線(S33)はPort−3のリターンロス特性を示している。
この結果から、個別給電法の場合は、共振周波数との整合が取れないことが分かる。
また、 図38(a)は、摂動素子を有する2本のリング型MSAと方形MSAとから成る円偏波用MSAにLプローブで電磁給電する本発明の構成を示し、図38(b)は、同一の円偏波用MSAに個別給電法を適用して直接給電する場合の構成を示している。この多周波共用MSAの各種寸法諸元は次の通りである(単位はmm)。
a1=b1=22.1、a’=b’=14.1、w1=w2=1.6、d1=d2=0.4、Pl=10.8、Pw=1.5、Ps=0.8、Pd=0.8、Pt=2.25、t1=t2=1.2
また、絶縁基板の比誘電率はεr=2.6である。また、摂動素子の面積は、ΔS1+ΔS2=3.65%、ΔS3+ΔS4=0.66%、ΔS5+ΔS6=0.03%に設定している。
図38(b)の個別給電法では、方形MSA及び2本のリング型MSAの中心線上の位置にピン(Port−1、Port−2、Port−3)を配置して直接給電している。Port-1は方形MSAの中心位置からρ0の位置に、Port-2は内側のリング型MSAの導電路(幅w2)の端からρ1の位置に、そして、Port-3は外側のMSAの導電路(幅w1)の端からρ3の位置に配置している。
図39(a)は、Lプローブ給電法の場合のリターンロス特性を示しており、(a)(b)(c)の共振が現れている。
図39(b−1)は、ρ0=0.40(a’/2)、ρ1=w2/2、ρ2=w1/2に設定して(即ち、ピンをリング導電路の中央に設定して)個別給電法を適用したときのリターンロス特性を示し、図39(b−2)は、ρ0=0.40(a’/2)、ρ1=w2/4、ρ2=w1/4に設定して(即ち、ピンをリング導電路の端から0.4mmの位置に設定して)個別給電法を適用したときのリターンロス特性を示し、また、図39(b−3)は、ρ0=0.40(a’/2)、ρ1=w2/6.4、ρ2=w1/6.4に設定して(即ち、ピンをリング導電路の端付近に設定して)個別給電法を適用したときのリターンロス特性を示している。なお、実線(S11)はPort−1のリターンロス特性、点線(S22)はPort−2のリターンロス特性、また、一点鎖線(S33)はPort−3のリターンロス特性を示している。
この結果から、個別給電法の場合は、Lプローブ給電法で得られる共振周波数の一部に対して整合を取ることはできるが、全ての共振周波数との整合は取れないことが分かる。
このように、本発明の多周波共用MSAでは、Lプローブ給電法を用いることにより、始めて多周波共用が可能になる。
本発明の多周波共用MSAは、移動通信を始めとして、各分野で多周波共用のアンテナとして広く利用することができ、また、アンテナを使用する既存分野において、どの周波数帯にも対応可能なアンテナとして、広く利用することができる。
また、円偏波対応の多周波共用MSAは、多数のアンテナを必要とする、例えば自動車などにおいて、動作周波数を切り替えて使用するアンテナとして広く利用することができ、また、各分野が要求する多様なアンテナ特性のどれにも対応可能なアンテナとして、各分野で広く利用することができる。
本発明の多周波共用MSAは、基板の一方の面に、中心線に対して左右対称の外形を有する環状の平面導電路で形成された環状アンテナ素子と、前記環状アンテナ素子の内側に導電平面で形成された、前記環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、外形が相似する平面状アンテナ素子と、前記環状アンテナ素子外側に環状の平面導電路で形成された、前記環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、形状が相似する一または複数個の環状アンテナ素子とを具備し、前記基板の他方の面に、前記中心線の位置で前記基板を介して前記環状アンテナ素子の各々と1箇所で交差し、前記中心線の位置で前記基板を介して前記平面状アンテナ素子に対向する直線状部と、前記直線状部が前記環状アンテナ素子の各々と交差する位置で前記直線状部から前記環状アンテナ素子に沿って所定長さだけ延びるスタブ部とを有するLプローブを具備し、前記平面状アンテナ素子及び環状アンテナ素子の各々は、電磁結合した前記Lプローブから給電されて、それぞれ、異なる1つの周波数に共振し、前記Lプローブのスタブ部の長さは、前記環状アンテナ素子の各々が前記1つの周波数に共振する状態において整合が取れるように設定されていることを特徴とする。
この多周波共用MSAでは、平面状アンテナ素子及び各環状アンテナ素子のそれぞれに電流経路が形成され、各電流経路は、その長さが異なるために異なる共振周波数で共振し、その結果、多周波共用特性を示す。
また、本発明の多周波共用MSAは、前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の外形を正多角形または円形にするとともに、前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の点対称の位置に摂動素子を設けることができる。
このMSAでは、平面状アンテナ素子及び各環状アンテナ素子に形成される電流経路により、動作周波数が決まり、それらに装荷する摂動素子の位置及び大きさにより各環状アンテナ素子の偏波特性が決まる。

Claims (14)

  1. 基板の一方の面に、
    中心線に対して左右対称の外形を有する環状の平面導電路で形成された環状アンテナ素子と、前記環状アンテナ素子の内側または外側に平面導電路で形成された、当該環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、形状が相似する一または複数個の他の環状アンテナ素子とを具備し、
    前記基板の他方の面に、
    前記中心線の位置で前記基板を介して前記環状アンテナ素子の各々と1箇所で交差する直線状部と、前記直線状部が前記環状アンテナ素子の各々と交差する位置で前記直線状部から前記環状アンテナ素子の各々に沿って所定長さだけ延びるスタブ部とを有するLプローブを具備し、
    前記環状アンテナ素子の各々に電磁結合した前記Lプローブから各環状アンテナ素子への給電が行われることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  2. 基板の一方の面に、
    中心線に対して左右対称の外形を有する環状の平面導電路で形成された環状アンテナ素子と、前記環状アンテナ素子の内側に導電平面で形成された、当該環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、外形が相似する平面状アンテナ素子とを具備し、
    前記基板の他方の面に、
    前記中心線の位置で前記基板を介して前記環状アンテナ素子と1箇所で交差し、前記中心線の位置で前記基板を介して前記平面状アンテナ素子に対向する直線状部と、前記直線状部が前記環状アンテナ素子と交差する位置で前記直線状部から前記環状アンテナ素子に沿って所定長さだけ延びるスタブ部とを有するLプローブを具備し、
    前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子に電磁結合した前記Lプローブから前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子への給電が行われることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  3. 請求項2に記載の多周波共用マイクロストリップアンテナであって、さらに、前記環状アンテナ素子の外側に平面導電路で形成された、当該環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、形状が相似する一または複数個の他の環状アンテナ素子を具備し、
    前記Lプローブは、前記直線状部が前記基板を介して前記他の環状アンテナ素子と交差する位置で前記直線状部から前記他の環状アンテナ素子に沿って所定長さだけ延びるスタブ部を有していることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の多周波共用マイクロストリップアンテナであって、前記環状アンテナ素子が、四角形の外形を有し、前記四角形の一辺の中央部で前記Lプローブと電磁結合していることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  5. 請求項1に記載の多周波共用マイクロストリップアンテナであって、最も内側の環状アンテナ素子の中央空間に回路素子が配置されていることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載の多周波共用マイクロストリップアンテナであって、前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子が直交する二つの中心線を有し、前記Lプローブが、前記中心線の各々の位置に配置されていることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  7. 基板の一方の面に、
    正多角形または円形の外形を有する環状の平面導電路で形成され、点対称の位置に摂動素子が装荷された環状アンテナ素子と、
    前記環状アンテナ素子の内側または外側に平面導電路で形成された、前記環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、形状が相似し、かつ、点対称の位置に摂動素子が装荷された一または複数個の他の環状アンテナ素子とを具備し、
    前記基板の他方の面に、
    前記中心線の位置で前記基板を介して前記環状アンテナ素子の各々と1箇所で交差する直線状部と、前記直線状部が前記環状アンテナ素子の各々と交差する位置で前記直線状部から前記環状アンテナ素子の各々に沿って所定長さだけ延びるスタブ部とを有するLプローブを具備し、
    前記環状アンテナ素子の各々に電磁結合した前記Lプローブから各環状アンテナ素子への給電が行われ、
    前記環状アンテナ素子の各々に装荷する前記摂動素子の位置及び大きさが、前記摂動素子を装荷した他の環状アンテナ素子との相互作用を補償して所望の偏波特性が得られるように設定されていることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  8. 基板の一方の面に、
    正多角形または円形の外形を有する環状の平面導電路で形成され、点対称の位置に摂動素子が装荷された環状アンテナ素子と、
    前記環状アンテナ素子の内側に導電平面で形成された、前記環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、外形が相似し、かつ、点対称の位置に摂動素子が装荷された平面状アンテナ素子とを具備し、
    前記基板の他方の面に、
    前記中心線の位置で前記基板を介して前記環状アンテナ素子と1箇所で交差し、前記中心線の位置で前記基板を介して前記平面状アンテナ素子に対向する直線状部と、前記直線状部が前記環状アンテナ素子と交差する位置で前記直線状部から前記環状アンテナ素子に沿って所定長さだけ延びるスタブ部とを有するLプローブを具備し、
    前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子に電磁結合した前記Lプローブから前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子への給電が行われ、
    前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の各々に装荷する前記摂動素子の位置及び大きさが、前記摂動素子を装荷した環状アンテナ素子または平面状アンテナ素子との相互作用を補償して所望の偏波特性が得られるように設定されていることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  9. 請求項8に記載の多周波共用マイクロストリップアンテナであって、さらに、前記環状アンテナ素子の外側に平面導電路で形成された、当該環状アンテナ素子と中心位置及び中心線が一致し、形状が相似し、かつ、点対称の位置に摂動素子が装荷された一または複数個の他の環状アンテナ素子を具備し、
    前記Lプローブは、前記直線状部が前記基板を介して前記他の環状アンテナ素子と交差する位置で前記直線状部から前記他の環状アンテナ素子に沿って所定長さだけ延びるスタブ部を有し、
    前記他の環状アンテナ素子に装荷する前記摂動素子の位置及び大きさが、内側または外側に形成された前記摂動素子を装荷する環状アンテナ素子との相互作用を補償して所望の偏波特性が得られるように設定されていることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  10. 請求項7から9のいずれかに記載の多周波共用マイクロストリップアンテナであって、前記摂動素子の位置及び大きさは、前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の少なくとも1つで円偏波が発生するように設定されていることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  11. 請求項10に記載の多周波共用マイクロストリップアンテナであって、前記摂動素子の位置及び大きさは、右旋偏波が発生するように設定されていることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  12. 請求項10に記載の多周波共用マイクロストリップアンテナであって、前記摂動素子の位置及び大きさは、左旋偏波が発生するように設定されていることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  13. 請求項10に記載の多周波共用マイクロストリップアンテナであって、前記摂動素子の位置及び大きさは、前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の少なくとも1つで右旋偏波が発生し、他の環状アンテナ素子または平面状アンテナ素子で左旋偏波が発生するように設定されていることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
  14. 請求項10に記載の多周波共用マイクロストリップアンテナであって、前記摂動素子の位置及び大きさは、前記環状アンテナ素子及び平面状アンテナ素子の少なくとも1つで円偏波が発生し、他の環状アンテナ素子または平面状アンテナ素子で直線偏波が発生するように設定されていることを特徴とする多周波共用マイクロストリップアンテナ。
JP2007546371A 2005-11-24 2006-09-04 多周波共用マイクロストリップアンテナ Active JP4296282B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005338731 2005-11-24
JP2005338730 2005-11-24
JP2005338730 2005-11-24
JP2005338731 2005-11-24
PCT/JP2006/317476 WO2007060782A1 (ja) 2005-11-24 2006-09-04 多周波共用マイクロストリップアンテナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007060782A1 true JPWO2007060782A1 (ja) 2009-05-07
JP4296282B2 JP4296282B2 (ja) 2009-07-15

Family

ID=38067019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007546371A Active JP4296282B2 (ja) 2005-11-24 2006-09-04 多周波共用マイクロストリップアンテナ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4296282B2 (ja)
WO (1) WO2007060782A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100952979B1 (ko) * 2007-11-20 2010-04-15 한국전자통신연구원 갭필러 시스템에서의 다중 대역 안테나
JP2009302668A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Dx Antenna Co Ltd アンテナ給電装置
FR2971631A1 (fr) * 2011-02-11 2012-08-17 France Telecom Antenne a base de guides a fentes annulaires
RU2480870C1 (ru) * 2011-08-31 2013-04-27 Открытое акционерное общество "Российская корпорация ракетно-космического приборостроения и информационных систем" (ОАО "Российские космические системы") Многодиапазонная антенна круговой поляризации с метаматериалом
DE102013222139A1 (de) * 2013-10-30 2015-04-30 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Planare Mehrfrequenzantenne
KR102126263B1 (ko) 2014-01-24 2020-06-24 삼성전자주식회사 안테나 장치 및 이를 포함하는 전자 장치
RU2601215C1 (ru) * 2015-10-05 2016-10-27 Открытое акционерное общество "Объединенная ракетно-космическая корпорация" (ОАО "ОРКК") Многочастотная микрополосковая антенна
CN110388984A (zh) * 2018-04-18 2019-10-29 中国科学院沈阳自动化研究所 一种宽频带太赫兹波探测器
JP7107105B2 (ja) 2018-08-30 2022-07-27 Tdk株式会社 アンテナ
JP7147378B2 (ja) 2018-08-30 2022-10-05 Tdk株式会社 アンテナ
CN110212283B (zh) * 2019-05-22 2021-06-08 维沃移动通信有限公司 一种天线单元及终端设备
WO2021084705A1 (ja) * 2019-10-31 2021-05-06 日本電信電話株式会社 回路一体型アンテナ
JP7363467B2 (ja) 2019-12-24 2023-10-18 Tdk株式会社 アンテナ

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0631770Y2 (ja) * 1988-06-09 1994-08-22 三菱電機株式会社 アンテナ装置
FR2651926B1 (fr) * 1989-09-11 1991-12-13 Alcatel Espace Antenne plane.
JPH05160633A (ja) * 1991-12-09 1993-06-25 Sony Corp 複合マイクロストリップアンテナ
JPH05167337A (ja) * 1991-12-17 1993-07-02 Sony Corp 複合平面アンテナ
JP3135732B2 (ja) * 1993-02-02 2001-02-19 株式会社エイ・ティ・アール光電波通信研究所 スロット結合型マイクロストリップアンテナ
JPH11150415A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Toshiba Corp 多周波アンテナ
JP3663989B2 (ja) * 1999-08-24 2005-06-22 松下電器産業株式会社 複共振型誘電体アンテナ及び車載無線装置
JP2001339239A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Tdk Corp アンテナユニット
JP2003069339A (ja) * 2001-08-22 2003-03-07 Telecommunication Advancement Organization Of Japan アンテナ装置
JP2003188636A (ja) * 2001-12-17 2003-07-04 Tdk Corp 複合アンテナ
JP2004007559A (ja) * 2002-04-25 2004-01-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 多共振アンテナ、アンテナモジュールおよび多共振アンテナを用いた無線装置
JP2004096259A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 多周波マイクロストリップアンテナ
JP6056926B2 (ja) * 2015-09-03 2017-01-11 富士ゼロックス株式会社 印刷管理装置、情報処理システム及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007060782A1 (ja) 2007-05-31
JP4296282B2 (ja) 2009-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4296282B2 (ja) 多周波共用マイクロストリップアンテナ
CN108352599B (zh) 适用于基站天线的天线元件
Chen et al. Single-fed microstrip patch antenna with switchable polarization
WO2017205998A1 (zh) 通信终端
US10756420B2 (en) Multi-band antenna and radio communication device
CN107895846B (zh) 一种具有宽频带的圆极化贴片天线
CN110635238A (zh) 无线电子装置
KR20170135980A (ko) 무선 전자 디바이스들을 위한 이중 방사 소자들 및 전력 분배기들의 어레이를 포함하는 안테나들
JP2016523491A (ja) 多重アンテナシステムおよびモバイル端末
CN107134633B (zh) 天线和包括该天线的天线模块
KR20130090770A (ko) 절연 특성을 가진 지향성 안테나
US11196175B2 (en) Antenna device
EP3646408B1 (en) Single-layer patch antenna
KR20130046494A (ko) 평면형 역 에프 안테나용 방사체 및 이를 이용한 안테나
Zhang et al. Simple triple-mode dual-polarized dipole antenna with small frequency separation ratio
US9819086B2 (en) Dual-band inverted-F antenna with multiple wave traps for wireless electronic devices
JP2001168637A (ja) クロスダイポールアンテナ
JP2008172697A (ja) 多周波共用マイクロストリップアンテナ
JP2022054525A (ja) 全地球測位衛星システム用基板型アンテナ
JP2007124346A (ja) アンテナ素子及びアレイ型アンテナ
KR102466223B1 (ko) 이중대역 이중편파 능동위상배열 안테나
WO2015129089A1 (ja) アレーアンテナ装置
JP2016140046A (ja) 偏波共用アンテナ
Deng et al. A novel feeding network for quadri-polarization antennas with simultaneously wide impedance and polarization bandwidth
JP4201273B2 (ja) マルチバンド対応円偏波マイクロストリップアンテナおよびそれを用いた無線システム

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150