JPWO2007058133A1 - スピーカ、および磁気回路 - Google Patents

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Abstract

煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路を備えた高性能なスピーカを提供し、成形困難な幅の狭いU字状を備えた振動板を形成することなく、簡単な構成の振動板を備えた高性能なスピーカを提供する。スピーカ100は、磁石1、プレート2、及びヨーク3を備える内磁型の磁気回路4と、ボイスコイル7と、ボイスコイル7をプレート2の端部近傍に振動自在に支持する振動板6とを有し、ヨーク3はプレート2と同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されている。振動板6は、中央部に形成されたドーム状振動部61と、外周がスピーカフレーム5に支持されるコーン状振動部63と、ドーム状振動部61とコーン状振動部63の間に形成され、ボイスコイル7が配置される筒状部の端部から外側に向って屈曲した断面L字状に形成されているボイスコイルボビン62とを有し、それらが一体成形されている。

Description

本発明は、スピーカ、および磁気回路に関するものである。
オーディオシステム等に備えられているスピーカは、アンプからの電気信号(電気エネルギ)を音響信号(音響エネルギ)に変換する電気変換器といえる。スピーカを動作原理により大別すると、動電型、静電型、圧電型、放電型、電磁型などに分けられ、現在は音質の良さ等の諸条件を兼ね備えた高性能な動電型(ダイナミック型)が主流を占めている。以下、動電型スピーカの具体例を説明する。
例えば特許文献1に開示されているスピーカは、図1(a)に示すように、振動板101の外周部がエッジ102を介してヨーク103に保持され、断面U字形状のヨーク103の上面側に磁石104が配置され、その磁石104の上面側にトッププレート105が形成されている。このヨーク103、磁石104、およびトッププレート105により磁気回路106が構成される。また、ヨーク103の端部がトッププレート105側に屈曲して形成されており、このヨーク103の端部とトッププレート105により形成された磁気間隙にボイスコイル107が配置されている。上記磁気回路106は、ボイスコイル107より内側に磁石104が配置されている構造から内磁型磁気回路と呼ばれている。以下、振動板に関し、音響放射側に形成された面を前面、磁気回路側に形成された面を裏面と呼称する。また、磁石,ヨークとプレートに関し、振動板側に形成された面を上面、振動板に対して逆側に形成された面を下面と呼称する。
一方、特許文献2には、ボイスコイルに対して外側に磁石を配置した外磁型磁気回路を備えたスピーカが開示されている。このスピーカは、図1(b)に示すように、ポール部11及び係合段部12aが形成されたヨーク13に、リング状の磁石14が載置され、磁石14の上部に係合突起15bを備えたプレート15が載置されている。ヨーク13のポール部11の上方にはドーム状の振動板16が形成されている。振動板16には外周縁部に断面U字状のボイスコイルボビン17が形成されており、ボイスコイルボビン17は、エッジ18により支持されている。この振動板16、ボイスコイルボビン17、及びエッジ18は一体成形されており、ボイスコイルボビン17の凹部内部には、ボイスコイル17aが形成されている。またプレート15の上部にはフレーム19が形成されている。
特開2005−102166号公報 特開平5−30592号公報
しかし、上記特許文献1に記載のスピーカでは、ヨーク3を断面U字形状に形成するという煩雑な工程が必要である。また、このスピーカでは磁気間隙に磁束を集中させるために、U字形状のヨーク3の端部を更に内側に向けて屈曲させる工程が必要である。
また、上記特許文献2に記載のスピーカでは、ヨーク13の外周とプレート15の内周に挟まれた狭い磁気間隙内にボイスコイル17aを配置するために、振動板に、比較的幅が狭く深い溝を備える断面U字形状のボイスコイルボビン17を高精度に形成する必要がある。よって、従来のスピーカは形成工程に長時間を要する問題がある。
また、ボイスコイルは駆動電流のジュール熱や振動時の摩擦熱によって発熱するが、この発熱によって磁気回路の磁力低下や振動板の変形などが生じる問題があり、簡単な構成で磁気回路の放熱を行うことができるスピーカが望まれている。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路を備えた高性能なスピーカを提供すること、振動板に成形困難な幅の狭いU字形状を形成することなく、簡単な構成の振動板を備えた高性能なスピーカを提供すること、簡単な構成で磁気回路の放熱を行うこと、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
請求項1に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型の磁気回路と、前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える外磁型の磁気回路と、前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたヨークを備える磁気回路と、前記磁石の端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記磁石の端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、略平板状に形成されていることを特徴とする。
請求項20に係る発明の磁気回路は、磁石と、記磁石の一極側に配備されたプレートと、前記磁石の他極側に配備されたヨークとを有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されている。
請求項21に係る発明の磁気回路は、磁石と、前記磁石の一極側に配備されたプレートと、前記磁石の他極側に配備されたヨークと、を有する外磁型のスピーカ用磁気回路であって、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されていることを特徴とする。
請求項22に係る発明の磁気回路は、磁石と、前記磁石の一極側に配備されたヨークからなるスピーカ用磁気回路であって、前記ヨークは、略平板状に形成されていることを特徴とする。
(a)は一般的な内磁型磁気回路を有するスピーカを説明するための断面図である。(b)は一般的な外磁型磁気回路を有するスピーカを説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態に係るスピーカ100を説明するための正面図である。 図2に示したスピーカ100のA−A線に沿った断面図である。 図3に示したスピーカ100のボイスコイルボビン62付近の拡大図である。 (a)は図3に示したスピーカ100のコーン状振動部63を説明するための図である。(b)は(a)に示した振動板6の断面図である。 本発明の第2実施形態に係るスピーカ100bを説明するための図であり、振動板6bの断面図である。 本発明の第3実施形態に係るスピーカ100cを説明するための断面図である。 本発明の第4実施形態に係るスピーカ100dを説明するための断面図である。 本発明の第5実施形態に係るスピーカ100eの磁気回路を説明するための断面図である。 本発明の第6実施形態に係るスピーカ100fを説明するための断面図である。 本発明の第7実施形態に係るスピーカ100gを説明するための正面図である。 図11に示したスピーカ100gのA−A線に沿った断面図である。 本発明の第8実施形態に係るスピーカ100hを説明するための断面図である。 本発明の第9実施形態に係るスピーカ100kを説明するための断面図である。 図14に示したスピーカ100kのボイスコイル付近の断面拡大図である。 本発明の第10実施形態に係るスピーカ100Lを説明するための断面図である。 (A)は第9実施形態に係るスピーカ100kの磁性流体を設けた場合と設けていない場合の周波数特性を示す図であり、(B)は従来の比較的狭い磁気間隙の磁気回路を有するスピーカの磁性体を設けた場合と設けていない場合の周波数特性を示す図である。 本発明の実施形態のうち、外磁型の磁気回路を備えたスピーカ100mの実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態のうち、外磁型の磁気回路を備えたスピーカ100nの実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態のうち、外磁型の磁気回路を備えたスピーカ100pの実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態のうち、外磁型の磁気回路を備えたスピーカの実施形態(振動板6の変形例)を示す説明図である。 本発明の実施形態のうち、簡易化された磁気回路を備えたスピーカ100qの実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態のうち、簡易化された磁気回路を備えたスピーカ100rの実施形態を示す説明図である。 変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である。 変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である。 変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である。
本発明の一実施形態に係るスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型又は外磁型の磁気回路と、前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されている。また、磁気回路の構成部材としては、磁石とヨークだけでも良く、その場合は、磁石、前記磁石の一極側に配備されたヨークを備える磁気回路と、前記磁石の端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記磁石の端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、略平板状に形成されている。
本発明の実施形態に係るスピーカでは、磁気回路中のボイスコイルが配置される空間を、磁気回路の構成部材(磁石、ヨーク、プレートのいずれか)の端部間で挟持される空間にするのではなく、一つの構成部材の端部に対して開放された空間にしている。すなわち、磁気回路中のボイスコイルが配置される空間は、磁気回路の一つの構成部材の端部とそれとは対面しないヨークの上面によって形成されることになり、このような空間を形成するために、ヨークの形態を略平板形状に形成している。ここでいう略平板形状とは、簡単なプレス加工によって成形可能な屈曲部や凹凸部を有するものを含むものであって、全くの平面板に限定されるものではない。
上記構成のスピーカでは、磁気回路のヨークが略平板形状に形成されているので、煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路を備えた高性能なスピーカを提供することができる。
また、ボイスコイルが配置される磁気回路中の磁力空間を開放した空間にすることができるので、ボイスコイルの発熱を効果的に放熱させることができる。
更には、ボイスコイルの配置に空間的な余裕ができるので、ボイスコイルの支持構造を多様化することができ、ボイスコイルボビンや振動板の形状を加工し易い形状にすることができる。特に、振動板の一体成形でボイスコイル支持部となるボイスコイルボビンを形成するものでは、狭い磁気間隙に挿入するための狭く深い溝部を形成する必要がないので、容易に成形加工することができる。
また、従来の狭い磁気ギャップ間にボイスコイルを配置するものと比較して、スピーカ構成部品に高い寸法精度が要求されないので、製造上の不良が起こりにくく、結果的に製造コストを低減させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るスピーカを説明する。
[第1実施形態]
図2は本発明の第1実施形態に係るスピーカ100を説明するための正面図である。図3は図2に示したスピーカ100のA−A線に沿った断面図である。
図2,3に示すように、本実施形態に係るスピーカ100は、磁石1、プレート2、ヨーク3、磁気回路4、スピーカフレーム(フレームともいう)5、振動板6、およびボイスコイル7を有する。
磁石1は、例えばネオジウム系、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、フェライト系磁石等の永久磁石等により形成されている。磁石1の一極側(上端部)にはプレート2が配備され、磁石1の他極側(下端部)には略平板形状のヨーク3が配備されている。この磁石1、プレート2、およびヨーク3により内磁型の磁気回路4が構成されている。プレート2は、磁石1の径La1よりも大きい径La2に形成されている。ヨーク3はプレート2と同じ、もしくは径が大きい形状に形成されている。例えば図3に示すように、平板形状のヨーク3は、プレート2と同じ、もしくは径が大きい径La3に形成されている。
本実施形態に係る平板形状のヨーク3は、プレート2の径La2の約2倍程度の径La3に形成されている。この磁石1の径La1、プレート2の径La2、ヨーク3の径La3は、磁石1の厚さや磁力の大きさ、プレート2とヨーク3間の磁束の分布状態、振動板6の大きさや形状、ボイスコイル7の磁気特性や駆動特性等に基づいて適宜設定する。フレーム5は、ヨーク3の端部と係合する内周側に形成された係合段部5aと、振動板6の端部と嵌合する外周側に形成された係合段部5bを有する。
振動板6は、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン(ボイスコイル支持部)62、コーン状振動部63、および外縁端部64を有する。ドーム状振動部61は、本発明の第1の振動部の一実施形態に相当し、ボイスコイルボビン62は、本発明のボイスコイルボビンの一実施形態に相当し、コーン状振動部63は、本発明の第2の振動部の一実施形態に相当する。
本実施形態に係る振動板6では、図2,3に示すように、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン(ボイスコイル支持部)62、コーン状振動部63、および外縁端部64が一体成形されている。振動板6は、例えば金属材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の高分子材料、紙等の繊維材料により形成されている。金属材料としては、例えばアルミニウムやチタニウム、ジュラルミン、ベリリウム、マグウネシウム合金等を採用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂や、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタアクリレート等を採用することができる。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂等を採用することができる。
ドーム状振動部61は、振動板6の中央部に凸形状に形成されている。ドーム状振動部61は、例えば放射曲線形状、ドーム半球形状、円錐形状、多段曲線形状等、各種形状を採用することができる。本実施形態に係るドーム状振動部61は、図3に示すように放射曲線形状に形成される。例えばドーム状振動部61は、中央部の頂部が外縁端部64よりも高く形成されている。この形状により広い角度の指向特性を得ることができる。また、ドーム状振動部61は、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、外縁端部64によりプレート2上の規定位置に、z軸方向(駆動方向)に沿って振動可能に支持されている。ここで図3に示すように、図に向かって左右方向がx軸方向に相当し、図に向かって上下方向がz軸方向に相当し、x軸方向,z軸方向に直交する方向がy軸方向に相当する。
図4は、図3に示したスピーカ100のボイスコイルボビン62付近の拡大図である。
ボイスコイルボビン62は、振動板6の中央部と外縁端部64の間に形成され、図示の例では断面形状が略L字形状のボイスコイル支持部を形成されている。ボイスコイルボビン62は、筒状部62aおよび屈曲部62bを有するものであれば断面形状は略L字状のものに拘らない。例えば、筒状部62aの下端に連続する屈曲部62bが凹状の曲面を有するものなどであっても良い。筒状部62aは、例えば図4に示すように、振動方向(z軸方向)に沿って形成されている。また、筒状部62aは、プレート2の端部2aと距離gx1だけ離れた規定位置に位置するように、ドーム状振動部61、コーン状振動部63,および外縁端部64により支持されている。屈曲部62bは、図4に示すように、筒状部62aの下側端部から外側に向かって屈曲するように形成されている。この屈曲部62bの長さL62は、ボイスコイル7の厚さL7と略同じ長さ又はそれ以上の長さに設定されている。本実施形態では長さL62は厚さL7の約2倍程度に設定されている。
例えば予め形成された円形状のボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部内に落とし込み、紫外線(UV)硬化剤などを注入してUV照射を行う等によりボイスコイル7の固定が行われる。ここでUV硬化剤として、2液UV硬化剤、嫌気性UV硬化剤等を使用することによってUVの未照射部の固定も可能になる。上述したように、屈曲部62bの長さL62をボイスコイル7の厚さL7と略同じ長さ又はそれ以上の長さに設定することで、簡単にボイスコイルボビン62にボイスコイル7を設けることができる。
詳細には、図4に示すようにボイスコイル7は、筒状部62aの外周側面の領域R7に形成される。領域R7は、下端位置71から上端位置72までの範囲に設定されている。本実施形態に係る下端位置71は、プレート2の下端部2dから下側に向かって、距離tだけ離れた位置に相当する。上端位置72は、プレート2の上端部2uから上側に向かって距離0.5tだけ離れた位置に相当する。ここで距離tは、プレート2の厚みtに相当する距離である。
上述したようにボイスコイル7を上記領域R7に形成することで、振動板6が最大限振幅した場合であっても、ボイスコイル7をプレート2とヨーク3間の略均一な磁束分布範囲内に配置することができる。そのため歪の少ない音響特性のスピーカ100を得ることができる。
図5(a)は図3に示したスピーカ100のコーン状振動部63を説明するための図である。図5(b)は図5(a)に示した振動板6の断面図である。コーン状振動部63は、例えば図5に示すようにボイスコイルボビン62の下側端部から、振動板6の外縁端部64にかけて形成されている。このコーン状振動部63は、断面の母線形状が略円錐形状(コーン形状)に形成されている。また例えばコーン状振動部63の形状は、断面の母線形状が円弧状に形成されたカーブドコーン形状、直線形状に形成されたフラットコーン形状、放物線状に形成されたパラボリックコーン形状等、各種形状を採用することができる。
例えば図1(b)に示すような一般的なスピーカは、狭い磁気間隙の間に、幅狭の断面U字状のボイスコイルボビン17を形成する必要がある。この幅狭の断面U字状のボイスコイルボビン17は形成が困難である。一方、本実施形態に係るスピーカ100は、プレート2の端部とヨーク3の間の磁気間隙が、上記一般的なスピーカと比べて広く形成されているので、図5に示すようにボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部の底部の幅より開口側の幅を広く形成することができ、容易に形成可能である。
詳細には、図5に示すように、ボイスコイルボビン62上のボイスコイル形成領域R7の上端部62uと、その上端部62uを通る水平面(xy平面)とコーン状振動部63とが交差する位置63uとの間の距離Lxu1を開口側の幅とする。ボイスコイルボビン62上のボイスコイル形成領域R7の下端部62dと、その下端部62dを通る水平面(xy平面)とコーン状振動部63とが交差する位置63dとの間の距離Lxd1を底部の幅とする。この開口側の幅Lxu1は、底部の幅Lxd2よりも幅広である。好ましくは、開口側の幅Lxu1は、ボイスコイル形成領域R7と略同程度の長さに形成されている。
上記構成の振動板6は、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部において、その凹部の底部から上側の開口側にかけて幅広に形成されているので、図1(b)に示すような断面U字状のボイスコイルボビンを備える振動板と比べて、簡単に形成することができる。
外縁端部64は、図5に示すように、フレーム5の係合段部5bと嵌合する嵌合部64aを有する。嵌合部64aは、裏面側に向けてz方向に沿って屈曲した筒状の筒状部641と、その筒状部641の下側端部から外側に向かってx軸に沿って屈曲した形状の端部642とを有する。筒状部641の内周側面641aと、フレーム5の係合段部5bとが嵌合することで、磁気回路4やフレーム5に対する振動板6の位置決めが行われる。この際、フレーム5の係合段部5bの形状は、筒状部641の内周側面641aと対応する形状に形成されている。
上記構成のスピーカ100は、次のようにして組み立てられる。まず、図2〜5に示すように、磁石1の一極側にプレート2を配備し、磁石1の他極側に平板形状のヨーク3を配備する。このとき例えば円形状の磁石1、プレート2,ヨーク3の中心軸が一致するように配備する。射出成形装置等の製造装置により、ヨーク3にフレーム5を一体成形する。プレス加工装置や射出成形装置等の製造装置により、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、および外縁端部64を備えた振動板6を一体成形する。
次に、予め円形状に形成されたボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部の内部に配置し、接着剤等によりボイスコイル7をボイスコイルボビン62に固定する。また導電線をボイスコイルボビン62に巻回すことにより、ボイスコイル7を所定位置に形成してもよい。次に、筒状部641の内周側面641aと、フレーム5の係合段部5bとを嵌合させることで、磁気回路4やフレーム5に対する振動板6の位置決めを行う。位置決め後、振動板6とフレーム5とを接着剤などにより固定して、スピーカ100を得る。
上記構成のスピーカ100では、ボイスコイル7が、磁石1、プレート2、及びヨーク3により形成される磁束分布中の規定位置に、振動板6により支持されている。そして音声信号が不図示の入力端子部からリード線を介してボイスコイル7に入力されると、ボイスコイル7にはその音声信号に応じて電磁力が生じる。その電磁力が、振動板6をz軸方向に沿って振動させる駆動力となる。ボイスコイル7が備えられたボイスコイルボビン62は、その駆動力により、z軸方向に沿って振動し、ドーム状振動部61およびコーン状振動部63を振動させる。スピーカ100は、ドーム状振動部61およびコーン状振動部63が振動することにより粗密波を放射するので、一般的なドーム型スピーカとコーン状スピーカの2つの特性を兼ね備えている。
以上説明したように、本実施形態に係るスピーカ100は、磁石1、磁石1の一極側に配備されたプレート2、および磁石1の他極側に配備されたヨーク3を備える内磁型の磁気回路4、磁気回路4のプレート2の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7をプレート2の端部近傍に振動自在に支持する振動板6とを有し、ヨーク3は、プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されているので、従来のようにヨークを形成するために煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路4を得ることができる。また、その磁気回路4を採用したスピーカ100を得ることができる。
また、振動板6は、振動板6の中央部に形成されたドーム状振動部(第1の振動部)61と、外周が直接または間接的にスピーカフレーム5に支持されるコーン状振動部(第2の振動部)63と、ドーム状振動部61とコーン状振動部63との間に形成され、ボイスコイル7が配置されるボイスコイルボビン62とを有し、ドーム状振動部61、コーン状振動部63、およびボイスコイルボビン62が、例えばプレス成形や射出成形等により一体成形されているので、簡単に振動板6を得ることができる。
また、ボイスコイルボビン62は、ボイスコイル7が配置される筒状部62aの端部から外側に向って屈曲した断面L字状に形成されており、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部において、凹部の底部より開口部の間隔が広く形成されているので、図1(b)に示すような断面U字形状のボイスコイルボビン62と比べて、容易に形成することができる。
また、振動板6は、当該振動板6の端部に形成され、フレーム5に形成された係合段部(被嵌合部)5aに嵌合する嵌合部64aを有し、振動板6の嵌合部64aと、スピーカフレーム5の係合段部5aとが嵌合して、振動板6とフレーム5との位置合わせを行うので、簡単に振動板6とフレーム5との位置合わせを行うことができる。詳細には、振動板6は、端部が筒形状に形成され、当該筒形状の内側面が、スピーカフレーム5に形成された係合段部5bの外側面に固定する。
この際、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、およびコーン状振動部63が一体成形されているので、それぞれの構成要素を規定位置に高精度に位置合わせすることができる。特に、上記構成により、簡単な取り付け工程により、ボイスコイルボビン62を、プレート2の端部近傍の予め規定された位置に高精度に配置することができる。
さらに、振動板6の端部の内側面をスピーカフレーム5に形成された係合段部5bの外側面に固定することで、有効振動面積を大きくすることができ、音圧を大きくすることができる。
また、ボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62の断面L字形状部の側面部に接着剤により固定する工程により、簡単にボイスコイル7をボイスコイルボビン62に取り付けることができる。
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係るスピーカ100bを説明するための図であり、振動板6bの断面図である。図6において、振動板6bの中央部から端部にかけて拡大した図を示している。本実施形態に係るスピーカ100bは、図6に示すように振動板6bを有する。本実施形態に係る振動板6bは、ボイスコイルボビン62cの裏面側面部にボイスコイル7が備えられている。
例えば本実施形態に係る振動板6bは、図6に示すように、ドーム状振動部61とボイスコイルボビン62cの間に、筒状部62aの上端部から内側に向って屈曲する屈曲部62dが形成されている。屈曲部62dの大きさはリング形状のボイスコイル7の径程度に設定されている。
上記構成のスピーカ100bでは、ボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62の裏面側面部に配置しているので、第1実施形態と比べてボイスコイル7がプレート2の端部により近い位置に支持することができる。このため磁束密度が向上し、ボイスコイル7に入力される入力信号に対して感度の高いスピーカを得ることができる。
また、ボイスコイル7が振動板6の裏面側に設けられているので、前面側からボイスコイル7を視認することがない。このためスピーカ100bの意匠性が向上する。
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態に係るスピーカ100cを説明するための断面図である。第1及び第2実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。
本実施形態に係るスピーカ100cは、図7に示すように、磁気回路4cを有する。磁気回路4cは、軸方向(z軸方向:図に向って上下方向)に沿って、貫通孔部41が形成されている。詳細には、磁気回路4cにおいて、図7に示すように、磁石1c、プレート2c、およびヨーク3cそれぞれは、軸方向に沿って貫通孔部41が形成されている。
上記構成のスピーカ100cでは、ドーム状振動部61が軸方向に沿って振動した場合に、ドーム状振動部61内の空気が貫通孔部41を通って外部に流出し、または外部の空気が貫通孔部41を介してドーム状振動部61内に流入する。このため第2実施形態と比べて本実施形態に係るスピーカ100cは、音響特性が向上する。また、スピーカの重量を低減することができる。また、磁気回路の動作点を向上させることができる。
[第4実施形態]
図8は、本発明の第4実施形態に係るスピーカ100dを説明するための断面図である。第1〜第3実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。図8に示すように、本実施形態に係るスピーカ100dは、磁石1、プレート2、ヨーク3d、磁気回路4d、フレーム5d、振動板6、およびボイスコイル7を有する。磁石1、プレート2、ヨーク3dにより磁気回路4dが構成される。
ヨーク3dは、略平板形状に形成されており、端部31がプレート2側に屈曲した形状に形成されている。ヨーク3はいわゆる皿型状に形成されている。詳細には、ヨーク3dの端部31は、水平面から角度約40度から70度程度となるように屈曲した円錐形状に形成されている。この角度は、振動板6のコーン状振動部63の円錐傾斜面の角度や、プレート2とヨーク3間の磁束密度分布等に応じて適宜設定されている。
また、フレーム5dは、上記皿型状のヨーク3dの端部31の裏面側に内周部51が接合されている。このフレーム5dは、上記皿型状のヨーク3dにインサート成形により形成することが好ましい。こうすることで例えばフレーム5dとヨーク3dとを接着剤により接着する工程を省くことができ、製造時間の短縮を実現することができる。また、製造コストを低減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るスピーカ100dは、第1実施形態と比べて、プレート2の端部とヨーク3dとの距離が短いので、より大きな磁束密度を得ることができる。また、第1実施形態と比べて磁気漏洩を低減することができる。
[第5実施形態]
図9は、本発明の第5実施形態に係るスピーカ100eの磁気回路を説明するための断面図である。第1〜第4実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100eは、図9に示すような磁気回路4eを有する。磁気回路4eは、磁石1、プレート2、およびヨーク3eを有する。
ヨーク3eは、略プレート2の径と同程度の径に形成された平板形状のプレート301、およびプレート301の外周端部301に内周端部302aが接合する円錐形状部材302を有する。平板形状のプレート301の外周端部301aと、円錐形状部302の内周端部302aは、例えば接着剤等により固定される。この円錐形状部材302は、第4実施形態に係る端部31に相当する。
上記磁気回路4eを製造する場合を説明する。先ず、平板形状のプレート301と、それとは別部材の円錐形状部材302を形成する。そして、平板形状のプレート301の外周端部301aと、円錐形状部材302の内周端部302aとを接着剤等により固定する。
以上説明したように、本実施形態では、簡単な構造の平板形状のプレート301と、それとは別部材の円錐形状部材302を組み立てることにより、第4実施形態と同様な形状及び機能を有するヨーク3dを形成することができる。このため、製造工程の短縮化や、製造コストの低減化を実現することができる。
[第6実施形態]
図10は、本発明の第6実施形態に係るスピーカ100fを説明するための断面図である。第1〜第5実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100fは、図10に示すように、ヨークがフレームとしての機能も有する。詳細には本実施形態に係るヨーク3fは、磁石1の裏面側の極に配置される平板形状部301fが中央部に形成され、係合段部35bを備えた平板形状のフレーム部305fが端部に形成され、平板形状部301fとフレーム部305fとの間に前面側に向って円錐傾斜面を備えたコーン形状部302fが形成されている。フレーム部305fは、プレート2と略同じ水平高さに設定されている。係合段部35fは上述した係合段部5fに相当し、振動板6の端部と嵌合する。
ヨーク3fは、平板形状部301f、コーン形状部302f、およびフレーム部305fが一体成形されている。例えばヨーク3fは、例えば金型成形装置、プレス加工装置、射出成形装置等の各種製造装置により成形される。
上述したように本実施形態に係るスピーカ100fは、上記構成のヨーク3fを有するので、ヨーク3fがフレームとしての機能も兼ね備える。また例えば第4実施形態に係るスピーカでは、ヨークと樹脂製のフレームとをインサート成形したが、本実施形態に係るヨーク3fでは、そのインサート成形を行う必要がなく、同一材料にて上記構成のヨーク3fを簡単に形成することができる。
[第7実施形態]
図11は、本発明の第7実施形態に係るスピーカ100gを説明するための正面図である。図12は、図11に示したスピーカ100gのA−A線に沿った断面図である。第4実施形態と共通する部分については説明を省略する。図11,12に示すように、本実施形態に係るスピーカ100gは、振動板6の前面側、プレート2やボイスコイル7の近傍にイコライザ8を有する。このイコライザ8は、鉄等の磁性材料により形成されている。本実施形態に係るイコライザ8は、詳細にはスピーカの指向性、音圧、周波数等に一定の変化を与える機能と、磁石1、プレート2、およびヨーク3dにより構成される磁気回路の特性を改善する機能とを有する。
イコライザ8は、図11に示すように、リング形状部81、およびアーム部82を有する。リング形状部81は、振動板6の前面側、プレートやボイスコイル7の近傍にリング形状に形成されている。リング形状部81の径は、ヨーク3の径よりも小さく設定されている。また、リング形状部81は、ボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部形状に応じた断面形状に形成されている。アーム部82は、リング形状部81の外周から放射状に延びた形状に形成され、外側端部がフレーム5に固定されている。このアーム部82は、リング形状部81を上記規定位置に保持する。リング形状部81とアーム部82は一体成形されている。
例えば図11に示すように、リング形状部81は、第1の傾斜部811、および第2の傾斜部812を有する。第1の傾斜部811と第2の傾斜部812の間には屈曲部813が形成されている。第1の傾斜部811は、ドーム状振動部61と略同じ傾斜角度の傾斜面が形成されている。また、第1の傾斜部811は、ドーム状振動部61の断面形状に対応して断面円弧状に形成されることが好ましい。第2の傾斜部812は、第2の傾斜部812と逆の傾斜角度の傾斜面が形成され、詳細にはコーン状振動部63と略同じ傾斜角度の傾斜面が形成されている。また、第2の傾斜部812は、コーン状振動部63の断面形状に対応して断面円弧形状に形成されることが好ましい。このイコライザ8の形状は、磁石1、プレート2、ヨーク3dにより構成される磁気回路4dの磁束の方向や強さ等の磁束分布や、磁気回路4dの動作点等の特性に応じて適宜設定する。
上記構成のイコライザ8は、リング形状部81が、振動板6の前面側、ドーム状振動部61とコーン状振動部63との間付近に形成されているので、振動板6が振動することにより放射される粗密波を、ドーム状振動部61からの粗密波と、コーン状振動部63からの粗密波とに分けて、前面側に放射することができる。このためドーム状振動部61とコーン状振動部63それぞれの音響特性、例えば指向性、音圧、周波数等に一定の変化を与えることができる。
また、イコライザ8は、鉄等の磁性材料により形成されているので、イコライザ8の形状や所望の材料を適宜設定することで、磁石1、プレート2、ヨーク3dにより構成される磁気回路4dの磁束の方向や強さ等の磁束分布を所望の分布となるように設定することができる。また、磁気漏洩を低減することができる。また、磁気回路4dの動作点等の特性を所望の特性となるように設定することができる。つまり、磁石1、プレート2、リング形状部81、ヨーク3dにより所望の特性の磁気回路が形成されることになる。
また、上記構成のイコライザ8は、ボイスコイルボビン62に接着剤等により固定されたボイスコイル7を、前面側から視認できないように配置されているので、従来と比べて、意匠性を向上させることができる。
[第8実施形態]
図13は、本発明の第8実施形態に係るスピーカ100hを説明するための断面図である。第1から第7実施形態と共通する部分については説明を省略する。図13に示すように、本実施形態に係るスピーカ100hは、プレート2の上面側に、磁石1に対して逆極性の反発磁石9を有する。反発磁石9は、例えば図13に示すように、プレート2の上面に配置され、磁石1と反発する極性となるように着磁されている。また、反発磁石9は、プレート2の径よりも小さい径となるように形成されている。詳細には、振動板6のドーム状振動部61が駆動方向(z軸方向)に沿って振動した場合であっても、ドーム状振動部61の内面が反発磁石9と接触しないような大きさおよび形状に形成されている。
例えば、上記反発磁石9を設けていない場合に、磁石1の上面部からプレート2を介してz軸方向に沿って磁束が分布する。一方、反発磁石9をプレート2の上部に設けた場合には、磁石1の上面部からのz軸方向に沿った磁束が反発磁石9により水平方向に誘導されるので、漏れ磁束を低減することができる。また、プレート2端部における磁束の方向性を向上させることができる。また、プレート2とヨーク3dの間の磁気間隙における磁束密度を増加させることができる。また磁束密度が増加するので、ボイスコイル7の感度を向上させることができる。また、反発磁石9とイコライザ8により、いわゆる反発磁気回路が形成されるので、スピーカの前面側への漏れ磁束をより低減することができる。
[第9実施形態]
図14は、本発明の第9実施形態に係るスピーカ100kを説明するための断面図である。図15は、図14に示したスピーカ100kのボイスコイル付近の断面拡大図である。第1から第8実施形態と共通する部分については説明を省略する。図14,15に示すように、本実施形態に係るスピーカ100kは、磁気回路4とボイスコイル7との間に直接又は振動板6を介して磁性流体470が保持されている。本実施形態にでは、図14,15に示すように、プレート2と、ボイスコイル7が外周部に配置された振動板6との間に磁性流体470が配置されている。
詳細には、スピーカ100kは、例えば図14,15に示すように、直径の異なる円板形状のプレート2とヨーク3の間に磁石1が配置された磁気回路4と、ボイスコイル7の内側と外側に振動部が形成され、例えば外周部がスピーカフレーム5に位置決め固定されている振動板6とを備え、プレート2と振動板6又はボイスコイル7との間に磁性流体470が保持(配置)されている。
磁性流体470は、例えばマグネタイト等の強磁性超微粒子に表面処理が施され、その強磁性超微粒子が溶媒中に分散したものである。この磁性流体470は、磁気回路4と振動板6との間に配置されているので、磁気回路4と振動板6との接触を低減させる機能を有する。
また、プレート2と振動板6とが磁性流体470を介して密着することにより、ボイスコイル7の放熱性を従来よりも向上させることができる。また放熱性が向上することにより、耐入力電圧を比較的大きく設定することができる。
また、上記構成の磁気回路4では、従来の磁気回路と比べて、磁束の垂直方向成分が比較的多いため、振動板6とボイスコイル7からなる振動系に不要な水平方向の力が生じる場合があるが、上述したように磁性流体470を配置することにより、その振動系の水平方向の振動を低減することができる。
また、従来の磁気回路では、磁気回路の磁気間隙が比較的狭いために、磁気間隙でボイスコイル7を取り囲むように磁性流体470が配置されてしまい、ボイスコイル7の駆動時に生じる機械抵抗が比較的大きく、f0が大幅に上昇して周波数特性が低下する場合がある。
一方、本発明に係るスピーカ100kでは、プレート2と振動板6間に磁性流体470が配置されているので、従来と比べて、ボイスコイル7の駆動時に生じる機械抵抗が小さく、入力信号に対する応答性(感度)の低下を低減することができる。
また、平板状のプレート2とヨーク3とを有する磁気回路4では、プレート2の端部付近で磁束密度が比較的高くなる。このため、ボイスコイル7及び振動板6をできるだけその近くに設置する必要がある。しかし単純にプレート2とボイスコイル7や振動板6を近接配置させると、ボイスコイル7の駆動時にそれらが接触する虞があるが、本実施形態に係るスピーカ100kでは、上述したように磁性流体470を配置させたので、ボイスコイル7付近の磁束密度を比較的高くするとともに、プレート2と振動板6、又はボイスコイル7との接触による異常音の発生を防止することができる。
また、比較的高い周波域を再生する場合に、低い周波域での振動板の不要な振動を抑制することができる。
[第10実施形態]
図16は、本発明の第10実施形態に係るスピーカ100Lを説明するための断面図である。第1〜第9実施形態と共通する部分については説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100Lは、図16に示すように、第4実施形態と同じ磁気回路4dを有し、プレート2と振動板6又はボイスコイル7との間に磁性流体470が保持(配置)されている。
つまり、磁気回路の形状は、上述したように第9実施形態や第10実施形態に限られるものではなく、磁気回路の磁気間隙が比較的大きく設定されており、プレート2と振動板6又はボイスコイル7との間に磁性流体470が保持(配置)されていればよい。
図17(A)は、第9実施形態に係るスピーカ100kの磁性流体470を設けた場合と設けていない場合の周波数特性を示す図であり、図17(B)は、従来の比較的狭い磁気間隙の磁気回路を有するスピーカ100kの磁性流体470を設けた場合と設けていない場合の周波数特性を示す図である。横軸は周波数(f Hz)を示し、縦軸はSPL(Sound pressure level)(S dB)を示す。詳細には、点線MA1は磁気回路とボイスコイル間に磁性流体470が設けられていない場合の周波数特性を示し、実線MR1は、磁気回路とボイスコイル間に磁性流体470が設けられている場合の周波数特性を示し、点線MB2は磁性流体が設けられていない場合の周波数特性を示し、実線MJ2は磁性流体が設けられている場合を示す。
図17(A)に示すように、磁気回路とボイスコイル間に磁性流体470を設けた場合には、低音域(約1k〜5kHz)の周波数特性が向上していることが確認できた。図17(A),(B)に示すように、従来の磁気回路と略同等の感度を得ることができた。
また、上述したように図14に示したスピーカ100kの磁気回路4では、従来の磁気回路と比べて、磁性流体470の量を少なくすることができるので、コストダウンを図ることができる。
[外磁型磁気回路の実施形態]
図18〜図21は、本発明の実施形態に係るスピーカ100m〜100pを説明するための断面図である。前述の実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100m〜100pは、いずれも外磁型の磁気回路を構成するものであって、ボイスコイル7の外側に磁石1が配置される磁気回路になっている。
すなわち、これらのスピーカ100m〜100pは、磁石1、磁石1の一極側に配備されたプレート2、および磁石1の他極側に配備されたヨーク3を備える外磁型の磁気回路4と、磁気回路4のプレート2の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7をプレート2の端部近傍に振動自在に支持する振動板6と、を有し、ヨーク3は、プレート2と同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されている。
図18に示したスピーカ100mは、平板形状に形成された円盤状のヨーク3上にほぼ同外径を有する円環状の磁石1が配置され、その上に磁石1とはやや小さい内径を有する円環状のプレート2が配置されて、外磁型の磁気回路4が形成されている。そして、プレート2の内側にボイスコイルボビン62が配置され、その内側にボイスコイル7が配備されることで、プレート2の内側に形成される磁力空間内にボイスコイル7が支持されている。
この実施形態における振動板6は、前述した実施形態と同様に、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、及び外縁端部64を有する。そして、ドーム状振動部61の外周部がボイスコイルボビン62の下側端部に連続して形成されており、ボイスコイルボビン62の上側端部がコーン状振動部63の内周部に連続して形成されている。そして、ボイスコイルボビン62の内側にボイスコイル7を配備することで、振動板6がボイスコイル7をプレート2の内側端部近傍に振動自在に支持している。
ボイスコイルボビン62の形態は、実質的に図4に示した実施形態と同じである。但し、図18に示す実施形態では、筒状部62aに対して屈曲部62bが内側に形成されてボイスコイル支持部を形成している。
図19に示したスピーカ100nは、平板形状に形成された円盤状のヨーク3上にほぼ同外径を有する円環状の磁石1Aが配置され、その上に磁石1Aとはやや小さい内径を有する円環状のプレート2が配置され、更にその上にプレート2よりやや大きい内径を有する円環状の磁石1B(反発用磁石)が配置されて、外磁型の磁気回路4が形成されている。そして、プレート2の内側にボイスコイルボビン62が配置され、その内側にボイスコイル7が配備されることで、プレート2の内側に形成される磁力空間内にボイスコイル7が支持されている。
この実施形態では、磁石1Aと磁石1Bとが対向し合う面における極性が同じであり、プレート2の内端部からは下のヨーク3の上面に向かう磁力線が形成され、更に磁石1Bの上面(振動板6側に形成された面)又は内面(ボイスコイルボビンに対向する面)からもヨーク3の上面に向かう磁力線が形成されることになるので、プレート2の内側に形成される磁力空間を上方及び下方に拡大することができ、ボイスコイル7に流す音声電流が小さくても大きな振動を与えることができる。振動板6は、図18に示す実施形態と同様である。
図20に示した実施形態は、図18に示したものの変形例であって、ヨーク3が中央にプレート2側に向けた凸状変形部3Qを有する略平板形状に形成されている(それ以外は図18に示した実施形態と同様)。この実施形態によると、凸状変形部3Qによってプレート2の端部、特に内側端部(凸状変形部3Q側に形成された、内側の端部)とヨーク3との距離が短くなるのでより大きな磁束密度を得ることができ、感度の高いスピーカを得ることができる。また、プレート2の内側端部から凸状変形部3Qに向かう磁力線の方向が水平に近づくのでボイスコイル7に作用する電磁気力の方向をプレート2の内側側部(ボイスコイル7側に形成された側面)に沿わせることができ、振動板6に効率的な振動を与えることができる。
図21に示した実施形態は、図18〜図20に示した実施形態における振動板6の変形例である。図18〜図20に示した実施形態では、ボイスコイルボビン62の内側にボイスコイル62を配備しているが、図21に示した実施形態では、ボイスコイルボビン62の外側にボイスコイル7を配備している。この場合はボイスコイルボビン62の裏面側面部に接着剤70でボイスコイル7を固定する。以下、ボイスコイルボビン62の前面を振動板の前面側に形成された面として、裏面は振動板の裏面側に形成された面として呼称する。
これによると、ボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62の裏面側面部に配置しているので、ボイスコイル7がプレート2の端部により近い位置に支持することができる。このため磁束密度が向上し、ボイスコイル7に入力される入力信号に対して感度の高いスピーカを得ることができる。また、ボイスコイル7が振動板6の裏面側に設けられているので、前面側からボイスコイル7を視認することがない。このためスピーカの意匠性が向上する。
[簡略化した磁気回路の実施形態]
図22,図23は、本発明の実施形態に係るスピーカ100q,100rを説明するための断面図である。前述の実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100q,100rは、いずれもプレートを省略して簡略化した磁気回路を構成するものである。
すなわち、これらのスピーカ100q,100rは、磁石1、磁石1の一極側に配備されたヨーク3を備える磁気回路4と、磁石1の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7を磁石1の端部近傍に振動自在に支持する振動板6と、を有し、ヨーク3は略平板形状に形成されている。
図22に示したスピーカ100qは、平板形状に形成された円盤状のヨーク3上の中央部に円盤状の磁石1が配置されて磁気回路4が形成されている。そして、磁石1の外側にボイスコイルボビン62が配置され、その外側にボイスコイル7が配備されることで、磁石1の外側に形成される磁力空間内にボイスコイル7が支持されている。
この実施形態における振動板6は、前述した実施形態と同様に、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、及び外縁端部64を有する。そして、ドーム状振動部61の外周部がボイスコイルボビン62の上側端部に連続しており、ボイスコイルボビン62の下側端部がコーン状振動部63の内周部に連続している。そして、ボイスコイルボビン62の外側にボイスコイル7を配備することで、振動板6がボイスコイル7を磁石1の外側端部近傍に振動自在に支持している。
図23に示した実施形態は、図22に示したものの変形例であって、ヨーク3の端部31が磁石1側に屈曲した形状に形成されて、ヨーク3は略平板形状(皿形状)に形成されている(それ以外は図22に示した実施形態と同様)。この実施形態によると、端部31の屈曲形状によって磁石1の外端部とヨーク3との距離が短くなるのでより大きな磁束密度を得ることができ、感度の高いスピーカを得ることができる。また、磁石1の外側端部(ボイスコイル7側に形成された端部)からヨーク3の端部31に向かう磁力線の方向が水平に近づくのでボイスコイル7に作用する電磁気力の方向を磁石1の外側側面(ボイスコイル7側に形成された側面)に沿わせることができ、振動板6に効率的な振動を与えることができる。
[振動板の変形例]
前述した実施形態に置ける振動板6は、ドーム状振動部61とボイスコイルボビン62とコーン状振動部63と外縁端部64とが一体成形されたものであるが、これらの各部はそのうちの一つ又は複数が別部材で形成されていてもよい。各部を別部材で構成することにより、音質調整が容易になるという利点が得られる。例えば、コーン状振動部63及びドーム状振動部61を硬い材料で構成する一方、外縁端部64を柔らかい材料で構成することで、高域と低域の両方の再生限界を高め、つまり、高音限界周波数をさらに大きく、低音限界周波数をさらに小さくでき、再生周波数帯域が大きいスピーカとすることができる。また、一体成形の場合には、材料によっては絞り加工が難しい問題があったが、別部材で構成することによって、各部の加工が容易になる。
図24,図25,図26は、変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である(前述した説明と同一部分については同一符号付して重複説明を省略する)。ここでは内示型の磁気回路を採用した例を説明する。
図24に示した例は、ボイスコイルボビン62の屈曲部62bを円弧断面形状にしたものである。同図(a)に示した例は、屈曲部62bを外側に屈曲させて筒状部62aの外側にボイスコイル7を配備した例、同図(b)は、ボイスコイルボビン62の下端には外側に円弧断面形状の屈曲部62bを設け、ボイスコイルボビン62の上端には内側に屈折した屈曲部62dを設けて、筒状部62aの内側にボイスコイル7を配備した例、同図(c)は、同図(b)の例において、筒状部62aの長さをボイスコイル7の長さより短く設定した例である。
図25に示した例は、ボイスコイルボビン62がボイスコイル7を部分的に支持する例であって、同図(a)は、ボイスコイルボビン62の上端に内側に形成された屈曲部62dとボイスコイル7の長さより短い筒状部62aでボイスコイル7を支持する例、同図(b)は、屈曲部を形成しないで、ボイスコイル7の長さより短い筒状部62aでボイスコイル7を支持する例、同図(c)は、下向きのコの字形に形成されたボイスコイルボビン62(ボイスコイル支持部)でボイスコイル7の上部を支持する例、同図(d)は、ドーム状振動部61とコーン状振動部63との間に形成されたボイスコイルボビン62でボイスコイル7の上端を支持する例である。
図26に示した例は、その他の変形例である。同図(a)に示す例は、コの字型の屈曲部62bを外側に形成して筒状部62aの外側にボイスコイル7を配備した例である。同図(b)に示す例は、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63とを一体に形成し、ドーム状振動部61を別に形成し、コーン状振動部63の内周部にドーム状振動部61の外周部を接続したものであり、ボイスコイルボビン62は下端部に円弧断面形状の屈曲部62bが内向きに形成されて、筒状部62aの内側にボイスコイル7が配備されている。同図(c)に示す例は、ドーム状振動部61とコーン状振動部63とを一体に形成して、その間にボイスコイルボビン62の上端を接続したものである。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態を組み合わせて本発明に係るスピーカや磁気回路を実施してもよい。
また、例えば上述した実施形態では、円形状のスピーカを説明したが、この形態に限られるものではない。例えば本発明に係るスピーカを、略楕円形状、略矩形状、フラット形状等の各種形状のスピーカに採用することもできる。
また、前述した一部の実施形態で磁性流体を設けたが、例示した形態に限らず本発明の全ての実施形態で磁性流体を設けることができ、本発明の実施形態としては、磁気回路の一部とボイスコイルの間に直接又は振動板を介して磁性流体が保持(配置)されていればよい。
以上説明したように、本発明に係るスピーカは、磁石1、磁石1の一極側に配備されたプレート2、および磁石1の他極側に配備されたヨーク3を備える内磁型又は外磁型の磁気回路4、或いはプレート2を省略した磁気回路4と、磁気回路4の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7を磁気回路4の端部近傍に振動自在に支持する振動板6とを有している。このスピーカによると、ヨーク3は略平板形状に形成されているので、煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路を備えた高性能なスピーカを提供することができる。
また、振動板6は、振動板6の中央部に形成されたドーム状振動部61と、外周が直接または間接的にスピーカフレーム5に支持されるコーン状振動部63と、ドーム状振動部61とコーン状振動部63の間に形成され、ボイスコイル7が配置される筒状部の端部から外側に向って屈曲した断面L字状に形成されているボイスコイルボビン62とを有し、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63とが一体成形されているので、例えば成形困難な幅の狭いU字状を備えた振動板を形成することなく、簡単な構成の振動板を備えた高性能なスピーカを提供することができる。
【0002】
は、エッジ18により支持されている。この振動板16、ボイスコイルボビン17、及びエッジ18は一体成形されており、ボイスコイルボビン17の凹部内部には、ボイスコイル17aが形成されている。またプレート15の上部にはフレーム19が形成されている。
[0005]
特許文献1:特開2005−102166号公報
特許文献2:特開平5−30592号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0006]
しかし、上記特許文献1に記載のスピーカでは、ヨーク103を断面U字形状に形成するという煩雑な工程が必要である。また、このスピーカでは磁気間隙に磁束を集中させるために、U字形状のヨーク103の端部を更に内側に向けて屈曲させる工程が必要である。
[0007]
また、上記特許文献2に記載のスピーカでは、ヨーク13の外周とプレート15の内周に挟まれた狭い磁気間隙内にボイスコイル17aを配置するために、振動板16に、比較的幅が狭く深い溝を備える断面U字形状のボイスコイルボビン17を高精度に形成する必要がある。よって、従来のスピーカは形成工程に長時間を要する問題がある。
[0008]
また、ボイスコイルは駆動電流のジュール熱や振動時の摩擦熱によって発熱するが、この発熱によって磁気回路の磁力低下や振動板の変形などが生じる問題があり、簡単な構成で磁気回路の放熱を行うことができるスピーカが望まれている。
[0009]
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路を備えた高性能なスピーカを提供すること、振動板に成形困難な幅の狭いU字形状を形成することなく、簡単な構成の振動板を備えた高性能なスピーカを提供すること、簡単な構成で磁気回路の放熱を行うこと、等が本発明の目的である。
課題を解決するための手段
[0010]
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[0011]
請求項1に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型の磁気回路と、前記
【0003】
磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成され、前記プレートの端部に対して開放された空間が形成されていることを特徴とする。
[0012]
請求項2に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える外磁型の磁気回路と、前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成され、前記プレートの端部に対して開放された空間が形成されていることを特徴とする。
[0013]
請求項3に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたヨークを備える磁気回路と、前記磁石の端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記磁石の端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、略平板形状に形成され、前記磁石の端部に対して開放された空間が形成されていることを特徴とする。
[0014]
請求項20に係る発明の磁気回路は、磁石と、記磁石の一極側に配備されたプレートと、前記磁石の他極側に配備されたヨークとを有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成され、前記プレートの端部に対して開放された空間が形成されている。
[0015]
請求項21に係る発明の磁気回路は、磁石と、前記磁石の一極側に配備されたプレートと、前記磁石の他極側に配備されたヨークと、を有する外磁型のスピーカ用磁気回路であって、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成され、前記プレートの端部に対して開放された空間が形成されていることを特徴とする。
[0016]
請求項22に係る発明の磁気回路は、磁石と、前記磁石の一極側に配備されたヨークからなるスピーカ用磁気回路であって、前記ヨークは、略平板形状に形成され、前記磁石の端部に対して開放された空間が形成されていることを特徴とする。
図面の簡単な説明
[0017]
[図1](a)は一般的な内磁型磁気回路を有するスピーカを説明するための断面図である。(b)は一般的な外磁型磁気回路を有するスピーカを説明するための断面図である。
【0005】
形態を示す説明図である。
[図21]本発明の実施形態のうち、外磁型の磁気回路を備えたスピーカの実施形態(振動板6の変形例)を示す説明図である。
[図22]本発明の実施形態のうち、簡易化された磁気回路を備えたスピーカ100qの実施形態を示す説明図である。
[図23]本発明の実施形態のうち、簡易化された磁気回路を備えたスピーカ100rの実施形態を示す説明図である。
[図24]変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である。
[図25]変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である。
[図26]変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0018]
本発明の一実施形態に係るスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型又は外磁型の磁気回路と、前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成され、前記プレートの端部に対して開放された空間が形成されている。また、磁気回路の構成部材としては、磁石とヨークだけでも良く、その場合は、磁石、前記磁石の一極側に配備されたヨークを備える磁気回路と、前記磁石の端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記磁石の端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、略平板状に形成され、前記磁石の端部に対して開放された空間が形成されている。
[0019]
本発明の実施形態に係るスピーカでは、磁気回路中のボイスコイルが配置される空間を、磁気回路の構成部材(磁石、ヨーク、プレートのいずれか)の端部間で挟持される空間にするのではなく、一つの構成部材の端部に対して開放された空間にしている。すなわち、磁気回路中のボイスコイルが配置される空間は、磁気回路の一つの構成部材の端部とそれとは対面しないヨークの上面によって形成されることになり、
【0006】
このような空間を形成するために、ヨークの形態を略平板形状に形成しているとともに、プレート又は磁石の端部に対して開放された空間が形成している。ここでいう略平板形状とは、簡単なプレス加工によって成形可能な屈曲部や凹凸部を有するものを含むものであって、全くの平面板に限定されるものではない。
[0020]
上記構成のスピーカでは、磁気回路のヨークが略平板形状に形成され、プレート又は磁石の端部に対して開放された空間が形成されているので、煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路を備えた高性能なスピーカを提供することができる。
[0021]
また、ボイスコイルが配置される磁気回路中の磁力空間を開放した空間にすることができるので、ボイスコイルの発熱を効果的に放熱させることができる。
[0022]
更には、ボイスコイルの配置に空間的な余裕ができるので、ボイスコイルの支持構造を多様化することができ、ボイスコイルボビンや振動板の形状を加工し易い形状にすることができる。特に、振動板の一体成形でボイスコイル支持部となるボイスコイルボビンを形成するもめでは、狭い磁気間隙に挿入するための狭く深い溝部を形成する必要がないので、容易に成形加工することができる。
[0023]
また、従来の狭い磁気ギャップ間にボイスコイルを配置するものと比較して、スピーカ構成部品に高い寸法精度が要求されないので、製造上の不良が起こりにくく、結果的に製造コストを低減させることができる。
[0024]
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るスピーカを説明する。
[0025]
[第1実施形態]
図2は本発明の第1実施形態に係るスピーカ100を説明するための正面図である。図3は図2に示したスピーカ100のA−A線に沿った断面図である。
[0026]
図2,3に示すように、本実施形態に係るスピーカ100は、磁石1と、プレート2と、ヨーク3とにより構成される磁気回路4、スピーカフレーム(フレームともいう)5、振動板6、およびボイスコイル7を有する。
[0027]
磁石1は、例えばネオジウム系、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、フェライト系磁石等の永久磁石等により形成されている。磁石1の一極側(上端部)にはプレート2が配備され、磁石1の他極側(下端部)には略平板形状のヨーク3が配備されている。この磁石1、プレート2、およびヨーク3により内磁型の磁気回路4が構成されている。プレート2は、磁石1の径La1よりも大きい径La2に形成されている。ヨーク3はプレート2
【0009】
[0035]
上述したようにボイスコイル7を上記領域R7に形成することで、振動板6が最大限振幅した場合であっても、ボイスコイル7をプレート2とヨーク3間の略均一な磁束分布範囲内に配置することができる。そのため歪の少ない音響特性のスピーカ100を得ることができる。
[0036]
図5(a)は図3に示したスピーカ100のコーン状振動部63を説明するための図である。図5(b)は図5(a)に示した振動板6の断面図である。コーン状振動部63は、例えば図5に示すようにボイスコイルボビン62の下側端部から、振動板6の外縁端部64にかけて形成されている。このコーン状振動部63は、断面の母線形状が略円錐形状(コーン形状)に形成されている。また例えばコーン状振動部63の形状は、断面の母線形状が円弧状に形成されたカーブドコーン形状、直線形状に形成されたフラットコーン形状、放物線状に形成されたパラボリックコーン形状等、各種形状を採用することができる。
[0037]
例えば図1(b)に示すような一般的なスピーカは、狭い磁気間隙の間に、幅狭の断面U字状のボイスコイルボビン17を形成する必要がある。この幅狭の断面U字状のボイスコイルボビン17は形成が困難である。一方、本実施形態に係るスピーカ100は、プレート2の端部とヨーク3の間の磁気間隙が、上記一般的なスピーカと比べて広く形成されているので、図5に示すようにボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部の底部の幅より開口側の幅を広く形成することができ、容易に形成可能である。
[0038]
詳細には、図5に示すように、ボイスコイルボビン62上のボイスコイル形成領域R7の上端部62uと、その上端部62uを通る水平面(xy平面)とコーン状振動部63とが交差する位置63uとの間の距離Lxu1を開口側の幅とする。ボイスコイルボビン62上のボイスコイル形成領域R7の下端部62dと、その下端部62dを通る水平面(xy平面)とコーン状振動部63とが交差する位置63dとの間の距離Lxd2を底部の幅とする。この開口側の幅Lxu1は、底部の幅Lxd2よりも幅広である。好ましくは、開口側の幅Lxu1は、ボイスコイル形成領域R7と略同程度の長さに形成されている。
[0039]
上記構成の振動板6は、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部において、その凹部の底部から上側の開口側にかけて幅広に形成されている
【0011】
ビン62は、その駆動力により、z軸方向に沿って振動し、ドーム状振動部61およびコーン状振動部63を振動させる。スピーカ100は、ドーム状振動部61およびコーン状振動部63が振動することにより粗密波を放射するので、一般的なドーム型スピーカとコーン状スピーカの2つの特性を兼ね備えている。
[0044]
以上説明したように、本実施形態に係るスピーカ100は、磁石1、磁石1の一極側に配備されたプレート2、および磁石1の他極側に配備されたヨーク3を備える内磁型の磁気回路4、磁気回路4のプレート2の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7をプレート2の端部近傍に振動自在に支持する振動板6とを有し、ヨーク3は、プレート2と同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されているので、従来のようにヨークを形成するために煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路4を得ることができる。また、その磁気回路4を採用したスピーカ100を得ることができる。
[0045]
また、振動板6は、振動板6の中央部に形成されたドーム状振動部(第1の振動部)61と、外周が直接または間接的にスピーカフレーム5に支持されるコーン状振動部(第2の振動部)63と、ドーム状振動部61とコーン状振動部63との間に形成され、ボイスコイル7が配置されるボイスコイルボビン62とを有し、ドーム状振動部61、コーン状振動部63、およびボイスコイルボビン62が、例えばプレス成形や射出成形等により一体成形されているので、簡単に振動板6を得ることができる。
[0046]
また、ボイスコイルボビン62は、ボイスコイル7が配置される筒状部62aの端部から外側に向って屈曲した断面L字状に形成されており、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部において、凹部の底部より開口部の間隔が広く形成されているので、図1(b)に示すような断面U字形状のボイスコイルボビン62と比べて、容易に形成することができる。
[0047]
また、振動板6は、当該振動板6の端部に形成され、フレーム5に形成された係合段部(被嵌合部)5aに嵌合する嵌合部64aを有し、振動板6の嵌合部64aと、スピーカフレーム5の係合段部5aとが嵌合して、振動板6とフレーム5との位置合わせを行うので、簡単に振動板6とフレーム5との位置合わせを行うことができる。詳細には、振動板6は、端部が筒形状に形成され、当該筒形状の内側面が、スピーカフレーム5に形成された係合段部5bの外側面に固定する。
【0013】
図7は、本発明の第3実施形態に係るスピーカ100cを説明するための断面図である。第1及び第2実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。
[0055]
本実施形態に係るスピーカ100cは、図7に示すように、磁気回路4cを有する。磁気回路4cは、軸方向(z軸方向:図に向って上下方向)に沿って、貫通孔部41が形成されている。詳細には、磁気回路4cにおいて、図7に示すように、磁石1c、プレート2c、およびヨーク3cそれぞれは、軸方向に沿って貫通孔部41が形成されている。
[0056]
上記構成のスピーカ100cでは、ドーム状振動部61が軸方向に沿って振動した場合に、ドーム状振動部61内の空気が貫通孔部41を通って外部に流出し、または外部の空気が貫通孔部41を介してドーム状振動部61内に流入する。このため第1および第2実施形態と比べて本実施形態に係るスピーカ100cは、音響特性が向上する。また、スピーカの重量を低減することができる。また、磁気回路の動作点を向上させることができる。
[0057]
[第4実施形態]
図8は、本発明の第4実施形態に係るスピーカ100dを説明するための断面図である。第1〜第3実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。図8に示すように、本実施形態に係るスピーカ100dは、磁石1と、プレート2と、ヨーク3dとより構成される磁気回路4d、フレーム5d、振動板6、およびボイスコイル7を有する。
[0058]
ヨーク3dは、略平板形状に形成されており、端部31がプレート2側に屈曲した形状に形成されている。ヨーク3dはいわゆる皿型状に形成されている。詳細には、ヨーク3dの端部31は、水平面から角度約40度から70度程度となるように屈曲した円錐形状に形成されている。この角度は、振動板6のコーン状振動部63の円錐傾斜面の角度や、プレート2とヨーク3d間の磁束密度分布等に応じて適宜設定されている。
[0059]
また、フレーム5dは、上記皿型状のヨーク3dの端部31の裏面側に内周部51が接合されている。このフレーム5dは、上記皿型状のヨーク3dにインサート成形により形成することが好ましい。こうすることで例えばフレーム5dとヨーク3dとを接着剤により接着する工程を省くことができ、製造時間の短縮を実現することができる。また、製造コストを低減することができる。
【0014】
[0060]
以上説明したように、本実施形態に係るスピーカ100dは、第1実施形態と比べて、プレート2の端部とヨーク3dとの距離が短いので、より大きな磁束密度を得ることができる。また、第1実施形態と比べて磁気漏洩を低減することができる。
[0061]
[第5実施形態]
図9は、本発明の第5実施形態に係るスピーカ100eの磁気回路を説明するための断面図である。第1〜第4実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100eは、図9に示すような磁気回路4eを有する。磁気回路4eは、磁石1、プレート2、およびヨーク3eを有する。
[0062]
ヨーク3eは、略プレート2の径と同程度の径に形成された平板形状のプレート301、およびプレート301の外周端部301aに内周端部302aが接合する円錐形状部材302を有する。平板形状のプレート301の外周端部301aと、円錐形状部302の内周端部302aは、例えば接着剤等により固定される。この円錐形状部材302は、第4実施形態に係る端部31に相当する。
[0063]
上記磁気回路4eを製造する場合を説明する。先ず、平板形状のプレート301と、それとは別部材の円錐形状部材302を形成する。そして、平板形状のプレート301の外周端部301aと、円錐形状部材302の内周端部302aとを接着剤等により固定する。
[0064]
以上説明したように、本実施形態では、簡単な構造の平板形状のプレート301と、それとは別部材の円錐形状部材302を組み立てることにより、第4実施形態のヨーク3dと同様な形状及び機能を有するヨーク3eを形成することができる。このため、製造工程の短縮化や、製造コストの低減化を実現することができる。
[0065]
[第6実施形態]
図10は、本発明の第6実施形態に係るスピーカ100fを説明するための断面図である。第1〜第5実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100fは、図10に示すように、ヨークがフレームとしての機能も有する。詳細には本実施形態に係るヨーク3fは、磁石1の裏面側の極に配置される平板形状部301fが中央部に形成され、係合段部35bを備えた平板形状のフレーム部305fが端部に形成され、平板形状部301fとフレーム部305fとの間に前面側に向って
【0015】
円錐傾斜面を備えたコーン形状部302fが形成されている。フレーム部305fは、プレート2と略同じ水平高さに設定されている。係合段部35bは上述した係合段部5b(図3,7,8参照)に相当し、振動板6の端部と嵌合する。
[0066]
ヨーク3fは、平板形状部301f、コーン形状部302f、およびフレーム部305fが一体成形されている。例えばヨーク3fは、例えば金型成形装置、プレス加工装置、射出成形装置等の各種製造装置により成形される。
[0067]
上述したように本実施形態に係るスピーカ100fは、上記構成のヨーク3fを有するので、ヨーク3fがフレームとしての機能も兼ね備える。また例えば第4実施形態に係るスピーカ100dでは、ヨーク3dと樹脂製のフレーム5dとをインサート成形したが、本実施形態に係るヨーク3fでは、そのインサート成形を行う必要がなく、同一材料にて上記構成のヨーク3fを簡単に形成することができる。
[0068]
[第7実施形態]
図11は、本発明の第7実施形態に係るスピーカ100gを説明するための正面図である。図12は、図11に示したスピーカ100gのA−A線に沿った断面図である。第4実施形態と共通する部分については説明を省略する。図11,12に示すように、本実施形態に係るスピーカ100gは、振動板6の前面側、プレート2やボイスコイル7の近傍にイコライザ8を有する。このイコライザ8は、鉄等の磁性材料により形成されている。本実施形態に係るイコライザ8は、詳細にはスピーカの指向性、音圧、周波数等に一定の変化を与える機能と、磁石1、プレート2、およびヨーク3dにより構成される磁気回路4dの特性を改善する機能とを有する。
[0069]
イコライザ8は、図11に示すように、リング形状部81、およびアーム部82を有する。リング形状部81は、振動板6の前面側、プレート2やボイスコイル7の近傍にリング形状に形成されている。リング形状部81の径は、ヨーク3の径よりも小さく設定されている。また、リング形状部81は、ボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部形状に応じた断面形状に形成されている。アーム部82は、リング形状部81の外周から放射状に延びた形状に形成され、外側端部がフレーム5dに固定されている。このアーム部82は、リング形状部81を上記規定位置に保持する。リング形状部81とアーム部82は一体成形されている。
【0016】
[0070]
例えば図12に示すように、リング形状部81は、第1の傾斜部811、および第2の傾斜部812を有する。第1の傾斜部811と第2の傾斜部812の間には屈曲部813が形成されている。第1の傾斜部811は、ドーム状振動部61と略同じ傾斜角度の傾斜面が形成されている。また、第1の傾斜部811は、ドーム状振動部61の断面形状に対応して断面円弧状に形成されることが好ましい。第2の傾斜部812は、第1の傾斜部811と逆の傾斜角度の傾斜面が形成され、詳細にはコーン状振動部63と略同じ傾斜角度の傾斜面が形成されている。また、第2の傾斜部812は、コーン状振動部63の断面形状に対応して断面円弧形状に形成されることが好ましい。このイコライザ8の形状は、磁石1、プレート2、ヨーク3dにより構成される磁気回路4dの磁束の方向や強さ等の磁束分布や、磁気回路4dの動作点等の特性に応じて適宜設定する。
[0071]
上記構成のイコライザ8は、リング形状部81が、振動板6の前面側、ドーム状振動部61とコーン状振動部63との間付近に形成されているので、振動板6が振動することにより放射される粗密波を、ドーム状振動部61からの粗密波と、コーン状振動部63からの粗密波とに分けて、前面側に放射することができる。このためドーム状振動部61とコーン状振動部63それぞれの音響特性、例えば指向性、音圧、周波数等に一定の変化を与えることができる。
[0072]
また、イコライザ8は、鉄等の磁性材料により形成されているので、イコライザ8の形状や所望の材料を適宜設定することで、磁石1、プレート2、ヨーク3dにより構成される磁気回路4dの磁束の方向や強さ等の磁束分布を所望の分布となるように設定することができる。また、磁気漏洩を低減することができる。また、磁気回路4dの動作点等の特性を所望の特性となるように設定することができる。つまり、磁石1、プレート2、リング形状部81、ヨーク3dにより所望の特性の磁気回路が形成されることになる。
[0073]
また、上記構成のイコライザ8は、ボイスコイルボビン62に接着剤等により固定されたボイスコイル7を、前面側から視認できないように配置されているので、従来と比べて、意匠性を向上させることができる。
[0074]
[第8実施形態]
図13は、本発明の第8実施形態に係るスピーカ100hを説明するための断面図である。第7実施形態と共通する部分については説明を省略する。図13に示
【0017】
すように、本実施形態に係るスピーカ100hは、プレート2の上面側に、磁石1に対して逆極性の反発磁石9を有する。反発磁石9は、例えば図13に示すように、プレート2の上面に配置され、磁石1と反発する極性となるように着磁されている。また、反発磁石9は、プレート2の径よりも小さい径となるように形成されている。詳細には、振動板6のドーム状振動部61が駆動方向(z軸方向)に沿って振動した場合であっても、ドーム状振動部61の内面が反発磁石9と接触しないような大きさおよび形状に形成されている。
[0075]
例えば、上記反発磁石9を設けていない場合に、磁石1の上面部からプレート2を介してz軸方向に沿って磁束が分布する。一方、反発磁石9をプレート2の上部に設けた場合には、磁石1の上面部からのz軸方向に沿った磁束が反発磁石9により水平方向に誘導されるので、漏れ磁束を低減することができる。また、プレート2端部における磁束の方向性を向上させることができる。また、プレート2とヨーク3dの間の磁気間隙における磁束密度を増加させることができる。また磁束密度が増加するので、ボイスコイル7の感度を向上させることができる。また、反発磁石9とイコライザ8により、いわゆる反発磁気回路が形成されるので、スピーカの前面側への漏れ磁束をより低減することができる。
[0076]
[第9実施形態]
図14は、本発明の第9実施形態に係るスピーカ100kを説明するための断面図である。図15は、図14に示したスピーカ100kのボイスコイル付近の断面拡大図である。第1実施形態と共通する部分については説明を省略する。図14,15に示すように、本実施形態に係るスピーカ100kは、磁気回路4とボイスコイル7との間に直接又は振動板6を介して磁性流体470が保持されている。本実施形態では、図14,15に示すように、プレート2と、ボイスコイル7が外周部に配置された振動板6との間に磁性流体470が配置されている。
[0077]
詳細には、スピーカ100kは、例えば図14,15に示すように、直径の異なる円板形状のプレート2とヨーク3の間に磁石1が配置された磁気回路4と、ボイスコイル7の内側と外側に振動部が形成され、例えば外周部がスピーカフレーム5に位置決め固定されている振動板6とを備え、プレート2と振動板6又はボイスコイル7との間に磁性流
【0018】
体470が保持(配置)されている。
[0078]
磁性流体470は、例えばマグネタイト等の強磁性超微粒子に表面処理が施され、その強磁性超微粒子が溶媒中に分散したものである。この磁性流体470は、磁気回路4と振動板6との間に配置されているので、磁気回路4と振動板6との接触を低減させる機能を有する。
[0079]
また、プレート2と振動板6とが磁性流体470を介して密着することにより、ボイスコイル7の放熱性を従来よりも向上させることができる。また放熱性が向上することにより、耐入力電力を比較的大きく設定することができる。
[0080]
また、上記構成の磁気回路4では、従来の磁気回路と比べて、磁束の垂直方向成分が比較的多いため、振動板6とボイスコイル7からなる振動系に不要な水平方向の力が生じる場合があるが、上述したように磁性流体470を配置することにより、その振動系の水平方向の振動を低減することができる。
[0081]
また、従来の磁気回路では、磁気回路の磁気間隙が比較的狭いために、磁気間隙でボイスコイル7を取り囲むように磁性流体470が配置されてしまい、ボイスコイル7の駆動時に生じる機械抵抗が比較的大きく、f0が大幅に上昇して周波数特性が低下する場合がある。
[0082]
一方、本発明に係るスピーカ100kでは、プレート2と振動板6間に磁性流体470が配置されているので、従来と比べて、ボイスコイル7の駆動時に生じる機械抵抗が小さく、入力信号に対する応答性(感度)の低下を低減することができる。
[0083]
また、平板状のプレート2とヨーク3とを有する磁気回路4では、プレート2の端部付近で磁束密度が比較的高くなる。このため、ボイスコイル7及び振動板6をできるだけその近くに設置する必要がある。しかし単純にプレート2とボイスコイル7や振動板6を近接配置させると、ボイスコイル7の駆動時にそれらが接触する虞があるが、本実施形態に係るスピーカ100kでは、上述したように磁性流体470を配置させたので、ボイスコイル7付近の磁束密度を比較的高くするとともに、プレート2と振動板6、又はボイスコイル7との接触による異常音の発生を防止することができる。
[0084]
また、比較的高い周波域を再生する場合に、低い周波域での振動板の不要な振動を抑制することができる。
【0019】
[0085]
[第10実施形態]
図16は、本発明の第10実施形態に係るスピーカ100Lを説明するための断面図である。第4実施形態と共通する部分については説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100Lは、図16に示すように、第4実施形態と同じ磁気回路4dを有し、プレート2と振動板6又はボイスコイル7との間に磁性流体470が保持(配置)されている。
[0086]
つまり、磁気回路の形状は、上述したように第9実施形態や第10実施形態に限られるものではなく、磁気回路の磁気間隙が比較的大きく設定されており、プレート2と振動板6又はボイスコイル7との間に磁性流体470が保持(配置)されていればよい。
[0087]
図17(A)は、第9実施形態に係るスピーカ100kの磁性流体470を設けた場合と設けていない場合の周波数特性を示す図であり、図17(B)は、従来の比較的狭い磁気間隙の磁気回路を有するスピーカ100kの磁性流体470を設けた場合と設けていない場合の周波数特性を示す図である。横軸は周波数(f Hz)を示し、縦軸はSPL(Sound pressure level)(S dB)を示す。詳細には、点線MA1は磁気回路とボイスコイル間に磁性流体470が設けられていない場合の周波数特性を示し、実線MR1は、磁気回路とボイスコイル間に磁性流体470が設けられている場合の周波数mを示し、点線MB2は磁性流体が設けられていない場合の周波数特性を示し、実線MJ2は磁性流体が設けられている場合を示す。
[0088]
図17(A)に示すように、磁気回路とボイスコイル間に磁性流体470を設けた場合には、低音域(約1k〜5kHz)の周波数特性が向上していることが確認できた。図17(A),(B)に示すように、従来の磁気回路と略同等の感度を得ることができた。
[0089]
また、上述したように図14に示したスピーカ100kの磁気回路4では、従来の磁気回路と比べて、磁性流体470の量を少なくすることができるので、コストダウンを図ることができる。
[0090]
[外磁型磁気回路の実施形態]
図18〜図21は、本発明の実施形態に係るスピーカ100m〜100pを説明するための断面図である。前述の実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100m〜100pは、いずれも外磁型の磁
【0022】
ピーカを得ることができる。また、ボイスコイル7が振動板6の裏面側に設けられているので、前面側からボイスコイル7を視認することがない。このためスピーカの意匠性が向上する。
[0100]
[簡略化した磁気回路の実施形態]
図22,図23は、本発明の実施形態に係るスピーカ100q,100rを説明するための断面図である。前述の実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100q,100rは、いずれもプレートを省略して簡略化した磁気回路を構成するものである。
[0101]
すなわち、これらのスピーカ100q,100rは、磁石1、磁石1の一極側に配備されたヨーク3を備える磁気回路4と、磁石1の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7を磁石1の端部近傍に振動自在に支持する振動板6と、を有し、ヨーク3は略平板形状に形成されている。
[0102]
図22に示したスピーカ100qは、平板形状に形成された円盤状のヨーク3上の中央部に円盤状の磁石1が配置されて磁気回路4が形成されている。そして、磁石1の外側にボイスコイルボビン62が配置され、その外側にボイスコイル7が配備されることで、磁石1の外側に形成される磁力空間内にボイスコイル7が支持されている。
[0103]
この実施形態における振動板6は、前述した実施形態と同様に、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、及び外縁端部64を有する。そして、ドーム状振動部61の外周部がボイスコイルボビン62の上側端部に連続しており、ボイスコイルボビン62の下側端部がコーン状振動部63の内周部に連続している。そして、ボイスコイルボビン62の外側にボイスコイル7を配備することで、振動板6がボイスコイル7を磁石1の外側端部近傍に振動自在に支持している。
[0104]
図23に示した実施形態は、ヨーク3dの端部31が磁石1側に屈曲した形状に形成されて、ヨーク3dは略平板形状(皿形状)に形成されている。この実施形態によると、端部31の屈曲形状によって磁石1の外端部とヨーク3dとの距離が短くなるのでより大きな磁束密度を得ることができ、感度の高いスピーカを得ることができる。また、磁石1の外側端部(ボイスコイル7側に形成された端部)からヨーク3dの端部31に向かう磁力線
【0023】
の方向が水平に近づくのでボイスコイル7に作用する電磁気力の方向を磁石1の外側側面(ボイスコイル7側に形成された側面)に沿わせることができ、振動板6に効率的な振動を与えることができる。
[0105]
[振動板の変形例]
前述した実施形態に置ける振動板6は、ドーム状振動部61とボイスコイルボビン62とコーン状振動部63と外縁端部64とが一体成形されたものであるが、これらの各部はそのうちの一つ又は複数が別部材で形成されていてもよい。各部を別部材で構成することにより、音質調整が容易になるという利点が得られる。例えば、コーン状振動部63及びドーム状振動部61を硬い材料で構成する一方、外縁端部64を柔らかい材料で構成することで、高域と低域の両方の再生限界を高め、つまり、高音限界周波数をさらに大きく、低音限界周波数をさらに小さくでき、再生周波数帯域が大きいスピーカとすることができる。また、一体成形の場合には、材料によっては絞り加工が難しい問題があったが、別部材で構成することによって、各部の加工が容易になる。
[0106]
図24,図25,図26は、変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である(前述した説明と同一部分については同一符号付して重複説明を省略する)。ここでは内磁型の磁気回路を採用した例を説明する。
図24に示した例は、ボイスコイルボビン62の屈曲部62bを円弧断面形状にしたものである。同図(a)に示した例は、屈曲部62bを外側に屈曲させて筒状部62aの外側にボイスコイル7を配備した例、同図(b)は、ボイスコイルボビン62の下端には外側に円弧断面形状の屈曲部62bを設け、ボイスコイルボビン62の上端には内側に屈折した屈曲部62dを設けて、筒状部62aの内側にボイスコイル7を配備した例、同図(c)は、同図(b)の例において、筒状部62aの長さをボイスコイル7の長さより短く設定した例である。
図25に示した例は、ボイスコイルボビン62がボイスコイル7を部分的に支持する例であって、同図(a)は、ボイスコイルボビン62の上端に内側に形成された屈曲部62dとボイスコイル7の長さより短い筒状部62aでボイスコイル7を支持する例、同図(b)は、屈曲部を形成しないで、ボイスコイル7の長さより短い筒状部62aでボイスコイル7を支持する例、同図(c)は、下向きのコの字形に形成されたボイスコイルボビン62(ボイ
本発明は、スピーカ、および磁気回路に関するものである。
オーディオシステム等に備えられているスピーカは、アンプからの電気信号(電気エネルギ)を音響信号(音響エネルギ)に変換する電気変換器といえる。スピーカを動作原理により大別すると、動電型、静電型、圧電型、放電型、電磁型などに分けられ、現在は音質の良さ等の諸条件を兼ね備えた高性能な動電型(ダイナミック型)が主流を占めている。以下、動電型スピーカの具体例を説明する。
例えば特許文献1に開示されているスピーカは、図1(a)に示すように、振動板101の外周部がエッジ102を介してヨーク103に保持され、断面U字形状のヨーク103の上面側に磁石104が配置され、その磁石104の上面側にトッププレート105が形成されている。このヨーク103、磁石104、およびトッププレート105により磁気回路106が構成される。また、ヨーク103の端部がトッププレート105側に屈曲して形成されており、このヨーク103の端部とトッププレート105により形成された磁気間隙にボイスコイル107が配置されている。上記磁気回路106は、ボイスコイル107より内側に磁石104が配置されている構造から内磁型磁気回路と呼ばれている。以下、振動板に関し、音響放射側に形成された面を前面、磁気回路側に形成された面を裏面と呼称する。また、磁石、ヨークとプレートに関し、振動板側に形成された面を上面、振動板に対して逆側に形成された面を下面と呼称する。
一方、特許文献2には、ボイスコイルに対して外側に磁石を配置した外磁型磁気回路を備えたスピーカが開示されている。このスピーカは、図1(b)に示すように、ポール部11及び係合段部12aが形成されたヨーク13に、リング状の磁石14が載置され、磁石14の上部に係合突起15aを備えたプレート15が載置されている。ヨーク13のポール部11の上方にはドーム状の振動板16が形成されている。振動板16には外周縁部に断面U字状のボイスコイルボビン17が形成されており、ボイスコイルボビン17は、エッジ18により支持されている。この振動板16、ボイスコイルボビン17、及びエッジ18は一体成形されており、ボイスコイルボビン17の凹部内部には、ボイスコイル17aが形成されている。またプレート15の上部にはフレーム19が形成されている。
特開2005−102166号公報 特開平5−30592号公報
しかし、上記特許文献1に記載のスピーカでは、ヨーク103を断面U字形状に形成するという煩雑な工程が必要である。また、このスピーカでは磁気間隙に磁束を集中させるために、U字形状のヨーク103の端部を更に内側に向けて屈曲させる工程が必要である。
また、上記特許文献2に記載のスピーカでは、ヨーク13の外周とプレート15の内周に挟まれた狭い磁気間隙内にボイスコイル17aを配置するために、振動板16に、比較的幅が狭く深い溝を備える断面U字形状のボイスコイルボビン17を高精度に形成する必要がある。よって、従来のスピーカは形成工程に長時間を要する問題がある。
また、ボイスコイルは駆動電流のジュール熱や振動時の摩擦熱によって発熱するが、この発熱によって磁気回路の磁力低下や振動板の変形などが生じる問題があり、簡単な構成で磁気回路の放熱を行うことができるスピーカが望まれている。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路を備えた高性能なスピーカを提供すること、振動板に成形困難な幅の狭いU字形状を形成することなく、簡単な構成の振動板を備えた高性能なスピーカを提供すること、簡単な構成で磁気回路の放熱を行うこと、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
請求項1に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型の磁気回路と、前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成され、ていることを特徴とする。
請求項2に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える外磁型の磁気回路と、前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成され、ていることを特徴とする。
請求項3に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたヨークを備える磁気回路と、前記磁石の端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記磁石の端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、略平板状に形成され、ていることを特徴とする。
請求項23に係る発明の磁気回路は、磁石と、前記磁石の一極側に配備されたプレートと、前記磁石の他極側に配備されたヨークと、を有する内磁型のスピーカ用磁気回路であって、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成され、ていることを特徴とする。
請求項24に係る発明の磁気回路は、磁石と、前記磁石の一極側に配備されたプレートと、前記磁石の他極側に配備されたヨークと、を有する外磁型のスピーカ用磁気回路であって、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成され、ていることを特徴とする。
請求項25に係る発明の磁気回路は、磁石と、前記磁石の一極側に配備されたヨークからなるスピーカ用磁気回路であって、前記ヨークは、略平板状に形成され、ていることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係るスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型又は外磁型の磁気回路と、前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成され、ている。また、磁気回路の構成部材としては、磁石とヨークだけでも良く、その場合は、磁石、前記磁石の一極側に配備されたヨークを備える磁気回路と、前記磁石の端部近傍に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記磁石の端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、略平板状に形成され、ている。
本発明の実施形態に係るスピーカでは、磁気回路中のボイスコイルが配置される空間を、磁気回路の構成部材(磁石、ヨーク、プレートのいずれか)の端部間で挟持される空間にするのではなく、一つの構成部材の端部に対して開放された空間にしている。すなわち、磁気回路中のボイスコイルが配置される空間は、磁気回路の一つの構成部材の端部とそれとは対面しないヨークの上面によって形成されることになり、このような空間を形成するために、ヨークの形態を略平板形状に形成している。ここでいう略平板形状とは、簡単なプレス加工によって成形可能な屈曲部や凹凸部を有するものを含むものであって、全くの平面板に限定されるものではない。
上記構成のスピーカでは、磁気回路のヨークが略平板形状に形成され、ているので、煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路を備えた高性能なスピーカを提供することができる。
また、ボイスコイルが配置される磁気回路中の磁力空間を開放した空間にすることができるので、ボイスコイルの発熱を効果的に放熱させることができる。
更には、ボイスコイルの配置に空間的な余裕ができるので、ボイスコイルの支持構造を多様化することができ、ボイスコイルボビンや振動板の形状を加工し易い形状にすることができる。特に、振動板の一体成形でボイスコイル支持部となるボイスコイルボビンを形成するものでは、狭い磁気間隙に挿入するための狭く深い溝部を形成する必要がないので、容易に成形加工することができる。
また、従来の狭い磁気ギャップ間にボイスコイルを配置するものと比較して、スピーカ構成部品に高い寸法精度が要求されないので、製造上の不良が起こりにくく、結果的に製造コストを低減させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るスピーカを説明する。
[第1実施形態]
図2は本発明の第1実施形態に係るスピーカ100を説明するための正面図である。図3は図2に示したスピーカ100のA−A線に沿った断面図である。
図2,3に示すように、本実施形態に係るスピーカ100は、磁石1と、プレート2と、ヨーク3とにより構成される磁気回路4、スピーカフレーム(フレームともいう)5、振動板6、およびボイスコイル7を有する。
磁石1は、例えばネオジウム系、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、フェライト系磁石等の永久磁石等により形成されている。磁石1の一極側(上端部)にはプレート2が配備され、磁石1の他極側(下端部)には略平板形状のヨーク3が配備されている。この磁石1、プレート2、およびヨーク3により内磁型の磁気回路4が構成されている。プレート2は、磁石1の径La1よりも大きい径La2に形成されている。ヨーク3はプレート2と同じ、もしくは径が大きい形状に形成されている。例えば図3に示すように、平板形状のヨーク3は、プレート2と同じ、もしくは径が大きい径La3に形成されている。
本実施形態に係る平板形状のヨーク3は、プレート2の径La2の約2倍程度の径La3に形成されている。この磁石1の径La1、プレート2の径La2、ヨーク3の径La3は、磁石1の厚さや磁力の大きさ、プレート2とヨーク3間の磁束の分布状態、振動板6の大きさや形状、ボイスコイル7の磁気特性や駆動特性等に基づいて適宜設定する。フレーム5は、ヨーク3の端部と係合する内周側に形成された係合段部5aと、振動板6の端部と嵌合する外周側に形成された係合段部5bを有する。
振動板6は、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン(ボイスコイル支持部)62、コーン状振動部63、および外縁端部64を有する。ドーム状振動部61は、本発明の第1の振動部の一実施形態に相当し、ボイスコイルボビン62は、本発明のボイスコイルボビンの一実施形態に相当し、コーン状振動部63は、本発明の第2の振動部の一実施形態に相当する。
本実施形態に係る振動板6では、図2,3に示すように、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン(ボイスコイル支持部)62、コーン状振動部63、および外縁端部64が一体成形されている。振動板6は、例えば金属材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の高分子材料、紙等の繊維材料により形成されている。金属材料としては、例えばアルミニウムやチタニウム、ジュラルミン、ベリリウム、マグネシウム合金等を採用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂や、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタアクリレート等を採用することができる。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂等を採用することができる。
ドーム状振動部61は、振動板6の中央部に凸形状に形成されている。ドーム状振動部61は、例えば放射曲線形状、ドーム半球形状、円錐形状、多段曲線形状等、各種形状を採用することができる。本実施形態に係るドーム状振動部61は、図3に示すように放射曲線形状に形成される。例えばドーム状振動部61は、中央部の頂部が外縁端部64よりも高く形成されている。この形状により広い角度の指向特性を得ることができる。また、ドーム状振動部61は、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、外縁端部64によりプレート2上の規定位置に、z軸方向(駆動方向)に沿って振動可能に支持されている。ここで図3に示すように、図に向かって左右方向がx軸方向に相当し、図に向かって上下方向がz軸方向に相当し、x軸方向,z軸方向に直交する方向がy軸方向に相当する。
図4は、図3に示したスピーカ100のボイスコイルボビン62付近の拡大図である。ボイスコイルボビン62は、振動板6の中央部と外縁端部64の間に形成され、図示の例では断面形状が略L字形状のボイスコイル支持部を形成されている。ボイスコイルボビン62は、筒状部62aおよび屈曲部62bを有するものであれば断面形状は略L字状のものに拘らない。例えば、筒状部62aの下端に連続する屈曲部62bが凹状の曲面を有するものなどであっても良い。筒状部62aは、例えば図4に示すように、振動方向(z軸方向)に沿って形成されている。また、筒状部62aは、プレート2の端部2aと距離gx1だけ離れた規定位置に位置するように、ドーム状振動部61、コーン状振動部63,および外縁端部64により支持されている。屈曲部62bは、図4に示すように、筒状部62aの下側端部から外側に向かって屈曲するように形成されている。この屈曲部62bの長さL62は、ボイスコイル7の厚さL7と略同じ長さ又はそれ以上の長さに設定されている。本実施形態では長さL62は厚さL7の約2倍程度に設定されている。
例えば予め形成された円形状のボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部内に落とし込み、紫外線(UV)硬化剤などを注入してUV照射を行う等によりボイスコイル7の固定が行われる。ここでUV硬化剤として、2液UV硬化剤、嫌気性UV硬化剤等を使用することによってUVの未照射部の固定も可能になる。上述したように、屈曲部62bの長さL62をボイスコイル7の厚さL7と略同じ長さ又はそれ以上の長さに設定することで、簡単にボイスコイルボビン62にボイスコイル7を設けることができる。
詳細には、図4に示すようにボイスコイル7は、筒状部62aの外周側面の領域R7に形成される。領域R7は、下端位置71から上端位置72までの範囲に設定されている。本実施形態に係る下端位置71は、プレート2の下端部2dから下側に向かって、距離tだけ離れた位置に相当する。上端位置72は、プレート2の上端部2uから上側に向かって距離0.5tだけ離れた位置に相当する。ここで距離tは、プレート2の厚みtに相当する距離である。
上述したようにボイスコイル7を上記領域R7に形成することで、振動板6が最大限振幅した場合であっても、ボイスコイル7をプレート2とヨーク3間の略均一な磁束分布範囲内に配置することができる。そのため歪の少ない音響特性のスピーカ100を得ることができる。
図5(a)は図3に示したスピーカ100のコーン状振動部63を説明するための図である。図5(b)は図5(a)に示した振動板6の断面図である。コーン状振動部63は、例えば図5に示すようにボイスコイルボビン62の下側端部から、振動板6の外縁端部64にかけて形成されている。このコーン状振動部63は、断面の母線形状が略円錐形状(コーン形状)に形成されている。また例えばコーン状振動部63の形状は、断面の母線形状が円弧状に形成されたカーブドコーン形状、直線形状に形成されたフラットコーン形状、放物線状に形成されたパラボリックコーン形状等、各種形状を採用することができる。
例えば図1(b)に示すような一般的なスピーカは、狭い磁気間隙の間に、幅狭の断面U字状のボイスコイルボビン17を形成する必要がある。この幅狭の断面U字状のボイスコイルボビン17は形成が困難である。一方、本実施形態に係るスピーカ100は、プレート2の端部とヨーク3の間の磁気間隙が、上記一般的なスピーカと比べて広く形成されているので、図5に示すようにボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部の底部の幅より開口側の幅を広く形成することができ、容易に形成可能である。
詳細には、図5に示すように、ボイスコイルボビン62上のボイスコイル形成領域R7の上端部62uと、その上端部62uを通る水平面(xy平面)とコーン状振動部63とが交差する位置63uとの間の距離Lxu1を開口側の幅とする。ボイスコイルボビン62上のボイスコイル形成領域R7の下端部62dと、その下端部62dを通る水平面(xy平面)とコーン状振動部63とが交差する位置63dとの間の距離Lxd2を底部の幅とする。この開口側の幅Lxu1は、底部の幅Lxd2よりも幅広である。好ましくは、開口側の幅Lxu1は、ボイスコイル形成領域R7と略同程度の長さに形成されている。
上記構成の振動板6は、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部において、その凹部の底部から上側の開口側にかけて幅広に形成されているので、図1(b)に示すような断面U字状のボイスコイルボビンを備える振動板と比べて、簡単に形成することができる。
外縁端部64は、図5に示すように、フレーム5の係合段部5bと嵌合する嵌合部64aを有する。嵌合部64aは、裏面側に向けてz方向に沿って屈曲した筒状の筒状部641と、その筒状部641の下側端部から外側に向かってx軸に沿って屈曲した形状の端部642とを有する。筒状部641の内周側面641aと、フレーム5の係合段部5bとが嵌合することで、磁気回路4やフレーム5に対する振動板6の位置決めが行われる。この際、フレーム5の係合段部5bの形状は、筒状部641の内周側面641aと対応する形状に形成されている。
上記構成のスピーカ100は、次のようにして組み立てられる。まず、図2〜5に示すように、磁石1の一極側にプレート2を配備し、磁石1の他極側に平板形状のヨーク3を配備する。このとき例えば円形状の磁石1、プレート2,ヨーク3の中心軸が一致するように配備する。射出成形装置等の製造装置により、ヨーク3にフレーム5を一体成形する。プレス加工装置や射出成形装置等の製造装置により、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、および外縁端部64を備えた振動板6を一体成形する。
次に、予め円形状に形成されたボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部の内部に配置し、接着剤等によりボイスコイル7をボイスコイルボビン62に固定する。また導電線をボイスコイルボビン62に巻回すことにより、ボイスコイル7を所定位置に形成してもよい。次に、筒状部641の内周側面641aと、フレーム5の係合段部5bとを嵌合させることで、磁気回路4やフレーム5に対する振動板6の位置決めを行う。位置決め後、振動板6とフレーム5とを接着剤などにより固定して、スピーカ100を得る。
上記構成のスピーカ100では、ボイスコイル7が、磁石1、プレート2、及びヨーク3により形成される磁束分布中の規定位置に、振動板6により支持されている。そして音声信号が不図示の入力端子部からリード線を介してボイスコイル7に入力されると、ボイスコイル7にはその音声信号に応じて電磁力が生じる。その電磁力が、振動板6をz軸方向に沿って振動させる駆動力となる。ボイスコイル7が備えられたボイスコイルボビン62は、その駆動力により、z軸方向に沿って振動し、ドーム状振動部61およびコーン状振動部63を振動させる。スピーカ100は、ドーム状振動部61およびコーン状振動部63が振動することにより粗密波を放射するので、一般的なドーム型スピーカとコーン状スピーカの2つの特性を兼ね備えている。
以上説明したように、本実施形態に係るスピーカ100は、磁石1、磁石1の一極側に配備されたプレート2、および磁石1の他極側に配備されたヨーク3を備える内磁型の磁気回路4、磁気回路4のプレート2の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7をプレート2の端部近傍に振動自在に支持する振動板6とを有し、ヨーク3は、プレート2と同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されているので、従来のようにヨークを形成するために煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路4を得ることができる。また、その磁気回路4を採用したスピーカ100を得ることができる。
また、振動板6は、振動板6の中央部に形成されたドーム状振動部(第1の振動部)61と、外周が直接または間接的にスピーカフレーム5に支持されるコーン状振動部(第2の振動部)63と、ドーム状振動部61とコーン状振動部63との間に形成され、ボイスコイル7が配置されるボイスコイルボビン62とを有し、ドーム状振動部61、コーン状振動部63、およびボイスコイルボビン62が、例えばプレス成形や射出成形等により一体成形されているので、簡単に振動板6を得ることができる。
また、ボイスコイルボビン62は、ボイスコイル7が配置される筒状部62aの端部から外側に向って屈曲した断面L字状に形成されており、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部において、凹部の底部より開口部の間隔が広く形成されているので、図1(b)に示すような断面U字形状のボイスコイルボビン62と比べて、容易に形成することができる。
また、振動板6は、当該振動板6の端部に形成され、フレーム5に形成された係合段部(被嵌合部)5aに嵌合する嵌合部64aを有し、振動板6の嵌合部64aと、スピーカフレーム5の係合段部5aとが嵌合して、振動板6とフレーム5との位置合わせを行うので、簡単に振動板6とフレーム5との位置合わせを行うことができる。詳細には、振動板6は、端部が筒形状に形成され、当該筒形状の内側面が、スピーカフレーム5に形成された係合段部5bの外側面に固定する。
この際、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、およびコーン状振動部63が一体成形されているので、それぞれの構成要素を規定位置に高精度に位置合わせすることができる。特に、上記構成により、簡単な取り付け工程により、ボイスコイルボビン62を、プレート2の端部近傍の予め規定された位置に高精度に配置することができる。
さらに、振動板6の端部の内側面をスピーカフレーム5に形成された係合段部5bの外側面に固定することで、有効振動面積を大きくすることができ、音圧を大きくすることができる。
また、ボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62の断面L字形状部の側面部に接着剤により固定する工程により、簡単にボイスコイル7をボイスコイルボビン62に取り付けることができる。
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係るスピーカ100bを説明するための図であり、振動板6bの断面図である。図6において、振動板6bの中央部から端部にかけて拡大した図を示している。本実施形態に係るスピーカ100bは、図6に示すように振動板6bを有する。本実施形態に係る振動板6bは、ボイスコイルボビン62cの裏面側面部にボイスコイル7が備えられている。
例えば本実施形態に係る振動板6bは、図6に示すように、ドーム状振動部61とボイスコイルボビン62cの間に、筒状部62aの上端部から内側に向って屈曲する屈曲部62dが形成されている。屈曲部62dの大きさはリング形状のボイスコイル7の径程度に設定されている。
上記構成のスピーカ100bでは、ボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62の裏面側面部に配置しているので、第1実施形態と比べてボイスコイル7がプレート2の端部により近い位置に支持することができる。このため磁束密度が向上し、ボイスコイル7に入力される入力信号に対して感度の高いスピーカを得ることができる。
また、ボイスコイル7が振動板6の裏面側に設けられているので、前面側からボイスコイル7を視認することがない。このためスピーカ100bの意匠性が向上する。
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態に係るスピーカ100cを説明するための断面図である。第1及び第2実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。
本実施形態に係るスピーカ100cは、図7に示すように、磁気回路4cを有する。磁気回路4cは、軸方向(z軸方向:図に向って上下方向)に沿って、貫通孔部41が形成されている。詳細には、磁気回路4cにおいて、図7に示すように、磁石1c、プレート2c、およびヨーク3cそれぞれは、軸方向に沿って貫通孔部41が形成されている。
上記構成のスピーカ100cでは、ドーム状振動部61が軸方向に沿って振動した場合に、ドーム状振動部61内の空気が貫通孔部41を通って外部に流出し、または外部の空気が貫通孔部41を介してドーム状振動部61内に流入する。このため第1および第2実施形態と比べて本実施形態に係るスピーカ100cは、音響特性が向上する。また、スピーカの重量を低減することができる。また、磁気回路の動作点を向上させることができる。
[第4実施形態]
図8は、本発明の第4実施形態に係るスピーカ100dを説明するための断面図である。第1〜第3実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。図8に示すように、本実施形態に係るスピーカ100dは、磁石1と、プレート2と、ヨーク3dとより構成される磁気回路4d、フレーム5d、振動板6、およびボイスコイル7を有する。磁石1、プレート2、ヨーク3dにより磁気回路4dが構成される。
ヨーク3dは、略平板形状に形成されており、端部31がプレート2側に屈曲した形状に形成されている。ヨーク3dはいわゆる皿型状に形成されている。詳細には、ヨーク3dの端部31は、水平面から角度約40度から70度程度となるように屈曲した円錐形状に形成されている。この角度は、振動板6のコーン状振動部63の円錐傾斜面の角度や、プレート2とヨーク3d間の磁束密度分布等に応じて適宜設定されている。
また、フレーム5dは、上記皿型状のヨーク3dの端部31の裏面側に内周部51が接合されている。このフレーム5dは、上記皿型状のヨーク3dにインサート成形により形成することが好ましい。こうすることで例えばフレーム5dとヨーク3dとを接着剤により接着する工程を省くことができ、製造時間の短縮を実現することができる。また、製造コストを低減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るスピーカ100dは、第1実施形態と比べて、プレート2の端部とヨーク3dとの距離が短いので、より大きな磁束密度を得ることができる。また、第1実施形態と比べて磁気漏洩を低減することができる。
[第5実施形態]
図9は、本発明の第5実施形態に係るスピーカ100eの磁気回路を説明するための断面図である。第1〜第4実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100eは、図9に示すような磁気回路4eを有する。磁気回路4eは、磁石1、プレート2、およびヨーク3eを有する。
ヨーク3eは、略プレート2の径と同程度の径に形成された平板形状のプレート301、およびプレート301の外周端部301aに内周端部302aが接合する円錐形状部材302を有する。平板形状のプレート301の外周端部301aと、円錐形状部材302の内周端部302aは、例えば接着剤等により固定される。この円錐形状部材302は、第4実施形態に係る端部31に相当する。
上記磁気回路4eを製造する場合を説明する。先ず、平板形状のプレート301と、それとは別部材の円錐形状部材302を形成する。そして、平板形状のプレート301の外周端部301aと、円錐形状部材302の内周端部302aとを接着剤等により固定する。
以上説明したように、本実施形態では、簡単な構造の平板形状のプレート301と、それとは別部材の円錐形状部材302を組み立てることにより、第4実施形態のヨーク3dと同様な形状及び機能を有するヨーク3eを形成することができる。このため、製造工程の短縮化や、製造コストの低減化を実現することができる。
[第6実施形態]
図10は、本発明の第6実施形態に係るスピーカ100fを説明するための断面図である。第1〜第5実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100fは、図10に示すように、ヨークがフレームとしての機能も有する。詳細には本実施形態に係るヨーク3fは、磁石1の裏面側の極に配置される平板形状部301fが中央部に形成され、係合段部35bを備えた平板形状のフレーム部305fが端部に形成され、平板形状部301fとフレーム部305fとの間に前面側に向って円錐傾斜面を備えたコーン形状部302fが形成されている。フレーム部305fは、プレート2と略同じ水平高さに設定されている。係合段部35bは上述した係合段部5b(図3,7,8参照)に相当し、振動板6の端部と嵌合する。
ヨーク3fは、平板形状部301f、コーン形状部302f、およびフレーム部305fが一体成形されている。例えばヨーク3fは、例えば金型成形装置、プレス加工装置、射出成形装置等の各種製造装置により成形される。
上述したように本実施形態に係るスピーカ100fは、上記構成のヨーク3fを有するので、ヨーク3fがフレームとしての機能も兼ね備える。また例えば第4実施形態に係るスピーカ100dでは、ヨーク3dと樹脂製のフレーム5dとをインサート成形したが、本実施形態に係るヨーク3fでは、そのインサート成形を行う必要がなく、同一材料にて上記構成のヨーク3fを簡単に形成することができる。
[第7実施形態]
図11は、本発明の第7実施形態に係るスピーカ100gを説明するための正面図である。図12は、図11に示したスピーカ100gのA−A線に沿った断面図である。第4実施形態と共通する部分については説明を省略する。図11,12に示すように、本実施形態に係るスピーカ100gは、振動板6の前面側、プレート2やボイスコイル7の近傍にイコライザ8を有する。このイコライザ8は、鉄等の磁性材料により形成されている。本実施形態に係るイコライザ8は、詳細にはスピーカの指向性、音圧、周波数等に一定の変化を与える機能と、磁石1、プレート2、およびヨーク3dにより構成される磁気回路4dの特性を改善する機能とを有する。
イコライザ8は、図11に示すように、リング形状部81、およびアーム部82を有する。リング形状部81は、振動板6の前面側、プレート2やボイスコイル7の近傍にリング形状に形成されている。リング形状部81の径は、ヨーク3の径よりも小さく設定されている。また、リング形状部81は、ボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部形状に応じた断面形状に形成されている。アーム部82は、リング形状部81の外周から放射状に延びた形状に形成され、外側端部がフレーム5dに固定されている。このアーム部82は、リング形状部81を上記規定位置に保持する。リング形状部81とアーム部82は一体成形されている。
例えば図12に示すように、リング形状部81は、第1の傾斜部811、および第2の傾斜部812を有する。第1の傾斜部811と第2の傾斜部812の間には屈曲部813が形成されている。第1の傾斜部811は、ドーム状振動部61と略同じ傾斜角度の傾斜面が形成されている。また、第1の傾斜部811は、ドーム状振動部61の断面形状に対応して断面円弧状に形成されることが好ましい。第1の傾斜部811は、第2の傾斜部812と逆の傾斜角度の傾斜面が形成され、詳細にはコーン状振動部63と略同じ傾斜角度の傾斜面が形成されている。また、第2の傾斜部812は、コーン状振動部63の断面形状に対応して断面円弧形状に形成されることが好ましい。このイコライザ8の形状は、磁石1、プレート2、ヨーク3dにより構成される磁気回路4dの磁束の方向や強さ等の磁束分布や、磁気回路4dの動作点等の特性に応じて適宜設定する。
上記構成のイコライザ8は、リング形状部81が、振動板6の前面側、ドーム状振動部61とコーン状振動部63との間付近に形成されているので、振動板6が振動することにより放射される粗密波を、ドーム状振動部61からの粗密波と、コーン状振動部63からの粗密波とに分けて、前面側に放射することができる。このためドーム状振動部61とコーン状振動部63それぞれの音響特性、例えば指向性、音圧、周波数等に一定の変化を与えることができる。
また、イコライザ8は、鉄等の磁性材料により形成されているので、イコライザ8の形状や所望の材料を適宜設定することで、磁石1、プレート2、ヨーク3dにより構成される磁気回路4dの磁束の方向や強さ等の磁束分布を所望の分布となるように設定することができる。また、磁気漏洩を低減することができる。また、磁気回路4dの動作点等の特性を所望の特性となるように設定することができる。つまり、磁石1、プレート2、リング形状部81、ヨーク3dにより所望の特性の磁気回路が形成されることになる。
また、上記構成のイコライザ8は、ボイスコイルボビン62に接着剤等により固定されたボイスコイル7を、前面側から視認できないように配置されているので、従来と比べて、意匠性を向上させることができる。
[第8実施形態]
図13は、本発明の第8実施形態に係るスピーカ100hを説明するための断面図である。第7実施形態と共通する部分については説明を省略する。図13に示すように、本実施形態に係るスピーカ100hは、プレート2の上面側に、磁石1に対して逆極性の反発磁石9を有する。反発磁石9は、例えば図13に示すように、プレート2の上面に配置され、磁石1と反発する極性となるように着磁されている。また、反発磁石9は、プレート2の径よりも小さい径となるように形成されている。詳細には、振動板6のドーム状振動部61が駆動方向(z軸方向)に沿って振動した場合であっても、ドーム状振動部61の内面が反発磁石9と接触しないような大きさおよび形状に形成されている。
例えば、上記反発磁石9を設けていない場合に、磁石1の上面部からプレート2を介してz軸方向に沿って磁束が分布する。一方、反発磁石9をプレート2の上部に設けた場合には、磁石1の上面部からのz軸方向に沿った磁束が反発磁石9により水平方向に誘導されるので、漏れ磁束を低減することができる。また、プレート2端部における磁束の方向性を向上させることができる。また、プレート2とヨーク3dの間の磁気間隙における磁束密度を増加させることができる。また磁束密度が増加するので、ボイスコイル7の感度を向上させることができる。また、反発磁石9とイコライザ8により、いわゆる反発磁気回路が形成されるので、スピーカの前面側への漏れ磁束をより低減することができる。
[第9実施形態]
図14は、本発明の第9実施形態に係るスピーカ100kを説明するための断面図である。図15は、図14に示したスピーカ100kのボイスコイル付近の断面拡大図である。第8実施形態と共通する部分については説明を省略する。図14,15に示すように、本実施形態に係るスピーカ100kは、磁気回路4とボイスコイル7との間に直接又は振動板6を介して磁性流体470が保持されている。本実施形態では、図14,15に示すように、プレート2と、ボイスコイル7が外周部に配置された振動板6との間に磁性流体470が配置されている。
詳細には、スピーカ100kは、例えば図14,15に示すように、直径の異なる円板形状のプレート2とヨーク3の間に磁石1が配置された磁気回路4と、ボイスコイル7の内側と外側に振動部が形成され、例えば外周部がスピーカフレーム5に位置決め固定されている振動板6とを備え、プレート2と振動板6又はボイスコイル7との間に磁性流体470が保持(配置)されている。
磁性流体470は、例えばマグネタイト等の強磁性超微粒子に表面処理が施され、その強磁性超微粒子が溶媒中に分散したものである。この磁性流体470は、磁気回路4と振動板6との間に配置されているので、磁気回路4と振動板6との接触を低減させる機能を有する。
また、プレート2と振動板6とが磁性流体470を介して密着することにより、ボイスコイル7の放熱性を従来よりも向上させることができる。また放熱性が向上することにより、耐入力電力を比較的大きく設定することができる。
また、上記構成の磁気回路4では、従来の磁気回路と比べて、磁束の垂直方向成分が比較的多いため、振動板6とボイスコイル7からなる振動系に不要な水平方向の力が生じる場合があるが、上述したように磁性流体470を配置することにより、その振動系の水平方向の振動を低減することができる。
また、従来の磁気回路では、磁気回路の磁気間隙が比較的狭いために、磁気間隙でボイスコイル7を取り囲むように磁性流体470が配置されてしまい、ボイスコイル7の駆動時に生じる機械抵抗が比較的大きく、f0が大幅に上昇して周波数特性が低下する場合がある。
一方、本発明に係るスピーカ100kでは、プレート2と振動板6間に磁性流体470が配置されているので、従来と比べて、ボイスコイル7の駆動時に生じる機械抵抗が小さく、入力信号に対する応答性(感度)の低下を低減することができる。
また、平板状のプレート2とヨーク3とを有する磁気回路4では、プレート2の端部付近で磁束密度が比較的高くなる。このため、ボイスコイル7及び振動板6をできるだけその近くに設置する必要がある。しかし単純にプレート2とボイスコイル7や振動板6を近接配置させると、ボイスコイル7の駆動時にそれらが接触する虞があるが、本実施形態に係るスピーカ100kでは、上述したように磁性流体470を配置させたので、ボイスコイル7付近の磁束密度を比較的高くするとともに、プレート2と振動板6、又はボイスコイル7との接触による異常音の発生を防止することができる。
また、比較的高い周波域を再生する場合に、低い周波域での振動板の不要な振動を抑制することができる。
[第10実施形態]
図16は、本発明の第10実施形態に係るスピーカ100Lを説明するための断面図である。第4実施形態と共通する部分については説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100Lは、図16に示すように、第4実施形態と同じ磁気回路4dを有し、プレート2と振動板6又はボイスコイル7との間に磁性流体470が保持(配置)されている。
つまり、磁気回路の形状は、上述したように第9実施形態や第10実施形態に限られるものではなく、磁気回路の磁気間隙が比較的大きく設定されており、プレート2と振動板6又はボイスコイル7との間に磁性流体470が保持(配置)されていればよい。
図17(A)は、第9実施形態に係るスピーカ100kの磁性流体470を設けた場合と設けていない場合の周波数特性を示す図であり、図17(B)は、従来の比較的狭い磁気間隙の磁気回路を有するスピーカ100kの磁性流体470を設けた場合と設けていない場合の周波数特性を示す図である。横軸は周波数(fHz)を示し、縦軸はSPL(Sound pressure level)(SdB)を示す。詳細には、点線MA1は磁気回路とボイスコイル間に磁性流体470が設けられていない場合の周波数特性を示し、実線MR1は、磁気回路とボイスコイル間に磁性流体470が設けられている場合の周波数特性を示し、点線MB2は磁性流体が設けられていない場合の周波数特性を示し、実線MJ2は磁性流体が設けられている場合を示す。
図17(A)に示すように、磁気回路とボイスコイル間に磁性流体470を設けた場合には、低音域(約1k〜5kHz)の周波数特性が向上していることが確認できた。図17(A),(B)に示すように、従来の磁気回路と略同等の感度を得ることができた。
また、上述したように図14に示したスピーカ100kの磁気回路4では、従来の磁気回路と比べて、磁性流体470の量を少なくすることができるので、コストダウンを図ることができる。
[外磁型磁気回路の実施形態]
図18〜図21は、本発明の実施形態に係るスピーカ100m〜100pを説明するための断面図である。前述の実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100m〜100pは、いずれも外磁型の磁気回路を構成するものであって、ボイスコイル7の外側に磁石1が配置される磁気回路になっている。
すなわち、これらのスピーカ100m〜100pは、磁石1、磁石1の一極側に配備されたプレート2、および磁石1の他極側に配備されたヨーク3を備える外磁型の磁気回路4と、磁気回路4のプレート2の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7をプレート2の端部近傍に振動自在に支持する振動板6と、を有し、ヨーク3は、プレート2と同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されている。
図18に示したスピーカ100mは、平板形状に形成された円盤状のヨーク3上にほぼ同外径を有する円環状の磁石1が配置され、その上に磁石1とはやや小さい内径を有する円環状のプレート2が配置されて、外磁型の磁気回路4が形成されている。そして、プレート2の内側にボイスコイルボビン62が配置され、その内側にボイスコイル7が配備されることで、プレート2の内側に形成される磁力空間内にボイスコイル7が支持されている。
この実施形態における振動板6は、前述した実施形態と同様に、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、及び外縁端部64を有する。そして、ドーム状振動部61の外周部がボイスコイルボビン62の下側端部に連続して形成されており、ボイスコイルボビン62の上側端部がコーン状振動部63の内周部に連続して形成されている。そして、ボイスコイルボビン62の内側にボイスコイル7を配備することで、振動板6がボイスコイル7をプレート2の内側端部近傍に振動自在に支持している。
ボイスコイルボビン62の形態は、実質的に図4に示した実施形態と同じである。但し、図18に示す実施形態では、筒状部62aに対して屈曲部62bが内側に形成されてボイスコイル支持部を形成している。
図19に示したスピーカ100nは、平板形状に形成された円盤状のヨーク3上にほぼ同外径を有する円環状の磁石1Aが配置され、その上に磁石1Aとはやや小さい内径を有する円環状のプレート2が配置され、更にその上にプレート2よりやや大きい内径を有する円環状の磁石1B(反発用磁石)が配置されて、外磁型の磁気回路4が形成されている。そして、プレート2の内側にボイスコイルボビン62が配置され、その内側にボイスコイル7が配備されることで、プレート2の内側に形成される磁力空間内にボイスコイル7が支持されている。
この実施形態では、磁石1Aと磁石1Bとが対向し合う面における極性が同じであり、プレート2の内端部からは下のヨーク3の上面に向かう磁力線が形成され、更に磁石1Bの上面(振動板6側に形成された面)又は内面(ボイスコイルボビンに対向する面)からもヨーク3の上面に向かう磁力線が形成されることになるので、プレート2の内側に形成される磁力空間を上方及び下方に拡大することができ、ボイスコイル7に流す音声電流が小さくても大きな振動を与えることができる。振動板6は、図18に示す実施形態と同様である。
図20に示した実施形態は、図18に示したものの変形例であって、ヨーク3が中央にプレート2側に向けた凸状変形部3Qを有する略平板形状に形成されている(それ以外は図18に示した実施形態と同様)。この実施形態によると、凸状変形部3Qによってプレート2の端部、特に内側端部(凸状変形部3Q側に形成された、内側の端部)とヨーク3との距離が短くなるのでより大きな磁束密度を得ることができ、感度の高いスピーカを得ることができる。また、プレート2の内側端部から凸状変形部3Qに向かう磁力線の方向が水平に近づくのでボイスコイル7に作用する電磁気力の方向をプレート2の内側側部(ボイスコイル7側に形成された側面)に沿わせることができ、振動板6に効率的な振動を与えることができる。
図21に示した実施形態は、図18〜図20に示した実施形態における振動板6の変形例である。図18〜図20に示した実施形態では、ボイスコイルボビン62の内側にボイスコイル62を配備しているが、図21に示した実施形態では、ボイスコイルボビン62の外側にボイスコイル7を配備している。この場合はボイスコイルボビン62の裏面側面部に接着剤70でボイスコイル7を固定する。以下、ボイスコイルボビン62の前面を振動板の前面側に形成された面として、裏面は振動板の裏面側に形成された面として呼称する。
これによると、ボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62の裏面側面部に配置しているので、ボイスコイル7がプレート2の端部により近い位置に支持することができる。このため磁束密度が向上し、ボイスコイル7に入力される入力信号に対して感度の高いスピーカを得ることができる。また、ボイスコイル7が振動板6の裏面側に設けられているので、前面側からボイスコイル7を視認することがない。このためスピーカの意匠性が向上する。
[簡略化した磁気回路の実施形態]
図22,図23は、本発明の実施形態に係るスピーカ100q,100rを説明するための断面図である。前述の実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100q,100rは、いずれもプレートを省略して簡略化した磁気回路を構成するものである。
すなわち、これらのスピーカ100q,100rは、磁石1、磁石1の一極側に配備されたヨーク3を備える磁気回路4と、磁石1の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7を磁石1の端部近傍に振動自在に支持する振動板6と、を有し、ヨーク3は略平板形状に形成されている。
図22に示したスピーカ100qは、平板形状に形成された円盤状のヨーク3上の中央部に円盤状の磁石1が配置されて磁気回路4が形成されている。そして、磁石1の外側にボイスコイルボビン62が配置され、その外側にボイスコイル7が配備されることで、磁石1の外側に形成される磁力空間内にボイスコイル7が支持されている。
この実施形態における振動板6は、前述した実施形態と同様に、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、及び外縁端部64を有する。そして、ドーム状振動部61の外周部がボイスコイルボビン62の上側端部に連続しており、ボイスコイルボビン62の下側端部がコーン状振動部63の内周部に連続している。そして、ボイスコイルボビン62の外側にボイスコイル7を配備することで、振動板6がボイスコイル7を磁石1の外側端部近傍に振動自在に支持している。
図23に示した実施形態は、ヨーク3dの端部31が磁石1側に屈曲した形状に形成されて、ヨーク3は略平板形状(皿形状)に形成されている。この実施形態によると、端部31の屈曲形状によって磁石1の外端部とヨーク3dとの距離が短くなるのでより大きな磁束密度を得ることができ、感度の高いスピーカを得ることができる。また、磁石1の外側端部(ボイスコイル7側に形成された端部)からヨーク3dの端部31に向かう磁力線の方向が水平に近づくのでボイスコイル7に作用する電磁気力の方向を磁石1の外側側面(ボイスコイル7側に形成された側面)に沿わせることができ、振動板6に効率的な振動を与えることができる。
[振動板の変形例]
前述した実施形態に置ける振動板6は、ドーム状振動部61とボイスコイルボビン62とコーン状振動部63と外縁端部64とが一体成形されたものであるが、これらの各部はそのうちの一つ又は複数が別部材で形成されていてもよい。各部を別部材で構成することにより、音質調整が容易になるという利点が得られる。例えば、コーン状振動部63及びドーム状振動部61を硬い材料で構成する一方、外縁端部64を柔らかい材料で構成することで、高域と低域の両方の再生限界を高め、つまり、高音限界周波数をさらに大きく、低音限界周波数をさらに小さくでき、再生周波数帯域が大きいスピーカとすることができる。また、一体成形の場合には、材料によっては絞り加工が難しい問題があったが、別部材で構成することによって、各部の加工が容易になる。
図24,図25,図26は、変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である(前述した説明と同一部分については同一符号付して重複説明を省略する)。ここでは内磁型の磁気回路を採用した例を説明する。
図24に示した例は、ボイスコイルボビン62の屈曲部62bを円弧断面形状にしたものである。同図(a)に示した例は、屈曲部62bを外側に屈曲させて筒状部62aの外側にボイスコイル7を配備した例、同図(b)は、ボイスコイルボビン62の下端には外側に円弧断面形状の屈曲部62bを設け、ボイスコイルボビン62の上端には内側に屈折した屈曲部62dを設けて、筒状部62aの内側にボイスコイル7を配備した例、同図(c)は、同図(b)の例において、筒状部62aの長さをボイスコイル7の長さより短く設定した例である。
図25に示した例は、ボイスコイルボビン62がボイスコイル7を部分的に支持する例であって、同図(a)は、ボイスコイルボビン62の上端に内側に形成された屈曲部62dとボイスコイル7の長さより短い筒状部62aでボイスコイル7を支持する例、同図(b)は、屈曲部を形成しないで、ボイスコイル7の長さより短い筒状部62aでボイスコイル7を支持する例、同図(c)は、下向きのコの字形に形成されたボイスコイルボビン62(ボイスコイル支持部)でボイスコイル7の上部を支持する例、同図(d)は、ドーム状振動部61とコーン状振動部63との間に形成されたボイスコイルボビン62でボイスコイル7の上端を支持する例である。
図26に示した例は、その他の変形例である。同図(a)に示す例は、コの字型の屈曲部62bを外側に形成して筒状部62aの外側にボイスコイル7を配備した例である。同図(b)に示す例は、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63とを一体に形成し、ドーム状振動部61を別に形成し、コーン状振動部63の内周部にドーム状振動部61の外周部を接続したものであり、ボイスコイルボビン62は下端部に円弧断面形状の屈曲部62bが内向きに形成されて、筒状部62aの内側にボイスコイル7が配備されている。同図(c)に示す例は、ドーム状振動部61とコーン状振動部63とを一体に形成して、その間にボイスコイルボビン62の上端を接続したものである。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態を組み合わせて本発明に係るスピーカや磁気回路を実施してもよい。
また、例えば上述した実施形態では、円形状のスピーカを説明したが、この形態に限られるものではない。例えば本発明に係るスピーカを、略楕円形状、略矩形状、フラット形状等の各種形状のスピーカに採用することもできる。
また、前述した一部の実施形態で磁性流体を設けたが、例示した形態に限らず本発明の全ての実施形態で磁性流体を設けることができ、本発明の実施形態としては、磁気回路の一部とボイスコイルの間に直接又は振動板を介して磁性流体が保持(配置)されていればよい。
以上説明したように、本発明に係るスピーカは、磁石1、磁石1の一極側に配備されたプレート2、および磁石1の他極側に配備されたヨーク3を備える内磁型又は外磁型の磁気回路4、或いはプレート2を省略した磁気回路4と、磁気回路4の端部近傍に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7を磁気回路4の端部近傍に振動自在に支持する振動板6とを有している。このスピーカによると、ヨーク3は略平板形状に形成されているので、煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路を備えた高性能なスピーカを提供することができる。
また、振動板6は、振動板6の中央部に形成されたドーム状振動部61と、外周が直接または間接的にスピーカフレーム5に支持されるコーン状振動部63と、ドーム状振動部61とコーン状振動部63の間に形成され、ボイスコイル7が配置される筒状部の端部から外側に向って屈曲した断面L字状に形成されているボイスコイルボビン62とを有し、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63とが一体成形されているので、例えば成形困難な幅の狭いU字状を備えた振動板を形成することなく、簡単な構成の振動板を備えた高性能なスピーカを提供することができる。
(a)は一般的な内磁型磁気回路を有するスピーカを説明するための断面図である。(b)は一般的な外磁型磁気回路を有するスピーカを説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態に係るスピーカ100を説明するための正面図である。 図2に示したスピーカ100のA−A線に沿った断面図である。 図3に示したスピーカ100のボイスコイルボビン62付近の拡大図である。 (a)は図3に示したスピーカ100のコーン状振動部63を説明するための図である。(b)は(a)に示した振動板6の断面図である。 本発明の第2実施形態に係るスピーカ100bを説明するための図であり、振動板6bの断面図である。 本発明の第3実施形態に係るスピーカ100cを説明するための断面図である。 本発明の第4実施形態に係るスピーカ100dを説明するための断面図である。 本発明の第5実施形態に係るスピーカ100eの磁気回路を説明するための断面図である。 本発明の第6実施形態に係るスピーカ100fを説明するための断面図である。 本発明の第7実施形態に係るスピーカ100gを説明するための正面図である。 図11に示したスピーカ100gのA−A線に沿った断面図である。 本発明の第8実施形態に係るスピーカ100hを説明するための断面図である。 本発明の第9実施形態に係るスピーカ100kを説明するための断面図である。 図14に示したスピーカ100kのボイスコイル付近の断面拡大図である。 本発明の第10実施形態に係るスピーカ100Lを説明するための断面図である。 (A)は第9実施形態に係るスピーカ100kの磁性流体を設けた場合と設けていない場合の周波数特性を示す図であり、(B)は従来の比較的狭い磁気間隙の磁気回路を有するスピーカの磁性体を設けた場合と設けていない場合の周波数特性を示す図である。 本発明の実施形態のうち、外磁型の磁気回路を備えたスピーカ100mの実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態のうち、外磁型の磁気回路を備えたスピーカ100nの実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態のうち、外磁型の磁気回路を備えたスピーカ100pの実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態のうち、外磁型の磁気回路を備えたスピーカの実施形態(振動板6の変形例)を示す説明図である。 本発明の実施形態のうち、簡易化された磁気回路を備えたスピーカ100qの実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態のうち、簡易化された磁気回路を備えたスピーカ100rの実施形態を示す説明図である。 変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である。 変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である。 変形例の振動板を備えた本発明の実施形態に係るスピーカを示した断面図である。
符号の説明
1,1A,1B,1c…磁石、2,2c,301…プレート、2a,31,642…端部、2d…下端部、2u…上端部、3,3d,3c,3d,3e,3f…ヨーク、3Q…凸状変形部、4,4c,4d,4e…磁気回路、5,5d…スピーカフレーム(フレーム)、5a,35a,35b…係合段部、5b…係合段部、6,6b…振動板、7…ボイスコイル、8…イコライザ、9…反発磁石、41…貫通孔部、51…内周部、61…ドーム状振動部、62,62c…ボイスコイルボビン(ボイスコイル支持部)、62a,641…筒状部、62b,62d,813…屈曲部、63…コーン状振動部、64…外縁端部、64a…嵌合部、70…接着剤、71…下端位置、72…上端位置、81…リング形状部、82…アーム部、100,100b,100c,100d,100e,100f,100g,100h,100k,100L,100m〜100r…スピーカ、301a…外周端部、301f…平板形状部材、302…円錐形状部材、302a…内周端部、305f…フレーム部、470…磁性流体、641a…内周側面、811…第1の傾斜部、812…第2の傾斜部、gx1,Lxd1,Lxd2,Lxu1,…距離、L62,L7…長さ、La1〜la3…径、R7…領域

Claims (24)

  1. 磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型の磁気回路と、
    前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、
    前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、 前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されていることを特徴とするスピーカ。
  2. 磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える外磁型の磁気回路と、
    前記磁気回路の前記プレートの端部近傍に配備されたボイスコイルと、
    前記ボイスコイルを前記プレートの端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、
    前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されていることを特徴とするスピーカ。
  3. 磁石、前記磁石の一極側に配備されたヨークを備える磁気回路と、
    前記磁石の端部近傍に配備されたボイスコイルと、
    前記ボイスコイルを前記磁石の端部近傍に振動自在に支持する振動板と、を有し、
    前記ヨークは、略平板状に形成されていることを特徴とするスピーカ。
  4. 前記振動板は、
    当該振動板の中央部に形成されたドーム形状の第1の振動部と、
    外周が直接または間接的にスピーカフレームに支持されるコーン形状の第2の振動部と、
    前記第1の振動部と前記第2の振動部の間に形成され、前記ボイスコイルが配置されるボイスコイルボビンと、を有し、
    前記第1の振動部、第2の振動部、およびボイスコイルボビンのうちの一つ又は複数が別部材で形成されてことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ。
  5. 前記振動板は、
    当該振動板の中央部に形成されたドーム形状の第1の振動部と、
    外周が直接または間接的にスピーカフレームに支持されるコーン形状の第2の振動部と、
    前記第1の振動部と前記第2の振動部の間に形成され、前記ボイスコイルが配置されるボイスコイルボビンと、を有し、
    前記第1の振動部、第2の振動部、およびボイスコイルボビンが一体成形されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ。
  6. 前記ボイスコイルボビンは、前記ボイスコイルが配置される筒状部の端部から外側又は内側に向かって屈曲した屈曲部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ。
  7. 前記振動板は、当該振動板の端部に形成され、前記スピーカフレームに形成された被嵌合部に嵌合する嵌合部を有し、
    前記振動板の前記嵌合部と、前記スピーカフレームの前記被嵌合部とが嵌合して、前記振動板と前記スピーカフレームとの位置合わせを行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ。
  8. 前記振動板は、端部が筒形状に形成され、当該筒形状の内側面が、前記スピーカフレームに形成された係合段部の外側面に固定されていることを特徴とする請求項7に記載のスピーカ。
  9. 前記ボイスコイルは、前記ボイスコイルボビンの断面L字形状部に接着剤により固定されていることを特徴とする請求項6に記載のスピーカ。
  10. 前記磁石、前記プレート、および前記ヨークは、軸方向に沿って貫通孔部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  11. 前記略平板形状のヨークは、端部が前記プレート側に向けて屈曲した円錐形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  12. 金属材料により形成された前記ヨークと、樹脂材料により形成されたスピーカフレームとが、インサート成形により一体形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ。
  13. スピーカフレームと前記ヨークとが金属材料により一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  14. 前記ヨークは、前記プレートの端部に向かって屈曲する屈曲部を備え、前記屈曲部より外周側端部に、前記振動板を固定する固定部が形成されていることを特徴とする請求項13に記載のスピーカ。
  15. 前記振動板の前面側で前記ボイスコイルおよび前記プレートの近傍に配置された、磁性体からなるイコライザを有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  16. 前記イコライザは、前記振動板の前面側で前記ボイスコイルおよび前記プレートの近傍に配置されたリング形状部を有し、
    前記リング形状部は、前記ヨークの径よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項15に記載のスピーカ。
  17. 前記プレートの上面側に、前記磁石の上面側における極性に対して同極性の反発用磁石を設けたことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  18. 前記振動板は、金属材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  19. 前記磁気回路と前記ボイスコイルと間に直接又は前記振動板を介して磁性流体が保持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ。
  20. 磁石と、
    前記磁石の一極側に配備されたプレートと、
    前記磁石の他極側に配備されたヨークと、を有する内磁型のスピーカ用磁気回路であって、
    前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されていることを特徴とする磁気回路。
  21. 磁石と、
    前記磁石の一極側に配備されたプレートと、
    前記磁石の他極側に配備されたヨークと、を有する外磁型のスピーカ用磁気回路であって、
    前記ヨークは、前記プレートと同じ、もしくは径が大きい略平板形状に形成されていることを特徴とする磁気回路。
  22. 磁石と、前記磁石の一極側に配備されたヨークからなるスピーカ用磁気回路であって、
    前記ヨークは、略平板状に形成されていることを特徴とする磁気回路。
  23. 前記略平板形状のヨークは、端部が前記プレート側に向けて屈曲した円錐形状に形成されていることを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載の磁気回路。
  24. 前記ヨークは、前記プレートの端部に向かって屈曲する屈曲部を備え、前記屈曲部より外周側端部に、振動板を固定する固定部が形成されていることを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載の磁気回路。
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