JPWO2007055119A1 - 有機薄膜トランジスタおよび有機薄膜トランジスタの製造方法、tftシート - Google Patents

有機薄膜トランジスタおよび有機薄膜トランジスタの製造方法、tftシート Download PDF

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Abstract

本発明は、キャリア移動度が高く、動作にバラツキの少ない、トップコンタクト型の構成に製造適性のある有機薄膜トランジスタ(TFT)およびTFTシートを提供する。この有機薄膜トランジスタは、支持体、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極および少なくとも1つの別種の電極からなり、ソース電極およびドレイン電極は有機半導体膜に接合し、かつ、ソース電極またはドレイン電極の少なくとも一方が、有機半導体膜及び別種の電極に接していることを特徴とする。

Description

本発明は、トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタ、該トランジスタを用いるTFTシート、またその製造方法に関する。
従来、有機薄膜トランジスタ(TFT)を作製するプロセスにおいては、ソース電極、ドレイン電極をフォトリソグラフィーを用いて形成する場合、バスラインや電極の導電性が確保しやすく、また、プロセスダメージの影響を受けにくいボトムコンタクト型構成がとられることが多い(非特許文献1など)。しかしながら、ボトムコンタクト型構成は、一般に、作製されたTFT素子の移動度が低く、素子性能のバラツキが大きく、信頼性に問題がある。これは、電極近傍、界面での有機半導体分子の乱れなどに起因するコンタクト抵抗のバラツキに起因するものと考えられる。
本発明の構成により、TFTシートの配線の導電性を確保しながら、移動度が高く安定した動作が可能な薄膜トランジスタ(TFT)またTFTシートを得ることができる。
SID 01 DIGEST p57
本発明は、キャリア移動度が高く、動作にバラツキの少ない、トップコンタクト型の構成に製造適性のある有機薄膜トランジスタ(TFT)およびTFTシートを提供することにある。
本発明の上記課題は以下の手段により達成される。
1.支持体、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極および少なくとも1つの別種の電極からなり、ソース電極およびドレイン電極は有機半導体膜に接合し、かつ、ソース電極またはドレイン電極の少なくとも一方が、有機半導体膜及び別種の電極に接していることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
2.支持体、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極および少なくとも1つの別種の電極からなり、ソース電極およびドレイン電極は有機半導体膜の上面に接合し、かつ、ソース電極またはドレイン電極の少なくとも一方が、有機半導体膜及び別種の電極に接していることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
3.前記ソース電極、ドレイン電極が流動性電極材料から形成されたことを特徴とする前記1または2記載の有機薄膜トランジスタ。
4.前記流動性電極材料が導電性有機材料を含有することを特徴とする前記3記載の有機薄膜トランジスタ。
5.前記有機半導体膜が、別種の電極に接合していることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
6.前記別種の電極が金属材料からなることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
7.前記別種の電極が二つあり、それぞれソース電極、ドレイン電極に接合することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
8.前記有機半導体膜は、有機半導体材料溶液からのキャスト膜であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
9.前記1〜8のいずれか1項記載の有機薄膜トランジスタが基板上に集積化されたことを特徴とするTFTシート。
10.前記9記載のTFTシートにおいて、前記別種の電極は、実質的にバスライン、または画素電極を構成することを特徴とするTFTシート。
11.支持体上に、ゲート電極、ゲート絶縁層、別種の電極、有機半導体膜、ソース電極またはドレイン電極を、順次形成することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
12.前記ソース電極、ドレイン電極が流動性電極材料から形成されたことを特徴とする前記11記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
13.前記別種の電極が金属材料からなることを特徴とする前記11記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
本発明により、キャリア移動度が高く、動作にバラツキの少ない、トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタ(TFT)およびTFTシートが得られる。
ボトムコンタクト型構造を有する有機薄膜トランジスタの一例を示す概略図である。 トップコンタクト型有機薄膜トランジスタとして好適な本発明の有機薄膜トランジスタの代表的な構成例を示す概略断面図である。 反撥層が形成された有機半導体膜上に、ソース、ドレイン電極を形成する過程を示す概略図である。 本発明の有機薄膜トランジスタ素子が樹脂支持体上に複数配置されるTFTシート10の1例を示す概略の等価回路図である。 TFTシートの有機薄膜トランジスタ、電極、バスライン等の配置例を示す図である。 有機薄膜トランジスタの製造プロセスの一例を示す図である。 有機薄膜トランジスタの製造プロセスの別の一例を示す図である。 有機薄膜トランジスタの製造プロセスのさらに別の一例を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
4 有機半導体膜
5 ソース電極
6 ドレイン電極
E1 第1の電極
E2 第2の電極
P 有機半導体保護層
R1 感光性樹脂層
R2,7 反撥層
11 TFTシート
12 ゲートバスライン
13 ソースバスライン
14 有機薄膜トランジスタ
15 蓄積コンデンサ
16 出力素子
17 垂直駆動回路
18 水平駆動回路
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
従来、有機薄膜トランジスタを作製するプロセスにおいては、ソース電極、ドレイン電極等はフォトリソグラフィーを用いて形成される。従って、トップコンタクト型構成に比べ、有機薄膜トランジスタ素子として、バスラインや電極の導電性が確保でき、また、プロセスダメージの影響を受けにくいボトムコンタクト型構成がとられることが多い(非特許文献1など)。
これは、プロセスダメージを受けやすい有機半導体膜の形成に先立って、ゲート、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、さらには、ゲートバスライン、データバスライン、画素電極、また配線等のパターニングを、後の半導体膜の形成とは関係なく行えるためである。
図1はボトムコンタクト型構造を有する有機薄膜トランジスタの一例である。ガラス基板1上にゲート電極2、そしてゲートバスライン等をメタルマスク等を用いて真空蒸着により形成(アルミ;70nm)、これにゲート絶縁膜3としてポリイミド膜をスピンコート、焼成により形成、さらにメタルマスクを用いて例えば金(Au)でソース電極5、ドレイン電極6を形成した後に、最後に有機半導体膜4がスピンコート等により形成される。また、有機半導体膜の形成前に画素電極等も形成され、基本的にこれらの電極およびバスライン、配線等は、素子のチャネル長、チャネル幅また電極サイズ等があらかじめ決定されたサイズに従って、必要なマスクを用い、また、フォトリソプロセス等により、基板上にパターニング形成される。図においてLはチャネル長、Wはチャネル幅を表す。
従って、ボトムコンタクト型構成は、最後に有機半導体膜が形成されるため前記電極や、バスライン等、回路配線等の作製プロセスに係わる有機半導体へのプロセスダメージが少ない。
有機半導体にダメージを与えるものとして、前記の例でいえば、具体的には、ゲート絶縁層の形成、また形成に伴う焼成条件、またソース電極、ドレイン電極、ソースバスライン等の形成条件、例えば真空蒸着、スパッタ条件等、また、もしフォトリソプロセスを用いるとすれば、電極形成に必要なマスク形成や除去等に用いる薬剤や、ドライプロセス条件等がある。ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタにおいては、有機半導体膜の形成と関係なく、これら電極やバスラインの形成において導電性を確保するための配置ができる特徴がある。
しかしながら、ボトムコンタクト型の構成の場合、一般に、TFT素子の移動度が低く、また素子性能のバラツキが大きく、信頼性に問題がある。これは、電極近傍、界面での有機半導体分子の乱れなどに起因するコンタクト抵抗のバラツキに起因するものと考えられる。
本発明者等は、トップコンタクト型構成をとることにより、有機薄膜トランジスタ(TFT)、またTFTシートの配線の導電性を確保しながら、移動度が高く安定した動作が可能なTFTを得ることができる方法をみいだした。
本発明は、支持体、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極および少なくとも1つの別種の電極からなり、ソース電極およびドレイン電極は有機半導体膜の上面に接合し、かつ、ソース電極またはドレイン電極の少なくとも一方が、有機半導体膜及び別種の電極に接していることを特徴とする有機薄膜トランジスタである。
本発明においては、これら別種の電極とは、前記ソース電極またはドレイン電極と有機半導体膜とに接したソース電極またはドレイン電極とは別の電極であり、ソース電極、ドレイン電極と協同して有機半導体膜とのコンタクト抵抗を低下させ、キャリア移動度を高める作用をするものである。また、これら別種の電極は、例えば、TFTシートを構成するソースバスライン、また画素電極等と連結し実質的にこれを構成することが好ましい。
本発明に係わる、有機薄膜トランジスタあるいはTFTシートにおいては、ソース電極、ドレイン電極は、ゲート電極、また、別種の電極、また表示素子の駆動のため形成されるバスライン、画素電極等の形成の後に、別種の電極と連結するように一体に形成される。
ゲート電極にはゲートバスラインが、またソース電極には、ソースバスラインが一体に或いは連結し、またこれと対向するドレイン電極には、画素電極が一体に或いは連結し形成される。
従って、有機薄膜トランジスタあるいはTFTシートの製造において、これらの別種の電極も、ゲート電極と、或いはドレイン電極、或いはソース電極と、一体に、或いは連結するよう各種のパターニング方法を用い、それぞれのパターンに作り込まれる。
本発明は、ゲート電極、また、別種の電極の作製を含む電極の形成と、別種の電極と連結する画素電極やバスライン等の形成、有機半導体膜の形成、また、ソース電極、ドレイン電極の形成からなる有機薄膜トランジスタ(TFT)、またTFTシートの製造において、有機半導体膜がプロセスダメージの影響を受けにくく、また同時にバスラインや電極との導電性が安定して確保できるトップコンタクト型構造を有する有機薄膜トランジスタおよびTFTシート、またその製造方法を提供するものである。
以下、本発明のトップコンタクト型有機薄膜トランジスタおよびその製造方法について好ましい実施の形態をもとに説明する。
図2の(A)〜(E)に、トップコンタクト型有機薄膜トランジスタとして好適な本発明の有機薄膜トランジスタ素子の代表的な構成例を示す。
図2(A)の構成は、基板1上に、ゲート電極2、ゲート絶縁層3、ゲート絶縁層に接して別種の電極である第1の電極(E1)、第2の電極(E2)、有機半導体層4、ソース電極5、ドレイン電極6が形成されており、ソース電極5およびドレイン電極6は有機半導体層4の上面に接合した、所謂トップコンタクト型の構成をとっている。また、ソース電極5およびドレイン電極6はそれぞれが第1の電極(E1)および第2の電極(E2)に接合した構造をとなっている。
従って、本発明において、有機薄膜トランジスタ中のバスライン(ソースバスライン)および画素電極等本発明における別種の電極は、それぞれ第1の電極(E1)、第2の電極(E2)として有機半導体膜の形成に先立って形成され、電極としてはソース、ドレイン電極のみが有機半導体膜形成後に形成される。
また、図2の(A)の構成例では、有機半導体膜を、第1の電極(E1)と第2の電極(E2)に接合するように塗布されている。この様な構成をとることで有機半導体溶液をキャストする方法により有機半導体膜を形成するときにハジキがおきにくくなり、結果として半導体膜の製膜性を良好に維持することができるためである。このため有機半導体膜は別種の電極上にオーバーラップさせ形成することが好ましい。TFTの性能向上のため、ゲート絶縁膜表面には、シランカップリング剤等による処理を行って、水接触角を60°以上、好ましくは90°以上とするのが好ましく、その場合、ゲート絶縁膜表面は、有機半導体膜の形成時、有機半導体溶液をハジきやすくなるためであり、ハジキにより有機半導体膜の製膜性に悪影響を与えることがあるためである。また、電極近傍、界面での有機半導体分子の乱れなどに起因するコンタクト抵抗のバラツキ等を低減するためにも有効である。
図2の(B)〜(E)に、同様に本発明における別種の電極、即ち画素電極およびバスライン等の別種の電極が有機半導体膜に先立って形成される、本発明のトップコンタクト型構造を有する有機薄膜トランジスタ(TFT)の別の代表形態を示した。
図2の(B)は、(A)に比べて、有機半導体膜が、別種の電極である第1の電極(E1)、第2の電極(E2)と端部で接触しオーバーラップ部分がないタイプである。塗布の際には、ゲート絶縁膜のハジキが余り大きくない場合にはこの構成で充分な特性が得られる。
図2の(C)は、有機半導体層と別種の電極は接しておらず、ソース電極、ドレイン電極が別種の電極と有機半導体層に接してこれを連結する形の構成であり、前記(B)とほぼ同様の構成を有する。
図2の(D)は、本発明においてより好ましい構成であり、有機半導体層上のチャネル部分の表面に保護膜を形成したものである。これにより有機半導体層の形成後のプロセス、ソース、ドレイン電極の形成や、その後のプロセスに対し、有機半導体層の特にチャネルを構成する部分の保護の役割をするほか、保護膜の形成によって、ソース、ドレイン電極の精度のよいパターニングを同時に行える利点がある。
図2の(E)は、別種の電極として2種の電極を形成している前記(A)〜(D)に対し、別種の電極として一種のみを形成した例である。有機半導体膜の形成に先だって、例えば画素電極に連結してこれを構成する別種の電極のみを予め形成しておき、有機半導体膜形成後に、ドレイン電極を、そしてソース電極を形成する。
このトップコンタクト型の有機薄膜トランジスタにおいては、基板上へのゲート電極、ゲート絶縁膜(層)、また別種の電極(バスラインや画素電極を含んでもよい)までは、有機半導体膜が形成されていないため、従来の、マスクを用いた真空蒸着や、スパッタ法、フォトリソグラフィープロセスやエッチング工程等が各電極のバターニングにそのまま使用できる。
従って、ゲート電極、またこれら別種の電極としては、導電性材料であれば特に限定されず、種々の金属材料を用いることができ、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、マグネシウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、導電性が十分確保できる金属材料が好ましく、特に、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、アルミニウム等が好ましい。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタ等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅などの金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法等がある。
また、有機半導体膜(層)を形成した後に形成されるソース電極、ドレイン電極については、従来の真空蒸着プロセス、また、スパッタリングや、それに付随するレジストを用いるパターニングプロセスが有機半導体膜にダメージを与えることがあることから、流動性電極材料を用い、凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法、インクジェット法等によって形成することが好ましい。
流動性電極材料としては、導電性微粒子分散液、また、導電性ポリマーの溶液あるいは分散液等がある。流動性電極材料とは、導電性微粒子分散液または導電性材料の溶液等、液状またはペースト状のものをいう。
導電性分散液としては、例えば金属等からなる導電性微粒子を、好ましくは有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や有機溶剤又はその混合物である分散媒中に分散させたペースト或いはインク等の導電性微粒子分散液が挙げられる。有機半導体膜上に形成されることから特に水を主体とする分散媒として用いた前記の分散液が好ましい。
導電性微粒子の金属材料(金属微粒子)としては、白金、金、銀、コバルト、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができるが、特に仕事関数が4.5eV以上の白金、金、銀、銅、コバルト、クロム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、モリブデン、タングステンが好ましい。
このような金属微粒子分散物の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法などの物理的生成法や、コロイド法、共沈法などの、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号、同11−80647号、同11−319538号、特開2000−239853等に示されたコロイド法、特開2001−254185、同2001−53028、同2001−35255、同2000−124157、同2000−123634などに記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子分散物である。
分散される金属微粒子の平均粒径としては、20nm以下であることが本発明の効果の点で好ましい。
また、金属微粒子分散物に導電性ポリマーを含有させることが好ましく、これをパターニングして押圧、加熱等によりソース電極、ドレイン電極を形成すれば、導電性ポリマーにより有機半導体膜とのオーミック接触を可能とできる。即ち金属微粒子の表面に、導電性ポリマーを介在させて、半導体への接触抵抗を低減させ、かつ、金属微粒子を加熱融着させることで、さらに本発明の効果を高めることができる。
導電性ポリマーとしては、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることが好ましく、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体などが好適に用いられる。
金属微粒子の含有量は導電性ポリマーに対する質量比で0.00001〜0.1が好ましい。この量を超えると金属微粒子の融着が阻害されることがある。
これらの金属微粒子分散物で、電極を形成した後、加熱により前記の金属微粒子を熱融着させてソース電極、ドレイン電極を形成する。また電極形成時に、概ね、1〜50000Pa、さらに1000〜10000Pa程度の押圧をかけ、融着を促進することも好ましい。
加熱また加圧する方法としては、加熱ラミネータなどに用いられる方法をはじめ、公知の方法を用いることができる。
また導電性ポリマーとしては、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体(PEDOT−PSS)などが好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
(有機半導体層)
有機半導体層を構成する材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が適用可能である。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、へプタセン、フタロシアニン、ポルフィリンなどの化合物及びこれらの誘導体が挙げられる。
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタンなどのシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体或いは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーのうち、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、などのオリゴマーが好適に用いることができる。
さらに銅フタロシアニンや特開平11−251601に記載のフッ素置換銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N′−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNTなどのカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素などがあげられる。
これらのπ共役系材料のうちでも、ペンタセンなどの縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。また、縮合多環化合物として、J.Am.Chem.Soc.2005,4986に記載された化合物等を用いることもできる。
また、その他の有機半導体材料としては、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、などの有機分子錯体も用いることができる。さらにポリシラン、ポリゲルマンなどのσ共役系ポリマーや特開2000−260999に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
また、前記ポリチオフェン及びそのオリゴマーのうち、下記一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマーが好ましい。
式中、Rは置換基を表す。
一般式(1)において、Rで表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、ドデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、モルホリル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ヘキシルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。
これらの置換基は上記の置換基によって更に置換されていても、複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
中でも好ましい置換基は、アルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が2〜20のアルキル基であり、特に好ましくは、炭素原子数6〜12のアルキル基である。
《チオフェンオリゴマーの末端基》
前記チオフェンオリゴマーの末端基について説明する。
前記チオフェンオリゴマーにおいて、末端基は、チエニル基をもたないことが好ましく、また、前記末端基として好ましい基としては、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ペンタデシル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等が挙げられる。
《チオフェンオリゴマーの繰り返し単位の立体構造的特性》
また前記チオフェンオリゴマーは、構造中に、Head−to−Head構造を持たないことが好ましく、それに加えて、更に好ましくは、前記構造中に、Head−to−Tail構造、または、Tail−to−Tail構造を有することが好ましい。
Head−to−Head構造、Head−to−Tail構造、Tail−to−Tail構造については、例えば、『π電子系有機固体』(1998年、学会出版センター発行、日本化学界編)27〜32頁、Adv.Mater.1998,10,No.2,93〜116頁等により参照出来るが、ここで、具体的に各々の構造的特徴を下記に示す。尚、ここにおいてRは前記一般式(1)におけるRと同義である。
以下、チオフェンオリゴマーの好ましい具体例を示す。
これらチオフェンオリゴマーの製造法は、本発明者等による特願2004−172317号(2004年6月10日出願)に記載されている。
また、本発明においては、有機半導体膜(層)に、たとえば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
ドーピングとは電子授与性分子(アクセプター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該薄膜に導入することを意味する。従って、ドーピングが施された薄膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する薄膜である。本発明に用いるドーパントとしては公知のものを採用することができる。
これらの有機半導体層を形成する方法としては、公知の方法で形成することができ、例えば、真空蒸着、MBE(Molecular Beam Epitaxy)、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、スパッター法、CVD(Chemical Vapor Deposition)、レーザー蒸着、電子ビーム蒸着、電着、スピンコート、ディップコート、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、およびLB法等、またスクリーン印刷、インクジェット印刷、ブレード塗布などの方法を挙げることができる。
この中で生産性の観点で、有機半導体材料の溶液を用い簡単かつ精密に薄膜が形成できるスピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等、半導体溶液をキャストする方法が好ましい。
なおAdvanced Material誌 1999年 第6号、p480〜483に記載の様に、ペンタセン等の前駆体が溶媒に可溶であるものは、塗布により形成した前駆体の膜を熱処理して目的とする有機半導体材料の薄膜を形成しても良い。
これら有機半導体膜の膜厚としては、特に制限はないが、得られたトランジスタの特性は、有機半導体膜の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、用いる有機半導体材料により異なるが、一般に1μm以下、特に10〜300nmが好ましい。
また、これら有機半導体膜(層)を半導体溶液をキャストする方法により作製する場合、有機半導体材料溶液の溶媒としては任意の溶媒を用いることができ、例えば、炭化水素系、アルコール系、エーテル系、エステル系、ケトン系、グリコールエーテル系など広範囲の有機溶媒から、有機半導体化合物に応じて適宜選択されるが、ジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル等の鎖状エーテル系溶媒、テトラヒドロフランやジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、キシレン、トルエン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、m−クレゾール等の芳香族系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、トリデカンなどの脂肪族炭化水素溶媒、α−テルピネオール、また、クロロホルムや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、N−メチルピロリドン、2硫化炭素等を好適に用いることができる。
前記ゲート絶縁膜上への、塗布性や成膜性の観点から、最も好ましくは、脂肪族系の有機溶媒、具体例として、シクロヘキサンやヘキサンを含むことが好ましい。
(ゲート絶縁膜)
ゲート絶縁膜(層)としては、ゲート電極形成後に形成されるものであり、種々の絶縁膜を用いることができる。特に比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。それらのうち好ましいのは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤あるいは水に必要に応じて界面活性剤などの分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。これらのうち好ましいのは、大気圧プラズマ法とゾルゲル法である。
大気圧下でのプラズマ製膜処理による絶縁膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理で、その方法については特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報等に記載されている(以下、大気圧プラズマ法とも称する)。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
また有機化合物皮膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることもできる。有機化合物皮膜の形成法としては、前記ウェットプロセスが好ましい。無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは100nm〜1μmである。無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。
ゲート絶縁膜の表面には、任意の配向処理を施してもよい。シランカップリング剤、たとえばオクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルジシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸などの自己組織化配向膜が好適に用いられる。
また、これら配向処理をすることで、形成されるゲート絶縁膜の表面は、水に対する接触角が60度以上、好ましくは80度以上であるような疎水性の膜とすることがTFTの性能向上のため好ましい。これらのゲート絶縁膜を有する基材上に、本発明に係わる有機半導体材料薄膜を形成させ、ソース電極、ドレイン電極を形成し本発明に係わる有機薄膜トランジスタが製造される。
本発明において、有機薄膜トランジスタが形成されるところの基板、支持体としてはガラスやフレキシブルな樹脂製シートが用いられ、例えば、プラスチックフィルムを基板乃至シートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
また、本発明においては、前記有機半導体膜の形成後に、有機半導体チャネル領域を保護して、有機半導体膜の特性変化を防ぐため、有機半導体保護層を形成することができる。
有機半導体保護層としては、有機半導体膜に影響を与えない材料を用い、有機半導体保護層の上にパターニングのために、感光性樹脂層等の感光性組成物を形成するような場合には、その塗布工程において、さらに光感応性樹脂層のパターニング処理時にも影響を受けない材料であるが好ましい。そのような材料として、好ましくは、親水性ポリマーを含有する材料であり、さらに好ましくは、親水性ポリマーの水溶液又は水分散液である。親水性ポリマーは、水、または酸性水溶液、アルカリ性水溶液、アルコール水溶液、各種の界面活性剤の水溶液に対して、溶解性または分散性を有するポリマーである。たとえばポリビニルアルコールや、HEMA、アクリル酸、アクリルアミドなどの成分からなるホモポリマー、コポリマーを好適に用いることができる。ポリビニルアルコールが好ましい。
有機半導体保護層を、印刷法またインクジェット法等により有機半導体チャネル上にパターン形成する。
また有機半導体保護層を有機半導体チャネル上にパターン形成するには、前記光感応性樹脂層と組み合わせ用いる。これによりフォトリソグラフィー法によって有機半導体保護層をパターニングできる。
有機半導体層上に形成される前記光感応性樹脂層(レジスト材料)等も、ソース電極やドレイ電極パターンの形成時において有機半導体保護層となる。
また、有機半導体膜の上には、電極材料を反撥する材料からなる反撥層を設けてもよく、予めこのパターンを有機半導体膜上等に形成して精度よく電極形成を行える様にしてもよい。
ここで有機半導体保護層は、ソース電極、ドレイン電極のパターニングにおいて、前記保護層上また保護層に設けられる感光性樹脂層上に、この電極材料の反撥層を設けてもよい。反撥層は、ソース、ドレイン電極等の電極形成材料(本発明においては流動性材料、例えば、導電性ペースト等、導電性材料溶液或いは分散液等が用いられるが)が水を主成分とする溶媒を用いた材料である場合には、これをはじき、塗布等により所望のパターンに自然に電極材料を配置できる撥水性材料からなる層であることが好ましく、例えば、シリコーンゴム層等が好ましく、そのほか、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等、また、シランカップリング剤などの親油性の材料を用いてもよい。
反撥層も有機半導体膜上に、例えば、反撥層材料が水性媒体により構成されている場合は、印刷法、インクジェット法等により、直接、有機半導体膜上にパターニング可能であるが、多くは疎水性の材料であり、前記有機半導体保護層上にこれと共に形成されパターニングされるのが好ましい。
保護層の膜厚は100nm〜10μmの層である。さらに後述するゲート絶縁層の材料も用いることができる。また、有機半導体保護層は、光透過率が10%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1%以下である。これにより、有機半導体膜が光により特性劣化するのを抑えることができる。
本発明において有機半導体保護層のパターニングは、感光性樹脂を用いて、フォトリソグラフ法により、ソース電極及びドレイン電極のパターニングと同時に行うことが好ましい。この場合、有機半導体保護層を塗布後に、これに接して層の全面に感光性樹脂の溶液を塗布し、感光性樹脂層を形成しフォトリソグラフ法によりパターニングする。
感光性樹脂としては、ポジ型、ネガ型の公知の材料を用いることができるが、レーザーで露光が行えるレーザー感光性の材料を用いることが好ましい。このような感光性樹脂として、(1)特開平11−271969号のような色素増感型の光重合感光材料、(2)特開平9−179292号のような赤外線レーザーに感光性を有するネガ型感光材料、(3)特開平9−171254号のような赤外線レーザーに感光性を有するポジ型感光材料が挙げられる。工程が暗所に限定されない点で、(2)、(3)が好ましい。
感光性樹脂の塗布溶液を形成する溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これら溶媒は、単独であるいは2種以上混合して使用する。
感光性樹脂層を形成する方法としては、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法が用いられる。
感光性樹脂層が形成されたら、感光性樹脂層にパターニング露光を行う。パターニング露光を行う光源としては、Arレーザー、半導体レーザー、He−Neレーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー等が挙げられ、好ましくは赤外に発振波長があるもので、半導体レーザーである。出力は50mW以上が適当であり、好ましくは100mW以上である。
露光された光感応性樹脂層の現像には、水系アルカリ現像液が好適である。アルカリ性化合物のアルカリ現像液中における濃度は、通常1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%である。
現像液には、必要に応じアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤やアルコール等の有機溶剤を加えることができる。
また必要により、光感応性樹脂層を除去する工程を加えることができる。アルコール系、エーテル系、ケトン系などの前記感光性樹脂層の有機溶媒から適宜選択して除去に用いる。
この様に有機半導体保護膜形成後に感光性樹脂を用いこれをパターニングし、レジストの除去された部分に、前記流動性材料にて印刷法或いはインクジェット法等によりソース、ドレイン電極を形成できる。
また、反撥層を用いると、ソース電極、ドレイン電極形成のための前記流動性材料によるパターニングにおいて、反撥層の存在する領域においては電極材料がはじかれるために、ソース、ドレイン電極それぞれの形成領域に電極材料は自動的にパターンニングされる。
図3に、反撥層が形成された有機半導体膜上に、インクジェット法によって電極材料を供給し、ソース、ドレイン電極をそれぞれ精度よく形成する過程を示す。図3(a)は、有機半導体膜4上にシリコーンゴム層を反撥層7としてチャネル部分に形成し、さらにこの上からインクジェット法などによりソース、ドレイン電極領域に電極材料、例えば、PEDOT/PSSの水分散液をインクとしてこれを連続的に吐出する過程である。反撥層はインクをはじくので、反撥層に電極材料ははじかれるため、電極材料印刷のパターン精度が低くとも、電極自体は精度よく形成される。
また、図3(b)、(c)に示すように、例えば電極材料インクを、反撥層を含みソース、ドレイン電極の二つを跨ぎこれをカバーする領域に吐出しても、反撥層が電極材料をはじくので、ソース、ドレインそれぞれの電極に吐出されたインクは自動的に分離するため同様に、電極パターンは精度よく形成される。
また、この方法によって、TFTのチャネル長は形成した反撥層被膜の幅、例えばインクジェットの液滴の容量や吐出量等によって一意に制御でき、ソース、ドレイン電極のショート等が防止され、極めて簡単な方法で、精度が高く、信頼性の高い有機薄膜トランジスタが形成される。
図4は、本発明の有機薄膜トランジスタ素子が樹脂支持体上に複数配置されるTFTシート10の1例を示す概略の等価回路図である。
TFTシート11はマトリクス配置された多数の有機薄膜トランジスタ14を有する。12は各有機薄膜トランジスタ14のゲート電極のゲートバスラインであり、13は各有機薄膜トランジスタ14のソース電極のソースバスラインである。各有機薄膜トランジスタ14のドレイン電極には、出力素子16が接続され、この出力素子16は例えば液晶、電気泳動素子等であり、表示装置における画素を構成する。図示の例では、出力素子16として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。15は蓄積コンデンサ、17は垂直駆動回路、18は水平駆動回路である。
図5(a)に、上記等価回路に準じた、本発明の、実際のTFTシートの有機薄膜トランジスタ素子、電極、バスライン等の配置例を示す。TFTシートとしてはアディショナルキャパシタタイプで、シート状支持体(図示されていない)上にまずゲート電極2を有し、ゲート絶縁層(図示されていない)を介して有機半導体膜4をチャネルとして連結されたソース電極5及びドレイン電極6を有し、ゲート電極2はゲートバスライン12と、ソース電極は第1の電極E1と一体に形成されたソースバスライン13と連結されている。またドレイン電極6は、第2の電極(E2)(即ちここでは画素電極)と連結する。またゲートバスラインに設けられたもう一つの電極8と画素電極との間に、アディショナルキャパシタとして蓄積コンデンサが形成されている。
尚、図5(b)は、図5(a)中において、A−Aにおける断面図である。
(発明の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明はこれに限定されるものではない。
図6は、前記図2(A)の構成からなる有機薄膜トランジスタの製造プロセスを示す図である。
実施態様1(有機薄膜トランジスタ素子Aの作製)
〈支持体の作製〉
テトラメトキシシラン3.04g(20mmol)と、塩化メチレン1.52gと、エタノール1.52gとを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
エタノール5.3gと酢酸メチル60.9gの混合溶媒にジアセチルセルロース(ダイセル化学製、L50)を溶解させた後、テトラメトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、ゴムベルト上にギャップ巾800μmのドクターブレードで成膜した。ベルトを搬送させながら、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、厚さ200μmの支持体1を作製した。動的粘弾性の測定から得られたTgは226℃であった。
支持体1の表面に50W/m2/minの条件でコロナ放電処理を施し、下記組成の塗布液を乾燥膜厚2μmになるように塗布し、90℃で5分間乾燥した後、60W/cmの高圧水銀灯下10cmの距離から4秒間硬化させた。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20g
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 2g
シリコーン系界面活性剤 1g
メチルエチルケトン 75g
メチルプロピレングリコール 75g
さらにその層の上に下記条件で連続的に大気圧プラズマ処理して厚さ50nmの酸化ケイ素膜を設け、これらの層を下引き層Uとした。
(使用ガス)
不活性ガス:ヘリウム98.25体積%
反応性ガス:酸素ガス1.5体積%
反応性ガス:テトラエトキシシラン蒸気(ヘリウムガスにてバブリング)0.25体積%
(放電条件)
放電出力:10W/cm2
(電極条件)
電極は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材に対して、セラミック溶射によるアルミナを1mm被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により封孔処理を行い、表面を平滑にしてRmax5μmとした誘電体(比誘電率10)を有するロール電極であり、アースされている。一方、印加電極としては、中空の角型のステンレスパイプに対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆した。
〈ゲート電極形成〉
上記の下引き層U上に、下記組成の光感応性樹脂1を塗布し、100℃にて1分間乾燥させることで、厚さ2μmの光感応性樹脂層を形成した。
(光感応性樹脂1)
色素A 7部
ノボラック樹脂(フェノールとm−、p−混合クレゾールとホルムアルデヒドを共縮合させたノボラック樹脂(Mw=4000、フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比がそれぞれ5/57/38)) 90部
クリスタルバイオレット 3部
発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで200mJ/cm2のエネルギー密度でゲートバスラインおよびゲート電極のパターンを露光した後、アルカリ水溶液で現像し、レジスト像を得た。
さらにその上に、スパッタ法により、厚さ300nmのアルミニウム皮膜を一面に成膜した後、MEKで上記光感応性樹脂層の残存部を除去することで、ゲートラインおよびゲート電極2を作製した。
〈ゲート絶縁層形成工程〉
以上のフィルム基板をよく洗浄した後、10質量%ホウ酸アンモニウム水溶液中で、2分間、100Vの定電圧電源から供給される直流を用いて、陽極酸化皮膜の厚さが120nmになるように陽極酸化皮膜を作製した。よく洗浄した後に、1気圧、100℃の飽和した蒸気チャンバーの中で、蒸気封孔処理を施した。
さらにフィルム温度200℃にて、上述した大気圧プラズマ法により、厚さ100nmの酸化珪素層を設け、ゲート絶縁層3とした。
〈別種の電極形成〉
次いで、シャドーマスクを用い、真空蒸着法により厚さ10nmのクロムを、次いで100nmの厚さの金を重ねて成膜することで、第1の電極(ソースバスライン)E1、また第2の電極(画素電極)E2をそれぞれ形成した。
以上により図6の(1)で示される、基板上にゲート電極2およびゲートバスライン、ゲート絶縁膜3、第1の電極E1(ソースバスライン)、また第2の電極E2(画素電極)のパターンが形成された基板を得た。
〈有機半導体膜形成工程〉(図6の(2)および(3))
次に、ゲート絶縁膜3の上に、下記化合物P−1のトルエン溶液を、ピエゾ方式のインクジェット法を用いて、吐出し、窒素ガス中で、90℃で15秒乾燥および熱処理を行い、厚さ50nmの有機半導体層4を形成した。
〈ソース電極及びドレイン電極形成工程〉(図6の(4)、(5))
次に、電極形成材料である、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)の水分散液(バイエル製 Baytron P)をインクジェット法によりインク液滴として吐出し、図6(4)に示すように、ソース、ドレイン電極パターンを印刷し、60℃で乾燥させ、厚さ20nmで、ソース電極5、ドレイン電極6を各々作製した(図4の(5))。尚チャネル長L=30μmとした。
実施態様2(前記図2(D)の構成からなる有機薄膜トランジスタの製造)
本発明に係わる有機薄膜トランジスタの製造プロセスの別の一例を示す。
前記実施態様1と同様に、基板上にゲート電極2およびゲートバスライン、ゲート絶縁層3、第1の電極E1(ソースバスライン)、また第2の電極E2(画素電極)、さらに有機半導体層4を形成したのち(図6(3))、以下に従って、有機半導体保護膜形成を行った。
〈有機半導体保護層形成工程〉(図7の(2))
この有機半導体層4の上に、十分に精製を行ったポリビニルアルコールを超純水製造装置で精製された水に溶解した水溶液を用いて塗設し、窒素ガス雰囲気中100℃にて、よく乾燥させ、厚さ1μmのポリビニルアルコールからなる有機半導体保護層Pを形成した。
〈感光性樹脂層形成工程〉(図7の(3))
下記の組成物A、Bをサンドミルを用いて別々に混練分散して、次いで前記A液、B液及びポリイソシアネート化合物〔同前〕を質量比で100:2.39:0.37に混合し、ディゾルバーで撹拌して塗工液を調製した。
該塗工液を、超音波分散後、エクストルージョン方式の押し出しコーターで塗布し、乾燥し、窒素ガス雰囲気中100℃5分で熱処理し、厚さ0.3μmの感光層R1を形成した。
〈組成物〉
A液
Fe−Al系強磁性金属粉末 100部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8200〕 10.0部
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロン280〕 5.0部
リン酸エステル 3.0部
メチルエチルケトン 105.0部
トルエン 105.0部
シクロヘキサノン 90.0部
B液
α−アルミナ(平均粒子径:0.18μm)
〔住友化学(株)製、高純度アルミナHIT60G〕 100部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8700〕 15部
リン酸エステル 3.0部
メチルエチルケトン 41.3部
トルエン 41.3部
シクロヘキサノン 35.4部
〈電極材料反撥層形成工程〉(図7の(4))
感光性樹脂層上に下記組成物2をアイソパーE”(イソパラフィン系炭化水素、エクソン化学(株)製)単独溶媒で固形分濃度10.3質量%に希釈した液体を塗設し、厚さ0.4μmのシリコーンゴム層の電極材料反撥層R2を形成した。
組成物2
α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子量約60,000) 100部
HMS−501(両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基数/分子量=0.69mol/g、チッソ(株)製) 7部
ビニルトリス(メチルエチルケトキシイミノ)シラン 3部
SRX−212(白金触媒、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製、) 5部
〈感光性樹脂層露光工程及び現像工程〉(図7の(5))
発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで300mJ/cm2のエネルギー密度でソース電極、ドレイン電極の電極パターンを露光した後、露光部のシリコーンゴム層をブラシ処理で除去した。
〈有機半導体保護層除去工程〉
さらに水でよく洗浄すると、露光部の感光性樹脂層及びポリビニルアルコールの保護層が除去された。
〈ソース電極及びドレイン電極形成工程〉(図7の(6))
電極パターンが形成された面に、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)の水分散液(バイエル製 Baytron P)をロールコーターで供給する。(図7の(6))
電極材料反撥層であるシリコーンゴム層が除去された電極パターン部分のみに分散液が付着した(図7の(7))。これを100℃で乾燥させ、ソース電極及びドレイン電極の電極パターンが形成された。なお、電極は、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)から成る厚さ20nmの層からなる。図7の(8)にこれにより作製された有機薄膜トランジスタを示す。
実施態様3
次に、本発明に係わる有機薄膜トランジスタの製造プロセスのさらに別の一例を示す。
前記実施態様1と同様に、別種の電極(第1の電極(ソースバスライン)E1、また第2の電極(画素電極)E2)の形成を行った。(図6の(1))
次に、ゲート絶縁膜3の上に、有機半導体材料、前記化合物P−1のトルエン溶液を、ピエゾ方式のインクジェット法を用いて、印刷パターン部が別種の電極間を連結するように吐出する(図8の(2))。次いで、窒素ガス中で、90℃で15秒乾燥および熱処理を行い、厚さ50nmの有機半導体層4を形成した(図8の(3))。
〈電極材料反撥層形成工程〉(図8の(4)、(5))
次に、有機半導体層4上に下記組成物2をアイソパーE”(イソパラフィン系炭化水素、エクソン化学(株)製)に溶解した溶液を水性分散液とし、固形分濃度10.3質量%に希釈したものをインクとして、ピエゾ方式のインクジェット法によりパターンに従って吐出し、加熱(100℃)、乾燥して、厚さ0.4μmのシリコーンゴム層の電極材料反撥層R2をパターニング形成した。
(組成物2)
α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子量約60,000) 100部
HMS−501(両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基数/分子量=0.69mol/g、チッソ(株)製) 7部
ビニルトリス(メチルエチルケトキシイミノ)シラン 3部
SRX−212(白金触媒、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製、) 5部
〈ソース電極及びドレイン電極形成工程〉(図8の(6)、(7))
電極材料反撥層形成の後、電極材料反撥層を形成した面に、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)の水分散液(バイエル製 Baytron P)をインクジェット法により、反撥層部分を含んで、印刷パターン部が別種の電極間を跨ぐように有機半導体層上に供給する。即ち、前記図3(b)に示すように、インクジェット法により連続的に矢印方向に電極材料液を吐出する。電極材料反撥層があるためにインクは、印刷後にはソース、ドレイン電極部分に分離して、反撥層のある部分にはインクが乗らない。即ち保護層部分のインク反撥層により、図8の(7)また図3の(c)の様なパターンが自然に形成される。
次いで、これを100℃で乾燥させソース電極及びドレイン電極を形成させる。なお、電極は、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)から成る厚さ20nmの層である。図8の(8)に作製した有機薄膜トランジスタを示す。
以上、実施態様により本発明に係わる有機薄膜トランジスタの好ましい製造方法を示したが、形成された本発明に係わる有機薄膜トランジスタは、キャリア移動度が高く、かつ動作にバラツキが少ない良好な動作特性を示した。
本発明の有機薄膜トランジスタは、トップコンタクト型の構成を有しているが、製造過程において、有機半導体膜がプロセスダメージの影響を受けにくい製造方法により製造されているため、それにより、良好な動作特性を示す有機薄膜トランジスタおよびTFTシートが得られる。

Claims (13)

  1. 支持体、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極および少なくとも1つの別種の電極からなり、ソース電極およびドレイン電極は有機半導体膜に接合し、かつ、ソース電極またはドレイン電極の少なくとも一方が、有機半導体膜及び別種の電極に接していることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  2. 支持体、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極および少なくとも1つの別種の電極からなり、ソース電極およびドレイン電極は有機半導体膜の上面に接合し、かつ、ソース電極またはドレイン電極の少なくとも一方が、有機半導体膜及び別種の電極に接していることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記ソース電極、ドレイン電極が流動性電極材料から形成されたことを特徴とする請求の範囲第1項または2項記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 前記流動性電極材料が導電性有機材料を含有することを特徴とする請求の範囲第3項記載の有機薄膜トランジスタ。
  5. 前記有機半導体膜が、別種の電極に接合していることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
  6. 前記別種の電極が金属材料からなることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
  7. 前記別種の電極が二つあり、それぞれソース電極、ドレイン電極に接合することを特徴とする請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
  8. 前記有機半導体膜は、有機半導体材料溶液からのキャスト膜であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
  9. 請求の範囲第1項〜第8項のいずれか1項記載の有機薄膜トランジスタが基板上に集積化されたことを特徴とするTFTシート。
  10. 請求の範囲第9項記載のTFTシートにおいて、前記別種の電極は、実質的にバスライン、または画素電極を構成することを特徴とするTFTシート。
  11. 支持体上に、ゲート電極、ゲート絶縁層、別種の電極、有機半導体膜、ソース電極またはドレイン電極を、順次形成することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  12. 前記ソース電極、ドレイン電極が流動性電極材料から形成されたことを特徴とする請求の範囲第11項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  13. 前記別種の電極が金属材料からなることを特徴とする請求の範囲第11項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
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