JP5245116B2 - 有機半導体膜の形成方法、及び有機薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

有機半導体膜の形成方法、及び有機薄膜トランジスタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機半導体膜の形成方法、及び有機薄膜トランジスタの製造方法に関する。
近年、有機半導体を半導体チャネルとして使用する有機薄膜トランジスタが種々検討されている。有機半導体は無機半導体に比べて加工が容易であり、プラスチック支持体との親和性が高いので薄層デバイスとしての魅力がある。
有機半導体膜の形成方法としては、蒸着による方法が代表的であるが、材料の特性により種々の方法が用いられる。その中でも塗布あるいは溶液、液体を基板に適用する常圧プロセス(ウエットプロセス)により、蒸着等よりも容易に、キャリア移動度の大きい有機半導体膜を得ようとする試みが多くなされている。
例えば、溶液積層により有機半導体膜を得る試みの中で、配向膜による有機半導体ポリマー配列の強化が試みられている(例えば、特許文献1参照。)。また、移動度の大きいチオフェンポリマー溶液を用い塗布、溶媒を乾燥させることで、キャリア移動度の大きい有機半導体膜また有機半導体層を形成している(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、有機半導体層の形成は、その結晶あるいは構造体の、例えばπ−スタック等の配列等によりキャリア移動度が決まるため、単に有機半導体溶液を塗布し、溶媒を乾燥させる方法では得られる半導体層の移動度が未だ低い問題がある。さらに繰り返し測定時の特性変動や、ゲート電圧の閾値が高いといった問題も同時に指摘されている。
また、半導体層成膜時の課題として、移動度向上のためには、ペンタセン等の難溶解性の半導体材料に高性能を有するものが多く報告されているが、将来的に塗布による半導体層の成膜を実現するため高溶解性の半導体材料が盛んに開発されている。一方、絶縁体表面は、性能向上のために疎水化等の表面処理を施したものが適しているとされ、この処理により半導体溶液の塗布はより困難になっている。
国際公開第01/47043号パンフレット J.Am.Chem.Soc.,2004,126,3378
本発明の目的は、塗布法によってキャリア移動度が高い半導体層を形成できる有機半導体膜の形成方法を提供することであり、また、有機半導体膜の繰り返し使用(測定)時の特性変動が抑制され、またゲート電圧の閾値が低下した、表面処理を施した絶縁体上でも成膜性のよい有機半導体膜を提供することであり、さらには、これらの方法により形成された有機半導体膜を有する有機薄膜トランジスタを提供することである。
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
1.有機半導体材料と、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、アニソール、ベンジルエチルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、エチルセロソルブ、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド、1,3−ジオキソラン、テトラリン及びプロピレンカーボネートから選ばれた非ハロゲン系溶媒を含む塗布液を基板上に供給した後、乾燥させることにより、有機半導体膜を基板上に形成する有機半導体膜の形成方法において、
前記非ハロゲン系溶媒が、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、アニソール、ベンジルエチルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、エチルセロソルブ、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド、1,3−ジオキソラン及びプロピレンカーボネートから選ばれる場合は、該非ハロゲン系溶媒の塗布時の平均揮発速度が3×10 mg/(sec・cm)〜10mg/(sec・cm)であり、
前記非ハロゲン系溶媒が、テトラリンである場合は、該非ハロゲン系溶媒の塗布時の平均揮発速度が10−4mg/(sec・cm)〜10mg/(sec・cm)であることを特徴とする有機半導体膜の形成方法。
.基板温度または塗布液温度を制御することにより、前記非ハロゲン系溶媒の塗布時の平均揮発速度を制御することを特徴とする前記記載の有機半導体膜の形成方法。
.前記有機半導体材料の重量平均分子量が5000以下であることを特徴とする前記1または2に記載の有機半導体膜の形成方法。
.前記有機半導体材料がアルキルチオフェンオリゴマーを含有することを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
.前記有機半導体材料が、ペンタセン誘導体であることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
.前記ハロゲン系溶媒が、芳香族炭化水素系溶媒であることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
.前記基板が表面処理されていない基板であることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
.前記基板温度が20℃〜100℃であることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
.前記塗布液の温度が20℃〜100℃であることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
10.前記塗布液の基板上への供給が、実質的に窒素ガス雰囲気中で行われることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
11.有機薄膜トランジスタが有する有機半導体膜を、前記1〜10のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法により形成することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
本発明により、塗布法によってキャリア移動度が高い半導体層を形成できる有機半導体膜の形成方法を提供することであり、また、有機半導体膜の繰り返し使用(測定)時の特性変動が抑制され、またゲート電圧の閾値が低下した、表面処理を施した絶縁体上でも成膜性のよい有機薄膜トランジスタを得ることのできる有機半導体膜の形成方法を提供することであり、さらには、これらの方法により形成された有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタを提供することができた。
本発明に係る有機薄膜トランジスタの構成例を示す概略図である。 有機TFTシートの概略等価回路図の1例を示す概略図である。 精密天秤上に設置された基板上に有機半導体材料と非ハロゲン溶媒を含む溶液が塗布された状態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 有機半導体層
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4 ゲート電極
5 絶縁層
6 支持体
7 ゲートバスライン
8 ソースバスライン
10 有機TFTシート
11 有機TFT
12 出力素子
13 蓄積コンデンサ
14 垂直駆動回路
15 水平駆動回路
16 質量変化をモニターしながら、且つ、加熱機構を有する精密天秤
17 基板
18 溶液(有機半導体材料と非ハロゲン溶媒を含む)
本発明の有機半導体膜の製造方法においては、前記1〜14のいずれか1項に規定する構成とすることにより、塗布法によってキャリア移動度が高い半導体層を形成できる有機半導体膜の形成方法を提供することが出来た。また、これらの方法により形成された有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタを提供することができた。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について順次説明する。
《有機半導体膜の形成方法》
本発明の有機半導体膜の形成方法について説明する。
本発明の有機半導体膜の形成方法では、塗布液(有機半導体材料を溶解または分散している塗布液である)は、キャストコート、スピンコート、印刷、インクジェット法等のウェットプロセスによって基板上に有機半導体膜を設置することができる。
塗布液中の有機半導体材料の含有量は、用いる溶媒の種類、上記有機半導体材料等の具体的選択によって変わってくるが、塗布によりこれ等の有機半導体材料を基板上に適用して薄膜を形成させるためには、塗布液中の有機半導体材料の含有量は、塗布液の基板上での均一な延展性、且つ、基板上での液切れによる塗膜のピンホール発生を防止する観点から、0.01質量%〜10.0質量%、好ましくは0.1質量%〜5.0質量%の範囲で溶解していることが好ましい。また、溶解としては、分散液の状態よりは完全溶解している状態が好ましい。
このようにして形成される有機半導体膜(有機半導体層ともいう)の膜厚としては、特に制限はないが、得られた有機薄膜トランジスタ(TFT)の特性は、半導体層の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、有機半導体材料により異なるが、一般に1μm以下が好ましく、特に10nm〜300nmが好ましい。
《平均揮発速度の調製方法》
前述のように、基板上に塗布された有機半導体材料は、塗布液に含まれる液体の揮発と共に成膜されるが、この過程に有機半導体膜の結晶状態は大きく影響される。有機半導体材料の結晶化は、塗布液中の液体存在下でより促進され、キャリア移動度が向上する。半導体の性能向上には溶媒乾燥速度が遅いことがよいと考えられる。同時に、溶媒の揮発により成膜性を向上させることで基板表面の表面処理を施した絶縁層への密着性を向上させることによっても、有機半導体素子の性能が向上する。
本発明者等は、これら有機半導体膜の結晶性向上と、これら絶縁層表面への密着性向上を両立するに最適な、塗布液に含まれる液体の平均揮発速度を見出したものである。即ち、本発明は、有機半導体材料を含む塗布液を基板上に供給、塗布して、乾燥させることにより、有機半導体膜を基板上に形成する有機半導体膜の形成方法において、前記塗布液に含まれる液体の塗布時の平均揮発速度を10-4mg/(sec・cm2)〜103mg/(sec・cm2)に、好ましくは10-3mg/(sec・cm2)〜103mg/(sec・cm2)に調整することが特徴である。
平均揮発速度をこの範囲に調整する方法としては、基板の表面上へ滴下する塗布液量・濃度の調整、基板及び塗布液の温度の調整、溶媒の選択、減圧・加圧等が挙げられる。この中では基板及び塗布液の温度を調整することが好ましい。尚、平均揮発速度は、塗布直後の質量から乾燥直前の質量を差し引くことで揮発量を求め、算出することができる。
《平均揮発速度の測定方法》
本発明の有機半導体膜の形成方法において、有機半導体材料と非ハロゲン溶媒を含む溶液の塗布時に非ハロゲン溶媒の平均揮発速度を測定する方法を図3を用いて説明する。
図3は、精密天秤上に設置された基板上に有機半導体材料と非ハロゲン溶媒を含む溶液が塗布された状態を示す概略断面図である。尚、前記精密天秤は市販の精密天秤に、質量変化をモニターしながら、且つ、加熱機構を具備するように改良したものである。
平均揮発速度の測定時には、基板上に30mgの溶液(有機半導体材料と非ハロゲン溶媒を含む)をガラススポイトまたは有機溶媒用インクジェットヘッドで供給し、塗布を行う。尚、図3は、ガラススポイトを用いて基板上に溶液が供給された状態の一例を示したものである。
本発明の有機半導体膜の形成方法では、塗布時において、非ハロゲン系溶媒の平均揮発速度を10-4mg/(sec・cm2)〜103mg/(sec・cm2)の範囲になるように調整するが、好ましい平均揮発速度の範囲は、10-3mg/(sec・cm2)〜10mg/(sec・cm2)である。
調整方法は、塗布液温度(20℃〜100℃の範囲が好ましい)、基板の温度(20℃〜100℃の範囲が好ましい)、基板への送風条件、塗布環境時の雰囲気(例えば、実質、窒素ガス雰囲気中での塗布が好ましい。ここで、実質とは、雰囲気中の窒素ガスの含有量が99体積%以上であることを示す。)により、上記平均揮発速度の範囲にはいるように調整出来る。
尚、本発明に係る塗布時とは、供給された溶液の95質量%の質量減少が確認された時点までを塗布時とし、平均揮発速度の調整が行われる。
この時間中に減少した質量、塗膜の形成された面積から、面積、時間当たりの溶媒揮発量を算出した。また、塗布時の雰囲気の圧力は、1.33Paに設定した。
一般に、絶縁膜表面に有機半導体を蒸着により形成する際には、絶縁膜表面の水の接触角が低いことが、移動度向上にはよいとされている(例えば、ADVANCED MATERIALS 2004,16,No.8,April 19 732)。このような撥水性の高い表面は、塗布による半導体膜形成には非常に不向きである。
しかし、性能向上のためには撥水性の高い表面上に有機半導体溶液を塗布する技術は不可欠であり、本発明はそれを可能とする技術である。
塗布法による有機半導体膜の形成は、有機半導体材料を溶媒に溶解し、これを例えば、酸化膜付きシリコンウエハー等の基板上に供給、塗布して、乾燥させることにより有機半導体膜(有機半導体層ともいう)を得るものであるが、本発明においては、塗布時に、塗布液に含まれる液体の平均揮発速度を制御するものである。基板上に塗布された有機半導体材料は、塗布液に含まれる液体の揮発と共に成膜されるが、この過程に有機半導体膜の結晶状態は大きく影響される。有機半導体材料の結晶化は、塗布液中の液体存在下でより促進され、キャリア移動度が向上する。同時に、溶媒の揮発により成膜性を向上させることで基板表面の表面処理を施した絶縁層への密着性を向上させることによっても、有機半導体素子の性能が向上する。
本発明者等は鋭意検討の結果、これら有機半導体膜の結晶性向上と、これら絶縁層表面への密着性向上を両立するに最適な、塗布液に含まれる液体の平均揮発速度を見出したものである。
また、これらの有機半導体膜の形成方法により有機半導体層を形成して作製した有機薄膜トランジスタはキャリア移動度が高く、優れたトランジスタ特性を示しながら、かつ、高耐久性であることが分かった。
以下、本発明について詳細に説明する。
《有機半導体材料》
本発明に用いられる有機半導体材料について説明する。
本発明の有機半導体膜の形成方法に用いられる有機半導体材料は、半導体として機能するものであればどのような有機化合物を選択してもよい。有機薄膜トランジスタにおける有機半導体チャネル(活性層)を構成する有機半導体膜に用いられる有機半導体材料についても同じである。
(分子量)
有機半導体材料の分子量としては、重量平均分子量が5000以下であることが好ましい。重量平均分子量はGPC型高速液体クロマトグラフィーにより測定することができる。
低分子量化合物としては、代表的には、ペンタセン等の化合物があり、例えば、国際公開第03/16599号パンフレット、同03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号、特開2004−107216号公報等に記載の置換基を持ったペンタセン類、米国特許第2003−136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ類等がある。
(アルキルチオフェンオリゴマー)
前記分子量以下である低分子の有機半導体材料としては、分子構造中にヘテロ環を2つ以上含む化合物が好ましく、特にヘテロ環がチオフェン環である化合物が好ましい。チオフェン環はアルキル基等の置換基を有していても、また無置換のものでもよいが、分子内に置換基、特にアルキル基を有するチオフェン環が含まれることが好ましく、置換基を有するチオフェン環と無置換のチオフェン環の両者が含まれることがより好ましい。さらに、チオフェン環が2つ以上連結していることが好ましく、連結するチオフェン環の数は2〜10が好ましい。
本発明に係わる有機半導体材料として、重量平均分子量が5000以下のオリゴマーは好ましい化合物である。好ましく用いることのできるオリゴマーとしてはチオフェンオリゴマーが挙げられる。
本発明において好ましく用いられるチオフェンオリゴマーとしては、置換基を有するチオフェン環繰り返し単位と、無置換のチオフェン環繰り返し単位が、各々少なくとも2つ以上連続している部分構造を有するチオフェンオリゴマーを含み、かつ、チオフェンオリゴマーに含まれるチオフェン環の環数が8〜40であるものである。チオフェン環の環数としては、8〜20の範囲が好ましい。さらに好ましくは、チオフェンオリゴマーが下記一般式(1)で表される部分構造を有することである。
式中、Rは置換基を表す。
〈一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマー〉
前記一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマーについて説明する。
一般式(1)において、Rで表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。
これらの置換基は上記の置換基によってさらに置換されていても、複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
中でも好ましい置換基は、アルキル基であり、さらに好ましくは、炭素原子数が2〜20のアルキル基であり、特に好ましくは、炭素原子数6〜12のアルキル基である。
〈チオフェンオリゴマーの末端基〉
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーの末端基について説明する。
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーの末端基は、チエニル基を持たないことが好ましく、また、前記末端基として好ましい基としては、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等が挙げられる。
〈チオフェンオリゴマーの繰り返し単位の立体構造的特性〉
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーは、構造中に、Head−to−Head構造を持たないことが好ましく、それに加えて、さらに好ましくは、前記構造中に、Head−to−Tail構造、または、Tail−to−Tail構造を有することが好ましい。
本発明に係るHead−to−Head構造、Head−to−Tail構造、Tail−to−Tail構造については、例えば、『π電子系有機固体』(1998年、学会出版センター発行、日本化学界編)27〜32頁、Adv.Mater.1998,10,No.2,93〜116頁等により参照できるが、ここで、具体的に各々の構造的特徴を下記に示す。
ここにおいてRは前記一般式(1)におけるRと同義である。
以下、本発明に用いられるこれらチオフェンオリゴマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
これらのチオフェンオリゴマーの製造法は、本発明者等による特開2006−24908号公報に記載されている。
本発明に係る有機半導体材料としては、Adv.Mater.2003,15、No.23,December3 (2009−2011)に記載のシリルエチニルペンタセン化合物、また、J.Am.Chem.Soc.,2005、127,4986〜4987に記載のアセン、ヘテロアセンを母核として有する化合物等も好ましく、シリルエチニルペンタセン、トリスアルキルシリルエチニルペンタセン、トリイソプロピルシリルエチニルペンタセンが好ましく、中でも、トリイソプロピルシリルエチニルペンタセンが好ましい。
また、本発明においては、有機半導体層に、たとえば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
(その他の材料)
縮合多環芳香族化合物を有機半導体材料とする場合等、有機半導体層中には、有機半導体材料のみではなく、例えば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基等の官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレン及びテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体等のように電子を受容するアクセプターとなる材料や、例えばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基等の官能基を有する材料、フェニレンジアミン等の置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾール及びその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体等のように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を行ってもよい。
ドーピングが施された有機半導体膜の有機半導体材料分子の配向等の構造化においても、本発明に係わる有機半導体膜の形成方法は同様に有用である。
《溶媒》
これらの有機半導体膜は、有機薄膜トランジスタを構成する場合、ゲート絶縁膜(例えばシリコンの熱酸化膜)等の疎水性の高い膜を有する基板上に形成されるため、有機半導体材料を溶解する溶媒としては、基板への親和性が高いものが好ましい。
《非ハロゲン系溶媒》
従来、アルキル置換ペンタセン等の有機半導体材料を溶解するにはトリクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素が用いられているが、本発明に用いる溶媒としては、環境負荷が小さい非ハロゲン系溶媒を用いることが必須であり、全溶媒中の主成分(全溶媒中に占める非ハロゲン系溶媒の含有量が50質量%以上であることを示す。)として用いることが好ましい。
非ハロゲン系溶媒としては、ヘキサン、オクタン等の脂肪族系、シクロヘキサン等の脂環式系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、アニソール、ベンジルエチルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン系溶媒、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド、1,3−ジオキソラン等が挙げられるが、中でも、芳香族炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン等)、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン等)が好ましい。
また、本発明に係る非ハロゲン系溶媒は1種で用いても、あるいは2種以上混合して用いてもよい。
また、本発明に係る非ハロゲン系溶媒としては、得られる有機半導体膜が高いキャリア移動度を保持し、且つ、溶媒の揮発による成膜性向上の観点から、沸点が100℃〜350℃の範囲であるものが好ましい。
また、有機半導体材料の溶解の促進のため有機半導体材料に対する溶解性の高いその他の溶剤を用いてもよく、これらの溶媒は基板上に適用したときに溶液のはじきを発生させない範囲で用いることができる。
《併用可能な溶媒(溶剤ともいう)》
本発明の有機半導体膜の形成に係る塗布液には少なくとも非ハロゲン系溶媒が用いられるが、その他、併用可能な溶媒としては、特に制限されるものではないが、好ましいものとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ピロリドン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、β−メトキシプロピオン酸メチル、β−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、ヘキサン、リモネン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらの有機溶媒は2種類以上を組合せて用いることもできる。
また、エステル系溶剤としては、オキシイソ酪酸アルキルエステル等を用いてもよく、オキシイソ酪酸エステルとしては、α−メトキシイソ酪酸メチル、α−メトキシイソ酪酸エチル、α−エトキシイソ酪酸メチル、α−エトキシイソ酪酸エチル等のα−アルコキシイソ酪酸アルキルエステル;β−メトキシイソ酪酸メチル、β−メトキシイソ酪酸エチル、β−エトキシイソ酪酸メチル、β−エトキシイソ酪酸エチル等のβ−アルコキシイソ酪酸アルキルエステル;及びα−ヒドロキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイソ酪酸エチル等のα−ヒドロキシイソ酪酸アルキルエステルが挙げられ、特にα−メトキシイソ酪酸メチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、β−エトキシイソ酪酸メチルまたはα−ヒドロキシイソ酪酸メチル等を用いることができる。
《基板》
本発明に係る基板について説明する。
本発明において、有機半導体材料膜を形成する基板としては、特に有機薄膜トランジスタの基板としては、後述のトップゲート型、また、ボトムゲート型等、その作製手順により異なってくるが、特にボトムゲート型有機薄膜トランジスタの製造においては、ゲート電極上に形成されたゲート絶縁膜(ポリシリコン基板上に形成される熱酸化膜)等において、水に対する接触角が80度以上になるものが好ましい。水に対する接触角が80度以上になるような高いゲート絶縁膜をゲート電極上に得るために、ゲート絶縁膜に予め表面処理を施してもよい。このような処理として、シランカップリング剤による処理が挙げられる。シランカップリング剤としては、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン等が好ましい例として挙げられるが、本発明はこれらに限らない。
また、表面処理として、自己配列型の薄膜を形成するものも好ましく、一般的によく知られたラビング等の配向処理を行ってもかまわない。
なお、本発明において接触角は、有機半導体材料含有液体を適用する基板表面の純水に対する接触角をいい、接触角計(CA−DT・A型:協和界面科学社製)を用いて20℃、50%RHの環境下で測定するものである。
接触角により、基板表面における疎水性の度合を水の接触角によって知ることができる。
《有機薄膜トランジスタの製造》
有機薄膜トランジスタは、支持体上に有機半導体チャネル(活性層)で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、支持体上に先ずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体チャネルで連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。本発明に係わる有機半導体膜の形成方法により得られる有機薄膜トランジスタはこれらトップゲート型またボトムゲート型のいずれでもよく、またその形態を問わない。
本発明の好ましい態様の一つである前記ボトムゲート型の有機薄膜トランジスタを例にとれば、有機薄膜トランジスタは、支持体上にゲート電極、ゲート絶縁膜、活性層、ソース電極、ドレイン電極がそれぞれ最適に配置されることで構成されるものである。
従って、例えば、支持体上に、ゲート電極を形成した後、ゲート絶縁膜を形成し、ゲート絶縁膜上に前記の方法にて、活性層(有機半導体層(薄膜))を形成した後、それぞれ、ソース、ドレイン電極を形成することにより本発明に係わる有機薄膜トランジスタは形成される。
また、例えば、ゲート絶縁膜形成後、ゲート絶縁膜上にソース、ドレイン電極パターンを形成し、該ソース、ドレイン電極間に、有機半導体チャネルを、パターニングにより形成してもよい。
このように支持体上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、活性層(有機半導体層)、ソース電極、ドレイン電極を、それぞれ必要な場合には適宜パターニングし、最適に配置することで、本発明に係わる有機薄膜トランジスタは得られる。
以下、本発明の有機半導体膜の形成方法及び該形成方法により得られる有機薄膜トランジスタの活性層(有機半導体層(薄膜))以外の、有機薄膜トランジスタを構成するその他の構成要素について説明する。
本発明において、前記ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、種々の金属材料を用いることができるが、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITO及び炭素等が好ましい。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法等がある。
また、電極の形成方法としては、導電性微粒子分散液、導電性ポリマーの溶液あるいは分散液を、直接インクジェット法によりパターニングする方法、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成する方法がある。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
導電性微粒子の金属材料(金属微粒子)としては、白金、金、銀、コバルト、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができるが、特に仕事関数が4.5eV以上の白金、金、銀、銅、コバルト、クロム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、モリブデン、タングステンが好ましい。
このような金属微粒子分散物の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法等の物理的生成法や、コロイド法、共沈法等の、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号公報、同11−80647号公報、同11−319538号公報、特開2000−239853号公報等に示されたコロイド法、特開2001−254185号公報、同2001−53028号公報、同2001−35255号公報、同2000−124157号公報、同2000−123634号公報等に記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子分散物である。
分散される金属微粒子の平均粒径としては、20nm以下であることが好ましい。
また、金属微粒子分散物に導電性ポリマーを含有させることが好ましく、これをパターニングして押圧、加熱等によりソース電極、ドレイン電極を形成すれば、導電性ポリマーにより有機半導体層とのオーミック接触を可能とできる。即ち金属微粒子の表面に、導電性ポリマーを介在させて、半導体への接触抵抗を低減させ、かつ、金属微粒子を加熱融着させることで、さらに本発明の効果を高めることができる。
導電性ポリマーとしては、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることが好ましく、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等が好適に用いられる。
金属微粒子の含有量は導電性ポリマーに対する質量比で0.00001〜0.1が好ましい。この量を超えると金属微粒子の融着が阻害されることがある。
これらの金属微粒子分散物で電極を形成する場合、ソース電極、ドレイン電極を形成した後、加熱により前記の金属微粒子を熱融着させることが好ましい。また電極形成時に、概ね、1Pa〜50000Pa、さらに1000Pa〜10000Pa程度の押圧をかけ、融着を促進してもよい。
上記金属微粒子分散物を用いて電極様にパターニングする方法として、直接インクジェット法によりパターニングする場合、インクジェットヘッドの吐出方式としては、ピエゾ方式、バブルジェット(登録商標)方式等のオンデマンド型や静電吸引方式等の連続噴射型のインクジェット法等公知の方法を使用することができる。
加熱また加圧する方法としては、加熱ラミネータ等に用いられる方法をはじめ、公知の方法を用いることができる。
ゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に、比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。
無機酸化物としては酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化錫、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等が挙げられる。これらの内で好ましいのは、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化珪素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法(大気圧プラズマCVD法)、ディップコート法、キャスト法、リールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェット等のパターニングによる方法等のウエットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウエットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤あるいは水に必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えばアルコキシド体の溶液を塗布乾燥する所謂ゾルゲル法が用いられる。
これらのうち好ましいのは大気圧プラズマ法とゾルゲル法である。
大気圧プラズマ法による絶縁膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理で、その方法については特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報等に記載されている。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
また、これらの絶縁膜には予め表面処理を施してもよい。これらの処理としては前記のようにシランカップリング剤による処理、ラビング等の配向処理が挙げられる。
また、有機化合物皮膜の形成法としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
有機化合物皮膜の形成法としては前記ウエットプロセスが好ましい。
無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは、100nm〜1μmである。
また支持体はガラスやフレキシブルな樹脂製シートで構成され、例えばプラスチックフィルムをシートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができると共に、衝撃に対する耐性を向上できる。
図1に本発明に係る有機薄膜トランジスタ(TFT)の構成例を示す。
図1(a)は、ガラス支持体6上に、マスクを用い、金等を蒸着によりパターン形成し、または金属微粒子を含む層のパターンを形成した後、次に金属微粒子を含む層を加熱加圧して融着させてもよいが、ソース電極2、ドレイン電極3を形成し、その上に有機半導体材料層1を形成し、その上にゲート絶縁層5を形成し、さらにその上にゲート電極4を形成して有機TFTを形成したものである。
図1(b)、(c)に、トップゲート型の有機薄膜トランジスタの他の構成例を示す。
また、図1(d)〜(f)はボトムゲート型の有機TFTの構成例を示す。図1(d)は支持体6上にゲート電極4を形成した後、ゲート絶縁層5を形成し、その上にソース電極2、ドレイン電極3を形成して、該ソース、ドレイン電極間のゲート絶縁層上に有機半導体材料層1を形成してボトムゲート型の有機TFTを形成したものである。同様に他の構成例を図1(e)、(f)に示す。なかでも図1(f)は支持体6上にゲート電極4を形成した後、ゲート絶縁層5を形成し、その上に有機半導体材料層1を形成した後、さらにソース電極2、ドレイン電極3を形成して有機TFTを形成したものである。
図2は、前記有機薄膜トランジスタを用いて、液晶、電気泳動素子等の出力素子様に構成されたTFTシートの概略等価回路図の1例である。
TFTシート10はマトリクス配置された多数の有機TFT11を有する。7は各有機TFT11のゲートバスラインであり、8は各有機TFT11のソースバスラインである。各有機TFT11のソース電極には、例えば液晶、電気泳動素子等の出力素子12が接続され、表示装置における画素を構成する。画素電極は光センサの入力電極として用いてもよい。図示の例では、出力素子として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。13は蓄積コンデンサ、14は垂直駆動回路、15は水平駆動回路である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。また、実施例にて用いた化合物の構造式を下記に示す。
実施例1
《有機半導体膜1の形成》:実施例
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウェハーに厚さ200nmの熱酸化ケイ素皮膜を形成し、ゲート絶縁膜とした。
次に、有機半導体材料として例示化合物(a)とNガスでバブリングしたトルエンとを混合して0.1質量%分散液を調製した。得られた分散液をガラス製ピペットを用いて前記酸化ケイ素皮膜の表面に30mg滴下し、有機半導体膜1を形成した。
このとき形成された半導体層成膜領域は1cmの円形であり平均膜厚は50nmであった。塗布にあたっては、溶媒の平均揮発速度を3×10mg/(sec・cm)に保ちながら、有機半導体膜1を形成した。以上の溶液調製から製膜・乾燥工程は全て窒素雰囲気下で行なった。
《有機半導体膜1の評価》
得られた有機半導体膜1の評価は、下記のように有機薄膜トランジスタを作製して、キャリア移動度、閾値を評価した。
さらに、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタ1を作製した。この有機薄膜トランジスタは、pチャネルチャネルエンハンス型FETとして良好に動作し、下記方法で測定した飽和領域のキャリア移動度は0.01cm2/V・sであった。
(キャリア移動度の測定)
有機薄膜トランジスタのI−V特性の飽和領域から、キャリア移動度(cm2/V・s)を求めた。
《有機半導体膜2〜40の形成》
有機半導体1の形成において、平均揮発速度、基板温度、溶媒種、半導体材料、塗布方法(滴下またはIJ(インクジェットヘッドを用いる))等を表1、表2に記載のように変更した以外は同様にして、有機半導体膜2〜40を各々形成した。
尚、半導体材料と溶媒とから調製される溶液としては、完全溶解した状態〜部分的に不溶分が存在する分散液の状態を含んでいてもよい。
また、塗布方法では、滴下による塗布は図3に記載のようにして有機半導体膜が形成されるが、IJ(インクジェット)を用いる場合(図示していない)には、市販のピエゾ方式の有機溶媒用インクジェットヘッドを用いて20ngの溶液を前記酸化ケイ素皮膜の表面に連続的に吐出し、有機半導体膜を形成した。平均揮発速度の調整は、滴下法の時と同様に行った。
このとき形成された半導体層成膜領域は600μmであり、平均膜厚は50nmであった。以上の溶液調製から製膜・乾燥工程は全て窒素雰囲気下で行なった。
《有機半導体膜41、42の形成》
有機半導体1の形成において、平均揮発速度、基板温度、溶媒種、半導体材料、塗布方法(滴下またはIJ(インクジェットヘッドを用いる))等を表2に記載のように変更した以外は同様にして、有機半導体膜41、42を各々形成した。
尚、有機半導体膜41、42の形成時の滴下*は、滴下量300mg、滴下面積直径が4cmの円形になるように塗布を行った。
また、表1、表2の記載の略称は下記の通りである。
溶媒種(※):溶液中の溶質の濃度を0.1質量%に調製
(※1):成膜が不安定
PC:プロピレンカーボネート
CP:1−クロロペンタン
DCB:オルトジクロロベンゼン
CH:シクロヘキサン
THF:テトラヒドロフラン
混合溶媒の場合、シクロヘキサン80質量%、テトラヒドロフラン20質量%になるように調製した。
《有機半導体膜2〜42の評価》
得られた有機半導体膜2〜34についても、有機半導体膜1と同様に、有機薄膜トランジスタ2〜34を各々作製して評価した。
得られた結果を表1、表2にしめす。
表1、表2から、本発明の有機半導体膜の形成方法によって作製した有機半導体膜(有機半導体層ともいう)はキャリア移動度が高く、また、本発明の有機半導体膜を有する有機薄膜トランジスタは、ゲート電圧の閾値が低く、また繰り返しFET特性を測定したときに特性変動が見られない等、優れた半導体特性を示す有機半導体チャネルが形成されていることが分かる。

Claims (11)

  1. 有機半導体材料と、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、アニソール、ベンジルエチルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、エチルセロソルブ、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド、1,3−ジオキソラン、テトラリン及びプロピレンカーボネートから選ばれた非ハロゲン系溶媒を含む塗布液を基板上に供給した後、乾燥させることにより、有機半導体膜を基板上に形成する有機半導体膜の形成方法において、
    前記非ハロゲン系溶媒が、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、アニソール、ベンジルエチルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、エチルセロソルブ、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド、1,3−ジオキソラン及びプロピレンカーボネートから選ばれる場合は、該非ハロゲン系溶媒の塗布時の平均揮発速度が3×10 mg/(sec・cm)〜10mg/(sec・cm)であり、
    前記非ハロゲン系溶媒が、テトラリンである場合は、該非ハロゲン系溶媒の塗布時の平均揮発速度が10−4mg/(sec・cm)〜10mg/(sec・cm)であることを特徴とする有機半導体膜の形成方法。
  2. 基板温度または塗布液温度を制御することにより、前記非ハロゲン系溶媒の塗布時の平均揮発速度を制御することを特徴とする請求項に記載の有機半導体膜の形成方法。
  3. 前記有機半導体材料の重量平均分子量が5000以下であることを特徴とする請求第1項または第2項に記載の有機半導体膜の形成方法。
  4. 前記有機半導体材料がアルキルチオフェンオリゴマーを含有することを特徴とする請求第1項〜第項のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
  5. 前記有機半導体材料が、ペンタセン誘導体であることを特徴とする請求第1項〜第項のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
  6. 前記ハロゲン系溶媒が、芳香族炭化水素系溶媒であることを特徴とする請求第1項〜第項のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
  7. 前記基板が表面処理されていない基板であることを特徴とする請求第1項〜第項のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
  8. 前記基板温度が20℃〜100℃であることを特徴とする請求第1項〜第項のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
  9. 前記塗布液の温度が20℃〜100℃であることを特徴とする請求第1項〜第項のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
  10. 前記塗布液の基板上への供給が、実質的に窒素ガス雰囲気中で行われることを特徴とする請求第1項〜第項のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
  11. 有機薄膜トランジスタが有する有機半導体膜を、請求第1項〜第10項のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法により形成することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
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