JP4934955B2 - 有機薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は簡単なプロセスで薄膜を形成することが可能な有機薄膜トランジスタの製造方法に関するものである。
情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてフラットパネルディスプレイに対するニーズが高まっている。またさらに情報化の進展に伴い、従来紙媒体で提供されていた情報が電子化されて提供される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
一般に平板型のディスプレイ装置においては液晶、有機EL、電気泳動などを利用した素子を用いて表示媒体を形成している。またこうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度などを確保するために、画像駆動素子としてアクティブ駆動素子(TFT素子)を用いる技術が主流になっている。例えば通常のコンピュータディスプレイではガラス基板上にこれらTFT素子を形成し、液晶、有機EL素子等が封止されている。
ここでTFT素子には主にa−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)などの半導体を用いることができ、これらのSi半導体(必要に応じて金属膜も)を多層化し、ソース、ドレイン、ゲート電極を基板上に順次形成していくことでTFT素子が製造される。こうしたTFT素子の製造には通常、スパッタリング、その他の真空系の製造プロセスが必要とされる。
しかしながら、このようなTFT素子の製造では真空チャンバーを含む真空系の製造プロセスを何度も繰り返して各層を形成せざるを得ず、装置コスト、ランニングコストが非常に膨大なものとなっていた。例えばTFT素子では通常、それぞれの層の形成のために、真空蒸着、ドープ、フォトリソグラフ、現像等の工程を何度も繰り返す必要があり、何十もの工程を経て素子を基板上に形成している。スイッチング動作の要となる半導体部分に関してもp型、n型等、複数種類の半導体層を積層している。こうした従来のSi半導体による製造方法ではディスプレイ画面の大型化のニーズに対し、真空チャンバー等の製造装置の大幅な設計変更が必要とされるなど、設備の変更が容易ではない。
また、このような従来からのSi材料を用いたTFT素子の形成には高い温度の工程が含まれるため、基板材料には工程温度に耐える材料であるという制限が加わることになる。このため実際上はガラスを用いざるをえず、先に述べた電子ペーパーあるいはデジタルペーパーといった薄型ディスプレイを、こうした従来知られたTFT素子を利用して構成した場合、そのディスプレイは重く、柔軟性に欠け、落下の衝撃で割れる可能性のある製品となってしまう。ガラス基板上にTFT素子を形成することに起因するこれらの特徴は、情報化の進展に伴う手軽な携行用薄型ディスプレイへのニーズを満たすにあたり望ましくないものである。
一方、近年において高い電荷輸送性を有する有機化合物として、有機半導体材料の研究が精力的に進められ、有機薄膜トランジスタへの応用が期待されている。
有機半導体材料としては、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、オリゴチオフェン、ペンタセンなどが研究されているが、特にペンタセンを始めとするポリアセン化合物は、高いキャリア移動度と優れた半導体デバイス特性が得られることが報告されている。しかしながら、ポリアセン化合物は有機溶媒への溶解性が乏しいために、デバイスに用いる場合は、一般的に蒸着膜で使用される。
これら有機半導体デバイスについては、比較的低い温度での真空ないし低圧蒸着による製造プロセスの簡易化や、さらにはその分子構造を適切に改良することによって、溶液化できる半導体を得る可能性があると考えられ、これらが実現すれば、例えば、溶液による塗膜形成(例えば塗布等)の簡易なプロセスによって有機半導体デバイスを実現できる可能性がある。また例えば、有機半導体溶液をインク化することによりインクジェット方式を含む印刷法による製造も考えられる。これらの低温プロセスによる製造は、従来のSi系半導体材料については不可能と考えられてきたが、有機半導体を用いたデバイスにはその可能性があり、したがって前述の基板耐熱性に関する制限が緩和され、透明樹脂基板上にも例えばTFT素子を形成できる可能性がある。透明樹脂基板上にTFT素子を形成し、そのTFT素子により表示材料を駆動させることができれば、ディスプレイを従来のものよりも軽く、柔軟性に富み、落としても割れない(もしくは非常に割れにくい)ディスプレイとすることができるであろう。
有機半導体薄膜を溶液プロセスにて作製する方法に関しては、例えば、特許文献1のように有機半導体材料の溶媒に液晶性材料を用いる方法、また、特許文献2のようにフッ素化された表面基板上に作製する方法などが開示されている。有機薄膜トランジスタの所望の素子特性を得るには、有機材料の配向を制御する必要があるが、特に、特許文献1では、液晶性材料を溶媒に用い、配向処理された面に有機半導体材料を塗布することにより、所定の分子配向を有する有機半導体層を形成できる方法を開示している。しかしながら、比較的低分子量の有機半導体材料を塗布する場合においては、有機半導体材料、有機溶媒或いは表面処理法の選択によっては、膜形成時に流動性をもつ液状材料では、基板上の所望の位置に留まらずに望ましい塗膜が形成しない場合があり、更に、一般的によく知られる溶液プロセス法、例えば、スピンコート法、キャスト法などの塗布法では、塗膜後の溶媒除去は瞬間的に終了する場合が殆どで、膜形成時に配向を制御することは実質困難な状況であった。
特開2004−31458号公報 特開2000−307172号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便な有機薄膜トランジスタの製造方法を提供することである
本発明の上記目的は下記により達成される。すなわち、
(請求項1)
有機半導体材料を溶媒に溶解した液状材料を該溶媒の融点以上の温度に加熱した状態で基板に塗布する工程、前記塗布された前記液状材料を前記溶媒の融点以下の温度におくことにより固形化して前記基板上固形の膜を形成する工程、および前記固形の膜から前記溶媒を蒸発又は昇華により除去して半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項2)
請求項1に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、基板を加熱することにより前記溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項3)
請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、基板を減圧下に維持することにより前記溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項
請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、溶媒の融点以上の温度に加熱した液状材料を、溶媒の融点以上の温度に加熱した基板に塗布する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項
請求項1〜のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記溶媒の融点は20℃以上であることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項
請求項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記溶媒の融点は40℃以上であることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項
請求項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記溶媒の融点は50℃以上であることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項
請求項1〜のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、予め表面処理を施した基板に液状材料を塗布する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項
請求項1〜のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、予め配向処理を施した基板に液状材料を塗布する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項10
請求項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、予め基板をシランカップリング剤で表面処理する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
本発明により、簡便に有機薄膜トランジスタを製造することが出来、また本発明のプロセスで製造した有機薄膜トランジスタは高いキャリア移動度を有する。
次に本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明で用いられる有機半導体材料は、有機薄膜トランジスタ素子の活性層に設置することにより、良好に駆動するトランジスタ装置を提供することができる。
有機薄膜トランジスタは、支持体上に有機半導体チャネル(活性層)で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、支持体上に先ずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体チャネルで連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。
本発明のプロセスで用いられる有機半導体材料は、半導体として機能するものであればどのような有機化合物を選択してもよいが、比較的低分子の有機半導体材料が好ましく、例えば、低分子化合物の場合には分子量が、またオリゴマー、ポリマー等の場合には重量平均分子量として、5000以下のものであることが好ましい。
低分子量化合物としては、代表的には、ペンタセン等の化合物があり、特に例えば、WO03/28125号、USP6,690,029号、WO04/107216号島に記載されたペンタセン類がある。
また、前記ポリマーとしては、国際公開第01/47043号パンフレット、特開2000−307172号公報等、チオフェン等の母核を有するポリマーが記載されており、本発明に用いることができる。
また、前記オリゴマーとしては、分子構造中にヘテロ環を2つ以上含むことが好ましく、前記ヘテロ環がチオフェン環であることがより好ましい。該チオフェン環はアルキル基などの置換基を有していても、また無置換のものでもよいが、分子内に置換基を有するチオフェン環をが含まれることが好ましく、置換基を有するチオフェン環と無置換のチオフェン環の両者が含まれることがより好ましい。更に、前記チオフェン環が2つ以上連結していることが好ましく、且つ、該チオフェンオリゴマーに含まれるチオフェン環の環数が8〜40であることが好ましく、前記チオフェン環の環数としては、8〜20の範囲が更に好ましい。また、連結するチオフェン環の数は2〜10がより好ましい。
また分子中に含まれるチオフェン環の各々の構造は、同じでもまた2つ以上の異なったものの組み合わせでもよく、繰り返し単位をもつオリゴマーであっても、また繰り返し単位をもたない構造であっても構わない。また、分子の末端のチオフェン環の2位または3位のどちらか一方,或いは2位および3位の両者に置換基を有していても、また、1つの末端のみでも、或いは両末端が置換されていてもよいが、分子の両末端のチオフェン環の2位の位置に置換基を有することがより好ましい。
これらチオフェン環を有するオリゴマーの代表的具体例としては、本発明者等による、特願2004−172317号(2004年6月10日出願)等に記載されたチオフェンオリゴマーが挙げられる。これらのチオフェンオリゴマーは、置換基を有するチオフェン環繰り返し単位と、無置換のチオフェン環繰り返し単位が、各々少なくとも2つ以上連続している部分構造を有するチオフェンオリゴマーを含み、更に好ましくは、チオフェンオリゴマーが下記一般式(1)で表される部分構造を有するものである。
Figure 0004934955
式中、Rは置換基を表す。
《一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマー》
本発明に用いられる一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマーについて説明する。
一般式(1)において、Rで表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。
これらの置換基は上記の置換基によって更に置換されていても、複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
中でも好ましい置換基は、アルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が2〜20のアルキル基であり、特に好ましくは、炭素原子数6〜12のアルキル基である。
《チオフェンオリゴマーの末端基》
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーの末端基について説明する。
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーの末端基は、チエニル基をもたないことが好ましく、また、前記末端基として好ましい基としては、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等が挙げられる。
《チオフェンオリゴマーの繰り返し単位の立体構造的特性》
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーは、構造中に、Head−to−Head構造を持たないことが好ましく、それに加えて、更に好ましくは、前記構造中に、Head−to−Tail構造、または、Tail−to−Tail構造を有することが好ましい。
本発明に係るHead−to−Head構造、Head−to−Tail構造、Tail−to−Tail構造については、例えば、『π電子系有機固体』(1998年、学会出版センター発行、日本化学界編)27〜32頁、Adv.Mater.1998,10,No.2,93〜116頁等により参照出来るが、ここで、具体的に各々の構造的特徴を下記に示す。
Figure 0004934955
Figure 0004934955
Figure 0004934955
以下、本発明に用いられるこれらチオフェンオリゴマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0004934955
Figure 0004934955
Figure 0004934955
Figure 0004934955
本発明は、有機半導体材料を溶媒に溶解した液状材料を基板に塗布する工程、前記液状材料が基板上で固形の膜を形成する工程、および溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法であり、室温(20℃)において、固形の膜を基材上で形成することが好ましい。
本発明においてこれらの固形の膜を形成するために用いられる上記有機半導体材料を溶解するための用いられる溶媒は、以下に示したように、前記有機半導体材料分子を溶解したときに室温(20℃)近傍で、固形の膜を形成する様な性質をもつものであれば、限定されないが、本発明において用いられる溶媒は室温以上の温度に融点をもつことが好ましく、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上である。これにより特に冷却することなく、室温付近で固形の膜を形成することができる。本発明で用いることのできる溶媒としては、例えば、ステアリン酸(71.5〜72℃),p−ジクロルベンゼン(53.1℃)、パラフィン(所謂固形パラフィンまたはパラフィンロウ 融点50〜75℃)、ピレン(融点152〜153℃)等が挙げられるが、本発明はこれらに限らない。尚、これらの融点については化学大辞典(1989年版 東京化学同人)、あるいは化学大辞典(第縮刷版第32刷 共立出版株式会社)に記載のデータから引用したが、その他、化学便覧等により確認できる。又、実際に融点測定機により簡単に測定が可能である。
これらの溶媒を用いて、有機半導体材料を加熱溶解するが、前記溶媒は融点以上の温度に加熱して有機半導体材料を溶解する。加熱温度は、用いる溶媒の種類、即ち融点によっても異なるが、一般には50℃〜200℃、かつ、前記融点に対応して、これよりも高い温度、実技的には融解した溶媒によるが、融点+10℃以上の温度で溶解するのが好ましい。これらの溶媒を用いて、有機半導体材料を加熱溶解した液状材料は、塗布後、基板上に於いて、室温近傍で、固形の膜を形成する。
又、これら室温で融点を有する溶媒は一般的には100℃以上の高い沸点を有するため、溶解温度があげられることも有機半導体材料の溶解には都合がよい。
液状材料中における有機半導体材料の濃度は、0.01〜10質量%の範囲が好ましい。充分な半導体材料の溶解性と、塗布した後の半導体材料の配向・配列等を達成する上で好ましい。
固形の状態或いは固体とは、物質の集合状態の1つで、定まった形のものをいう
従って、固形の膜中において、これを構成する各分子の位置関係はほぼ一定しており、相互作用を及ぼしている。
構造論的には原子または分子の配列が規則正しい周期性をもつ結晶質のみを固体と呼ぶこともあるが(勿論無定形状態のものは液体とみなす)、ここでは、前記のように、膜中において、これを構成する各分子の位置関係がほぼ一定しており、相互作用を及ぼしている状態として定義する。
力学的には、外力の作用によって永久変形を受けない弾性体(剛体を含む)に近いものと固形を考えることがあるが、いずれにしても通常の液体に有機半導体材料を溶解塗布し、基板上に形成される流動性の膜とは、異なった流動性のない状態をいう。従って、本発明は有機半導体材料が溶解した前記液状材料が、この様な流動性のない固形の状態となる工程を経るものである。
本発明に係わる、前記有機半導体材料を含有する液状材料、例えば室温以上の融点を有する有機化合物を溶媒とし、有機半導体材料を前記の温度において加熱溶解した液状材料は、例えば塗布により基板上に薄膜として形成された後、室温近傍において固形の膜を基板上に形成する。
前記液状材料は、塗布温度において、粘度として、5〜500cpの範囲であることがこのましい。500cpを超えると塗布液の流動性が低くなり、塗布性が低下しムラが発生する。5cp未満になると、流動性が大きすぎやはりムラが発生する。粘度測定は、東京計器社製のB型粘度計を用い塗布温度にて測定できる。
前記前記有機半導体材料を溶解・含有する液状材料は、室温では流動性のない状態となるため、塗布に適した粘度、流動性を有する温度に加温・維持されたうえで、有機半導体層(薄膜)を形成しようとする基板上に塗布される。
従って溶媒が前記室温以上の融点を有する場合には、塗布に適した粘度、流動性を維持できる溶媒の融点以上の温度、前記有機半導体材料の溶解温度である融点+10℃以上の温度に加熱した液状材料を基板に塗布することが好ましい。
又、その際には、前記溶媒の融点以上の温度に加熱した液状材料を、溶媒の融点以上の温度に加熱した基板に塗布することも好ましい。それにより基板と液状材料との温度差による液のハジキを防止できる。
この塗布工程後に、例えば、基板を冷却したり、或いは、冷風を送る、又自然放置等により基板、液状材料が冷却されると、前記液状材料は固形の膜を形成する。融点が高いほど、室温でも固形の状態となりやすく、特に冷却を行わないでも、短時間で充分に固形化する。通常の塗布に適用されるような、室温にて液体である溶媒を用いた場合には、その溶液は、基板上にこれを塗布した段階で流動性を有し、直ちに蒸発により溶媒を除去して乾燥することにより、膜を形成するが、本発明においては、基板上に適用された後、例えば溶媒の融点以下の温度とすることで、基板上の溶液の流動性が低下して、固形の膜が形成される。従って、本発明において有機半導体材料を溶解する溶媒としては、前記の様に、室温以上の温度に融点を持つことが好ましく、融点は、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上である。これにより特に冷却することなく、室温付近で固形の膜を形成することができる。
一旦、基板上において、前記固形の膜を形成する工程を経る(固形の状態を経由する)本発明の有機半導体材料薄膜の形成方法は、従って、従来の方法のように、有機半導体材料および溶媒(乾燥のために蒸気圧の高い(通常、沸点150℃以下)ものが選ばれる)を含有する液状材料を、基板上に適用して塗布し、直ちに溶媒を蒸発により除き乾燥する場合とは異なり、固形の膜を形成した状態においては、ある程度の配向、分子配列の規則性を有する状態が形成され、基板上に成膜するため、この後に、加熱等により、溶媒分子を蒸発により除き、有機半導体材料薄膜を基板上に形成したとき、従来の膜にない、配向性に優れた膜が得られる。また、流動性の低い液状材料が形成されるため、低粘度の溶液と異なり、基板表面において表面張力に起因する液切れのためにピンホールや、膜欠陥を生じることがなく、塗布時の基板上での成膜性にも優れ、結果として膜欠陥のない有機半導体膜が形成される。
本発明においては、前記液状材料を、例えば加温して流動性を高めて、基板に塗布(適用)した後、一旦固形の状態となることが特徴である。
本発明において溶媒として好ましく用いられる前記室温以上の融点を有する有機化合物は、沸点も高いため、溶媒を蒸発・除去し乾燥するために加熱を行うことが好ましい。
一旦、冷却され、固形の状態としたのち基板上に形成された前記液状材料薄膜は、これを加熱(温度30℃〜250℃の範囲、又、融点+20℃以上、更には融点+40℃以上の温度が好ましい。)することにより溶媒の除去を行う。加熱は、オーブン、電気炉中で、或いは乾燥室等に液状材料薄膜が形成された基板を導入し行うことができるが、温度が高くでき、加熱の効率がよく蒸発・乾燥が促進できるので、基板を上記温度に加熱することが好ましい。基板の加熱には、ホットプレート上に基板を設置する等のほか、その他のいかなる方法でもよい。
乾燥においては、溶媒の融点以上で加熱するのが好ましいが、この際にも、一旦固形の膜を形成させることにより、余りに融点よりも高い温度(融点+100℃以下、好ましくは融点+80℃が好ましい)にならない限り、有機半導体材料の配向乃至配列は、完全にランダムとはならず、ある程度維持されるようである。
また、乾燥時間を速めるために前記薄膜が形成された基板を減圧(大気圧である1.013×105Paより低い圧力、好ましくは、5.065×104Pa(0.5気圧)以下が好ましい)下に維持することが好ましい。
特に基板の加熱とこれを前記減圧条件下に保持することで乾燥を速めることが出来る。
また、溶媒が昇華性を有する場合には、融点近傍において、又特に好ましくは、融点以下において、固形の状態で、減圧、高真空状態におき、膜中の有機半導体材料の配列・配向を維持した状態において、溶媒を除去することが出来る。
この様にして、本発明においては、一旦基板上に固形の薄膜を形成する工程を経て有機半導体薄膜を形成するが、有機半導体材料の膜中での配向を更に高めるために、本発明で用いられる基板の表面には、予め表面処理を施してもよく、一般的によく知られたラビング等の配向処理をすることは好ましい。或いは、基板が特にボトムゲート型有機薄膜トランジスタであり、ゲート電極上に形成されたゲート絶縁膜、例えばシリコン基板上の熱酸化膜等において、オクタデシルトリクロロシラン等のシランカップリング剤による表面処理行うことも好ましい。
本発明で用いられる液状材料の基板上への塗布については、キャストコート、スピンコート、印刷、インクジェット法、アブレーション法等を用いることができ、これらの方法により前記溶媒の融点以上の温度に維持された液状材料を基板上に設置することができる。
このようにして基板上に形成される有機半導体層の膜厚としては、特に制限はないが、得られた薄膜トランジスタの特性は、半導体層の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、半導体材料により異なるが、一般に1μm以下、好ましくは5nmから1μm,より好ましくは10nmから100nmの範囲内である。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子を構成するその他の要素について説明する。
〈電極〉
本発明において、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、スズ、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ、アンチモン、酸化インジウム・錫(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト、およびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物が用いられるが、特に白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITOおよび炭素が好ましい。或いはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅などの金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いて電極形成する方法がある。又導電性ポリマーの溶液或いは分散液、導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成してもよい。更に導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペーストなどを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
本発明においては、前記ソース、ドレイン電極は、前記導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液等の流動性電極材料から形成されることが好ましく、例えば金属等からなる導電性微粒子を、好ましくは有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や有機溶剤又はその混合物である分散媒中に分散させ、ペースト或いはインク等の導電性微粒子分散液とし、これを塗設、パターニングすることで、電極を形成することが好ましい。
導電性微粒子の金属材料(金属微粒子)としては、白金、金、銀、コバルト、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができるが、特に仕事関数が4.5eV以上の白金、金、銀、銅、コバルト、クロム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、モリブデン、タングステンが好ましい。
このような金属微粒子分散物の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法などの物理的生成法や、コロイド法、共沈法などの、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号、同11−80647号、同11−319538号、特開2000−239853等に示されたコロイド法、特開2001−254185、同2001−53028、同2001−35255、同2000−124157、同2000−123634などに記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子分散物である。
分散される金属微粒子の平均粒径としては、20nm以下であることが本発明の効果の点で好ましい。
また、金属微粒子分散物に導電性ポリマーを含有させることが好ましく、これをパターニングして押圧、加熱等によりソース電極、ドレイン電極を形成すれば、導電性ポリマーにより有機半導体層とのオーミック接触を可能とできる。即ち金属微粒子の表面に、導電性ポリマーを介在させて、半導体への接触抵抗を低減させ、かつ、金属微粒子を加熱融着させることで、さらに本発明の効果を高めることができる。
導電性ポリマーとしては、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることが好ましく、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体などが好適に用いられる。
金属微粒子の含有量は導電性ポリマーに対する質量比で0.00001〜0.1が好ましい。この量を超えると金属微粒子の融着が阻害されることがある。
これらの金属微粒子分散物で、電極を形成した後、加熱により前記の金属微粒子を熱融着させてソース電極、ドレイン電極を形成する。また電極形成時に、概ね、1〜50000Pa、さらに1000〜10000Pa程度の押圧をかけ、融着を促進することも好ましい。
上記金属微粒子分散物を用いて電極様にパターニングする方法としては、例えば、金属微粒子分散物をインクとして用いて印刷法によりパターニング方法がある。また、インクジェット法によりパターニングする方法がある。金属微粒子分散物をインクジェットヘッドより吐出し、金属微粒子の分散物をパターニングする方法であり、インクジェットヘッドからの吐出方式としては、ピエゾ方式、バブルジェット(登録商標)方式等のオンデマンド型や静電吸引方式などの連続噴射型のインクジェット法等公知の方法によりパターニングすることができる。
加熱また加圧する方法としては、加熱ラミネータなどに用いられる方法をはじめ、公知の方法を用いることができる。
〈ゲート絶縁層〉
ゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に、比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。
無機酸化物としては酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化錫、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。れらの内好ましいのは、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化珪素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法(大気圧プラズマCVD法)、また、ディップコート法、キャスト法、リールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウエットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウエットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤或いは水に必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えばアルコキシド体の溶液を塗布乾燥する所謂ゾルゲル法が用いられる。
これらのうち好ましいのは大気圧プラズマ法とゾルゲル法である。
大気圧下でのプラズマCVD法による絶縁膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理で、その方法については特開平11−61406号、同11−133205号、特開2000−121804、同2000−147209、同2000−185362等に記載されている。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することが出来る。
又、有機化合物皮膜の形成法としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、或いはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
有機化合物皮膜の形成法としては前記ウエットプロセスが好ましい。
無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは、100nm〜1μmである。
ゲート絶縁層と有機半導体層の間に、配向処理を施すことが好ましい。シランカップリング剤、たとえばオクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸などの自己組織化配向膜が好適に用いられる。例えば、シリコン基板の熱酸化によりシリコン表面にゲート絶縁膜を形成する場合、前記シランカップリング剤による処理は好ましい。
ゲート絶縁膜としては、水に対する接触角が80度以上であるような、疎水性の膜が好ましい。通常の塗布プロセスによる有機半導体層の形成においては、有機半導体材料塗布液のハジキ等により、乾燥後に欠陥を生ずることがあり、注意を要するが、本発明に係わる半導体層の形成においては、有機半導体溶液の通常の溶剤による希薄溶液の塗布と異なり、有機半導体材料塗布液のハジキ等を生ずることがなく、良好な塗膜が得られる。
また、本発明に係わる有機薄膜トランジスタにおいて、支持体はガラスやフレキシブルな樹脂製シートで構成され、例えばプラスチックフィルムをシートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。この様に、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることが出来、可搬性を高めることができると共に、衝撃に対する耐性を向上できる。
図1に本発明に係る有機薄膜トランジスタの構成例を示す。
同図(a)は、ガラス支持体6上に、マスクを用い勿論金等を蒸着によりパターン形成し、または金属微粒子を含む層のパターンを形成した後、次に金属微粒子を含む層を加熱加圧して融着させてもよいが、ソース電極2、ドレイン電極3を形成し、その上に有機半導体材料層1を形成し、その上にゲート絶縁層5を形成し、更にその上にゲート電極4を形成して有機TFTを形成したものである。
図1(b)、(c)に、トップゲート型の有機薄膜トランジスタの他の構成例を示す。
また、図1(d)〜(f)はボトムゲート型の有機TFTの構成例を示す。同図(d)は支持体6上にゲート電極4を形成した後、ゲート絶縁層5を形成し、その上にソース電極2、ドレイン電極3を形成して、該ソース、ドレイン電極間のゲート絶縁層上に有機半導体材料層1を形成してボトムゲート型の有機TFTを形成したものである。同様に他の構成例を(e)、(f)に示す。なかでも同図(f)は支持体6上にゲート電極4を形成した後、ゲート絶縁層5を形成し、その上に有機半導体材料層1を形成した後、更にソース電極2、ドレイン電極3を形成して有機TFTを形成したものである。
図2は、前記有機薄膜トランジスタを用いて、液晶、電気泳動素子等の出力素子様に構成された有機TFTシートの概略等価回路図の1例である。
有機TFTシート10はマトリクス配置された多数の有機TFT11を有する。7は各TFT11のゲートバスラインであり、8は各TFT11のソースバスラインである。各TFT11のソース電極には、例えば液晶、電気泳動素子等の出力素子12が接続され、表示装置における画素を構成する。画素電極は光センサの入力電極として用いてもよい。図示の例では、出力素子として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。13は蓄積コンデンサ、14は垂直駆動回路、15は水平駆動回路である。
以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
基板となる比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーに厚さ200nmの熱酸化膜を形成し、ゲート絶縁膜とした。
次に、半導体材料として、前記チオフェンオリゴマー〈2〉を用いて、60℃に加熱したp−ジクロロベンゼン(融点53.5℃)に溶解して調製した液状材料(0.1質量%p−ジクロロベンゼン溶液)を、アプリケータを用いて、前記基板に塗布した後、基板を150℃に加熱して時間をかけてp−ジクロロベンゼンを除去し、前記半導体材料からなる基板上に半導体層を形成した。このとき半導体層の膜厚は20nmであった。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極およびドレイン電極を作製した。
以上により、チャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。
このトランジスタは、pチャネルエンハンス型FETとして良好に動作し、I−V特性の飽和領域における移動度を求めたところ0.03cm2/V・sであった。
比較例1
実施例1と同じ基板上に、アプリケータを用いて、半導体材料前記チオフェンオリゴマー〈2〉のトルエン溶液(0.1質量%)を塗布しようと試みたが、基板がはじいてしまい、基板上に薄膜を形成することが出来なかった。
実施例2
基板となる比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーに厚さ200nmの熱酸化膜を形成した後、オクタデシルトリクロロシランのトルエン溶液(1%質量)に10分間浸漬後、トルエンですすぎ、乾燥させることで熱酸化膜の表面処理を行い、ゲート絶縁膜とした。
次に、半導体材料として、前記チオフェンオリゴマー〈2〉を用いて得られた基板上に半導体層を形成した。即ち、前記チオフェンオリゴマー〈2〉を60℃に加熱したp−ジクロロベンゼンに溶解させ調製した液状材料(0.1質量%)を、アプリケータを用いて、前記基板に塗布した後、基板を150℃に加熱して時間をかけてp−ジクロロベンゼンを除去し、基板上に前記チオフェンオリゴマー〈2〉からなる半導体層を形成した。このとき、半導体層の膜厚は20nmであった。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極およびドレイン電極を作製した。
以上により、チャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。
このトランジスタは、pチャネルエンハンス型FETとして良好に動作し、I−V特性の飽和領域での移動度を求めたところ、0.05cm2/V・sであった。
比較例2
実施例2と同じ基板上に、アプリケータを用いて、半導体材料前記チオフェンオリゴマー〈2〉のトルエン溶液(0.1質量%)を塗布しようと試みたが、液状材料がはじいてしまい、基板上に薄膜を形成することはできなかった。
この様に本発明の方法により形成された有機薄膜トランジスタは通常の塗布による方法においては作製が出来ない基板上への塗布が可能であり、キャリア移動度の高い良好なFETを構成することが判る。
本発明に係る有機TFTの構成例を示す図である。 本発明の有機TFTの概略等価回路図の1例である。
符号の説明
1 有機半導体層
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4 ゲート電極
5 絶縁層
6 支持体
7 ゲートバスライン
8 ソースバスライン
10 有機TFTシート
11 有機TFT
12 出力素子
13 蓄積コンデンサ
14 垂直駆動回路
15 水平駆動回路

Claims (10)

  1. 有機半導体材料を溶媒に溶解した液状材料を該溶媒の融点以上の温度に加熱した状態で基板に塗布する工程、前記塗布された前記液状材料を前記溶媒の融点以下の温度におくことにより固形化して前記基板上固形の膜を形成する工程、および前記固形の膜から前記溶媒を蒸発又は昇華により除去して半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 請求項1に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、基板を加熱することにより前記溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、基板を減圧下に維持することにより前記溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、溶媒の融点以上の温度に加熱した液状材料を、溶媒の融点以上の温度に加熱した基板に塗布する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記溶媒の融点は20℃以上であることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 請求項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記溶媒の融点は40℃以上であることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 請求項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記溶媒の融点は50℃以上であることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、予め表面処理を施した基板に液状材料を塗布する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、予め配向処理を施した基板に液状材料を塗布する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 請求項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、予め基板をシランカップリング剤で表面処理する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
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