JP2006173444A - 半導体層の形成方法および有機薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 有機半導体薄膜の基板上における成膜性の向上にあり、また、成膜性がよくキャリア移動度が高い有機半導体膜の形成にあり、これを用いた高性能の有機薄膜トランジスタの製造方法を得ることにある。
【解決手段】 有機半導体材料を、融点以上の温度において溶融状態で基板上に供給することを特徴とする半導体層の形成方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 有機半導体材料を、融点以上の温度において溶融状態で基板上に供給することを特徴とする半導体層の形成方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、有機半導体材料を用いた半導層の形成方法およびこの半導体層を有する有機薄膜トランジスタの製造方法に関する。
近年、有機半導体を半導体チャネルとして使用する有機薄膜トランジスタが種々検討されている。有機半導体は無機半導体に比べて加工が容易であり、プラスチック支持体との親和性が高いので薄層デバイスとしての魅力がある。
有機半導体薄膜の形成方法としては、蒸着による方法が代表的であるが、材料の特性により種々の方法が用いられる。その中でも塗布或いは溶液、液体を基板に適用する常圧プロセス(ウエットプロセス)により蒸着等よりも容易に半導体薄膜を得ようとする試みが数多くなされている。
例えば、特許文献1においては、有機半導体材料溶液を用いたインクジェット法による有機半導体層、電極形成等が、また、特許文献2においては、同様に印刷による薄膜トランジスタ(TFT)の形成が、また特許文献3においては、有機半導体材料溶液等の積層によるTFT形成が、報告されている。
上記公知例においては、有機半導体材料の溶液に含まれる溶媒を揮発乾燥させることで、有機半導体薄膜(層)を形成しているが、ここで、次の問題が発生する。
(1)溶媒に含まれる水、酸素、不純物などが有機半導体材料を汚染し半導体特性を劣化させる。これを防ぐには高度の精製が必要になり、それによるコスト高を招き、有機TFT本来の容易に半導体膜が得られるというメリットを阻害する。
(2)また、有機トランジスタの性能を確保するには、ゲート絶縁膜表面を撥水化処理(表面処理、例えばシランカップリング剤;OTS(オクタデシルトリクロロシラン)、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)等を用いた撥水化処理)することが一般的である。これにより絶縁膜表面の接触角は60度以上、殆ど80度以上になる。従って、これら撥水性の高いゲート絶縁膜上に半導体層を公知の方法で形成する際には、例えば、溶液を塗布する、印刷或いはインクジェットでパターニングする等の方法では、ゲート絶縁膜表面で半導体材料溶液をはじき、半導体層の形成が難しいという問題がある。
米国特許第6,087,196号明細書
米国特許第6,677,607号明細書
国際公開第01/47043号パンフレット
(1)溶媒に含まれる水、酸素、不純物などが有機半導体材料を汚染し半導体特性を劣化させる。これを防ぐには高度の精製が必要になり、それによるコスト高を招き、有機TFT本来の容易に半導体膜が得られるというメリットを阻害する。
(2)また、有機トランジスタの性能を確保するには、ゲート絶縁膜表面を撥水化処理(表面処理、例えばシランカップリング剤;OTS(オクタデシルトリクロロシラン)、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)等を用いた撥水化処理)することが一般的である。これにより絶縁膜表面の接触角は60度以上、殆ど80度以上になる。従って、これら撥水性の高いゲート絶縁膜上に半導体層を公知の方法で形成する際には、例えば、溶液を塗布する、印刷或いはインクジェットでパターニングする等の方法では、ゲート絶縁膜表面で半導体材料溶液をはじき、半導体層の形成が難しいという問題がある。
従って、本発明の目的は、有機半導体薄膜の基板上における成膜性の向上にあり、また、成膜性がよくキャリア移動度が高い有機半導体膜の形成にあり、これを用いた高性能の有機薄膜トランジスタの製造方法を得ることにある。
本発明の上記課題は以下の手段により達成される。
(請求項1)
有機半導体材料を、融点以上の温度において溶融状態で基板上に供給することを特徴とする半導体層の形成方法。
有機半導体材料を、融点以上の温度において溶融状態で基板上に供給することを特徴とする半導体層の形成方法。
(請求項2)
別の基材上に有機半導体材料をパターニングした後、これを溶融状態で基板上に転写することを特徴とする請求項1に記載の半導体層の形成方法。
別の基材上に有機半導体材料をパターニングした後、これを溶融状態で基板上に転写することを特徴とする請求項1に記載の半導体層の形成方法。
(請求項3)
溶融型インクジェット法を用い、溶融状態で有機半導体材料を基板上に供給しパターニングすることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体層の形成方法。
溶融型インクジェット法を用い、溶融状態で有機半導体材料を基板上に供給しパターニングすることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体層の形成方法。
(請求項4)
有機半導体材料を含有するドナー素子から、サーマルヘッドを用いて有機半導体材料を、基板上に転写、パターニングすることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体層の形成方法。
有機半導体材料を含有するドナー素子から、サーマルヘッドを用いて有機半導体材料を、基板上に転写、パターニングすることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体層の形成方法。
(請求項5)
融点が50℃以上、200℃以下である有機半導体材料を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
融点が50℃以上、200℃以下である有機半導体材料を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
(請求項6)
有機半導体材料の重量平均分子量が5000以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
有機半導体材料の重量平均分子量が5000以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
(請求項7)
アルキルチオフェンを含有する有機半導体材料を用いることを特徴とする請求項5または6に記載の半導体層の形成方法。
アルキルチオフェンを含有する有機半導体材料を用いることを特徴とする請求項5または6に記載の半導体層の形成方法。
(請求項8)
有機半導体材料を供給する基板表面の水に対する接触角が80度以上であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
有機半導体材料を供給する基板表面の水に対する接触角が80度以上であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
(請求項9)
有機半導体材料薄膜を基板上に形成後、熱処理を行うことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
有機半導体材料薄膜を基板上に形成後、熱処理を行うことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
(請求項10)
基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜を形成した基板上に、半導体層が、前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法により(溶融状態の有機半導体材料を用いて)形成されることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜を形成した基板上に、半導体層が、前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法により(溶融状態の有機半導体材料を用いて)形成されることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
本発明により、閾値が低く、又キャリア移動度が高く、繰り返し測定時の特性変動が少ない、更には有機半導体薄膜を形成する基板上において成膜性のよい欠陥が少ない有機半導体層が形成できる。
次に本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明において用いられる有機半導体材料はπ共役系化合物であり、π共役系化合物とは、分子内にπ共役系を有し分子間でπスタックを形成しながら、分子が規則正しく配列することのできる化合物であり、低分子、オリゴマー、ポリマー等にかかわらず、本発明に用いることができる。
半導体として機能するものであれば、いずれを選択してもよいが、より好ましくは低分子化合物の場合には分子量が、またオリゴマー、ポリマー等の場合には重量平均分子量として、5000以下のものであることが好ましい。又、余り分子量が大きい場合には本発明の場合、融点が上がるため溶融温度が上がり、有機半導体材料の分解等が起こることからもこの範囲が好ましい。
低分子量化合物としては、代表的には、ペンタセン等の化合物があり、特に例えば、WO03/28125号、USP6,690,029号、WO04/107216号島に記載されたペンタセン類がある。
また、前記分子量以下である低分子の有機半導体材料としては、分子構造中にヘテロ環を2つ以上含む化合物が好ましく、特に前記ヘテロ環がチオフェン環である化合物も好ましい化合物として挙げられる。該チオフェン環はアルキル基などの置換基を有していても、また無置換のものでもよいが、分子内に置換基を有するチオフェン環をが含まれることが好ましく、置換基を有するチオフェン環と無置換のチオフェン環の両者が含まれることがより好ましい。更に、前記チオフェン環が2つ以上に連結していることが好ましく、連結するチオフェン環の数は2〜10が好ましい。
また、有機半導体材料として、前記ポリマーとしては、国際公開第01/47043号パンフレット、特開2000−307172号公報等、チオフェン等の母核を有するポリマーが記載されており、本発明に有利に用いることができる。
また、前記オリゴマーとしては、本発明者等が、先に出願の特願2004−172317号(2004年6月10日出願)において提案した、繰り返し単位の数をある特定の範囲になるように調整されたチオフェンオリゴマーを用いることができる。
本発明に好ましく用いられるこれらのチオフェンオリゴマーについて説明する。
チオフェンオリゴマーは、置換基を有するチオフェン環繰り返し単位と、無置換のチオフェン環繰り返し単位が、各々少なくとも2つ以上連続している部分構造を有するチオフェンオリゴマーを含み、且つ、該チオフェンオリゴマーに含まれるチオフェン環の環数が4〜40であることが特徴であるが、前記チオフェン環の環数としては、4〜20の範囲が好ましい。更に好ましくは、チオフェンオリゴマーが下記一般式(1)で表される部分構造を有することである。
式中、Rは置換基を表す。
《一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマー》
本発明に用いられる一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマーについて説明する。
本発明に用いられる一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマーについて説明する。
一般式(1)において、Rで表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。
これらの置換基は上記の置換基によって更に置換されていても、複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
中でも好ましい置換基は、アルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が2〜20のアルキル基であり、特に好ましくは、炭素原子数6〜12のアルキル基である。
《チオフェンオリゴマーの末端基》
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーの末端基について説明する。
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーの末端基について説明する。
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーの末端基は、チエニル基をもたないことが好ましく、また、前記末端基として好ましい基としては、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等が挙げられる。
《チオフェンオリゴマーの繰り返し単位の立体構造的特性》
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーは、構造中に、Head−to−Head構造を持たないことが好ましく、それに加えて、更に好ましくは、前記構造中に、Head−to−Tail構造、または、Tail−to−Tail構造を有することが好ましい。
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーは、構造中に、Head−to−Head構造を持たないことが好ましく、それに加えて、更に好ましくは、前記構造中に、Head−to−Tail構造、または、Tail−to−Tail構造を有することが好ましい。
本発明に係るHead−to−Head構造、Head−to−Tail構造、Tail−to−Tail構造については、例えば、『π電子系有機固体』(1998年、学会出版センター発行、日本化学界編)27〜32頁、Adv.Mater.1998,10,No.2,93〜116頁等により参照出来るが、ここで、具体的に各々の構造的特徴を下記に示す。
式中、Rは一般式(1)における置換基と同義である。
以下、本発明に用いられるこれらチオフェンオリゴマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
以下、本発明に用いられるこれらチオフェンオリゴマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
これらのオリゴマーまた、一般に低分子化合物は融点を有し、融点以上に加熱されると溶融状態となり、流動性をもつ。また、流動状態での粘性も低くこの点でポリマーに対して優位である。
本発明においては、これら半導体材料を、一旦融点以上に加熱して、溶融し、これを基板上に塗布、或いはインクジェット或いは印刷等により一定領域に供給(必要な場合にはパターニング)し、有機半導体材料薄膜(層)を形成するものである。
従って、溶媒を用いず、純粋に有機半導体材料のみを用いることになるので、溶媒からの不純物の持ち込みや、溶媒中の溶存酸素、水分等による汚染や劣化がないために、純度のよい有機半導体膜が得られる。
融点としては、50℃以上、200℃以下である有機半導体材料を用いることが好ましく、これ以上であると、融点自体が高すぎて、高温において周囲からの水分や、酸素の影響等により、また、化合物自体の分解も進むため、好ましくない。
また、勿論これ以下の融点を有する有機半導体材料では、結晶化等の分子の配列が起こりにくく高性能の有機半導体材料膜を得ることが難しくなる。
本発明において用いられる低分子の或いはオリゴマー等の有機半導体材料の融点は、融点測定器による目視によって、また示差走査熱分析(DSC)測定等により求めることができる。
特に有機半導体材料薄膜をパターニングする必要のない場合、前記融解した有機半導体材料の基板上への供給法としては、融点以上の温度において基板上に塗布する方法が好ましい。塗布方法としてはスプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等またアプリケータ等種々の塗布方法があげられる。その場合に、有機半導体材料を融解状態とするために融点以上の温度に維持することが必要であり、ダイ、あるいはヘッドは塗布しようとする有機半導体材料の融点以上の温度に加温、維持する必要がある。従って、前記塗布装置には有機半導体材料の供給ラインも含め加温、温度維持のための機構が必要である。
又、基板自身も、加温され、融点以上に加熱され流動化した有機半導体材料の温度に近い温度に設定されていることが好ましい。余りに基板との温度差が大きい場合には、ハジキ等の欠陥が生じる。
そのためには、基板自身を加熱することが好ましく、ホットプレート等により加温する。塗布後自然冷却、又強制的に冷却してもよいが、融点以下に却する場合、基板の膨張等もあり、薄膜の均一性が保てるような条件で冷却する。これらは試験的に各種の条件を設定し実験を行った後、決定できる。比較的ゆっくりと冷却することが好ましい。以下のパターニング形成される場合においても、同様である。
半導体薄膜が基板上において、パターニング形成されることが好ましいが、この場合は、基板上への適用或いはパターニングについては種々の方法により行うことができるが、好ましい方法としては、以下の印刷法、インクジェット法、熱転写法等が好ましい方法としてあげられる。
第1の方法は、印刷法であり、別の基材(印刷版)上に有機半導体材料をパターニング(印刷版にそって有機半導体材料をインキングする)した後、これを溶融状態で有機半導体層を形成しようとする基板上に転写、印刷する方法である。
即ち、融点以上に加熱、溶融状態となり流動化した有機半導体材料は、所謂印刷法によって、基板上に所望のパターンに従ってパターニングすることが出来る。
印刷法としては、例えば凸版印刷法、グラビア印刷、オフセット印刷等公知の方法を用いるいることが出来る。融点以上に加熱され流動化した有機半導体材料は、有機半導体薄膜の必要とされるパターンに従って作製された版上に一旦転写された後、これを複数の半導体素子を含むTFTシート等印刷され、半導体層が所望のパターンに従って形成され、半導体素子、あるいはTFTシートと構成する。
凸版印刷においては、版を例えば金属材料の薬品処理によるエッチング等によって作製し、形成された凸部にインクを供給し、これを印刷基材に印刷する方法であるが、本発明においてはインクとして、前記融点以上に加熱され流動化した有機半導体材料を用いて印刷を行うために、印刷の版銅は前記融点以上に加温されていなければならない。従って製版用素材としては鉛、錫、アンチモン等金属が、また、耐熱性、又、有機材料による対腐食性が確保できれば、耐熱性樹脂を用いた合成樹脂板でもよい。
例えば、凹版印刷(グラビア印刷)を用いた方法について説明する。
凹版印刷(グラビア印刷)においては、版胴上の印刷版の凹部にインクが付着することになる。即ち、インク壺(本発明においては、融点以上に加熱され流動化した有機半導体材料が、融点以上の一定温度に維持されインクと同様に用いられる)から印刷版に有機半導体材料が転写された後、ドクターブレードにより表面のインクをかき取り、凹部に残った半導体材料を、印刷基材に転写印刷するものである。従って、転写される有機半導体材料の転写量、即ち膜厚も凹部の深さで制御でき好ましい。この場合も印刷版(版胴)、そしてドクターブレードは有機半導体材料を融点以上に維持できるよう加温されていることが好ましい。
これらグラビア印刷に用いる印刷版は、例えば、マスクを用いたエッチングにより、また電子彫刻機等により銅版にパターン形成して作製されるが、30μm程度のパターン印刷が可能であり、例えば、21.3インチ型で1280×1024画素のLCD用基板の作製が可能である。また、TV、PC等の通常のモニターに用いられる駆動回路を構成するTFT素子のパターニングは十分可能であり、好ましい有機半導体薄膜の形成方法である。
この様にして印刷された後、例えば、窒素中等において冷却することで有機半導体膜パターンが得られる。溶剤等を用いる場合に比べて、基板上で配向性のよい有機半導体材材料膜が得られるため、キャリア移動度の高い有機半導体膜となる。又、熱溶融した有機半導体材料を用いているため溶媒に溶解して基板上に適用する場合に比べて、基板上への密着性が優れている。
溶融状態とした有機半導体材料の基板上へのパターニング形成を行うのに好ましい第2の方法としては、所謂溶融型インクジェット法がある。
本発明においては、溶融型インクジェット装置を用い、溶融状態で有機半導体材料を基板上に供給しパターニングすることができる。
本発明において、融点以上に加熱され流動化した有機半導体材料をいる溶融型インクジェット装置は、加熱により流動化した有機半導体材料を用いるため、インクジェットヘッドそしてその周辺のインク供給系を、加熱でき、また所定の温度以上に維持できる機能を有している。
この目的で用いることのできるインクジェット装置としては、例えば、特開平5−169644号、特表平11−505189号、特開2003−89202号、特開2004−249618号等に記載の所謂相変化インク又は固体インクといわれる常温において固体であるインクを加熱溶融して、インクジェット印刷する方式に用いられるインクジェット装置を用いることができる。固体インクとしては、例えばワックスを用いた融点60〜80℃の固体インクが代表的であるが、130℃から140℃に加熱溶融して粘度15〜30cp程度の液体インクとして例えば圧電素子などの変位による圧力変化でノズルから吐出する。
この方法により、融点を有する有機半導体材料を、融点以上に加熱して、溶融状態とし、インク貯蔵室、記録ヘッド等インク供給系全体を該有機半導体材料を溶融状態を保つ所定温度に維持することによって、有機半導体材料を液体インクとして記録ヘッドから基材上に吐出しパターニングすることができる。
図1に、これら熱溶融型ソリッドインクに用いられる記録ヘッド1の構成の1例を断面図で示す。
記録ヘッド1において、12は共通インク通路であり、又それに続くインク貯蔵室は図においては省略してあるが、固体インクが溶融して最適温度で保持されるようヒータを有している。ヒータはヒータ制御回路で制御される。
また記録ヘッド1には固体インク16を溶融状態に維持するためのヒータ5と、該ヒータ5を制御するヒータ制御回路7が設けられている。
図において、圧電素子14に印加する駆動信号発生回路、インクを噴射する圧電素子14に対して前述の圧電素子駆動信号を印加させるスイッチング回路を含む駆動回路は省略しているが、回路制御回路15の動作により駆動信号が発生され、圧電素子14が駆動されると、溶融したインク16が記録ヘッドのノズル3から吐出され印刷が行われる。共通インク通路12からはフィルタ部8を経由してインクがインク室10に供給される。
尚、2はノズル基板、4はチャンバープレート、9はダイアフラム、10はインク室、11がハウジング、16は固体インク(熱溶融状態にある有機半導体材料)である。
例えば前記化合物例〈1〉で表されるチオフェンオリゴマーは融点79℃、また化合物例〈9〉で表されるチオフェンオリゴマーは107℃(いずれも大気圧下)である。融点以上の温度に加熱され溶融状態となり上記粘度領域の液体としたものをインクとして用いることで、これを基材上にインクジェット法によりパターン印刷することが出来る。
ノズルの精度としては18μmφ、体積で3pl程度の微少な液滴迄の吐出が出来るので、この様なインクジェット装置を用いることで基板上に、所謂のパターンで、溶融した有機半導体材料を適用・印刷でき、LCD,EL素子、またパネル等の本発明の有機薄膜トランジスタ、該有機薄膜トランジスタの組み込まれた所謂TFT駆動回路等が充分に形成できる。
また、本発明に係わる有機半導体材料薄膜の溶融状態を用いたパターニングは、該有機半導体材料を含有するドナー素子から、サーマルヘッドを用いて有機半導体材料を、基板上に転写することで行うことが出来る。
電子ディスプレイ及びデバイス用の有機材料を熱転写させ配向させる方法は例えば、特表2004−525493号公報に記載されており、本発明に有利に適用できる。
これらの方法は、低融点であるため、前記一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマーが特に好ましく用いられる方法である。
この方法においては、先ず、熱転写させ基材上に配向させようとする半導体材料を、例えば、コーティングして転写層を形成したドナー素子を形成する。
これらの有機半導体材料を含有する転写層を有するドナー素子は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等、又更に耐熱性が必要とされる場合にはポリイミドフィルム等、厚み0.025〜0.15mmの範囲のフィルムを基材として用い、その上に、前記有機半導体材料を含有する層を均一にコーティングして形成する。
これら転写層を得る方法としては、有機半導体材料に好適な相溶性溶剤を加えて可溶化し、スピンコーティング、グラビアコーティング、ナイフコーティングなどによって基材上にコーティングすることができる。
また、これら有機半導体材料をマトリクス材料(マトリクス材料は膜形成には係わるが、ドナー素子から転写はせず、前記有機半導体材料をドナー層中に保持するためのマトリクスポリマーである。)と共に溶媒中に溶解、分散しこの溶液をコーティングする方法でもよい。
基材上には、有機半導体材料を含む転写層の他、基材との接着を調整する任意の下層、光熱変換層、中間層等を含み、代表的なドナー素子については、米国特許ダイ6,194,1119号、同第6,114,088号、同第5,998,085号明細書等に記載されている。
この方法では、ドナー素子の転写層を受像体に重ねて配置し、ドナー素子を選択的に加熱して有機半導体材料を溶融熱転写することができる。
この方法によれば、一旦基材上に有機半導体材料を均一に含有してなるドナー素子を形成した後、サーマルヘッドによる熱パターンの印加で容易に有機半導体材料をパターニングすることができる。
選択的な加熱は、サーマルヘッド(ラインヘッド、シリアルヘッドいずれでもよい)、又、光熱変換層との組み合わせによりランプ、レーザーの選択的な走査等で行うことができる。例えば、熱転写ヘッドとしてよく用いられる300dpi(dpiとは、2.54cm当りのドット数を表す)のサーマルヘッドであれば、12Line/mm程度の解像度(例えば、主走査方向長80μm×副走査方向長120μmの抵抗体形状がスクエア)が得られ、解像度10Line/mm程度の表示素子(1画素単位が100μm前後)に必要とされる半導体材料のパターニング精度は得ることができる。即ちこれらのサーマルヘッドを搭載した熱転写記録装置を用いて、上記作製したドナー素子の有機半導体材料層と該有機半導体材料パターンを形成させる基板とを重ね合わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら、必要とされる有機半導体膜パターンに従って、0〜300μJ/dotの印加エネルギー範囲で加熱融解させ、パターニングする。
解像度としては大きい方が高細精のパターニングが可能であり、例えば600dpiであれば前記よりも倍の高細精パターニングが可能である。
この様に直接的に加熱するほか、レーザー等による走査、又パターンと共にフラッシュ光を用いるアナログ手法等により、熱転写することも可能である。この場合前記ドナー素子には光熱変換材料(光吸収材料)を含んでもよい。特にレーザーによる走査は高細精のパターン形成には好ましい。
本発明において、このように形成される有機半導体薄膜(層)の膜厚は、好ましくは5nmから1μm、より好ましくは10nmから100nmの範囲内である。
この様にして形成された有機半導体膜は、溶媒を用いないため溶媒に含まれる水、酸素、不純物等が有機半導体材料を汚染し半導体特性を劣化させることがない。
また、溶融した材料のみが基材上に形成されるので、有機半導体材料の配向という面でも好ましく、キャリア移動度の高い有機半導体膜を形成できる。
この様にして、溶融した有機半導体材料を印刷あるいはインクジェット、また熱転写等することで基板上に形成される有機半導体材料薄膜は薄膜形成後、所定温度で、所定時間、熱処理を行うことが好ましい。これにより溶融膜により形成される有機半導体材料の配乃至配列を促進することが可能である。
低分子化合物或いは前記チオフェンオリゴマー等有機半導体材料の融点は、示差走査熱分析(DSC)測定において吸熱ピークとして観察される。示差走査熱分析装置(DSC)は例えば、セイコー電子工業(株)製 RDC2型を使用できる。
前記熱処理は、有機半導体材料の上記融点以下の温度で行うのが好ましい。特に有機半導体材料が前記示差走査熱分析(DSC)測定において発熱ピークを有する場合は、前記融点以下、発熱ピーク温度以上の温度において一定時間処理することが好ましい。一定の温度で、例えば10秒から1週間の熱処理が行われることが好ましい。
発熱ピークは、半導体材料の放熱に対応するものであり、例えば分子そのもの或いは分子間の相互作用の結果、より安定な形態に移行することで過剰なエネルギーを放出するものと考えられ、一般には、結晶化或いは結晶構造の変化や、何らかの構造化(πスタックの増大等)が起こる温度と考えられる。発熱ピーク温度としては、発熱ピークの直線部と、ベースラインとの交点に対応する温度をとればよい。
例えば前記チオフェンオリゴマー化合物例〈1〉の場合、発熱点31.9℃、融点79.6℃である。
従って、この温度にて、所定時間熱処理することで、πスタック形成部位によるある程度の規則正しい分子配列の構造化、強化がもたらされる可能性がある。
前記のように、有機半導体材料の融点は50℃以上、200℃の範囲にあることが好ましい。
又、本発明に係わる前記溶融した有機半導体材料を用いて基板上に半導体膜を形成する際には、前記有機半導体材料の基板上での配向を促進するために、表面処理を施してもよい。例えば、ボトムゲート型の薄膜トランジスタにおいては、有機半導体層は、ゲート電極、更にゲート絶縁膜上に形成されるが、ゲート絶縁層(膜)上には、更に、表面処理、例えば、シランカップリング剤による処理を行うことが好ましい。表面処理としては、基板上に自己配列型の薄膜を形成する様なものがより好ましい。前記シランカップリング剤としては、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン等が好ましい例としてあげられるが、本発明はこれらに限らない。基板の(水に対する)接触角が80度以上、好ましくは90度以上になるものが好ましい。
ゲート絶縁膜のような疎水性を有し、水に対する接触角の大きい表面に有機半導体薄膜を形成するとき、本発明の方法は好ましい。本発明によれば、この様な疎水性の大きな表面においても、均一な欠陥のない有機半導体材料薄膜が形成できる。従って、基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜を形成したのち、ゲート絶縁膜表面に、本発明の前記方法により有機半導体薄膜を形成することで、均一な半導体層(活性層)が形成でき、次いでソース、ドレイン電極を形成することによりキャリア移動度が高い有機薄膜トランジスタを得ることが出来る。
また、有機半導体層形成前の表面処理としては、また一般的によく知られたラビング等の配向処理も好ましい。
《有機薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ及びスイッチング素子》
本発明の有機薄膜トランジスタについて説明する。本発明の有機薄膜トランジスタは、その使用形態により、スイッチング素子、また有機TFT素子といわれることもあり、また、電界効果トランジスタ素子と呼ばれることがある。
本発明の有機薄膜トランジスタについて説明する。本発明の有機薄膜トランジスタは、その使用形態により、スイッチング素子、また有機TFT素子といわれることもあり、また、電界効果トランジスタ素子と呼ばれることがある。
本発明に係わる有機半導体材料は、有機薄膜トランジスタ(TFT)や電界効果トランジスタのチャネル層に用いられることにより、良好に駆動するスイッチング素子(トランジスタ装置ともいう)を提供することができる。有機TFTは、支持体上に、チャネルとして有機半導体チャネルで連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、支持体上にまずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体チャネルで連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。
本発明に係る有機半導体材料、チオフェンオリゴマー等を有機TFTまたは電界効果トランジスタを用いたスイッチング素子のチャネル(チャネル層ともいう)に設置するには、前記のように、有機半導体材料を融点以上に加熱して融解させ、キャストコート、印刷、インクジェット法、熱転写法等によって基板上に薄膜状に適用する。
特に、パターニング形成する場合等には、前記印刷法、熱溶融型インクジェット法、熱転写法等が好ましい。基板上に熱溶融した有機半導体材料を前記の方法により印刷した後、これを冷却し有機半導体膜として有機半導体チャネルを形成する。
本発明において、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、種々の金属材料を用いることができるが、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITOおよび炭素等が好ましい。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅などの金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法等がある。
電極の形成方法としては、また導電性微粒子分散液、また、導電性ポリマーの溶液あるいは分散液を、直接インクジェットによりパターニングする方法、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成する方法がある。更に導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペーストなどを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
例えば金属等からなる導電性微粒子を、好ましくは有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や有機溶剤又はその混合物である分散媒中に分散させ、ペースト或いはインク等の導電性微粒子分散液とし、これを塗設、パターニングすることで、電極を形成することができる。
導電性微粒子の金属材料(金属微粒子)としては、白金、金、銀、コバルト、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができるが、特に仕事関数が4.5eV以上の白金、金、銀、銅、コバルト、クロム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、モリブデン、タングステンが好ましい。
このような金属微粒子分散物の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法などの物理的生成法や、コロイド法、共沈法などの、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号、同11−80647号、同11−319538号、特開2000−239853等に示されたコロイド法、特開2001−254185、同2001−53028、同2001−35255、同2000−124157、同2000−123634などに記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子分散物である。
分散される金属微粒子の平均粒径としては、20nm以下であることが本発明の効果の点で好ましい。
また、金属微粒子分散物に導電性ポリマーを含有させることが好ましく、これをパターニングして押圧、加熱等によりソース電極、ドレイン電極を形成すれば、導電性ポリマーにより有機半導体層とのオーミック接触を可能とできる。即ち金属微粒子の表面に、導電性ポリマーを介在させて、半導体への接触抵抗を低減させ、かつ、金属微粒子を加熱融着させることで、さらに本発明の効果を高めることができる。
導電性ポリマーとしては、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることが好ましく、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体などが好適に用いられる。
金属微粒子の含有量は導電性ポリマーに対する質量比で0.00001〜0.1が好ましい。この量を超えると金属微粒子の融着が阻害されることがある。
これらの金属微粒子分散物で、電極を形成した後、加熱により前記の金属微粒子を熱融着させてソース電極、ドレイン電極を形成する。また電極形成時に、概ね、1〜50000Pa、さらに1000〜10000Pa程度の押圧をかけ、融着を促進することも好ましい。
上記金属微粒子分散物を用いて電極様にパターニングする方法としては、例えば、金属微粒子分散物をインクとして用いて印刷法によりパターニング方法がある。また、インクジェット法によりパターニングする方法がある。金属微粒子分散物をインクジェットヘッドより吐出し、金属微粒子の分散物をパターニングする方法であり、インクジェットヘッドからの吐出方式としては、ピエゾ方式、バブルジェット(登録商標)方式等のオンデマンド型や静電吸引方式などの連続噴射型のインクジェット法等公知の方法によりパターニングすることができる。
加熱また加圧する方法としては、加熱ラミネータなどに用いられる方法をはじめ、公知の方法を用いることができる。
本発明において、有機半導体薄膜の形成には、たとえば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を同時に融解、含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセクター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該薄膜に導入することを意味する。従って、ドーピングが施された薄膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する薄膜である。本発明に用いるドーパントとしてアクセプター、ドナーのいずれも使用可能であり、公知の材料、プロセスを用いることができる。
また、ゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。それらのうち好ましいのは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤あるいは水に必要に応じて界面活性剤などの分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。これらのうち好ましいのは、大気圧プラズマ法とゾルゲル法である。
大気圧下でのプラズマ製膜処理による絶縁膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理で、その方法については特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報等に記載されている(以下、大気圧プラズマ法とも称する)。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
また有機化合物皮膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることもできる。有機化合物皮膜の形成法としては、前記ウェットプロセスが好ましい。無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは100nm〜1μmである。無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。また、ゲート絶縁層上に有機半導体層を形成する場合、ゲート絶縁層に表面処理を施してもよく、例えば、ゲート絶縁層と有機半導体層の間には、任意の配向処理を施してもよい。
本発明において、前記、有機薄膜トランジスタを構成する、ゲート、有機半導体材料薄膜、又、ソース、ドレイン電極等が形成されるところの基板、支持体としてはガラスやフレキシブルな樹脂製シートで構成され、例えば、プラスチックフィルムをシートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
図2に有機薄膜トランジスタの構成例を示す。
同図(a)は、ガラス支持体106上に、マスクを用いた金蒸着等によりパターン形成してもよく、或いは金属微粒子を含む層のパターンを形成した後、該金属微粒子を含む層を加熱加圧して融着させてもよいが、ソース電極102、ドレイン電極103をそれぞれ形成した後、該電極間に有機半導体材料層101を形成し、その上にゲート絶縁層105を形成し、更にその上にゲート電極104を形成して有機薄膜トランジスタを形成したものである。
図2(b)、(c)に、トップゲート型の有機薄膜トランジスタの他の構成例を示す。
また、同図(d)は、支持体6上にゲート電極4を形成した後、ゲート絶縁層5を形成し、前述した蒸着や金属微粒子を用いた方法によりソース電極2、ドレイン電極3をそれぞれ形成して、その上、電極間に有機半導体材料層1を形成して、ボトムゲート型の有機薄膜トランジスタを形成したものである。同様に他の構成例を(e)、(f)に示す。
図3は、前記有機薄膜トランジスタ(有機TFT)を用いて、液晶、電気泳動素子等の出力素子様に構成された有機TFTシートの概略等価回路図の1例である。
有機TFTシート10はマトリクス配置された多数の有機TFT111を有する。7は各有機TFT111のゲートバスラインであり、108は各有機TFT111のソースバスラインである。各有機TFT111のソース電極には、例えば液晶、電気泳動素子等の出力素子112が接続され、表示装置における画素を構成する。画素電極は光センサの入力電極として用いてもよい。図示の例では、出力素子として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。113は蓄積コンデンサ、114は垂直駆動回路、115は水平駆動回路である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1(溶融型インクジェット法)
OTS(オクタデシルトリクロロシラン)処理済みの熱酸化膜付きSiウエハー上に、窒素ガス雰囲気下でチオフェンオリゴマー(化合物例〈1〉)(融点79.1℃)を、図1 に示した熱溶融インクジェット装置を用いて、融点以上の温度(100℃)で融解し、溶融インクとして用いて、半導体層を、パターン印字して形成した。即ち、インク通路、また図示はされていないがインク貯蔵室等は半導体材料を加熱融解する加温手段を備えており、融点以上の温度(100℃)に加熱され溶融した後、インク通路12を通してフィルタ8を通りインク室10に融解した状態で導入される(フィルタ、インク室共に同温度に加温維持されている)。
OTS(オクタデシルトリクロロシラン)処理済みの熱酸化膜付きSiウエハー上に、窒素ガス雰囲気下でチオフェンオリゴマー(化合物例〈1〉)(融点79.1℃)を、図1 に示した熱溶融インクジェット装置を用いて、融点以上の温度(100℃)で融解し、溶融インクとして用いて、半導体層を、パターン印字して形成した。即ち、インク通路、また図示はされていないがインク貯蔵室等は半導体材料を加熱融解する加温手段を備えており、融点以上の温度(100℃)に加熱され溶融した後、インク通路12を通してフィルタ8を通りインク室10に融解した状態で導入される(フィルタ、インク室共に同温度に加温維持されている)。
前記、溶融した有機半導体材料はインクとして、吐出量10pl、駆動周波数4kHzにてパターンに従って、印字した。尚、キャリッジはフードで囲み溶融半導体材料が、急速に冷却され基板上に着弾するまでに固化するのを防止した。
この様にして前記基板上に、熱溶融した有機半導体材料のパターンを形成した。
窒素雰囲気下において、基板を冷却し、チオフェンオリゴマー薄膜を形成した(膜厚40nm)。その後、更に、形成した半導体層薄膜上にソース、ドレイン電極として金を蒸着して、有機薄膜トランジスタを作製した。
以上により、チャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。
以上の有機薄膜トランジスタについてFET特性を測定したところ、pチャネルエンハンス型FETとして良好に動作した。得られたトランジスタのI−V特性の飽和領域から、キャリア移動度(cm2/V・s)を求めたところ、0.05cm2/V・sであった。
実施例2(サーマルヘッド)
厚さ50μmのポリイミドフィルム(カプトン200H 東レ・デュポン(株)製)を用い、この上に、半導体材料として前記チオフェンオリゴマー化合物例〈1〉をテトラヒドロフランに溶解して、濃度1.0質量%の有機半導体材料溶液を調製し、スピンコーターを用い塗布した後、室温で乾燥させて、ポリイミドフィルム上に熱転写層として有機半導体材料層が形成されたドナー素子を得た。
厚さ50μmのポリイミドフィルム(カプトン200H 東レ・デュポン(株)製)を用い、この上に、半導体材料として前記チオフェンオリゴマー化合物例〈1〉をテトラヒドロフランに溶解して、濃度1.0質量%の有機半導体材料溶液を調製し、スピンコーターを用い塗布した後、室温で乾燥させて、ポリイミドフィルム上に熱転写層として有機半導体材料層が形成されたドナー素子を得た。
次いで、300dpi(dpiとは、2.54cm当りのドット数を表す)のサーマルヘッド(主走査方向長80μm×副走査方向長120μmの抵抗体形状はスクエア)を用いて、上記で作製したドナー素子の有機半導体材料層と実施例1と同様のOTS(オクタデシルトリクロロシラン)処理済みの熱酸化膜付きSiウエハーとを重ね合わせてセットし、前記サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら走査し、必要とされる有機半導体膜パターンに従って、300μJ/dotの印加エネルギー範囲で加熱融解させ、転写して、前記基板上に有機半導体材料(チオフェンオリゴマー(化合物例〈1〉))の熱溶融パターンを作製した。
熱溶融パターンを作製後、窒素雰囲気下において基板を冷却し、チオフェンオリゴマー薄膜を形成した(膜厚40nm)。その後、更に、形成した半導体層薄膜上にソース、ドレイン電極として金を蒸着して、有機薄膜トランジスタを作製した。
以上により、同じくチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。
実施例1と同様に得られた有機薄膜トランジスタについて特性を測定したところ、pチャネルエンハンス型FETとして良好に動作した。得られたトランジスタのI−V特性の飽和領域から、キャリア移動度(cm2/V・s)を求めると0.06cm2/V・sであった。
実施例3(印刷法)
グラビア印刷を用いて有機半導体材料薄膜パターンを基板上に得るために、銅板に電子彫刻機により有機半導体パターンを焼きつけ、グラビア凹版を作製し版胴として用いた。但し印刷機の版胴内部には熱媒体を通し、版表面温度が100℃に保てるようにし、同時にドクター、インク壺も同様に100℃に加熱、保持して、有機半導体材料(チオフェンオリゴマー(化合物例〈1〉))を融点以上の融解状態に保てるようにした。
グラビア印刷を用いて有機半導体材料薄膜パターンを基板上に得るために、銅板に電子彫刻機により有機半導体パターンを焼きつけ、グラビア凹版を作製し版胴として用いた。但し印刷機の版胴内部には熱媒体を通し、版表面温度が100℃に保てるようにし、同時にドクター、インク壺も同様に100℃に加熱、保持して、有機半導体材料(チオフェンオリゴマー(化合物例〈1〉))を融点以上の融解状態に保てるようにした。
融解状態に保った有機半導体材料インクを版に付け、ドクターでこすって表面のインクを掻き取り、版胴と同じく加熱した圧胴との間に前記OTS(オクタデシルトリクロロシラン)処理済みの熱酸化膜付きSiウエハー(基板)を通し、版の凹部に残った熱溶融有機半導体材料インクで、基板上に印刷を行い、有機半導体材料の熱溶融パターンを作製した。尚、有機半導体材料は加熱融解後、フィルタを通し濾過した後インク壺に供給し熱溶融有機半導体材料インクとして用いた。
印刷後、窒素雰囲気下において基板を冷却し、チオフェンオリゴマー薄膜パターンを基板上に形成した(膜厚40nm)。その後、更に、形成した半導体層薄膜上にソース、ドレイン電極として金を蒸着して有機薄膜トランジスタを作製した。
以上により、同じくチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。
実施例1と同様に得られた有機薄膜トランジスタについて特性を測定したところ、pチャネルエンハンス型FETとして良好に動作した。得られたトランジスタのI−V特性の飽和領域から、キャリア移動度(cm2/V・s)を求めたところ、0.05cm2/V・sであった。
比較例1
OTS(オクタデシルトリクロロシラン)処理済みの熱酸化膜付きSiウエハー上に、窒素ガス雰囲気下でチオフェンオリゴマー(化合物例〈1〉)のクロロホルム(1.0質量%)溶液を滴下、同溶液をスピンコートしたが、溶液が基板上ではじかれてしまい、成膜不能であった。
OTS(オクタデシルトリクロロシラン)処理済みの熱酸化膜付きSiウエハー上に、窒素ガス雰囲気下でチオフェンオリゴマー(化合物例〈1〉)のクロロホルム(1.0質量%)溶液を滴下、同溶液をスピンコートしたが、溶液が基板上ではじかれてしまい、成膜不能であった。
また、アプリケータで塗布を試みたが同様にはじいてしまい成膜できなかった。
また、別に、前記クロロホルム溶液をインクとして用いてピエゾ型インクジェット記録装置(特開2004−143206号で用いたものを準用した)で有機半導体パターンを形成した。しかし、基板上に溶液インクが着弾後、同様に基板がインクをはじいてしまい、位置がずれたり、パターン通りに成膜できなかった。
有機半導体材料の融点以上の温度で、基板上に有機半導体材料を適用することにより、例えばシランカップリング剤による処理を施したシリコン熱酸化膜上にも、容易にキャリア移動度の高い有機半導体膜の塗布形成ができる。本発明の有機半導体層形成方法が優れていることが判る。
以上のように、本発明によれば、有機半導体により形成される有機薄膜トランジスタチャネルにおけるキャリア移動度が非常に高く、ゲート電圧の閾値が低く、低電圧駆動可能な有機薄膜トランジスタが得られる。
1 記録ヘッド
2 ノズル基板
3 ノズル
4 チャンバプレート
5 ヒータ
7 ヒータ制御回路
8 フィルタ
9 ダイヤフラム
10 インク室
11 ハウジング
12 インク通路
14 圧電素子
15 制御回路
16 溶融したインク
101 有機半導体層
102 ソース電極
103 ドレイン電極
104 ゲート電極
105 絶縁層
106 支持体
107 ゲートバスライン
108 ソースバスライン
110 有機TFTシート
111 有機TFT
112 出力素子
113 蓄積コンデンサ
114 垂直駆動回路
115 水平駆動回路
2 ノズル基板
3 ノズル
4 チャンバプレート
5 ヒータ
7 ヒータ制御回路
8 フィルタ
9 ダイヤフラム
10 インク室
11 ハウジング
12 インク通路
14 圧電素子
15 制御回路
16 溶融したインク
101 有機半導体層
102 ソース電極
103 ドレイン電極
104 ゲート電極
105 絶縁層
106 支持体
107 ゲートバスライン
108 ソースバスライン
110 有機TFTシート
111 有機TFT
112 出力素子
113 蓄積コンデンサ
114 垂直駆動回路
115 水平駆動回路
Claims (10)
- 有機半導体材料を、融点以上の温度において溶融状態で基板上に供給することを特徴とする半導体層の形成方法。
- 別の基材上に有機半導体材料をパターニングした後、これを溶融状態で基板上に転写することを特徴とする請求項1に記載の半導体層の形成方法。
- 溶融型インクジェット法を用い、溶融状態で有機半導体材料を基板上に供給しパターニングすることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体層の形成方法。
- 有機半導体材料を含有するドナー素子から、サーマルヘッドを用いて有機半導体材料を、基板上に転写、パターニングすることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体層の形成方法。
- 融点が50℃以上、200℃以下である有機半導体材料を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
- 有機半導体材料の重量平均分子量が5000以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
- アルキルチオフェンを含有する有機半導体材料を用いることを特徴とする請求項5または6に記載の半導体層の形成方法。
- 有機半導体材料を供給する基板表面の水に対する接触角が80度以上であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
- 有機半導体材料薄膜を基板上に形成後、熱処理を行うことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法。
- 基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜を形成した基板上に、半導体層が、前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体層の形成方法により形成されることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
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- 2004-12-17 JP JP2004365757A patent/JP2006173444A/ja active Pending
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