JP2002204012A - 有機トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

有機トランジスタ及びその製造方法

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JP2002204012A
JP2002204012A JP2000402664A JP2000402664A JP2002204012A JP 2002204012 A JP2002204012 A JP 2002204012A JP 2000402664 A JP2000402664 A JP 2000402664A JP 2000402664 A JP2000402664 A JP 2000402664A JP 2002204012 A JP2002204012 A JP 2002204012A
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Shinya Aoki
伸也 青木
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Toshiba Corp
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having potential barriers
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]
    • H10K10/462Insulated gate field-effect transistors [IGFETs]
    • H10K10/464Lateral top-gate IGFETs comprising only a single gate
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K10/462Insulated gate field-effect transistors [IGFETs]
    • H10K10/466Lateral bottom-gate IGFETs comprising only a single gate

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オン電流が大きく、電流オン・オフ比の大き
なトランジスタの提供 【解決手段】 ソース電極5およびドレイン電極6が分
離して形成されたドナー性の有機半導体層4中に、ゲー
ト絶縁層3を介して形成されたゲート電極2に印加する
ゲート電圧を制御することで、前記有機半導体層中にチ
ャネル領域を形成する有機トランジスタにおいて、前記
有機半導体層4は、ドナー性の導入分子および有機半導
体材料との錯体と、有機半導体材料とを含有する混合体
からなり、前記ソース電極5と前記チャネル領域とに接
する第2の領域4−1と、前記錯体を含有しない領域4
−3とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機トランジスタ
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、π共役系の有機高分子や有機低分
子からなる有機半導体材料をチャネル領域に使用した薄
膜トランジスタ(以下、TFTと記す)が活発に研究さ
れている。例えば、ジャクソンらはガラス基板上にニッ
ケルからなるゲート電極層、SiO2からなるゲート絶
縁層、パラジウムからなるソース電極およびドレイン電
極、チャネル層が形成されるペンタセンなどで形成され
た有機半導体薄膜を順次積層することによってTFTを
作成している(IEEE Transactions on Electron Devices
46 (1999) 1258)。
【0003】しかし、ジャクソンらのTFTでは、ゲー
ト電圧のしきい値電圧が大きくなっており、しかも素子
によるしきい値電圧のばらつきも大きい。このためペン
タセン薄膜の移動度がアモルファスシリコン並みである
にもかかわらず、オン電流値は、アモルファスシリコン
TFTのオン電流値よりも低い値にとどまっている。す
なわち、ソース電極またはドレイン電極と有機半導体と
の接合抵抗が十分に低減されていない。
【0004】また例えば、シリングハウスらは表面に厚
さ200nmの熱酸化膜が形成された高ドープのn型シ
リコン基板上にレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチ
オフェン)からなる有機半導体層、およびソース電極、
ドレイン電極を形成したTFTを報告している(Synthe
tic Metals 102 (1999) 857)。
【0005】シリングハウスらのTFTでは、高ドープ
のn型シリコン層がゲート電極の役割をはたし、熱酸化
膜がゲート絶縁層の役割をはたしている。シリングハウ
スらは熱酸化膜基板表面上にレジオレギュラ・ポリ(3
−ヘキシルチオフェン)半導体層を形成した後、その表
面にソース電極およびドレイン電極を分離して形成した
トップコンタクト型素子、および熱酸化膜基板表面上に
ソース電極およびドレイン電極を分離して形成した後、
熱酸化膜、ソース電極およびドレイン電極からなる表面
にレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)半
導体層を形成したボトムコンタクト型素子の2種類のT
FTについて移動度を比較しており、前者では後者の2
倍程度のオン電流が流れることを報告している。このこ
とは、有機半導体層とソース電極またはドレイン電極と
の接合状態がオン電流値に影響を及ぼすことを示してい
る。
【0006】このようなことから、有機半導体層とソー
ス電極またはドレイン電極との接合抵抗を低減すれば、
TFTのオン電流値が向上し、かつ素子特性が安定化す
ることが期待される。このためにはソース電極またはド
レイン電極と有機半導体チャネル層との接合障壁を低減
するとともに、ソース電極またはドレイン電極近傍の半
導体チャネル層中のキャリア密度を増加させることが有
効と考えられる。
【0007】ところで、有機高分子または有機低分子な
どの有機半導体の場合、半導体中のキャリア密度を増加
させるための一つの方法として、有機半導体中に電荷移
動錯体を導入する方法が知られている。
【0008】ここで電荷移動錯体について簡単に説明す
ると、 一般に有機半導体を構成する有機分子材料は、
電子を他の分子に供与して自らは陽イオンになりやすい
性質をもつドナー性有機分子と、電子を他の分子から供
与され陰イオンになりやすい性質をもつアクセプター性
有機分子とに大別される。すなわち、ドナー性有機分子
はイオン化ポテンシャルが小さい分子であり、アクセプ
ター性有機分子は電子親和力が大きい分子である。ドナ
ー性分子とアクセプター性分子が接近すると、ドナー性
分子からアクセプター性分子への電子移動によるエネル
ギーの安定化によって電荷移動錯体と呼ばれる分子間化
合物を形成することが知られている。
【0009】南方らはドナー性有機分子であるペンタセ
ンからなるチャネル層を、アクセプター性分子であるヨ
ウ素分子の気体に暴露することにより、ペンタセン層中
に、ペンタセンとヨウ素とからなる電荷移動錯体を導入
したTFTを提案している(特開平5−55568号公
報)。
【0010】また、ブラウンらはドナー性有機高分子で
あるポリ(ドデシロキシ−ターチエニル)を有機半導体
層とするTFTにおいて、ポリ(ドデシロキシ−ターチ
エニル)を塗布する前の溶液中にあらかじめジシアノジ
クロルベンゾキノン等のアクセプター性有機分子を混入
させたのち、この溶液を塗布することによって、ポリ
(ドデシロキシ−ターチエニル)とジシアノジクロルベ
ンゾキノン等の有機アクセプター性有機分子とからなる
電荷移動錯体が有機半導体層中に導入されたTFTを作
成している(Synthetic Metals 68 (1994) 65)。
【0011】しかし南方らのTFTやブラウンらのTF
Tでは有機半導体層全体に電荷移動錯体が導入されてい
るため、チャネル領域のキャリア密度が上昇してしまう
結果、オフ電流値が上昇してしまい、電流オン・オフ比
が悪くなってしまうという問題点があった。実際、ブラ
ウンらの報告しているTFTでは、オン電流の顕著な増
大は見られず、オフ電流のみが大きく増大した結果、電
流オン・オフ比が悪くなっている。
【0012】また、ワングらは、熱酸化膜が形成された
高ドープのn型シリコン基板上に金からなるソース電極
およびドレイン電極を形成し、これらの金電極表面に、
自己組織化単分子膜を形成する有機アクセプター性分子
である2−メルカプト−5−ニトロベンジミダゾールを
単分子層吸着させた後、ドナー性有機半導体分子である
ペンタセンを蒸着してチャネル層としたTFTを報告し
ている(41st Electronic Materials Conference Diges
t (1999) 16)。
【0013】ワングらのTFTではペンタセンと2−メ
ルカプト−5−ニトロベンジミダゾールとの電荷移動錯
体が形成されることによって、TFTのオン電流が1.
5倍程度まで増大している。 しかしワングらのTFT
では、2−メルカプト−5−ニトロベンジミダゾールを
電極に一層のみ吸着させるため、ペンタセンと2−メル
カプト−5−ニトロベンジミダゾールとから形成される
電荷移動錯体も電極に吸着した一層部分のみにしか導入
されない。そのため、オン電流の増大も1.5倍程度の
低い値に留まってしまうという問題点があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、有機
TFTのオン電流値を向上させるためには、ソース電極
またはドレイン電極と有機半導体層との接合抵抗を低下
させる必要があり、そのためには、半導体層中に電荷移
動錯体を導入することによって、電極近傍の半導体チャ
ネル層中のキャリア密度を増加させることが有効と考え
られる。しかし半導体層中全体に電荷移動錯体を導入し
た従来の素子構造では、オフ電流も増大してしまうた
め、電流オン・オフ比が悪くなってしまうという問題点
があった。
【0015】また、ソース電極またはドレイン電極と有
機半導体層との界面に一層のみの電荷移動錯体層を導入
した従来の構造では、オン電流値の向上に不十分である
という問題点があった。
【0016】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、オン電流値が大きく、かつ電流オン・オ
フ比が大きい有機トランジスタおよびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の有機トランジス
タは、有機半導体材料とアクセプター性あるいはドナー
性の導入分子とが結合して構成される電荷移動錯体と、
前記有機半導体材料とを含み、第1領域と前記第1領域
に隣接する第2領域を有する有機半導体層と、前記有機
半導体層内のチャネル領域上にゲート絶縁層を介して形
成されたゲート電極と、前記チャネル領域を挟むソース
領域及びドレイン領域とを具備し、前記第1領域は、前
記チャネル領域を含み、前記有機半導体材料1モノマー
当たり0または10-5個未満の前記導入分子を含有し、
前記第2領域は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域
の少なくとも一方を含み、前記有機半導体材料1モノマ
ー当たり10-5個以上の前記導入分子を含有することを
特徴とする。
【0018】前記第2領域の膜厚が、5nm以上である
ことを特徴とする請求項1記載の有機トランジスタ。
【0019】前記第1領域は、前記電荷移動錯体の濃度
が前記第2領域からの距離に応じて減少する領域を有す
ることを特徴とする請求項1記載の有機トランジスタ。
【0020】本発明の有機トランジスタの製造方法は、
有機半導体層内のチャネル領域上にゲート絶縁層を介し
て形成されたゲート電極と、前記チャネル領域を挟むソ
ース領域及びドレイン領域とを有する有機トランジスタ
の製造方法において、前記ソース領域及びドレイン領域
の少なくとも一方の前記半導体層表面に、アクセプター
性あるいはドナー性の導入分子を接触させて、前記有機
半導体層表面から前記有機半導体層内部に有機半導体材
料と前記導入分子とからなる電荷移動錯体を形成する工
程を有することを特徴とする。
【0021】本発明の有機トランジスタの製造方法は、
有機半導体層内のチャネル領域上にゲート絶縁層を介し
て形成されたゲート電極と、前記チャネル領域を挟むソ
ース領域及びドレイン領域とを有する有機トランジスタ
の製造方法において、前記ソース領域及びドレイン領域
の少なくとも一方の前記半導体層表面に、ガス状あるい
は液体状のアクセプター性あるいはドナー性の導入分子
を接触させる工程を有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0023】図1は、本発明の有機トランジスタの一例
を示す概略断面図である。
【0024】例えば、図1に示す有機トランジスタは、
基板1上にゲート電極2が形成されており、さらに基板
1上にはゲート電極1を被覆するようにゲート絶縁膜3
が形成されている。またゲート絶縁膜3上には、有機半
導体層4を介してソース電極5およびドレイン電極6
が、ゲート電極1の直上部を避けるように分離形成され
ている。
【0025】有機半導体層4は、例えばペンタセンなど
のドナー性の有機半導体材料からなる第1の領域4−3
と、有機半導体材料を主体としアクセプター性の導入分
子が高濃度で導入された第2の領域4−1、4−2とか
ら形成されている。また、この時アクセプター性の導入
分子は第2の領域内でドナー性の有機半導体材料と電荷
移動錯体を形成するため、第2の領域はこの電荷移動錯
体と有機半導体材料との混合体である。この時導入され
るアクセプター性の導入分子の量は導入前の半導体材料
1モノマーに対し10-5個以上導入し、第2の領域の導
電性を高めている。
【0026】第2の領域4−1、4−2は、それぞれソ
ース電極5あるいはドレイン電極6のいずれかの電極に
接触し、この電極表面からゲート絶縁層3表面に至るま
で、有機半導体層4の膜厚方向、すなわちキャリアの移
動方向に形成することで、ソース電極5あるいはドレイ
ン電極6の接合抵抗を低減している。
【0027】第1の領域4−3には、第2の領域を形成
する時に第2の領域から拡散してきた領域(図で示す点
線の位置)を除き、アクセプター性の導入分子は導入さ
れておらず、トランジスタの第2の領域を分離するよう
に形成されているため、ゲート電圧がオフの時には抵抗
値が高くソース電極5およびドレイン電極6間にはオフ
電流が流れず、ゲート電極2に印加するゲート電圧をオ
ンにすることで、有機半導体層4にチャネルを形成し、
ソース電極5およびドレイン電極6間のキャリアの移動
を可能にする。
【0028】以下に、有機半導体層4についてより詳細
に説明する。
【0029】本発明の有機半導体層は、有機半導体材料
を主体とし、前述のように第2の領域においてはさらに
電荷移動錯体が含有されている。
【0030】有機半導体材料としては、ドナー性あるい
はアクセプター性の、低分子あるいは高分子の有機半導
体材料が使用できる。
【0031】ドナー性を有する有機半導体材料としては
アセン分子材料、金属フタロシアニン、チオフェンオリ
ゴマー、レジオレギュラ・ポリ(3−アルキルチオフェ
ン)などが、アクセプター性の有機半導体材料としては
フラーレン、ヘキサデカフルオロ銅フタロシアニンなど
を挙げることができる。
【0032】第2の領域中に電荷移動錯体を形成するた
めの導入分子は、例えば有機半導体材料がドナー性の場
合はアクセプター性の導入分子を、有機半導体材料がア
クセプター性の場合はドナー性の導入分子を用いる。
【0033】電荷移動錯体は、ドナー性分子(ドナー性
の有機半導体分子あるいはドナー性の導入分子)からア
クセプター性分子(アクセプター性の導入分子あるいは
アクセプター性の有機半導体分子)への電子移動に基づ
いて形成されるため、ドナー性分子の1分子状態におけ
るイオン化ポテンシャルIと、アクセプター性分子の1
分子状態における電子親和力Aとの差(I−A)が、7
電子ボルト(eV)以下であることが好ましく、5電子
ボルト(eV)以下であることがより好ましい。(I−
A)がこれらの値より大きいと、電荷移動錯体が形成さ
れない恐れがある。したがって、使用する有機半導体材
料に応じ(I−A)が7電子ボルト以下、より好ましく
は5電子ボルト以下となるような導入分子を選択するこ
とが望ましい。
【0034】また、導入分子は有機材料、無機材料のい
ずれのものも使用することが可能である。
【0035】具体例を挙げると、アクセプター性の導入
分子としては、ハロゲン分子、五フッ化リンを含むルイ
ス酸、遷移金属化合物、キノン類、キノジイミン類、キ
ノジメタン類、フルオレン誘導体、フラーレンを含む有
機アクセプター分子、より具体的には以下ものが挙げら
れる。I2、Br2、Cl2、ICl、ICl3、IBrあ
るいはIFなどのハロゲン分子、PF5、AsF5、Sb
5、BF3、BCl3、BBr3あるいはSO3などのル
イス酸、FeCl3、FeOCl、TiCl4、ZrCl
4、HfCl4、NbF5、NbCl5、TaCl5、Mo
Cl5、WF5、WCl6、UF6あるいはLnCl3 (L
nはLa、Ce、Nd、Pr、Y)などの遷移金属化合
物、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノナフトキ
ノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキ
ノン、ジシアノキノジイミン、フルオレン、フルオレノ
ン、トリニトロフルオレン、テトラニトロフルオレン、
テトラシアノエチレン、フラーレン、およびこれらの分
子の置換誘導体などがある。
【0036】ドナー性の導入分子としては、テトラキス
ジメチルアミノエチレン、メタロセン類(例えばフェロ
セン、ニッケロセン、コバルトセン等)、芳香族アミン
類(フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン、ジアミ
ノアントラセン、ジアミノピレン等)、テトラチアフル
バレン、テトラセレノチアフルバレン、テトラテルルチ
アフルバレン、テトラチオテトラセン、テトラセレノテ
トラセン、テトラテルルテトラセン、多環芳香族(例え
ばペリレン、ピレン、ペンタセン、テトラセン、アント
ラセン、クリセン、コロネン等)、フェナジン、フェノ
チアジン、ジメチルジヒドロフェナジン、およびこれら
の分子の置換誘導体などがある。
【0037】また、前記第2の領域中に含有される電荷
移動錯体の数密度を、電荷移動錯体を構成する有機半導
体材料と電荷移動錯体を形成しない有機半導体材料との
全有機半導体材料に対する導入分子の数密度に換算した
時に、有機半導体材料1モノマーに対して10−5個以
上導入分子が存在することが好ましく、10−3個以上
であることがより好ましい。
【0038】分子数密度がこれらの値より小さいと、ソ
ース電極あるいはドレイン電極と有機半導体層間の接合
抵抗を低減するために十分なキャリア供給源とならない
恐れがある。なお、1モノマーとは、例えば有機半導体
材料が重合体でない場合には有機半導体材料1分子を指
し、有機半導体材料が重合体の場合には重合体を形成す
る単位モノマー1つを指す。
【0039】また、第1の領域中に存在する電荷移動錯
体の数密度は、第2の領域に記載と同様の換算で、1モ
ノマーに対して10−5個よりも少ない。この量は少な
いほど好ましく、10−7個以下、さらには図1で説明
したように電荷移動錯体が全く形成されていない領域を
有することが好ましい。数密度がこれらの値より大きい
と、オフ電流値が増加する恐れがある。
【0040】また、有機半導体層の膜厚は、通常10n
m〜1000nm程度に設定される。これは、10nm
よりも小さいと有機半導体層を均一に成膜することが困
難になり、均一特性のトランジスタを安定して供給する
ことが困難になるためである。
【0041】また、図1のような構造の場合、すなわち
ソース電極あるいはドレイン電極と第1の領域との間を
キャリアが伝播する際に有機半導体層を層厚方向に横切
る必要がある構造の場合、膜厚が1000nmよりも大
きいと、膜厚方向の抵抗による電圧降下がTFT特性に
影響を及ぼすという問題が生じるためである。なお、後
述する図4や図6のような構造の場合、すなわちソース
電極あるいはドレイン電極と第1の領域と間をキャリア
が伝播する際に半導体層を層厚方向に横切る必要がない
構造の場合には有機半導体層の膜厚が1000nmより
大きくとも問題は生じない。
【0042】このような膜厚の有機半導体層に対して、
前記第2の領域の厚さ(有機半導体膜の膜厚方向の厚
さ)は5nm程度以上であることが好ましく、10nm
程度以上であることがより好ましい。例えば、1〜2n
m程度の単分子程度の膜厚で、100%の電荷移動錯体
層を電極−有機半導体層間に形成した場合に比べ、電荷
移動錯体の比率を低めた、有機半導体材料と電荷移動錯
体との混合領域を5nmよりも厚く形成した場合のほう
が有機半導体層と電極とのオン電流時の接合抵抗を低減
することができる。
【0043】なお、後述する製造方法を採用すると、通
常導入分子が拡散するために導入分子を接触させた有機
半導体層表面の直下は全て電荷移動錯体と有機半導体材
料との混合体となる。また導入分子が拡散した結果、接
触させた半導体表面から第1の領域にかけて、あるいは
第2の領域から第1の領域の内部に向けて、電荷移動錯
体の比率が傾斜的に減少する構造になる。このように電
荷移動錯体が傾斜的に導入されることでさらに接合抵抗
を低下させることが可能になる。
【0044】また、第1の領域の長さ、すなわち、図1
で示す図面の場合においては、ソース電極に接する第2
の領域とドレイン電極に接する第2の領域との距離は、
少なくとも有機半導体層の膜厚よりも大きくすることが
望ましい。通常、有機半導体層の厚さが10nm〜10
00nm程度の場合にチャネル領域の長さは50nm〜
10μm程度に設定される。この長さが有機半導体層の
厚さよりも短い場合には、オフ電流が増大し、電流オン
・オフ比が低下する恐れがある。
【0045】なお、図1においては、第2の領域をソー
ス電極に接触する領域とドレイン電極に接触する領域と
の、チャネル領域を挟む2箇所に形成したが、かならず
しもこの構成である必要はなく、一方の電極のみに第2
の領域を接触させて形成し、他方の電極には第1の領域
のみが接触した構造にしても良い。ただし、連続的に形
成されている第2の領域がソース電極およびドレイン電
極の両電極と接触した構造は除く。この場合ゲート電圧
オフ時に有機半導体層中に流れる電流値が高くなってし
まう。
【0046】次に、本発明の有機トランジスタの製造方
法の一例を図面を用いて説明する。
【0047】図2は、図1に示すトランジスタの製造工
程の一例を示す工程図である。
【0048】基板1上にゲート電極2、ゲート絶縁層3
および有機半導体層4を順次積層する(図2a)。
【0049】ゲート電極層はCr、Al、Ta、Mo、
Nb、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、In、Niある
いはNdなどの金属材料や、これらの合金材料、あるい
はカーボン材料など、既知の導電性材料であれば特に制
限することなく使用でき、例えばスパッタ法や蒸着法な
どにより10nm〜500nm程度に成膜すればよい。
また銀インクやグラファイトインクなどの導電性粒子を
液体中に分散させたポリマー混合物を用い、乾燥などに
より液体成分除去してゲート電極層を形成しても良く、
この場合には塗布によって膜厚30nm〜1000nm
程度の電極層を成膜することが出来る。また導電性材料
としては、ポリアニリン、ポリ(3,4−エチレン−ジ
オキシチオフェン)またはポリピロールのような可溶性
導電性ポリマーを電極層材料に用いることもでき、この
場合にも塗布によって膜厚30nm〜1000nm程度
の電極層を成膜することが出来る。
【0050】さらに、また金属微粒子が分散した溶剤を
塗布し、基板温度400℃未満の工程によって金属薄膜
を得る方法を用いてもよい。このような方法を可能とす
る材料としては例えば、Auペースト(商品名パーフェ
クトゴールド、真空冶金製)、Agペースト(商品名パ
ーフェクトシルバー、真空冶金製)、Cuペースト(商
品名パーフェクトカッパー、真空冶金製)、Pdペース
ト(商品名パーフェクトパラジウム、真空冶金製)が挙
げられる。以上に挙げた電極材料は単独で用いてもよい
し、複数種類のものを組み合わせて用いてもよい。
【0051】ゲート絶縁層3は、通常ゲート電極2上か
らゲート電極2よりも広い領域に形成する。使用する材
料としては無機又は有機材料など種々の絶縁性材料を用
いることができ、その薄膜形成方法も材料に応じて、蒸
着、スパッタリング、塗布、溶液からの付着等、種々の
成膜方法を採用することが可能であり、通常ゲート電極
2表面における膜厚が10nm〜1000nm程度とな
るように成膜する。ゲート絶縁層の厚さが1000nm
よりも大きいと、有機半導体層中にチャネル領域を形成
するためのゲート電圧を大きくしなければならず、10
nmよりも小さいと、ゲート電極表面に均一な膜厚の層
を形成することが困難になり、所望の絶縁特性を得るこ
とが困難になる。
【0052】ゲート絶縁膜3表面に形成される有機半導
体材料からなる層4は、前述した有機半導体材料が使用
され、例えば蒸着、塗布、溶液からの付着など用いる材
料に応じて適宜採用し、前述のように10nm〜100
0nmに成膜すればよい。
【0053】有機半導体材料層4中への第2の領域の形
成は、有機半導体層表面のソース電極あるいはドレイン
電極を形成する場所に導入分子を接触させることで有機
半導体層4を構成する有機半導体材料中に導入分子を拡
散させ、電荷移動錯体を生成する。
【0054】図2bには、導入分子を有機半導体層4表
面に蒸着・成膜し、導入分子層7を形成した例を示し
た。例えばこのように固体状態で導入分子を接触させる
と固相反応により有機半導体材料中に電荷移動錯体を形
成し、図2cに示すように電荷移動錯体と有機半導体材
料とからなる混合体(第2の領域4−1、4−2)が形
成される。
【0055】第2の領域の形成方法は、必ずしも図2b
で示したように、導入分子を有機半導体層4表面で一旦
堆積する必要はなく、例えば導入分子を選択すること
で、蒸着処理中に反応が進み、有機半導体材料中に電荷
移動錯体を形成させることも可能である。
【0056】また、導入分子を固体状態で有機半導体層
4表面に接触させなくとも、例えば気体、あるいは導入
分子を含有する溶液を有機半導体層4表面に接触させて
もよい。また、通常室温で有機半導体層4内部に電荷移
動錯体は形成されるが、導入分子によっては有機半導体
材料中に拡散しにくい材料があり、この場合、図2bの
ように導入分子層7を成膜した後に100℃〜200℃
程度でアニ−ル処理を施せばよい。
【0057】また、導入分子を所望の箇所(通常ソース
電極あるいはドレイン電極が形成される面)に選択的に
接触させるために、導入分子を接触させるに先立って有
機半導体層表面の導入分子を接触させない面(第1の領
域が形成される面)にバリア層のパターン形成行っても
良い。このバリア層は導入分子に対するバリア性の高い
材料であればよく、また、絶縁性または半導体性の材料
を持ちいれば、トランジスタの作製後もバリア層の除去
作業を行う必要がない。バリア層の形成方法としては、
印刷、PEP、マスク蒸着など、既知のパターン形成方
法を採用することができる。
【0058】前述したようにして、有機半導体層4表面
に導入分子を接触することで、図2cで示すような第2
の領域4−2,4−3を形成することができる。しか
し、導入分子としてチオール基を有する特殊な分子を用
い、さらにソース電極またはドレイン電極を金電極とし
て、導入分子のチオール基と金電極との吸着力を利用し
て、導入分子の単分子層を金電極表面に吸着させた後
に、この吸着した導入分子を有機半導体層4に接触させ
ても、導入分子は金電極との吸着力が強いために半導体
層表面に電荷移動錯体の単分子層を形成するのみで、有
機半導体材料中に拡散せず、有機半導体材料と電荷移動
錯体との混合体からなる第2の領域を形成することがで
きない恐れがある。そのため、前述したように、導入分
子を有機半導体層4表面に堆積する、導入分子を含有す
る溶液を有機半導体層4表面に塗布する、あるいは導入
分子の気体を有機半導体層4に接触させるなどの方法
で、有機半導体層4表面に導入分子を接触させることが
好ましい。
【0059】次に図2dに示すように、有機半導体層4
表面の導入分子を接触させた場所に、ソース電極5およ
びドレイン電極6を形成する。このソース電極5あるい
はドレイン電極6は、ゲート電極2と同様な導電性材
料、同様な成膜方法によって形成することが可能であ
る。
【0060】このようにして、本発明のトランジスタは
製造される。
【0061】また、本発明のトランジスタの製造方法に
おいては、有機半導体層に第2の領域を形成する工程
と、有機半導体層上にソース電極あるいはドレイン電極
を形成する工程とを同時に進行させることも可能であ
る。
【0062】例えば、ソース電極あるいはドレイン電極
を、前述したようにポリマー混合物や可溶性導電性ポリ
マーの溶液を用い、この溶液を有機半導体層表面に印刷
あるいは塗布して形成する場合、この溶液中に導入分子
を混入させる。溶液が塗布された有機半導体層表面から
導入分子が拡散して有機半導体層の内部に電荷移動錯体
が形成される。
【0063】また、図2に示す製造方法においては、有
機半導体層を形成した後にこの有機半導体層表面に導入
分子を接触させて有機半導体層中に第2の領域を形成し
たが、導入分子からなる層を先に形成し、この導入分子
からなる層上に有機半導体層を形成することで有機半導
体層中に第2の領域を形成することができる。
【0064】その一例を図3に示し以下に説明するが、
各層の材料、成膜方法については、図2に示す製造方法
と同様であり、その説明はここでは省略する。
【0065】基板1表面にゲート電極およびゲート絶縁
層2を順次形成する(図3a)。ゲート絶縁層2の所定
の面に導入分子からなる層7を形成し(図3b)、さら
に導入分子からなる層7が形成されたゲート絶縁層2表
面に有機半導体層4を形成する(図3c)。有機半導体
層4の成膜中あるいは有機半導体層4が成膜された後に
導入分子が固相反応を示し、有機半導体層4中に電荷移
動錯体が形成され、第2の領域4−1、4−2が形成さ
れる(図3d)。さらに第2の領域の表面にソース電極
およびドレイン電極を形成することで(図3e)、本発
明のトランジスタが作製できる。
【0066】次に、本発明のトランジスタの変形例につ
いて図4〜図6を用いて説明する。なお、各構成の材
料、形状、成膜方法などについては、図1に示すトラン
ジスタの各構成と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0067】図4に示すトランジスタは、基板1表面に
ゲート電極2が形成されており、このゲート電極2が形
成された基板1上のゲート電極よりも広い範囲にゲート
絶縁層3が形成されている点は、図1に示すトランジス
タと同じ構成である。このトランジスタでは、ゲート絶
縁層3上に直接ソース電極5及びドレイン電極6がそれ
ぞれ分離して形成されており、このソース電極5および
ドレイン電極6が形成されたゲート絶縁層3上に有機半
導体層4を形成している。また、有機半導体層4のソー
ス電極5及びドレイン電極6に接触する領域に第2の領
域4−1,4−2が形成されており、また第2の領域4
−1、4−2間は第1の領域で分離されている。
【0068】図5に示すトランジスタは、基板1表面に
ソース電極5及びドレイン電極6が直接形成されてお
り、このソース電極5及びドレイン電極6が形成された
基板1上に有機半導体層4が形成されている。有機半導
体層4のソース電極5およびドレイン電極6の直上には
それぞれの電極に接触して膜厚方向に第2の領域4−
1,4−2が形成されている。そして有機半導体層4上
にゲート絶縁層3が、さらにゲート絶縁層3上にはゲー
ト電極2が形成されている。
【0069】図6に示すトランジスタは、基板1表面に
有機半導体層4が形成されており、この有機半導体層4
中には第2の領域4−1、4−2が形成されており、ま
た第2の領域4−1、4−2は第1の領域によって分離
されている。さらに有機半導体層4の前記第2の領域4
−1、4−2に接触して、それぞれソース電極5及びド
レイン電極6が形成されており、さらにソース電極5及
びドレイン電極6が形成された有機半導体層4上には、
ゲート絶縁層3を介してゲート電極2が形成されてい
る。
【0070】図4〜図6に示すトランジスタも、ソース
電極5及びドレイン電極6と、ゲート電極2とが、ゲー
ト絶縁層3を介して形成してある点(ソース電極5ある
いはドレイン電極6がさらに有機半導体層4を介してい
る場合も含む)、ソース電極5、ドレイン電極6及びゲ
ート絶縁層3に接触して有機半導体層が形成されている
点において図1に示すトランジスタと同様な構成をして
いる。
【0071】このような図4〜図6に示すトランジスタ
においても、ゲート絶縁層を介して形成されたゲート電
極に印加するゲート電圧を制御することで、前記有機半
導体層中に第1の領域を形成することが可能であり、こ
れらの構造のトランジスタも本発明のトランジスタとし
て採用できる。
【0072】また、図1、図4〜図6に示すようなトラ
ンジスタの表面にパッシベーション層を形成し、使用雰
囲気に存在する水蒸気などから素子を保護することもで
きる。
【0073】パッシベーション層としては、種々の絶縁
性無機材料および絶縁性有機材料を用いることができ
る。例えば、窒素ドライ雰囲気下でUV硬化樹脂によっ
てパッシベーション層を形成することが考えられる。ま
た有機材料としてポリイミド、パリレン、アンドープポ
リアニリン等の高分子が挙げられる。無機材料としては
シリカ、窒化ケイ素、フッ化マグネシウム、酸化インジ
ウム等が挙げられる。しかし、これらの材料に限定され
るものではない。
【0074】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0075】実施例1 本実施例では、図2に示す方法を採用し、さらにソース
電極およびドレイン電極形成時にバリア層を形成する工
程も入れ、有機半導体材料としてドナー性のペンタセン
を、導入分子としてアクセプター性のヨウ素を用いて以
下のようにして薄膜トランジスタを作製した。
【0076】ガラス基板1表面に4mm×50μmのニ
ッケル層を、メタルマスクを介して膜厚10nm蒸着
し、半透明のゲート電極2とした。このゲート電極2上
に、ゲート電極2を覆うように、SiOを蒸着し、厚さ
200nmのゲート絶縁層3を形成した。このゲート絶
縁層3は特にパターニングしなかった。
【0077】次にゲート絶縁膜3上に有機半導体材料で
あるペンタセンを膜厚200nm蒸着して有機半導体チ
ャネル層4を作成した。なおペンタセンはあらかじめ昇
華精製したものを使用し、10-6Torr(1.33
×10-3Pa)の真空中、基板温度90℃で蒸着を行っ
た。この有機半導体層は特にパターニングしなかった。
【0078】次に、ポリビニルアルコール(アルドリッ
チ社製)水溶液に、光架橋剤として重クロム酸アンモニ
ウムを混合した溶液を有機半導体層4上にスピンコート
し、バリア層とした。マスクを介してUV照射し、水に
展開することによってバリア層に2mm×1mmの開口
部を2個設けた。2個の開口部は1mmの辺を平行に5
0μmの間隔をおき、開口部間の50μm×1mmの領
域がゲート電極と一致するように形成した。
【0079】導入分子であるヨウ素のアセトニトリル溶
液を開口部に滴下することによって開口部から有機半導
体材料内部にペンタセン−ヨウ素錯体を形成し、有機半
導体層4内に第2の領域を形成した。
【0080】メタルマスクをあわせて、開口部のみに金
を10nm蒸着し、半透明のソース電極5、ドレイン電
極6(それぞれ2mm×1mm)を形成した。すなわち
この素子のチャネル長(第1の領域のキャリア移動方向
の長さ)は50μm、チャネル幅(第1の領域の厚さ)
は1mmである。
【0081】有機半導体層の可視-近赤外顕微分光評価
を行ったところ、ソース電極直下およびドレイン電極直
下のペンタセン層中では、ペンタセン−ヨウ素錯体の形
成を示す電荷移動吸収帯が2eV付近に観測された。そ
の吸収強度からペンタセン層内部で電荷移動錯体を形成
しているヨウ素分子数がペンタセン1分子当り3×10
-3個であること、またソース電極とドレイン電極の中間
点におけるペンタセン層からは電荷移動吸収帯が観測さ
れないことから、電荷移動錯体を形成しているヨウ素分
子数がペンタセン1分子当り10-5個以下であることが
確認された。
【0082】実施例2 電荷移動錯体の作製のために、導入分子であるジシアノ
ジクロロベンゾキノンを用い、この導入分子のアセトニ
トリル溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてト
ランジスタを作製した。
【0083】さらに、実施例1と同様にペンタセン層の
可視−近赤外顕微分光評価を行ったところ、ソース電極
直下およびドレイン電極直下のペンタセン層中では、ペ
ンタセン−ジシアノジクロロベンゾキノン錯体の形成を
示す電荷移動吸収帯が1eV付近に観測され、その吸収
強度からペンタセン層内部で電荷移動錯体を形成してい
るジシアノジクロロベンゾキノン分子数がペンタセン1
分子当り2×10-3個であること、またソース電極とド
レイン電極の中間点におけるペンタセン層からは電荷移
動吸収帯が観測されないことから、電荷移動錯体を形成
しているジシアノジクロロベンゾキノン分子数がペンタ
セン1分子当り10-5個以下であることが確認された。
【0084】実施例3 本実施例では、図2に示す製造方法を採用し、有機半導
体材料としてドナー性のペリレンを、導入分子としてア
クセプター性のジシアノメチレントリニトロフルオレン
を用いて、薄膜トランジスタを以下のようにして作製し
た。ガラス基板1表面に4mm×50μmのニッケル層
を、メタルマスクを介して膜厚10nm蒸着し、半透明
のゲート電極2とした。このゲート電極2上に、ゲート
電極2を覆うように、SiOを蒸着し、厚さ200nm
のゲート絶縁層3を形成した。このゲート絶縁層3は特
にパターニングしなかった。
【0085】次にゲート絶縁膜3上にペリレンを膜厚2
00nm蒸着して有機半導体層を作成した。なおペリレ
ンはあらかじめ昇華精製したものを使用し、10-6To
rr(1.33×10-3Pa)の真空中、基板温度30
℃で蒸着を行った。このペリレン蒸着膜は特にパターニ
ングしなかった。
【0086】メタルマスクを介してジシアノメチレント
リニトロフルオレンを膜厚10nm蒸着した。ジシアノ
メチレントリニトロフルオレン膜のパターンは2mm×
1mmが2個であり、1mmの辺を平行に50μmの間
隔をおき、パターン間の50μm×1mmの領域がゲー
ト電極と一致するように形成した。なおジシアノメチレ
ントリニトロフルオレンは予め、クロロホルムで再結晶
した後、昇華精製したものを用いた。
【0087】引き続き、メタルマスクを介してジシアノ
メチレントリニトロフルオレンを蒸着した部分の上に金
を10nm蒸着し、半透明のソース電極、ドレイン電極
(2mm×1mm)とした。すなわちこの素子のチャネ
ル長は50μm、チャネル幅は1mmである。
【0088】実施例1と同様にペリレン層の可視−近赤
外顕微分光評価を行ったところ、ソース電極直下および
ドレイン電極直下のペリレン層中では、ペリレン−ジシ
アノメチレントリニトロフルオレン錯体の形成を示す電
荷移動吸収帯が1.4eV付近に観測され、その吸収強
度からペリレン層内部で電荷移動錯体を形成しているジ
シアノメチレントリニトロフルオレン分子数がペリレン
1分子当り1×10-3個であること、またソース電極と
ドレイン電極の中間点におけるペリレン層からは電荷移
動吸収帯が観測されないことから、電荷移動錯体を形成
しているジシアノメチレントリニトロフルオレン分子数
がペリレン1分子当り10-5個以下であることが確認さ
れた。
【0089】実施例4 電荷移動錯体の作製のために、導入分子としてアクセプ
ター性のテトラフルオロテトラシアノキノジメタンを用
いたことを除き、実施例3と同様にして薄膜トランジス
タを作製した。
【0090】実施例1と同様にペリレン層の可視−近赤
外顕微分光評価を行ったところ、ソース電極直下および
ドレイン電極直下のペリレン層中では、ペリレン−テト
ラフルオロテトラシアノキノジメタン錯体の形成を示す
電荷移動吸収帯が0.9eV付近に観測され、その吸収
強度からペリレン層内部で電荷移動錯体を形成している
テトラフルオロテトラシアノキノジメタン分子数がペリ
レン1分子当り2×10-3個であること、またソース
電極とドレイン電極の中間点におけるペリレン層からは
電荷移動吸収帯が観測されないことから、電荷移動錯体
を形成しているテトラフルオロテトラシアノキノジメタ
ン分子数がペリレン1分子当り10-5個以下であること
が確認された。
【0091】実施例5 本実施例では、ソース電極およびドレイン電極形成時
に、金ペースト中に導入分子であるテトラシアノエチレ
ンを溶解したものを印刷し、ゲート電極及びドレイン電
極とともに、有機半導体層中に第2の領域を同時に形成
した。具体的には以下の通りである。
【0092】ガラス基板1表面に4mm×100μmの
ニッケル層を、メタルマスクを介して膜厚10nm蒸着
し、半透明のゲート電極2を形成した。このゲート電極
2上に、ゲート電極2を覆うように、SiOを蒸着し、
厚さ200nmのゲート絶縁層3を形成した。このゲー
ト絶縁層3は特にパターニングしなかった。
【0093】次にゲート絶縁膜3上に有機半導体材料で
あるペンタセンを膜厚200nm蒸着して有機半導体層
を形成した。なおペンタセンはあらかじめ昇華精製した
ものを使用し、10-6Torr(1.33×10-3
a)の真空中、基板温度90℃で蒸着を行った。このペ
ンタセン蒸着膜は特にパターニングしなかった。つぎ
に、金ペースト(真空冶金製、商品名パーフェクトゴー
ルド・トルエン)中にテトラシアノエチレンを溶解した
ものをペンタセン層上にスクリーンマスクを介して印刷
し、ホットプレート上200℃で4時間アニールするこ
とにより、膜厚12nmの半透明のソース電極、ドレイ
ン電極(2mm×1mm)を形成した。ソース電極とド
レイン電極は1mmの辺を平行に100μmの間隔をお
き、電極間の100μm×1mmの領域がゲート電極と
一致するように形成した。すなわちこの素子のチャネル
長は100μm、チャネル幅は1mmである。
【0094】ペンタセン層の可視−近赤外顕微分光評価
を行ったところ、ソース電極直下およびドレイン電極直
下のペンタセン層中では、ペンタセン−テトラシアノエ
チレン錯体の形成を示す電荷移動吸収帯が1eV付近に
観測され、その吸収強度からペンタセン層内部で電荷移
動錯体を形成しているテトラシアノエチレン分子数がペ
ンタセン1分子当り2×10-3個であること、またソー
ス電極とドレイン電極の中間点におけるペンタセン層中
では電荷移動吸収帯が観測されないことから、電荷移動
錯体を形成しているヨウ素分子数がテトラシアノエチレ
ン1分子当り10-5個以下であることが確認された。
【0095】実施例6 有機半導体材料としてドナー性の銅フタロシアニンを用
い、アクセプター性の導入分子であるヨウ素分子と銅フ
タロシアニンとからなる電荷移動錯体が有機半導体材料
中に分散させたことを除き、実施例1と同様にして薄膜
トランジスタを作製した。
【0096】実施例1と同様に銅フタロシアニン層の可
視−近赤外顕微分光評価を行ったところ、ソース電極直
下およびドレイン電極直下の銅フタロシアニン層中で
は、銅フタロシアニン−ヨウ素錯体の形成を示す電荷移
動吸収帯が0.4eV付近に観測され、その吸収強度か
ら銅フタロシアニン層内部で電荷移動錯体を形成してい
るヨウ素分子数が銅フタロシアニン1分子当り4×10
-3個であること、またソース電極とドレイン電極の中間
点における銅フタロシアニン層中では電荷移動吸収帯が
観測されないことから、電荷移動錯体を形成しているヨ
ウ素分子数が銅フタロシアニン1分子当り10-5個以
下であることが確認された。
【0097】実施例7 本実施例では、図2に示す方法を採用し、有機半導体材
料としてドナー性のアルファ−ヘキサチオフェンを、導
入分子としてアクセプター性のテトラフルオロテトラシ
アノキノジメタンを使用したこと以外は実施例3と同様
にして薄膜トランジスタを作製した。
【0098】実施例1と同様にアルファ−ヘキサチオフ
ェン層の可視−近赤外顕微分光評価を行ったところ、ソ
ース電極直下およびドレイン電極直下のアルファ−ヘキ
サチオフェン層中では、(アルファ−ヘキサチオフェ
ン)−テトラフルオロテトラシアノキノジメタン錯体の
形成を示す電荷移動吸収帯が1.5eV付近に観測さ
れ、その吸収強度からアルファ−ヘキサチオフェン層内
部で電荷移動錯体を形成しているテトラフルオロテトラ
シアノキノジメタン分子数がアルファ−ヘキサチオフェ
ン1分子当り2×10-3個であること、またソース電極
とドレイン電極の中間点におけるアルファ−ヘキサチオ
フェン層中では電荷移動吸収帯が観測されないことか
ら、電荷移動錯体を形成しているテトラフルオロテトラ
シアノキノジメタン分子数がアルファ−ヘキサチオフェ
ン1分子当り10-5個以下であることが確認された。
【0099】実施例8 本実施例では、図2に示す方法を採用し、さらにソース
電極およびドレイン電極形成時にバリア層を形成する工
程も入れ、ドナー性有機半導体材料であるレジオレギュ
ラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)からなる有機半導
体層中に、レジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフ
ェン)とアクセプター性の導入分子であるヨウ素分子と
からなる電荷移動錯体が導入された薄膜トランジスタを
以下のようにして作製した。
【0100】ポリエチルスルホン製の樹脂基板1表面に
4mm×50μmのニッケル矩形電極をメタルマスクを
介して膜厚10nm蒸着し、半透明のゲート電極2を形
成した。
【0101】このゲート電極2上に、ゲート電極2を覆
うように、ポリイミド溶液(JSR社製、商品名AL3
046)をスピンコートし、ホットプレート上200℃
で10分間焼成し、厚さ200nmのゲート絶縁層3を
形成した。このゲート絶縁層3は特にパターニングしな
かった。
【0102】次にゲート絶縁膜3上にレジオレギュラ・
ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ社製)
のクロロホルム溶液をスピンコートして膜厚200nm
の有機半導体層4を形成した。なおレジオレギュラ・ポ
リ(3−ヘキシルチオフェン)は予め、クロロホルムと
メタノールで再沈殿精製1回、次にトルエンとアセトン
で再沈殿精製1回行ったものを用いた。このレジオレギ
ュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)膜は特にパター
ニングしなかった。
【0103】次に、ポリビニルアルコール(アルドリッ
チ社製)水溶液に、光架橋剤として重クロム酸アンモニ
ウムを混合した溶液を半導体チャネル層上にスピンコー
トし、バリア層とした。マスクを介してUV照射し、水
に展開することによってバリア層に2mm×1mmの開
口部を2個設けた。2個の開口部は1mmの辺を平行に
50μmの間隔をおき、開口部間の50μm×1mmの
領域がゲート電極と一致するように形成した。
【0104】ヨウ素のアセトニトリル溶液を開口部に滴
下することによって開口部から半導体チャネル層内部に
レジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)−ヨ
ウ素錯体を形成した。
【0105】メタルマスクをあわせて、開口部のみに金
を10nm蒸着し、半透明のソース電極、ドレイン電極
(2mm×1mm)とした。すなわちこの素子のチャネ
ル長は50μm、チャネル幅は1mmである。
【0106】実施例1と同様にレジオレギュラ・ポリ
(3−ヘキシルチオフェン)層の可視-近赤外顕微分光
評価を行ったところ、ソース電極直下およびドレイン電
極直下のレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェ
ン)層中では、レジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチ
オフェン)とヨウ素との電荷移動錯体形成に起因するポ
ーラロン吸収帯が0.5eV付近と1.3eV付近に観
測された。その吸収強度からレジオレギュラ・ポリ(3
−ヘキシルチオフェン)層内部で電荷移動錯体を形成し
ているヨウ素分子数がレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキ
シルチオフェン)1モノマー当り5×10-3個であるこ
と、またソース電極とドレイン電極の中間点におけるレ
ジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)層中で
はポーラロン吸収帯が観測されないことから、電荷移動
錯体を形成しているヨウ素分子数がレジオレギュラ・ポ
リ(3−ヘキシルチオフェン) 1モノマー当り10-5
個以下であることが確認された。
【0107】実施例9 本実施例では、図2に示す方法を採用し、有機半導体材
料としてドナー性のレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシ
ルチオフェン)を、導入分子としてアクセプター性のフ
ラーレンC60を使用し、薄膜トランジスタを以下のよう
にして作製した。
【0108】ガラス基板1表面に4mm×50μmのニ
ッケル電極を、メタルマスクを介して膜厚10nm蒸着
し、半透明のゲート電極2とした。このゲート電極2上
に、ゲート電極2を覆うように、SiOを蒸着し、厚さ
200nmのゲート絶縁層3を形成した。このゲート絶
縁層3は特にパターニングしなかった。
【0109】次にゲート絶縁膜3上にレジオレギュラ・
ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ社製)
のクロロホルム溶液をスピンコートして膜厚200nm
の有機半導体層4を作成した。なおレジオレギュラ・ポ
リ(3−ヘキシルチオフェン)は予め、クロロホルムと
メタノールで再沈殿精製1回、次にトルエンとアセトン
で再沈殿精製1回行ったものを用いた。このレジオレギ
ュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)膜は特にパター
ニングしなかった。
【0110】メタルマスクを介してC60を膜厚30nm
蒸着した。C60膜のパターンは2mm×1mmが2個で
あり、1mmの辺を平行に50μmの間隔をおき、パタ
ーン間の50μm×1mmの領域がゲート電極と一致す
るように形成した。
【0111】引き続き、メタルマスクを介してC60を蒸
着した部分の上に金を10nm蒸着し、半透明のソース
電極、ドレイン電極(2mm×1mm)とした。すなわ
ちこの素子のチャネル長は50μm、チャネル幅は1m
mである。
【0112】実施例1と同様にレジオレギュラ・ポリ
(3−ヘキシルチオフェン)層の可視-近赤外顕微分光
評価を行ったところ、ソース電極直下およびドレイン電
極直下のレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェ
ン)層中では、レジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチ
オフェン)とC60の電荷移動錯体形成に起因するポー
ラロン吸収帯が0.5eV付近に観測された。その吸収強度
からレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)
層内部で電荷移動錯体を形成しているC60分子数がレジ
オレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン) 1モノ
マー当り3×10 -3個であること、またソース電極とド
レイン電極の中間点におけるレジオレギュラ・ポリ(3
−ヘキシルチオフェン)層中ではポーラロン吸収帯が観
測されないことから、電荷移動錯体を形成しているC60
分子数がレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェ
ン) 1モノマー当り10-5個以下であることが確認さ
れた。
【0113】実施例10 本実施例では、図3に示す方法で、有機半導体材料とし
てドナー性のレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオ
フェン)と、導入分子としてアクセプター性のヘキサデ
カフルオロー銅フタロシアニンレを用いて、以下のよう
にして作製した。
【0114】ガラス基板1表面に4mm×50μmのニ
ッケル電極を、メタルマスクを介して膜厚10nm蒸着
し、半透明のゲート電極2とした。このゲート電極2上
に、ゲート電極2を覆うように、SiOを蒸着し、厚さ
200nmのゲート絶縁層3を形成した。このゲート絶
縁層3は特にパターニングしなかった。
【0115】次にゲート絶縁層3上にメタルマスクを介
してヘキサデカフルオロ−銅フタロシアニンを膜厚20
nm蒸着した。ヘキサデカフルオロ−銅フタロシアニン
膜のパターンは2mm×1mmが2個であり、1mmの
辺を平行に50μmの間隔をおき、パターン間の50μ
m×1mmの領域がゲート電極と一致するように形成し
た。
【0116】次にゲート絶縁膜3およびヘキサデカフル
オロ−銅フタロシアニン膜上に、レジオレギュラ・ポリ
(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ社製)のト
ルエン溶液をスピンコートして膜厚200nmの有機半
導体層4を形成した。なおレジオレギュラ・ポリ(3−
ヘキシルチオフェン)は予め、クロロホルムとメタノー
ルで再沈殿精製1回、次にトルエンとアセトンで再沈殿
精製1回行ったものを用いた。このレジオレギュラ・ポ
リ(3−ヘキシルチオフェン)膜は特にパターニングし
なかった。
【0117】次に、ヘキサデカフルオロ−銅フタロシア
ニン膜を蒸着した部分の上にメタルマスクを介して、金
を10nm蒸着し、半透明のソース電極、ドレイン電極
(2mm×1mm)とした。すなわちこの素子のチャネ
ル長は50μm、チャネル幅は1mmである。
【0118】実施例1と同様にレジオレギュラ・ポリ
(3−ヘキシルチオフェン)層の可視-近赤外顕微分光
評価を行ったところ、ソース電極直下およびドレイン電
極直下のレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェ
ン)層中では、レジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチ
オフェン)とヘキサデカフルオロ−銅フタロシアニンの
電荷移動錯体形成に起因するポーラロン吸収帯が0.5
eV付近に観測された。その吸収強度からレジオレギュ
ラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)層内部で電荷移動
錯体を形成しているヘキサデカフルオロ−銅フタロシア
ニン分子数がレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオ
フェン) 1モノマー当り2×10-3個であること、ま
たソース電極とドレイン電極の中間点におけるレジオレ
ギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)層中ではポー
ラロン吸収帯が観測されないことから、電荷移動錯体を
形成しているヘキサデカフルオロ−銅フタロシアニン分
子数がレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェ
ン) 1モノマー当り10-5個以下であることが確認さ
れた。
【0119】実施例11 有機半導体材料としてドナー性のレジオレギュラ・ポリ
(3−ブチルチオフェン)を用いたことを除けば、実施
例8と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
【0120】実施例1と同様にレジオレギュラ・ポリ
(3−ブチルチオフェン)層の可視-近赤外顕微分光評
価を行ったところ、ソース電極直下およびドレイン電極
直下のレジオレギュラ・ポリ(3−ブチルチオフェン)
層中では、レジオレギュラ・ポリ(3−ブチルチオフェ
ン)とヨウ素との電荷移動錯体形成に起因するポーラロ
ン吸収帯が0.5eV付近に観測された。その吸収強度
からレジオレギュラ・ポリ(3−ブチルチオフェン)層
内部で電荷移動錯体を形成しているヨウ素分子数がレジ
オレギュラ・ポリ(3−ブチルチオフェン)1モノマー
当り5×10‐3個であること、またソース電極とドレ
イン電極の中間点におけるレジオレギュラ・ポリ(3−
ブチルチオフェン)層中ではポーラロン吸収帯が観測さ
れないことから、電荷移動錯体を形成しているヨウ素分
子数がレジオレギュラ・ポリ(3−ブチルチオフェン)
1モノマー当り10‐6個以下であることが確認され
た。
【0121】実施例12 有機半導体材料としてドナー性のレジオレギュラ・ポリ
(3−オクチルチオフェン)を用いたことを除けば、実
施例8と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
【0122】実施例1と同様にレジオレギュラ・ポリ
(3−オクチルチオフェン)層の可視-近赤外顕微分光
評価を行ったところ、ソース電極直下およびドレイン電
極直下のレジオレギュラ・ポリ(3−オクチルチオフェ
ン)層中では、レジオレギュラ・ポリ(3−オクチルチ
オフェン)とヨウ素との電荷移動錯体形成に起因するポ
ーラロン吸収帯が0.5eV付近に観測された。その吸
収強度からレジオレギュラ・ポリ(3−オクチルチオフ
ェン)層内部で電荷移動錯体を形成しているヨウ素分子
数がレジオレギュラ・ポリ(3−オクチルチオフェン)
1モノマー当り5×10‐3個であること、またソース
電極とドレイン電極の中間点におけるレジオレギュラ・
ポリ(3−オクチルチオフェン)層中ではポーラロン吸
収帯が観測されないことから、電荷移動錯体を形成して
いるヨウ素分子数がレジオレギュラ・ポリ(3−オクチ
ルチオフェン) 1モノマー当り10-5個以下であるこ
とが確認された。
【0123】実施例13 有機半導体材料としてドナー性のレジオレギュラ・ポリ
(3−デシルチオフェン)を用いたことを除けば、実施
例8と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
【0124】実施例1と同様にレジオレギュラ・ポリ
(3−デシルチオフェン)層の可視-近赤外顕微分光評
価を行ったところ、ソース電極直下およびドレイン電極
直下のレジオレギュラ・ポリ(3−デシルチオフェン)
層中では、レジオレギュラ・ポリ(3−デシルチオフェ
ン)とヨウ素との電荷移動錯体形成に起因するポーラロ
ン吸収帯が0.5eV付近に観測された。その吸収強度
からレジオレギュラ・ポリ(3−デシルチオフェン)層
内部で電荷移動錯体を形成しているヨウ素分子数がレジ
オレギュラ・ポリ(3−デシルチオフェン) 1モノマ
ー当り5×10 3個であること、またソース電極とド
レイン電極の中間点におけるレジオレギュラ・ポリ(3
−デシルチオフェン)層中ではポーラロン吸収帯が観測
されないことから、電荷移動錯体を形成しているヨウ素
分子数がレジオレギュラ・ポリ(3−デシルチオフェ
ン) 1モノマー当り10-5個以下であることが確認さ
れた。
【0125】実施例14 有機半導体材料としてアクセプター性のフラーレンC60
を、導入分子としてドナー性のテトラキスジメチルアミ
ノエチレンを用い、導入分子の有機半導体材料への導入
を窒素ガス雰囲気中で行ったことを除けば、実施例1と
同様にして薄膜トランジスタを作製した。
【0126】有機半導体層の可視-近赤外顕微分光評価
を窒素ガス雰囲気下で行ったところ、ソース電極直下お
よびドレイン電極直下の有機半導体層中では、C60−テ
トラキスジメチルアミノエチレン錯体の形成を示すC60
イオンの分子内吸収帯が1.2eV付近に観測され、そ
の吸収強度から電荷移動錯体を形成しているテトラキス
ジメチルアミノエチレン分子数がC601分子当り3×1
-3個であること、またソース電極とドレイン電極の中
間点における有機半導体層中ではC60イオンの分子内吸
収帯が観測されないことから、電荷移動錯体を形成して
いるテトラキスジメチルアミノエチレン分子数がC60
分子当り10-5以下であることが確認された。
【0127】実施例15 本実施例では、図2に示す方法を採用し、有機半導体材
料としてアクセプター性のフラーレンC60を、導入分子
としてドナー性のデカメチルフェロセンとを使用したこ
とを除き、実施例3と同様にして薄膜トランジスタを作
製した。
【0128】実施例1と同様に有機半導体層の可視-近
赤外顕微分光評価を行ったところ、ソース電極直下およ
びドレイン電極直下の有機半導体層中では、C60とデカ
メチルフェロセンとの電荷移動錯体形成に起因するC60
イオンの分子内吸収帯が1.2eV付近に観測された。
その吸収強度から電荷移動錯体を形成しているデカメチ
ルフェロセン分子数がC601分子当り4×10-3個であ
ること、またソース電極とドレイン電極の中間点におけ
るC60層中では電荷移動吸収帯が観測されないことか
ら、電荷移動錯体を形成しているデカメチルフェロセン
分子数がC601分子当り10-5個以下であることが確認
された。 実施例16 本実施例では、有機半導体材料としてアクセプター性の
ヘキサデカフルオロ−銅フタロシアニンを、導入分子と
してドナー性のテトラメチル−パラフェニレンジアミン
を使用し、以下のようにして薄膜トランジスタを作製し
た。ガラス基板1表面に4mm×100μmのニッケル
電極を、メタルマスクを介して膜厚10nm蒸着し、半
透明のゲート電極2とした。このゲート電極2上に、ゲ
ート電極2を覆うように、SiOを蒸着し、厚さ200
nmのゲート絶縁層3を形成した。このゲート絶縁層3
は特にパターニングしなかった。
【0129】次にゲート絶縁膜3上にヘキサデカフルオ
ロ−銅フタロシアニンを膜厚200nm蒸着して有機半
導体層4を作成した。このヘキサデカフルオロ−銅フタ
ロシアニン蒸着膜は特にパターニングしなかった。つぎ
に、金ペースト(真空冶金製、商品名パーフェクトゴー
ルド・トルエン)中にテトラメチル−パラフェニレンジ
アミンを溶解したものをヘキサデカフルオロ−銅フタロ
シアニン層上にスクリーンマスクを介して印刷し、ホッ
トプレート上180℃で10時間アニールすることによ
り、膜厚12nmの半透明のソース電極、ドレイン電極
(2mm×1mm)を形成した。ソース電極とドレイン
電極は1mmの辺を平行に100μmの間隔をおき、電
極間の100μm×1mmの領域がゲート電極と一致す
るように形成した。すなわちこの素子のチャネル長は1
00μm、チャネル幅は1mmである。
【0130】ヘキサデカフルオロ−銅フタロシアニン層
の可視-近赤外顕微分光評価を行ったところ、ソース電
極直下およびドレイン電極直下のヘキサデカフルオロ−
銅フタロシアニン層中では、(テトラメチル−パラフェ
ニレンジアミン)−(ヘキサデカフルオロ−銅フタロシ
アニン)錯体の形成を示す電荷移動吸収帯が1eV付近
に観測され、その吸収強度からヘキサデカフルオロ−銅
フタロシアニン層内部で電荷移動錯体を形成しているテ
トラメチル−パラフェニレンジアミン分子数がヘキサデ
カフルオロ−銅フタロシアニン1分子当り4×10-3
であること、またソース電極とドレイン電極の中間点に
おけるヘキサデカフルオロ−銅フタロシアニン層中では
電荷移動吸収帯が観測されないことから、電荷移動錯体
を形成しているテトラメチル−パラフェニレンジアミン
分子数がヘキサデカフルオロ−銅フタロシアニン1分子
当り10-5個以下であることが確認された。
【0131】実施例17 FET特性の測定 実施例1〜16で作成した薄膜トランジスタのFET電
流−電圧特性を、半導体パラメーターアナライザー(H
P社製:HP4145B)でそれぞれ測定した。測定は
TFTを窒素ガス雰囲気中に配置し、ソース電極−ドレ
イン電極間に80V印加した状態で、ソース電極−ゲー
ト電極間に0V〜80V印加時のドレイン電流を測定し
た。ソース電極−ドレイン電極間に80V印加した状態
で、ソース電極−ゲート電極間に80V印加時のドレイ
ン電流をオン電流とし、ソース電極−ゲート電極間を同
電位とした時のドレイン電流をオフ電流とした。この結
果から、電流オン・オフ比(オン電流値/オフ電流値)
を求めた。その結果を表1に示す。
【表1】 比較例1 比較のため、電荷移動錯体を導入せず、レジオレギュラ
・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)のみからなる半導体
チャネル層を形成したTFTを作成した。TFTの構成
は、電荷移動錯体を導入していないこと以外は実施例8
と同様である。このTFTのFET電流−電圧特性を、
実施例17と同様に測定した。その結果を表1に併記す
る。
【0132】比較例1のTFTと比べて、例えば実施例
8で得られたTFTではオフ電流値を保ったまま、オン
電流値が3倍に向上した。
【0133】比較例2 比較のため、レジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオ
フェン)からなる有機半導体層全面にレジオレギュラ・
ポリ(3−ヘキシルチオフェン)とアクセプター性の導
入分子であるヨウ素分子とからなる電荷移動錯体を形成
したTFTを作成した。TFTの構成は、電荷移動錯体
を有機半導体層全面に導入したこと以外は実施例8と同
様である。
【0134】具体的には、レジオレギュラ・ポリ(3−
ヘキシルチオフェン)層を製膜後、レジオレギュラ・ポ
リ(3−ヘキシルチオフェン)層全面にヨウ素のアセト
ニトリル溶液を滴下することによって半導体層全面にレ
ジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)−ヨウ
素錯体を形成した。
【0135】実施例1と同様にレジオレギュラ・ポリ
(3−ヘキシルチオフェン)層の可視-近赤外顕微分光
評価を行ったところ、ソース電極直下およびドレイン電
極直下のレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェ
ン)層中、およびソース電極とドレイン電極の中間点に
おけるレジオレギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェ
ン)層中のいずれにおいても、レジオレギュラ・ポリ
(3−ヘキシルチオフェン)とヨウ素との電荷移動錯体
形成に起因するポーラロン吸収帯が0.5eV付近と
1.3eV付近に観測され、その吸収強度からレジオレ
ギュラ・ポリ(3−ヘキシルチオフェン)層内部で電荷
移動錯体を形成しているヨウ素分子数がレジオレギュラ
・ポリ(3−ヘキシルチオフェン) 1モノマー当り5
×10-3個であることが確認された。
【0136】このTFTのFET電流−電圧特性を、実
施例17と同様に測定した。その結果を表1に併記す
る。
【0137】例えば実施例8で得られたTFTと比べ
て、電流オフ時のドレイン電流量が著しく高くなり、オ
ン・オフ比が6と低減している。
【0138】
【発明の効果】本発明によれば、ソース電極またはドレ
イン電極と有機半導体チャネル層との接合抵抗が低減さ
れてオン電流値が増大し、かつ電流オン・オフ比が大き
い薄膜トランジスタを作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトランジスタの一例を示す断面図。
【図2】 本発明のトランジスタの製造方法の一例を示
す図。
【図3】 本発明のトランジスタの製造方法の変形例を
示す図。
【図4】 本発明のトランジスタの第1の変形例を示す
図。
【図5】 本発明のトランジスタの第2の変形例を示す
図。
【図6】 本発明のトランジスタの第3の変形例を示す
図。
【符号の説明】
1…基板 2…ゲート電極 3…ゲート絶縁層 4…有機半導体層 4−1…第1の領域 4−2…第2の領域 5…ソース電極 6…ドレイン電極 7…導入分子層 8…バリア層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機半導体材料とアクセプター性あるいは
    ドナー性の導入分子とが結合して構成される電荷移動錯
    体と、前記有機半導体材料とを含み、第1領域と前記第
    1領域に隣接する第2領域を有する有機半導体層と、 前記有機半導体層内のチャネル領域上にゲート絶縁層を
    介して形成されたゲート電極と、 前記チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域と
    を具備し、前記第1領域は、前記チャネル領域を含み、
    前記有機半導体材料1モノマー当たり0または10-5個
    未満の前記導入分子を含有し、 前記第2領域は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域
    の少なくとも一方を含み、前記有機半導体材料1モノマ
    ー当たり10-5個以上の前記導入分子を含有することを
    特徴とする有機トランジスタ。
  2. 【請求項2】前記第2領域の膜厚が、5nm以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の有機トランジスタ。
  3. 【請求項3】前記第1領域は、前記電荷移動錯体の濃度
    が前記第2領域からの距離に応じて減少する領域を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の有機トランジスタ。
  4. 【請求項4】有機半導体層内のチャネル領域上にゲート
    絶縁層を介して形成されたゲート電極と、前記チャネル
    領域を挟むソース領域及びドレイン領域とを有する有機
    トランジスタの製造方法において、 前記ソース領域及びドレイン領域の少なくとも一方の前
    記半導体層表面に、アクセプター性あるいはドナー性の
    導入分子を接触させて、前記有機半導体層表面から前記
    有機半導体層内部に有機半導体材料と前記導入分子とか
    らなる電荷移動錯体を形成する工程を有することを特徴
    とする有機トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】有機半導体層内のチャネル領域上にゲート
    絶縁層を介して形成されたゲート電極と、前記チャネル
    領域を挟むソース領域及びドレイン領域とを有する有機
    トランジスタの製造方法において、 前記ソース領域及びドレイン領域の少なくとも一方の前
    記半導体層表面に、ガス状あるいは液体状のアクセプタ
    ー性あるいはドナー性の導入分子を接触させる工程を有
    することを特徴とする有機トランジスタの製造方法。
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