JP2013211534A - 有機薄膜トランジスタの製造方法及び有機薄膜トランジスタ - Google Patents

有機薄膜トランジスタの製造方法及び有機薄膜トランジスタ Download PDF

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健彦 森
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Abstract

【課題】電荷移動錯体を含む電極を備える有機薄膜トランジスタをより低い製造コストで製造する。
【解決手段】ゲート電極4と、ゲート絶縁膜3と、有機半導体層2と、該有機半導体層と接合しているソース電極5及びドレイン電極6とを備える有機薄膜トランジスタ100の製造方法であって、電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキと有機半導体層とを接触させる工程と、インキと有機半導体層とを酸化還元反応させて、インキが接触した有機半導体層の一部領域から有機半導体層の厚さ方向に局在し、電荷移動錯体を含むソース電極及び/またはドレイン電極を形成する工程とを含む、有機薄膜トランジスタの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電荷移動錯体を材料として含む電極を備える有機薄膜トランジスタの製造方法及びかかる製造方法により製造される有機薄膜トランジスタに関する。
半導体薄膜を備える半導体素子として、有機半導体材料を含む有機薄膜を備える有機薄膜トランジスタが注目されている。有機薄膜トランジスタの製造工程においては、有機半導体材料を含むインキを塗布する塗布法により有機薄膜を容易に形成することが可能であるため、大面積のデバイスを安価に生産できるという利点がある。
有機薄膜トランジスタの製造には有機半導体材料の他に電極の材料、配線の材料などが必要であるが、これらの材料としては、例えば、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム及びモリブデン等の金属が用いられていた。しかしながら、これらの金属を用いて電極、配線を形成するには蒸着、スパッタリングなどの真空プロセスが必要であり、これらの金属を材料とする電極、配線を塗布法により形成するのは困難である。
これらの金属を材料として塗布法で電極、配線を形成(印刷)するために、金、銀などのメタルインキが開発され利用されている。しかしながら、有機薄膜と金属層との界面の接触抵抗が大きくなってしまったり、金属材料として貴金属を用いるため製造コストが高くなってしまったりする場合がある(非特許文献1参照)。
このような問題を解決するために、電極材料として電荷移動錯体を用いる技術が提案されている(非特許文献2参照)。電荷移動錯体の多くは錯体状態で昇華性が低いため、真空蒸着法での成膜が困難である。また、電荷移動錯体は有機溶媒等への溶解度が低いため、インキ等を調製することが困難である。
非特許文献2が開示する技術によれば、電子供与性化合物と電子受容性化合物とをそれぞれ別々に有機溶媒に溶解させた2種類のインキを調製し、2種類のインキをそれぞれ別々の工程で塗布することで電極を形成することができる。
しかしながら、非特許文献2が開示する技術は、電極の形成に際して2種類のインキをそれぞれ別々の工程で印刷する工程が必要であるため、インキの印刷工程が煩雑であり、また製造装置の構成が複雑となってしまうことから、製造コストが高くなってしまっていた。
T. Sekitani, Y. Noguchi, U. Zshieschang, H. Klauk, and T. Someya, Proc. Nat. Acad. Sci. 105, 4976 (2008).
M. Hiraoka, T. Hasegawa, T. Yamada, Y. Takahashi, S. Horiuchi, Y. Tokura, Adv. Mater. 19, 3248 (2007).
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電荷移動錯体を含む電極を備える有機薄膜トランジスタをより低い製造コストで製造することができる製造方法、及びかかる製造方法により製造することができる有機薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
本発明は、下記[1]〜[7]を提供する。
[1] ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、有機半導体層と、該有機半導体層と接合しているソース電極及びドレイン電極とを備える有機薄膜トランジスタの製造方法であって、
電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキと前記有機半導体層とを接触させる工程と、
前記インキと前記有機半導体層とを酸化還元反応させて、前記インキが接触した前記有機半導体層の一部領域から前記有機半導体層の厚さ方向に局在し、電荷移動錯体を含む前記ソース電極及び/または前記ドレイン電極を形成する工程と
を含む、有機薄膜トランジスタの製造方法。
[2] 前記インキと前記有機半導体層とを接触させる工程が、予め形成された前記有機半導体層の表面の一部領域に、前記電子供与性化合物又は前記電子受容性化合物を含む前記インキを塗布して該インキと前記有機半導体層とを接触させる工程である、[1]に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
[3] 前記インキと前記半導体層とを接触させる工程が、インクジェット印刷法により行われる、[1]または[2]に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
[4] 前記有機半導体層がn型有機半導体を含み、前記インキが電子供与性化合物である金属化合物を含む、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
[5] 電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキと有機半導体層とを接触させる工程と、前記インキと前記有機半導体層とを酸化還元反応させる工程とにより形成することができる、前記インキが接触した前記有機半導体層の一部領域から前記有機半導体層の厚さ方向に局在し、電荷移動錯体を含むソース電極及び/またはドレイン電極を備える、有機薄膜トランジスタ。
[6] [5]に記載の有機薄膜トランジスタを備える、面状光源。
[7] [5]に記載の有機薄膜トランジスタを備える、表示装置。
本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法によれば、簡易な工程で優れた特性を有する有機薄膜トランジスタを製造することができ、製造コストをより低減することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタによれば、ソース電極及び/またはドレイン電極と有機半導体層との接触抵抗を小さくすることができ、電界効果移動度を高くすることができる。
図1は、第1実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。 図2は、第2実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。 図3は、第3実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。 図4は、第4実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。 図5は、第5実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。 図6は、第6実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。 図7は、第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。 図8は、実施例に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。 図9は、実施例に係る有機半導体層のX線回折パターンを示すグラフ及び写真図である。 図10は、実施例に係る電極層のX線回折パターンを示すグラフ及び写真図である。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。以下の説明に用いる各図において、同様の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明については省略する場合がある。また、本発明の実施形態にかかる有機薄膜トランジスタの構成は、必ずしも図示例の配置で、製造されたり、使用されたりするわけではない。
(有機薄膜トランジスタの製造方法)
本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法は、ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、有機半導体層と、該有機半導体層と接合しているソース電極及びドレイン電極とを備える有機薄膜トランジスタの製造方法であって、電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキと有機半導体層とを接触させる工程と、インキと有機半導体層とを酸化還元反応させて、インキが接触した有機半導体層の一部領域から有機半導体層の厚さ方向に局在し、電荷移動錯体を含むソース電極及び/またはドレイン電極を形成する工程とを含むことを特徴とする。
(有機半導体等の選択とソース電極及び/またはドレイン電極の作製)
本発明の有機薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の作製に際して、有機半導体層は、電子供与性または電子受容性を有する化合物と反応することにより、高い導電性を有する電荷移動錯体を生じさせる必要がある。具体的には、本発明の有機薄膜トランジスタの有機半導体層を構成する有機半導体は、電子供与性または電子受容性を有する化合物である。上記反応は、電子の授受を伴うことから酸化還元反応であり、狭義の電荷移動反応(電子移動反応ともいう)である。
電荷移動錯体とは、2種類以上の分子からなる分子間化合物のうち、電荷移動相互作用を有する錯体である。例えば、電子を与える電子供与性の化合物(電子供与性化合物)と、電子を受け取る電子受容性の化合物(電子受容性化合物)とを混合した場合に、電子供与性の化合物から電子受容性の化合物に部分的な電荷移動が起こり、その結果として電荷を帯びた化合物同士が軌道相互作用や静電相互作用などの引力によって錯体を形成する。
電荷移動錯体としては、有機化合物でありながら導電性や超伝導性を有する錯体が存在しており、最も代表的な有機化合物である電荷移動錯体としては、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン(TTF−TCNQ)錯体がある。
半導体には一般に電子がキャリアとなるn型半導体とホールがキャリアとなるp型半導体とがあるが、本発明においては、電子受容性を有する化合物がn型半導体であり、電子供与性を有する化合物がp型半導体である。
有機半導体層の一部領域に塗布してソース電極及び/またはドレイン電極を形成するためにインキが含有する化合物は、有機半導体層が含有する有機半導体とは異なる導電型の化合物である。すなわち、有機半導体層が含有する有機半導体が電子受容性を有する場合には、インキが含有する化合物としては電子供与性の化合物が用いられる。有機半導体層が含有する有機半導体が電子供与性を有する場合には、インキが含有する化合物としては電子受容性の化合物が用いられる。ソース電極及び/またはドレイン電極を形成するための電子供与性の化合物としては、金属化合物を用いることができる。金属は基本的に電子供与性であって陽イオンとなりやすく、ソース電極及び/またはドレイン電極を作製したときに、高い導電性が得られ易い。
電子供与性の化合物または電子受容性の化合物を含むインキを調製するために好適な溶媒の例としては、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶媒のほか、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキサン、アニソール、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、シクロヘキサノンである。これらの溶媒は単独で使用することも、複数種類の溶媒を混合して用いることもできる。複数種類の溶媒を混合することにより、半導体層の表面への広がり、半導体層との反応速度等を制御することができる。インキの濃度は、溶解させる電子受容性の化合物または電子供与性の化合物に応じて適宜調節することができる。電子受容性の化合物または電子供与性の化合物は、選択された溶媒に0.1重量%以上溶解させることが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法におけるソース電極及び/またはドレイン電極の作製工程は、上述の通り、電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキと有機半導体層とを接触させる工程を含む。この工程の例としては下記(1)及び(2)の態様が挙げられる。
(1)予め有機半導体層を形成し、有機半導体層の一部領域に、電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキを塗布してインキと有機半導体層とを接触させる。
(2)基板の表面などのソース電極及び/またはドレイン電極が形成されるべき所定の領域に、予め電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキを塗布しておき、インキが塗布された領域にまたがるように有機半導体層を形成し、インキと有機半導体層とを接触させる。
ソース電極及び/またはドレイン電極の作製に際しては、インキと有機半導体層とを接触させる工程を、予め形成された有機半導体層の表面の一部領域に、電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキを塗布して該インキと有機半導体層とを接触させる工程とするのが好ましい。
電子供与性の化合物または電子受容性の化合物を溶媒に溶解させて得たインキを用いて塗布する方法としては、金属電極をメタルインキで形成する場合に使用できる塗布法(印刷法)を使用することができる。
塗布法の例としては、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、ノズルコート法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、グラビアオフセット印刷法などが挙げられる。塗布法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、ノズルコート法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、グラビアオフセット印刷法などの所定の領域に選択的に印刷が可能な方法が好ましく、高精細に印刷できるフレキソ印刷法、グラビア印刷法、ノズルコート法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、グラビアオフセット印刷法がより好ましい。
具体的には、インキと半導体層とを接触させる工程は、インクジェット印刷法により行われることが好ましい。
また、インキと半導体層とを接触させる工程(インキの塗布工程)を塗布法で行うにあたり、所定量のインキを所定の領域に塗布するために、インキの塗布工程(印刷工程)を1回行うのみならず、2回以上繰り返して行ってもよい。インキの塗布工程を2回以上繰り返して行う場合には、各塗布工程を所定時間間隔をおいて繰り返してもよい。
インキの塗布工程を2回以上繰り返して行うことにより、例えば形成される電極(ソース電極及び/またはドレイン電極)の厚さ、電気的特性を適宜調整することもできる。よって、所望の特性を有する有機薄膜トランジスタを簡便な工程で得ることができる。
なお、本発明では、有機半導体層と電子供与性の化合物または電子受容性の化合物を含むインキとを接触させた後、有機半導体層とインキからなる薄膜(電極前駆体膜という場合がある)の界面から有機半導体層の厚さ方向に向かって拡散するように酸化還元反応を行なうことにより電荷移動錯体を生じさせる。
この酸化還元反応を進行させるには特に熱処理などを行う必要はなく、常温の空気中で所定時間静置することにより酸化還元反応を完了させることができる。すなわち、インキ(電極前駆体膜)が有機半導体層中に浸透し、拡散し、溶媒が乾燥する間に徐々に反応が進行し、所定時間経過したところで酸化還元反応は完了する。
なお、この酸化還元反応が完了するまでの時間は、例えば、雰囲気の温度を調整することにより調節することができる。例えば雰囲気の温度を上昇させることにより、酸化還元反応が完了するまでの時間を短縮することができる。
(有機薄膜トランジスタ)
上述した有機半導体及びソース電極及び/またはドレイン電極を用いた有機薄膜トランジスタとしては、ソース電極及びドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となる有機半導体層(活性層)と、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを備えた構成を有する有機薄膜トランジスタが挙げられ、活性層が上述した有機半導体を含み、ソース電極及び/又はドレイン電極が、上述した電荷移動錯体を含む。このような有機薄膜トランジスタの例としては、電界効果型有機薄膜トランジスタ、静電誘導型有機薄膜トランジスタ等が挙げられる。
電界効果型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層(活性層)、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極、並びに、有機半導体層とゲート電極との間に配置される絶縁層(ゲート絶縁膜)を備えることが好ましい。
特に、ソース電極及びドレイン電極が、有機半導体層(活性層)に接して設けられており、さらに有機半導体層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていることが好ましい。電界効果型有機薄膜トランジスタにおいては、上述の有機半導体層が、上述の有機半導体層、ソース電極及び/又はドレイン電極が、上述の電極によって構成される。
静電誘導型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層(活性層)、並びに電流経路を通る電流量を制御するゲート電極を有し、このゲート電極が有機半導体層中に設けられていることが好ましい。特に、ソース電極、ドレイン電極及び有機半導体層中に設けられたゲート電極が、有機半導体層に接して設けられていることが好ましい。ここで、ゲート電極の構造としては、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成され、且つゲート電極に印加した電圧で電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよい。ゲート電極の構造としては、例えば、くし形電極が挙げられる。静電誘導型有機薄膜トランジスタにおいては、有機半導体層が、上述の実施形態にかかる有機半導体を含む有機薄膜、ソース電極又はドレイン電極が、上述の電荷移動錯体を含む電極によって構成される。
以下、図面を参照して、有機薄膜トランジスタの構成例及び製造方法例について説明する。
本発明の実施形態にかかる有機薄膜トランジスタは、電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキと有機半導体層とを接触させる工程と、インキと有機半導体層とを酸化還元反応させる工程とにより形成することができる、インキが接触した有機半導体層の一部領域から有機半導体層の厚さ方向に局在し、電荷移動錯体を含むソース電極及び/またはドレイン電極を備えることが好ましい。
(第1実施形態)
(有機薄膜トランジスタの構成)
図1を参照して、第1実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の構成例について説明する。図1は、第1実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。
図1に示されるように、有機薄膜トランジスタ100は、基板1と、基板1上に所定の間隔で離間するように設けられたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6にまたがっており、かつソース電極5及びドレイン電極6と一体的に基板1上に設けられた有機半導体層2と、有機半導体層2上に設けられた絶縁層3と、絶縁層3上に、ソース電極5とドレイン電極6との間の絶縁層3の領域を覆うように、基板1の厚さ方向からみたときにソース電極5及びドレイン電極6にまたがるように設けられたゲート電極4とを備える。
(有機薄膜トランジスタの製造方法)
まず、基板1を準備する。基板1の一方の主面に設定されたソース電極形成領域及びドレイン電極形成領域に、上述の電子受容性の化合物または電子供与性の化合物を含むインキを塗布する(電極前駆体膜を形成する)。塗布されたインキ(電極前駆体膜)を覆うように、上述の有機半導体を含む有機半導体層2を形成してインキと有機半導体層2とを接触させる。この接触により、インキに含まれる電子受容性の化合物または電子供与性の化合物と、有機半導体層2に含まれる有機半導体とが酸化還元反応する。この酸化還元反応は、インキと有機半導体層2との界面から有機半導体層2の厚さ方向に向かって拡散するように進行し、インキが接触した有機半導体層2の基板1側の面の近傍に、面の一部領域から有機半導体層2の厚さ方向に所定の厚さで局在し、電荷移動錯体を含むソース電極5及びドレイン電極6が形成される。換言すると、酸化還元反応により有機半導体層2のうちの一部分がソース電極5及びドレイン電極6に変わることとなる。次に有機半導体層2に接して、ソース電極5及びドレイン電極6にまたがるように絶縁層(ゲート絶縁膜)3を形成する。次いで絶縁層3に接しており、基板1の厚さ方向からみたときにソース電極5及びドレイン電極6にまたがるようにゲート電極4を形成する。以上の工程により第1実施形態にかかる有機薄膜トランジスタ100を製造することができる。
(第2実施形態)
(有機薄膜トランジスタの構成)
図2を参照して、第2実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の構成例について説明する。図2は、第2実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。
図2に示されるように、有機薄膜トランジスタ110は、基板1と、基板1の主面の一部領域に設けられたソース電極5と、ソース電極5を覆うようにして基板1上に設けられた有機半導体層2と、ソース電極5と所定の間隔で離間するように有機半導体層2上に設けられたドレイン電極6と、有機半導体層2及びドレイン電極6にまたがるように設けられた絶縁層(ゲート絶縁膜)3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の絶縁層3の領域を覆うように、基板1の厚み方向からみたときにソース電極5及びドレイン電極6にまたがるように絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備える。なお、ソース電極5及びドレイン電極6は、有機半導体層2と一体的に設けられている。
(有機薄膜トランジスタの製造方法)
まず、基板1を準備する。基板1の一方の主面に設定されたソース電極形成領域に、上述の電子受容性の化合物または電子供与性の化合物を含むインキを塗布する(電極前駆体膜を形成する)。塗布されたインキ(電極前駆体膜)を覆うように、上述の有機半導体を含む有機半導体層2を形成する。さらに有機半導体層2の表面の一部領域(ドレイン電極形成領域)に、上述の電子受容性の化合物または電子供与性の化合物を含むインキを塗布する。以上の工程により、インキと有機半導体層2とを接触させる。この接触により、インキに含まれる電子受容性の化合物または電子供与性の化合物と、有機半導体層2に含まれる有機半導体とが酸化還元反応する。この酸化還元反応は、インキと有機半導体層2との界面から有機半導体層2の厚さ方向に向かって拡散するように進行し、有機半導体層2の基板1側の面の一部領域及び有機半導体層2の表面の一部領域の近傍に形成され、これらの一部領域から有機半導体層2の厚さ方向に所定の厚さで局在し、電荷移動錯体を含むソース電極5及びドレイン電極6が有機半導体層2と一体的に形成される。次に有機半導体層2及びドレイン電極6にまたがるように接する絶縁層(ゲート絶縁膜)3を形成する。次いで絶縁層3に接しており、基板1の厚さ方向からみたときにソース電極5及びドレイン電極6にまたがるようにゲート電極4を形成する。以上の工程により第2実施形態にかかる有機薄膜トランジスタ110を製造することができる。
(第3実施形態)
(有機薄膜トランジスタの構成)
図3を参照して、第3実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の構成例について説明する。図3は、第3実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。
図3に示されるように、有機薄膜トランジスタ120は、基板1と、基板1の一方の主面に設けられたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うように基板1に設けられた絶縁層(ゲート絶縁膜)3と基板1の厚さ方向からみたときにゲート電極4にまたがるように絶縁層3の一部領域を覆うように、所定の間隔で離間するように設けられたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6を覆うようにソース電極5及びドレイン電極6と一体的に絶縁層3上に形成された有機半導体層2と、を備える。
(有機薄膜トランジスタの製造方法)
まず、基板1を準備する。基板1の一方の主面の一部領域にゲート電極4を形成する。ゲート電極4を覆うように基板1上に絶縁層(ゲート絶縁膜)3を形成する。絶縁層3に設定されたソース電極形成領域及びドレイン電極形成領域に、上述の電子受容性の化合物または電子供与性の化合物を含むインキを塗布する(電極前駆体膜を形成する)。塗布されたインキ(電極前駆体膜)を覆うように、絶縁層3上に、上述の有機半導体を含む有機半導体層2を形成してインキと有機半導体層2とを接触させる。この接触により、インキに含まれる電子受容性の化合物または電子供与性の化合物と、有機半導体層2に含まれる有機半導体とが酸化還元反応する。この酸化還元反応は、インキと有機半導体層2との界面から有機半導体層2の厚さ方向に向かって拡散するように進行し、有機半導体層2の基板1側の面の一部領域から有機半導体層2の厚さ方向に所定の厚さで局在し、電荷移動錯体を含むソース電極5及びドレイン電極6が形成される。以上の工程により第3実施形態にかかる有機薄膜トランジスタ120を製造することができる。
(第4実施形態)
(有機薄膜トランジスタの構成)
図4を参照して、第4実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の構成例について説明する。図4は、第4実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。
図4に示されるように、有機薄膜トランジスタ130は、基板1と、基板1の一部領域に設けられたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うように基板1上に設けられた絶縁層(ゲート絶縁膜)3と、基板1の厚さ方向からみたときにゲート電極4にまたがるように絶縁層3の一部領域を覆うように絶縁層3上に設けられたソース電極5と、ソース電極5を覆うように絶縁層3上に設けられた有機半導体層2と、基板1の厚さ方向からみたときにゲート電極4にまたがって有機半導体層2の一部領域を覆うように、且つソース電極5と所定の間隔で離間するように絶縁層3上に設けられたドレイン電極6と、を備える。なお、ソース電極5及びドレイン電極6は、有機半導体層2と一体的に設けられている。
(有機薄膜トランジスタの製造方法)
まず、基板1を準備する。基板1の一方の主面の一部領域にゲート電極4を形成する。ゲート電極4を覆うように基板1上に絶縁層(ゲート絶縁膜)3を形成する。絶縁層3に設定されたソース電極形成領域に、上述の電子受容性の化合物または電子供与性の化合物を含むインキを塗布する(電極前駆体膜を形成する)。塗布されたインキ(電極前駆体膜)を覆うように、上述の有機半導体を含む有機半導体層2を形成する。さらに有機半導体層2の表面の一部領域(ドレイン電極形成領域)に、上述の電子受容性の化合物または電子供与性の化合物を含むインキを塗布する。以上の工程により、インキと有機半導体層2とを接触させる。この接触により、インキに含まれる電子受容性の化合物または電子供与性の化合物と、有機半導体層2に含まれる有機半導体とが酸化還元反応する。この酸化還元反応は、インキと有機半導体層2との界面から有機半導体層2の厚さ方向に向かって拡散するように進行し、有機半導体層2の基板1側の面の一部領域及び有機半導体層2の表面の一部領域の近傍に形成され、これらの一部領域から有機半導体層2の厚さ方向に所定の厚さで局在し、電荷移動錯体を含むソース電極5及びドレイン電極6が有機半導体層2と一体的に形成される。以上の工程により第4実施形態にかかる有機薄膜トランジスタ130を製造することができる。
(第5実施形態)
(有機薄膜トランジスタの構成)
図5を参照して、第5実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(静電誘導型有機薄膜トランジスタ)の構成例について説明する。図5は、第5実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。
図5に示されるように、有機薄膜トランジスタ140は、基板1と、基板1の一方の主面に設けられたソース電極5と、ソース電極5上に設けられた有機半導体層2と、有機半導体層2上に所定の間隔で離間するように設けられた複数のゲート電極4と、ゲート電極4の全てにまたがってこれらを覆うように有機半導体層2上に設けられたさらなる有機半導体層2a(有機半導体層2aを構成する材料は、有機半導体層2を構成する材料と同一であっても異なっていてもよい。)と、有機半導体層2a上に、基板1の厚さ方向からみたときに複数のゲート電極4すべてにまたがるように設けられたドレイン電極6と、を備える。
(有機薄膜トランジスタの製造方法)
まず、基板1を準備する。基板1の一方の主面に上述の電子受容性の化合物または電子供与性の化合物を含むインキを塗布する(電極前駆体膜を形成する)。塗布されたインキ(電極前駆体膜)を覆うように、上述の有機半導体を含む有機半導体層2を形成してインキと有機半導体層2とを接触させる。この接触により、インキに含まれる電子受容性の化合物または電子供与性の化合物と、有機半導体層2に含まれる有機半導体とが酸化還元反応する。この酸化還元反応は、インキと有機半導体層2との界面から有機半導体層2の厚さ方向に向かって拡散するように進行し、有機半導体層2の基板1側の面から有機半導体層2の厚さ方向に所定の厚さで局在し、電荷移動錯体を含むソース電極5が有機半導体層2と一体的に形成される。次に、有機半導体層2上にゲート電極4を形成する。次いで複数のゲート電極4にまたがってこれらを覆うようにさらなる有機半導体層2aを形成する。次に有機半導体層2aの表面の一部領域であって、基板1の厚さ方向からみたときに複数のゲート電極4すべてにまたがるように上述の電子受容性の化合物または電子供与性の化合物を含むインキを塗布する(電極前駆体膜を形成する)ことによりインキと有機半導体層2とを接触させる。この接触により、インキに含まれる電子受容性の化合物または電子供与性の化合物と、有機半導体層2aに含まれる有機半導体とが酸化還元反応する。この酸化還元反応は、インキと有機半導体層2aとの界面から有機半導体層2aの厚さ方向に向かって拡散するように進行し、有機半導体層2aの表面の一部領域から有機半導体層2aの厚さ方向に所定の厚さで局在し、電荷移動錯体を含むドレイン電極6が有機半導体層2aと一体的に形成される。以上の工程により第5実施形態にかかる有機薄膜トランジスタ140を製造することができる。
(第6実施形態)
(有機薄膜トランジスタの構成)
図6を参照して、第6実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の構成例について説明する。図6は第6実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。
図6に示されるように、有機薄膜トランジスタ150は、基板1と、基板1上に形成された有機半導体層2と、有機半導体層2上に所定の間隔で離間するように、かつ有機半導体層と一体的に設けられたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6にまたがるように、且つソース電極5及びドレイン電極6の一部領域を覆うように有機半導体層2上に設けられた絶縁層3と、基板1の厚み方向から見たときにソース電極5及びドレイン電極6にまたがるように絶縁層3上の一部領域に形成されたゲート電極4と、を備える。
(有機薄膜トランジスタの製造方法)
まず、基板1を準備する。基板1の一方の主面に有機半導体層2を形成する。次に有機半導体層2に設定されたソース電極形成領域及びドレイン電極形成領域に、上述の電子受容性の化合物または電子供与性の化合物を含むインキを塗布する(電極前駆体膜を形成する)。この塗布工程によりインキと有機半導体層2とを接触させる。この接触により、インキに含まれる電子受容性の化合物または電子供与性の化合物と、有機半導体層2に含まれる有機半導体とが酸化還元反応する。この酸化還元反応は、インキと有機半導体層2との界面から有機半導体層2の厚さ方向に向かって拡散するように進行し、有機半導体層2の表面の一部領域から有機半導体層2の厚さ方向に所定の厚さで局在し、電荷移動錯体を含むソース電極5及びドレイン電極6が有機半導体層2と一体的に形成される。次いで絶縁層(ゲート絶縁膜)3を、基板1の厚さ方向からみたときにソース電極5及びドレイン電極6にまたがるように有機半導体層2の一部領域に形成する。次にゲート電極4を、基板1の厚み方向からみたときにソース電極5及びドレイン電極6にまたがるように有機半導体層2の一部領域に形成する。以上の工程により第6実施形態にかかる有機薄膜トランジスタ150を製造することができる。
(第7実施形態)
(有機薄膜トランジスタの構成)
図7を参照して、第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の構成例について説明する。図7は、第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。
図7に示されるように、有機薄膜トランジスタ160は、基板1と、基板1の一方の主面の一部領域に設けられたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うように基板1上に設けられた絶縁層(ゲート絶縁膜)3と、基板1の厚さ方向からみたときにゲート電極4にまたがるように絶縁層3の一部領域を覆うように設けられた有機半導体層2と、基板1の厚さ方向からみたときにゲート電極4の一部にまたがるように有機半導体層2上に有機半導体層2と一体的に設けられたソース電極5と、基板1の厚さ方向からみたときにゲート電極4の一部にまたがるように、且つソース電極5と所定の間隔で離間するように有機半導体層2上に有機半導体層2と一体的に設けられたドレイン電極6と、を備える。
(有機薄膜トランジスタの製造方法)
まず、基板1を準備する。基板1の一方の主面の一部領域にゲート電極4を形成する。ゲート電極4を覆うように基板1上に絶縁層(ゲート絶縁膜)3を形成する。絶縁層3の一部領域に有機半導体層2を形成する。有機半導体層2に設定されたソース電極形成領域及びドレイン電極形成領域に、上述の電子受容性の化合物または電子供与性の化合物を含むインキを塗布する(電極前駆体膜を形成する)。この塗布工程により、塗布されたインキ(電極前駆体膜)と有機半導体層2とを接触させる。この接触により、インキに含まれる電子受容性の化合物または電子供与性の化合物と、有機半導体層2に含まれる有機半導体とが酸化還元反応する。この酸化還元反応は、インキと有機半導体層2との界面から有機半導体層2の厚さ方向に向かって拡散するように進行し、有機半導体層2の基板1側の面の一部領域から有機半導体層の厚さ方向に所定の厚さで局在し、電荷移動錯体を含むソース電極5及びドレイン電極6が形成される。以上の工程により第7実施形態にかかる有機薄膜トランジスタ160を製造することができる。
第1実施形態から第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタにおいて、ソース電極5及び/又はドレイン電極6を、上述の実施形態で説明した通りの電極として構成し、有機半導体層2及び/又は有機半導体層2aの電流通路(チャンネル)を構成する。ゲート電極4は電界効果型有機半導体トランジスタでは、通常、ソース電極5及び/又はドレイン電極6とは異なる他の電極材料を使用する。一方、静電誘導型有機薄膜トランジスタでは、ゲート電極4も上述の実施形態で説明したソース電極5及び/又はドレイン電極6と同様の電極として構成することが好ましい。ゲート電極4は、電圧を印加することにより有機半導体層2及び/又は有機半導体層2aにおける電流通路を通る電流量を制御する電極である。
上述した実施形態にかかる各有機薄膜トランジスタのうち、電界効果型有機薄膜トランジスタの上述の実施形態で説明したソース電極5及び/又はドレイン電極6及び有機半導体層2以外の構成(基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜等)は、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報に記載されている方法に準じて製造することができる。また、静電誘導型有機薄膜トランジスタの上述の実施形態で説明したソース電極5及び/又はドレイン電極6及び有機半導体層2以外の構成(基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜等)は、公知の方法、例えば特開2004−006476号公報に記載されている方法に準じて製造することができる。
基板1は、有機薄膜トランジスタとしての特性を阻害しなければその材料は特に制限されない。基板1としては、シリコン基板、ガラス基板、フレキシブルなフィルム基板、プラスチック基板を用いることができる。シリコン基板としては、不純物をドープした所定の導電型(p型またはn型)のシリコン基板を用いることもできる。この場合には基板1をゲート電極の機能を兼ね備えた基板とすることができる。
有機半導体層2を形成する際には、キャリア輸送性を有するp型有機半導体化合物、n型有機半導体化合物を用いることができる。
本発明の好ましい実施形態では、有機半導体層がn型有機半導体を含み、インキが電子供与性化合物である金属化合物を含む。電子供与性化合物である金属化合物としては還元剤である金属化合物が挙げられる。
本発明の他の好ましい実施態様では、有機半導体層がp型有機半導体を含み、インキが酸化剤を含む。
有機半導体層2の材料として用いることができるp型有機半導体化合物としては、例えば、ペンタセン、テトラセン、フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)、テトラメチルテトラチアフルバレン(TMTTF)、ヘキサメチレンテトラチアフルバレン(HMTTF)、ジベンゾテトラチアフルバレン(DBTTF)、ジチエノテトラチアフルバレン(DTTTF)、その他のテトラチアフルバレン化合物およびテトラセレナフルバレン化合物、オリゴチオフェン、チオフェンとフェニレンとの共重合体オリゴマー、チオフェンとフルオレンとの共重合体オリゴマー、これらの誘導体等の低分子有機半導体化合物、ポリチオフェン、アルキル置換ポリチオフェン等の高分子有機半導体化合物等が挙げられる。酸化還元反応により形成された電極(ソース電極及び/またはドレイン電極)が高い導電性を有することから、p型有機半導体化合物としては、テトラチアフルバレン誘導体がより好ましく、有機半導体層(活性層)としてより高性能とすることができることからテトラメチルテトラチアフルバレン(TMTTF)、ヘキサメチレンテトラチアフルバレン(HMTTF)等がさらに好ましい。
p型の有機半導体を酸化して電荷移動錯体とするための酸化剤としては、p型の有機半導体から電子を受容し得る化合物を適宜選択して用いることができる。p型の有機半導体を電荷移動錯体へと円滑に酸化することができるので、酸化剤としては、その電子親和力がp型の有機半導体のイオン化ポテンシャルより大きい化合物が好ましい。
酸化剤としては、飽和カロメル電極(SCE)に対する酸化還元電位が、例えば最大でも+1.0V程度である化合物が好ましく、最大でも+0.6V程度である化合物がより好ましい。
上述したp型の有機半導体を酸化して電荷移動錯体とするための具体的な酸化剤としては、例えば、ヨウ素、臭素、NOPF、NOPF、NOSbF、NOSbF、NOBF、NOBF、テトラアルキルアンモニウムトリヨーダイド、テトラアルキルアンモニウムジブロモヨーダイド、テトラアルキルアンモニウムトリブロマイド、Cu(NCS)、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)およびその誘導体、ジシアノキノンジイミン(DCNQI)およびその誘導体、金属dmit(1,3−dithiole−2−thione−4,5−dithiolato)塩等が挙げられる。
対陰イオンを供給すると同時に、残りの成分が残らないことからヨウ素、NOPF、NOPF、NOSbF、NOSbF、NOBF、NOBF、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)およびその誘導体、ジシアノキノンジイミン(DCNQI)およびその誘導体等が好ましい。
n型の有機半導体層に使用する材料としては、例えば、ジシアノキノンジイミン(DCNQI)およびその誘導体、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)およびその誘導体、フラーレン、ナフタレンテトラカルボキシジアンハイドライド(NTCDA)およびその誘導体、ペリレンテトラカルボキシジアンハイドライド(PTCDA)およびその誘導体、ナフタレンテトラカルボキシジイミド(NTCDI)およびその誘導体、ペリレンテトラカルボキシジイミド(PTCDI)およびその誘導体、フッ素化フタロシアニン、フッ素化オリゴチオフェン誘導体、ジシアノメチレンオリゴチオフェン誘導体等が挙げられる。
n型の有機半導体層に使用する材料としては、有機半導体層(活性層)としてより高性能とできることからジシアノキノンジイミン(DCNQI)およびその誘導体、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)およびその誘導体等が好ましく、反応後の電極が電荷移動錯体として高伝導であることからジシアノキノンジイミン(DCNQI)およびその誘導体等がさらに好ましい。
n型の有機半導体を還元して電荷移動錯体とするための還元剤としては、p型の有機半導体に電子を供与し得る化合物を適宜選択して用いることができる。n型の有機半導体を電荷移動錯体へと円滑に還元することができるので、還元剤としては、そのイオン化ポテンシャルがn型の有機半導体の電子親和力より大きい化合物が好ましい。
還元剤としては、飽和カロメル電極(SCE)に対する酸化還元電位が、例えば最小でも−0.5V程度である化合物が好ましく、最小でも0V程度である化合物がより好ましい。
上述したn型の有機半導体を還元して電荷移動錯体とするための還元剤としては、好ましくは金属ハロゲン化物、金属シアン化物などの還元性を有する金属化合物が挙げられる。還元剤の例としては、金属化合物であるCuI、NaI、CuBr、NaBrに加え、有機化合物であるTTF誘導体等が挙げられる。対陽イオンを供給すると同時に、残りの成分が残らないことから還元剤としてはCuI、TTF誘導体等が好ましい。
ゲート絶縁膜である絶縁層3の材料としては、絶縁性が高い公知の材料を用いることができる。絶縁層3の材料としては、例えばSiOx、SiNx、Ta、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、有機ガラス、フォトレジスト、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、CYTOPに代表されるアモルファスフッ素樹脂等が挙げられる。駆動電圧をより低くできるので、誘電率の高い材料が好ましい。
ゲート電極4の材料としては、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、低抵抗ポリシリコン、低抵抗アモルファスシリコン等の金属、錫酸化物、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO)等の材料を用いることができる。これらの材料は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、静電誘導型トランジスタの場合、ゲート電極4は、既に説明した電荷移動錯体からなる薄膜を使用できる。
さらに、ゲート電極4としては、高濃度に不純物がドープされた所定の導電型のシリコン基板を用いることも可能である。高濃度にドープされたシリコン基板は、ゲート電極4としての性質とともに、基板1としての性質も併せて有する。例えば、上述した第3実施形態の有機薄膜トランジスタ120において、ゲート電極4が基板1を兼ねる構成とした場合、そのような有機薄膜トランジスタは、例えば図8に示される構造を有する(詳細は後述する)。
ソース電極5及びドレイン電極6は、抵抗をより低くすることができる材料から構成されることが好ましい。ソース電極5及び/またはドレイン電極6を、既に説明した電荷移動錯体を含む電極とすることが好適である。
以上、本発明の実施形態にかかる有機薄膜トランジスタとして幾つかの例を説明したが、有機薄膜トランジスタは上記の実施形態に限定されない。例えば、上述したような有機薄膜トランジスタを作製した後には、有機薄膜トランジスタを保護するため、有機薄膜トランジスタを覆うように保護膜を形成することが好ましい。保護膜により、有機薄膜トランジスタを大気から遮断することができ、有機薄膜トランジスタの電気的特性の低下を抑制することができる。また、有機薄膜トランジスタの上側で駆動する表示デバイスを形成する場合、保護膜によって、表示装置の製造工程における有機薄膜トランジスタへの影響も低減することができる。
保護膜を形成する方法の例としては、有機薄膜トランジスタを、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂、SiONxを材料とする膜等でカバーする方法等が挙げられる。大気への曝露を減らすため、有機薄膜トランジスタを作製後、保護膜を形成するまでの間は、大気に曝すことなく、例えば、乾燥した窒素雰囲気中、真空中等で保存等を行うことが好ましい。
本発明の実施形態にかかる有機薄膜トランジスタは、アクティブマトリックス駆動方式の液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの画素駆動スイッチング素子等として適用できる。
本発明の実施形態にかかる有機薄膜トランジスタを好適に用いることができるデバイスの例としては、当該有機薄膜トランジスタを備える、面状光源及び表示装置が挙げられる。
上述した実施形態の有機薄膜トランジスタのソース電極及び/またはドレイン電極は、電荷移動錯体の薄膜からなり、導電性が高いため、配線抵抗を低くすることができる。また、上述した実施形態のソース電極及び/またはドレイン電極は、有機半導体層との接触抵抗が低いため、有機薄膜トランジスタの電界効果移動度を高くでき、応答速度を速くすることができる。
本発明の実施形態にかかる有機薄膜トランジスタは、より簡易な工程で作製できるため、表示装置等の製造をより低コストで実施することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[有機薄膜トランジスタ用基板の作製]
図8に示される構成を有する有機薄膜トランジスタを製造した。図8は、実施例に係る有機薄膜トランジスタの模式的な断面図である。
有機薄膜トランジスタの製造においては、まず、ゲート電極となる、不純物が高濃度にドーピングされたn型シリコン基板31の表面を熱酸化し、厚さ300nmのシリコン酸化膜32を形成した。次に、アセトンの入ったビーカーに基板を入れ、10分間超音波洗浄を行った。続けて2−プロパノール、超純水を用いて同様の洗浄を行った後、基板をオーブンを用いて150℃で10分間乾燥させ、最後にオゾンUVを10分間照射した。
シリコン酸化膜の表面の水酸基を除去するために、OTMS(Octadecyltrimethoxysilane)によってSAMs処理をスピンコート法により行った。3mmolの濃度のOTMS−トリクロロエチレン溶液をオゾン洗浄した基板に60μL滴下し、10秒間静置した後に3000rpmで10秒間回転させた。次に、アンモニア水液滴とともに密閉容器に入れ、12時間静置した。次いで、純水を用いて基板の表面についたアンモニアを洗い流し、トルエン中で10分間超音波洗浄を行った。さらに基板を真空下で乾燥させた。
[有機半導体層及びソース電極及びドレイン電極の作製]
有機半導体層の材料として、ジメチルジシアノキノンジイミン(DMDCNQI)を選択した。DMDCNQIは、電子受容性であり、Cuと反応して高い導電性を示す電荷移動錯体であるCu(DMDCNQI)となる。
上記基板上に、圧力が10−3Paの真空下で、有機半導体層34としてDMDCNQI層を厚さが500nm〜600nmとなるように蒸着して形成した。
次にソース電極33及びドレイン電極35を作製するにあたり、DMDCNQIを還元することができる成分としてCuI(ヨウ化銅)を選択した。この場合、Iが還元剤として機能する。
まず、CuIを1重量%の濃度で含む、体積比1:1のアセトニトリル/DMSO(ジメチルスルフォキシド)溶液をインキとして、インクジェットヘッド(マイクロジェットJHB−1000)を用いて4m/sの速度で有機半導体層34の表面の一部領域に塗布した。
塗布後2時間ほど大気中で自然乾燥させた後、さらに、真空中で24時間乾燥させることにより、有機半導体層34の表面の一部領域から厚さ方向に、有機半導体層34に含まれるDMDCNQIを電荷移動錯体であるCu(DMDCNQI)に還元して、Cu(DMDCNQI)層(電極層)を形成した。電極層は、有機半導体層34の厚み内に有機半導体層34と一体的に形成された。
得られた電極層の厚さは約170nmであり、チャンネル長は100μmであり、チャンネル幅は1000μmであった。
[電極層の評価]
得られた電極層にCu(DMDCNQI)が含まれているか否かをX線回折法により確認した。図9は、実施例に係る有機半導体層のX線回折パターンを示すグラフ及び写真図である。図10は、実施例に係る電極層のX線回折パターンを示すグラフ及び写真図である。
有機半導体層及び電極層の評価は、微小部X線回折装置(Bruker AXS D8 DISCOVER μHR)を用いて行った。
図9に示されるように、DMDCNQI層についてはd=8.1Åのピークが検出された。このピークはDMDCNQI単結晶のa軸の半分に相当し、電極層においてDMDCNQI分子が基板の厚さ方向に配向していることを示している。
図10に示されるように、電極層では、d=8.1Åのピークに加えてd=10.8Åのピークが検出された。d=10.8ÅのピークはCu(DMDCNQI)単結晶のa軸の長さに相当する。よって、Cu(DMDCNQI)を含む電極層が形成されていることを確認することができた。
[有機薄膜トランジスタの評価]
上述の通り作製された電極層、すなわちCu(DMDCNQI)層のシート抵抗を測定した。結果として、シート抵抗は0.2kΩ/sq〜2.6kΩ/sqであり、得られた電極層は高い導電性を有しており、有機薄膜トランジスタの電極として十分な特性を有していることが確認できた。
作製された有機薄膜トランジスタの電気的特性を空気中で測定したところ、n型有機薄膜トランジスタの電気的特性を有しており、その電界効果移動度は0.054cm/Vsであった。
他方で、電極の材料を金(Au)として作製した電極を用いたDMDCNQI層を有機半導体層とする有機薄膜トランジスタの電界効果移動度は、0.011cm/Vsに過ぎなかった。
[有機薄膜トランジスタ用基板の作製]
実施例1と同様にして、図8に示される構成を有する有機薄膜トランジスタを製造した。
有機薄膜トランジスタの製造においては、まず、ゲート電極となる、不純物が高濃度にドーピングされたn型シリコン基板31の表面を熱酸化し、厚さ300nmのシリコン酸化膜32を形成した。次に、アセトンの入ったビーカーに基板を入れ、10分間超音波洗浄を行った。続けて2−プロパノール、超純水を用いて同様の洗浄を行った後、基板をオーブンを用いて150℃で10分間乾燥させ、最後にオゾンUVを10分間照射した。
その後、20mgのポリスチレンを10mLのトルエンに溶かした溶液を上記基板にスピンコートした。ポリスチレンの厚さはおよそ100nmであり、基板の単位面積あたりの静電容量は9nF/cmであった。
[有機半導体層及びソース電極及びドレイン電極の作製]
有機半導体層の材料として、ヘキサメチレンテトラチアフルバレン(HMTTF)を選択した。HMTTFは、電子供与性であり、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)と反応して高い導電性を示す電荷移動錯体であるヘキサメチレンテトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン(HMTTF−TCNQ)となる。
上記基板上に、圧力が10−3Paの真空下で、有機半導体層34としてHMTTF層を厚さが最大でも800nmとなるように蒸着して形成した。
次にソース電極33及びドレイン電極35を作製するにあたり、HMTTFを酸化することができる成分としてTCNQを選択した。
まず、TCNQを体積比1:1のアセトニトリル/DMSO(ジメチルスルフォキシド)溶液に飽和するまで溶解させてインキとした。次に、このインキをインクジェットヘッド(マイクロジェットJHB−1000)を用いて4m/sの速度で有機半導体層34の表面の一部領域に複数回繰り返し印刷した。
大気中で自然乾燥後、さらに、真空中(10−3Pa)で2時間乾燥させることにより、有機半導体層34の表面の一部領域から厚さ方向に、有機半導体層34に含まれるHMTTFを電荷移動錯体である(HMTTF−TCNQ)に酸化して、(HMTTF−TCNQ)層(電極層)を形成した。電極層は、有機半導体層34の厚み内に有機半導体層34と一体的に形成された。
得られた電極層の厚さは印刷回数に比例して増加し、3回の印刷で約6μmであった。チャンネル長は150μmであり、チャンネル幅は900μmであった。
[有機薄膜トランジスタの評価]
上述の通り作製された電極層、すなわち(HMTTF−TCNQ)層のシート抵抗を測定した。結果として、シート抵抗は35kΩ/sq〜50kΩ/sqであり、得られた電極層は高い導電性を有しており、有機薄膜トランジスタの電極として十分な特性を有していることが確認できた。
作製された有機薄膜トランジスタの電気的特性を空気中で測定したところ、p型有機薄膜トランジスタの電気的特性を有しており、その電界効果移動度は2.0cm/Vsであった。
他方で、電極の材料を金(Au)とし、HMTTF層を有機半導体層とする有機薄膜トランジスタの電界効果移動度は、1.3cm/Vsであった。
[有機半導体層及びソース電極及びドレイン電極の作製]
有機半導体層の材料として、テトラメチルテトラチアフルバレン(TMTTF)を選択した。TMTTFは、電子供与性であり、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)と反応して高い導電性を示す電荷移動錯体であるテトラメチルテトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン(TMTTF−TCNQ)となる。
実施例2と全く同じ方法で作製した基板上に、圧力が10−3Paの真空下で、有機半導体層34としてTMTTF層を厚さが最大でも800nmとなるように蒸着して形成した。
次にソース電極33及びドレイン電極35を作製するにあたり、TMTTFを酸化することができる成分としてTCNQを選択した。
まず、TCNQを体積比1:1の酢酸エチル/DMSO(ジメチルスルフォキシド)溶液に飽和するまで溶解させてインキとした。次に、このインキをインクジェットヘッド(マイクロジェットJHB−1000)を用いて4m/sの速度で有機半導体層34の表面の一部領域に塗布した。
大気中で自然乾燥後、さらに、真空中で2時間乾燥させることにより、有機半導体層34の表面の一部領域から厚さ方向に、有機半導体層34に含まれるTMTTFを電荷移動錯体である(TMTTF−TCNQ)に酸化して、(TMTTF−TCNQ)層(電極層)を形成した。電極層は、有機半導体層34の厚み内に有機半導体層34と一体的に形成された。
得られた電極層のチャンネル長は250μmであり、チャンネル幅は1000μmであった。
[有機薄膜トランジスタの評価]
上述の通り作製された電極層、すなわち(TMTTF−TCNQ)層のシート抵抗を測定した。結果として、シート抵抗は35kΩ/sq〜50kΩ/sqであり、得られた電極層は高い導電性を有しており、有機薄膜トランジスタの電極として十分な特性を有していることが確認できた。
作製された有機薄膜トランジスタの電気的特性を空気中で測定したところ、p型有機薄膜トランジスタの電気的特性を有しており、その電界効果移動度は0.09cm/Vsであった。
1 基板
2 有機半導体層
2a 有機半導体層
3 絶縁層(ゲート絶縁膜)
4 ゲート電極
5 ソース電極
6 ドレイン電極
100、110、120、130、140、150、160、600 有機薄膜トランジスタ

Claims (7)

  1. ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、有機半導体層と、該有機半導体層と接合しているソース電極及びドレイン電極とを備える有機薄膜トランジスタの製造方法であって、
    電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキと前記有機半導体層とを接触させる工程と、
    前記インキと前記有機半導体層とを酸化還元反応させて、前記インキが接触した前記有機半導体層の一部領域から前記有機半導体層の厚さ方向に局在し、電荷移動錯体を含む前記ソース電極及び/または前記ドレイン電極を形成する工程と
    を含む、有機薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 前記インキと前記有機半導体層とを接触させる工程が、予め形成された前記有機半導体層の表面の一部領域に、前記電子供与性化合物又は前記電子受容性化合物を含む前記インキを塗布して該インキと前記有機半導体層とを接触させる工程である、請求項1に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 前記インキと前記半導体層とを接触させる工程が、インクジェット法により行われる、請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 前記有機半導体層がn型有機半導体を含み、前記インキが電子供与性化合物である金属化合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 電子供与性化合物又は電子受容性化合物を含むインキと有機半導体層とを接触させる工程と、前記インキと前記有機半導体層とを酸化還元反応させる工程とにより形成することができる、前記インキが接触した前記有機半導体層の一部領域から前記有機半導体層の厚さ方向に局在し、電荷移動錯体を含むソース電極及び/またはドレイン電極を備える、有機薄膜トランジスタ。
  6. 請求項5に記載の有機薄膜トランジスタを備える、面状光源。
  7. 請求項5に記載の有機薄膜トランジスタを備える、表示装置。
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