JPWO2007046391A1 - レンズユニットおよびレンズ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、レンズ間の距離に対する制約を大きくすることなく、レンズの滑らかな変位を可能にし、しかもレンズの位置精度の低下を抑えたレンズユニットおよびレンズ駆動装置に関する。第1〜第3案内部材25〜27は、第1〜第3軸線31〜33を有し、第1〜第3軸線31〜33は、平行に配置される。第1レンズ保持体28は、第1レンズ35保持部によって第1レンズ35を保持し、第1主摺動部37で第1案内部材25に摺動して案内されるとともに、第1副摺動部38で第3案内部材27に摺動して案内される。第2レンズ保持体29は、第2レンズ45保持部によって第1レンズ35と同軸に第2レンズ45を保持し、第2主摺動部47で第2案内部材26に摺動して案内されるとともに、第2副摺動部48で第3案内部材27に摺動して案内される。

Description

本発明は、レンズを変位させるためのレンズユニットに関する。
また本発明は、前記レンズユニットを含むレンズ駆動装置に関する。
撮像装置では、複数のレンズが同軸に設けられ、各レンズのいずれかを、それらの光軸方向に変位させることによって、光学ズームが実現される。レンズを変位させるための技術としては、後述の第1〜第5の従来技術が周知である。
第1の従来技術は、特開2001−242366号公報に開示されている。第1の従来技術では、電磁モータによって回転されるねじロッドと、ガイド軸とが、平行に配置される。レンズホルダは、レンズを保持する保持部と、ねじロッドが挿通して螺合する螺合部とを備える。レンズホルダは、ガイド軸によってねじロッドまわりの回転が規制されるようになっている。電磁モータによってねじロッドが回転されると、レンズホルダは、ねじロッドに沿う方向に変位する。
このような第1の従来技術では、ねじロッドとガイド軸とによって、レンズホルダの姿勢を維持している。このようにねじロッドがレンズホルダの姿勢の維持に寄与する場合、ねじロッドと螺合部との間の摩擦抵抗が大きくなる。ねじロッドと螺合部との間の摩擦抵抗が大きくなることによって、ねじロッドが回転しにくくなり、あるいはねじロッドが回転しなくなる。このような第1の従来技術では、レンズホルダ、したがってこのレンズホルダによって保持されるレンズを、滑らかに変位させることができないという問題がある。また、ねじロッド、または圧電素子に結合した棒状部材のような駆動力伝達部材は、それらを位置決めもしくは案内する部材に対して遊びが必要である。そのため、駆動力伝達部材がレンズホルダの姿勢の維持に関与する場合、レンズホルダの姿勢を高精度に維持することが困難である。
図12は、第2の従来技術のレンズユニットの構成を簡略化して示す斜視図である。第2の従来技術では、第1案内部材1と第2案内部材2とが、平行に配置される。
第1レンズ保持体3は、第1レンズ4を保持する第1保持部5と、第1主摺動部6と、第1副摺動部7とを備える。第1レンズ保持体3は、第1主摺動部6で第1案内部材1に案内されるとともに、第1副摺動部7で第2案内部材2に案内され、第1および第2案内部材1,2に沿って変位可能に設けられる。
第2レンズ保持体8は、第1レンズ4と同軸に第2レンズ9を保持する第2保持部10と、第2主摺動部11と、第2副摺動部12とを備える。第2レンズ保持体8は、第2主摺動部11で第1案内部材1に案内されるとともに、第2副摺動部12で第2案内部材2に案内され、第1および第2案内部材1,2に沿って変位可能に設けられる。
この第2の従来技術では、第1案内部材1に対して第1主摺動部6を滑らかに摺動させるために、第1主摺動部6は、第1案内部材1に沿う方向に延びるように形成されている。第1主摺動部6は、第1案内部材1に沿う方向に関して長いほど姿勢が安定し、摺動しやすくなる。また第2案内部材2に対して第2主摺動部11を滑らかに摺動させるために、第2主摺動部11は、第1案内部材1に沿う方向に延びるように形成されている。第2摺動部11は、第1案内部材1に沿う方向に関して長いほど姿勢が安定し、摺動しやすくなる。第2主摺動部11は、第2レンズ9よりも第1保持部5側に突出して設けられている。
このような第2の従来技術では、第1主摺動部6と第2主摺動部11とが同一の案内部材によって案内され、しかも第2主摺動部11が、第2レンズ9よりも第1保持部5側に突出している。したがって第1レンズ4と第2レンズ9とを近接させるときに、第1主摺動部6と第2主摺動部11とが干渉してしまうので、第1レンズ4と第2レンズ9とを充分に近接させることができないという問題がある。
図13は、第3の従来技術のレンズユニットの構成を簡略化して示す斜視図である。図14は、図13の矢符15方向から見た側面図である。第3の従来技術のレンズユニットは、第2の従来技術のレンズユニットに類似するので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
第3の従来技術では、第1主摺動部6は、第1レンズ4よりも、第2保持部10とは反対側に突出して設けられ、第2主摺動部11は、第2レンズ9よりも、第1保持部5とは反対側に突出して設けられる。第1案内部材1の両端部および第2案内部材2の両端部は、筐体16に固定されている。
このような第3の従来技術では、第1主摺動部6が、第1レンズ4よりも、第2保持部10とは反対側に突出して設けられ、第2主摺動部11が、第2レンズ9よりも、第1保持部5とは反対側に突出して設けられる。したがって第1レンズ4と第2レンズ9とを離反させるときに、第1主摺動部6と筐体16とが干渉してしまい、かつ第2主摺動部11と筐体16とが干渉してしまうので、第1レンズ4と第2レンズ9とを充分に離反させることができないという問題がある。
第4の従来技術は、特開2002−131611号公報に開示されている。第4の従来技術では、第1〜第3案内軸が、平行に配置される。第1可動レンズ枠は、第1レンズを保持する第1保持部と、第1案内軸を摺動する第1ガイドブッシュ部と、第2案内軸を摺動する第1回転止め部とを備える。第2可動レンズ枠は、第2レンズを保持する第2保持部と、第2案内軸を摺動する第2ガイドブッシュ部と、第3案内軸を摺動する第2回転止め部とを備える。第1ガイドブッシュ部は、第1レンズよりも、第2保持部側に突出している。第2ガイドブッシュ部は、第2レンズよりも、第1保持部側に突出している。
このような第4の従来技術では、第2ガイドブッシュ部と第1回転止め部とが同一の案内軸を摺動し、しかも第2ガイドブッシュ部が、第2レンズよりも、第1保持部側に突出している。したがって第1レンズと第2レンズとを近接させるときに、第2ガイドブッシュ部と第1回転止め部とが干渉してしまうので、第1レンズと第2レンズとを充分に近接させることができないという問題がある。
第5の従来技術は、第4の従来技術と同様、特開2002−131611号公報に開示されている。第5の従来技術では、第1〜第4案内軸が、平行に配置される。第1可動レンズ枠は、第1レンズを保持する第1保持部と、第1案内軸を摺動する第1ガイドブッシュ部と、第2案内軸を摺動する第1回転止め部とを備える。第2可動レンズ枠は、第2レンズを保持する第2保持部と、第3案内軸を摺動する第2ガイドブッシュ部と、第4案内軸を摺動する第2回転止め部とを備える。第1ガイドブッシュ部は、第1レンズよりも、第2保持部側に突出している。第2ガイドブッシュ部は、第2レンズよりも、第1保持部側に突出している。
このような第5の従来技術では、前記第4の従来技術の問題を解決することができるけれども、第1ガイドブッシュ部と第2ガイドブッシュ部とが、異なる案内軸を摺動するうえに、第1回転止め部と第2回転止め部とが、異なる案内軸を摺動するので、各案内軸の取付け誤差が累積して、レンズの位置精度が低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、レンズ間の距離に対する制約を大きくすることなく、レンズの滑らかな変位を可能にし、しかもレンズの位置精度の低下を抑えたレンズユニットおよびレンズ駆動装置を提供することである。
本発明は、第1軸線を有する第1案内部材と、
第1軸線と平行な第2軸線を有する第2案内部材と、
第1および第2軸線と平行な第3軸線を有する第3案内部材とを備えたレンズユニットであって、
第1案内部材に摺動し案内される第1主摺動部と、第3案内部材に摺動して案内され、第1軸線に沿う方向に関して第1主摺動部より小さい第1副摺動部とを備えた第1レンズ保持体と、
第2案内部材に摺動し案内される第2主摺動部と、第3案内部材に摺動して案内され、第2軸線に沿う方向に関して第2主摺動部より小さい第2副摺動部とを備えた第2レンズ保持体とを
含むことを特徴とするレンズユニットである。
また本発明は、第1主摺動部は、第1レンズよりも第2保持部側に突出して設けられることを特徴とする。
また本発明は、第2主摺動部は、第2レンズよりも第1保持部側に突出して設けられることを特徴とする。
また本発明は、第1レンズ保持体は、第1主摺動部と第1保持部との連結部位を補強する第1補強部をさらに備えることを特徴とする。
また本発明は、第2レンズ保持体は、第2主摺動部と第2保持部との連結部位を補強する第2補強部をさらに備えることを特徴とする。
また本発明は、第1および第2案内部材は、同一の部材に連結されることを特徴とする。
また本発明は、第1レンズ保持体は、第1軸線に垂直な面に垂直投影した場合、第1主摺動部の領域面積が第1保持部の領域面積よりも小さいことを特徴とする。
また本発明は、第2レンズ保持体は、第2軸線に垂直な面に垂直投影した場合、第2主摺動部の領域面積が第2保持部の領域面積よりも小さいことを特徴とする。
また本発明は、第1案内部材は、円柱状に形成され、
第1主摺動部は、円筒状に形成されて、第1案内部材が挿通され、
第1主摺動部の第1軸線に沿う方向に関する寸法をL1[m]とし、第1主摺動部の内径をD1[m]とし、第1案内部材の外径をd1[m]とし、第1レンズ保持体の傾きの許容値をα1[rad]とするとき、
L1>(D1・cosα1−d1)/sinα1
を満足するうに、第1主摺動部の第1軸線に沿う方向に関する寸法が選ばれることを特徴とする。
また本発明は、第2案内部材は、円柱状に形成され、
第2主摺動部は、円筒状に形成されて、第2案内部材が挿通され、
第2主摺動部の第2軸線に沿う方向に関する寸法をL2[m]とし、第2主摺動部の内径をD2[m]とし、第2案内部材の外径をd2[m]とし、第2レンズ保持体の傾きの許容値をα2[rad]とするとき、
L2>(D2・cosα2−d2)/sinα2
を満足するように、第2主摺動部の第2軸線に沿う方向に関する寸法が選ばれることを特徴とする。
また本発明は、前記レンズユニットと、
第1レンズ保持体を、第1および第3軸線に沿って変位駆動する第1駆動手段と、
第2レンズ保持体を、第2および第3軸線に沿って変位駆動する第2駆動手段とを含むことを特徴とする4レンズ駆動装置である。
また本発明は、第1駆動手段は、
第1軸線に沿って変位可能に設けられ、第1レンズ保持体に当接して、第1レンズ保持体を第1軸線に沿う方向一方へ押圧する第1押圧片と、
第1押圧片を第1軸線に沿って変位駆動する第1駆動源と、
第1レンズ保持体を第1軸線に沿う方向他方へ弾発的に押圧する第1ばね力発生手段とを含むことを特徴とする。
また本発明は、第1ばね力発生手段は、圧縮コイルばねであり、第1案内部材に外嵌されることを特徴とする。
また本発明は、第1主摺動部の第1軸線に沿う方向に関する寸法をL1[m]とし、第1案内部材と第1主摺動部との間の静止摩擦係数をμ1とし、第1押圧片による第1軸線に沿う方向一方への押圧力をF1[N]とし、前記押圧力の作用点と第1軸線との間の距離をh11[m]とし、第1軸線と第3軸線との間の距離をh21[m]とし、第3案内部材と第1副摺動部との間の摺動抵抗をW1[N]とするとき、
L1>2・μ1・(F1・h11+W1・h21)/(F1−W1)
を満足するように、第1主摺動部の第1軸線に沿う方向に関する寸法が選ばれることを特徴とする。
また本発明は、第2駆動手段は、
第2軸線に沿って変位可能に設けられ、第2レンズ保持体に当接して、第2レンズ保持体を第2軸線に沿う方向一方へ押圧する第2押圧片と、
第2押圧片を第2軸線に沿って変位駆動する第2駆動源と、
第2レンズ保持体を第2軸線に沿う方向他方へ弾発的に押圧する第2ばね力発生手段とを含むことを特徴とする。
また本発明は、第2ばね力発生手段は、圧縮コイルばねであり、第2案内部材に外嵌されることを特徴とする。
また本発明は、第2主摺動部の第2軸線に沿う方向に関する寸法をL2[m]とし、第2案内部材と第2主摺動部との間の静止摩擦係数をμ2とし、第2押圧片による第2軸線に沿う方向一方への押圧力をF2[N]とし、前記押圧力の作用点と第2軸線との間の距離をh12[m]とし、第2軸線と第3軸線との間の距離をh22[m]とし、第3案内部材と第2副摺動部との間の摺動抵抗をW2[N]とするとき、
L2>2・μ2・(F2・h12+W2・h22)/(F2−W2)
を満足するように、第2主摺動部の第2軸線に沿う方向に関する寸法が選ばれることを特徴とする。
本発明の目的、特色、および利点は、下記の詳細な説明と図面とからより明確になるであろう。
図1は、本発明の実施の一形態であるレンズユニット21の構成を示す斜視図である。
図2は、レンズユニット21の平面図である。
図3は、第1レンズ保持体28を示す斜視図である。
図4は、レンズユニット21の斜視図である。
図5は、図2の切断面線S5−S5から見た断面図である。
図6は、撮像装置24の外観を示す斜視図である。
図7は、撮像装置24を分解して示す分解斜視図である。
図8は、レンズ駆動装置76の斜視図である。
図9は、レンズ駆動装置76の断面図である。
図10は、第1主摺動部37および第1副摺動部38を拡大して模式的に示す図である。
図11は、第1主摺動部37を拡大して模式的に示す図である。
図12は、第2の従来技術のレンズユニットの構成を簡略化して示す斜視図である。
図13は、第3の従来技術のレンズユニットの構成を簡略化して示す斜視図である。
図14は、図13の矢符15方向から見た側面図である。
以下図面を参考にして本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の一形態であるレンズユニット21の構成を示す斜視図である。図2は、レンズユニット21の平面図である。図1および図2では、蓋部材22を省略している。図1では、筐体23の一部を切り欠いている。
本実施の形態のレンズユニット21は、デジタルカメラなどの携帯機器に搭載される撮像装置24の一部を構成する。レンズユニット21は、第1案内部材25と、第2案内部材26と、第3案内部材27と、第1レンズ保持体28と、第2レンズ保持体29と、筐体23と、蓋部材22(図4参照)とを含む。
第1案内部材25は、第1軸線31を有する。第1案内部材25には、第1軸線31に沿う方向に延びる第1案内部が形成される。第1案内部は、第1軸線31に垂直な断面形状が、第1軸線31に沿う方向に一様である。本実施の形態では、第1案内部材25は、円柱状に形成され、この第1案内部材25における第1軸線31に沿う方向の両端部間の中間部が、第1案内部となる。
第2案内部材26は、第1軸線31と平行な第2軸線32を有する。第2案内部材26には、第2軸線32に沿う方向に延びる第2案内部が形成される。第2案内部は、第2軸線32に垂直な断面形状が、第2軸線32に沿う方向に一様である。本実施の形態では、第2案内部材26は、円柱状に形成され、この第2案内部材26における第2軸線32に沿う方向の両端部間の中間部が、第2案内部となる。
第3案内部材27は、第1および第2軸線31,32と平行な第3軸線33を有する。第3案内部材27には、第3軸線33に沿う方向に延びる第3案内部が形成される。第3案内部は、第3軸線33に垂直な断面形状が、第3軸線33に沿う方向に一様である。本実施の形態では、第3案内部材27は、円柱状に形成され、この第3案内部材27における第3軸線33に沿う方向の両端部間の中間部が、第3案内部となる。
本実施の形態では、第1および第2軸線31,32を含む平面からずれた位置に、第3軸線33が配置される。第1軸線31と第3軸線33との間の距離は、第2軸線32と第3軸線33との間の距離と同一または略同一である。
本実施の形態においては、第1〜第3軸線31〜33に沿う方向を、第1方向Aという。ここで、第1方向Aに垂直な面と第1軸線31との交点を、第1交点とし、第1方向Aに垂直な面と第2軸線32との交点を、第2交点とし、第1方向Aに垂直な面と第3軸線33との交点を、第3交点とする。このとき、第1交点と第2交点とを結ぶ線分に沿う方向を、第2方向Bといい、第1交点から第2交点に向かう方向を第2方向一方B1といい、その反対方向を第2方向他方B2という。また第1交点と第2交点とを結ぶ線分に第3交点から下ろした垂線に沿う方向を、第3方向Cといい、前記線分と垂線との交点から第3交点に向かう方向を第3方向一方C1といい、その反対方向を第3方向他方C2という。
図3は、第1レンズ保持体28を示す斜視図である。第1レンズ保持体28は、第1レンズ35を保持する第1保持部36と、第1主摺動部37と、第1方向Aに関して第1主摺動部37よりも小さい寸法を有する第1副摺動部38と、第1主摺動部37と第1保持部36との連結部位を補強する第1補強部39(図2参照)とを備える。第1レンズ保持体28は、第1主摺動部37に第1案内部材25が挿入された状態で第1主摺動部37が第1案内部材25に摺動して案内されるとともに、第1副摺動部38に第3案内部材27が挿入された状態で第1副摺動部38が第3案内部材27に摺動して案内され、第1方向Aに変位可能に設けられる。
第1保持部36は、第3方向Cに関して第1案内部材25と第3案内部材27との間に介在する。第1保持部36は、板状である。第1保持部36には、その厚み方向に貫通する第1貫通孔41が形成され、この第1貫通孔41には、第1レンズ35が設けられる。第1保持部36の厚み方向および第1レンズ35の光軸方向は、第1方向Aに平行である。
第1主摺動部37は、第1保持部36に屈曲して連なり、第1方向Aに延びる。第1主摺動部37は、円筒状に形成されて、第1案内部材25が挿入される。本実施の形態では、第1主摺動部37は、第1レンズ35よりも、第1方向一方A1に突出して設けられる。
第1副摺動部38は、第1保持部36に連なる。第1副摺動部38は、第1方向Aに関して、第1保持部36と同一位置に設けられる。第1副摺動部38は、第1方向Aから見た形状が大略的にU字状に形成されて、第3案内部材27が挿入される。
第1副摺動部38は、第1保持部36に連なる第1基部42と、第1基部42に連なり第3案内部材27に第1軸線31まわりの周方向一方から当接する第1周方向一方当接部43と、第1基部42に連なり第2案内部材26に第1軸線31まわりの周方向他方から当接する第1周方向他方当接部44とを含む。第1副摺動部38は、第1軸線31まわりの回転半径方向外方に開放されており、これによって第1軸線31と第3軸線33との間の距離の誤差を許容することができる。
第1補強部39は、第1保持部36における第1主摺動部37の近傍部分と第1主摺動部37における第1保持部36の近傍部分とを連結するリブによって実現される。このような第1補強部39によって、第1主摺動部37と第1保持部36との連結部位が補強されるので、落下などによる衝突時の衝撃によって第1レンズ保持体28が破損してしまうという不具合を回避することができる。
第1レンズ保持体28は、第1方向Aに垂直な面に垂直投影した場合、第1主摺動部37の領域面積が第1保持部36の領域面積よりも小さい。このように第1レンズ保持体28が形成されるので、第1案内部材25と第2案内部材26との間の距離が小さくても、第1レンズ35と第2レンズ45とを近接させるときに、第1主摺動部37と後述の第2主摺動部47とが干渉してしまうという不具合を回避することができる。
図1を再び参照して、第2レンズ保持体29は、第1レンズ35と同軸に第2レンズ45を保持する第2保持部46と、第2主摺動部47と、第1方向Aに関して第2主摺動部47よりも小さい寸法を有する第2副摺動部48と、第2主摺動部47と第2保持部46との連結部位を補強する第2補強部49(図2参照)とを備える。第2レンズ保持体29は、第2主摺動部47に第2案内部材26が挿入された状態で第2主摺動部47が第2案内部材26に摺動して案内されるとともに、第2副摺動部48に第3案内部材27が挿入された状態で第2副摺動部48が第3案内部材27に摺動して案内され、第1方向Aに変位可能に設けられる。
第2保持部46は、第3方向Cに関して第2案内部材26と第3案内部材27との間に介在し、第1保持部36よりも第1方向他方A2に設けられる。第2保持部46は、板状である。第2保持部46には、その厚み方向に貫通する第2貫通孔51が形成され、この第2貫通孔51には、第2レンズ45が設けられる。第2保持部46の厚み方向および第2レンズ45の光軸方向は、第1方向Aに平行である。
第2主摺動部47は、第2保持部46に屈曲して連なり、第1方向Aに延びる。第2主摺動部47は、円筒状に形成されて、第2案内部材26が挿入される。本実施の形態では、第2主摺動部47は、第2レンズ45よりも、第1方向一方A1に突出して設けられる。
第2副摺動部48は、第2保持部46に連なる。第2副摺動部48は、第1方向Aに関して、第2保持部46と同一位置に設けられる。第2副摺動部48は、第1方向Aから見た形状が大略的にU字状に形成されて、第3案内部材27が挿入される。
第2副摺動部48は、第2保持部46に連なる第2基部52と、第2基部52に連なり第2案内部材26に第2軸線32まわりの周方向一方から当接する第2周方向一方当接部53と、第2基部52に連なり第3案内部材27に第2軸線32まわりの周方向他方から当接する第2周方向他方当接部54とを含む。第2副摺動部48は、第2軸線32まわりの回転半径方向外方に開放されており、これによって第2軸線32と第3軸線33との間の距離の誤差を許容することができる。
第2補強部49は、第2保持部46における第2主摺動部47の近傍部分と第2主摺動部47における第2保持部46の近傍部分とを連結するリブによって実現される。このような第2補強部49によって、第2主摺動部47と第2保持部46との連結部位が補強されるので、落下などによる衝突時の衝撃によって第2レンズ保持体29が破損してしまうという不具合を回避することができる。
第2レンズ保持体29は、第1方向Aに垂直な面に垂直投影した場合、第2主摺動部47の領域面積が第2保持部46の領域面積よりも小さい。このように第2レンズ保持体29が形成されるので、第1案内部材25と第2案内部材26との間の距離が小さくても、第1レンズ35と第2レンズ45とを近接させるときに、第1主摺動部37と第2主摺動部47とが干渉してしまうという不具合を回避することができる。
本実施の形態では、第1主摺動部37には、第1案内部材25が挿通する第1挿通孔が形成され、第1副摺動部38には、第3案内部材27が嵌まり込む第1嵌合溝が形成される。また第2主摺動部47には、第2案内部材26が挿通する第2挿通孔が形成され、第2副摺動部48には、第3案内部材27が嵌まり込む第2嵌合溝が形成される。
第1および第2挿通孔の内周面は、第1および第2案内部材25,26の外周面よりも公差の範囲内でわずかに大きく形成され、第1および第2嵌合溝の内周面は、第3案内部材27の外周面よりも公差の範囲内でわずかに大きく形成される。
このように第1および第2挿通孔ならびに第1および第2嵌合溝が形成されるので、第1レンズ保持体28は、第1主摺動部37に第1案内部材25が挿入され、かつ第1副摺動部38に第3案内部材27が挿入された状態で、第1方向Aに変位可能であり、第2レンズ保持体29は、第2主摺動部47に第2案内部材26が挿入され、かつ第2副摺動部48に第3案内部材27が挿入された状態で、第1方向Aに変位可能である。
また前述のように第1および第2挿通孔が形成されるので、第1および第2レンズ保持体28,29が第1方向Aに変位するとき、第1および第2挿通孔の内周面には、第1および第2案内部材25,26のうち前記各挿通孔における変位方向上流側の端部および下流側の端部に臨む領域の周方向の少なくとも一部が、接触する。このような状態で、第1および第2主摺動部37,47が第1および第2案内部材25,26に摺動して案内される。
図4は、レンズユニット21の斜視図である。図5は、図2の切断面線S5−S5から見た断面図である。図4では、蓋部材22を取り外した状態を示す。図5では、第1および第2レンズ保持体28,29を省略している。
筐体23は、略矩形板状に形成される底部56と、底部56の短辺側一側部に屈曲して連なり底部56の厚み方向一方に立設する第1側壁部57と、底部56の短辺側他側部に屈曲して連なり底部56の厚み方向一方に立設する第2側壁部58と、底部56の長辺側一側部に屈曲して連なり底部56の厚み方向一方に立設する第3側壁部59とを含む。これらの各部56〜59によって、収容空間が形成される。筐体23は、金型を用いて、一体成形される。
このような筐体23内には、第1および第2レンズ保持体28,29が設けられる。筐体23は、底部56の反対側と第3側壁部59の反対側とが開放されているので、第1および第2レンズ保持体28,29ならびに第1〜第3案内部材25〜27の組付け作業が容易である。
本実施の形態では、第1方向Aは、底部56の長手方向に平行であり、第2方向Bは、底部56の幅方向に平行であり、第3方向Cは、底部56の幅方向に平行である。
底部56は、第1および第2レンズ保持体28,29に関して、第2方向他方B2側に設けられる。第1側壁部57は、第1および第2レンズ保持体28,29に関して、第1方向一方A1側に設けられる。第2側壁部58は、第1および第2レンズ保持体28,29に関して、第1方向他方A2側に設けられる。第3側壁部59は、第1および第2レンズ保持体28,29に関して、第3方向一方C1側に設けられる。
第1側壁部57には、第1〜第3案内部材25〜27の各一端部が挿入される3つの挿入孔61,62,63が形成される。第1側壁部57に形成される各挿入孔61〜63は、第1方向Aに延びて、第1側壁部57を貫通する。第2側壁部58には、第1〜第3案内部材25〜27の各他端部が挿入される3つの挿入孔64,65,66が形成される。第2側壁部58に形成される各挿入孔64〜66は、第1方向Aに延びて、第1側壁部57を貫通する。第1〜第3案内部材25〜27は、各挿入孔61〜66に圧入されて、固定されて連結される。
このように第1〜第3案内部材25〜27が、同一の部材である筐体23に連結されるので、異なる部材に連結される場合に比べて、第1〜第3案内部材25〜27の平行度が高くなる。なぜなら、異なる部材に連結される場合は、異なる部材を組み立てるときの誤差があるけれども、同一の部材に連結される場合は、そのような誤差がないからである。
筐体23は、一体の部品として成形されるので、金型の調整によって、各挿入孔61〜66の相対位置精度を高めることができる。各挿入孔61〜66の相対位置精度を高めることによって、第1〜第3案内部材25〜27の平行度を高くすることができる。このように第1〜第3案内部材25〜27の平行度を高くすることによって、第1および第2主摺動部37,47が、異なる案内部材に案内されても、第1および第2レンズ35,45の位置精度を高くすることができ、良好な光学特性を得ることができる。
第1側壁部57は、第1および第2レンズ35,45と同軸に第3レンズ70を保持する。第1側壁部57には、第1方向Aに貫通する貫通孔71が形成され、この貫通孔71に、前記第3レンズ70が設けられる。第2側壁部58は、第1および第2レンズ35,45と同軸に第4レンズ72を保持する。第2側壁部58には、第1方向Aに貫通する貫通孔73が形成され、この貫通孔73に、前記第4レンズ72が設けられる。
蓋部材22は、略矩形板状に形成される。蓋部材22は、底部56の反対側から、第1および第2レンズ保持体28,29を覆う。蓋部材22は、第1および第2レンズ保持体28,29ならびに第1〜第3案内部材25〜27を組み付けた後で、接着剤によって筐体23に固定される。
図6は、撮像装置24の外観を示す斜視図である。図7は、撮像装置24を分解して示す分解斜視図である。撮像装置24は、レンズ駆動装置76と、撮像基板77とを含む。
撮像基板77は、板状の基材78と、基材78の厚み方向一方側の表面部に設けられる撮像素子79とを含む。撮像素子79は、電荷結合素子(Charge Coupled Device、略称CCD)を用いたイメージセンサ、すなわちCCDイメージセンサによって実現される。撮像基板77は、撮像素子79が第3レンズ70に臨む状態で、第1方向一方A1から第1側壁部57に、接着剤によって固定される。
図8は、レンズ駆動装置76の斜視図である。図9は、レンズ駆動装置76の断面図である。レンズ駆動装置76は、前記図1〜図5に示すレンズユニット21と、第1レンズ保持体28を、第1方向Aに変位駆動する第1駆動手段81と、第2レンズ保持体29を、第1方向Aに変位駆動する第2駆動手段82とを含む。
レンズユニット21には、後述の第1および第2駆動源86,96を支持する支持体83が、ボルト部材と接着剤とによって固定される。支持体83は、第3側壁部59の反対側から第1および第2レンズ保持体28,29を覆う。
第1駆動手段81は、第1方向Aに変位可能に設けられ、第1レンズ保持体28に当接して、第1レンズ保持体28を第1方向他方A2へ押圧する第1押圧片85と、第1押圧片85を第1方向Aに変位駆動する第1駆動源86と、第1レンズ保持体28を第1方向一方A1へ弾発的に押圧する第1ばね力発生手段である第1圧縮コイルばね87とを含む。
第1駆動源86は、支持体83に固定される第1モータ88と、この第1モータ88によって回転駆動される第1ねじ軸89とを含む。第1モータ88は、ステッピングモータによって実現される。第1モータ88としてステッピングモータが用いられることによって、第1レンズ保持体28の位置を検出するための位置検出手段が不要となり、撮像装置24の小型化および低コスト化を図ることができる。
第1モータ88の出力軸は、第1方向Aと平行である。第1ねじ軸89は、第1方向Aに延びて、その軸線まわりに回転可能に、支持体83に設けられる。第1ねじ軸89は、第2方向Bに関して、第1案内部材25と第2案内部材26との間に配置される。
第1モータ88の出力軸には、第1入力歯車90が固定される。第1ねじ軸89の一端部には、第1出力歯車91が固定される。第1入力歯車90と第1出力歯車91との間には、第1中間歯車92が介在する。第1中間歯車92は、第1方向Aに延びる軸線まわりに回転可能に、支持体83に設けられる。第1中間歯車92は、第1入力歯車90に噛合するとともに、第1出力歯車91に噛合する。このような構成によって、第1モータ88の出力軸の回転をねじ軸に伝達することができる。
第1レンズ保持体28は、第1押圧片85に係合する第1係合部93をさらに備える。第1係合部93は、第1主摺動部37に連なる。第1押圧片85には、第1ねじ軸89が挿通して螺合する。第1係合部93は、第1方向他方A2から第1押圧片85に当接するとともに、第1ねじ軸89の軸線まわりの周方向両方から第1押圧片85に当接する。このように第1係合部93が、第1ねじ軸89の軸線まわりの周方向両方から第1押圧片85に当接するので、第1ねじ軸89が回転しても、第1押圧片85は回転しない。したがって第1ねじ軸89がその軸線まわりに回転することによって、第1押圧片85が第1方向Aに変位する。
第1圧縮コイルばね87は、第1案内部材25に外嵌され、第2側壁部58と第1主摺動部37との間に配置される。第1圧縮コイルばね87は、第1案内部材25に外嵌されるので、落下などによる衝突時の衝撃によって、第1圧縮コイルばね87が外れてしまうという不具合を防ぐことができる。第1圧縮コイルばね87が第1案内部材25に外嵌された構成を実現するには、第1圧縮コイルばね87に第1案内部材25を挿通するだけでよく、したがって組立性が良い。
このような第1駆動手段81では、第1押圧片85は、第1レンズ保持体28を第1方向他方A2へ押圧し、第1圧縮コイルばね87は、第1レンズ保持体28を第1方向一方A1へ押圧する。第1駆動源86によって第1押圧片85を第1方向Aに変位駆動し、これによって第1レンズ保持体28を、第1方向Aに変位駆動することができる。このとき、第1圧縮コイルばね87によって第1レンズ保持体28を第1方向一方A1へ押圧しているので、変位駆動時のがたつきの発生を抑えることができる。
第2駆動手段82は、第1方向Aに変位可能に設けられ、第2レンズ保持体29に当接して、第2レンズ保持体29を第1方向他方A2へ押圧する第2押圧片95と、第2押圧片95を第1方向Aに変位駆動する第2駆動源96と、第2レンズ保持体29を第1方向一方A1へ弾発的に押圧する第2ばね力発生手段である第2圧縮コイルばね97とを含む。
第2駆動源96は、支持体83に固定される第2モータ98と、この第2モータ98によって回転駆動される第2ねじ軸99とを含む。第2モータ98は、ステッピングモータによって実現される。第2モータ98としてステッピングモータが用いられることによって、第2レンズ保持体29の位置を検出するための位置検出手段が不要となり、撮像装置24の小型化および低コスト化を図ることができる。
第2モータ98の出力軸は、第1方向Aと平行である。第2ねじ軸99は、第1方向Aに延びて、その軸線まわりに回転可能に、支持体83に設けられる。第2ねじ軸99は、第2方向Bに関して、第2案内部材26よりも第2方向一方B1に配置される。
第2モータ98の出力軸には、第2入力歯車100が固定される。第2ねじ軸99の一端部には、第2出力歯車101が固定される。第2入力歯車100と第2出力歯車101との間には、第2中間歯車102が介在する。第2中間歯車102は、第1方向Aに延びる軸線まわりに回転可能に、支持体83に設けられる。第2中間歯車102は、第2入力歯車100に噛合するとともに、第2出力歯車101に噛合する。このような構成によって、第2モータ98の出力軸の回転をねじ軸に伝達することができる。
第2レンズ保持体29は、第2押圧片95に係合する第2係合部103をさらに備える。第2係合部103は、第2主摺動部47に連なる。第2押圧片95には、第2ねじ軸99が挿通して螺合する。第2係合部103は、第1方向他方A2から第2押圧片95に当接するとともに、第2ねじ軸99の軸線まわりの周方向両方から第2押圧片95に当接する。このように第2係合部103が、第2ねじ軸99の軸線まわりの周方向両方から第2押圧片95に当接するので、第2ねじ軸99が回転しても、第2押圧片95は回転しない。したがって第2ねじ軸99がその軸線まわりに回転することによって、第2押圧片95が第1方向Aに変位する。
第2圧縮コイルばね97は、第2案内部材26に外嵌され、第2側壁部58と第2主摺動部47との間に配置される。第2圧縮コイルばね97は、第2案内部材26に外嵌されるので、落下などによる衝突時の衝撃によって、第2圧縮コイルばね97が外れてしまうという不具合を防ぐことができる。第2圧縮コイルばね97が第2案内部材26に外嵌された構成を実現するには、第2圧縮コイルばね97に第2案内部材26を挿通するだけでよく、したがって組立性が良い。
このような第2駆動手段82では、第2押圧片95は、第2レンズ保持体29を第1方向他方A2へ押圧し、第2圧縮コイルばね97は、第2レンズ保持体29を第1方向一方A1へ押圧する。第2駆動源96によって第2押圧片95を第1方向Aに変位駆動し、これによって第2レンズ保持体29を、第1方向Aに変位駆動することができる。このとき、第2圧縮コイルばね97によって第2レンズ保持体29を第1方向一方A1へ押圧しているので、変位駆動時のがたつきの発生を抑えることができる。
第1レンズ保持体28の駆動時の原点位置には、第1原点センサ106が配置される。第1原点センサ106は、筐体23に固定される。第1原点センサ106は、発光素子と受光素子とを含むフォトインタラプタによって実現される。第1レンズ保持体28は、第1保持部36に連なる第1遮光部107をさらに備える。第1レンズ保持体28が原点位置に変位したとき、発光素子からの光が第1遮光部107によって遮断される。第1原点センサ106は、遮光状態と非遮光状態とで、異なる信号を出力する。この第1原点センサ106からの信号を用いることによって、第1レンズ保持体28が原点位置に変位したことを検出することができる。
第2レンズ保持体29の駆動時の原点位置には、第2原点センサ108が配置される。第2原点センサ108は、筐体23に固定される。第2原点センサ108は、発光素子と受光素子とを含むフォトインタラプタによって実現される。第2レンズ保持体29は、第2保持部46に連なる第2遮光部109をさらに備える。第2レンズ保持体29が原点位置に変位したとき、発光素子からの光が第2遮光部109によって遮断される。第2原点センサ108は、遮光状態と非遮光状態とで、異なる信号を出力する。この第2原点センサ108からの信号を用いることによって、第2レンズ保持体29が原点位置に変位したことを検出することができる。
このようなレンズ駆動装置76は、第1駆動手段81によって、第1レンズ保持体28を第1方向Aに変位駆動し、第2駆動手段82によって、第2レンズ保持体29を第1方向Aに変位駆動して、第1レンズ35と第2レンズ45との間の距離を、各レンズ35,45の光軸を一致させた状態で、変化させることができる。
図10は、第1主摺動部37および第1副摺動部38を拡大して模式的に示す図である。ここで、第1主摺動部37の第1方向Aに関する寸法をL1[m]とし、第1案内部材25と第1主摺動部37との間の静止摩擦係数をμ1とし、第1押圧片85による第1方向一方A1への押圧力をF1[N]とし、前記押圧力の作用点と第1軸線31との間の距離をh11[m]とし、第1軸線31と第3軸線33との間の距離をh21[m]とし、第3案内部材27と第1副摺動部38との間の摺動抵抗をW1[N]とする。また、第1主摺動部37の内径をD1[m]とする。
第1主摺動部37と第1案内部材25との第1方向他方A2の接点を第1接点P11とし、第1主摺動部37と第1案内部材25との第1方向一方A1の接点を第2接点P21としたとき、第1接点P11と前記押圧力の作用点との第1方向Aに関する距離をL11とし、第2接点P21と前記押圧力の作用点との第1方向Aに関する距離をL21とし、第1接点P11と第2接点P21との第1方向Aに関する距離をL1とする。第1接点P11に作用する抗力をR11[N]とし、第2接点P21に作用する抗力をR21[N]とする。第1接点P11に発生する摩擦力は、Q11=μ1・R11であり、第2接点P21に発生する摩擦力は、Q21=μ1・R21である。
第1主摺動部37が摺動するためには、以下の式(1)〜(3)が成立する。
F1・h11+W1・h21−R11・L11−R21・L21
−Q11・(D1/2)+Q21・(D1/2)=0 …(1)
R11=R21=R1 …(2)
F1>Q11+Q21+W1 …(3)
以上の式(1)〜(3)を整理すると、以下の式(4)が導かれる。
L1>2・μ1・(F1・h11+W1・h21)/(F1−W1) …(4)
簡単のために、第3案内部材27と第1副摺動部38との間の摺動抵抗をW1=0とすると、以下の式(5)が成立する。
0.5>μ1・h11/L1 …(5)
第1主摺動部37の第1方向Aに関する寸法L1が小さい場合、式(5)が満たされない。これは、第1主摺動部37の第1方向Aに関する寸法L1が小さい場合は、第1および第2接点P11,P21に大きな摩擦力が発生し、第1主摺動部37の摺動性が悪化することを意味する。
前記押圧力の作用点と第1軸線31との間の距離h11が大きい場合も、式(5)が満たされない。これは、てこの原理によって、第1および第2接点P11,P21に作用する抗力R11,R21が大きくなり、これによって第1および第2接点P11,P21に発生する摩擦力Q11,Q21の増大して、第1主摺動部37の摺動性が悪化することを意味する。この点を考慮すると、前記押圧力の作用点と第1軸線31との間の距離h11は、小さい方がよい。また静止摩擦係数μ1が小さい方が、第1主摺動部37が摺動しやすいのは明らかである。
静止摩擦係数μ1は、材料、使用環境、量産時の環境によって大きく変化し、正確な測定が困難であるが、樹脂−ステンレス間では、0.2〜0.6程度の値である。前記押圧力の作用点と第1軸線31との間の距離h11は、第1案内部材25の外径と、第1主摺動部37の肉厚を考慮すると、少なくとも1.5mm程度は必要である。以上のことから、第1主摺動部37の摺動性を向上させるためには、第1主摺動部37の第1方向Aに関する寸法L1を大きくすることが、最も有効である。この点を踏まえて、本実施の形態では、式(5)を満足するように、第1主摺動部37の第1軸線31に沿う方向に関する寸法が選ばれる。第1主摺動部37の第1軸線31に沿う方向に関する寸法の上限値は、筐体23内で第1主摺動部37が第1案内部材25を摺動できる大きさに選ばれる。
第1主摺動部37の第1軸線31に沿う方向に関する寸法L1が、L1>2・μ1・(F1・h11+W1・h21)/(F1−W1)を満足するように選ばれるので、第1主摺動部37と第1案内部材25との間の摺動抵抗が充分に小さくなり、第1レンズ35を滑らかに変位させることができる。
第2主摺動部47の第2軸線32に沿う方向に関する寸法については、前述の第1主摺動部37の第1軸線31に沿う方向に関する寸法に類似するので、簡略化して説明する。第2主摺動部47の第1方向Aに関する寸法をL2[m]とし、第2案内部材26と第2主摺動部47との間の静止摩擦係数をμ2とし、第2押圧片95による第1方向一方A1への押圧力をF2[N]とし、前記押圧力の作用点と第2軸線32との間の距離をh12[m]とし、第2軸線32と第3軸線33との間の距離をh22[m]とし、第3案内部材27と第2副摺動部48との間の摺動抵抗をW2[N]とするとき、
L2>2・μ2・(F2・h12+W2・h22)/(F2−W2) …(6)
を満足するように、第2主摺動部47の第2軸線32に沿う方向に関する寸法が選ばれる。第2主摺動部47の第2軸線32に沿う方向に関する寸法の上限値は、筐体23内で第2主摺動部47が第2案内部材26を摺動できる大きさに選ばれる。
第2主摺動部47の第1方向Aに関する寸法L2が、L2>2・μ2・(F2・h12+W2・h22)/(F2−W2)を満足するように選ばれるので、第2主摺動部47と第2案内部材26との間の摺動抵抗が充分に小さくなり、第2レンズ45を滑らかに変位させることができる。
図11は、第1主摺動部37を拡大して模式的に示す図である。第1主摺動部37の内径は、第1案内部材25の外径よりも、数十μm程度大きい。これは、温度変化による変形によっては、第1主摺動部37の内径が、第1案内部材25の外径よりも小さくなって第1主摺動部37が第1案内部材25を摺動しなくなることを防ぐためである。第1主摺動部37と第1案内部材25との間のわずかな隙間によって、摺動時に第1レンズ保持体28が傾く。この第1レンズ保持体28の傾きを小さくするために、第1主摺動部37の第1軸線31に沿う方向に関する寸法を大きくする。
ここで、第1主摺動部37の第1方向Aに関する寸法をL1[m]とし、第1主摺動部37の内径をD1[m]とし、第1案内部材25の外径をd1[m]とし、第1レンズ保持体28の傾きの許容値をα1[rad]とし、第1レンズ保持体28の傾きをθ1[rad](0<θ1<α1<π/2)とする。このとき、以下の式(7)が成立する。
L1・tanθ1+d1/cosθ1=D1 …(7)
この式(7)を変形すると、
L1(θ1)=(D1・cosθ1−d1)/sinθ1 …(8)
となる。L1(θ1)は、0<θ<π/2の範囲では単調減少関数であるので、θ<αであるためには、L1(θ1)>L1(α1)であればよい。つまり、以下の式(9)が成立すれば、第1レンズ保持体28の傾きは、許容値であるα1[rad]以下となり、光学特性は保たれる。
L1>(D1・cosα1−d1)/sinα1 …(9)
この点を踏まえて、本実施の形態では、式(9)を満足するように、第1主摺動部37の第1軸線31に沿う方向に関する寸法が選ばれる。第1主摺動部37の第1軸線31に沿う方向に関する寸法の上限値は、筐体23内で第1主摺動部37が第1案内部材25を摺動できる大きさに選ばれる。
第1主摺動部37の第1軸線31に沿う方向に関する寸法L1が、L1>(D1・cosα1−d1)/sinα1を満足するように選ばれるので、第1レンズ35の傾きが、許容範囲内に抑えられ、良好な光学特性を得ることができる。
第2主摺動部47の第2軸線32に沿う方向に関する寸法については、前述の第1主摺動部37の第1軸線31に沿う方向に関する寸法に類似するので、簡略化して説明する。第2主摺動部47の第1方向Aに関する寸法をL2[m]とし、第2主摺動部47の内径をD2[m]とし、第2案内部材26の外径をd2[m]とし、第2レンズ保持体29の傾きの許容値をα2[rad]とするとき、
L2>(D2・cosα2−d2)/sinα2 …(10)
を満足するように、第2主摺動部47の第2軸線32に沿う方向に関する寸法が選ばれる。第2主摺動部47の第2軸線32に沿う方向に関する寸法の上限値は、筐体23内で第2主摺動部47が第2案内部材26を摺動できる大きさに選ばれる。
第2主摺動部47の第2軸線32に沿う方向に関する寸法L2が、L2>(D2・cosα2−d2)/sinα2を満足するように選ばれるので、第2レンズ45の傾きが、許容範囲内に抑えられ、良好な光学特性を得ることができる。
以上のような本実施の形態によれば、第1〜第3案内部材25〜27は、第1〜第3軸線31〜33を有し、第1〜第3軸線31〜33は、平行に配置される。第1レンズ保持体28は、第1レンズ35保持部によって第1レンズ35を保持し、第1主摺動部37で第1案内部材25に摺動して案内されるとともに、第1副摺動部38で第3案内部材27に摺動して案内され、第1方向Aに変位可能に設けられる。第2レンズ保持体29は、第2レンズ45保持部によって第1レンズ35と同軸に第2レンズ45を保持し、第2主摺動部47で第2案内部材26に摺動して案内されるとともに、第2副摺動部48で第3案内部材27に摺動して案内され、第1方向Aに変位可能に設けられる。したがって第1レンズ35と第2レンズ45との間の距離を、各レンズの光軸を一致させた状態で、変化させることができる。
第1主摺動部37と第2主摺動部47とは、異なる案内部材に案内されるので、第1レンズ35と第2レンズ45とを近接させるときに、第1主摺動部37と第2主摺動部47とが干渉してしまうという不具合が回避される。また第1副摺動部38は、第1方向Aに関して第1主摺動部37よりも小さい寸法を有し、かつ第2副摺動部48は、第1方向Aに関して第2主摺動部47よりも小さい寸法を有するので、第1副摺動部38と第2副摺動部48とが同一の案内部材に案内されていても、第1レンズ35と第2レンズ45とを近接させるときに、第1副摺動部38と第2副摺動部48とが干渉してしまうという不具合が回避される。このように第1主摺動部37と第2主摺動部47とが干渉してしまうという不具合が回避され、しかも第1副摺動部38と第2副摺動部48とが干渉してしまうという不具合が回避されるので、第1レンズ35と第2レンズ45とを充分に近接させることができる。
第1および第2レンズ保持体28,29は、光学ズームの際に変位駆動される。本実施の形態では、第1主摺動部37と第2主摺動部47とが干渉してしまうという不具合が回避されるので、第1レンズ35と第2レンズ45とを、たとえば0.3mm程度の間隔まで近接させることができる。また本実施の形態では、第2主摺動部47が第2レンズ45よりも第1方向一方A1に突出して設けられるので、第2レンズ45を、第4レンズ72に対してたとえば0.3mmの間隔まで近接させることができる。
第1副摺動部38と第2副摺動部48とは、同一の案内部材に案内されるので、異なる案内部材に案内される場合に比べて、各案内部材の取付け誤差の累積が小さく、これによって第1および第2レンズ35,45の位置精度が高くなる。また第1副摺動部38と第2副摺動部48とは、同一の案内部材に案内されるので、異なる案内部材に案内される場合に比べて、案内部材の本数が少なくなり、これによってレンズユニット21が組み立てやすくなる。
また本実施の形態によれば、第2主摺動部47が、第2レンズ45よりも第1保持部36側に突出して設けられるので、反対側に突出して設けられる場合に比べて、第1レンズ35と第2レンズ45とを離反させることができる。換言すれば、第2主摺動部47の第1方向Aに関する寸法を、式(6)および(10)を満足するように選んでも、筐体23を大型化する必要がないので、レンズユニット21の小型化を図ることができる。
第1主摺動部37は、式(6)および(10)を満足するので、第1主摺動部37と第1案内部材25との間の摺動抵抗が小さくなり、また第1案内部材25に対する第1主摺動部37の傾きが抑えられる。第1主摺動部37と第1案内部材25との間の摺動抵抗が小さくなることによって、第1レンズ35を滑らかに変位させることができる。また第1案内部材25に対する第1主摺動部37の傾きが抑えられることによって、第1レンズ35の光軸の傾きを抑えることができる。
第2主摺動部37は、式(6)および(10)を満足するので、第2主摺動部47と第2案内部材26との間の摺動抵抗が小さくなり、また第2案内部材26に対する第2主摺動部47の傾きが抑えられる。第2主摺動部47と第2案内部材26との間の摺動抵抗が小さくなることによって、第2レンズ45を滑らかに変位させることができる。また第2案内部材26に対する第2主摺動部47の傾きが抑えられることによって、第2レンズ45の光軸の傾きを抑えることができる。
また本実施の形態によれば、第1軸線31と第3軸線33との間の距離は、第2軸線32と第3軸線33との間の距離と同一または略同一である。したがって、第1レンズ保持体28の位置精度と、第2レンズ保持体29の位置精度とを、同じ程度にすることができる。
前述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば第1主摺動部37が、第1レンズ35よりも第2保持部46側に突出して設けられ、かつ第2主摺動部37が、第2レンズ45よりも第1保持部36側に突出して設けられてもよい。この場合、筐体23を大型化することなく、第1レンズ35と第2レンズ45とをさらに離反させることができる。また第1および第2駆動源86,96は、共通であってもよい。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
本発明によれば、第1〜第3案内部材は、第1〜第3軸線を有し、第1〜第3軸線は、平行に配置される。第1レンズ保持体は、第1レンズ保持部によって第1レンズを保持し、第1主摺動部で第1案内部材に摺動して案内されるとともに、第1副摺動部で第3案内部材に摺動して案内され、第1および第3軸線に沿って変位可能に設けられる。第2レンズ保持体は、第2レンズ保持部によって第1レンズと同軸に第2レンズを保持し、第2主摺動部で第2案内部材に摺動して案内されるとともに、第2副摺動部で第3案内部材に摺動して案内され、第2および第3軸線に沿って変位可能に設けられる。したがって第1レンズと第2レンズとの間の距離を、各レンズの光軸を一致させた状態で、変化させることができる。
第1主摺動部は、第1レンズ保持体を第1軸線に沿って摺動させるとともに、摺動時に第1レンズ保持体の、第1軸線に対する傾きを抑える。第1主摺動部は、第1軸線に沿う方向に関する寸法が大きいほど、第1案内部材に対する第1主摺動部の傾きが抑えられる。そのため、第1レンズの光軸の傾きを抑えることができる。また、第1軸線に沿う方向に関する寸法が大きいほど、第1主摺動部と第1案内部材との間の摺動抵抗が小さくなる。
第2主摺動部は、第2レンズ保持体を第2軸線に沿って摺動させるとともに、摺動時に第2レンズ保持体の、第2軸線に対する傾きを抑える。第2主摺動部は、第2軸線に沿う方向に関する寸法が大きいほど、第2案内部材に対する第2主摺動部の傾きが抑えられる。そのため、第2レンズの光軸の傾きを抑えることができる。また、第2軸線に沿う方向に関する寸法が大きいほど、第2主摺動部と第2案内部材との間の摺動抵抗が小さくなる。
第1副摺動部は、第3案内部材と摺動し、第1レンズ保持体が第1案内部材まわりに回転することを防ぐ。第1軸線に沿う方向の寸法は、第1主摺動部よりも小さい。
第2副摺動部は、第3案内部材と摺動し、第2レンズ保持体が第2案内部材まわりに回転することを防ぐ。第2軸線に沿う方向の寸法は、第2主摺動部よりも小さい。
第1主摺動部と第2主摺動部とは、異なる案内部材に案内されるので、第1レンズと第2レンズとを近接させるときに、第1主摺動部と第2主摺動部とが干渉してしまうという不具合が回避される。また第1副摺動部と第2副摺動部は、第1主摺動部および第2主摺動部と比べ、第1軸線に沿う方向の寸法が小さい。したがって、第1副摺動部と第2副摺動部とが同一の案内部材に案内されていても、第1レンズと第2レンズとを近接させるときに、第1副摺動部と第2副摺動部とが干渉してしまうという不具合が回避される。このように第1主摺動部と第2主摺動部とが干渉してしまうという不具合が回避され、しかも第1副摺動部と第2副摺動部とが干渉してしまうという不具合が回避されるので、第1レンズと第2レンズとを充分に近接させることができる。
第1副摺動部と第2副摺動部とは、同一の案内部材に案内されるので、異なる案内部材に案内される場合に比べて、各案内部材の取付け誤差の累積が小さく、これによって第1および第2レンズの位置精度が高くなる。また第1副摺動部と第2副摺動部とは、同一の案内部材に案内されるので、異なる案内部材に案内される場合に比べて、案内部材の本数が少なくなり、これによってレンズユニットが組み立てやすくなる。
本発明によれば、第1主摺動部が、第1レンズよりも第2保持部側に突出して設けられるので、反対側に突出して設けられる場合に比べて、第1レンズと第2レンズとを離反させることができるとともに、レンズユニットを小型化できる。
本発明によれば、第2主摺動部が、第2レンズよりも第1保持部側に突出して設けられるので、反対側に突出して設けられる場合に比べて、第1レンズと第2レンズとを離反させることができるとともに、レンズユニットを小型化できる。
本発明によれば、第1補強部によって、第1主摺動部と第1保持部との連結部位が補強されるので、落下などによる衝突時の衝撃によって第1レンズ保持体が破損してしまうという不具合を回避することができる。
本発明によれば、第2補強部によって、第2主摺動部と第2保持部との連結部位が補強されるので、落下などによる衝突時の衝撃によって第2レンズ保持体が破損してしまうという不具合を回避することができる。
本発明によれば、第1および第2案内部材が同一の部材に連結されるので、異なる部材に連結される場合に比べて、第1および第2案内部材の平行度が高くなる。なぜなら、異なる部材に連結される場合は、異なる部材を組み立てるときの誤差があるけれども、同一の部材に連結される場合は、そのような誤差がないからである。第1および第2案内部材の平行度が高くなることによって、第1および第2レンズの位置精度が高くなる。
本発明によれば、第1軸線に垂直な面に垂直投影した場合、第1主摺動部の領域面積が第1保持部の領域面積よりも小さいので、第1案内部材と第2案内部材との間の距離が小さくても、第1レンズと第2レンズとを近接させるときに、第1主摺動部と第2主摺動部とが干渉してしまうという不具合を回避することができる。
本発明によれば、第2軸線に垂直な面に垂直投影した場合、第2主摺動部の領域面積が第2保持部の領域面積よりも小さいので、第1案内部材と第2案内部材との間の距離が小さくても、第1レンズと第2レンズとを近接させるときに、第1主摺動部と第2主摺動部とが干渉してしまうという不具合を回避することができる。
本発明によれば、第1主摺動部の第1軸線に沿う方向に関する寸法L1が、L1>(D1・cosα1−d1)/sinα1を満足するように選ばれるので、第1レンズの傾きが、許容範囲内に抑えられ、良好な光学特性を得ることができる。
本発明によれば、第2主摺動部の第2軸線に沿う方向に関する寸法L2が、L2>(D2・cosα2−d2)/sinα2を満足するように選ばれるので、第2レンズの傾きが、許容範囲内に抑えられ、良好な光学特性を得ることができる。
本発明によれば、第1駆動手段によって、第1レンズ保持体を、第1および第3軸線に沿って変位駆動し、第2駆動手段によって、第2レンズ保持体を、第2および第3軸線に沿って変位駆動して、第1レンズと第2レンズとの間の距離を、各レンズの光軸を一致させた状態で、変化させることができる。
本発明によれば、第1押圧片は、第1レンズ保持体を第1軸線に沿う方向一方へ押圧し、第1ばね力発生手段は、第1レンズ保持体を第1軸線に沿う方向他方へ押圧する。第1駆動源によって第1押圧片を第1軸線に沿って変位駆動し、これによって第1レンズ保持体を、第1軸線に沿って変位駆動することができる。このとき、第1ばね力発生手段によって第1レンズ保持体を第1軸線に沿う方向他方へ押圧しているので、変位駆動時のがたつきの発生を抑えることができる。
本発明によれば、第1ばね力発生手段は、圧縮コイルばねであり、第1案内部材に外嵌されるので、落下などによる衝突時の衝撃によって、圧縮コイルばねが外れてしまうという不具合を防ぐことができる。
本発明によれば、第1主摺動部の第1軸線に沿う方向に関する寸法L1が、L1>2・μ1・(F1・h11+W1・h21)/(F1−W1)を満足するように選ばれるので、第1主摺動部と第1案内部材との間の摺動抵抗が充分に小さくなり、第1レンズを滑らかに変位させることができる。
本発明によれば、第2押圧片は、第2レンズ保持体を第2軸線に沿う方向一方へ押圧し、第2ばね力発生手段は、第2レンズ保持体を第2軸線に沿う方向他方へ押圧する。第2駆動源によって第2押圧片を第2軸線に沿って変位駆動し、これによって第2レンズ保持体を、第2軸線に沿って変位駆動することができる。このとき、第2ばね力発生手段によって第2レンズ保持体を第2軸線に沿う方向他方へ押圧しているので、変位駆動時のがたつきの発生を抑えることができる。
本発明によれば、第2ばね力発生手段は、圧縮コイルばねであり、第2案内部材に外嵌されるので、落下などによる衝突時の衝撃によって、圧縮コイルばねが外れてしまうという不具合を防ぐことができる。
本発明によれば、第2主摺動部の第2軸線に沿う方向に関する寸法L2が、L2>2・μ2・(F2・h12+W2・h22)/(F2−W2)を満足するように選ばれるので、第2主摺動部と第2案内部材との間の摺動抵抗が充分に小さくなり、第2レンズを滑らかに変位させることができる。

Claims (17)

  1. 第1軸線を有する第1案内部材と、
    第1軸線と平行な第2軸線を有する第2案内部材と、
    第1および第2軸線と平行な第3軸線を有する第3案内部材とを備えたレンズユニットであって、
    第1案内部材に摺動し案内される第1主摺動部と、第3案内部材に摺動して案内され、第1軸線に沿う方向に関して第1主摺動部より小さい第1副摺動部とを備えた第1レンズ保持体と、
    第2案内部材に摺動し案内される第2主摺動部と、第3案内部材に摺動して案内され、第2軸線に沿う方向に関して第2主摺動部より小さい第2副摺動部とを備えた第2レンズ保持体
    とを含むことを特徴とするレンズユニット。
  2. 第1主摺動部は、第1レンズよりも第2保持部側に突出して設けられることを特徴とする請求項1記載のレンズユニット。
  3. 第2主摺動部は、第2レンズよりも第1保持部側に突出して設けられることを特徴とする請求項1または2記載のレンズユニット。
  4. 第1レンズ保持体は、第1主摺動部と第1保持部との連結部位を補強する第1補強部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  5. 第2レンズ保持体は、第2主摺動部と第2保持部との連結部位を補強する第2補強部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  6. 第1および第2案内部材は、同一の部材に連結されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  7. 第1レンズ保持体は、第1軸線に垂直な面に垂直投影した場合、第1主摺動部の領域面積が第1保持部の領域面積よりも小さいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  8. 第2レンズ保持体は、第2軸線に垂直な面に垂直投影した場合、第2主摺動部の領域面積が第2保持部の領域面積よりも小さいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  9. 第1案内部材は、円柱状に形成され、
    第1主摺動部は、円筒状に形成されて、第1案内部材が挿通され、
    第1主摺動部の第1軸線に沿う方向に関する寸法をL1[m]とし、第1主摺動部の内径をD1[m]とし、第1案内部材の外径をd1[m]とし、第1レンズ保持体の傾きの許容値をα1[rad]とするとき、
    L1>(D1・cosα1−d1)/sinα1
    を満足するように、第1主摺動部の第1軸線に沿う方向に関する寸法が選ばれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  10. 第2案内部材は、円柱状に形成され、
    第2主摺動部は、円筒状に形成されて、第2案内部材が挿通され、
    第2主摺動部の第2軸線に沿う方向に関する寸法をL2[m]とし、第2主摺動部の内径をD2[m]とし、第2案内部材の外径をd2[m]とし、第2レンズ保持体の傾きの許容値をα2[rad]とするとき、
    L2>(D2・cosα2−d2)/sinα2
    を満足するように、第2主摺動部の第2軸線に沿う方向に関する寸法が選ばれることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載のレンズユニットと、
    第1レンズ保持体を、第1および第3軸線に沿って変位駆動する第1駆動手段と、
    第2レンズ保持体を、第2および第3軸線に沿って変位駆動する第2駆動手段とを含むことを特徴とするレンズ駆動装置。
  12. 第1駆動手段は、
    第1軸線に沿って変位可能に設けられ、第1レンズ保持体に当接して、第1レンズ保持体を第1軸線に沿う方向一方へ押圧する第1押圧片と、
    第1押圧片を第1軸線に沿って変位駆動する第1駆動源と、
    第1レンズ保持体を第1軸線に沿う方向他方へ弾発的に押圧する第1ばね力発生手段とを含むことを特徴とする請求項11記載のレンズ駆動装置。
  13. 第1ばね力発生手段は、圧縮コイルばねであり、第1案内部材に外嵌されることを特徴とする請求項12記載のレンズ駆動装置。
  14. 第1主摺動部の第1軸線に沿う方向に関する寸法をL1[m]とし、第1案内部材と第1主摺動部との間の静止摩擦係数をμ1とし、第1押圧片による第1軸線に沿う方向一方への押圧力をF1[N]とし、前記押圧力の作用点と第1軸線との間の距離をh11[m]とし、第1軸線と第3軸線との間の距離をh21[m]とし、第3案内部材と第1副摺動部との間の摺動抵抗をW1[N]とするとき、
    L1>2・μ1・(F1・h11+W1・h21)/(F1−W1)
    を満足するように、第1主摺動部の第1軸線に沿う方向に関する寸法が選ばれることを特徴とする請求項12または13記載のレンズ駆動装置。
  15. 第2駆動手段は、
    第2軸線に沿って変位可能に設けられ、第2レンズ保持体に当接して、第2レンズ保持体を第2軸線に沿う方向一方へ押圧する第2押圧片と、
    第2押圧片を第2軸線に沿って変位駆動する第2駆動源と、
    第2レンズ保持体を第2軸線に沿う方向他方へ弾発的に押圧する第2ばね力発生手段とを含むことを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載のレンズ駆動装置。
  16. 第2ばね力発生手段は、圧縮コイルばねであり、第2案内部材に外嵌されることを特徴とする請求項15記載のレンズ駆動装置。
  17. 第2主摺動部の第2軸線に沿う方向に関する寸法をL2[m]とし、第2案内部材と第2主摺動部との間の静止摩擦係数をμ2とし、第2押圧片による第2軸線に沿う方向一方への押圧力をF2[N]とし、前記押圧力の作用点と第2軸線との間の距離をh12[m]とし、第2軸線と第3軸線との間の距離をh22[m]とし、第3案内部材と第2副摺動部との間の摺動抵抗をW2[N]とするとき、
    L2>2・μ2・(F2・h12+W2・h22)/(F2−W2)を満足するように、第2主摺動部の第2軸線に沿う方向に関する寸法が選ばれることを特徴とする請求項15または16記載のレンズ駆動装置。
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