JPWO2007026491A1 - 平版印刷用原版、および平版印刷用原版の感光層用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
画線形成能力に優れ、かつ非画線部の親水性が良好であるばかりではなく、耐刷性に優れた平版印刷版を与える原版を提供する。具体的には、親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子および光熱変換剤を含む感光層を有する平版印刷用原版であって、前記親水性ポリマーが、ポリマー鎖中に、アルコール性ヒドロキシル基およびカルボキシル基のいずれをも実質的に含有しない(例えば、前記親水性ポリマーの繰り返し単位のうち、1.5モル%以下の繰り返し単位はアルコール性ヒドロキシル基またはカルボキシル基を含有する)平版印刷用原版を提供する。
Description
本発明は、平版印刷用原版、および平版印刷用原版の感光層用樹脂組成物に関する。
平版印刷用版とは平版印刷に用いられる印刷版であり、平版印刷用版の表面はインクが付着する画線部と、インクが付着せずに反発する非画線部とからなる。通常、非画線部は水を吸着して保持する。平版印刷用版を用いて印刷をするには、まず非画線部に水を与えて、非画線部にインクが反発するようにする。したがって、平版印刷版の表面の非画線部は親水性材料からなり、この親水性材料の特性が平版印刷版の性能に大きな影響を与える。
平版印刷用版として最も普及しているのはPS版とよばれる版である。PS版とは、支持体と該支持体に塗布された感光層を含み、光が照射された感光層が現像されて印刷版として用いられる。しかしながら、近年は環境問題などから現像処理を必要としない平版印刷用原版の開発検討が盛んにおこなわれている。
本出願人は、現像や拭き取り操作が不要な平版印刷用原版として、親水性ポリマー、架橋剤、光熱変換剤および疎水性ポリマーからなる感光層用樹脂組成物を架橋した親水性樹脂感光層を含み、光が照射された部位の感光層表面が、親水性から親インク性に変化する平版印刷用原版を提案している(特許文献1および特許文献2を参照)。
本出願人は、現像や拭き取り操作が不要な平版印刷用原版として、親水性ポリマー、架橋剤、光熱変換剤および疎水性ポリマーからなる感光層用樹脂組成物を架橋した親水性樹脂感光層を含み、光が照射された部位の感光層表面が、親水性から親インク性に変化する平版印刷用原版を提案している(特許文献1および特許文献2を参照)。
上記特許文献1および2に代表される、親水性樹脂からなる感光層が親インク性に変化する原理を利用した平版印刷用原版は、極めて優れた性能を有する。一方で、これらの文献に具体的に示されている平版印刷用原版から得られる平版印刷版は、印刷経時において非画線部の感光層の親水性が徐々に低下して、非画線部に地汚れが発生する場合もあった。そこで、この平版印刷用原版には、さらなる耐刷能力の改良が求められていた。
例えば特許文献2には、親水性ポリマーとしてポリアクリルアミドを用いた感光層を有する平版印刷版が具体的に示されているが、この印刷版の画線形成能力は必ずしも十分でなく、精密な線を描けない場合がある。画線形成能力を高めるためには画線部の親インク性の程度が重要である。親インク性を高めるために、疎水性ポリマーを感光層に添加しているが、単に疎水性ポリマーを添加するだけでは、親水性の長期耐久性が低下し、地汚れを起こす原因となることがある。
国際公開第01/083234号パンフレット
特開2004−276277号公報
したがって本発明の目的は、画線形成能力に優れ、かつ非画線部の親水性が良好であるばかりではなく、耐刷性に優れた平版印刷版を与える原版を提供することである。耐刷性に優れるとは、長期にわたって印刷に使用した場合にも、非画線部が地汚れを発生させず、かつ画線部が着肉不良を発生させにくいことを含む。また、そのような平版印刷用原版の製造に好適な感光層用樹脂組成物を提供する。
本発明者らは、前述の平版印刷用原版の感光層に含まれる親水性ポリマーを、特定の構造とすることで、これらの問題が解決できることを見出して本発明を完成した。
すなわち本発明の第一は、以下に示す平版印刷用原版に関する。
[1] 親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子および光熱変換剤を含む感光層を有する平版印刷用原版において、前記親水性ポリマーが、ポリマー鎖中に、アルコール性ヒドロキシル基およびカルボキシル基のいずれをも実質的に含有しない平版印刷用原版。
[2] 前記親水性ポリマーの繰り返し単位のうち、1.5モル%以下の繰り返し単位は、アルコール性ヒドロキシル基またはカルボキシル基を含有する、[1]に記載の平版印刷用原版。
[3] 前記親水性ポリマーが、下記一般式(1)および一般式(2)で示される繰り返し単位の少なくとも一方を含有する、[1]または[2]に記載の平版印刷用原版。
[1] 親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子および光熱変換剤を含む感光層を有する平版印刷用原版において、前記親水性ポリマーが、ポリマー鎖中に、アルコール性ヒドロキシル基およびカルボキシル基のいずれをも実質的に含有しない平版印刷用原版。
[2] 前記親水性ポリマーの繰り返し単位のうち、1.5モル%以下の繰り返し単位は、アルコール性ヒドロキシル基またはカルボキシル基を含有する、[1]に記載の平版印刷用原版。
[3] 前記親水性ポリマーが、下記一般式(1)および一般式(2)で示される繰り返し単位の少なくとも一方を含有する、[1]または[2]に記載の平版印刷用原版。
[4] 前記親水性ポリマーが、下記一般式(3)で示される化合物および下記一般式(4)で示される化合物の少なくとも一方を含むモノマー組成物の重合体である、[1]〜[3]のいずれかに記載の平版印刷用原版。
[5] 前記感光層における前記親水性ポリマーの含有率が、20〜60質量%である、[1]〜[4]のいずれかに記載の平版印刷用原版。
本発明の第二は、以下に示す感光層用の樹脂組成物に関する。
[6] 親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子、光熱変換剤および水を含む平版印刷用原版の感光層用樹脂組成物において、前記親水性ポリマーが、ポリマー鎖中に、アルコール性ヒドロキシル基およびカルボキシル基のいずれをも実質的に含有しない、平版印刷用原版の感光層用樹脂組成物。
[7] 前記親水性ポリマーの繰り返し単位のうち、1.5モル%以下の繰り返し単位は、アルコール性ヒドロキシル基またはカルボキシル基を含有する、[6]に記載の感光層用樹脂組成物。
[8] 前記親水性ポリマーが、下記一般式(1)および一般式(2)で示される繰り返し単位の少なくともいずれか一方を含有する、[6]または[7]に記載の感光層用樹脂組成物。
[6] 親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子、光熱変換剤および水を含む平版印刷用原版の感光層用樹脂組成物において、前記親水性ポリマーが、ポリマー鎖中に、アルコール性ヒドロキシル基およびカルボキシル基のいずれをも実質的に含有しない、平版印刷用原版の感光層用樹脂組成物。
[7] 前記親水性ポリマーの繰り返し単位のうち、1.5モル%以下の繰り返し単位は、アルコール性ヒドロキシル基またはカルボキシル基を含有する、[6]に記載の感光層用樹脂組成物。
[8] 前記親水性ポリマーが、下記一般式(1)および一般式(2)で示される繰り返し単位の少なくともいずれか一方を含有する、[6]または[7]に記載の感光層用樹脂組成物。
[9] 前記親水性ポリマーが、下記一般式(3)で示される化合物および下記一般式(4)で示される化合物の少なくとも一方を含むモノマー組成物の重合体である、[6]〜[8]のいずれかに記載の感光層用樹脂組成物。
[10] 前記親水性ポリマーを20〜60質量部、前記架橋剤を10〜40質量部、前記疎水性ポリマー粒子を20〜50質量部、前記光熱変換剤を3〜30質量部の比率で含有する、[6]〜[9]のいずれかに記載の感光層用樹脂組成物。
本発明の第三は、以下に示す平版印刷用原板の製造方法に関する。
[11] 基板、ならびに親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子および光熱変換剤を含む感光層を有する平版印刷用原版の製造方法であって、前記基板上に、[6]〜[10]のいずれかに記載の感光層用樹脂組成物からなる薄膜を形成するステップを含む製造方法。
[11] 基板、ならびに親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子および光熱変換剤を含む感光層を有する平版印刷用原版の製造方法であって、前記基板上に、[6]〜[10]のいずれかに記載の感光層用樹脂組成物からなる薄膜を形成するステップを含む製造方法。
本発明によれば、画線形成能力に優れ、かつ非画線部の親水性が良好であるばかりでなく、長期にわたって印刷に使用した場合にも、非画線部が地汚れを発生させず、かつ画線部が着肉不良を起こすことのない、耐刷性に優れた平版印刷用原版が提供される。本発明の平版印刷用原版を用いれば、現像や拭き取り等の工程が不要で、かつ画線形成能力および耐刷性に優れた印刷版を得ることができる。
1.感光層用樹脂組成物について
本発明の平版印刷用原版の感光層用樹脂組成物は、(a)親水性ポリマー、(b)架橋剤、(c)疎水性ポリマー粒子、(d)光熱変換剤、および(e)水を含有し、所望により(f)他の成分を含有してもよい。
本発明の平版印刷用原版の感光層用樹脂組成物は、(a)親水性ポリマー、(b)架橋剤、(c)疎水性ポリマー粒子、(d)光熱変換剤、および(e)水を含有し、所望により(f)他の成分を含有してもよい。
(a)親水性ポリマー
本発明の感光層用樹脂組成物に含有される親水性ポリマーは、1)そのポリマーを構成する繰り返し単位のうち少なくとも一部の繰り返し単位が親水性基を有し、かつ2)そのポリマー鎖中に、アルコール性ヒドロキシル基およびカルボキシル基のいずれをも実質的に有しないことを特徴とする(以下において、アルコール性ヒドロキシル基またはカルボキシル基を「OH基」と称することがある)。また、親水性ポリマーは自己架橋性を示さず、構造的には強固な水素結合で結晶化していないものが好ましい。さらに親水性ポリマーは、感光層用樹脂組成物において水に溶解していることが好ましい。
本発明の感光層用樹脂組成物に含有される親水性ポリマーは、1)そのポリマーを構成する繰り返し単位のうち少なくとも一部の繰り返し単位が親水性基を有し、かつ2)そのポリマー鎖中に、アルコール性ヒドロキシル基およびカルボキシル基のいずれをも実質的に有しないことを特徴とする(以下において、アルコール性ヒドロキシル基またはカルボキシル基を「OH基」と称することがある)。また、親水性ポリマーは自己架橋性を示さず、構造的には強固な水素結合で結晶化していないものが好ましい。さらに親水性ポリマーは、感光層用樹脂組成物において水に溶解していることが好ましい。
親水性ポリマーは、OH基を実質的に有しないポリマーであるが、本発明の効果を損なわない範囲でOH基を含有しても構わない。実質的に有しないとは、例えば親水性ポリマーを構成する繰り返し単位のうち、OH基を含む繰り返し単位のモル比率が1.5モル%以下であるか、好ましくは1.0モル%以下であることを意味する。
親水性ポリマーは、その繰り返し単位のうち1.5モル%以下の繰り返し単位は、OH基を含有する繰り返し単位でありうるが、このように極少量のOH基を含有する親水性ポリマーは、OH基を有する不飽和化合物を含むモノマーと他のモノマーを含むモノマー組成物を共重合させることによって得られる。
OH基を有する不飽和化合物の例には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メチロール(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。また、(メタ)アクリル酸などの一塩基不飽和酸;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸およびその無水物などの二塩基不飽和酸、ならびにこれら二塩基不飽和酸のモノエステル、モノアミドなども含まれる。「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルのいずれでもよいと解釈される。
親水性ポリマーを構成する繰り返し単位のうち、OH基を含有する繰り返し単位の合計が1.5モル%以下となる限り、共重合されるモノマー組成物には、二種以上のOH基を有する不飽和化合物が含まれていてもよい。
感光層用樹脂組成物に含有される親水性ポリマーを構成する繰り返し単位のうち、OH基を含む繰り返し単位のモル比率は、当該親水性ポリマーの原料モノマー組成物におけるOH基を含むモノマーの含有比率とみなしてもよく;または親水性ポリマーの水酸基価や酸価から推定されてもよい。
親水性ポリマーはアルコール性ヒドロキシル基およびカルボキシル基を実質的に有しないので、架橋剤(後述)との反応が生じにくい。そのため、形成された感光層において親水性ポリマーのポリマー鎖の自由度が高まると考えられる。親水性ポリマーのポリマー鎖の自由度が高まることにより、感光層は親水性をより発揮することができると考えられる。すなわち、版面に付着したインク汚れが速やかに取り除かれ、また印刷経時においても、持続的な親水性能力が発揮されうる。
前述の通り親水性ポリマーは、そのポリマーを構成する繰り返し単位のうち少なくとも一部の繰り返し単位に親水性基を含む。ここで少なくとも一部とは、全繰り返し単位のうちの90モル%以上、好ましくは95モル%以上、より好ましくはOH基を含む繰り返し単位以外の全ての繰り返し単位を意味する。
親水性基の例には、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、オキシメチレン基、オキシエチレン基などが含まれ、下記式(X)または式(Y)で示される基が好ましい。
親水性基を含む繰り返し単位の例には、下記一般式(1)および一般式(2)で示される繰り返し単位が含まれる。
本発明の親水性ポリマーは、一般式(1)および(2)で示される繰り返し単位の少なくともいずれか一方を、ポリマー主鎖中に含有していることが好ましいが、親水性ポリマーは付加重合型のポリマーであっても、縮合重合型のポリマー(例えばポリアミノ酸、天然タンパク質など)であってもよい。
一般式(1)および一般式(2)で示される繰り返し単位の少なくともいずれか一方を含有する親水性ポリマーを含む樹脂組成物から得られる感光層は、親水性に優れ、非画線部が汚れにくく、かつ一旦付着した汚れも速やかに除去される平版印刷用原版を提供することができる。
一般式(1)および一般式(2)で示される繰り返し単位の少なくともいずれか一方を含有する親水性ポリマーは、簡便には、下記一般式(3)で示される化合物または一般式(4)で示される化合物の少なくともいずれか一方を含むモノマー組成物を重合または共重合させることで得られる。
式(3)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2およびR3はそれぞれ、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示し、互に同一であっても異なっていてもよい。低級とは、例えば炭素数1〜4であることを意味する。一般式(3)で示される化合物の具体例には、アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。
式(4)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、Aは(CH2)n(ただしnは4〜6の整数を示す)、または(CH2)2O(CH2)2を示す。一般式(4)で示される化合物の具体例には、N-アクリロイルモルホリンなどが含まれる。
親水性ポリマーのより具体的な例には、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-アクリロイルモルホリンなどから選ばれた一種または二種以上の化合物を主成分とするモノマー組成物の重合体などが挙げられる。
親水性ポリマーは、アクリルアミドを重合、またはアクリルアミドと他の不飽和モノマーとを共重合して得られるポリマーが特に好ましく、親水性ポリマーを構成する繰り返し単位のうち、アクリルアミド由来の繰り返し単位のモル比が90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であることがさらに好ましい。
親水性ポリマーは、アクリルアミドを重合、またはアクリルアミドと他の不飽和モノマーとを共重合して得られるポリマーが特に好ましく、親水性ポリマーを構成する繰り返し単位のうち、アクリルアミド由来の繰り返し単位のモル比が90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であることがさらに好ましい。
親水性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、1万〜2千万であることが好ましく、10万〜500万であることがより好ましい。親水性ポリマーの重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であると、感光層を構成する他の材料(例えば、疎水性ポリマー粒子)との相溶性が低くなり、印刷時に湿し水の供給が不足しやすい部分(例えば、版の両端部や画像の多い部分)における汚れの発生をも抑制される。また感光層を形成するための感光層用樹脂組成物の粘度を適切に調整することができるので、原版の製造において感光層用樹脂組成物を塗工することにより、平滑な感光層表面を得ることができる。このように、感光層が良好な親水性を発現するために、親水性ポリマーの分子量は上記範囲にあることが好ましい。
重量平均分子量(Mw)は、例えばゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)等により測定される。
重量平均分子量(Mw)は、例えばゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)等により測定される。
本発明の感光層用樹脂組成物における親水性ポリマーの含有量は、固形分として20〜60質量%であることが好ましく、25〜50質量%であることがより好ましい。「固形分」とは、樹脂組成物に含まれる溶媒(水を含む)以外の成分を意味する。親水性ポリマーの含有量が上記範囲内にあると、形成される感光層の親水性が高まり、版面に付着したインク汚れを速やかに取り除くことができ、また印刷経時においても、持続的にその親水性を維持する。さらに、親水性ポリマーの含有量が上記範囲内にあると、形成された感光層の硬度が高くなり、感光層の水への溶解が防止されるので好ましい。
(b)架橋剤
本発明の感光層用樹脂組成物に含まれる架橋剤(以下「本発明における架橋剤」ともいう)は、自己架橋性を有することが好ましい。自己架橋性とは、化合物が有する架橋性官能基同士が反応して架橋結合する性質をいう。また架橋剤は、感光層用樹脂組成物において水に溶解していることが好ましい。本発明における架橋剤は、一分子あたり二以上の架橋性官能基を有する化合物であればよいが、三以上の架橋性官能基を有する化合物であることが好ましい。
本発明の感光層用樹脂組成物に含まれる架橋剤(以下「本発明における架橋剤」ともいう)は、自己架橋性を有することが好ましい。自己架橋性とは、化合物が有する架橋性官能基同士が反応して架橋結合する性質をいう。また架橋剤は、感光層用樹脂組成物において水に溶解していることが好ましい。本発明における架橋剤は、一分子あたり二以上の架橋性官能基を有する化合物であればよいが、三以上の架橋性官能基を有する化合物であることが好ましい。
本発明における架橋剤の例には、二以上のエポキシ基を有する化合物、ならびにメチロール基およびイミノ基を有する化合物などが含まれる。
二以上のエポキシ基を有する化合物の例には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリコールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルなどが含まれる。かかる化合物の市販品の例としては、ナガセケムテックス株式会社製のエポキシ化合物「デナコールTM」シリーズ等が挙げられる。
メチロール基およびイミノ基を有する化合物の例には、メチル化メラミン樹脂、フェノール樹脂などが含まれる。かかる化合物の市販品の例としては、日本サイテックインダストリーズ株式会社製のメラミン樹脂「サイメルTM」シリーズ等が挙げられる。
本発明の感光層用樹脂組成物における架橋剤の含有量は、固形分として10〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内にあると、形成される感光層が良好な親水性を発揮し、かつ印刷時における感光層の水への溶解が抑制されうる。
本発明の平版印刷用原版の感光層において、架橋剤は、架橋剤同士で架橋していてもよく;親水性ポリマーと反応して親水性ポリマーを架橋していてもよい。いずれにしても、親水性ポリマーを含む感光層は、架橋剤によって水不溶性に変性されていることが好ましい。その結果、印刷時において感光層が湿し水に溶解したり、感光層が湿し水を吸収してその強度を低下させて、感光層がブランケットやインクなどで擦られて剥ぎ取られることなどが防止される。
(c)疎水性ポリマー粒子
本発明の感光層用樹脂組成物に含まれる疎水性ポリマー粒子は、水に溶解しないポリマー粒子であることが好ましく、水に分散された疎水性ポリマー粒子(以下、「水分散疎水性ポリマー粒子」ともいう)であることがより好ましい。
本発明の感光層用樹脂組成物に含まれる疎水性ポリマー粒子は、水に溶解しないポリマー粒子であることが好ましく、水に分散された疎水性ポリマー粒子(以下、「水分散疎水性ポリマー粒子」ともいう)であることがより好ましい。
水分散疎水性ポリマー粒子とは、水性溶媒に分散された微細な疎水性ポリマー粒子を意味する。当該水性溶媒には、必要に応じて該粒子を覆う保護剤が含まれていてもよい。水分散疎水性ポリマー粒子は、例えば、不飽和モノマーを、乳化重合または懸濁重合することによって得られる。さらに、水分散疎水性ポリマー粒子は、水に分散された、酸性基を有する疎水性ポリマー粒子であってもよく;当該疎水性ポリマー(酸性基が中和されていてもよい)を含む有機溶媒を、水(分散安定剤を加えられていてもよい)中に分散させて得られた疎水性ポリマー粒子であってもよく;当該水分散液から有機溶剤を溜去して得られる疎水性ポリマー粒子であってもよい。
水分散疎水性ポリマー粒子のより具体的な例には、ビニルポリマー系ラテックス、共役ジエンポリマー系ラテックス、アクリル系ラテックス等のラテックスの他、水分散ポリウレタン樹脂、水分散ポリエステル樹脂、水分散エポキシ樹脂などが挙げられる。
疎水性ポリマー粒子は、感光層において親水性ポリマー中で島相を形成しうる。島相を形成した疎水性ポリマー粒子は、光を吸収した光熱変換剤が光エネルギーを熱エネルギーに変換させて発生させた熱により、溶融・融着する。それにより光照射部の感光層表面は、親水性から親インク性に変化すると考えられる。
疎水性ポリマー粒子の平均粒子径は、0.005〜0.5μmであることが好ましく、0.01〜0.2μmであることがより好ましい。この粒子径の範囲内にあると、光照射により発生した熱で疎水性ポリマー粒子が溶融・融着されやすく、優れた感度を有する感光層となる。疎水性ポリマー粒子の平均粒子径は、動的散乱法等により測定されうる重量平均粒子径であり、例えば大塚電子株式会社製のLPA3100等により測定されうる。
本発明の感光層用樹脂組成物における疎水性ポリマー粒子の含有量は、固形分として20〜50質量%であることが好ましく、25〜45質量%であることがより好ましい。疎水性ポリマー粒子の含有量が上記範囲内にあると、上述したように、形成された感光層の光照射部が適切に親インク化されうる。また、長期にわたって印刷に使用した場合でも、画線部が削れなどによる劣化を生じることなく印刷することができる印刷版が提供される。また上記範囲内にあると、非画線部の親水性能力も良好となり、地汚れ等を起こすおそれが低い。
また、疎水性ポリマー粒子の含有量が上記範囲内にあると、形成された感光層における親水性ポリマーの分散状態が良好になる。すなわち疎水性ポリマー粒子は、親水性ポリマーと架橋剤との過度の相分離状態を抑制して、親水性ポリマーの分散状態を良好にすることができる。
(d)光熱変換剤
本発明の感光層用樹脂組成物に含まれる光熱変換剤の例には、赤外線吸収剤(赤外線を吸収して熱に変換する性質を有する剤)などが含まれる。赤外線吸収剤の具体例としては、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、カーボンブラック、金属酸化物などが挙げられ、好ましい例としては、シアニン系色素、フタロシアニン系色素及びナフタロシアニン系色素などが挙げられる。
本発明の感光層用樹脂組成物に含まれる光熱変換剤の例には、赤外線吸収剤(赤外線を吸収して熱に変換する性質を有する剤)などが含まれる。赤外線吸収剤の具体例としては、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、カーボンブラック、金属酸化物などが挙げられ、好ましい例としては、シアニン系色素、フタロシアニン系色素及びナフタロシアニン系色素などが挙げられる。
これらの光熱変換剤は、明室における取り扱い性や、印刷のための露光機の光源の出力や露光機の使い易さの点から、波長750〜1100nmの領域の光を吸収することが好ましい。光熱変換剤の吸収波長領域は、光熱変換剤が有する置換基やπ電子の共役系の長さなどを適宜変更して調整されうる。光熱変換剤は、感光層用樹脂組成物に溶解していてもよいし分散していてもよいが、いずれにしても親水性であることが好ましい。
感光層用樹脂組成物における光熱変換剤の含有量は、固形分として3〜30質量%であることが好ましく、8〜25質量%であることがより好ましい。光熱変換剤の含有量が上記範囲内にあると、形成される感光層の光照射部表面の親水性が、効果的に親インク性に変性されうる。
(e)水
本発明の感光層用樹脂組成物における水の含有量は、40〜99質量%であることが好ましく、特に70〜95質量%であることが好ましい。水の含有量が上記範囲内にあると、感光層の形成において基板の上に感光層用樹脂組成物が適切に塗工され、感光層の膜厚が精度良く制御されうる。
本発明の感光層用樹脂組成物における水の含有量は、40〜99質量%であることが好ましく、特に70〜95質量%であることが好ましい。水の含有量が上記範囲内にあると、感光層の形成において基板の上に感光層用樹脂組成物が適切に塗工され、感光層の膜厚が精度良く制御されうる。
(f)他の成分
本発明の感光層用樹脂組成物は、形成される感光層の未露光部(非画像部)への水の付着性を高めるために、界面活性剤を添加されてもよい。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤等のいずれでもよく、一種単独または二種以上を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の添加量は、親水性ポリマーに対して0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
本発明の感光層用樹脂組成物は、形成される感光層の未露光部(非画像部)への水の付着性を高めるために、界面活性剤を添加されてもよい。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤等のいずれでもよく、一種単独または二種以上を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の添加量は、親水性ポリマーに対して0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
感光層用樹脂組成物には、その塗布性を高めるため、パーフルオロアルキルベタインなどのハジキ防止剤、レベリング剤などの添加剤を添加しても良い。また、感光層用樹脂組成物は、形成される感光層の種々の特性を改良するためのフィラーを含有してもよい。フィラーは、有機系のものであってもよいし、酸化チタン、シリカ、アルミナなどの無機系のものであってもよい。
さらに感光層用樹脂組成物は、感光層の光照射部位を、親水性から親インク性(疎水性)へ、より容易に変性させるための低融点化合物や分解性化合物等を含有してもよい。また、塗布溶液の消泡や、塗布膜の平滑化のために、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤等の各種添加剤を含有してもよい。
本発明の感光層用樹脂組成物における疎水性ポリマー粒子の質量は、親水性ポリマー、架橋剤および疎水性ポリマー粒子の総質量に対して30〜50%であり;かつ「親水性ポリマーの質量/架橋剤」の質量比が1/2〜3/1程度であることが好ましく、1/1〜2/1程度であることがより好ましい。疎水性ポリマーにより感光層の親インク性を維持しつつ;親水性ポリマーによる親水性と、架橋剤による膜強度を両立させて、耐刷性を高めるためである。
さらに本発明の感光層用樹脂組成物は、(a)親水性ポリマーを20〜60質量部、(b)架橋剤を10〜40質量部、(c)疎水性ポリマー粒子を20〜50質量部、及び(d)光熱変換剤を3〜30質量部を含有し、さらに水を含むことが好ましい。
さらに本発明の感光層用樹脂組成物は、(a)親水性ポリマーを20〜60質量部、(b)架橋剤を10〜40質量部、(c)疎水性ポリマー粒子を20〜50質量部、及び(d)光熱変換剤を3〜30質量部を含有し、さらに水を含むことが好ましい。
2.平版印刷用原版について
本発明の平版印刷用原版は、上記感光層用樹脂組成物を使用して形成された感光層を有することを特徴とする。本発明の平版印刷用原版は、通常は、基板および基板上に形成された感光層を含む。
本発明の平版印刷用原版は、上記感光層用樹脂組成物を使用して形成された感光層を有することを特徴とする。本発明の平版印刷用原版は、通常は、基板および基板上に形成された感光層を含む。
形成された感光層には、(a)親水性ポリマーを20〜60質量%、(b)架橋剤(架橋したもの)を10〜40質量%、(c)疎水性ポリマー粒子を20〜50質量%、及び(d)光熱変換剤を3〜30質量%含まれることが好ましい。これらの含有率は、感光層用樹脂組成物における各成分の比率から求められる。
平版印刷用原版に含まれる感光層における、前述した(a)親水性ポリマーの含有量は、20〜60質量%であることが好ましく、25〜50質量%であることがより好ましい。感光層において親水性ポリマーは、架橋剤によって架橋されて水不溶性にされているか、または自己架橋した架橋剤によって水不溶性にされていることが好ましい。もちろん架橋剤は、感光層において自己架橋しているか、または親水性ポリマーを架橋している。
平版印刷用原版に含まれる感光層の厚さは特に限定されないが、通常0.1〜10μm程度であり、好ましくは0.5〜3μm程度である。
平版印刷用原版に含まれる基板は特に限定されず、公知の基板であればよく、具体的にはアルミ板、鋼板、ステンレス板、銅板などの金属板;ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂などのプラスチックフィルム;紙、アルミ箔ラミネート紙、金属蒸着紙、プラスチックフィルムラミネート紙などであり得る。
基板の厚さは特に制限はないが、通常100〜400μm程度である。基板には、感光層との密着性を高めるために、酸化処理、クロメート処理、サンドブラスト処理またはコロナ放電処理などの表面処理が施されていてもよい。また基板には、感光層との接着性を向上させるため、下地層(プライマー層)を設けられていてもよい。
本発明の平版印刷用原版の製造方法は、特に制限されないが、基板に、前述の感光層用樹脂組成物からなる薄膜を形成するステップを含む。また形成された薄膜を、加熱・乾燥するステップを含むことが好ましい。
感光層用樹脂組成物からなる薄膜は、例えば前記組成物を基板に塗布して形成される。塗布する手段は、塗布液の粘度や塗布速度などによって異なるが、例えば、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンフローコーターもしくはダイコーターなどを用いればよい。また感光層用樹脂組成物からなる薄膜の形成は、スプレーなどによる吹き付けにより行われてもよい。
形成された薄膜の加熱・乾燥は、通常50℃〜200℃程度でなされうる。加熱により架橋剤が、自己架橋するか、または親水性ポリマーを架橋すると考えられる。
感光層用樹脂組成物からなる薄膜は、例えば前記組成物を基板に塗布して形成される。塗布する手段は、塗布液の粘度や塗布速度などによって異なるが、例えば、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンフローコーターもしくはダイコーターなどを用いればよい。また感光層用樹脂組成物からなる薄膜の形成は、スプレーなどによる吹き付けにより行われてもよい。
形成された薄膜の加熱・乾燥は、通常50℃〜200℃程度でなされうる。加熱により架橋剤が、自己架橋するか、または親水性ポリマーを架橋すると考えられる。
本発明の平版印刷用原版は、湿し水を用いるオフセット印刷用の無現像型の原版として用いられうる。その場合、感光層の光照射部が画像部となり、光照射部以外が非画像部となる。したがって感光層は親水性であり、かつ水不溶性であることが好ましい。
本発明の平版印刷用原版は、感光層に含まれる光熱変換剤の吸収波長領域の光(例えば750〜1100nmの領域の光)を照射されることが好ましい。それにより、感光層に含まれる光熱変換剤が光を吸収して発熱し、この発熱により感光層の光照射部において、架橋剤や疎水性ポリマーが発泡したり、熱融着したりして、光照射部の親水性が失われて親インク性(疎水性)に変性する。
本発明の平版印刷用原版への光照射は、照射速度の点から、また扱い易さの点から、収束光を高速で走査することが好ましい。また、高出力の光源が適している。これらの点から、原版の感光層に照射される光は、レーザー光、特に750〜1100nmの波長域の発振波長を有するレーザー光であることが好ましく、例えば830nmの高出力半導体レーザーや1064nmのYAGレーザーが好ましい。これらのレーザーを搭載した露光機は、いわゆるサーマル用プレートセッター(露光機)として既に市場に供されている。
このようにして得られる平版印刷版は、感光層の光照射部の親水性が親インク性(疎水性)に変性しているため、現像や拭き取り操作をされなくても、光照射部にはインクが付着することができ、それを用いて印刷することができる。
以上のように本発明の平版印刷用原版から得られる印刷版は、1)画線形成能力に優れ、2)非画像部の親水性が良好であり、かつ3)長期にわたって印刷しても、非画線部が地汚れを発生することがなく、画線部が着肉不良を起こしにくく、耐刷性に優れている。また、一旦非画線部にが付着してしまったインク等の汚れも、速やかに取り除かれる。これらは、後述の実施例においても示されている。
以上のように本発明の平版印刷用原版から得られる印刷版は、1)画線形成能力に優れ、2)非画像部の親水性が良好であり、かつ3)長期にわたって印刷しても、非画線部が地汚れを発生することがなく、画線部が着肉不良を起こしにくく、耐刷性に優れている。また、一旦非画線部にが付着してしまったインク等の汚れも、速やかに取り除かれる。これらは、後述の実施例においても示されている。
以下、実施例および比較例を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定されることはない。
以下において「部数」は、それぞれの樹脂または化合物の、固形分についての質量部を示す。以下に、感光層用樹脂組成物に含まれる各成分を示す。
[親水性ポリマー]
(1)ポリアクリルアミド:ホープロンTMH520B、固形分20質量%(三井化学株式会社製)である。OH基含有単量体含量は0モル%である。
(2)親水性ポリマーP−1〜P−6:後述の合成例を参照。
(1)ポリアクリルアミド:ホープロンTMH520B、固形分20質量%(三井化学株式会社製)である。OH基含有単量体含量は0モル%である。
(2)親水性ポリマーP−1〜P−6:後述の合成例を参照。
[架橋剤]
メチル化メラミン樹脂:サイメルTM385、固形分80質量%(日本サイテックインダストリーズ株式会社製)である。
メチル化メラミン樹脂:サイメルTM385、固形分80質量%(日本サイテックインダストリーズ株式会社製)である。
[疎水性ポリマー粒子]
(1)ウレタン微粒子:エマルジョンオレスターTMUD350、固形分40質量%(三井化学株式会社製)である。動的光散乱法(大塚電子株式会社製;LPA3100)により測定したウレタン微粒子UD350の重量平均粒子径は0.03μmであった。
(2)ウレタン微粒子:エマルジョンオレスターTMUD500、固形分40質量%(三井化学株式会社製)である。動的光散乱法(大塚電子株式会社製;LPA3100)により測定したウレタン微粒子UD500の重量平均粒子径は0.09μmであった。
(1)ウレタン微粒子:エマルジョンオレスターTMUD350、固形分40質量%(三井化学株式会社製)である。動的光散乱法(大塚電子株式会社製;LPA3100)により測定したウレタン微粒子UD350の重量平均粒子径は0.03μmであった。
(2)ウレタン微粒子:エマルジョンオレスターTMUD500、固形分40質量%(三井化学株式会社製)である。動的光散乱法(大塚電子株式会社製;LPA3100)により測定したウレタン微粒子UD500の重量平均粒子径は0.09μmであった。
[光熱変換剤]
シアニン色素:メタノール溶液中でのλmaxは784nm,εmaxは2.43×105Lmol−1cm−1である。固形分5質量%である。
シアニン色素:メタノール溶液中でのλmaxは784nm,εmaxは2.43×105Lmol−1cm−1である。固形分5質量%である。
[界面活性剤]
(1)アニオン性界面活性剤:ネオコールTMYSK、固形分100質量%(第一工業製薬株式会社製)である。
(2)パーフルオロアルキルベタイン:サーフロンTMS−131、固形分30質量%(セイミケミカル株式会社製)である。
(1)アニオン性界面活性剤:ネオコールTMYSK、固形分100質量%(第一工業製薬株式会社製)である。
(2)パーフルオロアルキルベタイン:サーフロンTMS−131、固形分30質量%(セイミケミカル株式会社製)である。
[親水性ポリマーP−1の合成]
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド74.25g、純水75g、メタリルスルホン酸ナトリウム0.75g、および過硫酸カリウム0.75gからなる開始剤/モノマー水溶液を、内温を80℃に維持しながら、2時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分は15質量%であった。得られた親水性ポリマーP−1の分子量Mwは、39万であった。親水性ポリマーP−1の、OH基を有する繰り返し単位の含有率は0モル%である。
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド74.25g、純水75g、メタリルスルホン酸ナトリウム0.75g、および過硫酸カリウム0.75gからなる開始剤/モノマー水溶液を、内温を80℃に維持しながら、2時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分は15質量%であった。得られた親水性ポリマーP−1の分子量Mwは、39万であった。親水性ポリマーP−1の、OH基を有する繰り返し単位の含有率は0モル%である。
[親水性ポリマーP−2の合成]
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド67.5g、N,N−ジメチルメタクリルアミド7.5g、純水75g、過硫酸カリウム0.75gからなる開始剤/モノマー水溶液を、内温を80℃に維持しながら、2時間かけて連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分は15質量%であった。得られた親水性ポリマーP−2の分子量Mwは、41万であった。親水性ポリマーP−2の、OH基を有する繰り返し単位の含有率は0モル%である。
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド67.5g、N,N−ジメチルメタクリルアミド7.5g、純水75g、過硫酸カリウム0.75gからなる開始剤/モノマー水溶液を、内温を80℃に維持しながら、2時間かけて連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分は15質量%であった。得られた親水性ポリマーP−2の分子量Mwは、41万であった。親水性ポリマーP−2の、OH基を有する繰り返し単位の含有率は0モル%である。
[親水性ポリマーP−3の合成]
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド67.5g、アクリロイルモルホリン7.5g、純水75g、過硫酸カリウム0.75gからなる開始剤/モノマー水溶液を、内温を80℃に維持しながら、2時間かけて連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分は15質量%であった。得られた親水性ポリマーP−3の分子量Mwは、34万であった。親水性ポリマーP−3の、OH基を有する繰り返し単位の含有率は0モル%である。
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド67.5g、アクリロイルモルホリン7.5g、純水75g、過硫酸カリウム0.75gからなる開始剤/モノマー水溶液を、内温を80℃に維持しながら、2時間かけて連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分は15質量%であった。得られた親水性ポリマーP−3の分子量Mwは、34万であった。親水性ポリマーP−3の、OH基を有する繰り返し単位の含有率は0モル%である。
[親水性ポリマーP−4の合成]
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド63.75g、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート11.25g、純水300gからなるモノマー溶液と、過硫酸カリウム0.225gを純水40gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に2時間かけて連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分(親水性ポリマーP−4)は10質量%であった。得られた親水性ポリマーP−4の分子量Mwは、60万であった。親水性ポリマーP−4の原料モノマー組成物におけるOH基含有モノマーの含量は9モル%である。
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド63.75g、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート11.25g、純水300gからなるモノマー溶液と、過硫酸カリウム0.225gを純水40gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に2時間かけて連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分(親水性ポリマーP−4)は10質量%であった。得られた親水性ポリマーP−4の分子量Mwは、60万であった。親水性ポリマーP−4の原料モノマー組成物におけるOH基含有モノマーの含量は9モル%である。
[親水性ポリマーP−5の合成]
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド72.75g、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート2.25g、純水300gからなるモノマー溶液と、過硫酸カリウム0.225gを純水40gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に2時間かけて連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分(親水性ポリマーP−5)は10質量%であった。得られた親水性ポリマーP−5の分子量Mwは、64万であった。親水性ポリマーP−5の原料モノマー組成物におけるOH基含有モノマーの含量は1.7モル%である。
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド72.75g、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート2.25g、純水300gからなるモノマー溶液と、過硫酸カリウム0.225gを純水40gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に2時間かけて連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分(親水性ポリマーP−5)は10質量%であった。得られた親水性ポリマーP−5の分子量Mwは、64万であった。親水性ポリマーP−5の原料モノマー組成物におけるOH基含有モノマーの含量は1.7モル%である。
[親水性ポリマーP−6の合成]
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド73.5g、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート1.5g、純水300gからなるモノマー溶液と、過硫酸カリウム0.225gを純水40gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に2時間かけて連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分(親水性ポリマーP−6)は10質量%であった。親水性ポリマーP−6の原料モノマー組成物におけるOH基含有モノマーの含量は1.1モル%である。
フラスコに仕込まれた純水335gを、窒素をバブリングして溶存酸素を除去した後、80℃に昇温した。上記フラスコに窒素ガスを流しながら、アクリルアミド73.5g、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート1.5g、純水300gからなるモノマー溶液と、過硫酸カリウム0.225gを純水40gに溶解した開始剤の水溶液を、内温を80℃に維持しながら、別々に2時間かけて連続滴下した。滴下終了後、80℃で3時間重合を続けた後、冷却し、重合溶液をフラスコより抜き出した。得られた重合溶液の固形分(親水性ポリマーP−6)は10質量%であった。親水性ポリマーP−6の原料モノマー組成物におけるOH基含有モノマーの含量は1.1モル%である。
表1に示される組成にて、親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子、光熱変換剤および界面活性剤を室温にて混合し、実施例1〜6で用いた感光層用樹脂組成物を得た。
[実施例1]
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、180℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、170℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、270mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、180℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、170℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、270mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
[実施例2]
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、180℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、160℃で30分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、180℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、160℃で30分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
[実施例3]
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学(株)製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、160℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学(株)製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、160℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
[実施例4]
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、185℃で15分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、185℃で15分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。ただし、さらに印刷を続けると、感光層に若干の膜削れが発生した。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。ただし、さらに印刷を続けると、感光層に若干の膜削れが発生した。
[実施例5]
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、150℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を作成した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、270mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、150℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を作成した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、270mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
[実施例6]
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、170℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、270mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜した下地層の上に、表1に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、170℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、270mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
表2に示される組成にて、親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子、光熱変換剤および界面活性剤を室温にて混合し、実施例7〜12で用いた感光層用樹脂組成物を得た。
[実施例7]
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学(株)製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜された下地層の上に、表2に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、170℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、270mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学(株)製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。成膜された下地層の上に、表2に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、170℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、270mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にも特にインク汚れが付着していることはなかった。
[実施例8]
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学(株)製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥して下地層を成膜した。次いで、下地層の上に、表2に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、165℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学(株)製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥して下地層を成膜した。次いで、下地層の上に、表2に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、165℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。ただし、実施例1〜7のブランケットの状態と比べると、本実施例のブランケットには若干の汚れがみられた。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。ただし、実施例1〜7のブランケットの状態と比べると、本実施例のブランケットには若干の汚れがみられた。
[実施例9]
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学(株)製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。次いで、下地層の上に、表2に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、175℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学(株)製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。次いで、下地層の上に、表2に示された組成からなる感光層用樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、175℃で20分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。ただし、実施例1〜7のブランケットの状態と比べると、本実施例のブランケットには若干の汚れがみられ、実施例8と同レベルの汚れであった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。50枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。ただし、実施例1〜7のブランケットの状態と比べると、本実施例のブランケットには若干の汚れがみられ、実施例8と同レベルの汚れであった。
[実施例10] 〈平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造〉
塗布した感光性樹脂組成物を表2に示される組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造を行った。
塗布した感光性樹脂組成物を表2に示される組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。200枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することを確認した。ただし、実施例1〜7のブランケットの状態と比べると、本実施例のブランケットには若干の汚れがみられた。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。200枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することを確認した。ただし、実施例1〜7のブランケットの状態と比べると、本実施例のブランケットには若干の汚れがみられた。
[実施例11] 〈現像レス平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。次いで、下地層の上に、表2に示される組成からなる感光性樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、160℃で30分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。次いで、下地層の上に、表2に示される組成からなる感光性樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、160℃で30分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。20枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。ただし、実施例1〜7のブランケットの状態と比べると、本実施例のブランケットには若干の汚れがみられた。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。20枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。ただし、実施例1〜7のブランケットの状態と比べると、本実施例のブランケットには若干の汚れがみられた。
[実施例12] 〈現像レス平版印刷用原版の製造〉
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、150℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。次いで、下地層の上に、表2に示される組成からなる感光性樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、155℃で30分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
厚さ0.24mmのアルミニウム板に、水分散ウレタン樹脂水溶液(三井化学株式会社製、オレスターTMUD350、固形分40重量%)を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、150℃で10分間乾燥し、下地層を成膜した。次いで、下地層の上に、表2に示される組成からなる感光性樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布した後、155℃で30分間乾燥し、膜厚約2μmの感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、300mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。20枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。ただし、実施例1〜7のブランケットの状態と比べると、本実施例のブランケットには若干の汚れがみられた。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷を開始する前に、版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させ、その後に印刷を開始した。20枚の印刷物を刷り出す間に、版に付着したインクローラ状のインク汚れは除去され、良好な印刷物を与えた。そのまま5万枚の印刷を行い、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部の汚れは発生しておらず、また画線部の着インク性も良好であり、良好な耐刷性能を有することが確認された。ただし、実施例1〜7のブランケットの状態と比べると、本実施例のブランケットには若干の汚れがみられた。
表3に示される組成にて、親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子、光熱変換剤、および界面活性剤を室温にて混合し、比較例1〜5で用いた感光層用樹脂組成物を得た。
[比較例1]
〈平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造〉
塗布した感光層用樹脂組成物を表3に示された組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像レス平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造を行った。
〈平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造〉
塗布した感光層用樹脂組成物を表3に示された組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、現像レス平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷初期には良好な印刷物が得られたものの、5万枚の印刷を行った後に、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部に地汚れの発生が確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にもインク汚れが、ひどく付着していた。
また、同様に描画した版を、同様の印刷機にセットし、同条件のインクおよび湿し水を用いて、印刷の開始前に版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させた後に印刷を開始したところ、刷り出し200枚を経ても、版に付着したインクローラ状のインク汚れが完全には除去されなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷初期には良好な印刷物が得られたものの、5万枚の印刷を行った後に、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部に地汚れの発生が確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にもインク汚れが、ひどく付着していた。
また、同様に描画した版を、同様の印刷機にセットし、同条件のインクおよび湿し水を用いて、印刷の開始前に版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させた後に印刷を開始したところ、刷り出し200枚を経ても、版に付着したインクローラ状のインク汚れが完全には除去されなかった。
[比較例2]
〈平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造〉
塗布した感光層用樹脂組成物を表3に示された組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造を行った。
〈平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造〉
塗布した感光層用樹脂組成物を表3に示された組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、平版印刷用原版の製造、および描画・平版印刷版の製造を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷初期には良好な印刷物が得られたものの、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部に地汚れの発生が確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にもインク汚れが、ひどく付着していた。
また、同様に描画した版を、同様の印刷機にセットし、同条件のインク、湿し水を用いて、印刷の開始前に版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させた後に印刷を開始したところ、刷り出し200枚を経ても、版に付着したインクローラ状のインク汚れは完全には除去されなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷初期には良好な印刷物が得られたものの、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部に地汚れの発生が確認された。また、ブランケット上の非画線部部分にもインク汚れが、ひどく付着していた。
また、同様に描画した版を、同様の印刷機にセットし、同条件のインク、湿し水を用いて、印刷の開始前に版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させた後に印刷を開始したところ、刷り出し200枚を経ても、版に付着したインクローラ状のインク汚れは完全には除去されなかった。
[比較例3]
〈平版印刷用原版の製造〉
塗布した感光層用樹脂組成物を表3に示された組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、平版印刷用原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、500mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
塗布した感光層用樹脂組成物を表3に示された組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、平版印刷用原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、500mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷初期には良好な印刷物が得られたものの、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部に地汚れの発生が確認され、画線部の大部分に着肉不良が発生しており、良好な印刷物ではなかった。また、ブランケット上にはインク汚れが、ひどく付着していた。
また、同様に描画した版を、同様の印刷機にセットし、同条件のインク、湿し水を用いて、印刷の開始前に版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させた後に印刷を開始したところ、刷り出し200枚を経ても、版に付着したインクローラ状のインク汚れは完全には除去されなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を行った。印刷初期には良好な印刷物が得られたものの、5万枚目の印刷物を確認したところ、非画線部に地汚れの発生が確認され、画線部の大部分に着肉不良が発生しており、良好な印刷物ではなかった。また、ブランケット上にはインク汚れが、ひどく付着していた。
また、同様に描画した版を、同様の印刷機にセットし、同条件のインク、湿し水を用いて、印刷の開始前に版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させた後に印刷を開始したところ、刷り出し200枚を経ても、版に付着したインクローラ状のインク汚れは完全には除去されなかった。
[比較例4]
〈平版印刷用原版の製造〉
塗布した感光層用樹脂組成物を表3に示された組成に変更した以外は、実施例1と同様に平版印刷用原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、500mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の製造〉
塗布した感光層用樹脂組成物を表3に示された組成に変更した以外は、実施例1と同様に平版印刷用原版を製造した。
〈描画・平版印刷版の製造〉
得られた原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、500mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を実施したところ、印刷初期から画線部へのインクの着肉が不良で、良好な印刷物は得られなかった。さらにそのまま2万枚の印刷を行い、2万枚目の印刷物を確認したところ、印刷物には地汚れが発生していた。またブランケット上にもインク汚れが、ひどく付着していた。
また、同様に描画した版を、同様の印刷機にセットし、同条件のインク、湿し水を用いて、印刷の開始前に版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させた後に印刷を開始したところ、刷り出し200枚を経ても、版に付着したインクローラ状のインク汚れは完全には除去されなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を実施したところ、印刷初期から画線部へのインクの着肉が不良で、良好な印刷物は得られなかった。さらにそのまま2万枚の印刷を行い、2万枚目の印刷物を確認したところ、印刷物には地汚れが発生していた。またブランケット上にもインク汚れが、ひどく付着していた。
また、同様に描画した版を、同様の印刷機にセットし、同条件のインク、湿し水を用いて、印刷の開始前に版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させた後に印刷を開始したところ、刷り出し200枚を経ても、版に付着したインクローラ状のインク汚れは完全には除去されなかった。
[比較例5]
〈平版印刷用原版の描画・平版印刷版の製造〉
比較例4で製造された平版印刷用原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、270mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈平版印刷用原版の描画・平版印刷版の製造〉
比較例4で製造された平版印刷用原版に、波長830nmの半導体レーザー光を、270mJ/cm2の照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。
〈印刷評価〉
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を実施したところ、印刷初期から画線部へのインクの着肉が不良で、良好な印刷物は得られなかった。なお、比較例4と比較しても、本比較例の画線部の着肉状況はさらに劣っていた。さらに2万枚目の印刷物を確認したところ、印刷物には地汚れが発生していた。またブランケット上にもインク汚れが、ひどく付着していた。
また、同様に描画した版を、同様の印刷機にセットし、同条件のインク、湿し水を用いて、印刷の開始前に版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させた後に印刷を開始したところ、刷り出し200枚を経ても、版に付着したインクローラ状のインク汚れは、完全には除去されなかった。
この描画した版を、湿し水を用いるオフセット印刷機(小森コーポレーション製SPRINT26)にセットし、インクとして東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティMZを、湿し水として(株)日研化学研究所製のH液アストロマーク3の1.5%水溶液を使用して印刷を実施したところ、印刷初期から画線部へのインクの着肉が不良で、良好な印刷物は得られなかった。なお、比較例4と比較しても、本比較例の画線部の着肉状況はさらに劣っていた。さらに2万枚目の印刷物を確認したところ、印刷物には地汚れが発生していた。またブランケット上にもインク汚れが、ひどく付着していた。
また、同様に描画した版を、同様の印刷機にセットし、同条件のインク、湿し水を用いて、印刷の開始前に版表面にインクローラをおろしてインクを(敢えて)付着させた後に印刷を開始したところ、刷り出し200枚を経ても、版に付着したインクローラ状のインク汚れは、完全には除去されなかった。
本発明の感光層用樹脂組成物は、現像や拭き取り操作を不要とする平版印刷用原版の製造に用いられ、この原版から、非画像部の親水性、および画像部の親インク性に優れているばかりでなく、優れた耐刷性も有する平版印刷版が得られる。
本出願は、2005年8月30日出願の出願番号JP2005/248662に基づく優先権を主張する。当該出願明細書に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
Claims (11)
- 親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子および光熱変換剤を含む感光層を有する平版印刷用原版において、
前記親水性ポリマーが、ポリマー鎖中に、アルコール性ヒドロキシル基およびカルボキシル基のいずれをも実質的に含有しない平版印刷用原版。 - 前記親水性ポリマーの繰り返し単位のうち、1.5モル%以下の繰り返し単位は、アルコール性ヒドロキシル基またはカルボキシル基を含有する、請求項1に記載の平版印刷用原版。
- 前記感光層における前記親水性ポリマーの含有率が、20〜60質量%である、請求項1に記載の平版印刷用原版。
- 親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子、光熱変換剤および水を含む平版印刷用原版の感光層用樹脂組成物において、
前記親水性ポリマーが、ポリマー鎖中に、アルコール性ヒドロキシル基およびカルボキシル基のいずれをも実質的に含有しない、平版印刷用原版の感光層用樹脂組成物。 - 前記親水性ポリマーの繰り返し単位のうち、1.5モル%以下の繰り返し単位は、アルコール性ヒドロキシル基またはカルボキシル基を含有する、請求項6に記載の感光層用組成物。
- 前記親水性ポリマーを20〜60質量部、前記架橋剤を10〜40質量部、前記疎水性ポリマー粒子を20〜50質量部、前記光熱変換剤を3〜30質量部の比率で含有する、請求項6に記載の感光層用樹脂組成物。
- 基板、ならびに親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー粒子および光熱変換剤を含む感光層を有する平版印刷用原版の製造方法であって、 前記基板上に、請求項6に記載の感光層用樹脂組成物からなる薄膜を形成するステップを含む製造方法。
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