JPWO2006137214A1 - 粒子状のポリオルガノシロキサン化合物を含有する難燃剤および難燃性樹脂組成物 - Google Patents

粒子状のポリオルガノシロキサン化合物を含有する難燃剤および難燃性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

ハロゲン、リン、窒素等の原子を実質的に含有せず、高い難燃化効果と耐衝撃性改良効果を広い成形条件で安定的に発現する難燃剤、及びこれを用いて難燃化された難燃性樹脂組成物を提供することを課題とし、R2SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよい)およびR′SiO3/2単位(式中、R′は、炭素数1乃至4のアルキル基および炭素数6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基を示す)からなる構造を有し、R2SiO2/2単位/R′SiO3/2単位のモル比が20以下であり、かつ、水系で乳化剤を用いて体積平均粒子径が0.01〜5μmの粒子状に合成されたポリオルガノシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤、ならびに該難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物により上記課題を解決する。

Description

本発明は、ハロゲン、リン、窒素等の原子を含有せず、かつ高度な難燃性能を発揮する新規な難燃剤、およびこの難燃剤を用いることにより、臭素、塩素、リン等の化合物を用いずに高度に難燃化された難燃性樹脂組成物に関する。
難燃性樹脂組成物は、火災に対する安全性を確保するため、電気電子分野、建材分野など種々の分野に利用されている。これら樹脂組成物は、一般に塩素系や臭素系などのハロゲン系化合物を難燃剤として用いていたが、近年のヨーロッパを中心とした環境問題に関する関心の高まりから、リン系難燃剤をはじめとしてハロゲンを含まない難燃剤の使用が種々検討されている。しかしながら、リン系難燃剤である燐酸エステル系化合物、赤燐などを用いて難燃化した場合には、押出・成形加工時に臭気が発生したり、機械的特性や熱的特性に悪影響を及ぼしたりする問題があるため、ハロゲン化合物やリン化合物に代わる難燃剤が各種検討されている。ハロゲンやリンを含まない難燃剤としては、シリコーン化合物が知られている。
シリコーン(ポリオルガノシロキサン)は4つの単位、すなわちM単位(RSiO1/2)、D単位(RSiO2/2)、T単位(RSiO3/2)、Q単位(SiO4/2)から構成されているが、例えば、非シリコーンポリマーを、RSiO3/2単位が主体のシルセスキオキサン樹脂により難燃化した樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、RSiO3/2単位を80重量%以上含むポリシロキサンが熱可塑性非シリコーンポリマーを難燃化し、特にポリシロキサンの数平均分子量が2000以上、6000以下であることが耐燃化に好ましいことも開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらにRSiO1/2単位とSiO4/2単位からなるMQシリコーン樹脂とシリコーンおよび第IIA族金属塩により難燃化した熱可塑性プラスチック組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。芳香環を含有する非シリコーン樹脂をRSiO3/2単位及びRSiO2/2単位を有するシリコーン樹脂により難燃化した樹脂組成物も開示されている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4に示されたシリコーン樹脂では、ポリカーボネートに対する大きな難燃性改良効果を示し、一方、芳香環を有するRSiO2/2単位とSiO4/2単位からなる特定分子量のDQシリコーンもポリカーボネート等の難燃性を向上させることが開示されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、これらのシリコーン系難燃剤はポリカーボネート等の特定の樹脂に対してしか優れた難燃効果をもたなかったり、成形条件によって難燃性が大きく変動したりする課題を残していた。
特開昭54−36365号公報 特公昭62−60421号公報 特公平3−48947号公報 特開平10−139964号公報 特開2001−316671号公報
本発明は、ハロゲン、リン、窒素等の原子を実質的に含有せず、高い難燃化効果を広い成形条件で安定的に発現する難燃剤、及びこれを用いて難燃化された難燃性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、水系で乳化剤を用いて合成された、特定の粒子径を有する粒子構造のRSiO2/2単位とR′SiO3/2単位を含有するDTシリコーン、或いはRSiO2/2単位、R′SiO3/2単位およびSiO4/2単位を含有するDTQシリコーンを用いることにより、優れた難燃化効果と耐衝撃性を広い成形条件で安定的に発現できる難燃剤、並びにこれを用いて高い難燃性と高い耐衝撃性を備えた難燃性樹脂組成物を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、RSiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよい)およびR′SiO3/2単位(式中、R′は、炭素数1乃至4のアルキル基および炭素数6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基を示す)からなる構造を有し、RSiO2/2単位/R′SiO3/2単位のモル比が20以下であり、かつ、体積平均粒子径が0.01〜5μmの粒子状のポリオルガノシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤に関する。
好ましい実施態様は、前記ポリオルガノシロキサン化合物が、まずRSiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよい)からなるポリオルガノシロキサンを水系で乳化剤を用いて合成し、その後R′SiO3/2単位(式中、R′は、炭素数1乃至4のアルキル基および炭素数6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基を示す)からなる成分を縮合して、体積平均粒子径が0.01〜5μmの粒子状に合成されることを特徴とする、前記の難燃剤に関する。
好ましい実施態様は、前記ポリオルガノシロキサン化合物の重量平均分子量が300,000以上であることを特徴とする、前記いずれかに記載の難燃剤に関する。
本発明は、RSiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよい)、R′SiO3/2単位(式中、R′は、炭素数1乃至4のアルキル基および炭素数6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基を示す)およびSiO4/2単位からなる構造を有し、RSiO2/2単位/R′SiO3/2単位のモル比が20以下であり、かつ、体積平均粒子径が0.01〜5μmの粒子状のポリオルガノシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤に関する。
好ましい実施態様は、ポリオルガノシロキサン化合物中の有機基がメチル基と芳香族基とからなり、メチル基/芳香族基のモル比が10以下であることを特徴とする、前記いずれかに記載の難燃剤に関する。
本発明は、樹脂100重量部に対して、前記いずれかに記載の難燃剤0.1〜50重量部を含有することを特徴とする、難燃性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、樹脂が芳香族系樹脂であることを特徴とする、前記の難燃性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、樹脂が、芳香族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、N−芳香族置換マレイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、および、これらのうちの少なくとも2種からなるポリマーアロイ、からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、前記いずれかに記載の難燃性樹脂組成物に関する。
水系で乳化剤を用いて合成された、特定の粒子径を有する、RSiO2/2単位およびR′SiO3/2単位、あるいはRSiO2/2単位、R′SiO3/2単位およびSiO4/2単位を有する粒子状ポリオルガノシロキサンを含有する本発明の難燃剤は、樹脂に、広い成形条件で安定的に高い難燃性を付与することができる。
本発明は、RSiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよい)およびR′SiO3/2単位(式中、R′は、炭素数1乃至4のアルキル基および炭素数6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基を示す)からなる構造を有し、RSiO2/2単位/R′SiO3/2単位のモル比が20以下であり、かつ、水系で乳化剤を用いて体積平均粒子径が0.01〜5μmの粒子状に合成されたポリオルガノシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤、並びにこれを用いて難燃化された難燃性樹脂組成物を提供するものである。
さらに本発明は、RSiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよい)、R′SiO3/2単位(式中、R′は、炭素数1乃至4のアルキル基及び炭素数6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基を示す)およびSiO4/2単位からなる構造を有し、RSiO2/2単位/R′SiO3/2単位のモル比が20以下であり、かつ、水系で乳化剤を用いて体積平均粒子径が0.01〜5μmの粒子状に合成されたポリオルガノシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤、並びにこれを用いて難燃化された難燃性樹脂組成物を提供するものである。
本発明のポリオルガノシロキサン化合物を含有する難燃剤の難燃化効果を向上させるためには、まず、ポリオルガノシロキサン化合物そのもの自体の耐熱性を向上させることが重要であり、ポリオルガノシロキサンの耐熱性を上げる方法としては、シロキサン架橋度を高くする、分子量を大きくする、Si原子に結合する有機基を選択する等の方法があげられる。シロキサン架橋度を高くするには、ポリオルガノシロキサンの主鎖中にR′SiO3/2単位やSiO4/2単位を多く導入することにより達成できる。SiO4/2単位の場合には、その割合が過度に多くなるとシリカ的性質が強くなり、難燃性が劣る傾向がある。また、難燃性および樹脂特性を良好に発現するためには、ポリオルガノシロキサン化合物の樹脂中での分散性を良好にする必要がある。そのためには、対象の樹脂により適宜にポリオルガノシロキサン化合物のSi原子上の有機基を選択し、これにより相溶性、分散性を向上することができる。
SiO2/2単位中のSi原子に結合可能な有機基Rとしては特に限定されず、例えば、炭素数が1乃至16の一価の脂肪族炭化水素基;エポキシ基、水酸基、ビニル基、アクリル基およびメタクリル基から選ばれる官能基で変性した炭素数1乃至16のアルキル基;炭素数6乃至24の芳香族基などが挙げられる。芳香族基としては、例えば、フェニル基、クレジル基、キシレニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。また、ハロゲン原子で置換された芳香族基であってもよい。上記有機基Rとしては1種類のみが含まれていてもよいし、2種類以上が含まれていてもよい。このうち、耐熱性および難燃性を考慮した場合、炭素数1乃至6の脂肪族炭化水素基および炭素数6乃至12の芳香族基が好ましい。脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。難燃性および樹脂中での分散性を良好にするために、Rは、炭素数6乃至12の芳香族基が特に好ましく、なかでもフェニル基が好ましい。
R′SiO3/2単位中のSi原子に結合可能なR′としては特に限定されず、例えば、炭素数1乃至4のアルキル基及び炭素数が6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基が例示され、これらが複数ある場合は同一であっても異なってもよい。このうち、難燃性や入手性を考慮した場合、炭素数1乃至4のアルキル基としてはメチル基、エチル基が好ましく、炭素数6乃至24の芳香族基としてはフェニル基が好ましい。
本発明のポリオルガノシロキサン化合物において、前記RSiO2/2単位中の有機基量とポリオルガノシロキサン化合物の性状バランス、および難燃化効果を良好に発現するために、RSiO2/2単位/R′SiO3/2単位のモル比は20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。上記モル比が20より大きい場合は樹脂組成物の成形体外観が悪化し、難燃性や耐衝撃性も十分でない場合がある。
なお、本発明においては、RSiO2/2単位/R′SiO3/2単位のモル比の下限については、当該モル比が0、即ち、全てがR′SiO3/2単位から形成される場合も含まれうるものとする。
本発明のポリオルガノシロキサン化合物は、水系で乳化剤を用いることにより体積平均粒子径が0.01〜5μmの範囲の粒子状に合成されるのが好ましい。ポリオルガノシロキサン化合物の粒子径が0.01未満の場合は、ポリオルガノシロキサン化合物が最終成形体中で均一に分散せず、難燃性改良効果が小さくなる場合がある。また、ポリオルガノシロキサン化合物の粒子径が5μmを越えると、最終成形体の難燃性と耐衝撃性が低下する場合がある。
本発明では、例えば、酸触媒を含む40〜120℃の水に、乳化剤、RSiO2/2単位の原料、R′SiO3/2単位の原料と水の混合物をラインミキサーやホモジナイザーで乳化した乳化液を連続的に加えることにより、粒子状に合成されたポリオルガノシロキサン化合物を得ることができる。あるいは、まず酸触媒を含む40〜120℃の水に、乳化剤、RSiO2/2単位の原料と水の混合物をラインミキサーやホモジナイザーで乳化した乳化液を連続的に加えてRSiO2/2単位のポリオルガノシロキサンを得た後、乳化剤、R′SiO3/2単位の原料と水の混合物をラインミキサーやホモジナイザーで乳化した乳化液を連続的に加えることにより、粒子状に合成されたポリオルガノシロキサン化合物を得ることができる。
なお、上記のポリオルガノシロキサン化合物の製造においては、ポリオルガノシロキサン化合物の安定性や粒子径コントロールのために、非常に小粒子径のシードポリマーを酸触媒含有の水に少量加えて実施してもよい。
本発明のRSiO2/2単位の原料としては、RSiX(式中、Rは、上記と同じ基を表す。Xは、同一又は異なってもよく、ハロゲン、水酸基、または水酸基の脱水縮合物である。)や、直鎖状、分岐状または環状構造を有するオルガノシロキサンである。具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシランなど、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンなどを挙げることができる。
本発明のR′SiO3/2単位のR′は、炭素数1乃至4のアルキル基及び炭素数6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基を示し、R′SiO3/2単位を有する原料としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシランなどを挙げることができる。
本発明のSiO4/2単位の原料としては、例えば、四塩化ケイ素、テトラアルコキシシラン、水ガラスおよび金属ケイ酸塩からなる群より選択することができる。テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、およびそれらの縮合物などが挙げられる。
本発明における乳化剤としては、アニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤が好適に使用されうる。アニオン系乳化剤の具体例としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどが挙げられるが、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好適に用いられうる。ノニオン系乳化剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルやポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが挙げられる。
本発明に用いることのできる酸触媒は、例えば、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類、および硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類が挙げられる。これらの中では、オルガノシロキサンの乳化安定性に優れる観点から、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
ポリオルガノシロキサンの合成のための加熱は、適度な重合速度が得られるという点で40〜120℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
本発明における粒子状のポリオルガノシロキサン化合物の合成においてはシードポリマーを使用することができる。酸触媒を含有する水に加えることのできる当該シードポリマーは、例えば、通常の乳化重合法によっても得ることができるが、合成法は特に限定されるものではない。当該シードポリマーは、例えば、アクリル酸ブチルゴム、ブタジエン系ゴム、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体等のゴム成分であっても良く、アクリル酸ブチル−スチレン共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸ブチル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の硬質重合体であっても問題ない。中でも、ポリオルガノシロキサン化合物粒子の粒子径分布を狭くするという観点から、上記シードポリマーの分子量は低く、粒子径が小さいことが好ましい。上記シードポリマーの粒子径については、最終粒子径に応じて適宜設定することができるが、通常は、体積平均粒子径で概ね0.01〜0.1μmの範囲に設定するのが好ましい。
本発明のポリオルガノシロキサン化合物の体積平均粒子径は、最終成形体の難燃性の観点から、0.01〜5μmの範囲であることが好ましく、さらには0.05〜2μmの範囲であることがより好ましい。なお、体積平均粒子径は、例えば、リード&ノースラップインスツルメント(LEED&NORTHRUP INSTRUMENTS)社製のMICROTRAC UPAを用いることにより測定することができる。
本発明より得られるポリオルガノシロキサン化合物の重量平均分子量は、成形条件に左右されない安定した難燃性の観点から、30万以上から、溶剤に溶けない無限大(以下、∞とも表す)となるような範囲に設定することが好ましい。なお、溶剤に溶ける場合のポリオルガノシロキサン化合物の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
本発明におけるポリオルガノシロキサン化合物中の有機基は、入手性や原料費の観点から、実質的にメチル基と芳香族基とからなることが好ましく、中でも、メチル基/芳香族基のモル比は10以下、更には5以下であることがより好ましい。
本発明において、粒子状のポリオルガノシロキサン化合物がラテックス状で得られる場合、当該ラテックスからポリオルガノシロキサン化合物を、最終的に粉体として分離する方法については特に制限は無く、例えば、ラテックスに塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどの金属塩を添加することによりラテックスを凝固し、NaOH水溶液等を用いて中和した後、脱水、水洗し、乾燥する方法などが挙げられる。また、スプレー乾燥法も使用できる。さらに必要に応じて、ポリオルガノシロキサンをメタノール等の有機溶剤で洗浄することもできる。
本発明の難燃剤は、前記ポリオルガノシロキサン化合物を含有するものであるが、当該難燃剤には、本発明の趣旨を損なわない範囲でその他の添加物を配合することができる。このようなその他の添加剤としては、例えば、リン系難燃剤、金属塩、無機充填剤等が挙げられる。
本発明の難燃剤は、樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部添加することで所期の目的を達成することができる。難燃剤の添加量が0.1重量部未満では難燃性の改善効果が得られない場合があり、逆に50重量部を超えると、成形体の表面性や成形加工性等が悪化する傾向がある。難燃剤の添加量は、好ましくは0.3〜30重量部であり、より好ましくは0.5〜20重量部である。したがって、本発明の難燃剤は、10重量部以下という極少量の使用であっても難燃性の効果を発揮することが可能である。なお、本発明の難燃剤と、他の公知の各種難燃剤とを組み合わせて使用することにより、さらに高度な難燃性を発現することができるが、そのときには上記使用量に限定されず、さらに少量の添加量でも難燃性組成物を得ることが可能である。
本発明の難燃性樹脂組成物で用いられる樹脂としては特に限定されず、難燃剤を混合することが可能な各種高分子化合物を用いることができる。樹脂は熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、また合成樹脂であっても自然界に存在する樹脂であっても良い。本発明の難燃剤と他の公知の各種難燃剤を組み合わせることにより高度な難燃性を発揮させることができる。
前記樹脂の中でも、本発明の難燃剤を用いて難燃化させることが容易であることから、樹脂として芳香族系樹脂を用いるのが好ましい。芳香族系樹脂とは、分子内に少なくとも1個以上の芳香環を有する樹脂を示す。芳香族系樹脂の中でも、芳香族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、N−芳香族置換マレイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、およびこれらのうちの少なくとも2種からなるポリマーアロイ、からなる群より選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。これらの樹脂を単独で用いてもよく、これら以外の他の各種樹脂とのアロイとして用いてもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物には、さらに難燃性を高めるために、フッ素系樹脂、本発明で用いられるポリオルガノシロキサン化合物以外の珪素含有重合体、等を用いることができる。
フッ素系樹脂とは樹脂中にフッ素原子を有する樹脂である。具体的には、ポリモノフルオロエチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体などを挙げることができる。また、得られた成形品の難燃性などの物性を損なわない程度で必要に応じ、該フッ素樹脂の製造に用いる単量体と、共重合可能な他の単量体とを共重合してえられた共重合体を用いてもよい。これらのフッ素系樹脂は1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。フッ素系樹脂の重量平均分子量は、100万〜2000万が好ましく、さらに好ましくは200万〜1000万である。これらフッ素系樹脂の製造方法に関しては、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合などの通常公知の方法により得ることができる。
本発明で用いられうるポリオルガノシロキサン化合物以外の珪素含有重合体とは、ジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のジオルガノシロキサン化合物、トリメチルシルヘミオキサン,トリフェニルシルヘミオキサン等のオルガノシルヘミオキサン化合物、及びこれらを重合して得られる共重合体、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリシラン、ポリカルボシラン、ポリシラザン、珪素−ホウ素共重合体、珪素−金属共重合体等が挙げられる。分子中の一部がエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ基、エーテル、等により置換された変性珪素重合体も用いることができる。
フッ素系樹脂、珪素含有重合体の添加量は、他の特性(耐薬品性,耐熱性など)を損なわない限り制限はないが、樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.03〜8重量部、特に好ましいのは0.05〜6重量部である。添加量が0.01重量部未満では、難燃性向上効果が小さい場合があり、10重量部を越えると成形性などが低下する場合がある。
また本発明の難燃性樹脂組成物をより高性能にするため、フェノール系安定剤、チオエーテル系安定剤、リン系安定剤等の熱安定剤を1種または2種類以上併せて使用することが好ましい。さらに必要に応じて、通常良く知られた、滑剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、導電性付与剤、分散剤、相溶化剤、抗菌剤等の添加剤を1種または2種類以上併せて使用することができる。ただし、これら添加剤として、ポリオルガノシロキサン化合物の分解や反応を促進するものを用いると、得られた組成物の難燃性が低下するため、このようなものを用いるのは好ましくない。
更に本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の特性(難燃性等)を損なわない範囲で強化充填剤を組み合わせることにより、強化材料としてもよい。すなわち、強化充填剤を添加することで、更に耐熱性や機械的強度等の向上を図ることができる。このような強化充填剤としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等の繊維状充填剤;ガラスビーズ、ガラスフレーク;タルク、マイカ、カオリン、ワラストナイト、スメクタイト、珪藻土等のケイ酸塩化合物;炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。なかでも、ケイ酸塩化合物及び繊維状充填剤が好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物を製造するための方法としては特に限定されない。例えば、上述したような成分を必要に応じて乾燥させた後、単軸、二軸等の押出機のような溶融混練機にて、溶融混練する方法等により製造することができる。また、配合剤が液体である場合は、液体供給ポンプ等を用いて二軸押出機に途中添加して製造することもできる。
本発明の難燃性樹脂組成物の成形加工法としては特に限定されず、一般に用いられている成形法、例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、真空成形、プレス成形、カレンダー成形、発泡成形等を利用することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、種々の用途に好適に使用することができる。好ましい用途としては、家電、OA機器部品、自動車部品等の射出成形品、ブロー成形品、押出成形品、発泡成形品等が挙げられる。
本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。なお、以下の実施例および比較例における測定および試験はつぎのように行った。
[体積平均粒子径]
シードポリマー、ポリオルガノシロキサン粒子の体積平均粒子径をラテックスの状態で測定した。測定装置として、リード&ノースラップインスツルメント(LEED&NORTHRUP INSTRUMENTS)社製のMICROTRAC UPAを用いて、光散乱法により体積平均粒子径(μm)を測定した。
[ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量]
ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量は、GPC測定データよりポリスチレン標準試料で作成した検量線を用いて換算した。
[耐衝撃性]
ASTM D−256に準じて、ノッチつき1/8インチバーを用いて−10℃でのアイゾット試験により評価した。
[難燃性]
1/16インチバーを用い、UL94 V試験に準じて評価した。
(実施例1〜2と比較例1)
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水500重量部(種々の希釈水も含む水の総量)およびドデシルベンゼンスルホン酸(以下、DBSAとも言う)を表1に示す量(固形分量)混合した後、窒素置換を行った。その後、別途純水100重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下、SDBSとも言う)0.5重量部(固形分量)、表1に示す量のオクタメチルシクロテトラシロキサン(以下、D4とも言う)、メチルトリメトキシシラン(信越化学製 KBM−13)(以下、MTMSとも言う)の混合物をホモジナイザーにより7000rpmで5分間撹拌して得た乳化液を1段で一括添加した。その後80℃に昇温し、6時間撹拌を続けた。その後25℃に冷却して20時間放置し、ラテックス状のポリオルガノシロキサンを得た。このポリオルガノシロキサンの体積平均粒子径と重量平均分子量を表1に示した。
つづいて、ラテックス状ポリオルガノシロキサンを純水で希釈し、固形分濃度を約5重量%にした後、25重量%塩化カルシウム水溶液5重量部(固形分量)を添加して、凝固スラリーを得た。凝固スラリーを2.5重量%NaOH水溶液を用いてpH=7に中和した。この凝固スラリーを脱水し、10倍量のメタノールと混合・撹拌した後、再び乾燥させてポリオルガノシロキサン粉体(難燃剤)を得た。
つぎにポリカーボネート樹脂(出光石油化学株式会社製 タフロンFN1900A)、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(ダイセル(株)製、セビアン−N 050SF)および上記ポリオルガノシロキサンの粉体(難燃剤)を用いて表1に示す組成で配合した。なお滴下防止剤としてポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業株式会社製 ポリフロンFA−500)0.4重量部を用いた。
得られた配合物を2軸押出機(日本製鋼製 TEX44SS)で270℃にて溶融混錬し、ペレットを製造した。得られたペレットをシリンダー温度280℃に設定した株式会社ファナック(FANUC)製のFAS100B射出成形機で1/8インチの耐衝撃性評価用試験片および1/16インチの難燃性評価用試験片を作成した。得られた試験片を用いて前記評価方法に従って評価した。成形体の耐衝撃性と難燃性の結果を表1に示す。
(実施例3)
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水400重量部(種々の希釈水も含む水の総量)およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)を8重量部(固形分量)とり混合した後50℃に昇温し、液温が50℃に達した後、窒素置換を行った。その後、ブチルアクリレート10重量部、t−ドデシルメルカプタン3重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.01重量部の混合液を加えた。30分後、硫酸第一鉄(FeSO・7HO)0.002重量部、エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩0.005重量部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.2重量部を加えてさらに1時間重合させた。その後ブチルアクリレート90重量部、t−ドデシルメルカプタン27重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.1重量部の混合液を3時間かけて連続追加した。2時間の後重合を行い、シードラテックス(シード1)を得た。このラテックスの体積平均粒子径は0.04μmであった。
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水500重量部(種々の希釈水も含む水の総量)、シードラテックス(シード1)1重量部(固形分量)およびドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)0.5重量部(固形分量)を混合した後、窒素置換を行った。その後、別途純水50重量部、SDBS0.25重量部(固形分量)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)50重量部の混合物をホモジナイザーにより7000rpmで5分間撹拌して得た乳化液を一括添加した。添加終了後、8時間撹拌を続けた後、25℃に冷却して20時間放置し、ラテックス状のRSiO2/2単位からなるポリオルガノシロキサンを得た。このポリオルガノシロキサンにドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)を0.5重量部(固形分量)混合した後、窒素置換を行った。その後60℃に昇温し、別途純水50重量部、SDBS0.25重量部(固形分量)、メチルトリメトキシシラン(MTMS)50重量部の混合物をホモジナイザーにより7000rpmで5分間撹拌して得た乳化液を3時間かけて連続添加した。その後2時間撹拌を続けた。その後25℃に冷却して20時間放置し、ラテックス状のポリオルガノシロキサンを得た。このポリオルガノシロキサンの体積平均粒子径と重量平均分子量を表1に示した。
その後の後処理、成形、物性評価は実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、水500重量部(種々の希釈水も含む水の総量)、シードラテックス(シード1)1重量部(固形分量)およびドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)0.75重量部(固形分量)を混合した後、窒素置換を行った。その後、別途純水50重量部、SDBS0.25重量部(固形分量)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)50重量部の混合物をホモジナイザーにより7000rpmで5分間撹拌して得た乳化液を一括添加した。添加終了後、8時間撹拌を続けた後、25℃に冷却して20時間放置し、ラテックス状のRSiO2/2単位からなるポリオルガノシロキサンを得た。このポリオルガノシロキサンにドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)を0.25重量部(固形分量)混合した後、窒素置換を行った。その後60℃に昇温し、別途純水50重量部、SDBS0.25重量部(固形分量)、メチルトリメトキシシラン(MTMS)50重量部の混合物をホモジナイザーにより7000rpmで5分間撹拌して得た乳化液を3時間かけて連続添加した。その後2時間撹拌を続けた。その後25℃に冷却して20時間放置し、ラテックス状のポリオルガノシロキサンを得た。このポリオルガノシロキサンの体積平均粒子径と重量平均分子量を表1に示した。
その後の後処理、成形、物性評価は実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
配合においてポリオルガノシロキサン粉体(難燃剤)を無添加にする以外は実施例1と同様に配合・成形・評価を行いその結果を表1に示した。
Figure 2006137214
SiO2/2単位、R′SiO3/2単位からなる構造を有し、RSiO2/2単位/R′SiO3/2単位のモル比が20以下であり、かつ、水系で乳化剤を用いて体積平均粒子径0.01〜5μmの粒子状に合成されたポリオルガノシロキサン化合物を含有する難燃剤を配合した樹脂組成物は高い難燃性と耐衝撃性を示した。

Claims (8)

  1. SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよい)およびR′SiO3/2単位(式中、R′は、炭素数1乃至4のアルキル基及び炭素数6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基を示す)からなる構造を有し、RSiO2/2単位/R′SiO3/2単位のモル比が20以下であり、かつ、水系で乳化剤を用いて体積平均粒子径が0.01〜5μmの粒子状に合成されたポリオルガノシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤。
  2. 前記ポリオルガノシロキサン化合物が、まずRSiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよい)からなるポリオルガノシロキサンを水系で乳化剤を用いて合成し、その後R′SiO3/2単位(式中、R′は、炭素数1乃至4のアルキル基及び炭素数6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基を示す)からなる成分を縮合して、体積平均粒子径が0.01〜5μmの粒子状に合成されることを特徴とする、請求項1記載の難燃剤。
  3. 前記ポリオルガノシロキサン化合物の重量平均分子量が300,000以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の難燃剤。
  4. SiO2/2単位(式中、RはSiに結合可能な有機基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよい)、R′SiO3/2単位(式中、R′は、炭素数1乃至4のアルキル基および炭素数6乃至24の芳香族基からなる群より選択される基を示す)およびSiO4/2単位からなる構造を有し、RSiO2/2単位/R′SiO3/2単位のモル比が20以下であり、かつ、水系で乳化剤を用いて体積平均粒子径が0.01〜5μmの粒子状に合成されたポリオルガノシロキサン化合物を含有することを特徴とする難燃剤。
  5. ポリオルガノシロキサン化合物中の有機基がメチル基と芳香族基とからなり、メチル基/芳香族基のモル比が10以下であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の難燃剤。
  6. 樹脂100重量部に対して、請求項1乃至5のいずれかに記載の難燃剤0.1〜50重量部を含有することを特徴とする、難燃性樹脂組成物。
  7. 前記樹脂が芳香族系樹脂であることを特徴とする、請求項6記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 前記樹脂が、芳香族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、N−芳香族置換マレイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、およびこれらのうちの少なくとも2種からなるポリマーアロイ、からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6または7に記載の難燃性樹脂組成物。

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