JPWO2006112480A1 - 位相板および光ヘッド装置 - Google Patents

位相板および光ヘッド装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2006112480A1
JPWO2006112480A1 JP2007528173A JP2007528173A JPWO2006112480A1 JP WO2006112480 A1 JPWO2006112480 A1 JP WO2006112480A1 JP 2007528173 A JP2007528173 A JP 2007528173A JP 2007528173 A JP2007528173 A JP 2007528173A JP WO2006112480 A1 JPWO2006112480 A1 JP WO2006112480A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
light
optical
phase plate
optical axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007528173A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5061899B2 (ja
Inventor
利昌 垣内
利昌 垣内
村田 浩一
浩一 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2007528173A priority Critical patent/JP5061899B2/ja
Publication of JPWO2006112480A1 publication Critical patent/JPWO2006112480A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5061899B2 publication Critical patent/JP5061899B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3083Birefringent or phase retarding elements
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1365Separate or integrated refractive elements, e.g. wave plates
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/28Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for polarising
    • G02B27/288Filters employing polarising elements, e.g. Lyot or Solc filters
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1353Diffractive elements, e.g. holograms or gratings
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1365Separate or integrated refractive elements, e.g. wave plates
    • G11B7/1367Stepped phase plates
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1381Non-lens elements for altering the properties of the beam, e.g. knife edges, slits, filters or stops
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B2007/0003Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier
    • G11B2007/0006Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier adapted for scanning different types of carrier, e.g. CD & DVD

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optical Head (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

光記録媒体の種類等に応じて保護層透過による位相差の相違があっても受光器に入射する光の光量の変動を抑制することが可能な位相板および光ヘッド装置を提供する。複屈折性の媒質を有し、入射する直線偏光の、光学軸に平行な方向の偏光成分と光学軸に垂直な方向の偏光成分との間に位相差を生じさせる位相板100であって、複屈折性の媒質が、隣り合って配置された複数種類の位相領域101A、101Bを有し、少なくとも隣り合う2種類の位相領域101A、101Bの、位相差、光学軸、または位相差と光学軸が相互に異なり、各位相領域が光軸に関して2回の回転対称性を有するように配置された構成を有している。

Description

本発明は、光学的情報の記録および再生に用いる位相板および光ヘッド装置に関し、特にCD、DVD等の所定の複数種類の光記録媒体を対象に光学的情報の記録または再生を行う場合に用いる位相板および光ヘッド装置に関する。
従来、CD、DVD等の光記録媒体に光学的情報を記録し、光記録媒体に記録された光学的情報を再生する光ヘッド装置において、光学的情報の読み出し、フォーカシングサーボおよびトラッキングサーボを行うために、光の偏光を利用して光ヘッド装置からの戻り光を分離している。図10は、従来の光ヘッド装置の構成の一例を概念的に示す図である。以下に、従来の光ヘッド装置の作用について説明する。
ツインレーザ等の複数波長の光束を出射する光源1から出射された光束(以下、P偏光とする。)は、偏光ホログラム素子等の偏光ビームスプリッタ2を通過し、位相板10を透過することによって円偏光に変化し、コリメータレンズ3および対物レンズ4を透過して光記録媒体20に入射する。光記録媒体20で入射光が反射されて戻り光となり、光記録媒体20からの戻り光は、対物レンズ4およびコリメータレンズ3を透過し、位相板10を透過することによって光源1から出射された光束と直交する偏光方向の光束(以下、S偏光とする。)に変化し、偏光ビームスプリッタ2で入射光から分離され、受光器5に入射し、受光器5によって電気信号に変換される。
近年、光ヘッド装置は、通常、CD、DVD等の所定の複数種類の光記録媒体を対象に光学的情報の記録または再生を行うようになっている(例えば、特開2001−47195号公報参照。)。以下、説明の都合上、光ヘッド装置が対象とする光記録媒体をCDおよびDVDとする。ここで、光記録媒体は情報記録面上に保護層を有し、この保護層の厚さは一般に光記録媒体の種類毎に異なる。そして、上記の保護層は、複屈折性を有する。その結果、光記録媒体毎に戻り光の偏光状態が異なり、S偏光からの偏光状態のズレが異なる。具体的には、CDの情報記録面上の保護層はDVDの保護層より厚く、CDからの戻り光はS偏光から大きくずれてしまうということが起こる。
したがって、このような従来の光ヘッド装置では、CD等の保護層の厚い光記録媒体からの戻り光は位相板を透過したときにS偏光から大きくずれてしまうため、受光器に入射する光の光量が大幅に低下する場合があるという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、光記録媒体の種類等に応じて保護層透過による位相差の相違があっても受光器に入射する光の光量の変動を抑制することが可能な位相板および光ヘッド装置を提供するものである。
本発明は、以下の要旨を有する。
1.複屈折性の媒質を有し、入射する直線偏光の偏光成分であり、光学軸に平行な方向の偏光成分と光学軸に垂直な方向の偏光成分との間に位相差を生じさせる位相板であって、
前記複屈折性の媒質が、隣り合って配置された複数種類の位相領域を有し、
少なくとも隣り合う2種類の前記位相領域の、位相差、光学軸、または位相差と光学軸が相互に異なり、
各前記位相領域が前記光軸に関して2回の回転対称性を有するように配置されたことを特徴とする位相板。
この構成により、少なくとも隣り合う2種類の位相領域の、位相差、光学軸、または位相差と光学軸が相互に異なり、各位相領域が光軸に関して2回の回転対称性を有するように配置されているため、光記録媒体の種類等に応じて保護層透過による位相差の相違があっても受光器に入射する光の光量の変動を抑制することが可能な位相板を実現できる。
2.前記位相領域が第1の種類の位相領域および第2の種類の位相領域からなり、前記第1の種類の位相領域で生ずる位相差と、前記第2の種類の位相領域で生ずる位相差とが異なる上記1に記載の位相板。
この構成により、上記1の効果に加え、位相領域が2種類であるため、簡易な構成の位相板を実現できる。
3.前記複屈折性の媒質の一部または全部が液晶からなり、前記液晶と接するように設けられ、各前記位相領域の光学軸方向に平行に形成された複数の溝を備え、各前記溝の方向に前記液晶を配向させる上記1または2に記載の位相板。
この構成により、上記1または2の効果に加え、液晶と接するように設けられ、かつ各位相領域の光学軸方向に平行に形成された複数の溝の方向に液晶を配向させるため、配向処理を容易に行うことが可能な位相板を実現できる。
4.前記複屈折性の媒質の一部または全部が、高分子液晶からなる上記1から3までのいずれか1つに記載の位相板。
この構成により、上記1から3までのいずれか1つの効果に加え、複屈折性の媒質の一部または全部が、高分子液晶からなるため、加工性の良い位相板を実現できる。
5.光を出射できる光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体へ集光する対物レンズと、前記光記録媒体からの戻り光を検出する受光器とを備える光ヘッド装置であって、前記対物レンズと前記光源との間の光路中に、上記1から4までのいずれか1つに記載の位相板を備え、前記光記録媒体からの戻り光が前記位相板を透過することを特徴とする光ヘッド装置。
この構成により、上記1から4までのいずれか1つの効果を有する光ヘッド装置を実現できる。
6.前記光源と前記位相板との間の光路中に偏光ビームスプリッタを備えた上記5に記載の光ヘッド装置。
この構成により、上記1から5までのいずれか1つの効果に加え、光利用効率の高い光ヘッド装置を実現できる。
7.前記光源が、異なる複数波長の光を出射することができ、
前記複数波長のうちの少なくとも1つの波長の光が前記複数種類の位相領域を透過したときに生ずる位相差が、−1または+1をとる整数をmとし、任意の整数をkとし、−20以上+20以下のいずれかの値をとる実数をαとするとき、(90×m+360×k+α)度であり、
前記複数波長のうちの少なくとも1つの波長の光が前記複数種類の位相領域を透過したときに生ずる各位相差間の差が、任意の整数をjとし、−40以上+40以下のいずれかの値をとる実数をβとするとき、(360×j+β)度である上記5または6に記載の光ヘッド装置。
この構成により、上記5または6の効果に加え、複数の波長のうちの1つの波長の光を例えばCD等の複屈折の影響が大きい光記録媒体の記録再生用とし、上記とは異なる波長の光を例えばDVD等の複屈折の影響が小さい光記録媒体の記録再生用とすることによって、複屈折の影響が小さい光記録媒体に対しては、位相板は1/4波長板として機能し、複屈折の影響が大きい光記録媒体に対しては、位相板は領域分割した位相板として機能するため、良好な記録再生特性が得られる光ヘッド装置を実現できる。
本発明は、少なくとも隣り合う2種類の位相領域の、位相差及び光学軸の少なくともいづれかが相互に異なり、各位相領域が光軸に関して2回の回転対称性を有するように配置されているため、光記録媒体の種類等に応じて保護層透過による位相差の相違があっても受光器に入射する光の光量の変動を抑制することが可能な位相板を実現できる。
本発明の実施の形態に係る位相板について説明するための説明図 本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置の概念的な構成を示す図 往路で位相領域を透過することによって生ずる偏光状態の変化を説明するための図 光記録媒体からの戻り光の受光器位置でのS偏光成分を説明するための図 本発明の実施の形態に係る、中心を有する構成の位相板の平面図 本発明の実施例の例1に係る位相板の模式的な構成を示す図 図6に示す位相板の製造方法を説明するための図 本発明の実施例の例2に係る位相板の模式的な構成を示す図 図8に示す位相板の製造方法を説明するための図 従来の光ヘッド装置の概念的な構成を示す図
符号の説明
1:光源
2:偏光ビームスプリッタ(偏光ホログラム)
3:コリメータレンズ
4:対物レンズ
5:受光器
10、100、510、520、600、800:位相板
20:光記録媒体
101A、101B、511A、511B、521A、521B:位相領域
200、300:光ヘッド装置
311、312、321、322:位相板によるストークスベクトルの回転方向
313、314:位相板による回転後のストークスベクトルの位置
331、332:光記録媒体によるストークスベクトルの回転方向
601A、601B、801A、801B:ガラス基板
602A、602B、802、802A、802B:高分子液晶
603、803:充填材
614A、614B、804:シール
611A、611B、811:当て板ガラス
812A、812B:SiON膜
L:P偏光の偏光方向
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る位相板について説明するための図である。図1(a)は、位相板100の構成を概念的に示す平面図である。図1(a)において、位相板100は、第1の種類の位相領域101Aと第2の種類の位相領域101Bとを有する。
各位相領域101A、101Bは、複屈折性の媒質(以下、複屈折性媒質という。)におけるストライプ状の領域であり、ストライプ状の領域の長手方向に直交する方向の幅(以下、ストライプの幅という。)は光束の直径よりも充分細くなっている。具体的には、光束の直径を数mmとすると、ストライプの幅は数十μm〜数百μm程度である。例えば、光束の直径を3.1mmとすれば、ストライプの幅は約100μmである。また、位相領域101Aと位相領域101Bとは、相互に光学軸および位相差が異なるようになっている。
各位相領域101A、101Bでの位相差および光学軸の向きは、さまざまな値を設定することができる。説明の都合上、位相板には2つの波長λ、λ(λ<λ)の光が入射したものとする。この2つの波長λ、λのうちの少なくとも1方の波長に対しては、各位相領域101A、101Bの位相差は異なっているが、(90×m+360×k+α)度の関係を満足することが好ましい。ここで、mは−1または+1をとる整数であり、kは任意の整数である。また、αは−20度以上+20度以下であることが好ましい。
さらに好ましくは、αは−10度以上+10度以下である。さらに好ましくは、αは0度である。これは、αが0度に近いとき、この位相板に直線偏光で入射した波長λの光は、概ね円偏光に変換され、光記録媒体で反射された光が再び位相板を透過すると入射偏光方向と直交した偏光方向の直線偏光に変換されるため、効率よく光検出器に光を導くことができるからである。
さらに、各位相領域101A、101B間の位相差の差が、一方の波長に対して(360×j+β)度であることが好ましい。ここで、jは整数である。βは−40度以上+40度以下が好ましい。さらに、βは−20度以上+20度以下が好ましく、さらに好ましくはjが0でなくかつ、βが0度であることが好ましい。これは、位相板の各位相領域101A、101B間を透過した光の偏光状態がλの光に対しては概ね同じ偏光状態となり、光束内で均一な偏光状態を実現できるためである。
ここで、上記の位相差とは、入射する光の、複屈折性媒質の光学軸に平行な方向の偏光成分と光学軸に垂直な方向の偏光成分との間に生ずる位相差をいう。図1(b)は、位相板100の断面構成を概念的に示す断面図である。図1(a)に、光学軸の方向を矢印で示し各位相領域101A、101Bで光学軸が異なることを示し、図1(b)には、各位相領域101A、101Bで複屈折性媒質の厚さが異なることを示す。以下、各位相領域101A、101Bの光学軸は、各位相領域101A、101Bの境界に対して、反対方向に45°傾いているものとする。
また、説明の都合上、位相板100には2つの波長λ、λ(λ<λ)の光が入射するものとする。具体的には、波長λを例えばCDに記録再生を行う場合に用いる光の波長(780nm帯)とし、波長λを例えばDVDに記録再生を行う場合に用いる光の波長(660nm帯)とする。各位相領域101A、101Bでの位相差は、波長λに対してはそれぞれ「72°」および「−217°」であり、波長λに対してはそれぞれ「90°」および「−270°」である。上記の位相差は、波長λに対して、位相領域101Aがm=1、k=0、α=−18°の例であり、位相領域101Bがm=1、k=−1、α=53°で、j=1、β=−143°の例である。同様に、上記の位相差は、波長λに対しては、位相領域101Aがm=1、k=0、α=0°、j=1、β=0°の例であり、位相領域101Bがm=1、k=−1、α=0°で、j=1、β=0°の例である。
以下、入射光を直線偏光とし、偏光方向を各位相領域101A、101Bの境界に平行な方向とする(図1(c)および(d)の矢印Lを用いて示す方向)。そして、この入射光をP偏光とする。また、位相領域101Aまたは位相領域101Bの中心が光軸上にあり、位相領域101Aと位相領域101Bとは、光軸に関して2回の回転対称性を有するように配置されているものとする。
その結果、波長λの入射光は、第1の位相領域101Aに入射した部分と、第2の位相領域101Bに入射した部分とが、実質的に同一の偏光状態(円偏光)の光となって位相板100を透過し、戻り光も、入射光と同一の種類の位相領域を透過する。一方、波長λの入射光は、第1の位相領域101Aに入射した部分と、第2の位相領域101Bに入射した部分とが、異なる偏光状態(楕円偏光)の光となって位相板100を透過する。
以下、説明の都合上、波長λの光を記録再生に用いる光記録媒体では、保護層を透過する際の、複屈折が原因の位相差は無視できるほど小さいものとする。上記のように構成することによって、位相板100は、波長λの光に対して1/4波長板として機能する。次に、波長λの光に対して、位相板100は以下のように機能する。
ここで、光ヘッド装置は、図2に示すように光源1と、プリズム状のビームスプリッタ、偏光回折素子、偏光ホログラム素子等からなる偏光ビームスプリッタ2と、位相板100と、コリメータレンズ3と、対物レンズ4と、受光器5とで構成されるものとする。位相板100への入射光のストークスベクトルをSiとし、受光器5への入射光のストークスベクトルをSoとすると、ストークスベクトルSoは、以下の式(1)を用いて表される。
So=P×B×M×F×Si (1)
ここで、Pは偏光ビームスプリッタ2による偏光状態の変化を表す変換行列であり、Bは光記録媒体20の情報記録面で反射した戻り光が位相板100を透過するまでの偏光状態の変化を表す変換行列であり、Mは情報記録面での反射による偏光状態の変化を表す変換行列であり、Fは位相板100に入射してから情報記録面に到達するまでの偏光状態の変化を表す変換行列である。また、ストークスベクトルSiは、[1、1、0、0]である。ただし、記号Tは転置を意味する。
また、変換行列F、Bは、それぞれ往路および復路での、位相板100内と光記録媒体20の保護層内で生じる偏光状態の変化を表すものであり、それぞれさらに以下の2つの変換行列に分けられる。
F=G(θd、Γd)G(θp、Γp) (2)
B=G(π−θp、Γp)G(π−θd、Γd) (3)
ここで、θpは位相板100の光学軸とP偏光の偏光方向とのなす角度(以下、単に光軸角度という。)であり、θdは光記録媒体20の保護層の光軸角度である。
本実施の形態では、位相板100の光軸角度θpは、45°または−45°である。Γpは位相板100内で発生する位相差であり、Γdは光記録媒体20の保護層内で発生する位相差(以下、保護層内位相差という。)である。Γpは波長毎および位相領域101A、101B毎に異なる。
変換行列G(θ、Γ)は、さらに以下に示すように3つの変換行列に分けられる。
G(θ、Γ)=T(θ)C(Γ)T(−θ) (4)
Figure 2006112480
ここで、式(4)のT(θ)は旋光子行列であり、旋光子行列T(θ)は、式(5)に示すように、ポアンカレー球のS3軸の周りにストークスベクトルを2θ回転させる変換行列である。また、C(Γ)は位相子行列であり、位相子行列C(Γ)は、式(6)に示すように、ポアンカレー球のS1軸の周りにストークスベクトルをΓ回転させる変換行列である。
また、ミラー行列と称される変換行列M、および、S偏光を反射、回折等により偏向させる偏光子行列と称される変換行列Pは以下の式(7)および式(8)を用いて表される。
Figure 2006112480
波長λの光のストークスベクトルは、往路で位相領域101Aを透過することによって、図3に示すように矢印311の方向に点313の位置まで72°移動し、位相領域101Bを透過することによって矢印312の方向に点314の位置まで217°移動する。これに対して、波長λの光のストークスベクトルは、位相領域101Aを透過することによって矢印321の方向にS3軸まで90°移動し、位相領域101Bを透過することによって矢印322の方向にS3軸まで270°移動する。
図4は、光記録媒体20の保護層の光軸角度θdを45°とし、位相領域101A、101Bおよび位相差90°の領域を通過した各光のストークスベクトルSoの2行目の成分(以下、S1成分という。)、および、位相領域101A、101Bを透過した光のS1成分を平均したものを、保護層位相差Γdを変数として表したものである。上記の光軸角度θdで、光が光記録媒体20の保護層を透過したときのストークスベクトルの回転方向を図3に矢印331、332を用いて示す。
図4において、●を用いて示す曲線は位相板で90°の位相差が発生した場合のS1成分(以下、90度S1成分という。)の変化を表し、■を用いて示す曲線は位相領域101Aを透過した光のS1成分(以下、72度領域S1成分という。)の変化を表し、▲を用いて示す曲線は位相領域101Bを透過した光のS1成分(以下、217°領域S1成分という。)の変化を表し、〇を用いて示す曲線は位相領域101A、101Bを透過した光のS1成分を平均したもの(以下、分割平均S1成分という。)の変化を表す。
図4に示すように、90度S1成分、72度領域S1成分および217度領域S1成分は、保護層位相差ΓdがS2軸の周りに−90〜90度変化すると0〜100%の範囲で変化する。これに対して、分割平均S1成分は、図4に示すように保護層位相差Γdの変動の影響が低減され、50%を中心とする狭い範囲に入ることになる。すなわち、光記録媒体20の保護層の保護層位相差Γdが変動した場合でも、位相板100を出射するS偏光の光量の変動を、入射光の光量の50%を中心とする狭い範囲内に抑えることができることになる。
以下、本発明の実施の形態に係る位相板100の作用について説明する。まず、位相板100に入射した波長λの光は、P偏光のため位相領域101Aを透過した部分が72°位相がずれた楕円偏光となると共に位相領域101Bを透過した部分が−217°位相がずれた楕円偏光となる。次に、位相板100を出射した楕円偏光は、光記録媒体20の保護層を透過して所定の位相差が加えられた偏光状態になる。
ここで、光記録媒体20の保護層を透過して情報記録面に到達した光は、光記録媒体20の保護層の光軸角度θdおよび保護層位相差Γdに応じてストークスベクトルが回転するが、位相領域101Aを透過した光と位相領域101Bを透過した光とでは、ストークスベクトルの各要素の変化が異なる。光記録媒体20の情報記録面で反射した光に対しても、同様に、位相領域101Aを透過した光と位相領域101Bを透過した光とでは、ストークスベクトルの各要素の変化が異なる。
その結果、位相領域101Aを透過した光と位相領域101Bを透過した光とでは、光記録媒体20の保護層を透過したときのS1成分の変化が異なり、一方の位相領域を透過した光のS1成分が小さくなる場合でも、他方の位相領域を透過した光のS1成分は同程度に小さくならない。その結果、1種類の位相領域からなる位相板を用いる場合とは異なり、光記録媒体20の保護層を透過したときのS1成分の変動を抑制することが可能となる。
なお、上記では、光の入射方向から見たときにストライプ状の位相領域が交互に並んだ構成について説明したが、本発明の適用は上記の構成に限定されるものではなく、図5(a)に示すように光学軸の方向が異なる円状または輪帯状の領域が交互に並んだ構成、図5(b)に示すように光学軸の方向が異なる三角形の領域がパラソル状に交互に並んだ構成等、その他の構成にも適用される。
図5(a)に示す構成では、P偏光の偏光方向に対して光学軸が反対方向に45°傾いた2種類の位相領域511A、511Bが動径方向に交互に並んでおり、円状の領域の中心が光軸上にあり、2種類の位相領域511A、511Bを透過する部分の光量が等しくなるようになっている。このように構成することによって、光軸の位置合わせを目視で行うことができるため、組み立てを容易に行うことができる。
図5(b)に示す構成では、P偏光の偏光方向に対して光学軸が反対方向に45°傾いた2種類の位相領域521A、521Bが円周方向に交互に並んでおり、パラソル状の領域の中心が光軸上にあり、2種類の位相領域521A、521Bを透過する部分の光量が等しくなるようになっている。このように構成することによって、光軸の位置合わせを目視で行うことができるため、組み立てを容易に行うことができると共に、光の動径方向の強度分布を考慮せずに光量の均等化を図ることができる。
以下、図2を用いて本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置200の作用について説明する。まず、光源1を出射した波長λのP偏光は、P偏光を透過させる偏光ビームスプリッタ2を透過し、位相板100に入射して位相差72°の部分の光と位相差−217°の部分の光とからなる楕円偏光とになる。位相板100を出射した波長λの楕円偏光は、コリメータレンズ3および対物レンズ4を順に透過し、波長λを用いて光学的情報の記録再生を行う光記録媒体(以下、波長λ用の光記録媒体という。)20に入射する。
波長λ用の光記録媒体20に入射した光は、波長λ用の光記録媒体20の保護層を透過することによって、式(2)に示す変換行列G(θd、Γd)に応じて偏光状態が変化する。波長λ用の光記録媒体20の保護層を透過した光は、情報記録面で反射され、式(7)に示すミラー行列Mに応じて偏光状態が変化する。情報記録面で反射された光は、戻り光となって波長λ用の光記録媒体20の保護層を透過することによって、式(3)に示す変換行列G(π−θd、Γd)に応じて偏光状態が変化する。
光記録媒体20を出射した波長λの戻り光は、対物レンズ4およびコリメータレンズ3を順に透過し、位相板100に入射する。位相板100に入射した波長λの戻り光は、P偏光として入射したときと同一の種類の位相領域に入射する。すなわち、位相領域101Aを透過した光の成分は、戻り光となっても位相領域101Aを透過し、位相領域101Bを透過した光の成分は、戻り光となっても位相領域101Bを透過する。
位相板100に入射した波長λの戻り光は、位相領域101A、101B毎に式(3)に示す変換行列G(π−θp、Γp)に応じて偏光状態が変化する。これによって、S1成分が0.5を中心とする狭い範囲の戻り光となり、偏光ビームスプリッタ2に入射し、偏光ビームスプリッタ2に入射した戻り光は、S1成分に応じた光量の光が偏光ビームスプリッタ2で分離され受光器5に出射する。受光器5に入射した光は受光器5で電気信号に変換される。
まず光源1から出射した光は、偏光ビームスプリッターである偏光ホログラム2、および位相板100、コリメータレンズ3を透過し、対物レンズ4により光記録媒体20の情報記録面に集光される。この情報記録面で反射された光は、再び対物レンズ4、コリメータレンズ3、位相板100を透過し、偏光ホログラム2により回折されて、受光器5に導かれ、ディスク情報信号を得る。
ここで、光源1はλおよびλの波長の光を出射することができる光源系であり、λ1、λはそれぞれ、たとえば、CD、DVDに対応する780nm帯、650nm帯の波長である。
偏光ホログラム2は、光源1から出射した第1の偏光方向の光に対しては高い透過率(低い回折効率)を示し、第1の偏光方向に対して直交する第2の偏光方向の光に対しては高い回折効率(低い透過率)を有する。光記録媒体(ディスク)で反射され偏光ホログラムに入射される光の偏光方向が第2の偏光方向であるとき、最も、光の利用効率が高く、受光器に光を導くことができる。
位相板100は、光記録媒体20からの反射光が偏光ホログラムに入射される光の偏光方向を第2の偏光方向に変換する1/4波長板が好ましい。しかしながら、ディスクのカバー層にも複屈折がある場合がある。特にCDのディスクは大きな複屈折を持っている。
最悪の場合、ディスクの位相差が位相板の位相差を打ち消した場合には、反射光の偏光方向は第1の偏光方向と同じとなり、偏光ホログラムの回折効率は0%となり、ディスクの情報を読み取ることができなくなる。
先にも述べたとおり、図4には模式的にディスクの位相差を変えたときの、第2の直線偏光成分の光量の変化を●で示した。ディスクの位相差が−90度や90度となったときに光量が0となり再生できない。実際のディスクは回転しているために、ディスクの複屈折の光軸の向きや、ディスクの再生記録する位置によりリターデーション値(Δn・d)が異なるなどして、受光器への光量は時間により大きく変化する。このような変動があると、ディスクの場所により記録や再生ができないことや、信号の変動が大きいことによるジッターの劣化が生じる。
このため、本発明では、位相板に複数の領域を設けて、領域ごとに位相差量や光軸の方向を変える事で、ディスクに複屈折があった場合にも、ディスクの複屈折と位相板の位相差が完全に打ち消してしまうことにより受光量がゼロになってしまうことを防止することができる。また、信号の時間変化の振幅も小さくすることができる。図4の○は、本発明の位相板を用い、模式的にディスクの位相差を変えたときの、第2の直線偏光成分の光量の変化を示した。この様に従来の位相板を用いた●に比べ、本発明の位相板を用いた○は、光量変化が小さいことがわかる。
これらのことより、ディスクのリターデーション値が小さいディスクに対しては、従来の均質な1/4波長板として機能することで、光の利用効率を高め、ディスクのリターデーション値が大きなディスクに対しては、位相板の領域毎に位相差や光軸方向が異なることで、ディスクの複屈折の影響が小さいものが好ましい。
具体的例として、図1に示すように、位相板は領域101Aと101Bの2種類の位相差を持つ領域より構成されている。それぞれの領域の位相差を図1(e)に示した。波長λの光に対しては、2つの領域の位相差は、90度と−270度であり、それぞれの領域の位相差は、m=1、k=0、α=0とm=1、k=−1、α=0としたときの(90×m+360×k+α)度の関係を満足し、2つ領域の位相差の差は、360度(360×j+β(j=1、β=0)度)となり、均質な1/4波長板と等価の特性が得られる。
波長λの直線偏光がこの位相板に入射したときは、透過する領域によらず同じ円偏光状態となり、この光束内は均一な偏光状態を得ることができ、従来の面内が均質な位相板(1/4波長板)と同様の特性を得ることができる。
一方、同じリターデーション値(Δn・d)をもつ位相板でも異なる波長に対する位相差(=Δn・d/波長×360度)は異なる。このため、波長λの光に対しては、各領域の位相差はそれぞれ72度、−217度となる。つまり、2つの領域の位相差の差は289度(72−(−217))であり、(90×m+360×k+α(m=−1、k=1、α=19)度)と表すことができる。
一般にDVDディスクのリターデーション値は小さく、CDディスクのリターデーション値が大きい。このため、DVDの波長の光に対しては、上記例の様にβ=0の実質的に均質な1/4波長板として機能することで、光の利用効率を高めることができ、かつ、光束内で偏光状態が均質なため、良好なディスクへの集光特性が得られる。一方、複屈折の大きなCDディスクに対しては、ディスクの複屈折による光量変化が小さく、良好な記録再生特性が実現できる。
なお、上記では、光学軸と位相差の両方が相互に異なる位相領域を隣り合わせて配置した構成例について説明したが、本発明の適用は上記の構成に限定されるものではなく、位相差が異なるが光学軸が同一の位相領域を隣り合わせて配置した構成についても同様に適用される。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る位相板は、少なくとも隣り合う2種類の位相領域の、位相差、光学軸、または位相差と光学軸が相互に異なり、各位相領域が光軸に関して2回の回転対称性を有するように配置されているため、同じ種類の位相領域を光束が透過して位相差を相互に発生させることができ、もって、入射光の偏光方向と直交する方向の直線偏光の光量の変動を抑制することができ、光記録媒体の種類等に応じて保護層透過による位相差の相違があっても受光器に入射する光の光量の変動を抑制することができる。
また、位相領域が2種類の位相領域からなるため、簡易な構成にすることができる。
また、液晶と接するように設けられ、各位相領域の光学軸方向に平行に形成された複数の溝の方向に液晶を配向させるため、配向処理を容易に行うことができる。
また、複屈折性の媒質の一部または全部が、高分子液晶からなるため、加工性の良いものとすることできる。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置は、上記の位相板が有する効果を得ることできる。
また、光源と位相板との間の光路中に偏光ビームスプリッタが配置されているため、光利用効率を高くすることができる。
また、複数の波長のうちの1つの波長の光を例えばCD等の複屈折の影響が大きい光記録媒体の記録再生用とし、上記とは異なる波長の光を例えばDVD等の複屈折の影響が小さい光記録媒体の記録再生用とすることによって、複屈折の影響が小さい光記録媒体に対しては、位相板は1/4波長板として機能し、複屈折の影響が大きい光記録媒体に対しては、位相板は領域分割した位相板として機能するため、良好な記録再生特性を得ることができる。
上記の本発明の実施の形態に基づく具体的な実施例を以下に説明する。
[例1]
図6は、本発明の実施例の例1に係る位相板の概念的な構成を示す図である。位相板600は、対向する1対のガラス基板601A、601Bと、ガラス基板601A、601B間に形成されたストライプ状で複屈折性媒質の高分子液晶602A、602Bと、高分子液晶602A、602B間を占める充填材603とによって構成される。
図7は、位相板600の作製方法を説明するための図である。まず、ガラス基板601Aに配向膜を形成し、基板面のP偏光の方向として予め決めた方向に対して反時計方向に45°をなす方向にラビングして配向処理を行う(図7(A1)参照。)。図7(A1)において、P偏光の方向を縦軸方向に平行な方向とする。次に、シール614A用の材料としてのエポキシ樹脂系接着剤をガラス基板601Aの配向膜が形成された基板面の光学的有効領域の外周に印刷し、シール614Aを形成する。ここで、シール614Aの厚さは、上記の位相領域101Aでの位相差が得られる厚さ以上の厚さである。
次に、ガラス基板601Aのシール614Aが形成された基板面に当て板ガラス611Aを熱圧着してセルを形成し、真空注入法を用いて高分子液晶の原料をセル内に注入する。ここで、高分子液晶の原料として、以下の化学式で示す液晶化合物(1)、(2)、(3)および(4)をモル比1:1:1:1で混合した光重合性液晶化合物を用いる。
Figure 2006112480
次に、高分子液晶の原料を注入したセルに紫外線を照射し、固化させて高分子液晶602Aとする(図7(A2)参照。)。この高分子液晶の屈折率は、波長660nmに対して常光屈折率が1.597、異常光屈折率が1.536であり、波長785nmに対して常光屈折率が1.590、異常光屈折率が1.532である。
次に、当て板ガラス611Aを除去し(図7(A3)参照。)、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてストライプ状の高分子液晶602Aを形成する(図7(A4)参照。)。ここで、ストライプ間の間隔は、ストライプの幅と同一にする。上記で形成された高分子液晶602Aを実施の形態で説明した位相領域101Aを占める複屈折性媒質とする。
次に、ガラス基板601Aと同様に、ガラス基板601Bに配向膜を形成し、基板面のP偏光の方向として予め決めた方向に対して反時計方向に45°をなす方向にラビングして配向処理を行う(図7(B1)参照。)。図7(B1)において、P偏光の方向を縦軸方向に平行な方向とする。次に、シール614B用の材料としてのエポキシ樹脂系接着剤をガラス基板601Bの配向膜が形成された基板面の光学的有効領域の外周に印刷し、シール614Bを形成する。ここで、シール614Bの厚さは、上記の位相領域101Bでの位相差が得られる厚さ以上の厚さである。
次に、シール614Bが形成された基板面に当て板ガラス611Bを熱圧着してセルを形成し、真空注入法を用いて高分子液晶の原料をセル内に注入する。次に、高分子液晶の原料を注入したセルに紫外線を照射し、固化させて高分子液晶602Bとする(図7(B2)参照。)。次に、当て板ガラス611Bを除去し(図7(B3)参照。)、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてストライプ状の高分子液晶602Bを形成する(図7(B4)参照。)。ここで、ストライプ間の間隔は、ストライプの幅と同一にする。上記で形成された高分子液晶602Bを実施の形態で説明した位相領域101Bを占める複屈折性媒質とする。
次に、高分子液晶602Aのストライプと高分子液晶602Bのストライプが、基板面に垂直な方向から見て図1(a)に示すように交互に配列されるように、高分子液晶602Aと高分子液晶602Bが形成された基板面を対向させ、ガラス基板601Aとガラス基板601Bとを重ね、光重合性充填材を用いて積層させる(図7(C)参照。)。
上記で形成された位相板600は、ガラス基板601Bから見ると高分子液晶602Aの配向方向が図Aに示す方向であり、高分子液晶602Bの配向方向が図Bに示す方向である。
[例2]
図8は、本発明の実施例の例2に係る位相板の模式的な構成を示す図である。位相板800は、対向する1対のガラス基板801A、801Bと、ガラス基板801A、801B間に形成された複屈折性を有するストライプ状の高分子液晶802A、802Bと、高分子液晶802A、802B間を占める充填材803とによって構成され、高分子液晶802A、802Bが共に同一のガラス基板801A上に形成されている。
図9は、位相板800の作製方法を説明するための図である。まず、ガラス基板801Aに、CVD法を用いて、屈折率が例えば1.57のSiON膜812Aを形成する(図9(a)参照。)。次に、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて、図9(b)に符号A、Bを用いて示すストライプ状の領域を形成する。図9(b)に示すストライプ状の領域A、Bの形状は、基板面に垂直な方向から見たときのものである。領域A、Bの幅は同じになっている。
ストライプ状の領域A、Bには、各領域が接する境界に対して反対方向に45°をなす溝が形成されている。次に、ガラス基板801Aと同様に、当て板ガラス811にSiON膜812Bを形成する。次に、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて、ガラス基板801Aと同様に、ストライプ状の領域A、Bを形成する。次に、シール804用の材料としてのエポキシ樹脂系接着剤をガラス基板801AのSiON膜812Aが形成された基板面の光学的有効領域の外周に印刷し、シール804を形成する。
次に、ガラス基板801Aのシール804が形成された基板面に当て板ガラス811を熱圧着してセルを形成する。このとき、基板面に垂直な方向から見て領域A、Bが重なるようにし、領域A、Bに溝を有するSiON膜812Aが配向膜として機能するようにする。次に、上記で形成したセルに真空注入法を用いて高分子液晶の原料を注入する。ここで、高分子液晶の原料は、本発明の実施例の例1で説明したものと同一のものを用いる。
次に、高分子液晶の原料を注入したセルに紫外線を照射し、固化させて高分子液晶802とする(図9(c)参照。)。次に、当て板ガラス811を除去し(図9(d)参照。)、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてストライプ状の高分子液晶802A、802Bを形成する(図9(e)参照。)。ここで、上記のシール804の厚さは、位相差の絶対値が大きい方の位相差を確保できる高分子液晶を形成できる厚さ以上の厚さになっているものとする。
次に、高分子液晶802A、802B上に光重合性充填材803を塗布してガラス基板801Bを積層し、紫外線を照射して位相板800を形成する。このように位相板800を構成することによって、ガラス基板を重ねる際の位置合わせの煩雑さを回避することができる。
[例3]
図2は、本発明の実施例の例3に係る光ヘッド装置の概念的な構成を示す図である。まず、光ヘッド装置200を構成する位相板100として本発明の実施例の例1に係る位相板600を用い、光ヘッド装置200の偏光ビームスプリッタ2として偏光ホログラム素子を用いる。次に、従来の光ヘッド装置として、図10に構成を概念的に示す光ヘッド装置300を用いる。ここで、光ヘッド装置300を構成する位相板10として、組み立てた状態でのCDの光学軸が45°となるようにし、波長λが780nmの光(CDへの記録再生用)に対して位相差が90°の1/4波長板を用い、偏光ビームスプリッタ2として偏光ホログラム素子を用いる。
上記の本発明の実施例の例3に係る光ヘッド装置200と、従来の光ヘッド装置300とを用いて受光器5で受光する光量の比較を行う。まず、光ヘッド装置300を用いて、光学軸が45°で位相差が異なる保護層を有する複数のCD毎に、受光器5に入射するS偏光の光量を測定し、参照データとする。ここで、参照データのピーク出力が100%となるように校正する。次に、光ヘッド装置200を用いて、上記の各CDに対して、受光器5に入射するS偏光の光量を測定し、比較データとする。上記で得られる参照データは、図4に示す位相差が90°の曲線として表され、比較データは白抜きの丸を用いて表される曲線として表される。
本発明に係る位相板は、光記録媒体の種類等に応じて保護層透過による位相差の相違があっても受光器に入射する光の光量の変動を抑制することができるという効果が有用な位相板および光ヘッド装置等の用途にも適用できる。

なお、2005年4月20日に出願された日本特許出願2005−122609号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。

Claims (7)

  1. 複屈折性の媒質を有し、入射する直線偏光における、該媒質の光学軸に平行な方向の偏光成分と光学軸に垂直な方向の偏光成分との2つの偏光成分の間に位相差を生じさせる位相板であって、
    前記複屈折性の媒質が、複数種類の位相領域を有し、
    隣り合う2種類の前記位相領域の、位相差及び光学軸の少なくともいづれかが相互に異なり、
    各前記位相領域が光軸に関して2回の回転対称性を有するように配置されたことを特徴とする位相板。
  2. 前記位相領域が第1の種類の位相領域および第2の種類の位相領域からなり、前記第1の種類の位相領域で生ずる位相差と、前記第2の種類の位相領域で生ずる位相差とが異なる請求項1に記載の位相板。
  3. 前記複屈折性の媒質の一部または全部が液晶からなり、前記液晶と接するように設けられ、かつ各前記位相領域の光学軸方向に平行に形成された複数の溝を備え、各前記溝の方向に前記液晶を配向させる請求項1または2に記載の位相板。
  4. 前記複屈折性の媒質の一部または全部が、高分子液晶からなる請求項1から3までのいずれか1項に記載の位相板。
  5. 光を出射できる光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体へ集光する対物レンズと、前記光記録媒体からの戻り光を検出する受光器とを備える光ヘッド装置であって、前記対物レンズと前記光源との間の光路中に、請求項1から4までのいずれか1項に記載の位相板を備え、前記光記録媒体からの戻り光が前記位相板を透過することを特徴とする光ヘッド装置。
  6. 前記光源と前記位相板との間の光路中に偏光ビームスプリッタを備えた請求項5に記載の光ヘッド装置。
  7. 前記光源が、異なる複数波長の光を出射することができ、
    前記複数波長のうちの少なくとも1つの波長の光が前記複数種類の位相領域を透過したときに生ずる位相差が、−1または+1をとる整数をmとし、任意の整数をkとし、−20以上+20以下のいずれかの値をとる実数をαとするとき、(90×m+360×k+α)度であり、
    前記複数波長のうちの少なくとも1つの波長の光が前記複数種類の位相領域を透過したときに生ずる各位相差の差が、任意の整数をjとし、−40以上+40以下のいずれかの値をとる実数をβとするとき、(360×j+β)度である請求項5または6に記載の光ヘッド装置。
JP2007528173A 2005-04-20 2006-04-19 位相板および光ヘッド装置 Expired - Fee Related JP5061899B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007528173A JP5061899B2 (ja) 2005-04-20 2006-04-19 位相板および光ヘッド装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005122609 2005-04-20
JP2005122609 2005-04-20
JP2007528173A JP5061899B2 (ja) 2005-04-20 2006-04-19 位相板および光ヘッド装置
PCT/JP2006/308225 WO2006112480A1 (ja) 2005-04-20 2006-04-19 位相板および光ヘッド装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006112480A1 true JPWO2006112480A1 (ja) 2008-12-11
JP5061899B2 JP5061899B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=37115192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007528173A Expired - Fee Related JP5061899B2 (ja) 2005-04-20 2006-04-19 位相板および光ヘッド装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7782738B2 (ja)
JP (1) JP5061899B2 (ja)
KR (1) KR20070120952A (ja)
TW (1) TW200700781A (ja)
WO (1) WO2006112480A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101421786B (zh) * 2006-03-16 2011-04-20 旭硝子株式会社 光头装置
JP4547641B2 (ja) * 2008-09-22 2010-09-22 ソニー株式会社 位相差板の製造方法
KR101039325B1 (ko) * 2010-09-08 2011-06-08 주식회사 엘엠에스 위상지연소자
JP5916355B2 (ja) 2011-11-21 2016-05-11 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Machines Corporation プログラムの命令を実行する装置および命令をキャッシュするシステム
US11022791B2 (en) * 2018-05-18 2021-06-01 Facebook Technologies, Llc Assemblies of anisotropic optical elements and methods of making

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3238497B2 (ja) * 1992-11-12 2001-12-17 松下電器産業株式会社 光ピックアップヘッド装置
JPH07318862A (ja) * 1994-05-20 1995-12-08 Hitachi Ltd 光記録媒体における波面収差の低減方法および光ヘッドおよび光ディスク装置
KR100214046B1 (ko) * 1995-03-27 1999-08-02 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 초해상 광헤드장치
JPH10124906A (ja) * 1996-10-16 1998-05-15 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 波長板およびそれを用いた光ピックアップ装置
JPH11223729A (ja) * 1998-02-09 1999-08-17 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 偏光分離素子およびその製造方法
US6426933B1 (en) * 1998-10-08 2002-07-30 Lg Electronics Inc. Optical pickup apparatus having polarizing phase plates
JP2000260035A (ja) * 1999-03-11 2000-09-22 Hitachi Ltd 光ヘッドおよびそれを用いた光学的情報記録再生装置
EP1385026B1 (en) * 1999-08-26 2007-01-24 Asahi Glass Co., Ltd. Optical head comprising a broadband retarder
JP2001305340A (ja) * 2000-04-20 2001-10-31 Fuji Xerox Co Ltd 空間偏光変調器および光学装置
JP4649748B2 (ja) 2001-02-22 2011-03-16 旭硝子株式会社 2波長用位相板および光ヘッド装置
US20060250933A1 (en) * 2003-04-25 2006-11-09 Asada Jun-Ichi Optical diffraction device and optical information processing device
JP2004355790A (ja) * 2003-05-08 2004-12-16 Sharp Corp ホログラム結合体およびその製造方法、ホログラムレーザユニットならびに光ピックアップ装置
JP5055694B2 (ja) * 2003-12-26 2012-10-24 旭硝子株式会社 偏光性回折素子および光ヘッド装置
US7463569B2 (en) * 2004-04-23 2008-12-09 Panasonic Corporation Optical disk apparatus with a wavelength plate having a two-dimensional array of birefringent regions
JP2005339766A (ja) * 2004-04-23 2005-12-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光ディスク装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7782738B2 (en) 2010-08-24
KR20070120952A (ko) 2007-12-26
US20080044125A1 (en) 2008-02-21
WO2006112480A1 (ja) 2006-10-26
TW200700781A (en) 2007-01-01
JP5061899B2 (ja) 2012-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7463569B2 (en) Optical disk apparatus with a wavelength plate having a two-dimensional array of birefringent regions
JP2006351086A (ja) 光路補正装置とこれを用いた光ピックアップ
JP5061899B2 (ja) 位相板および光ヘッド装置
JP4534907B2 (ja) 光ヘッド装置
KR20090046833A (ko) 파장 선택성 차광 소자 및 그것을 사용한 광헤드 장치
KR100459108B1 (ko) 광픽업 및 그에 쓰이는 광학소자
JP2004325759A (ja) 波長板及びこれを用いた光ピックアップ装置
JP4930084B2 (ja) 広帯域波長板
JP2003288733A (ja) 開口制限素子および光ヘッド装置
JP2005216430A (ja) 光ヘッド装置
JP4649748B2 (ja) 2波長用位相板および光ヘッド装置
JP2002279683A (ja) 光ピックアップ装置
JP2004171644A (ja) 光ピックアップ
JP4985799B2 (ja) 偏光回折素子および積層光学素子
JP5131244B2 (ja) 積層位相板及び光ヘッド装置
JP4599763B2 (ja) 光ヘッド装置
JP4626026B2 (ja) 光ヘッド装置
KR100990347B1 (ko) 위상판 및 광정보 기록재생 장치
JP2001344800A (ja) 光ヘッド装置
JP4427877B2 (ja) 開口制限素子および光ヘッド装置
JP4876826B2 (ja) 位相差素子および光ヘッド装置
JP2005339595A (ja) 光ヘッド装置
KR100536186B1 (ko) 광대역 위상지연판 및 이를 갖는 광학소자 및/또는광헤드장치
JP2010238350A (ja) 光ヘッド装置
JP2001311821A (ja) 位相子および光ヘッド装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110629

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120327

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120531

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120710

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120723

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees