JPWO2006106799A1 - ポリビニルアルコール共重合体を用いたマイクロカプセル - Google Patents

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Abstract

薬物を含有することを特徴とするポリビニルアルコールとビニル単量体の共重合体(ポリビニルアルコール共重合体)のマイクロカプセルを提供する。親水性薬物の場合、薬物、界面活性剤およびポリビニルアルコール共重合体を混合した液を噴霧乾燥法、液中乾燥法にて乾燥させ、マイクロカプセルを製造することができる。疎水性薬物の場合、薬物、界面活性剤によって一旦油中水滴型エマルジョン(W/O型エマルジョン)を製造し、その後、水を添加して水中油滴型エマルジョン(O/W型エマルジョン)に転相させ、当該エマルジョンを噴霧乾燥法、液中乾燥法にて乾燥すれば、効率よくマイクロカプセルを製造することができる。

Description

本発明は、マイクロカプセルに関するもので、具体的には、ポリビニルアルコール共重合体を用いたマイクロカプセルに関するものである。
現在、種々のマイクロカプセルが研究開発されている。マイクロカプセルとは、微小な粒子や液状物質を高分子物質などで被覆することによって製造される通常数μm〜数100μmの粒子径をもつ粒子である。例えば、アクリルを素材としたマイクロカプセル(特許文献1)、ポリビニルアルコールを素材としたマイクロカプセル(特許文献2、3)、ゼラチンを素材としたマイクロカプセル(特許文献4)等がある。この中で、ゼラチンマイクロカプセルが汎用されており、ビタミン等の薬物を包含するカプセルとして市販されている。また、ゼラチンマイクロカプセルの製造方法としては、溶液をスプレーし、瞬時に冷却するスプレーチリング法のような製造方法が開発されている(特許文献5)。
特開2000−33259号公報 特開平3−114528号公報 特開平6−219924号公報 特表2003−517464号公報 特開平6−254382号公報
しかしながら、ゼラチンの原料は、主として牛骨および牛皮で牛海綿状脳症(BSE)の問題があり、一部ゼラチンマイクロカプセルの使用が見直されている。また、ゼラチンマイクロカプセルは、現在カプセル製造法の主流である噴霧乾燥法によって、製造することができない。さらに、ゼラチンは、必ずしもガスバリアー機能が高くないため、カプセルに内包する薬物が、例えば酸素に不安定ならば、内包薬物が分解する恐れがある。
近年、酸素透過性の低い素材が種々開発されている。この中で、ポリビニルアルコールとビニル基の共重合体であるポリビニルアルコール共重合体(以下、「PVAコポリマー」という)がある(国際公開パンフレットWO02/18494号公報)。しかしながら、薬物を内包したマイクロカプセルについては記載されていない。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、今回意外にも、ポリビニルアルコール共重合体、薬物、界面活性剤および要すれば賦形剤を含有すれば、ポリビニルアルコール共重合体のマイクロカプセル剤を製造できることを見出し、以下の発明を完成した。
(1)ポリビニルアルコール共重合体、界面活性剤および薬物を含有することを特徴とするマイクロカプセル剤。
(2)賦形剤を含有する上記(1)記載のマイクロカプセル剤。
(3)当該ポリビニルアルコール共重合体が平均重合度100〜2000のポリビニルアルコールと少なくとも1以上の重合性ビニル単量体とを重量比6:4〜9:1の割合で共重合させて得られる共重合体であり、溶液の粘度が10〜300mPa・sである当該共重合体の溶液を用いて製造したものである上記(1)または(2)記載のマイクロカプセル剤。
(4)当該ポリビニルアルコール共重合体が平均重合度150〜1000のポリビニルアルコールと少なくとも1以上の重合性ビニル単量体とを重量比6:4〜9:1の割合で共重合させて得られる共重合体であり、溶液の粘度が50〜200mPa・sである当該共重合体の溶液を用いて製造したものである上記(1)または(2)記載のマイクロカプセル剤。
(5)当該ポリビニルアルコールが部分けん化ポリビニルアルコールである上記(3)または(4)記載のマイクロカプセル剤。
(6)当該重合性ビニル単量体が、不飽和カルボン酸類、不飽和カルボン酸類のエステル類及びそれらの塩から選択される1または2以上である上記(3)から(5)のいずれかに記載のマイクロカプセル剤。
(7)当該重合性ビニル単量体が、アクリル酸又はその塩及びメチルメタクリレートであり、共重合する際におけるアクリル酸又はその塩とメチルメタクリレートの重量比が3:7〜0.5:9.5である上記(6)記載のマイクロカプセル剤。
(8)平均重合度100〜2000の部分けん化ポリビニルアルコール、メチルメタクリレートおよびアクリル酸を共重合する際における重量比が60〜90:7〜38:0.5〜12であり、溶液の粘度が10〜300mPa・sである当該共重合体の溶液を用いて製造したものである上記(3)から(7)のいずれかに記載のマイクロカプセル剤。
(9)当該界面活性剤が非イオン系である上記(1)記載のマイクロカプセル剤。
(10)当該界面活性剤がトウイン系またはスパン系である上記(9)記載のマイクロカプセル剤。
(11)当該界面活性剤のHLBが5〜20である上記(9)または(10)記載のマイクロカプセル剤。
(12)当該薬物の水溶解度が100μg/mL以下である上記(1)記載のマイクロカプセル剤。
(13)当該薬物が酸素に分解されやすい薬物である上記(1)記載のマイクロカプセル剤。
(14)当該賦形剤が水不溶性賦形剤である上記(2)記載のマイクロカプセル剤。
(15)10〜80重量%のポリビニルアルコール共重合体、0.5〜10重量%の界面活性剤、5〜60重量%の薬物および0〜84.5重量%の賦形剤を含有する上記(2)から(14)のいずれかに記載のマイクロカプセル剤。
(16)15〜70重量%のポリビニルアルコール共重合体、0.5〜8重量%の界面活性剤、10〜55重量%の薬物および0〜70重量%の賦形剤を含有する上記(15)記載のマイクロカプセル剤。
(17)上記(1)〜(16)のいずれかのマイクロカプセル剤を含有する顆粒剤、錠剤または硬カプセル剤。
(18)油中水滴型エマルジョンの水性成分がポリビニルアルコール共重合体を含有するものであり、油性成分が界面活性剤および薬物を含有するものであることを特徴とするマイクロカプセル剤を製造する方法。
(19)油中水滴型エマルジョンに水を添加して水中油滴型エマルジョンを調製する工程、及び該水中油滴型エマルジョンを噴霧乾燥または液中で固化させた後乾燥する工程を含むことを特徴とする上記(18)記載のマイクロカプセル剤を製造する方法。
(20)上記(18)または(19)記載の方法により製造されたマイクロカプセル剤。
(21)マイクロカプセルを製造するためのポリビニルアルコール共重合体の使用。
ポリビニルアルコール共重合体、薬物および界面活性剤、さらに要すれば、賦形剤を含有すれば、ポリビニルアルコール共重合体のマイクロカプセル剤を製造することができる。特に、ポリビニルアルコール共重合体としては、平均重合度100〜2000のポリビニルアルコールと少なくとも1以上の重合性ビニル単量体とを重量比6:4〜9:1の割合で共重合させて得られ、20℃における2重量%溶液の粘度が10〜300mPa・sであれば、微粒子のマイクロカプセルを製造することができる。
噴霧乾燥法によって製造した水溶性賦形剤を配合したマイクロカプセル 噴霧乾燥法によって製造した水不溶性賦形剤を配合したマイクロカプセル 液中硬化被膜法によって製造したマイクロカプセル
本発明におけるマイクロカプセル剤には、少なくともポリビニルアルコール共重合体(以下、「PVAコポリマー」という)、薬物および界面活性剤を含有する。また、これらとともに賦形剤やその他の添加剤を添加してもよい。
PVAコポリマーとは、ポリビニルアルコールとビニル単量体の共重合体である。この中でポリビニルアルコールとして、具体的には、平均重合度100〜2000のポリビニルアルコール、好ましくは平均重合度150〜1000のポリビニルアルコール、より好ましくは平均重合度200〜800のポリビニルアルコールである。この平均重合度よりも小さければ、酸素透過性が高くなる可能性があり、大きければ噴霧乾燥法等で当該溶液を噴霧する際、糸を曳く状態、すなわち曳糸性が増大し、粒子径にばらつきが生じたり、マイクロカプセルの収率が著しく低下する恐れがある。
さらに、PVAコポリマー中のポリビニルアルコールとしては、完全にけん化した完全けん化ポリビニルアルコールよりも、部分的にけん化した部分けん化ポリビニルアルコールが好ましい。これは、水中油滴型エマルジョンからマイクロカプセルを製造する本法において、カプセル剤となるポリマーは水溶性でなければならず、部分ケン化したポリビニルアルコールが容易に水に溶ける恐れがあるからである。けん化とは、メタノール溶媒中でアルカリ触媒を用いてポリ酢酸ビニルの酢酸基を水酸基に置換し、ポリビニルアルコールにする反応をいう。このポリビニルアルコールがけん化した度合い、すなわちけん化度は、70〜95%、好ましくは75〜92.5%、より好ましくは80〜90%である。
なお、上記のような部分けん化ポリビニルアルコールは、市販品を使用できることも可能であり、好ましいポリビニルアルコールの市販品としては、例えばゴーセノールEG05、EG25(日本合成化学社製)、PVA203、PVA204、PVA205(クラレ社製)、JP−04、JP−05(日本酢ビ・ポバール製)等が挙げられる。
PVAコポリマー中のビニル単量体としては、重合性ビニル単量体が好ましく、具体的には不飽和カルボン酸類、不飽和カルボン酸のエステル類、不飽和二トリル類、不飽和アミド類、芳香族ビニル類、脂肪族ビニル類、不飽和結合含有複素環類およびそれらの塩である。好ましくは2以上の重合性ビニル単量体を共重合させたものであり、少なくとも1つが不飽和カルボン酸類又はそれらの塩であり、少なくとも1つが不飽和カルボン酸のエステル類である。
不飽和カルボン酸類又はそれらの塩類として、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸及びそれらの塩からなる群から選ばれるものである。好ましくは、アクリル酸又はその塩である。
不飽和カルボン酸のエステル類として、具体的には、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ポリエチレングリコールとアクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールとアクリル酸とのエステルからなる群から選ばれるものである。好ましくは、メチルメタクリレートである。
共重合する際における上記メチルメタクリレートとアクリル酸又はその塩の重量比としては、7:3〜9.5:0.5であることが好ましい。
PVAコポリマーとして、好ましくは上述した部分けん化ポリビニルアルコールと、重合性ビニル単量体が重量比で6:4〜9:1の割合で共重合させて得られ、かつ当該重合性ビニル単量体がメチルメタクリレートおよびアクリル酸である。共重合する際における当該重合性ビニル単量体のメチルメタクリレートおよびアクリル酸の重量比が7:3〜9.5:0.5である。より好ましくは、上述した部分けん化ポリビニルアルコールと、メチルメタクリレートおよびアクリル酸の共重合する際における重量比が60〜90:7〜38:0.5〜12、特に好ましくは、当該重量比が80:17.5:2.5であるPVAコポリマーである。
なお、共重合する際におけるポリビニルアルコール、メチルメタクリレートおよびアクリル酸のそれぞれの重量比は、共重合体中のポリビニルアルコール、メチルメタクリレートおよびアクリル酸の重合比と同じであり、それぞれ60〜90:7〜38:0.5〜12である。この重合比は、NMRで測定可能である。
上述したPVAコポリマーは、国際公開パンフレットWO02/18494号公報、WO2005/019286号公報に基づき、製造することが可能である。
上記PVAコポリマーにおいて、20℃における2重量%溶液の粘度(B型粘度計で測定、以下粘度はB型粘度計の測定値)が10〜300mPa・s、好ましくは当該溶液の粘度が20〜250mPa・s、より好ましくは当該溶液の粘度が50〜200mPa・sである。
従って、PVAコポリマーとしては、平均重合度100〜2000の部分けん化ポリビニルアルコール、メチルメタクリレートおよびアクリル酸を共重合する際における重量比が60〜90:7〜38:0.5〜12であり、当該コポリマーの20℃における2重量%溶液の粘度が10〜300mPa・sであるPVAコポリマー、好ましくは平均重合度150〜1000の部分けん化ポリビニルアルコール、メチルメタクリレートおよびアクリル酸を共重合する際における重量比が60〜90:7〜38:0.5〜12であり、当該コポリマーの20℃における2重量%溶液の粘度が20〜250mPa・sであるPVAコポリマー、より好ましくは平均重合度200〜800の部分けん化ポリビニルアルコール、メチルメタクリレートおよびアクリル酸を共重合する際における重量比が60〜90:7〜38:0.5〜12であり、当該コポリマーの20℃における2重量%溶液の粘度が50〜200mPa・sであるPVAコポリマーである。
本発明製剤中のPVAコポリマーの配合量としては、製剤の全量に対し、10〜80重量%、好ましくは15〜70重量%、より好ましくは18〜65重量%である。この量よりも多ければ、相対的に薬物の配合量が少なくなる可能性があり、少なければマイクロカプセルを形成しない恐れがある。
界面活性剤としては、生理学的に使用することができるものであれば、用いることができる。特に、ノニオン(非イオン)界面活性剤が好ましい。たとえば、トウイン系またはスパン系の界面活性剤が好ましい。より具体的には多価アルコールエステル、多価アルコールエステル酸化エチレン付加物、ポリエチレングリコールモノエステル、ポリエチレングリコールジエステル、高価アルコール酸化エチレン付加物およびアルキルフェノール酸化エチレン付加物等を用いることができる。好ましくは多価アルコールエステルまたは多価アルコールエステル酸化エチレン付加物である。
多価アルコールエステルとして、具体的にはソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸トリエステル等があり、好ましくはソルビタンラウリン酸モノエステルである。これらのHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)は、およそ1〜9である。
多価アルコールエステル酸化エチレン付加物として、具体的にはソルビタンラウリン酸モノエステル酸化エチレン4モル付加物、ソルビタンラウリン酸モノエステル酸化エチレン20モル付加物、ソルビタンパルミチン酸モノエステル酸化エチレン20モル付加物、ソルビタンパルミチン酸モノエステル酸化エチレン20モル付加物、ソルビタンステアリン酸モノエステル酸化エチレン4モル付加物、ソルビタンステアリン酸モノエステル酸化エチレン20モル付加物、ソルビタンオレイン酸モノエステル酸化エチレン5モル付加物、ソルビタンオレイン酸モノエステル酸化エチレン20モル付加物、ソルビタンオレイン酸トリエステル酸化エチレン20モル付加物等があり、好ましくは、ソルビタンオレイン酸モノエステル酸化エチレン20モル付加物である。これらのHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)およそ9〜18である。
本発明において用いる界面活性剤としては、特に、HLBが5〜20である界面活性剤が好ましい。
本発明製剤中の界面活性剤の配合量としては、製剤の全量に対し、0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは1〜6重量%である。この量よりも多ければ、相対的に薬物の配合量が少なくなる可能性があり、少なければマイクロカプセルを形成しない恐れがある。
本願発明のマイクロカプセル中に充填される医薬品としては、例えば滋養強壮保健薬、解熱鎮痛消炎薬、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善剤、脳循環改善剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、鎮吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、アレルギー用薬、歯科口腔用薬、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、高脂血症用剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、糖尿病用剤、骨粗しょう症用剤、抗リウマチ薬、骨格筋弛緩薬、鎮痙剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、血液凝固阻止剤、抗悪性腫瘍剤などから選ばれた1種または2種以上の成分が用いられる。
滋養強壮保健薬には、例えばビタミンA、ビタミンD、ビタミンE(酢酸d−α−トコフェロール)などのビタミンが挙げられる。解熱鎮痛消炎薬としては、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプロフェン、ノスカピン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、トルフェナム酸、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、サリチルアミド、アミノピリン、ケトプロフェン、インドメタシン、ブコローム、ペンタゾシンなどが挙げられる。
向精神薬としては、例えばクロルプロマジン、レセルピンなどが挙げられる。抗不安薬としては、例えばアルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムなどが挙げられる。抗うつ薬としては、例えばイミプラミンなどが挙げられる。催眠鎮静薬としては、例えばエスタゾラム、ペルラピンなどが挙げられる。中枢神経作用薬としては、例えばシチコリンなどが挙げられる。脳循環改善剤としては、例えばビンポセチンなどが挙げられる。抗てんかん剤としては、例えばフェニトイン、カルバマゼピンなどが挙げられる。胃腸薬には、例えばジアスターゼ、含糖ペプシン、ロートエキス、セルラーゼAP3、リパーゼAP、ケイヒ油などの健胃消化剤、耐性乳酸菌、ビフィズス菌などの整腸剤などが挙げられる。
制酸剤としては、例えば炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。抗潰瘍剤としては、例えばランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、ファモチジン、シメチジン、塩酸ラニチジンなどが挙げられる。鎮咳去痰剤としては、例えばテオフィリン、グァヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシンなどが挙げられる。鎮吐剤としては、例えばメトクロプラミドなどが挙げられる。気管支拡張剤としては、例えばテオフィリンなどが挙げられる。アレルギー用薬としては、アンレキサノクス、セラトロダストなどが挙げられる。歯科口腔用薬としては、例えばオキシテトラサイクリン、トリアムシノロンアセトニドなどが挙げられる。
強心剤としては、例えばジゴキシンなどが挙げられる。不整脈用剤としては、例えばピンドロールなどが挙げられる。利尿薬としては、例えばフロセミド、ヒドロクロロチアジドなどが挙げられる。血圧降下剤としては、例えばカンデサルタンシレキセチル、メチルドパ、ペリンドプリルエルブミンなどが挙げられる。
冠血管拡張剤としては、例えばモルシドミンなどが挙げられる。末梢血管拡張薬としては、例えばシンナリジンなどが挙げられる。利胆剤としては、例えばトレピプトンなどが挙げられる。抗生物質には、例えばセファドロキシル、セフィキシム、セフジトレンピボキシル、セフテラムピボキシル、セフポドキシミプロキセチルなどのセフェム系、アンピシリン、シクラシン、ナリジクス酸、エノキサシンなどの合成抗菌剤、カルモナムナトリウムなどのモノバクタム系、ペネム系及びカルバペネム系抗生物質などが挙げられる。
化学療法剤としては、例えばスルファメチゾールなどが挙げられる。糖尿病用剤としては、例えばトルブタミド、ボグリボース、グリベンクラミド、トログリダゾンなどが挙げられる。骨粗しょう症用剤としては、例えばイプリフラボンなどが挙げられる。骨格筋弛緩薬としては、メトカルバモールなどが挙げられる。鎮けい剤としては、ジメンヒドリナートなどが挙げられる。抗リウマチ薬としては、メソトレキセート、ブシラミンなどが挙げられる。ホルモン剤としては、例えばリオチロニンナトリウム、リン酸デキメタゾンナトリウム、プレドニゾロン、オキセンドロン、酢酸リュープロレリンなどが挙げられる。アルカロイド系麻薬として、アヘン、トコンなどが挙げられる。サルファ剤としては、例えばスルフィソミジン、スルファメチゾールなどが挙げられる。痛風治療薬としては、例えばアロプリノール、コルヒチンなどが挙げられる。血液凝固阻止剤としては、例えばジクマロールが挙げられる。抗悪性腫瘍剤としては、例えば5−フルオロウラシル、ウラシル、マイトマイシンなどが挙げられる。
これらの医薬は単独または他の医薬との合剤として使用することができる。また、これらの医薬は、患者の疾患、年齢等に応じて適宜、定められた公知の適量が充填される。
本発明製剤中の薬物の配合量としては、製剤の全量に対し、5〜60重量%、好ましくは10〜55重量%、より好ましくは18〜50重量である。この量よりも多ければ、マイクロカプセルが形成できなく可能性があり、少なければ大量服用しないと、十分に薬効が発揮できない恐れがある。
本発明製剤中の薬物としては、難水溶性薬物でもよい。特に、水溶解度(20℃)が100μg/mL以下の薬物でも本願製剤中に包含することができる。
本発明製剤中に酸素で分解されやすい薬物を含有した場合、酸素に対する安定性を増大させることができる。例えば、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等が挙げられる。
上記薬物の代わりに本発明製剤中に健康食品を含有させてもよい。例えば、コエンザイムQ10、EPA、DHA、βカロチン、フラボノイド、カロチノイド等がある。
本発明製剤は、上述したPVAコポリマー、界面活性剤および薬物を含む製剤であればよいが、要すれば賦形剤を添加することもできる。賦形剤としては、生理学的に使用することができるものを用いることができる。具体的には水溶性賦形剤、水不溶性賦形剤をいずれも使用することができる。より具体的にはぶどう糖、果糖、乳糖、蔗糖、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、トレハロース、ソルビトール、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン、結晶セルロース(microcrystalline cellulose)、無水ケイ酸、無水リン酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、含水二酸化ケイ素等がある。好ましくは、白糖、結晶セルロース,無水リン酸水素カルシウムである。
本発明製剤中の賦形剤の配合量としては、製剤の全量に対し、0〜84.5重量%、好ましくは0〜70重量%、より好ましくは0〜40重量%である。この量よりも多ければ、相対的にPVAコポリマーまたは薬物の量が減少し、マイクロカプセルが形成しない、あるいは目的とする安定性を確保できない恐れがある。
本発明製剤において、ゲル化剤や必要に応じてゲル化補助剤を添加することもできる。特に、後述する液中硬化被膜法の場合、ゲル化剤やゲル化補助剤の添加によって、製剤を固化することができる。ゲル化剤としては、カッパーカラギーナン、イオターカラギーナン,ラムダ―カラギーナン、タマリンド種子多糖、ローカストビーンガム、ジエランガムがあり、好ましくは、カッパーカラギーナンである。ゲル化補助剤としては、カッパーカラギーナンについてはカリウムイオン、アンモニウムイオン及びカルシウムイオンの1種または2種以上を含む水溶性化合物、イオターカラギーナンについてはカルシウムイオンを含む水溶性化合物があり、好ましくは、塩化カリウムである。
本発明製剤において、PVAコポリマー、界面活性剤および薬物のそれぞれの成分について配合量は、製剤の全量に対し、PVAコポリマーが10〜80重量%、界面活性剤が0.5〜10重量%および薬物が5〜60重量%である。好ましくは、製剤の全量に対し、PVAコポリマーが15〜70重量%、界面活性剤が0.5〜8重量%および薬物が10〜55重量%である。より好ましくは、製剤の全量に対し、PVAコポリマーが18〜65重量%、界面活性剤が1〜6重量%および薬物が18〜50重量%である。
本発明製剤において、PVAコポリマー、界面活性剤、薬物および賦形剤のそれぞれの成分について配合量は、製剤の全量に対し、PVAコポリマーが10〜80重量%、界面活性剤が0.5〜10重量%、薬物が5〜60重量%および賦形剤が0〜84.5重量%である。好ましくは、製剤の全量に対し、PVAコポリマーが15〜70重量%、界面活性剤が0.5〜8重量%、薬物が10〜55重量%および賦形剤が0〜70重量%である。より好ましくは、製剤の全量に対し、PVAコポリマーが18〜65重量%、界面活性剤が1〜6重量%、薬物が18〜50重量%および賦形剤が0〜40重量%である。
本発明製剤の製造方法としては、マイクロカプセルを製造する一般的な方法が用いられる。具体的には、噴霧乾燥法、流動層造粒法、液中硬化被膜法、重合被覆法、相分離法、オリフィス法があるが、好ましくは噴霧乾燥法、液中硬化被膜法である。噴霧乾燥法とは、高温気流中に溶液や分散液を噴霧し、瞬時に乾燥させて微粒子を得る方法であり、液中硬化被膜法とは、水中油滴型(O/W型)エマルジョンを油中に滴下し冷却固化した後、固化した液滴を捕集し洗浄後、乾燥させマイクロカプセルを得る方法である。
本発明製剤の製造方法として疎水性薬物の場合、PVAコポリマー、薬物および界面活性剤を、要すれば賦形剤を有機溶媒等に溶解または懸濁した液を噴霧乾燥法であるならば、噴霧乾燥機内で噴霧する。または、液中硬化被膜法であれば、PVAコポリマー、薬物、界面活性剤、要すればゲル化剤およびゲル化補助剤、賦形剤を有機溶媒等に溶解または懸濁した液を疎水性溶媒(油性成分)あるいはアルコール、ゲル化補助剤溶解液に滴下、攪拌し、固化させた後、捕集、表面洗浄後乾燥を行い、マイクロカプセルを得る。
噴霧乾燥機としては、スプレードライヤー型のものがあり、液中硬化被膜法の乾燥機としては、流動層型やドラム型のものがある。
疎水性薬物の場合、特に液状の疎水性薬物の場合、上記の別法として、エマルジョンを製造した後、このエマルジョンを噴霧乾燥するか、液中硬化させる。このエマルジョンとしては、1)PVAコポリマーを溶解した水性成分の中に、薬物、界面活性剤等を含有した油性成分を分散させた水中油滴型エマルジョン、2)薬物、界面活性剤等を含有した油性成分の中にPVAコポリマーを溶解した水性成分を分散させた油中水滴型(W/O型)エマルジョンを製造後、当該エマルジョンに水を添加して転相させ、製造した水中油滴型(O/W型)エマルジョンを製造することができる。その後、それぞれのエマルジョンを噴霧乾燥法、液中硬化被膜法にてマイクロカプセルを製造する。ここで、転相とは、エマルジョンの型が一方から他方の型へと変化することである。この場合、液滴が集まって連続相となり、その中に閉じ込められた別の液が液滴になるものと考えられる。
上記1)、2)のエマルジョンを用いてマイクロカプセルを製造した場合、上記2)の方法で調製したエマルジョンを用いたほうが、カプセル内に多量の薬物が包含される。2)の方法でエマルジョンを製造後、マイクロカプセルを製造した場合、当該マイクロカプセル中には、約80〜90%の薬物を包含することができる。よって、上記2)の油中水滴型(W/O型)エマルジョンを製造後、水によって転相させて調製した水中油滴型(O/W型)エマルジョンを噴霧乾燥法、液中硬化被膜法にてマイクロカプセルを製造する方法が好ましい。
上記2)の転相法でエマルジョンを製造する場合、転相時添加する水の量としては、重量比で油性成分1に対して水性成分3、好ましくは水性成分4、より好ましくは水性成分5の割合で、水性成分を添加する。
さらに、上述した様に、マイクロカプセル中に賦形剤を添加することが可能であるが、疎水性薬物をマイクロカプセル中の包含する場合、賦形剤として水不溶性賦形剤を添加すれば、表面上にポアが少ないマイクロカプセルを製造することができる。水不溶性賦形剤として好ましくは無水リン酸水素カルシウム、結晶セルロースがある。
本発明製剤のマイクロカプセルの平均粒子径は、約10〜200μmであり、製造法等によって自由に変更することができる。また、本発明製剤のマイクロカプセルは、硬カプセルに充填でき、また顆粒剤や錠剤にも含有することができる。
前述したようにPVAコポリマーの酸素透過性が低く、酸素に不安定な薬物を本発明製剤に包含させた場合、当該薬物を安定化することができる。
以下に実施例および試験例を記載し、本願発明を具体的に説明するが、本願発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、調製されたポリビニルアルコール共重合体の溶液の粘度は、10〜300mPa・sであった。
(実施例1)
ビタミンAパルミテート(ロッシュ・ビタミン・ジャパン株式会社製)10gに界面活性剤モノラウリン酸ソルビタン(和光純薬工業株式会社製)1gを溶解し、60℃に加温したPVAコポリマー(大同化成工業株式会社製、平均重合度500のPVA、メチルメタクリレート、アクリル酸の重量比が80:17.5:2.5)水溶液(水溶液濃度:20w/v%)100gを攪拌しながら加え、油中水滴型エマルジョン(W/O型エマルジョン)を製造する。その後、このエマルジョンに水150gを攪拌しながら徐々に加え40℃まで冷却し、水中油滴型エマルジョン(O/W型エマルジョン)を製造する。このエマルジョンをスプレードライヤー (大川原化工機製、L−8型)の塔頂より回転式アトマイザーによって、下記の条件で乾燥することによってマイクロカプセルを得ることができた。得られたマイクロカプセルの水分量は1.58%、マイクロカプセルの収率は約80%であった。
(スプレードライヤー製造条件)
アトマイザー回転数: 25000rpm
スプレー液の流量 :20 g/分
乾燥温度:110℃
(実施例2)
ビタミンAパルミテート(ロッシュ・ビタミン・ジャパン株式会社製)10gに界面活性剤モノラウリン酸ソルビタン(和光純薬工業株式会社製)1gを溶解し、60℃に加温した平均重合度500のPVAコポリマー(大同化成工業株式会社製、平均重合度500のPVA、メチルメタクリレート、アクリル酸の重量比が80:17.5:2.5)水溶液100g(水溶液濃度:20w/v%)を攪拌しながら加え、油中水滴型エマルジョン(W/O型エマルジョン)を製造する。その後、このエマルジョンに水150gを攪拌しながら徐々に加え冷却し、D−マンニトール16gを溶解し、水中油滴型エマルジョン(O/W型エマルジョン)を製造する。このエマルジョンをスプレードライヤー (大川原化工機製、L−8型)の塔頂より回転式アトマイザーによって、実施例1のスプレードライ製造条件で乾燥することによってマイクロカプセルを得ることができた。
得られたマイクロカプセルの水分量は、1.57%、マイクロカプセルの収率は90%以上であり、水溶性賦形剤であるD−マンニトールを添加することで収率を向上することはできたが、スプレードライ機内で若干べたつきが認められた。なお、本法で調製したマイクロカプセルの電子顕微鏡写真を図1にしめす。
(実施例3)
ビタミンAパルミテート(ロッシュ・ビタミン・ジャパン株式会社製)10gに界面活性剤モノラウリン酸ソルビタン(和光純薬工業株式会社製)1gを溶解し、60℃に加温した重合度500のPVAコポリマー(大同化成工業株式会社製、平均重合度500のPVA、メチルメタクリレート、アクリル酸の重量比が80:17.5:2.5)水溶液100g(水溶液濃度:20w/v%)を攪拌しながら加え、油中水滴型エマルジョン(W/O型エマルジョン)を製造する。その後、このエマルジョンに水150gを攪拌しながら徐々に加え冷却し、無水リン酸水素カルシウム16gを溶解し、水中油滴型エマルジョン(O/W型エマルジョン)を製造する。このエマルジョンをスプレードライヤー(大川原化工機製、L−8型)の塔頂より回転式アトマイザーによって、実施例1の条件で乾燥することによってマイクロカプセルを得ることができた。
得られたマイクロカプセルの水分量は、0.70%、マイクロカプセルの収率は85%程度であり、水不溶性賦形剤を添加することによって、乾燥効率が向上し、非常に密なマイクロカプセルを得ることができた。本法で製造したマイクロカプセルの電子顕微鏡写真を図2にしめす。
図1、2の写真から明らかなように、水溶性賦形剤を用いた実施例2のマイクロカプセルにくらべ、水不溶性賦形剤である無水リン酸水素カルシウムを用いた実施例3のマイクロカプセルは、表面が緻密であった。実施例3のマイクロカプセルの表面が緻密であることから、実施例2のマイクロカプセルにくらべ酸素透過能はさらに低減されると考えられる。
(実施例4)
重合度500のPVAコポリマー(大同化成工業株式会社製、平均重合度500のPVA、メチルメタクリレート、アクリル酸の重量比が80:17.5:2.5)水溶液40g(水溶液濃度:20w/v%)に水50g,界面活性剤モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン1g及び白糖4.8gを溶解する。その溶解液にビタミンAパルミテート(ロッシュ・ビタミン・ジャパン株式会社製)4gを加え、ホモジナイザーで粗乳化した後、微粒化装置でエマルジョンを製造する。このエマルジョンをスプレードライヤー(大川原化工機製、L−8型)の塔頂より回転式アトマイザーによってマイクロカプセルを得ることができた。
(実施例5)
平均重合度500のPVAコポリマー(大同化成工業株式会社製、平均重合度500のPVA、メチルメタクリレート、アクリル酸の重量比が80:17.5:2.5)水溶液40g(水溶液濃度:20w/v%)に水50g、界面活性剤モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン1g及び白糖4.8gを溶解する。その溶解液にビタミンAパルミテート(ロッシュ・ビタミン・ジャパン株式会社製)4gを加え、ホモジナイザーで粗乳化した後、微粒化装置でエマルジョンを製造する。このエマルジョンにアルギン酸ナトリウム1.8gを溶解し、この液を1%塩化カルシウム水溶液に攪拌しながら注下し液滴を生成した。この液滴を捕集し,乾燥することによってマイクロカプセルを得ることができた。
(実施例6)
重合度500のPVAコポリマー(大同化成工業株式会社製、平均重合度500のPVA、メチルメタクリレート、アクリル酸の重量比が80:17.5:2.5)水溶液20g(水溶液濃度20w/v%)および水200gに界面活性剤モノラウリン酸ソルビタン(和光純薬工業株式会社製)1gおよび水溶性賦形剤5gと共にビタミンAパルミテート(ロッシュ・ビタミン・ジャパン株式会社製)10gを転相法により乳化させる。乳化液にカラギーナン(中央フーズマテリアル株式会社製)0.25g、塩化カリウム(石津製薬株式会社製)0.18gを80°Cで溶解する。このエマルジョンをエタノール中に噴霧することにより液滴を生成した。この液滴を捕集し、乾燥することによってマイクロカプセルを得ることができた。
(実施例7)
60℃に加温した平均重合度500のPVAコポリマー(大同化成工業株式会社製、平均重合度500のPVA、メチルメタクリレート、アクリル酸の重量比が80:17.5:2.5)水溶液100g(水溶液濃度:20w/v%)と水100gに界面活性剤モノラウリン酸ソルビタン(和光純薬工業株式会社製)1g、D−マンニトール16gを溶解する。そこに、軽質無水ケイ酸(日本アエロジル)3.5gにビタミンAパルミテート(ロッシュ・ビタミン・ジャパン株式会社製)を吸着させ、上記の水溶液に分散させエマルジョンを調製する。このエマルジョンをスプレードライヤー (大川原化工機製、L−8型)の塔頂より回転式アトマイザーによって、実施例1のスプレードライ製造条件で乾燥することによってマイクロカプセルを得ることができた。
(実施例8)
重合度500のPVAコポリマー(大同化成工業株式会社製、平均重合度500のPVA、メチルメタクリレート、アクリル酸の重量比が80:17.5:2.5)水溶液250g(水溶液濃度:8w/v%)に界面活性剤モノラウリン酸ソルビタン(和光純薬工業株式会社製)1gを溶解した後、ビタミンAパルミテート(ロッシュ・ビタミン・ジャパン株式会社製)10gを攪拌しながら加え、水中油滴型エマルジョン(O/W型エマルジョン)を製造する。このエマルジョンをスプレードライヤー(大川原化工機製、L−8型)の塔頂より回転式アトマイザーによって、実施例1の条件で乾燥することによってマイクロカプセルを得ることができた。マイクロカプセルの収率は、約70%であった。
(実施例9)
重合度500のPVAコポリマー(大同化成工業株式会社製、平均重合度500のPVA、メチルメタクリレート、アクリル酸の重量比が80:17.5:2.5)水溶液20g(水溶液濃度20w/v%)および水200gに界面活性剤モノラウリン酸ソルビタン(和光純薬工業株式会社製)1gおよび水溶性賦形剤5gと共にビタミンAパルミテート(ロッシュ・ビタミン・ジャパン株式会社製)10gを転相法により乳化させる。乳化液にカラギーナン(中央フーズマテリアル株式会社製)0.25g、塩化カリウム(石津製薬株式会社製)0.18gを80°Cで溶解し、この液をゴマ油 (保栄薬工株式会社製)等の油に攪拌しながら注下し液滴を生成した。この液滴を4℃以下で冷却固化した後、捕集し、溶媒で洗浄後、乾燥することによってマイクロカプセルを得ることができた。
本法で調製したマイクロカプセルの電子顕微鏡写真を図3にしめす。
酸素に対する安定性が悪い医薬品を本マイクロカプセルに内包した場合、当該医薬品を安定化することができる。また、医薬品のみならず、健康食品、食品にも用いることができる。

Claims (21)

  1. ポリビニルアルコール共重合体、界面活性剤および薬物を含有することを特徴とするマイクロカプセル剤。
  2. 賦形剤を含有する請求項1記載のマイクロカプセル剤。
  3. 当該ポリビニルアルコール共重合体が平均重合度100〜2000のポリビニルアルコールと少なくとも1以上の重合性ビニル単量体とを重量比6:4〜9:1の割合で共重合させて得られる共重合体であり、溶液の粘度が10〜300mPa・sである当該共重合体の溶液を用いて製造したものである請求項1または2記載のマイクロカプセル剤。
  4. 当該ポリビニルアルコール共重合体が平均重合度150〜1000のポリビニルアルコールと少なくとも1以上の重合性ビニル単量体とを重量比6:4〜9:1の割合で共重合させて得られる共重合体であり、溶液の粘度が50〜200mPa・sである当該共重合体の溶液を用いて製造したものである請求項1または2記載のマイクロカプセル剤。
  5. 当該ポリビニルアルコールが部分けん化ポリビニルアルコールである請求項3または4記載のマイクロカプセル剤。
  6. 当該重合性ビニル単量体が、不飽和カルボン酸類、不飽和カルボン酸類のエステル類及びそれらの塩から選択される1または2以上である請求項3〜5のいずれかに記載のマイクロカプセル剤。
  7. 当該重合性ビニル単量体が、アクリル酸又はその塩及びメチルメタクリレートであり、共重合する際におけるアクリル酸又はその塩とメチルメタクリレートの重量比が3:7〜0.5:9.5である請求項6記載のマイクロカプセル剤。
  8. 平均重合度100〜2000の部分けん化ポリビニルアルコール、メチルメタクリレートおよびアクリル酸を共重合する際における重量比が60〜90:7〜38:0.5〜12であり、溶液の粘度が10〜300mPa・sである当該共重合体の溶液を用いて製造したものである請求項3〜7のいずれかに記載のマイクロカプセル剤。
  9. 当該界面活性剤が非イオン系である請求項1記載のマイクロカプセル剤。
  10. 当該界面活性剤がトウイン系またはスパン系である請求項9記載のマイクロカプセル剤。
  11. 当該界面活性剤のHLBが5〜20である請求項9または10記載のマイクロカプセル剤。
  12. 当該薬物の水溶解度が100μg/mL以下である請求項1記載のマイクロカプセル剤。
  13. 当該薬物が酸素に分解されやすい薬物である請求項1記載のマイクロカプセル剤。
  14. 当該賦形剤が水不溶性賦形剤である請求項2記載のマイクロカプセル剤。
  15. 10〜80重量%のポリビニルアルコール共重合体、0.5〜10重量%の界面活性剤、 5〜60重量%の薬物および0〜84.5重量%の賦形剤を含有する請求項2〜14のいずれかに記載のマイクロカプセル剤。
  16. 15〜70重量%のポリビニルアルコール共重合体、0.5〜8重量%の界面活性剤、10〜55重量%の薬物および0〜70重量%の賦形剤を含有する請求項15記載のマイクロカプセル剤。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載のマイクロカプセル剤を含有する顆粒剤、錠剤または硬カプセル剤。
  18. 油中水滴型エマルジョンの水性成分がポリビニルアルコール共重合体を含有するものであり、油性成分が界面活性剤および薬物を含有するものであることを特徴とするマイクロカプセル剤を製造する方法。
  19. 油中水滴型エマルジョンに水を添加して水中油滴型エマルジョンを調製する工程、及び該水中油滴型エマルジョンを噴霧乾燥または液中で固化させた後乾燥する工程を含むことを特徴とする請求項18記載のマイクロカプセル剤を製造する方法。
  20. 上記請求項18または19記載の方法により製造されたマイクロカプセル剤。
  21. マイクロカプセルを製造するためのポリビニルアルコール共重合体の使用。











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