JP2000159661A - 徐放性マイクロカプセル含有水性組成物 - Google Patents

徐放性マイクロカプセル含有水性組成物

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JP2000159661A
JP2000159661A JP34295498A JP34295498A JP2000159661A JP 2000159661 A JP2000159661 A JP 2000159661A JP 34295498 A JP34295498 A JP 34295498A JP 34295498 A JP34295498 A JP 34295498A JP 2000159661 A JP2000159661 A JP 2000159661A
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microcapsules
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microcapsule
aqueous
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Ryoji Yasue
良司 安江
Hiroyuki Hagiwara
弘行 萩原
Emi Takagi
絵美 高木
Kentarou Kiyama
健太郎 貴山
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 疎水性物質を含有する芯物質と高分子化
合物及び水を含有する壁膜とからなる多芯型構造のマイ
クロカプセルを水性基剤に分散させた徐放性マイクロカ
プセル含有水性組成物であって、上記壁膜の含水率が5
0〜99重量%であり、且つ上記水性基剤が浸透圧調整
剤を組成物全体に対して1〜30重量%含有してなるこ
とを特徴とする徐放性マイクロカプセル含有水性組成
物。 【効果】 必要なカプセル強度を維持したままで大径の
カプセルとすることが可能で、香料、殺虫剤等の機能性
を有する材料の選択の余地が広い上、使用前のみならず
使用期間中に亘ってマイクロカプセルの芯物質の徐放
性、放出性を容易にコントロールすることができ、上記
長期間に亘って目的とする機能を初期の強さを同程度に
維持したままで発現させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に芳香剤等とし
て有効に用いられる徐放性マイクロカプセル含有水性組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】芳香剤
等に用いられるマイクロカプセルは、芯物質である芳香
成分が徐々に放出され、長時間の放出が維持されること
が望ましく、そのためには、マイクロカプセルを比較的
大径に調製して、内部に十分量の芯物質が充填できるよ
うにすると共に、その放出性、徐放性をコントロールす
ることが考えられる。
【0003】従来、比較的大径を有し、またカプセル膜
が多孔状に形成されて芯物質がその細孔を通って放出す
るようにしたマイクロカプセルとして、特開平6−22
8880号、同7−11233号、同9−208406
号公報に記載されたマイクロカプセルが知られている
が、これらのマイクロカプセルはいずれもカプセル膜が
無機質にて形成されている上、マイクロカプセルの粒径
が100μm以下であり、それよりも大きな粒径である
ことが要望される芳香剤等の用途にとって十分なもので
はない。
【0004】更に、特表平9−507692号公報に
は、におい放出剤を含有するラメラ構造を有するマイク
ロカプセルが提案されているが、このマイクロカプセル
の大きさは100μm以下である上に、徐放性の点でも
満足するものではなかった。
【0005】また、芳香成分などを芯物質とし、この芯
物質を合成高分子化合物などからなる疎水性壁膜で被覆
した単芯型構造のマイクロカプセルは、通常、界面重縮
合反応により調製されるが、この場合、例えば平均粒子
径800μm以上の大径のマイクロカプセルを調製する
ことは困難であり、仮に上記のような大径のものを調製
できたとしても、そのカプセル強度が低くなって、水性
ゲル中で破壊されるという問題があった。更に、界面重
縮合反応によりマイクロカプセルを調製する場合、油溶
性モノマーと反応する化合物を芯物質として使用するこ
とができないため、使用できる香料(芳香成分)等の選
択の余地が狭かった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、マイクロカプセルからの芯物質の放出性をコントロ
ールして、長期間に亘って芯物質の有する機能を発現さ
せることができ、芳香剤等の用途に好適な徐放性マイク
ロカプセル含有水性組成物を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、目的とする機能を有する疎水性物質を芯物質とし、
これを含水壁膜に内包させたマイクロカプセルを調製す
るに際し、マイクロカプセルを多芯型構造のものとする
ことによって、大径のマイクロカプセルを調製すること
が容易となり、上記のような製造法上の材料制限が解除
されて、例えば油溶性モノマーと反応する香料などであ
っても芯物質として使用することができる上に、カプセ
ル径が大径となっても必要なカプセル強度が維持でき、
芯物質の放出速度を調整することが容易となるのみなら
ず、例えば水性ゲルの中に配合させてもカプセルが破壊
され難いことから、その使用形態の応用の幅が広くな
り、また、マイクロカプセルの壁膜の含水率を調整する
ことによって、マイクロカプセルの芯物質の放出速度を
コントロールできることを見出し、更に鋭意検討した結
果、このようなマイクロカプセルを界面活性剤などの浸
透圧調整剤を配合した水性基剤に分散させ、この浸透圧
調整剤の濃度を調整することによって、マイクロカプセ
ルの芯物質の放出速度をより効果的にコントロールでき
ることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】即ち、本発明は、疎水性物質を含有する芯
物質と高分子化合物及び水を含有する壁膜とからなる多
芯型構造のマイクロカプセルを水性基剤に分散させた徐
放性マイクロカプセル含有水性組成物であって、上記壁
膜の含水率が50〜99重量%であり、且つ上記水性基
剤が浸透圧調整剤を組成物全体に対して1〜30重量%
含有してなることを特徴とする徐放性マイクロカプセル
含有水性組成物を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の徐放性マイクロカプセル含有水性組成物
は、疎水性物質を含有する芯物質の粒子が多数分散した
状態で所定の含水率を有する高分子含水壁膜に内包され
た多芯型構造のマイクロカプセルを所定量の浸透圧調整
剤を含有する水性液、水性ゲル等の水性基剤に分散させ
たものである。
【0010】ここで、本発明のマイクロカプセルの芯物
質に配合される疎水性物質としては、その種類が特に制
限されるものではなく、カプセルの用途などに応じて適
宜選定することができ、具体的機能としては、例えば香
料、殺虫剤等に分類されるものを選択することができ、
このような機能を有する化合物として、例えばエステル
類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、炭化水素
類等の1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用するこ
とができる。
【0011】本発明の場合、これらの中でも特に香料及
び香料として使用されるエステル類、アルコール類、ア
ルデヒド類、ケトン類、炭化水素類がより好適に使用さ
れ、具体的には例えばユーカリ油、レモン油、ラベンダ
ー油、ヒノキ油、シトラール、アレスリン、リナロー
ル、テルペノール、リガストラール、ベンジルアセテー
ト、エチルイソブチレート、β−ヨノン、ヘキシルアル
コール、アニスアルデヒド、α−ピネン、β−ピネン等
を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上
を適宜組み合わせて使用することができる。
【0012】なお、本発明の芯物質には、本発明の効果
を妨げない限り、上記疎水性物質以外にも適宜成分を配
合することができ、例えば所望の機能を有する上記疎水
性物質が常温で固体となる物質である場合、ジエチルフ
タレート、中鎖トリグリセリド、流動パラフィン等の疎
水性、水不溶性又は水難溶性溶剤で液状にして芯物質と
して使用することが望ましい。
【0013】上記疎水性物質の配合量は、特に制限され
るものではないが、通常、芯物質全体に対して20〜1
00%(重量%、以下同様)、好ましくは30〜100
%とすると好適である。疎水性物質の配合量が少なすぎ
ると機能性の疎水性物質配合の効果を十分に得ることが
困難となる場合がある。
【0014】上記疎水性物質を含有する芯物質を内包す
る壁膜は、高分子化合物を壁膜形成物質とするものであ
り、高分子化合物の種類は特に制限されるものではな
く、例えば常温でゲル化する水溶性高分子化合物を好適
に使用することができ、具体的には、例えば種々のゼリ
ー強度を有するゼラチン類、寒天,カラギーナン,ジェ
ランガム,メチルセルロース,カードラン等の多糖類な
どを挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以
上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0015】本発明の場合、これらの中でも、ゼラチン
類、寒天、ジェランガム、カラギーナン等がより好まし
く使用され、特にゼラチン類が好適に使用される。壁膜
形成物質としてゼラチン類を使用する場合、後述するよ
うにゼラチンをゲル化させてカプセル化を行った後に、
アルデヒド処理を行ってゼラチン膜を硬化させ、ゼラチ
ン硬化膜とすると、より効果的である。
【0016】上記高分子化合物の配合量は特に制限され
るものではないが、通常、壁膜全体に対して0.5〜5
0%、好ましくは1〜40%、より好ましくは2〜35
%とすると好適である。高分子化合物の配合量が多すぎ
ると必然的に水の配合割合が低くなって本発明において
必要な壁膜の含水率を得ることができなくなり、少なす
ぎるとカプセル強度が低くなって、芯物質の放出性をコ
ントロールすることが困難となる場合がある。
【0017】本発明のマイクロカプセルの壁膜は、含水
率が50〜99%であり、好ましくは60〜98%であ
る。含水率が高すぎるとカプセル化が困難となり、低す
ぎると徐放性が発現しなくなる。
【0018】なお、本発明において、組成物中に含有さ
れた壁膜の含水率は、マイクロカプセル含有水性組成物
中からマイクロカプセルを取り出し、軽く表面の水分を
取り除いた後、カールフィッシャー(例えば平沼産業
(株)製「AQUACOUNTER AQV−7」)に
て測定することによって、確認することができる。
【0019】本発明の場合、上記含水壁膜には、本発明
の効果を妨げない限り上記高分子化合物以外にも糖類、
澱粉、蛋白質等の親水性物質を適宜量配合することがで
きる。
【0020】本発明のマイクロカプセルは、上記芯物質
からなる多数の微小粒子が分散した状態で上記壁膜に内
包された多芯型構造を有するものであり、このような多
芯型構造のマイクロカプセルにおける上記芯物質と上記
壁膜との比率は、特に制限されるものではないが、通
常、重量比で芯物質:壁膜=1:99〜50:50、特
に10:90〜40:60とすると好適である。芯物質
の比率が大きすぎるとマイクロカプセル化が困難となる
場合があり、小さすぎるとマイクロカプセル配合の効果
を十分に得ることが困難となる場合がある。
【0021】本発明のマイクロカプセル中に分散する上
記芯物質の粒子の平均粒子径は、特に制限されるもので
はないが、0.1〜50μm、好ましくは0.1〜30
μmとすると好適である。芯物質の粒子径が大きすぎる
と芯物質の放出速度が速くなり、十分な徐放性を得るこ
とが困難となる場合があり、小さすぎるとマイクロカプ
セルの調製が困難となる場合がある。
【0022】本発明のマイクロカプセルの平均粒子径
は、特に制限されるものではないが、600μm以上、
好ましくは800〜3,000μm、より好ましくは8
00〜2,000μmとすると好適である。マイクロカ
プセルの粒子径が小さすぎると内部に必要量の芯物質を
充填することが困難となる場合がある。なお、マイクロ
カプセルの粒子径が大きすぎると単位体積当たりの表面
積が小さくなり、徐放性が悪くなる場合がある。
【0023】そして、上記芯物質からなるの粒子の平均
粒子径とマイクロカプセルの平均粒子径との比率は、好
ましくは芯物質粒子径:マイクロカプセル粒子径=1:
10〜1:6,000、より好ましくは1:20〜1:
4,000である。芯物質の粒子径が大きすぎるとマイ
クロカプセルの強度が不十分となる場合があり、小さす
ぎるとマイクロカプセルの調製が困難となる場合があ
る。
【0024】なお、本発明の場合、芯物質からなる粒子
の平均粒子径は、例えば光学顕微鏡を利用して測定した
り、マイクロカプセルの平均粒子径は、例えば篩分けに
て、確認することができる。
【0025】本発明の徐放性マイクロカプセル含有水性
組成物は、所定量の浸透圧調整剤を溶解させた水性液、
水性ゲル等の水性基剤に上記マイクロカプセルを分散さ
せたものであり、上記浸透圧調整剤は、その配合濃度に
よって水性基剤の浸透圧を調整することができる物質で
あれば、その種類は特に制限されず、このような浸透圧
調整剤としては、疎水性物質に対する壁膜の親和性を変
えて浸透圧を調整するものと、壁膜の含水率を変えて浸
透圧を調整するものとがあり、前者のような浸透圧調整
剤として、例えば界面活性剤、一価又は二価のアルコー
ル、多価アルコール、糖類等を挙げることができ、後者
のような浸透圧調整剤として、例えば無機塩、有機酸塩
等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以
上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0026】上記界面活性剤としては、その種類が特に
制限されるものではなく、陽イオン界面活性剤、陰イオ
ン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤の
いずれであってもよいが、本発明の場合、これらの中で
も特にHLB値が7以上のものが好ましく、より好まし
くは9以上である。HLB値が低すぎると水性基剤に溶
解しない場合がある。なお、HLB値の上限は特にない
が、実用性を考慮すれば、40以下であることが望まし
い。
【0027】このようなHLB値を有する界面活性剤と
して、具体的には、例えばポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸塩等が特に好適に使用することができ
る。
【0028】また、界面活性剤以外の浸透圧調整剤とし
ては、例えばプロピレングリコール,グリセリン等の多
価アルコール、塩化ナトリウム,硫酸ナトリウム(芒
硝)等の無機塩、クエン酸,酢酸塩等の有機酸、ショ
糖,果糖,ブドウ糖,ソルビット等の糖類、エタノー
ル,メタノール,イソプロピルアルコール等の一価のア
ルコールなどが特に好適に使用することができる。
【0029】上記浸透圧調整剤の配合量は、本発明の徐
放性マイクロカプセル含有水性組成物全体に対して1〜
30%であり、好ましくは5〜25%である。浸透圧調
整剤の配合量が多すぎると芯物質の放出速度が速くなり
過ぎて徐放性のコントロールが困難となり、少なすぎる
と芯物質の放出速度が遅くなり過ぎて実用性がなくな
る。
【0030】本発明の水性基剤は、本発明の効果を妨げ
ない限り、上記浸透圧調整剤以外に水溶性高分子化合
物,低級アルコール類,糖類,蛋白質類,無機化合物,
有機化合物等であって、浸透圧調整機能を有さない水溶
性物質を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて適
宜濃度となるように溶解させることができる。
【0031】また、本発明の水性基剤として、例えば水
性液、水性ゲルなどを使用することができるが、本発明
の場合、常温でゲル状となる水性ゲルを上記マイクロカ
プセルを分散させる水性基剤として使用すると、水性ゲ
ル中にマイクロカプセルを均一分散させることができ、
徐放性も良くなるので、より効果的であり、例えばゼラ
チン,コラーゲン等のたんぱく質、アルギン酸ナトリウ
ム等の植物ガム、寒天,カラギーナン,ジェランガム,
メチルセルロース,カードラン等の多糖類の水溶性高分
子化合物を常温でゲル化可能な濃度(通常、水性基剤全
体の0.1〜20%、特に0.5〜10%)で溶解させ
ると好適である。
【0032】本発明の徐放性マイクロカプセル含有水性
組成物における上記マイクロカプセルと上記水性基剤と
の配合比は、特に制限されるものではないが、通常、重
量比でマイクロカプセル:水性基剤=70:30〜0.
1:99.9、特に50:50〜1:99となるように
上記マイクロカプセルを上記水性基剤に分散させると好
適である。マイクロカプセルの配合比が低すぎるとマイ
クロカプセル配合の効果を得ることが困難となる場合が
あり、高すぎると芯物質の放出速度をコントロールする
ことが困難となる場合がある。
【0033】なお、同様の理由により上記芯物質と水性
基剤との配合割合は、重量比で芯物質:水性基剤=1:
50〜1:400とすると好適である。
【0034】本発明の徐放性マイクロカプセル含有水性
組成物に配合される上記マイクロカプセルの調製方法
は、特に制限されるものではなく、疎水性物質を芯物質
とする多芯型構造のマイクロカプセルの調製方法として
公知の方法を採用することができ、例えば以下に示す方
法により効率良く製造することができる。
【0035】即ち、マイクロカプセルの壁膜を形成する
上記高分子化合物を所定量の水に溶解して水相とし、こ
れに上記疎水性物質を含有する芯物質となる油相を分散
させて、O(芯物質)/W(壁膜)型乳化物を調製する
か、上記水相全体の50〜80%の水相と上記油相とで
W/O型乳化物を形成した後、残りの水相を添加し、転
相乳化させてO(芯物質)/W(壁膜)型乳化物を調製
する。
【0036】ここで、上記乳化物を調製する際の撹拌に
は、ホモミキサー、ニーダー、マイルダー等が使用され
るが、芯物質(油相)を短時間で好ましい粒径で分散さ
せることを考慮すれば、これらの中でも特にホモミキサ
ーが好ましく、その回転数、回転時間によって疎水性物
質を含有する芯物質からなる油滴粒子径を調整すること
によって、本発明のマイクロカプセルの芯物質を上記の
ような好適な粒子径に調整することができる。
【0037】なお、温度条件としては、特に制限され
ず、例えば常温で乳化させることもできるが、上記水溶
性高分子化合物が固化(ゲル化)する温度領域を避けて
乳化させることが望ましい。
【0038】次に、このO/W型乳化物の水相によって
マイクロカプセル膜(壁膜)を形成する方法としては、
公知の造粒方法を採用することができるが、本発明の場
合、特に液中硬化法又はスプレークーリング法が好適で
ある。
【0039】ここで、液中硬化法とは、油脂等の分散媒
中でO/W型乳化物の粒子を硬化後、分散媒を分離除去
することによりマイクロカプセルを得る方法である。具
体的には、上記O/W型乳化物を200〜1000%の
食用油脂等の液状油脂中に上記高分子化合物がゲル化し
ない温度領域で分散させてO(芯物質)/W(壁膜)/
O型乳化物を調製した後、全体を冷却して上記壁膜を固
化させた後、濾過などにより液状油脂を除去し、更に、
エチルアルコール、ヘキサン、石油エーテル等を用いて
マイクロカプセルに付着した液状油脂を除去してマイク
ロカプセル粒子を製造する方法である。
【0040】なお、上記O/W/O型乳化物を調製する
際の撹拌にも、パドルやプロペラ等の撹拌翼を使用する
と好適であり、その回転数、回転時間によって上記O/
W型乳化物の分散粒子の粒子径を調整することによっ
て、本発明のマイクロカプセルを上記のような好適な粒
子径に調整することができる。
【0041】次に、スプレークーリング法とは、上記O
/W型乳化物を噴霧又は滴下し、水相を固化させた後、
捕集することによりマイクロカプセルを得る方法であ
る。具体的には、上記O/W型乳化物を上記高分子化合
物がゲル化しない温度領域の温度雰囲気に設定した塔中
に、ゲル化しない温度状態のO/W型乳化物を回転円盤
式ノズルや二流体加圧ノズルなどを用い、必要に応じて
流量やノズル口径等により噴霧又は滴下される粒子の大
きさを調整しながら噴霧又は滴下することによって上記
壁膜を固化させた後、マイクロカプセル粒子を捕集する
方法である。
【0042】なお、上述したようにゼラチン硬化膜を壁
膜として使用する場合、その調製方法は特に制限される
ものではないが、上記芯物質を内包するゼラチン壁膜を
形成した後、公知のゼラチンのアルデヒド処理又は酵素
処理を行ってゼラチン膜を硬化させると好適である。
【0043】本発明のマイクロカプセル含有水性組成物
は、上記のようにして製造されたマイクロカプセルを予
め上記必須成分及び任意成分を水に溶解させておいた水
性基剤に均一に分散させることによって製造することが
できる。なお、水性基剤を調製する際、配合成分に合わ
せて適宜加温することが好ましく、また、上記マイクロ
カプセルを分散させる際にも、必要に応じて適宜温度に
コントロールすることが望ましく、例えば水性基剤が常
温でゲル状となるものであれば、そのゲル化温度領域を
超え、且つマイクロカプセル壁膜のゲル化温度領域内と
なるような温度で上記マイクロカプセルを水性基剤中に
均一分散させた後、例えば密閉容器に充填して室温まで
冷却することが望ましい。
【0044】このようにして製造された本発明の徐放性
マイクロカプセル含有水性組成物の使用方法は、特に制
限されるものではないが、通常、蓋付き容器等の密閉可
能な容器に充填し、使用時まで蓋を閉めるなどして密閉
した状態で保存しておき、使用時に蓋を開けるなどにし
て、マイクロカプセル含有水性組成物を外気に接触させ
ることによって、芯物質を徐々に放出させることができ
る。
【0045】ここで、本発明の徐放性マイクロカプセル
含有水性組成物の場合、疎水性物質を含有する芯物質が
含水率の高い含水壁膜で内包され、このマイクロカプセ
ルが水性基剤に分散されているので徐放性に優れるのみ
ならず、この壁膜の含水率を所定範囲内で高くすること
によって芯物質の放出速度を遅めたり、含水率を低くす
ることによって芯物質の放出速度を速めたりするという
ように、芯物質の放出速度をコントロールすることがで
き、更に、水性基剤中の浸透圧調整剤の濃度を所定範囲
内で調整することによって、同様に芯物質の放出速度を
コントロールできるのみならず、上述したように長時間
に亘って放出されるのに十分な量の芯物質をマイクロカ
プセル中に内包させることができるので、長期間に亘っ
て上記疎水性物質が有する機能を発揮させることがで
き、また、その期間をコントロールすることもできる。
【0046】そして、従来の徐放性マイクロカプセル剤
であれば、疎水性物質を含有する芯物質が徐々に放出さ
れて、その残存率が低くなるに従って、その放出性が悪
くなり、疎水性物質により発揮される機能の程度が弱く
なっていくが、本発明の徐放性マイクロカプセル含有水
性組成物の場合、外気に触れることによって、マイクロ
カプセルの含水壁膜中の水分及び上記水性基剤中の水分
が徐々に蒸発していき、壁膜の含水率が低くなると共
に、水性基剤中の浸透圧調整剤の濃度が高くなってマイ
クロカプセルが分散された水性基剤の浸透圧が高くなる
ので、時間が経過して疎水性物質の残存量が少なくなる
に従って、芯物質が放出され易くなるので、疎水性物質
の有する機能を長期間に亘って使用開始時の同程度の強
さで発揮させることができる。
【0047】従って、本発明のマイクロカプセル含有水
性組成物は、各種香料を疎水性物質として使用した場
合、芳香剤等のフレグランス製品、殺虫成分や誘引剤、
忌避剤、殺菌剤、除草剤などを疎水性物質とした場合、
農薬や殺虫剤などの用途に有効に用いることができる。
【0048】
【発明の効果】本発明のマイクロカプセル含有水性組成
物によれば、必要なカプセル強度を維持したままで大径
のカプセルとすることが可能であり、また、香料、殺虫
剤等の機能性を有する材料の選択の余地が広い上、使用
前のみならず使用期間中に亘ってマイクロカプセルの芯
物質の徐放性、放出性を容易にコントロールすることが
できるので、上記長期間に亘って目的とする機能を初期
の強さを同程度に維持したままで発現させることができ
る。
【0049】従って、本発明の徐放性マイクロカプセル
含有水性組成物は、芳香剤等のフレグランス製品、農薬
や殺虫剤などとして特に有用である。
【0050】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0051】[実施例1]壁膜形成物質としてゼリー強
度300#のゼラチン[新田ゼラチン(株)製]18重
量部を精製水72重量部に60℃で溶解させた後、ホモ
ミキサーを備えた撹拌槽に移してユーカリ油10重量部
を添加し、60℃で7000rpm、2分間ホモミキサ
ーにより乳化して、ユーカリ油の平均粒子径が2μmに
調整されたO/W型乳化物を得た。
【0052】このO/W型乳化物100重量部を60℃
に維持したまま、予め50℃に加熱しておいたコーン油
250重量部中に添加し、50℃で300rpm、3分
間プロペラ羽根により撹拌することによって、上記O/
W型乳化物をコーン油中に分散させると共に、上記乳化
物の平均粒子径を800μmに調整した後、10℃まで
冷却してゼラチンをゲル化させ、上記O/W型乳化物を
カプセル化した。その後、コーン油中に分散した上記カ
プセルを石油エーテルで濾過洗浄し、次いで1%のグル
タルアルデヒド水溶液200重量部中に分散させてゼラ
チンカプセル(壁膜)の硬化を行ってユーカリ油を芯物
質とし、ゼラチン硬化膜を含水壁膜とする多芯型構造の
マイクロカプセルを得た。
【0053】次に、精製水83重量部にカラギーナン2
重量部を分散させ、80℃まで加温してカラギーナンを
溶解させた後、65℃まで冷却してノニルフェノール系
界面活性剤NC−200(HLB15.8)[ライオン
(株)製]10重量部、上記マイクロカプセル5重量部
を添加し、65℃で全体が均一になるように撹拌して実
施例1の徐放性マイクロカプセル含有水性組成物を得、
これを密閉容器に充填して放冷した。
【0054】[実施例2]壁膜形成物質としてゼリー強
度200#のゼラチン[新田ゼラチン(株)製]28重
量部を精製水52重量部に60℃で溶解させた後、ホモ
ミキサーを備えた撹拌槽に移してレモン油20重量部を
添加し、60℃で9000rpm、3分間ホモミキサー
により乳化してレモン油の粒子径が0.5μmに調整さ
れたO/W型乳化物を得た。
【0055】このO/W型乳化物100重量部を60℃
に維持したまま、予め50℃に加熱しておいたコーン油
250重量部中に添加し、50℃で350rpm、3分
間プロペラ羽根により撹拌することによって、上記O/
W型乳化物をコーン油中に分散させると共に、上記乳化
物の平均粒子径を600μmに調整した後、10℃まで
冷却してゼラチンをゲル化させ、上記O/W型乳化物を
カプセル化した。その後、コーン油中に分散した上記カ
プセルを石油エーテルで濾過洗浄し、次いで1%のグル
タルアルデヒド水溶液200重量部中に分散させてゼラ
チンカプセル(壁膜)の硬化を行ってレモン油を芯物質
とし、ゼラチン硬化膜を含水壁膜とする多芯型構造のマ
イクロカプセルを得た。
【0056】次に、精製水65重量部にカラギーナン1
重量部を分散させ、80℃まで加温してカラギーナンを
溶解させた後、65℃まで冷却してノニルフェノール系
界面活性剤NC−86(HLB12.6)[ライオン
(株)製]30重量部、上記マイクロカプセル4重量部
を添加して65℃で全体が均一になるように撹拌して実
施例2の徐放性マイクロカプセル含有水性組成物を得、
これを密閉容器に充填して放冷した。
【0057】[実施例3]壁膜形成物質としてゼリー強
度250#のゼラチン[新田ゼラチン(株)製]21.
25重量部を精製水63.75重量部に60℃で溶解さ
せた後、ホモミキサーを備えた撹拌槽に移してラベンダ
ー油15重量部を添加し、60℃で4000rpm、1
分間ホモミキサーにより乳化して、ラベンダー油の粒子
径が20μmに調整されたO/W型乳化物を得た。
【0058】このO/W型乳化物100重量部を60℃
に維持したまま、予め50℃に加熱しておいたコーン油
250重量部中に添加し、50℃で200rpm、3分
間平羽根タービンにより撹拌することによって、上記O
/W型乳化物をコーン油中に分散させると共に、上記乳
化物の粒子径を900μmに調整した後、10℃まで冷
却してゼラチンをゲル化させ、上記O/W型乳化物をカ
プセル化した。その後、コーン油中に分散した上記カプ
セルを石油エーテルで濾過洗浄し、次いで1%のグルタ
ルアルデヒド水溶液200重量部中に分散させてゼラチ
ンカプセル(壁膜)の硬化を行ってラベンダー油を芯物
質とし、ゼラチン硬化膜を含水壁膜とする多芯型構造の
マイクロカプセルを得た。
【0059】次に、精製水80重量部にジェランガム1
重量部を分散させ、80℃まで加温してジェランガムを
溶解させた後、65℃まで冷却してノニルフェノール系
界面活性剤NC−100(HLB13.3)[ライオン
(株)製]15重量部、上記マイクロカプセル4重量部
を添加し、65℃で全体が均一になるように撹拌して実
施例3の徐放性マイクロカプセル含有水性組成物を得、
これを密閉容器に充填して放冷した。
【0060】[実施例4]壁膜形成物質としてジェラン
ガム[大日本製薬(株)製]4.5重量部を精製水8
5.5重量部に80℃で溶解させた後、ホモミキサーを
備えた撹拌槽に移してヒノキ油10重量部を添加し、8
0℃で7000rpm、1分間ホモミキサーにより乳化
してヒノキ油の粒子径が5μmに調整されたO/W型乳
化物を得た。
【0061】このO/W型乳化物100重量部を80℃
に維持したまま、予め50℃に加熱しておいたコーン油
250重量部中に添加し、50℃で300rpm、4分
間プロペラ羽根により撹拌することによって、上記O/
W型乳化物をコーン油中に分散させると共に、上記乳化
物の粒子径を750μmに調整した後、10℃まで冷却
してジェランガムをゲル化させ、上記O/W型乳化物を
カプセル化した。その後、コーン油中に分散した上記カ
プセルを石油エーテルで濾過洗浄してヒノキ油を芯物質
とし、ジェランガム膜を含水壁膜とする多芯型構造のマ
イクロカプセルを得た。
【0062】次に、精製水90重量部にノニルフェノー
ル系界面活性剤NC−150(HLB14.9)[ライ
オン(株)製]5重量部、カプセル5重量部を添加し
て、30℃で全体が均一になるように撹拌して実施例4
の徐放性マイクロカプセル含有水性組成物を得、これを
密閉容器に充填して放冷した。
【0063】[実施例5]壁膜形成物質として寒天[伊
那食品工業(株)製 UP−6]1.8重量部を精製水
88.2重量部に90℃で溶解させた後、ホモミキサー
を備えた撹拌槽に移してシトラール10重量部を添加
し、70℃で8000rpm、2分間ホモミキサーによ
り乳化して、シトラールの粒子径が1μmに調整された
O/W型乳化物を得た。
【0064】このO/W型乳化物100重量部を70℃
に維持したまま、予め70℃に加熱しておいたコーン油
250重量部中に添加し、70℃で200rpm、3分
間平羽根タービンで撹拌することによって、上記O/W
型乳化物をコーン油中に分散させると共に、上記乳化物
の粒子径を900μmに調整した後、20℃まで冷却し
て寒天をゲル化させ、上記O/W型乳化物をカプセル化
した。その後、コーン油中に分散した上記カプセルを石
油エーテルで濾過洗浄し、シトラールを芯物質とし、寒
天膜を含水壁膜とする多芯型構造のマイクロカプセルを
得た。なお、シトラールは、油溶性モノマーと反応する
ために、例えば多価アミンと多価酸クロライドを用いて
界面重縮合反応によりマイクロカプセル化する場合に
は、芯物質として使用することができなかったものであ
る。
【0065】次に、精製水94.5重量部にキサンタン
ガム0.5重量部を分散させ、40℃まで加温してキサ
ンタンガムを溶解させた後、デカグリセリルモノラウレ
ート(HLB15.5)[商品名「Decaglyn
1−L」;日光ケミカルズ(株)製]1重量部、カプセ
ル4重量部を添加して40℃で全体が均一になるように
撹拌して実施例5の徐放性マイクロカプセル含有水性組
成物を得、これを密閉容器に充填して放冷した。
【0066】[実施例6]壁膜形成物質としてゼリー強
度200#のゼラチン[新田ゼラチン(株)製]20重
量部と寒天[伊那食品工業(株)製 UP−6]1.2
5重量部とを精製水63.75重量部に90℃で溶解さ
せた後、ホモミキサーを備えた撹拌槽に移し、アレスリ
ン15重量部を添加して、70℃で5000rpm、2
分間ホモミキサーにより乳化して、アレスリンの平均粒
子径が15μmに調整されたO/W型乳化物を得た。
【0067】このO/W型乳化物100重量部を70℃
に維持したまま、予め70℃に加熱しておいたコーン油
250重量部中に添加し、70℃で200rpm、4分
間平羽根タービンにより撹拌することによって、上記O
/W型乳化物をコーン油中に分散させると共に、上記乳
化物の平均粒子径を850μmに調整した後、10℃ま
で冷却してゼラチン及び寒天をゲル化させ、上記O/W
型乳化物をカプセル化した。その後、コーン油中に分散
した上記カプセルを石油エーテルで濾過洗浄し、次いで
1%のグルタルアルデヒド水溶液200重量部中に分散
させ、ゼラチン/寒天カプセル(壁膜)の硬化を行って
アレスリンを芯物質とし、ゼラチン/寒天硬化膜を含水
壁膜とする多芯型構造のマイクロカプセルを得た。
【0068】次に、精製水93.8重量部にアルギン酸
ナトリウム0.2重量部を分散させ、40℃まで加温し
てアルギン酸ナトリウムを溶解させた後、ラウリル硫酸
ナトリウム(HLB40)[関東化学(株)製]1重量
部、上記マイクロカプセル5重量部を添加して、40℃
で全体が均一となるように撹拌して実施例6の徐放性マ
イクロカプセル含有水性組成物を得、これを密閉容器に
充填して放冷した。
【0069】[実施例7]壁膜形成物質としてゼリー強
度300#のゼラチン[新田ゼラチン(株)製]18重
量部を精製水72重量部に60℃で溶解させた後、ホモ
ミキサーを備えた撹拌槽に移してユーカリ油10重量部
を添加し、60℃で7000rpm、2分間ホモミキサ
ーにより乳化して、ユーカリ油の平均粒子径が2μmに
調整されたO/W型乳化物を得た。
【0070】このO/W型乳化物100重量部を60℃
に維持したまま、予め50℃に加熱しておいたコーン油
250重量部中に添加し、50℃で300rpm、3分
間プロペラ羽根により撹拌することによって、上記O/
W型乳化物をコーン油中に分散させると共に、上記乳化
物の平均粒子径を800μmに調整した後、10℃まで
冷却してゼラチンをゲル化させ、上記O/W型乳化物を
カプセル化した。その後、コーン油中に分散した上記カ
プセルを石油エーテルで濾過洗浄し、次いで1%のグル
タルアルデヒド水溶液200重量部中に分散させてゼラ
チンカプセル(壁膜)の硬化を行ってユーカリ油を芯物
質とし、ゼラチン硬化膜を含水壁膜とする多芯型構造の
マイクロカプセルを得た。
【0071】次に、精製水87重量部に硫酸ナトリウム
8重量部を溶解させた後、上記マイクロカプセル5重量
部を添加し、30℃で全体が均一になるように撹拌して
実施例7の徐放性マイクロカプセル含有水性組成物を
得、これを密閉容器に充填して放冷した。
【0072】[比較例1]壁膜形成物質としてゼリー強
度300#のゼラチン[新田ゼラチン(株)製]34重
量部を精製水51重量部に60℃で溶解させた後、ホモ
ミキサーを備えた撹拌槽に移してラベンダー油15重量
部を添加し、60℃で4000rpm、1分間ホモミキ
サーにより乳化して、ラベンダー油の平均粒子径が20
μmに調整されたO/W型乳化物を得た。
【0073】このO/W型乳化物100重量部を60℃
に維持したまま、予め50℃に加熱しておいたコーン油
250重量部中に添加し、50℃で250rpm、3分
間プロペラ羽根により撹拌することによって、上記O/
W型乳化物をコーン油中に分散させると共に、上記乳化
物の平均粒子径を900μmに調整した後、10℃まで
冷却してゼラチンをゲル化させ、上記O/W型乳化物を
カプセル化した。その後、コーン油中に分散した上記カ
プセルを石油エーテルで濾過洗浄し、更に1%のグルタ
ルアルデヒド水溶液200重量部中に分散させ、ゼラチ
ンカプセル(壁膜)の硬化を行ってラベンダー油を芯物
質とし、ゼラチン硬化膜を含水壁膜とする多芯型構造の
マイクロカプセルを得た。
【0074】次に、精製水94.5重量部にジェランガ
ム1重量部を分散させ、80℃まで加温してジェランガ
ムを溶解させた後、65℃まで冷却してノニルフェノー
ル系界面活性剤NC−100(HLB13.3)[ライ
オン(株)製]0.5重量部、上記マイクロカプセル4
重量部を添加して、65℃で全体が均一となるように撹
拌して比較例1の徐放性マイクロカプセル含有水性組成
物を得、これを密閉容器に充填して放冷した。
【0075】[比較例2]壁膜形成物質として寒天[伊
那食品工業(株)製 UP−6]0.4重量部を精製水
79.6重量部に90℃で溶解させた後、ホモミキサー
を備えた撹拌槽に移し、レモン油20重量部を添加し
て、70℃で9000rpm、3分間ホモミキサーによ
り乳化し、レモン油の平均粒子径が0.5μmに調整さ
れたO/W型乳化物を得た。
【0076】このO/W型乳化物100重量部を70℃
に維持したまま、予め70℃に加熱しておいたコーン油
250重量部中に添加し、70℃で350rpm、3分
間プロペラ羽根により撹拌することによって、上記O/
W型乳化物をコーン油中に分散させると共に、上記乳化
物の粒子径を600μmに調整した後、10℃まで冷却
して寒天をゲル化させ、上記O/W型乳化物をカプセル
化した。その後、コーン油中に分散した上記カプセルを
石油エーテルで濾過洗浄して、レモン油を芯物質とし、
寒天膜を含水壁膜とする多芯型構造のマイクロカプセル
を得た。
【0077】次に、精製水70重量部にカラギーナン1
重量部を分散させ、80℃まで加温してカラギーナンを
溶解させた後、65℃まで冷却してノニルフェノール系
界面活性剤NC−86(HLB12.6)[ライオン
(株)製]25重量部、上記マイクロカプセル4重量部
を添加して、65℃で全体が均一となるように撹拌して
比較例2の徐放性マイクロカプセル含有水性組成物を
得、これを密閉容器に充填して放冷した。
【0078】上記実施例1〜7及び比較例1,2の徐放
性マイクロカプセル含有水性組成物を上記容器のフタを
開けた状態で室内(24〜26℃)に2週間放置した
後、これらの香気の強さを50人の健康成人男子をパネ
ラーとして下記評価基準に従って官能評価し、人数が一
番多い評点を評価点とした。結果を表1及び表2に示
す。なお、表中の含水率は、カールフィッシャー(平沼
産業(株)製「AQUACOUNTER AQV−
7」)にて測定し、確認した。また、表中の芯物質(平
均)粒子径は、光学顕微鏡写真より測定(100個の平
均)し、カプセル径(平均粒子径)は篩分けにて、確認
した。 <評価基準>評点 官 能 評 価 5点 非常によい香気 4点 よい香気 3点 普通 2点 香気がやや強い 1点 香気が弱い
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 絵美 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 貴山 健太郎 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA61 AA94 DD04 DD08 EE30 EE36 EE42 FF31 4G005 AA01 AB09 AB14 AB25 AB27 BA11 BB06 BB12 BB13 DA09Z DB01W DB01X DB06Z DB12W DB12Z DB17Z DC07W DC12W DC12X DC16W DC26W EA03 EA05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性物質を含有する芯物質と高分子化
    合物及び水を含有する壁膜とからなる多芯型構造のマイ
    クロカプセルを水性基剤に分散させた徐放性マイクロカ
    プセル含有水性組成物であって、上記壁膜の含水率が5
    0〜99重量%であり、且つ上記水性基剤が浸透圧調整
    剤を組成物全体に対して1〜30重量%含有してなるこ
    とを特徴とする徐放性マイクロカプセル含有水性組成
    物。
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