JPWO2006103779A1 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

半導体基板10上に形成された層間絶縁膜30と、層間絶縁膜30上に形成され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜36を有する下部電極38と、下部電極38上に形成された強誘電体膜42と、強誘電体膜42上に形成された上部電極44とを有する強誘電体キャパシタ46とを有する半導体装置において、下部電極38は、層間絶縁膜30に形成されたコンタクトホール32a内に埋め込まれ、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ部38aを一体的に有している。

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に係り、特に誘電体膜として高誘電体膜又は強誘電体膜を用いたキャパシタを有する半導体装置及びその製造方法に関する。
近年のデジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを高速に保存、処理等する必要性が高まる中、電子機器に使用される半導体装置には、高集積化及び高性能化が要求されている。このような要求に応えるべく、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)に関しては、その高集積化を実現するために、DRAMを構成するキャパシタの誘電体膜として、強誘電体材料、高誘電率材料を用いる技術が広く研究開発されている。
キャパシタの誘電体膜として強誘電体膜を有する強誘電体キャパシタを用いた強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectric Random Access Memory)は、高速動作が可能である、低消費電力である、書き込み/読み出し耐久性に優れている等の特徴を有する不揮発性メモリであり、今後の更なる発展が見込まれている。
FeRAMは、強誘電体のヒステリシス特性を利用して情報を記憶するメモリである。一対の電極に挟まれた強誘電体膜を有する強誘電体キャパシタにおいて、強誘電体膜は、電極間の印加電圧に応じて分極を生じ、電極間への電圧の印加を止めた後も自発分極を有している。電極間の印加電圧の極性を反転すれば、この自発分極の極性も反転する。このように、強誘電体キャパシタには、強誘電体膜の自発分極の極性に応じた情報が記憶され、自発分極を検出することにより、記憶された情報が読み出される。
FeRAMの強誘電体キャパシタに用いられる強誘電体膜の材料としては、PbZr1−XTi(PZT)、Pb1−XLaZr1−YTi(PLZT)、Ca、Sr、Siが微量ドープされたPZT等のPZT系強誘電体が用いられている。また、SrBiTa(SBT)、SrBi(TaNb1−X(SBTN)等のビスマス層状構造強誘電体等も用いられている。これらの強誘電体膜は、ゾル・ゲル法、スパッタ法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等により成膜されている。
強誘電体キャパシタに用いられる強誘電体膜は、一般的に、上記のゾル・ゲル法等により下部電極上に成膜された後、熱処理により、ペロブスカイト構造の結晶やビスマス層状構造の結晶に結晶化される。このため、強誘電体キャパシタの電極材料は、酸化し難い材料であること、又は酸化されても導電性を維持したままであることが不可欠となっている。このような電極材料として、Pt、Ir、IrO等の白金族系金属又は白金系金属の酸化物が広く用いられている。なお、FeRAMにおけるその他の配線材料としては、通常の半導体デバイスで用いられているAl等が一般的に用いられている。
FeRAMもまた、他の半導体装置と同様に、セル面積を低減することが今後の課題となっている。FeRAMのセル面積の低減を実現しうる構造としては、スタック型セルが注目されている。
スタック型セルにおいては、半導体基板上に形成されたトランジスタのソース/ドレイン領域に接続されたプラグの直上に、強誘電体キャパシタが形成されている。すなわち、ソース/ドレイン領域に接続されたプラグ上に、バリアメタル、下部電極、強誘電体膜、及び上部電極が順次形成されている。プラグとしては、タングステンからなるものが用いられている。また、バリアメタルは、酸素の拡散を抑制する役割を果たしている。一般的に、下部電極とバリアメタルとを兼ねる導体膜が形成されている。このため、バリアメタルと下部電極とを明確に区別することは困難であるが、このような導体膜の材料として、TiN、TiAlN、Ir、Ru、IrO、RuO、SrRuO(SRO)の組合せが検討されている。
また、上述のように、強誘電体キャパシタの電極材料としては、白金族系金属又は白金系金属の酸化物が用いられている。しかし、Ptは、酸素に対して高い透過性を有している。このため、スタック型セルにおいて、タングステンプラグの直上に下部電極としてPt膜を形成すると、Pt膜を酸素が容易に透過し、熱処理によりタングステンプラグが容易に酸化されてしまう場合がある。このようなタングステンプラグの酸化を抑制すべく、スタック型セルにおいては、下部電極の構造として、Ir膜とPt膜とが順次積層された構造(Pt/Ir構造)、Ir膜とIrO膜とPt膜とが順次積層された構造(Pt/IrO/Ir構造)が用いられることが多くなっている。さらには、種々の積層構造を有する下部電極が提案されている(例えば特許文献1〜3を参照)。また、タングステンプラグが埋め込まれるコンタクトホールの内壁面に、種々のバリアメタルを形成しておくことで、タングステンプラグと下部電極との接続部の抵抗増大の防止、強誘電体キャパシタの特性劣化の防止等を実現する技術も提案されている(例えば特許文献4、5を参照)。
また、一般的に、強誘電体キャパシタに接続される回路は、Al配線により構成されている。Alは、Pt等の白金族系金属と共晶反応を起こすことが知られている(例えば特許文献6を参照)。このため、白金族系金属からなる電極とAl配線との間には、両者の共晶反応を防止するため、TiN膜等からなるバリア層を形成する必要がある(例えば特許文献7、8を参照)。
しかしながら、TiN膜や、通常のロジック品等で用いられているTi膜とTiN膜との積層膜をバリア層として用いた場合であっても、電極材料と配線材料との反応や、Ti膜の酸化等を防止することができず、コンタクト不良等の不都合が生じてしまうことがあった。かかる不都合を回避すべく、これまでに、バリア層の構造、材料等について種々の提案が行われている(例えば特許文献9、10を参照)。
また、FeRAMのスタック型セルでは、上述のように、タングステンプラグが一般的に、用いられている。このタングステンプラグの酸化を防止するために、強誘電体キャパシタの下部電極とタングステンプラグとの間に形成するバリア層等の構造に関して、種々の構造が提案されている(例えば特許文献11、12を参照)。
特開2003−425784号公報 特許第3454085号明細書 特開平11−243179号公報 特開2004−31533号公報 特開2003−68993号公報 特開2004−241679号公報 特許第3045928号明細書 特許第3165093号明細書 特開2002−100740号公報 特許第3307609号明細書 特開2004−193430号公報 特開2004−146772号公報
従来のFeRAMでは、酸化され易いタングステンプラグが用いられているため、製造工程における熱処理等によりタングステンプラグが酸化されることがあった。一旦タングステンプラグが酸化されると、タングステンプラグ上の下部電極等の膜剥がれや、コンタクト不良が発生してしまうことがあった。特許文献11、12には、タングステンプラグの酸化を防止することを目的とする構造が開示されているが、その構造は複雑なものとなってしまっている。また、そのような構造を採用したとしても、強誘電体膜の結晶化、ダメージの回復等のために行う熱処理の際に、タングステンプラグの酸化を確実に防止するとは困難であると考えられる。
また、強誘電体キャパシタの電極材料であるPt等と、配線材料のAlとの共晶反応を防止するため、Ti膜、TiN膜等のバリア層が形成されているが、このようなバリア層では共晶反応を防止することができないことがあった。例えば、バリア層の形成後の熱処理によりウェーハのストレスが変化すると、バリア層に亀裂が生じ、電極材料であるPt等と、配線材料のAlとの共晶反応が起きてしまう場合があった。
また、タングステンプラグは、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法による研磨後の平坦性があまり良好でないため、タングステンプラグ上に形成される下部電極の配向が劣化してしまう場合がある。この結果、下部電極上に形成される強誘電体膜の結晶性も劣化し、強誘電体キャパシタの電気的特性が劣化してしまうことがあった。
本発明の目的は、強誘電体膜又は高誘電体膜を用いたキャパシタの電極とプラグ、配線と間の良好なコンタクトを実現し、動作特性に優れ、信頼性の高い半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、半導体基板上に形成された半導体素子と、前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜に形成され、前記半導体素子に達するコンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグと、前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続された下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタとを有する半導体装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、半導体基板上に形成された半導体素子と、前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜に形成され、前記半導体素子に達するコンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグと、前記貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜プラグを平坦化されたプラグと、前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続された下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタとを有する半導体装置が提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板上に形成された半導体素子と、前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜に形成され、前記半導体素子に達するコンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグと、前記貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜プラグを平坦化されたプラグと、前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続されたアモルファス貴金属酸化物密着層と、前記アモルファス貴金属酸化物密着層に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタとを有する半導体装置が提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板上に形成され、下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと、前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜に形成され前記上部電極に達するコンタクトホールを介して前記上部電極に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する配線とを有する半導体装置が提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板上に形成され、下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと、前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜に形成され前記上部電極又は前記下部電極に達するコンタクトホールを介して前記上部電極又は前記下部電極に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する配線とを有する半導体装置が提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板上に、半導体素子を形成する工程と、前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に、絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、前記半導体素子に達するコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグを形成する工程と、前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続された下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板上に、半導体素子を形成する工程と、前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に、絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、前記半導体素子に達するコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグを形成する工程と、前記導体膜プラグの平坦化する工程と、前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続された下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板上に、半導体素子を形成する工程と、前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に、絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、前記半導体素子に達するコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグを形成する工程と、前記導体膜プラグの平坦化する工程と、前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続されたアモルファス貴金属酸化物と下部電極とを形成する工程と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板上に半導体素子を形成する工程と、前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、前記半導体素子に達するコンタクトホールを形成する工程と、前記絶縁膜上に、前記コンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に形成され、前記導体膜を有する下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板上に、下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と、前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に、絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、前記上部電極又は前記下部電極に達するコンタクトホールを形成する工程と、前記絶縁膜上に、前記コンタクトホールを介して前記上部電極又は前記下部電極に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する配線を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、誘電体膜として高誘電体膜又は強誘電体膜を用いたキャパシタを有する半導体装置において、下部電極が接続されるプラグとして、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグを形成するので、所望の配向の下部電極を高い制御性で形成することができる。これにより、下部電極上に形成される誘電体膜の結晶性を向上することができ、優れた電気的特性を有するキャパシタを得ることができる。また、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグ上に、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する下部電極を形成するので、プラグと下部電極との間の密着性を向上することができ、膜剥がれの発生を防止することができる。しかも、プラグを構成する貴金属からなる導体膜は、酸化され難く、また酸化された場合であっても低抵抗のままであるので、良好なコンタクトを実現することができる。さらに、貴金属酸化物は水素及び水分の拡散を防止する特性を有するので、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグにより、キャパシタの誘電体膜に水素及び水分が達するのが抑制され、キャパシタの電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、本発明によれば、コンタクトホールを介してキャパシタの上部電極又は下部電極に接続された配線として、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する配線を形成するので、貴金属又は貴金属酸化物により構成される上部電極又は下部電極と配線との反応を抑制することができ、上部電極又は下部電極と配線との間のコンタクトを良好なものとすることができる。さらに、貴金属酸化物は水素及び水分の拡散を防止する特性を有するので、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する配線により、キャパシタの誘電体膜に水素及び水分が達するのが抑制され、キャパシタの電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
図1は、本発明の第1実施形態による半導体装置の構造を示す断面図である。 図2は、本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 図3は、本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 図4は、本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 図5は、本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 図6は、本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。 図7は、本発明の第1実施形態の変形例による半導体装置の構造を示す断面図である。 図8は、本発明の第2実施形態による半導体装置の構造を示す断面図である。 図9は、本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 図10は、本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 図11は、本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 図12は、本発明の第2実施形態の変形例による半導体装置の構造を示す断面図である。 図13は、本発明の第3実施形態による半導体装置の構造を示す断面図である。 図14は、本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 図15は、本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 図16は、本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 図17は、本発明の第4実施形態による半導体装置の構造を示す断面図である。 図18は、本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 図19は、本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 図20は、本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 図21は、本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 図22は、本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。 図23は、本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
符号の説明
10…半導体基板
12…素子分離領域
14a、14b…ウェル
16…ゲート絶縁膜
18…ゲート電極
20…サイドウォール絶縁膜
22a、22b…ソース/ドレイン領域
24…トランジスタ
26…SiON膜
28…シリコン酸化膜
30…層間絶縁膜
32a、32b…コンタクトホール
34…密着層
36…導体膜
38…下部電極
38a…プラグ部
40…プラグ
42…強誘電体膜
44…上部電極
46…強誘電体キャパシタ
48…保護膜
50…層間絶縁膜
52a、52b…コンタクトホール
54a、54b…配線溝
56…バリアメタル膜
58…アルミニウム膜
60a、60b…配線
62a、62b…プラグ部
64…絶縁膜
66…導体膜
68a、68b…プラグ
70…コンタクトホール
72…配線
74、78…バリアメタル膜
76…導体膜
80…コンタクトホール
82…バリアメタル膜
84…タングステン膜
86…プラグ
88…配線
90…層間絶縁膜
92…コンタクトホール
94…バリアメタル膜
96…タングステン膜
98…プラグ
100…バリアメタル膜
102…タングステン膜
104a、104b…プラグ
106…Ti膜
108…Pt膜
110…コンタクトホール
112…コンタクトホール
114a、114b…コンタクトホール
116…バリアメタル膜
118…導体膜
120…プラグ
122…バリアメタル膜
124…タングステン膜
126…プラグ
128…配線
130、134…バリアメタル膜
132…導体膜
136…配線
138…配線
140…層間絶縁膜
142…コンタクトホール
144…バリアメタル膜
146…タングステン膜
148…プラグ
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体装置及びその製造方法を図1乃至図6を用いて説明する。図1は本実施形態による半導体装置の構造を示す断面図、図2乃至図6は本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、本実施形態による半導体装置の構造について図1を用いて説明する。本実施形態による半導体装置は、スタック型のメモリセル構造を有するFeRAMである。
例えばシリコンからなる半導体基板10上には、素子領域を画定する素子分離領域12が形成されている。半導体基板10は、n型、p型のいずれのものであってもよい。素子分離領域12が形成された半導体基板10内には、ウェル14a、14bが形成されている。
ウェル14a、14bが形成された半導体基板10上には、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極(ゲート配線)18が形成されている。ゲート電極18の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜20が形成されている。
サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18の両側には、ソース/ドレイン領域22a、22bが形成されている。
こうして、半導体基板10上に、ゲート電極18とソース/ドレイン領域22a、22bとを有するトランジスタ24が構成されている。
トランジスタ24が形成された半導体基板10上には、例えば膜厚200nmのシリコン窒化酸化膜(SiON膜)26と、例えば膜厚1000nmのシリコン酸化膜28とが順次積層されている。こうして、SiON膜26とシリコン酸化膜28とが順次積層されてなる層間絶縁膜30が形成されている。層間絶縁膜30の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜30には、ソース/ドレイン領域22a、22bに達するコンタクトホール32a、32bが形成されている。
コンタクトホール32aの内壁面、コンタクトホール32a底部のソース/ドレイン領域22a上、及びコンタクトホール32a周辺の層間絶縁膜30上には、後述する貴金属からなる導体膜36の下地に対する密着性を確保するための密着層34が形成されている。また、コンタクトホール32bの内壁面、及びコンタクトホール32b底部のソース/ドレイン領域22b上には、後述する貴金属からなる導体膜36の下地に対する密着性を確保するための密着層34が形成されている。密着層34は、例えば膜厚20nmのTi膜と、例えば膜厚50nmのTiN膜とが順次積層されてなるものである。なお、密着層34は、水素及び水分の拡散を防止するバリア層としても機能する。このような密着層34により、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制されため、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
密着層34が形成されたコンタクトホール32a内、及びコンタクトホール32a周辺の密着層34上には、貴金属からなる導体膜36が形成されている。また、密着層34が形成されたコンタクトホール32b内には、貴金属からなる導体膜36が埋め込まれている。導体膜36としては、例えば膜厚400nmのイリジウム(Ir)膜が用いられている。
こうして、強誘電体キャパシタ46の下部電極38が、密着層34と、貴金属からなる導体膜36とにより構成されている。下部電極38は、コンタクトホール32a内に埋め込まれ、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ部38aを一体的に有している。
また、コンタクトホール32b内には、密着層34と、貴金属からなる導体膜36とにより構成され、ソース/ドレイン領域22bに接続されたプラグ40が形成されている。
下部電極38上には、強誘電体キャパシタ46の強誘電体膜42が形成されている。強誘電体膜42としては、例えば膜厚120nmのPbZr1−XTi膜(PZT膜)が用いられている。
強誘電体膜42上には、強誘電体キャパシタ46の上部電極44が形成されている。上部電極44としては、例えば膜厚200nmの酸化イリジウム(IrO)膜が用いられている。
こうして、下部電極38と強誘電体膜42と上部電極44とからなる強誘電体キャパシタ46が構成されている。
強誘電体キャパシタ46が形成された層間絶縁膜30上には、水素及び水分の拡散を防止する保護膜48が形成されている。保護膜48は、強誘電体キャパシタ46を覆うように、すなわち、下部電極38の側面、強誘電体膜42の側面、上部電極44の側面、及び上部電極44の上面を覆うように形成されている。保護膜48としては、例えば膜厚20〜100nmのアルミナ(Al)膜が用いられている。保護膜48により、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制されため、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
保護膜48上には、例えば膜厚1500nmのTEOS膜からなる層間絶縁膜50が形成されている。層間絶縁膜50の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜50及び保護膜48には、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に達するコンタクトホール52aが形成されている。層間絶縁膜50には、コンタクトホール52aに接続された配線溝54aが形成されている。
また、層間絶縁膜50及び保護膜48には、プラグ40に達するコンタクトホール52bが形成されている。層間絶縁膜50には、コンタクトホール52bに接続された配線溝54bが形成されている。
コンタクトホール52a及び配線溝54a内、及びコンタクトホール52b及び配線溝54b内には、例えば膜厚30nmのTi膜及び膜厚50nmのTiN膜からなるバリアメタル膜56が形成されている。
バリアメタル膜56が形成されたコンタクトホール52a及び配線溝54a内、及びバリアメタル膜56が形成されたコンタクトホール52b及び配線溝54b内には、アルミニウム膜58が埋め込まれている。このアルミニウム膜58はタングステン膜でもよい。
こうして、配線溝54a内に、バリアメタル膜56とアルミニウム膜58とにより構成される配線60aが形成されている。配線60aは、コンタクトホール52a内に埋め込まれ、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続されたプラグ部62aを一体的に有している。
また、配線溝54b内には、バリアメタル膜56とアルミニウム膜58とにより構成される配線60bが形成されている。配線60bは、コンタクトホール52b内に埋め込まれ、プラグ40に接続されたプラグ部62bを一体的に有している。
こうして、本実施形態による半導体装置が構成されている。
本実施形態による半導体装置は、強誘電体キャパシタ46の下部電極38が、貴金属からなる導体膜36を有し、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ部38aを一体的に有していることに主たる特徴がある。
従来、スタック型のメモリセル構造においては、ソース/ドレイン領域に接続されたタングステンプラグの直上に、強誘電体キャパシタの下部電極が別個に形成されていた。このタングステンプラグは、CMP後の平坦性が良好ではないため、下部電極の配向が劣化してしまっていた。また、強誘電体キャパシタに対して熱処理を行う際に、タングステンプラグは、容易に酸化されうる。タングステンプラグが酸化されると、タングステンプラグと下部電極との間の密着性が低下して膜剥がれが生じ、タングステンプラグと下部電極との間にコンタクト不良が生じることとなる。
これに対して、本実施形態による半導体装置では、強誘電体キャパシタ46の下部電極38が、酸化され難い貴金属からなる導体膜36を有し、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ部38aを一体的に有している。これにより、酸化され易いタングステンプラグが下部電極とは別個に形成されている場合と比較して、所望の配向の下部電極38を高い制御性で形成することができる。したがって、下部電極38上に形成される強誘電体膜42の結晶性を向上することができ、優れた電気的特性を有する強誘電体キャパシタ46を得ることができる。
また、本実施形態による半導体装置では、下部電極38が、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ部38aを一体的に有しているため、従来のようにタングステンプラグが下部電極とは別個に形成されている場合に両者の間に生じうるコンタクト不良が問題となることはない。
また、プラグ部38aを有する下部電極38を構成する導体膜36は、貴金属からなるため酸化され難く、また酸化された場合であっても低抵抗のままであるため、良好なコンタクトを実現することができる。
さらに、導体膜36を構成する貴金属の酸化物は、水素及び水分の拡散を防止する特性を有している。このため、貴金属からなる導体膜36が酸化されていれば、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、動作特性に優れ、信頼性の高いスタック型のメモリセル構造を有するFeRAMを提供することができる。
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図2乃至図6を用いて説明する。
まず、例えばシリコンからなる半導体基板10に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。
次いで、イオン注入法により、ドーパント不純物を導入することにより、ウェル14a、14bを形成する。
次いで、通常のトランジスタの形成方法を用いて、素子分離領域12により画定された素子領域に、ゲート電極(ゲート配線)18とソース/ドレイン領域22a、22bとを有するトランジスタ24を形成する(図2(a)参照)。
次いで、全面に、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、例えば膜厚200nmのSiON膜26を形成する。SiON膜26は、CMP法による平坦化の際のストッパ膜として機能する。
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚1000nmのシリコン酸化膜28を形成する。
こうして、SiON膜26とシリコン酸化膜28とにより層間絶縁膜30が構成される。
次いで、例えばCMP法により、層間絶縁膜30の表面を平坦化する(図2(b)参照)。
次いで、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、層間絶縁膜30に、ソース/ドレイン領域22a、22bに達するコンタクトホール32a、32bを形成する(図3(a)参照)。
次いで、脱ガス処理として、例えば窒素雰囲気中にて、例えば650℃、30分間の熱処理を行う。
次いで、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚20nmのTi膜を形成する。続いて、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚50nmのTiN膜を形成する。こうして、Ti膜とTiN膜とが順次積層されてなる密着層34が形成される。
次いで、密着層34上に、例えばMOCVD法により、貴金属からなる導体膜36として、例えば膜厚400nmのIr膜を形成する(図3(b)参照)。原料であるイリジウム前駆体としては、例えば、ルイス塩基安定化β−ジケトネートイリジウム組成物、ルイス塩基安定化β−ケトイミネートイリジウム組成物等を用いることができる。このようなイリジウム前駆体を、例えばO、O、NO等の酸化性ガスの存在下で分解することにより、Ir膜を堆積する。成膜温度は、例えば500℃未満とする。
次いで、導体膜36上に、例えばMOCVD法により、例えば膜厚120nmのPZT膜からなる強誘電体膜42を形成する。
MOCVD法によるPZT膜の成膜では、鉛(Pb)供給用の有機ソースとして、Pb(DPM)(Pb(C1119)をTHF(tetrahydrofuran:CO)液に3mol%の濃度で溶解させたものを0.32ml/minの流量で気化器に導入する。また、ジルコニウム(Zr)供給用の有機ソースとして、Zr(dmhd)(Zr(C15)をTHF液に3mol%の濃度で溶解させたものを0.2ml/minの流量で気化器に導入する。更に、チタン(Ti)供給用の有機ソースとして、Ti(O−iPr)(DPM)(Ti(CO)(C1119)をTHF液に3mol%の濃度で溶解させたものを0.2ml/minの流量で気化器に導入する。気化器は例えば260℃の温度に加熱されており、上述の各有機ソースは気化器内で気化する。気化した各有機ソースは、気化器において酸素と混合された後、リアクタ上部のシャワーヘッドに導入されて一様な流れとなり、シャワーヘッドと対向して設けられる半導体基板10に向けて均一に噴射される。なお、リアクタ内における酸素の分圧は例えば5Torrとする。また、成膜時間は例えば420秒とする。なお、このような条件で成膜したPZT膜の組成は、Pb/(Zr+Ti)=1.15、Zr/(Zr+Ti)=0.45となった。
次いで、酸素を含む雰囲気中にて熱処理を行うことにより、強誘電体膜42を結晶化する。具体的には、例えば、次のような2段階の熱処理を行う。すなわち、第1段階の熱処理として、酸素とアルゴンとの混合ガス雰囲気中にて、RTA法により、基板温度600℃、熱処理時間90秒間の熱処理を行う。続いて、第2段階の熱処理として、酸素雰囲気中にて、RTA法により、基板温度750℃、熱処理時間60秒間の熱処理を行う。
次いで、強誘電体膜42上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚200nmのIrO膜からなる上部電極44を形成する(図4(a)参照)。
次いで、上部電極44上に、後述するハードマスクとなる絶縁膜64を形成する。絶縁膜64としては、例えば膜厚200nmのTiN膜及び膜厚800nmのTEOS膜を形成する。
次いで、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、強誘電体キャパシタ46の平面形状に絶縁膜64をパターニングする(図4(b)参照)。
次いで、絶縁膜64をハードマスクとして、絶縁膜64により覆われていない領域の上部電極44、強誘電体膜42、導体膜36、及び密着層34を順次エッチングする。エッチング終了後、ハードマスクとして用いた絶縁膜64を除去する(図5(a)参照)。
こうして、下部電極38と強誘電体膜42と上部電極44とからなる強誘電体キャパシタ46が形成される。下部電極38は、貴金属からなる導体膜36と密着層34とにより構成され、コンタクトホール32a内に埋め込まれ、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ部38aを一体的に有するように形成される。
また、コンタクトホール32b内には、貴金属からなる導体膜36と密着層34とにより構成され、ソース/ドレイン領域22bに接続されたプラグ40が形成される。
次いで、酸素を含む炉内において、例えば350℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理は、この後に形成する保護膜48に膜剥がれが発生するのを防止するためのものである。
次いで、強誘電体キャパシタ46が形成された層間絶縁膜30上に、例えばスパッタ法又はMOCVD法により、保護膜48を形成する(図5(b)参照)。強誘電体キャパシタ46は、保護膜48により覆われる。保護膜48としては、例えば膜厚20〜100nmのAl膜を形成する。保護膜48は、強誘電体キャパシタ46をプロセスダメージ等から保護するものである。
次いで、酸素を含む炉内において、例えば550〜650℃、60分間の熱処理を行う。この熱処理は、強誘電体膜42上への上部電極44の成膜時、及びエッチング時に強誘電体膜42が受けたダメージを回復するためのものである。
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚1500nmのTEOS膜からなる層間絶縁膜50を形成する。
次いで、例えばCMP法により、層間絶縁膜50の表面を平坦化する(図6(a)参照)。
次いで、層間絶縁膜50及び保護膜48に、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に達するコンタクトホール52aを形成し、層間絶縁膜50に、コンタクトホール52aに接続された配線溝54aを形成する。また、層間絶縁膜50及び保護膜48に、プラグ40に達するコンタクトホール52bを形成し、層間絶縁膜50に、コンタクトホール52bに接続された配線溝54bを形成する。
次いで、コンタクトホール52a及び配線溝54a内、及びコンタクトホール52b及び配線溝54b内に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚30nmのTi膜及び膜厚50nmのTiN膜からなるバリアメタル膜56を形成する。
次いで、バリアメタル膜56が形成されたコンタクトホール52a及び配線溝54a内、及びバリアメタル膜56が形成されたコンタクトホール52b及び配線溝54b内に、アルミニウム膜58を埋め込む。
こうして、通常の配線形成工程により、配線溝54a内に、バリアメタル膜56とアルミニウム膜58とにより構成される配線60aが形成され、配線溝54b内に、バリアメタル膜56とアルミニウム膜58とにより構成される配線60bが形成される。配線60aは、コンタクトホール52a内に埋め込まれたプラグ部62aにより、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続される。また、配線60bは、コンタクトホール52b内に埋め込まれたプラグ部52bにより、プラグ40に接続される。
以後、回路設計等に応じて、配線60a、60bが形成された層間絶縁膜50上に、通常の配線形成工程により単層又は複数層の配線を適宜形成する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
このように、本実施形態によれば、貴金属からなる導体膜36を有し、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ部38aを一体的に有する下部電極38を形成するので、酸化され易いタングステンプラグが下部電極とは別個に形成されている場合と比較して、所望の配向の下部電極38を高い制御性で形成することができる。これにより、下部電極38上に形成される強誘電体膜42の結晶性を向上することができ、優れた電気的特性を有する強誘電体キャパシタ46を得ることができる。
また、本実施形態によれば、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ部38aを一体的に有するように下部電極38を形成するので、従来のようにタングステンプラグが下部電極とは別個に形成されている場合に両者の間に生じうるコンタクト不良が問題となることはない。
また、本実施形態によれば、プラグ部38aを有する下部電極38を構成する導体膜として、酸化され難く、また酸化された場合であっても低抵抗のままである貴金属からなる導体膜36を形成するので、良好なコンタクトを実現することができる。
さらに、本実施形態によれば、酸化物が水素及び水分の拡散を防止する特性を有する貴金属からなる導体膜36を形成するので、貴金属からなる導体膜36が酸化されていれば、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
(変形例)
本実施形態の変形例による半導体装置について図7を用いて説明する。図7は本変形例による半導体装置の構造を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、上記の半導体装置において、貴金属からなる導体膜36の下地に対する密着性を確保するための密着層34が形成されていないものである。
図7に示すように、層間絶縁膜30には、ソース/ドレイン領域22a、22bに達するコンタクトホール32a、32bが形成されている。
コンタクトホール32a内、及びコンタクトホール32a周辺の層間絶縁膜30上には、貴金属からなる導体膜36が直接形成されている。また、コンタクトホール32b内には、貴金属からなる導体膜36が直接形成されている。導体膜36としては、例えば膜厚400nmのIr膜が用いられている。
こうして、強誘電体キャパシタ46の下部電極38が、貴金属からなる導体膜36により構成されている。下部電極38は、コンタクトホール32a内に埋め込まれ、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ部38aを一体的に有している。
また、コンタクトホール32b内には、導体膜36により構成され、ソース/ドレイン領域22bに接続されたプラグ40が形成されている。
下部電極38上には、上記と同様に、強誘電体膜42及び上部電極44が順次形成され、下部電極38と強誘電体膜42と上部電極44とからなる強誘電体キャパシタ46が構成されている。
本変形例による半導体装置のように、貴金属からなる導体膜36の下地に対する密着性を確保するための密着層34が形成されていなくてもよい。
なお、本変形例による半導体装置のように密着層34を形成しない場合には、導体膜36を貴金属酸化物からなるものとすることで、水素及び水分の拡散を防止する膜としても導電膜36を機能させることができる。このような導体膜36により、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体装置及びその製造方法について図8乃至図11を用いて説明する。図8は本実施形態による半導体装置の構造を示す断面図、図9乃至図11は本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。なお、第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同様の構成要素には、同一の符号を付し説明を省略或いは簡略にする。
本実施形態による半導体装置の基本的構成は、第1実施形態による半導体装置とほぼ同様である。本実施形態による半導体装置は、強誘電体キャパシタ46の下部電極38と、下部電極38とソース/ドレイン領域22aとを電気的に接続するプラグ68aとが互いに別個独立に形成されている点で、第1実施形態による半導体装置と異なっている。以下、本実施形態による半導体装置の構造について図8を用いて説明する。
第1実施形態による半導体装置と同様に、トランジスタ24が形成された半導体基板10上には、例えば膜厚200nmのSiON膜26と、例えば膜厚1000nmのシリコン酸化膜28とが順次積層されている。こうして、SiON膜26とシリコン酸化膜28とが順次積層されてなる層間絶縁膜30が形成されている。層間絶縁膜30の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜30には、ソース/ドレイン領域22a、22bに達するコンタクトホール32a、32bが形成されている。
コンタクトホール32aの内壁面、コンタクトホール32a底部のソース/ドレイン領域22a上、及びコンタクトホール32a周辺の層間絶縁膜30上には、後述する貴金属からなる導体膜66及び下部電極38の下地に対する密着性を確保するための密着層34が形成されている。また、コンタクトホール32bの内壁面、及びコンタクトホール32b底部のソース/ドレイン領域22b上には、後述する貴金属からなる導体膜66の下地に対する密着性を確保するための密着層34が形成されている。密着層34は、例えば膜厚20nmのTi膜と、例えば膜厚50nmのTiN膜とが順次積層されてなるものである。なお、密着層34は、水素及び水分の拡散を防止するバリア層としても機能する。このような密着層34により、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制されため、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
密着層34が形成されたコンタクトホール32a内には、貴金属からなる導体膜66が埋め込まれている。また、密着層34が形成されたコンタクトホール32b内には、貴金属からなる導体膜66が埋め込まれている。導体膜66としては、例えば膜厚250nmのIr膜が用いられている。
こうして、コンタクトホール32a内に、密着層34と、貴金属からなる導体膜66とにより構成される。この導体膜66の表面は平坦化されて、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ68aが形成されている。
また、コンタクトホール32b内には、密着層34と、貴金属からなる導体膜66とにより構成され、ソース/ドレイン領域22bに接続されたプラグ68bが形成されている。
コンタクトホール32a周辺の層間絶縁膜30上に形成された密着層34上、及びコンタクトホール32a内に埋め込まれた導体膜66上には、強誘電体キャパシタ46の下部電極38が形成されている。下部電極38は、貴金属からなる導体膜により構成されており、具体的には、例えば膜厚50nmの白金(Pt)膜からなるものである。
さらに膜厚20nmのアモルファス貴金属酸化膜(例えば酸化白金膜(PtOx))及び50nmの白金(Pt)膜積層膜からなる下部電極が望ましい。このアモルファス貴金属酸化膜(PtOx膜)はIr膜が強誘電体膜へ拡散するのを防止することができるので、キャパシタのリーク電流を押さえられる上に、下部電極の結晶性をさらに向上することができる。なお、このように、下部電極に、アモルファス貴金属酸化膜の密着層を用いる場合、アモルファス貴金属酸化膜の密着層としては、例えば、Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、Pdの酸化物、及びSrRuOからなる群から選ばれる少なくとも一種の材料からなる膜を用いることができる。下部電極38は、プラグ68aに接続されている。この下部電極の結晶性をさらに向上するために、RTA法でArの雰囲気中750℃で60secのアニールを行う。
下部電極38上には、強誘電体キャパシタ46の強誘電体膜42が形成されている。強誘電体膜42としては、例えば膜厚120nmのPZT膜が用いられている。
強誘電体膜42上には、強誘電体キャパシタ46の上部電極44が形成されている。上部電極44としては、例えば膜厚200nmのIrO膜が用いられている。
こうして、下部電極38と強誘電体膜42と上部電極44とからなる強誘電体キャパシタ46が構成されている。
強誘電体キャパシタ46が形成された層間絶縁膜30上には、水素及び水分の拡散を防止する保護膜48が形成されている。保護膜48は、強誘電体キャパシタ46を覆うように、すなわち、層間絶縁膜30上に形成された密着層34の側面、下部電極38の側面、強誘電体膜42の側面、上部電極44の側面、及び上部電極44の上面を覆うように形成されている。保護膜48としては、例えば膜厚20〜100nmのAl膜が用いられている。保護膜48により、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制されため、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
保護膜48上には、例えば膜厚1500nmのTEOS膜からなる層間絶縁膜50が形成されている。
層間絶縁膜50及び保護膜48には、第1実施形態による半導体装置と同様に、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続された配線60a、及びプラグ68bに接続された配線60bが形成されている。
こうして、本実施形態による半導体装置が構成されている。
本実施形態による半導体装置は、強誘電体キャパシタ46の下部電極38下に形成され、下部電極38とソース/ドレイン領域22aとの間を電気的に接続するプラグ68aが、貴金属からなる導体膜66を有していることに主たる特徴がある。
強誘電体キャパシタ46の下部電極38下に形成されたプラグ68aが、酸化され難い貴金属からなる導体膜66を有するため、酸化され易いタングステンプラグが下部電極とは別個に形成されている場合と比較して、所望の配向の下部電極38を高い制御性で形成することができる。加えて、本実施形態による半導体装置は、プラグ68aと下部電極38とが別個独立に形成されているため、第1実施形態による半導体装置と比較して、下部電極38が更に平坦なものとなっている。これにより、下部電極38上に形成される強誘電体膜42の結晶性を向上することができ、優れた電気的特性を有する強誘電体キャパシタ46を得ることができる。
また、本実施形態による半導体装置では、プラグ68aを構成する貴金属からなる導体膜66と同様に、プラグ68a上に形成された下部電極38もまた貴金属からなる導体膜により構成されている。これにより、プラグ68aと下部電極38との間の密着性を向上することができ、膜剥がれの発生を防止することができる。
また、プラグ68aを構成する導体膜36は、貴金属からなるため酸化され難く、また酸化された場合であっても低抵抗のままであるため、良好なコンタクトを実現することができる。
さらに、導体膜36を構成する貴金属の酸化物は、水素及び水分の拡散を防止する特性を有している。このため、貴金属からなる導体膜66が酸化されていれば、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、動作特性に優れ、信頼性の高いスタック型のメモリセル構造を有するFeRAMを提供することができる。
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図9乃至図11を用いて説明する。
層間絶縁膜30に、ソース/ドレイン領域22a、22bに達するコンタクトホール32a、32bを形成するまでの工程は、図2及び図3(a)に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
コンタクトホール32a、32bを形成した後(図9(a)参照)、脱ガス処理として、例えば窒素雰囲気中にて、例えば650℃、30分間の熱処理を行う。
次いで、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚20nmのTi膜を形成する。続いて、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚50nmのTiN膜を形成する。こうして、Ti膜とTiN膜とが順次積層されてなる密着層34が形成される。
次いで、密着層34上に、例えばMOCVD法により、貴金属からなる導体膜66として、例えば膜厚200nmのIr膜を形成する(図9(b)参照)。原料であるイリジウム前駆体としては、例えば、ルイス塩基安定化β−ジケトネートイリジウム組成物、ルイス塩基安定化β−ケトイミネートイリジウム組成物等を用いることができる。このようなイリジウム前駆体を、例えばO、O、NO等の酸化性ガスの存在下で分解することにより、Ir膜を堆積する。成膜温度は、例えば500℃未満とする。
次いで、例えばCMP法により、層間絶縁膜30上に形成された密着層34が露出するまで導体膜66を研磨し、導体膜66をコンタクトホール32a、32b内に埋め込む。こうして、コンタクトホール32a内に、密着層34と、貴金属からなる導体膜66とにより構成され、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ68aが形成される。また、コンタクトホール32b内に、密着層34と、貴金属からなる導体膜66とにより構成され、ソース/ドレイン領域22bに接続されたプラグ68bが形成される(図10(a)参照)。
次いで、例えば、スパッタ法により、例えば膜厚20nmの酸化白金(PtOx)及び50nmのPt膜からなる下部電極38を形成する。さらに、下部電極の結晶性向上するために、RTA法でArの雰囲気中750℃で60secのアニールを行う。
次いで、全面に、例えばMOCVD法により、例えば膜厚120nmのPZT膜からなる強誘電体膜42を形成する。
MOCVD法によるPZT膜の成膜では、Pb供給用の有機ソースとして、Pb(DPM)をTHF液に3mol%の濃度で溶解させたものを0.32ml/minの流量で気化器に導入する。また、Zr供給用の有機ソースとして、Zr(dmhd)をTHF液に3mol%の濃度で溶解させたものを0.2ml/minの流量で気化器に導入する。更に、Ti供給用の有機ソースとして、Ti(O−iPr)(DPM)をTHF液に3mol%の濃度で溶解させたものを0.2ml/minの流量で気化器に導入する。気化器は例えば260℃の温度に加熱されており、上述の各有機ソースは気化器内で気化する。気化した各有機ソースは、気化器において酸素と混合された後、リアクタ上部のシャワーヘッドに導入されて一様な流れとなり、シャワーヘッドと対向して設けられる半導体基板10に向けて均一に噴射される。なお、リアクタ内における酸素の分圧は例えば5Torrとする。また、成膜時間は例えば420秒とする。なお、このような条件で成膜したPZT膜の組成は、Pb/(Zr+Ti)=1.15、Zr/(Zr+Ti)=0.45となった。この強誘電体PZT膜はRFスパッタ法、Sol−gel法で形成するでも良い。
次いで、酸素を含む雰囲気中にて熱処理を行うことにより、強誘電体膜42を結晶化する。具体的には、例えば、次のような2段階の熱処理を行う。すなわち、第1段階の熱処理として、酸素とアルゴンとの混合ガス雰囲気中にて、RTA法により、基板温度600℃、熱処理時間90秒間の熱処理を行う。続いて、第2段階の熱処理として、酸素雰囲気中にて、RTA法により、基板温度750℃、熱処理時間60秒間の熱処理を行う。
次いで、強誘電体膜42上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚200nmのIrO膜からなる上部電極44を形成する(図10(b)参照)。
次いで、上部電極44上に、後述するハードマスクとなる絶縁膜64を形成する。絶縁膜64としては、例えば膜厚200nmのTiN膜及び膜厚800nmのTEOS膜を形成する。
次いで、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、強誘電体キャパシタ46の平面形状に絶縁膜64をパターニングする(図11(a)参照)。
次いで、絶縁膜64をハードマスクとして、絶縁膜64により覆われていない領域の上部電極44、強誘電体膜42、導体膜66、及び密着層34を順次エッチングする。エッチング終了後、ハードマスクとして用いた絶縁膜64を除去する(図11(b)参照)。
こうして、下部電極38と強誘電体膜42と上部電極44とからなる強誘電体キャパシタ46が形成される。下部電極38は、貴金属からなる導体膜36により構成される。
以後、保護膜48形成前の熱処理工程から配線60a、60bを形成する工程までは、図5(b)及び図6に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
このように、本実施形態によれば、下部電極38が接続されるプラグとして、貴金属からなる導体膜66を有するプラグ68aを形成するので、酸化され易いタングステンプラグが下部電極とは別個に形成されている場合と比較して、所望の配向の下部電極38を高い制御性で形成することができる。これにより、下部電極38上に形成される強誘電体膜42の結晶性を向上することができ、優れた電気的特性を有する強誘電体キャパシタ46を得ることができる。
また、本実施形態によれば、貴金属からなる導体膜66を有するプラグ68aを形成し、プラグ68a上に、貴金属からなる導体膜を有する下部電極38を形成するので、プラグ68aと下部電極38との間の密着性を向上することができ、膜剥がれの発生を防止することができる。
また、本実施形態によれば、プラグ68aを構成する導体膜として、酸化され難く、また酸化された場合であっても低抵抗のままである貴金属からなる導体膜66を形成するので、良好なコンタクトを実現することができる。
さらに、本実施形態によれば、酸化物が水素及び水分の拡散を防止する特性を有する貴金属からなる導体膜66を形成するので、貴金属からなる導体膜66が酸化されていれば、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
(変形例)
本実施形態の変形例による半導体装置について図12を用いて説明する。図12は本変形例による半導体装置の構造を示す断面図である。
本変形例による半導体装置は、上記の半導体装置において、貴金属からなる導体膜36の下地に対する密着性を確保するための密着層34が形成されていないものである。
図12に示すように、層間絶縁膜30には、ソース/ドレイン領域22a、22bに達するコンタクトホール32a、32bが形成されている。
コンタクトホール32a内、及びコンタクトホール32a周辺の層間絶縁膜30上には、貴金属からなる導体膜66が直接形成されている。また、コンタクトホール32b内には、貴金属からなる導体膜66が直接形成されている。導体膜66としては、例えば膜厚250nmのIr膜が用いられている。
こうして、コンタクトホール32a内に、導体膜66により構成され、平坦化により、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ68aが形成されている。
また、コンタクトホール32b内には、導体膜66により構成され、ソース/ドレイン領域22bに接続されたプラグ68bが形成されている。
コンタクトホール32a周辺の層間絶縁膜30上、及びコンタクトホール32a内に埋め込まれた導体膜66上には、強誘電体キャパシタ46の下部電極38が形成されている。下部電極38は、貴金属からなる導体膜により構成されており、具体的には、例えば膜厚50nmのPt膜からなるものである。さらに、この下部電極は膜厚20nmのアモルファス貴金属酸化膜(例えば酸化白金膜(PtOx)、酸化イリジウム膜(IrOx))及び50nmの白金(Pt)膜積層膜からなる下部電極が望ましい。下部電極38は、プラグ68aに接続されている。
下部電極38上には、上記と同様に、強誘電体膜42及び上部電極44が順次形成され、下部電極38と強誘電体膜42と上部電極44とからなる強誘電体キャパシタ46が構成されている。
本変形例による半導体装置のように、貴金属からなる導体膜66の下地に対する密着性を確保するための密着層34が形成されていなくてもよい。
なお、本変形例による半導体装置のように密着層34を形成しない場合には、第1実施形態の変形例による半導体装置と同様に、導体膜66を貴金属酸化物からなるものとすることで、水素及び水分の拡散を防止する膜としても導電膜66を機能させることができる。このような導体膜66により、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による半導体装置及びその製造方法について図13乃至図16を用いて説明する。図13は本実施形態による半導体装置の構造を示す断面図、図14乃至図16は本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。なお、第1及び第2実施形態による半導体装置及びその製造方法と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し或いは簡略にする。
本実施形態による半導体装置の基本的構成は、第2実施形態による半導体装置とほぼ同様である。本実施形態による半導体装置は、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続された配線72が、貴金属からなる導体膜76を有する点で、第2実施形態による半導体装置と異なっている。以下、本実施形態による半導体装置の構造について図13を用いて説明する。
第2実施形態による半導体装置と同様に、強誘電体キャパシタ46が形成された層間絶縁膜30上には、強誘電体キャパシタ46を覆う保護膜48と、層間絶縁膜50とが順次形成されている。
層間絶縁膜50及び保護膜48には、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に達するコンタクトホール70が形成されている。層間絶縁膜50上には、コンタクトホール70を介して強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続された配線(プレート線)72が形成されている。配線72は、バリアメタル膜74と、貴金属からなる導体膜76と、バリアメタル膜78とにより構成されている。貴金属からなる導体膜76としては、例えば膜厚200nmのIr膜が用いられている。
また、バリアメタル膜74、78としては、例えば、膜厚75nmのTiN膜と、膜厚5nmのTi膜と、例えば膜厚75nmのTiN膜とが順次積層されてなる積層膜が用いられている。
この配線上側のバリアメタル層78と配線下側のバリアメタル層74は同一材料でもよいし、他の材料でもよい。例えば、Ti、Ta、TaN、TaSi、TiN、TiALN、TiSiなどの単層及びこれらからなる群から選択される少なくとも一種以上の材料からなる積層膜であればよい。
また、層間絶縁膜50及び保護膜48には、プラグ68bに達するコンタクトホール80が形成されている。コンタクトホール80内には、例えば膜厚20nmのTi膜と膜厚50nmのTiN膜からなるバリアメタル膜82が形成されている。バリアメタル膜82が形成されたコンタクトホール80内には、タングステン膜84が埋め込まれている。こうして、コンタクトホール80内に、バリアメタル膜82とタングステン膜84とにより構成され、プラグ68bに接続されたプラグ86が形成されている。
層間絶縁膜50上には、プラグ86、68bを介してソース/ドレイン領域22bに電気的に接続された配線(ビット線)88が形成されている。配線88は、例えば、配線72と同様にバリアメタル膜74と、貴金属からなる導体膜76と、バリアメタル膜78とにより構成されている。配線88には、イリジウム(Ir)又は酸化イリジウム(IrO)が用いられている。
配線72、88が形成された層間絶縁膜50上には、層間絶縁膜90が形成されている。
層間絶縁膜90には、配線88に達するコンタクトホール92が形成されている。
コンタクトホール92内には、バリアメタル膜94が形成されている。バリアメタル膜94が形成されたコンタクトホール92内には、タングステン膜96が埋め込まれている。こうして、コンタクトホール92内に、バリアメタル膜94とタングステン膜96とにより構成され、配線88に接続されたプラグ98が形成されている。
こうして、本実施形態による半導体装置が構成されている。
本実施形態による半導体装置は、コンタクトホール70を介して強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続された配線72が、貴金属からなる導体膜76を有することに主たる特徴がある。
貴金属からなる導体膜76を配線72が有するため、貴金属又は貴金属酸化物により構成される上部電極44と配線72との反応を抑制することができ、上部電極44と配線72との間のコンタクトを良好なものとすることができる。
さらに、導体膜76を構成する貴金属の酸化物は、水素及び水分の拡散を防止する特性を有している。このため、貴金属からなる導体膜76が酸化されていれば、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、動作特性に優れ、信頼性の高いスタック型のメモリセル構造を有するFeRAMを提供することができる。
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図14乃至図16を用いて説明する。
層間絶縁膜50を形成するまでの工程は、第2実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
層間絶縁膜50を平坦化した後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、層間絶縁膜50及び保護膜48に、プラグ68bに達するコンタクトホール80を形成する(図14(a)参照)。
全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚20nmのTi膜と50nmのTiN膜からなるバリアメタル膜82を形成する。
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚500nmのタングステン膜84を形成する。
次いで、例えばCMP法により、層間絶縁膜50の表面が露出するまで、タングステン膜84及びバリアメタル膜82を研磨する。こうして、コンタクトホール80内に、バリアメタル膜とタングステン膜84とにより構成され、プラグ68bに接続されたプラグ86が形成される(図14(b)参照)。
次いで、全面にW酸化防止絶縁膜(図示せず)を形成する。W酸化防止絶縁膜としては、例えばSiON膜を用いる。
次いで、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、W酸化防止絶縁膜及び層間絶縁膜50及び保護膜48に、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に達するコンタクトホール70を形成する。
次いで、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、層間絶縁膜50及び保護膜48に、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に達するコンタクトホール70を形成する。
次いで、酸素雰囲気中にて、例えば500℃、60分間の熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ周りの層間絶縁膜50中の水分を追い出せる上に、コンタクトホール70を形成するためのドライエッチングの際に強誘電体キャパシタ46が受けたダメージを回復し、強誘電体キャパシタ46の電気的特性を回復するためのものである。このアニール処理の後、タングステン酸化防止絶縁膜をエッチバックにより除去する(図15(a)参照)。
次いで、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚150nmのTiN膜と、例えば膜厚5nmのTi膜とを順次形成する。こうして、TiN膜とTi膜とTi膜とが順次積層されてなるバリアメタル膜74が形成される。
次いで、全面に、例えばMOCVD法により、貴金属からなる導体膜76として、例えば膜厚300nmのIr膜を形成する。
次いで、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚5nmのTi膜と、例えば膜厚150nmのTi膜とを順次形成する。こうして、Ti膜とTi膜とが順次積層されてなるバリアメタル膜78が形成される(図15(b)参照)。
次いで、ハードマスクを用いたドライエッチングにより、バリアメタル膜78、貴金属からなる導体膜76、及びバリアメタル膜74をパターニングする。これにより、バリアメタル膜74と、貴金属からなる導体膜76と、バリアメタル膜78とにより構成され、コンタクトホール70を介して上部電極44に接続された配線72が形成される(図16(a)参照)。また、バリアメタル膜74と、貴金属からなる導体膜76と、バリアメタル膜78とにより構成され、プラグ86に接続された配線88が形成される。
以後、層間絶縁膜90、配線88に接続されたプラグ98等を形成し(図16(b)参照)、回路設計等に応じて、通常の配線形成工程により単層又は複数層の配線を適宜形成する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
このように、本実施形態によれば、コンタクトホール70を介して強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続する配線として、貴金属からなる導体膜76を有する配線72を形成するので、貴金属又は貴金属酸化物により構成される上部電極44と配線72との反応を抑制することができ、上部電極44と配線72との間のコンタクトを良好なものとすることができる。
さらに、本実施形態によれば、酸化物が水素及び水分の拡散を防止する特性を有する貴金属からなる導体膜76を形成するので、貴金属からなる導体膜76が酸化されていれば、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態では、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続された配線72以外の構造については、第2実施形態による半導体装置とほぼ同様の構造としたが、配線72以外の構造を、第1実施形態による半導体装置とほぼ同様の構造としてもよい。
さらに、配線72は、バリアメタル層74やバリアメタル層78を形成しない単層の配線76でもよい。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による半導体装置及びその製造方法について図17乃至図23を用いて説明する。図17は本実施形態による半導体装置の構造を示す断面図、図18乃至図23は本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。なお、第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し或いは簡略にする。
まず、本実施形態による半導体装置の構造について図17を用いて説明する。本実施形態による半導体装置は、プレーナ型のメモリセル構造を有するFeRAMである。
例えばシリコンからなる半導体基板10上には、素子領域を画定する素子分離領域12が形成されている。半導体基板10は、n型、p型のいずれのものであってもよい。素子分離領域12が形成された半導体基板10内には、ウェル14a、14bが形成されている。
ウェル14a、14bが形成された半導体基板10上には、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極(ゲート配線)18が形成されている。ゲート電極18の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜20が形成されている。
サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18の両側には、ソース/ドレイン領域22a、22bが形成されている。
こうして、半導体基板10上に、ゲート電極18とソース/ドレイン領域22a、22bとを有するトランジスタ24が構成されている。
トランジスタ24が形成された半導体基板10上には、例えば膜厚200nmのSiON膜26と、例えば膜厚1000nmのシリコン酸化膜28とが順次積層されている。こうして、SiON膜26とシリコン酸化膜28とが順次積層されてなる層間絶縁膜30が形成されている。層間絶縁膜30の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜30には、ソース/ドレイン領域22a、22bに達するコンタクトホール32a、32bが形成されている。
コンタクトホール32a、32b内には、例えば膜厚50nmのTiN膜からなるバリアメタル膜100が形成されている。
バリアメタル膜100が形成されたコンタクトホール32a、32b内には、タングステン膜102が埋め込まれている。
こうして、コンタクトホール32a、32b内に、バリアメタル膜100とタングステン膜102とにより構成され、ソース/ドレイン領域22a、22bに接続されたプラグ104a、104bが形成されている。
層間絶縁膜30上には、強誘電体キャパシタ46の下部電極38が形成されている。下部電極38は、例えば膜厚20nmのTi膜106と、例えば膜厚150nmのPt膜108とが順次積層されてなるものである。なお、Ti膜106に代えて、酸化チタン(TiO)膜、酸化タンタル(Ta)膜、又はAl膜が用いられていてもよい。
下部電極38上には、強誘電体キャパシタ46の強誘電体膜42が形成されている。強誘電体膜42としては、例えば膜厚150nmのPb1−XLaZr1−YTi膜(PLZT膜)が用いられている。
強誘電体膜42上には、強誘電体キャパシタ46の上部電極44が形成されている。上部電極44としては、例えば膜厚200nmの酸化イリジウム(IrO)膜が用いられている。
こうして、下部電極38と強誘電体膜42と上部電極44とからなる強誘電体キャパシタ46が構成されている。
強誘電体キャパシタ46が形成された層間絶縁膜30上には、水素及び水分の拡散を防止する保護膜48が形成されている。保護膜48は、強誘電体キャパシタ46を覆うように、すなわち、下部電極38の側面、強誘電体膜42の側面、上部電極44の側面、上部電極44の上面、及び強誘電体膜42が形成されてない下部電極38の上面を覆うように形成されている。保護膜48としては、例えば膜厚50nmのAl膜が用いられている。保護膜48により、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制されため、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
保護膜48上には、例えば膜厚1500nmのTEOS膜からなる層間絶縁膜50が形成されている。層間絶縁膜50の表面は、平坦化されている。
層間絶縁膜50及び保護膜48には、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に達するコンタクトホール110が形成されている。また、層間絶縁膜50及び保護膜48には、強誘電体キャパシタ46の下部電極38に達するコンタクトホール112が形成されている。また、層間絶縁膜50及び保護膜48には、プラグ104a、104bに達するコンタクトホール114a、114bが形成されている。
コンタクトホール114a、114b内には、例えば膜厚20nmのTi膜と膜厚50nmのTiN膜からなるバリアメタル膜116、122が形成されている。バリアメタル膜116、122が形成されたコンタクトホール114a、114b内には、タングステン膜118、124が埋め込まれている。
こうして、コンタクトホール114a、114b内に、バリアメタル膜116、122と、タングステン膜118、124とにより構成され、プラグ104a、104bに接続されたプラグ120、126が形成されている。なお、プラグ120は、配線との共晶反応を防止するため、貴金属からなる導体膜を用いて構成してもよい。
層間絶縁膜50上には、コンタクトホール110を介して強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続され、また、プラグ120に接続された配線128が形成されている。配線128は、バリアメタル膜130と、貴金属からなる導体膜132と、バリアメタル膜134とにより構成されている。
また、層間絶縁膜50上には、コンタクトホール112を介して強誘電体キャパシタ46の下部電極38に接続された配線(プレート線)136が形成されている。配線136は、バリアメタル膜130と、貴金属からなる導体膜132と、バリアメタル膜134とにより構成されている。
さらに、層間絶縁膜50上には、プラグ126に接続された配線138が形成されている。配線138は、バリアメタル膜130と、貴金属からなる導体膜132と、バリアメタル膜134とにより構成されている。
配線128、136、138を構成する貴金属からなる導体膜132としては、例えば膜厚200nmのIr膜が用いられている。また、配線128、136、138を構成するバリアメタル膜130としては、例えば、膜厚150nmのTiN膜と、膜厚5nmのTi膜とが順次積層されてなる積層膜が用いられている。配線128、136、138を構成するバリアメタル膜134としては、例えば、膜厚5nmのTi膜と、膜厚150nmのTiN膜とが順次積層されてなる積層膜が用いられている。
なお、配線128、136、138は、バリアメタル膜130やバリアメタル膜134を形成しない単層の配線132でもよい。
配線128、136、138が形成された層間絶縁膜50上には、例えば膜厚2600nmのTEOS膜からなる層間絶縁膜140が形成されている。
層間絶縁膜140には、配線138に達するコンタクトホール142が形成されている。コンタクトホール142内には、バリアメタル膜144が形成されている。バリアメタル膜144が形成されたコンタクトホール142内には、タングステン膜146が埋め込まれている。こうして、コンタクトホール142内に、バリアメタル膜144とタングステン膜146とにより構成され、配線138に接続されたプラグ148が形成されている。
層間絶縁膜140上には、プラグ148に接続された配線(ビット線)(図示せず)が形成されている。
こうして、本実施形態による半導体装置が構成されている。
本実施形態による半導体装置は、コンタクトホール110を介して強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続された配線128、及びコンタクトホール112を介して強誘電体キャパシタ46の下部電極38に接続された配線136が、貴金属からなる導体膜132を有することに主たる特徴がある。
貴金属からなる導体膜132を配線128、136が有するため、貴金属又は貴金属酸化物により構成される上部電極44及び下部電極38と配線128、136との反応を抑制することができ、上部電極44及び下部電極38と配線128、136との間のコンタクトを良好なものとすることができる。
さらに、導体膜132を構成する貴金属の酸化物は、水素及び水分の拡散を防止する特性を有している。このため、貴金属からなる導体膜132が酸化されていれば、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、動作特性に優れ、信頼性の高いプレーナ型のメモリセル構造を有するFeRAMを提供することができる。
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図18乃至図23を用いて説明する。
まず、例えばシリコンからなる半導体基板10に、例えばSTI法により、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。
次いで、イオン注入法により、ドーパント不純物を導入することにより、ウェル14a、14bを形成する。
次いで、通常のトランジスタの形成方法を用いて、素子分離領域12により画定された素子領域に、ゲート電極(ゲート配線)18とソース/ドレイン領域22a、22bとを有するトランジスタ24を形成する(図18(a)参照)。
次いで、全面に、例えばプラズマCVD法により、例えば膜厚200nmのSiON膜26を形成する。SiON膜26は、CMP法による平坦化の際のストッパ膜として機能する。
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚1000nmのシリコン酸化膜28を形成する。
こうして、SiON膜26とシリコン酸化膜28とにより層間絶縁膜30が構成される。
次いで、例えばCMP法により、層間絶縁膜30の表面を平坦化する(図18(b)参照)。
次いで、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、層間絶縁膜30に、ソース/ドレイン領域22a、22bに達するコンタクトホール32a、32bを形成する。
次いで、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚50nmのTiN膜からなるバリアメタル膜100を形成する。
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚300nmのタングステン膜102を形成する。
次いで、例えばCMP法により、層間絶縁膜30の表面が露出するまでタングステン膜102及びバリアメタル膜100を研磨し、タングステン膜102をコンタクトホール32a、32b内に埋め込む。こうして、コンタクトホール32a内に、バリアメタル膜100とタングステン膜102とにより構成され、ソース/ドレイン領域22aに接続されたプラグ104aが形成される。また、コンタクトホール32b内に、バリアメタル膜100とタングステン膜102とにより構成され、ソース/ドレイン領域22bに接続されたプラグ104bが形成される(図19(a)参照)。
次いで、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚20nmのTi膜106を形成する。
次いで、Ti膜106上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚150nmのPt膜108を形成する。
次いで、Pt膜108上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚150nmのPLZT膜からなる強誘電体膜42を形成する。
次いで、所定の熱処理を行うことにより、強誘電体膜42を結晶化する。
次いで、強誘電体膜42上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚200nmのIrO膜からなる上部電極44を形成する(図19(b)参照)。
次いで、フォトリソグラフィー及びドライエッチングを用いて、上部電極44、強誘電体膜42、Pt膜108、及びTi膜106を段階的にパターニングする(図20(a)参照)。
こうして、下部電極38と強誘電体膜42と上部電極44とからなる強誘電体キャパシタ46が形成される。下部電極38は、Ti膜106とPt膜108とにより構成される。
次いで、強誘電体キャパシタ46が形成された層間絶縁膜30上に、例えばスパッタ法又はMOCVD法により、保護膜48を形成する。強誘電体キャパシタ46は、保護膜48により覆われる。保護膜48としては、例えば膜厚50nmのAl膜を形成する。保護膜48は、強誘電体キャパシタ46をプロセスダメージ等から保護するものである。
次いで、酸素を含む炉内において、例えば650℃で60分間の熱処理を行う。この熱処理は、強誘電体膜42上への上部電極44の成膜時、及びエッチング時に強誘電体膜42が受けたダメージを回復するためのものである。
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚1500nmのTEOS膜からなる層間絶縁膜50を形成する。
次いで、例えばCMP法により、層間絶縁膜50の表面を平坦化する(図20(b)参照)。
次いで、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、層間絶縁膜50及び保護膜48に、プラグ104a、104bに達するコンタクトホール114a、114bを形成する(図21(a)参照)。
次いで、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚20nmのTi膜と50nmのTiN膜からなるバリアメタル膜116、122を形成する。
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚500nmのタングステン膜118、124を形成する。
次いで、例えばCMP法により、層間絶縁膜50の表面が露出するまでタングステン膜118、124及びバリアメタル膜116、122を研磨し、タングステン膜118、124をコンタクトホール114a、114b内に埋め込む。こうして、コンタクトホール114a、114b内に、バリアメタル膜116、122とタングステン膜118、124とにより構成され、プラグ104a、104bに接続されたプラグ120、126が形成される(図21(b)参照)。
次に、全面にタングステン酸化防止絶縁膜(図示せず)を形成する。タングステン酸化防止絶縁膜としては、例えばSiON膜を用いる。
次いで、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、層間絶縁膜50及び保護膜48に、強誘電体キャパシタ46の上部電極44に達するコンタクトホール110、及び強誘電体キャパシタ46の下部電極38に達するコンタクトホール112を形成する。
次いで、酸素雰囲気中にて、例えば550℃、60分間の熱処理を行う。この熱処理は、コンタクトホール110、112を形成するためのドライエッチングの際に強誘電体キャパシタ46が受けたダメージを回復し、強誘電体キャパシタ46の電気的特性を回復するためのものである。このアニールの後、タングステン酸化防止絶縁膜(図示せず)をエッチバックにより除去する(図22(a)参照)。
次いで、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚150nmのTiN膜と、例えば膜厚5nmのTi膜とを順次形成する。こうして、TiN膜とTi膜とが順次積層されてなるバリアメタル膜130が形成される。
次いで、全面に、例えばMOCVD法により、貴金属からなる導体膜132として、例えば膜厚200nmのIr膜を形成する。
次いで、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚5nmのTi膜と、例えば膜厚150nmのTiN膜とを順次形成する。こうして、Ti膜とTiN膜とが順次積層されてなるバリアメタル膜134が形成される(図22(b)参照)。
次いで、ハードマスクを用いたドライエッチングにより、バリアメタル膜134、貴金属からなる導体膜132、及びバリアメタル膜130をパターニングする。これにより、層間絶縁膜50上に、コンタクトホール110を介して上部電極44に接続され、また、プラグ120に接続された配線128が形成される。また、コンタクトホール112を介して下部電極38に接続された配線136が形成される。また、プラグ126に接続された配線138が形成される(図23(a)参照)。配線128、136、138は、バリアメタル膜130と、貴金属からなる導体膜132と、バリアメタル膜134とにより構成される。
以後、層間絶縁膜140、配線138に接続されたプラグ148等を形成し(図23(b)参照)、回路設計等に応じて、層間絶縁膜140上に、通常の配線形成工程により単層又は複数層の配線を適宜形成する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
このように、本実施形態によれば、コンタクトホール110を介して強誘電体キャパシタ46の上部電極44に接続された配線、及びコンタクトホール112を介して強誘電体キャパシタ46の下部電極38に接続された配線として、貴金属からなる導体膜132を有する配線128、136を形成するので、貴金属又は貴金属酸化物により構成される上部電極44及び下部電極38と配線128、136との反応を抑制することができ、上部電極44及び下部電極38と配線128、136との間のコンタクトを良好なものとすることができる。
さらに、本実施形態によれば、酸化物が水素及び水分の拡散を防止する特性を有する貴金属からなる導体膜132を形成するので、貴金属からなる導体膜132が酸化されていれば、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、強誘電体膜42としてPZT膜又はPLZT膜を用いる場合を例に説明したが、強誘電体膜42はPZT膜等に限定されるものではなく、他のあらゆる強誘電体膜を適宜用いることができる。例えば、強誘電体膜42として、PZT膜、PLZT膜のほか、La、Ca、Sr、Si等が微量にドープされたPZT膜等の一般式ABOで表されるペロブスカイト型の結晶構造を有するものや、SrBiTa膜(SBT膜)、(BiLa1−XTi12膜(BLT膜)、SrBi(TaNb1−X膜(SBTN膜)等のビスマス層状構造の結晶構造を有するものを用いることができる。
また、上記実施形態では、MOCVD法及びスパッタ法により強誘電体膜42を成膜する場合を例に説明したが、強誘電体膜42の成膜方法はこれに限定されるものではない。強誘電体膜42の成膜方法としては、MOCVD法等のCVD法やスパッタ法のほか、ゾル・ゲル法、MOD(Metal Organic Deposition)法等を用いることができる。
また、上記実施形態では、強誘電体膜42を用いる場合を例に説明したが、強誘電体膜42に代えて高誘電体膜を用い、例えばDRAM等を構成する場合にも、本発明を適用することができる。高誘電体膜としては、例えば、(BaSr)TiO膜(BST膜)、SrTiO膜(STO膜)、Ta膜等を用いることができる。なお、高誘電体膜とは、比誘電率が二酸化シリコンより高い誘電体膜のことである。
また、上記実施形態では、下部電極38を構成する導体膜36、ビア68aを構成する導体膜66、上部電極44に接続された配線72を構成する導体膜76、上部電極44又は下部電極38に接続された配線128、136を構成する導体膜132として、貴金属からなるものを用いる場合を例に説明したが、これらの導体膜36、66、76、132は、貴金属酸化物からなるものを用いてもよい。導体膜36、66、76、132としては、例えば、Pt、Ir、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)及びこれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも一種の材料からなる膜を用いることができる。また、これら貴金属又は貴金属酸化物からなる膜の積層膜を、導体膜36、66、76、132として用いてもよい。
MOCVD法によりこれら貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を成膜する場合、原料として次のような貴金属の前駆体を用いることができる。Ptの前駆体としては、例えば、トリメチル(シクロペンタジエニル)Pt(IV)、トリメチル(β−ジケトネート)Pt(IV)、ビス(β−ジケトネート)Pt(II)、テトラキス(トリフルオロホスフィン)Pt(0)等を用いることができる。Ruの前駆体としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)Ru、トリス(テトラメチル−3,5−ヘプタジオネート)Ru等を用いることができる。Pdの前駆体としては、例えば、パラジウムビス(β−ジケトネート)等を用いることができる。Rhの前駆体としては、例えば、ルイス塩基安定化ロジウム(I)β−ジケトネート等を用いることができる。また、貴金属酸化物からなる導体膜を成膜する場合には、貴金属からなる導体膜を成膜する際の成膜温度よりも高温の成膜温度で成膜すればよい。例えば、上記実施形態においては、550℃未満の成膜温度にてIr膜を成膜していたが、成膜温度を550℃以上に設定することにより、IrO膜を成膜することができる。
また、上記実施形態では、導体膜36、66、76、132をMOCVD法により成膜する場合を例に説明したが、導体膜36、66、76、132の成膜方法はこれに限定されるものではない。貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜36、66、76、132の成膜方法としては、MOCVD法のほか、例えば、LSCVD(Liquid Source Chemical Vapor Deposition)法等のCVD法や、CSD(Chemical Solution Deposition)法等を用いることができる。
また、上記実施形態では、密着層34としてTi膜とTiN膜との積層膜を用いる場合を例に説明したが、密着層34はこれに限定されるものではない。密着層34としては、例えば、Ti膜、TiN膜、TiAlN(チタンアルミナイトライド)膜、Ir膜、IrO膜、Pt膜、Ru膜、Ta膜等を用いることができる。また、これらの積層膜を、密着層34として用いてもよい。
また、上記第2乃至第4実施形態では、下部電極38としてPt膜を用いる場合を例に説明したが、下部電極38を構成する導体膜はこれに限定されるものではなく、種々の貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を用いることができる。下部電極38を構成する導体膜としては、例えば、Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、Pd及びこれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも一種の材料からなる膜を用いることができる。また、下部電極38を構成する導体膜として、SrRuO膜(SRO膜)を用いることもできる。また、これらの積層膜を、下部電極38を構成する導体膜として用いてもよい。
また、上記実施形態では、上部電極44としてIrO膜を用いる場合を例に説明したが、上部電極44を構成する導体膜はこれに限定されるものではなく、種々の貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を用いることができる。上部電極44を構成する導体膜としては、IrO膜のほか、例えば、Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、Pd及びこれらの酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料からなる膜を用いることができる。また、上部電極44を構成する導体膜として、SRO膜を用いることもできる。また、これらの積層膜を、上部電極44を構成する導体膜として用いてもよい。
また、上記第3及び第4実施形態では、上部電極44又は下部電極38等と導体膜76、132との間に介在するバリアメタル膜74、130として、TiN膜とTi膜とTiN膜とが順次積層されてなる積層膜を用いる場合を例に説明したが、バリアメタル膜74、130はこれに限定されるものではない。バリアメタル膜74、130としては、例えば、Ti、TiN、TiAlN、Pt、Ir、IrO、Ru、及びTaからなる群から選択される少なくとも一種の材料からなる膜を用いることができる。また、これらの積層膜を、バリアメタル膜74、130として用いることができる。
また、上記実施形態では、下部電極38のプラグ部38a、下部電極38が接続されたプラグ68aが、トランジスタ24のソース/ドレイン領域22aに接続された場合を例に説明したが、本発明は、プラグ部38a、プラグ68aが種々の半導体素子に接続される場合に適用することができる。
本発明による半導体装置及びその製造方法は、誘電体膜として強誘電体膜又は高誘電体膜を用いたキャパシタを有する半導体装置の動作特性及び信頼性の向上を実現するのに有用である。
また、プラグ68aを構成する導体膜6は、貴金属からなるため酸化され難く、また酸化された場合であっても低抵抗のままであるため、良好なコンタクトを実現することができる。
さらに、導体膜6を構成する貴金属の酸化物は、水素及び水分の拡散を防止する特性を有している。このため、貴金属からなる導体膜66が酸化されていれば、強誘電体膜42に水素及び水分が達するのが抑制され、強誘電体膜42を構成する金属酸化物の水素や水分による還元を抑制することができる。これにより、強誘電体キャパシタ46の電気的特性の劣化を抑制することが可能となる。
本変形例による半導体装置は、上記の半導体装置において、貴金属からなる導体膜6の下地に対する密着性を確保するための密着層34が形成されていないものである。
この配線上側のバリアメタル層78と配線下側のバリアメタル層74は同一材料でもよいし、他の材料でもよい。例えば、Ti、Ta、TaN、TaSi、TiN、TiAN、TiSiなどの単層及びこれらからなる群から選択される少なくとも一種以上の材料からなる積層膜であればよい。
次いで、例えばCMP法により、層間絶縁膜50の表面が露出するまで、タングステン膜84及びバリアメタル膜82を研磨する。こうして、コンタクトホール80内に、バリアメタル膜82とタングステン膜84とにより構成され、プラグ68bに接続されたプラグ86が形成される(図14(b)参照)。
次いで、全面に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚150nmのTiN膜と、例えば膜厚5nmのTi膜とを順次形成する。こうして、TiN膜とTi膜とが順次積層されてなるバリアメタル膜74が形成される。

Claims (23)

  1. 半導体基板上に形成された半導体素子と、
    前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜に形成され、前記半導体素子に達するコンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグと、
    前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続された下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体基板上に形成された半導体素子と、
    前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜に形成され、前記半導体素子に達するコンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグと、
    前記貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜プラグを平坦化されたプラグと、
    前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続された下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと
    を有することを特徴とする半導体装置。
  3. 半導体基板上に形成された半導体素子と、
    前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜に形成され、前記半導体素子に達するコンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグと、
    前記貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜プラグを平坦化されたプラグと、
    前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続されたアモルファス貴金属酸化物密着層と、前記アモルファス貴金属酸化物密着層に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと
    を有することを特徴とする半導体装置。
  4. 請求の範囲第1項記載の半導体装置において、
    前記プラグは、前記下部電極と一体的に形成されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記コンタクトホール内に形成され、前記導体膜の下地に対する密着性を確保する密着層を更に有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求の範囲第5項記載の半導体装置において、
    前記密着層は、水素又は水分の拡散を防止する
    ことを特徴とする半導体装置。
  7. 請求の範囲第5項又は第6項記載の半導体装置において、
    前記密着層は、Ti膜、TiN膜、TiAlN膜、Ir膜、IrO膜、Pt膜、Ru膜、及びTa膜からなる群から選択される膜を含む
    ことを特徴とする半導体装置。
  8. 請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記絶縁膜上及び前記キャパシタ上に形成された他の絶縁膜と、
    前記他の絶縁膜上に形成され、前記他の絶縁膜に形成され前記上部電極に達するコンタクトホールを介して前記上部電極に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する配線とを更に有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  9. 半導体基板上に形成され、下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと、
    前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜に形成され前記上部電極に達するコンタクトホールを介して前記上部電極に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する配線と
    を有することを特徴とする半導体装置。
  10. 半導体基板上に形成され、下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタと、
    前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜に形成され前記上部電極又は前記下部電極に達するコンタクトホールを介して前記上部電極又は前記下部電極に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する配線と
    を有することを特徴とする半導体装置。
  11. 請求の範囲第1項乃至第10項のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記プラグ又は前記配線の前記導体膜は、Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、Pd及びこれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも一種の材料からなる膜を含む
    ことを特徴とする半導体装置。
  12. 請求の範囲第1項乃至第11項のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記下部電極は、Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、Pd、これらの酸化物、及びSrRuOからなる群から選ばれる少なくとも一種の材料からなる膜を含む
    ことを特徴とする半導体装置。
  13. 請求の範囲第3項に記載の半導体装置において、
    前記アモルファス貴金属酸化物密着層は、Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、Pdの酸化物、及びSrRuOからなる群から選ばれる少なくとも一種の材料からなる膜を含む
    ことを特徴とする半導体装置。
  14. 請求の範囲第1項乃至第13項のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記強誘電体膜は、PbZr1−XTi膜、Pb1−XLaZr1−YTi膜、(BiLa1−XTi12膜、又はSrBiTa膜である
    ことを特徴とする半導体装置。
  15. 請求の範囲第1項乃至第14項のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記上部電極は、Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、Pd、これらの酸化物、及びSrRuOからなる群から選ばれる少なくとも一種の材料からなる膜を含む
    ことを特徴とする半導体装置。
  16. 半導体基板上に、半導体素子を形成する工程と、
    前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に、絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜に、前記半導体素子に達するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記コンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグを形成する工程と、
    前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続された下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 半導体基板上に、半導体素子を形成する工程と、
    前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に、絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜に、前記半導体素子に達するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記コンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグを形成する工程と、
    前記導体膜プラグの平坦化する工程と、
    前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続された下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 半導体基板上に、半導体素子を形成する工程と、
    前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に、絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜に、前記半導体素子に達するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記コンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有するプラグを形成する工程と、
    前記導体膜プラグの平坦化する工程と、
    前記プラグが形成された前記絶縁膜上に形成され、前記プラグに接続されたアモルファス貴金属酸化物と下部電極とを形成する工程と、
    前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  19. 半導体基板上に半導体素子を形成する工程と、
    前記半導体素子が形成された前記半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜に、前記半導体素子に達するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記絶縁膜上に、前記コンタクトホール内に埋め込まれ、前記半導体素子に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に形成され、前記導体膜を有する下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  20. 請求の範囲第16項乃至第19項のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記コンタクトホールを形成する工程の後に、前記コンタクトホール内に、前記導体膜の下地に対する密着性を確保する密着層を形成する工程を更に有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  21. 請求の範囲第16項乃至第20項のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記絶縁膜上及び前記キャパシタ上に、他の絶縁膜を形成する工程と、
    前記他の絶縁膜に、前記上部電極に達する他のコンタクトホールを形成する工程と、
    前記他の絶縁膜上に、前記他のコンタクトホールを介して前記上部電極に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する配線を形成する工程を更に有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  22. 半導体基板上に、下部電極と、前記下部電極上に形成され、強誘電体膜又は高誘電体膜からなる誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と、
    前記半導体基板上及び前記キャパシタ上に、絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜に、前記上部電極又は前記下部電極に達するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記絶縁膜上に、前記コンタクトホールを介して前記上部電極又は前記下部電極に接続され、貴金属又は貴金属酸化物からなる導体膜を有する配線を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  23. 請求の範囲第16項乃至第22項のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記プラグ、前記下部電極、又は前記配線の前記導体膜は、MOCVD法、LSCVD法、又はCSD法により形成される
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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