JPWO2006080160A1 - かつら - Google Patents

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Abstract

直径約10mmの多数の開口部を穿設してあるマスキングシートをかつらのベース1の頭部と接触する側に貼着して、この開口部にシリコーン接着剤を塗布し、この開口部内に配置可能なシリコーン物質からなるタブレットの一端を接着し、更に、このタブレットの表面にシリコーン接着剤を塗布して乾燥した後、マスキングシートを剥がすことによってかつらベースの頭部に接触する側にシリコーン突起を配列固着したかつらの構成である。

Description

本発明は、義毛が植設された全頭または部分かつらの頭皮被着面側にシリコーン物質からなる突起物を有するかつらに関する。
人間の頭部の禿や自毛の薄い箇所を被覆して隠蔽効果を有するかつらは、繊維糸を網目または格子状に織り込まれたネット状かつらベース、あるいは合成樹脂製の薄皮状からなるかつらベースに多数の人毛または人工毛を植設してあるものが一般的に利用されている。ネット状のかつらベースへの義毛の植設は、義毛をネットに結びつける方法で行われ合成樹脂製の薄皮状のかつらベースでは、義毛をベースに挿通した後にベース裏面に合成樹脂からなる接着剤などを塗布して植設した義毛を固着する方法が古くから採用されている。
しかし、このようなかつらを頭部に被着した場合、かつらベース裏面に突出した義毛の針足が頭部に当たり痛みを感じる。特に長時間の被着は相当な苦痛を強いられている。
更に、このかつらベース裏面に突出した義毛の針足によるかつらベース裏面全体のザラツキがあり充分な装着感が得られず、且つかつらがずれ易いなどの不安を抱えている。
一方、かつらベースに突起物を有するかつらとしては、義毛が植設されたかつらベースの裏面に育毛効果を呈する目的で永久磁石を配設したものが知られている。
特開平3−76804号公報
また、かつら被着時に頭部とかつらとの間に隙間を作り、風通しを良くして熱がこもることを防止する目的で、義毛が植設されたかつらベースの裏面に厚さ2mm程度の突起部分を配設したかつらが知られている。
実公平2−78522号公報
さらに、シリコーン樹脂を主成分とする人工皮膚面より毛髪素材をV状に植毛し、毛根部分をかつらの皮膚面側に突出させ、この突出した部分を布帛面に接着するものが知られている。
実公平5−27456号公報
本発明は、かつら被着時にベースに被着時にベースに植設された人毛や人工毛の針足部分の頭皮への影響を排除して違和感が無く、かつ、かつらのずれが起こらなくフィット感(良好な装着感)が持続するかつらを提供するものである。
本発明の課題は、人毛または人工毛が植設されたかつらベースの裏面に弾力性を有する突起を多数配設したかつらを提供することである。
本発明のかつらは、頭部に被着する人毛または人工毛が植設されたかつらベースにおいて、前記かつらベースの頭部に接触する側にシリコーン物質からなる突起物を所定間隔で複数に配列して固着したかつらによって前記課題は達成できる。特に、頭部に被着する人毛または人工毛を植設されたかつらベースにおいて前記ベースの頭部に接触する側にシリコーン物質からなる突起物の直径が5〜15mmの略円形で、厚さが0.5〜2.0mmで成形されたものを使用するかつらの構成によって前記課題は達成できる。
また、本発明の前記課題は、前記かつらベースにおいて、シリコーン物質からなる突起物が1.0〜3.0cmの間隔で複数配列したかつらの構成によって前記課題は達成できる。
更に、本発明の前記課題は、多数の開口部を穿設してあるマスキングシートをかつらのベースの頭部と接触する側に貼着して、この開口部にシリコーン接着剤を塗布し、この開口部内に配置可能なシリコーン物質からなるタブレットの一端を接着し、更に、このタブレットとの表面にシリコーン接着剤を塗布して乾燥した後、マスキングシートを剥がすことによってかつらベースの頭部に接触する側にシリコーン突起を固着するかつらの製造方法によって達成できる。
本発明のかつらにおいて、突起物としてシリコーンを用いるのは、耐薬品性および耐油性が強く、かつら被着時に頭皮からの皮脂、汗、あるいは頭髪に付着した整髪化粧品による劣化が少ないこと、耐熱性および耐寒性が優れており外気温度の変化、あるいは、かつら被着時の頭部の温度上昇に対しても優れた弾力性、摩擦抵抗による係止力が発揮されること、樹脂の硬度が低くとも高弾性を示すので頭部に接触したときに違和感が無く、かつらの被着時にずれが起こり難くフィット感が持続できる。また、低刺激性であって人体に対して悪い影響を与える可能性がほとんど無いからである。
このような本発明のシリコーン物質からなる突起物は、直径が5〜15mmの略円形の形状で、厚さが0.5〜2.0mmの範囲が適当であるが、直径が8mmで、厚さ1.0mm位が特に好ましい。直径が5mm以下では頭皮あるいは頭髪との接触面積が減少してベースに植設された人毛や人工毛の針足部分の頭皮への影響が充分に排除できず、またかつらの係止力が低下してずれ防止効果が劣るために、突起物を相当数配設する必要があり、取り付け作業が煩雑になる。また、直径が15mm以上であると頭皮への影響は排除でき、かつらの係止力が増大してずれ防止効果や装着感は向上するが、シリコーン突起と頭皮あるいは頭髪との接触面積が大きくなり過ぎて頭部が蒸れやすくなる。また、ベトツキ感や痒みの原因となることがあり、別の違和感が発生する可能性がある。その上、かつら全体としては厚みが出る結果となる。
更に、突起物の厚みが0.5mm以下であると、かつら裏面全面に頭部が当たってしまい突起を配設した効果が得られず、頭皮の違和感は解消されず、またずれ防止作用がなくなり、2mm以上ではかつらと頭部との隙間が大きくなってかつらが浮いた状態になり、被着時にずれ易く、かつフィット感が得られない。
シリコーンタブレットをかつらに接着する際には、シリコーン接着剤を使用する。これはシリコーンタブレットとの接着性のみならず、接着剤塗布後の硬化状態が軟らかく、かつ弾力性を備えており、突起を配設した後のかつら全体の硬化を防止することができる。個々の突起の配列間隔は、1.0〜3.0cmがよいが、特に、2.0cm程度が好ましい。それ以下であるとかつら被着時に蒸れ、痒みなどの別な違和感が頭部に発生し、取り付けた突起によってかつらの形状が崩れてしまい、3.0cm以上になるとベースに植設した人毛または人工毛の重みが加わり、突起に接触する頭部の総面積よりも植設した人毛または人工毛の針足が接触する面積が多くなり、頭皮への影響を排除して違和感を無くする効果が失われてしまう。また、各突起のうち頭部への接触が弱い箇所で部分的なずれが起こり、被着時している間にかつらの変形が起こり易くなったり、頭部への接触が強い箇所では頭皮または頭髪が引っ張られ痛みを感じる場合がある。
本発明のシリコーン突起を配列するに際して、人間の頭部の形状は正確な円形や楕円形をしておらず、かなりいびつな形状をしているために、規則性を持った配列にすると頭部に突起が充分に接触する箇所、あまり接触しない箇所、全く接触しない箇所がでてかつらの被着時の違和感が残ることがある。また、長時間の被着あるいは長期間の繰り返しの被着により、突起を取り付けた部分が盛り上がって線状になりかつらの形状が変形し易くなる。そのために、突起の配列はある一定の規則性を持たせるよりもかつらの頭部被着面側の全面または所望部分にランダムに配列する製造方法が好ましい。
本発明のかつらは、頭部の表面に接触するベース面側に多数の弾力性のあるシリコーン突起を配列してあるので、このかつらを頭部に被着したときに、かつらの表面に植設された人毛または人工毛の針足部分がベース裏面側に突出、顕出していてもシリコーン突起によって適宜隙間が生じ、この針足が頭部に接触することがない。従って、頭部の違和感や痛み従来のものに比して排除されている。
更に、高い係止力によりずれが起こらず、長時間の被着においても良好な装着感(フィット感)が持続できる。
本発明のかつらは、多数の開口部を穿設してあるマスキングシートをかつらの頭部被着面側に貼り付け、この開口部にシリコーン接着剤を塗布し、この開口部内に配置可能な大きさの厚さ1mm以下のシリコーンタブレットを接着し、さらに、シリコーンタブレットの表面にこのシリコーン接着剤を塗布して乾燥させた後、マスキングシートを剥がすことによってかつらベースの頭部被着面側にシリコーンの突起を固着してかつらを製造する。
このようなシリコーンタブレットの固着に多数の開口部を穿設してあるマスキングシートを用いるのは、シリコーンタブレットの取り付け位置に印等を付ける方法と比べてベースを汚さずに容易にできること、接着剤の塗布においても接着剤がはみでたりせずに行うことができ、シリコーン突起物を固着した後かつらの美観を損なうことがない。さらに突起物固着に使用する接着剤の塗布量による固着力のばらつきが生じず、安定した固着力が得られる。
また、シリコーンタブレットの表面にシリコーン接着剤を塗布することで、シリコーンタブレットの一端部がかつらベースに固着しているよりもシリコーンタブレット全体を接着剤で被覆した方が固着力の向上すること、およびかつら被着時の係止力が向上してずれが起こり難く、フィット感が良好になる。以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する
図1は、本発明のかつらのベース裏面を示す一実施形態の全体構造の斜視図である。 図2は、本発明かつらの製造過程を示す説明図である。 図3は、本発明かつらの部分要部拡大説明図である。
図1A及び図1Bに関して述べれば、本発明のかつらのベース1は、周縁部が帯状に形成され、その周縁部の内側が薄皮状または網状で、医療用人工皮膚、ポリウレタン、直鎖脂肪族ポリアミド、ポリエステルなどの合成樹脂等の材料で製造してある。このベース1の形状は、頭部の形状に沿って湾曲したもので、半球状である。このベース1が、形状記憶樹脂から形成されていても良い。ベース1事態の厚みとしては0.1〜0.3mmくらいが適当である。
このベース1に人毛または人工毛2が植設され、この植設した部分の針足4がベース1の突起取付面側に露出している。
前記ベース1の取付け面(接着面)1aに直径約10mmの開口部を有するマスキングシート2を貼着する。
図2に関して、このマスキングシート2の前記開口部にシリコーン接着剤を流し込み、または塗りつけ、この開口部に予め直径8mm×厚さ1mmに成型されたシリコーン製のタブレット3を接着する。この接着されたタブレット3の上から前記マスキングシート2の開口部を被覆するようにシリコーン接着剤を薄く塗りつける。これを乾燥してからマスキングシート2を剥がす。
図3に示されているように、ベース1の裏面に複数のシリコーンタブレット3の突起が配列されている。
図面に示される実施形態にあるようにベース1裏面に多数のシリコーン3の突起が突出しているから、植設した人毛または人工毛の針足4が頭皮に接触しない。
本発明のかつらを頭部に装着した場合、裏面のシリコーン突起が突出しているから取付け面側に植設した人毛または人工毛髪の針足部分が直接頭皮に接触しないので、皮膚面の感触が和らぎ、長時間の被着あるいは長期間の繰り返しによる被着でも違和感が無く、かつ、シリコーン突起と頭部の密着によるフィット感が生じる。
本発明のかつらによれば、植付けた人毛や人工毛の針足部分が直接頭皮面に接触しないのでざらついた違和感はシリコーン突起によって排除される。従って、かつらの長時間の着用にも安心して対応できる。
本発明のかつらは、植えつけられた人毛や人工毛の針足部分が直接頭皮面に接触しないので、ざらついた違和感はシリコーン突起によって排除される。従って、かつらの長時間の着用にも安心して対応できる。本発明は、人毛や人工毛が植えつけられた全頭または部分かつらに良好にして普く適用され得る。

Claims (4)

  1. 頭部に被着する人毛または人工毛が植設されたかつらベースにおいて、
    前記かつらベースの頭部に接触する側にシリコーン物質からなる突起物を所定間隔で複数配列して固着したことを特徴とするかつら。
  2. 頭部に被着する人毛または人工毛を植設された請求項1のかつらベースにおいて,
    前記ベースの頭部に接触する側にシリコーン物質からなる突起物の直径が5〜15mmの略円形で、厚さが0.5〜2.0mmで成形されたものを使用することを特徴とする請求項1に記載のかつら。
  3. 前記のかつらベースにおいて、シリコーン物質からなる突起物が1.0〜3.0cmの間隔で複数配列したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のかつら。
  4. 多数の開口部を穿設してあるマスキングシートをかつらのベースの頭部と接触する側に貼着して、この開口部にシリコーン接着剤を塗布し、この開口部内に配置可能なシリコーン物質からなるタブレットの一端を接着し、更に、このタブレットの表面にシリコーン接着剤を塗布して乾燥した後、マスキングシートを剥がすことによってかつらベースの頭部に接触する側にシリコーン突起を固着することを特徴とするかつらの製造方法。
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