JP2753193B2 - 鼻部保温具 - Google Patents
鼻部保温具Info
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Description
粉症などの諸症状を緩和し、または除去するための有効
かつ簡便な鼻部保温具に関する。
の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどであり、これ
らの諸症状は、スギ花粉、ダスト、ダニなどのアレルゲ
ンが鼻腔内粘膜に付着することによって発現する。上記
諸症状が顕著に発現すると、患者にきわめて多大な苦痛
や不快感を与えるので、従来から、これらの諸症状を緩
和し、あるいは除去するための各種の対処法が試みられ
ている。
一つとして、セラミクス入りのマスクや活性炭入りのマ
スクを用いる方法が知られている。これらは、上記のマ
スクで鼻を覆うことにより、鼻腔内へのアレルゲンの侵
入を物理的に阻止しようとするものである。また、これ
ら以外の方法として、上記の諸症状を抑制する薬剤を服
用したり、液状の薬剤を鼻腔内に噴霧して、その粘膜に
塗布するなどの治療または緩和手段も行われている。
クス入りマスクや活性炭入りマスクを用いる方法では、
アレルゲンの一部がこれらを通過する可能性があり、通
過したアレルゲンに起因する諸症状は、緩和または除去
ができないという欠点があった。また、薬剤を服用する
方法では、服用した薬剤が効果を発揮する効用期間にお
いては上記諸症状が軽減されるが、効用期間を過ぎると
諸症状が再発するため、定期的に服用を継続する必要が
あるという問題があった。さらに、服用する薬剤の副作
用により、患者が「眠気」や「だるさ」を感じたり、患
者の意識がもうろうとすることさえあり、継続的に服用
しても満足のいく解決には至らないという問題があっ
た。
る方法では、鼻腔内粘膜から分泌される鼻水などととも
に塗布された薬剤が流失し、持続的に諸症状を緩和する
という効果を得ることが困難であった。また、近年で
は、減感作療法と呼ばれる免疫療法も考えられている
が、現状では患者が満足し得るものではない。本発明
は、上述した背景に鑑みてなされたものであり、副作用
を伴うことなく、アレルギー性鼻炎や花粉症の諸症状を
効果的かつ簡便に緩和または除去することができる鼻部
保温具を提供することを目的とする。
も鼻腔または鼻腔および副鼻腔の双方を被覆する形状の
可撓性の保温性シートからなり、皮膚と接触する面に粘
着層が形成され、かつ (1)少なくとも粘着層が形成された面に凹凸模様が形
成されてなるか、 (2)保温性シートの皮膚と接触する面に空気保持層が
形成されてなるか、 (3)保温性シートの皮膚と接触する面に空気保持層が
形成され、この保温性シートがフエルト、織布、編布、
不織布、ガーゼ、複数枚の布またはガーゼを重ね合わせ
たもの、ガーゼなど通気性の高い素材を外被としその裏
面に脱脂綿など空気保持性の高い素材の層を積層したも
の、脱脂綿などを内層としてその両面にガーゼなどを積
層したもの、起毛された布、フロック加工された布また
はプラスチックシート、スポンジ、連続または独立発泡
プラスチックシート、天然皮革、人工皮革、コラーゲン
製やポリグルタメート製などの人工皮膚、透明プラスチ
ックシート、または上記のいずれか一種またはそれ以上
の積層物の群から選ばれたものであるか、 (4)この保温性シートに金属箔が複合されてなるか、 (5)この保温性シートに遠赤外線放射材料が複合され
てなるか、 (6)この保温性シートに血行促進剤が複合されてなる
か、 (7)この保温性シートに磁石が複合されてなるか、又
は (8)この保温性シートが透明体であるか、 の何れか1以上の要件を備えた鼻部保温具を提供するこ
とによって解決できる。上記において、この保温性シー
トは、顔面形に沿う三次元曲面状に形成されたものであ
ってもよい。
温すると、アレルギー性鼻炎や花粉症の諸症状が緩和さ
れるか、または除去されることがわかった。可撓性の保
温性シートで鼻腔または鼻腔および副鼻腔の双方を被覆
すると共に、この保温性シートの皮膚と接触する面に凹
凸模様を形成するか、空気保持層を形成するか、保温性
シートに金属箔、遠赤外線放射材料、血行促進剤、又は
磁石を複合するかの何れかによって保温力は大幅に増強
され、前記の諸症状の緩和に有効となる。また保温性シ
ートが透明体であれば着用時の外観が改善され、また外
光による保温効果も期待できる。
る。図1(a)(b)は、本発明の鼻部保温具の一例を
示すものである。この鼻部保温具1は、少なくとも鼻腔
または鼻腔および副鼻腔の双方を被覆する形状の可撓性
の保温性シート2からなっている。この保温性シート2
は、鼻腔と副鼻腔との双方を被覆するように対称軸Xに
関して対称の概略凸字状に成形され、皮膚と接触する面
(以下「裏面」と記す)の周縁部に粘着層3が形成され
ている。またこの保温性シート2はフエルトで形成れ、
鼻部保温具1を着用したときこのフエルトが裏面に空気
保持層を形成する。
方を被覆するために装着した状態を図2に示す。図2に
おいて、この鼻部保温具1は、粘着層3が形成された側
を顔面に向けて、対称軸Xが顔面の正中線Yと一致する
ように、鼻稜および鼻の斜面に沿って装着され、粘着層
3が鼻部の周辺の皮膚に粘着され、貼付される。以下、
この鼻部保温具1の、粘着層3が形成された側を裏面、
他の側を正面と称する。
略を図3に示す。ここで、顔面中央部の、正中線Yを中
心にその左右に広がる空洞部が鼻腔Mであり、この鼻腔
Mの両側に、それぞれ鼻腔Mと連通して、眼腔近辺に延
びる篩骨洞S1と、頬骨近辺に延びる上顎洞S2との両方
が副鼻腔である。ここでは、篩骨洞S1および上顎洞S2
の一方または双方を副鼻腔Sと称する。従って、図2の
位置に貼付された鼻部保温具1は、その保温性シート2
が鼻腔および副鼻腔の双方を被覆し、これらの部位を保
温することになる。
び副鼻腔の双方を保温すると、アレルギー性鼻炎や花粉
症の諸症状が緩和され、または除去されることを見いだ
したことにより達成されたものである。すなわち、後で
試験例により説明するように、サーモグラフィにより顔
面の温度分布を測定するとき、アレルギー性鼻炎や花粉
症の患者は、鼻稜付近の温度が健康な被検者に比べ低い
ことがわかった。
炎や花粉症の諸症状が発現する理由については明確でな
いが、鼻稜部を通して鼻腔内粘膜が低温となることによ
り、血行障害を起こしたり、各細胞が酸素不足または栄
養障害に陥ったり、各細胞の機能が低下したりして代謝
が不活発になるなど、鼻腔内粘膜が本来有する生理的メ
カニズムにとって不利な変化が引き起こされ、その結
果、鼻腔粘膜がアレルゲンの付着などの刺激に対してき
わめて敏感な状態となるためと考えられる。この鼻稜部
を強く保温し、少なくとも鼻腔M、または鼻腔Mと副鼻
腔Sとの双方の粘膜が低温にならないようにすれば、特
に加熱するまでもなく前記の諸症状が緩和されるか、も
しくは除去されることがわかった。さらに、鼻腔または
鼻腔および副鼻腔の双方の周辺において血行を促進させ
れば、より速やかな諸症状の緩和または除去が期待され
る。
ト2の裏面に形成される空気保持層は、顔面と保温性シ
ート面との間に滞留空気層を形成し、シートの保温性を
高めるのに極めて有効である。この空気保持層は少なく
とも裏面に、エンボス加工などによる凹凸模様を施すこ
とによって形成できる。この凹凸模様を裏面に施すと
き、顔面と保温性シート面との間の空気保持層は滞留空
気層を形成し、保温性を更に高める。また、正面に皮膚
の凹凸に似せた凹凸模様を施せば、装着時の外観が改善
される。本発明の鼻部保温具は、保温性シート2の裏面
に空気保持層が形成されていて、可撓性と保温性を有す
るものであれば如何なる材質も使用可能である。この保
温性シート自体の材質は、フエルト、織布、編布、不織
布、ガーゼ、複数枚の布またはガーゼを重ね合わせたも
の、ガーゼなど通気性の高い素材を外被としその裏面に
脱脂綿など空気保持性の高い素材の層を積層したもの、
脱脂綿などを内層としてその両面にガーゼなどを積層し
たもの、起毛された布、フロック加工された布またはプ
ラスチックシート、スポンジ、連続または独立発泡プラ
スチックシート、天然皮革、人工皮革、コラーゲン製や
ポリグルタメート製などの人工皮膚、透明プラスチック
シート、または上記のいずれか一種またはそれ以上の積
層物の群から選ばれたものなど、何れでもよい。これら
の保温性シートのうち、フエルト、織布、編布、不織
布、ガーゼ、複数枚の布またはガーゼを重ね合わせたも
の、ガーゼなど通気性の高い素材を外被としその裏面に
脱脂綿など空気保持性の高い素材の層を積層したもの、
脱脂綿などを内層としてその両面にガーゼなどを積層し
たもの、スポンジ、連続または独立発泡プラスチックシ
ート、天然皮革、人工皮革などは、それ自体が皮膚との
接触面に空気保持層を形成し得るものであり、人工皮膚
やプラスチックシートなどの場合は一般に、前記空気保
持性の素材を積層するか、又は起毛加工やフロック加工
などによって裏面に空気保持層を形成することが好まし
い。
字状のもののほか、円形、楕円形、長円形、角を丸めた
三角形、台形、ひし形などの多角形状、ハート形などい
ずれでもよい。鼻部保温具1の形状は、図4に示すよう
に、鼻部や頬部の顔面形に沿う三次元曲面状に形成され
ていてもよい。この場合、保温性シート自体は可撓性で
あるが、形成された鼻部保温具1は可撓性でなくなる。
三次元曲面状に形成されていれば、裏面への外気の侵入
を防いで鼻腔M、副鼻腔Sをさらに効果的に保温するこ
とができる。また、裏面に形成された粘着層3が顔面皮
膚に緊密に密着するので、鼻部保温具の装着時の保持性
が高まり、装着感も改善される。
に、エンボス加工などによる凹凸模様を施すことができ
る。この凹凸模様は、裏面に施すとき、顔面とシート面
との間に滞留空気層が形成され、保温性をさらに高める
ことができる。また、正面に、皮膚の凹凸に似せた凹凸
模様を施せば、装着時の外観が改善される。
あるものであれば、透明体であってもよい。透明体の例
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリビニルアルコールなどの透明プラスチックシ
ート、天然または合成ゴムシート、ゼラチンシート、な
どを挙げることができる。保温性シートが透明体であれ
ば、患者が装着したときに目立たないので、装着に対す
る抵抗感が軽減される。この観点から、保温性シート2
が透明体でない場合も、正面が肌色に着色されていれ
ば、同様に装着時の外観が改善される。この透明プラス
チックシートからなる鼻部保温具1は、正面が艶消し加
工されていれば外観がさらに改善される。
ト2の正面が外気に露出しているとその保温効果が損な
われる場合がある。そこで、図5に断面図を示すよう
に、この保温性シート2は、正面が少なくとも部分的に
外被4で覆われていてもよい。
要はないが、保温性シート2の熱を放散しないように、
断熱性が高いことが好ましい。この外被4として好適な
ものの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)ア
クリレート樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、シ
リコーン樹脂などのプラスチックシート、天然または合
成ゴムシート、シリコーンゴムシートなどのエラスチッ
クシート、ゼラチンシート、スポンジ、連続または独立
発泡プラスチックシート、天然皮革、人工皮革、アルミ
ニウム箔などの金属箔、などを挙げることができる。こ
の外被4はまた、保温性シート2の正面に施されたプラ
スチックまたはゴムなどのコーティング層またはラミネ
ート層であってもよい。外被4の表面は、肌色に着色さ
れているか、鼻などの形状に似せて成形されているか、
またはその両方であることが、装着時の外観が改善され
る点で好ましい。
のであることができる。図6に断面を例示する鼻部保温
具1のように、この金属箔5は、保温性シート2の正面
側に複合される。この金属箔5は、皮膚面などから放射
される遠赤外線を反射し、外部に逃がさないので、熱が
保温性シート2に蓄積され、保温効果を高める効果があ
る。この金属箔5としては、アルミニウム箔、アルミニ
ウム合金箔などを用いることができる。また、布または
プラスチックシートの面上に、蒸着、メッキ、ラミネー
トなどにより上記金属の薄層を形成したものであっても
よい。保温性シート2の正面側に金属箔5が複合された
場合は、さらにその外側が、上記の外被4で覆われてい
ることが好ましい。
保温効果をさらに向上したり、加温効果を付加したり、
皮膚層の血行を改善するなどの目的で、種々の物質を複
合せしめることができる。例えば、この保温性シート2
は、遠赤外線放射材料が複合されたものであることがで
きる。ここで、遠赤外線放射材料とは、人体から発散さ
れる熱を受けて遠赤外線に転化し放射し得る材料であっ
て、その例としては、例えばAl2O3、SiO2、Ti
O2、Cr2O3、ZrO2、MgO、Fe2O3などの金属
酸化物、SiC、TiC、ZrC、B4Cなどの炭素化
合物、Si3N4、BN、AlNなどの窒化物、またはそ
れらの2種以上の複合体などのいわゆる遠赤外線放射性
セラミクスがいずれも使用可能である。これらの遠赤外
線放射材料の1種または2種以上の混合物を保温性シー
ト2に複合すれば、得られた鼻部保温具1は、装着する
とき、保温のみならず鼻腔や副鼻腔を加温することがで
きる。
て、バインダーを含む水、アルコールなどの媒体に分散
または懸濁し、上記の保温性シート2に含浸または塗布
して、媒体を乾燥除去することによって複合させること
ができる。または、図7に例示するように、2層の保温
性シート2a、2bを袋状に形成し、その中に、粉末状
の遠赤外線放射材料6を包み込んでもよい。このとき、
粉末状の遠赤外線放射材料6が保温性シート2a、2b
の間で流動して偏在することがないように、面全体にキ
ルティングを施すか、遠赤外線放射材料6を粘着剤など
で固定するか、または予め、遠赤外線放射材料6を可撓
性のバインダーでシート状に成形しておいてもよい。ま
た、保温性シート2がプラスチックシート、ゴムシート
などであれば、これらの素材に予め粉末状の遠赤外線放
射材料を練り込んで、シート状に成形することもでき
る。
主成分とする発熱材料が複合されたものであることもで
きる。この発熱材料は、鉄粉が空気中の酸素および水分
と反応する際の反応熱を利用するものであって、公知で
あり、その組成例は例えば、鉄粉と食塩と、必要に応じ
て酸化触媒とを含むものである。これを用いた鼻部保温
具1は、保存中に発熱反応が起こることがないように、
酸素または水蒸気不透過性の袋に包装することが好まし
い。この鉄粉を主成分とする発熱材料の適量を保温性シ
ート2に複合すれば、得られた鼻部保温具1は、装着す
るとき、保温に加えて穏やかな発熱反応によって長時間
にわたって鼻腔や副鼻腔を加温することができる。
合されたものであることができる。ここで、血行促進剤
とは、その揮発性成分が皮膚に浸透して皮下の毛細血管
における血行を促進し得る生理的に安全な物質であっ
て、この例としては、サルチル酸メチル、カンファ、メ
ントール類、各種香油類、ヒノキ油、ヒバ油、トウガラ
シチンキなどを挙げることができる。ただし、これらの
物質は眼の粘膜を刺激しない程度の量を用い、また保温
性シート上の適用部位も、眼や皮膚を刺激しないように
注意して選定するべきである。このように適度の量を選
択された部位に用いれば、得られた鼻部保温具1は、装
着するとき、保温のみならず、穏やかな血行促進作用に
よって、長時間にわたって鼻腔や副鼻腔の冷えを防止す
ることができる。
解、分散または懸濁し、上記の保温性シート2に含浸ま
たは塗布して、媒体を乾燥除去することによって複合さ
せることができる。この血行促進剤の揮発性を調節する
ために、公知の方法によって、例えばこれらの物質をポ
リビニルアルコール膜、ゼラチン膜などの内部に分散さ
せ、またはマイクロカプセル化して用いることもでき
る。
たものであることができる。この磁石は、その磁力線が
皮下の毛細血管に作用して血行を促進することができ
る。従って、これを複合して得られた鼻部保温具1は、
装着するとき、保温のみならず、穏やかな血行促進作用
によって、長時間にわたって鼻腔や副鼻腔の冷えを防止
することができる。この磁石は、粉末として、前記の遠
赤外線放射材料の場合と同様な方法によって保温性シー
ト2に複合することができる。また磁石片として、保温
性シート2の適当な部位に埋め込んで複合することもで
きる。
れる粘着層3は、皮膚に粘着し、かつ皮膚粘膜を刺激し
ない素材で形成される。粘着層3の形成に用いられる粘
着材としては種々なものが使用できるが、その例は例え
ば絆創膏などに用いられる公知の粘着剤、パップ剤など
に用いられる粘着剤、または粘着テープなどである。
全体に形成することもできるが、図1に示したように、
鼻部保温具1の対称軸Xに関して対称な周縁部に形成す
ることが好ましい。これによって、装着したとき、鼻部
保温具1の中央部裏面に滞留性の空気層が形成され、保
温効果が向上する。また、この粘着層3は、必ずしも保
温性シート2の裏面の空気保持層に形成する必要はない
ので、例えば、図8に断面図を示すように、保温性シー
ト2の裏面表面が起毛層や脱脂綿層など、粘着層の形成
に不適な空気保持層2cで形成されているときは、その
基層となるシート面2aや布面などに形成することが好
ましい。
9に示すように、眼鏡7の押さえ8に係合し得る係合手
段9を設けることができる。この係合手段9としては、
例えば、装着した鼻部保温具1と眼鏡の押さえ8とが接
触する正面の部分に、押さえ8の先端部を挿入固定し得
る開口を形成してもよく、またはその部分に外側粘着層
を形成し、この外側粘着層で押さえ8に粘着固定される
ようにしてもよい。眼鏡7との係合手段9を設けること
によって、鼻部保温具1は、裏面の粘着層3のみでなく
外側からも鼻部に固定できるようになる。この鼻部保温
具1は、眼鏡をかけたとき保温性シート2が鼻部を覆う
ように、眼鏡に予め係合しておくこともできる。
効果を実証する試験例について述べる。 (試料)図1に示す形状の鼻部保温具1を作製した。こ
のものの寸法は、対称軸X方向の長さが60mmであ
り、これと直角方向の最大長さが86mmである。この
鼻部保温具1は、厚さ5mmの脱脂綿の外側をガーゼで
覆って保温性シート2を形成し、その裏面周縁部の4箇
所に両面粘着テープで粘着層3を形成したものである。
は、花粉症の症状を呈さない健康体である。花粉症が発
現する時期である1993年4月12日に、鼻部保温具
1を装着しない被検者A、BおよびCの顔面の温度分布
をサーモグラフィにより測定した。このとき、被検者A
およびBは花粉症が発現していた。測定の結果、被検者
Cは、顔面全体が均一な橙色に表示されたのに対して、
被検者AおよびBでは、図10の符号Lで示す鼻部が低
温を示す緑色に表示され、他の部分は橙色であった。こ
の結果は、被検者AおよびBの鼻部Lが、顔面の他の部
分、および被検者Cの鼻部より温度が低いことを示して
いる。
部保温具1を装着した場合(装着時)と未装着の場合
(未装着時)との症状の差を日を変えて3回測定した。
症状の程度は1時間のうちに鼻水をかんだ回数(処置回
数)で表す。第1回試験の結果を表1に、第2回試験の
結果を表2に、第3回試験の結果を表3に示す。
間平均で24.5回であり、装着時の処置回数は1.8
回であった。装着時の屋内と屋外との差、午前と午後と
の差は特に認められなかった。
間平均で24.6回であり、第1回試験の結果とほぼ同
等であった。一方、装着時の処置回数は1.5回であ
り、特に屋外における装着時の処置回数は2時間にわた
って0回であった。
間平均で56回であり、装着時の処置回数は1.5回で
あった。特に、当日は風が強くスギ花粉などが大量に浮
遊する条件であったので、屋外の未装着時には1時間当
り76〜78回の処置が必要であった。これに対して同
じ場所で装着時には0〜3回と、処置回数が激減した。
試料が花粉症の症状の緩和に著しい効果を発揮したこと
は明かである。
5mmの脱脂綿を敷いて接着した。この積層物を図1に
示す概略凸字形の形状に裁断した。その平面寸法は、対
称軸X方向の長さが60mm、これと直角方向の最大長
さが86mmであった。この脱脂綿側の周縁部に両面粘
着テープを用いて粘着層3を形成し、裏面に脱脂綿から
なる空気保持層が形成された実施例1の鼻部保温具を得
た。
を用い、図11に示すように、対称軸Xに関して対称な
概略台形の形状に裁断して保温性シート2を形成した。
この保温性シート2の裏面の周縁部に両面粘着テープを
用いて粘着層3を形成し、実施例2の鼻部保温具を得
た。
ように、特定の花粉症患者の鼻の形状・色彩を精密に転
写し、外観上、装着していることがわからないようにし
た鼻部保温具である。すなわち、この保温性シート2は
厚みが平均0.3mm程度の薄膜で形成されており、そ
の正面は、凹凸の形状や色調が実際の鼻部と同様に成形
されている。その裏面には、周縁部に、鼻部に固定する
ための粘着層3が形成されている。
した。花粉症の患者の鼻部のシリコーンゴム型を取り、
この型の内面に、肌色に着色した軟質ポリ塩化ビニルの
溶融物を塗り、この面上で硬化させた。鼻部の凹凸を精
密に転写した肌色の膜状成形物が得られた。この裏面周
縁部に両面粘着テープを用いて粘着部3を形成した。こ
の鼻部保温具は、装着するとき、外観上、その装着に気
づかれることがない。
ように、実施例4の鼻部保温具の裏面の、粘着部3が形
成されていない部分に植毛による空気保持層2cを形成
したものである。この鼻部保温具1は、次のようにして
作製した。実施例4の鼻部保温具の裏面の粘着部3が形
成されていない部分にバインダーを塗布し、次にこの面
に静電フロック加工により短繊維を植毛した。この鼻部
保温具1は、装着するとき、実施例4のものより保温効
果が高く、かつ、外観上、その装着に気づかれることが
ない。
少なくとも鼻腔または鼻腔および副鼻腔の双方を被覆す
る形状の可撓性の保温性シートからなり、裏面に空気保
持層が形成されたものであるので、この空気保持層が保
温性を著しく向上し、また粘着層によって装着が可能と
されているので紐などの固定具を要せずに鼻部を効果的
に保温することができ、副作用を伴うことなく、簡便
に、かつ安価にアレルギー性鼻炎や花粉症の諸症状を緩
和することができる。本発明の請求項4の鼻部保温具は
保温性シートに金属箔が複合されてなるものであり、請
求項5の鼻部保温具は保温性シートに遠赤外線放射材料
が複合されてなるものであり、請求項6の鼻部保温具は
保温性シートに血行促進剤が複合されてなるものであ
り、請求項7の鼻部保温具は保温性シートに磁石が複合
されてなるものであるので、何れの場合も鼻部保温具の
保温性を向上し、また粘着層によって装着が可能とされ
ているので紐などの固定具を要せずに鼻部を効果的に保
温することができ、副作用を伴うことなく、簡便に、か
つ安価に、アレルギー性鼻炎や花粉症の諸症状を緩和す
ることができる。本発明の請求項8の鼻部保温具は、保
温性シートが透明体であるので、患者が装着したときに
目立たず、装着に対する抵抗感が軽減される。また日光
など外部からの輻射熱を取り入れて保温効果を高めるこ
とができる。
(a)と裏面図(b)。
(a)と線Xにおける断面図(b)。
直角な方向の断面図。
直角な方向の断面図。
直角な方向の断面図。
直角な方向の断面図。
図。
図。
図(a)と裏面図(b)。
正面図(a)と線Xにおける断面図(b)と裏面図
(c)。
正面図(a)と線Xにおける断面図(b)と裏面図
(c)。
Claims (8)
- 【請求項1】 少なくとも鼻腔または鼻腔および副鼻腔
の双方を被覆する形状の可撓性の保温性シートからな
り、皮膚と接触する面に粘着層が形成され、かつ少なく
とも粘着層が形成された面に凹凸模様が形成された鼻部
保温具。 - 【請求項2】 少なくとも鼻腔または鼻腔および副鼻腔
の双方を被覆する形状の可撓性の保温性シートからな
り、皮膚と接触する面に粘着層が形成され、かつこの保
温性シートの皮膚と接触する面に空気保持層が形成され
た鼻部保温具。 - 【請求項3】 保温性シートがフエルト、織布、編布、
不織布、ガーゼ、複数枚の布またはガーゼを重ね合わせ
たもの、ガーゼなど通気性の高い素材を外被としその裏
面に脱脂綿など空気保持性の高い素材の層を積層したも
の、脱脂綿などを内層としてその両面にガーゼなどを積
層したもの、起毛された布、フロック加工された布また
はプラスチックシート、スポンジ、連続または独立発泡
プラスチックシート、天然皮革、人工皮革、コラーゲン
製やポリグルタメート製などの人工皮膚、透明プラスチ
ックシート、または上記のいずれか一種またはそれ以上
の積層物の群から選ばれたものである請求項2に記載の
鼻部保温具。 - 【請求項4】 少なくとも鼻腔または鼻腔および副鼻腔
の双方を被覆する形状の可撓性の保温性シートからな
り、皮膚と接触する面に粘着層が形成され、かつこの保
温性シートに金属箔が複合された鼻部保温具。 - 【請求項5】 少なくとも鼻腔または鼻腔および副鼻腔
の双方を被覆する形状の可撓性の保温性シートからな
り、皮膚と接触する面に粘着層が形成され、かつこの保
温性シートに遠赤外線放射材料が複合された鼻部保温
具。 - 【請求項6】 少なくとも鼻腔または鼻腔および副鼻腔
の双方を被覆する形状の可撓性の保温性シートからな
り、皮膚と接触する面に粘着層が形成され、かつこの保
温性シートに血行促進剤が複合された鼻部保温具。 - 【請求項7】 少なくとも鼻腔または鼻腔および副鼻腔
の双方を被覆する形状の可撓性の保温性シートからな
り、皮膚と接触する面に粘着層が形成され、かつこの保
温性シートに磁石が複合された鼻部保温具。 - 【請求項8】 少なくとも鼻腔または鼻腔および副鼻腔
の双方を被覆する形状の可撓性の保温性シートからな
り、皮膚と接触する面に粘着層が形成され、か つこの保
温性シートが透明体である鼻部保温具。
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