JPWO2006027956A1 - 光学材料用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
従来のバルク蛍光体よりもはるかに小さなナノ蛍光体粒子を、重合体中に凝集することなく分散させることにより、すぐれた発光効率を示しうる、光学材料用樹脂組成物を得ることである。さらには、該光学材料用樹脂組成物を用いた発光装置を得ることである。数平均一次粒子径が0.1nm〜100nmのナノ蛍光体粒子の表面を、末端にSH基を有するビニル系重合体で修飾し、重合体中に分散させることを特徴とする、光学材料用樹脂組成物により達成される。
Description
本発明は、従来のバルク蛍光体よりもはるかに小さなナノ蛍光体粒子を、重合体中に凝集することなく分散させることにより、すぐれた発光効率を示す光学材料用樹脂組成物に関する。
粒子径が1〜100nmのナノ粒子は、通常の機械的な粉砕等によって製造される粒子径がサブマイクロメートル以上の粒子と比較して、さまざまな機械的、光学的、磁気的性質を有していること、化学的反応性に際立った差異が見られること等から注目されている。粒子径が小さくなるに従って物質のバルク状態には見られない現象としては、例えば、閉じ込め効果によるキャリアー運動エネルギーの増加、外部誘電効果、バンドギャップの増大、電子親和エネルギーの減少、イオン化ポテンシャルの増加、キャリアー再結合効率の向上等が挙げられる。これらの特異な物性は、EL素子や光導電素子、ピエゾ素子等のさまざまな機能材料に応用されうる。
ナノ粒子の特性を生かすためには通常、ナノ粒子が凝集・凝結せずに媒体中に分散されていることが望まれる。しかしながら、ナノ粒子は表面エネルギーが著しく大きいため、粒子同士の凝集や、凝集した粒子同士の結合が生じて大きな粒子となりやすいうえ、一旦凝集・凝結が起こり粒子径が増大してしまうと、再分散させることが極めて困難になる。さらに無機ナノ粒子の場合、粒子表面は極性が大きいため、極性の低い有機溶媒やポリマー等の有機媒体中へ分散させて用いることも困難である。なかでもポリマー等の重合体中にナノ粒子を凝集しないよう分散させることは、通常ポリマーとナノ粒子との極性が著しく異なる上、ポリマーの溶液や溶融状態の粘度が高いため機械的な分散力を与えるのも容易ではないこと等から、一般的には非常に困難である。それゆえポリマーとナノ粒子との複合材料は、工業的に広く普及するまでには至っていないのが現状である。
一方で、有機チオール化合物が金属表面と容易に結合する特徴を利用し、分子内にチオール基を有する化合物を用いたナノ粒子表面の有機修飾方法も種々検討されており、例えば、特許文献1、非特許文献1に示されるように、有機溶媒中で均一分散が可能なナノ粒子を得ることも可能である。このような方法を用いれば有機溶媒中で安定的に分散可能なナノ粒子を得ることができるものの、同様の手法を用いてポリマー等の重合体中にナノ粒子を分散させようとしても、表面修飾剤と重合体との極性や粘度に差があるため、容易ではなかった。
このような問題を解決するため、例えば非特許文献2では、アニオン重合により分子量と末端基とが制御されたポリマーをまず重合し、この末端基をプロピレンスルフィドに一旦置換した上で、末端にメルカプト基を有するポリマーを得、このポリマーで金属ナノ粒子の表面を修飾することにより、ポリマー中への金属ナノ粒子分散を実現している。この方法は、予め重合されたポリマーと、予め合成されたナノ粒子とを、単純に混合するだけでナノ粒子が分散した組成物を得られる点で非常に興味深い。しかしながら、このような方法で重合可能な重合体の種類は限定されるうえ、ナノ粒子修飾用重合体を得るまでには何段階もの末端置換反応を経る必要があるため、汎用的に工業化可能な規模で適用できる技術ではない。
一方で近年、窒化ガリウム系化合物半導体(例えば、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlNなど)を用いた発光素子として、青色光を放射する青色LEDチップや紫外光を放射する紫外LEDチップが開発された。これらのLEDチップから放射される光は半値幅の狭い単一波長の発光ピークを有するという特徴がある。一方、これらのLEDチップは、表示用途や照明用途などへの応用が期待されているが、表示用途や照明用途では白色光が必要とされる場合が多い。そこで、青色光あるいは紫外光を放射するLEDチップと、このLEDチップから放射された光の一部を励起源として発光する種々の蛍光体粉末とを組み合わせることにより、白色を含めLEDチップの発光色とは異なる色合いの光を出す発光装置の研究・開発が各所で行われている。この種の発光装置は、小型、軽量、省電力といった長所があり、現在、表示用光源、小型電球の代替光源、液晶パネル用光源などとして広く用いられている。
上述のようなLEDチップと蛍光体粉末とを組み合わせた方式の発光装置は、例えば特許文献2、3、4等に開示されている。これら各公報に開示された発光装置は、LEDチップの封止部やモールド部として用いる透光性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)中に、LEDチップから放射された光により励起されて発光する蛍光体粉末を分散している点に共通の特徴がある。このような発光装置では、LEDチップから放射された光の一部が透光性樹脂をそのまま透過して外部へ放射されるとともに、LEDチップから放射された光の他の一部により透光性樹脂中の蛍光体粉末が励起され波長変換された光も外部へ放射される。したがって、LEDチップから放射される光と蛍光体粉末から放射される光との合成光として、例えば白色光を得ることができる。すなわち、LEDチップが青色LEDチップの場合には、このLEDチップからの青色光を励起光として黄色の光を発光する蛍光体を組み合わせたり、あるいは赤色の光を発光する蛍光体と緑色に発光する2種類の蛍光体を組み合わせれば、合成光として白色光を得ることができる。また、LEDチップが紫外LEDチップの場合には、このLEDチップからの紫外光を励起光としてそれぞれ赤色、緑色、青色を発光する3種類の蛍光体を組み合わせれば、合成光として白色光を得ることができる。このようにして白色光が得られることにより、近年では照明用途へのLEDチップの応用が可能となった。
特開平11−60581号公報
特開平5−152609号公報
特開平7−99345号公報
特開平10−242513号公報
S.Huang et al., J. Vac. Sci. Technol., B 19巻, 2045 (2001)
M.K.Corbierr et al., J. Am. Chem. Soc., 123巻, 10411 (2001)
ところで、上述の発光装置における蛍光体粉末には、従来からブラウン管(CRT)や蛍光ランプなどに用いられている平均粒子径が数μm(概ね5μm程度)の蛍光体(以下、バルク蛍光体と称す)を流用しているのが一般的である。
しかしながら、バルク蛍光体は粒子径が可視光や励起光の波長に比べて十分に大きなサイズであるため、励起光が照射されるのは蛍光体粉末の表面のみとなり、蛍光体粉末の使用量に対して発光効率が低下してしまうという問題点がある。また、蛍光体粉末から得られる可視光を蛍光体粉末自体が遮ってしまうため、得られた光を十分に外部に取り出すことができず、これによっても発光効率が低下してしまっていた。
またLEDチップを照明装置に応用する場合には、LEDチップ1個当たりの光束が比較的小さいので多数個のLEDチップを集めてモジュール化する必要があり、かなり大きな総発熱量となる。しかもバルク蛍光体は、材料によって程度の違いはあるものの、一般的に高温になると発光効率が低下する特性(温度消光)を有している。したがって、バルク蛍光体とLEDチップとを組み合わせた照明装置において、大光束化のためにLEDチップの集積密度(配置密度)や通電電流を大きくしても、温度消光により十分な光束が得られないという問題もある。
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、ナノ蛍光体粒子を重合体中に分散させる技術を開発することにより、従来のバルク蛍光体を用いた発光素子に比べて発光効率を高めることができるとともに、温度上昇に伴う輝度の低下が起こりにくい発光装置を提供することにある。
本発明者は、上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、末端にSH基を有するビニル系重合体を重合し、得られた重合体でナノ蛍光体粒子の表面を修飾することにより、重合体中にナノ蛍光体粒子が良好に分散している樹脂組成物を得ることに成功し、本発明に至った。
すなわち本発明は、平均粒子径が0.1nm〜100nmのナノ蛍光体粒子を、末端にSH基を有するビニル系重合体で修飾することにより、重合体中に分散させることを特徴とする、光学材料用樹脂組成物である。
好ましい実施態様としては、(1)末端にSH基を有するビニル系重合体の数平均分子量が2000以上100000以下である、
(2)末端にSH基を有するビニル系重合体の重量平均分子量と数平均分子量との比で表される分子量分布が1.5以下である、
(3)末端にSH基を有するビニル系重合体が、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、N−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、無水マレイン酸、マレイミド、からなる化合物より選ばれる1種以上のモノマーをラジカル重合して得られるものである、
(4)末端にSH基を有するビニル系重合体が可視光を透過する重合体である、
(5)末端にSH基を有するビニル系重合体が、可逆的付加脱離連鎖移動重合により重合されるポリマーを処理剤にて処理したものである、
(6)未凝集状態でのナノ蛍光体粒子の数平均一次粒子径が1nm〜30nmである、
(7)ナノ蛍光体粒子の発光ピーク波長が380nm〜800nmの波長域であり、かつ200nm〜500nmの波長域の光を照射することで発光しうる粒子である、
(8)ナノ蛍光体粒子が、母体結晶のみからなる非ドープ型半導体ナノ蛍光体粒子である、
(9)ナノ蛍光体粒子が、母体結晶中に発光イオンを添加したドープ型半導体ナノ蛍光体粒子である、
(10)末端にSH基を有するビニル系樹脂で修飾されたナノ蛍光体粒子を、熱硬化性樹脂と混合してなる、
(11)熱硬化性樹脂が、ケイ素系熱硬化性樹脂である、
(12)ケイ素系熱硬化性樹脂が、(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、を含有してなるシリコーン系熱硬化性樹脂である、ことを特徴とする、光学材料用樹脂組成物である。
(2)末端にSH基を有するビニル系重合体の重量平均分子量と数平均分子量との比で表される分子量分布が1.5以下である、
(3)末端にSH基を有するビニル系重合体が、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、N−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、無水マレイン酸、マレイミド、からなる化合物より選ばれる1種以上のモノマーをラジカル重合して得られるものである、
(4)末端にSH基を有するビニル系重合体が可視光を透過する重合体である、
(5)末端にSH基を有するビニル系重合体が、可逆的付加脱離連鎖移動重合により重合されるポリマーを処理剤にて処理したものである、
(6)未凝集状態でのナノ蛍光体粒子の数平均一次粒子径が1nm〜30nmである、
(7)ナノ蛍光体粒子の発光ピーク波長が380nm〜800nmの波長域であり、かつ200nm〜500nmの波長域の光を照射することで発光しうる粒子である、
(8)ナノ蛍光体粒子が、母体結晶のみからなる非ドープ型半導体ナノ蛍光体粒子である、
(9)ナノ蛍光体粒子が、母体結晶中に発光イオンを添加したドープ型半導体ナノ蛍光体粒子である、
(10)末端にSH基を有するビニル系樹脂で修飾されたナノ蛍光体粒子を、熱硬化性樹脂と混合してなる、
(11)熱硬化性樹脂が、ケイ素系熱硬化性樹脂である、
(12)ケイ素系熱硬化性樹脂が、(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、を含有してなるシリコーン系熱硬化性樹脂である、ことを特徴とする、光学材料用樹脂組成物である。
さらには、これら光学材料用樹脂組成物を用いた発光装置に関する。
本発明により得られる光学材料用樹脂組成物においては、蛍光物質としてナノ蛍光体粒子を用い、これを重合体中に凝集することなく分散させている。これによって量子サイズ効果が発現し、発光物質として従来のように粒子径が数μmのバルク蛍光体を用いた場合に比べて、組成を変更することなしに粒子径をナノサイズ化するだけで蛍光物質での発光効率を高めることができる。さらには温度消光を低減できるので、従来に比べて装置全体としての発光効率を高めることができるとともに、温度上昇に伴う輝度の低下を抑制することができるという効果がある。
本発明で使用する、末端にSH基を有するビニル系重合体の組成としては特に限定されない。ここでビニル系重合体とは、ラジカル重合可能なビニル系単量体を重合して得られる重合体を意味する。このようなラジカル重合可能なビニル系単量体としては特に限定されないが、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸エステル系単量体、メタクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体、シアン化ビニル系単量体、不飽和アミド系単量体、共役ジエン系単量体、ハロゲン含有ビニル系単量体、ビニルエステル系単量体、不飽和ジカルボン酸化合物およびその誘導体、マレイミド化合物等が挙げられる。
アクリル酸金属塩としては、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、アクリル酸亜鉛、等が挙げられる。
メタクリル酸金属塩としては、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸亜鉛、等が挙げられる。
アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸グリシジル、3−アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸アリル等が挙げられる。
メタクリル酸エステル系単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸3−メトキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル、3−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸アリル等が挙げられる。
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、インデン等が挙げられる。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
不飽和アミド系単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
共役ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
ハロゲン含有ビニル系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、けい皮酸ビニル等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸化合物およびその誘導体としては、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
これら単量体は単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。複数を組み合わせて共重合体とする場合には、その形態は特に限定されず、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、傾斜共重合体等を挙げることができる。使用する単量体は、樹脂組成物の要求特性に応じて選択すればよい。
これら単量体のうち、光学材料として用いる際の、可視光や紫外光の透過性、耐候性、耐熱性、熱硬化性樹脂との親和性、など必要となる特性を考慮すると、好ましい単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、N−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、無水マレイン酸、マレイミド、からなる化合物より選ばれる1種以上の単量体を挙げることができる。
さらには光学用材料として用いる際の、可視光や紫外光の透過性を特に考慮すると、末端にSH基を有するビニル系重合体は可視光を透過する重合体である事が好ましい。ここで可視光を透過する重合体とは具体的には、ASTM D1003に基づき厚さ2mmで測定した全光線透過率が50%以上の樹脂を示すものとする。全光線透過率の値は大きいほど適しており、好ましくは60%以上、よりに好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上である。また可視光を透過する樹脂においては、ASTM D1003に基づき厚さ2mmで測定したヘイズの値も小さい方が好ましい。具体的にはヘイズの値が10%以下、好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下、最も好ましくは3%以下である。これらの重合体は2種以上複数種類を混合して用いることもできる。但し2種以上の重合体を混合して用いる際には、両者を混合したあとでも可視光を透過しうることが好ましい。
これらのなかでも特に好ましい単量体は、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、からなる化合物より選ばれる1種以上の単量体である。
本発明で使用する、末端にSH基を有するビニル系重合体の構造としては特に限定されないが、ナノ蛍光体粒子を修飾する際の修飾効率、および光学用材料としたときの取り扱いの容易さ、などを考慮すると、重合体の数平均分子量(Mn)は2000以上100000以下であることが好ましい。より好ましくは2500以上80000以下であり、さらに好ましくは2700以上60000以下であり、最も好ましくは3000以上50000以下である。重合体のMnが2000未満であると、SH基含有低分子化合物で修飾した場合と同様の効果しか得られず、組成物中でナノ蛍光体粒子の分散性が不十分となる傾向がある。重合体のMnが100000を超えると、重合体中のSH基の数が減少するため、ナノ蛍光体粒子の修飾が難しくなる傾向がある。
本発明で使用する末端にSH基を有するビニル系重合体の重量平均分子量と数平均分子量との比で表される分子量分布は、SH基とナノ蛍光体粒子表面との反応性を制御しやすいという点から、1.5以下であることが好ましい。より好ましくは1.4以下、さらに好ましくは1.3以下である。
本発明で使用する末端にSH基を有する重合体の立体構造については特に限定は無く、直鎖状であっても分子内に分岐を有していても良い。分子内の分岐は規則的であっても不規則であっても良く、また分岐の頻度・長さ・数などにも制限は無い。多数の分岐を有する樹状重合体であっても良い。また重合体の分岐の全ての末端にSH基を有していても良く、一部の末端にのみあるいは末端の中の1点のみにSH基を有する構造であっても良い。但し重合体とナノ蛍光体粒子表面との反応性を考慮すると、重合体に分岐が少ないほうが好ましく、重合体が直鎖状であることが好ましい。重合体が直鎖状である場合には、片末端のみにSH基を有していても良く、両末端にSH基を有していても良い。
本発明で使用する末端にSH基を有する重合体の重合方法としては特に限定はされないが、SH基を確実に導入できること、分子量や分子量分布、単量体の規則性、などを付与しやすいこと、などの理由から、可逆的付加脱離連鎖移動(RAFT)重合法を用いるのが好ましい。すなわち、ジチオエステル構造を有する化合物を連鎖移動剤として、ビニル系モノマーをラジカル重合する方法であり、制御ラジカル重合の一種である。該方法により得られるポリマーは、分子末端あるいは分子鎖中にジチオエステル構造あるいはトリチオカーボネート構造を有する。好ましい実施態様として本発明で用いるポリマーは、このRAFT重合により得られるジチオエステル構造あるいはトリチオカーボネート構造を有するポリマーを、処理剤により処理し、ジチオエステル構造あるいはトリチオカーボネート構造の部分を反応させてSH基に変換することにより得られる。
上記RAFT重合に使用するジチオエステル構造を有する連鎖移動剤としては特に限定されず、例えば特表2000−515181号公報に記載されている化合物、および以下に示す一般式(1)の化合物を用いることができる。
(式中、Rは炭素数1以上の1価の有機基であり;Zは硫黄原子(p=2の場合)、酸素原子(p=2の場合)、窒素原子(p=3の場合)、または炭素数1以上のp価の有機基であり;pは1以上の整数であり;pが2以上の場合、Rは互いに同じでもよく異なっていてもよい)
上記化合物において、炭素数1以上の1価の有機基Rとしては特に限定されず、炭素原子以外に水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および金属原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく、高分子量体であってもよい。Rの例としては、アルキル基、アラルキル基、およびこれらの置換体などを挙げることができる。入手性および重合活性の点で、以下に示す一般式(2)および(3)の構造が好ましい。
上記化合物において、炭素数1以上の1価の有機基Rとしては特に限定されず、炭素原子以外に水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および金属原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく、高分子量体であってもよい。Rの例としては、アルキル基、アラルキル基、およびこれらの置換体などを挙げることができる。入手性および重合活性の点で、以下に示す一般式(2)および(3)の構造が好ましい。
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基、Acはアセチル基を示す)
(式中、nは1以上の整数であり、rは0以上の整数である)
上記式中、入手性の点でnおよびrは500以下であることが好ましく、200以下であることがより好ましく、100以下であることがさらに好ましい。またRとしては、入手性および重合活性の点で、炭素数2〜30の基が特に好ましい。
上記式中、入手性の点でnおよびrは500以下であることが好ましく、200以下であることがより好ましく、100以下であることがさらに好ましい。またRとしては、入手性および重合活性の点で、炭素数2〜30の基が特に好ましい。
上記RAFT重合の反応条件としては特に限定されず、上記特許文献5をはじめとする従来公知の条件を適用可能である。但し反応性の点では70℃以上の温度で反応させることが好ましく、80℃以上がより好ましい。重合の形式は塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合など限定されないが、重合後のSH基に変換する反応を容易に実施できる点で、塊状重合または溶液重合が好ましい。
RAFT重合で得られたポリマーを、SH基を有するポリマーに変換する際に使用する処理剤としては特に限定されないが、SH基に変換する効率が高い点で、水素−窒素結合含有化合物、塩基、および還元剤からなる群より選ばれる化合物が好ましい。
前記処理剤のうち水素−窒素結合含有化合物としては特に限定されないが、例えば、アンモニア、ヒドラジン、1級アミン系化合物、2級アミン系化合物、アミド系化合物、アミン塩酸塩系化合物、水素−窒素結合含有高分子、およびヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等を挙げることができる。
前記水素−窒素結合含有化合物のうち、1級アミン系化合物の具体例としては、3−アミノ−1−プロパノール、アリルアミン、イソプロピルアミン、モノエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、ジアミノマレオニトリル、シクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミン、n−ヘキシルアミン、モノメチルアミン、モノメチルヒドラジン、アニシジン、アニリン、p−アミノ安息香酸エチル、アミノフェノール、トルイジン、フェニルヒドラジン、フェニレンジアミン、フェネチルアミン、ベンジルアミン、メシジン、アミノピリジン、メラミン等を挙げることができる。
前記水素−窒素結合含有化合物のうち、2級アミン系化合物の具体例としては、ジアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ビス(ヒドロキシエチル)アミン、N−エチルエチレンジアミン、エチレンイミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジメチルアミン、N−エチルアニリン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルアニリン、イミダゾール、2,5−ジメチルピペラジン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン等を挙げることができる。
前記水素−窒素結合含有化合物のうち、アミド系化合物の具体例としては、アジピン酸ジヒドラジド、N−イソプロピルアクリルアミド、カルボヒドラジド、グアニルチオ尿素、グリシルグリシン、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、アジピン酸ジヒドラジド、ホルムアミド、メタクリルアミド、アセトアニリド、アセト酢酸アニリド、アセト酢酸トルイダイド、トルエンスルホンアミド、フタルイミド、イソシアヌル酸、コハク酸イミド、ヒダントイン、フェニルピラゾリドン、ベンズアミド、アセトアミド、アクリルアミド、プロピオン酸アミド、2,2,2−トリフルオロアセトアミド等を挙げることができる。
前記水素−窒素結合含有化合物のうち、アミン塩酸塩系化合物の具体例としては、アセトアミジン塩酸塩、モノメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、モノエチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、モノプロピルアミン塩酸塩、ジプロピルアミン塩酸塩、塩酸セミカルバジド、塩酸グアニジン、ジステアミン塩酸塩等を挙げることができる。
前記水素−窒素結合含有化合物のうち、水素−窒素結合含有高分子の具体例としては、商品名:ポリメント((株)日本触媒製)、ポリエチレンイミン、アミノポリアクリルアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、ナイロン46、ポリアミドイミド、ポリアリルアミン、ポリウレタン等を挙げることができる。
前記水素−窒素結合含有化合物のうち、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)としては、商品名:アデカスタブLA−77(旭電化工業(株)製)、商品名:Chimassorb 944LD(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、商品名:Tinuvin 144(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、商品名:アデカスタブLA−57(旭電化工業(株)製)、商品名:アデカスタブLA−67(旭電化工業(株)製)、商品名:アデカスタブLA−68(旭電化工業(株)製)、商品名:アデカスタブLA−87(旭電化工業(株)製)、および商品名:Goodrite UV−3034(Goodrich社製)等を挙げることができる。
前記処理剤のうち、塩基としては特に限定されないが、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛等の金属水酸化物;ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、ナトリウムフェノキサイド、マグネシウムメトキサイド等の金属アルコキサイド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、等を挙げることができる。
前記処理剤のうち、還元剤としては特に限定されないが、具体的には、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素化物、LiBEt3H、水素、水素含有ガス、等を挙げることが出来る。
これらの処理剤は、単独で用いても良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。また前記処理剤の中でも、反応の効率や取り扱いが容易である点などから、沸点が20℃〜200℃の水素−窒素結合含有化合物、および還元剤が好ましい。中でも入手性および回収除去の容易さの点でモノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミンがより好ましい。前記処理剤の使用量は特に限定されない。処理剤として塩基を使用する場合、取り扱いやすさおよび反応性の点で、重合体100重量部に対して0.01〜100重量部が好ましく、0.05〜50重量部がより好ましく、0.1〜30重量部が特に好ましい。
本発明は、平均粒子径が0.1nm〜100nmのナノ蛍光体粒子を、上記末端にSH基を有するビニル系重合体で修飾し、重合体中に分散させることを特徴とする。本発明で用いられる数平均一次粒子径が0.1nm〜100nmのナノ蛍光体粒子としては、母体結晶のみからなる非ドープ型半導体ナノ蛍光体粒子、母体結晶中に発光イオンを添加したドープ型半導体ナノ蛍光体粒子、をいずれも好ましく用いることができる。
母体結晶のみからなる非ドープ型半導体ナノ蛍光体粒子の場合は、母体結晶のバンドギャップよりも大きなエネルギーを持つ波長の光を照射することで、バンドギャップに相当する波長の光を発光させることが可能となるので好ましい。これらの中でも、周期表第8〜13族のいずれかに該当する遷移金属元素を含有するナノ粒子が、末端にSH基を有する重合体のSH基と遷移金属元素との配位結合形成力が高く、ナノ蛍光体粒子の表面修飾反応が速やかに進行するため好ましい。このような母体結晶のみからなる非ドープ型半導体ナノ蛍光体粒子で、可視領域とその近傍に発光帯を有するナノ粒子としては、GaN、GaP、GaAs、InN、InP等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物、In2O3、In2S3等が挙げられる。中でも半導体結晶の粒径の制御性と発光能から好適であり工業的にも重要なのは、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物半導体であり、特にZnO、ZnS、ZnSe、CdS、CdSe等がこの目的では更に好適に用いられる。
また母体結晶中に発光イオンを添加したドープ型半導体ナノ蛍光体粒子の場合は、励起波長に応じて母体結晶および発光イオンを適宜選択することにより、所望の波長の光の放射が可能となるので好ましい。ドープ型半導体ナノ蛍光体粒子としては、例えば以下のものがある。
発光強度が最大となるピーク波長が380nm〜500nmのドープ型半導体ナノ蛍光体粒子としては、例えば、BaMgAl10O17:Eu、BaMg2Al16O27:Eu、M5(PO4)3Cl:Eu(ただし、MはSr、Ca、Ba、Mgの中から選ばれた少なくとも1種類の元素)、M10(PO4)6Cl2:Eu(ただし、MはSr、Ca、Ba、Mgの中から選ばれた少なくとも1種類の元素)、Sr4Al14O25:Eu、(Sr,Ba)Al2Si2O8:Eu、2SrO・XP2O5・YB2O3:Eu(ただし、X+Y=1)、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al、ZnS:Ag,Cl、(ZnCd)S:Ag、(ZnCd)S:Ag,Al、(ZnCd)S:Ag,Clなどが挙げられる。
発光強度が最大となるピーク波長が500nm〜600nmのドープ型半導体ナノ蛍光体粒子としては、例えば、Sr2Si3O8・2SrCl2:Eu、Ba3MgSi2O8:Eu、SrGa2S4:Eu、Y2SiO5:Ce,Tb、LaPO4:Ce,Tb、MgAl11O19:Ce,Tb、GdMgB5O10:Ce,Tb、Zn2SiO4:Mn、Re3M5O12:Ce(ただし、ReはY、Lu、Se、La、Gd、Smの中から選ばれた少なくとも1種類の元素、MはAl、Ga、Inの中から選ばれた少なくとも1種類の元素)、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Cl、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Ag、ZnS:Cu,Au,Al、(ZnCd)S:Cu、(ZnCd)S:Cu,Cl、(ZnCd)S:Cu,Al、(ZnCd)S:Cu,Ag、(ZnCd)S:Cu,Au,Alなどが挙げられる。
発光強度が最大となるピーク波長が600nm〜800nmのドープ型半導体ナノ蛍光体粒子としては、例えば、Y2O3:Eu、Y2O2S:Eu、Y2O2S:Eu,Bi、YVO4:Eu、YVO4:Eu,Bi、Y(PV)O4:Eu、Y(PV)O4:Eu,Bi、CaS:Eu、SrS:Eu、(CaSr)S:Eu、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn、Re3M5O12:Ce,Pr(ただし、ReはY、Lu、Se、La、Gd、Smの中から選ばれた少なくとも1種類の元素、MはAl、Ga、Inの中から選ばれた少なくとも1種類の元素)などが挙げられる。
これらナノ蛍光体粒子の発光ピーク波長は、380nm〜800nmの波長域を有するものであることが好ましい。このピーク波長を有することにより、可視光の発光素子として用いることが可能である。より好ましい発光ピーク波長は390nm〜780nmである。また複数の発光ピーク波長を有するナノ蛍光体粒子を併用することにより、発光装置全体としては、各ナノ蛍光体粒子の発光ピーク波長の合成光が得られるため、白色光を発する発光素子を作製することも可能となる。白色光を得る場合の各ナノ蛍光体ナノ粒子それぞれの発光ピーク波長の含まれる波長域として、380nm〜500nm、500nm〜600nm、600nm〜800nmの3つの波長域のいずれかから選択すれば良い。
ナノ蛍光体粒子は、200nm〜500nmの波長域の光を照射することで発光しうる粒子であることが好ましい。これにより、青色発光素子や紫外発光素子との組み合わせにより白色発光素子を得ることができる。より好ましい励起光の波長範囲は、250nm〜450nm、さらに好ましい励起光の波長範囲は、300nm〜400nm、最も好ましい励起光の波長範囲は、350nm〜400nmである。
本発明で用いられるナノ蛍光体粒子は、気相法、液相法等一般的に用いられるナノ粒子の製造方法を用いて半導体の前駆体から合成して製造されるのが一般的であるが、ナノ蛍光体粒子の製造方法はこれらの方法に限定されるものではなく、公知の任意の方法を用いる事ができる。たとえば、原料水溶液を非極性有機溶媒の逆ミセル中に存在させ、結晶成長させる方法(逆ミセル法)、熱分解性の原料を高温の液体有機溶媒中で結晶成長させる方法(ホットソープ法)、噴霧乾燥法、噴霧熱分解法、CVD法、等により製造可能であり、これらの方法を用いれば得られるナノ粒子の粒子径制御が容易であること等から好ましく用いられる。
本発明で使用するナノ蛍光体粒子の未凝集状態での数平均一次粒子径は0.1nm〜100nmである。粒子径の上限値は好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下、さらに好ましくは15nm以下である。未凝集状態での数平均一次粒子径が100nmよりも大きい場合には、バルク状態の物質と同等の特性を示すため、発光効率の向上を期待するのは困難である。またより優れた分散性の観点からは、ナノ蛍光体粒子の未凝集状態での数平均一次粒子径の好ましい下限値は0.2nmであり、より好ましくは1nmである。またナノ蛍光体粒子の未凝集状態での数平均一次粒子径の変動係数(粒径分布)は、50%以下が好ましく、さらには30%以下が好ましい。ナノ蛍光体粒子の粒径分布が広すぎる、すなわち粒径の変動係数が50%を超えると、発光効率が低下したり、発光素子ごとの発光特性のばらつきが大きくなったりする事がある。
本発明における未凝集状態での数平均一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡にて撮影された写真を用いて、少なくとも100個以上の粒子の粒子径を定規により測定し、数平均により算出した数平均粒子径をいう。但し、電子顕微鏡で撮影された粒子の写真が円形でない場合には、粒子の占める面積を算出した後、同面積を有する円形に置き換えた時の円直径を用いることが出来る。
本発明で使用できるナノ蛍光体粒子の形状は特に限定はなく、任意の形状をとることが出来る。具体的には、球状、ラグビーボール状やサッカーボール状や20面体状等の球に近い立体形状、6面体状、ロッド状、針状、板状、鱗片状、破砕状、不定形状等の形状が挙げられる。さらには粒子の表面または内部に空洞部分や欠陥部分を有していても良く、表面や内部に多数の穴を有するような多孔質の粒子であっても良い。しかしながら、ナノ蛍光体粒子の製造が容易であること、樹脂中へ分散させるのが容易であること、粒子表面の処理が容易であること等から、球状、或いは、球に近い立方体状である事が好ましい。球に近い立方体状とは(粒子の表面積)/(粒子と同じ体積の球の表面積)比率が、好ましくは、3倍以下であるものをいい、さらには2倍以下、特には1.5倍以下であることが好ましい。また本発明で使用されるナノ蛍光体粒子は、単独で用いても良く、種類や形状の異なる2種以上の粒子を組み合わせて使用しても良い。さらには粒子径分布の異なる2種以上の複数種類を組み合わせて使用しても良い。
本発明で用いられるナノ蛍光体粒子は、末端にSH基を有するビニル系重合体にて表面を修飾することにより、樹脂組成物中での分散性が著しく向上するため、優れた発光効率を有する光学材料用樹脂組成物を容易に得る事ができることとなる。
末端にSH基を有するビニル系重合体にてナノ蛍光体粒子の表面を修飾する方法としては特に限定されず、任意の方法を用いる事ができる。例えば、ナノ蛍光体粒子を分散可能な溶媒に対して、末端にSH基を有するビニル系重合体を溶解させる事が可能な場合には、ナノ蛍光体粒子を溶媒に分散させた上で、末端にSH基を有するビニル系重合体を同じ溶媒に溶解し攪拌することにより、ビニル系重合体末端のSH基がナノ蛍光体粒子の表面に結合し、ナノ蛍光体粒子表面を修飾することが可能である。
ナノ蛍光体粒子が分散可能な溶媒に対して末端にSH基を有するビニル系重合体が溶解しない場合、あるいは溶解が困難な場合には、以下のような種々の操作によりナノ粒子の表面を修飾することが可能である。
例えば、アミノ基、ホスフィンオキシド基、ホスフィン基等の、比較的配位力の弱い配位子を分子内に有し、かつナノ蛍光体粒子が分散する溶媒に溶解しうる修飾剤を選定した上で、予め配位力の弱い配位子をナノ蛍光体粒子表面に結合させる。そのうえで遠心分離等の操作によりナノ粒子を単離し、改めて末端にSH基を有するビニル系重合体が溶解可能な溶媒中に分散させ、末端にSH基を有するビニル系重合体を該溶媒に溶解し、ナノ蛍光体粒子を含む液相中で接触させることにより配位子交換反応を生じさせれば、該配位力の弱い配位子をSH基に置換する事が可能である。また、ピリジン等の弱配位性化合物を大過剰量(通常溶媒として用いる)に含む液相に分散する第一工程、次いで末端にSH基を有するビニル系重合体を加える第二工程、からなる2段階工程による配位子交換が好ましい場合もある。
また、ナノ蛍光体粒子を予め分散可能な溶媒に分散させ、末端にSH基を有するビニル系重合体を別途溶解可能な溶媒に溶解しておき、両者の溶液を混合する事により、ナノ蛍光体粒子表面を修飾する事が可能な場合もある。この時ナノ蛍光体粒子を分散させた溶媒とビニル系重合体を溶解させた溶媒とが相溶しない場合には、ナノ蛍光体粒子表面の修飾が進むに従いナノ蛍光体粒子がビニル系重合体を溶解させた溶媒側に抽出されていくので、修飾が完了したかどうかの確認が容易であり好ましい。この際、テトラアルキルアンモニウム塩やテトラアルキルホスホニウム塩等の相間移動触媒を併用する方が好ましい場合もある。
さらに、液相中でナノ蛍光体粒子を生成させる際に、反応液相中へ末端にSH基を有するビニル系重合体を添加する方法も有効である。この方法によれば、ナノ蛍光体粒子の合成と同時にナノ蛍光体粒子表面の修飾を完了させる事が可能である上、ナノ蛍光体粒子の合成時にナノ蛍光体粒子同士が凝集するのを防ぐ効果も期待できるので、修飾方法として好ましい。
ナノ蛍光体粒子を末端にSH基を有するビニル系重合体で修飾する際には、均一に攪拌を行う事によって、より効率的に修飾反応を完了させる事ができる。攪拌を行う際には、超音波を照射する事により、凝集を防止しながら均一に表面修飾する事ができる。またマイクロ波を照射すれば、粒子に局所的にエネルギーを付与できるため、表面修飾の効率が著しく改善される場合がある。
末端にSH基を有するビニル系重合体とナノ蛍光体粒子との重量比率は、使用する目的、ビニル系重合体の組成や分子量、ナノ蛍光体粒子の比重、ナノ蛍光体粒子の粒径及び表面積、ナノ蛍光体粒子の表面状態、等により異なる。即ち該ビニル系重合体の分子量が比較的大きい場合には、ビニル系重合体中のSH基の数が少ないため、粒子表面全体を修飾するためには相対的に多量のビニル系重合体を用いる必要があるのに対し、該ビニル系重合体の分子量が比較的小さい場合にはビニル系重合体中のSH基の数が多いため、該ビニル系重合体の添加量は少なくても良い場合がある。またナノ蛍光体粒子の粒径が比較的小さい場合には、ナノ蛍光体粒子の粒子数が増え表面積の割合が多くなるため、粒子表面全体を修飾するためには相対的に多量のビニル系重合体を用いる必要があるのに対し、ナノ蛍光体粒子の粒径が比較的大きい場合には、該ビニル系重合体の添加量は少なくても良い場合がある。
末端にSH基を有するビニル系重合体とナノ蛍光体粒子と重量比率の一般的な目安としては、ナノ蛍光体粒子を構成する原子のうち、粒子の表面に存在する原子の数と、ビニル系重合体のSH基の数とが、ほぼ近い値となるように計算して使用すれば良い。すなわち、ナノ蛍光体粒子の粒径が小さい、粒子表面に凹凸が多い、粒子が多孔性である、など、ナノ蛍光体粒子を構成する原子のうち粒子表面に存在する原子の比率が高くなればなるほど、末端にSH基を有するビニル系重合体を多く使用するほうが分散性良好となる傾向がある。
上記のようにして得られた重合体修飾ナノ蛍光体粒子を発光素子として用いる場合には、重合体修飾ナノ蛍光体粒子を熱硬化性樹脂中に混合分散させて用いる方法が好ましい。熱硬化性樹脂と重合体修飾ナノ蛍光体粒子との混合方法には特に制限は無く、公知の任意の混合方法を用いる事ができる。
例えば、重合体修飾ナノ蛍光体粒子を樹脂が溶解可能な溶媒中に分散しておき、該溶媒に同時に熱硬化性樹脂のモノマーあるいはオリゴマーおよび硬化剤を溶解させ均一になるまで攪拌した上で、溶媒を蒸発させ硬化させる等の方法、その他一般的に知られた公知の方法により、ナノ蛍光体粒子が熱硬化性樹脂中に分散した樹脂組成物を容易に得る事ができる。このような方法を用いる際、ナノ蛍光体粒子の分散性を改善したりナノ蛍光体粒子同士の凝集を防止したりする目的で、溶液を公知の種々の装置で攪拌することも、ナノ蛍光体粒子が良好に分散した樹脂組成物を得られるので好ましい。攪拌方法としては、攪拌子や攪拌棒等の回転機器を溶媒中で回転させる方法、ビーズ等の媒体を用いて攪拌する方法、超音波等を照射して攪拌する方法、高速回転等の高剪断力を付与する事により攪拌する方法等を例示する事ができるが、これらに限定されるものではない。
重合体修飾ナノ蛍光体粒子を発光素子として用いる際に用いられる熱硬化性樹脂としては特に制限は無く、広く知られた各種熱硬化性樹脂の中から必要に応じて1種または2種以上を任意の組み合わせで選択して用いる事が可能である。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シアナート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、およびこれらの変性樹脂、等が例示されるがこれに限定されるものではない。これらのうち、透明性が高く接着性等の実用特性に優れるという観点から、透明エポキシ樹脂、分子内にケイ素を含有するケイ素系熱硬化性樹脂、透明ポリイミド樹脂、が好ましい。
透明エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂をヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物等の脂肪族酸無水物で硬化させるものが挙げられる。これらのエポキシ樹脂あるいは硬化剤はそれぞれ単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。透明ポリイミド樹脂としては、フッ素含有ポリイミド樹脂が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂の中でも、樹脂の耐候性、光透過性、耐熱性、などに優れる点から、ケイ素系熱硬化性樹脂が好ましい。ケイ素系熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ基含有シリコーン樹脂、反応性官能基を有するかご状シルセスキオキサンよりなる硬化性樹脂、などが挙げられる。
上記ケイ素系熱硬化性樹脂の中でも、(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、よりなるシリコーン系熱硬化性樹脂であることがさらに好ましい。
以下で上記シリコーン系熱硬化性樹脂おける(A)成分について説明する。
(A)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物であれば特に限定されない。上記有機化合物としては、ポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマー等の、シロキサン単位(Si−O−Si)を含む化合物以外のものが好ましく、構成元素としてC、H、N、O、S及びハロゲン以外の元素を含まない化合物がより好ましい。シロキサン単位を含む化合物の場合は、反応性などの問題がある。SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。(A)成分は、単独で用いても良いし、2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。
(A)成分の化合物は、有機重合体系の化合物と有機単量体系の化合物に分類できる。有機重合体系化合物としては特に限定されないが、例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物等が挙げられる。
有機単量体系化合物としては特に限定されないが、例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系;鎖状、環状等の脂肪族炭化水素系;複素環系の化合物;これらの混合物等が挙げられる。
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(4)
CH2=CR1− (4)
(式中R1は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。中でも原料の入手の容易さから、R1が水素原子である基が特に好ましい。
CH2=CR1− (4)
(式中R1は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。中でも原料の入手の容易さから、R1が水素原子である基が特に好ましい。
さらに、(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(5)
―R2C=CR2― (5)
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。2つのR2は同じであってもよいし異なっていてもよい。)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。中でも原料の入手の容易さから、R2がともに水素原子である基が特に好ましい。
―R2C=CR2― (5)
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。2つのR2は同じであってもよいし異なっていてもよい。)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。中でも原料の入手の容易さから、R2がともに水素原子である基が特に好ましい。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(A)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していてもよい。上記2価以上の置換基としては特に限定されないが、炭素数0〜10の置換基が好ましく、構成元素としてC、H、N、O、S及びハロゲン以外の元素を含まない置換基がより好ましい。
(A)成分の骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2,2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2,2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、などが挙げられる。
(A)成分の有機化合物としては、骨格部分と炭素−炭素二重結合を有する基とに分けて表現しがたい低分子量化合物も用いることができる。上記低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。
(A)成分としては、耐熱性をより向上し得るという観点から、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.001mol以上含有するものが好ましく、0.005mol以上含有するものがより好ましく、0.008mol以上含有するものがさらに好ましい。
(A)成分の具体的な例としては、上述のほか、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、それらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1,2比率10〜100%のもの、好ましくは1,2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、エポキシ樹脂のグリシジル基の一部あるいは全部をアリル基に置き換えたもの、
等が挙げられる。
これらの中でも、複屈折率、紫外線透過性、等の光学特性が良好であるという観点からは、(A)成分中における芳香環の成分重量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものがさらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を含まないものである。
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の個数は、1分子当たり少なくとも2個あればよいが、耐熱性をより向上し得るという観点から、2個を越えることが好ましく、3個以上であることがより好ましく、4個以上であることが特に好ましい。ただし(A)成分が種々の化合物の混合物であり、各化合物の上記炭素−炭素二重結合の個数が同定できない場合には、上記混合物全体に関して1分子あたりの上記炭素−炭素二重結合の平均個数を求め、それを、(A)成分の上記炭素−炭素二重結合の個数とする。(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子内当たり1個以下の場合は、(B)成分と反応してもグラフト構造となるのみで架橋構造とならない。
(A)成分としては、他の成分との均一な混合及び良好な作業性を得るためには、100℃以下の温度において流動性があるものが好ましい。(A)成分は、線状でも枝分かれ状でもよい。(A)成分の分子量は特に制約はないが、50〜1000の任意のものが好適に使用できる。(A)成分としては、分子量が900未満のものが好ましく、700未満のものがより好ましく、500未満のものがさらに好ましい。
(A)成分としては、入手性、反応性の点から、ビスフェノールAジアリルエーテル、2,2’−ジアリルビスフェノールA、ノボラックフェノールのアリルエーテル、ジアリルフタレート、ビニルシクロヘキセン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが好ましく、耐熱性・耐光性の点からトリアリルイソシアヌレートが特に好ましい。
次に上記シリコーン系熱硬化性樹脂おける(B)成分について説明する。
(B)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物であれば特に限定されない。例えば国際公開特許WO96/15194号公報に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状オルガノポリシロキサンが好ましい。なかでも、(A)成分との相溶性が良いという観点から、下記一般式(6)
(式中、R3は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンがより好ましい。なお、一般式(6)で表される化合物中の置換基R3は、C、H及びO以外の元素を含まない置換基が好ましく、炭化水素基がより好ましい。
(B)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状ポリオルガノシロキサンと、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を有する有機化合物から選ばれた1種以上の化合物(以降(E)成分と称する)との反応物も好ましい。この場合、反応物の(A)成分との相溶性をさらに高めるために、反応物から未反応のシロキサン類等を脱揮等により除去したものを用いることもできる。
(E)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも1個含有する有機化合物であって、前記(A)成分と同じものも使用できる。
(B)成分の(A)成分に対する相溶性が高くし得るという観点からは、(E)成分の好ましい具体例として、トリアリルイソシアヌレート、ノボラックフェノールのアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、2,2’−ジアリルビスフェノールA、ジアリルフタレート、フタル酸のビス(2−アリルオキシエチル)エステル、スチレン、α−メチルスチレン、アリル末端ポリプロピレンオキシド及びポリエチレンオキシド等が挙げられる。(E)成分の有機化合物は単独で用いてもよいし、2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。
(B)成分は単独で用いてもよいし、2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。
光学特性が良好であるという観点からより好ましい(B)成分としては、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとビニルシクロヘキセンの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジシクロペンタジエンの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテルの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2,4−トリビニルシクロヘキサンの反応物が挙げられる。特に好ましい(B)成分としては、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテルの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2,4−トリビニルシクロヘキサンの反応物等が挙げられる。
(A)成分と(B)成分の混合比率は、必要な強度を失わない限り特に限定されないが、(B)成分中のSiH基の総数(Y)の(A)成分中の炭素−炭素二重結合の総数(X)に対する比が、2.0≧Y/X≧0.9であることが好ましく、1.8≧Y/X≧1.0がより好ましい。Y/X>2.0の場合は、十分な硬化性が得られず、充分な強度が得られない場合があり、Y/X<0.9の場合は炭素−炭素二重結合が過剰となり着色の原因となり得る。
次に上記シリコーン系熱硬化性樹脂おける(C)成分について説明する。
(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4]m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号公報、米国特許第3159662号公報中に記載された白金−炭化水素複合体、ラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号公報中に記載された白金アルコラート触媒等が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号公報中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
白金化合物以外のヒドロシリル化触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。上記ヒドロシリル化触媒は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ光学材料用組成物のコストを比較的低く抑えるため、好ましい添加量の下限は、(B)成分のSiH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10-6モルであり、好ましい添加量の上限は(B)成分のSiH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10-2モルである。
本発明の光学材料用樹脂組成物において、組成物100重量%中の、ナノ蛍光体粒子の含有量の下限値は、好ましくは0.0001重量%であり、より好ましくは0.001重量%であり、さらに好ましくは0.01重量%であり、最も好ましくは0.1重量%である。配合量の上限値は、好ましくは95重量%であり、より好ましくは70重量%であり、さらに好ましくは50重量%であり、最も好ましくは20重量%である。ナノ蛍光体粒子の含有量が0.0001重量%より少ないと、十分な発光強度が得られない傾向があり、含有量が95重量%より多いと、ナノ蛍光体粒子を組成物中で分散させることが困難となる傾向がある。
本発明の光学材料用組成物には必要に応じて無機フィラーを添加してもよい。無機フィラーを添加すると、組成物の流動性の防止、材料の高強度化に効果がある。無機フィラーとしては光学特性を低下させない、微粒子状なものが好ましく、アルミナ、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカや疎水性超微粉シリカ、タルク、硫酸バリウム等を挙げることができる。なかでも光透過性に優れることから、粒径が0.1nm〜100nmのナノ粒子を用いることが好ましい。さらに好ましい粒径範囲は1nm〜50nm、最も好ましい粒径範囲は2nm〜20nmである。
フィラーを添加する方法としては、例えばアルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物等を、本発明の組成物に添加して、組成物中あるいは組成物の部分反応物中で反応させ、組成物中で無機フィラーを生成させる方法も挙げることができる。
本発明の光学材料用樹脂組成物には光学材料の特性を改善するために種々の添加剤を添加してもよい。添加剤としては例えば、特定の波長を吸収するブルーイング剤等の着色剤、光を拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、石英ガラス等の酸化ケイ素、タルク、炭酸カルシウム、メラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のような各種無機あるいは有機拡散材、ガラス、アルミノシリケート等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ボロン等の金属窒化物等の熱伝導性フィラー等を挙げることができる。光学材料特性改善のための添加剤は均一に含有させても良いし、含有量に傾斜を付けて含有させてもよい。本発明の光学素子用組成物を硬化させる方法としては、単に混合するだけで反応させることもできるし、加熱して反応させることもできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好ましい。
反応温度としては種々設定できるが、例えば30〜300℃の温度が適用でき、80〜250℃がより好ましく、100〜200℃がさらに好ましい。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやすい。
反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。
反応時間も種々設定できるが、高温短時間で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点においてので好ましい。
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。加水分解縮合により発生する揮発分を除きやすいという点においては、減圧状態で反応させることが好ましい。
硬化させて得られる光学用材料の形状も用途に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えばフィルム状、シート状、チューブ状、ロッド状、塗膜状、バルク状等の形状とすることができる。
成形する方法も従来の熱硬化性樹脂の成形方法をはじめとして種々の方法をとることができる。例えば、キャスト法、プレス法、注型法、トランスファー成形法、コーティング法、RIM法等の成形方法を適用することができる。成形型は研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用することができる。また、成形型との離型性を向上させるためポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用することができる。
成形時に必要に応じ各種処理を施すこともできる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のために組成物あるいは一部反応させた組成物を遠心、減圧等により脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する処理等を適用することもできる。
本発明の光学素子用樹脂組成物を用いて発光ダイオードをはじめとする各種発光装置を製造することができる。この場合の発光装置は、本発明の光学素子用樹脂組成物によって発光素子を被覆する方法などによって製造することができるが、この方法に限定されるものではない。上記発光素子としては特に限定されず、発光装置に用いられ得る発光素子を用いることができる。例えば、MOCVD法、HDVPE法、液相成長法といった各種方法によって、必要に応じてGaN、AlN等のバッファー層を設けた基板上に半導体材料を積層して作製したものが挙げられる。
上記基板としては特に限定されないが、例えば、サファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。これらのうち、結晶性の良好なGaNを容易に形成でき、工業的利用価値が高いという観点からは、サファイアが好ましい。
積層される上記半導体材料としては特に限定されないが、例えば、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaN、InGaAlN、SiC等が挙げられる。これらのうち、高輝度が得られるという観点からは、窒化物系化合物半導体(InxGayAlzN)が好ましい。上記半導体材料は付活剤等を含んでいてもよい。
上記発光素子の構造としては特に限定されないが、例えば、MIS接合、pn接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合やダブルへテロ構造等が挙げられる。また、単一あるいは多重量子井戸構造とすることもできる。
上記発光素子はパッシベーション層を設けていてもよいし、設けなくてもよい。上記発光素子には従来知られている方法によって電極を形成することができる。
発光素子上の電極は種々の方法でリード端子等と電気接続できる。電気接続部材としては特に限定されないが、発光素子の電極とのオーミック性機械的接続性等が良いものが好ましく、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウムやそれらの合金等を用いたボンディングワイヤー等が挙げられる。銀、カーボン等の導電性フィラーを樹脂に充填した導電性接着剤等を用いることもできる。これらのうち、作業性が良好であるという観点からは、アルミニウム線或いは金線が好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、これらに何ら限定されるものではない。ナノ蛍光体粒子の未凝集状態での数平均一次粒子径測定:ナノ蛍光体粒子の適量を分散可能な溶媒中に超音波分散させた後、コロジオン膜を貼り付けたメッシュ上に固定した状態にて透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。電子顕微鏡写真を用いて100個以上のナノ蛍光体粒子について粒径を目盛り付きの定規を用いて手計測することにより、数平均一次粒子径を測定した。
樹脂組成物中のナノ蛍光体粒子の分散状態測定:実施例に示す方法にて得られた樹脂組成物から、ウルトラミクロトーム(ライカ製ウルトラカットUCT)を用いてTEM観察用超薄切片を作成した後、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子JEM−1200EX)を用いて、倍率10万倍〜40万倍にてナノ粒子の分散状態を複数箇所で写真撮影した。得られたTEM写真を複数用いて、視野内で確認可能な独立した粒子の数を100μm2以上の範囲でカウントし、全粒子数に対して、独立して存在している粒子数の割合を算出した。
発光波長の測定:PERKIN−ELMER製蛍光光度計LS55を用い、溶媒中に分散した粒子は石英セル(12.5×12.5×45mm)中で、樹脂フィルムや樹脂シートはフィルムやシートのままで、励起光を照射したときの発光波長を測定した。
可視光透過性の測定:日精樹脂工業(株)製80t射出成形機にて50mm×50mm×2mmのサイズの試験片を成形した。この試験片を用い、日本電色工業製濁度計300Aにて、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の条件で、ASTM D1003に基づき全光線透過率を測定した。
分子量および分子量分布の測定:Waters社製ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)システムにて、クロロホルム溶媒、昭和電工(株)製ShodexK−805とK−806カラム、RI検出器を用い、ポリスチレン標準サンプルで計算される分子量を測定した。
母体結晶のみからなる非ドープ型半導体ナノ蛍光体粒子は、以下のものを用いた。
・非ドープ型ナノ蛍光体粒子1(CdSeナノ粒子1):非特許文献8に従い合成した。TEM観察によるCdSe粒子の数平均一次粒子径は5nmであった。形状は真球状粒子であった。蛍光光度計によりトルエン溶液に365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長595nm、半値幅40nmに発光した。
・非ドープ型ナノ蛍光体粒子2(CdSeナノ粒子2):M.Kawa et al., J. Nanopart. Res., 5巻, 81 (2003)に従い合成した。TEM観察によるCdSe粒子の数平均一次粒子径は4nmであった。形状は真球状粒子であった。蛍光光度計によりトルエン溶液に365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長555nm、半値幅47nmに発光した。
・非ドープ型ナノ蛍光体粒子3(CdSeナノ粒子3):非特許文献8に従い合成した。TEM観察によるCdSe粒子の数平均一次粒子径は約3nmで、形状は真球状粒子であった。蛍光光度計によりトルエン溶液に365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長519nm、半値幅48nmに発光した。
・非ドープ型ナノ蛍光体粒子4(CdSeコア/ZnSシェル複合ナノ粒子):以下の製造例1に従い製造した。
・非ドープ型ナノ蛍光体粒子1(CdSeナノ粒子1):非特許文献8に従い合成した。TEM観察によるCdSe粒子の数平均一次粒子径は5nmであった。形状は真球状粒子であった。蛍光光度計によりトルエン溶液に365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長595nm、半値幅40nmに発光した。
・非ドープ型ナノ蛍光体粒子2(CdSeナノ粒子2):M.Kawa et al., J. Nanopart. Res., 5巻, 81 (2003)に従い合成した。TEM観察によるCdSe粒子の数平均一次粒子径は4nmであった。形状は真球状粒子であった。蛍光光度計によりトルエン溶液に365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長555nm、半値幅47nmに発光した。
・非ドープ型ナノ蛍光体粒子3(CdSeナノ粒子3):非特許文献8に従い合成した。TEM観察によるCdSe粒子の数平均一次粒子径は約3nmで、形状は真球状粒子であった。蛍光光度計によりトルエン溶液に365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長519nm、半値幅48nmに発光した。
・非ドープ型ナノ蛍光体粒子4(CdSeコア/ZnSシェル複合ナノ粒子):以下の製造例1に従い製造した。
(製造例1)
乾燥アルゴンガスを満たした褐色ガラスフラスコ中に、トリオクチルホスフィンオキシド15gを入れ、130〜150℃での溶融状態で、減圧と乾燥アルゴンガスを注入する操作とを繰り返しながら約2時間攪拌し、トリオクチルホスフィンオキシドを乾燥した。これを100℃に冷却後、CdSeナノ粒子固形粉体0.094gをトリオクチルホスフィン1.5gに溶解させた溶液を加えて、CdSeナノ粒子溶液を得た。これを100℃で減圧下60分間攪拌後、温度を180℃に設定して乾燥アルゴンガスで大気圧に戻した。別途、乾燥窒素雰囲気のグローブボックス内で、ジエチル亜鉛の1N濃度n−ヘキサン溶液1.34mLと、ビス(トリメチルシリル)スルフィド0.239gとをトリオクチルホスフィン9mL中に溶解させた原料溶液を、遮光ガラス瓶中で調製した。この原料溶液を注射器により、前記のCdSe溶液中に20分間かけて滴下し、90℃に降温後60分間攪拌を継続した。室温で約24時間静置後、再び90℃で3時間加熱攪拌した。これにn−ブタノール8mLを加えて室温まで冷却することにより、透明な赤色溶液を得た。この赤色溶液の一部(8mL)を、乾燥窒素気流下、室温で無水メタノール16mL中に滴下し20分間攪拌を継続する沈殿操作により赤色不溶物を得た。この赤色不溶物を遠心分離及びデカンテーションにより分離し、精製トルエン14mLに再溶解した。この再溶解トルエン溶液から再び上記と同様の沈殿、遠心分離、デカンテーションの一連の精製操作を、さらに2度繰り返し行うことにより、ZnSシェルを有するコアシェル型CdSeナノ粒子固体粉末を得た。TEM観察による粒子の粒径は約3nm〜6nmの範囲で分散しており、数平均一次粒子径は4.5nmで、形状は真球状粒子であった。この固体粉末をトルエンに分散させると均一溶液となり、ここに468nm波長の励起光を照射すると、ピーク波長555nm、半値幅96nmに発光した。
乾燥アルゴンガスを満たした褐色ガラスフラスコ中に、トリオクチルホスフィンオキシド15gを入れ、130〜150℃での溶融状態で、減圧と乾燥アルゴンガスを注入する操作とを繰り返しながら約2時間攪拌し、トリオクチルホスフィンオキシドを乾燥した。これを100℃に冷却後、CdSeナノ粒子固形粉体0.094gをトリオクチルホスフィン1.5gに溶解させた溶液を加えて、CdSeナノ粒子溶液を得た。これを100℃で減圧下60分間攪拌後、温度を180℃に設定して乾燥アルゴンガスで大気圧に戻した。別途、乾燥窒素雰囲気のグローブボックス内で、ジエチル亜鉛の1N濃度n−ヘキサン溶液1.34mLと、ビス(トリメチルシリル)スルフィド0.239gとをトリオクチルホスフィン9mL中に溶解させた原料溶液を、遮光ガラス瓶中で調製した。この原料溶液を注射器により、前記のCdSe溶液中に20分間かけて滴下し、90℃に降温後60分間攪拌を継続した。室温で約24時間静置後、再び90℃で3時間加熱攪拌した。これにn−ブタノール8mLを加えて室温まで冷却することにより、透明な赤色溶液を得た。この赤色溶液の一部(8mL)を、乾燥窒素気流下、室温で無水メタノール16mL中に滴下し20分間攪拌を継続する沈殿操作により赤色不溶物を得た。この赤色不溶物を遠心分離及びデカンテーションにより分離し、精製トルエン14mLに再溶解した。この再溶解トルエン溶液から再び上記と同様の沈殿、遠心分離、デカンテーションの一連の精製操作を、さらに2度繰り返し行うことにより、ZnSシェルを有するコアシェル型CdSeナノ粒子固体粉末を得た。TEM観察による粒子の粒径は約3nm〜6nmの範囲で分散しており、数平均一次粒子径は4.5nmで、形状は真球状粒子であった。この固体粉末をトルエンに分散させると均一溶液となり、ここに468nm波長の励起光を照射すると、ピーク波長555nm、半値幅96nmに発光した。
母体結晶中に発光イオンを添加したドープ型半導体ナノ蛍光体粒子は、以下のものを用いた。
・ドープ型ナノ蛍光体粒子5(Y2O3:Euナノ粒子):B.Xia et al., Adv. Mater., 13巻(20), 1579 (2001)、H.Chang et al., Jpn. J. Appl. Phys., 43巻(6A), 3535 (2004)、に従い合成した。TEM観察によるY2O3:Eu粒子の数平均一次粒子径は約40nmで、形状は球状に近い粒子であった。蛍光光度計により365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長611nm、半値幅20nmに発光した。
・ドープ型ナノ蛍光体粒子6(LaPO4:Ce,Tbナノ粒子):B.Xia et al., Adv. Mater., 13巻(20), 1579 (2001)、I.W.Lenggoro et al., Mater. Lett., 50巻, 92 (2001)、に従い合成した。TEM観察によるLaPO4:Ce,Tb粒子の数平均一次粒子径は約23nmで、形状は球状に近い粒子であった。蛍光光度計により365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長543nm、半値幅21nmに発光した。
・ドープ型ナノ蛍光体粒子7(BaMgAl10O17:Eu,Mnナノ粒子):B.Xia et al., Adv. Mater., 13巻(20), 1579 (2001)、Y.C.Kang et al., Appl. Phys. A, 72巻(1), 103 (2001)、に従い合成した。TEM観察によるBaMgAl10O17:Eu,Mn粒子の数平均一次粒子径は約27nmで、形状は球状に近い粒子であった。蛍光光度計により365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長486nm、半値幅26nmに発光した。
・ドープ型ナノ蛍光体粒子5(Y2O3:Euナノ粒子):B.Xia et al., Adv. Mater., 13巻(20), 1579 (2001)、H.Chang et al., Jpn. J. Appl. Phys., 43巻(6A), 3535 (2004)、に従い合成した。TEM観察によるY2O3:Eu粒子の数平均一次粒子径は約40nmで、形状は球状に近い粒子であった。蛍光光度計により365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長611nm、半値幅20nmに発光した。
・ドープ型ナノ蛍光体粒子6(LaPO4:Ce,Tbナノ粒子):B.Xia et al., Adv. Mater., 13巻(20), 1579 (2001)、I.W.Lenggoro et al., Mater. Lett., 50巻, 92 (2001)、に従い合成した。TEM観察によるLaPO4:Ce,Tb粒子の数平均一次粒子径は約23nmで、形状は球状に近い粒子であった。蛍光光度計により365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長543nm、半値幅21nmに発光した。
・ドープ型ナノ蛍光体粒子7(BaMgAl10O17:Eu,Mnナノ粒子):B.Xia et al., Adv. Mater., 13巻(20), 1579 (2001)、Y.C.Kang et al., Appl. Phys. A, 72巻(1), 103 (2001)、に従い合成した。TEM観察によるBaMgAl10O17:Eu,Mn粒子の数平均一次粒子径は約27nmで、形状は球状に近い粒子であった。蛍光光度計により365nm波長の励起光を照射したところ、ピーク波長486nm、半値幅26nmに発光した。
末端にSH基を有するビニル系重合体は、製造例2〜3に従い製造した。
(製造例2)
末端SH基含有ポリメタクリル酸メチルの製造
還流冷却管、窒素ガス導入管、温度計、磁気撹拌子を備えた反応器に、連鎖移動剤として2-(2-フェニルプロピル)ジチオベンゾエート1.21g、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.27gを秤取した。別の容器に単量体としてメタクリル酸メチル149.9g、溶媒としてトルエン149.2gを秤取し、両方の容器をキャヌラで接続し、窒素ガスを導入しながら系内を減圧する方法により脱酸素・窒素置換を行った。メタクリル酸メチル/トルエン溶液の約1/10を、キャヌラを通して反応器へ移し、撹拌しながら70℃に加熱した。1時間後に、残りのメタクリル酸メチル/トルエン溶液をゆっくり追加した。3時間かけて追加を終了した後、さらに70℃で7時間撹拌した。反応液をメタノール2Lに注いで重合体を析出させ、さらにメタノールで洗浄後乾燥させて、片末端にチオカルボニルチオ基を有するポリメタクリル酸メチル78.2gを得た。得られた重合体をトルエン220mLに溶解し、n−ブチルアミン45.5gを加えた後室温で30時間撹拌し、次いでメタノール2Lに注いで重合体を析出させた。さらにメタノールで洗浄後乾燥させ、片末端にSH基を有するポリメタクリル酸メチル74.1gを得た。分子量は、Mw=25000、Mn=21100、Mw/Mn=1.19であった。酸素フラスコ燃焼法により測定した硫黄含有量は、アミン添加前0.25重量%に対してアミン処理後は0.14重量%であった。また全光線透過率は93%の可視光を透過する重合体であった。
末端SH基含有ポリメタクリル酸メチルの製造
還流冷却管、窒素ガス導入管、温度計、磁気撹拌子を備えた反応器に、連鎖移動剤として2-(2-フェニルプロピル)ジチオベンゾエート1.21g、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.27gを秤取した。別の容器に単量体としてメタクリル酸メチル149.9g、溶媒としてトルエン149.2gを秤取し、両方の容器をキャヌラで接続し、窒素ガスを導入しながら系内を減圧する方法により脱酸素・窒素置換を行った。メタクリル酸メチル/トルエン溶液の約1/10を、キャヌラを通して反応器へ移し、撹拌しながら70℃に加熱した。1時間後に、残りのメタクリル酸メチル/トルエン溶液をゆっくり追加した。3時間かけて追加を終了した後、さらに70℃で7時間撹拌した。反応液をメタノール2Lに注いで重合体を析出させ、さらにメタノールで洗浄後乾燥させて、片末端にチオカルボニルチオ基を有するポリメタクリル酸メチル78.2gを得た。得られた重合体をトルエン220mLに溶解し、n−ブチルアミン45.5gを加えた後室温で30時間撹拌し、次いでメタノール2Lに注いで重合体を析出させた。さらにメタノールで洗浄後乾燥させ、片末端にSH基を有するポリメタクリル酸メチル74.1gを得た。分子量は、Mw=25000、Mn=21100、Mw/Mn=1.19であった。酸素フラスコ燃焼法により測定した硫黄含有量は、アミン添加前0.25重量%に対してアミン処理後は0.14重量%であった。また全光線透過率は93%の可視光を透過する重合体であった。
(製造例3)
末端SH基含有ポリアクリル酸n−ブチルの製造
単量体としてメタクリル酸メチルのかわりにアクリル酸n−ブチルを用いた以外は製造例8とほぼ同様にして、片末端にSH基を有するポリアクリル酸n−ブチルを得た。分子量は、Mw=22000、Mn=18000、Mw/Mn=1.22であった。また全光線透過率87%の可視光を透過する重合体であった。
末端SH基含有ポリアクリル酸n−ブチルの製造
単量体としてメタクリル酸メチルのかわりにアクリル酸n−ブチルを用いた以外は製造例8とほぼ同様にして、片末端にSH基を有するポリアクリル酸n−ブチルを得た。分子量は、Mw=22000、Mn=18000、Mw/Mn=1.22であった。また全光線透過率87%の可視光を透過する重合体であった。
シリコーン系熱硬化性樹脂の部分硬化物は、製造例4に従い製造した。
(製造例4)
シリコーン系熱硬化性樹脂部分硬化物の製造
5Lのセパラブルフラスコにトルエン1.8L、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.44kgを加え、内温が104℃になるように加熱した。そこにトリアリルイソシアヌレート200g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mL、トルエン200mLの混合物を滴下した。120℃のオイルバス中で7時間加熱還流させた。1−エチニル−1−シクロヘキサノール1.7gを加えた。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。1H−NMRによりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応したもの(部分反応物Aと称す、SiH価:9.0mmol/g、アリル価:0.13mmol/g)であることがわかった。
シリコーン系熱硬化性樹脂部分硬化物の製造
5Lのセパラブルフラスコにトルエン1.8L、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.44kgを加え、内温が104℃になるように加熱した。そこにトリアリルイソシアヌレート200g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mL、トルエン200mLの混合物を滴下した。120℃のオイルバス中で7時間加熱還流させた。1−エチニル−1−シクロヘキサノール1.7gを加えた。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。1H−NMRによりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応したもの(部分反応物Aと称す、SiH価:9.0mmol/g、アリル価:0.13mmol/g)であることがわかった。
(実施例1)
非ドープ型ナノ蛍光体粒子1を2g、非ドープ型ナノ蛍光体粒子2を2g、非ドープ型ナノ蛍光体粒子3を2g、製造例2で得られた末端SH基含有ポリメタクリル酸メチルを200g、全てトルエン5.5Lに溶解し、水槽中で23℃に温調しながら攪拌しつつ、80W38kHzの超音波を水槽の温調水を介して照射した。24時間攪拌及び超音波照射を続けた後無水メタノール20Lを注入して不溶物を生じさせた。この不溶物を遠心分離にて上澄み液から分離し、室温にて約1日間真空乾燥して表面修飾CdSeナノ粒子固形粉体を得た。得られた表面修飾ナノ粒子をトルエン5.5L中に分散させ、さらに製造例2で得られた末端SH基含有ポリメタクリル酸メチル400gを添加後、水槽中で20℃に温調しながら攪拌しつつ、80W38kHzの超音波を水槽の温調水を介して照射した。24時間攪拌及び超音波照射を続けた後静置する事により、表面が重合体で修飾されたCdSeナノ蛍光体粒子のトルエン溶液を得た。
非ドープ型ナノ蛍光体粒子1を2g、非ドープ型ナノ蛍光体粒子2を2g、非ドープ型ナノ蛍光体粒子3を2g、製造例2で得られた末端SH基含有ポリメタクリル酸メチルを200g、全てトルエン5.5Lに溶解し、水槽中で23℃に温調しながら攪拌しつつ、80W38kHzの超音波を水槽の温調水を介して照射した。24時間攪拌及び超音波照射を続けた後無水メタノール20Lを注入して不溶物を生じさせた。この不溶物を遠心分離にて上澄み液から分離し、室温にて約1日間真空乾燥して表面修飾CdSeナノ粒子固形粉体を得た。得られた表面修飾ナノ粒子をトルエン5.5L中に分散させ、さらに製造例2で得られた末端SH基含有ポリメタクリル酸メチル400gを添加後、水槽中で20℃に温調しながら攪拌しつつ、80W38kHzの超音波を水槽の温調水を介して照射した。24時間攪拌及び超音波照射を続けた後静置する事により、表面が重合体で修飾されたCdSeナノ蛍光体粒子のトルエン溶液を得た。
この溶液を蒸発皿に均一塗布し1日程度かけて溶媒を蒸発乾燥する事により、非ドープ型ナノ蛍光体粒子が分散したPMMA樹脂フィルムを得た。得られたフィルムの外観は均一透明であり、平均厚みは60μmであった。得られた樹脂フィルムに365nm波長の励起光を照射すると、白色に発光した。得られた樹脂フィルムのTEM観察結果を図1に示す。
(実施例2)
非ドープ型ナノ蛍光体粒子3種類のかわりに、製造例1で得られた非ドープ型ナノ蛍光体粒子4を用いた以外は実施例1と同様にして、非ドープ型ナノ蛍光体粒子が分散したPMMA樹脂フィルムを得た。得られたフィルムの外観は均一透明であり、平均厚みは60μmであった。得られた樹脂フィルムに468nm波長の励起光を照射すると、ほぼ白色に発光した。
非ドープ型ナノ蛍光体粒子3種類のかわりに、製造例1で得られた非ドープ型ナノ蛍光体粒子4を用いた以外は実施例1と同様にして、非ドープ型ナノ蛍光体粒子が分散したPMMA樹脂フィルムを得た。得られたフィルムの外観は均一透明であり、平均厚みは60μmであった。得られた樹脂フィルムに468nm波長の励起光を照射すると、ほぼ白色に発光した。
(実施例3)
トリアリルイソシアヌレート9.9g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)70mg、製造例4で得られた部分反応物A13.9g、実施例1で得られた樹脂フィルムの粉砕物1.2g(5重量%配合)、1−エチニル−1−シクロヘキサノール70mgを23℃にて攪拌、脱泡した。これを、2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流しこみ、60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、100℃/1時間空気中で加熱を行い、無色透明のシート状硬化物を得た。得られたシートに365nm波長の励起光を照射すると、白色に発光した。
トリアリルイソシアヌレート9.9g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)70mg、製造例4で得られた部分反応物A13.9g、実施例1で得られた樹脂フィルムの粉砕物1.2g(5重量%配合)、1−エチニル−1−シクロヘキサノール70mgを23℃にて攪拌、脱泡した。これを、2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流しこみ、60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、100℃/1時間空気中で加熱を行い、無色透明のシート状硬化物を得た。得られたシートに365nm波長の励起光を照射すると、白色に発光した。
(実施例4)
末端にSH基を有するビニル系重合体として、製造例2で得られた末端SH基含有ポリメタクリル酸メチルのかわりに、製造例3で得られた末端SH基含有ポリアクリル酸n−ブチルを用いた以外は実施例1と同様にして、非ドープ型ナノ蛍光体粒子が分散したアクリル酸n−ブチル樹脂フィルムを得た。得られたフィルムの外観は均一透明であり、平均厚みは60μmであった。得られた樹脂フィルムに365nm波長の励起光を照射すると、白色に発光した。
末端にSH基を有するビニル系重合体として、製造例2で得られた末端SH基含有ポリメタクリル酸メチルのかわりに、製造例3で得られた末端SH基含有ポリアクリル酸n−ブチルを用いた以外は実施例1と同様にして、非ドープ型ナノ蛍光体粒子が分散したアクリル酸n−ブチル樹脂フィルムを得た。得られたフィルムの外観は均一透明であり、平均厚みは60μmであった。得られた樹脂フィルムに365nm波長の励起光を照射すると、白色に発光した。
(実施例5)
実施例1で得られた樹脂フィルムのかわりに実施例4で得られた樹脂フィルムの粉砕物を用いた以外は実施例3と同様にして、無色透明のシート状硬化物を得た。得られたシートに365nm波長の励起光を照射すると、白色に発光した。
実施例1で得られた樹脂フィルムのかわりに実施例4で得られた樹脂フィルムの粉砕物を用いた以外は実施例3と同様にして、無色透明のシート状硬化物を得た。得られたシートに365nm波長の励起光を照射すると、白色に発光した。
(実施例6)
非ドープ型ナノ蛍光体粒子3種類のかわりに、ドープ型ナノ蛍光体粒子5を2.0g、ドープ型ナノ蛍光体粒子6を2.0g、ドープ型ナノ蛍光体粒子7を2.0g、合計6.0g用いた以外は実施例1と同様にして、ドープ型ナノ蛍光体粒子が分散したPMMA樹脂フィルムを得た。得られたフィルムの外観は均一透明であり、平均厚みは60μmであった。得られた樹脂フィルムに365nm波長の励起光を照射すると白色に発光した。
非ドープ型ナノ蛍光体粒子3種類のかわりに、ドープ型ナノ蛍光体粒子5を2.0g、ドープ型ナノ蛍光体粒子6を2.0g、ドープ型ナノ蛍光体粒子7を2.0g、合計6.0g用いた以外は実施例1と同様にして、ドープ型ナノ蛍光体粒子が分散したPMMA樹脂フィルムを得た。得られたフィルムの外観は均一透明であり、平均厚みは60μmであった。得られた樹脂フィルムに365nm波長の励起光を照射すると白色に発光した。
(実施例7)
実施例1で得られた樹脂フィルムのかわりに実施例6で得られた樹脂フィルムの粉砕物1.2gを用いた以外は実施例3と同様にして、無色透明のシート状硬化物を得た。得られたシートに365nm波長の励起光を照射すると、白色に発光した。
実施例1で得られた樹脂フィルムのかわりに実施例6で得られた樹脂フィルムの粉砕物1.2gを用いた以外は実施例3と同様にして、無色透明のシート状硬化物を得た。得られたシートに365nm波長の励起光を照射すると、白色に発光した。
(実施例8)
実施例7で作成したシート状硬化物を適当な形状に切断し、キャンタイプ用の金属キャップに設けた光透過用窓の部分に固定する。一方で、MOCVD(有機金属気相成長)法によりサファイア基板上に形成した、SiとZnがドープされたInGaN活性層をn型とp型のAlGaNクラッド層で挟んだダブルへテロ構造の発光素子を用意する。続いて、この発光素子をキャンタイプ用の金属のステムに載置した後、p電極、n電極をそれぞれのリードにAu線でワイヤーボンディングする。これを上記のキャンタイプ用の金属キャップで気密封止する。この様にしてキャンタイプの発光ダイオードを作成することができた。
実施例7で作成したシート状硬化物を適当な形状に切断し、キャンタイプ用の金属キャップに設けた光透過用窓の部分に固定する。一方で、MOCVD(有機金属気相成長)法によりサファイア基板上に形成した、SiとZnがドープされたInGaN活性層をn型とp型のAlGaNクラッド層で挟んだダブルへテロ構造の発光素子を用意する。続いて、この発光素子をキャンタイプ用の金属のステムに載置した後、p電極、n電極をそれぞれのリードにAu線でワイヤーボンディングする。これを上記のキャンタイプ用の金属キャップで気密封止する。この様にしてキャンタイプの発光ダイオードを作成することができた。
(比較例1)
実施例1で用いた末端SH基含有ポリメタクリル酸メチルのかわりに、末端にSH基を有していない通常のPMMA樹脂(Aldrich製、Mw=120,000、全光線透過率93%)を用いた以外は実施例1と同様にして、非ドープ型ナノ蛍光体粒子を含むPMMA樹脂フィルムを得た。フィルムの外観は着色して不透明であり、可視光をほとんど透過しなかった。得られた樹脂フィルムに蛍光光度計にて365nm波長の励起光を照射してみたが、発光しなかった。
実施例1で用いた末端SH基含有ポリメタクリル酸メチルのかわりに、末端にSH基を有していない通常のPMMA樹脂(Aldrich製、Mw=120,000、全光線透過率93%)を用いた以外は実施例1と同様にして、非ドープ型ナノ蛍光体粒子を含むPMMA樹脂フィルムを得た。フィルムの外観は着色して不透明であり、可視光をほとんど透過しなかった。得られた樹脂フィルムに蛍光光度計にて365nm波長の励起光を照射してみたが、発光しなかった。
(比較例2)
非ドープ型ナノ蛍光体粒子1を2g、非ドープ型ナノ蛍光体粒子2を2g、非ドープ型ナノ蛍光体粒子3を2g、ドデカンチオール12gをトルエン5.5Lに溶解し、水槽中で23℃に温調しながら攪拌しつつ、80W38kHzの超音波を水槽の温調水を介して照射した。24時間攪拌及び超音波照射を続けた後無水メタノール20Lを注入して不溶物を生じさせた。この不溶物を遠心分離にて上澄み液から分離し、室温にて約1日間真空乾燥して表面修飾CdSeナノ粒子固形粉体を得た。得られた表面修飾ナノ粒子をトルエン5.5L中に分散させ、さらに末端にSH基を有していない通常のPMMA樹脂(Aldrich製、Mw=120,000、全光線透過率93%)588gを添加し攪拌する事により、表面修飾CdSeナノ蛍光体粒子含有PMMA樹脂のトルエン溶液を得た。
非ドープ型ナノ蛍光体粒子1を2g、非ドープ型ナノ蛍光体粒子2を2g、非ドープ型ナノ蛍光体粒子3を2g、ドデカンチオール12gをトルエン5.5Lに溶解し、水槽中で23℃に温調しながら攪拌しつつ、80W38kHzの超音波を水槽の温調水を介して照射した。24時間攪拌及び超音波照射を続けた後無水メタノール20Lを注入して不溶物を生じさせた。この不溶物を遠心分離にて上澄み液から分離し、室温にて約1日間真空乾燥して表面修飾CdSeナノ粒子固形粉体を得た。得られた表面修飾ナノ粒子をトルエン5.5L中に分散させ、さらに末端にSH基を有していない通常のPMMA樹脂(Aldrich製、Mw=120,000、全光線透過率93%)588gを添加し攪拌する事により、表面修飾CdSeナノ蛍光体粒子含有PMMA樹脂のトルエン溶液を得た。
この溶液を蒸発皿に均一塗布し1日程度かけて溶媒を蒸発乾燥する事により、非ドープ型ナノ蛍光体粒子含有PMMA樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムの外観は、粒子の凝集部分が目視で確認できるほどに粒子が凝集して不均一な外観を有しており、平均厚みは60μmであった。得られた樹脂フィルムに蛍光光度計にて365nm波長の励起光を照射しても、明確な発光ピークは観察されなかった。得られた樹脂フィルムのTEM観察結果を図2に示す。
(比較例3)
実施例6で用いたドープ型ナノ蛍光体粒子3種類のかわりに、市販の青色バルク蛍光体、緑色バルク蛍光体、赤色バルク蛍光体、の3種(いずれも化成オプトニクス(株)社製)を各2.0gずつ添加した以外は実施例6と同様にして、バルク蛍光体粒子が分散したPMMA樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムに蛍光光度計にて365nm波長の励起光を照射すると、実施例6と同様白色に発光したが、励起光を連続して照射すると徐々に発熱により温度が上昇し、1時間連続照射した後に発熱のため樹脂が溶解しはじめた。
実施例6で用いたドープ型ナノ蛍光体粒子3種類のかわりに、市販の青色バルク蛍光体、緑色バルク蛍光体、赤色バルク蛍光体、の3種(いずれも化成オプトニクス(株)社製)を各2.0gずつ添加した以外は実施例6と同様にして、バルク蛍光体粒子が分散したPMMA樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムに蛍光光度計にて365nm波長の励起光を照射すると、実施例6と同様白色に発光したが、励起光を連続して照射すると徐々に発熱により温度が上昇し、1時間連続照射した後に発熱のため樹脂が溶解しはじめた。
本発明の組成物を用いることにより、従来のバルク蛍光体よりもはるかに小さなナノ蛍光体粒子を、重合体中に凝集することなく分散させることにより、すぐれた発光効率を示しうる、光学材料用樹脂組成物を得ることができる。この組成物を用いた発光素子は、従来のものと比べて発光効率を大幅に向上させることができるので、未来の照明用素材として幅広い活用が期待でき、工業的にも非常に有用である。
Claims (14)
- 数平均一次粒子径が0.1nm〜100nmのナノ蛍光体粒子を、末端にSH基を有するビニル系重合体で修飾し、重合体中に分散させることを特徴とする、光学材料用樹脂組成物。
- 末端にSH基を有するビニル系重合体の数平均分子量が2000以上100000以下である、請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
- 末端にSH基を有するビニル系重合体の重量平均分子量と数平均分子量との比で表される分子量分布が、1.5以下である、請求項1または2記載の光学材料用樹脂組成物。
- 末端にSH基を有するビニル系重合体が、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、N−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、無水マレイン酸、マレイミド、からなる化合物より選ばれる1種以上のモノマーをラジカル重合して得られるものである、請求項1〜3の何れか1項に記載の光学材料用樹脂組成物。
- 末端にSH基を有するビニル系重合体が可視光を透過する重合体である、請求項1〜4の何れか1項に記載の光学材料用樹脂組成物。
- 末端にSH基を有するビニル系重合体が、可逆的付加脱離連鎖移動重合により重合されるポリマーを処理剤にて処理したものである、請求項1〜5の何れか1項に記載の光学材料用樹脂組成物。
- 未凝集状態でのナノ蛍光体粒子の数平均一次粒子径が1nm〜30nmである、請求項1〜6の何れか1項に記載の光学材料用樹脂組成物。
- ナノ蛍光体粒子の発光ピーク波長が380nm〜800nmの波長域であり、かつ200nm〜500nmの波長域の光を照射することで発光しうる粒子である、請求項1〜7の何れか1項に記載の光学材料用樹脂組成物。
- ナノ蛍光体粒子が、母体結晶のみからなる非ドープ型半導体ナノ蛍光体粒子である、請求項1〜8の何れか1項に記載の光学材料用樹脂組成物。
- ナノ蛍光体粒子が、母体結晶中に発光イオンを添加したドープ型半導体ナノ蛍光体粒子である、請求項1〜8の何れか1項に記載の光学材料用樹脂組成物。
- 末端にSH基を有するビニル系重合体で修飾されたナノ蛍光体粒子を、熱硬化性樹脂と混合してなる、請求項1〜10の何れか1項に記載の光学材料用樹脂組成物。
- 熱硬化性樹脂が、ケイ素系熱硬化性樹脂である、請求項11に記載の光学材料用樹脂組成物。
- ケイ素系熱硬化性樹脂が、(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、を含有してなるシリコーン系熱硬化性樹脂である、請求項11または12に記載の光学材料用樹脂組成物。
- 請求項1〜13の何れか1項に記載の光学材料用樹脂組成物を用いた発光装置。
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