JPWO2006013728A1 - 蛍光x線分析方法および蛍光x線分析装置 - Google Patents

蛍光x線分析方法および蛍光x線分析装置 Download PDF

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Abstract

試料を人の視覚等に頼って判別すること、または試料の提供先からの情報を予め得ることを要せずに、未知試料中に含まれる元素の濃度を測定する。(1)試料にX線を照射し、試料から生じる蛍光X線に基づいて、試料の種類が非金属系材料または金属系材料のいずれであるかを同定し、(2)同定した試料の種類に応じて、蛍光X線分析による測定条件を選択し、(3)選択した測定条件に従って、蛍光X線分析により、試料に含まれている1または複数の元素の濃度を測定することにより、例えば、電子・電気機器の部品中に含まれるCd,Pb,Hg等の微量元素の濃度を測定する。

Description

この発明は蛍光X線分析方法および蛍光X線分析装置に関するもので、特に、電子機器および電気機器を構成する、さまざまな組成を有する部品に混入する環境負荷物質を高速で検出するのに適した蛍光X線分析方法に関する。
近年、電子・電気機器を構成する部品内に含まれる環境負荷物質の危険性が指摘され、法律または条令により、これら環境負荷物質の含有量を制限する国および州が登場している。また、EU各国ではRoHS指令(Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment)が2006年7月より発効する予定となっている。このRoHS指令は、カドミニウム(Cd)、鉛(Pb)、水銀(Hg)、特定臭素系難燃剤(2種類)(ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE))、6価クロム(Cr(VI))を閾値を越える量で含有する部品の使用を禁止する。閾値は、Pb、Hg、PBB、PBDEおよびCr(VI)については1000ppmであり、Cdについては100ppmである。そのため、電気・電子機器製造企業においては、各部品に規制値以上の環境負荷物質が含有していないことを確認することが必要不可欠となっている。
微量の元素含有量を測定する方法の一つとして、数10ppmの感度を有し、かつ非破壊で測定可能である蛍光X線分析方法が一般的に採用されている。蛍光X線分析方法を用いて試料に含まれている元素の濃度を定量する手順は一般的によく知られており、例えば、日本国特許公開特開平8−43329号公報に一例が示されている。
蛍光X線分析方法の一般的な手順を、以下に図3を参照して説明する。図3において、まず、ステップ301でX線管の電圧および電流条件、ならびに定量分析方法等の設定と、測定時間tの設定とが行われる。それから、測定が開始される(ステップ302参照)。続いて、t時間かけて測定が行われ(ステップ303参照)、測定が終了する(ステップ304参照)。測定が終了した後、試料中に含まれる元素の濃度計算およびその計算結果の精度(標準偏差)の計算が行われて濃度と精度の結果を得る。そして、濃度と精度の結果がLCD等の表示手段で表示されるとともにプリンタ等を用いて印字出力される(ステップ306参照)。
この際、試料中に含まれる元素の濃度(即ち、含有量)を計算する方法としての定量法は、2つに大別される。1つは、予め目的元素の含有率とスペクトル形状を検量して、検量線を作成しておき、サンプルスペクトルの形状を検量線と照合して濃度を決定する方法(検量線法)である。もう1つは、すべての含有元素がスペクトルに反映されているとみなし、スペクトルから全含有成分を特定するとともにおよび各成分の含有率を算出する(即ち、試料中の全元素を定量(トータル100%)する)方法(ファンダメンタル・パラメータ法(FP法))がある。
C、H、O等の軽元素は蛍光X線発生量が小さいため、これらを多量に含有するプラスチックなどで構成された試料に含まれる上記微量元素の定量は、通常、検量線法で実施される。これに対し、鉄、亜鉛、銅および錫など中元素または重元素で構成される試料に含まれる上記微量元素の定量は、通常、FP法で実施される。
しかし、従来の分析方法は、以下に示すような問題を有する。
(1)ステップ301で行われたように、測定条件の入力を正確に行わないと正確な濃度結果が得られない。
(2)試料に含まれている元素の濃度をなるべく精度良く測定するため、必要以上に測定時間を長く設定してしまう。
上記(1)の問題は、RoHs指令に対応するべく、多種多様な部品を迅速に分析することを要する場面において、特に解決することが望まれる。一般に、測定時間の決定および定量法(検量線法またはFP法)の選択は、分析を実施する者が、試料を見て、プラスチックから成るものであるか、金属から成るものであるかを経験又は予め得ておいた情報等に基づいて判断し、この判断に基づいてなされる。未知試料の種類を経験に基づいて判断することは熟練を要し、効率的ではない。特に、試料がアルミニウムまたはマグネシウム等の軽金属から成る場合には、検量線法で上記元素を定量する必要があるところ、アルミニウム等から成る試料の外観は鉄等の重元素から成る試料と変わらないことがあり、熟練した者でも判断を誤ることがある。そのような誤判断は、不適当な測定条件で試料を測定して誤った結果をもたらし、混乱を招くとともに、再測定を要することとなるので、分析の効率を低下させる一因となる。そのような誤判断は、測定の前に予め試料に関する情報を得ておくことによって防止できる。しかし、予め情報を得てから実施する分析は、厳密な意味において未知試料分析とは言えず、結局、情報を得るために労力を要し、分析の効率を低下させる。
次に、上記(2)の問題について、一例を挙げて説明する。従来、蛍光X線分析方法を用いてプラスチック樹脂中のCd含有量(以下、Cd濃度ともいう)を測定するに際しては、前述のように測定の最初に測定時間tの設定(図3のステップ301)を実施する。このとき、精度をなるべく良くして測定するために、Cd以外の元素の存在の可能性を考慮して、例えば200秒という極めて長い測定時間tを設定する必要があった。しかし、この試料はプラスチックをベースとするため、X線管の電圧および電流を高く設定できるにもかかわらず、1試料につき200秒もの測定時間を費やすことは、RoHs指令に対応して大量の部品を分析することを要する場面においては効率を低下させる一因となる。そこで、発明者らが実験を重ねた結果、プラスチックをベースとする試料に関して、20ppm程度のCd濃度を測定する場合には、測定時間tは10秒間程度で十分であることが判明した。すなわち、プラスチック材料から成る試料のCd濃度がRoHs指令に規定する上限値以下であるかどうかの判断を正しく得るという点においては、測定時間tが10秒であっても、200秒であっても、得られる結果は同一であることがわかった。一方、鉄を主成分とする試料中のCd濃度の測定においては、主成分である鉄の蛍光X線が多量に発生するため、X線管の電圧および電流を制限する必要がある。そのため、当該試料中のCdに由来する蛍光X線のカウントを十分な精度で得るためには、十分に長い測定時間が必要である。発明者らの実験では、鉄を主成分とする試料に関して、20ppm程度のCd濃度を測定する場合には、測定時間は100秒程度とする必要があることが判明した。
本発明は、上記課題および本発明者らが得た知見に鑑みてなされたものであり、未知試料に含まれる微量元素の定量に要する測定時間を短縮すること、ならびに試料に応じて測定条件を自動的に最適化することを可能にし、それにより操作性が向上した蛍光X線分析方法を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明は、
(1)試料にX線を照射することにより、試料の種類が非金属系材料および金属系材料のいずれであるかを同定すること、
(2)同定した試料の種類に応じて、蛍光X線分析による測定条件を選択すること、および
(3)選択した測定条件に従って蛍光X線分析により、試料に含まれている1または複数の元素の濃度を測定すること
を含む、蛍光X線分析方法を提供する。本発明の分析方法は、試料にX線を照射して試料から発せられる蛍光X線スペクトルから、試料の大体の種類(即ち、非金属系材料であるか、あるいは金属系材料であるか)を判別し、この判別に基づいて、蛍光X線分析を実施することを特徴とする。したがって、この蛍光X線分析方法によれば、分析を実施する者が定量方法および測定時間を決定する作業を要することなく、未知試料に含まれる微量元素(特にCd、Pb、Hg、BrおよびCr)の含有量を測定することができる。
ここで、「非金属系材料」という用語は、その主たる成分がX線照射により蛍光X線を放出しない又は僅かに放出するものである材料を指すために用いられる。非金属系材料には、プラスチック系材料のほか、アルミニウムおよびマグネシウム等の軽元素(原子番号が15以下の元素)を主成分とする材料が含まれる。アルミニウムおよびマグネシウムは金属元素であるが、ここでは便宜的に非金属系材料と称していることに留意されたい。また、塩素または臭素(厳密にはこれらは原子番号が15以上であり、軽元素でない)を含む材料においては、塩素または臭素から蛍光X線が比較的高い強度で放出させられるが、そのような材料は他の中元素または重元素が含まれない限りにおいて、ここでは便宜的に非金属系材料に含まれることに留意されたい。
「金属系材料」という用語は、主たる成分がX線の照射により蛍光X線を多量に放出する中元素または重元素(具体的には原子番号が16以上)である材料を指すために用いられる。具体的には、鉄、亜鉛、銅および錫等を主成分とする材料は、金属系材料に含まれる。
上記(1)において、試料の種別は、X線を短時間(例えば1〜10秒程度照射することによって、判別することができる。金属系材料は、僅かな時間のX線照射によって、蛍光X線を高いスペクトル強度で放出するのに対し、非金属系材料はClまたはBrを含む場合を除いては、蛍光X線を放出しない又は僅かに放出するだけであるから、試料が非金属成材料であるか金属系材料であるかは、スペクトルのエネルギーおよび強度を解析することにより速やかに特定できる。
上記(2)において選択され得る測定条件は、非金属系材料用の条件と、金属系材料用の条件の2つのみに限定されるわけではない。上記(2)においては、試料が非金属系材料であるか、金属系材料であるかということに加えて、上記(1)において具体的に検出された元素の種類および濃度等を考慮して、種々の測定条件から測定条件を選択できることに留意されたい。測定条件は、例えば、所定のリストにアクセスして、当該リストから選択することが好ましい。
上記のように、非金属系材料の幾つかは、Clおよび/またはBrを含むことがある。そのような非金属系材料については、測定時間を長くして、Clおよび/またはBrを含まない非金属系材料について、微量元素を定量するために用いられる検量線とは別の検量線を用いて微量元素を定量することが好ましい。したがって、上記(1)の操作は、試料が非金属系であるか金属系であるかの同定に加えて、試料がClおよび/またはBrを含むものであるか否かを判定することをさらに含んでよい。具体的には、ある試料について得られた蛍光X線スペクトルにおいて、Clに由来する蛍光X線の強度が他の元素に由来する蛍光X線の強度よりも高く、Clの含有量が%オーダーであると判断できる場合に、その試料はClを含むであるという判定をすることができる。なお、Clを含有する材料について用いられる検量線は1種類に限定されるわけではなく、含有量の異なる検量線を複数個用意して、これらから適当なものを選択して使用することができ、また、Clを含有する材料についての検量線とClを含有しない材料についての検量線とから、中間的な検量線を仮想的に作成して使用することも可能である。Brについても同様である。
上記(1)の操作において、試料の同定は、試料からFe、Zn、CuおよびSnから選択される少なくとも1つの元素が検出されたときに、当該試料を金属系材料として同定する手法によって実施してよい。Fe、Zn、CuおよびSnは多量の蛍光X線を発するので、これらを含む試料から得られる蛍光X線スペクトルにおいて、Fe、Zn、CuおよびSnに由来する蛍光X線のスペクトルが高いスペクトル強度で得られることとなる。具体的には、得られた蛍光X線スペクトルにおいて、これら4つの金属元素のいずれか1つに由来する蛍光X線の強度が他の元素に由来する蛍光X線の強度よりも極めて高い場合に、その試料から当該金属元素が検出されたといえる。
本発明はまた、上記本発明の方法を実施するための蛍光X線分析装置をも提供する。本発明の蛍光X線分析装置は、
試料ステージ、X線管、検出器および演算装置を有する蛍光X線分析装置であって、当該演算装置が、
試料にX線を照射することにより試料から出た蛍光X線に基づいて、試料の種類が非金属系材料および金属系材料のいずれであるかを同定する手段、
同定した試料の種類に応じて蛍光X線分析による測定条件を選択する手段、および
選択した測定条件に従って、蛍光X線分析により、試料に含まれている1または複数の元素の濃度が測定されるように、分析装置内の各要素を制御する手段
を有している、蛍光X線分析装置である。上記演算装置は、換言すれば、X線管を制御し、かつ検出される放出された蛍光X線に対応して検出器からの情報を受け取るための演算装置であって、
(1)検出器から受け取った情報に基づいて、試料を、非金属系材料または金属系材料に分類する工程、
(2)サンプルの分類に基づいて、測定条件の所定のリストから測定条件を選択する工程、
(3)試料に含まれる少なくも1つの元素の濃度が、選択した測定条件に従って測定されるように、X線管を制御する工程、および
(4)試料に含まれる少なくとも1つの元素の濃度を測定する工程
実施するように構成された演算装置として提供してよい。
この蛍光X線分析装置によれば、試料に予備的にX線を照射して得た蛍光X線スペクトルから、試料の種類を同定すること、同定した結果に基づいて、最適な測定条件(具体的には、測定時間等のX線照射条件、および元素の定量方法)等を決定すること、および決定した測定条件に従って蛍光X線分析を実施するための制御を連続的且つ自動的に実施できる。即ち、この蛍光X線分析装置は、従来、マニュアル的に実施されていた操作を自動化するものであり、効率よく蛍光X線分析を実施することを可能にする。
本発明の蛍光X線分析方法は、予備的な蛍光X線分析を実施することにより、未知試料が非金属系材料であるか金属系材料であるかを同定することを含む。そのことは、試料に関する情報を予め入手する必要が無くなり、あるいは測定を実施する者が試料の種類を同定することを要しないという点で、その者の労力を軽減し、それにより、測定全体の効率を向上させることができる。また、本発明の蛍光X線分析方法によれば、判別結果に応じて、最適な測定条件を選択できるので、測定時間を必要以上に長くする必要がなくなり、そのことによっても測定の効率を向上させることができる。
本発明の方法の一形態を説明するためのフローチャートである。 本発明の方法の一形態を実施するための装置の概略図である 従来の方法の一例を説明するためのフローチャートである。
本発明は、試料の測定条件を測定者が予め設定することなく、測定を開始し、測定初期段階で短時間のX線照射を行い、発生した蛍光X線の検出および解析を行い、試料の大よその組成分析を実施する。それから、得られた組成を、例えば蛍光X線装置が保有するデータベースと照合し、得られた組成に基づいて当該データベースから最適な測定条件を選択して、測定を継続し、試料に含まれる1または複数の特定の元素の濃度とその精度とを表示または出力する。測定条件を選択するための分析は、予備測定とも呼べるものであり、選択した測定条件に基づいて実施される測定は、本測定または主たる測定とも呼べるものである。このように予備測定および本測定を実施する本発明の方法を、当該方法を実施するための装置とともに、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の方法の一形態を説明するフローチャート図である。図2は本発明の方法を実施するための蛍光X線分析装置の概略図である。図2において符号201は、キーボード等である入力部を示す。入力部201は、サンプル名称、評価条件、およびコントローラを制御する指示を入力するために用いられる。符号202は、評価条件を信号処理化する、ならびにスペクトルを定量化する等の演算処理を実行する演算部を示す。符号203は、X線管の印加電圧および電流を制御するコントローラを示し、符号204はX線を発光および放出するX線管を示し、符号205は発光した1次線を示し、符号206は被測定物である試料を示す。符号207は蛍光X線を示し、符号208は蛍光X線を検出する検出器を示し、符号209は検出信号を増幅する増幅器を示し、符号210は演算結果等を表示する表示装置を示す。符号211は試料の情報および演算結果等を記憶する外部記憶装置を示し、符号212は試料をセットするステージを示す。
次に、この装置を用いて、未知試料のCd濃度(XWt%:X重量パーセント)を測定する方法を説明する。まず、ステップ101で未知試料をサンプル室に設置してから、測定を開始する(ステップ102)。具体的には図2に示すように試料206をステージ212に設置し、入力部201でキー操作を行って測定を開始する。測定開始の信号をコントローラ203に送ることは、キー入力による方法に限定されず、他の方法により実施してよい。たとえば、ステージ上に試料がセットされたことを感知した時点で何らかの信号を発生させる方法、およびステージ上部に蓋を設け、蓋が閉まったことを感知するセンサーからの信号を用いる方法等、様々な方法が考えられる。
キー入力により演算部202からコントローラ203に指示を送り、コントローラ203は当該指示に従ってX線管204の電圧および電流量を制御し、X線管204から1次線205が試料206に照射されるようにする。1次線が照射された試料206からは蛍光X線207が発生し、検出器208でそのエネルギーおよび強度が検出される。検出器208で検出された蛍光X線信号は、増幅器209により増幅されて、演算部202に送られる。演算部202は演算処理を実施して、得られた蛍光X線スペクトルより、その大体の組成を分析して、試料206が非金属系材料であるか、金属系材料であるかを同定する(図1のステップ103)。
ステップ103においては、例えば、金属元素として、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)およびスズ(Sn)から選択される少なくとも1つの元素が放出する蛍光X線の強度を測定することによって、試料中に含まれるこれらの元素が含まれるか否かを判断し、その判断に基づいて、試料206が非金属系材料であるか、金属系材料であるかを同定することができる。電子・電気機器を構成する部品が金属系材料から成る場合、これらの4つの元素のいずれかが主成分であることが多いことによる。したがって、ステップ103において、金属系材料であるか否かを判断するために選択する元素は上記の4つに限定されず、他の金属元素であってもよい。いずれの場合にも、中元素または重元素が主成分として含まれる場合には、当該元素から放出される蛍光X線のスペクトル強度は、他の元素から放出される蛍光X線のスペクトル強度よりも有意に高い。
ステップ103においては、試料が非金属系材料であると判定された場合に、さらに塩素(Cl)から発せられる蛍光X線の強度を測定し、試料がClを主たる成分を構成するものとして含む(即ち、不純物としてではなく、主たる材料を構成する元素の一つとして含む)ものである否かを判定することを含む。これは、試料206において、主成分となる化合物が例えば塩化ビニルのようにClを含む場合に、Clから放出される蛍光X線の強度が大きいために、測定条件を他の非金属系材料とは異なるようにすることが望ましいからである。ステップ103においては、Clとともに又はClに代えて、臭素(Br)から発せされる蛍光X線の強度を測定してもよい。BrもClと同様、それから放出される蛍光X線の強度が大きいからである。Brからの蛍光X線の強度が大きい場合には、例えば臭素系のプラスチック樹脂についての測定条件(例えば、測定時間および検量線)を用いて、本測定を実施してよい。Clを検出することは、試料が非金属系材料であるか金属系材料であるか否かを判別するときに、同時に(即ち、一段階で)実施してよい。
ステップ103は未知試料の主成分を検出する目的で実施されるものであり、Fe、Zn、Cu、Sn、ClおよびBr等、比較的短時間のX線照射で成分選出が可能な元素を測定するため、X線の照射条件を詳細に限定する必要はない。一般的な電圧の範囲(5KVから50KV程度)で、検出器に入光する蛍光X線量から自動的に調整される電流値(数μAから1mA程度)に設定して実施してよい。測定時間(X線を照射する時間)も、主たる成分が金属であるか否かを判別するのに必要な時間に設定する。具体的には、X線205を試料206に例えば1秒から10秒程度照射すればよい。
ステップ103の分析結果に従って、試料206の測定条件を決定する。決定される測定条件は、例えば測定時間および定量法である。図示した形態においては、試料206の測定条件として、下記の3つのうちのいずれか1つが選択される。
A.プラスチック樹脂用測定条件(上記4つの金属元素が検出されなかった場合)
X線照射時間:30秒、定量法:プラスチックベース検量線
B.塩素系プラスチック樹脂ベース(上記4つの金属元素が実質的に検出されず、かつClのみ検出された場合)
X線照射時間:60秒、定量法:塩素系プラスチックベース検量線
C.金属ベース(上記4つの金属元素のうち少なくとも1つが主成分として検出された場合)
X線照射時間:100秒、定量法:FP法
ここでは、測定条件のパラメータを実時間によるX線照射時間としているが、測定条件のパラメータはこれに限定されるものではない。測定条件を決定する他のパラメータは、X線管の電圧および電流量、フィルター種、実効的な測定時間(ライブタイム)、デッドタイム等であり、これらのパラメータをX線照射時間とともに、またはそれに代えて採用することによって、さらに正確且つ高速な分析が可能となる。
測定条件の決定は、例えば、演算部202を用いて、ステップ103の結果を外部記憶装置212に記憶されているデータと照合することにより実施される。外部記憶装置212には、種々の材料について、その予備測定の結果のデータおよび最適な測定条件に関するデータが記憶されている。外部記憶装置212に記憶されているデータの数が多いほど、より最低な測定条件を選択することができる。これらのデータは、演算部202に格納されていてもよい。
続いて、決定された測定条件に基づいて、演算部202より、コントローラ203に本測定開始の指示が送信される(図1のステップ104)。コントローラ203は、X線管204の照射条件を所望のようにコントロールし、試料206に1次線205が所望の時間だけ照射されるようにする。試料206から発生した蛍光X線207は検出器208で検出され、増幅器209で増幅されてから、演算部202にて演算処理に付される。所定の測定が終了した後、試料中に含有されるCd濃度(XWt%)とその精度(誤差)の計算が演算部202にて行われる(図1のステップ105)。
測定を終了する方法として、コントローラ203を制御してX線管204から発生する1次線205の照射を中止する方法、検出器208の検出を中止する方法、および1次線205または蛍光X線207の光路にシャッターを設ける方法等があるが、これらに限定されるものではない。また、演算を継続して実施して、演算結果の表示もしくは出力を固定してもよいし、これらの動作を複数並行に実施してもよい。
ステップ105の演算結果(具体的には、Cd濃度、精度(誤差)および実際の測定時間等)は、表示装置210に表示されるとともに、プリンタおよびその他の出力装置で出力される(図1のステップ106)。
以上において説明したように、この実施の形態によれば、測定者の五感等に頼って試料の種類を判別することが必要とされず、試料の大まかな同定、最適な測定条件の選択、および微量元素の含有量の測定を連続的かつ自動的に実施できる。したがって、本発明の方法によれば、測定時間の短縮と操作性の向上を図ることができる。
ここでは、試料の同定のために、Fe,Cu,ZnおよびSnの4元素のうち1または複数の元素の検出、ならびに非金属系元素についてClの検出を予備測定において実施した。予備測定において検出する元素は、未知試料種、要求される分析精度、および分析速度に準拠して、最適なものを選択する必要があり、ここで挙げた元素に限定されない。また、測定時間のみならず、X線管の電圧および電流値の条件を変更して、より適切な測定条件で本測定を実施することが好ましい。測定時間に関しても、濃度と精度のレートから測定終了時間を決定する等の方法を採用してもよい。
結果は、表示装置210に表示すると同時に、外部記憶装置211に記録してもよい。それによりデータベースの充実化を図ることができる。外部記憶装置211には、Cd濃度、測定精度、および測定時間などの測定結果に加えて、大きさ、形状および材質等の試料の情報を記憶しておくことが好ましい。
測定終了後、試料206を取り出す必要がある。このとき、1次線205が放出された状態では、作業者の安全性が確保されないため、1次線205は測定終了後速やかに放出を停止することが望ましい。具体的にはステップ106で測定が終了し、表示装置210に結果が表示されたことを確認した際、演算部202より、コントローラ203に停止信号を送信することが好ましい。この場合、コントローラ203は、X線管204の動作を停止させる機能を有している。
なお作業者の安全を確保する方法としては、コントローラ203を制御して、X線管204から発生する1次線205の照射を中止する方法のほか、検出器208による検出を中止する方法、および1次線205の光路にシャッターを設ける方法等があるが、いずれかの方法に特に限定されるものではない。
この実施の形態においては、Cd元素の濃度を、上記A、B、Cの3つの測定条件のいずれかを採用して測定する方法を説明した。Cd元素に加えて他の元素の濃度を同時に測定してもよく、その場合には、外部記憶装置に記憶させる測定条件をさらに細分化して、より多くの測定条件から測定条件が選択されるようにしてよい。また、微量元素の濃度の測定と同時に簡単な定量分析を平行して実施し、その結果をデータとして蓄積することによって、測定条件をさらに細かく分類することが可能となり、後で別の試料を測定する際により詳細な条件を選択して設定することが可能となる。
選択条件は、例えば、塩素非含有プラスチック、塩素含有プラスチック、臭素含有プラスチック、鉄、銅、はんだ材料、Siガラス、Fガラス、Pガラス、およびゴム等に分類して、予め決めておくことができる。試料は、予備測定により、これらの材料のいずれに属するかが判断されて、判断された種類に割り当てられた測定条件に基づいて本測定される。ここで挙げた分類は例示であり、本発明を限定するものではない。
試料の情報を予め入手できる場合には、それに準拠した測定条件を入力し、予備測定の結果に基づいて決定した測定条件と合わせて実行することによって、測定の更なる高精度化および高速化を実現しうる。尤も、このような情報は必ずしも必要ではなく、そのこと(即ち、情報の無い未知試料が測定可能であること)が本発明の特徴でもあることに留意されたい。
本発明の蛍光X線分析方法は、試料を人の視覚等に頼って判別すること、または試料の提供先からの情報を予め得ることを要することなく、蛍光X線分析を予備的に実施して試料の種類を判別し、判別した試料の種類に適した測定条件を採用して微量元素の定量分析を実施することを可能にする。したがって、本発明の方法は、電子・電気機器を構成する種々多様な部品に含まれる微量元素を速やかに且つ精度良く測定して、法律等が規定する特定元素の濃度基準を満たしているかを判断するために好ましく使用される。
この発明は蛍光X線分析方法および蛍光X線分析装置に関するもので、特に、電子機器および電気機器を構成する、さまざまな組成を有する部品に混入する環境負荷物質を高速で検出するのに適した蛍光X線分析方法に関する。
近年、電子・電気機器を構成する部品内に含まれる環境負荷物質の危険性が指摘され、法律または条令により、これら環境負荷物質の含有量を制限する国および州が登場している。また、EU各国ではRoHS指令(Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment)が2006年7月より発効する予定となっている。このRoHS指令は、カドミニウム(Cd)、鉛(Pb)、水銀(Hg)、特定臭素系難燃剤(2種類)(ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE))、6価クロム(Cr(VI))を閾値を越える量で含有する部品の使用を禁止する。閾値は、Pb、Hg、PBB、PBDEおよびCr(VI)については1000ppmであり、Cdについては100ppmである。そのため、電気・電子機器製造企業においては、各部品に規制値以上の環境負荷物質が含有していないことを確認することが必要不可欠となっている。
微量の元素含有量を測定する方法の一つとして、数10ppmの感度を有し、かつ非破壊で測定可能である蛍光X線分析方法が一般的に採用されている。蛍光X線分析方法を用いて試料に含まれている元素の濃度を定量する手順は一般的によく知られており、例えば、日本国特許公開特開平8−43329号公報に一例が示されている。
特開平8−43329号公報
蛍光X線分析方法の一般的な手順を、以下に図3を参照して説明する。図3において、まず、ステップ301でX線管の電圧および電流条件、ならびに定量分析方法等の設定と、測定時間tの設定とが行われる。それから、測定が開始される(ステップ302参照)。続いて、t時間かけて測定が行われ(ステップ303参照)、測定が終了する(ステップ304参照)。測定が終了した後、試料中に含まれる元素の濃度計算およびその計算結果の精度(標準偏差)の計算が行われて濃度と精度の結果を得る。そして、濃度と精度の結果がLCD等の表示手段で表示されるとともにプリンタ等を用いて印字出力される(ステップ306参照)。
この際、試料中に含まれる元素の濃度(即ち、含有量)を計算する方法としての定量法は、2つに大別される。1つは、予め目的元素の含有率とスペクトル形状を検量して、検量線を作成しておき、サンプルスペクトルの形状を検量線と照合して濃度を決定する方法(検量線法)である。もう1つは、すべての含有元素がスペクトルに反映されているとみなし、スペクトルから全含有成分を特定するとともにおよび各成分の含有率を算出する(即ち、試料中の全元素を定量(トータル100%)する)方法(ファンダメンタル・パラメータ法(FP法))がある。
C、H、O等の軽元素は蛍光X線発生量が小さいため、これらを多量に含有するプラスチックなどで構成された試料に含まれる上記微量元素の定量は、通常、検量線法で実施される。これに対し、鉄、亜鉛、銅および錫など中元素または重元素で構成される試料に含まれる上記微量元素の定量は、通常、FP法で実施される。
しかし、従来の分析方法は、以下に示すような問題を有する。
(1)ステップ301で行われたように、測定条件の入力を正確に行わないと正確な濃度結果が得られない。
(2)試料に含まれている元素の濃度をなるべく精度良く測定するため、必要以上に測定時間を長く設定してしまう。
上記(1)の問題は、RoHs指令に対応するべく、多種多様な部品を迅速に分析することを要する場面において、特に解決することが望まれる。一般に、測定時間の決定および定量法(検量線法またはFP法)の選択は、分析を実施する者が、試料を見て、プラスチックから成るものであるか、金属から成るものであるかを経験又は予め得ておいた情報等に基づいて判断し、この判断に基づいてなされる。未知試料の種類を経験に基づいて判断することは熟練を要し、効率的ではない。特に、試料がアルミニウムまたはマグネシウム等の軽金属から成る場合には、検量線法で上記元素を定量する必要があるところ、アルミニウム等から成る試料の外観は鉄等の重元素から成る試料と変わらないことがあり、熟練した者でも判断を誤ることがある。そのような誤判断は、不適当な測定条件で試料を測定して誤った結果をもたらし、混乱を招くとともに、再測定を要することとなるので、分析の効率を低下させる一因となる。そのような誤判断は、測定の前に予め試料に関する情報を得ておくことによって防止できる。しかし、予め情報を得てから実施する分析は、厳密な意味において未知試料分析とは言えず、結局、情報を得るために労力を要し、分析の効率を低下させる。
次に、上記(2)の問題について、一例を挙げて説明する。従来、蛍光X線分析方法を用いてプラスチック樹脂中のCd含有量(以下、Cd濃度ともいう)を測定するに際しては、前述のように測定の最初に測定時間tの設定(図3のステップ301)を実施する。このとき、精度をなるべく良くして測定するために、Cd以外の元素の存在の可能性を考慮して、例えば200秒という極めて長い測定時間tを設定する必要があった。しかし、この試料はプラスチックをベースとするため、X線管の電圧および電流を高く設定できるにもかかわらず、1試料につき200秒もの測定時間を費やすことは、RoHs指令に対応して大量の部品を分析することを要する場面においては効率を低下させる一因となる。そこで、発明者らが実験を重ねた結果、プラスチックをベースとする試料に関して、20ppm程度のCd濃度を測定する場合には、測定時間tは10秒間程度で十分であることが判明した。すなわち、プラスチック材料から成る試料のCd濃度がRoHs指令に規定する上限値以下であるかどうかの判断を正しく得るという点においては、測定時間tが10秒であっても、200秒であっても、得られる結果は同一であることがわかった。一方、鉄を主成分とする試料中のCd濃度の測定においては、主成分である鉄の蛍光X線が多量に発生するため、X線管の電圧および電流を制限する必要がある。そのため、当該試料中のCdに由来する蛍光X線のカウントを十分な精度で得るためには、十分に長い測定時間が必要である。発明者らの実験では、鉄を主成分とする試料に関して、20ppm程度のCd濃度を測定する場合には、測定時間は100秒程度とする必要があることが判明した。
本発明は、上記課題および本発明者らが得た知見に鑑みてなされたものであり、未知試料に含まれる微量元素の定量に要する測定時間を短縮すること、ならびに試料に応じて測定条件を自動的に最適化することを可能にし、それにより操作性が向上した蛍光X線分析方法を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明は、
(1)試料にX線を照射することにより、試料の種類が非金属系材料および金属系材料のいずれであるかを同定すること、
(2)同定した試料の種類に応じて、蛍光X線分析による測定条件を選択すること、および
(3)選択した測定条件に従って蛍光X線分析により、試料に含まれている1または複数の元素の濃度を測定すること
を含む、蛍光X線分析方法を提供する。本発明の分析方法は、試料にX線を照射して試料から発せられる蛍光X線スペクトルから、試料の大体の種類(即ち、非金属系材料であるか、あるいは金属系材料であるか)を判別し、この判別に基づいて、蛍光X線分析を実施することを特徴とする。したがって、この蛍光X線分析方法によれば、分析を実施する者が定量方法および測定時間を決定する作業を要することなく、未知試料に含まれる微量元素(特にCd、Pb、Hg、BrおよびCr)の含有量を測定することができる。
ここで、「非金属系材料」という用語は、その主たる成分がX線照射により蛍光X線を放出しない又は僅かに放出するものである材料を指すために用いられる。非金属系材料には、プラスチック系材料のほか、アルミニウムおよびマグネシウム等の軽元素(原子番号が15以下の元素)を主成分とする材料が含まれる。アルミニウムおよびマグネシウムは金属元素であるが、ここでは便宜的に非金属系材料と称していることに留意されたい。また、塩素または臭素(厳密にはこれらは原子番号が15以上であり、軽元素でない)を含む材料においては、塩素または臭素から蛍光X線が比較的高い強度で放出させられるが、そのような材料は他の中元素または重元素が含まれない限りにおいて、ここでは便宜的に非金属系材料に含まれることに留意されたい。
「金属系材料」という用語は、主たる成分がX線の照射により蛍光X線を多量に放出する中元素または重元素(具体的には原子番号が16以上)である材料を指すために用いられる。具体的には、鉄、亜鉛、銅および錫等を主成分とする材料は、金属系材料に含まれる。
上記(1)において、試料の種別は、X線を短時間(例えば1〜10秒程度照射することによって、判別することができる。金属系材料は、僅かな時間のX線照射によって、蛍光X線を高いスペクトル強度で放出するのに対し、非金属系材料はClまたはBrを含む場合を除いては、蛍光X線を放出しない又は僅かに放出するだけであるから、試料が非金属成材料であるか金属系材料であるかは、スペクトルのエネルギーおよび強度を解析することにより速やかに特定できる。
上記(2)において選択され得る測定条件は、非金属系材料用の条件と、金属系材料用の条件の2つのみに限定されるわけではない。上記(2)においては、試料が非金属系材料であるか、金属系材料であるかということに加えて、上記(1)において具体的に検出された元素の種類および濃度等を考慮して、種々の測定条件から測定条件を選択できることに留意されたい。測定条件は、例えば、所定のリストにアクセスして、当該リストから選択することが好ましい。
上記のように、非金属系材料の幾つかは、Clおよび/またはBrを含むことがある。そのような非金属系材料については、測定時間を長くして、Clおよび/またはBrを含まない非金属系材料について、微量元素を定量するために用いられる検量線とは別の検量線を用いて微量元素を定量することが好ましい。したがって、上記(1)の操作は、試料が非金属系であるか金属系であるかの同定に加えて、試料がClおよび/またはBrを含むものであるか否かを判定することをさらに含んでよい。具体的には、ある試料について得られた蛍光X線スペクトルにおいて、Clに由来する蛍光X線の強度が他の元素に由来する蛍光X線の強度よりも高く、Clの含有量が%オーダーであると判断できる場合に、その試料はClを含むであるという判定をすることができる。なお、Clを含有する材料について用いられる検量線は1種類に限定されるわけではなく、含有量の異なる検量線を複数個用意して、これらから適当なものを選択して使用することができ、また、Clを含有する材料についての検量線とClを含有しない材料についての検量線とから、中間的な検量線を仮想的に作成して使用することも可能である。Brについても同様である。
上記(1)の操作において、試料の同定は、試料からFe、Zn、CuおよびSnから選択される少なくとも1つの元素が検出されたときに、当該試料を金属系材料として同定する手法によって実施してよい。Fe、Zn、CuおよびSnは多量の蛍光X線を発するので、これらを含む試料から得られる蛍光X線スペクトルにおいて、Fe、Zn、CuおよびSnに由来する蛍光X線のスペクトルが高いスペクトル強度で得られることとなる。具体的には、得られた蛍光X線スペクトルにおいて、これら4つの金属元素のいずれか1つに由来する蛍光X線の強度が他の元素に由来する蛍光X線の強度よりも極めて高い場合に、その試料から当該金属元素が検出されたといえる。
本発明はまた、上記本発明の方法を実施するための蛍光X線分析装置をも提供する。本発明の蛍光X線分析装置は、
試料ステージ、X線管、検出器および演算装置を有する蛍光X線分析装置であって、当該演算装置が、
試料にX線を照射することにより試料から出た蛍光X線に基づいて、試料の種類が非金属系材料および金属系材料のいずれであるかを同定する手段、
同定した試料の種類に応じて蛍光X線分析による測定条件を選択する手段、および
選択した測定条件に従って、蛍光X線分析により、試料に含まれている1または複数の元素の濃度が測定されるように、分析装置内の各要素を制御する手段
を有している、蛍光X線分析装置である。上記演算装置は、換言すれば、X線管を制御し、かつ検出される放出された蛍光X線に対応して検出器からの情報を受け取るための演算装置であって、
(1)検出器から受け取った情報に基づいて、試料を、非金属系材料または金属系材料に分類する工程、
(2)サンプルの分類に基づいて、測定条件の所定のリストから測定条件を選択する工程、
(3)試料に含まれる少なくも1つの元素の濃度が、選択した測定条件に従って測定されるように、X線管を制御する工程、および
(4)試料に含まれる少なくとも1つの元素の濃度を測定する工程
実施するように構成された演算装置として提供してよい。
この蛍光X線分析装置によれば、試料に予備的にX線を照射して得た蛍光X線スペクトルから、試料の種類を同定すること、同定した結果に基づいて、最適な測定条件(具体的には、測定時間等のX線照射条件、および元素の定量方法)等を決定すること、および決定した測定条件に従って蛍光X線分析を実施するための制御を連続的且つ自動的に実施できる。即ち、この蛍光X線分析装置は、従来、マニュアル的に実施されていた操作を自動化するものであり、効率よく蛍光X線分析を実施することを可能にする。
本発明の蛍光X線分析方法は、予備的な蛍光X線分析を実施することにより、未知試料が非金属系材料であるか金属系材料であるかを同定することを含む。そのことは、試料に関する情報を予め入手する必要が無くなり、あるいは測定を実施する者が試料の種類を同定することを要しないという点で、その者の労力を軽減し、それにより、測定全体の効率を向上させることができる。また、本発明の蛍光X線分析方法によれば、判別結果に応じて、最適な測定条件を選択できるので、測定時間を必要以上に長くする必要がなくなり、そのことによっても測定の効率を向上させることができる。
発明を実施するための形態
本発明は、試料の測定条件を測定者が予め設定することなく、測定を開始し、測定初期段階で短時間のX線照射を行い、発生した蛍光X線の検出および解析を行い、試料の大よその組成分析を実施する。それから、得られた組成を、例えば蛍光X線装置が保有するデータベースと照合し、得られた組成に基づいて当該データベースから最適な測定条件を選択して、測定を継続し、試料に含まれる1または複数の特定の元素の濃度とその精度とを表示または出力する。測定条件を選択するための分析は、予備測定とも呼べるものであり、選択した測定条件に基づいて実施される測定は、本測定または主たる測定とも呼べるものである。このように予備測定および本測定を実施する本発明の方法を、当該方法を実施するための装置とともに、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の方法の一形態を説明するフローチャート図である。図2は本発明の方法を実施するための蛍光X線分析装置の概略図である。図2において符号201は、キーボード等である入力部を示す。入力部201は、サンプル名称、評価条件、およびコントローラを制御する指示を入力するために用いられる。符号202は、評価条件を信号処理化する、ならびにスペクトルを定量化する等の演算処理を実行する演算部を示す。符号203は、X線管の印加電圧および電流を制御するコントローラを示し、符号204はX線を発光および放出するX線管を示し、符号205は発光した1次線を示し、符号206は被測定物である試料を示す。符号207は蛍光X線を示し、符号208は蛍光X線を検出する検出器を示し、符号209は検出信号を増幅する増幅器を示し、符号210は演算結果等を表示する表示装置を示す。符号211は試料の情報および演算結果等を記憶する外部記憶装置を示し、符号212は試料をセットするステージを示す。
次に、この装置を用いて、未知試料のCd濃度(XWt%:X重量パーセント)を測定する方法を説明する。まず、ステップ101で未知試料をサンプル室に設置してから、測定を開始する(ステップ102)。具体的には図2に示すように試料206をステージ212に設置し、入力部201でキー操作を行って測定を開始する。測定開始の信号をコントローラ203に送ることは、キー入力による方法に限定されず、他の方法により実施してよい。たとえば、ステージ上に試料がセットされたことを感知した時点で何らかの信号を発生させる方法、およびステージ上部に蓋を設け、蓋が閉まったことを感知するセンサーからの信号を用いる方法等、様々な方法が考えられる。
キー入力により演算部202からコントローラ203に指示を送り、コントローラ203は当該指示に従ってX線管204の電圧および電流量を制御し、X線管204から1次線205が試料206に照射されるようにする。1次線が照射された試料206からは蛍光X線207が発生し、検出器208でそのエネルギーおよび強度が検出される。検出器208で検出された蛍光X線信号は、増幅器209により増幅されて、演算部202に送られる。演算部202は演算処理を実施して、得られた蛍光X線スペクトルより、その大体の組成を分析して、試料206が非金属系材料であるか、金属系材料であるかを同定する(図1のステップ103)。
ステップ103においては、例えば、金属元素として、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)およびスズ(Sn)から選択される少なくとも1つの元素が放出する蛍光X線の強度を測定することによって、試料中に含まれるこれらの元素が含まれるか否かを判断し、その判断に基づいて、試料206が非金属系材料であるか、金属系材料であるかを同定することができる。電子・電気機器を構成する部品が金属系材料から成る場合、これらの4つの元素のいずれかが主成分であることが多いことによる。したがって、ステップ103において、金属系材料であるか否かを判断するために選択する元素は上記の4つに限定されず、他の金属元素であってもよい。いずれの場合にも、中元素または重元素が主成分として含まれる場合には、当該元素から放出される蛍光X線のスペクトル強度は、他の元素から放出される蛍光X線のスペクトル強度よりも有意に高い。
ステップ103においては、試料が非金属系材料であると判定された場合に、さらに塩素(Cl)から発せられる蛍光X線の強度を測定し、試料がClを主たる成分を構成するものとして含む(即ち、不純物としてではなく、主たる材料を構成する元素の一つとして含む)ものである否かを判定することを含む。これは、試料206において、主成分となる化合物が例えば塩化ビニルのようにClを含む場合に、Clから放出される蛍光X線の強度が大きいために、測定条件を他の非金属系材料とは異なるようにすることが望ましいからである。ステップ103においては、Clとともに又はClに代えて、臭素(Br)から発せされる蛍光X線の強度を測定してもよい。BrもClと同様、それから放出される蛍光X線の強度が大きいからである。Brからの蛍光X線の強度が大きい場合には、例えば臭素系のプラスチック樹脂についての測定条件(例えば、測定時間および検量線)を用いて、本測定を実施してよい。Clを検出することは、試料が非金属系材料であるか金属系材料であるか否かを判別するときに、同時に(即ち、一段階で)実施してよい。
ステップ103は未知試料の主成分を検出する目的で実施されるものであり、Fe、Zn、Cu、Sn、ClおよびBr等、比較的短時間のX線照射で成分選出が可能な元素を測定するため、X線の照射条件を詳細に限定する必要はない。一般的な電圧の範囲(5KVから50KV程度)で、検出器に入光する蛍光X線量から自動的に調整される電流値(数μAから1mA程度)に設定して実施してよい。測定時間(X線を照射する時間)も、主たる成分が金属であるか否かを判別するのに必要な時間に設定する。具体的には、X線205を試料206に例えば1秒から10秒程度照射すればよい。
ステップ103の分析結果に従って、試料206の測定条件を決定する。決定される測定条件は、例えば測定時間および定量法である。図示した形態においては、試料206の測定条件として、下記の3つのうちのいずれか1つが選択される。
A.プラスチック樹脂用測定条件(上記4つの金属元素が検出されなかった場合)
X線照射時間:30秒、定量法:プラスチックベース検量線
B.塩素系プラスチック樹脂ベース(上記4つの金属元素が実質的に検出されず、かつClのみ検出された場合)
X線照射時間:60秒、定量法:塩素系プラスチックベース検量線
C.金属ベース(上記4つの金属元素のうち少なくとも1つが主成分として検出された場合)
X線照射時間:100秒、定量法:FP法
ここでは、測定条件のパラメータを実時間によるX線照射時間としているが、測定条件のパラメータはこれに限定されるものではない。測定条件を決定する他のパラメータは、X線管の電圧および電流量、フィルター種、実効的な測定時間(ライブタイム)、デッドタイム等であり、これらのパラメータをX線照射時間とともに、またはそれに代えて採用することによって、さらに正確且つ高速な分析が可能となる。
測定条件の決定は、例えば、演算部202を用いて、ステップ103の結果を外部記憶装置212に記憶されているデータと照合することにより実施される。外部記憶装置212には、種々の材料について、その予備測定の結果のデータおよび最適な測定条件に関するデータが記憶されている。外部記憶装置212に記憶されているデータの数が多いほど、より最低な測定条件を選択することができる。これらのデータは、演算部202に格納されていてもよい。
続いて、決定された測定条件に基づいて、演算部202より、コントローラ203に本測定開始の指示が送信される(図1のステップ104)。コントローラ203は、X線管204の照射条件を所望のようにコントロールし、試料206に1次線205が所望の時間だけ照射されるようにする。試料206から発生した蛍光X線207は検出器208で検出され、増幅器209で増幅されてから、演算部202にて演算処理に付される。所定の測定が終了した後、試料中に含有されるCd濃度(XWt%)とその精度(誤差)の計算が演算部202にて行われる(図1のステップ105)。
測定を終了する方法として、コントローラ203を制御してX線管204から発生する1次線205の照射を中止する方法、検出器208の検出を中止する方法、および1次線205または蛍光X線207の光路にシャッターを設ける方法等があるが、これらに限定されるものではない。また、演算を継続して実施して、演算結果の表示もしくは出力を固定してもよいし、これらの動作を複数並行に実施してもよい。
ステップ105の演算結果(具体的には、Cd濃度、精度(誤差)および実際の測定時間等)は、表示装置210に表示されるとともに、プリンタおよびその他の出力装置で出力される(図1のステップ106)。
以上において説明したように、この実施の形態によれば、測定者の五感等に頼って試料の種類を判別することが必要とされず、試料の大まかな同定、最適な測定条件の選択、および微量元素の含有量の測定を連続的かつ自動的に実施できる。したがって、本発明の方法によれば、測定時間の短縮と操作性の向上を図ることができる。
ここでは、試料の同定のために、Fe,Cu,ZnおよびSnの4元素のうち1または複数の元素の検出、ならびに非金属系元素についてClの検出を予備測定において実施した。予備測定において検出する元素は、未知試料種、要求される分析精度、および分析速度に準拠して、最適なものを選択する必要があり、ここで挙げた元素に限定されない。また、測定時間のみならず、X線管の電圧および電流値の条件を変更して、より適切な測定条件で本測定を実施することが好ましい。測定時間に関しても、濃度と精度のレートから測定終了時間を決定する等の方法を採用してもよい。
結果は、表示装置210に表示すると同時に、外部記憶装置211に記録してもよい。それによりデータベースの充実化を図ることができる。外部記憶装置211には、Cd濃度、測定精度、および測定時間などの測定結果に加えて、大きさ、形状および材質等の試料の情報を記憶しておくことが好ましい。
測定終了後、試料206を取り出す必要がある。このとき、1次線205が放出された状態では、作業者の安全性が確保されないため、1次線205は測定終了後速やかに放出を停止することが望ましい。具体的にはステップ106で測定が終了し、表示装置210に結果が表示されたことを確認した際、演算部202より、コントローラ203に停止信号を送信することが好ましい。この場合、コントローラ203は、X線管204の動作を停止させる機能を有している。
なお作業者の安全を確保する方法としては、コントローラ203を制御して、X線管204から発生する1次線205の照射を中止する方法のほか、検出器208による検出を中止する方法、および1次線205の光路にシャッターを設ける方法等があるが、いずれかの方法に特に限定されるものではない。
この実施の形態においては、Cd元素の濃度を、上記A、B、Cの3つの測定条件のいずれかを採用して測定する方法を説明した。Cd元素に加えて他の元素の濃度を同時に測定してもよく、その場合には、外部記憶装置に記憶させる測定条件をさらに細分化して、より多くの測定条件から測定条件が選択されるようにしてよい。また、微量元素の濃度の測定と同時に簡単な定量分析を平行して実施し、その結果をデータとして蓄積することによって、測定条件をさらに細かく分類することが可能となり、後で別の試料を測定する際により詳細な条件を選択して設定することが可能となる。
選択条件は、例えば、塩素非含有プラスチック、塩素含有プラスチック、臭素含有プラスチック、鉄、銅、はんだ材料、Siガラス、Fガラス、Pガラス、およびゴム等に分類して、予め決めておくことができる。試料は、予備測定により、これらの材料のいずれに属するかが判断されて、判断された種類に割り当てられた測定条件に基づいて本測定される。ここで挙げた分類は例示であり、本発明を限定するものではない。
試料の情報を予め入手できる場合には、それに準拠した測定条件を入力し、予備測定の結果に基づいて決定した測定条件と合わせて実行することによって、測定の更なる高精度化および高速化を実現しうる。尤も、このような情報は必ずしも必要ではなく、そのこと(即ち、情報の無い未知試料が測定可能であること)が本発明の特徴でもあることに留意されたい。
本発明の蛍光X線分析方法は、試料を人の視覚等に頼って判別すること、または試料の提供先からの情報を予め得ることを要することなく、蛍光X線分析を予備的に実施して試料の種類を判別し、判別した試料の種類に適した測定条件を採用して微量元素の定量分析を実施することを可能にする。したがって、本発明の方法は、電子・電気機器を構成する種々多様な部品に含まれる微量元素を速やかに且つ精度良く測定して、法律等が規定する特定元素の濃度基準を満たしているかを判断するために好ましく使用される。
本発明の方法の一形態を説明するためのフローチャートである。 本発明の方法の一形態を実施するための装置の概略図である。 従来の方法の一例を説明するためのフローチャートである。

Claims (9)

  1. (1)試料にX線を照射する工程、
    (2)試料を、非金属系材料または金属系材料に分類する工程、
    (3)蛍光X線分析のための測定条件の所定のリストにアクセスする工程、
    (4)サンプルの分類に基づいて当該所定のリストから測定条件を選択する工程、
    (5)選択した測定条件に従って、試料へのX線照射を制御すること、および
    (6)選択した測定条件に従ってX線を照射して、試料に含まれる少なくとも1つの元素の濃度を測定する工程
    を含む、蛍光X線分析方法。
  2. 前記(1)において、試料がClおよびBrのいずれか1つを含んでいるか否かを検出する工程をさらに含む、請求項1に記載の蛍光X線分析方法。
  3. 前記検工程を、前記工程(1)と同時に実施する、請求項2に記載の蛍光X線分析方法。
  4. Fe、Zn、CuおよびSnから成る群から選択される少なくとも1つの元素が検出されたときに、試料を金属系材料として分類する、請求項1に記載の蛍光X線分析方法。
  5. 工程(1)の後に試料の主たる成分が実質的に蛍光X線を放出しないときに、試料を非金属系材料として分類する、請求項1に記載の蛍光X線分析方法。
  6. 請求項5の試料に関して得られる量よりも多くの量の蛍光X線を放出したときに、試料を金属系材料として分類する、請求項5に記載の蛍光X線分析方法。
  7. 原子番号が少なくとも16である元素を試料が含む場合に、試料を金属系材料として分類する、請求項1に記載の蛍光X線分析方法。
  8. 試料を保持する試料ステージ、
    試料ステージに対して位置決めされている、X線を照射するためのX線管、
    試料ステージに対して位置決めされている、放出される蛍光X線を検出するための検出器、
    X線管を制御し、かつ検出される放出された蛍光X線に対応して検出器からの情報を受け取るための演算装置であって、
    (1)検出器から受け取った情報に基づいて、試料を、非金属系材料または金属系材料に分類する工程、
    (2)サンプルの分類に基づいて、測定条件の所定のリストから測定条件を選択する工程、
    (3)試料に含まれる少なくも1つの元素の濃度が、選択した測定条件に従って測定されるように、X線管を制御する工程、および
    (4)試料に含まれる少なくとも1つの元素の濃度を測定する工程
    実施するように構成された操作機器
    を含む、蛍光X線分析装置。
  9. 前記所定のリストを保存するためのメモリをさらに含む、請求項8に記載の蛍光X線分析装置。
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