JPWO2006006587A1 - ガス検知方法およびガスセンサ - Google Patents

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Abstract

本発明は、被検知ガスの吸着量に対するガス感応性薄膜の電気特性の変化量を利用したガス検知方法及びガスセンサを提供する。
水晶振動子10上にサンドイッチ電極またはギャップ電極としての特性検出用電極5,6を有するガス感応性薄膜7を配置し、水晶振動子10の発振周波数変化とガス感応性薄膜7の電気特性とを同時に測定することにより、被検知ガス吸着量に対するガス感応性薄膜7の電気特性変化の観測を行う。一体型の素子であるので確実に吸着質量と電気特性の変化の双方をモニターすることができる。

Description

本発明は、水晶振動子を用いたガス検知方法およびガスセンサに関するものである。
従来のガスセンサとして、特許文献1に開示されるように、被測定ガスの吸着に伴うガス感応性薄膜(特許文献1では酸化物で構成される)の抵抗率変化、起電力発生、静電容量などの電気特性の変化を利用したガスセンサが知られている。
また、特許文献2に開示されるように、ガス感応性膜に吸着したNO2ガスに応じて水晶振動子の発振周波数の低下またはガス感応性膜の抵抗率減少を利用することで、微量なNO2ガスを検出することができるセンサも知られている。
また、特許文献3に開示されるように、ガス感応性膜に吸着した水素ガスに応じてガス感応性膜の光吸収変化を利用することで、微量な水素ガスを検出することができるセンサも知られている。
その他にも、検知対象のガスを吸着する有機半導体を表面にコートした水晶振動子微量天秤またはSAWデバイスを用いた質量検出形のガスセンサが提案されている。
また有機半導体を用いた電気特性検知形のガスセンサが提案されている。このガスセンサでは、ギャップ電極形(特許文献2参照)だけではなく、サンドイッチ形(非特許文献1参照)、薄膜トランジスタの形状(非特許文献2参照)も報告されている。
これら質量測定および電気特性測定の素子を別々に作製し、同時に測定することで、ガス吸着量に対する電気特性の変化を複合的に測定する方法も提案されている(非特許文献3参照)。
一方で、特許文献4には、質量測定用素子上に電気特性測定の素子を作製する方法も提案されている。
特開平11−101763号公報 特開平7−43285号公報 特開2003−329592号公報 特表平11−507729号公報 「コロイドと界面化学A:物理化学と工学の見地(Colloids and Surfaces A: Physicochemical andEngineering Aspects)」,(オランダ国),エルゼビア社(Elsevier Science B.V.),2002年,第198−200号,p.905−909 「センサとアクチュエータB(Sensors and Actuators B)」,(オランダ国),エルゼビア社(Elsevier Science B.V.),2002年,第67号,p.312−316 「分析化学(Analytical Chemistry),(米国),米国化学会(American Chemical Society),2001年9月15日,第73巻,第18号,p.4441−4449
しかし、上記特許文献1に開示される従来のガスセンサでは、検知対象物質がどの程度素子に吸着して電気特性の変化をもたらしているかを直接に知ることはできないという問題があった。
さらに、上記特許文献2に開示される従来のガスセンサでは、水晶振動子の性質所謂QCM(Quartz Crystal Microbalance)を利用することでガス感応性薄膜に吸着した微量なガスを検知し、また櫛形電極を有するガス感応性薄膜の抵抗率により吸着した微量なガスを検知可能としているが、それぞれの素子だけでは検知対象物質がどの程度素子に吸着して電気特性の変化をもたらしているかを直接に知ることはできないという問題があった。
また、上記特許文献3に開示される従来のガスセンサでは、検知対象物質がどの程度素子に吸着して光吸収特性の変化をもたらしているかを直接に知ることはできないという問題があった。
その他、質量測定および電気特性測定素子を別々に作製した場合では、測定地点が異なるためにピンポイントでの正確な測定はできない。さらに、全く同じ表面形状および膜厚の有機薄膜を再現性良く作製することは一般的に容易ではなく、このため質量測定素子および電気特性測定素子上の有機膜への吸着量・吸着速度が異なり、誤差を生じる。また、ガス吸着の応答を制御するようなことはできない。
さらに、上記特許文献4に開示される従来のガスセンサでは、単に有機ポリマー薄膜により橋絡された電極のみについて伝導特性測定だけを行っている。そのため、移動度などの情報を得ることはできないという問題点があった。また、ギャップ形の素子としているため高抵抗の半導体を用いる場合には駆動電圧が大きくなるという問題があった。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、水晶振動子または表面弾性波素子を利用し、被検出ガスの吸着質量の変化量とそれに伴う電気特性または光および電気特性の変化量とを正確に検出できるガス検知方法およびガスセンサを提供することを目的とする。
本発明におけるガス検知方法及びガスセンサでは、水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化するガス感応性膜と、前記電気特性を検出する特性検出用電極とを積層してなるガス吸着部を配置し、最上層に位置する一方の前記特性検出用電極は、前記被検知ガスが通過可能に構成されたものであり、前記特性検出用電極間の電気特性と、前記水晶振動子または表面弾性波素子により吸着質量を検出している。
このようにすると、ガス感応性膜が被検知ガスを吸着することに伴い、ガス感応性膜の電気特性と、水晶振動子または表面弾性波素子の検知吸着質量が共に変化することを利用して、特性検出用電極間の電気特性と前記吸着質量とを観測することで、被検知ガスの検知,識別を容易に行うことができる。また、各構成要素が全て層状に積層して形成されているため、構造が簡単になり、エッチングなどの工程が不要になる。従って、安価に製作することができる。さらに、最上層に位置する一方の特性検出用電極を被検知ガスが通過可能に構成することにより、ガス感応性膜と被検知ガスとの接触面積を確保できるため、ガス感応性膜上面を特性検出用電極で覆っても、良好に被検知ガスを検知することができる。
また、前記水晶発振用電極と前記特性検出用電極とを絶縁する絶縁膜を、前記水晶振動子と前記ガス吸着部との間に設けている。
このようにすると、水晶発振用電極と特性検出用電極との間で電流が流れないため、特性検出用電極間の電気特性と水晶振動子の発振特性とを同時に観測しても相互に影響を及ぼし合うことがない。
また、水晶振動子または表面弾性波素子上に、ソース電極と、ドレイン電極と、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化する半導体材料から形成されたガス感応性膜と、ゲート電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極及び前記ドレイン電極とを絶縁するゲート絶縁膜とからなる半導体素子を配置し、前記ゲート電極に電圧を印加しながら、当該ソース−ドレイン間の電気特性と、前記水晶振動子または表面弾性波素子により吸着質量を検出している。
このようにすると、ゲート電極に電圧を印加することにより、当該ソース−ドレイン間を流れる電流は、半導体素子の増幅作用により増幅された電流となるため、微小な電流変化でも大きく増幅されることとなる。従って、僅かな被検知ガスの吸着をも検出することができ、検知感度が向上する。
さらに、水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化するガス感応性膜と、前記水晶振動子または表面弾性波素子の圧電体に当接し前記電気特性を検出する特性検出用電極とからなるガス吸着部を配置し、前記特性検出用電極間の電気特性と、前記水晶振動子または表面弾性波素子により吸着質量を検出している。
このようにすると、圧電体に当接するよう特性検出用電極を設けているため、特性検出用電極と一方の水晶発振用電極とが同層位置となり薄型化が可能になると共に、特性検出用電極を利用してガス感応性膜の電気特性を測定できる。さらに、ガス感応性薄膜がガス吸着により変形すれば、その形状変化により圧電体に応力が加わることで生じる起電力を測定することもできる。
また、水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて光・電気特性が変化するガス感応性膜と、前記電気特性を検出する特性検出用電極を配置し、前記ガス感応性膜の光吸収・反射または蛍光特性および前記特性検出用電極間の電気特性と、前記水晶振動子または表面弾性波素子の検知吸着質量とを観測している。
このようにすると、ガス感応性膜が被検知ガスを吸着することに伴い、ガス感応性膜の光特性および電気特性と、水晶振動子または表面弾性波素子の検知吸着質量とが共に変化することを利用して、特性検出用電極間の光・電気特性と前記吸着質量とを観測することで、被検知ガスの検知,識別を容易に行うことができる。
本発明のガス検知方法及びガスセンサは、水晶振動子または表面弾性波素子上に特性検出用電極を有するガス感応性膜を配置するもので、水晶振動子または表面弾性波素子によって物質の吸着質量を検知でき、また吸着質量に対する電気特性の変化量を一つの素子で観測できる。
水晶振動子または表面弾性波素子と、ガス感応性膜を挟んだ素子を別々に作製して観測する場合に比べて、上記の方法では吸着質量の変化量と電気特性の変化量を正確に検出できる。
また、いくつかの検知対象ガスについて吸着質量と感応性材料の電気物性変化の関係を観測しておくことにより、例えば吸着分子数あたり同じ電気物性の変化を与える分子量の異なるガスに対して、識別を行うことも可能である。
さらに、被検知ガスの吸着量に応じて光特性と電気特性が変化するガス感応性膜を用いれば、素子の光吸収・反射または蛍光特性と電気特性、及びガス吸着質量を同時測定することができ、ガス識別能力を向上できる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明におけるガス測定方法およびその測定方法を用いたガスセンサの好ましい各実施例を説明する。なお、これらの各実施例において、同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複するため極力省略する。
本発明は、水晶振動子または表面弾性波素子上にギャップ電極またはサンドイッチ電極を有するガス感応性薄膜を配置し、水晶振動子の発振特性または表面弾性波素子における表面弾性波の伝搬特性と、ギャップ電極またはサンドイッチ電極を有するガス感応性薄膜の電気特性、さらにはガス感応性薄膜の光特性を同時に観測するものである。
図1は、本実施例におけるガスセンサの配置例を示しており、水晶1と一対の水晶発振用電極2,3とからなる水晶振動子10と、水晶発振用電極3上の絶縁膜4と、絶縁膜4の上に配置した一対の特性検出用電極5,6とガス感応性薄膜7とからなるガス吸着部11とから構成される。絶縁膜4は、水晶発振用電極3と特性検出用電極5とを絶縁するものである。なお、このガスセンサ素子において、水晶発振用電極2,3及び特性検出用電極5,6の材質は同一であっても異種であっても良い。また、絶縁膜4が無く、水晶発振用電極3と特性検出用電極5は一体であっても良い。
ガス吸着部11は、水晶振動子10と同様に、特性検出用電極5,6がガス感応性薄膜7を上下方向から挟み込むように設けられ、所謂サンドイッチ電極となるよう配置されている。ガス吸着部11をサンドイッチ素子とすることにより、電極間の距離を容易に小さくすることができ、駆動電圧を小さくできる。また、電極面積が大きくなるため大電流を容易に流すことができる。最上層に位置する特性検出用電極6は、例えばメッシュ状など前記被検知ガスが通過可能なように構成する必要がある。このようにすることで、ガス感応性薄膜7と被検知ガスとの接触面積が確保できるため、ガス感応性薄膜7上面を特性検出用電極6で覆っても、良好に被検知ガスを検知することができる。
ガス感応性薄膜7は、例えばフタロシアニンなどの有機半導体やSnO(酸化スズ)やZnO(酸化亜鉛)などの酸化物半導体または有機無機複合薄膜から形成され、ガスを吸着することでその電気特性が変化する。ここで、電気特性とは、電流電圧特性,抵抗値,起電力,静電容量などの種々の電気的な特性を意味し、ガス感応性薄膜7に使用される材料や材料の組み合わせにより、変化する電気特性が決定される。例えばガス感応性薄膜7にSnOを使用した場合では、ガス感応性薄膜7表面から電子を奪う酸化性ガスを吸着すると、当該抵抗値が大きくなり、ガス感応性薄膜7表面に電子を与える還元性ガスを吸着すると、当該抵抗値が小さくなる。また、ガス感応性薄膜7にフタロシアニンを使用した場合では、ガス感応性薄膜7表面から電子を奪う酸化性ガスを吸着すると、当該抵抗値が小さくなり、ガス感応性薄膜7表面に電子を与える還元性ガスを吸着すると、当該抵抗値が大きくなる。ガス感応性薄膜7には、強度を得たい場合には酸化物半導体や有機無機複合薄膜などを用いればよい。
特性検出用電極5,6間に電流を流すと、被検知ガスの吸着に伴うガス感応性薄膜7の抵抗値変化に応じて、特性検出用電極5,6間に流れる電流が増減するため、当該電流値を計測することによりガス感応性薄膜7の電流電圧特性を観測することができる。また、特性検出用電極5,6により、起電力や短絡電流、静電容量などの電気特性を観測することもできる。さらに、薄膜に吸着した後にイオン化するガス(例えばポリアセチレンに対するヨウ素ガスなど、薄膜材料に対して電子供与または電子受容してイオン化するガス分子)の場合は、特性検出用電極5,6間に印加する電界でイオン化したガス分子を移動させることができる。すなわち、電極5に対して電極6を正にバイアスすれば、陽イオンを電極5側に、陰イオンを電極6側に移動させることができる。印加電界の極性を逆にした場合には、これらのイオンの動きは逆となる。これにより、吸着ガス分子の薄膜内部での分布を制御することが可能である。また吸着現象には、表面への吸着と薄膜内部への移動が寄与する場合があるが、この電圧印加によって薄膜内部への吸着分子の移動を制御できる。さらに、例えばガスが電極界面付近に吸着している場合と、吸着ガス分子が薄膜の内部に移動した場合の電気特性の違いを観測することができる。他にも、薄膜内部に存在する可動イオンが電圧によって移動し、膨張や収縮など薄膜構造の変化を及ぼすような場合には、この薄膜構造の変化に伴うガス吸着現象の違いを観測することもできる。上記のような測定を行うにあたって、本実施例のガスセンサ素子は一体型の素子であるので確実に吸着質量と電気特性の変化の双方をモニターすることができる。さらに一体の素子であるために、サンドイッチ素子において有機半導体膜を上部電極で覆ったとしても、素子を別に作製する場合に比べて吸着量を正確に求めることができる。
次に、本発明の作用について説明する。
被検知ガスに本ガスセンサ素子を暴露し、その間水晶振動子10の発振周波数の変化を観測する。同時に、電極5および電極6の間の例えば電流電圧特性または起電力、短絡電流、静電容量などの電気特性を観測する。被検知ガスが素子ひいてはガス感応性薄膜7表面に吸着すると、前述したようにガス感応性薄膜7の電気特性が変化する。このとき、本ガスセンサ素子の質量は、被検知ガスの吸着量分増加することとなる。水晶振動子10には、その表面に付着させた付着物の質量に応じて固有の発振周波数が変化する性質(QCM)があるため、被検知ガスの吸着量が増加するにつれて、周波数は減少する。すなわち、吸着した被検知ガスの質量にほぼ比例して水晶振動子10の共振周波数が変化する。これらの電気特性及び周波数特性は、被検知ガスの吸着量や種類に応じて固有の値を示すため、予めいくつかの検知対象ガスについて観測しておいた吸着質量と電気物性変化の関係とを比較することにより、被検知ガスの検出と識別を行う。以上のようにして、被検知ガスの吸着量、すなわち水晶振動子10の周波数変化に対応する電気特性の変化量から、被検知ガスの検出と識別を行うことができる。さらに、電極5および電極6の間に印加する電圧によってイオンの空間的な分布を変化させ、その時の吸着応答を測定することも可能である。
本発明におけるガスセンサは、1つのガスセンサ素子で、水晶振動子10の発振周波数特性によって物質の吸着質量を検知でき、吸着質量に対する電気特性の変化量を観測できる。これにより、従来のように二つのセンサを並べて使用しなくてもよいので、被検知対象となる一点(一地点)に対してピンポイントかつ正確な検出が可能である。
また、各構成要素が全て層状に積層して形成されているため、構造が簡単になり、エッチングなどの工程が不要になる。従って、安価に製作することができる。さらに、最上層に位置する一方の特性検出用電極6を被検知ガスが通過可能に構成することにより、ガス感応性薄膜7と被検知ガスとの接触面積を確保できるため、ガス感応性薄膜7上面を特性検出用電極6で覆っても、良好に被検知ガスを検知することができる。
また、水晶発振用電極3と特性検出用電極5とを絶縁する絶縁膜4を、水晶振動子10とガス吸着部11との間に設けている。
このようにすると、水晶発振用電極3と特性検出用電極5との間で電流が流れないため、特性検出用電極5,6間の電気特性と水晶振動子10の発振特性とを同時に観測しても相互に影響を及ぼし合うことがない。
なおこれまでの例で、最上部の電極6にパラジウムなどのガス吸着に応じて電気特性が変化する材料を用いても良く、この場合の作用は上記と同様である。また、水晶発振用電極3を一部エッチング等により取り除き、そこに特性検出用電極5,6とガス感応性薄膜7を積層した構造としても良い。さらに、質量測定を行う水晶振動子10は特開2002−350445号公報に示されるような表面弾性波素子に代わっても良い。
図2は、本実施例におけるガスセンサの配置例を示している。すなわち、ゲート電極15と、ゲート絶縁膜8と、ソース電極16と、ドレイン電極17と、ガス感応性薄膜7とからなる半導体素子としての薄膜トランジスタ20が、水晶1と水晶発振用電極2,3とからなる水晶振動子10,絶縁膜4上に配置された構造である。なお、このガスセンサ素子において、絶縁膜4が無く、水晶発振用電極3とゲート電極15とは一体であっても良い。また、水晶発振用電極3を一部エッチング等により取り除き、そこに薄膜トランジスタ20を形成した構造としても良い。
薄膜トランジスタ20は、ゲート電極15と、ゲート電極15とソース電極16及びドレイン電極17とを絶縁するゲート絶縁膜8と、ソース電極16とドレイン電極17とを有するガス感応性膜7とを積層して形成されている。特性検出用電極5,6は、ガス感応性薄膜7の上部に設けられているが、ソース電極16とドレイン電極17は、ガス感応性薄膜7の下部に配置されていても良い。
ゲート電極15に電圧を印加すると、ソース電極16とドレイン電極17との間すなわち当該ソース−ドレイン間が導通状態となる。ドレイン電極17に電圧を印加してドレイン電流(ドレイン電極17からソース電極16へ流れる電流)を流すと、被検知ガスの吸着に伴うガス感応性薄膜7の抵抗値変化に応じて、ソース電極16,ドレイン電極17間に流れる電流が増減するため、当該電流値を計測することによりガス感応性薄膜7の電流電圧特性を観測することができる。このとき、ゲート電極15に電圧を印加することで、当該ソース−ドレイン間に電荷が溜められ、チャネルが形成される。当該ソース−ドレイン間電流は、薄膜トランジスタ20の増幅作用により増幅された電流となるため、微小な電流変化でも大きく増幅されることとなる。従って、僅かな被検知ガスの吸着をも検出することができ、検知感度が向上する。さらに、トランジスタの特性値である移動度μや、ゲート電圧を印加しない場合とゲート電圧を印加した場合のドレイン電流の比であるオンオフ比、トランジスタをオンとするためのゲート電圧であるスレッショルド電圧V、ドレイン電流を一桁増加させるときのゲート電圧の変化量であるサブスレッショルド電圧Vなどの、ガス吸着に伴うトランジスタ動作の変化を観測することによって、被検知ガスが有機物に及ぼす効果を測定できる。また、ゲート電極15,ソース電極16,ドレイン電極17により、起電力発生や静電容量などの電気特性を観測することもできる。
さらに、薄膜に吸着した後にイオン化するガスの場合は、ゲート電圧による電界でイオン化したガス分子を移動させることができる。すなわち、正のゲート電圧を印加した場合には、陽イオンを外気側に、陰イオンを絶縁膜側に移動させることができる。負のゲート電圧を印加した場合には、これらのイオンの動きは逆となる。これにより、吸着ガス分子の薄膜内部での分布を制御することが可能である。また吸着現象には、表面への吸着と薄膜内部への移動が寄与する場合があるが、この電圧印加によって薄膜内部への吸着分子の移動を制御できる。さらに、例えばガスが薄膜の表面に吸着している場合と、吸着ガス分子が薄膜の内部に移動した場合のトランジスタ特性の違いを観測することができる。さらに、薄膜内部に存在する可動イオンが電界によって移動し、膨張や収縮など薄膜構造の変化を及ぼすような場合には、この薄膜構造の変化に伴うガス吸着応答の違いを観測することもできる。これらの場合では、例えばゲート電圧を印加しながらガスに対する曝露を行い、一定時間後にFET動作の観測を行うことで、ゲート電圧を印加しなかった場合との差分を調べる。この時、ガス吸着量が増大すれば電流値は増大し、吸着ガスによる電荷のため静電容量−印加電圧特性も変化する。この他、FET動作に関するVやV、μなどの変化を求めることができる。もちろん、QCMによるガス吸着量変化を同時に計測し、ゲート電圧印加による効果を測定できる。上記のような測定を行うにあたって、一体型の素子であるので確実に吸着質量と電気特性の変化の双方をモニターすることができる。
本実施例における発明の作用については、前述した薄膜トランジスタ20の増幅作用以外は、第1実施例と同様である。
以上のように本実施例では、固有の周波数で振動する水晶1と水晶1に電圧を印加する水晶発振用電極2,3とからなる水晶振動子10上に、ソース電極16と、ドレイン電極17と、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化する半導体材料から形成されたガス感応性薄膜7と、ゲート電極15と、ゲート電極15とソース電極16及びドレイン電極17とを絶縁するゲート絶縁膜8とからなる半導体素子としての薄膜トランジスタ20を配置し、ゲート電極15に電圧を印加しながら、当該ソース−ドレイン間の電気特性と水晶1の発振特性とを観測している。
このようにすると、ゲート電極15に電圧を印加することにより、当該ソース−ドレイン間を流れる電流は、薄膜トランジスタ20の増幅作用により増幅された電流となるため、微小な電流変化でも大きく増幅されることとなる。従って、僅かな被検知ガスの吸着をも検出することができ、検知感度が向上する。また、ゲート電圧印加によって薄膜内部の可動イオンの分布を制御できる。これによって、イオン化した吸着ガスの薄膜内での分布を制御してトランジスタ動作の違いを測定したり、可動イオンの移動に伴う薄膜構造変化によって吸着速度や吸着量を制御したりすることができる。なお、質量測定を行う水晶振動子10は前記表面弾性波素子に代わっても良い。
図3は、本実施例におけるガスセンサの配置例を示しており、水晶1と一対の水晶発振用電極2,3とからなる水晶振動子10と、水晶発振用電極3と同一層の位置に配置した一対の特性検出用電極5,6とガス感応性薄膜7とからなるガス吸着部11とから構成される。なお、このガスセンサ素子において、電極3と電極5は一体であっても良い。
ガス感応性薄膜7の下部には、水晶発振用電極3と特性検出用電極5,6とが同一層上になるよう設けられている。従って、水晶発振用電極3と特性検出用電極5,6とを形成するには、一旦一つの電極層を形成し、エッチングを行うことで各電極を形成すればよい。このように、水晶発振用電極3と特性検出用電極5,6とを同一層上に形成することにより、薄型化が可能となる。
特性検出用電極5,6間に電流を流すと、被検知ガスの吸着に伴うガス感応性薄膜7の抵抗値変化に応じて、特性検出用電極5,6間に流れる電流が増減するため、当該電流値を計測することによりガス感応性薄膜7の電流電圧特性を観測することができる。また、特性検出用電極5,6により、起電力発生や静電容量などの電気特性を観測することもできる。さらに、水晶発振用電極3と特性検出用電極5との間にも電流が流れるため、特性検出用電極5,6間の電流と、水晶発振用電極3と特性検出用電極5との間に流れる電流との両者を観測することも可能である。
ところで、水晶1に圧力を加えると圧電現象により起電力が発生する。被検知ガスがガス感応性薄膜7に吸着してガス感応性薄膜7が膨張または収縮し応力変化が生じると、水晶1に起電力が発生する。本実施例では、水晶1上に特性検出用電極5,6や水晶発振用電極2を設けているため、特性検出用電極5,6や水晶発振用電極2を利用して当該起電力を測定することも可能である。
本実施例における発明の作用については、前述した水晶発振用電極3と特性検出用電極5,6以外は、第1実施例と同様である。
以上のように本実施例では、固有の周波数で振動する水晶1と、水晶1に電圧を印加する水晶発振用電極2,3とからなる水晶振動子10上に、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化するガス感応性薄膜7と、水晶1に当接し前記電気特性を検出する特性検出用電極5,6とからなるガス吸着部11を配置し、特性検出用電極5,6間の電気特性と水晶振動子10の発振特性とを観測している。
このようにすると、水晶1に当接するよう特性検出用電極5,6を設けているため、特性検出用電極5,6と一方の水晶発振用電極3とが同層位置となり薄型化が可能になると共に、特性検出用電極5,6や水晶発振用電極2を利用してガス感応性薄膜7の電気特性の他に、水晶1に発生する起電力を測定することもできる。なお、質量測定を行う水晶振動子10は前記表面弾性波素子であっても良い。
図4は、本実施例におけるガスセンサの配置例を示しており、圧電体21と櫛形励振電極22と櫛形受信電極23とからなる表面弾性波素子24と、励振用電極22と同一層の位置に配置した一対の特性検出用電極5,6とガス感応性薄膜7とからなるガス吸着部11とから構成される。表面弾性波素子24の動作については、特開2002−350445号公報に示されるものとほぼ同様である。物質吸着に基づく表面弾性波の伝搬特性の変化を、櫛形受信電極23に生じる信号により検出する。一般には外部回路を接続して発振回路を構成し、発振特性を測定する。ここで、質量測定手段として表面弾性波素子24でなく水晶振動子を用いても良い。ガス感応性薄膜7には、ガス吸着に伴って光特性と電気特性の双方(光・電気特性)が変化する材料を用いる。この場合の光特性とは光吸収、反射、散乱または蛍光特性を指す。前記水晶振動子を構成する水晶発振用電極や特性検出用電極5,6には透明あるいは半透明の材料を用いることができる。
特性検出用電極5,6間に電流を流すと、被検知ガスの吸着に伴うガス感応性薄膜7の抵抗値変化に応じて、特性検出用電極5,6間に流れる電流が増減するため、当該電流値を計測することによりガス感応性薄膜7の電流電圧特性を観測することができる。また、特性検出用電極5,6により、起電力発生や静電容量などの電気特性を観測することもできる。さらに、光検出器(図示せず)を設置することにより被検知ガスの吸着に伴うガス感応性薄膜における光吸収、反射、散乱または蛍光特性を観測できる。同時に、表面弾性波素子24によってガス吸着量を測定する。
この例においては、被検知ガスに本ガスセンサ素子を暴露する間に、質量と電気特性の変化に加えてガス感応性薄膜7の光吸収・反射・散乱または蛍光特性を測定する。ガス感応性薄膜7の光特性と電気特性及び質量特性は、被検知ガスの吸着量や種類に応じて固有の値を示すため、予めいくつかの検知対象ガスについて観測しておいた吸着質量と光物性・電気物性変化の関係とを比較することにより、被検知ガスの検出と識別を行う。
以上のように本実施例では、表面弾性波素子24上に、被検知ガスの吸着量に応じて光特性および電気特性が変化するガス感応性薄膜7と、圧電体21に当接し前記電気特性を検出する特性検出用電極5,6とからなるガス吸着部11を配置し、特性検出用電極5,6間の電気特性と表面弾性波素子24の発振特性とを観測している。このようにすると、表面弾性波素子24により検出される被検知ガスの吸着量変化に対応する光特性と電気特性の変化量から、被検知ガスの検出と識別を容易に行うことができる。
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。ガス感応性薄膜7には、被検知ガスを吸着することでその電気特性、または電気特性と光特性が変化するものであればどのようなものでもよく、形状も特に限定されない。ガス感応性薄膜7の材質を変更することで、種々のガスを検知することが可能になる。また、ギャップ電極またはサンドイッチ電極を有するガス感応性薄膜7の電気特性と、ガス感応性薄膜7の光特性、水晶振動子10の発振特性または表面弾性波素子24における表面弾性波の伝搬特性を交互またはいずれか一つまたは二つのみ観測しても良い。
本発明の活用例として、ガス感応性薄膜7を選択することにより、酸化窒素などの酸化性ガス、アンモニアなどの塩基性ガス、有機溶媒ガス、一酸化炭素や二酸化炭素などの検出および識別が考えられる。さらに、環境モニターや工程管理などにも利用できるものと考えられる。
本発明の第1実施例におけるガスセンサの構造を示す縦断面図である。 本発明の第2実施例におけるガスセンサの構造を示す縦断面図である。 本発明の第3実施例におけるガスセンサの構造を示す縦断面図である。 本発明の第4実施例におけるガスセンサの構造を示す縦断面図である。 同上、ガスセンサの構造を示す斜視図である。
符号の説明
1 水晶
2,3 水晶発振用電極
4 絶縁膜
5,6 特性検出用電極
7 ガス感応性薄膜(ガス感応性膜)
8 ゲート絶縁膜
10 水晶振動子
11 ガス吸着部
15 ゲート電極
16 ソース電極
17 ドレイン電極
20 薄膜トランジスタ(半導体素子)
21 圧電体
22 櫛形励振電極
23 櫛形受信電極
24 表面弾性波素子
【0004】
[0018] このようにすると、水晶発振用電極と特性検出用電極との間で電流が流れないため、特性検出用電極間の電気特性と水晶振動子の発振特性とを同時に観測しても相互に影響を及ぼし合うことがない。
[0019] また、水晶振動子または表面弾性波素子上に、ソース電極と、ドレイン電極と、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化する半導体材料から形成されたガス感応性膜と、ゲート電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極及び前記ドレイン電極とを絶縁するゲート絶縁膜とからなる半導体素子を配置し、前記ゲート電極に電圧を印加しながら、当該ソース−ドレイン間の電気特性と、前記水晶振動子または表面弾性波素子により吸着質量を検出している。
[0020] このようにすると、ゲート電極に電圧を印加してガス感応性薄膜にチャネルを形成させることにより、当該ソース−ドレイン間を流れる電流(ドレイン電流)は大きく増加する。このドレイン電流がガス吸着に伴い変化することにより、被検知ガスの吸着を観測することができる。
[0021] さらに、水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化するガス感応性膜と、前記水晶振動子または表面弾性波素子の圧電体に当接し前記電気特性を検出する特性検出用電極とからなるガス吸着部を配置し、前記特性検出用電極間の電気特性と、前記水晶振動子または表面弾性波素子により吸着質量を検出している。
[0022] このようにすると、圧電体に当接するよう特性検出用電極を設けているため、特性検出用電極と一方の水晶発振用電極とが同層位置となり薄型化が可能になると共に、特性検出用電極を利用してガス感応性膜の電気特性を測定できる。さらに、ガス感応性薄膜がガス吸着により変形すれば、その形状変化により圧電体に応力が加わることで生じる起電力を測定することもできる。
[0023] また、水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて光・電気特性が変化するガス感応性膜と、前記電気特性を検出する特性検出用電極を配置し、前記ガス感応性膜の光吸収・反射または蛍光特性および前記特性検出用電極間の電気特性と、前記水晶振動子または表面弾性波素子の検知吸着質量とを観測している。


【0009】
感応性薄膜7を積層した構造としても良い。さらに、質量測定を行う水晶振動子10は特開2002−350445号公報に示されるような表面弾性波素子に代わっても良い。
【実施例2】
[0042] 図2は、本実施例におけるガスセンサの配置例を示している。すなわち、ゲート電極15と、ゲート絶縁膜8と、ソース電極16と、ドレイン電極17と、ガス感応性薄膜7とからなる半導体素子としての薄膜トランジスタ20が、水晶1と水晶発振用電極2,3とからなる水晶振動子10,絶縁膜4上に配置された構造である。なお、このガスセンサ素子において、絶縁膜4が無く、水晶発振用電極3とゲート電極15とは一体であっても良い。また、水晶発振用電極3を一部エッチング等により取り除き、そこに薄膜トランジスタ20を形成した構造としても良い。
[0043] 薄膜トランジスタ20は、ゲート電極15と、ゲート電極15とソース電極16及びドレイン電極17とを絶縁するゲート絶縁膜8と、ソース電極16とドレイン電極17とを有するガス感応性膜7とを積層して形成されている。特性検出用電極5,6は、ガス感応性薄膜7の上部に設けられているが、ソース電極16とドレイン電極17は、ガス感応性薄膜7の下部に配置されていても良い。
[0044] ゲート電極15に電圧を印加すると、ガス感応性薄膜7に電荷が溜められてチャネルが形成され、ソース電極16とドレイン電極17との間すなわち当該ソース−ドレイン間が導通状態となる。ドレイン電極17に電圧を印加してドレイン電流(ドレイン電極17からソース電極16へ流れる電流)を流すと、被検知ガスの吸着に伴うガス感応性薄膜7の抵抗値変化に応じてドレイン電流が増減し、当該電流値を計測することによりガス感応性薄膜7の電流電圧特性を観測することができる。また、ガス感応性薄膜7の電流電圧特性から、被検知ガスの吸着を観測することもできる。さらに、トランジスタの特性値である移動度μや、ゲート電圧を印加しない場合とゲート電圧を印加した場合のドレイン電流の比であるオンオフ比、トランジスタをオンとするためのゲート電圧であるスレッショルド電圧V、ドレイン電流を一桁増加させるときのゲート電圧の変化量であるサブスレッ


【0011】
電極17とを絶縁するゲート絶縁膜8とからなる半導体素子としての薄膜トランジスタ20を配置し、ゲート電極15に電圧を印加しながら、当該ソース−ドレイン間の電気特性と水晶1の発振特性とを観測している。
[0048] このようにすると、ゲート電極15に電圧を印加してガス感応性薄膜7にチャネルを形成させることにより、当該ソース−ドレイン間を流れる電流(ドレイン電流)は大きく増加する。このドレイン電流がガス吸着に伴い変化することにより、被検知ガスの吸着を観測することができる。また、ゲート電圧印加によって薄膜内部の可動イオンの分布を制御できる。これによって、イオン化した吸着ガスの薄膜内での分布を制御してトランジスタ動作の違いを測定したり、可動イオンの移動に伴う薄膜構造変化によって吸着速度や吸着量を制御したりすることができる。なお、質量測定を行う水晶振動子10は前記表面弾性波素子に代わっても良い。
【実施例3】
[0049] 図3は、本実施例におけるガスセンサの配置例を示しており、水晶1と一対の水晶発振用電極2,3とからなる水晶振動子10と、水晶発振用電極3と同一層の位置に配置した一対の特性検出用電極5,6とガス感応性薄膜7とからなるガス吸着部11とから構成される。なお、このガスセンサ素子において、電極3と電極5は一体であっても良い。
[0050] ガス感応性薄膜7の下部には、水晶発振用電極3と特性検出用電極5,6とが同一層上になるよう設けられている。従って、水晶発振用電極3と特性検出用電極5,6とを形成するには、一旦一つの電極層を形成し、エッチングを行うことで各電極を形成すればよい。このように、水晶発振用電極3と特性検出用電極5,6とを同一層上に形成することにより、薄型化が可能となる。
[0051]特性検出用電極5,6間に電流を流すと、被検知ガスの吸着に伴うガス感応性薄膜7の抵抗値変化に応じて、特性検出用電極5,6間に流れる電流が増減するため、当該電流値を計測することによりガス感応性薄膜7の電流電圧特性を観測することができる。また、特性検出用電極5,6により、起電力発生や静電容量などの電気特性を観測することもできる。さらに、水晶発振用電極3と特性検出用電極5との間にも電流が流れるため、特性検出用電極5,6間の電流と、水晶発振用電極3と特性検出用電


11

Claims (10)

  1. 水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化するガス感応性膜と、前記電気特性を検出する特性検出用電極とを積層してなるガス吸着部を配置し、最上層に位置する一方の前記特性検出用電極は、前記被検知ガスが通過可能に構成されたものであり、前記特性検出用電極間の電気特性測定と、前記水晶振動子または前記表面弾性波素子の吸着質量測定とを行うことを特徴とするガス検知方法。
  2. 前記水晶振動子を構成する水晶発振用電極と前記特性検出用電極とを絶縁する絶縁膜を、前記水晶振動子と前記ガス吸着部との間に設けたことを特徴とする請求項1記載のガス検知方法。
  3. 水晶振動子または表面弾性波素子上に、ソース電極と、ドレイン電極と、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化する半導体材料から形成されたガス感応性膜と、ゲート電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極及び前記ドレイン電極とを絶縁するゲート絶縁膜とからなる半導体素子を配置し、前記ゲート電極に電圧を印加しながら、当該ソース−ドレイン間の電気特性測定と、前記水晶振動子または前記表面弾性波素子の吸着質量測定とを行うことを特徴とするガス検知方法。
  4. 水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化するガス感応性膜と、前記水晶振動子または前記表面弾性波素子を構成する圧電体に当接し前記電気特性を検出する特性検出用電極とからなるガス吸着部を配置し、前記特性検出用電極間の電気特性測定と、前記水晶振動子または前記表面弾性波素子の吸着質量測定とを行うことを特徴とするガス検知方法。
  5. 水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて光・電気特性が変化するガス感応性膜と、前記電気特性を検出する特性検出用電極とからなるガス吸着部を配置し、前記ガス感応性膜の光特性および前記特性検出用電極間の電気特性と、前記水晶振動子または前記表面弾性波素子の吸着質量測定とを行うことを特徴とするガス検知方法。
  6. 水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化するガス感応性膜と、前記電気特性を検出する特性検出用電極とを積層してなるガス吸着部を配置し、最上層に位置する一方の前記特性検出用電極は、前記被検知ガスが通過可能に構成されたものであることを特徴とするガスセンサ。
  7. 前記水晶振動子を構成する水晶発振用電極と前記特性検出用電極とを絶縁する絶縁膜を、前記水晶振動子と前記ガス吸着部との間に設けたことを特徴とする請求項6記載のガスセンサ。
  8. 水晶振動子または表面弾性波素子上に、ソース電極とドレイン電極とを有し、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化する半導体材料から形成されたガス感応性膜と、ゲート電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極及び前記ドレイン電極とを絶縁するゲート絶縁膜とからなる半導体素子を形成したことを特徴とするガスセンサ。
  9. 水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて電気特性が変化するガス感応性膜と、前記水晶振動子または前記表面弾性波素子を構成する圧電体に当接し前記電気特性を検出する特性検出用電極とからなるガス吸着部を形成したことを特徴とするガスセンサ。
  10. 水晶振動子または表面弾性波素子上に、被検知ガスの吸着量に応じて光・電気特性が変化するガス感応性膜と、前記電気特性を検出する特性検出用電極とからなるガス吸着部を配置したことを特徴とするガスセンサ。
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