JP6846218B2 - 圧電装置、圧電ユニット、測定装置、及び測定方法 - Google Patents

圧電装置、圧電ユニット、測定装置、及び測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電装置、圧電ユニット、測定装置、及び測定方法に関する。
近年、水晶振動子などの圧電振動子の共振周波数の変化を利用して、液体中の物質濃度や粘度などを測定するQCM(Quartz Crystal Microbalance)という手法が知られている。このようなQCMによる測定(以下、QCM測定という)において、例えば、水晶振動子の片面の電極を複数に分割し、QCM測定の他に分割した電極間に存在する物質の物性に関わる電気的特性を測定する試みが行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
国際公開第2014/002650号 特開平6−273304号公報
しかしながら、特許文献1では、QCM測定と、その他の電気的特性の測定(以下、電気特性測定という)とを切り替えて測定しており、QCM測定と電気特性測定とを同時に測定することが困難であった。
また、特許文献2では、QCM測定と電気特性測定との2つの測定回路を、コンデンサを介して圧電振動子に接続し、QCM測定と電気特性測定とを同時に測定することを可能にするが、分割した電極間に印加可能な信号が直流に限定される。そのため、特許文献2では、測定可能な電気特性測定が限定されるという問題があった。
このように、上述したような技術では、多様な電気特性測定に対応しつつ、QCM測定と電気特性測定とを同時に測定することが困難であった。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、多様な電気特性測定に対応しつつ、圧電振動子の共振周波数の変化や等価回路定数を利用したQCM測定と、圧電振動子が接している物質の物性に相関する電気特性測定とを同時に測定することができる圧電装置、圧電ユニット、測定装置、及び測定方法を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、振動を励起する圧電素子と、前記圧電素子の第1面に形成された第1電極と、前記圧電素子の前記第1面の反対側の面である第2面に互いに電気的に絶縁されて形成された複数の第2電極と、前記複数の第2電極のうちの少なくとも1つの電極と少なくとも前記第1電極との間に、前記圧電素子に振動を励起させる第1電気信号を供給する第1信号印加部と、前記第1電気信号に応じて前記圧電素子が振動することにより、前記圧電素子に接触する物質の物性に相関する前記圧電素子の電気的特性を測定する第1応答測定部と、前記複数の第2電極の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する第2電気信号を、前記第2電極の電極間に供給する第2信号印加部と、前記第2電気信号に応じて前記第2電極の電極間に存在する前記物質の物性に相関する電気的特性を測定する第2応答測定部とを備え、前記複数の第2電極のそれぞれは、櫛歯状の形状であり、互いに一定の間隔を介して相互に噛み合うように前記第2面に配置されており、前記第1電極と、前記複数の第2電極とは、前記圧電素子を挟んでそれぞれの外形が囲む領域が同様の面積であると共に、相対位置が一致するように形成されており、前記第1電気信号と前記第2電気信号とが混合されて前記少なくとも1つの電極を含む電極間に供給されることを特徴する圧電装置である。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記第2信号印加部は、少なくとも前記第1電気信号によって前記圧電素子に振動を励起させている間に前記第2電気信号を前記第2電極の電極間に供給することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記第1信号印加部は、少なくとも前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間に前記第1電気信号を供給し、前記第1応答測定部は、少なくとも前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続され、前記第2信号印加部は、前記少なくとも1つの電極と、前記複数の第2電極のうちの前記少なくとも1つの電極とは異なる電極である第3電極との間に、前記第2電気信号を供給し、前記第2応答測定部は、前記少なくとも1つの電極と前記第3電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記第1信号印加部と前記第2信号印加部とは、前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間、及び前記少なくとも1つの電極と前記複数の第2電極のうちの前記少なくとも1つの電極とは異なる電極である第3電極との間に、前記第1電気信号と前記第2電気信号とを加算した信号を供給し、前記第1応答測定部は、前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続され、前記第2応答測定部は、前記少なくとも1つの電極と前記第3電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記第1電気信号と前記第2電気信号とを混合した信号を生成し、前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間、及び前記少なくとも1つの電極と前記複数の第2電極のうちの前記少なくとも1つの電極とは異なる電極である第3電極との間に当該信号を供給する信号混合部を備え、前記第1応答測定部は、前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続され、前記第2応答測定部は、前記少なくとも1つの電極と前記第3電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記第1電極と前記第3電極とが接続されており、前記第1信号印加部は、前記第1電極及び前記第3電極と、前記少なくとも1つの電極との間に、前記第1電気信号を供給することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記第1応答測定部及び前記第2応答測定部による前記電流に関する測定には、電流の大きさ、周波数、及び位相のうちの少なくとも1つの測定が含まれることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記第2信号印加部は、前記第2応答測定部が前記第2電極の電極間に存在する前記物質の物性に相関する電気的特性を測定する際に、周波数、位相、及び信号の有無のタイミングのうちの少なくとも1つに、前記第1電気信号との差異を設けることで、前記第1信号印加部が供給する前記第1電気信号と干渉しないように、前記第2電気信号を供給することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記第2信号印加部は、前記圧電素子の基本共振周波数から所定の範囲以上離れた周波数の交流信号、及び、前記基本共振周波数のオーバートーンの共振周波数から所定の範囲以上離れた周波数の交流信号を、前記第2電気信号として前記第2電極の電極間に供給することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記圧電素子は、前記第1電気信号によって厚み辷り振動を励起することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記第1電気信号及び前記第2電気信号は、無信号状態を含む任意の波形、任意の信号レベル、及び任意の周波数であることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の圧電装置において、前記第1電気信号及び前記第2電気信号を供給するタイミング又は信号レベルを制御する制御部を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、振動を励起する圧電素子と、前記圧電素子の第1面に形成された第1電極と、前記圧電素子の前記第1面の反対側の面である第2面に互いに電気的に絶縁されて形成された複数の第2電極とを備え、前記複数の第2電極のそれぞれは、櫛歯状の形状であり、互いに一定の間隔を介して相互に噛み合うように前記第2面に配置されており、前記第1電極と、前記複数の第2電極とは、前記圧電素子を挟んでそれぞれの外形が囲む領域が同様の面積であると共に、相対位置が一致するように形成されており、前記複数の第2電極のうちの少なくとも1つの電極と少なくとも前記第1電極との間に、前記圧電素子に振動を励起させる第1電気信号が印加され、前記第1電気信号に応じて前記圧電素子が振動することにより、前記圧電素子に接触する物質の物性に相関する前記圧電素子の電気的特性が測定され、前記複
数の第2電極の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する第2電気信号が、前記第2電極の電極間に印加され、前記第2電気信号に応じて前記第2電極の電極間に存在する前記物質の物性に相関する電気的特性が測定され、前記第1電気信号と前記第2電気信号とが混合されて前記少なくとも1つの電極を含む電極間に供給されることを特徴する圧電ユニットである。
また、本発明の一態様は、上記に記載の圧電装置を備える測定装置である。
また、本発明の一態様は、振動を励起する圧電素子と、前記圧電素子の第1面に形成された第1電極と、前記圧電素子の前記第1面の反対側の面である第2面に互いに電気的に絶縁されて形成された複数の第2電極とを備える圧電ユニットの測定方法であって、前記複数の第2電極のそれぞれは、櫛歯状の形状であり、互いに一定の間隔を介して相互に噛み合うように前記第2面に配置されており、前記第1電極と、前記複数の第2電極とは、前記圧電素子を挟んでそれぞれの外形が囲む領域が同様の面積であると共に、相対位置が一致するように形成されており、前記複数の第2電極のうちの少なくとも1つの電極と少なくとも前記第1電極との間に、前記圧電素子に振動を励起させる第1電気信号が印加し、前記第1電気信号に応じて前記圧電素子が振動することにより、前記圧電素子に接触する物質の物性に相関する前記圧電素子の電気的特性が測定し、前記複数の第2電極の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する第2電気信号が、前記第2電極の電極間に印加し、前記第2電気信号に応じて前記第2電極の電極間に存在する前記物質の物性に相関する電気的特性が測定し、前記第1電気信号と前記第2電気信号とが混合されて前記少なくとも1つの電極を含む電極間に供給されることを特徴とする測定方法である。
本発明によれば、多様な電気特性測定に対応しつつ、圧電振動子の共振周波数の変化や等価回路定数を利用したQCM測定と、圧電振動子が接している物質の物性に相関する電気特性測定とを同時に測定することができる。
第1の実施形態による圧電装置の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態における圧電板の一例を示す図である。 第1の実施形態における電流測定回路の一例を示す回路図である。 第1の実施形態による圧電装置の第1変形例を示すブロック図である。 第1の実施形態による圧電装置の第2変形例を示すブロック図である。 第2の実施形態による圧電装置の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態におけるQCM測定用のフィルタ部の一例を示す回路図である。 第2の実施形態における櫛歯電極測定用のフィルタ部の一例を示す回路図である。 第3の実施形態による圧電装置の一例を示すブロック図である。 第3の実施形態による圧電装置の第1変形例を示すブロック図である。 第3の実施形態による圧電装置の第2変形例を示すブロック図である。 第4の実施形態による圧電装置の一例を示すブロック図である。 第4の実施形態による圧電装置の第1変形例を示すブロック図である。 第4の実施形態による圧電装置の第2変形例を示すブロック図である。 第5の実施形態による測定装置の一例を示す構成図である。 本発明に係る実施形態における圧電板の別の一例を示す第1の図である。 本発明に係る実施形態における圧電板の別の一例を示す第2の図である。 本発明に係る実施形態における圧電板の別の一例を示す第3の図である。 水晶振動子の等価回路の一例を示す図である。 本発明に係る実施形態におけるQCM測定の変形例を示す圧電装置のブロック図である。 本発明に係る実施形態におけるQCM信号印加回路の具体例を示す第1の回路図である。 本発明に係る実施形態におけるQCM信号印加回路の具体例を示す第2の回路図である。 本発明に係る実施形態におけるQCM信号印加回路の具体例を示す第3の回路図である。 本発明に係る実施形態におけるQCM信号印加回路の具体例を示す第4の回路図である。 本発明に係る実施形態におけるQCM応答測定回路の具体例を示す第1の回路図である。 本発明に係る実施形態におけるQCM応答測定回路の具体例を示す第2の回路図である。 本発明に係る実施形態における櫛歯電極信号印加回路の具体例を示す第1の回路図である。 本発明に係る実施形態における櫛歯電極信号印加回路の具体例を示す第2の回路図である。 本発明に係る実施形態における信号ミキサー回路の具体例を示す第1の回路図である。 本発明に係る実施形態における信号ミキサー回路の具体例を示す第2の回路図である。
以下、本発明の一実施形態による圧電装置、圧電ユニット、測定装置、及び測定方法について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態による圧電装置1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、圧電装置1は、圧電ユニット10と、測定部20とを備えている。
圧電ユニット10は、圧電素子としての圧電振動子2を備え、接続部C1〜C3を介して後述する測定部20に接続されている。
圧電振動子2は、例えば、水晶振動子であり、圧電板11と、第1電極T1と、複数の第2電極T2を備えている。圧電振動子2は、例えば、基本波による共振周波数(基本共振周波数)が9MHz(メガヘルツ)の水晶振動子である。
圧電板11(圧電素子の一例)は、例えば、水晶をATカットした水晶板であり、厚み辷り振動を励起する。第1電極T1は、圧電板11の裏面F1(後述の図2(a)参照)に形成され、第2電極T2は、圧電板11の裏面F1の反対側の面である表(おもて)面F2(後述の図2(b)参照)されている。第2電極T2は、複数形成されており、各電極は互いに電気的に絶縁されて形成されている。なお、第1電極T1及び第2電極T2は、例えば、金、白金、炭素などの変質しにくい材質で形成されることが望ましい。
ここで、第1電極T1及び第2電極T2の詳細について、図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態における圧電板11の一例を示す図である。
図2(a)は、圧電板11の裏面F1(第1面)の外観を示している。図2(a)に示すように、圧電板11の裏面F1には、第1電極T1が形成されている。第1電極T1は、接続部C1を介して、後述する測定部20に接続される。
また、図2(b)は、圧電板11の表(おもて)面F2(第2面)の外観を示している。図2(b)に示すように、圧電板11の表面F2には、複数(例えば、2つ)の第2電極T2が互いに電気的に絶縁されて形成されている。この2つの第2電極T2(電極T21及び電極T22)は、それぞれが櫛歯状の形状に形成されており、櫛歯状の櫛歯の間に隣接する他の第2電極T2の櫛歯が配置されるように表面F2に形成されている。すなわち、電極T21の櫛歯と、電極T22の櫛歯とは、互いの歯の間に配置されるように形成されている。第2電極T2は、例えば、圧電板11の裏面F1の反対側の面である表面F2に、一対の電気的に絶縁された2つの電極から構成され、1組以上配置されている。また、電極T21は、接続部C2を介して後述する測定部20に接続され、電極T22は、接続部C3を介して後述する測定部20に接続される。なお、電極T21及び電極T22は、以下の説明において、櫛歯電極と称することがある。
また、図2に示すように、圧電板11の表裏面の電極の外形が囲む領域はほぼ同じ面積であり、圧電板11を挟んだ相対位置がほぼ同じであるように形成されている。このように、圧電ユニット10は、表裏の電極の面積、及び相対位置が一致するように形成することにより、圧電板11の厚み辷り振動から得られる信号を安定化させることができるため、測定を高感度に行うことができる。
図1に戻り、測定部20は、接続部C1〜C3を介して圧電ユニット10に接続され、圧電ユニット10を利用して各種測定を実行する。測定部20は、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、櫛歯電極信号印加回路50と、櫛歯電極応答測定回路60とを備えている。
QCM信号印加回路30(第1信号印加部の一例)は、上述した少なくとも第1電極T1と複数の第2電極T2のうちの少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)との間に、圧電板11に振動を励起させるQCM測定信号(第1電気信号)を供給する。ここで、QCM測定信号は、少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)と、第1電極T1との間で、圧電板11に振動を励起させる交流信号である。QCM信号印加回路30は、例えば、接続部C2を介して電極T21に接続されており、電極T21と第1電極T1との間に、QCM測定信号を印加する。なお、QCM信号印加回路30は、第1電極T1と電極T21を電気的に接続したものと、第2電極T2のうちの電極T21とは異なる電極(T22)との間に、QCM測定信号(第1電気信号)を供給するようにしてもよい。
櫛歯電極信号印加回路50(第2信号印加部の一例)は、少なくともQCM測定信号によって圧電板11に振動を励起させている間に、複数の第2電極T2の電極間(例えば、電極T21と電極T22との間)に、櫛歯電極測定信号(第2電気信号)を供給する。ここで、櫛歯電極測定信号は、複数の第2電極T2の電極間(例えば、電極T21と電極T22との間)に存在する物質の物性に関わる電気的特性を測定するための電気信号である。櫛歯電極信号印加回路50は、例えば、接続部C2を介して電極T21にQCM信号印加回路30と並列に接続されており、第2電極T2間に、櫛歯電極測定信号を印加する。すなわち、櫛歯電極信号印加回路50は、例えば、電極T21と電極T22との間に櫛歯電極測定信号を印加する。なお、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とは、周波数、位相、及び信号の有無のタイミングのうちの少なくとも1つに差異を設けて供給されることで、両者の干渉が低減される。
櫛歯電極信号印加回路50は、櫛歯電極応答測定回路60が電極間おける電気的特性を測定する際に、周波数、位相、及び信号の有無のタイミングのうちの少なくとも1つに、QCM測定信号との差異を設けることで、QCM信号印加回路30が供給するQCM測定信号と干渉しないように、櫛歯電極測定信号を供給する。例えば、櫛歯電極信号印加回路50は、圧電板11の基本共振周波数の約奇数倍の周波数から所定の範囲(例えば、±5%)以上離れた周波数の交流信号を、櫛歯電極測定信号として第2電極T2の端子間に供給する。櫛歯電極信号印加回路50は、例えば、圧電板11の基本共振周波数及び基本共振周波数のオーバートーン振動の共振周波数(オーバートーンの共振周波数)から所定の範囲(例えば、±5%)以上離れた周波数の交流信号を、櫛歯電極測定信号として第2電極T2の端子間に供給する。すなわち、櫛歯電極信号印加回路50は、下記の式(1)の条件式を満たす櫛歯電極測定信号を第2電極T2の端子間に供給する。
Figure 0006846218
ここで、式(1)において、変数fは、櫛歯電極測定信号の周波数を示し、変数fnは、圧電振動子2の基本共振周波数及び基本共振周波数のオーバートーンの共振周波数を示している。なお、基本共振周波数の奇数倍近傍の共振周波数は、基本共振周波数のオーバートーン振動の周波数である。
QCM応答測定回路40(第1応答測定部の一例)は、複数の第2電極T2のうちの少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)と第1電極T1との間に印加されたQCM測定信号に応じた圧電振動子2(圧電板11)の電気的特性を測定する。すなわち、QCM応答測定回路40は、QCM測定信号に応じて圧電振動子2が振動することにより、圧電振動子2に接触する物質の物性に相関する圧電振動子2(圧電板11)の電気的特性を測定する。QCM応答測定回路40は、接続部C1を介して第1電極T1に接続される。また、QCM応答測定回路40は、例えば、QCM測定信号に応じて第2電極T2(例えば、電極T21)と第1電極T1との間に流れる電流に関する値を測定する。ここで、電流に関する値とは、測定した電流の大きさ、周波数、及び位相データなどであり、測定したこれらの値から、圧電振動子2の共振周波数、共振特性、等価回路定数などの情報を得ることができる。このように、QCM応答測定回路40は、少なくとも第1電極T1と上述した少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。
櫛歯電極応答測定回路60(第2応答測定部の一例)は、櫛歯電極測定信号に応じて第2電極T2の電極間における電気的特性を測定する。櫛歯電極応答測定回路60は、例えば、櫛歯電極信号印加回路50が接続される電極T21とは異なる第2電極T2である電極T22(第3電極)に、接続部C3を介して接続される。また、櫛歯電極応答測定回路60は、櫛歯電極測定信号に応じて第2電極T2の電極間に流れる電流に関する値を測定する。ここで、電流に関する値とは、測定した電流の大きさ、周波数、及び位相データなどであり、測定したこれらの値から、櫛歯電極間に存在する物質のインピーダンス、等価回路定数、電気化学的性質、化学的性質、物性値などの情報を得ることができる。このように、櫛歯電極応答測定回路60は、上述した少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)と電極T22(第3電極)との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。
ここで、図3を参照して、櫛歯電極応答測定回路60における電流測定の回路例について説明する。
図3は、本実施形態における電流測定回路の一例を示す回路図である。
図3に示すように、櫛歯電極応答測定回路60は、抵抗61と、オペアンプ62と、電圧計測装置63とを備えている。
抵抗61は、第1端子がオペアンプ62の反転入力端子(“−”端子)に、第2端子がオペアンプ62の出力端子(ノードN1)に、それぞれ接続されている。
オペアンプ62(演算増幅回路)は、反転入力端子(“−”端子)が接続部C3を介して電極T22(第3電極)に接続されており、非反転入力端子(“+”端子)が電流測定の基準電位(例えば、櫛歯電極信号印加回路50の基準電位又は電気的なグランドレベル)に接続されている。また、オペアンプ62は、出力端子がノードN1に接続されている。
抵抗61及びオペアンプ62は、第2電極T2の電極間に流れる電流を電圧に変換する。
電圧計測装置63は、ノードN1と基準電位との間の電圧を測定する。ここで、ノードN1と基準電位との間の電圧は、抵抗61及びオペアンプ62によって第2電極T2の電極間に流れる電流が電圧に変換されたものであり、電圧計測装置63は、第2電極T2の電極間に流れる電流に関する値(例えば、電流の大きさ、周波数、位相データなど)を測定する。
なお、一例として、櫛歯電極応答測定回路60が、上述した図3に示す電流測定回路を備える例を説明したが、QCM応答測定回路40に対しても同様の電流測定回路を備えるようにしてもよい。
次に、本実施形態による圧電装置1の動作について説明する。
圧電装置1は、測定対象物(例えば、気体や液体など)が、圧電ユニット10における圧電振動子2の表面F2(第2電極T2がある面)に接している状態において、QCM測定、及びその他の電気特性測定を同時に行う。
まず、QCM信号印加回路30は、例えば、圧電振動子2の共振周波数である9MHz付近の交流信号を、時間的に周波数を徐々に変化させながら、QCM測定信号として出力する。また、櫛歯電極信号印加回路50は、第2電極T2の電極間(例えば、電極T21と電極T22との間)に存在する物質の物性に関わる電気的特性を測定するための交流信号を、櫛歯電極測定信号として出力する。なお、櫛歯電極測定信号は、周波数および振幅が一定であっても、周波数、及び振幅のうちの少なくとも1つが時間的に変化するものであってもよい。
次に、QCM応答測定回路40は、第2電極T2(電極T21)と第1電極T1との間に印加されたQCM測定信号に応じて、第2電極T2(電極T21)と第1電極T1とを介して、圧電振動子2の電気的特性を測定する。ここで、QCM応答測定回路40は、例えば、圧電振動子2のアドミッタンス、コンダクタンス、サセプタンス、インダクタンス、リアクタンス、レジスタンス、インピーダンス、キャパシタンス、振幅、共振周波数、及びこれらの情報(測定値)から求められる等価回路定数などの電気的特性を測定することができる。また、QCM応答測定回路40がQCM測定として測定した電気的特性に基づいて、例えば、液体又は気体の粘性、弾性、粘弾性、濃度、密度、不溶性粒子量、温度、質量の少なくともいずれか1つの物理量の測定装置、もしくはそれらの物理量を利用した測定装置に利用することができる。
例えば、QCM応答測定回路40が、QCM測定信号に応じた測定に基づいて、共振周波数の変化Δfを測定した場合には、以下の式(2)により、圧電振動子2の表面F2に付着した検出対象物の質量変化を求めることができる。
Figure 0006846218
ここで、変数Aは、第2電極T2の面積を示し、変数fnは、圧電振動子2の基本共振周波数、又はオーバートーンの共振周波数を示している。また、定数μqは、水晶の弾性率を示し、定数ρqは、水晶の密度を示している。また、変数Δm*は、圧電振動子2表面に付着した物質の質量を示している。なお、式(2)において、(Δm*/A)を単位面積当たりに付着した検出対象物の質量Δmとし、残りの定数項を定数Kに置き換えている。
式(2)に示すように、圧電振動子2表面に付着した検出対象物の質量Δmと共振周波数の変化Δfとは、比例関係にあり、QCM応答測定回路40による測定結果に基づいて、共振周波数の変化Δfを測定することにより、圧電振動子2表面に付着した検出対象物の質量Δmを算出することが可能になる。
また、例えば、検出対象物が液体であり、QCM応答測定回路40が、QCM測定信号に応じた測定に基づいて、共振周波数の変化Δfを検出した場合には、以下の式(3)により、例えば、検出対象物の液体の粘度η1(粘性)又は密度ρ1(濃度)の変化を測定することができる。
Figure 0006846218
ここで、定数πは、円周率を示している。また、変数fn、定数μq、及び定数ρqについては、上述した式(2)と同様である。
式(3)に示す関係により、QCM応答測定回路40による測定結果に基づいて、共振周波数の変化Δfを測定することにより、例えば、検出対象物の液体の粘度η1(粘性)又は密度ρ1(濃度)の変化を算出することが可能になる。
また、一方で、櫛歯電極応答測定回路60は、櫛歯電極測定信号に応じて第2電極T2の電極間における電気的特性を測定する。ここで、櫛歯電極応答測定回路60は、電極間に存在する物質の物性に関わる電気的特性として、例えば、インピーダンス、アドミッタンス、コンダクタンス、サセプタンス、インダクタンス、リアクタンス、レジスタンス、キャパシタンス、電気伝導度、イオン電導度、誘電率などを測定することができる。櫛歯電極応答測定回路60は、さらにそれらの測定値を基に、イオン濃度、酸化還元電位、酸化還元物質濃度などを算出することも可能である。
このように、櫛歯電極応答測定回路60は、例えば、インピーダンス、アドミッタンス、コンダクタンス、サセプタンス、インダクタンス、リアクタンス、レジスタンス、キャパシタンス、電気伝導度、イオン電導度、誘電率、イオン濃度、酸化還元電位、酸化還元物質濃度などの特性を、QCM測定と同時に測定することができる。
なお、本実施形態による圧電装置1は、図1に示すように接続する一例の他に、図4及び図5に示すような接続の変形例が考えられる。そこで、図4及び図5を参照して、本実施形態の接続の変形例について説明する。
<第1の実施形態の第1変形例>
図4は、第1の実施形態による圧電装置1の第1変形例を示すブロック図である。
図4に示すように、本変形例の圧電装置1aは、圧電ユニット10と、測定部20aとを備えている。
なお、図4において、図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
測定部20aは、接続部C1〜C3を介して圧電ユニット10に接続され、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、櫛歯電極信号印加回路50と、櫛歯電極応答測定回路60とを備えている。
なお、本変形例では、図4に示すように、QCM信号印加回路30と櫛歯電極信号印加回路50とが両者の信号が加算されるように直列に接続され、その出力が、第1電極T1と電極T21との間、及び、電極T21と電極T22との間に供給される。すなわち、QCM信号印加回路30と櫛歯電極信号印加回路50とは、少なくとも第1電極T1と第2電極T2のうちの少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)との間、及び少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)と複数の第2電極T2のうちの電極T21とは異なる電極である電極T22(第3電極)との間に、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とを加算した信号を供給する。つまり、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とが混合されて電極T21を含む電極間に供給される。
また、QCM応答測定回路40は、少なくとも第1電極T1と電極T21との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。また、櫛歯電極応答測定回路60は、電極T21と電極T22(第3電極)との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。
これにより、本変形例による圧電装置1aは、図1に示す圧電装置1と同様に、QCM測定による検出対象物の物理量(例えば、質量、粘性など)と第2電極T2の電極間に存在する物質(検出対象物)の物性に関わる電気的特性とを同時に測定することができる。
<第1の実施形態の第2変形例>
図5は、第1の実施形態による圧電装置1の第2変形例を示すブロック図である。
図5に示すように、本変形例の圧電装置1bは、圧電ユニット10と、測定部20bとを備えている。
なお、図5において、図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
測定部20bは、接続部C1〜C3を介して圧電ユニット10に接続され、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、櫛歯電極信号印加回路50と、櫛歯電極応答測定回路60と、信号ミキサー回路70とを備えている。
信号ミキサー回路70(信号混合部の一例)は、QCM信号印加回路30及び櫛歯電極信号印加回路50に接続され、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とを混合した信号を生成する。すなわち、信号ミキサー回路70は、例えば、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とを加算した信号を生成する。また、信号ミキサー回路70は、生成した信号を、接続部C2を介して電極T21に供給(印加)する。すなわち、信号ミキサー回路70の出力は、接続部C1、C2、C3を介して、第1電極T1と電極T21との間、及び電極T21と電極T22との間に供給(印加)される。なお、信号ミキサー回路70は、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号の信号レベルを任意に変えて混合してもよい。
また、QCM応答測定回路40は、少なくとも第1電極T1と電極T21との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。また、櫛歯電極応答測定回路60は、電極T21と電極T22(第3電極)との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。
これにより、本変形例による圧電装置1bは、図1に示す圧電装置1と同様に、QCM測定による検出対象物の物理量(例えば、質量、粘性など)と第2電極T2の電極間に存在する物質(検出対象物)の物性に関わる電気的特性とを同時に測定することができる。
以上説明したように、本実施形態による圧電装置1は、圧電板11(圧電素子)と、第1電極T1と、複数の第2電極T2と、QCM信号印加回路30(第1信号印加部)と、QCM応答測定回路40(第1応答測定部)と、櫛歯電極信号印加回路50(第2信号印加部)と、櫛歯電極応答測定回路60(第2応答測定部)とを備えている。圧電板11は、振動を励起し、第1電極T1は、圧電板11の裏面F1(第1面)に形成され、複数の第2電極T2は、圧電板11の裏面F1の反対側の面である表面F2(第2面)に互いに電気的に絶縁されて形成されている。QCM信号印加回路30は、複数の第2電極T2のうちの少なくとも1つの電極(電極T21)と少なくとも第1電極T1との間に、圧電板11に振動を励起させるQCM測定信号(第1電気信号)を供給する。QCM応答測定回路40は、QCM測定信号に応じて圧電振動子2が振動することにより、圧電振動子2に接触する物質の物性に相関する圧電振動子2(圧電板11)の電気的特性を測定する。櫛歯電極信号印加回路50は、複数の第2電極T2の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する櫛歯電極測定信号(第2電気信号)を、複数の第2電極T2の電極間に供給する。櫛歯電極応答測定回路60は、櫛歯電極測定信号に応じて複数の第2電極T2の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する。そして、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とが混合されて少なくとも1つの電極(電極T21)を含む電極間に供給される。
これにより、本実施形態による圧電装置1は、例えば、QCM測定信号(第1電気信号)と櫛歯電極測定信号(第2電気信号)との信号を切り替える信号切替部を備える必要なしに、共振周波数の変化を利用したQCM測定と、複数の第2電極T2の電極間に存在する物質の物性に関わる電気的特性とを測定することができる。また、信号切替部を備える必要がないため、本実施形態による圧電装置1は、共振周波数の変化や圧電振動子2の等価回路定数など、圧電振動子2の振動状態を反映しているパラメータを利用したQCM測定と、複数の第2電極T2の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性(以下、物性に関わる電気的特性ということがある)とを同時に測定することができる。よって、本実施形態による圧電装置1は、例えば、測定対象の状態変化が早く生じ、信号切替部で信号を切替える場合には測定データの測定漏れが生じるような場合でも、QCM測定と物性に関わる電気的特性測定を同時に行うことができるため、データの欠落なく測定を行うことができる。したがって、本実施形態による圧電装置1は、多様な電気特性測定に対応しつつ、圧電振動子の共振周波数の変化や等価回路定数を利用したQCM測定と、圧電振動子が接している物質の物性に相関する電気特性測定とを同時に測定することができる。
また、本実施形態による圧電装置1は、信号切替部やコンデンサを挿入する必要がなく、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とを供給することができるため、構成を簡略化できることに加え、信号の劣化や位相変化が生じることがなく、入力可能な信号の周波数が制限されることもない。
また、本実施形態では、櫛歯電極信号印加回路50は、少なくともQCM測定信号によって圧電振動子2(圧電板11)に振動を励起させている間に櫛歯電極測定信号を第2電極T2の電極間に供給する。
これにより、本実施形態による圧電装置1は、共振周波数の変化や圧電振動子2の等価回路定数を利用したQCM測定と、物性に関わる電気的特性とをより確実に同時に測定することができる。
また、本実施形態では、QCM信号印加回路30が第1電極T1と複数の第2電極T2のうちの少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)に接続され、QCM測定信号が供給される。櫛歯電極信号印加回路50は、第2電極T2を構成する1組の電極(電極T21と電極T22)に接続され、櫛歯電極測定信号が供給される。また、QCM応答測定回路40は、第1電極T1と複数の第2電極T2のうち少なくとも1つの電極(電極T21)との間に流れる電流を測定するように接続され、櫛歯電極応答測定回路60は、複数の第2電極T2を構成する1組の電極(電極T21と電極T22)の間に流れる電流を測定するように接続される。すなわち、QCM信号印加回路30は、少なくとも第1電極T1と複数の第2電極T2のうちの少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)との間にQCM測定信号を供給する。QCM応答測定回路40は、少なくとも第1電極T1と複数の第2電極T2のうち少なくとも1つの電極(電極T21)との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。また、櫛歯電極信号印加回路50は、上述した少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)と、複数の第2電極T2のうちの上述した少なくとも1つの電極(電極T21)とは異なる電極である第3電極(電極T22)との間に、櫛歯電極測定信号を供給する。櫛歯電極応答測定回路60は、上述した少なくとも1つの電極(電極T21)と第3電極(電極T22)との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。なお、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号は、無信号状態を含む任意の波形、任意の信号レベル、任意の周波数である。また、両者は同時に印加されていてもよい。
これにより、本実施形態による圧電装置1は、信号切替部を介することなくQCM測定信号と櫛歯電極測定信号を圧電振動子2に供給することができる。QCM応答測定回路40と櫛歯電極応答測定回路60とをそれぞれの信号印加回路に応じた電流を独立して測定する構成とすることで、本実施形態による圧電装置1は、簡易な手段によりQCM測定と、物性に関わる電気的特性とを同時に測定することができる。よって、本実施形態による圧電装置1は、簡易な手段により、共振周波数の変化や圧電振動子2の等価回路定数など、圧電振動子2の振動状態を反映しているパラメータを利用したQCM測定と、物性に相関する電気特性測定とを同時に測定することができる。
また、本実施形態では、QCM信号印加回路30と櫛歯電極信号印加回路50とは、周波数、位相、及び信号の有無のタイミングのうちの少なくとも1つに差異を設けて供給することで、両者の干渉を低減する。すなわち、櫛歯電極信号印加回路50は、櫛歯電極応答測定回路60が複数の第2電極T2の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する際に、周波数、位相、及び信号の有無のタイミングのうちの少なくとも1つに、QCM測定信号との差異を設けることで、QCM信号印加回路30が供給するQCM測定信号と干渉しないように、櫛歯電極測定信号を供給する。これにより、本実施形態による圧電装置1は、QCM測定と、物性に関わる電気特性測定とをより高精度に測定することができる。
また、本実施形態では、QCM応答測定回路40は、QCM測定信号に応じて複数の第2電極T2のうち少なくとも1つの電極(電極T21)と第1電極T1との間に流れる電流に関する値を測定し、櫛歯電極応答測定回路60は、櫛歯電極測定信号に応じて第2電極T2間に流れる電流に関する値を測定する。ここで、電流に関する値とは、例えば、電流の大きさ、周波数、及び位相などである。
これにより、本実施形態による圧電装置1は、QCM応答測定回路40が測定した電流に関する値に基づいて、圧電振動子2の共振周波数の変化や等価回路定数など、圧電振動子2の振動状態を反映しているパラメータの算出(QCM測定)による検出対象物の物理量(例えば、質量、粘性など)と、櫛歯電極応答測定回路60が測定した電流に関する値に基づいて、第2電極T2の電極間に存在する物質(検出対象物)の物性とを同時に測定することができる。
また、本実施形態では、櫛歯電極信号印加回路50は、圧電板11の基本共振周波数、及び、基本共振周波数のオーバートーンの共振周波数から所定の範囲以上(例えば、±5%以上)離れた周波数の交流信号を、櫛歯電極測定信号として第2電極T2の電極間に供給する。すなわち、櫛歯電極信号印加回路50は、櫛歯電極測定信号の周波数(f)を、上述した式(1)を満たすように、第2電極T2の電極間に供給する。
これにより、本実施形態による圧電装置1は、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号との間の干渉を低減することができ、QCM測定と、物性に関わる電気特性測定とをより高精度に測定することができる。
また、本実施形態では、圧電板11は、QCM測定信号によって厚み辷り振動を励起する。ここで、圧電板11の厚み辷りの振動状態は、圧電板11と接している物質の質量や粘弾性などの特性を反映しており、かつ厚み辷り振動状態は、QCM応答測定回路40で測定する信号の特性に反映される。
これにより、本実施形態による圧電装置1では、QCM応答測定回路40で測定される電流に関する値から、圧電板11と接している物質の物性を取得することができる。
また、本実施形態では、複数の第2電極T2のそれぞれは、櫛歯状の形状であり、櫛歯状の櫛歯の間に隣接する他の第2電極T2の櫛歯が配置される(噛み合う)ように表面F2に形成されている。すなわち、複数の第2電極T2のそれぞれは、互いに一定の間隔を介して相互に噛み合うように表面F2に配置されている。
これにより、本実施形態による圧電装置1は、電極T21と電極T22を一対の電極とした物性の測定に利用する場合において、測定対象物を介して信号が流れる経路を増やすことができ、物性に関わる電気特性測定を高感度に行うことができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、圧電板11の表裏面の電極(第1電極T1及び第2電極T2)の外形が囲む領域はほぼ等しい面積であり、圧電板11を挟んだ相対位置がほぼ一致するように形成されている。
これにより、本実施形態による圧電装置1は、圧電板11の厚み辷り振動から得られる信号を安定化させることができるため、QCM測定を高精度に行うことができる。
なお、第1電極T1及び第2電極T2の外形が囲む領域の形状は、任意(例えば、円形)であり、四角形に限定されるものではない。
また、本実施形態によれば、圧電ユニット10は、振動を励起する圧電板11と、圧電板11の裏面F1に形成れた第1電極T1と、圧電板11の裏面F1の反対側の面である表面F2に互いに電気的に絶縁されて形成された複数の第2電極T2とを備えている。そして、圧電ユニット10は、複数の第2電極T2のうちの少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)と少なくとも第1電極T1との間に、圧電板11に振動を励起させるQCM測定信号が印加され、QCM測定信号に応じて圧電板11が振動することにより、圧電板11に接触する物質の物性に相関する電気的特性が測定される。また、圧電ユニット10は、複数の第2電極T2の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する櫛歯電極測定信号が、複数の第2電極T2の電極間に印加され、櫛歯電極測定信号に応じて第2電極T2の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性が測定される。なお、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とは、無信号状態を含む任意の波形、任意の信号レベル、任意の周波数である。また、両者は同時に印加されていてもよい。
これにより、本実施形態による圧電ユニット10は、上述した圧電装置1と同様の効果を奏する。例えば、本実施形態による圧電ユニット10は、上述した圧電装置1と同様に、圧電振動子2(圧電板11)の共振周波数の変化や等価回路定数など、圧電振動子2(圧電板11)の振動状態を反映しているパラメータの算出(QCM測定)による検出対象物の物理量(例えば、質量、粘性など)と、櫛歯電極応答測定回路60が測定した電流に関する情報に基づいて、第2電極T2の電極間に存在する物質(検出対象物)の物性に関わる電気的特性とを同時に測定することができる。
また、本実施形態による測定方法は、振動を励起する圧電板11と、圧電板11の裏面F1に形成れた第1電極T1と、圧電板11の裏面F1の反対側の面である表面F2に互いに電気的に絶縁されて形成された複数の第2電極T2とを備える圧電ユニット10を用いた測定方法である。本実施形態による測定方法は、複数の第2電極T2うちの少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)と少なくとも第1電極T1との間に、圧電板11に振動を励起させるQCM測定信号を印加し、QCM測定信号に応じて圧電板11が振動することにより、圧電板11に接触する物質の物性に相関する電気的特性を測定する。本実施形態による測定方法は、複数の第2電極T2の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する櫛歯電極測定信号を、複数の第2電極T2の電極間に印加し、櫛歯電極測定信号に応じて第2電極T2の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する。なお、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とは、無信号状態を含む任意の波形、任意の信号レベル、任意の周波数である。また、両者は同時に印加されていてもよい。
これにより、本実施形態による測定方法は、上述した圧電装置1と同様の効果を奏する。例えば、本実施形態による測定方法は、上述した圧電装置1と同様に、圧電振動子2(圧電板11)の共振周波数の変化や等価回路定数など、圧電振動子2(圧電板11)の振動状態を反映しているパラメータの算出(QCM測定)による検出対象物の物理量(例えば、質量、粘性など)と、櫛歯電極応答測定回路60が測定した電流に関する情報に基づいて、第2電極T2の電極間に存在する物質(検出対象物)の物性に関わる電気的特性とを同時に測定することができる。
また、本実施形態の第1変形例では、QCM信号印加回路30と櫛歯電極信号印加回路50とが両者の信号が加算されるように直列に接続され、その出力が、第1電極T1と電極T21との間、および、電極T21と電極T22との間に供給される。また、QCM応答測定回路40は、第1電極T1と電極T21との間に流れる電流を測定し、櫛歯電極応答測定回路60は、複数の第2電極T2間に流れる電流を測定する。すなわち、QCM信号印加回路30と櫛歯電極信号印加回路50とは、第1電極T1と上述した少なくとも1つの電極(電極T21)との間、及び上述した少なくとも1つの電極(電極T21)と複数の第2電極T2のうちの少なくとも1つの電極(電極T21)とは異なる電極である第3電極(電極T22)との間に、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とを加算した信号を供給する。QCM応答測定回路40は、第1電極T1と上述した少なくとも1つの電極(電極T21)との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。また、櫛歯電極応答測定回路60は、上述した少なくとも1つの電極(電極T21)と第3電極(電極T22)との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。
これにより、本実施形態の圧電装置1aは、圧電装置1と同様に、簡易な手段により、共振周波数の変化や等価回路定数など、圧電振動子2の振動状態を反映しているパラメータの算出を利用したQCM測定と、物性に関わる電気特性測定とを同時に測定することができる。
また、本実施形態の第2変形例では、圧電装置1bは、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とを混合した信号を生成する信号ミキサー回路70(信号混合部)を備えている。QCM応答測定回路40は、第1電極T1に接続され、櫛歯電極応答測定回路60は、複数の第2電極T2のうちの少なくとも1つの電極(電極T21)とは異なる電極である第3電極(電極T22)に接続される。また、信号ミキサー回路70は、第1電極T1と電極T21との間、及び上述した少なくとも1つの電極(電極T21)と第3電極(電極T22)との間に供給(印加)する。QCM応答測定回路40は、第1電極T1と電極T21との間に流れる電流を測定し、櫛歯電極応答測定回路60は、第2電極T2間に流れる電流を測定する。すなわち、QCM応答測定回路40は、第1電極T1と上述した少なくとも1つの電極(電極T21)との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。また、櫛歯電極応答測定回路60は、上述した少なくとも1つの電極(電極T21)と第3電極(電極T22)との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている。なお、信号ミキサー回路70は、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号との信号レベルを任意に変えて混合してもよい。
これにより、本実施形態の圧電装置1bは、圧電装置1と同様に、簡易な手段により、共振周波数の変化や等価回路定数など、圧電振動子2の振動状態を反映しているパラメータを利用したQCM測定と、物性に関わる電気特性測定とを同時に測定することができる。
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態による圧電装置1cについて説明する。
図6は、第2の実施形態による圧電装置1cの一例を示すブロック図である。
図6に示すように、圧電装置1cは、圧電ユニット10と、測定部20cとを備えている。
なお、図6において、図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
測定部20cは、接続部C1〜C3を介して圧電ユニット10に接続され、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、櫛歯電極信号印加回路50と、櫛歯電極応答測定回路60と、フィルタ部(71、72)とを備えている。
本実施形態では、測定部20cがフィルタ部(71、72)を備える点が、第1の実施形態と異なる。
フィルタ部71は、QCM応答測定回路40と、圧電振動子2の第1電極T1との間に接続され、第1電極T1と電極T21との間に流れるQCM応答信号のうちの所定の周波数範囲の周波数成分を通過させるフィルタである。フィルタ部71は、例えば、図7に示すようなサレン・キー型2次ハイパスフィルタ回路である。
図7は、本実施形態におけるQCM測定用のフィルタ部71の一例を示す回路図である。
図7に示すように、フィルタ部71は、コンデンサ(711、712)と、抵抗(713、714)と、オペアンプ715とを備えている。
コンデンサ711は、QCM応答信号の信号線とノードN2との間に接続され、コンデンサ712は、ノードN2とノードN3との間に接続されている。
また、抵抗713は、ノードN3と電源GND(グランド)との間に接続され、抵抗714は、ノードN2とノードN4との間に接続されている。
オペアンプ715は、非反転入力端子(“+”端子)がノードN2に接続され、反転入力端子(“−”端子)がノードN4に接続されている。また、オペアンプ715は、出力端子がノードN4に接続されている。
なお、図7に示すサレン・キー型2次ハイパスフィルタ回路は、コンデンサ711の静電容量値をc1、コンデンサ712の静電容量値をc2、抵抗713の抵抗値をr1、抵抗714の抵抗値をr2とした場合に、カットオフ周波数fcは、以下の式(4)のように表される。ここで、カットオフ周波数fcとは、信号強度が一定レベル(例えば、−3dB(デシベル))減衰する周波数のことである。
Figure 0006846218
フィルタ部71は、例えば、QCM測定信号が9MHz付近の信号である場合に、カットオフ周波数fcを1MHzとすると、図7に示す回路において、抵抗値r1=r2=16kΩ(キロオーム)、静電容量c1=c2=10pF(ピコファラッド)とすることで実現できる。この場合、フィルタ部71は、QCM応答信号のうちの1MHz以上の周波数成分を通過させ、1MHz未満の周波数成分を遮断する。
本実施形態によるQCM応答測定回路40は、フィルタ部71によって、例えば、櫛歯電極測定信号の周波数成分が遮断された信号を用いてQCM測定を行う。
また、フィルタ部72は、櫛歯電極応答測定回路60と、圧電振動子2の第2電極T2(電極T22)との間に接続され、第2電極T2間に流れる櫛歯電極応答信号のうちの所定の周波数の範囲の周波数成分を通過させるフィルタである。フィルタ部72は、例えば、図8に示すようなサレン・キー型2次ローパスフィルタ回路である。
図8は、本実施形態における櫛歯電極測定用のフィルタ部72の一例を示す回路図である。
図8に示すように、フィルタ部72は、抵抗(721、722)と、コンデンサ(723、724)と、オペアンプ725とを備えている。
抵抗721は、櫛歯電極応答信号の信号線とノードN5との間に接続され、抵抗722は、ノードN5とノードN6との間に接続されている。
また、コンデンサ723は、ノードN6と電源GNDとの間に接続され、コンデンサ724は、ノードN5とノードN7との間に接続されている。
オペアンプ725は、非反転入力端子(“+”端子)がノードN6に接続され、反転入力端子(“−”端子)がノードN7に接続されている。また、オペアンプ725は、出力端子がノードN7に接続されている。
なお、図8に示すサレン・キー型2次ローパスフィルタ回路は、抵抗721の抵抗値をr3、抵抗722の抵抗値をr4、コンデンサ723の静電容量値をc3、コンデンサ724の静電容量値をc4、とした場合に、カットオフ周波数fcは、以下の式(5)のように表される。
Figure 0006846218
フィルタ部72は、例えば、櫛歯電極測定信号が100kHz(キロヘルツ)付近の信号である場合に、カットオフ周波数fcを2MHzとすると、図8に示す回路において、抵抗値r3=r4=8.2kΩ、静電容量c3=c4=10pFとすることで実現できる。この場合、フィルタ部72は、櫛歯電極応答信号のうちの2MHz以下の周波数成分を通過させ、2MHzを超える周波数成分を遮断する。
本実施形態による櫛歯電極応答測定回路60は、フィルタ部72によって、例えば、櫛QCM測定信号の周波数成分が遮断された信号を用いて、櫛歯電極間の電気的特性を測定する。
以上説明したように、本実施形態による圧電装置1cは、フィルタ部(71、72)を備えている。フィルタ部71は、QCM応答測定回路40と、圧電振動子2の第1電極T1との間に接続され、QCM応答信号のうちの所定の周波数の範囲の周波数成分(例えば、QCM測定信号の周波数成分)を通過させ、櫛歯電極測定信号の周波数成分を遮断する。また、フィルタ部72は、櫛歯電極応答測定回路60と、圧電振動子2の第2電極T2(電極T22)との間に接続され、櫛歯電極応答信号のうちの所定の周波数の範囲の周波数成分(例えば、櫛歯電極測定信号の周波数成分)を通過させ、QCM測定信号の周波数成分を遮断する。
これにより、本実施形態による圧電装置1cは、QCM測定と、物性に関わる電気的特性の測定を行う際に、互いの入力信号(QCM測定信号又は櫛歯電極測定信号)の干渉(影響)を低減することができる。よって、本実施形態による圧電装置1cは、QCM測定と、物性に関わる電気特性測定とをより高精度に測定することができる。
なお、本実施形態による圧電装置1cに対して、第1の実施形態の第1変形例及び第2変形例と同様の変形例が可能であるが、ここではその説明を省略する。
[第3の実施形態]
次に、図面を参照して、第3の実施形態による圧電装置1dについて説明する。
図9は、第3の実施形態による圧電装置1dの一例を示すブロック図である。
図9に示すように、圧電装置1dは、圧電ユニット10と、測定部20dとを備えている。
なお、図9において、図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
測定部20dは、接続部C1〜C3を介して圧電ユニット10に接続され、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、櫛歯電極信号印加回路50と、櫛歯電極応答測定回路60と、信号印加制御部73とを備えている。
本実施形態では、測定部20dが信号印加制御部73を備える点が、第1の実施形態と異なる。
信号印加制御部73(制御部の一例)は、QCM信号印加回路30及び櫛歯電極信号印加回路50に制御信号を出力し、QCM測定信号及び櫛歯電極測定信号を供給するタイミング、及び信号レベルの少なくとも一方を制御する。すなわち、信号印加制御部73は、QCM信号印加回路30に対して、QCM測定信号の印加タイミングや信号レベルを変更させる制御を行う。また、信号印加制御部73は、櫛歯電極信号印加回路50に対して、櫛歯電極測定信号の印加タイミングや信号レベルを変更させる制御を行う。
例えば、信号印加制御部73は、QCM信号印加回路30及び櫛歯電極信号印加回路50に対して、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号との印加タイミングを一致させる、あるいは、一定の時間差を設けて印加するなどの制御を行う。また、例えば、信号印加制御部73は、QCM信号印加回路30及び櫛歯電極信号印加回路50に対して、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号との信号レベルを所定の比率にするなどの制御を行う。
なお、本実施形態による圧電装置1dに対して、第1の実施形態の第1変形例及び第2変形例と同様の変形例が可能である。そこで、図10及び図11を参照して、本実施形態の変形例について説明する。
<第3の実施形態の第1変形例>
図10は、第3の実施形態による圧電装置1dの第1変形例を示すブロック図である。
図10に示すように、本変形例の圧電装置1eは、圧電ユニット10と、測定部20eとを備えている。
なお、図10において、図4に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
測定部20eは、接続部C1〜C3を介して圧電ユニット10に接続され、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、櫛歯電極信号印加回路50と、櫛歯電極応答測定回路60と、信号印加制御部73とを備えている。
なお、本変形例では、図10に示すように、QCM信号印加回路30と櫛歯電極信号印加回路50とが両者の信号が加算されるように直列に接続され、その出力が、第1電極T1と電極T21との間、および、電極T21と電極T22との間に供給される。そして、信号印加制御部73は、QCM信号印加回路30及び櫛歯電極信号印加回路50に制御信号を出力し、QCM測定信号及び櫛歯電極測定信号を供給するタイミング又は信号レベルを制御する。
<第3の実施形態の第2変形例>
図11は、第3の実施形態による圧電装置1dの第2変形例を示すブロック図である。
図11に示すように、本変形例の圧電装置1fは、圧電ユニット10と、測定部20fとを備えている。
なお、図11において、図5に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
測定部20fは、接続部C1〜C3を介して圧電ユニット10に接続され、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、櫛歯電極信号印加回路50と、櫛歯電極応答測定回路60と、信号ミキサー回路70と、信号印加制御部73aとを備えている。
信号印加制御部73aは、信号ミキサー回路70に制御信号を出力し、QCM測定信号及び櫛歯電極測定信号を供給するタイミング又は信号レベルを制御する。
また、図11に示す信号ミキサー回路70(信号混合部の一例)は、信号印加制御部73aに基づいて、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とのタイミング又は信号レベルを変更して混合する。また、信号ミキサー回路70の出力は、接続部C1,接続部C2、及び接続部C3を介して、第1電極T1と電極T21との間、及び電極T21と電極T22との間に供給(印加)される。
以上説明したように、本実施形態による圧電装置1d(1e、1f)は、QCM測定信号及び櫛歯電極測定信号を供給するタイミング又は信号レベルを制御する信号印加制御部73(73a)を備える。
これにより、本実施形態による圧電装置1d(1e、1f)は、QCM測定と物性に関わる電気的測定とを最適に行えるように、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号とのタイミング又は信号レベルを制御することができる。そのため、本実施形態による圧電装置1d(1e、1f)は、QCM測定と、その他の電気特性測定とをより高精度に測定することができる。
[第4の実施形態]
次に、図面を参照して、第4の実施形態による圧電装置1gについて説明する。
図12は、第4の実施形態による圧電装置1gの一例を示すブロック図である。
図12に示すように、圧電装置1gは、圧電ユニット10と、測定部20gとを備えている。
なお、図12において、図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
測定部20gは、接続部C1〜C3を介して圧電ユニット10に接続され、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、複数の櫛歯電極信号印加回路50(50−1、50−2、50−3、・・・)と、複数の櫛歯電極応答測定回路60(60−1、60−2、60−3、・・・)とを備えている。
本実施形態では、測定部20gが複数の櫛歯電極信号印加回路50と、複数の櫛歯電極応答測定回路60とを備える場合の一例について説明する。
なお、櫛歯電極信号印加回路(50−1、50−2、50−3、・・・)は、例えば、それぞれが異なる櫛歯電極測定信号を生成するものとする。ここで、櫛歯電極信号印加回路(50−1、50−2、50−3、・・・)は、圧電装置1gが備える任意の櫛歯電極信号印加回路を示す場合、又は特に区別しない場合には、櫛歯電極信号印加回路50として説明する。
複数の櫛歯電極信号印加回路50のそれぞれは並列に接続されて、生成した各櫛歯電極測定信号は第2電極T2間に供給される。
また、櫛歯電極応答測定回路(60−1、60−2、60−3、・・・)は、例えば、それぞれが異なる櫛歯電極測定信号に応じて第2電極T2の電極間における電気的特性を測定する。ここで、櫛歯電極応答測定回路(60−1、60−2、60−3、・・・)は、圧電装置1gが備える任意の櫛歯電極応答測定回路を示す場合、又は特に区別しない場合には、櫛歯電極応答測定回路60として説明する。
複数の櫛歯電極応答測定回路60のそれぞれは、並列に接続されて、複数の櫛歯電極信号印加回路50が生成した各櫛歯電極測定信号に応じて第2電極T2の電極間における電気的特性を測定する。
なお、本実施形態による圧電装置1gに対して、第1の実施形態の第1変形例及び第2変形例と同様の変形例が可能である。そこで、図13及び図14を参照して、本実施形態の変形例について説明する。
<第4の実施形態の第1変形例>
図13は、第4の実施形態による圧電装置1gの第1変形例を示すブロック図である。
図13に示すように、本変形例の圧電装置1hは、圧電ユニット10と、測定部20hとを備えている。
なお、図13において、図1及び図12に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
測定部20hは、接続部C1〜C3を介して圧電ユニット10に接続され、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、複数の櫛歯電極信号印加回路50(50−1、50−2、50−3、・・・)と、複数の櫛歯電極応答測定回路60(60−1、60−2、60−3、・・・)とを備えている。
なお、本変形例では、図13に示すように、QCM信号印加回路30と複数の櫛歯電極信号印加回路50とが直列に接続され、その出力が、第1電極T1と電極T21との間、及び電極T21と電極T22との間に供給される。なお、複数の櫛歯電極信号印加回路50のそれぞれは、上述した図12に示す測定部20gと同様に、並列に接続されている。
また、複数の櫛歯電極応答測定回路60のそれぞれは、上述した図12に示す測定部20gと同様に、並列に接続されている。複数の櫛歯電極応答測定回路60のそれぞれは、複数の櫛歯電極信号印加回路50が生成した各櫛歯電極測定信号に応じて第2電極T2の電極間における電気的特性を測定する。
なお、図13において、複数の櫛歯電極信号印加回路50を並列に接続しているが、これらを直列に接続するようにしてもよい。
<第4の実施形態の第2変形例>
図14は、第4の実施形態による圧電装置1gの第2変形例を示すブロック図である。
図14に示すように、本変形例の圧電装置1iは、圧電ユニット10と、測定部20iとを備えている。
なお、図14において、図5及び図12に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
測定部20iは、接続部C1〜C3を介して圧電ユニット10に接続され、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、複数の櫛歯電極信号印加回路50(50−1、50−2、50−3、・・・)と、複数の櫛歯電極応答測定回路60(60−1、60−2、60−3、・・・)と信号ミキサー回路70とを備えている。
信号ミキサー回路70(信号混合部の一例)は、QCM信号印加回路30及び複数の櫛歯電極信号印加回路50に接続され、QCM測定信号と複数の櫛歯電極測定信号とを混合した信号を生成する。その際、QCM測定信号とそれぞれの櫛歯電極測定信号の信号レベルを任意に変えて混合してもよい。また、信号ミキサー回路70の出力は、接続部C1、接続部C2、及び接続部C3を介して第1電極T1と電極T21との間、及び電極T21と電極T22との間に供給(印加)される。
また、複数の櫛歯電極応答測定回路60については、上述した本実施形態の第1変形例と同様であるのでその説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態による圧電装置1g(1h、1i)は、複数の櫛歯電極信号印加回路50と、複数の櫛歯電極応答測定回路60とを備える。
これにより、本実施形態による圧電装置1g(1h、1i)は、QCM測定と、物性に関わる複数種類の電気特性測定とを同時に行うことができる。すなわち、本実施形態による圧電装置1g(1h、1i)は、QCM測定を行うとともに、多様な物性測定に対応することができる。
[第5の実施形態]
次に、図面を参照して、第5の実施形態による測定装置100について説明する。
本実施形態では、上述した圧電装置1(1a〜1i)を利用した測定装置100について説明する。本実施形態では、一例として、圧電装置1を利用した、液体中に含まれる物質濃度と物質の同定とを同時に行う測定装置100について説明する。
図15は、本実施形態による測定装置100の一例を示す構成図である。
図15に示すように、測定装置100は、例えば、液体クロマトグラフィー装置であり、カラム110と、フローセル120と、測定部20と、測定制御部130とを備えている。
カラム110は、混合物で構成される試料(測定対象物)を分離し、フローセル120に供給する。
フローセル120は、上述した圧電ユニット10が備えられており、圧電ユニット10が、カラム110から流れてきた液体に含まれる試料の測定を行う。
なお、フローセル120が備える圧電ユニット10と、測定部20とが、上述した圧電装置1に対応する。
測定部20は、カラム110で分離した試料が圧電振動子2に吸着する量をQCM測定により測定する。また、同時に、測定部20は、櫛歯電極(第2電極T2)により電気的インピーダンスや電気伝導度を測定する。
測定制御部130は、測定部20によるQCM測定の結果に基づいて、試料の濃度を測定すると同時に、櫛歯電極(第2電極T2)による測定結果(電気的インピーダンスや電気伝導度など)に基づいて、圧電振動子2に吸着した試料の種類(物質種類)を同定する。
なお、このような測定を従来技術により行おうとした場合には、QCM測定と、櫛歯電極(第2電極T2)による測定とを切り替えて測定する必要がある。図15に示す一例では、試料が連続的に流れている状態で測定する必要があるため、QCM測定と、櫛歯電極(第2電極T2)による測定とを切り替えながら測定する従来技術では、データの欠落が生じることになる。
これに対して、上述した圧電装置1を備えた本実施形態による測定装置100では、データの欠落が生じることなく、物質濃度と物質の同定とを同時に行うことが可能である。
なお、図15に示す一例では、測定装置100が、圧電装置1を備える例を説明したが、圧電装置1の代わりに、上述した圧電装置1a〜1iのいずれかを備えるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態による測定装置100は、上述した圧電装置1(1a〜1i)を備えている。
これにより、本実施形態による測定装置100は、上述した圧電装置1(1a〜1i)と同様の効果を奏する。すなわち、本実施形態による測定装置100は、多様な電気特性測定に対応しつつ、共振周波数の変化や等価回路定数など、圧電振動子2の振動状態を反映しているパラメータの算出を利用したQCM測定と、物性に関わる電気特性測定とを同時に測定することができる。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態は、単独で実施される例を説明したが、これに限定されるものではなく、上記の各実施形態を複数組み合わせて実施してもよい。
また、上記の各実施形態において、第1電極T1と第2電極T2(電極T12及び電極T22)とは、図2に示す形状に限定されるものではなく、他の形状の電極であってもよい。
また、上記の各実施形態において、圧電振動子2が2つの第2電極T2(電極T12及び電極T22)を備える例を説明したが、3つ以上の第2電極T2を備えるようにしてもよい。例えば、圧電振動子2が、図16に示すように4つの第2電極T2を備えるようにしてもよい。
図16は、本発明に係る実施形態における圧電板11の別の一例を示す第1の図である。なお、図16において、図2に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図16(a)は、4つの第2電極T2を備える圧電板11の裏面F1(第1面)の外観を示している。この例における圧電板11の裏面F1は、図2(a)に示す例と同様であるのでその説明を省略する。
また、図16(b)は、4つの第2電極T2を備える圧電板11の表(おもて)面F2(第2面)の外観を示している。図16(b)に示すように、圧電板11の表面F2には、4つの第2電極T2が互いに電気的に絶縁されて形成されている。この4つの第2電極T2(電極T21〜電極T24)は、それぞれが櫛歯状の形状に形成されており、櫛歯状の櫛歯の間に隣接する他の第2電極T2の櫛歯が配置されるように表面F2に形成されている。また、電極T21は、接続部C2を介して測定部20(20a〜20i)に接続され、電極T22は、接続部C3を介して測定部20(20a〜20i)に接続される。また、電極T23は、接続部C4を介して測定部20(20a〜20i)に接続され、電極T24は、接続部C5を介して測定部20(20a〜20i)に接続される。なお、図16(b)では、4つの電極(T21〜T24)がすべて電気的に独立している例を示しているが、そのうちの2つ(例えばT22とT24)を電気的に接続した構成としてもよい。
なお、図16に示す圧電板11を使用する場合には、測定部20(20a〜20i)は、複数の櫛歯電極信号印加回路50と、複数の櫛歯電極応答測定回路60とを備え、例えば、電極T21と電極T22との間と、電極T23と電極T24との間とで異なる電気的特性を測定するようにしてもよい。この場合、圧電装置1(1a〜1i)は、4つの第2電極T2を利用して、複数種類(2種類)の電気的特性を同時に測定することができる。
また、上記の各実施形態において、圧電振動子2が1つの第1電極T1を備える例を説明したが、図17及び図18に示すように、複数の第1電極T1を備えるようにしてもよい。
図17は、本発明に係る実施形態における圧電板11の別の一例を示す第2の図である。なお、図17において、図2に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図17(a)は、2つの第1電極T1を備える圧電板11の裏面F1(第1面)の外観を示している。図17(a)に示すように、圧電板11の裏面F1には、2つの第1電極T1(電極T11及び電極T12)が互いに電気的に絶縁されて形成されている。また、電極T11は、接続部C11を介して測定部20(20a〜20i)に接続され、電極T12は、接続部C12を介して測定部20(20a〜20i)に接続される。
また、図17(b)は、図2(b)に示す例と同様であるのでその説明を省略する。
なお、図17に示す圧電板11を使用する場合には、測定部20(20a〜20i)は、複数の櫛歯電極信号印加回路50と、複数の櫛歯電極応答測定回路60とを備え、例えば、電極T21と電極T22との間と、電極T11と電極T12との間とで異なる電気的特性を測定するようにしてもよい。この場合、圧電装置1(1a〜1i)は、2つの第1電極T1及び2つの第2電極T2を利用して、複数種類(2種類)の電気的特性を同時に測定することができる。
なお、図17では、4つの電極(T11、T12,T21,T22)がすべて電気的に独立している例を示しているが、表裏面のそれぞれ1つ(例えば、電極T11と電極T21)が電気的に接続した構成としてもよい。
図18は、本発明に係る実施形態における圧電板11の別の一例を示す第3の図である。なお、図18において、図16に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図18(a)は、4つの第1電極T1を備える圧電板11の裏面F1(第1面)の外観を示している。図18(a)に示すように、圧電板11の裏面F1には、4つの第1電極T1(電極T11〜電極T14)が互いに電気的に絶縁されて形成されている。また、電極T11は、接続部C11を介して測定部20(20a〜20i)に接続され、電極T12は、接続部C12を介して測定部20(20a〜20i)に接続される。また、電極T13は、接続部C13を介して測定部20(20a〜20i)に接続され、電極T14は、接続部C14を介して測定部20(20a〜20i)に接続される。
また、図18(b)は、図16(b)に示す例と同様であるのでその説明を省略する。
なお、図18に示す圧電板11を使用する場合には、測定部20(20a〜20i)は、複数の櫛歯電極信号印加回路50と、複数の櫛歯電極応答測定回路60とを備え、例えば、電極T21と電極T22との間と、電極T23と電極T24との間と、電極T11と電極T12との間と、電極T13と電極T14との間とで異なる電気的特性を測定するようにしてもよい。この場合、圧電装置1(1a〜1i)は、4つの第1電極T1及び4つの第2電極T2を利用して、複数種類(4種類)の電気的特性を同時に測定することができる。
なお、図18では、8つの電極(T11〜T14,T21〜T24)がすべて電気的に独立している例を示しているが、任意の2つから4つの電極(例えば、電極T12と電極T14と、あるいは、電極T12と電極T14と電極T22と電極T24となど)が電気的に接続した構成としてもよい。
また、上記の各実施形態において、櫛歯電極信号印加回路50が、式(1)の条件式を満たす櫛歯電極測定信号を第2電極T2の端子間に供給する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、櫛歯電極信号印加回路50は、図19に示す水晶振動子の等価回路定数を用いて、下記の式(6)の条件式を満たすように、櫛歯電極測定信号を第2電極T2の端子間に供給するようにしてもよい。
図19は、水晶振動子の等価回路を示している。図19に示す等価回路では、抵抗81と、コイル82と、コンデンサ83とが直列に接続されるとともに、コンデンサ84が並列に接続されている。
Figure 0006846218
ここで、変数Rは、抵抗81の抵抗値を示し、変数Lは。コイル82のインダクタンス値を示している。また、変数Cは、コンデンサ83及びコンデンサ84の静電容量値を示している。なお、QCM測定信号と櫛歯電極測定信号は、無信号状態を含む任意の波形、任意の信号レベル、任意の周波数である。また、両者は同時に印加されていてもよい。
また、QCM応答測定回路40が、QCM測定信号に応じた測定に基づいて、圧電振動子2の等価回路(図19)における抵抗値Rを取得した場合には、以下の式(7)により、例えば、検出対象物の液体の粘度η1(粘性)又は密度ρ1(濃度)を測定することができる。
Figure 0006846218
ここで、定数πは、円周率を示している。また、変数fn、及び変数Aについては、上述した式(2)と同様である。また、変数kは、圧電振動子2の圧電係数である。
式(7)に示す関係により、QCM応答測定回路40による測定結果に基づいて、圧電振動子2の等価回路における抵抗Rを測定することにより、例えば、検出対象物の液体の粘度η1(粘性)又は密度ρ1(濃度)を算出することが可能になる。なお、上述した圧電装置1(1a〜1i)は、これ以外にも、圧電振動子2のアドミッタンス、コンダクタンス、サセプタンス、インダクタンス、リアクタンス、レジスタンス、インピーダンス、キャパシタンス、振幅、共振周波数、及びこれらの情報から求められる等価回路定数などの電気的特性の測定により、圧電振動子2が接している物質の特性を得ることができる。
また、上記の各実施形態において、QCM信号印加回路30は、第1電極T1と、複数の第2電極T2うちの少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)との間に供給(印加)する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図20に示すように、第1電極T1と、上述した第3電極(電極T22)とを接続し、QCM信号印加回路30は、第1電極T1及び第3電極(電極T22)と、上述した少なくとも1つの電極(例えば、電極T21)との間に供給(印加)するようにしてもよい。
図20は、本発明に係る実施形態におけるQCM測定の変形例を示す圧電装置1jのブロック図である。
図20に示す例では、圧電装置1jは、圧電ユニット10aと、測定部20jとを備えている。ここでは、上述した第1の実施形態に、第1電極T1と第3電極(電極T22)とを接続して、QCM測定を行う変形例を示している。
なお、図20において、図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
圧電ユニット10aは、圧電振動子2を備えており、接続部C1及び接続部C2を介して後述する測定部20jに接続されている。なお、接続部C1は、第1電極T1と電極T22(第3電極)と接続されている。
測定部20jは、接続部C1及び接続部C2を介して圧電ユニット10aに接続され、圧電ユニット10aを利用して各種測定を実行する。測定部20jは、QCM信号印加回路30と、QCM応答測定回路40と、櫛歯電極信号印加回路50と、櫛歯電極応答測定回路60とを備えている。
櫛歯電極信号印加回路50は、接続部C1及び接続部C2を介して、電極T21と電極T22との間に、櫛歯電極測定信号を供給し、櫛歯電極応答測定回路60は、接続部C1及び接続部C2を介して、電極T21と電極T22との間に流れる電流に関する値を測定する。
このように、第1電極T1と第3電極(電極T22)とが接続されており、櫛歯電極信号印加回路50は、第1電極T1及び第3電極(電極T22)と、上述した少なくとも1つの電極(電極T21)との間に、櫛歯電極測定信号を供給するようにしてもよい。
これにより、圧電装置1jは、第1の実施形態と同様に、多様な電気特性測定に対応しつつ、圧電振動子の共振周波数の変化や等価回路定数を利用したQCM測定と、圧電振動子が接している物質の物性に相関する電気特性測定とを同時に測定することができる。
なお、図20に示す例は、上述した第1の実施形態の圧電装置1に圧電ユニット10aを適用しているが、他の実施形態の圧電装置1a〜1iに圧電ユニット10aを適用してもよい。また、図20に示す例では、第1電極T1と第3電極(電極T22)とが、圧電ユニット10a内にて接続される例を説明したが、圧電ユニット10に対して、第1電極T1と第3電極(電極T22)とが外部で接続されるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態において、QCM信号印加回路30は、圧電振動子2の基本波あるいは倍振動での共振周波数において発振を励起する発振回路であってもよい。これにより、QCM信号印加回路30は、圧電振動子2をより容易に共振周波数およびその倍振動の周波数で励振させることができる。また、この場合、QCM応答測定回路40は、信号の周波数をカウントする周波数カウンタなどを含むものであってもよい。
また、上記の各実施形態において、QCM信号印加回路30が、QCM測定信号の周波数を変化させて出力し、QCM応答測定回路40が、QCM測定信号の周波数変化に応じた電気的特性を測定するようにしてもよい。また、櫛歯電極信号印加回路50が、櫛歯電極測定信号の周波数を変化させて出力し、櫛歯電極応答測定回路60が、櫛歯電極測定信号の周波数変化に応じた電気的特性を測定するようにしてもよい。また、櫛歯電極応答測定回路60は、直流信号を第2電極T2の電極間に供給するようにしてもよい。
ここで、QCM信号印加回路30、QCM応答測定回路40、櫛歯電極信号印加回路50、櫛歯電極応答測定回路60、及び信号ミキサー回路70の具体例について説明する。
図21〜図24は、本発明に係る実施形態におけるQCM信号印加回路30の具体例を示す回路図である。
図21は、QCM信号印加回路30の具体例である発振回路31を示している。
図21に示す発振回路31は、例えば、CMOS(Complementary Metal−Oxide−Semiconductor)ゲート発振回路である。発振回路31は、インバータゲート311と、抵抗(312、313)と、コンデンサ(314、315)とを備えている。
インバータゲート311は、入力端子がノードN33に、出力端子がノードN31に、それぞれ接続されている。また、抵抗312は、第1端子がノードN33に、第2端子がノードN31に、それぞれ接続されている。このように、インバータゲート311と抵抗312とは、ノードN33とノードN31との間に並列に接続されている。
抵抗313は、第1端子がノードN31に、第2端子がノードN32に、それぞれ接続されている。コンデンサ314は、第1端子がノードN33に、第2端子が電源GND(基準電位)に、それぞれ接続され、コンデンサ315は、第1端子がノードN32に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。ここで、ノードN32は、圧電振動子2の電極T21に接続され、ノードN33は、圧電振動子2の第1電極T1に接続される。
このように、CMOSゲート発振回路である発振回路31では、圧電振動子2の第1電極T1と第2電極T2(電極T21又は電極T22)とに接続することにより、圧電振動子2を発振させ、ノードN31から圧電振動子2の発振信号を出力する。
また、図22は、QCM信号印加回路30の別の具体例である発振回路32を示している。
図22に示す発振回路32は、例えば、コルピット発振回路である。発振回路32は、抵抗(321、322、325、327)と、コンデンサ(323、324、328)と、トランジスタ326とを備えている。
抵抗321と抵抗322とは、電源Vccと電源GNDとの間に直列に接続されている。すなわち、抵抗321は、第1端子が電源Vccに、第2端子がノードN34に、それぞれ接続されている。また、抵抗322は、第1端子がノードN34に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。
コンデンサ323とコンデンサ324とは、ノードN34と電源GNDとの間に直列に接続されている。また、抵抗325は、第1端子が電源Vccに、第2端子がノードN36に、それぞれ接続されている。
トランジスタ326は、例えば、NPNトランジスタであり、コレクタ端子がノードN36に、ベース端子がノードN34に、エミッタ端子が、コンデンサ323及びコンデンサ324の中点であるノードN35に、それぞれ接続されている。
抵抗327は、第1端子がノードN35に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。
また、ノードN34は、圧電振動子2の第1電極T1に接続され、電源GNDは、圧電振動子2の電極T21に接続される。また、コンデンサ328は、第1端子がノードN36に接続され、第2端子から発振信号であるOutput信号を出力する。
このように、コルピット発振回路である発振回路32では、圧電振動子2の第1電極T1と第2電極T2(電極T21又は電極T22)とに接続することにより、圧電振動子2を発振させ、Output信号の信号線から圧電振動子2の発振信号を出力する。
また、図23は、QCM信号印加回路30の具体例である周波数掃引回路33を示している。
図23に示す周波数掃引回路33は、例えば、VCO(Voltage Controlled Oscillator)回路330を利用して、周波数を変化させて(周波数掃引させて)圧電振動子2に印加する。
VCO回路330は、コンデンサ(331、335〜337、339、341、344〜346、349、351)と、抵抗(332、334、340、343、348)と、可変容量ダイオード333と、コイル(338、347)と、トランジスタ(342、350)とを備えている。
コンデンサ331は、制御電圧Vctrlの信号線と電源GNDとの間に接続されている。抵抗332は、第1端子が制御電圧Vctrlの信号線に、第2端子がノードN331に、それぞれ接続されている。
可変容量ダイオード333は、アノード端子がノードN332に、カソード端子がノードN331に接続されている。可変容量ダイオード333は、制御電圧Vctrlの変化に応じて静電容量が変化する。
抵抗334は、第1端子がノードN332に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。また、コンデンサ335は、第1端子がノードN332に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。
コンデンサ336は、第1端子がノードN331に、第2端子がノードN333に、それぞれ接続されている。また、コンデンサ337は、第1端子がノードN333に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。また、コイル338は、第1端子がノードN333に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。
コンデンサ339は、第1端子がノードN333に、第2端子がノードN334に、それぞれ接続されている。また、抵抗340は、第1端子が電源Vccに、第2端子がノードN334に、それぞれ接続されている。また、コンデンサ341は、第1端子がノードN334に、第2端子がノードN335に、それぞれ接続されている。
トランジスタ342は、例えば、NPNトランジスタであり、コレクタ端子が電源Vccに、ベース端子がノードN334に、エミッタ端子がノードN335に、それぞれ接続されている。また、抵抗343は、第1端子がノードN335に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。
コンデンサ344は、第1端子が電源Vccに、第2端子がノードN335に、それぞれ接続されている。また、コンデンサ345は、第1端子が電源Vccに、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。また、コンデンサ346は、第1端子がノードN335に、第2端子がノードN336に、それぞれ接続されている。
コイル347は、第1端子が電源Vccに、第2端子がノードN337に、それぞれ接続されている。また、抵抗348は、第1端子がノードN337に、第2端子がノードN336に、それぞれ接続されている。また、コンデンサ349は、第1端子がノードN336に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。
トランジスタ350は、例えば、NPNトランジスタであり、コレクタ端子がノードN337に、ベース端子がノードN336に、エミッタ端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。また、コンデンサ351は、第1端子がノードN337に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。
VCO回路330は、制御電圧Vctrlに応じて、可変容量ダイオード333が変化することにより、発振周波数が変化する。そのため、VCO回路330は、制御電圧Vctrlに応じて周波数が変化した信号をノードN337に出力する。VCO回路330は、例えば、制御電圧Vctrlの電圧が高くなる程、ノードN337に出力する信号の発振周波数が高くなる。
なお、周波数掃引回路33において、ノードN337が、第1電極T1に接続されて、制御電圧Vctrlに応じた周波数の信号を圧電振動子2に印加する。また、電極T21には、コンデンサ352を介して電源GNDに接続されている。周波数掃引回路33は、VCO回路330を利用して、制御電圧Vctrlを変化させることにより、印加する信号の周波数を掃引させて、圧電振動子2に印加する。
また、図24は、QCM信号印加回路30の別の具体例である周波数掃引回路36を示している。
図24に示す周波数掃引回路36は、例えば、DDS(Direct Digital Synthesizer)362を利用して、周波数を変化させて(周波数掃引させて)圧電振動子2に印加する。
周波数掃引回路36は、例えば、コントローラ361と、DDS362と、ローパスフィルタ363と、バッファアンプ364とを備えている。
DDS362は、コントローラ361から入力された制御信号に基づいて、周波数を変更した信号を出力するデジタルシンセサイザ回路である。
ローパスフィルタ363は、DDS362が出力した信号の高周波成分を除去して信号波形を整形する。
バッファアンプ364は、ローパスフィルタ363によって成形された信号を圧電振動子2に印加する。なお、周波数掃引回路36において、バッファアンプ364の出力が、第1電極T1と、電極T21(第2電極T2)との間に印加される。
このように、周波数掃引回路36は、DDS362によって生成された信号を、ローパスフィルタ363によって波形形成し、バッファアンプ364により出力することにより、印加する信号の周波数を掃引させて、圧電振動子2に印加する。
上述した図21〜図24に示すように、QCM信号印加回路30には、発振回路(31、32)、周波数掃引回路(33、36)などが利用される。
なお、QCM信号印加回路30は、図21〜図24に示す回路に限定されるものではなく、他の回路が利用されてもよい。
次に、本発明に係る実施形態におけるQCM応答測定回路40の具体例について説明する。
図25及び図26は、本発明に係る実施形態におけるQCM応答測定回路40の具体例を示す回路図である。
図25は、QCM応答測定回路40の具体例である交流増幅回路41を示している。
図25に示す交流増幅回路41は、非反転増幅回路を利用して、圧電振動子2から出力される交流信号を増幅し、Output信号として出力する。交流増幅回路41は、オペアンプ(411、414)と、コンデンサ412と、抵抗(413、415、416)とを備えている。
オペアンプ411は、ボルテージフォロアに構成されており、非反転入力端子(“+”端子)が圧電振動子2の第1電極T1に、反転入力端子(“−”端子)が出力端子(ノードN41)に、それぞれ接続されている。
コンデンサ412は、第1端子がノードN41に、第2端子がノードN42に、それぞれ接続され、オペアンプ411の出力信号の内の交流成分をノードN42に伝達する。
抵抗413は、第1端子がノードN42に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。また、抵抗415は、第1端子がOutput信号の信号線に、第2端子がノードN43に、それぞれ接続されている。また、抵抗416は、第1端子がノードN43に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。
オペアンプ414は、非反転入力端子(“+”端子)がノードN42に、反転入力端子(“−”端子)がノードN43に、それぞれ接続されている。
なお、オペアンプ411と、抵抗415及び抵抗416とは、抵抗415と抵抗416との抵抗比により、ノードN42に入力された信号を増幅する非反転増幅回路を形成している。
このように、交流増幅回路41は、ボルテージフォロアに構成されたオペアンプ411及びコンデンサ412を介して、圧電振動子2の第1電極T1から出力される交流信号を取得し、オペアンプ414により構成された非反転増幅回路により増幅して、Output信号として出力する。
また、図26は、QCM応答測定回路40の具体例である交流増幅ピークホールド回路42を示している。
図26に示す交流増幅ピークホールド回路42は、上述した交流増幅回路41とピークホールド回路420とを利用して、圧電振動子2から出力される交流信号のピーク電圧をOutput信号として出力する。交流増幅ピークホールド回路42は、交流増幅回路41と、ピークホールド回路420とを備えている。
なお、交流増幅回路41は、上述した図25に示す回路と同様であるので、ここではその説明を省略する。
ピークホールド回路420は、交流信号のピーク値を検出し、平滑化したピーク値を出力する。ピークホールド回路420は、オペアンプ(421、430)と、コンデンサ429と、ダイオード(422、423、426)と、抵抗(424、425、427、428)とを備えている。
オペアンプ421は、非反転入力端子(“+”端子)が交流増幅回路41の出力端子であるノードN44に、反転入力端子(“−”端子)がノードN48に、出力端子がノードN45に、それぞれ接続されている。
ダイオード422は、アノード端子がノードN45に、カソード端子がノードN46に、それぞれ接続されている。また、ダイオード423は、アノード端子がノードN46に、カソード端子がオペアンプ430の非反転入力端子(“+”端子)に、それぞれ接続されている。ダイオード422とダイオード423とは、オペアンプ421の出力端子とオペアンプ430の非反転入力端子(“+”端子)との間において、順方向に直列に接続されている。
抵抗424は、第1端子がノードN46に、第2端子がオペアンプ430の出力端子(ノードN47)に、それぞれ悦族されている。また、抵抗425は、第1端子がノードN47に、第2端子がノードN48に、それぞれ悦族されている。
ダイオード426は、アノード端子がノードN45に、カソード端子がノードN48に、それぞれ接続されている。
抵抗427は、第1端子がノードN46に、第2端子が電源GNDに、それぞれ悦族されている。また、抵抗428は、第1端子がノードN46に、第2端子がコンデンサ429の第1端子に、それぞれ悦族されている。また、コンデンサ429は、第1端子が抵抗428の第2端子に、第2端子が電源GNDに、それぞれ悦族されている。
オペアンプ430は、ボルテージフォロアに構成されており、非反転入力端子(“+”端子)がダイオード423のカソード端子に、反転入力端子(“−”端子)が出力端子(ノードN47)に、それぞれ接続されている。オペアンプ430は、ノードN44に入力された交流信号のピーク電圧を、出力端子からOutput信号として出力する。
このように、交流増幅ピークホールド回路42は、交流増幅回路41により圧電振動子2の第1電極T1から出力される交流信号を増幅し、ピークホールド回路420により、増幅された交流信号のピーク電圧を、Output信号として出力する。
上述した図25及び図26に示すように、QCM応答測定回路40には、交流増幅回路41、交流増幅ピークホールド回路42などが利用される。
なお、QCM応答測定回路40は、図25及び図26に示す回路に限定されるものではなく、他の回路が利用されてもよい。例えば、図25及び図26に示す交流増幅回路41において、非反転増幅回路を用いているが、反転増幅回路を用いてもよい。また、ピークホールド回路420は、図26に示す回路に限定されるものではなく、他の方式のピークホールド回路であってもよい。
次に、本発明に係る実施形態における櫛歯電極信号印加回路50の具体例について説明する。
図27及び図28は、本発明に係る実施形態における櫛歯電極信号印加回路50の具体例を示す回路図である。
図27は、櫛歯電極信号印加回路50の具体例である電圧印加回路51を示している。
図27に示す電圧印加回路51は、非反転増幅回路であり、入力されたInput信号を増幅して、圧電振動子2の電極T21と電極T22との間に印加する。電圧印加回路51は、オペアンプ511と、抵抗(512、513)とを備えている。
オペアンプ511は、非反転入力端子(“+”端子)がInput信号の信号線に、反転入力端子(“−”端子)がノードN52に、出力端子がノードN51に、それぞれ接続されている。また、抵抗512は、第1端子がノードN51に、第2端子がノードN52に、それぞれ接続されている。また、抵抗513は、第1端子がノードN52に、第2端子が電源GNDに、それぞれ接続されている。
オペアンプ511と、抵抗512及び抵抗513とは、抵抗512と抵抗513との抵抗比により、Input信号を増幅する非反転増幅回路を形成している。
このように、電圧印加回路51は、Input信号に入力された信号を増幅した信号を櫛歯電極間(電極T21と電極T22との間)に印加する。
また、図28は、櫛歯電極信号印加回路50の具体例である周波数可変交流電圧印加回路52を示している。
図28に示す周波数可変交流電圧印加回路52は、上述したVCO回路330を利用して、周波数を変更した交流信号を圧電振動子2の電極T21と電極T22との間に印加する。周波数可変交流電圧印加回路52は、VCO回路330と、ボルテージフォロアに構成されたオペアンプ521とを備えている。
なお、VCO回路330は、上述した図23に示す回路と同様であるので、ここではその説明を省略する。
オペアンプ521は、非反転入力端子(“+”端子)がVCO回路330の出力線に、反転入力端子(“−”端子)が出力端子に、それぞれ接続されている。オペアンプ521は、制御電圧Vctrlに応じて周波数が変更された交流信号を出力する。
このように、周波数可変交流電圧印加回路52は、VCO回路330を利用して、制御電圧Vctrlに応じて周波数が変更された交流信号を、櫛歯電極間(電極T21と電極T22との間)に印加する。
なお、櫛歯電極信号印加回路50は、図28に示す周波数可変交流電圧印加回路52に限定されるものではなく、他の回路が利用されてもよい。例えば、図示を省略するが、櫛歯電極信号印加回路50は、上述した図24に示す周波数掃引回路36を利用した周波数可変交流電圧印加回路であってもよい。この場合、櫛歯電極信号印加回路50は、バッファアンプ364の出力を、櫛歯電極間(電極T21と電極T22との間)に印加する。
次に、本発明に係る実施形態における櫛歯電極応答測定回路60の具体例について説明する。
櫛歯電極応答測定回路60の具体例は、例えば、上述した図3に示す電流測定回路を利用して櫛歯電極間(電極T21と電極T22との間)に流れる電流を計測する。この場合、オペアンプ62は、例えば、非反転入力端子(“+”端子)が圧電振動子2の電極T21に接続され、反転入力端子(“−”端子)が圧電振動子2の電極T22及び電源GNDに接続される。図3に示す電流測定回路は、櫛歯電極間(電極T21と電極T22との間)に流れる電流を電圧に変換してノードN1に出力する。
また、櫛歯電極応答測定回路60には、上述した図25に示す交流増幅回路41を利用してもよい。この場合、交流増幅回路41のオペアンプ411の非反転入力端子(“+”端子)が圧電振動子2の電極T22(又は電極T21)に接続される。すなわち、この場合、交流増幅回路41は、圧電振動子2の電極T21から出力される交流信号を非反転増幅回路により増幅して、Output信号として出力する。
また、櫛歯電極応答測定回路60には、上述した図26に示す交流増幅ピークホールド回路42を利用してもよい。この場合、交流増幅ピークホールド回路42のオペアンプ411の非反転入力端子(“+”端子)が圧電振動子2の電極T22(又は電極T21)に接続される。すなわち、この場合、交流増幅ピークホールド回路42は、圧電振動子2の極T22(又は電極T21)から出力される交流信号を増幅したピーク電圧を平滑化して、Output信号として出力する。
次に、本発明に係る実施形態における信号ミキサー回路70の具体例について説明する。
図29及び図30は、本発明に係る実施形態における信号ミキサー回路70の具体例を示す回路図である。
図29は、信号ミキサー回路70の具体例である加算回路74を示している。
図29に示す加算回路74は、反転加算回路であり、入力されたInput1信号〜Input4信号を加算して、反転した信号を、Output信号として出力する。加算回路74は、抵抗(741〜744、746)と、オペアンプ745とを備えている。
抵抗741は、第1端子がInput1信号の信号線に、第2端子がノードN71に、それぞれ接続されている。また、抵抗742は、第1端子がInput2信号の信号線に、第2端子がノードN71に、それぞれ接続されている。また、抵抗743は、第1端子がInput3信号の信号線に、第2端子がノードN71に、それぞれ接続されている。また、抵抗744は、第1端子がInput4信号の信号線に、第2端子がノードN71に、それぞれ接続されている。
オペアンプ745は、非反転入力端子(“+”端子)が電源GNDに、反転入力端子(“−”端子)がノードN71に、出力端子がOutput信号の信号線に、それぞれ接続されている。また、抵抗746は、第1端子がOutput信号の信号線に、第2端子がノードN71に、それぞれ接続されている。
抵抗(741〜744、746)は、例えば、同一の抵抗値であり、この場合、加算回路74は、Input1信号〜Input4信号を加算して反転した信号を、Output信号として出力する。
また、図30は、信号ミキサー回路70の別の具体例である加算回路75を示している。
図30に示す加算回路75は、ゲイン調整付きの反転加算回路であり、入力されたInput1信号〜Input4信号をゲイン調整して加算して、反転した信号を、Output信号として出力する。加算回路75は、抵抗(741〜744、746)と、オペアンプ745と、可変抵抗(751〜754)とを備えている。
なお、図30において、図29と同一の構成には同一の符号を付与し、その説明を省略する。
可変抵抗751は、Input1信号と電源GNDとの間に接続され、可変の抵抗比により分圧された電圧を抵抗741の第1端子に出力する。また、可変抵抗752は、Input2信号と電源GNDとの間に接続され、可変の抵抗比により分圧された電圧を抵抗742の第1端子に出力する。また、可変抵抗753は、Input3信号と電源GNDとの間に接続され、可変の抵抗比により分圧された電圧を抵抗743の第1端子に出力する。また、可変抵抗754は、Input4信号と電源GNDとの間に接続され、可変の抵抗比により分圧された電圧を抵抗744の第1端子に出力する。
このように、加算回路75は、可変抵抗(751〜754)によりInput1信号〜Input4信号の入力ゲインを調整して、各信号を加算したOutput信号を出力する。
また、信号ミキサー回路70は、図29及び図30に示す加算回路(74、75)に限定されるものではなく、他の回路が利用されてもよい。
なお、図12〜図14のように、複数の櫛歯電極信号印加回路50及び櫛歯電極応答測定回路60を備える場合には、櫛歯電極信号印加回路50と櫛歯電極応答測定回路60との数は、同数であってもよいし(一致してもよいし)、一致しなくてもよい。例えば、櫛歯電極信号印加回路50の数よりも、櫛歯電極応答測定回路60の数が多い形態であってもよい。
また、櫛歯電極信号印加回路50が印加する信号には、以下の種類が考えられる。
(A)直流電圧信号(例えば、図27の電圧印加回路51を使用)
(B)単一周波数の交流電圧信号(例えば、図27の電圧印加回路51を使用)
(C)周波数を掃引した交流電圧信号(例えば、図28の周波数可変交流電圧印加回路52、図24に示す周波数掃引回路36を利用した周波数可変交流電圧印加回路などを使用)
例えば、複数の櫛歯電極信号印加回路50を備える場合には、複数の櫛歯電極信号印加回路50は、上記の(A)〜(B)を組み合わせてもよい。なお、複数の櫛歯電極信号印加回路50は、例えば、周波数の異なる複数の(B)を含むようにしてもよいし、掃引する周波数範囲の異なる複数の(C)を含むようにしてもよい。また、複数の櫛歯電極信号印加回路50は、例えば、上記の(B)と(C)との組み合わせであってもよい。この場合、(C)の掃引する周波数範囲に、(B)の単一周波数が含まれないようにする。
また、櫛歯電極応答測定回路60が測定する信号は、例えば、電流信号又は電圧信号であり、当該電流信号に基づく特性には、以下の特性が考えられる。
(a)大きさ(例えば、図26に示す交流増幅ピークホールド回路42を利用した回路などを使用)
(b)周波数(例えば、図25に示す交流増幅回路41を利用した回路などを使用)
(c)位相(例えば、図25に示す交流増幅回路41を利用した回路などを使用)
例えば、複数の櫛歯電極応答測定回路60を備える場合には、複数の櫛歯電極応答測定回路60のそれぞれが、上記(a)〜(c)の異なる特性を測定するようにしてもよい。また、櫛歯電極応答測定回路60は、同一の特性を取得して、後述する異なる測定値(解析値)を得るようにしてもよい。すなわち、同一の特性を取得して、別途解析器を用いて、同一の特性から多岐の測定値(解析値)を解析してもよい。なお、櫛歯電極応答測定回路60が同一の特性を取得した場合でも、櫛歯電極信号印加回路50が印加する信号が異なると、異なる意味を持つ情報となる。
また、櫛歯電極応答測定回路60が測定する信号(特性)から得られる測定値(解析値)は、櫛歯電極応答測定回路60が測定する信号に対して、各種電気的基本法則や等価回路モデル、電気化学反応モデル等を適用して解析的に得られるものである。櫛歯電極応答測定回路60が測定する信号(特性)から得られる測定値(解析値)としては、例えば、インピーダンス、アドミッタンス、コンダクタンス、サセプタンス、インダクタンス、リアクタンス、レジスタンス、キャパシタンス、電気伝導度、イオン電導度、誘電率などが考えられる。
また、上述した測定値(解析値)より得られる物性は、測定値(解析値)に基づく物理的特性、化学的特性、電気化学的特性などであり、例えば、密度、化学種、材料組成、結晶構造、イオン濃度、酸化還元電位、酸化還元物質濃度などが考えられる。
また、上記の各実施形態において、第1電極T1及び第2電極T2は、例えば、金、白金、炭素などの変質しにくい材質で形成される例を説明したが、これに限定されるものではない。第1電極T1及び第2電極T2は、使用状況に応じて、ITO(Indium Tin Oxide)などを用いてもよい。また、第1電極T1及び第2電極T2は、圧電板11に形成される際に圧電板11との密着性を向上させるため、クロムやチタンなどの他の材料を介していて形成されてもよい。
また、上記の各実施形態において、圧電振動子2は、測定試料(測定対象物)である液体や気体中の特定の物質を選択的に吸着や結合させる感応膜を備えていてもよい。ここで、感応膜としては、酸化物半導体、有機ポリマー感応膜、抗原抗体反応等を利用する生体材料含有感応膜など、測定対象となる物質に応じて適切なものを選定して利用することが望ましい。また、感応膜に微量な物質が付着することで粘弾性や電気的特性(例えば、電気伝導率など)が大きく変化する材料を用いることで、圧電装置1(1a〜1j)は、圧電板11の厚み辷り振動状態の変化を増幅させたり、物性に関わる電気的特性の変化をより明瞭に検出できるようにしたりしてもよい。
また、上記の各実施形態を、圧電装置1(1a〜1j)上に、測定対象中の特定成分が化学反応により不溶性分を析出する(メッキのような電気化学的反応を含む)ような系に適用することで、圧電装置1(1a〜1j)は、析出した不溶性粒子の量やその物性に関わる電気的特性などを測定できる。
同様に、上記の各実施形態を、圧電装置1(1a〜1j)上の電極材料と測定対象中の特定成分が化学反応を生じるような系に適用することで、圧電装置1(1a〜1j)は、反応した物質量や反応性生物の物性に関わる電気的特性などを測定できる。
また、上記の各実施形態において、圧電振動子2は、水晶をATカットした水晶振動子である例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の圧電振動子であってもよい。また、圧電振動子2の振動は、厚み辷り振動に限定されるものではなく、他のモードの振動であってもよい。
また、上記の第5の実施形態において、測定装置100の一例として、圧電装置1(1a〜1i)を液体クロマトグラフィー装置に利用する例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の測定装置に利用してもよい。他の測定装置としては、例えば、油脂の劣化を粘性の閾値と誘電率の閾値とに基づいて判定する判定装置などであってもよい。この場合、判定装置は、油脂の2つ以上の特性を基に、油脂の劣化状態を判定することができるため、より信頼性の高い油脂の劣化判定を行うことができる。
また、上記の第5の実施形態において、測定制御部130の処理を圧電装置1の測定部20が行うようにしてもよい。
なお、上述した圧電装置1(1a〜1j)及び測定装置100が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した圧電装置1(1a〜1j)及び測定装置100が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した圧電装置1(1a〜1j)及び測定装置100が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に圧電装置1(1a〜1j)及び測定装置100が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
1、1a〜1j 圧電装置
2 圧電振動子
10、10a 圧電ユニット
11 圧電板
20、20a〜20j 測定部
30 QCM信号印加回路
31、32 発振回路
33、36 周波数掃引回路
40 QCM応答測定回路
41 交流増幅回路
42 交流増幅ピークホールド回路
50、50−1、50−2、50−3 櫛歯電極信号印加回路
51 電圧印加回路
52 周波数可変交流電圧印加回路
60、60−1、60−2、60−3 櫛歯電極応答測定回路
61、81、312、313、321、322、325、327、332 抵抗
334、340、343、348、413、415、416、424、425 抵抗
427、428、512、513、713、714、721、722 抵抗
741〜744、746 抵抗
62、411、414、421、430、511、521 オペアンプ
715、725、745 オペアンプ
63 電圧計測装置
70 信号ミキサー回路
71、72 フィルタ部
73、73a 信号印加制御部
74、75 加算回路
82、338、347 コイル
83、84、314、315、323、324、328、331 コンデンサ
335〜337、339、341、344〜346、349、351 コンデンサ
352、412、429、711、712、723、724 コンデンサ
100 測定装置
110 カラム
120 フローセル
130 測定制御部
330 VCO回路
311 インバータゲート
326、342、350 トランジスタ
333 可変容量ダイオード
422、423、426 ダイオード
361 コントローラ
362 DDS
363 ローパスフィルタ
364 バッファアンプ
420 ピークホールド回路
751〜754 可変抵抗
F1 裏面
F2 表面
T1 第1電極
T2 第2電極

Claims (15)

  1. 振動を励起する圧電素子と、
    前記圧電素子の第1面に形成された第1電極と、
    前記圧電素子の前記第1面の反対側の面である第2面に互いに電気的に絶縁されて形成された複数の第2電極と、
    前記複数の第2電極のうちの少なくとも1つの電極と少なくとも前記第1電極との間に、前記圧電素子に振動を励起させる第1電気信号を供給する第1信号印加部と、
    前記第1電気信号に応じて前記圧電素子が振動することにより、前記圧電素子に接触する物質の物性に相関する前記圧電素子の電気的特性を測定する第1応答測定部と、
    前記複数の第2電極の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する第2電気信号を、前記第2電極の電極間に供給する第2信号印加部と、
    前記第2電気信号に応じて前記第2電極の電極間に存在する前記物質の物性に相関する電気的特性を測定する第2応答測定部と
    を備え、
    前記複数の第2電極のそれぞれは、櫛歯状の形状であり、互いに一定の間隔を介して相互に噛み合うように前記第2面に配置されており、
    前記第1電極と、前記複数の第2電極とは、前記圧電素子を挟んでそれぞれの外形が囲む領域が同様の面積であると共に、相対位置が一致するように形成されており、
    前記第1電気信号と前記第2電気信号とが混合されて前記少なくとも1つの電極を含む電極間に供給される
    ことを特徴する圧電装置。
  2. 前記第2信号印加部は、少なくとも前記第1電気信号によって前記圧電素子に振動を励起させている間に前記第2電気信号を前記第2電極の電極間に供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧電装置。
  3. 前記第1信号印加部は、少なくとも前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間に前記第1電気信号を供給し、
    前記第1応答測定部は、少なくとも前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続され、
    前記第2信号印加部は、前記少なくとも1つの電極と、前記複数の第2電極のうちの前記少なくとも1つの電極とは異なる電極である第3電極との間に、前記第2電気信号を供給し、
    前記第2応答測定部は、前記少なくとも1つの電極と前記第3電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電装置。
  4. 前記第1信号印加部と前記第2信号印加部とは、
    前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間、及び前記少なくとも1つの電極と前記複数の第2電極のうちの前記少なくとも1つの電極とは異なる電極である第3電極との間に、前記第1電気信号と前記第2電気信号とを加算した信号を供給し、
    前記第1応答測定部は、前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続され、
    前記第2応答測定部は、前記少なくとも1つの電極と前記第3電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電装置。
  5. 前記第1電気信号と前記第2電気信号とを混合した信号を生成し、前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間、及び前記少なくとも1つの電極と前記複数の第2電極のうちの前記少なくとも1つの電極とは異なる電極である第3電極との間に当該信号を供給する信号混合部を備え、
    前記第1応答測定部は、前記第1電極と前記少なくとも1つの電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続され、
    前記第2応答測定部は、前記少なくとも1つの電極と前記第3電極との間に流れる電流に関する測定が可能に接続されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電装置。
  6. 前記第1電極と前記第3電極とが接続されており、
    前記第1信号印加部は、前記第1電極及び前記第3電極と、前記少なくとも1つの電極との間に、前記第1電気信号を供給する
    ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の圧電装置。
  7. 前記第1応答測定部及び前記第2応答測定部による前記電流に関する測定には、電流の大きさ、周波数、及び位相のうちの少なくとも1つの測定が含まれる
    ことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の圧電装置。
  8. 前記第2信号印加部は、前記第2応答測定部が前記第2電極の電極間に存在する前記物質の物性に相関する電気的特性を測定する際に、周波数、位相、及び信号の有無のタイミングのうちの少なくとも1つに、前記第1電気信号との差異を設けることで、前記第1信号印加部が供給する前記第1電気信号と干渉しないように、前記第2電気信号を供給する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の圧電装置。
  9. 前記第2信号印加部は、前記圧電素子の基本共振周波数から所定の範囲以上離れた周波数の交流信号、及び、前記基本共振周波数のオーバートーンの共振周波数から所定の範囲以上離れた周波数の交流信号を、前記第2電気信号として前記第2電極の電極間に供給する
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の圧電装置。
  10. 前記圧電素子は、前記第1電気信号によって厚み辷り振動を励起する
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の圧電装置。
  11. 前記第1電気信号及び前記第2電気信号は、無信号状態を含む任意の波形、任意の信号レベル、及び任意の周波数である
    ことを特徴とする請求項1から請求項1のいずれか一項に記載の圧電装置。
  12. 前記第1電気信号及び前記第2電気信号を供給するタイミング又は信号レベルを制御する制御部を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項1のいずれか一項に記載の圧電装置。
  13. 振動を励起する圧電素子と、
    前記圧電素子の第1面に形成された第1電極と、
    前記圧電素子の前記第1面の反対側の面である第2面に互いに電気的に絶縁されて形成された複数の第2電極と
    を備え、
    前記複数の第2電極のそれぞれは、櫛歯状の形状であり、互いに一定の間隔を介して相互に噛み合うように前記第2面に配置されており、
    前記第1電極と、前記複数の第2電極とは、前記圧電素子を挟んでそれぞれの外形が囲む領域が同様の面積であると共に、相対位置が一致するように形成されており、
    前記複数の第2電極のうちの少なくとも1つの電極と少なくとも前記第1電極との間に、前記圧電素子に振動を励起させる第1電気信号が印加され、
    前記第1電気信号に応じて前記圧電素子が振動することにより、前記圧電素子に接触する物質の物性に相関する前記圧電素子の電気的特性が測定され、
    前記複数の第2電極の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する第2電気信号が、前記第2電極の電極間に印加され、
    前記第2電気信号に応じて前記第2電極の電極間に存在する前記物質の物性に相関する電気的特性が測定され、
    前記第1電気信号と前記第2電気信号とが混合されて前記少なくとも1つの電極を含む電極間に供給される
    ことを特徴する圧電ユニット。
  14. 請求項1から請求項1のいずれか一項に記載の圧電装置を備える測定装置。
  15. 振動を励起する圧電素子と、前記圧電素子の第1面に形成された第1電極と、前記圧電素子の前記第1面の反対側の面である第2面に互いに電気的に絶縁されて形成された複数の第2電極とを備える圧電ユニットの測定方法であって、
    前記複数の第2電極のそれぞれは、櫛歯状の形状であり、互いに一定の間隔を介して相互に噛み合うように前記第2面に配置されており、
    前記第1電極と、前記複数の第2電極とは、前記圧電素子を挟んでそれぞれの外形が囲む領域が同様の面積であると共に、相対位置が一致するように形成されており、
    前記複数の第2電極のうちの少なくとも1つの電極と少なくとも前記第1電極との間に
    、前記圧電素子に振動を励起させる第1電気信号が印加し、
    前記第1電気信号に応じて前記圧電素子が振動することにより、前記圧電素子に接触する物質の物性に相関する前記圧電素子の電気的特性が測定し、
    前記複数の第2電極の電極間に存在する物質の物性に相関する電気的特性を測定する第2電気信号が、前記第2電極の電極間に印加し、
    前記第2電気信号に応じて前記第2電極の電極間に存在する前記物質の物性に相関する電気的特性が測定し、
    前記第1電気信号と前記第2電気信号とが混合されて前記少なくとも1つの電極を含む電極間に供給される
    ことを特徴とする測定方法。
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