JPWO2006003973A1 - 熱可塑性エラストマー組成物、該組成物の製造方法及び成形品 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物、該組成物の製造方法及び成形品 Download PDF

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Abstract

ポリアミド樹脂(A)10〜95重量%と、アクリルゴム(B1)、ニトリルゴム(B2)及びポリエーテルゴム(B3)よりなる群から選ばれる少なくとも一種のゴム(B)90〜5重量%と、分子量200〜1,000のポリアルキレングリコール(C)と、を含有し、前記ゴム(B)を動的架橋させて成る熱可塑性エラストマー組成物であって、前記ポリアミド樹脂(A)及び前記ゴム(B)の合計100重量部に対する、前記ポリアルキレングリコール(C)の含有量が、0.1〜30重量部である熱可塑性エラストマー組成物。該組成物の成形品は、ゴム弾性を有すると共に、耐熱性、耐油性に優れ、かつ、永久ひずみが小さく、耐疲労性に優れるので、自動車関連の各種ゴム部品に好適に使用される。

Description

本発明は、ポリアミド樹脂及び特定のゴムから成る熱可塑性エラストマー組成物に関し、詳しくは、耐熱性、耐油性及び耐疲労性に優れ、かつ、永久ひずみの小さい成形品を与える熱可塑性エラストマー組成物に関する。
ポリプロピレンとエチレンプロピレンゴムを混練後、エチレンプロピレンゴムを動的架橋したものは、ゴム弾性と熱可塑性プラスチックの成形性を有する熱可塑性エラストマーとなることが知られている。しかしながら、このエラストマーの成形品は、耐熱性及び耐油性が不十分であり、高温または油に接触する用途への使用が限られている。
これらの性質を改良する方法として、極性熱可塑性プラスチックと極性ゴムとを混練した後、動的架橋させることが提案されている。例えば特許文献1は、ポリアミド樹脂とアクリルゴムとを混練した後、アクリルゴムを動的架橋させてなる熱可塑性エラストマーを提案している。しかしながら、この熱可塑性エラストマーの成形品は、耐熱性、耐油性は改良されるものの、耐疲労性が不十分で、また、永久ひずみが大きいという欠点を有する。
米国特許第5591798号明細書
本発明の目的は、永久ひずみが小さく、耐熱性、耐油性及び耐疲労性に優れる成形品を与える熱可塑性エラストマー組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ポリアミド樹脂及び特定のゴムに特定分子量のポリアルキレングリコールを混練して、動的架橋させてなる熱可塑性エラストマー組成物が上記目的を達成することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、以下の発明1〜9が提供される。
1. ポリアミド樹脂(A)10〜95重量%と、
アクリルゴム(B1)、ニトリルゴム(B2)及びポリエーテルゴム(B3)よりなる群から選ばれる少なくとも一種のゴム(B)90〜5重量%と、
分子量200〜1,000のポリアルキレングリコール(C)と、を含有し、前記ゴム(B)を動的架橋させて成る熱可塑性エラストマー組成物であって、
前記ポリアミド樹脂(A)及び前記ゴム(B)の合計100重量部に対する、前記ポリアルキレングリコール(C)の含有量が、0.1〜30重量部である熱可塑性エラストマー組成物。
2. 前記ポリアミド樹脂(A)の融点が、160〜300℃である上記1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
3. 前記ゴム(B)が、不飽和架橋性基、ハロゲン含有基、エポキシ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する上記1または2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
4. 前記ポリアミド樹脂(A)がナイロン6である上記1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
5. 前記ゴム(B)がアクリルゴム(B1)である請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
6. ポリアミド樹脂(A)10〜95重量%と、
アクリルゴム(B1)、ニトリルゴム(B2)及びポリエーテルゴム(B3)よりなる群から選ばれる少なくとも一種のゴム(B)90〜5重量%と、
分子量200〜1,000のポリアルキレングリコール(C)と、を混練し、前記ゴム(B)を動的架橋させる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、
前記ポリアミド樹脂(A)及び前記ゴム(B)の合計100重量部に対する、前記ポリアルキレングリコール(C)の含有量を、0.1〜30重量部とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
7. 前記ポリアミド樹脂(A)と、前記ゴム(B)と、前記前記ポリアルキレングリコール(C)との混練を、二軸押出機を使用して行う上記6記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
8. 上記1〜5のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を160〜350℃で成形してなる成形品。
9. 前記組成物の成形を、ブロー成形、射出成形、またはカレンダー成形で行う上記8記載の成形品。
本発明によれば、永久ひずみが小さく、耐熱性、耐油性及び耐疲労性に優れる成形品を与える熱可塑性エラストマー組成物が提供される。該組成物は、自動車用のシール部品、ホース部品、ブーツ類等の種々のゴム部品に好適に使用できる。
熱可塑性エラストマー組成物
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
ポリアミド樹脂(A)10〜95重量%と、
アクリルゴム(B1)、ニトリルゴム(B2)及びポリエーテルゴム(B3)よりなる群から選ばれる少なくとも一種のゴム(B)90〜5重量%と、
分子量200〜1,000のポリアルキレングリコール(C)と、を含有し、前記ゴム(B)を動的架橋させて成るものであり、
しかも、前記ポリアミド樹脂(A)及び前記ゴム(B)の合計100重量部に対する、前記ポリアルキレングリコール(C)の含有量が、0.1〜30重量部である。
ポリアミド樹脂(A)
本発明に用いるポリアミド樹脂(A)は、酸アミド結合(−CONH−)を有する重合体であれば限定されないが、例えば、ジアミンと二塩基酸との重縮合により得られる重合体、ジホルミルなどのジアミン誘導体と二塩基酸との重縮合により得られる重合体、ジメチルエステルなどの二塩基酸誘導体とジアミンとの重縮合により得られる重合体、ジニトリル又はジアミドとホルムアルデヒドとの反応により得られる重合体、ジイソシアナートと二塩基酸との重付加により得られる重合体、アミノ酸又はその誘導体の自己縮合により得られる重合体、ラクタムの開環重合により得られる重合体などが挙げられる。また、これらのポリアミド樹脂は、ポリエーテルブロックを含有していてもよい。
これらのポリアミド樹脂の具体例としては、ポリカプラミド(6−ナイロン)、ポリヘキサメチレンアジポアミド(66−ナイロン)、ポリヘキサメチレンセバカミド(610−ナイロン)、ポリウンデカンアミド(11−ナイロン)、ポリラウリンアミド(12−ナイロン)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(7−ナイロン)、ポリ−ω−アミノノナン酸(9−ナイロン)などが挙げられる。これらの中でも、汎用性及び耐熱性などの観点から、6−ナイロン、66−ナイロン、11−ナイロン及び12−ナイロンが好ましい。
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)は、融点が、通常、160〜300℃、好ましくは165〜270℃、より好ましくは170〜230℃のものである。融点が低すぎると得られる熱可塑性エラストマーの耐熱性が劣るおそれがあり、逆に高すぎると高い加工温度が必要となり、加工時にゴム(B)が劣化する可能性がある。
ゴム(B)
本発明組成物に用いるゴム(B)は、アクリルゴム(B1)、ニトリルゴム(B2)及びポリエーテルゴム(B3)よりなる群から選ばれる少なくとも一種からなるものであり、後述する、動的架橋に適する架橋性基を有するものである。
前記架橋性基は、ゴム加工で使用される架橋剤と反応し得るものとして、一般的に知られている架橋性基であればよく、また、用いる架橋剤の種類によって適宜選択されればよいが、不飽和架橋性基、ハロゲン含有基、エポキシ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種であるのが好ましい。
前記ゴム(B)のムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は、好ましくは10〜150、より好ましくは15〜120、特に好ましくは20〜100である。ムーニー粘度が低すぎると、得られる成形品の圧縮永久歪みが大きくなるおそれがあり、逆に高すぎると成形加工性が劣る可能性がある。
前記ゴム(B)としては、ゲル(ゲル分ともいう。)を含有するものを好ましく用いることができる。ゴム(B)のゲル含有量は、以下の方法により測定することができる。すなわち、所定量のゴム(B)を該ゴムの良溶媒で溶解させた後、溶液を80メッシュの金網等のフィルターで濾過し、フィルター上に捕捉された溶媒不溶解分を乾燥して重量を測定し、当初の所定量に対する重量割合として算出される。
ゴム(B)のゲル含有量は、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、特に好ましくは60〜100重量%である。ゲル含有量が上記範囲にあると、圧縮永久歪みがより小さい熱可塑性エラストマー組成物が得られる。ゲル分は、ゴム(B)中に均一に分散していることが好ましい。
アクリルゴム(B1)
アクリルゴム(B1)は、アクリル酸エステル単量体又はメタクリル酸エステル単量体〔以下、(メタ)アクリル酸エステル単量体と略記する。〕の単位と、残余に(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な他の単量体の単位と、を有する重合体である。アクリルゴム(B1)中における、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量は、好ましくは60〜99.5重量%、より好ましくは80〜99重量%、特に好ましくは95〜98重量%である。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸エチルおよび(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましく、アクリル酸エチルおよびアクリル酸n−ブチルがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、炭素数2〜8のアルコキシアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エトキシエチルおよび(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが好ましく、アクリル酸2−エトキシエチルおよびアクリル酸2−メトキシエチルが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な単量体としては、動的架橋に適する架橋性基であるハロゲン含有基、エポキシ基又はカルボキシル基を有する架橋性基含有単量体を、少なくとも有することが好ましい。
ハロゲン含有基を有する単量体としては、2−クロロエチルビニルエーテルなどのハロゲン含有ビニルエーテル;クロロメチルスチレンなどのハロゲン含有スチレン誘導体;ビニルクロロアセテートなどのハロゲン含有ビニルアセテート;などが挙げられる。
エポキシ基含有単量体としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸又はエチレン性不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノn−ブチル、フマル酸モノn−ブチルなどのブテンジオン酸モノアルキルエステル;マレイン酸モノシクロアルキル、フマル酸モノシクロアルキルなどのブテンジオン酸モノシクロアルキルエステル;などが挙げられる。
架橋性基含有単量体の使用量は、アクリルゴム(B1)の重合に用いる全重合単量体中、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。架橋性基含有単量体の使用量が少なすぎると、動的架橋が十分に進行しないおそれがあり、逆に多すぎると、アクリルゴム(B1)の製造工程において安定にゴム(B1)を重合できない可能性がある。
また、アクリルゴム(B1)にゲル分を含有させる場合には、(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な単量体として、アクリルゴム(B1)の重合反応中に自発的な架橋が可能な、ビニル基を2以上有する不飽和架橋性基含有単量体をさらに使用することが好ましい。
不飽和架橋性基含有単量体の例としては、ジビニルベンゼン、1,3,5−トリビニルベンゼンなどの多官能ビニル化合物;フタル酸ジアリル、フマル酸ジアリルなどのジアリル化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリル酸エステル単量体;などが挙げられる。
不飽和架橋性基含有単量体の使用量は、アクリルゴム(B1)の重合に用いる全単量体量に対して、好ましくは0.2〜1.5重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%である。
(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な単量体として、上述した動的架橋に適する架橋性基含有単量体、及び、ゲルを含有させる場合に加えられる不飽和架橋性基含有単量体に加えて、さらに、共役ジエン系単量体、非共役ジエン系単量体、芳香族ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体(ただし、メタアクリロニトリルを除く)、(メタ)アクリルアミド単量体、α−オレフィン単量体、その他のビニル系単量体などを使用しても良い。
共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、ブタジエン、クロロプレン、ピペリレンなどが挙げられる。
非共役ジエン単量体としては、1,2−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ノルボルナジエンなどが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリルが例示される。
(メタ)アクリルアミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。
α−オレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
その他のビニル系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
アクリルゴム(B1)中における、架橋性基含有単量体、及び、不飽和架橋性基含有単量体以外の共重合可能な単量体の単位量は、本発明の目的を損なわない範囲であればよく、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜10重量%である。
アクリルゴム(B1)の製造法は限定されず、重合は公知の乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法及び溶液重合法のいずれの方法によっても良いが、重合反応の制御の容易性等から、常圧下での乳化重合法によるのが好ましい。
ニトリルゴム(B2)
ニトリルゴム(B2)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、共役ジエン単量体及びこれらと共重合可能な単量体とを共重合してなるゴムであり、必要に応じて主鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化したものでもよい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられ、中でも、アクリロニトリルが好ましい。
ニトリルゴム(B2)の製造に用いるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の量は、重合に用いる全単量体中、好ましくは30〜80重量%、より好ましくは35〜60重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の使用量が少なすぎると耐油性が劣るおそれがあり、多すぎると耐寒性が劣る可能性がある。
共役ジエン単量体としては、前記アクリルゴム(B1)で用いられる共役ジエン単量体と同様の単量体が例示され、中でも、1,3−ブタジエンが好ましい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体及び共役ジエン単量体と共重合可能な単量体としては、前記アクリルゴム(B1)におけると同様の、動的架橋に適する架橋性基含有単量体、及び、ゲルを含有させる場合に好適な不飽和架橋性基含有単量体が好ましく用いられる。
動的架橋に適する架橋性基含有単量体の使用量は、全単量体中、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
不飽和架橋性基含有単量体の使用量は、全単量体中、好ましくは0.2〜1.5重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%である。
また、同様に、架橋性基含有単量体、及び、不飽和架橋性基含有単量体以外の共重合可能な単量体として、前記アクリルゴム(B1)におけると同様の、非共役ジエン単量体、芳香族ビニル系単量体、α−オレフィン単量体などを使用しても良く、さらに、ニトリルゴム(B2)においては、これらの他に、フッ素含有ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸多価エステル、共重合性老化防止剤などを使用しても良い。
フッ素含有ビニル単量体としては、例えば、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸多価エステルとしては、例えば、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジ−n−ブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジ−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
共重合性老化防止剤としては、例えば、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
ニトリルゴム(B2)中における、架橋性基含有単量体、及び、不飽和架橋性基含有単量体以外の共重合可能な単量体の単位量は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%以下、特に好ましくは15〜30重量%以下である。
前記ニトリルゴム(B2)の製造法は限定されず、上記単量体の重合は、公知の乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法及び溶液重合法のいずれをも用いることができるが、重合反応の制御の容易性等から、常圧下での乳化重合法によるのが好ましい。
前記重合により得られるニトリルゴム(非水素化物)の、主鎖の炭素−炭素二重結合部分を水素化する場合は公知の方法によればよい。水素化ニトリルゴムのヨウ素価は好ましくは80以下、より好ましくは50以下、特に好ましくは20以下である。ヨウ素価が高すぎると、耐熱老化性が低下するおそれがある。
ポリエーテルゴム(B3)
ポリエーテルゴム(B3)は、三員環エーテル含有単量体を開環した構造の繰り返し単位を主構造単位とする重合体である。かかるポリエーテルゴム(B3)としては、エチレンオキシド単量体単位を主体とするゴム、エピハロヒドリン単量体単位を主体とするゴム、プロピレンオキシド単量体単位を主体とするゴムなどがあり、いずれでもよいが、なかでもエピハロヒドリン単量体単位を主体とするゴム(エピハロヒドリンゴム)が好ましい。
エピハロヒドリンゴムは、エピハロヒドリン単量体〔以下、「単量体(b31)」と記すことがある。〕の開環重合体、又は、単量体(b31)及びこれと共重合可能な単量体の開環共重合体である。単量体(b31)は、動的架橋に適する架橋性基であるハロゲン含有基を有する単量体である。
単量体(b31)としては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、2−メチルエピクロルヒドリンなどが挙げられるが、なかでもエピクロルヒドリンが好ましい。
エピハロヒドリンゴムを構成する全単量体単位に対する単量体(b31)単位含有量は特に限定されないが、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは25〜90モル%、特に好ましくは30〜85モル%である。
単量体(b31)と共重合可能な単量体としては、オキシラン単量体が挙げられ、中でも、アルキレンオキシド単量体〔以下、「単量体(b32)」と記すことがある。〕が好ましい。
単量体(b32)の具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシ−4−クロロペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサン、1,2−エポキシイソブタン、2,3−エポキシイソブタンなどの、直鎖又は分岐鎖状アルキレンオキシド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカンなどの環状アルキレンオキシド;などが挙げられる。これらの中でも直鎖状アルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドがより好ましい。上記アルキレンオキシドは、水素原子の一部がハロゲンで置換されたものであってもよい。
エピハロヒドリンゴムの重合に用いる全単量体に対する単量体(b32)の使用量は特に限定されないが、好ましくは0〜80モル%、より好ましくは10〜75モル%、特に好ましくは15〜70モル%である。
エピハロヒドリンゴムは、単量体(b31)単位を含有するため、重合体分子が有するハロゲン基が動的架橋の架橋点となるが、単量体(b31)と共重合可能な単量体の一部として、動的架橋に適した架橋性基を有するその他の単量体(b33)単位を共重合成分として含んでいてもよい。
このような単量体(b33)としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル基を有する化合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエートなどのグリシジルエステル基を有する化合物;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−3−ペンテン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどのエポキシ基含有不飽和炭化水素;などが挙げられる。これらの中でも、アリルグリシジルエーテルが好ましい。
エピハロヒドリンゴムの重合に用いる全単量体中の単量体(b33)の使用量は特に限定されないが、好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。
前記ポリエーテルゴム(B3)は、有機溶媒中で公知の溶液重合や溶媒スラリー重合などによって上記単量体を開環重合して製造される。開環重合触媒としては特に限定されず、例えば、有機アルミニウム−水系、有機アルミニウム−リン酸系、ポリリン酸エステル系などの、オキシラン化合物の開環重合触媒として従来公知の重合触媒を用いることができる。
本発明組成物におけるポリアミド樹脂(A)とゴム(B)との使用比率は、重量比で、10:90〜95:5、好ましくは20:80〜60:40である。ゴム(B)の量が少なすぎると永久ひずみが大きくなるおそれがあり、逆に多すぎると動的架橋時のゴム(B)の分散が不十分になり、加工性が低下する可能性がある。
ポリアルキレングリコール(C)
本発明組成物に用いられるポリアルキレングリコール(C)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。ポリアルキレングリコール(C)の分子量は200〜1,000、好ましくは200〜600、より好ましくは200〜450である。分子量が低すぎると揮発性があるため加工・成形時に揮発するおそれがあり、逆に高すぎると得られる成形品の永久ひずみ及び耐疲労性が劣る可能性がある。
本発明組成物における前記ポリアルキレングリコール(C)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)及びゴム(B)の合計100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは3〜10重量部である。ポリアルキレングリコール(C)成分の含有量が少なすぎると得られる成形品の永久ひずみ及び耐疲労性が改善されないおそれがあり、逆に多すぎるとブリードする可能性がある。
本発明組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤;カーボンブラックやシリカなどの充填剤;老化防止剤;滑剤;老化防止剤などの、ゴムや樹脂に一般的に使用される添加剤を含有させることができる。
熱可塑性エラストマー組成物の調製方法
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ポリアミド樹脂(A)、ゴム(B)及びポリアルキレングリコール(C)を混練し、動的架橋させることによって調製される。動的架橋は、ポリアミド樹脂(A)とゴム(B)とを混練してポリアミド樹脂(A)のマトリックスにゴム(B)を微細に分散させつつ、架橋剤を用いてゴム(B)を架橋させることをいう。動的架橋を行うことによって得られる組成物は、機械的強度、及び、屈曲や伸張に対する耐疲労性の優れた成形品を与えることができる。
本発明において、動的架橋するための架橋剤としては、ゴムの架橋剤として一般的に用いられている架橋剤を使用することができるが、ゴム(B)の架橋性基の種類に応じて下記のものを用いるのが好ましい。
すなわち、架橋性基がハロゲン含有基である場合には、硫黄系架橋剤(金属石鹸を伴う場合あり)、トリアジン系架橋剤などが挙げられる。
架橋性基がエポキシ基である場合には、有機アンモニウム系架橋剤、イミダゾール系架橋剤、多価酸系架橋剤などが挙げられる。
架橋性基がカルボキシル基である場合には、多価アミン系架橋剤、ジイソシアナート系架橋剤などが挙げられる。
架橋性基が不飽和架橋性基である場合には、硫黄系架橋剤、過酸化物架橋剤などが挙げられる。
架橋剤の使用量は、ポリアミド樹脂(A)及びゴム(B)の合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜2重量部である。架橋剤の量が少なすぎると、動的架橋時の架橋が十分進行せず、永久ひずみが増大するおそれがあり、逆に多すぎると、ポリアミド樹脂(A)の分解を促進する可能性がある。
動的架橋の方法は一般的な動的架橋法であればいずれでもよく、例えば、以下の方法による。先ず、ゴム(B)を混練機で、通常、160〜300℃、好ましくは180〜250℃にて剪断を与えつつ混練し、次いでこれにポリアミド樹脂(A)を加えて混練することにより、溶融したポリアミド樹脂(A)とゴム(B)を分散させる。次いで、ポリアミド樹脂(A)とゴム(B)が十分に微分散した時点で、前記架橋剤を添加してさらに混練することにより、ゴム(B)を架橋させる。
混練温度が低すぎるとポリアミド樹脂(A)が十分に溶融しないおそれがあり、逆に高すぎるとゴム(B)が熱劣化する可能性がある。混練機としては、ブラベンダ、ラボプラストミルなどのバッチ式混練機;単軸押出機、二軸押出機などの連続式混練機;などを用いることができる。これらの中でも、特に、生産効率及び分散効率が高いという理由より、二軸押出機を使用することが好ましい。押出機などの連続式混練機を用いる場合には、架橋剤は、押出機のバレルの途中に設けた添加孔から添加するのが好ましい。
前記ポリアルキレングリコール(C)の添加時期は、架橋剤の添加前、架橋剤の添加と同時、架橋剤の添加後のいずれでもよいが、ポリアルキレングリコールの熱劣化回避のため架橋剤の添加後が好ましい。
前記ポリアルキレングリコール(C)はポリアミド樹脂(A)への分配度が大きいので、他の可塑剤のように予めポリアミド樹脂(A)に含浸させておく必要はなく、ポリアミド樹脂(A)及びゴム(B)の混練作業の都合の良い時にポリアルキレングリコール(C)を添加して混合することができる。そのため、本発明組成物を調製する際の生産性は高い。
前記方法によって調製される本発明組成物は、架橋したゴム(B)の粒子がポリアミド樹脂(A)のマトリックス中に微分散しており、熱可塑性エラストマーの性質を有する。
成形品
本発明組成物は熱可塑性エラストマーであるので、通常の熱可塑性樹脂と同様に160〜350℃で押出成形、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形などの方法によって成形することにより、任意の形状の成形品にすることができる。なお、本発明組成物を成形し、成形品とする際には、連続相の均一性という理由より、ブロー成形、射出成形、またはカレンダー成形により行うことが好ましい。
こうして得られる本発明の成形品は、ゴム弾性を有すると共に、耐熱性、耐油性に優れ、かつ、永久ひずみが小さく、耐疲労性に優れる。そのため、自動車関連の各種ゴム部品、例えば、シャフトシール、ベアリングシールなどのシール部品;エアーダクトホース、燃料ホース、オイルホースなどのホース部品;等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニオンブーツなどのブーツ類;などとして好適に使用される。
本発明をさらに具体的に説明するために、以下に実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に示さない限り、「部」及び「%」は重量基準である。実施例及び比較例における各種物性は、下記の方法により測定した。
(1)引張強度、引張破断伸び及び引張応力
まず、熱可塑性エラストマー組成物を用いて、250℃に予熱したプレス機により、厚さ2mmのシートを成形した。そして、得られた厚さ2mmのシートを、3号形ダンベルで打ち抜くことにより試験片を作製し、得られた試験片を用いて、常温下で、JIS K6251の引張試験に従って、引張強度、引張破断伸び(伸び)及び100%引張応力を測定した。
(2)硬さ
熱可塑性エラストマー組成物の硬度はJIS K6253の硬さ試験に従い、タイプDデュロメーターにて測定した。
(3)引張永久ひずみ
厚さ2mmのシートから3号形ダンベルで打ち抜いた試験片に標線2本を描き、これを室温にて100%伸張して10分間保持した後、収縮させ、次いで10分間静置した後に、標線間距離を測定することにより、引張永久ひずみ率を測定した。測定結果は、百分率で表した。
(4)耐疲労性
厚さ2mmのシートから3号形ダンベルで打ち抜いた試験片を作製した。そして、得られた試験片を引張破断伸びの1/2の長さまで伸張させ、次いで伸張0%の状態に戻す、という操作を300回/分の速度で繰り返し、試験片が破断するまでの回数を測定した。破断までの回数が多いほど、耐疲労性に優れる。
実施例1
ポリアミド樹脂(A1)とアクリルゴム(B11)との混練、動的架橋
東洋精機社製ラボプラストミル(内容量600ml)を用い、250℃に予熱したミキサにアクリルゴム〔B11;ニポールAR32、日本ゼオン社製、ムーニー粘度ML1+4(100℃)35〕60部を入れて1分間素練りし、次いで前記ミキサにポリアミド樹脂(A1;UBEナイロン6 1013B、宇部興産社製、6−ナイロン、融点215―225℃)40部を投入して5分間混合した。そこへ架橋剤2−メチルイミダゾール(2MZ、四国化成社製)1部を投入してさらに5分間混合し、アクリルゴム(B11)を動的架橋させ、次いで、ポリエチレングリコール(C1;PEG―8、東邦化学工業社製、平均分子量400)10部投入しさらに2分間混合後、すみやかに混合物を取り出し、250℃に予熱したプレス機でプレスすることにより、厚さ2mmのシート状成形体を得た。シート状成形体につき、引張強度、引張破断伸び及び引張応力、硬さ、引張永久ひずみ及び耐疲労性を試験、評価した結果を表1に記す。
実施例2
ポリアミド樹脂(A1)と水素化ニトリルゴム(B21)との混練、動的架橋
実施例1において、アクリルゴム(B11)に代えて水素化ニトリルゴム〔B21;ゼットポール2020、日本ゼオン社製、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体水素化物、結合アクリロニトリル単量体単位36%、ヨウ素価28、ムーニー粘度ML1+4(100℃)78〕、架橋剤2−メチルイミダゾールに代えてフェニレンマレイミド(アクターPBM−R、川口化学工業社製)2部とジベンゾチアジルジスルフィド(ノクセラーDM−P、大内新興化学工業社製)0.5部を用いた他は実施例1と同様に混練、動的架橋を行ってシート状成形体を得て、同様に試験、評価した。結果を表1に示す。
実施例3
ポリアミド樹脂(A1)とポリエーテルゴム(B31)との混練、動的架橋
実施例1において、アクリルゴム(B11)に代えてポリエーテルゴム〔B31:Gechron3105、日本ゼオン社製、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体、塩素含量27.5%、ムーニー粘度ML1+4(100℃)77〕を用い、架橋剤2−メチルイミダゾールに代えて1,3,5−トリアジントリチオール(ZISNET−F、三協化成社製)0.5部を用いた他は実施例1と同様に混練、動的架橋を行ってシート状成形体を得て、同様に試験、評価した。結果を表1に示す。
実施例4、比較例1、2
実施例1において、配合に関して表1に示す成分の部数を、表1に示すようにした他は実施例1と同配合で同様に行ってシート状成形体を得て、同様に試験、評価した。結果を表1に示す。
すなわち、実施例4では、ポリエチレングリコール(C1)の使用量を10部から15部に変更した。
比較例1では、ポリエチレングリコール(C1)を使用しなかった。
比較例2ではポリエチレングリコールとして分子量の異なるポリエチレングリコール(PEG―75、東邦化学工業社製、平均分子量4000)を、実施例1と等部数用いた。
表1に示すように、本発明の要件を満たすポリアミド系熱可塑性エラストマー組成物は、ポリエチレングリコール(C1:平均分子量400)を配合しなかった比較例1に比して、いずれも引張永久ひずみが小さく、かつ、耐疲労性に優れる成形品を与えた(実施例1〜4)。
ポリエチレングリコール(C1)に代えて平均分子量4000のポリエチレングリコールを用いてポリアミド樹脂(A1)及びゴム(B11)と混練して動的架橋してなる組成物を成形して得たシートは、引張永久ひずみが大きく、耐疲労性が低くなる結果となった(比較例2)。
なお、上述した実施例では、ポリアミド樹脂(A)とゴム(B)とポリエチレングリコール(C)との混練を、バッチ式混練機としてのラボプラストミルを使用して行う態様を例示したが、これらの混練を、連続式混練機としての二軸押出機を使用した場合にも同様の結果を得ることができた。
また、上述した実施例では、熱可塑性エラストマー組成物を成形し、成形品とする際には、プレス機を用いた圧縮成形により行う態様を例示したが、ブロー成形、射出成形、およびカレンダー成形により成形品を製造した場合にも同様の結果を得ることができた。

Claims (9)

  1. ポリアミド樹脂(A)10〜95重量%と、
    アクリルゴム(B1)、ニトリルゴム(B2)及びポリエーテルゴム(B3)よりなる群から選ばれる少なくとも一種のゴム(B)90〜5重量%と、
    分子量200〜1,000のポリアルキレングリコール(C)と、を含有し、前記ゴム(B)を動的架橋させて成る熱可塑性エラストマー組成物であって、
    前記ポリアミド樹脂(A)及び前記ゴム(B)の合計100重量部に対する、前記ポリアルキレングリコール(C)の含有量が、0.1〜30重量部である熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 前記ポリアミド樹脂(A)の融点が、160〜300℃である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記ゴム(B)が、不飽和架橋性基、ハロゲン含有基、エポキシ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する請求項1または2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 前記ポリアミド樹脂(A)がナイロン6である請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 前記ゴム(B)がアクリルゴム(B1)である請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. ポリアミド樹脂(A)10〜95重量%と、
    アクリルゴム(B1)、ニトリルゴム(B2)及びポリエーテルゴム(B3)よりなる群から選ばれる少なくとも一種のゴム(B)90〜5重量%と、
    分子量200〜1,000のポリアルキレングリコール(C)と、を混練し、前記ゴム(B)を動的架橋させる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、
    前記ポリアミド樹脂(A)及び前記ゴム(B)の合計100重量部に対する、前記ポリアルキレングリコール(C)の含有量を、0.1〜30重量部とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  7. 前記ポリアミド樹脂(A)と、前記ゴム(B)と、前記前記ポリアルキレングリコール(C)との混練を、二軸押出機を使用して行う請求項6記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を160〜350℃で成形してなる成形品。
  9. 前記組成物の成形を、ブロー成形、射出成形、またはカレンダー成形で行う請求項8記載の成形品。





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