実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による外部依頼型機能制御システムの構成の一例を示す説明図である。図1に示すように、外部依頼型機能制御システムは、端末装置である携帯電話機10と、携帯電話機10の機能を制御するための機能制御情報40を発信する機能制御情報発信機30とを含む。
なお、本実施の形態では、端末装置が携帯電話機10である例を説明するが、端末装置は、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants :個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯端末や、カーナビゲーションシステム車載機等の移動端末であってもよく、移動端末以外の固定端末であってもよい。
機能制御情報発信機30は、例えば、携帯電話機10の使用を禁止したい飛行機内や飛行機への入り口(空港の搭乗口)等、携帯電話機10の使用を制御したいエリア内またはそのエリアの進入口に設置される。図2は、機能制御情報発信機30の構成の一例を示す構成図である。機能制御情報発信機30は、図2に示すように、機能制御情報40を発信(送信)する送信部31と、機能制御情報40を記憶する情報格納部32とを含む。
図3は、機能制御情報40の一例を示す説明図である。機能制御情報発信機30が発信する機能制御情報40は、図3に示すように、機能制御内容41が記述されている。機能制御内容41には、携帯電話機10の機能のうち制御する対象となる機能と、その制御対象機能をどのように制御するのかを指定する情報が含まれる。
例えば、空港の搭乗口では、乗客の携帯電話機10の電源を強制的にオフにさせたい場合が多い。この場合、例えば、機能制御内容41は、制御対象の機能として「電源供給機能」と、制御内容の指定情報として携帯電話機10の電源部に電源をオフにさせる旨の情報とを含む。なお、機能制御内容41は、例えば、制御対象の機能として「サウンド機能」と、制御内容の指定情報として着信メロディーの音声を出力させる旨の情報を含んでいてもよい。また、機能制御内容41は、例えば、制御対象の機能として「カメラ機能」と、制御内容の指定情報としてカメラを起動不可にさせる旨の情報を含んでいてもよい。
また、図4は、機能制御情報40の他の例を示す説明図である。機能制御情報40は、図4に示すように複数の機能制御内容41を含んでいてもよい。
図5は、携帯電話機10の構成の一例を示す構成図である。携帯電話機10は、図5に示すように、受信部11と、調整部12と、監視部13と、携帯電話機10の機能を制御する機能制御部14と、機能制御部14によって機能を制御される機能部15と、情報を記憶する記憶部20とを含む。
受信部11は、機能制御情報発信機30が発信する機能制御情報40を受信する。監視部13は、携帯電話機10において制御される機能部15の全ての機能の動作状態を把握する。本実施の形態において、監視部13は、携帯電話機10の各機能を監視する。例えば、監視部13は、携帯電話機10が現在どのような機能を備えているかを記憶部20に記憶させて把握する。また、例えば、監視部13は、携帯電話機10の各機能が現在実行中であるか否か等の状態を記憶部20に記憶させて把握する。
調整部12は、機能制御情報40で指定された機能が携帯電話機10の機能の中に存在するか否かを判断する。また、調整部12は、指定された機能が存在している場合、その機能の動作状態を監視部13に問い合わせて機能制御情報40で指定された機能制御の可否を判断する。機能制御部14は、機能制御情報40で指定された制御対象の機能の制御指令を機能部15に出力し、機能部15の機能を制御する。
機能部15は、具体的には、電源供給機能を実現する電源部や、無線信号送受信機能を実現する電波送受信部、音声出力機能を実現するサウンド部、バイブレーション機能を実現するバイブレータ部、ディスプレイ装置等への表示機能を実現する表示部、画像撮影機能を実現するカメラ部、液晶のバックライト点灯機能を実現するライト部等を含む。また、機能部15は、ブラウザ表示機能を実現するブラウザ部や、各種アプリケーションソフトウェアの実行機能を実現する制御部を含む。
記憶部20は、具体的には、メモリ等によって実現される。記憶部20は、機能制御情報発信機30から受信した機能制御情報40や処理結果を記憶する。記憶部20が記憶する機能制御情報40には、制御したい機能と、その機能の制御状態が記載される。
なお、本実施の形態において、記憶部20は、端末装置(携帯電話機10)の機能を自動制御させるための各種プログラムを記憶している。例えば、記憶部20は、コンピュータに、端末装置の外部の機能制御情報発信装置が発信する、端末装置の機能を制御する指示を含む機能制御情報を受信する処理と、機能制御情報で指定されうる機能の状態を監視する処理と、監視結果にもとづいて、受信した機能制御情報で指定された機能を制御可能か否かを判断し、機能制御情報によって指示された機能の制御の実行の可否を判断する処理と、判断結果にもとづいて、端末装置の機能を制御する処理とを実行させるための外部依頼型機能制御プログラムを記憶している。
次に、動作について説明する。図6は、外部依頼型機能制御システムが実行する機能制御処理の一例を示すフローチャートである。機能制御情報発信機30は、情報格納部32が記憶する機能制御情報40を、継続的または断続的に繰り返し発信(送信)している(ステップS101)。また、機能制御情報発信機30は、何らかのトリガにもとづいて繰り返し機能制御情報40を発信していてもよい。例えば、機能制御情報発信機30は、GPSや近距離センサを用いて携帯電話機10が近づいたことを検出したり、光センサを用いて周囲が暗くなったことを検出したり、携帯電話機10から信号を受信したこと等をトリガとして、機能制御情報40を発信する。
携帯電話機10が機能制御情報発信機30の通信エリア内に入ると(ステップS102)、携帯電話機10の受信部11は、通話等に用いる通信手段とは別の通信手段(例えば、別のアンテナ及び送受信部)を用いて、機能制御情報発信機30から機能制御情報40を受信する(ステップS103)。そして、受信部11は、受信した機能制御情報40を記憶部20に記憶させる。
調整部12は、受信部11が受信した機能制御情報40に記載されている機能制御内容41にもとづいて、制御する対象の機能を特定する(ステップS104)。また、調整部12は、特定した制御対象機能が携帯電話機10の機能の中に存在するか否かを監視部13に問い合わせる。また、調整部12は、特定した制御対象機能を制御可能か否かを監視部13に問い合わせる(ステップS105)。
制御対象機能が存在しない旨または制御対象機能を制御不可能である旨を監視部13から受けた場合、調整部12は、受信部11が受信した機能制御情報40を破棄し、記憶部20が記憶する機能制御情報40を消去する(ステップS106)。制御対象機能を制御可能である旨を監視部13から受けた場合、調整部12は、機能制御情報40の中に他に機能制御内容41が含まれるか否かを判断する(ステップS107)。他に機能制御内容41が存在する(他に機能制御内容41が含まれると判断した)場合、調整部12は、繰り返し監視部13に問い合わせて制御対象の機能を制御可能か否かを判断する。
機能制御情報40に記載されている全ての機能制御内容41を制御可能と判断し、ステップS107で他に機能制御内容41が存在しないと判断すると、機能制御部14は、制御対象機能に対する制御指令を機能部15に送り(出力し)、制御対象機能を制御する(ステップS108)。そして、機能部15は、機能制御部14からの指示に従って、制御対象機能を動作させる(ステップS109)。
以上のように、本実施の形態では、環境や状況に合わせて端末装置の機能やアプリケーションソフトウェア、サービスを制御するための情報(機能制御情報40)を、端末装置(携帯電話機10)が外部の機能制御情報発信機30から受信する。そして、端末装置は、受信した機能制御情報40にもとづいて、機能を自動的に制御する。従って、端末装置の利用者が気づいていなくても、環境や場所、状況に適合した機能制御やアプリケーションソフトウェアを利用することができ、サービスの提供を受けることができる。
また、本実施の形態によれば、端末装置内で機能制御情報を解析し実行する機能や、アプリケーションソフトウェア、サービスを判断するための大規模サーバが不要となる。従って、端末装置の環境や場所に合った機能や、アプリケーションソフトウェア、サービスを自動的に使用できるシステムを比較的小規模システムによって実現することができる。
また、本実施の形態によれば、端末装置の調整手段(調整部12)が、各機能が現在稼動しているか否か等の機能の状態を把握した上で機能制御の実行可能性を判断し、機能制御を実行する。従って、例え端末装置が何らかの処理を行っている時であっても、利用者の利便性を損なうことなく、機能制御を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、端末装置が機能制御情報と機能制御の対応表とを予め記憶しているのでなく、外部から受信した機能制御情報を解析して制御を行う。従って、端末装置が制御可能な機能であれば、予め制御内容を端末装置に記憶していなくても機能制御を行うことができる。
なお、本実施の形態では、携帯電話機10が移動する場合を説明したが、外部依頼型機能制御システムは、端末装置が移動するのでなく機能制御情報発信機30が移動する場合にも適用可能である。また、機能制御情報40を発信するタイミングを変更したり、機能制御情報40の内容を変更することによって、端末装置の機能を制御するようにしてもよい。
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態では、外部依頼型機能制御システムの構成は図1で示した構成と同様であるが、機能制御情報40の内容が第1の実施の形態と異なる。
本実施の形態では、例えば、機能制御情報40で指定されている制御対象の機能が既に利用者の操作等によって携帯電話機10内で実行されている場合に、機能制御情報40で指定された機能制御を優先して実行するのか、利用者の操作等によって実行中の処理を優先するのかを携帯電話機10が判断する。
図7は、機能制御情報40のさらに他の例を示す説明図である。図7に示すように、機能制御情報40は、図3で示した機能制御内容41に加えて、機能制御内容41で指定される機能制御の優先度42を含む。本実施の形態において、機能制御情報40に含まれる優先度42は、機能制御情報40で指定される機能制御と現在その制御対象の機能を動作させている処理とのいずれを優先させるかを判断するために用いられる。
また、本実施の形態では、携帯電話機10の構成は第1の実施の形態で示した構成と同様であるが、携帯電話機10の調整部12及び監視部13の処理内容が第1の実施の形態と異なる。また、記憶部20に記憶される情報の内容が第1の実施の形態と異なる。
本実施の形態では、監視部13は、第1の実施の形態で示した処理に加えて、携帯電話機10の各機能を現在の状態に変化させた原因である制御元を、記憶部20に記憶させる。例えば、利用者の操作によって無線信号送受信機能がオフラインにされている場合、監視部13は、現在の無線信号送受信機能の制御元として、「利用者」を記憶部20に記憶させる。また、例えば、外部からの機能制御情報40による機能制御によって無線信号送受信機能がオフラインにされている場合、監視部13は、現在の無線信号受信機能の制御元として、その機能制御情報40の発信元の機能制御情報発信機30を記憶部20に記憶させる。
また、本実施の形態において、記憶部20は、第1の実施の形態で示した情報内容に加えて、機能毎に、その機能を現在の状態に変化させた原因である制御元を記憶する。また、記憶部20は、それぞれの制御元の優先度を記憶する。本実施の形態では、記憶部20が記憶する制御元の優先度と機能制御情報40に含まれる優先度42とは、比較可能な形式で記載されている。例えば、優先度として優先順位を示す情報が記載されている。
また、本実施の形態において、調整部12は、第1の実施の形態で示した処理に加えて、機能制御情報40に記載されている機能制御の優先度42と、制御対象機能の現在の制御元の優先度とを比較する。調整部12は、機能制御情報40の優先度42が現在の制御元の優先度よりも高い場合、機能制御が可能であると判断する。また、調整部12は、機能制御情報40の優先度42が現在の制御元の優先度よりも低い場合、機能制御不可と判断し機能制御情報40を破棄する。
次に、動作について説明する。図8は、外部依頼型機能制御システムが実行する機能制御処理の他の例を示すフローチャートである。図8に示すように、本実施の形態では、図6で示した処理に加えて、機能制御情報40に記載されている機能制御の優先度42と制御対象機能の現在の制御元の優先度とを比較する処理(ステップS107a)と、機能制御を行った制御元を記憶する処理(ステップS110)とが含まれる。なお、図8において、図6で示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。
機能制御情報発信機30は、情報格納部32が記憶する機能制御情報40を繰り返し発信している(ステップS101)。本実施の形態では、機能制御情報40は、第1の実施の形態で示した機能制御内容41に加えて、機能制御の優先度42が記載されている。機能制御情報40は、優先度42として、例えば、「甲」,「乙」等の値を含む。なお、優先度42「甲」は、優先度42「乙」より優先順位が高いことを示す。
携帯電話機10は、通信エリア内に入り(ステップS102)、機能制御情報40を受信すると(ステップS103)、受信した機能制御情報40を記憶部20に記憶させる。調整部12は、機能制御内容41にもとづいて、制御対象の機能を特定する(ステップS104)。また、調整部12は、制御対象機能が制御可能か否かを監視部13に問い合わせ(ステップS105)、制御対象機能が制御可能であると判断すると、その制御対象機能の現在の制御元を記憶部20に問い合わせる。そして、調整部12は、記憶部20が記憶する制御元の優先度と機能制御情報40の優先度42とを比較し、機能制御情報40の機能制御が現在の制御元より優先度が高いか否かを判断する(ステップS107a)。
機能制御情報40の優先度42が制御元の優先度より高いと判断すると、調整部12は、機能制御が可能であると判断する。機能制御情報40の優先度42が制御元の優先度より低いと判断すると、調整部12は、機能制御不可と判断し、機能制御情報40を破棄する(ステップS106)。
例えば、記憶部20は、機能制御情報40の優先度42と制御元の優先度との関係を記憶している。例えば、記憶部20は、制御元の利用者の操作、制御元の通話やメール着信、機能制御情報40の優先度42「甲」、携帯電話機10起動時の操作、機能制御情報40の優先度42「乙」等の順番に優先度が高いことを示す対応関係を記憶している。例えば、調整部12は、記憶部20が記憶する対応関係にもとづいて、機能制御情報40の優先度42が制御元の優先度より高いか否かを判断する。
全ての機能制御内容41の機能制御が可能であると判断し、且つ優先度42が制御元の優先度より高いと判断すると、機能制御部14は、制御対象機能を制御する(ステップS108)。そして、機能部15は、機能制御部14からの指示に従って、制御対象機能を動作させる(ステップS109)。
また、監視部13は、制御元として機能制御情報40の優先度42を記憶部20に記憶させる(ステップS110)。例えば、優先度42「甲」である場合、監視部13は、機能制御を行った機能の現在の制御元を機能制御情報「甲」と記憶部20に記憶させる。ステップS110で記憶させた制御元は、携帯電話機10が次に機能制御情報40を受信した際に優先度判定をするために用いられる。例えば、次に受信した機能制御情報40で同一の機能が機能制御内容41に制御対象機能として記載されている場合に、制御元の優先度との比較を行うために用いられる。ただし、利用者が操作を行った場合には、携帯電話機10は、機能制御情報40による機能制御よりも、利用者の操作による処理を優先して実行する。
以上のように、本実施の形態によれば、携帯電話機10は、機能を現在の状態に変化させた原因である制御元を記録している。また、携帯電話機10は、機能制御情報40で指定された機能の現在の制御元の優先度と機能制御情報40の優先度42とを比較し、機能制御情報40による端末装置(携帯電話機10)の機能制御が可能か否かを判断する調整手段(調整部12)を備える。従って、利用者の操作等によって現在機能が動作している場合であっても、動作中の機能を妨げることなく、外部からの機能制御情報40によって端末装置の機能を制御することができる。
実施の形態3.
次に、本発明の第3の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態では、外部依頼型機能制御システムの構成は図1で示した構成と同様であるが、機能制御情報40の内容及び携帯電話機10の構成が第1の実施の形態と異なる。
図9は、機能制御情報40のさらに他の例を示す説明図である。図9に示すように、機能制御情報40は、図3に示した機能制御内容41に加えて、機能制御情報40の発信者や機能制御情報40の内容が他者に改竄されていないことを保証するための署名等を記述した信用情報43を含む。
図10は、携帯電話機10の他の構成例を示すブロック図である。図10に示すように、本実施の形態では、図5で示した構成要素に加えて携帯電話機10が信憑性確認部16を含む点で第1の実施の形態と異なる。また、本実施の形態では、記憶部20に記憶される情報の内容が第1の実施の形態と異なる。なお、図10では、図5に示した構成要素と同一の要素に同一の符号を付している。
信憑性確認部16は、受信した機能制御情報40に含まれる発信者や機能制御情報40の内容が他者に改竄されていないか否かを、機能制御情報40に含まれる信用情報43にもとづいて判断し検証する。記憶部20は、第1の実施の形態で示した情報内容に加えて、発信者や改竄の有無を検証するための情報や暗号鍵を予め記憶する。なお、これらの検証情報や暗号鍵を記憶部20が予め記憶するのでなく、携帯電話機10が外部との通信によって取得し記憶部20に記憶させるようにしてもよい。
次に、動作について説明する。図11は、外部依頼型機能制御システムが実行する機能制御処理のさらに他の例を示すフローチャートである。図11に示すように、本実施の形態では、図6で示した処理に加えて、機能制御情報40の信用情報43の確認処理(ステップS103a)が含まれる。なお、図11において、図6で示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。
機能制御情報発信機30は、情報格納部32が記憶する機能制御情報40を繰り返し発信している(ステップS101)。本実施の形態では、機能制御情報40は、第1の実施の形態で示した機能制御内容41に加えて、発明者を証明する認証局発行の証明書や、機能制御情報40の内容を他者が改竄していないことを保証するための電子署名等の信用情報43が記載されている。
携帯電話機10は、通信エリア内に入り(ステップS102)、機能制御情報40を受信すると(ステップS103)、受信した機能制御情報40を記憶部20に記憶させる。信憑性確認部16は、機能制御情報40の信用情報43と、記憶部20が記憶する発信者や改竄の有無を検証するための情報や暗号鍵とにもとづいて、機能制御情報40の発信者や、機能制御情報40の内容の改竄の有無を検証する(ステップS103a)。例えば、信憑性確認部16は、公開鍵暗号技術等を用いて信用情報43を認証することによって、発信者や機能制御情報40の内容の改竄の有無を判断する。この場合、携帯電話機10は、認証局に問い合わせをしたり、暗号鍵を外部のサーバからネットワークを介して受信することによって取得したりしてもよい。
検証結果が正しいと判断した場合(すなわち、発信者が正しく機能制御情報40の内容が改竄されていないと判断した場合)、携帯電話機10は、第1の実施の形態で示した手順と同様の処理を実行し(ステップS104〜S109)、機能制御情報40の内容を解析して制御対象の機能を制御する。検証結果が正しくないと判断した場合(すなわち、発信者が正しくないか機能制御情報40の内容が改竄されていると判断した場合)、携帯電話機10は、機能制御情報40を破棄する(ステップS106)。
以上のように、本実施の形態によれば、端末装置(携帯電話機10)は、機能制御情報40を検証する信憑性確認手段(信憑性確認部16)を備える。従って、端末装置は、受信した機能制御情報40の中で信頼できる情報だけを判断して選択し、実行することができる。
実施の形態4.
次に、本発明の第4の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態では、外部依頼型機能制御システムの構成は図1で示した構成と同様であるが、機能制御情報40の内容及び携帯電話機10の構成が第1の実施の形態と異なる。
図12は、機能制御情報40のさらに他の例を示す説明図である。図12に示すように、機能制御情報40は、図3に示した機能制御内容41に加えて、機能制御を実行するための条件を示す実行条件44を含む。なお、実行条件44は、1つの機能制御情報40内に複数記述されていてもよい。
図13は、携帯電話機10のさらに他の構成例を示すブロック図である。図13に示すように、本実施の形態では、図5で示した構成要素に加えて携帯電話機10が状況解析部17を含む点で第1の実施の形態と異なる。なお、図13では、図5に示した構成要素と同一の要素に同一の符号を付している。
状況解析部17は、機能制御情報40に記載された機能制御の実行条件44に、携帯電話機10の状態が合致しているか否かを判断し検証する。例えば、状況解析部17は、携帯電話機10の周囲の騒音状況や、携帯電話機10の処理能力、動作状況が実行条件44に合致しているか否かを判断する。
次に、動作について説明する。図14は、外部依頼型機能制御システムが実行する機能制御処理のさらに他の例を示すフローチャートである。図14に示すように、本実施の形態では、図6で示した処理に加えて、機能制御情報40に記載された機能制御の実行条件44の確認処理(ステップS103d)が含まれる。なお、図14において、図6で示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。
機能制御情報発信機30は、情報格納部32に記憶する機能制御情報40を繰り返し発信している(ステップS101)。本実施の形態では、機能制御情報40は、第1の実施の形態で示した機能制御内容41に加えて、機能制御の実行条件44が記載されている。実行条件44は、例えば、時間や場所の条件、音がうるさい等の周囲の状況にもとづく条件、携帯電話機10の利用者の年齢や性別の条件、携帯電話機10の能力や動作状況にもとづく条件、携帯電話機10が過去に実行した処理にもとづく条件である。
携帯電話機10は、通信エリア内に入り(ステップS102)、機能制御情報40を受信すると(ステップS103)、受信した機能制御情報40を記憶部20に記憶させる。状況解析部17は、携帯電話機10の状態が機能制御情報40の実行条件44に合致するか否かを判断し検証する(ステップS103d)。
例えば、実行条件44に時間の条件が含まれる場合、状況解析部17は、携帯電話機10が備える時計部に問い合わせて現在の時刻情報を入力し、現在時刻が実行条件44に合致するか否か判断する。また、実行条件44に周囲の状況にもとづく条件が含まれる場合、状況解析部17は、携帯電話機10が備えるセンサのセンサ値(例えば、音量)を用いて実行条件44に合致するか否かを判断する。また、実行条件44に利用者の年齢にもとづく条件が含まれる場合、状況解析部17は、記憶部20が予め記憶するプロフィール情報にもとづいて実行条件44に合致するか否かを判断する。また、実行条件44に携帯電話機10の動作状況にもとづく条件が含まれる場合、状況解析部17は、監視部13に問い合わせて各機能の動作状況を判断し、実行条件44に合致するか否かを判断する。
ステップS103dにおいて、状況解析部17は、時間情報を携帯電話機10の時計から取得可能であり、場所の情報を携帯電話機10の基地局やGPS信号から取得可能であり、周囲の状況の情報をマイクロフォンやカメラ等のセンサを用いて取得可能であり、利用者の年齢や性別をメモリに記憶させておくことによって取得可能である。なお、複数の条件が含まれる場合、状況解析部17は、全ての条件に合致するか否かを判断し検証する。
検証結果が正しいと判断した場合(すなわち、携帯電話機10の状態が実行条件44に合致すると判断した場合)、携帯電話機10は、次の処理に進み、第1の実施の形態で示した手順と同様の機能制御の処理を実行する(ステップS104〜S109)。検証結果が正しくないと判断した場合(すなわち、携帯電話機10の状態が実行条件44に合致しないと判断した場合)、携帯電話機10は、機能制御情報40を破棄する(ステップS106)。
以上のように、本実施の形態によれば、端末装置(携帯電話機10)は、機能制御を実行する条件を確認する状況解析手段(状況解析部17)を備える。従って、受信した機能制御情報40のうち、端末装置の状態が実行条件44に合致する機能制御だけを行うようにすることができる。
実施の形態5.
次に、本発明の第5の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態では、外部依頼型機能制御システムの構成は図1で示した構成と同様であるが、機能制御情報40の内容及び携帯電話機10の構成が第1の実施の形態と異なる。
図15は、機能制御情報40のさらに他の例を示す説明図である。図15に示すように、機能制御情報40は、図3に示した機能制御内容41に加えて、機能制御の実行を利用者に問い合わせるか否かを指定する情報である強制力45を含む。なお、強制力45は、第2の実施の形態で示した優先度42で表してもよい。
図16は、携帯電話機10のさらに他の構成例を示すブロック図である。図16に示すように、本実施の形態では、図5で示した構成要素に加えて携帯電話機10が強制力判断部18を含む点で第1の実施の形態と異なる。なお、図16では、図5に示した構成要素と同一の要素に同一の符号を付している。
強制力判断部18は、機能制御情報40に記載されている機能制御の強制力45にもとづいて、機能制御の実行を携帯電話機10の利用者に問い合わせるか否かを判断する。記憶部20は、第1の実施の形態で示した情報内容に加えて、機能制御情報40に記載されている強制力45に対応する処理内容を記憶する。例えば、記憶部20は、強制力45「1」に対して、利用者に問い合わせなくても対象機能を制御可能である旨の処理内容を記憶する。また、記憶部20は、強制力45「2」に対して、対象機能の制御実行前に利用者に問い合わせをしなければならない旨の処理内容を記憶する。
次に、動作について説明する。図17は、外部依頼型機能制御システムが実行する機能制御処理のさらに他の例を示すフローチャートである。図17に示すように、本実施の形態では、図6で示した処理に加えて、機能制御情報40に記載された強制力45を用いた携帯電話機10の利用者による機能制御の実行許否の選択処理(ステップS107c,S107d)を含む。なお、図17において、図6で示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。
機能制御情報発信機30は、情報格納部32が記憶する機能制御情報40を繰り返し発信している(ステップS101)。本実施の形態では、機能制御情報40は、第1の実施の形態で示した機能制御内容41に加えて、機能制御の強制力45が記載されている。例えば、機能制御情報40は、強制力45「1」や強制力45「2」等が記載されている。また、本実施の形態では、記憶部20は、強制力45「1」に対して、利用者に問い合わせなくても対象機能を制御可能である旨の処理内容を予め記憶している。また、記憶部20は、強制力45「2」に対して、対象機能の制御実行前に利用者に問い合わせをしなければならない旨の処理内容を予め記憶している。
図17において、ステップS102からステップS107までの処理は、図6に示すそれらの処理と同様である。本実施の形態では、携帯電話機10は、機能制御情報40に記載された制御対象の機能を制御する処理(ステップS108,109)を実行する前に、機能制御情報40に記載されている強制力45にもとづく判定処理を実行する。
強制力判断部18は、機能制御情報40の強制力45の値が「1」であるか「2」であるかを判断する(ステップS107c)。そして、携帯電話機10は、強制力45の値に対応する処理内容を記憶部20から抽出して実行する。すなわち、強制力45の値が「1」であると判断した場合、携帯電話機10は、利用者の意思にかかわらず制御対象の機能制御をそのまま実行する。また、強制力45の値が「2」であると判断した場合、携帯電話機10は、利用者に機能制御の実行の許可の入力指示を促すウィンドウ画面を表示する。ウィンドウ画面から入力指示することによって、利用者は、機能制御の実行の許否を選択することが可能となる。
携帯電話機10は、利用者によって機能制御の実行許可の入力指示がされたか否かを判断する(ステップS107d)。機能制御の実行許可の入力指示がされたと判断すると、携帯電話機10は、制御対象の機能制御を実行する(ステップS108,109)。機能制御情報40の強制力45の値が「2」であると判断し、利用者によって機能制御の実行許可の入力指示がされなかったと判断すると、携帯電話機10は、機能制御情報40を破棄する(ステップS106)。
以上のように、本実施の形態によれば、端末装置(携帯電話機10)は、機能制御情報40に記載された評価情報(強制力45)にもとづいて、外部依頼型機能制御装置の利用者に機能制御の実行許可を受けるか否かを決定する状況解析手段(強制力判断部18)を備える。従って、受信した機能制御情報40による機能制御を自動的に実行することができ、利用者が許可した機能制御だけを実行することもできる。
実施の形態6.
次に、本発明の第6の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態では、外部依頼型機能制御システムの構成は図1で示した構成と同様であるが、機能制御情報40の内容及び携帯電話機10の構成が第1の実施の形態と異なる。
図18は、機能制御情報40のさらに他の例を示す説明図である。図18に示すように、機能制御情報40は、図3に示した機能制御内容41に加えて、機能制御の実行を解除する条件を示す解除情報46を含む。解除情報46は、例えば、時間や場所の条件、音がうるさい等の周囲の状況にもとづく条件、利用者の年齢や性別の条件、携帯電話機10の能力や動作状況にもとづく条件等である。なお、解除情報46は、1つの機能制御情報40内に複数記述されていてもよい。
図19は、携帯電話機10のさらに他の構成例を示すブロック図である。図19に示すように、本実施の形態では、図5に示した構成要素に加えて携帯電話機10が解除管理部19を含む点で第1の実施の形態と異なる。また、本実施の形態では、記憶部20に記憶される情報の内容が第1の実施の形態と異なる。なお、図19では、図5に示した構成要素と同一の要素に同一の符号を付している。
解除管理部19は、機能制御情報40にもとづいて機能制御する際に、機能制御情報40に記載されている解除情報46を記憶部20に記憶させる。また、解除管理部19は、携帯電話機10の状態が解除情報46の条件に合致するか否かを判断する。また、解除管理部19は、機能制御情報40に記載されている解除情報46の条件に携帯電話機10の状態が合致すると判断すると、機能制御情報40にもとづく機能の実行を解除する。
記憶部20は、第1の実施の形態で示した情報内容に加えて、機能制御情報40にもとづく機能制御の際に、機能制御情報40に記載されている解除情報46を記憶する。
次に、動作について説明する。図20は、外部依頼型機能制御システムが実行する機能制御処理のさらに他の例を示すフローチャートである。図20に示すように、本実施の形態では、図6で示した処理に加えて、機能制御の解除情報46を記憶する処理(ステップS107e)と、解除情報46に当てはまるか否かを判断する処理(ステップS102a)と、機能制御を解除する処理(ステップS102b)とが含まれる。なお、図20において、図6で示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。
機能制御情報発信機30は、情報格納部32が記憶する機能制御情報40を繰り返し発信している(ステップS101)。本実施の形態では、機能制御情報40は、第1の実施の形態で示した機能制御内容41に加えて、機能の制御を解除する条件を示す解除情報46が記載されている。解除情報46は、例えば、機能を制御した時からの経過時間や場所の条件、音がうるさい等の周囲の状況にもとづく条件、利用者の年齢や性別の条件、携帯電話機10の能力や動作状況にもとづく条件、携帯電話機10が過去に実行した処理にもとづく条件である。
図20において、ステップS102、およびステップS103からステップS107までの処理は、図6に示すそれらの処理と同様である。本実施の形態では、機能制御情報40に記載された制御対象の機能を制御する処理(ステップS108,109)を実行する前に、解除管理部19は、機能制御情報40の解除情報46を記憶部20に記憶させる(ステップS107e)。
解除管理部19は、予め定められた所定の時間間隔で、定期的に携帯電話機10の状態が解除情報46に当てはまるか否かを検出する(ステップS102a)。すなわち、解除管理部19は、定期的に携帯電話機10の状態が解除情報46の条件に合致するか否かを判断する。解除情報46に当てはまる(解除情報46の条件に合致する)と判断すると、解除管理部19は、現在実行中の機能制御の実行を解除し、記憶部20が記憶する対応する機能制御情報40を削除する(ステップS102b)。解除情報46の条件に合致しないと判断すると、携帯電話機10は、機能制御の実行を解除しない。
ステップS102aにおいて、例えば、解除情報46に時間の条件が含まれる場合、解除管理部19は、携帯電話機10が備える時計部に問い合わせて現在の時刻情報を入力し、現在時刻が解除情報46に合致するか否か判断する。また、解除情報46に周囲の状況にもとづく条件が含まれる場合、解除管理部19は、携帯電話機10が備えるセンサのセンサ値(例えば、音量)を用いて解除情報46に合致するか否かを判断する。また、解除情報46に利用者の年齢にもとづく条件が含まれる場合、解除管理部19は、記憶部20が予め記憶するプロフィール情報にもとづいて解除情報46に合致するか否かを判断する。また、解除情報46に携帯電話機10の動作状況にもとづく条件が含まれる場合、解除管理部19は、監視部13に問い合わせて各機能の動作状況を判断し、解除情報46に合致するか否かを判断する。
ステップS102aにおいて、解除管理部19は、時間情報を携帯電話機10の時計から取得可能であり、場所の情報を携帯電話機10の基地局やGPS信号から取得可能であり、周囲の状況の情報をマイクロフォンやカメラ等のセンサを用いて取得可能であり、利用者の年齢や性別をメモリに記憶させておくことによって取得可能である。なお、複数の条件が含まれる場合、解除管理部19は、全ての条件に合致するか否かを判断し検証する。
実施の形態7.
次に、本発明の第7の実施の形態を図面を参照して説明する。図21は、外部依頼型機能制御システムの他の構成例を示す説明図である。本実施の形態では、携帯電話機10が同時に通信できる複数のエリア内(複数エリアの重複する領域)に属し、異なる機能制御情報40を発信する機能制御情報発信機30が複数存在する点で、第1の実施の形態と異なる。
図22は、機能制御情報40のさらに他の例を示す説明図である。図22に示すように、機能制御情報40は、図3に示した機能制御内容41に加えて、機能制御の有効性を示す評価情報47を含む。なお、評価情報47は、第2の実施の形態で示した優先度42や、第5の実施の形態で示した強制力45で表してもよい。
また、本実施の形態において、携帯電話機10の構成は、図13に示す第4の実施の形態における携帯電話機10の構成と同様である。本実施の形態では、状況解析部17の処理内容が第4の実施の形態における処理内容と異なる。
本実施の形態では、状況解析部17は、複数の機能制御情報40を受信した場合、機能制御情報40の評価情報47にもとづいて処理の順序を決定する。具体的には、記憶部20が評価情報47と処理の順序との対応関係を予め記憶しており、状況解析部17は、記憶部20が記憶する対応関係にもとづいて処理の順序を決定する。また、評価情報47自体の内容が順序のわかる形式(例えば、優先順位)で記載されており、状況解析部17は、評価情報47で示す順位に従って処理の順序を決定してもよい。
次に、動作について説明する。図23は、外部依頼型機能制御システムが実行する機能制御処理のさらに他の例を示すフローチャートである。図23に示すように、本実施の形態では、図6で示した処理に加えて、複数の機能制御情報40を受信した場合に機能制御情報40の評価情報47にもとづいて処理順序を決定する処理(ステップS103c)と、次の機能制御情報40の処理実行を判断する処理(ステップS111)とが含まれる。なお、図23において、図6で示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。
機能制御情報発信機30は、情報格納部32が記憶する機能制御情報40を繰り返し発信している(ステップS101)。本実施の形態では、機能制御情報40は、第1の実施の形態で示した機能制御内容41に加えて、機能制御の有効性を示す評価情報47が記載されている。評価情報47は、例えば、機能制御情報40の発信者の信用度や、口コミ情報におけるお勧め度等である。なお、評価情報47は、優劣をつけられる比較可能な情報であれば、信用度やお勧め度以外の情報であってもよい。
携帯電話機10は、複数の通信エリアの重複領域内に入り(ステップS102)、複数の機能制御情報40を受信すると(ステップS103)、受信した全ての機能制御情報40を記憶部20に記憶させる。状況解析部17は、受信したそれぞれの機能制御情報40の評価情報47を比較して、機能制御情報40による処理の順位を決定する(ステップS103c)。
例えば、評価情報47の値が「評価:高」や「評価:低」である等、評価情報47自体の内容が順序のわかる形式で記載されている場合、状況解析部17は、各機能制御情報40の評価情報47をそのまま比較する。そして、状況解析部17は、評価情報47の値に従って、機能制御情報40による機能制御の処理を実行する順番を決定する。また、例えば、記憶部20が評価情報47と処理の順序との対応関係を予め記憶する場合、状況解析部17は、記憶部20が記憶する対応関係を用いて処理の順位を決定してもよい。
なお、比較した2つの機能制御情報40の評価情報47の値が同じで順位付けできない場合、状況解析部17は、さらに別の比較情報を用いて処理の順序を決定してもよい。例えば、状況解析部17は、評価情報47に加えて、機能制御情報発信機30から機能制御情報40を受信した際の電波強度や、機能制御情報40を受信した受信順序等を用いて順位を決定してもよい。また、状況解析部17は、携帯電話機10と機能制御情報発信機30との距離を求め、求めた機能制御情報発信機30との距離を用いて順位を決定してもよい。
処理順位を決定すると、携帯電話機10は、最も処理順位の高い機能制御情報40の制御対象機能を特定し(ステップS104〜107)、制御対象の機能を制御する(ステップS108,109)。また、携帯電話機10は、他に機能制御情報40が存在するか否かを判断する(ステップS111)。機能制御情報40が存在すると判断した場合、携帯電話機10は、次に最も処理順位の高い機能制御情報40についてステップS104からステップS109までの処理を繰り返し実行する。
以上のように、本実施の形態によれば、外部から発信される機能制御情報40に、機能制御の有効性を示す評価情報47が記載されている。そして、端末装置(携帯電話機10)は、その評価情報47にもとづいて機能制御処理の順序を決定する調整手段(状況解析部17)を備える。従って、複数の機能制御情報40を受信した場合であっても、有効な処理を行うことができる。
実施の形態8.
次に、本発明の第8の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態では、外部依頼型機能制御システムの構成は図21で示した構成と同様であるが、状況解析部17の処理内容及び記憶部20が記憶する情報の内容が第7の実施の形態と異なる。なお、本実施の形態において、携帯電話機10の構成は、図13に示す第4の実施の形態における携帯電話機10の構成と同様である。
記憶部20は、第1の実施の形態で示した情報内容に加えて、携帯電話機10内の制御機能の処理の優先順位(以下、機能優先順位という)を記憶する。状況解析部17は、複数の機能制御情報40を受信した場合、受信したそれぞれの機能制御内容41で制御するように記載されている機能を、記憶部20が記憶する機能優先順位と比較して照らし合わせ、機能制御情報40による処理の順番を決定する。
次に、動作について説明する。図24は、外部依頼型機能制御システムが実行する機能制御処理のさらに他の例を示すフローチャートである。図24に示すように、本実施の形態では、図6で示した処理に加えて、機能制御情報40による処理の順番を決定する処理(ステップS104a)と、次の機能制御情報40の処理実行を判断する処理(ステップS111)とが含まれる。ステップS104aでは、複数の機能制御情報40を受信した場合に、機能制御情報40の機能制御内容41から制御対象機能を特定した後、それぞれの機能制御内容41で制御するように記載されている機能を記憶部20が記憶する機能制御順位と照らし合わせて、機能制御情報40による処理の順番を決定する。なお、図24において、図6で示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。
機能部15の機能の制御には処理の順位が決められており、記憶部20は、予め機能制御順位を記憶している。例えば、マナーモードにするという制御をブラウザを起動するという制御より優先する場合、記憶部20は、マナーモード制御の機能制御順位として、ブラウザ起動の制御より高い優先順位を記憶する。なお、記憶部20が記憶する機能制御順位は、携帯電話機10の状況等によってリアルタイムに更新されてもよい。
携帯電話機10は、複数の通信エリアの重複領域内に入り(ステップS102)、複数の機能制御情報40を受信すると(ステップS103)、受信した全ての機能制御情報40を記憶部20に記憶させる。また、携帯電話機10は、受信した機能制御情報40の機能制御内容41にもとづいて、制御対象の機能を特定する(ステップS104)。
また、状況解析部17は、受信したそれぞれの機能制御情報40の制御対象機能の優先順位を記憶部20に問い合わせる。そして、状況解析部17は、記憶部20が記憶する機能制御順位に従って、機能制御情報40の処理順序を決定する(ステップS104a)。
処理順位を決定すると、携帯電話機10は、最も処理順位の高い機能制御情報40の制御対象の機能を制御する(ステップS105〜109)。また、携帯電話機10は、他に機能制御情報40が存在するか否かを判断する(ステップS111)。機能制御情報40が存在すると判断した場合、携帯電話機10は、次に最も処理順位の高い機能制御情報40についてステップS105からステップS109までの処理を繰り返し実行する。
以上のように、本実施の形態によれば、端末装置(携帯電話機10)は、機能制御情報40によって制御可能な機能の実行順位を記憶する。そして、端末装置は、複数の機能制御情報40を受信した際に、その機能の実行順位に従って機能制御情報40の処理順序を決定する調整手段(状況解析部17)を備える。従って、複数の機能制御情報40を受信した場合であっても、有効な処理を行うことができる。
実施の形態9.
次に、本発明の第9の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態から第8の実施の形態で示した実施形態をより具体的に示した実施例を説明する。
図25は、外部依頼型機能制御システムを映画館に適用した場合の適用環境を示す説明図である。図25に示すように、外部依頼型機能制御システムは、複数の機能制御情報発信機30a,30b,30c,30d,30eを含む。また、本実施の形態では、携帯電話機10は、利用者の移動に伴って、図25に示す携帯電話機10aの位置から携帯電話機10eの位置まで順に移動する。なお、本実施の形態では、機能制御情報発信機30a〜30eを包括的に表現する場合、または、いずれかの機能制御情報発信機を指す場合に、単に機能制御情報発信機30という。
図25に示すように、本実施の形態では、携帯電話機10の機能を制御するための機能制御情報40を発信する機能制御情報発信機30が、出入り口、チケット改札口、客席及び売店に置かれている。機能制御情報発信機30は、例えば、無線LAN装置やRFIDタグ、微弱無線装置である。
図26は、機能制御情報40のさらに他の例を示す説明図である。図26に示すように、機能制御情報40は、図3,7,9,12,15,18,22で示した情報内容に加えて、機能制御情報40の受信を携帯電話機10の利用者に知らせるアイコンを表示させるためのアイコン情報48を含む。なお、図25では、図3,7,9,12,15,18,22で示した機能制御情報40の情報要素と同一の要素に同一の符号を付している。
図27は、各機能制御情報発信機30が発信する機能制御情報40−a〜40−eの具体的な内容の例を示す説明図である。
出入り口に置かれる機能制御情報発信機30aは、機能制御情報40−aを発信する。機能制御情報40−aは、実行条件44として、マナーモードが設定されていない旨の条件を含む。また、機能制御情報40−aは、機能制御内容41として、マナーモードに設定させ、この機能制御情報40−aによる機能制御を実行したことを記憶させる旨の情報を含む。また、機能制御情報40−aは、優先度42「低」、評価情報47「高」及び強制力45「通常」を含む。また、機能制御情報40−aは、解除情報46として、機能制御を実行してから4時間後である旨の条件を含む。また、機能制御情報40−aは、アイコン情報48として、○○映画館aのアイコンを表示させるための情報を含む。また、機能制御情報40−aは、信用情報43として、情報発信者が○○映画館である旨を記載されており、機能制御情報40−aが改竄されていない旨を示す署名を付加されている。
チケット改札口に置かれる機能制御情報発信機30bは、機能制御情報40−bを発信する。機能制御情報40−bは、実行条件44として、携帯電話機10に電子チケットのアプリケーションソフトウェアが搭載されている旨の条件を含む。また、機能制御情報40−bは、機能制御内容41として、電子チケットのアプリケーションソフトウェアを起動させる旨の情報を含む。また、機能制御情報40−bは、優先度42「低」、評価情報47「低」及び強制力45「通常」を含む。また、機能制御情報40−bは、解除情報46として、機能制御情報40−bを受信していない旨の条件を含む。また、機能制御情報40−bは、アイコン情報48として、○○映画館bのアイコンを表示させるための情報を含む。また、機能制御情報40−bは、信用情報43として、情報発信者が○○映画館である旨を記載されており、機能制御情報40−bが改竄されていない旨を示す署名を付加されている。
客席に置かれる機能制御情報発信機30cは、機能制御情報40−cを発信する。機能制御情報40−cは、機能制御内容41として、カメラ撮影を禁止させる旨の情報と、液晶のバックライトを非点灯にさせる旨の情報と、マナーモードに設定させる旨の情報とを含む。また、機能制御情報40−cは、優先度42「高」、評価情報47「高」及び強制力45「強制」を含む。また、機能制御情報40−cは、解除情報46として、機能制御情報40−cを受信していない旨の条件を含む。また、機能制御情報40−cは、アイコン情報48として、○○映画館cのアイコンを表示させるための情報を含む。また、機能制御情報40−cは、信用情報43として、情報発信者が○○映画館である旨を記載されており、機能制御情報40−cが改竄されていない旨を示す署名を付加されている。なお、機能制御情報40−cは、実行条件44を含まない。
売店に置かれる機能制御情報発信機30dは、機能制御情報40−dを発信する。機能制御情報40−dは、実行条件44として、携帯電話機10に決済処理用のアプリケーションソフトウェアが搭載されている旨の条件を含む。また、機能制御情報40−dは、機能制御内容41として、決済処理用のアプリケーションソフトウェアを起動させる旨の情報を含む。また、機能制御情報40−dは、優先度42「低」、評価情報47「低」及び強制力45「通常」を含む。また、機能制御情報40−dは、解除情報46として、機能制御情報40−dを受信していない旨の条件を含む。また、機能制御情報40−dは、アイコン情報48として、△△売店dのアイコンを表示させるための情報を含む。また、機能制御情報40−dは、信用情報43として、情報発信者が△△売店である旨を記載されており、機能制御情報40−dが改竄されていない旨を示す署名を付加されている。
出入り口には、機能制御情報発信機30aとは別に、もう1台の機能制御情報発信機30eが設置される。出入り口に置かれるもう1台の機能制御情報発信機30eは、機能制御情報40−eを発信する。機能制御情報40−eは、実行条件44として、機能制御情報40−aを実行した旨の条件を含む。また、機能制御情報40−eは、機能制御内容41として、マナーモードを解除させる旨の情報と、機能制御情報40−aを実行した旨を消去させる旨の情報と、次回の映画鑑賞の割引チケットを配布させる旨の情報とを含む。また、機能制御情報40−eは、優先度42「高」、評価情報47「高」及び強制力45「通常」を含む。また、機能制御情報40−eは、解除情報46として、機能制御情報40−eを受信していない旨の条件を含む。また、機能制御情報40−eは、アイコン情報48として、○○映画館eのアイコンを表示させるための情報を含む。また、機能制御情報40−eは、信用情報43として、情報発信者が○○映画館である旨を記載されており、機能制御情報40−eが改竄されていない旨を示す署名を付加されている。
図28は、携帯電話機10のさらに他の構成例を示すブロック図である。図28に示す携帯電話機10の構成は、図5,10,13,16,19で示した各構成要素を全て組み合わせたものに相当する。なお、図28では、図5,10,13,16,19に示した構成要素と同一の要素に同一の符号を付している。また、本実施の形態において、携帯電話機10は、マナーモードの設定機能及びカメラを備える。また、携帯電話機10は、電子チケットのアプリケーションソフトウェア及び決済処理用のアプリケーションソフトウェアが搭載(インストール)されている。
携帯電話機10の記憶部20は、発信者に対応する暗号鍵を記憶する。また、記憶部20は、機能制御情報40の優先度42と機能の現在の制御元との関係として、「優先度40の値「高」」、「ユーザ操作」、「優先度40の値「低」」及び「なし」の順序で優先度が高い旨を記憶する。また、記憶部20は、評価情報47の値「高」が値「低」より評価が高い旨を記憶する。さらに、記憶部20は、強制力45の値「強制」の場合、利用者に問い合わせなくとも機能制御を実行可能である旨を記憶する。また、記憶部20は、強制力45の値「通常」の場合、利用者の許可がなければ機能制御を実行できない旨を記憶する。
なお、記憶部20以外の携帯電話機10の各構成要素の機能は、第1の実施の形態から第8の実施の形態に示したそれらの機能と同様である。
次に、動作について説明する。図29及び図30は、外部依頼型機能制御システムが実行する機能制御処理のさらに他の例を示すフローチャートである。図29及び図30に示すように、本実施の形態では、図6,11,14,17,20,23で示した処理に加えて、機能制御情報40を複数受信したか否かを判断する処理(ステップS103b)と、アイコンを表示する処理(ステップS107b)とが含まれる。なお、図29及び図30において、図6,11,14,17,20,23で示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。以下、携帯電話機10が図25に示す携帯電話機10aの位置、携帯電話機10bの位置、携帯電話機10cの位置、携帯電話機10dの位置及び携帯電話機10eの位置の順に移動した場合の処理について、それぞれ説明する。
本実施の形態では、利用者が映画館の入り口に最初に到着したとき、携帯電話機10は、電源を入れた状態のまま何も操作されていない状態であるとする。機能制御情報発信機30aは、機能制御情報40−aを継続的または断続的に繰り返し発信している。また、機能制御情報発信機30bは、機能制御情報40−bを継続的または断続的に繰り返し発信している。また、機能制御情報発信機30cは、機能制御情報40−cを継続的または断続的に繰り返し発信している。また、機能制御情報発信機30dは、機能制御情報40−dを継続的または断続的に繰り返し発信している。また、機能制御情報発信機30eは、機能制御情報40−eを継続的または断続的に繰り返し発信している(ステップS101)。
利用者が映画館の入り口に最初に到着し、図25に示す映画館の出入り口付近の携帯電話機10aの位置に携帯電話機10が位置する場合の動作を説明する。携帯電話機10が機能制御情報発信機30aの通信エリア内に入ると(ステップS102)、携帯電話機10の受信部11は、通話等に用いる通信手段とは別の通信手段(例えば、別のアンテナ及び送受信部)を用いて、機能制御情報発信機30aから機能制御情報40−aを受信する(ステップS103)。そして、受信部11は、受信した機能制御情報40−aを記憶部20に記憶させる。
信憑性確認部16は、信用情報43「発信者:○○映画館の署名」を検証し、信用情報43が有効であるか否かを判断する(ステップS103a)。具体的には、信憑性確認部16は、記憶部20が記憶する発信者○○映画館に対応する暗号鍵にもとづいて、公開鍵暗号技術等を用いて信用情報43を認証し、機能制御情報40−aの発信者と内容の改竄の有無を検証する。認証に失敗し検証結果が正しくないと判断した場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−aを破棄する(ステップS106)。
また、携帯電話機10は、機能制御情報40を複数受信したか否か判断する(ステップS103b)。複数の機能制御情報40を受信したと判断した場合、状況解析部17は、それぞれの機能制御情報40の評価情報47に対応する処理の順序を記憶部20に問い合わせて、処理の順位を決定する(ステップS103c)。
携帯電話機10の状況解析部17は、処理の順位が最も高い機能制御情報40から順に、携帯電話機10の状態が機能制御の実行条件44に合致するか否かを判断し検証する(ステップS103d)。本例では、図27に示すように、機能制御情報40−aの実行条件44が「マナーモードが設定されていない」である。携帯電話機10は電源を入れたままの状態であるので、状況解析部17は、監視部13に問い合わせるとマナーモードが設定されていない旨を受ける。従って、本例では、状況解析部17は、携帯電話機10の状態が条件に合致すると判断する。なお、ステップS103bで条件が合致しない場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−aを破棄する(ステップS106)。
実行条件44が合致すると判断すると、調整部12は、制御対象機能を特定する(ステップS104)。本例では、調整部12は、図27に示す機能制御情報40−aにもとづいて、制御対象機能がマナーモードの設定機能と機能制御情報40−aの実行を記録する機能であると特定する。そして、調整部12は、監視部13に問い合わせて、マナーモードの設定が可能か否かを判断する(ステップS105)。本例では、調整部12は、マナーモードの設定機能が存在し、制御可能であると判断する。
次に、状況解析部17は、機能制御の優先度42と、制御対象機能の現在の制御元の優先度とを比較する(ステップS107a)。本実施の形態では、各機能の制御元を、監視部13が記憶部20に記憶させている。また、記憶部20は、制御元の優先度と機能制御情報40の優先度42との関係も記憶している。本例では、まだマナーモードの設定操作をされていない状態であるので、記憶部20は、マナーモード設定機能の現在の制御元を記憶していない。従って、状況解析部17は、機能制御情報40−aの優先度42が現在の制御元の優先度よりも高いと判断する。
なお、「機能制御情報40−aの実行を記憶する処理」について複数の制御元からの指示が競合することはないので、状況解析部17は、「機能制御情報40−aの実行を記憶する処理」について優先度を比較する必要はない。よって、状況解析部17は、機能制御情報40−aの機能制御が可能であると判断する。
機能制御情報40−aの全ての機能制御内容41を制御可能であると判断すると、携帯電話機10は、アイコン情報48にもとづいて○○映画館aのアイコンを表示し(ステップS107b)、利用者に機能制御情報40−aを受信した旨を知らせる。
次に、強制力判断部18は、機能制御情報40−aの強制力45に対応する処理内容を、記憶部20に問い合わせる。この場合、強制力判断部18は、強制力45の値が「強制」であるか否か判断する(ステップS107c)。本例では、強制力の値が「通常」であるので、携帯電話機10は、機能制御の実行拒否の指示入力を促す旨を表示し、携帯電話機10の利用者に機能制御の実行を許可するか否かを問い合わせる。携帯電話機10は、利用者によって実行許可の入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS107d)。利用者が機能制御の実行を許可しない(実行許可の入力指示がなかったと判断した)場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−aを破棄する(ステップS106)。
利用者が機能制御の実行を許可した(実行許可の入力指示がなされたと判断した)場合、解除管理部19は、機能制御情報40−aの解除情報46「4時間後に制御を解除する」を記憶部20に記憶させる(ステップS107e)。また、解除管理部19は、制御対象の機能を制御する時刻を記憶部20に記憶させる。
そして、携帯電話機10は、制御対象機能を制御する(ステップS108,109)。この場合、携帯電話機10は、携帯電話機10をマナーモードに設定し、機能制御情報40−aに従って機能制御を実行した旨を記憶部20に記憶させる。また、監視部13は、機能を動作させた制御元を記憶部20に記憶させる(ステップS110)。この場合、監視部13は、制御元として優先度42「低」を記憶部20に記憶させる。
この状態で、利用者が携帯電話機10のマナーモードを解除する操作を行うと、携帯電話機10は、ステップS107aで現在の制御元とユーザ操作との優先度判定を行う。本例では、携帯電話機10は、記憶部20が記憶する制御元の優先度にもとづいて、ユーザ操作の優先度がマナーモードの現在の制御元である優先度「低」より高いと判断する。そのため、利用者は、機能制御情報40の機能制御の影響を受けずに、マナーモードを解除する操作を行うことができる。
次に、図25に示すチケット改札口付近の携帯電話機10bの位置に携帯電話機10が移動した場合の動作を説明する。携帯電話機10の解除管理部19は、記憶部20が記憶する解除情報46の条件に携帯電話機10の状態が当てはまるか否かを、所定の時間間隔で定期的に検出している(ステップS102a)。解除情報46に当てはまる(条件に合致すると判断した)場合、解除管理部19は、機能制御の実行を解除する(ステップS102b)。
本例では、記憶部20が機能制御情報40−aの解除情報46「4時間後」を記憶しており、解除管理部19は、機能制御情報40−aによる機能制御を実行した時刻と、携帯電話機10の時計の時刻情報とを用いて、解除情報46の条件に当てはまるか否かを検証することができる。なお、本例では、機能制御情報40−aによる機能制御をしてから4時間経っておらず、機能制御情報40−aによる機能制御を解除していないものとして、動作を説明する。
携帯電話機10が機能制御情報発信機30bの通信エリア内に入ると(ステップS102)、携帯電話機10の受信部11は、通話等に用いる通信手段とは別の通信手段を用いて、機能制御情報発信機30bから機能制御情報40−bを受信する(ステップS103)。そして、受信部11は、受信した機能制御情報40−bを記憶部20に記憶させる。
信憑性確認部16は、信用情報43「発信者:○○映画館の署名」を検証し、信用情報43が有効であるか否かを判断する(ステップS103a)。具体的には、信憑性確認部16は、記憶部20が記憶する発信者○○映画館に対応する暗号鍵にもとづいて、公開鍵暗号技術等を用いて信用情報43を認証し、機能制御情報40−bの発信者と内容の改竄の有無を検証する。認証に失敗し検証結果が正しくないと判断した場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−bを破棄する(ステップS106)。
検証結果が正しいと判断すると、状況解析部17は、携帯電話機10の状態が機能制御情報40の実行条件44に合致するか否かを判断し検証する(ステップS103d)。本例では、図27に示すように、機能制御情報40−bの実行条件44が「電子チケットアプリケーションソフトウェアが搭載されている」である。状況解析部17は、監視部13に問い合わせると電子チケットアプリケーションソフトウェアがインストールされている旨を受ける。従って、本例では、状況解析部17は、携帯電話機10の状態が条件に合致すると判断する。なお、ステップS103bで条件が合致しない場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−bを破棄する(ステップS106)。
実行条件44が合致すると判断すると、調整部12は、制御対象機能を特定する(ステップS104)。本例では、調整部12は、図27に示す機能制御情報40−bにもとづいて、制御対象機能が電子チケットアプリケーションソフトウェアを起動する機能であると特定する。そして、調整部12は、監視部13に問い合わせて、電子チケットアプリケーションソフトウェアの起動が可能か否かを判断する(ステップS105)。本例では、調整部12は、アプリケーションソフトウェアを起動可能であると判断する。
次に、状況解析部17は、機能制御情報40−bの優先度42と、制御対象機能の現在の制御元の優先度とを比較する(ステップS107a)。本実施の形態では、各機能の制御元を、監視部13が記憶部20に記憶させている。また、記憶部20は、制御元の優先度と機能制御情報40の優先度42との関係も記憶している。本例では、まだアプリケーションソフトウェアが他に起動されていない状態であるので、記憶部20は、アプリケーションソフトウェアの起動機能の現在の制御元を記憶していない。そのため、状況解析部17は、機能制御情報40−bの優先度42が現在の制御元の優先度より高いと判断する。よって、状況解析部17は、機能制御情報40−bの機能制御が可能であると判断する。
機能制御情報40−bの全ての機能制御内容41を制御可能であると判断すると、携帯電話機10は、アイコン情報48にもとづいて○○映画館bのアイコンを表示し(ステップS107b)、利用者に機能制御情報40−bを受信した旨を知らせる。
次に、強制力判断部18は、機能制御情報40−bの強制力45に対応する処理内容を記憶部20に問い合わせる。この場合、強制力判断部18は、強制力45の値が「強制」であるか否か判断する(ステップS107c)。本例では、強制力の値が「通常」であるので、携帯電話機10は、機能制御の実行拒否の指示入力を促す旨の表示をし、携帯電話機10の利用者に機能制御の実行を許可するか否かを問い合わせる。携帯電話機10は、利用者によって実行許可の入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS107d)。利用者が機能制御の実行を許可しない(実行許可の入力指示がなかったと判断した)場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−bを破棄する(ステップS106)。
利用者が機能制御の実行を許可した(実行許可の入力指示がなされたと判断した)場合、解除管理部19は、機能制御情報40−bの解除情報46「機能制御情報40−bを受信している間」を記憶部20に記憶させる(ステップS107e)。
そして、携帯電話機10は、制御対象機能を制御する(ステップS108,109)。この場合、携帯電話機10は、電子チケットアプリケーションソフトウェアを起動する。また、監視部13は、機能を動作させた制御元を記憶部20に記憶させる(ステップS110)。この場合、監視部13は、制御元として優先度42「低」を記憶部20に記憶させる。
以上の処理によって、利用者が何も操作しなくても、電子チケットアプリケーションソフトウェアをチケット改札口で使用することが可能となる。また、利用者が電子チケットアプリケーションソフトウェアを終了する操作を行うと、携帯電話機10は、ステップS107aで現在の制御元とユーザ操作との優先度判定を行う。本例では、携帯電話機10は、記憶部20が記憶する制御元の優先度にもとづいて、ユーザ操作の優先度が電子チケットアプリケーションソフトウェアの現在の制御元である優先度「低」より高いと判断する。そのため、携帯電話機10は、機能制御情報40の機能制御の影響を受けずに、利用者の操作に従って電子チケットアプリケーションソフトウェアを終了する。
なお、携帯電話機10は、一度実行した機能制御に対応する機能制御情報40を再度受信しても、所定時間経過するまで機能制御の実行を受け付けないように処理をすることも可能である。
次に、図25に示す客席内の携帯電話機10cの位置に携帯電話機10が移動した場合の動作を説明する。携帯電話機10の解除管理部19は、記憶部20が記憶する解除情報46の条件に携帯電話機10の状態が当てはまるか否かを、所定の時間間隔で定期的に検出している(ステップS102a)。解除情報46に当てはまる(条件に合致すると判断した)場合、解除管理部19は、機能制御の実行を解除する(ステップS102b)。
本例では、記憶部20が機能制御情報40−aの解除情報46「4時間後」、及び機能制御情報40−bの解除情報46「機能制御情報40−bを受信していない」を記憶している。図25に示す携帯電話機10cの場所では携帯電話機10が機能制御情報40−bを受信できないので、解除管理部19は、機能制御情報40−bによる機能制御を解除する。すなわち、携帯電話機10は、電子チケットアプリケーションソフトウェアを終了し、○○映画館bのアイコン表示も消去する。また、携帯電話機10は、記憶部20に記憶されている機能制御情報40−bも消去する。なお、本例では、機能制御情報40−aによる機能制御をしてから4時間経っておらず、機能制御情報40−aによる機能制御を解除していないものとして、動作を説明する。
携帯電話機10が機能制御情報発信機30cの通信エリア内に入ると(ステップS102)、携帯電話機10の受信部11は、通話等に用いる通信手段とは別の通信手段を用いて、機能制御情報発信機30cから機能制御情報40−cを受信する(ステップS103)。そして、受信部11は、受信した機能制御情報40−cを記憶部20に記憶させる。
信憑性確認部16は、信用情報43「発信者:○○映画館の署名」を検証し、信用情報43が有効であるか否かを判断する(ステップS103a)。具体的には、信憑性確認部16は、記憶部20が記憶する発信者○○映画館に対応する暗号鍵にもとづいて、公開鍵暗号技術等を用いて信用情報43を認証し、機能制御情報40−cの発信者と内容の改竄の有無を検証する。認証に失敗し検証結果が正しくないと判断した場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−cを破棄する(ステップS106)。
検証結果が正しいと判断すると、調整部12は、制御対象機能を特定する(ステップS104)。本例では、調整部12は、図27に示す機能制御情報40−cにもとづいて、制御対象機能がカメラ撮影を禁止する機能、液晶のバックライトを非点灯にする機能、及びマナーモードの設定機能であると特定する。
まず、調整部12は、監視部13に問い合わせて、カメラ撮影の禁止が可能か否かを判断する(ステップS105)。本例では、調整部12は、カメラ撮影の禁止を可能であると判断する。次に、状況解析部17は、機能制御情報40−cの優先度42と、制御対象機能の現在の制御元の優先度とを比較する(ステップS107a)。本実施の形態では、各機能の制御元を、監視部13が記憶部20に記憶させている。また、記憶部20は、制御元の優先度と機能制御情報40の優先度42との関係も記憶している。本例では、まだカメラは他の場所で制御起動されていない状態であるので、記憶部20は、カメラ制御機能の現在の制御元を記憶していない。そのため、状況解析部17は、機能制御情報40−cの優先度が現在の制御元の優先度より高いと判断する。よって、状況解析部17は、機能制御が可能であると判断する。
次に、携帯電話機10は、機能制御情報40−cに他に機能制御内容41が存在するか否かを判断し(ステップS107)、他の機能制御内容41についてステップS104からステップS107aまでの処理を実行する。調整部12は、監視部13に問い合わせて、液晶のバックライトの非点灯が可能か否かを判断する(ステップS105)。本例では、調整部12は、液晶のバックライトの非点灯を可能であると判断する。次に、状況解析部17は、機能制御情報40−cの優先度42と、制御対象機能の現在の制御元の優先度とを比較する(ステップS107a)。本例では、まだ液晶のバックライトは他の場所で制御起動されていない状態であるので、記憶部20は、バックライトの制御機能の現在の制御元を記憶していない。そのため、状況解析部17は、機能制御情報40−cの優先度が現在の制御元の優先度より高いと判断する。よって、状況解析部17は、機能制御情報40−cの機能制御が可能であると判断する。
また、調整部12は、監視部13に問い合わせて、マナーモード設定が可能か否かを判断する(ステップS105)。本例では、調整部12は、マナーモード設定を可能であると判断する。次に、状況解析部17は、機能制御情報40−cの優先度42と、制御対象機能の現在の制御元の優先度とを比較する(ステップS107a)。本例では、記憶部20がマナーモード設定機能の現在の制御元として機能制御情報40−aを記憶し、優先度42が「低」である。そのため、状況解析部17は、機能制御情報40−cの優先度42高が現在の制御元の優先度より高いと判断する。よって、状況解析部17は、機能制御が可能であると判断する。
機能制御情報40−cの全ての機能制御内容41を制御可能であると判断すると、携帯電話機10は、アイコン情報48にもとづいて○○映画館cのアイコンを表示し(ステップS107b)、利用者に機能制御情報40−cを受信した旨を知らせる。
次に、強制力判断部18は、機能制御情報40−cの強制力45に対応する処理内容を記憶部20に問い合わせる。この場合、強制力判断部18は、強制力45の値が「強制」であるか否かを判断する(ステップS107c)。本例では、強制力の値が「強制」であるので、携帯電話機10は、携帯電話機10の利用者に機能制御の実行の許可を得る必要がないと判断する。よって、利用者の許可の入力指示を受けることなく、解除管理部19は、機能制御情報40−cの解除情報46「機能制御情報40−cを受信している間」を記憶部20に記憶させる(ステップS107e)。
そして、携帯電話機10は、制御対象機能を制御する(ステップS108,109)。この場合、携帯電話機10は、カメラ撮影を禁止設定し、液晶のバックライトを非点灯に設定し、マナーモードに設定する。また、監視部13は、機能を動作させた制御元を記憶部20に記憶させる(ステップS110)。この場合、監視部13は、それぞれの制御元として優先度42「高」を記憶部20に記憶させる。
この場合、利用者がマナーモードを解除する操作を行うと、携帯電話機10は、ステップS107aで現在の制御元とユーザ操作との優先度判定を行う。本例では、携帯電話機10は、記憶部20が記憶する制御元の優先度にもとづいて、マナーモード制御機能の現在の制御元の優先度「高」がユーザ操作の優先度より高いと判断する。そのため、利用者は、マナーモードを解除できない。
次に、図25に示す売店付近の携帯電話機10dの位置に携帯電話機10が移動した場合の動作を説明する。なお、本例では、機能制御情報発信機30dのエリアのうち、機能制御情報発信機30cのエリアと機能制御情報発信機30dのエリアとの重複領域に携帯電話機10が移動し、携帯電話機10は、機能制御情報40−c及び機能制御情報40−dの両方を受信可能であるとする。
携帯電話機10の解除管理部19は、記憶部20が記憶する解除情報46の条件に携帯電話機10の状態が当てはまるか否かを、所定の時間間隔で定期的に検出している(ステップS102a)。解除情報46に当てはまる(条件に合致すると判断した)場合、解除管理部19は、機能制御の実行を解除する(ステップS102b)。
本例では、記憶部20は、機能制御情報40−aの解除情報46「4時間後」、及び機能制御情報40−cの解除情報46「機能制御情報40−cを受信していない」を記憶している。解除管理部19は、図25に示す携帯電話機10dの場所では機能制御情報40−cを受信できるので、機能制御情報40−cの解除情報46の条件に合致しないと判断して、機能制御情報40−cの機能制御を継続する。なお、本例では、機能制御情報40−aによる機能制御をしてから4時間経っておらず、機能制御情報40−aによる機能制御を解除していないものとして、動作を説明する。
携帯電話機10が機能制御情報発信機30c及び機能制御情報発信機30dの通信エリア内に入ると(ステップS102)、携帯電話機10の受信部11は、通話等に用いる通信手段とは別の通信手段を用いて、機能制御情報40−c及び機能制御情報40−dを受信する(ステップS103)。機能制御情報40−cについては既に機能制御を行っているので、受信部11は、受信した機能制御情報40−dを記憶部20に記憶させる。そして、携帯電話機10は、機能制御情報40−dについて処理を行う。
信憑性確認部16は、信用情報43「機能制御情報40−dの発信者:△△売店の署名」を検証し、信用情報43が有効であるか否かを判断する(ステップS103a)。具体的には、信憑性確認部16は、記憶部20が記憶する発信者△△売店に対応する暗号鍵にもとづいて、公開鍵暗号技術等を用いて信用情報43を認証し、機能制御情報40−dの発信者と内容の改竄の有無を検証する。認証に失敗し検証結果が正しくないと判断した場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−dを破棄する(ステップS106)。
検証結果が正しいと判断すると、状況解析部17は、携帯電話機10の状態が機能制御情報40の実行条件44に合致するか否かを判断し検証する(ステップS103d)。本例では、図27に示すように、機能制御情報40−dの実行条件44が「決済処理用アプリケーションソフトウェアが搭載されている」である。状況解析部17は、監視部13に問い合わせると、決済処理用アプリケーションソフトウェアがインストールされている旨を受ける。従って、本例では、状況解析部17は、携帯電話機10の状態が条件に合致すると判断する。なお、ステップS103bで条件が合致しない場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−dを破棄する(ステップS106)。
実行条件44が合致すると判断すると、調整部12は、制御対象機能を特定する(ステップS104)。本例では、調整部12は、図27に示す機能制御情報40−dにもとづいて、制御対象機能が決済処理用アプリケーションソフトウェアを起動する機能であると特定する。そして、調整部12は、監視部13に問い合わせて、決済処理用アプリケーションソフトウェアの起動が可能か否かを判断する(ステップS105)。本例では、調整部12は、アプリケーションソフトウェアを起動可能であると判断する。
次に、状況解析部17は、機能制御情報40−dの優先度42と、制御対象機能の現在の制御元の優先度とを比較する(ステップS107a)。本実施の形態では、各機能の制御元を、監視部13が記憶部20に記憶させている。また、記憶部20は、制御元の優先度と機能制御情報40の優先度42との関係も記憶している。本例では、まだ決済処理用アプリケーションソフトウェアが他に起動されていない状態であるので、記憶部20は、決済処理用アプリケーションソフトウェアの起動機能の現在の制御元を記憶していない。そのため、状況解析部17は、機能制御情報40−dの優先度42が現在の制御元の優先度より高いと判断する。よって、状況解析部17は、機能制御情報40−dの機能制御が可能であると判断する。
機能制御情報40−dの全ての機能制御内容41を制御可能であると判断すると、携帯電話機10は、アイコン情報48にもとづいて△△売店dのアイコンを表示し(ステップS107b)、利用者に機能制御情報40−dを受信した旨を知らせる。
次に、強制力判断部18は、機能制御情報40−dの強制力45に対応する処理内容を記憶部20に問い合わせる。この場合、強制力判断部18は、強制力45の値が「強制」であるか否か判断する(ステップS107c)。本例では、強制力の値が「通常」であるので、携帯電話機10は、機能制御の実行拒否の指示入力を促す旨の表示をし、携帯電話機10の利用者に機能制御の実行を許可するか否かを問い合わせる。携帯電話機10は、利用者によって実行許可の入力指示がなされたか否かを判断する(ステップS107d)。利用者が機能制御の実行を許可しない(実行許可の入力指示がなかったと判断した)場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−dを破棄する(ステップS106)。
利用者が機能制御の実行を許可した(実行許可の入力指示がなされたと判断した)場合、解除管理部19は、機能制御情報40−dの解除情報46「機能制御情報40−dを受信している間」を記憶部20に記憶させる(ステップS107e)。
そして、携帯電話機10は、制御対象機能を制御する(ステップS108,109)。この場合、携帯電話機10は、決済処理用アプリケーションソフトウェアを起動する。また、監視部13は、機能を動作させた制御元を記憶部20に記憶させる(ステップS110)。この場合、監視部13は、制御元として優先度42「低」を記憶部20に記憶させる。なお、この場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−a、機能制御情報40−c及び機能制御情報40−dによる機能制御が有効に動作している。
次に、図25に示す出入り口付近の携帯電話機10eの位置に携帯電話機10が移動した場合の動作を説明する。携帯電話機10の解除管理部19は、記憶部20が記憶する解除情報46の条件に携帯電話機10の状態が当てはまるか否かを、所定の時間間隔で定期的に検出している(ステップS102a)。解除情報46に当てはまる(条件に合致すると判断した)場合、解除管理部19は、機能制御の実行を解除する(ステップS102b)。
本例では、記憶部20が機能制御情報40−aの解除情報46「4時間後」、機能制御情報40−cの解除情報46「機能制御情報40−cを受信していない」、及び機能制御情報40−dの解除情報46「機能制御情報40−dを受信していない」を記憶している。図25に示す携帯電話機10eの場所では機能制御情報40−c及び機能制御情報40−dを受信できないので、解除管理部19は、機能制御情報40−c及び機能制御情報40−dによる機能制御を解除する。
すなわち、携帯電話機10は、カメラ撮影の禁止設定を解除し、液晶のバックライトの非点灯設定を解除し、決済処理用アプリケーションソフトウェアを終了する。また、携帯電話機10は、○○映画館○○c及び△△売店dのアイコン表示を消去し、記憶部20に記憶されている機能制御情報40−c及び機能制御情報40−dを消去する。また、機能制御情報40−aによる機能制御を実行してから4時間経過していないとすると、携帯電話機10は、機能制御情報40−aの機能制御によるマナーモード設定を解除しない。
携帯電話機10が機能制御情報発信機30eの通信エリア内に入ると(ステップS102)、携帯電話機10の受信部11は、通話等に用いる通信手段とは別の通信手段を用いて、機能制御情報発信機30eから機能制御情報40−eを受信する(ステップS103)。そして、受信部11は、受信した機能制御情報40−eを記憶部20に記憶させる。
信憑性確認部16は、信用情報43「機能制御情報40−eの発信者:○○映画館の署名」を検証し、信用情報43が有効であるか否かを判断する(ステップS103a)。具体的には、信憑性確認部16は、記憶部20が記憶する発信者○○映画館に対応する暗号鍵にもとづいて、公開鍵暗号技術等を用いて信用情報43を認証し、機能制御情報40−eの発信者と内容の改竄の有無を検証する。認証に失敗し検証結果が正しくないと判断した場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−eを破棄する(ステップS106)。
検証結果が正しいと判断すると、状況解析部17は、携帯電話機10の状態が機能制御情報40の実行条件44に合致するか否かを判断し検証する(ステップS103d)。本例では、図27に示すように、機能制御情報40−eの実行条件44が「機能制御情報40−aを実行した」である。状況解析部17は、監視部13に問い合わせると機能制御情報40−aを実行した旨を受ける。従って、本例では、状況解析部17は、携帯電話機10の状態が条件に合致すると判断する。なお、ステップS103bで条件が合致しない場合、携帯電話機10は、機能制御情報40−eを破棄する(ステップS106)。
実行条件44が合致すると判断すると、調整部12は、制御対象機能を特定する(ステップS104)。本例では、調整部12は、図27に示す機能制御情報40−eにもとづいて、制御対象機能がマナーモードの解除機能、機能制御情報40−aの実行記録の削除機能、及び次回の映画鑑賞の割引チケットの配布機能であると特定する。そして、調整部12は、監視部13に問い合わせて、マナーモード解除、機能制御情報40−aの実行記録削除、及び次回の映画鑑賞割引チケットの配布が可能か否かを判断する(ステップS105)。本例では、調整部12は、マナーモード解除、機能制御情報40−aの実行記録削除、及び次回の映画鑑賞割引チケットの配布のいずれも制御可能であると判断する。
次に、状況解析部17は、機能制御情報40−eの優先度42と、制御対象機能の現在の制御元の優先度とを比較する(ステップS107a)。本実施の形態では、各機能の制御元を、監視部13が記憶部20に記憶させている。また、記憶部20は、制御元の優先度と機能制御情報40の優先度42との関係も記憶している。本例では、状況解析部17は、機能制御情報40−eの優先度42「高」がマナーモード設定機能の現在の制御元の優先度「低」より高いと判断する。また、本例では、記憶部20が「機能制御情報40−aの実行記録」の現在の制御元として優先度「低」を記憶している。そのため、状況解析部17は、機能制御情報40−eの優先度42「高」が現在の制御元の優先度「低」より高いと判断する。
また、まだ次回の映画鑑賞の割引チケット配布用のアプリケーションソフトウェアが他に起動されていない状態であるので、記憶部20は、アプリケーションソフトウェアの起動機能の現在の制御元を記憶していない。そのため、状況解析部17は、機能制御情報40−eの優先度42が現在の制御元の優先度より高いと判断する。よって、状況解析部17は、機能制御情報40−eの機能制御が可能であると判断する。
機能制御情報40−eの全ての機能制御内容41を制御可能であると判断すると、携帯電話機10は、アイコン情報48にもとづいて○○映画館eのアイコンを表示し(ステップS107b)、利用者に機能制御情報40−eを受信した旨を知らせる。
次に、強制力判断部18は、機能制御情報40−eの強制力45に対応する処理内容を記憶部20に問い合わせる。この場合、強制力判断部18は、強制力45の値が「強制」であるか否か判断する(ステップS107c)。本例では、強制力の値が「強制」であるので、携帯電話機10は、携帯電話機10の利用者に機能制御の実行の許可を得る必要がないと判断する。
携帯電話機10は、利用者の許可の入力指示を受けることなく、制御対象機能を制御する(ステップS108,109)。この場合、携帯電話機10は、マナーモード設定を解除し、機能制御情報40−aの実行記録を記憶部20から削除し、○○映画館aのアイコン表示を消去する。また、携帯電話機10は、記憶部20に記憶されている機能制御情報40−aを消去し、次回の映画鑑賞の割引チケットを記憶部20に記憶記憶させる。また、監視部13は、機能を動作させた制御元を記憶部20に記憶させる(ステップS110)。この場合、マナーモード設定の解除及び機能制御情報40−aの実行記録の削除によって携帯電話機10の状態が初期状態に戻っているので、監視部13は、制御元として優先度「なし」を記憶部20に記憶させる。
携帯電話機10は、最初に映画館に到着する前の初期状態に戻っており、次回の映画鑑賞の割引チケットを配布され記憶部20に割引チケットを保存した状態となっている。この後、携帯電話機10が機能制御情報40−eを受信できない場所に移動すると、携帯電話機10は、機能制御情報40−eによる機能制御を解除する。なお、携帯電話機10の状態が初期状態に戻った段階では、携帯電話機10は、○○映画館eのアイコン表示を消去し、記憶部20に記憶されている機能制御情報40−eの消去だけを行う。
以上のように、携帯電話機10が図25に示す携帯電話機10aの位置から携帯電話機10eの位置まで順に移動すると、映画館の入り口で自動的にマナーモードに設定され、チケット改札口で電子チケットアプリケーションソフトウェアが自動起動し、客席でカメラ撮影禁止及び液晶のバックライトの非点灯に自動設定され、売店で決済処理用アプリケーションソフトウェアが自動起動し、映画館を出ると元の状態に戻る。このようなシステムによって、利用者が携帯電話機10の操作を考えなくても、状況に適合する携帯電話機10の機能を簡単に利用することが可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、端末装置(携帯電話機10)は、制御可能な機能の実行順位と機能制御情報40の有効性を示す評価情報とにもとづいて、機能制御処理の順序を決定する状況解析部17を備える。従って、複数の機能制御情報40を受信した場合であっても、有効な処理を先に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、機能やアプリケーションソフトウェア、サービスを起動した制御元と機能制御情報40とに制御強度をもたせる。また、端末装置は、制御対象の機能に競合する機能制御情報40がある場合に、現在その制御対象の機能を制御している制御元の制御強度を監視手段(監視部13)に問い合わせたり、他の機能制御情報40の制御強度と比較したりすることによって、処理の可否を判定する調整手段(調整部12)を備える。従って、1つの機能に対して、複数の機能制御情報40を受け取った場合であっても、有効な処理を行うことができる。