JPWO2005117498A1 - 有機el素子の製造方法および有機el素子製造装置の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、陽極を表面に形成した基板などの表面に有機層を形成する際、有機物などによる悪影響を確実に回避することで高品質な有機EL素子を安定に製造する方法を提供することであり、その解決手段は、陽極を表面に形成した基板などの表面に有機層を形成するための有機成膜室を備えた有機EL素子製造装置の内部をオゾンガスで洗浄してから有機層を形成することを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、陽極を表面に形成した基板などの表面に有機層を形成する際、有機物などによる悪影響を確実に回避することで高品質な有機EL素子を安定に製造する方法に関する。
有機化合物を利用したエレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、これまでにない高い変換効率を有する電気−光変換系素子としてフラットパネル型ディスプレイに代表される次世代ディスプレイなどへの応用が期待されており、近年、その開発が急速に進められている。
有機EL素子の一例としては、図5にその断面を示したような、先の工程でITO膜などの透明導電膜からなる陽極(例えば正孔注入電極)103を表面に形成した、ガラスなどの透明材質からなる基板102の表面に、正孔注入層104、正孔輸送層105、発光層106、電子輸送層107、背面電極(陰極)108を積層し、最後に封止材109にて全体を封止した有機EL素子101が挙げられる。このような構成において、正孔注入層104、正孔輸送層105、発光層106、電子輸送層107は、それぞれの機能を有する有機化合物からなる有機層である。
図5に示した有機EL素子101は、例えば、図6にその概略を示した陽極を表面に形成した基板の表面に有機層を形成するための装置(有機層形成装置)を用いて製造される。
図6において、符号1はロード室、符号2は搬送室、符号3は前処理室、符号4は有機成膜室、符号5はストッカー室、符号6は搬送室、符号7は有機成膜室、符号8は有機成膜室、符号9はストッカー室、符号10は搬送室、符号11は有機成膜室、符号12は電極成膜室、符号13は封止室、符号14はアンロード室、符号a〜lはゲートバルブである。ロード室1にて陽極103を表面に形成した基板102(電極形成基板)をセットし、ゲートバルブaを介して搬送室2に搬入した後、搬送室2の内部に配置した図略のロボットでゲートバルブbを介して前処理室3に搬送してオゾンガスや紫外線照射などにより電極形成基板を洗浄し、その後、順次、有機成膜室4,7,8,11、電極成膜室12、封止室13に搬送し、洗浄した電極形成基板の表面に、正孔注入層104、正孔輸送層105、発光層106、電子輸送層107、背面電極(陰極)108をそれぞれ積層し、最後に封止材109にて全体を封止してアンロード室14から有機EL素子101を搬出する。
ところで、有機層形成装置を長時間運転した場合、有機成膜室の内壁やその内部にセットした防着板(有機成膜室の内壁に蒸着材料が付着することを防ぐための保護板)などに蒸着材料が大量に付着し、付着した蒸着材料が均一な有機層の形成に悪影響を及ぼすことがある。従って、このような事態を回避するために、有機層形成装置の洗浄方法として、例えば、特許文献1において、有機成膜室の内部に赤外光や紫外線などを照射して付着している蒸着材料を昇華させ、昇華した蒸着材料を排気することで、有機成膜室の内壁やその内部にセットした防着板などに付着した蒸着材料を除去する方法が提案されている。
しかしながら、有機成膜室の内壁やその内部にセットした防着板などに付着した蒸着材料を除去しても、時として、製造された有機EL素子の中に品質に劣るものが含まれてくる場合があった。
また、通常、有機EL素子の製造工程において、有機層形成装置を用いて電極形成基板の表面に有機層を形成する工程は、基板の表面に電極を形成する工程とは別になっている。従って、先の工程で製造した電極形成基板を有機層形成装置にセットするまでの間に、大気中の有機物などが当該基板の表面に付着する場合がある。当該基板の表面に大気中の有機物などが付着したままの状態で有機層を形成すると、当該基板の表面への有機層の密着性などに障害が生じ、その結果、形成した有機層の、発光効率の低下や駆動電圧の上昇、さらには、発光寿命の短命化といった事態を招くことがある。
従って、このような事態を回避すべく、電極形成基板を有機層形成装置にセットした後、いったん前処理室で当該基板をオゾンガスで洗浄することにより当該基板の表面に付着していた大気中の有機物などを除去してから搬送室を経て有機成膜室に搬送し、当該基板の表面に有機層を形成する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、電極形成基板をオゾンガスで洗浄しても、時として、製造された有機EL素子の中に品質に劣るものが含まれてくる場合があった。
特開2002−60926号公報 特開平11−45779号公報
そこで本発明は、電極形成基板などの表面に有機層を形成する際、有機物などによる悪影響を確実に回避することで高品質な有機EL素子を安定に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の点に鑑みて種々の検討を行ったところ、有機成膜室の内壁やその内部にセットした防着板などに付着した蒸着材料を除去しても、時として、製造された有機EL素子の中に品質に劣るものが含まれてくる場合があるのは、搬送室の汚染に起因することを突き止めた。これまで、搬送室の清浄度が電極形成基板の表面への有機層の形成にどのような影響を及ぼすかについては検討されたことはなく、従って、その対策についても何ら提案されたことはない。
また、本発明者らは、電極形成基板をオゾンガスで洗浄しても、時として、製造された有機EL素子の中に品質に劣るものが含まれてくる場合があるのは、有機層形成装置を新規組立した際や装置分解オーバーホールした際における装置組立過程において装置の内部に付着した大気中の有機物などに起因することを突き止めた。そして、装置の内部をオゾンガスで洗浄することで付着していた大気中の有機物などを除去してから電極形成基板の表面に有機層を形成すれば、高品質な有機EL素子を安定に製造することができることを知見した。これまで、有機層形成装置を新規組立した際や装置分解オーバーホールした際における装置組立過程において装置の内部に付着した大気中の有機物などが電極形成基板の表面への有機層の形成にどのような影響を及ぼすかについては検討されたことはなく、従って、その対策についても何ら提案されたことはない。
本発明は、以上の背景に基づいてなされたものであり、本発明の有機EL素子の製造方法は、請求項1記載の通り、基板の表面に有機層を形成するための有機成膜室を備えた有機EL素子製造装置の内部をオゾンガスで洗浄してから有機層を形成することを特徴とする。
また、請求項2記載の製造方法は、請求項1記載の製造方法において、基板が電極形成基板であることを特徴とする。
また、請求項3記載の製造方法は、請求項1または2記載の製造方法において、有機EL素子製造装置が、基板の表面に有機層を形成するための有機成膜室と、基板を有機成膜室に搬送するためのロボットを内部に配置した搬送室を少なくとも備えた有機EL素子製造装置であって、有機成膜室の内部にセットした蒸着源を新しい蒸着源に交換する時間を利用して、搬送室の内部をオゾンガスで洗浄してから有機層を形成することを特徴とする。
また、請求項4記載の製造方法は、請求項1または2記載の製造方法において、有機EL素子製造装置を新規組立した際または装置分解オーバーホールした際、装置の内部をオゾンガスで洗浄してから有機層を形成することを特徴とする。
また、本発明の有機EL素子製造装置の洗浄方法は、請求項5記載の通り、基板の表面に有機層を形成するための有機成膜室を備えた有機EL素子製造装置の内部をオゾンガスで洗浄することを特徴とする。
また、請求項6記載の洗浄方法は、請求項5記載の洗浄方法において、基板が電極形成基板であることを特徴とする。
また、請求項7記載の洗浄方法は、請求項5または6記載の洗浄方法において、有機EL素子製造装置が、基板の表面に有機層を形成するための有機成膜室と、基板を有機成膜室に搬送するためのロボットを内部に配置した搬送室を少なくとも備えた有機EL素子製造装置であって、有機成膜室の内部にセットした蒸着源を新しい蒸着源に交換する時間を利用して、搬送室の内部をオゾンガスで洗浄することを特徴とする。
また、請求項8記載の洗浄方法は、請求項5または6記載の洗浄方法において、有機EL素子製造装置を新規組立した際または装置分解オーバーホールした際、装置の内部をオゾンガスで洗浄することを特徴とする。
本発明によれば、電極形成基板などの表面に有機層を形成する際、有機物などによる悪影響を確実に回避することで高品質な有機EL素子を安定に製造する方法が提供される。
実施例1におけるダミー基板の表面の水接触角の平均値の推移を示すグラフである。 同、有機EL素子の性能の比較を示すグラフである。 実施例2におけるダミー基板の表面の水接触角の平均値の推移を示すグラフである。 同、有機EL素子の性能の比較を示すグラフである。 有機EL素子の構成の一例の断面図である。 有機層形成装置の一例の概略図である。
符号の説明
1 ロード室
2,6,10 搬送室
3 前処理室
4,7,8,11 有機成膜室
5,9 ストッカー室
12 電極成膜室
13 封止室
14 アンロード室
a〜l ゲートバルブ
101 有機EL素子
102 基板
103 陽極
104 正孔注入層
105 正孔輸送層
106 発光層
107 電子輸送層
108 背面電極(陰極)
109 封止材
本発明の有機EL素子の製造方法は、基板の表面に有機層を形成するための有機成膜室を備えた有機EL素子製造装置の内部をオゾンガスで洗浄してから有機層を形成することを特徴とするものである。また、本発明の有機EL素子製造装置の洗浄方法は、基板の表面に有機層を形成するための有機成膜室を備えた有機EL素子製造装置の内部をオゾンガスで洗浄することを特徴とするものである。
前述の通り、特許文献2などにおいては、先の工程で製造した電極形成基板を有機層形成装置にセットした後、いったん前処理室で当該基板をオゾンガスで洗浄することにより当該基板の表面に付着していた大気中の有機物などを除去してから搬送室を経て有機成膜室に搬送し、当該基板の表面に有機層を形成する方法が提案されている。しかしながら、有機層形成装置そのものを洗浄対象にして装置の内部をオゾンガスで洗浄してから電極形成基板の表面に有機層を形成することを記載したり示唆したりしている先行文献はない。
本発明において、有機EL素子製造装置の内部をオゾンガスで洗浄する方法は、特段限定されるものではなく、例えば、装置の内部にオゾナイザー(オゾン発生装置)で発生させたオゾンガスを供給するような態様で行えばよい。また、装置の内部の洗浄の必要性の確認や洗浄効果の確認は、例えば、ダミー基板を有機層の形成工程に従って装置の内部を通過させ、その表面の水接触角を測定することで行えばよい。具体的には、例えば、水接触角が5°以下(望ましくは4°以下)の場合は清浄度が良好と評価し、この数値を超えた場合には洗浄の必要性があると評価するといったようにして行えばよい。
例えば、図6に示した有機層形成装置の搬送室2には、ロード室1からゲートバルブaを介して少なからず大気中の有機物などが侵入するとともに、有機成膜室4からゲートバルブcを介して少なからず蒸着材料が侵入するので、これらがその内部に付着するという現象が起きる。また、搬送室6には、有機成膜室7と有機成膜室8からそれぞれ異なった蒸着材料が少なからず侵入するので、これらがその内部に付着するという現象が起きる。本発明は、このような現象によって汚染された搬送室の内部を、有機EL素子の製造工程において行われる、有機成膜室の内部にセットした蒸着源を新しい蒸着源に交換する時間を利用して、オゾンガスで洗浄することで付着した大気中の有機物などや蒸着材料を除去し、電極形成基板の表面に有機層を均一に形成して高品質な有機EL素子を安定に製造するものである。
有機成膜室の内部にセットした蒸着源を新しい蒸着源に交換する時間を利用して、搬送室の内部をオゾンガスで洗浄する方法は、特段限定されるものではなく、例えば、搬送室にオゾナイザーで発生させたオゾンガスを供給するような態様で行えばよい。図6に示した有機層形成装置の有機成膜室4の内部にセットした蒸着源を新しい蒸着源に交換する場合、搬送室2,6,10にオゾンガスを供給することでその内部を洗浄する。なお、搬送室の内部の洗浄は、必ずしも全ての搬送室に対して同時に行わなければならないというものではなく、任意の搬送室を選択して選択した搬送室の内部だけを洗浄するようにしてもよい。
洗浄条件としては、例えば、搬送室の内部にオゾンガスをその圧力が100〜300Torrになるまで投入してから0.5〜5時間放置した後、高真空排気を0.5時間以上行うという条件が望ましい。必要によりこのようなサイクルを複数回行ってもよいことは言うまでもない。
なお、搬送室の内部を洗浄すると同時に、ロード室、前処理室、ストッカー室、アンロード室などにもオゾンガスを供給して内部を洗浄することが望ましい。これらもその内部に大気中の有機物などや蒸着材料が付着して汚染されることで均一な有機層の形成に悪影響を及ぼす恐れがあるためである。
また、有機層形成装置を新規組立した後や装置分解オーバーホールした後における装置の内部の清浄性を確保する方法としては、例えば、装置組立後には洗浄を行わず、装置組立前の部品単体の有機溶剤、アルカリ洗剤などの洗浄液を用いた脱脂洗浄に依る方法がある。しかしながら、このような方法では、洗浄した部品に大気中の有機物などが付着するので、装置の内部に大気中の有機物などが付着することになる。また、装置組立後に装置の内部を、イソプロピルアルコールを滲入させたダストフリー・オイルフリーのウェスで拭き取る方法や、60℃〜80℃に加熱しながら真空排気(加熱脱ガス)する方法もあるが、前者の方法では装置の内部の細部まで十分に拭き取ることが不可能であり、後者の方法では装置の内部に付着した大気中の有機物などを必ずしも効果的に除去することができない。
本発明では、有機層形成装置を新規組立した際または装置分解オーバーホールした際、装置の内部をオゾンガスで洗浄するので、装置の内部に付着した大気中の有機物などを効果的に除去することができる。従って、装置の内部をオゾンガスで洗浄してから電極形成基板の表面に有機層を形成すれば、高品質な有機EL素子を安定に製造することができる。
図6に示した有機層形成装置を新規組立した際や装置分解オーバーホールした際に装置の内部をオゾンガスで洗浄する方法は、特段限定されるものではなく、例えば、各室ごとにオゾナイザーで発生させたオゾンガスを供給するような態様で行えばよい。ここで、有機成膜室と電極成膜室については、防着板はセットした状態で、かつ、蒸着材料を充填した蒸着源はセットしない状態で洗浄することが望ましい。蒸着材料がオゾンガスで変質してしまうことを回避するためである。
洗浄条件としては、例えば、装置の内部にオゾンガスをその圧力が100〜300Torrになるまで投入してから0.5〜5時間放置した後、高真空排気を0.5時間以上行うという条件が望ましい。必要によりこのようなサイクルを複数回行ってもよいことは言うまでもない。
なお、以上の説明は、有機層の形成対象となる基板が電極形成基板である場合を例にとって行ったが、有機層の形成対象となる基板はこれに限定されるものではない。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記載に何ら限定されるものではない。
実施例1:
実験A.有機層形成装置の搬送室の内部をオゾンガスで洗浄することの効果
一定時間運転した図6に示した有機層形成装置の搬送室2の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力6.9×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出した。取り出したダミー基板の表面の水接触角を測定することで搬送室2の内部の清浄度を評価したところ、3.8°であったイニシャル平均値は25.4°にまで増加した。この現象は、搬送室2の内部に付着していた大気中の有機物などや蒸着材料が離脱し、ダミー基板に再付着したことでその表面が汚染されたことに起因するものと推察された。
1回目の洗浄としてオゾンガスをその圧力が200Torrになるまで搬送室2の内部に投入してから2時間放置した後、高真空排気を2時間行った。大気開放してから搬送室2の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力5.3×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.5°であったイニシャル平均値は11.3°にまで増加した。
その後、再び高真空排気を2時間行った。大気開放してから搬送室2の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力4.5×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.5°であったイニシャル平均値は11.3°にまで増加した。
2回目の洗浄としてオゾンガスをその圧力が200Torrになるまで搬送室2の内部に投入してから2時間放置した後、高真空排気を2時間行った。大気開放してから搬送室2の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力3.9×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.8°であったイニシャル平均値は9.5°にまで増加した。
その後、再び高真空排気を2時間行った。大気開放してから搬送室2の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力1.9×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.5°であったイニシャル平均値は9.0°にまで増加した。
3回目の洗浄としてオゾンガスをその圧力が200Torrになるまで搬送室2の内部に投入してから2時間放置した後、高真空排気を2時間行った。大気開放してから搬送室2の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力2.8×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.4°であったイニシャル平均値は4.6°にまで増加した。
その後、再び高真空排気を2時間行った。大気開放してから搬送室2の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力2.3×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.6°であったイニシャル平均値は4.1°にまで増加した。
4回目の洗浄としてオゾンガスをその圧力が200Torrになるまで搬送室2の内部に投入してから2時間放置した後、高真空排気を24時間行った。大気開放してから搬送室2の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力1.9×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.6°であったイニシャル平均値に変動はなかった。
以上の結果の詳細データを表1に示す。また、ダミー基板の表面の水接触角の平均値の推移を図1に示す。
Figure 2005117498
図1から明らかなように、ダミー基板の表面の水接触角の平均値はオゾンガスによる洗浄の回数を重ねるにつれて減少した。このことから、実験開始前には大気中の有機物などや蒸着材料が搬送室2の内部に大量に付着していたものの、オゾンガスによる洗浄により除去したことで、搬送室2の内部の清浄化が図られたことがわかった。
実験B.搬送室の内部をオゾンガスで洗浄した有機層形成装置を用いた有機EL素子の製造
実験Aにおいて搬送室の内部に対してオゾンガスによる洗浄を4回行った有機層形成装置を用いて常法に従って有機EL素子を製造した。任意に選択した10個の有機EL素子についてそれらの性能を調べたところ、いずれの素子も短時間で駆動電圧値の上昇をきたすようなことはなかった(図2実施例)。一方、搬送室の内部に対してオゾンガスによる洗浄を行わなかった有機層形成装置を用いて有機EL素子を製造した場合には、製造された素子の中に短時間で駆動電圧値の上昇をきたすものが存在した(図2比較例)。このことから、有機層形成装置の搬送室の内部をオゾンガスで洗浄してから電極形成基板の表面に有機層を形成すれば、製造される有機EL素子について、その高品質維持と歩留まり向上が可能であることがわかった。
実施例2:
実験A.有機層形成装置の内部をオゾンガスで洗浄することの効果
有機溶剤、アルカリ洗剤などの洗浄液を用いた脱脂洗浄を装置組立前に行った部品を用いて新規組立した図6に示した有機層形成装置のストッカー室5の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力6.9×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出した。取り出したダミー基板の表面の水接触角を測定することで有機層形成装置の内部の清浄度を評価したところ、3.8°であったイニシャル平均値は26.1°にまで増加した。この現象は、ストッカー室5の内部に付着していた大気中の有機物などが離脱し、ダミー基板に再付着したことでその表面が汚染されたことに起因するものと推察された。
1回目の洗浄としてオゾンガスをその圧力が200Torrになるまでストッカー室5の内部に投入してから2時間放置した後、高真空排気を2時間行った。大気開放してからストッカー室5の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力5.3×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.5°であったイニシャル平均値は12.0°にまで増加した。
その後、再び高真空排気を2時間行った。大気開放してからストッカー室5の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力4.5×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.5°であったイニシャル平均値は12.0°にまで増加した。
2回目の洗浄としてオゾンガスをその圧力が200Torrになるまでストッカー室5の内部に投入してから2時間放置した後、高真空排気を2時間行った。大気開放してからストッカー室5の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力3.9×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.8°であったイニシャル平均値は11.0°にまで増加した。
その後、再び高真空排気を2時間行った。大気開放してからストッカー室5の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力1.9×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.5°であったイニシャル平均値は10.5°にまで増加した。
3回目の洗浄としてオゾンガスをその圧力が200Torrになるまでストッカー室5の内部に投入してから2時間放置した後、高真空排気を2時間行った。大気開放してからストッカー室5の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力2.8×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.4°であったイニシャル平均値は4.9°にまで増加した。
その後、再び高真空排気を2時間行った。大気開放してからストッカー室5の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力2.3×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.6°であったイニシャル平均値は4.8°にまで増加した。
4回目の洗浄としてオゾンガスをその圧力が200Torrになるまでストッカー室5の内部に投入してから2時間放置した後、高真空排気を24時間行った。大気開放してからストッカー室5の内部に6枚のダミー基板を挿入して30分間高真空排気した後(圧力1.9×10-4Pa)、大気開放してダミー基板を取り出し、その表面の水接触角を測定したところ、3.6°であったイニシャル平均値が3.4に減少した。
以上の結果の詳細データを表2に示す。また、ダミー基板の表面の水接触角の平均値の推移を図3に示す。
Figure 2005117498
図3から明らかなように、ダミー基板の表面の水接触角の平均値はオゾンガスによる洗浄の回数を重ねるにつれて減少した。このことから、装置を新規組立した当初には大気中の有機物などが装置の内部に大量に付着していたものの、オゾンガスによる洗浄により除去したことで、装置の内部の清浄化が図られたことがわかった。
実験B.オゾンガスで洗浄した有機層形成装置を用いた有機EL素子の製造
実験Aにおいてオゾンガスによる洗浄を4回行った有機層形成装置を用いて常法に従って有機EL素子を製造した。任意に選択した10個の有機EL素子についてそれらの性能を調べたところ、いずれの素子も短時間で駆動電圧値の上昇をきたすようなことはなかった(図4実施例)。一方、新規組立した後にオゾンガスによる洗浄を行わなかった有機層形成装置を用いて有機EL素子を製造した場合には、製造された素子の中に短時間で駆動電圧値の上昇をきたすものが存在した(図4比較例)。このことから、有機層形成装置の内部をオゾンガスで洗浄してから電極形成基板の表面に有機層を形成すれば、製造される有機EL素子について、その高品質維持と歩留まり向上が可能であることがわかった。
実施例3:
装置分解オーバーホールした図6に示した有機層形成装置について、実施例2に記載した実験と同様の実験を行うことで同様の結果が得られることを確認した。
本発明は、陽極を表面に形成した基板などの表面に有機層を形成する際、有機物などによる悪影響を確実に回避することで高品質な有機EL素子を安定に製造する方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. 基板の表面に有機層を形成するための有機成膜室を備えた有機EL素子製造装置の内部をオゾンガスで洗浄してから有機層を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  2. 基板が電極形成基板であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 有機EL素子製造装置が、基板の表面に有機層を形成するための有機成膜室と、基板を有機成膜室に搬送するためのロボットを内部に配置した搬送室を少なくとも備えた有機EL素子製造装置であって、有機成膜室の内部にセットした蒸着源を新しい蒸着源に交換する時間を利用して、搬送室の内部をオゾンガスで洗浄してから有機層を形成することを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  4. 有機EL素子製造装置を新規組立した際または装置分解オーバーホールした際、装置の内部をオゾンガスで洗浄してから有機層を形成することを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  5. 基板の表面に有機層を形成するための有機成膜室を備えた有機EL素子製造装置の内部をオゾンガスで洗浄することを特徴とする有機EL素子製造装置の洗浄方法。
  6. 基板が電極形成基板であることを特徴とする請求項5記載の洗浄方法。
  7. 有機EL素子製造装置が、基板の表面に有機層を形成するための有機成膜室と、基板を有機成膜室に搬送するためのロボットを内部に配置した搬送室を少なくとも備えた有機EL素子製造装置であって、有機成膜室の内部にセットした蒸着源を新しい蒸着源に交換する時間を利用して、搬送室の内部をオゾンガスで洗浄することを特徴とする請求項5または6記載の洗浄方法。
  8. 有機EL素子製造装置を新規組立した際または装置分解オーバーホールした際、装置の内部をオゾンガスで洗浄することを特徴とする請求項5または6記載の洗浄方法。
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