JP4353320B2 - 洗浄液及び有機el装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄方法、洗浄装置および電気光学装置に関するものである。
低分子有機EL装置では、ガラス基板上に低分子有機材料からなる発光層が形成されている。その低分子有機材料からなる発光層は、蒸着法によって形成する。蒸着法は、材料の小片を高真空中で加熱蒸発させ、基板上に薄膜として凝着させる方法である。蒸着法による発光層の形成は、発光層の形成領域以外の領域に対する有機材料の付着を防止するため、蒸着マスクを配置して行う必要がある。また、蒸着チャンバの内壁等に対する有機材料の付着を防止するため、防着板を配置して行う必要がある。
ところで、複数回の蒸着処理を行った後には、有機EL装置の製造装置である防着板や蒸着マスク等の表面に、有機物が堆積した状態となる。有機物が堆積した防着板を放置しつづけると、蒸着チャンバ内の汚染につながることになる。また、金属薄板等からなる蒸着マスクは有機物の重さにより大きく撓むので、パターニングの精度に影響を与えることになる。そのため、防着板や蒸着マスク等に堆積した有機物を定期的に除去する作業が必要不可欠である。
そこで、防着板や蒸着マスク等に堆積した有機物を人の手によって擦り落とす作業が行われている。また特許文献1には、エッチング処理後の処理室内に混合ガスプラズマを発生させて、処理室内の残留反応生成物を除去する方法が提案されている。さらに特許文献2には、有機膜真空蒸着によりマスクに付着した有機膜を、加熱処理により真空を破らずに除去する方法が提案されている。
特開平8−319586号公報 特開2000−282219号公報
しかしながら、人の手による擦り落とし方法では、非常に人手がかかるという問題がある。そこで、人手がかからず作業性のよい洗浄プロセスの確立が望まれている。
なお、特許文献1および2に提案されている方法は、いずれも処理室(チャンバ)内で有機膜等を除去するものであり、蒸着装置の改造を伴うことになる。そのため、多くのコストを必要とするという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電気光学装置の製造装置に付着した有機物を容易に除去することが可能な、洗浄方法および洗浄装置の提供を目的とする。また、高品質な電気光学装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の洗浄方法は、電気光学装置の製造装置に付着した有機物を、ピロリドンの誘導体を用いて洗浄することを特徴とする。
レジスト剥離等に利用されるピロリドンの誘導体は、有機物の分解作用に優れている。
そのため、擦り洗い等の物理的処理や、製造装置の改造を必要とすることなく、有機物を除去することができる。したがって、電気光学装置の製造装置に付着した有機物を容易に除去することができる。
また、電気光学装置の製造装置に付着した有機物の洗浄方法であって、前記製造装置を、ピロリドンの誘導体で処理する工程と、前記製造装置を、水で処理する工程と、前記製造装置を、エタノールで処理する工程と、を有することを特徴とする。
製造装置に付着した有機物は、ピロリドンの誘導体で処理することによって除去される。また、製造装置に付着したピロリドンの誘導体は、水で処理することによって除去される。さらに、製造装置に付着した水は、エタノールで処理することによって置換される。
そして、製造装置に付着した低沸点のエタノールは、迅速に乾燥させることができる。したがって、電気光学装置の製造装置に付着した有機物を容易に除去することができる。
また、前記ピロリドンの誘導体は、N−メチル−2−ピロリドンであることが望ましい。
N−メチル−2−ピロリドンは、有機物の剥離作用に特に優れている。したがって、電気光学装置の製造装置に付着した有機物を容易に除去することができる。
なお、前記電気光学装置の製造装置は、有機EL装置の機能層の蒸着処理に使用される防着板であってもよい。
この構成によれば、防着板に付着した有機物を容易に除去することができるので、蒸着チャンバ内の汚染を防止することができる。
なお、前記電気光学装置の製造装置は、有機EL装置の機能層の蒸着処理に使用されるマスクであってもよい。
この構成によれば、マスクに付着した有機物を容易に除去することができるので、有機物の重さによるマスクの撓みを防止することができる。したがって、蒸着処理の精度を確保することができる。
また、前記製造装置の洗浄は、常温で行うことが望ましい。
この構成によれば、加熱による製造装置の変形を防止することができるので、電気光学装置を精度良く製造することができる。
また、前記製造装置の洗浄は、超音波を併用しつつ行うことが望ましい。
この構成によれば、電気光学装置の製造装置に付着した有機物を効率的に除去することができる。
一方、本発明の洗浄装置は、電気光学装置の製造装置に付着した有機物の洗浄装置であって、前記製造装置をピロリドンの誘導体で処理するステージと、前記製造装置を水で処理するステージと、前記製造装置をエタノールで処理するステージと、前記製造装置を乾燥させるステージと、前記各ステージに対して前記製造装置を順次搬送する搬送手段と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、電気光学装置の製造装置に付着した有機物を容易に除去することができる。
一方、本発明の電気光学装置は、上述した洗浄方法を使用して前記電気光学装置の製造装置を洗浄し、洗浄された前記電気光学装置の製造装置を使用して製造したことを特徴とする。
この構成によれば、電気光学装置の製造装置に付着した有機物を除去して、蒸着処理の精度を確保することができるので、高品質な電気光学装置を提供することができる。
実施形態の洗浄装置の概略構成を示す説明図である。 低分子有機EL装置の側面断面図である。 蒸着装置の説明図である。 基板に対する蒸着処理の説明図である。 本実施形態の洗浄方法における各工程の処理内容および処理条件である。 実施例における各洗浄液による洗浄結果および各洗浄液の安全性である。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[有機EL装置]
本実施形態の洗浄方法は、低分子有機EL装置の発光層を形成する際に、蒸着マスクに付着した有機物を洗浄する方法である。そこでまず、低分子有機EL装置の概略構成につき、図2を用いて説明する。
図2は、低分子有機EL装置の側面断面図である。有機EL装置200は、マトリクス状に配置された複数の画素領域R,G,Bを備えている。ガラス材料等からなる基板210の表面には、各画素領域を駆動する回路部220が形成されている。なお図2では、回路部220の詳細構成の図示を省略している。その回路部220の表面には、ITO等からなる複数の画素電極240が、各画素領域R,G,Bに対応してマトリクス状に形成されている。また、陽極として機能する画素電極240を覆うように、銅フタロシアニン等からなる正孔注入層250が形成されている。なお正孔注入層250の表面に、NPB(N,N−ジ(ナフタリル)−N,N−ジフェニル−ベンジデン)等からなる正孔輸送層を設ける場合もある。
そして正孔注入層250の表面には、各画素領域R,G,Bに対応する発光層260がマトリクス状に形成されている。この発光層260は、分子量が約1000以下の低分子有機材料からなっている。具体的には、Alq3(アルミニウム錯体)等をホスト材料とし、ルブレン等をドーパントとして、発光層260が構成されている。また各発光層260を覆うように、フッ化リチウム等からなる電子注入層270が形成され、さらに電子注入層270の表面には、Al等からなる陰極280が形成されている。なお、基板210の端部に封止基板(不図示)が貼り合わされて、全体が密閉封止されている。
上述した画素電極240と陰極280との間に電圧を印加すると、正孔注入層250により発光層260に対して正孔が注入され、電子注入層270により発光層260に対して電子が注入される。そして、発光層260において正孔および電子が再結合し、ドーパントが励起されて発光する。このように低分子有機材料からなる発光層を備えた低分子有機EL装置は、寿命が長く発光効率に優れている。
[蒸着装置]
上述した発光層は、蒸着装置を用いて蒸着処理することにより形成する。そこで、蒸着装置につき図3を用いて説明する。
図3は、蒸着装置の説明図である。以下には、抵抗加熱式真空蒸着装置を例にして説明する。この蒸着装置100は、真空ポンプ102が接続されたチャンバ104を備えている。そのチャンバ104の内部には、基板ホルダ110が設けられている。この基板ホルダ110には、蒸着処理の対象となる基板210が下向きに保持されるようになっている。一方、基板ホルダ110と対向するように、蒸着材料124が充填されるルツボ120が設けられている。そのルツボ120にはフィラメント122が配線され、ルツボ内の蒸着材料124を加熱しうるようになっている。なお、蒸発した蒸着材料がチャンバ104の内壁等に付着するのを防止するため、防着板130が設けられている。
この蒸着装置を用いて蒸着処理を行うには、まず基板ホルダ110に基板210を装着するとともに、ルツボ120に蒸着材料124を充填する。次に、チャンバ104に接続された真空ポンプ102を運転して、チャンバ104の内部を真空引きする。次に、ルツボ120に配線されたフィラメント122に通電し、フィラメント122を発熱させて、ルツボ内の蒸着材料124を加熱する。すると、蒸着材料124が蒸発して、基板210の表面に付着する。なお、基板以外の方向に飛散した蒸着材料は、防着板130の表面に付着する。
図4は、基板に対する蒸着処理の説明図である。なお図4では、基板210を下向きに描いている。ここでは、画素領域Gに対する発光層260の形成工程を例にして説明する。発光層260を形成する場合には、基板210の表面に蒸着マスク140を配置した状態で、蒸着装置の基板ホルダに装着する。この蒸着マスク140は、ステンレス等の金属薄板からなり、発光層260の形成領域に開口部142を有している。一方、蒸着装置のルツボ内には、蒸着材料として発光層260の構成材料を充填する。そして、この蒸着材料124を蒸発させると、蒸着マスク140の開口部142を通して、基板210の表面における発光層260の形成領域に蒸着材料124が付着する。なお、発光層260の形成領域以外の領域には蒸着マスク140が配置されているので、蒸着材料124は蒸着マスクの表面に付着する。これにより、発光層260の形成領域のみに蒸着材料124を付着させて、発光層260を形成することができる。
さらに、蒸着マスク140の開口部142を画素領域Bに移動させて、上記と同様に蒸着処理を行えば、画素領域Bにも発光層を形成することができる。この場合、蒸着マスク140の表面には、各画素領域R,G,Bの発光層260の構成材料が、順次堆積することになる。なお、防着板にも同様に有機物が堆積することになる。そこで、蒸着マスク140や防着板などに付着した有機物を洗浄する必要がある。
[洗浄装置]
図1は、本実施形態の洗浄装置の概略構成を示す説明図である。本実施形態の洗浄装置1は、蒸着マスク140をピロリドンの誘導体で処理する第1ステージ10と、蒸着マスク140を水リンス処理する第2ステージ20と、蒸着マスク140を流水リンス処理する第3ステージ30と、蒸着マスク140をエタノールで処理する第4ステージ40と、蒸着マスク140を乾燥させる第5ステージ50と、各ステージに対して蒸着マスク140を順次搬送する搬送手段5とを有するものである。なお、各ステージは洗浄チャンバ2の内部に設けられている。
第1ステージ10は、蒸着マスク140をピロリドンの誘導体で処理するステージである。そのため、第1ステージ10には処理槽が設けられ、その処理槽の内部にはピロリドンの誘導体が充填されている。ピロリドンの誘導体は、レジスト剥離等に利用される薬品であり、有機物の分解作用に優れている。ピロリドンの誘導体として、2−ピロリドンやN−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等が存在する。この中でも、化学式1で表されるN−メチル−2−ピロリドンを採用すれば、常温で高い洗浄効果を発揮することができる。
なお、第1ステージ10の処理槽に、超音波洗浄手段16を設けてもよい。超音波洗浄手段16は、洗浄液内に超音波を放射して定在波を発生させ、音圧の作用により被洗浄物を洗浄するものである。超音波洗浄手段16は、例えば800kHz以上の超音波を放射しうるものが好ましく、所定の時間間隔で周波数を掃引しうるものがより好ましい。これにより、洗浄槽内での定在波の分布が変化して、高い洗浄効果を発揮することができる。
第2ステージ20および第3ステージ30は、蒸着マスク140を水で処理するステージである。そのため、第2ステージ20の処理槽および第3ステージ30の処理槽には、水が充填されている。特に、第3ステージ30の処理槽には、水の攪拌手段36が設けられている。この攪拌手段36により、処理槽内に水流を発生させることができる。
第4ステージ40は、蒸着マスク140をエタノールで処理するステージである。そのため、第4ステージ40の処理槽には、エタノールが充填されている。
第5ステージ50は、蒸着マスク140を乾燥させるステージである。なお、第5ステージ50にブロワー56を設ければ、蒸着マスクを迅速に乾燥させることができる。また、窒素ガス等の不活性ガスのブロワー56を採用すれば、蒸着マスク140の酸化等を防止することができる。
そして、各ステージに対して蒸着マスク140を順次搬送する搬送手段5が設けられている。搬送手段5は箱状に形成され、その壁面はパンチングメタルや網材等によって構成されている。これにより、搬送手段5の壁面を通して液体が出入り自在とされている。搬送手段5は、その内側に1個または複数個の蒸着マスク140を収容可能な大きさに形成され、また各ステージの処理槽内に浸漬可能な大きさに形成されている。そして、この搬送手段5を各ステージに順次移動させ、さらに各ステージの処理槽に順次浸漬させる、駆動手段(不図示)が設けられている。
[洗浄方法]
上述した洗浄装置を使用して蒸着マスクを洗浄する方法につき、図5および図1を用いて説明する。図5は、本実施形態の洗浄方法における各工程の処理内容および処理条件である。本実施形態の洗浄方法は、蒸着マスク140をピロリドンの誘導体で処理する第1工程と、蒸着マスク140を水リンス処理する第2工程と、蒸着マスク140を流水リンス処理する第3工程と、蒸着マスク140をエタノールで処理する第4工程と、蒸着マスク140を乾燥させる第5工程と、を有するものである。
第1工程では、蒸着マスク140をピロリドンの誘導体で処理する。具体的には、蒸着マスク140を搬送手段5に収容し、搬送手段5を第1ステージ10に移動させて、第1ステージ10の処理槽内に搬送手段5ごと蒸着マスク140を浸漬する。浸漬条件は、例えば室温で3分間とする。これにより、蒸着マスク140に付着していた有機物が除去される。なお、第1ステージ10の処理槽に超音波洗浄手段16を設けた場合には、超音波洗浄を併用することにより、効率的に有機物を除去することができる。なお、蒸着処理に使用された後、長時間大気中に放置された防着板等は、10分間の浸漬洗浄によっても有機物が除去されない場合がある。しかしながら、超音波洗浄を併用することにより、かかる防着板等に付着した有機物を完全に除去することができる。
第2工程では、蒸着マスク140を水リンス処理する。具体的には、搬送手段5を第2ステージ20に移動させて、搬送手段5ごと蒸着マスク140を処理槽内に浸漬する。浸漬条件は、例えば室温で5分間とする。これにより、蒸着マスク140に付着していたピロリドン誘導体の多くが除去される。
第3工程では、蒸着マスク140を流水リンス処理する。具体的には、あらかじめ第3ステージ30の処理槽内に設けた攪拌手段36を駆動して、処理槽内に水流を発生させておく。そして、搬送手段5を第3ステージ30に移動させ、搬送手段5ごと蒸着マスク140を処理槽内に浸漬する。浸漬条件は、例えば室温で5分間とする。これにより、蒸着マスク140に付着していたピロリドン誘導体が完全に除去される。
第4工程では、蒸着マスク140をエタノールで処理する。具体的には、搬送手段5を第4ステージ40に移動させて、搬送手段5ごと蒸着マスク140を処理槽内に浸漬する。浸漬条件は、例えば室温で3分間とする。これにより、蒸着マスク140の表面に付着していた水がエタノールに置換される。
第5工程では、蒸着マスク140を乾燥処理する。具体的には、搬送手段5を第5ステージ50に移動させ、蒸着マスク140を10分間放置する。なお、蒸着マスク140の表面を低沸点のエタノールに置換しているので、迅速に自然乾燥させることができる。また、第5ステージ50にブロワー56を設けた場合には、そのブロワー56で蒸着マスク140をブローすることにより、さらに迅速に乾燥させることができる。
以上に詳述したように、本実施形態の洗浄方法では、蒸着マスクに付着した有機物を、ピロリドンの誘導体を用いて洗浄する構成とした。レジスト剥離等に利用されるピロリドンの誘導体は、有機物の分解作用に優れている。そのため、擦り洗い等の物理的処理や、製造装置の改造を必要とすることなく、短時間で有機物を除去することができる。したがって、蒸着マスクに付着した有機物を容易に除去することができる。これに伴って、有機物の重さによる蒸着マスクの撓みを防止することができる。したがって、蒸着処理の精度を確保することができる。
またピロリドンの誘導体は、常温でも優れた洗浄効果を発揮する。したがって、加熱を伴うことなく、蒸着マスクに付着した有機物を除去することができる。なお、蒸着マスクの周縁部には、蒸着マスク本体とは熱膨張率の異なるフレームが形成されている。その蒸着マスクを加熱すると、蒸着マスク本体とフレームとの熱膨張率の相違により、蒸着マスク本体が変形するおそれがある。この点、本実施形態の洗浄方法は、加熱を伴うことなく蒸着マスクを洗浄することが可能であり、蒸着マスクの変形を防止することができる。もっとも、被洗浄物の変形を考慮する必要がなければ、加熱洗浄することにより洗浄効果を高めることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。実施形態では低分子有機EL装置の発光層の蒸着マスクに付着した有機物を洗浄する場合について説明したが、本発明は電気光学装置の製造装置に付着した有機物を洗浄する場合に広く適用することが可能である。例えば、低分子有機EL装置以外でも、高分子有機EL装置や、液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置、電界放射ディスプレイ装置(FED)などの製造装置に対して、広く適用することが可能である。また、蒸着処理に使用される製造装置以外でも、蒸着処理以外の成膜処理やエッチング処理等に使用される製造装置に対して、広く適用することが可能である。
複数の洗浄液について、有機物の洗浄効果を比較した。洗浄液として、溶剤やアルカリ水溶液を10種類選定した。また被洗浄物として、蒸着処理に使用される防着板を採用した。この防着板は、低分子有機EL装置の機能層形成工程に採用されていたものであり、その表面には、銅フタロシアニンやNPB(N,N−ジ(ナフタリル)−N,N−ジフェニル−ベンジデン)、Alq3(トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム)、ルブレン、クマリン等の有機物が付着している。この防着板を、各洗浄液に対して室温で10分間浸漬した。なお、超音波や擦り洗い等の物理的洗浄は行っていない。リンスは5分間の流水洗であり、乾燥は窒素ブローにて行った。
図6に、各洗浄液による洗浄結果および各洗浄液の安全性を示す。洗浄液としてN−メチル−2−ピロリドンを採用した場合には、防着板に付着していた有機物がすべて除去され、最も良好な洗浄効果を示すことが確認された。なお、N−メチル−2−ピロリドンとして、シブレイ製のレジスト剥離液を採用している。
これに対して、東京応化製のレジスト剥離液であるジメチルスルホキシドとモノエタノールアミン混合液を使用した場合には、有機物の洗浄速度が遅く、10分間浸漬後にも多くの有機物が残留していた。なお、成分中のモノエタノールアミンはPRTR該当薬品であり、人体に対する影響も懸念されるため、洗浄液として採用するのは困難である。
一方、アセトンやエタノール、イソプロピルアルコールのようなケトンやアルコールでも、有機物の洗浄は可能である。しかし、除去された有機物の再付着が確認されているので、洗浄液を頻繁に交換する必要がある。また、防着板におけるしみ残りも多数確認されている。加えて、これらを洗浄液として使用する場合には、大掛かりな防曝設備が必要となる。したがって、これらを洗浄液として採用するのは困難である。
なお、TMAH(テトラ−メチル−アンモニウム−ハイドロオキサイド)や、KOH(水酸化カリウム)等のアルカリ系洗浄液を使用した場合には、良好な洗浄効果を得ることはできなかった。
以上により、ピロリドン誘導体であるN−メチル−2−ピロリドンが、防着板等に付着した有機物の洗浄液として、最も好適であることが確認された。
5搬送手段 10第1ステージ 20第2ステージ 30第3ステージ 40第4ステージ 50第5ステージ 140蒸着マスク

Claims (10)

  1. 有機EL装置の機能層を形成するための製造装置に付着した前記機能層を構成する有機材料を洗浄する洗浄液において、前記有機材料が金属錯体を含んでおり、ピロリドンの誘導体によって前記有機材料を前記製造装置から除去することを特徴とする洗浄液。
  2. 前記ピロリドンの誘導体が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN−ビニル−2−ピロリドンからなる群から選択されること、を特徴とする請求項1に記載の洗浄液。
  3. 前記ピロリドンの誘導体が、N−メチル−2−ピロリドンであること、を特徴とする請求項2に記載の洗浄液。
  4. 前記有機材料が蒸着材料であること、を特徴とする請求項1ないし3のうちいずれかに記載の洗浄液。
  5. 前記製造装置が蒸着マスクを備えており、前記洗浄液が前記蒸着マスクに付着した前記有機材料を除去する洗浄液であること、を特徴とする請求項4に記載の洗浄液。
  6. 前記製造装置がチャンバ、及び前記有機材料が前記チャンバに付着するのを防止する防着板を具備し、前記洗浄液が前記防着板に付着した前記有機材料を除去する洗浄液であること、を特徴とする請求項4に記載の洗浄液。
  7. 有機EL装置の製造方法において、
    金属錯体を含む有機材料により機能層を形成する工程と、
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の洗浄液を用いて、前記製造装置に付着した前記有機材料を除去する工程と、を有することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  8. 前記製造装置を水で処理する工程と、
    前記製造装置をエタノールで処理する工程と、を更に有することを特徴とする請求項7に記載の有機EL装置の製造方法。
  9. 前記有機材料を除去する工程を常温で行うことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の有機EL装置の製造方法。
  10. 前記有機材料を除去する工程を、超音波を併用しつつ行うことを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の有機EL装置の製造方法。
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