JPWO2005111620A1 - B型肝炎ウイルスの検出方法 - Google Patents

B型肝炎ウイルスの検出方法 Download PDF

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Abstract

血清中のB型肝炎ウイルス(HBV)抗原を検出または定量する方法、ならびにこれらの検出および定量に用いられる極めて簡易で操作性が高い検体処理方法の提供。B型肝炎ウイルス(HBV)を含む検体を、(1)酸性化剤、および(2)蛋白質変性剤、またはアルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を分子中に有している両性界面活性剤または陽イオン界面活性剤を含有する処理剤で処理することにより、HBV抗原の遊離とHBV抗原に結合する抗体の破壊を行うことを特徴とするHBV含有検体の処理方法。

Description

本発明は、血中のB型肝炎ウイルス(以下、「HBV]という。)抗原を高感度で検出または定量するための、HBV含有検体の処理方法および該処理方法を用いるHBV抗原の検出または定量方法に関するものである。
HBV は、輸血後肝炎の原因ウイルスとして最初に同定されたウイルスであり、手術時の輸血によって感染する。そのため、輸血用血液のスクリーニングにとって、血液の HBV感染の有無を診断することが極めて重要である。
かかるHBV感染の診断法としては、検体中に存在するHBVに対する抗体を検出する抗体検出法、HBVの抗原を検出する抗原検出法、またはHBVの遺伝子を検出する方法がある。
かかる検出方法のうちHBV遺伝子の検出方法には、NAT(核酸増幅法)や DNAプローブ法があり、現在広く臨床現場で用いられている。また、NAT検査 の普及により、HBV DNA量とHBVキャリアの病態との関連が注目され、抗ウイルス剤による治療後のモニタリングには NAT検査が主に利用されてきている。
PCR法および TMA法等の前記 NAT検査法は、遺伝子断片を検出するには高感度な検出方法である。しかしながら、検体中からHBVゲノムDNAを抽出する際、用手法において処理時間が2時間も必要であり、複数回の操作工程を含むなど煩雑である。加えて、このように操作が複雑であるために、コンタミネーションの機会が増え、偽陽性検体の生じる可能性を増加させている。また、安定した定量値を得るためには熟練を要するという問題もある。近年、自動化機器の開発により、コンタミネーション対策や DNA抽出の処理時間の短縮がなされてきたが、依然として高価な機器を必要とするため、検体を多量処理する施設以外には一般に普及はしていない。さらに、DNAプライマーが標的遺伝子と一致しなければならないため、プライマーを数種類も使用する必要があり、検査あたりのコストが免疫測定法と比較して高くなるといった問題点がある。
HBV 遺伝子検査にはこのような問題があるため、ウイルス抗原検出法が注目されている。従来、HBV 抗原検査では、血液スクリーニングのためにHBs 抗原検出法が利用されており、HBVの増殖マーカーとしてはHBe抗原測定法が汎用されてきた。
かかる抗原検査に加え、HBVコア抗原(HBc抗原)を直接検出する方法も開発された。Usudaら(Journal of Virological Methods, 72, 95-103, 1998)は、HBVコア(HBc)抗原に対して特異性を有するモノクローナル抗体を用いて、血清中の HBc抗原を検出する方法を開発し、前記のウイルスゲノムを検出する NAT検査法と同様に臨床的有用性を持つことを示した。かかる HBc抗原検出系は、検出過程で増幅処理操作が加わらないため、コンタミネーションに対し比較的寛容である。
しかしながら、前記方法にもいくつかの点で問題が残されている。測定のための検体処理の工程が繁雑であり、かつ時間がかかることからスクリーニングおよびモニタリングなどの用途に用いようとした際に問題となる。すなわち、検体(血清)の処理のために、ウイルス粒子の濃縮と血清成分の除去のためにHBsポリクローナル抗体処理(37℃、2時間)、遠心操作(10分間)、上清の除去、界面活性剤処理、アルカリ処理(35分間)、中和剤添加といった多段階処理工程を必要とする。かかる工程は、非常に熟練を要する作業であるため、再現性を得るためには熟練度が必要であり、また最低約3時間の処理時間が必要である。さらに遠心操作、上清除去等の工程があるために、自動化が困難で、かつ同時大量処理を困難にしており、操作面においても大量処理を必要とする用途に適していない。
また押原らは、HBsポリクローナル抗体での処理を行わずに、アルカリ処理、プロナーゼ処理、非イオン界面活性剤であるノニデットP40(NP-40)およびメルカプトエタノールの添加によりHBc抗原の測定を行う方法を開発している(特開平8-50133)。しかしながらかかる方法も感度が低く、HBV-DNA として2.2pg/ml の検出感度であり、DNAの量としては105 から106 コピー/ml程度と考えられる。
前記 HBc抗原検出法に加え、HBe抗原とHBc抗原を同時に測定するHBVコア関連抗原(HBcr抗原)の測定法(国際公開WO 02/14871 A1)やHBVのウイルス様粒子を形成するHBVのp22cr抗原(HBV p22cr抗原)の測定法(PCT/JP03/11389)が開発されてきている。これらの方法はHBc抗原の測定より高感度であるが、遺伝子測定法と比較すると未だ十分とは言えない状況にある。
特開平8-50133号 公報 国際公開WO 02/14871 A1 公報 PCT/JP03/11389 明細書
Journal of Virological Methods, 72, 95-103, 1998
免疫測定法は操作が簡便で安価に測定できるが、増殖マーカーとして用いられている現行のHBe抗原測定法では、HBe抗体の存在下では免疫複合体として存在するHBe抗原を測定することができない。また、HBc抗原測定法は、HBV DNA量と相関はあるものの、前記のように前処理が繁雑であり、さらに感度不足のため臨床試験に応用されていない。
一方、HBVコア関連抗原の測定やHBV p22cr抗原の測定では、界面活性剤と熱(56-70℃)を用いて検体の前処理を行い、抗体やウイルス粒子を破壊した後に測定している。
しかしながら、かかる方法においても、検体をoff-boardで処理する必要があり、完全自動化は困難である。
従って、本発明の課題は、B型肝炎のスクリーニングやB型慢性肝炎患者の治療におけるモニタリングなどに用いるため、HBV抗体の存在下においてもHBVコア関連抗原(HBeおよびHBc抗原)やHBV p22cr抗原等を定量するための前処理方法およびそれを用いた測定方法を提供することにある。すなわち、より短時間に簡便な前処理で、自動化などの大量処理システムに容易に適用可能なHBV抗原検出系を提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、(a)検体中のHBV抗原を短時間の簡単な操作のみで、プローブを用いた検出に適した状態にすることが可能なHBV含有検体の処理方法および(b)検体中のHBV抗原の検出のために、捕捉用プローブや検出用プローブと競合する宿主由来のHBV抗原に対する抗体を短時間で簡単な処理により、同時に不活化させ得る処理方法に着目した。また、(c)HBV抗原を測定するため、検体の酸性化剤による処理、および(d)該処理に加えて界面活性剤、蛋白質変性剤、還元剤の処理により、検体中に存在するHBV抗原を、ウイルス粒子または免疫複合体から遊離させることができ、同時に検体中に存在するHBVに対するヒト抗体も不活化され、そして、(e)該処理法により、抗体のようなプローブを用いた免疫測定法に最適な検体を提供することができることを見出した。さらに、(f)HBV抗原を含む検体中のHBV抗原をウイルス粒子から遊離し、同時に検体中に存在するHBVに対するヒト抗体をも不活化する処理剤によって検体を処理する工程を提供し、該処理工程を含むHBV抗原を免疫学的測定法によって検出および定量する方法、ならびに(g)該処理剤を含むHBV抗原の測定キットを提供できることを見出し、かかる知見に基いて、本発明の完成に到達した。
かくして、本発明によれば、次の1〜3に示す、
1.HBVを含む検体を、
(1)酸性化剤、および
(2)界面活性剤および/または蛋白質変性剤
を含有する処理剤で処理することにより、HBV抗原の解離とHBV抗原に結合する抗体の不活化を行うことを特徴とするHBV含有検体の処理方法。
2.HBV抗原の免疫学的検出方法であって、
(1)前項1に記載のHBV含有検体の処理を行う工程、および
(2)HBV抗原に結合するプローブを用いてHBV抗原を検出する工程
を含むHBV抗原の免疫学的検出方法。
3.HBV抗原を検出するために検体を処理する処理剤中に下記の(1)の酸性化剤および(2)の群から選択される少なくとも1種の物質を含む診断薬または診断薬キット。
(1)酸性化剤。
(2)アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を分
子中に有している両性界面活性剤、アルキル基および第3級ア
ミンもしくは第4級アンモニウム塩を分子中に有している陽イオン
界面活性剤、非イオン界面活性剤、ならびに蛋白質変性剤。
が提供される。
さらに、HBV含有検体の処理方法の好ましい実施態様として、次の1)または2)を挙げることができる。
すなわち、
1)HBVを含む検体を、
(1)酸性化剤、および
(2)蛋白質変性剤、アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤、アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤、または非イオン界面活性剤のいずれかを含有する処理剤
で処理することにより、HBV抗原の解離とHBV抗原に結合する抗体の不活化を行うHBV含有検体の処理方法。
2)HBVを含む検体を、
(1)酸性化剤、および
(2)アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤、アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤、蛋白質変性剤、非イオン界面活性剤、または還元剤のいずれかの2種以上の組み合わせを含有する処理剤
で処理することにより、HBV抗原の解離とHBV抗原に対する抗体の不活化を行うことを特徴とするHBV含有検体の処理方法。
本発明によれば、抗体などのプローブを用いて抗原を検出するいわゆる免疫学的測定方法に適した状態に、HBVのウイルス粒子から簡便に、短時間でウイルス抗原を遊離させ、HBV抗原に対する抗体を不活化することが可能となる。また、本発明によって示される方法によって、HBVを含む検体を処理することにより、抗体などのプローブを用いて抗原を検出するいわゆる免疫学的測定方法に従いHBV抗原を簡便、短時間でかつ高感度に検出および定量することが可能となる。さらに、本発明によれば、酸性化剤に加えて界面活性剤等の使用により酸処理による沈殿等の問題を解消し、蛋白質を効率よく破壊し、簡便、かつ短時間でウイルス抗原を遊離させ、著しく優れた感度向上効果を奏することが可能である。
検体処理において酸性化剤(塩酸)濃度による効果を検討した結果を示す図である。
符号の説明
−▲− HBV抗原陽性検体(♯990277)
−△− HBV抗原陽性検体(♯990544)
−◆− 健常人血清(Normal serum)
−□− 健常人血漿(Normal plasma)
本発明に係るHBV抗原含有検体の処理方法における検体としては、全血、血漿、血清、尿、唾、脳脊髄液などの生物学的体液、および肝組織などを挙げることができる。
HBVの感染性粒子は直径42nmの構造のDane粒子だと考えられている。その外皮のリポ蛋白がHBs抗原であり、内部の直径27nmのヌクレオカプシド(コア粒子)を形成する蛋白がHBc抗原である。この他に、HBVのヌクレオカプシド様の粒子を形成する蛋白としてHBV p22cr抗原があるが、この分子がコア様粒子を形成し、その外側にHBs抗原を持っていると考えられる。
B型肝炎の診断は、HBs抗原の検出またはHBe抗原の検出により行われるのが一般的である。しかしながら、これらは感染時期や感染粒子の量を正確に反映するものではない。このため、ウイルス粒子またはウイルス様粒子を形成しているHBc抗原、HBコア関連抗原やHBV p22cr抗原を測定することが必要である。
検体中ではHBc抗原、p22cr抗原はウイルス粒子を形成する蛋白として存在しており、また抗HBV抗体によりHBe抗原などと免疫複合体の形成がみられる。この中で、HBc抗原、HBe抗原やHBV p22cr抗原を検出するためには、I)HBV粒子を破壊して、HBc抗原やHBV p22cr抗原をHBV粒子から遊離させると共に抗原をできるだけ単分子化する、II)宿主由来のHBVのHBc抗原、HBe抗原に対する抗体を不活化または除去する、III)HBV抗原に対する抗体以外の他の血中成分との相互作用からHBc抗原、HBe抗原やHBV p22cr抗原を遊離させることが必要である。HBV抗原に対する抗体は、遠心操作やアフィニティーカラム操作などで除去できるが、処理工程が増えることから不活化することが望ましいと考えられる。
検出系の中で限られた検体量に含まれているHBc抗原、HBe抗原やHBV p22cr抗原を、HBV粒子、HBV抗原に対する抗体、他の血中成分などから最大限単分子の状態に遊離させることが、プローブと反応可能な抗原分子数を増加させることとなる。短時間かつ簡易な検体処理により、抗原を最大限単分子の状態に遊離させ、プローブとの反応性を高めることが重要である。
検体中に存在する抗体の活性を失活させる条件は、アルカリ処理、酸処理などが知られている。血清などを酸処理すると、一部の血清由来蛋白質などは不可逆的に変性し、場合によっては沈殿や白濁を生じることがある。このため、検体の酸処理後、処理検体のピペッティング操作では、詰まりなどの障害になることが多く、また、測定の際に標的とする抗原を捕捉する抗体などのプローブが結合している担体や固相に変性蛋白質などを巻き込んだ沈殿が吸着し、擬陽性を呈することがある。加えて、それらの沈殿物の中に標的とする抗原が巻き込まれ、プローブと結合可能な抗原量の減少のため、感度が低下するという問題も生じる。
本発明は、酸性化剤に他の物質を添加することによって、酸処理による沈殿や白濁などの防止や、擬陽性の防止および感度の上昇を達成することができる。
ここで酸性化剤としては、塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロル酢酸などが、適当である。特に、酸性化剤濃度は、処理時濃度で0.05N以上1 N以下が好ましく、さらに0.25 N〜1 Nが好ましい。この場合酸性化剤を加えた検体はpH2.5以下、ほとんどの検体でpH2.0以下で処理していることになる。
前記酸性化剤に添加する処理剤の1つとして界面活性剤が挙げられる。多種多様な界面活性剤が蛋白質の高次構造を壊す作用をもつことが知られており、ウイルス粒子膜の破壊、抗体の変性、不溶性蛋白質の可溶化などの効果がある。しかしながら、かかる界面活性剤の存在下では、標的とする抗原の構造エピトープも壊れ、抗原捕捉用抗体などのプローブとの結合が弱められ、感度が低下することが大きな問題となる。
また、一方で界面活性剤の変性作用は可逆的であることが多く、希釈や透析などによって界面活性剤濃度を薄めることによって一時的に変性した構造が元に戻る場合がある。このことは、測定用プローブと競合してしまう検体由来の抗体が存在することとなり、結果として感度低下となることが明らかである。つまり、界面活性剤の添加は、以上のような二面性をもっている。また界面活性剤は、それらの構造や性質によって様々に分類される。例えば、イオン性および非イオンの界面活性剤があり、イオン性界面活性剤としてはさらに陰イオン、陽イオン、両性界面活性剤などが挙げられる。
本発明者らは、酸性化剤と界面活性剤を組み合わせることで、沈殿物などの酸処理の問題点、検体中抗体の再活性化などの界面活性剤処理の問題点が解消され、HBV抗原の検出に関して大きな感度上昇効果を示すことを見出した。
特に界面活性剤のなかで、アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤、またはアルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤を用いることにより、顕著な効果を奏することを見出した。
さらに酸性化剤と、炭素数12個以上の一本鎖アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤、または炭素数12個以上の一本鎖アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニア塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤を組み合わせることにより、著しく顕著な効果が得られる。
さらに、酸性化剤と前記界面活性剤からなる処理剤に、TritonX100などのポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル類やTween20などのポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン界面活性剤の添加や、尿素、チオ尿素などの蛋白質変性剤の添加や、システイン、システアミン、ジメチルアミノエタンチオール、ジエチルアミノエタンチオール、ジイソプロピルアミノエタンチオール、ジチオスレイトールなどの還元剤の添加が、さらに好ましいことを見出した。
つまり本発明は、HBVを含む検体を、(1)酸性化剤、ならびに(2)アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤、またはアルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、さらに蛋白質変性剤、および(3)還元剤を含有する処理剤で処理することによりHBV抗原の遊離とHBV抗原に結合する抗体の不活化を行うことを特徴とするHBV含有検体の処理方法を提供する。
アルキル基および第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤としては、N-ドデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(N-Dodecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate)、N-テトラデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(N-Tetradecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate)、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(N-Hexadecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate)、N-オクタデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(N-Octadecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate)などが適当である。
また、アルキル基および第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤としては、デシルトリメチルアンモニウムクロライド((Decyltrimethylammonium Chloride)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(Dodecyltrimethylammonium Chloride)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド(Tetradecyltrimethylammonium Chloride)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(Hexadecyltrimethylammonium Chloride)、デシルトリメチルアンモニウムブロマイド(Decyltrimethylammonium Bromide)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(Dodecyltrimethylammonium Bromide)、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(Tetradecyltrimethylammonium Bromide)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(Hexadecyltrimethylammonium Bromide)、ラウリルピリジニウムクロライド(Lauryl pyridinium Chloride)、テトラデシルピリジニウムクロライド(Tetradecyl pyridinium Chloride)、セチルピリジニウムクロライド(Cetyl pyridinium Chloride)などが適当である。
このようなアルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤または陽イオン界面活性剤の処理時濃度は、0.1%以上15%以下が好ましく、さらに、0.5%〜10%が好ましい。
酸性化剤、ならびにアルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤または陽イオン界面活性剤に添加する非イオン界面活性剤としては、TritonX100などのポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル類やNP40 などのポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル類またはTween80などのポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などが適当であり、それらの濃度は、処理時濃度で1%以上7.5%以下が好ましく、さらに1%以上5%以下が好ましい。
酸性化剤、ならびにアルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤または陽イオン界面活性剤に添加する蛋白質変性剤としては、尿素、チオ尿素などが適当であり、それらの濃度は、処理時濃度で0.5M 以上が好ましく、さらに1M 以上8M 未満が好ましいが、溶解性などが問題とならない場合、たとえば検体処理用チューブに予め粉末で尿素を添加しておくなどの場合は、10M までは使用可能である。
酸性化剤、ならびにアルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤または陽イオン界面活性剤に添加する還元剤としては、システイン、システアミン、ジメチルアミノエタンチオール、ジエチルアミノエタンチオール、ジプロピルアミノエタンチオール、ジチオスレイトールなどが適当であり、それらの濃度は、処理時濃度で0.25mM 以上1000mM 以下が好ましく、さらに1.5mM 以上200 mM 以下が好ましい。
酸性化剤に添加する他の物質としては前記の如く、尿素などの蛋白質変性剤が挙げられる。かかる蛋白質変性剤は、水素イオン結合を弱めることにより、蛋白質の高次構造を部分的に壊す作用をもつことが知られており、ウイルス粒子膜の破壊や検体中の標的抗原に対する抗体を変性させることが可能である。また、例えば大腸菌で発現させた組換え蛋白質を、不溶性分画であるインクルージョンボディーから可溶化させるなど、不溶性沈殿物を可溶化させる効果をもっている。しかしながら、尿素などの蛋白質変性剤の存在下では、標的とする抗原の構造エピトープも壊れ、抗原捕捉用抗体などのプローブとの結合が弱められ、感度が低下するという難点もある。
また、一方で尿素などの蛋白質変性剤の変性作用は可逆的であることが多く、希釈や透析などによって蛋白質変性剤濃度を薄めることによって一時的に変性した構造が元に戻る場合がある。このことは、測定用プローブと競合してしまう検体由来の抗体が存在することとなり、結果として感度低下となることが明らかである。つまり、尿素などの蛋白質変性剤の添加には、以上のような二面性をもっている。
本発明者らは、酸処理と蛋白質変性剤処理を組み合わせすることにより、沈殿物などの酸処理の問題点、検体中抗体の再活性化などの蛋白質変性剤処理の問題点が解消されることを見出し、本発明のもうひとつの発明を完成させるに至ったものである。
本発明者らは、蛋白質変性剤のひとつである尿素を処理時1M 以上を添加することによって、酸処理による沈殿物の形成を、大きく減少させることを見出した。この蛋白質変性剤としては、尿素、チオ尿素などが適当である。また蛋白質変性剤濃度は、処理時濃度で1M 以上が好ましく、さらに1.5M 以上8M 以下が好ましい。さらに、酸性化剤と蛋白質変性剤からなる処理剤に、TritonX100などのポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル類やTween20などのポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン界面活性剤を添加することにより感度の上昇などの効果があることを見出した。さらに酸性化剤と蛋白質変性剤からなる処理剤に還元剤を添加することも可能である。
上述のことをまとめると、本発明は、B型肝炎ウイルス(HBV)を含む検体を、(1)酸性化剤、ならびに(2)アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤またはアルキル基および陽イオン界面活性剤、あるいは蛋白質変性剤を含有する処理剤で処理することによりHBV抗原の遊離とHBV抗原に結合する抗体の不活化を行うことを特徴とするHBV含有検体の処理方法を提供するものである。
さらに、本発明に係るHBV含有検体の処理方法における処理温度は、高温でも可能であるが、好ましくは20℃〜50℃、さらに好ましくは25℃〜42℃である。
また、本発明において酸性化剤と組み合わせる処理剤のうち、界面活性剤で最も好ましいものはアルキル基および第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤あるいはアルキル基および第3級アミンまたは第4級アンモニア塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤であり、その他の処理剤としては蛋白質変性剤である。この2つの処理剤に非イオン界面活性剤を加え、それに還元剤を加えることにより、処理の効果の上昇が見られた(実施例4参照)。このことは処理剤の組み合わせが、処理の効果の上昇につながることを示したものである。例えば、酸性化剤と組み合わせる処理剤としては、アルキル基と、第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤、アルキル基と、第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤、蛋白質変性剤、非イオン界面活性剤、還元剤、または陰イオン界面活性剤などの処理剤がある。これらのうち2種以上の処理剤を組み合わせ、酸性化剤と同時に処理することにより、効率よくHBVを含む検体を処理することが可能である。
本発明に係るHBV抗原の免疫学的検出方法は、HBV含有検体を酸性化剤と、界面活性剤および/または蛋白質変性剤とを含有する処理剤と接触させることにより、HBV抗原の解離とHBV抗原に結合する抗体の不活化を行なう工程(第一工程)とHBV抗原に結合するプローブを用いてHBV抗原を検出する工程(第二工程)とからなるものである。
前記第二工程において、検出に用いるプローブ、例えば抗体はHBV抗原に特異的に結合するものであるが、一定の高い親和性を示すものであればよい。例えば、前記第一工程で処理された検体中のHBVコア関連抗原を捕捉するプローブの一つはHB44、HB114、HB61などのモノクローナル抗体であることが望ましい。
ここでいうプローブとは、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ヤギ、ヒツジ、ウシなどの実験動物を免疫して得られるポリクローナル抗体、免疫した個体から脾臓細胞などを分離し、ミエローマ細胞などと融合させることによって得られるハイプリドーマが産生するモノクローナル抗体、または脾臓細胞、血中白血球をEBウイルスによって不死化させた細胞の産生するモノクローナル抗体、HBVに感染しているヒト、チンパンジーなどが産生しているポリクローナル抗体、マウス、ヒトなどのイムノグロブリンのcDNA、染色体DNAから得られる可変領域遺伝子断片、またはイムノグロブリンのcDNA、染色体DNAの一部と人工的に作製した配列とを組み合わせることによって構成される可変領域の遺伝子断片などから遺伝子組み換えによって構成される、HBV抗原に高い特異性、親和性を示す分子である。
本発明に係るHBV抗原の免疫学的検出方法において、HBV抗原は、例えば、前記の如きモノクローナル抗体との抗原抗体反応により免疫複合体となる。この免疫複合体は、2種の抗体によるサンドイッチ法などで形成される。この免疫複合体中に存在する標識酵素を発色法、化学発光法により、HBV抗原の存在をシグナルとして検出することができる。また、蛍光物質を直接抗体に結合させることなどにより、免疫複合体中に蛍光物質を取り込ませ、その蛍光をシグナルとして検出することもできる。
さらに、本発明は上述の免疫学的検出法を用い、HBVの感染を診断するキットを提供する。この診断キットは、HBVを含む検体を処理する処理剤中に、酸性化剤と蛋白質変性剤および/または界面活性剤を含む。またキットには、HBVの抗原に結合する、抗体のようなプローブを含む方が好ましい。
以下、実施例により本発明について具体的に説明する。もっとも本発明は、これらの実施例等により限定されるものではない。
実施例1
酸性化剤濃度: HBV抗原陰性検体またはHBV抗原陽性検体(♯990277、♯990544、♯990623、♯990768)100μl に、各種濃度の塩酸水溶液100μlを添加して、室温で10分間インキュベーションを行い、その100μlを測定試料として、以下に記す測定法を用いて検討した。
96穴マイクロプレート(FluoroNunc Module, Maxisoap surface)に、抗HBVコア関連抗原モノクローナル抗体(HB44、HB114、HB61を2:1:1の比率で混合)を4 μg/mlの濃度で100μlを加え、4℃で一晩インキュベートした。
0.15M NaClを含む10mM リン酸緩衝液pH7.3で2回洗浄後、0.5%カゼインナトリウムを含む10mM リン酸緩衝液pH7.1を350μl加え2時間インキュベートした。ブロッキング液除去後、中和剤を含む反応緩衝液100μlと各々の検体処理法で得られた測定試料を各ウェルに加え攪拌しながら室温で2時間反応させ、0.05% Tween20を含む10mM リン酸緩衝液pH7.3(洗浄液)350μlで6回洗浄し、さらにアルカリホスファターゼ(ALP)標識したモノクローナル抗体(HB91とHB110の同量混合)100μlを添加して室温で30分間反応させた。洗浄液で6回洗浄し、基質溶液(TROPIX, CDP-star with Emerald II)100μlを加え20分間インキュベートした。
ルミノメーター(DIA-IATRON, Luminous CT-9000D)で発光強度を測定し、その結果を図1に示す。尚、図1に示す塩酸濃度は、検体(Sample)と処理剤を混合後の処理時濃度で表した。
HBV抗原陽性検体(♯990277、♯990544)は、塩酸を含まない溶液で室温10分間インキュベーションを行なってもほとんどHBVコア関連抗原活性を検出できなかったが、処理時の塩酸濃度0.05Nよりコア関連抗原活性が認められ、0.25〜1.0 Nでピークとなった。また、塩酸の代わりに硫酸を用いて検討したが、ほぼ同様な結果が得られた。
実施例2
酸性化剤共存下における各種界面活性剤濃度:HBV抗原陰性検体またはHBV抗原陽性検体(♯990277、♯990544、♯990768)100μl に、各種界面活性剤を溶解した1.0 N塩酸濃度の水溶液を100μl添加して、室温で10分間インキュベーションを行い、その100μlを測定試料として、実施例1で採用した方法で検討した。検討結果を表1〜表5に示す。また、各表中、測定値の下線部は判定基準を超えたケースであることを示す。
表1〜表5によれば、3例の検体のうち少なくとも1例が、各々の検体の判定基準より高い反応性を示した界面活性剤を添加効果あり、と判断した。その結果、塩酸または硫酸のような酸性化剤とともに各種界面活性剤を添加すると、HBV抗原陽性検体中のコア関連抗原免疫活性が大きく上昇した界面活性剤が認められた。添加効果が認められたのは、アルキル基と、第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤またはアルキル基と、第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤であった。
また、TritonX100やTween 20のような非イオン界面活性剤にも添加効果が認められた。陰イオン界面活性剤であるSodium dodecyl sulfate (SDS)、Lithium dodecyl sulfate (LDS)は、0.5%以上の濃度で検体との反応中に白濁したが中和剤を含む反応緩衝液を添加した後溶解し、効果を確認することができた。CHAPSのようなステロイド骨格を有する界面活性剤は、反応性の向上を示さなかった。他に、N-lauroyl sarcosine Naやデオキシコール酸なども検討したが、酸性化剤との共存では溶解性が十分でなかった。
酸性化剤にアルキル基と第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤またはアルキル基と第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤を添加することにより測定感度の上昇が認められた。この酸性化剤と界面活性剤の処理剤から酸性化剤を除き、効果のあった界面活性剤のみで処理を行ったが測定感度は大きく低下した。このことから測定感度の上昇は酸性化剤を基礎とし、界面活性剤を添加することにより大きく上昇するものと考えられた。
Figure 2005111620
Figure 2005111620
Figure 2005111620
Figure 2005111620
Figure 2005111620
実施例3
酸性化剤共存下における蛋白質変性剤
HBV抗原陰性検体またはHBV抗原陽性検体(♯990277、♯990544、♯990768)100μl に、蛋白質変性剤のひとつである尿素を1.0 N塩酸水溶液に溶解し、その100μlを添加して、室温で10分間インキュベーションを行い、その100μlを測定試料として、実施例1で述べた方法で検討した。各々のHBV抗原陽性検体の免疫活性を、HBV抗原陰性検体の免疫活性に対する比率(HBV抗原陽性検体の吸光度/HBV抗原陰性検体の吸光度)を求め、表6に示した。
尿素を添加すると、酸性化剤のみと比較して、約1.5〜3倍に上昇する検体が確認された。また、酸性化剤のみの処理時において、血清蛋白質などが変性し沈殿や白濁を生じることがあり、ピペッティング操作の障害や、沈殿物が大きな擬陽性の原因になることも多い。さらに、これらの沈殿物の中に目的とする抗原が巻き込まれることによる感度の低下も考えられる。尿素を処理時1M 以上添加することによって、このような沈殿物形成を大きく減少させることができることが判明し、特に処理時1.5M 以上8M 以下の添加でより効果が認められた。尿素は約10M 溶液までは溶解したが、保存条件による析出等の問題もあることから、溶液として使用する場合、処理時濃度は処理液量と検体量の比に依存してくる。
Figure 2005111620
実施例4
酸性化剤、蛋白質変性剤、非イオン界面活性剤、アルキル基と第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤の共存下における還元剤の検討
HBV抗原陰性検体(Normal plasma)または3例のHBV抗原陽性検体(♯990277、♯990544、♯990768) 100μl に、1.0N 塩酸、1.5M 尿素、5.0% TritonX100、1.5% C16APSを含む溶液に還元剤であるジチオスレイトール、システアミン塩酸、ジエチルアミノエタンチオール塩酸を混合した溶液100μlを添加して、室温で10分間インキュベーションを行い、その100μlを測定試料として、実施例1で述べた方法を用いて検討した(表7)。
ここで用いた還元剤の濃度は、検体の処理時の濃度で表した。HBV抗原陰性検体(Normal serum)では、還元剤を添加してもほとんどそのシグナルの変化は認められなかったが、HBV抗原陽性検体♯990544 では、検体処理時5mM 以上の還元剤濃度からシグナルの上昇が認められ、ジエチルアミノエタンチオール塩酸濃度が10mM で2例(♯990544, ♯990768)の検体で30%以上の上昇が認められた。
Figure 2005111620
本発明は、血中のHBV抗原を高感度に検出または定量するための、簡便で操作性が高い検体処理方法およびそれを用いたHBVの検出または定量方法を提供するものであり、血液のHBV感染の有無を診断し、輸血用血液のスクリーニングを迅速適確に行なうことができる。また、診断薬キットを提供することもでき、HBV抗原の検出の能率化に寄与するところ極めて大きい。

Claims (13)

  1. B型肝炎ウイルスを含む検体を、
    (1)酸性化剤、および
    (2)界面活性剤および/または蛋白質変性剤
    を含有する処理剤で処理することにより、B型肝炎ウイルス抗原の解離とB型肝炎ウイルス抗原に結合する抗体の不活化を行うことを特徴とするB型肝炎ウイルス含有検体の処理方法。
  2. 前記界面活性剤および/または蛋白質変性剤にさらに還元剤を添加してなる請求項1に記載のB型肝炎ウイルス含有検体の処理方法。
  3. 前記界面活性剤が、アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤、アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している陽イオン界面活性剤、ならびに非イオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種の界面活性剤である請求項1または2に記載のB型肝炎ウイルス含有検体の処理方法。
  4. 前記界面活性剤のアルキル基の炭素数が炭素数12個以上である請求項3に記載のB型肝炎ウイルス含有検体の処理方法。
  5. 前記酸性化剤が、塩酸、硫酸、酢酸、トリクロロ酢酸またはトリフルオロ酢酸である請求項1に記載のB型肝炎ウイルス含有検体の処理方法。
  6. 前記炭素数12個以上のアルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を同分子中に有している両性界面活性剤が、N-ドデシル-N, N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(N-Dodecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate)、N-テトラデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(N-Tetradecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate)、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(N-Hexadecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate)、またはN-オクタデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(N-Octadecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate)である請求項3に記載のB型肝炎ウイルス含有検体の処理方法。
  7. 前記炭素数12個以上のアルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を分子中に有している陽イオン界面活性剤が、デシルトリメチルアンモニウムクロライド((Decyltrimethylammonium Chloride)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(Dodecyltrimethylammonium Chloride)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド(Tetradecyltrimethylammonium Chloride)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(Hexadecyltrimethylammonium Chloride)、デシルトリリメチルアンモニウムブロマイド(Decyltrimethylammonium Bromide)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(Dodecyltrimethylammonium Bromide)、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(Tetradecyltrimethylammonium Bromide)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(Hexadecyltrimethylammonium Bromide)、ラウリルピリジニウムクロライド(Lauryl pyridinium Chloride)、テトラデシルピリジニウムクロライド(Tetradecyl pyridinium Chloride)、またはセチルピリジニウムクロライド(Cetyl pyridinium Chloride)である請求項3に記載のB型肝炎ウイルス含有検体の処理方法。
  8. 前記非イオン界面活性剤がポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、Bridj35、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、MEGA-10、またはデカノイル−N−メチルグルタミドである請求項3に記載のB型肝炎ウイルス含有検体の処理方法。
  9. 前記蛋白質変性剤が、尿素またはチオ尿素である請求項1に記載のB型肝炎ウイルス含有検体の処理方法。
  10. 前記還元剤が、システイン、システアミン、ジメチルアミノエタンチオール、ジエチルアミノエタンチオール、ジイソプロピルアミノエタンチオール、またはジチオスレイトールである請求項2に記載したB型肝炎ウイルス含有検体の処理方法。
  11. B型肝炎ウイルス抗原の免疫学的検出方法であって、
    (1)請求項1または2に記載のB型肝炎ウイルス含有検体の処理を行う工程、および
    (2)B型肝炎ウイルス抗原に結合するプローブを用いてB型肝炎ウイルス抗原を検出する工程
    を含むB型肝炎ウイルス抗原の免疫学的検出方法。
  12. B型肝炎ウイルス抗原を検出するために、検体を処理する処理剤中に下記の(1)の酸性化剤とおよび(2)の群から選択される少なくとも1種の物質を含む診断薬または診断薬キット。
    (1)酸性化剤。
    (2)アルキル基および第3級アミンもしくは第4級アンモニウム塩を分
    子中に有している両性界面活性剤、アルキル基および第3級ア
    ミンもしくは第4級アンモニウム塩を分子中に有している陽イオン
    界面活性剤、非イオン界面活性剤、ならびに蛋白質変性剤。
  13. 前記(2)の物質にさらに還元剤を添加してなる請求項12に記載の診断薬または診断薬キット。
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