JPH07301634A - 組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法 - Google Patents

組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法

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JPH07301634A
JPH07301634A JP6117551A JP11755194A JPH07301634A JP H07301634 A JPH07301634 A JP H07301634A JP 6117551 A JP6117551 A JP 6117551A JP 11755194 A JP11755194 A JP 11755194A JP H07301634 A JPH07301634 A JP H07301634A
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antigen
recombinant
recombinant antigen
measuring
antibody
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JP6117551A
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English (en)
Inventor
Kazushige Iinuma
一茂 飯沼
Toru Yamada
徹 山田
Hiroaki Ishii
裕章 石井
Yuzo Inoue
裕三 井上
Kazue Matsumura
多恵 松村
Toshiaki Kobayashi
利章 小林
Satoru Shiromura
哲 城村
Yoshiyuki Komakoshi
好之 駒越
Jun Ibuki
純 伊吹
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Abbott Japan Co Ltd
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Dainabot Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遺伝子組換え法により得られたリコビナント
抗原を用い、その検出感度、さらにはその特異性におい
て優れ、そのうえ非特異的な反応がない、より感度、特
異性に優れた抗体測定法の開発をなす。特に、融合蛋白
質としてリコビナント抗原を製造し、それを用いた測定
系で非特異的反応抑制し、偽陽性を生ずるという問題の
ない方法及び試薬の開発を行う。 【構成】 遺伝子組換え法で産生された抗原、特に融合
蛋白質として製造されたリコビナント抗原を用いた、試
料中の該抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法におい
て、蛋白質発現用プラスミドで形質転換された細胞の遺
伝子産物又はそれと実質的に同等の作用を有するもの、
例えば、抗原をコードするDNA配列の組込まれていな
いCKS融合蛋白質発現系プラスミドやSOD融合蛋白
質発現系プラスミドで形質転換された細胞のライゼート
を用いることにより、非特異的反応の発生を効果的に中
和でき、より特異性に優れた測定法及びそれに用いる試
薬が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遺伝子組換え法で産生
された抗原を用いたところの試料中の該抗原と免疫学的
に反応性の抗体の測定法において用いられる試薬で、偽
陽性を抑制するため、該蛋白質発現用プラスミド(ベク
ター)で形質転換された細胞の遺伝子産物又はそれと実
質的に同等の作用を有するものを含有することを特徴と
する抗体の測定用試薬及びそれを用いた測定法に関す
る。この試薬は特に抗原が融合蛋白質として遺伝子組換
え法で産生される場合に用いられて、優れた効果が得ら
れる。例えば、CKSキメラ融合蛋白質発現系プラスミ
ドで形質転換された細胞あるいはSODキメラ融合蛋白
質発現系プラスミドで形質転換された細胞の細胞水抽出
液を用いると優れた効果が得られる。特に、抗原をコー
ドするDNA配列の組込まれていないキメラ融合蛋白質
発現用プラスミドで形質転換された細胞の水抽出液が有
利に用いられ、優れた非特異的反応中和効果が得られ
る。
【0002】
【従来技術及び解決すべき課題】免疫学的測定法は、人
の臨床における検査や病気の診断に広く利用される他、
動物においてもその臨床検査や病気の診断、さらにはそ
の他の広い範囲の測定対象物の分析、測定、定量、検出
などの分野において応用されている。この免疫学的測定
法は、抗原とその抗原に対する抗体との間の抗原抗体反
応を利用するものであるが、通常この抗原抗体反応の生
起していることの検出は可視的に判別したり、あるいは
検知することは困難であるので、その検知、検出を容易
にするため様々な手法が開発されてきている。こうして
免疫学的測定法として、例えば、ラジオイムノアッセ
イ、酵素免疫測定法、螢光免疫測定法、凝集反応免疫測
定法などが開発されてきて、現在広く利用されている。
【0003】また、この抗原抗体反応にあずかる抗体あ
るいは抗原は、必要に応じて、例えば、寒天、アガロー
ス、セルロース、紙、ニトロセルロース、デキストラ
ン、ゼラチン、キチン、コラーゲン、綿などの生体由来
高分子あるいは天然物由来高分子、ポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド
などのアクリル樹脂、イオン交換樹脂、光架橋樹脂、テ
フロン、ポリアセタールなどの合成高分子、ガラスビー
ズ、シリカゲル、アルミナ、セラミック、カーボン、硫
酸マグネシウムなどの無機質材料などからなる、微粒
子、ビーズ、マイクロプレート、マイクロタイターウェ
ル、マイクロチューブ、ストリップ、メンブレン、ゲル
など、さらには赤血球、ラテックス粒子、乳剤などの固
定担体に固定しておき、この固定担体を、分析対象とし
ての抗体、抗原等を含有する試料と接触させ、こうして
固定担体に固定された抗原または抗体と、分析試料中の
抗体、抗原等とを特異的に結合反応せしめ、この特異的
に結合した分析対象物を検知することがなされる。
【0004】ラジオイムノアッセイ、酵素免疫測定法、
発光又は螢光免疫測定法などでは、125I、 3Hなどの
放射性物質、西洋わさびペルオキシダーゼ、β−D−ガ
ラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼなどの酵
素、フルオレッセインなどの螢光色素、金コロイド、セ
レンコロイドなどの発光又は発色物質などで標識された
抗原あるいは抗体が試薬として用いられ、分析試料中の
抗体、抗原等と特異的に結合反応させて、その放射活
性、酵素活性あるいは螢光などを測定して、試料中の抗
体、抗原等が存在していたか否かを判別している。
【0005】凝集反応を利用した抗原あるいは抗体の測
定法は、一般には赤血球や細菌などの粒子状抗原と、そ
れに対する抗体とが特異的に結合反応して観察できるよ
うな凝集塊をつくる反応を利用するもので、この反応を
凝集反応といっている。例えば、試料中の抗体を検知す
るためには、上記したような粒子状抗原を試料と混合し
て反応させたとき、例えば、水性媒質の中で抗原抗体反
応により生じた凝集反応が観察されるか否かにより、試
料中に測定対象の抗体が存在しているか否かが判別され
る。この凝集反応を用いた測定法にあっては、一定量の
抗原に対し、一定の希釈列にあるところの既知濃度ある
いは既知量の抗体を加え、反応の結果得られる溶液の凝
集反応の程度を希釈倍数の逆数で表して評価されること
もなされる。逆に一定量の抗体に対し、一定の希釈列に
あるところの既知濃度あるいは既知量の抗原を加え、反
応の結果得られる溶液の凝集反応の程度を希釈倍数の逆
数で表して評価されることもなされるし、更に抗体に対
する抗体、すなわち二次抗体を用いて間接的な凝集反応
を観察することもなされる。
【0006】凝集反応を用いた測定法にあっては、抗原
粒子そのものでなく、可溶性抗原を粒子状担体、例え
ば、赤血球、ポリスチレン粒子、ラテックス粒子などに
結合させたいわゆる感作粒子抗原を用いることがなされ
る。このような感作粒子抗原を用いる凝集反応を用いた
測定法は、受身凝集反応免疫測定法とよばれる。
【0007】特に最近では、社会的にその臨床的測定が
課題となっているものに、C型肝炎ウイルスと名付けら
れた非A非B型肝炎ウイルスの測定やAIDS関連ウイ
ルス、例えばHIV−1やHIV−2などのHIVの測
定などが挙げられる。1970年代初めにはB型肝炎ウ
イルス(HBV)の試験法の開発が成されたが、そのよ
うな試験法によってもなお、感染性の肝炎の発生が抑止
できないことから、そのB型肝炎ウイルス以外の肝炎ウ
イルスの存在が検討された。このような肝炎は、輸血に
より伝播することからその後広範な研究が成され、問題
となる血液を判別することが、大きな課題となった。
【0008】ところで研究の過程で、A型肝炎ウイルス
(HAV)、HBV、サイトメガロウイルス、エプスタ
イン−バール ウイルスに対する抗体が検出されないに
もかかわらず、他の潜在的な肝炎を誘発するような病歴
もない患者がみつかることから、このような患者を、非
A非B型肝炎という総称で呼んだ。HBVに対しては優
れた試験法の開発が成功していることから、現在では輸
血後肝炎の大部分が非A非B型肝炎であるという状況に
なっており、この意味でも非A非B型肝炎の有効な試験
法の開発が求められた。このような中にあって、慢性非
A非B型肝炎感染チンパンジーの血液から遺伝子組換え
法によりクローニングされた非A非B型肝炎の因子はC
型肝炎ウイルス(HCV)と名付けられた。
【0009】こうしてこのHCVに対する抗体を検出す
るための試験方法の開発が進められ、現在供血者のスク
リーニングやC型肝炎の診断の補助となる試験法が提供
されるに至っている。しかしながら、これまでの方法
は、依然として急性期の診断においてとか、その検出感
度、さらにはその特異性が必ずしも充分なものでなく、
そのうえ非特異的な反応が観察されるなどの問題を有し
ており、より感度、特異性に優れた測定法の開発が求め
られている。より早い時期でのHCV関連抗体の検出
は、有効な治療を進める上でも、医療の現場での安全性
を確保する上でも重要であり、また非A非B型肝疾患に
おける検出率を高めたり、供血者のスクリーニングを確
実に行ないうるようにすることが強く求められている。
【0010】後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因
ウイルスHIV−IやHIV−IIなどのHIV(hu
man immunodeficiency viru
s)は、1981年米国カルフォルニア州で報告されて
以来、その感染者の世界的でかつ急激な増加と、さらに
感染後発症すると致命的な経過をたどることから、その
対策が大きな社会問題となっている。HIVは、血液、
粘液などの接触により感染伝播することから、その感染
の有無を確実に診断・検出することが求められている。
HIVは、AIDS原因ウイルスとしてScienc
e,220:868,1983,同224:497,1
984及び同225:840,1984などで同定さ
れ、まもなくウイルスDNAがクローニングされ、その
全遺伝子構造が明らかにされ(Cell,40:9,1
985,Nature,313:277,1985,同
313:450,1985,及びScience,22
:484,1985)、さらに感染性を持ったウイル
スDNAクローンが得られている(Nature,31
:262,1985,Science,232:99
8,1986,及びJ.Virol.59:284,1
986)。またHIVには、Nature,313:2
77,1985に示されているように種々の分離株の存
在が報告されている。こうして解明されたHIV遺伝子
情報を利用して、AIDS感染を診断することが、大き
な課題となっている。HIV感染についても、医療の現
場での安全性を確保したり、早期の有効な治療を進めた
り、二次感染を防ぐため、確実な測定法の開発が急務と
なっている。
【0011】こうした目的のため、HCVやHIVなど
に対する抗体を検出するための試験方法において用いら
れる抗原を、遺伝子組換え法によってより効率よく製造
するための方法が開発されてきた。そして最近では、さ
らに遺伝子組換え法により産生された複数のリコビナン
ト抗原が用いられてくるようになると共に、その遺伝子
組換え法でのリコビナント抗原の製造に、特定の制御領
域、例えば、lacオペロンのようなプロモーターを使
用して製造する試みがなされているが、多くは特に宿主
細胞と導入遺伝子とがその種において異なるような外来
性の遺伝子を導入していることから必ずしもその製造は
容易ではない。このような問題を解決するため、融合蛋
白質としてリコビナント抗原を製造することが一般的に
行なわれるようになってきている。
【0012】従来、固体担体の表面上に存在する遊離結
合部位と試料中の分析対象物とが非特異的に結合し、こ
れが測定誤差の原因となるため、種々の対策が試みられ
てきた。このようなものの一つに、遊離結合部位をブロ
ックするようなブロッキング剤を使うことが提案されて
いる。また、上記のように遺伝子組換え法で得られたリ
コビナント抗原を用いてHCVやHIVなどに対する抗
体などを検出する免疫学的測定法を行なう場合、非特異
的反応を示すことが見出され、偽陽性を生ずるという問
題が指摘されている。その対策の一つとして、例えば、
HBc抗原を用いた測定系では遺伝子組換え操作の施さ
れていない細菌の口径0.8ミクロンのフィルターを通
過せしめて得られた細菌成分抽出物を使用することも提
案されている(特公平3─59382号公報)。
【0013】しかしながら、遺伝子組換え法で得られた
リコビナント抗原を用いてHCVやHIVなどに対する
抗体、すなわちHCV関連抗体やHIV関連抗体などを
検出する免疫学的測定法においては、依然として非特異
的反応を防ぐことが出来ないという問題がある。上記し
たようにより早い時期でHCV関連抗体を検出したり、
非A非B型肝疾患における検出率を高めたり、さらに確
実にHIV感染などを診断・検出したり、供血者のスク
リーニングを確実に行なうためにはこの非特異的反応に
起因する偽陽性を無くすことが緊急的かつ強く求められ
ている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、HCV抗
原やHIV抗原などと免疫学的に反応性の抗体(HCV
関連抗体、HIV関連抗体など)を遺伝子組換え法で得
られたリコビナント抗原を用いて正確に測定する方法を
見いだすべく、鋭意研究を行った結果、簡単な方法によ
り、再現性のあるかつより感度が高く、そして非特異的
反応を抑えて、その非特異的反応に起因する偽陽性を無
くすことのできる方法及び試薬の開発に成功した。
【0015】本発明者らは、遺伝子組換え法で産生され
た抗原を用いて、試料中の該抗原と免疫学的に反応性の
抗体を測定する場合、該抗原をコードするDNA配列の
組込まれていないキメラ融合蛋白質発現用プラスミドで
形質転換された細胞の遺伝子産物又はそれと実質的に同
等の作用を有するもの、例えばCKS(CTP:CMP
−3−デオキシ−マンノオクチュロソネート・シチジル
・トランスフェラーゼ又はCMP−KDOシンセター
ゼ)を用いたキメラ融合蛋白質発現用プラスミドでかつ
該遺伝子組換え法で産生される抗原をコードするDNA
配列の組込んでないプラスミドで形質転換された形質転
換体細胞の水抽出液を測定系に加えることにより、非特
異的な反応が著しく抑制でき、偽陽性の問題がなくなる
こと、及び検出感度が高まることを見出し、本発明を完
成した。
【0016】こうした遺伝子組換え法で抗原を産生する
にあたっては、抗原は融合蛋白質として効率よく得られ
るものであり、通常産生された融合蛋白質抗原は開裂な
どにより遊離抗原の形態にされていることができるが、
融合蛋白質部分、例えばCKS融合蛋白質部分(CKS
の全248個のアミノ酸配列のうち最初の239個のア
ミノ酸配列をもつもの)は、その全部または一部が抗原
に結合したままであることもできる。
【0017】こうして本発明によれば、遺伝子組換え法
で産生された抗原を用いたところの試料中の該抗原と免
疫学的に反応性の抗体の測定試薬において、偽陽性を抑
制するため、蛋白質発現用プラスミドで形質転換された
細胞の遺伝子産物又はそれと実質的に同等の作用を有す
るものを配合してあることを特徴とする抗体の測定試薬
及びそれを用いた試料中の抗体の測定法が提供される。
特に、偽陽性を抑制するため、該抗原をコードするDN
A配列の組込まれていないキメラ融合蛋白質発現用プラ
スミド(ベクター)で形質転換された細胞水抽出液を用
いることができる。
【0018】より具体的な態様においては、本発明は、
HCV c100−3リコビナント抗原,pHCV−3
1リコビナント抗原(HCVの非構造蛋白質部分の抗
原:266個のアミノ酸部分を含有)及びpHCV−3
4リコビナント抗原(HCVの構造蛋白質部分のコア領
域の抗原:150個のアミノ酸部分を含有)を用いた試
料中のHCV関連抗体の免疫測定法において、偽陽性を
抑制するため、CKSキメラ融合蛋白質発現用プラスミ
ドでかつHCV関連ペプチドをコードするDNA配列の
組込まれていないプラスミドで形質転換された細胞から
得られる細胞成分及びSODキメラ融合蛋白質発現用プ
ラスミドでかつHCV関連ペプチドをコードするDNA
配列の組み込まれていないプラスミドで形質転換された
細胞から得られる細胞成分又はそれと実質的に同等の作
用を有するものからなる群から選ばれたものを配合して
あることを特徴とする抗体の測定試薬及びそれを用いた
試料中の抗体の測定法を提供する。
【0019】さらに、本発明は、HIV−I env.
gp41,HIV−I gag.p24リコビナント抗
原,及びHIV−II env.p36リコビナント抗
原からなる群から選ばれたものを用いた試料中のHIV
関連抗体の免疫測定法において、偽陽性を抑制するた
め、CKSキメラ融合蛋白質発現用プラスミドでかつH
IV関連ペプチドをコードするDNA配列の組込まれて
いないプラスミドで形質転換された細胞から得られる細
胞成分又はそれと実質的に同等の作用を有するものから
なる群から選ばれたものを配合してあることを特徴とす
る抗体の測定試薬及びそれを用いた試料中の抗体の測定
法を提供する。
【0020】本発明で用いられる抗原をキメラ融合蛋白
質として発現するために用いられるプラスミド(ベクタ
ー)としては、例えば大腸菌ではβ−ガラクトシダー
ゼ、グルタチオン S−トランスフェラーゼ、プロテイ
ンAのIgG結合領域、マルトース結合蛋白質、CK
S、例えばCKSの全248個のアミノ酸配列のうち最
初の239個のアミノ酸配列をもつものと、外来遺伝子
である抗原とを融合蛋白質として発現できるプラスミド
が挙げられ、例えばそれらはpEX系プラスミド(Cl
ontech社)、pUEX系プラスミド(Amers
ham社)、pGEX系プラスミド(Pharmaci
a社)、pRIT系プラスミド(Pharmacia
社)、pMAL系プラスミド(New England
Biolabs社)、pTB系プラスミド(Abbo
tt社)など、また例えば酵母ではSODとの融合蛋白
質として抗原を発現できるプラスミド、例えばSOD8
−3などが挙げられる。当該分野で知られた融合蛋白質
として発現できるプラスミド(ベクター)及びそれらか
ら外来遺伝子の発現に適するように、制限酵素、合成オ
リゴヌクレオチドリンカー、リガーゼなどを用いて誘導
された融合蛋白質発現系プラスミド(ベクター)を作製
することが可能であり、そのプラスミドも使用できる。
【0021】融合部位は、例えば臭化シアン、ヒドロキ
シルアミン、ギ酸、酢酸−ピリジン溶液、2−(2−ニ
トロフェニルスルフェニル)−3−ブロモインドール−
スカトールなどの化学的な処理で切断しうるようなもの
か、トリプシン、リシルエンドプロテアーゼ、Xa因
子、トロンビン、ヒト血漿カリクレインなどの酵素で切
断しうるようなものとされていることができる。
【0022】本発明で用いられる抗原をキメラ融合蛋白
質として発現するために用いられる代表的CKSキメラ
融合蛋白質発現系プラスミドは、例えば次のようにして
得られる。大腸菌lacプロモーター部位を修飾した配
列とCKSをコードしているkdsB遺伝子とを含有す
るプラスミドpTB201を構築する。先ず、プラスミ
ドpWM111 からプラスミドpWM145 を構築する。
【0023】例えば、マンデッキ等(Mandecki et al.
Gene 43: 131, 1986) により開示されたようにプラスミ
ドpWM111 を大腸菌JM83(ara,(lac−
proAB),rpslo8OlaczM15)か
ら標準アルカリ抽出法、次にセシウムクロライド濃度勾
配法による精製そして約70%のエタノールによる沈殿
処理後、遠心処理して単離する。単離されたプラスミド
pWM111 を次に制限酵素EcoRI及びBamHIで
開裂せしめ、単離して得たEcoRI−BamHIベク
ター断片と、単離して得たEcoRI−BamHIプロ
モーター断片に代えて図1の配列のオリゴヌクレオチド
とをT4リガーゼによりライゲーション処理し、ついで
大腸菌JM103(supEthi,(lac−
roAB),endarpslsbcB15,[F',
traD36proABlaciqZM15)のコ
ンペテント細胞を形質転換せしめ、形質転換大腸菌から
プラスミドpWM145 が得られる。
【0024】一方、大腸菌K−12からプラスミドpR
G1を単離し、それから大腸菌酵素CKS(CTP:C
MP−3−デオキシ−マンノオクチュロソネート・シチ
ジル・トランスフェラーゼ又はCMP−KDOシンセタ
ーゼ)をコードしているkdsB遺伝子を分離し、プラ
スミドpTB201を構築する。例えば、プラスミドp
RG1をHpaIIで消化処理し、次にバクテリアル・
アルカリフォスファターゼ(BRL)でもって脱燐酸化
処理し、約1.7kbのkdsB遺伝子断片を得る。次
に図2の合成オリゴヌクレオチドをBRL T4キナー
ゼを用い標識し、HpaIIkdsB遺伝子断片とライ
ゲーション処理し、BRL T4キナーゼを用い燐酸化
処理する。ついでHindIII及びBamHIでもっ
て同時に消化処理し、約1kbの断片を得る。
【0025】こうして得られたkdsB遺伝子を、プラ
スミドpWM145 をHindIII及びBamHIでも
って同時に消化処理し、ついで脱燐酸化処理して得られ
た断片と、ライゲーション処理する。大腸菌JM103
のコンペテント細胞を形質転換せしめ、形質転換大腸菌
からプラスミドpTB201を得る。次にこのプラスミ
ドpTB201で形質転換された大腸菌は、例えばアン
ピシリンを含有するLB培地中で培養され、IPTG
(イソプロピル−β−D −チオガラクトシド)で誘導処
理できる。
【0026】上記プラスミドpTB201は、Bql
I及びHindIIIでもって消化処理し、約3.6k
bのベクター断片を与える。この約3.6kbのベクタ
ー断片を図3の二つの合成オリゴヌクレオチドから成る
リンカーとライゲーション処理する。大腸菌JM109
recA1endA96thihsdR17
supE44relA1,−,(lac−proA
),[F',traD36proABlaciqZM
15)のコンペテント細胞を形質転換せしめ、形質転換
大腸菌からプラスミドpTB210を得る。このプラス
ミドpTB210で形質転換された大腸菌は、例えばア
ンピシリンを含有するLB培地中で培養され、IPTG
(イソプロピル−チオ−β−ガラクトシド)で誘導処理
できる。
【0027】このプラスミドpTB210は、大腸菌X
L−1 Blue(ストラタジーン社:Stratagene)の
コンペテント細胞中に導入され形質転換せしめ、形質転
換された細胞を培養して大量に得ることができる。同様
にプラスミドpTB201及びプラスミドpTB210
から外来遺伝子の発現に適するように、制限酵素、合成
オリゴヌクレオチドリンカー、リガーゼなどを用いて誘
導されたCKS融合蛋白質発現系プラスミドを作製する
ことが可能であり、そのプラスミドを用いて各種形質転
換体を作製することができる。
【0028】本発明で用いられる抗原をキメラ融合蛋白
質として発現するために用いられる代表的SODキメラ
融合蛋白質発現系プラスミドは、例えば次のようにして
得られる。 PNAS,80:5465−5469及びNuclei
c Acid Res.,12:9349−9363に
開示のDNA配列を、Gene(1988)68:10
1−107に開示の方法で修飾し、こうして得られたS
ODアミノ酸配列をコードする遺伝子を酵母のソルビト
ール・デヒドロゲナーゼ遺伝子の制御遺伝子に結合し、
酵母プラスミドに組み込む。得られたSODをコードす
る遺伝子を持つプラスミド、例えばSOD8−3を炭素
源としてソルビトールを用いて生育する酵母変異株に導
入して、形質転換体を得る。この形質転換体酵母は、培
地中で培養することができる。
【0029】また、EP−A1−318,216号に記
載のSOD融合蛋白質発現系プラスミドを用いて酵母を
形質転換せしめ、得られた形質転換体酵母を培地中で培
養し、形質転換体菌体を得ることができる。同様にEP
−A1−318,216号に記載のSOD融合蛋白質発
現系プラスミドから外来遺伝子の発現に適するように、
制限酵素、合成オリゴヌクレオチドリンカー、リガーゼ
などを用いて誘導されたSOD融合蛋白質発現系プラス
ミドを作製することが可能であり、そのプラスミドを用
いて遺伝子組換え法により形質転換体酵母を得ることが
できる。
【0030】こうして得られた形質転換体は、その大腸
菌、酵母などの細胞を、ガラスビーズ、アルミナビーズ
などを備えていてもよいホモジュナイザー、ワーリング
ブレンダー、フレンチプレス、超音波破砕機などの機械
的方法、リゾチームなどの酵素による方法、凍結融解や
浸透圧による物理的方法あるいはドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)、トウィーン(Tween:商品名)、ト
ライトンX(Triton X:商品名)などの界面活
性剤、アセトン、ブタノールなどの有機溶媒、EDTA
などのキレート化剤などを用いる化学的方法などにより
破砕することができる。細胞を破砕する際、懸濁液中に
プロテアーゼ阻害剤などを添加しておくこともできる。
【0031】超音波処理は、例えば、懸濁溶液試料を1
0〜60kHzの音波(超音波)を出すことのできる超
音波振動子に適用することにより細胞を破壊することの
できる装置にかけて行うことができ、そのような装置と
しては棒状の超音波振動子を試料に浸す型のものや、超
音波振動子を取り付けたカップ状の容器に試料をいれ処
理する型のものや、連続処理が可能なように循環式にさ
れた型のもの、さらにはビーズなどと共に試料を処理で
きるようにしたもの等が挙げられる。こういった超音波
破砕装置は、大岳製作所(株)、セントラル科学貿易
(株)、セイコー電子工業(株)などから市販されてい
る。超音波処理は、細胞を破砕するに十分な時間処理す
ることにより行われ、使用試料の量や使用出力に応じて
適宜適当に選ぶことができ、通常約1分間から約2時間
の範囲で選ぶことができる。
【0032】得られた形質転換体細胞液は、例えば硫酸
アンモニウムなどの蛋白質沈殿剤などを用いての塩析、
エタノールなどの有機溶媒による沈殿法、界面活性剤な
どを用いての抽出、透析、密度勾配遠心などの遠心分離
法、限外濾過法、イオン交換樹脂、イオン交換セルロー
ス、イオン交換セファデックス、アルミナ、ハイドロキ
シアパタイトなどによる吸着、カラムクロマトグラフィ
ー、電気泳動法、デキストランゲル、ポリアクリルアミ
ドゲル、ポリエチレングリコールジメタクリル酸ゲル、
アガロースゲル、多孔質シリカガラス、分子ふるい法、
モノクローナル抗体などを利用したアフィニティクロマ
トグラフィーによりさらに分離、精製されることがで
き、使用に適したものに加工できる。これらの処理は、
任意に適した方法を選び組み合わせてよく、さらに測定
時の非特異的反応を抑制して、偽陽性を排除しうるよう
に選ぶことができる。
【0033】本発明で用いられる形質転換された細胞の
遺伝子産物又はそれと実質的に同等の作用を有するもの
は、代表的には、上記したような形質転換体細胞水抽出
液で、例えばリコビナント抗原をコードするDNAを発
現しうるようには組み換えてないベクターによって形質
転換された細胞を、プロテアーゼ阻害剤存在下破砕し、
ついで遠心分離処理して得られた水抽出液で、約0.2
ミクロン又はそれ以下のフィルターを通過しうる細胞水
抽出液であることができる。さらには、該形質転換体細
胞水抽出液は、該形質転換体細胞をプロテアーゼ阻害剤
存在下破砕し、ついで遠心分離処理して得られた水抽出
液を蛋白質に関して分画濃縮し、得られた蛋白質濃縮物
を透析した水抽出液で、約0.2ミクロン又はそれ以下
のフィルターを通過しうる細胞水抽出液であることもで
きよう。
【0034】好ましくは、大腸菌を用いた場合、該形質
転換された細胞の遺伝子産物又はそれと実質的に同等の
作用を有するものは、リコビナントCKSタンパク質の
発現系ベクターであるプラスミドを大腸菌に導入して形
質転換処理し、こうして形質転換された大腸菌を培養
し、この培養液より形質転換体菌体を遠心分離により集
め、集めた菌体を緩衝液に懸濁後破砕し、この菌体破砕
液より、遠心分離及び0.2μmのフィルターを用いた
濾過により不溶物を除いて得られた水抽出液である。さ
らに、酵母を用いた場合、該形質転換された細胞の遺伝
子産物又はそれと実質的に同等の作用を有するものは、
リコビナントSODタンパク質の発現系ベクターである
プラスミドを酵母に導入して形質転換処理し、この形質
転換酵母を培養し、この培養液より形質転換体菌体を遠
心分離により集め、集めた菌体を緩衝液に懸濁後破砕
し、この菌体破砕液より、遠心分離により不溶物を除い
た上清液を、攪拌しながら、例えば約85〜95℃で、
例えば約5分間熱処理し、例えば約45〜65℃まで冷
やした後、遠心分離及び0.2μmのフィルターを用い
た濾過により不溶物を除いて得られたものである。
【0035】本発明で用いられる形質転換された細胞の
遺伝子産物又はそれと実質的に同等の作用を有するもの
は、代表的な具体例では次のようにして得られる。例え
ば、リコビナントCKSタンパク質の発現系ベクターで
あるプラスミドpTB210などを、大腸菌XL−1
Blue(ストラタジーン社:Stratagene)などの宿主
細胞に導入し、形質転換処理し、こうして形質転換され
た大腸菌pTB210/XL−1などを適切な培地中で
培養し、この培養液より形質転換体菌体を遠心分離によ
り集め、集められた菌体をEDTA、トライトンX−1
00及びプロテアーゼ阻害剤を含むトリス緩衝液などの
緩衝液に懸濁し、機械的に破砕する。この菌体破砕液よ
り、遠心分離及び0.2μmのフィルターを用いた濾過
により不溶物を除き、リコビナントCKS融合タンパク
質発現系ベクターpTB210形質転換大腸菌pTB2
10/XL−1水抽出液などの形質転換体水抽出液を得
ることができる。
【0036】上記で得られた、リコビナントCKSタン
パク質を含む大腸菌pTB210/XL−1などの水抽
出液から、約4.8M又はそれ以上の濃度の硫酸アンモ
ニアなどの沈殿剤により、リコビナントCKSタンパク
質を含むタンパク質画分を沈殿させた。この沈殿させた
タンパク質画分を、0.5mMジチオスレイトール(D
TT)水溶液などの媒質に懸濁し、この懸濁液を0.1
Mトリス緩衝液(pH7.6)などの緩衝液中で透析
し、粗精製リコビナントCKSタンパク質含有の形質転
換体大腸菌pTB210/XL−1水抽出液などの形質
転換体水抽出液を得ることができる。
【0037】別の代表的な具体例では、本発明で用いら
れる形質転換された細胞の遺伝子産物又はそれと実質的
に同等の作用を有するものが次のようにして得られる。
リコビナントSODタンパク質の発現系ベクターである
プラスミドSOD8−3などのベクターを、ソルビトー
ル要求性の酵母変異株などの宿主細胞に導入し、形質転
換処理する。この形質転換酵母などを培養し、この培養
液より形質転換体菌体を遠心分離により集め、集めた菌
体をEDTA及びプロテアーゼ阻害剤を含むトリス緩衝
液などの緩衝液に懸濁し、機械的に破砕する。この菌体
破砕液より、遠心分離により不溶物を除いた上清液を、
攪拌しながら、例えば約85〜95℃で5分間熱処理
し、ついで例えば約45〜65℃まで冷やした後、遠心
分離及び0.2μmのフィルターを用いた濾過により不
溶物を除き、リコビナントSOD融合タンパク質発現系
ベクターSOD8−3形質転換酵母水抽出液などの形質
転換体水抽出液を得ることができる。
【0038】本発明においては、形質転換体水抽出液
は、単独でも複数種を組み合わせても使用でき、希釈剤
に添加されて用いることもでき、その場合の使用量は約
0.0001mg/ml〜約1mg/ml、好ましくは
約0.001mg/ml〜約0.5mg/ml、さらに
好ましくは約0.005mg/ml〜約0.1mg/m
l、最も好ましくは約0.01mg/ml〜約0.1m
g/mlの濃度となるようにして用いることができる。
複数種を組み合わせた場合、偽陽性を抑制する上でより
好ましい。
【0039】本発明においては、形質転換体水抽出液
は、単に形質転換体の細胞破砕物で口径約0.1〜2.
0ミクロンのフィルターを通過させるだけで調製した形
質転換体細胞成分水抽出物の形態で用いるのでなく、よ
り精製処理して夾雜物を除いた形態のものが好ましく用
いることもできるし、非特異的反応を抑制するために、
例えば、単に細菌などの細胞を水(たとえば、生理食塩
水など)に加え、これを超音波処理(例えば、3〜20
KC、10分〜2時間の処理)に付すことによつて得ら
れ、かくして得られたものを遠心分離(たとえば、30
00〜20000r.p.m.10分〜60分)に付し
た上澄を、さらに最大口径0.1〜2.0ミクロンのフ
ィルターを通過させることなどによって分離されたよう
な細胞成分水抽出物であることもできる。
【0040】本発明で用いられる遺伝子組換え法で産生
された抗原は、例えば遺伝子組換え技術を適用し、天然
HCV、HIV、HBVなどのウイルスなどから分子ク
ローニングにより得られたDNA配列あるいは既に知ら
れたHCV、HIV、HBVなどのゲノム配列から、酵
素などを用いたり、化学合成により得られたDNA配列
を、微生物あるいは動物、植物、昆虫などで発現させて
得られたリコビナント抗原である。このリコビナント抗
原としては、例えば、HCVやHIVなどのゲノムの別
々の抗原領域を発現させた組換え蛋白質(リコビナント
蛋白質)の少なくとも1種であることができる。本発明
で用いられる遺伝子組換え法で産生された抗原として
は、好ましくは融合蛋白質として得られるものである。
HTLV、HSVII(ヘルペス・シムプレックス・ウ
イルスII)又はその関連抗原、tPA(ヒト・ティシ
ュ・プラスミノーゲン)又はその関連抗原、SPL(ヒ
ト肺サーファクタント)又はその関連抗原なども挙げら
れる。
【0041】さらに好ましくはこのリコビナント抗原は
CKS、SOD、β−ガラクトシダーゼ、グルタチオン
S−トランスフェラーゼ、プロテインAのIgG結合
領域、マルトース結合蛋白質、あるいはそれらの関連蛋
白質の融合蛋白質として得られるものである。例えば、
宿主細胞として大腸菌を用いてCKS融合蛋白質発現系
の遺伝子産物として得られるもの、特にはCKSの全2
48個のアミノ酸配列のうち最初の239個のアミノ酸
配列をもつものとの融合蛋白質、及び宿主細胞として酵
母を用いてSOD融合蛋白質発現系の遺伝子産物として
得られるものが挙げられる。
【0042】CKS融合蛋白質発現系によるものとして
は、例えば、特開平4─253998公報や特開平4─
281792公報に記載のものが挙げられ、さらには例
えばpHCV−23リコビナント抗原、pHCV−29
リコビナント抗原、pHCV−31リコビナント抗原、
pHCV−34リコビナント抗原、pHCV−45リコ
ビナント抗原、pHCV−48リコビナント抗原、pH
CV−49リコビナント抗原、pHCV−50リコビナ
ント抗原、pHCV−51リコビナント抗原、pHCV
−57リコビナント抗原、pHCV−58リコビナント
抗原、pHCV−101リコビナント抗原、pHCV−
102リコビナント抗原、pHCV−103リコビナン
ト抗原、pHCV−104リコビナント抗原、pHCV
−105リコビナント抗原、pHCV−107リコビナ
ント抗原、あるいはそれらをペプチダーゼや化学的開裂
試薬で処理などし、プロセッシングして得られたペプチ
ド、例えばCKS遺伝子由来ペプチド部分の切断してあ
るものなどが挙げられる。
【0043】また、pTB211リコビナント抗原、p
TB310Aリコビナント抗原、pTB310Bリコビ
ナント抗原、pTB319リコビナント抗原、pJC2
2リコビナント抗原、及びpJC100リコビナント抗
原、あるいはそれらをペプチダーゼや化学的開裂試薬な
どでで処理し、プロセッシングなどして得られたペプチ
ドからなる群から選ばれたもの、例えばHIV−I e
nv.gp41リコビナント抗原,HIV−I en
v.gp110リコビナント抗原,HIV−Igag.
p24リコビナント抗原,HIV−II env.p3
6リコビナント抗原などが挙げられる。
【0044】SOD融合蛋白質発現系の遺伝子産物抗原
としては、EP−A1−318,216号に記載のHC
V c100−3、あるいはそれらをペプチダーゼや化
学的開裂試薬で処理などし、プロセッシングして得られ
たペプチド、例えばSOD遺伝子由来ペプチド部分の切
断してあるものなどが挙げられる。また、本発明では好
適に複数のリコビナント抗原を混合して用いることがで
きる。好ましくは、本発明で用いられる抗原は、HCV
c100−3リコビナント抗原、pHCV−31リコ
ビナント抗原及びpHCV−34リコビナント抗原から
なるものが使用できる。また、本発明で用いられる抗原
は、HIV−I env.gp41,HIV−I ga
g.p24リコビナント抗原,及びHIV−II en
v.CKS−p36リコビナント抗原からなるものが使
用できる。本発明では遺伝子組換え法で産生された抗原
だけでなく、例えばウイルス、微生物細胞、生体組織な
どから単離精製された抗原又はそれらと同等な作用を有
するものをさらに配合して用いることもできる。このよ
うなものとしては、HBs、HIVより精製されたHI
V−I env.gp41などが挙げられる。
【0045】本発明において試料中の抗原と免疫学的に
反応性の抗体を測定するにあたっては、ラジオイムノア
ッセイ、酵素免疫測定法、螢光免疫測定法、化学又は生
物発光免疫測定法、及び凝集反応免疫測定法などの方法
によることができる。特に凝集反応免疫測定法、例えば
受身凝集反応免疫測定法は好ましい方法である。
【0046】本発明において試料中の抗原と免疫学的に
反応性の抗体を測定するにあたっては、抗原抗体反応に
あずかる抗原は、必要に応じて、例えば、寒天、アガロ
ース、セルロース、紙、ニトロセルロース、デキストラ
ン、ゼラチン、キチン、コラーゲン、綿などの生体由来
高分子あるいは天然物由来高分子、ポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド
などのアクリル樹脂、イオン交換樹脂、光架橋樹脂、テ
フロン、ポリアセタールなどの合成高分子、ガラスビー
ズ、シリカゲル、アルミナ、セラミック、カーボン、硫
酸マグネシウムなどの無機質材料などからなる、微粒
子、ビーズ、マイクロプレート、マイクロタイターウェ
ル、マイクロチューブ、ストリップ、メンブレン、トレ
イ、ゲルなど、さらには赤血球、ラテックス粒子、乳剤
などの固定担体に固定しておき、この固定担体を、分析
対象としての抗体等を含有する試料と接触させ、こうし
て固定担体に固定された抗原と、分析試料中の抗体等と
を特異的に結合反応せしめ、この特異的に結合した分析
対象物を検知することによりおこなうことができる。
【0047】ラジオイムノアッセイ、酵素免疫測定法、
化学又は生物発光免疫測定法、螢光免疫測定法などで
は、 125I、 3Hなどの放射性物質、西洋わさびペルオ
キシダーゼ、β−D −ガラクトシダーゼ、アルカリフォ
スファターゼなどの酵素、フルオレッセインなどの螢光
色素、金コロイド、セレンコロイドなどの発光又は発色
物質などで標識された抗原あるいは二次抗体が試薬とし
て用いられ、分析試料中の抗体、複合体等と特異的に結
合反応せしめられ、その放射活性、酵素活性あるいは螢
光などを測定して、試料中の抗体等が存在していたか否
かを判別することができる。
【0048】凝集反応を利用した測定法では、一般には
可溶性抗原を粒子状担体、例えば、赤血球、ポリスチレ
ン粒子、ラテックス粒子などに結合させたいわゆる感作
粒子抗原などの粒子状抗原と、それに対する抗体とが特
異的に結合反応して観察できるような凝集塊をつくる反
応を利用する。例えば、試料中の抗体を検知するため、
上記したような粒子状抗原を試料と混合して反応させ、
例えば、水性媒質の中で抗原抗体反応により生じた凝集
反応が観察されるか否かにより、試料中に測定対象の抗
体が存在しているか否かが判別される。この凝集反応を
用いた測定法にあっては、一定量の抗原に対し、一定の
希釈列にある既知濃度あるいは量の抗体を加え、反応の
結果得られる溶液の凝集反応の程度を希釈倍数の逆数で
表して評価されることがなされる。逆に一定量の抗体に
対し、一定の希釈列にある既知濃度あるいは量の抗原を
加え、反応の結果得られる溶液の凝集反応の程度を希釈
倍数の逆数で表して評価されることもなされるし、更に
抗体に対する抗体、すなわち二次抗体を用いて間接的な
凝集反応を観察することもなされる。受身凝集反応免疫
測定法は、本発明に従い、例えば、HIVに対する抗
体、HCVに対する抗体などの測定に用いられ、優れた
作用効果が得られる。
【0049】固体担体、粒子状担体あるいは標識などと
抗原とを結合あるいは吸着させるには、当該分野で汎用
されている方法を用いることができ、例えばイオン相互
作用、疎水相互作用、共有結合などの物理的吸着や化学
的結合により行うことができる。例えば、架橋剤として
は、グルタルアルデヒド、1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド、スクシンイミジ
ル 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、スク
シンイミジル 4−(N−マレイミドメチル)シクロヘ
キサン−1−カルボキシレート、スクシンイミジル
(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スクシン
イミジル 4−(1−マレイミドフェニル)ブチレート
などが挙げられる。
【0050】固体担体、粒子状担体などの例としては、
上記したようなものが挙げられ、例えば寒天、アガロー
ス、架橋アガロース、架橋アルギン酸、架橋グアガム、
ニトロセルロースやカルボキシルセルロースなどのセル
ロースエステルあるいは混合セルロースエステル、ゼラ
チン、架橋ゼラチン、ラテックス、ゴム、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
アクリルアミド、ポリメタクリレート、スチレン−メタ
クリレート共重合体、ポリグリシジルメタクリレート、
アクロレイン−エチレングリコールジメタクリレート共
重合体などのポリエステル、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリエポキシ樹脂などの天然あるいは合成の修飾あ
るいは非修飾の重合炭水化物、重合炭化水素など、それ
らの架橋誘導体など、ガラス、例えば活性化ガラス、シ
リカゲル、カオリン、タルク、シリカ−アルミナ、アル
ミナ、硫酸バリウムなどの無機材料などからなる群から
選ばれたものを、多孔性のゲル、微粒子などにしたもの
が挙げられる。
【0051】本発明においては、測定は競合アッセイ、
中和アッセイ、固相アッセイ、クロマトグラムアッセ
イ、サンドイッチアッセイなどに適したようにしておこ
なうこともできる。本発明で用いられる測定対象試料と
しては、全血、血清、血漿、脳脊髄液、リンパ液、リン
パ球、唾液、尿、汗、涙、糞便、生体粘液、生検組織、
細胞培養上清液などの生物由来材料をあげることができ
る。これら測定対象試料は、必要に応じ濃縮したり、希
釈して用いられるが、普通希釈剤などで希釈して用いる
ことが好ましい。
【0052】本発明においては、検知用試薬として、4
−ヒドロキシフェニル酢酸、1,2−フェニレンジアミ
ン、テトラメチルベンジジンなどと西洋ワサビ・ペルオ
キシダーゼ、ウンベリフェリルガラクトシド、ニトロフ
ェニルガラクトシドなどとβ−D −ガラクトシダーゼ、
ウンベリフェリルホスフェート、ニトロフェニルホスフ
ェート、NADPなどとアルカリフォスファターゼ、グ
ルコース−6−リン酸・デヒドロゲナーゼなどの酵素試
薬、放射性物質試薬、フルオレッセインイソチオシアネ
ート、テトラメチルローダミンイソチオシアネートなど
を用いている螢光試薬、発光試薬、化学発光試薬、金コ
ロイド、銀コロイド、セレンコロイドなどのコロイド標
識試薬、磁性体試薬、ビオチン標識抗ビオチン抗体など
のハプテン標識抗ハプテン抗体検出系試薬などを用いる
ことができる。
【0053】本発明の測定系においては、界面活性剤、
緩衝剤、希釈液又は希釈剤、ブロッキング剤、キレート
化剤、保存剤などを用いることができる。界面活性剤と
しては、陰イオン型界面活性剤、陽イオン型界面活性
剤、両性界面活性剤、非イオン型界面活性剤のうちから
選んで用いることが出来る。陰イオン型界面活性剤とし
ては、炭素数12〜18の高級脂肪酸のアルカリ金属
塩、炭素数12〜18の高級脂肪酸のトリエタノールア
ミンなどの有機塩基塩、炭素数12〜18の高級脂肪酸
又は高級アルコールの硫酸エステル、アルキルスルホン
酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩などが挙げられ
る。陽イオン型界面活性剤としては、アルキル基、アリ
ール基、複素環基などを有する第四級アンモニウム化合
物などが挙げられる。
【0054】両性界面活性剤としては、ポリアミノモノ
カルボン酸、炭素数12〜18の高級アルキルアミノ
酸、ラウリルジメチルベタインなどのアミノ酸のN−ト
リアルキル置換体などが挙げられる。非イオン型界面活
性剤としては、モノステアリン酸グリセリンなどの炭素
数12〜18の高級脂肪酸の多価アルコールエステル、
高級脂肪酸のポリオキシエチレンエステル、高級脂肪酸
のソルビタンエステル、高級脂肪酸とポリオキシエチレ
ン及びソルビタンエーテルとのエステル、ポリオキシエ
チレンラウリルアルコールなどの高級アルコールとポリ
オキシエチレンとのエーテル、ポリオキシエチレンとポ
リオキシプロピレンとのエーテルなどが挙げられる。
【0055】好ましい界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンソルビタン(代表的なものは、Tween 2
0などの商品名で入手しうる)、ポリオキシエチレンエ
ーテル(代表的なものは、Triton X−100な
どの商品名で入手しうる)、オクチルフェノール・エチ
レンオキサイド縮合物(代表的なものは、Nonide
t P−40などの商品名で入手しうる)、ドデシル硫
酸ナトリウム、N−ラウリルザルコシンなどが挙げられ
る。これら界面活性剤は、約0.001%v/v〜約1
0%v/vの範囲で用いることができる。
【0056】緩衝剤、希釈液又は希釈剤としては、水、
リン酸緩衝液、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン(Tris)緩衝液、例えば生理食塩水などの塩化ナ
トリウム液、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン
−N’−(2−エタンスルホン酸)液、ピペラジン−
N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)液、3−(シ
アノヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸)液、
3−(モルホリノ)プロパンスルホン酸液、アミノ酸液
などが挙げられる。これらは単独でも、任意に配合して
も用いることができる。キレート化剤としては、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、エチレングリコー
ル−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,
N’,N’−テトラ酢酸(EGTA)などが挙げられ
る。これらキレート化剤は、約0.01mM〜約20m
Mの範囲で用いることができる。
【0057】保存剤としては、例えばナトリウムアジ
ド、エチルパラベンなどが挙げられる。その他、本発明
の測定系には、各種動物の血清、例えば牛血清、牛血清
アルブンミン(BSA)、牛胎児血清(FCS)、ヤギ
血清、卵白アルブンミン、ゼラチン、各種乳蛋白質、例
えばスキムミルク、カゼイン、カゼイン分解物、ホエー
蛋白質など、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドンなどからなる群から選ばれたものを添加することが
できる。これらは、約0.01%v/v〜約50%v/
vの範囲で添加することができる。
【0058】本発明においては、測定は好ましくは水性
媒体中で行うことができるが、場合によっては免疫学的
反応を一時的に水性媒体中で行うようにされていてもよ
い。水性媒体は、好ましくは約5.0〜9.0のpHに
調整されて行うことができ、より好ましくは緩衝液中で
行うこともできる。水性媒体の塩濃度は、比較的低いほ
うが好ましく、例えば生理的に等張化されているものが
好ましい。本発明においては、もちろんリンパ球破砕
物、例えばヒトT−リンパ球抽出液、大腸菌抽出液、酵
母抽出液、マウス細胞培養液抽出液などの細胞抽出物を
添加することもできる。これらのものは、約0.001
%v/v〜約20%v/vの範囲で添加することもでき
る。
【0059】本発明においては、偽陽性を抑制するた
め、さらにSOD又はそれと実質的に同等の作用を有す
るものを添加することもできる。これに用いられるもの
は、SODの全アミノ酸配列からなるもの、SODのア
ミノ酸配列の一部からなるものであることができ、ヒト
胎盤由来のSODタンパク質及びウシ赤血球由来のSO
Dタンパク質など市販のもの、さらには遺伝子組換え法
で産生されたものであることができ、遺伝子組換え法で
融合蛋白質の産生に用いられるプラスミドにより産生さ
れるSOD相当蛋白質と実質的に同等の作用を有するも
のが挙げられる。本発明で用いられるSODと実質的に
同等の作用を有するものは、例えばSODの全アミノ酸
配列のうちの一部のアミノ酸配列をもつものあるいはそ
の蛋白質を酵母などの菌体から分離精製処理する際生ず
る断片蛋白質、遺伝子組換え法で融合蛋白質の産生に用
いられるSOD遺伝子によりコードされたSOD由来ペ
プチド断片などが挙げられる。
【0060】本発明で用いられるSOD又はそれと実質
的に同等の作用を有するものは、例えば次のようにして
得られる。上記したようなSODをコードする遺伝子を
持つプラスミド、例えばSOD8−3を炭素源としてソ
ルビトールを用いて生育する酵母変異株に導入して、形
質転換体を得る。この形質転換体酵母を培地中で培養
し、得られた菌体から産生SODを、精製処理して得ら
れる。精製には当該分野で知られた方法を適宜選んで使
用できる。
【0061】また、上記したようにEP−A1−31
8,216号に記載のSOD融合蛋白質発現系プラスミ
ドを用いて酵母を形質転換せしめ、得られた形質転換体
酵母を培地中で培養し、得られた菌体から産生SOD断
片蛋白質を、精製処理して得られる。同様にEP−A1
−318,216号に記載のSOD融合蛋白質発現系プ
ラスミドから外来遺伝子の発現に適するように、制限酵
素、合成オリゴヌクレオチドリンカー、リガーゼなどを
用いて誘導されたSOD融合蛋白質発現系プラスミドを
作製することが可能であり、そのプラスミドを用いて遺
伝子組換え法によりSOD又はそれと実質的に同等の作
用を有するものが得られる。また、精製CKS又はそれ
と実質的に同等の作用を有するものをさらに添加するこ
ともできる。本発明においては、試薬は単一の容器ある
いは複数の容器に入れてあり、使用にあたり配合されて
用いるようになっていてもよい。
【0062】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこの具体例により限定されるもの
でなく、その思想に従うかぎり各種の形態で実施できる
ことは理解されるべきである。
【0063】実施例1 (1)酵母水抽出物 ディフコ ラボラトリーズ(DIFCO Labora
tories,米国)社から酵母水抽出物を入手した。 (2)大腸菌水抽出液の調製 リコンビナントタンパク質を発現するための、遺伝子組
換え操作が行われていない大腸菌XL−1 Blue
(ストラタジーン社:Stratagene)を培養し、培養液よ
り菌体を遠心分離により集め、こうして得られた菌体を
EDTA、トライトンX−100及びプロテアーゼ阻害
剤を含むトリス緩衝液に懸濁し、機械的に破砕した。こ
の菌体破砕液より、遠心分離及び0.2μmのフィルタ
ーを用いた濾過により不溶物を除き、大腸菌XL−1水
抽出物を得た。また、リコンビナントタンパク質を発現
するための、遺伝子組換え操作が行われていない大腸菌
JM103を培養し、上記の大腸菌XL−1水抽出物の
場合と同様な抽出操作により、大腸菌JM103水抽出
物を得た。このようにして得られる大腸菌XL−1水抽
出物及び大腸菌JM103水抽出物は、米国アボット社
より入手しうる。
【0064】(3)リコビナントCKS融合タンパク質
発現系ベクターpTB210により形質転換された大腸
菌の水抽出液の調製 リコビナントCKSタンパク質の発現系ベクターである
プラスミドpTB210を、大腸菌XL−1 Blue
(ストラタジーン社:Stratagene)に導入し、形質転換
処理され、こうして形質転換された大腸菌pTB210
/XL−1を得、この大腸菌pTB210/XL−1を
培養した。この培養液より、形質転換体菌体を遠心分離
により集め、集めた菌体をEDTA、トライトンX−1
00及びプロテアーゼ阻害剤を含むトリス緩衝液に懸濁
し、機械的に破砕した。この菌体破砕液より、遠心分離
及び0.2μmのフィルターを用いた濾過により不溶物
を除き、リコビナントCKS融合タンパク質発現系ベク
ターpTB210形質転換大腸菌pTB210/XL−
1水抽出液を得た。このようにして得られるリコビナン
トCKSタンパク質発現系ベクター形質転換大腸菌pT
B210/XL−1水抽出液は、米国アボット社より入
手しうる。
【0065】(4)粗精製リコビナントCKSタンパク
質含有の形質転換大腸菌水抽出液の調製 上記(3)で得られた、リコビナントCKSタンパク質
を含む大腸菌pTB210/XL−1水抽出液から、
4.8M以上の濃度の硫酸アンモニアにより、リコビナ
ントCKSタンパク質を含むタンパク質を沈殿させた。
この沈殿させたタンパク質を、0.5mMジチオスレイ
トール(DTT)水溶液に懸濁し、この懸濁液を0.1
Mトリス緩衝液(pH7.6)中で透析し、粗精製リコ
ビナントCKSタンパク質含有の形質転換体大腸菌pT
B210/XL−1水抽出液を得た。このようにして得
られる粗精製リコビナントCKSタンパク質含有の形質
転換体大腸菌pTB210/XL−1水抽出液は、米国
アボット社より入手しうる。
【0066】(5)リコビナントSOD融合タンパク質
発現系ベクターSOD8−3により形質転換された酵母
水抽出液の調製 リコビナントSODタンパク質の発現系ベクターである
プラスミドSOD8−3を、ソルビトール要求性の酵母
変異株に導入し、形質転換処理した。この形質転換酵母
を培養し、この培養液より、形質転換体菌体を遠心分離
により集め、集めた菌体をEDTA及びプロテアーゼ阻
害剤を含むトリス緩衝液に懸濁し、機械的に破砕した。
この菌体破砕液より、遠心分離により不溶物を除いた上
清液を、攪拌しながら85〜95℃で5分間熱処理し、
45〜65℃まで冷やした後、遠心分離及び0.2μm
のフィルターを用いた濾過により不溶物を除き、リコビ
ナントSOD融合タンパク質発現系ベクターSOD8−
3形質転換酵母水抽出液を得た。
【0067】この抽出液を60mM塩化ナトリウムを含
む20mMトリス緩衝液(pH8.5)で希釈した後、
陰イオン交換カラム(Q セファロース(Sephar
ose)、ファルマシア(Pharmacia)社)に
かけた。このカラムを60mM塩化ナトリウム液で洗浄
し、酵母菌体由来の不純物を除いた後、350mM塩化
ナトリウムによりリコビナントSODタンパク質画分を
溶出した。この溶出液を、限外濾過により濃縮し、0.
2μmのフィルターを用いて濾過して、粗精製リコビナ
ントSODタンパク質含有の形質転換体酵母水抽出液を
得た。このようにして得られる粗精製リコビナントSO
Dタンパク質含有の形質転換体酵母水抽出液は、米国ア
ボット社より入手しうる。
【0068】実施例2 HCV関連抗原を感作した赤血球の調製 HCV関連抗原と免疫学的に反応性の抗体を、受身赤血
球凝集反応(PHA)を用いて測定するため、HCV関
連抗原を感作した赤血球を次のようにして調製した。H
CV関連抗原として、HCV c100−3 リコビナ
ント抗原、pHCV−31 リコビナント抗原及びpH
CV−34 リコビナント抗原の混合物をヒト赤血球に
感作し、感作血球濃度が1.0(v/v)%になるよう
に生理食塩水(pH7.0)に溶解した。
【0069】また、この感作血球溶解液に、非特異反応
の吸収剤として、実施例1の(1)〜(5)で得た酵母
水抽出物、大腸菌XL−1水抽出物、大腸菌JM103
水抽出物、発現系ベクター形質転換大腸菌pTB210
/XL−1水抽出液、タンパク質発現系ベクターSOD
8−3形質転換酵母水抽出液、粗精製リコビナントSO
Dタンパク質含有の形質転換体酵母水抽出液、又は粗精
製リコビナントCKSタンパク質含有の形質転換体大腸
菌pTB210/XL−1水抽出液をそれぞれ添加し
た。添加した濃度は、酵母水抽出物は0.1(w/v)
%、大腸菌水抽出物、発現系ベクター形質転換大腸菌p
TB210/XL−1水抽出液、及び発現系ベクターS
OD8−3形質転換酵母水抽出液は0.1(v/v)
%、粗精製リコビナントSODタンパク質含有の形質転
換体酵母水抽出液、及び粗精製リコビナントCKSタン
パク質含有の形質転換体大腸菌pTB210/XL−1
水抽出液は、それぞれ20μg/mlになるようにし
た。
【0070】実施例3 HCV関連抗原を感作した赤血球の調製 実施例2と同様にして、HCV関連抗原と免疫学的に反
応性の抗体を、受身赤血球凝集反応(PHA)を用いて
測定するため、HCV関連抗原を感作した赤血球を調製
した。HCV関連抗原として、HCV c100−3
リコビナント抗原、pHCV−31 リコビナント抗原
又はpHCV−34 リコビナント抗原を用いた。これ
らのHCV関連抗原をそれぞれ単独でヒト赤血球に感作
し、感作血球濃度が1.0(v/v)%になるように生
理食塩水(pH7.0)に溶解した。また、この感作血
球溶解液に、非特異反応の吸収剤として、実施例1の
(1)〜(5)で得た酵母水抽出物、大腸菌XL−1水
抽出物、大腸菌JM103水抽出物、発現系ベクター形
質転換大腸菌pTB210/XL−1水抽出液、発現系
ベクターSOD8−3形質転換酵母水抽出液、粗精製リ
コビナントSODタンパク質含有の形質転換体酵母水抽
出液、又は粗精製リコビナントCKSタンパク質含有の
形質転換体大腸菌pTB210/XL−1水抽出液をそ
れぞれ添加した。添加した濃度は、実施例2の場合と同
様にした。
【0071】実施例4 CKS及びSODの非特異的反応の抑制効果の測定 HCV関連抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法にお
ける、CKS及びSODの非特異的反応の抑制効果を、
受身赤血球凝集反応(PHA、15〜30℃で2時間イ
ンキュベーション)を用いて測定した。 (1)先ず、実施例2で得られた、何も非特異反応の吸
収剤の添加してない感作血球を用いて、健常人の血清検
体5000例についてPHAアッセイをおこなった。こ
のPHAアッセイで凝集反応が観察された偽陽性検体と
して20例を得た。次にこの偽陽性検体20例につい
て、実施例2で得られた、各種(酵母水抽出物、大腸菌
XL−1水抽出物、大腸菌JM103水抽出物、発現系
ベクター形質転換大腸菌pTB210/XL−1水抽出
液、リコビナントSOD融合タンパク質発現系ベクター
SOD8−3形質転換酵母水抽出液、粗精製リコビナン
トSODタンパク質含有の形質転換体酵母水抽出液、又
は粗精製リコビナントCKSタンパク質含有の形質転換
体大腸菌pTB210/XL−1水抽出液)の非特異反
応の吸収剤を添加した感作血球を用いて、PHAアッセ
イを行った。得られた結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】(2)次に、実施例3で得られた、何も非
特異反応の吸収剤の添加してない感作血球、及び実施例
3で得られた、各種(酵母水抽出物、大腸菌XL−1水
抽出物、大腸菌JM103水抽出物、発現系ベクター形
質転換大腸菌pTB210/XL−1水抽出液、リコビ
ナントSOD融合タンパク質発現系ベクターSOD8−
3形質転換酵母水抽出液、粗精製リコビナントSODタ
ンパク質含有の形質転換体酵母水抽出液、又は粗精製リ
コビナントCKSタンパク質含有の形質転換体大腸菌p
TB210/XL−1水抽出液)の非特異反応の吸収剤
を添加した感作血球を用いて、上記の偽陽性検体20例
について、PHAアッセイを行った。得られた結果を表
2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】表1及び表2に示したように、CKSタン
パク質発現系ベクター又はSODタンパク質発現系ベク
ターで形質転換された宿主細胞の水抽出液を含む吸収剤
を添加することにより、偽陽性検体が吸収され陰性化し
た。また、CKSタンパク質発現系ベクターで形質転換
された宿主細胞の水抽出液及びSODタンパク質発現系
ベクターで形質転換された宿主細胞の水抽出液の両者を
含む吸収剤を同時に添加することにより、全ての偽陽性
検体が吸収され陰性化した。一方、酵母水抽出物、やリ
コンビナントタンパク質を発現するための、遺伝子組換
え操作が行われていない大腸菌の水抽出液の添加によっ
ては、偽陽性検体は全く陰性化しなかった。
【0076】このようにCKSタンパク質発現系ベクタ
ー又はSODタンパク質発現系ベクターで形質転換され
た宿主細胞の水抽出液を含む感作血球溶解液を用いるこ
とにより、非特異的反応を吸収して、顕著に偽陽性を抑
制できることが明らかとなった。また、上記実施例とは
別の実験において、上記実施例で使用した各種の非特異
反応の吸収剤を、上記実施例で使用した各種の感作血球
溶解液に添加しても、HCV関連抗体の測定には影響し
なかった。従って、CKSタンパク質発現系ベクター又
はSODタンパク質発現系ベクターで形質転換された宿
主細胞の水抽出液を含有する感作血球溶解液を用いるこ
とにより、HCV関連抗体の測定を損なうこと無く、非
特異的反応のみを吸収して、偽陽性を抑制し、HCV関
連抗体に対するより特異性の高いアッセイ試薬となるこ
とが明らかとなった。
【0077】実施例5 HIV関連抗原を感作した赤血球の調製 HIV関連抗原と免疫学的に反応性の抗体を、受身赤血
球凝集反応(PHA)を用いて測定するため、HIV関
連抗原を感作した赤血球を次のようにして調製した。H
IV関連抗原として、HIV−I gag.p24リコ
ビナント抗原、又はHIV−II env.CKS−p
36リコビナント抗原を用い、これらのHIV関連抗原
をそれぞれ単独でヒト赤血球に感作し、さらにHIV−
I gag.p24リコビナント抗原及びHIV−II
env.CKS−p36リコビナント抗原(HIV
p36リコビナント抗原)の混合物をヒト赤血球に感作
し、得られた感作血球濃度が1.0(v/v)%になる
ように生理食塩水(pH7.0)に溶解した。
【0078】実施例6 HIV関連抗原を感作した赤血球の調製 実施例5と同様にして、HIV関連抗原と免疫学的に反
応性の抗体を、受身赤血球凝集反応(PHA)を用いて
測定するため、HIV関連抗原を感作した赤血球を調製
した。HCV関連抗原として、HIV p36リコビナ
ント抗原を用いた。このHIV関連抗原をヒト赤血球に
感作し、感作血球濃度が1.0(v/v)%になるよう
に生理食塩水(pH7.0)に溶解した。また、この感
作血球溶解液に、非特異反応の吸収剤として、実施例1
の(2)〜(4)で得た大腸菌XL−1水抽出物、大腸
菌JM103水抽出物、発現系ベクター形質転換大腸菌
pTB210/XL−1水抽出液、又は粗精製リコビナ
ントCKSタンパク質含有の形質転換体大腸菌pTB2
10/XL−1水抽出液をそれぞれ添加した。添加した
濃度は、大腸菌水抽出物、及び発現系ベクター形質転換
大腸菌pTB210/XL−1水抽出液はそれぞれ0.
1(v/v)%、粗精製リコビナントCKSタンパク質
含有の形質転換体大腸菌pTB210/XL−1水抽出
液は、20μg/mlになるようにした。
【0079】実施例7 CKSの非特異的反応の抑制効果の測定 HIV関連抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法にお
ける、CKSの非特異的反応の抑制効果を、受身赤血球
凝集反応(PHA、15〜30℃で2時間インキュベー
ション)を用いて測定した。 (1)先ず、実施例2で得られた、何も非特異反応の吸
収剤の添加してない感作血球を用いて、健常人の血清検
体900例についてPHAアッセイをおこなった。得ら
れた結果を表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】(2)次に、実施例6で得られた、何も非
特異反応の吸収剤の添加してない感作血球、及び実施例
6で得られた、各種(大腸菌XL−1水抽出物、大腸菌
JM103水抽出物、発現系ベクター形質転換大腸菌p
TB210/XL−1水抽出液、又は粗精製リコビナン
トCKSタンパク質含有の形質転換体大腸菌pTB21
0/XL−1水抽出液)の非特異反応の吸収剤を添加し
た感作血球を用いて、上記の偽陽性検体35例につい
て、PHAアッセイを行った。得られた結果を表4に示
す。
【0082】
【表4】
【0083】表3及び表4に示したように、CKSタン
パク質発現系ベクターで形質転換された宿主細胞の水抽
出液を含む吸収剤を添加することにより、偽陽性検体が
吸収され陰性化した。一方、リコンビナントタンパク質
を発現するための、遺伝子組換え操作が行われていない
大腸菌の水抽出液の添加によっては、偽陽性検体は全く
陰性化しなかった。このようにCKSタンパク質発現系
ベクターで形質転換された宿主細胞の水抽出液を含む感
作血球溶解液を用いることにより、非特異的反応を吸収
して、顕著に偽陽性を抑制できることが明らかとなっ
た。また、上記実施例とは別の実験において、上記実施
例で使用した各種の非特異反応の吸収剤を、上記実施例
で使用した各種の感作血球溶解液に添加しても、HIV
関連抗体の測定には影響しなかった。従って、CKSタ
ンパク質発現系ベクターで形質転換された宿主細胞の水
抽出液を含有する感作血球溶解液を用いることにより、
HIV関連抗体の測定を損なうこと無く、非特異的反応
のみを吸収して、偽陽性を抑制し、HIV関連抗体に対
するより特異性の高いアッセイ試薬となることが明らか
となった。
【0084】なお、CKSタンパク質発現系ベクターで
形質転換された宿主細胞の水抽出液を含有する感作血球
溶解液を用いるもので偽陽性が現れたもののうち、3例
は×16及び×32では非特異的な反応を完全に抑制し
ており、×8においての判定困難な微かな反応であり、
これは非特異的な反応とはみなされず、CKSタンパク
質添加量を増加することにより偽陽性を抑制できると評
価できるものである。大腸菌の菌体成分は、HIVの測
定系において非特異的反応を中和するのに、効果が劣
り、特異性的なHIV抗体の測定に用いても依然問題で
あることが判明した。一方、リコビナントCKSタンパ
ク質含有の形質転換体大腸菌水抽出液を添加することに
より、非特異的反応が顕著に中和されて偽陽性が抑えら
れることが明らかとなった。
【0085】
【発明の効果】抗原をコードするDNA配列の組込まれ
ていないキメラ融合蛋白質発現用プラスミドで形質転換
された細胞の遺伝子産物又はそれと実質的に同等の作用
を有するもの、例えば、CKS融合蛋白質発現系プラス
ミドやSOD融合蛋白質発現系プラスミドで形質転換さ
れた細胞の水抽出液を用いることにより、遺伝子組換え
法で産生された抗原を用いた、試料中の該抗原と免疫学
的に反応性の抗体の測定において、非特異的反応の発生
を効果的に中和でき、より特異性に優れた測定ができ
る。また、複数の融合蛋白質発現系プラスミド形質転換
細胞の水抽出液を一緒に用いることにより、より優れた
リコビナント抗原と免疫学的に反応性の抗体測定系が提
供でき、臨床検査においての有用性が高いし、検出率を
高めたり、供血者のスクリーニングを確実に行なうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 pTB201作製に用いた修飾用の合成la
cPプロモーター領域のDNA配列を示す。
【図2】 pTB201作製に用いたkdsB遺伝子の
5’端の合成領域のDNA配列を示す。
【図3】 pTB210作製に用いたリンカーのDNA
配列を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/21 8828−4B 15/09 ZNA (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 井上 裕三 千葉県松戸市岩瀬618 エステートピアO NE 201号 (72)発明者 松村 多恵 千葉県千葉市美浜区磯辺1−40−1 (72)発明者 小林 利章 千葉県松戸市稔台60 アーネス敏201号 (72)発明者 城村 哲 千葉県野田市谷津626−1 707号 (72)発明者 駒越 好之 埼玉県八潮市南後谷780−8 (72)発明者 伊吹 純 千葉県松戸市金ヶ作298−22 サニーハイ ツ 101号

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遺伝子組換え法で産生された抗原を用い
    た、試料中の該抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法
    において、該蛋白質発現用プラスミドで形質転換された
    細胞の遺伝子産物又はそれと実質的に同等の作用を有す
    るものを用いて、偽陽性を抑制することを特徴とする遺
    伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  2. 【請求項2】 蛋白質発現用プラスミドが、該抗原をコ
    ードするDNA配列の組込まれていないキメラ融合蛋白
    質発現用プラスミドである請求項1記載の遺伝子組換え
    抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  3. 【請求項3】 蛋白質発現用プラスミドで形質転換され
    た細胞が、大腸菌である請求項1又は2記載の遺伝子組
    換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  4. 【請求項4】 蛋白質発現用プラスミドで形質転換され
    た細胞が、酵母である請求項1〜3のいずれか一記載の
    遺伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  5. 【請求項5】 蛋白質発現用プラスミドが、CKSキメ
    ラ融合蛋白質発現用プラスミド又はSODキメラ融合蛋
    白質発現用プラスミドである請求項1〜3のいずれか一
    記載の遺伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測
    定法。
  6. 【請求項6】 蛋白質発現用プラスミドが、pTB20
    1,pTB210、pTB260,pTB270又はそ
    れから制限酵素及び/又は合成オリゴヌクレオチドを用
    いて遺伝子組換え法で修飾されて誘導されたプラスミド
    である請求項1〜3及び5のいずれか一記載の遺伝子組
    換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  7. 【請求項7】 蛋白質発現用プラスミドが、SOD8−
    3又はそれから制限酵素及び/又は合成オリゴヌクレオ
    チドを用いて遺伝子組換え法で修飾されて誘導されたプ
    ラスミドである請求項1〜2及び4のいずれか一記載の
    遺伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  8. 【請求項8】 形質転換された細胞の遺伝子産物又はそ
    れと実質的に同等の作用を有するものが、細胞水抽出液
    である請求項1〜7のいずれか一記載の抗体の測定法。
  9. 【請求項9】 形質転換された細胞の遺伝子産物又はそ
    れと実質的に同等の作用を有するものが、形質転換体細
    胞をプロテアーゼ阻害剤存在下破砕し、ついで遠心分離
    処理して得られた水抽出液で、約0.2ミクロン以下の
    フィルターを通過しうる細胞水抽出液である請求項1〜
    8のいずれか一記載の遺伝子組換え抗原と免疫学的に反
    応性の抗体の測定法。
  10. 【請求項10】 形質転換された細胞の遺伝子産物又は
    それと実質的に同等の作用を有するものが、形質転換体
    細胞をプロテアーゼ阻害剤存在下破砕し、ついで遠心分
    離処理して得られた水抽出液を分画濃縮し、得られた蛋
    白質濃縮物を透析した水抽出液で、約0.2ミクロン以
    下のフィルターを通過しうる細胞水抽出液である請求項
    1〜9のいずれか一記載の遺伝子組換え抗原と免疫学的
    に反応性の抗体の測定法。
  11. 【請求項11】 形質転換された細胞の遺伝子産物又は
    それと実質的に同等の作用を有するものが、リコビナン
    トCKSタンパク質の発現系ベクターであるプラスミド
    を、大腸菌に導入して形質転換処理し、こうして形質転
    換された大腸菌を培養し、この培養液より形質転換体菌
    体を遠心分離により集め、集めた菌体を緩衝液に懸濁後
    破砕し、この菌体破砕液より遠心分離して得られた形質
    転換大腸菌水抽出液で、約0.2μm又はそれ以下のフ
    ィルターを通過しうる形質転換大腸菌水抽出液である請
    求項1〜3、5〜6、及び8〜10のいずれか一記載の
    遺伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  12. 【請求項12】 形質転換された細胞の遺伝子産物又は
    それと実質的に同等の作用を有するものが、リコビナン
    トSODタンパク質の発現系ベクターであるプラスミド
    を、酵母に導入して形質転換処理し、この形質転換酵母
    を培養し、この培養液より形質転換体菌体を遠心分離に
    より集め、集めた菌体を緩衝液に懸濁後破砕し、この菌
    体破砕液より遠心分離により不溶物を除いた上清液を、
    攪拌しながら熱処理してから冷やした後、遠心分離して
    得られた形質転換酵母水抽出液で、約0.2μm又はそ
    れ以下のフィルターを通過しうる形質転換酵母水抽出液
    である請求項1〜2、4、7、及び8〜10のいずれか
    一記載の遺伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の
    測定法。
  13. 【請求項13】 遺伝子組換え法で産生された抗原の少
    なくとも一つが、融合蛋白質として得られるものである
    請求項1〜12のいずれか一記載の遺伝子組換え抗原と
    免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  14. 【請求項14】 遺伝子組換え法で産生された抗原の少
    なくとも一つが、遺伝子組換え法でCKSキメラ融合蛋
    白質発現系又はSODキメラ融合蛋白質発現系により融
    合蛋白質として得られるものである請求項1〜13のい
    ずれか一記載の遺伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の
    抗体の測定法。
  15. 【請求項15】 該抗体が、HCV抗体、HIV−I抗
    体及びHIV−II抗体からなる群から選ばれたもので
    ある請求項1〜14のいずれか一記載の遺伝子組換え抗
    原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  16. 【請求項16】 遺伝子組換え法で産生された抗原が、
    宿主細胞として少なくとも一つは大腸菌を用いて得られ
    るものである請求項1〜15のいずれか一記載の遺伝子
    組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  17. 【請求項17】 遺伝子組換え法で産生された抗原が、
    HCV抗原又はその関連抗原、HIV抗原又はその関連
    抗原、HTLV−I抗原又はその関連抗原、HTLV−
    II抗原又はその関連抗原、HSVII抗原又はその関
    連抗原、tPA抗原又はその関連抗原、及びSPL抗原
    又はその関連抗原からなる群から選ばれたものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜16のいずれか一記載の遺伝
    子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  18. 【請求項18】 遺伝子組換え法で産生された抗原が、
    pHCV−23リコビナント抗原、pHCV−29リコ
    ビナント抗原、pHCV−31リコビナント抗原、pH
    CV−34リコビナント抗原、pHCV−45リコビナ
    ント抗原、pHCV−48リコビナント抗原、pHCV
    −49リコビナント抗原、pHCV−50リコビナント
    抗原、pHCV−51リコビナント抗原、pHCV−5
    7リコビナント抗原、pHCV−58リコビナント抗
    原、pHCV−101リコビナント抗原、pHCV−1
    02リコビナント抗原、pHCV−103リコビナント
    抗原、pHCV−104リコビナント抗原、pHCV−
    105リコビナント抗原、pHCV−107リコビナン
    ト抗原、あるいはそれらをペプチダーゼ又は化学的開裂
    試薬で処理し、プロセッシングして得られたペプチドか
    らなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求
    項1〜17のいずれか一記載の遺伝子組換え抗原と免疫
    学的に反応性の抗体の測定法。
  19. 【請求項19】 遺伝子組換え法で産生された抗原が、
    pTB211リコビナント抗原、pTB310Aリコビ
    ナント抗原、pTB310Bリコビナント抗原、pTB
    319リコビナント抗原、pTB320リコビナント抗
    原、pTB321リコビナント抗原、pTB322リコ
    ビナント抗原、pJC22リコビナント抗原、pJC1
    00リコビナント抗原、あるいはそれらをペプチダーゼ
    又は化学的開裂試薬で処理し、プロセッシングして得ら
    れたペプチドからなる群から選ばれたものであることを
    特徴とする請求項1〜18のいずれか一記載の遺伝子組
    換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  20. 【請求項20】 遺伝子組換え法で産生された抗原が、
    HIV−I−041HaeIII−HindIIIリコ
    ビナント抗原、HIV−I−p41dリコビナント抗原
    及びHIV−II TMPリコビナント抗原からなる群
    から選ばれたものであることを特徴とする請求項1〜1
    7及び19のいずれか一記載の遺伝子組換え抗原と免疫
    学的に反応性の抗体の測定法。
  21. 【請求項21】 遺伝子組換え法で産生された抗原が、
    宿主細胞として少なくとも一つは酵母を用いて得られる
    ものである請求項1〜17のいずれか一記載の遺伝子組
    換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  22. 【請求項22】 遺伝子組換え法で産生された抗原が、
    HCV抗原又はその関連抗原、及びHBV抗原又はその
    関連抗原からなる群から選ばれたものであることを特徴
    とする請求項21記載の抗体の測定法。
  23. 【請求項23】 遺伝子組換え法で産生された抗原が、
    HCVc100−3抗原又はそれらをペプチダーゼ又は
    化学的開裂試薬で処理し、プロセッシングして得られた
    ペプチド関連抗原からなる群から選ばれたものであるこ
    とを特徴とする請求項22記載の遺伝子組換え抗原と免
    疫学的に反応性の抗体の測定法。
  24. 【請求項24】 遺伝子組換え法で産生された抗原が、
    遺伝子組換え法で融合蛋白質として得られる複数の抗原
    からなる請求項1〜23のいずれか一記載の遺伝子組換
    え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  25. 【請求項25】 遺伝子組換え法で産生された抗原が、
    HCV c100−3リコビナント抗原、pHCV−3
    1リコビナント抗原及びpHCV−34リコビナント抗
    原のHCV関連抗原からなる請求項1〜14、16、2
    1及び24のいずれか一記載の遺伝子組換え抗原と免疫
    学的に反応性の抗体の測定法。
  26. 【請求項26】 偽陽性を抑制するため、さらにSOD
    又はそれと実質的に同等の作用を有するものを用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜25のいずれか一記載の遺伝
    子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法。
  27. 【請求項27】 抗原が、HIV−I env.gp4
    1,HIV−I gag.p24リコビナント抗原,及
    びHIV−II env.p36リコビナント抗原から
    なる請求項1〜6、8〜11、13〜17、19〜2
    0、及び24のいずれか一記載の遺伝子組換え抗原と免
    疫学的に反応性の抗体の測定法。
  28. 【請求項28】 遺伝子組換え法で産生された抗原を用
    いた試料中の該抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定試
    薬において、偽陽性を抑制するため、蛋白質発現用プラ
    スミドで形質転換された細胞の遺伝子産物又はそれと実
    質的に同等の作用を有するものを配合してあることを特
    徴とする遺伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の
    測定試薬。
  29. 【請求項29】 蛋白質発現用プラスミドが、該抗原を
    コードするDNA配列の組込まれていないキメラ融合蛋
    白質発現用プラスミドである請求項28記載の遺伝子組
    換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定試薬。
  30. 【請求項30】 測定試薬が、ラジオイムノアッセイ、
    酵素免疫測定法、螢光免疫測定法、化学又は生物発光免
    疫測定法、及び凝集反応免疫測定法からなる群から選ば
    れたものにおいて用いられるものであることを特徴とす
    る請求項28又は29記載の遺伝子組換え抗原と免疫学
    的に反応性の抗体の測定試薬。
  31. 【請求項31】 測定試薬が、競合アッセイ、中和アッ
    セイ、固相アッセイ、クロマトグラムアッセイ、及びサ
    ンドイッチアッセイからなる群から選ばれたものにおい
    て用いられるものであることを特徴とする請求項28〜
    30のいずれか一記載の遺伝子組換え抗原と免疫学的に
    反応性の抗体の測定試薬。
  32. 【請求項32】 試料が、全血、血清、血漿、脳脊髄
    液、リンパ液、リンパ球、唾液、尿、汗、涙、糞便、生
    体粘液、生検組織、及び細胞培養上清液からなる群から
    選ばれたものであることを特徴とする請求項28〜31
    のいずれか一記載の遺伝子組換え抗原と免疫学的に反応
    性の抗体の測定試薬。
  33. 【請求項33】 検知用試薬として、酵素試薬、放射性
    物質試薬、螢光試薬、発光試薬、化学発光試薬、コロイ
    ド標識試薬、磁性体試薬、及びハプテン標識抗ハプテン
    抗体検出系試薬からなる群から選ばれたものを用いるも
    のであることを特徴とする請求項28〜32のいずれか
    一記載の遺伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の
    測定試薬。
  34. 【請求項34】 請求項1〜27のいずれか一記載の遺
    伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法に用
    いるものである請求項28〜33のいずれか一記載の遺
    伝子組換え抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定試薬。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06510289A (ja) * 1991-08-21 1994-11-17 アボツト・ラボラトリーズ Ns5領域由来の組換え抗原を利用したc型肝炎アッセイ
JPH07508411A (ja) * 1992-06-23 1995-09-21 アボツト・ラボラトリーズ Cks融合タンパク質の使用方法

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