JPH1151940A - Hcvの検出又は測定方法 - Google Patents

Hcvの検出又は測定方法

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JPH1151940A
JPH1151940A JP9209515A JP20951597A JPH1151940A JP H1151940 A JPH1151940 A JP H1151940A JP 9209515 A JP9209515 A JP 9209515A JP 20951597 A JP20951597 A JP 20951597A JP H1151940 A JPH1151940 A JP H1151940A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 HCVを簡便で高感度に検出または測定する
方法の提供。 【解決手段】 HCVを含む検体を、(1)カオトロピ
ックイオン、及び(2)酸性化剤を含む処理液で処理す
ることを特徴とするHCV含有検体の処理方法;並びに
この方法の実施のためのモノクローナル抗体及びそれを
生産するハイブリドーマ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はHCVの検出又は測
定方法、及びそのための試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】C型肝炎は、長い間その原因因子が明ら
かではなかったが、その遺伝子がクローニングされ(S
clence 244:359−362,1989)、
その遺伝子を基に作られたリコンビナント抗原を用いた
抗体測定による診断法が開発されたことにより(Sci
ence244:362−364,1989);特表平
2−500880号公報)、HCV(C型肝炎ウィル
ス、HepatitisC Virus)を原因因子と
する、血液及び血液関連製剤を主たる感染経路とする感
染症であることが明らかとなった。組換えコア抗原、組
換えNS3抗原を加えたいわゆる第2世代抗体検査法の
開発により、HCV感染者のほとんどを血清検査により
判別する事が可能となった。このことにより国内献血に
よる感染をほとんど絶つことが可能となった。
【0003】しかしHIV(ヒト免疫不全症ウィルス)
などの一般的なウィルス感染症同様に、感染初期の抗体
が生じて来るまでの期間、いわゆるウィンドピリオドと
呼ばれる判別不能期間が存在し、売血が認められている
地域などや国内の一部でも抗体検査では判別できなかっ
た血液由来の成分により、依然として二次感染が起こる
リスクが存在している。また抗体検査は、その原理から
感染後治癒した既住者か、活動性の感染者か否かを判別
することが出来ないことが問題である。
【0004】また現在C型肝炎の治療にはインターフェ
ロン(IFN)が用いられているが、IFNによりHC
Vが駆除されて6ヶ月後にはHCV抗体価が低下するこ
とから、HCV抗体価を測定することのみにて治療効果
を判別することが可能であるとする研究者もいる。しか
し抗体価の動きは抗原刺激低下後、すなわち抗原駆除後
数カ月間以降でないと低下しないことから、抗体検査を
行なうのみではIFN投与によりHCVが駆除されたか
否かを適時に的確に判別することが出来ない。すなわち
治療のモニタリングを行なうためには、HCVに対する
抗体ではなく、HCVそのものを検出する方法が必要で
ある。
【0005】HCVは他のウィルスたとえばHBV(B
型肝炎ウィルス)などに比して血中ウィルス量が低い
事、および生体外(in vitro)で、または動物
などを宿主としてウィルスを増殖させることが出来ない
ため、ウィルス粒子(ウィルス抗原)を直接検出する方
法を確立することが困難であった。そのためウィルス抗
原を検出する代わりにPCR(ポリメレースチェーンリ
アクション)法(Science 230:1350−
1354,1985)や分岐鎖DNAプローブ法によ
り、ウィルスゲノムRNAを検出する方法が開発され
た。しかしウィルスゲノムを検出する方法は、ウィルス
抗原を検出する方法と比較していくつかの問題点があ
る。
【0006】まず検出する物質がRNAであるため保存
安定性が低いため、血清の凍結融解操作により定量値が
低下するなどの問題が指摘されている。そのため従来の
血清検査法よりも検体の保存に留意する必要が生じる。
また検体の輸送の際にも細心の注意をはらう必要が有
る。
【0007】例えばPCR法を用いた検査法は、遺伝子
断片を検出するには最も高感度な検出方法であるが、検
体中からHCVゲノムRNAを抽出する際、またゲノム
RNAから鋳型DNAへの逆転写の際にロスを生じやす
く安定した定量値を得るためには熟練を要すること、ま
た増幅を行うことが重要な原理であるために、コンタミ
ネーションを起こした際に高頻度に偽陽性を生ずるなど
の問題があり、一度に大量の検体を処理することができ
ない。
【0008】また簡便とされる方法を用いても前処理時
間が2時間以上も必要であり、多数回の遠心操作を含む
など煩雑である。加えて、このように操作が繁雑である
ために、コンタミネーションの機会が増え、偽陽性検体
の生じる可能性を増加させている。一方分岐鎖DNAプ
ローブ法は検出感度が低く、結果が得られるまで約20
時間を要し(医学と薬学 31:961−970,19
94)、感度、操作時間という点で課題が残されてい
る。
【0009】上記のウィルスゲノムを検出する方法の問
題点を解決するために、ウィルス抗原を直接検出する方
法も開発された。特開平8−29427に示されている
ように、HCVのコア抗原に対して特異性を有するモノ
クローナル抗体を用いて、血清中のコア抗原を検出する
方法が開発された。本報は田中等(Jounal of
Hepatology 23:742−745,19
95)および河合等(医学と薬学 36:1065−1
070,1996)に報告されているように血清中に存
在するコア抗原を検出することにより、上記のウィルス
ゲノムを検出する方法同様に臨床的有用性を持つことが
示されている。しかしながらウィルスゲノム検出法と同
様にいくつかの点で大きな問題が残されている。
【0010】一点はPCR法と比較して感度が低いた
め、血清スクリーニングの最終検査に用いることが出来
ないことである。田中等は(Jounal of He
patology 23:742−745,199
5),HCV RNA量として、104 〜105 コピー
/ml間が検出限界であることを示しており、河合等は
(医学と薬学 36:1065−1070,199
6)、最も感度が高い検出方法であるCRT(コペテテ
ブリバーストランスクリプション)−PCR法でRNA
陽性に分類されるC型慢性肝炎患者102例の治療前血
清において、67%の陽性率であることを報告してい
る。すなわち、感度の高いCRT−PCR法と比較した
場合に感度の面で大きく劣っている。
【0011】さらに測定のための検体処理の工程が繁雑
であり、かつ時間がかかることがスクリーニングなどの
用途に用いようとした際に問題となる。すなわち検体
(血清)の処理のために、ウィルス粒子の濃縮と血清成
分の除去のためのポリエチレングリコール(PEG)処
理(4℃1時間)、遠心操作(15分間)、上清の除
去、尿素処理、アルカリ処理(37℃30分間)、中和
剤添加といった多段階処理工程を必要とする。また強固
に形成され、PEGにより粘性を増した沈殿の尿素処理
による分散工程は、非常に熟練を要する作業である。そ
のため、再現性を得るためには熟練が必要であり、また
最低約2時間の処理時間が必要である。さらに遠心操
作、上清除去等の工程があるために、自動化および同時
大量処理を困難にしており、操作面においてもスクリー
ニングなどの大量処理を必要とする用途に適していな
い。
【0012】一方ウィルス抗原検出系は、以下の点で高
感度PCR法と比較して優れている点がある。すなわち
検出過程で過度の増幅処理操作が加わらないため、コン
タミネーションに対し、極めて寛容である。またRNA
のように不安定な物質を検出するのではなく、比較的安
定な物質である抗原蛋白質を検出することから、検体の
保存に過度の注意をはらう必要がなく、PCR検体に求
められる超低温槽のような特別な機器を用いる必要もな
く、また検体の輸送も容易になる。
【0013】これらの特長は例えば血液事業や、健康診
断の様に、多数の検体を測定する用途には必須の要件で
ある。しかしながら、既に指摘したように、開示されて
いるコア抗原検出法は、前処理が煩雑で自動化に適して
いない、感度が低く例えば血液事業などの感度が求めら
れる様な用途におけるゴールデンスタンダードにはなり
得ないなどの理由により、多数の検体を扱ういわゆるス
クリーニング用途に用いることが出来ず、PCR法に対
して優れている点を活かすことが出来ていない。また、
臨床的に有用性が高い測定方法は、常に感度、特異性、
再現性、操作性、低コストを課題とし、これらを全て満
たすように鋭意開発していく必要性がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血液
事業や、健康診断のような、いわゆるスクリーニング用
途のごとく多数の検体を処理するのに適したHCV抗原
検出法を提供することである。すなわちPCR法と比較
し同等の感度、特異度を持ち、前処理を簡便化すること
により、容易に自動化などの大量処理システムに適用可
能なHCV抗原検出及び定量する系を提供することであ
る。さらに、HCVと同様の構造を持つウィルス抗原の
検出及び定量する系を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】HCVは血中濃度が10
2 〜106 コピー/mlであり、HBV(109 コピー/
ml)と比較し低いことから、ウィルス抗原を検出するた
めには極めて高い感度を必要とする。一般に抗体をプロ
ーブとする免疫学的な手法に代表される検出方法に於
て、検出感度を増加させる方法としては、I)検出する
抗原分子の分子数を上昇させる、II)抗原に結合するプ
ローブ、例えば抗体の分子数を上昇させる、III)検出感
度の下限を規定するプローブ、例えば抗体と抗原以外の
物質との結合などに起因する非特異反応を減少させる、
IV)検出に用いる標識物の検出感度を増加させる方法が
考えられ、これらの方法を組み合わせることにより感度
を上昇させることが可能となる。
【0016】抗原分子数を増加させる方法としては、I
−1)検体の量を増加させる事が最も容易に考えられる
ことであるが、一般的に用いられている反応系(例えば
96wellイムノプレート)では最大添加可能な容量
は300μl程度であり自ずと上限が規定されるので、
I−2)濃縮により反応系に加える分子数を増加させる
方法が用いられる。
【0017】抗原に結合する検出のためのプローブ、例
えば抗体の分子数を上昇させるためには、II−1)複数
のプローブ、例えば抗体を用いることにより認識エピト
ープの数を増加させる、II−2)プローブ、例えば抗体
と抗原との親和性(アフィニティー及びアビディティ
ー)を上昇させることにより、単位時間あたりに結合す
る抗体の数を増加させる事が容易に考えつく手法であ
る。ここで抗原とプローブ、例えば抗体の親和性を向上
させる方法としては、反応系の緩衝液の組成を変化させ
る方法、プローブを改変する方法、これらの組み合わせ
が考えられる。II−3)ビーズや磁性粒子などの表面積
の広い担体に多量に抗体を結合させることによって、限
られた量の抗原との反応面積を広くすることにより、多
くの抗原を捕獲することも考えられる。
【0018】また感染症の場合は検体中に抗原と結合す
る高い親和性を示すヒト抗体が存在することが予想さ
れ、これらの抗体のエピトープが検出に用いるプロー
ブ、例えば抗体のエピトープと重なることにより競合反
応が起こり検出に用いる抗体数の減少につながることが
予想されるため、この検体中の反応を阻害する抗体を除
く事により抗原に結合する検出のための抗体の分子数を
増加させる事につながる(II−4)。
【0019】非特異反応を減少させる方法を一般化する
ことは困難であるが、III −1)緩衝液組成を変化させ
ることによりプローブ、例えば抗体の抗原との親和性
(アフィニティー及びアビディティー)を上昇させるこ
とにより非特異反応を軽減させる、III −2)非特異反
応の原因物質を除去するなどの方策が考えられる。標識
物の検出感度を上昇させる方法としては、IV−1)検出
感度の高い標識物(放射性同位元素など)を用いる、IV
−2)酵素や触媒を標識物に用いることにより信号を増
幅させる、IV−3)酵素基質をより感度の高い基質に改
変する、IV−4)酵素反応、化学反応の基質のシグナル
を化学的、または電気的、機械的に増幅させる、IV−
5)抗体当たりの標識物の数を増加させる、IV−6)シ
グナルの検出に用いる機器の感度を上昇させるなどの方
法が考えられる。
【0020】開示されているHCVコア抗原検出法の前
処理法の工程を解析すると、検体にポリエチレングリコ
ールを加えた後に遠心操作によりHCVを沈殿として回
収することにより抗原を濃縮する(I−2)ことと同時
に血清成分の一部を除去する(II−2)工程を行った
後、尿素とアルカリ剤を含む溶液に再懸濁することによ
り検体中に存在するヒト抗体を不活化し(II−3)HC
Vからコア抗原を遊離させさせる工程、非イオン性界面
活性剤(Triton−X100)と中和剤を含む溶液
を加えることにより、モノクローナル抗体と反応させる
溶液にする工程から成り立っている。
【0021】既に上記に指摘したように遠心操作、沈殿
の再懸濁操作が操作上煩雑な過程であり、熟練度を必要
とする過程である。従って本発明の達成目標は、これら
の操作上の問題点を解決したコア抗原検出系である。H
CVそれ自体はいまだその姿が明らかとなっていない
が、そのゲノム構造、類縁のウィルス粒子の構造、一般
的なウィルスに関する情報から、HCV粒子はゲノムR
NAがコア抗原によりパッキングされ、それを取り囲む
ように脂質膜にアンカリングしているE1,E2/NS
1抗原からなる外被蛋白質によって囲まれた状態で存在
するものと推定される。
【0022】そのためコア抗原を検出するためには外被
を取り除き、コア抗原の検出に用いるプローブ、例えば
抗体が結合できるようにする必要がある。またウィルス
粒子は血中ではLDL(低密度リポ蛋白質)などに囲ま
れた複合構造をしていることが報告されており、さらに
外被蛋白質に対する抗体も存在することから、ウィルス
粒子と抗外被蛋白質抗体との免疫複合体としても存在す
ることが予想される。すなわち検出する抗原の分子数を
増加させるためには、ウィルス粒子から効率よく外被や
ウィルス粒子を取り囲む夾雑物を取り除き、かつコア抗
原分子を効率よく遊離させることが最も重要である。
【0023】従って、本発明が提供する要件の一つは、
検体(血清)中のHCVコア抗原を、遠心分離のような
煩雑な操作によって濃縮することなく、プローブを用い
た検出に適した状態にさせる処理方法にある。さらに上
記のように検体中には検出に用いるプローブ、例えば抗
体と結合を競合するヒト抗体が高力価で存在するため、
これを取り除く操作が、感度上昇のために重要である。
従って本発明の重要な要件の一つは、検体中のHCVコ
ア抗原を簡易に遊離させる処理方法によって、検体中に
存在するヒト抗体をも同時に不活化させる処理方法にあ
る。
【0024】本発明によって示される処理方法を用いる
ことにより、検体中に存在するHCVコア抗原は、プロ
ーブ、例えば抗体との免疫複合体を形成するのに適した
状態でウィルス粒子または免疫複合体から遊離し、同時
に検出反応を阻害する検体中に存在するヒト抗体をも同
時に不活化させることにより、例えば抗体のようなプロ
ーブを用いた免疫測定法によって容易にかつ感度高く検
出することが可能となる。
【0025】検出に用いるプローブ、例えば抗体はHC
Vのコア抗原に特異的に結合するもので有り、一定の高
い親和性を示し、反応系に加えた際に非特異反応などを
誘発しないようなものであればかまわないが、一次反応
に用いるプローブの一つはHCVコア抗原のN端側を認
識し結合できるものが含まれていることが好ましい。こ
こでコア抗原のN端側とは、配列番号2に示す配列の1
0番目から70番目の配列、もしくはその一部をいう。
さらにここにコア抗原のC端側に対するプローブが含ま
れていても良い。ここでコア抗原のC端側とは、配列番
号2に示す配列81番目から160番目の配列、もしく
はその一部をいう。
【0026】ここでプローブとは、マウス、ウサギ、ニ
ワトリ、ヤギ、ヒツジ、ウシなどの実験動物を免疫して
得られるポリクローナル抗体、免疫した個体から、脾臓
細胞を分離し、ミエローマ細胞と融合させることによっ
て得られるハイブリドーマの産生するモノクローナル抗
体、または脾臓細胞、血中白血球をEBウィルスによっ
て不死化させた細胞の産生するモノクローナル抗体、H
CVに感染しているヒト、チンパンジーなどが産生して
いるモノクローナル抗体、マウス、ヒトなどのイムノグ
ロブリンのcDNA、染色体DNAから得られる可変領
域遺伝子断片、またはイムノグロブリンのcDNA、染
色体DNAの一部と人工的に作製した配列とを組み合わ
せることによって構成される可変領域遺伝子断片、人工
的な遺伝子配列を用いて構成される可変領域遺伝子断
片、またはこれらを材料に遺伝子組換え手法によって作
製される可変領域遺伝子断片を、イムノグロブリン定常
領域遺伝子断片を組み合わせることによって構成される
組換え抗体遺伝子によって形質転換された細胞が産生す
る組換え抗体、上記の可変領域遺伝子断片と例えばバク
テリオファージの構造蛋白質と融合させて作られるファ
ージ抗体、上記の可変聴域遺伝子断片を他の適用な遺伝
子断片例えばmyc遺伝子の一部などと組み合わせるこ
とにより構成される組換え抗体遺伝子によって形質転換
された細胞が産生する組換え抗体、トリプシン分子に可
変領域を人工的に導入することによって産生されるプロ
ーブ、レセプターなどの蛋白質に特異的に結合する分子
を人工的に改変することによって得られるプローブ、そ
の他コンビナトリアルケミストリー技術によって作製さ
れたプローブなど、コア抗原に高い特異性、親和性を示
す分子であればそれを用いることが出来る。
【0027】さらに、本発明はHCVコア抗原を含む検
体から、HCVコア抗原とプローブ、例えば抗体との免
疫複合体を形成するのに適した状態にするため、ウィル
ス粒子または免疫複合体から遊離し、同時に検出反応を
阻害する検体中に存在するヒト抗体をも同時に不活性化
させる処理剤によって検体を処理する工程、遊離したコ
ア抗原を例えば抗体のようなプローブを用いた免疫測定
法によって検出並びに定量するアッセイ方法、並びに検
査キットを提供する。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明によって示される検体処理剤と処理方法 本発明における検体には、全血、血漿、血清、尿、唾
液、脳脊髄液などの生物学的体液、および肝組織などが
含まれる。本発明においては、検体を煩雑な操作なく、
プローブ例えばモノクローナル抗体と結合反応させるの
に適した状態に検体中のコア抗原を処理する方法が最も
重要な要件である。すなわち、抗原分子数を増加させる
ために、ウィルス粒子中などに含まれるコア抗原を効率
よく遊離させることが重要になる。
【0029】HCVの外被蛋白質などの膜タンパク質な
どは、何らかの処理をしない限り水に溶けることはな
い。このような疎水性部分をその一部に持つ蛋白質を水
に溶かすには、界面活性剤を用い、疎水性部分を親水性
に変換させることによる方法がよく知られているが、グ
アニジン塩酸などのある種の塩はこのような難溶性の蛋
白質を水に溶けやすくさせる性質を持っていることが知
られている。このような性質を示す塩(カオトロピック
剤)から生じるイオンはカオトロピックイオンと呼ばれ
ており、陰イオンとしてはグアニジンイオン、チオシア
ン酸イオン、ヨウ素イオン、過ヨウ素酸イオン、可塩素
酸イオンなどが知られており、これらのイオンを生ずる
塩が難溶性蛋白質の可溶化に用いられている。カオトロ
ピックイオンは、ウィルス粒子から抗原が効率よく遊離
させる機能を持つことが予測された。
【0030】しかしながら、このようなカオトロピック
イオンを加えると蛋白質の2次構造が部分的に破壊され
るため、その結果としてエピトープ構造が失われる。そ
のためカオトロピックイオン存在下でそのままプロー
ブ、例えば抗体との免疫複合体形成反応に加えると、抗
体の結合が弱められ、感度が低下するので、大きな問題
点となると考えられる。
【0031】その一方でカオトロピックイオンの変性作
用は可逆的である場合が多く、透析や希釈によりイオン
強度を弱めることにより一時的に変性した構造が元に戻
る場合がある。このことは、グアニジンなどのカオトロ
ピックイオンによる処理剤を用いた場合のもう一つの問
題点を示している。つまり本発明の目標とする処理方法
には、検体中に存在するウィルス粒子などに含まれる抗
原を効率よく遊離させることのみならず、同時に検体中
に存在する抗原に結合する高力価抗体をも失活させる必
要がある。すなわち、カオトロピックイオンによる可溶
化では、検体中に存在する高力価抗体の失活が不十分
で、この抗体の影響により感度が低くなることが考えら
れる。
【0032】そのためカオトロピックイオンを用いた処
理方法は2つの相反する課題を内包している。つまりカ
オトロピックイオンにより構造を壊すような条件では抗
原抗体反応が阻害される、その一方でカオトロピックイ
オンの効果のみでは検体中の反応を阻害する抗体の不活
性化が不十分であり、抗原抗体反応を阻害しない様な状
況にした場合、夾雑抗体により反応が阻害される。すな
わちこの相反する課題を解決するためには、抗原のエピ
トープ構造は可逆的に破壊され、検体中の夾雑抗体の機
能破壊が不可逆的に起こるような条件を見いだす必要が
ある。
【0033】抗体の活性を失活させる条件は、アルカリ
処理、酸処理などが知られている。血清を酸処理する
と、一部の血清蛋白質は非可逆的に変性し沈殿を生じる
ため、検体処理後の例えばピペッティング操作の障害に
なることが多く、また測定の際に固相に変性蛋白質を巻
き込んだ沈殿が吸着し、濁度として検出されることもあ
り、擬陽性の原因ともなりえる。加えて、それらの沈殿
物の中に、非特異的に目的とする抗原が巻き込まれ、プ
ローブとの反応量の減少による感度低下につながるなど
の問題点も生じる。
【0034】本発明者は、酸処理とグアニジン処理を組
み合わせることにより、沈殿物の形成などの酸処理の問
題点、グアニジン処理の相反する問題点が解消されるこ
とを見いだし本発明を完成させるに至った。また、グア
ニジンなどのカオトロピックイオンを生じる処理剤と酸
性化剤からなる処理剤に、界面活性剤を加えると、さら
に好ましいことも見いだした。酸性化剤としては、塩
酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロル酢酸な
どが、適当である。
【0035】また、界面活性剤としては、CHAPS
(3−〔3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕
−1−プロパンスルホン酸),CHAPSO(3−〔コ
ラミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−2−ヒドロキ
シ−1−プロパンスルホン酸)、ドデシル−N−ベタイ
ンなどの両イオン性界面活性剤や、TritonX10
0などのポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエー
テル類、NP40などのポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル類、Tween20などのポリオキシエチ
レンソルビトールエステル類、Brij58のようなポ
リオキシエチレンドデシルエーテル類、オクチルグルコ
シドといった非イオン性界面活性剤が適当である。さら
にここに尿素などの水素イオン結合を弱めることにより
蛋白質の高次構造を部分的に壊す様な作用を示す薬剤を
加えてもよい。
【0036】特に、塩酸グアニジン濃度は2M以上で、
TritonX100濃度は2%以上で、Tween2
0濃度は0.02%以上で、4℃から45℃の範囲で使
用することがより好ましい。本発明の処理方法を用いる
ことにより、HCVと同様の構造を持つウィルス粒子を
含む検体から、ウィルス抗原を、抗体などをプローブと
して用いるいわゆる免疫測定方法に適した状態に遊離さ
せることが出来ることは明らかである。ここでHCVと
同様の構造を持つウィルスとは、ゲノムRNA,DNA
をパッキングする蛋白質と、それを取り囲む膜タンパク
質と脂質膜から構成される構造を持つウィルス粒子を形
成するウィルスであり、例えばHCVの類縁のウィルス
であるフラビウィルス類、ヒト免疫不全ウィルス(HI
V)などのレトロウィルスなどが含まれる。さらにゲノ
ムとしてDNAを持つものであっても同様の構造を持つ
ものが含まれる。
【0037】本発明によって示されるプローブとしての
モノクローナル抗体 本発明でいうHCVの構造蛋白質遺伝子断片とは、HC
Vの構造蛋白質遺伝子のコア領域を含む遺伝子断片であ
り、少なくともHCVのN末端の1番目から160番目
のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする塩基配
列を有するDNA断片である。具体的には、配列番号2
のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む遺伝子断片
である。
【0038】本発明でいうHCV抗原活性を有するポリ
ペプチドとは、抗HCV抗体と免疫学的に反応する融合
ポリペプチドもしくはポリペプチドを意味し、本発明の
ハイブリドーマならびにそれから得られるモノクローナ
ル抗体の作製に利用するための抗原として用いる。具体
的には、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCV抗原活
性を有する融合ポリペプチドもしくは配列番号1のアミ
ノ酸配列の一部を含むHCV抗原活性を有するポリペプ
チドであり、そのN末端あるいはC末端に余分なアミノ
酸配列が付加されたものであってもよい。
【0039】本発明の上記融合ポリペプチドならびに配
列番号3〜5に示されるアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドに対するモノクローナル抗体類は、当業者により
容易に作製することができる。ハイブリドーマによるモ
ノクローナル抗体の作製は良く知られている。例えばB
ALB/cマウスなどの腹腔内あるいは皮内に、上記融
合ポリペプチドもしくはポリペプチド(以下、本抗原)
を単独もしくはBSA,KIHなどと結合させた抗原と
して、単純あるいはフロイント完全アジュバント等のア
ジュバントと混合して定期的に免疫する。血中の抗体価
が上昇した時点で、追加免疫として本抗原を尾静脈内に
投与し、無菌的に脾臓を摘出した後、適当なマウス骨髄
腫細胞株と細胞融合し、ハイブリドーマを得る。本方法
は、KohlerとMilsteinの方法(Natu
re 256:495−497,1975)に従って行
なうことができる。
【0040】上記方法により得られたハイブリドーマ細
胞株を適当な培養液中で培養し、その後、本抗原に対し
て特異的な反応を示す抗体を産生するハイブリドーマ細
胞株を選択してクローン化する。抗体産生ハイブリドー
マのクローニングには限界希釈法のほか軟寒天法(Eu
r J Immunol.6:511−519,197
6)などを利用することができる。そして、産生された
モノクローナル抗体をプロテインAなどを用いたカラム
クロマトグラフィーなどの方法により精製する。上記の
モノクローナル抗体以外にもプローブとして用いる分子
は作製することが出来る。例えば組換え抗体について
は、Hoogenboonの総説などに詳しく記載され
ている(Trends in Biotechnolo
gy,15:62−70,1997)。
【0041】プローブを用いた検出系 本発明に従って調製されたモノクローナル抗体は、HC
Vコア抗原の検出および定量用に、エンザイム−リンク
イムノソルベントアッセイ(ELISA)、酵素イムノ
ドットアッセイ、ラジオイムノアッセイ、凝集に基づい
たアッセイ、あるいは他のよく知られているイムノアッ
セイ法で検査試薬として用いることができる。また、検
出に標識化抗体が使用される場合は、標識化合物として
は例えば蛍光物質、化学発光物質、放射性物質、酵素、
染色物質などが使用される。
【0042】例えば、検体(血清)中のHCVコア抗原
を検出するためにサンドイッチ反応系を原理とした方法
を用いる場合、使用すべき診断キットは、固体支持体
(例えばマイクロタイターウェルの内壁)に被覆された
本発明の1種類以上のモノクローナル抗体および標識物
質と結合させた1種類以上のモノクローナル抗体または
そのフラグメントを含む。固体支持体に固相化するモノ
クローナル抗体および標識するモノクローナル抗体の組
み合わせは自由であり、高感度の得られる組み合わせを
選択できる。
【0043】使用できる固体支持体としてはポリスチレ
ンやポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリビニール
製のマイクロタイタープレート、試験管、キャピラリ
ー、ビーズ(ラテックス粒子や赤血球、金属化合物な
ど)、膜(リポソームなど)、フィルターなどが挙げら
れる。
【0044】
【発明の効果】本発明により示される方法により、抗体
などをプローブとして抗原を検出するいわゆる免疫測定
方法に適した状態に、HCVなどのウィルス粒子から簡
便にウィルス抗原を遊離させることが可能となる。また
本発明によって示される方法によってHCVなどのウィ
ルス粒子を含む検体を処理することにより、抗体などを
プローブとして抗原を検出するいわゆる免疫測定方法に
より、ウィルス抗原を簡便にかつ感度よく検出、及び定
量することが可能となる。また本発明によって示される
検体処理方法を用いた免疫測定方法を用いた、検体中の
HCVなどのウィルスの有無を判別するキット、定量す
るキット及び診断薬を作製することが可能となる。
【0045】
【実施例】以下の実施例は本発明を例証するものである
が、これによって本発明の範囲を制限するものではな
い。実施例1.HCV由来ポリペプチドの発現および精製 (A)発現プラスミドの構築 HCVのコア領域に相当する発現プラスミドは以下の方
法で構築した。C11−C21クローンおよびC10−
E12クローン(特開平6−38765)をpUC11
9に組み込んで得られたプラスミドpUC・C11−C
12およびpUC・C10−E12の各DNA1μgを
制限酵素反応液20μl〔50mM Tris−HCl
(pH7.5),10mM MgCl2,1mM ジチオスレ
イトール、100mM NaCl,15単位のEooRI
および15単位のClaI酵素〕中、および〔10mM
Tris−HCl(pH7.5),10mM MgCl2,
1mMジチオスレイトール、50mM NaCl,15単位
のClaIおよび15単位のKpnI酵素〕中で各々3
7℃1時間消化し、その後0.8%アガロースゲル電気
泳動を行ない、約380bpのEooRI−ClaI断片
および約920bpのClaI−KpnI断片を精製し
た。
【0046】この2つのDNA断片とpUC119をE
ooRIおよびKpnIで消化したベクターに10×リ
ガーゼ用緩衝液〔660mM Tris−HCl(pH7.
5),66mM MgCl2,100mMジチオスレトー
ル、1mM ATP〕5μl,T4リガーゼ 1μl(3
50単位/μl)に水を加えて50μlとし、16℃で
一晩保温し、連結反応を行なった。このプラスミドを用
い大腸菌JM109を形質転換させ、プラスミドpUC
・C21−E12を得た。
【0047】このプラスミドpUC・C21−E12
DNA1ngを2つのプライマー(5′−GAATTCA
TGGGCACGAATCCTAAA−3′(配列番
号:6),5′−TTAGTCCTCCAGAACCC
GGAC−3′(配列番号:7)を用いPCRを行なっ
た。PCRはGeneAmpTM (DNA Amplification Reagent K
it, Perkin Elmer Cetus製)のキットを用いDNA変性
95℃15分、アニーリング50℃2分、DNA合成7
0℃3分の条件で行ない、得られたDNA断片を0.8
%アガロースゲル電気泳動により分離し、グラスパウダ
ー法(GeneClean)で精製した。
【0048】一方、pUC19を制限酵素SmaIで消
化し、PCR法によって得られたDNA断片を10×リ
ガーゼ用緩衝液〔660mM Tris−HCl(pH7.
5),66mM MgCl2,100mMジチオスレトー
ル、1mM ATP〕5μl,T4リガーゼ 1μl(3
50単位/μl)に水を加えて50μlとし、16℃で
一晩保温し、連結反応を行なった。このプラスミドを用
い大腸菌JM109を形質転換させ、プラスミドpUC
l9・C21−E12・SmaIを得た。このプラスミ
ドDNA1μgを制限酵素反応液20μl〔150mM
NaCl,6mMTris−HCl(pH7.5),6mM
MgCl2,15単位のEooRIおよび15単位のB
amHI酵素〕中で37℃1時間消化反応を行ない、そ
の後0.8%アガロースゲル電気泳動を行ない、約49
0bpのEooRI−BamHI断片を分離し、これをグ
ラスパウダー法で精製した。
【0049】次に発現ベクターであるTrp・TrpE
(特開平5−84085)のDNA1μgを制限酵素反
応液20μl〔150mM NaCl,6mM Tris−
HCl(pH7.5),6mM MgCl2,15単位のE
ooRIおよび15単位のBamHI酵素〕中で37℃
で1時間消化し、その反応液に水39μlを加え、70
℃で5分間熱処理した後にバクテリアアルカリ性ホスフ
ァターゼ(BAP)1μl(250単位/μl)を加え
て37℃で1時間保温した。
【0050】この反応液にフェノールを加えてフェノー
ル抽出を行ない、得られた水層をエタノール沈殿し、沈
殿物を乾燥した。得られたEooRI−BamHI処理
ベクターDNA1μgと上述のコア160断片を10×
リガーゼ用緩衝液〔660mMTris−HCl(pH7.
5),66mM MgCl2,100mMジチオスレトー
ル、1mM ATP〕5μl,T4リガーゼ 1μl(3
50単位/μl)に水を加えて50μlとし、16℃で
一晩保温し、連結反応を行なった。
【0051】この反応液の10μlを用いて大腸菌HB
101株を形質転換した。形質転換に用いる感受性大腸
菌株は塩化カルシウム法〔Mandel, M.とHiga, A., J. M
ol.Biol., 53, 159-162 (1970) 〕により作られる。形
質転換大腸菌を25μg/mlのアンピシリンを含むLB
プレート(1%トリプトン、0.5%NaCl,1.5
%寒天)上に塗布し、37℃に一晩保温した。プレート
上に生じた菌のコロニーを1白金耳取り、25μg/ml
のアンピシリンを含むLB培地に移し、一晩37℃で培
養した。
【0052】1.5mlの菌培養液を遠心して集菌し、プ
ラスミドDNAのミニプレパレーションをアルカリ法
〔Manniatis ら、Molecular Cloning: A Laboratory Ma
nual,(1982)〕により行なった。得られたプラスミド
DNA1μgを制限酵素反応液20μl〔150mM N
aCl,6mM Tris−HCl(pH7.5),6mMM
gCl2,15単位のEooRIおよび15単位のBa
mHI酵素〕中で37℃1時間消化し、アガロースゲル
電気泳動を行なって、約490bpのEooRI−Bam
HI断片が生じるTrp・TreEコア160発現プラ
スミドを選別した。
【0053】(B)クローンコア160でコードされる
ポリペプチドの発現および精製 発現プラスミドTrp・TrpEコア160をもつ大腸
菌HB101株を50μg/mlのアンピシリンを含む3
mlの2YT培地(1.6%トリプトン、1%酵母エキ
ス、0.5%NaCl)に接種し、37℃で9時間培養
する。この培養液1mlを50μg/mlのアンピシリンを
含む100mlのM9−CA培地(0.6%NA2 HPO
4 ,0.5%KH2 PO4 ,0.5%NaCl,0.1
%NH4Cl,0.1mM CaCl2,2mM MgSO
4,0.5%カザミノ酸、0.2%グルコース)に植え
継ぎ、37℃で培養した。OD600=0.3の時に終
濃度40mg/lになるようにインドールアクリル酸を加
え、さらに16時間培養した。この培養液を遠心分離し
て菌体を集めた。
【0054】菌体に20mlの緩衝液A〔50mM Tri
s−HCl(pH8.0),1mM EDTA,30mM N
aCl〕を加えて懸濁し、再び遠心分離を行なって発現
菌体2.6gを得た。得られた菌体を緩衝液A 10ml
中に懸濁し、超音波破砕により大腸菌膜を破砕した後に
遠心分離を行ない、HCV cDNAでコードされるポ
リペプチドとTrpEの融合ポリペプチドを含む不溶性
画分を得た。その画分を10mlの6M尿素を含む緩衝液
Aを加えて融合ポリペプチドを可溶化抽出した。可溶化
した抽出物をS−Sepharoseを用いたイオン交
換カラムクロマトグラフィーにかけて、融合ポリペプチ
ドの精製を行なった。
【0055】実施例2.ハイブリドーマの作製法 前記方法により調製した融合ポリペプチド(TrpC1
1)を6M尿素溶解後、0.15M NaClを含む1
0mMリン酸緩衝液(pH7.3)に終濃度が0.2〜1.
0mg/mlとなるように希釈し、等量のアジュバント(タ
イターマックス)と混和し、TrpC11懸濁液とし
た。TrpC11濃度が0.1〜0.5mg/mlとなるよ
うに調製した該懸濁液を4〜6週令のBALB/c系マ
ウスに腹腔内投与した。2週間ごとに同様の免疫をおこ
ないさらに約2週間後、生理食塩に溶解したTrpC1
1 10μgを尾静脈内に投与した。
【0056】最終追加免疫後3日目に、この免疫動物よ
り無菌的に脾臓を摘出し、ハサミで切片としてさらにメ
ッシュを用いて脾臓を個々の細胞にほぐし、RPMI−
1640培地で3回洗浄した。対数増殖期のマウス骨髄
腫細胞株sp2/0Ag14を前記と同様に洗浄後、該
細胞1.8×107個と脾臓細胞1.0×108 個を5
0ml容の遠心管に入れ混合した。200×g、5分間遠
心分離を行ない、上清を除去し、37℃に保温した50
%ポリエチレングリコール(PEG)4000(メルク
社製)を含むRPMI−1640培地1mlを加えさらに
RPMI−1640培地10mlを加えて細胞融合させ
た。
【0057】融合細胞は、遠心分離(200×g、5分
間)によってPEGを除いた後、96ウエルプレートを
用いて、10%ウシ胎児血清ヒポキサンチン、アミノプ
テリンおよびチミジン(以下、HATと省略)を含むR
PMI−1640培地中で約10日間培養してハイブリ
ドーマのみを増殖させた。その後、目的の抗体を産生す
るクローンをELISA法により検索し、所望の反応特
異性を有する本発明のモノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマを得た。
【0058】得られたハイブリドーマについて、常法の
限界希釈法に従い、単一クローン化を行ない、得られた
ハイブリドーマをHC11−14、HC11−10、お
よびHC11−11と命名した。該3種類のハイブリド
ーマに関しては、生命工学工業技術研究所に平成7年7
月4日付で、それぞれ、FERM BP−6006,F
ERM BP−6004及びFERM BP−6005
として寄託された。
【0059】実施例3.モノクローナル抗体の作製法 実施例2に記載の方法により得られたハイブリドーマを
プリスタン等で処理したマウス腹腔に移植し、腹水中に
産生されてくるモノクローナル抗体を取得した。該モノ
クローナル抗体の精製は、プロテインAを結合させたセ
ファロースカラムによりIgGフラクションを分離し
た。前記3種類のハイブリドーマから産生されたそれぞ
れのモノクローナル抗体、C11−14,C11−10
およびC11−11のアイソタイプは、ウサギ抗マウス
Ig各アイソタイプ抗体(Zymed社製)を用いたイ
ムノアッセイにより、C11−10がIgG2a,C1
1−14,C11−11がIgG1であることが明らか
となった。得られた3種類のモノクローナル抗体につい
て、HCVコア領域由来の配列によって合成した20ア
ミノ酸からなる合成ペプチドを用いてエピトープ解析を
行なった結果、表1に示す如くコア領域の一部を特異的
に認識するモノクローナル抗体であることがわかった。
【0060】
【表1】
【0061】実施例4.検体処理条件検討 処理条件検討 1)塩酸グアニジン濃度検討 健常人血清およびHCV−RNA陽性パネル血清100
μlに、種々の濃度に溶解した塩酸グアニジンと0.5
NHClを含む処理液を100μl添加した。室温で3
0分間処理をおこない、その80μlを測定試料とし
た。以下に記す測定法による結果を、横軸に処理反応時
の塩酸グアニジン濃度をとり、図1に示した。
【0062】2)TritonX100濃度検討 健常人血清およびHCV−RNA陽性パネル血清100
μlに、種々の濃度に溶解したTritonX100含
む処理液(6M塩酸グアニジン、0.5N HCl)を
100μl添加した。室温で30分間処理をおこない、
その80μlを測定試料とした。以下に記す測定法によ
る結果を、横軸に処理反応時のTritonX100濃
度をとり、図2に示した。
【0063】3)Tween20濃度検討 健常人血清およびHCV−RNA陽性パネル血清100
μlに、種々の濃度に溶解したTritonX100含
む処理液(6M塩酸グアニジン、0.5N HCl,1
2.5%TritonX100)を100μl添加し
た。室温で30分間処理をおこない、その80μlを測
定試料とした。以下に記す測定法による結果を、横軸に
処理反応時のTween20濃度をとり、図3に示し
た。
【0064】4)反応温度検討 健常人血清およびHCV−RNA陽性パネル血清100
μlに、処理液(6M塩酸グアニジン、0.5NHC
l,12.5%TritonX100,0.75%Tw
een20)を100μl添加した。4℃、室温(23
℃)、37℃、45℃で30分間処理をおこない、その
80μlを測定試料とした。以下に記す測定法を用いて
検討した結果を図4に示した。
【0065】測定法 上記の各々の血清処理法によって得られた試料は、以下
の測定法を用いて評価した。すなわち、抗HCVコア抗
原モノクローナル抗体(抗体C11−14とC11−1
1の等量混合)を終濃度が計6μg/mlになるように
0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)で希釈し、96ウエル
マイクロプレート(ヌンク社製)1ウエルにつき100
μlずつ分注した。4℃で一晩静置後、0.15M N
aClを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
3)0.35mlを用いて2回洗浄し、0.5%カゼイン
−Naを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3
5)、(以下ブロッキング液)0.35mlを添加し、さ
らに室温で2時間静置した。
【0066】ブロッキング液除去後、0.15M Na
Cl,1%BSA,0.5%カゼイン−Na,0.05
%Tween20を含む100mMリン酸ナトリウム緩衝
液(pH7.3)140μlと1Mトリス20μlを混合
したもの計160μl(以下反応緩衝液とする)と、前
述した処理法で得られた測定試料80μlをそれぞれの
ウエルに加え、室温で2時間反応させ、洗浄液300μ
lで5回洗浄し、さらにペルオキシダーゼ(POD)標
識したモノクローナル抗体(C11−10)100μl
を添加して室温で30分間反応させた。反応後、上記洗
浄液300μlで5回洗浄し、基質(オルトフェニレン
ジアミン、以下OPD)溶液100μlを加え室温で3
0分間反応させた後、2N硫酸溶液100μlを添加
し、波長630nmの吸光度を対照として波長492nmに
おける吸光度(OD492)を測定した。
【0067】図1〜4から、処理条件の最適化が行われ
たが、パネル血清において、未処理検体ではコア抗原の
検出が困難であったが、このような極めて簡易な処理を
行うことによって、劇的にコア抗原の検出が可能となっ
た。いずれの場合でも、健常人ではシグナルの上昇は認
められなかった。また、特に塩酸グアニジン濃度は2M
以上で、TritonX100濃度は2%以上で使用す
ることで、4℃から45℃の範囲で、良好にコア抗原を
検出できることが示された。
【0068】実施例5.コア抗原の検出および測定法 血清100μlに、処理液(6M塩酸グアニジン、0.
5N HCl,12.5%TritonX100,0.
75%Tween20)を100μl添加した。室温で
30分間処理をおこない、その100μlを測定試料と
した。抗HCVコア抗原モノクローナル抗体(C11−
14とC11−11等量混合)を終濃度が計6μg/ml
になるように0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)で希釈
し、96ウエルマイクロプレート(ヌンク社製)1ウエ
ルにつき100μlずつ分注した。
【0069】4℃で一晩静置後、0.15M NaCl
を含む10nMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3)0.
35mlを用いて2回洗浄し、ブロッキング液0.35ml
を添加し、さらに室温で2時間静置した。ブロッキング
液を除去後、反応緩衝液150μlと前述した処理法で
得た測定試料をそれぞれのウエルに加え、室温で2時間
反応させた。
【0070】洗浄液300μlで5回洗浄し、さらにペ
ルオキシダーゼ(POD)標識したモノクローナル抗体
(C11−10)100μlを添加して室温で3分間反
応させた。洗浄液300μlで5回洗浄し、基質(OP
D)溶液100μlを加え室温で45分間反応させた
後、2N硫酸溶液100μlを添加し、波長630nmの
吸光度を対照として波長492nmにおける吸光度(OD
492)を測定した。尚、標準血清として、パネル血清
50を1U/mlとして、1%BSAを含む10mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH7.3)で段階的に希釈したもの
について同様に処理をおこない測定した。
【0071】図5に、標準血清として使用したパネル血
清50の希釈直線を示した。試料中コア抗原が濃度依存
的に測定されており、約0.5mU/mlの検出が可能で
あった。すなわち、本発明の極めて簡易な検体処理法と
モノクローナル抗体を組み合わせて用いることにより、
コア抗原を検出または定量できることが明らかとなっ
た。
【0072】実施例6.血清処理と測定法で認識されて
いる分子形の解析 パネル血清13の0.25mlを各々血清処理法で処理
し、ゲルロカカラム(Superdex200HR,1
x30)で分画し、それらのフラクション中の抗コア免
疫活性を測定し、その結果を図6に示した。分子量約2
0〜30kDaの分子を認識していると考えられ、ウイ
ルス中のコア抗原は前述した前処理によって、ウイルス
破壊および血清中に存在する抗コア抗体の不活化によ
り、様々な相互作用から遊離されていることが示され
た。
【0073】実施例7.血清試料中のコア抗原の測定法 PCR法であるアンプリコアHCVモニターキット(ロ
ッシュ社)を用いてHCV−RNA量が103 〜107
コピー/mlと測定された血清と健常人血清を用い、前述
の方法で、血清中のHCVコア抗原の定量を行なった。
また、標準血清として、パネル50血清(1U/mlと設
定)を1%BSAを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝液
(pH7.3)にて段階的に希釈し、同様に処理したもの
を用い、表2にその測定結果を示した。今回測定した検
体のうち、健常人検体は全て検出限界以下であり、PC
R法陽性例の全てを検出できた。このときの相関性を図
7に示したが、PCR法との相関係数も0.8以上とな
り高い相関性を示した。
【0074】
【表2】
【0075】
【配列表】
(2)配列番号:1: (i)配列の特性: (A)長さ:177 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド Met Lys Ala Ile Phe Val Leu Lys Gly Ser Leu Asp Arg Asp Pro Glu 5 10 15 Phe Met Gly Thr Asn Pro Lys Pro Gln Arg Lys Thr Lys Arg Asn Thr 20 25 30 Asn Arg Arg Pro Gln Asp Val Lys Phe Pro Gly Gly Gly Gln Ile Val 35 40 45 Gly Gly Val Tyr Leu Leu Pro Arg Arg Gly Pro Arg Leu Gly Val Arg 50 55 60 Ala Thr Arg Lys Thr Ser Lys Arg Ser Gln Pro Arg Gly Gly Arg Arg 65 70 75 80 Pro Ile Pro Lys Asp Arg Arg Ser Thr Gly Lys Ser Trp Gly Lys Pro 85 90 95 Gly Tyr Pro Trp Pro Leu Tyr Gly Asn Glu Gly Leu Gly Trp Ala Gly 100 105 110 Trp Leu Leu Ser Pro Arg Gly Ser Arg Pro Ser Trp Gly Pro Thr Asp 115 120 125 Pro Arg His Arg Ser Arg Asn Val Gly Lys Val Ile Asp Thr Leu Thr 130 135 140 Cys Gly Phe Ala Asp Leu Met Gly Tyr Ile Phe Arg Val Gly Ala Phe 145 150 155 160 Leu Gly Gly Ala Ala Arg Ala Leu Ala His Gly Val Arg Val Leu Glu 165 170 175 Asp
【0076】(2)配列番号:2: (i)配列の特性: (A)長さ:160 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド Met Gly Thr Asn Pro Lys Pro Gln Arg Lys Thr Lys Arg Asn Thr Asn 5 10 15 Arg Arg Pro Gln Asp Val Lys Phe Pro Gly Gly Gly Gln Ile Val Gly 20 25 30 Gly Val Tyr Leu Leu Pro Arg Arg Gly Pro Arg Leu Gly Val Arg Ala 35 40 45 Thr Arg Lys Thr Ser Lys Arg Ser Gln Pro Arg Gly Gly Arg Arg Pro 50 55 60 Ile Pro Lys Asp Arg Arg Ser Thr Gly Lys Ser Trp Gly Lys Pro Gly 65 70 75 80 Tyr Pro Trp Pro Leu Tyr Gly Asn Glu Gly Leu Gly Trp Ala Gly Trp 85 90 95 Leu Leu Ser Pro Arg Gly Ser Arg Pro Ser Trp Gly Pro Thr Asp Pro 100 105 110 Arg His Arg Ser Arg Asn Val Gly Lys Val Ile Asp Thr Leu Thr Cys 115 120 125 Gly Phe Ala Asp Leu Met Gly Tyr Ile Phe Arg Val Gly Ala Phe Leu 130 135 140 Gly Gly Ala Ala Arg Ala Leu Ala His Gly Val Arg Val Leu Glu Asp 145 150 155 160
【0077】(2)配列番号:3: (i)配列の特性: (A)長さ:20 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド Asp Val Lys Phe Pro Gly Gly Gly Gln Ile Val Gly Gly Val Tyr Leu 5 10 15 Leu Pro Arg Arg 20
【0078】(2)配列番号:4: (i)配列の特性: (A)長さ:10 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド
【0079】(2)配列番号:5: (i)配列の特性: (A)長さ:21 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド Pro Arg Gly Ser Arg Pro Ser Trp Gly Pro Thr Asp Pro Arg His Arg 5 10 15 Ser Arg Asn Val Gly 20
【図面の簡単な説明】
【図1】検体処理において塩酸グアニジン添加濃度によ
る効果を検討した結果を示す図である。健常人血清(n
ormal)およびHCV−RNA陽性パネル血清1
3,50を使用した。
【図2】検体処理においてTriton X100添加
濃度による効果を検討した結果を示す図である。健常人
血清(normal)およびHCV−RNA陽性パネル
血清13,50を使用した。
【図3】検体処理においてTween20添加濃度によ
る効果を検討した結果を示す図である。健常人血清(n
ormal)およびHCV−RNA陽性パネル血清1
3,50を使用した。
【図4】検体処理中の温度による効果を検討した結果を
示す図である。健常人血清(normal)およびHC
V−RNA陽性パネル血清13,50を使用した。
【図5】標準血清のパネル血清50を1U/mlとして段
階的に希釈し、検体処理した試料をサンドイッチイムノ
アッセイ反応系で測定したときの希釈検量線と検出感度
を示す図である。
【図6】パネル血清13を、検体処理をおこなってか
ら、ゲルロカカラムを用いて分画し、その分画中のコア
抗原活性を測定したものである。分子量は、IgGは約
150kD、アルブミンは約68kDである。
【図7】アンプリコアHCVモニターキットで陽性を示
した検体について、本発明の検体処理後その遊離したコ
ア抗原活性を測定した値とアンプリコアHCVモニター
(PCR法)で求めたHCV−RNA量との相関性を示
す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】得られたハイブリドーマについて、常法の
限界希釈法に従い、単一クローン化を行ない、得られた
ハイブリドーマをHC11−14、HC11−10、お
よびHC11−11と命名した。該3種類のハイブリド
ーマに関しては、生命工学工業技術研究所に平成年7
月4日付で、それぞれ、FERM BP−6006,F
ERM BP−6004及びFERM BP−6005
として寄託された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 木村 達治 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 飯田 久美子 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 八木 慎太郎 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HCVを含む検体を、(1)カオトロピ
    ックイオン、及び(2)酸性化剤を含む処理液で処理す
    ることを特徴とするHCV含有検体の処理方法。
  2. 【請求項2】 HCVを含む検体を、(1)カオトロピ
    ックイオン、(2)酸性化剤、及び(3)非イオン性界
    面活性剤を含む処理液で処理することを特徴とするHC
    V含有検体の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれか1項に記載の検
    体処理方法を用いて、HCVコア抗原を特異的に認識す
    るプローブを反応させることにより、HCVコア抗原の
    存在を検出又は定量することを特徴とするHCVの測定
    方法。
  4. 【請求項4】 HC11−11(FERM BP−60
    05)であるハイブリドーマ細胞株。
  5. 【請求項5】 HC11−11(FERM BP−60
    05)から成るハイブリドーマによって産生されるモノ
    クローナル抗体。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の免疫測定方法に用いる
    ための、カオトロピック剤を含んで成る、検体中のHC
    Vの有無を判別するキット、定量するキット又は診断
    薬。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の免疫測定方法に用いる
    ための、ハイブリドーマHC11−14(FERM B
    P−6006),HC11−10(FERMBP−60
    04)またはHC11−11(FERM BP−600
    5)により生産されるモノクローナル抗体を含んでな
    る、検体中のHCVの有無を判別するキット、定量する
    キット又は診断薬。
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