JPWO2005104631A1 - 照明システム - Google Patents

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Abstract

ランプの寿命末期などに発生する外管内放電に起因して外管が破損するのを防止することができる照明システムを提供する。 本発明に係る照明システムは、発光管が外管内に収納されているメタルハライドランプと、前記メタルハライドランプを点灯させる点灯装置とを備える。前記点灯装置は、前記メタルハライドランプに電力を供給する電力供給手段と、前記メタルハライドランプの電気特性を検出する検出手段と、前記検出結果から現在の放電が外管内放電である否かを判定する判定手段と、前記外管内放電と判定したときに、前記メタルハライドランプへの電力供給を停止させるよう前記電力供給手段に指示する指示手段とを備える。前記検出手段はランプ電圧を検出し、前記判定手段は、検出したランプ電圧が正常点灯時と異なるときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定する。

Description

本発明は、メタルハライドランプと点灯装置とを備える照明システムに関する。
従来から、屋内や屋外の施設等に使用されている照明システムの光源としてメタルハライドランプが使用され、近年、発光管の外囲器にセラミック材料を用いた、所謂、セラミックメタルハライドランプが使用されるようになった。
これは、外囲器にセラミック材料を用いると、外囲器に石英ガラスを用いた従来のメタルハライドランプに比して、耐熱性が高く、発光管内に封入された金属ハロゲン化物との反応も少なく、管壁負荷を上げることができる。これにより、石英ガラスを用いたメタルハライドランプよりも高い効率を得ることができる。なお、石英ガラスを用いたメタルハライドランプと区別する必要がある場合以外、セラミックメタルハライドランプを、単に、「ランプ」という。
そして、ランプにおいて、さらに、高効率化を図るために、外囲器内に金属ハロゲン化物としてセリウム(Ce)やプラセオジウム(Pr)のランタノイド系ハロゲン化物とナトリウム(Na)のハロゲン化物とを封入し、かつ比較的細長い形状の発光管(電極間の距離をL、発光管の内径をDとしたとき、L/D>4)を用いることが提案されている(例えば特許文献1参照)。なお、上記ランプでは、111(lm/W)〜177(lm/W)という高い効率が得られるとされている。
ここで、ランプの基本的な構成について説明する。
ランプは、図1に示すように、一端部が閉塞され、かつ他端部にフレア2が封着された外管3と、一部が前記フレア2に封止され、かつ一端部がフレア2を介して外管3内に引き込まれた二本の電力供給線4,5と、外管3内において前記電力供給線4,5によって支持された発光管6と、外管3の他端部に固着された口金7とを備えている。
電力供給線4,5は、口金7に接続されており、当該口金7を介して外部から給電された電力を発光管6内に配置された一対の電極に供給する機能も有している。
なお、外管3の内部は、真空(減圧)状態に保たれ、また、発光管内には、金属ハロゲン化物や始動用バッファガスが封入されている。
一方、近年、ランプを点灯させるための点灯装置は、小型化・軽量化・高機能化が求められており、従来の銅鉄式から電子式に移行しつつある。通常、ランプ用の電子式点灯装置は、所定周波数でランプにちらつき等が生じる、所謂、音響的共鳴現象を回避するために矩形波点灯方式を採用している。
矩形波点灯方式とは、ランプ電流の限流について高周波領域で行うことで限流要素の小型化を図り、その一方で高周波電流を音響的共鳴現象の生じない低周波にて極性反転させ、その高周波成分をフィルタ回路にて除去した低周波成分のみの矩形波電流をランプに供給することにより、音響的共鳴現象を回避しつつ安定なランプ点灯を可能とするものである。
また、ランプは、点灯初期からの点灯時間の経過とともに、ランプ電圧が上昇する傾向にある。通常、銅鉄式点灯装置であれば、ランプ電圧が上昇していくと、ランプの再点弧電圧が上昇し、その点灯を維持できなくなり、立ち消えを起こしていた。なお、電子式点灯装置では、ランプ電力を制御できるため、点灯時間の経過による立ち消えは発生しにくい。
特表2000−501563号公報
しかしながら、電子式点灯装置では、立ち消えを起こさない分だけ、銅鉄式点灯装置に比べて、ランプにかかる負担が大きくなり、外管内にある発光管が劣化し、その結果、発光管の封着部の気密性が低下し、発光管内の始動用バッファガスが真空の外管内に流出する、いわゆるリークという現象が起こることがある。
このようなリーク状態のランプに始動用のパルス電圧を印加した場合、ランプの電極と他の電位の導体(例えば、電力供給線)との間、又は電極以外の導体との間において、アーク放電が発生する(以下、この放電を「外管内放電」と呼ぶ。)。この外管内放電が継続すると、口金が過熱され、口金が樹脂で形成されている場合など、溶融するということもあり得た。なお、この外管内放電は銅鉄式点灯装置においても同様に起こることがある。
このような外管内放電への対策としては、外管内に窒素ガスを封入し真空でない状態にする方法や、電流ヒューズをランプ内に配置し、過電流により電流ヒューズを溶断させ供給電力を遮断する方法が知られている(特許第3126300号)。
しかし、外管内に窒素ガスを封入した場合、その真空状態時と比べ、ランプ効率の低下等の弊害があり、また、電流ヒューズを用いた場合には、過電流の電流値によって、溶断までに長時間を要したり、溶断まで至らなかったりする場合もあるため、外管内放電時に確実に電力供給を遮断することはできなかった。
特に、特許文献1に記載されたようなランプを代表とするL/D≧2なる関係式を満たすランプでは、発光管が細長い形状をしているので、必然的に電極間距離が長くなり、外管内放電が起きやすく、上記した問題が顕著に現れる傾向にある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、特にランプの寿命末期などに、外管内放電に起因して外管が破損するのを防止することができる照明システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る照明システムは、発光管が外管内に収納されているメタルハライドランプと、前記メタルハライドランプを点灯させる点灯装置とを備える照明システムであって、前記点灯装置は、前記メタルハライドランプに電力を供給する電力供給手段と、
前記メタルハライドランプの電気特性を検出する検出手段と、前記検出結果から、現在の放電が、前記外管内で且つ前記発光管の外部で発生した外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあるか否かを判定する判定手段と、前記外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態と判定したときに、前記メタルハライドランプへの電力供給を停止又は低減させるよう前記電力供給手段に指示する指示手段とを備えることを特徴としている。
ここでいう「電気特性」とは、例えば、ランプ電圧、ランプ電流、ランプ電力、力率を含む概念で、これらの上位概念として用いている。
また、「前記検出結果から、現在の放電が、前記外管内で且つ前記発光管の外部で発生した外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあるか否かを判定する」とは、例えば、実施例1から実施例4、実施例6、7で説明した判定基準によりなされ、これらの判定基準・判定内容の上位概念として用いている。
一方、前記判定手段は、前記検出結果が少なくとも正常点灯時の検出結果と異なるときに、現在の放電が前記外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあると判定することを特徴とし、また、前記判定手段は、外管内放電の状態又は外管内放電前の状態にあるときに見られる放電の特徴を基にして判定している。
前記検出手段が検出する電気特性は、ランプ電圧及びランプ電流の少なくとも1つであることを特徴としている。
一方、前記放電の特徴は、立ち消え又は再始動を繰り返すことであり、前記判定手段は、前記検出結果から立ち消え又は再始動の回数を計数して、計数した回数が所定回数になったときに、現在の放電が前記外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあると判定することを特徴とし、前記放電の特徴は、検出される電気特性の変動が大きいことであり、前記判定手段は、正常点灯時の検出結果から設定された判定基準に対して前記検出結果が前記判定基準から外れて上下に変動した回数を計数して、当該回数が所定回数になったときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴としている。
また、前記電力供給手段は、交流電力を供給し、前記放電の特徴は、半波放電することであり、前記判定手段は、前記検出結果が半波放電の特徴的な電気特性を継続的に示すときに、現在の放電が前記外管内放電の状態であると判定することを特徴としている。
さらに、前記特徴的な電気特性を継続的に示すときとは、半波放電の放電時間又は半波放電の発生回数が、所定値以上になったときであることを特徴としている。
一方、前記放電の特徴は、外管内放電が安定していることであり、前記判定手段は、前記検出結果が所定の上限値よりも大きい値となった回数又は前記検出結果が所定の下限値よりも小さい値となった回数が所定回数になったときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴とし、或いは、前記放電の特徴は、外管内放電が安定していることであり、前記判定手段は、前記検出結果が所定の上限値よりも大きい値となった時間又は前記検出結果が所定の下限値よりも小さい値となった時間が所定時間以上になったときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴としている。
前記電力供給手段は、正極及び負極の交流電力を供給し、前記検出手段は、交流電力の各極性毎で電気特性を検出し、前記判定手段は、交流電力の各極性毎で判定していることを特徴とし、また、前記電力供給手段は、正極及び負極とを反転させる交流電力を供給し、前記放電の特徴は、極性反転直後に急峻な電気特性変化が発生することであり、前記検出手段は、極性反転直後の電気特性を検出し、前記判定手段は、極性反転直後に急峻な電気特性変化が発生しているときに、現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴としている。
さらに、前記判定手段は、極性反転から所定期間後に検出した電気特性が所定値以上のときに、前記急峻な電気特性変化が発生したとすることを特徴とし、また、前記判定手段は、極性反転から所定期間後に検出した電気特性を基にして算出した平均値又は実効値が所定値以上のときに、前記急峻な電気特性変化が発生したとすることを特徴とし、さらには、前記判定手段は、極性反転直後に急峻な電気特性変化が所定回数発生しているときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴としている。
一方、前記点灯装置は、前記メタルハライドランプの点灯開始から所定時間が経過するまでは、前記判定手段が、現在の放電が外管内放電の状態又は外管内放電前の状態にあるか否かの判定をしないようにするマスク期間を有することを特徴としている。
一方、前記メタルハライドランプにおいて、前記外管内は真空排気されていることを特徴とし、また、前記メタルハライドランプにおいて、前記外管内は窒素ガスが封入されていることを特徴とし、さらには、前記メタルハライドランプにおいて、前記発光管内にはバッファガスとしてキセノンガスが封入されていること特徴としている。
また、前記メタルハライドランプにおいて、前記発光管内には前記金属ハロゲン化物として少なくともハロゲン化プラセオジウムとハロゲン化ナトリウムとが封入されていることを特徴とし、或いは、前記メタルハライドランプにおいて、前記発光管内には前記金属ハロゲン化物として少なくともハロゲン化セリウムとハロゲン化ナトリウムとが封入されていることを特徴とし、さらには、前記発光管は、内部に一対の電極を備え、発光管の内径をD(mm)、一対の電極間をL(mm)とするとき、L/D≧4なる関係式を満たすことを特徴としている。
本発明に係る照明システムは、現在の放電が外管内放電又は外管内放電の前の状態と判定されると、ランプへの給電が停止又は低減されるので、外管が破損するようなことを無くすことができる。
本発明に係る実施の形態に用いるランプの構造を示す。 発光管の断面図を示す図である。 ランプを点灯させるための点灯装置の回路構成図である。 ランプ電圧とランプ電力との相関図である。 点灯装置の安定点灯時における動作説明のための波形図である。 点灯装置の安定動作時における動作説明のための図である。 点灯装置の始動時における動作説明のための波形図である。 点灯装置の動作を示すフローチャートである。 正常な放電の状態及び外管内放電前の状態におけるランプ特性の波形概略図である。 外管内放電時のランプ電圧、電流波形である。 外管内放電時のランプ電圧、電流波形である。 ランプ電圧の変動を示す図である。 外管内放電時のランプ電圧、電流波形である。 実施例1における点灯装置の動作を示す。 実施例2における点灯装置の動作を示す。 実施例3における点灯装置の動作を示す。 実施例4における点灯装置の動作を示す。 実施例5における点灯装置の動作を示す。 図10の極性反転直後の波形に相当する拡大図である。 実施例6における点灯装置の動作を示す。 実施例6における外管内放電時に観察される波形の概念図である。 外管内放電時に観察される波形の概念図である。 実施例7における点灯装置の動作を示す。 実施例7における点灯装置の動作を示す。 実施例8における点灯装置の動作を示す。 実施例8における点灯装置の動作を示す。 本発明に係る点灯装置の変形例である。 本発明に係る点灯装置の変形例である。 本発明に係る発光管の変形例である。 変形例1におけるランプ特性の波形図である。 変形例2におけるランプ電圧の波形を示す図である。 変形例2における点灯装置の動作を示す図である。
符号の説明
1 ランプ
3 外管
4,5 電力供給線
6 発光管
7 口金
Q1〜Q4 スイッチング素子
S1 制御部
K1,K2 ICドライバ
La ランプ
<実施の形態>
1.ランプについて
図1は、本発明に係る実施の形態に用いるランプの構造を示す。
本実施の形態におけるランプ1は、定格ランプ電力150Wのセラミックメタルハライドランプであり、以下、このランプ1を例にして説明する。
ランプ1は、一端部(図1では下端に相当する。)が閉塞され、他端がフレア2により封着された外管3と、フレア2を介して外管3内に引き込まれた二本の電力供給線4,5と、外管3内でこれら電力供給線4,5によって支持された発光管6と、外管3の他端部に固着された口金7とを備えている。なお、口金7には、例えば、ねじ込み式(E形)が用いられている。
外管3は、例えば、硬質ガラスやホウケイ酸ガラス等の材料で構成され、例えば、ホウケイ酸ガラスからなるフレア2により封着され、その内部は、300(K)での気圧が1×10−1(Pa)程度の真空状態にある。もちろん、必要に応じて外管3内に、例えば、窒素を封入しても良い。外管3内に窒素を封入した場合、外管内放電の発生確率を低下させることができる。
電力供給線4,5は、例えば、ニッケル又は軟鋼等の材料で構成され、その一部がフレア2により封止されることにより、一端側が外管3内に引き込まれ、また、他端が外管3の外側で口金7に接続されている。なお、他端の口金7への電気的接続は、一方の電力供給線4が口金7のアイレット部8に、他方の電力供給線5が口金7のシェル部9にそれぞれ接続されることで行われる。
また、電力供給線5のうち、外管3内に引き込まれた部分の一部には、点灯中、この電力供給線5の表面から光電子が発生しないように、例えば、酸化アルミニウムからなるチューブ10が被覆されている。さらに、電力供給線5には、外管3内を真空状態にした場合において、外管3内のガス不純物を捕捉するためにゲッター11が取り付けられている。
図2は、発光管の断面図を示す図である。
発光管6は、図2に示すように、筒状の本管部15と、当該本管部15の両端に設けられた細管部16とを備える外囲器17を有する。ここで、本管部15は、円筒部12と、当該円筒部12の両端部に形成されたテーパ部13と、当該テーパ部13における円筒部12と反対側の端部に形成されたリング部14とからなり、細管部16が、前記リング部14に、例えば、焼きばめ加工により連結されている。なお、外囲器17を構成する本管部15及び細管部16は、多結晶アルミナ材料(セラミック材料)から構成される。
なお、図2に示した例では、本管部15における円筒部12、テーパ部13及びリング部14はそれぞれ一体成形されており、繋ぎ目はない。もちろん、円筒部、テーパ部及びリング部等がそれぞれ焼きばめによって一体化されていても良い。また、本管部15と細管部16とが一体成形されていても良い。
また、外囲器17を構成する材料としては、多結晶アルミナ以外にイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、窒化アルミニウム、イットリア、又はジルコニア等の透光性セラミックを用いることができる。
発光管6内には、発光物質としての金属ハロゲン化物、始動用のバッファガス等が封入されている。具体的には、金属ハロゲン化物としては、例えば、ヨウ化プラセオジウム、ヨウ化ナトリウムが、また、バッファガスとしては、キセノンガス(Xe)が室温で20(KPa)となるようにそれぞれ封入されている。なお、金属ハロゲン化物及びバッファガス以外に、液体水銀が総量として、例えば、10(mg)封入されている。
金属ハロゲン化物としてヨウ化プラセオジウムとヨウ化ナトリウムとを用いることにより、発光効率を向上させることができる。しかしながら、ヨウ化プラセオジウムおよびヨウ化ナトリウムに代えて、ヨウ化セリウムおよびヨウ化ナトリウムを用いても、発光効率を向上させることができる。もっとも、所望の色温度、演色性を得るために上記した金属ハロゲン化物以外に、公知の金属ハロゲン化物を適宜封入することができる。
発光管6の内部には、一対の電極18が対向配置されている。
電極18は、図2に示すように、電極軸20と、当該電極軸20の先端に設けられた電極コイル21とからなり、電極軸20における電極コイル21と反対側端部が電極導入体22に取着されている。なお、電極軸20は、例えば、直径0.5(mm)のタングステン棒が用いられ、また、電極コイル21は、例えば、電極軸20と同じ材料であるタングステンが用いられている。
電極導入体22は、電極軸20が接続されている第一の部材24aと、当該第一の部材24aに連結されると共に電極供給線4,5に接続される第二の部材24bとを有している。第一の部材24aは、例えば、モリブデンや導電性サーメットから構成され、第二の部材24bは、例えば、ニオビウムから構成されている。なお、第一及び第二の部材24a,24bの直径は、例えば、0.9(mm)である。
電極18は、電極軸20が略同一軸(図2中、「C」で示す。)上であって、電極コイル21同士を対向させて、両者の間隔が所定距離となる状態で、電極導入体22が細管部16内で封着されている。
つまり、電極導入体22が細管部16内に挿通した状態で、電極導入体22の第二の部材24bと細管部16とで形成される隙間にガラスフリット23を流し込み、このガラスフリット23が硬化することで、発光管6を気密封止状に電極導入体22が細管部16に固着される。なお、本管部15における電極18が対向する部分に、放電空間19が形成される。
発光管6を構成する円筒部12の内径Dは、例えば、4(mm)であり、発光管6の内容積は、電極18が挿入された状態で、例えば、0.45(cc)である。また、発光管6の管壁負荷は、例えば、20(W/cm)〜35(W/cm)の範囲内に設定されている。
さらに、発光管6内に配されている電極18間の距離(電極コイル21の先端同士の距離)Lは、例えば、32(mm)であり、L/Dは8となる。これは、ランプの高効率化を図るためであり、L/D≧2なる関係式を満たしている。なお、一層の高効率化を図るために、L/D≧4なる関係式を満たすことが好ましい。
2.点灯装置の構成について
図3は、ランプを点灯させるための点灯装置の回路構成図である。
ここで、上記構造のランプ1を図3では放電ランプLaとして表示している。
本発明に係る点灯装置は、矩形波点灯方式を採用している。これは、背景技術の欄で説明したように、音響的共鳴現象を回避するためである。
点灯装置は、図3にも示すように、交流電源Vsに接続された直流電源回路Aと、当該直流電源回路Aの出力端に接続されたインバータ回路Bとを含み、このインバータ回路Bの出力端にランプLaが接続されている。
(1)直流電源回路A
直流電源回路Aは、整流回路DB、昇圧チョッパ回路、平滑コンデンサC0とからなり、交流電源Vsの交流電圧を所定電圧値の直流電圧に整流・平滑する機能を有する。
整流回路DBは、例えば、ダイオードブリッジを用いて構成された、所謂、ブリッジ整流器である。なお、もっとも、他の電子部品、例えば、GTOサイリスタを用いた整流回路であっても良い。
昇圧チョッパ回路は、インダクタL0、スイッチング素子Q0、ダイオードD0を備え、インダクタL0、スイッチング素子Q0が直列回路を構成して、整流回路DBの両端に接続されている。また、ダイオードD0と平滑コンデンサC0は直列回路を構成して、スイッチング素子Q0に対して並列に接続されている。
スイッチング素子Q0は、例えば、N型電界効果トランジスタが用いられる。この場合は、トランジスタのベースが制御部S0に接続され、ドレインがインダクタL0とダイオードD0との間に、ソースがコンデンサC0と整流回路DBとの間に夫々接続されている。
制御部S0は、平滑コンデンサC0の両端の電圧VDCに基づいて、スイッチング素子Q0をオン/オフ制御している。
(2)インバータ回路B
インバータ回路Bは、主に、スイッチング素子Q1〜Q4、インダクタL1,L2、コンデンサC1,C2、ICドライバ(例えば、IR社製IR2308)K1,K2、制御部S1で構成される。
図3に示すように、スイッチング素子Q1,Q2は直列状態で接続され、同様に、スイッチング素子Q3,Q4も直列状態で接続されて、これらが直列電源回路Aに対して並列に接続されている。
また、インダクタL2とコンデンサC2は、後述するランプ始動時に高圧共振パルスを発生させるイグナイタ回路を構成し、インダクタL2とコンデンサC2とを直列に接続して、これらが前記スイッチング素子Q2に対して、並列に接続されている。
直列状態に接続されているインダクタL2とコンデンサC2との間と、スイッチング素子Q3,Q4との間には、ランプLaとインダクタL1とが直列状態で接続され、またインダクタL2とランプLaに対して、フィルタ用のコンデンサC1が並列に接続されている。
また、ランプLaの電圧を検出するために、ランプLaの両側(ここでは、直列接続されているインダクタL2とランプLaの両端であるが、当然ランプLaの両端でも良い。)には、直列接続された抵抗R1,R2と、同じく抵抗R3,R4がそれぞれ接続されている。制御部S1は、ランプLaのランプ電圧の検出結果に基づいて、ICドライバK1,K2を介して、スイッチング素子Q1,Q2,Q3、Q4をオン・オフ動作させる。
スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4は、例えば、N型電界効果トランジスタが用いられている。スイッチング素子Q1,Q3のソースがスイッチング素子Q2,Q4のドレインに接続され、各スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4のゲートがICドライバK1,K2に接続されている。
制御部S1は、マイコンにより構成され、また、予め設定されたランプ電圧とランプ電力の相関テーブル(以後、「Wテーブル」とする。)を有しおり、ランプ電圧を抵抗R1〜R4によって検出し、前記Wテーブルに基づいて、検出したランプ電圧に応じてスイッチング素子Q1〜Q4のオン/オフ動作を行い、ランプ1に適切な電力を供給する。
図4は、ランプ電圧とランプ電力の相関図を示す。Wテーブルは、図4に示す相関図となるような、ランプ電圧と、このランプ電圧に対応するランプ電力とをテーブルにしたものである。
ここで、ランプ1に適切な電力を供給する方法として、例えば、スイッチング素子Q3,Q4のオン動作時間を長短することで行える。
具体的には、制御部S1は、抵抗R1〜R4により分圧された電圧をマイコンによりA/D変換した値をランプ電圧として認識する。すなわち、ランプ電圧を検出するには、抵抗R2の両端電圧VR2と抵抗R4の両端電圧VR4との差の絶対値を求めることでランプ電圧値として認識する。
また、通常、電子式点灯装置においては、ランプ始動用の高圧パルス電圧を発生するイグナイタ回路を搭載しており、本点灯装置においても、スイッチング素子Q1,Q2とインダクタL2、コンデンサC2でイグナイタ回路を構成する。なお、ランプ始動時においても、スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフ動作は、ICドライバK1を介して制御部S1で行われる。
3.点灯装置の基本動作について
(1)ランプ正常点灯時について
図5は、点灯装置の正常点灯時の動作説明するための波形図であり、図6は、点灯装置の正常点灯動作時の動作説明のための図である。なお、図5には、各スイッチング素子Q1〜Q4のランプ点灯時のタイムチャートが示されている。
先ず、制御部S1は、図5に示すように、スイッチング素子Q1,Q2を数10(Hz)〜数100(Hz)の低周波でオン/オフ動作させ、一方、スイッチング素子Q3,Q4を数10(kHz)の高周波でオン/オフ動作させる。
これによって、図6に示すように、インダクタL1には電流IL1が流れ、ランプLaには、コンデンサC1によって電流IL1の高周波成分を除去したIlaのような略矩形波電流が流れる。
このようにインバータ回路Bは、ランプ電流の限流機能と、ランプに高周波成分を除去した矩形波電流の供給機能とを同時に有する。
(2)ランプ始動時について
ランプ始動時や点灯装置の出力端にランプが接続されていない状態(以後、これらの状態を併せて、「無負荷状態」とする。)のイグナイタ回路の動作について説明する。
直列に接続されたインダクタL2とコンデンサC2は、ある周波数f1の電圧を印加することにより共振(共振回路を構成する。)する。ここで、周波数f1はスイッチング素子Q1,Q2の動作機能とインダクタL2のインダクタンス、コンデンサC2の容量等を考慮して数10(kHz)〜数100(kHz)に設定される。
図7は、ランプ始動時における点灯装置の動作説明のための波形図である。
制御部S1は、スイッチング素子Q1,Q2を、図7のパルス発生区間のように、交互にオン/オフする。
これにより、スイッチング素子Q1がオンのときは、直流電源回路Aの出力電圧が、スイッチング素子Q1とインダクタL2とコンデンサC2とよりなる閉回路に印加する。一方、スイッチング素子Q2がオンのときは、スイッチング素子Q1がオンのときにコンデンサC2に蓄えられた電荷を、コンデンサC2自身とインダクタL2とスイッチング素子Q2よりなる閉回路に放出する。
以上の動作を繰り返すことで、インダクタL2とコンデンサC2の接続点に高圧共振パルス電圧を発生させる(図7の「パルス発生区間」である。)。この共振パルス電圧がランプLaの片端に印加すると、ランプ内部の電極間に絶縁破壊が引き起こり、ランプが始動する。
尚、イグナイタ動作には直接関係しないが、ランプ始動後の電流回路を形成するために、スイッチング素子Q3,Q4に関してもパルス発生区間において図7のように動作させる。
また、ランプの点灯判別をするために、例えば、数10(ms)のパルス発生区間後に半周期の期間だけ、図5に示した矩形波動作をVla判別区間として設けている。
さらに上記イグナイタ動作は、ランプの始動性とランプの電極への負担を考え、パルス発生区間を数10(ms)継続した後、数100(ms)動作停止する間欠区間を設けている。
(3)点灯装置の動作について
次に、制御部S1における上記の始動時、ランプ点灯時、無負荷時の動作について説明する。
図8は、点灯装置の動作を示すフローチャートである。以下、同図を用いて順次説明する。
無負荷動作であるランプ始動動作から、ランプ始動後の矩形波出力動作でのフローを、(1)始動動作、(2)無負荷時動作、(3)第1半波サイクル時動作、(4)第2半波サイクル時動作の4つに大別する。ここでいう「半波サイクル時」とは、ランプ電圧の極性が「正極」側、又は「負極」側のサイクルをいう。
まず、ステップ1−1で点灯装置を始動させ、ステップ2−1で、無負荷時に回路をイグナイタ動作させる信号をICドライバK1,K2に出力する。つまり、制御部S1は、図7に示すように、ICドライバK1,K2を介してスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4をオン/オフさせて、イグナイタ回路により共振パルスを発生させ、当該パルス電圧をランプLaに印加する。そして、ステップ2−2で、ランプ電圧Vla1を読み込む。このランプ電圧Vla1の読み込みは、抵抗R2の電圧VR2と抵抗R4の電圧VR4との差から認識する。
ランプ電圧Vla1の読み込みが完了すると、ステップ2−3で無負荷判別する。無負荷判別は、予め設定された電圧閾値Vmaxとランプ電圧Vla1との比較により行い、Vla1>Vmaxの場合に無負荷であると判別する。
例えば、本実施の形態で説明しているランプは、正常点灯時のランプ電圧Vlaが90(V)に設定されており、当然、無負荷動作時におけるランプ電圧Vlaは前記90(V)よりも高い。従って、ランプ電圧に対する電圧閾値Vmaxは、正常点灯時のランプ電圧よりも高く、且つ、無負荷動作時のランプ電圧より低ければ、ランプ電圧から無負荷動作であるか否かを判別できる。
電圧閾値Vmaxの値としては、点灯開始時のグロー放電中のランプ電圧を基準にでき、本実施の形態におけるランプでは、グロー放電中のランプ電圧Vlaが250〜350(V)であり、正常時におけるランプ電圧の2.5倍〜4倍程度が好ましい。
そして、ステップ2−3で無負荷であると判別されれば(図中の「Y」である。)、ランプLaが、例えば、まだ始動(点灯)していない状態であり、ステップ2−1に移行し、また、ステップ2−3で無負荷でないと判定されれば(図中の「N」である。)、この状態はランプが始動した状態であるので、ステップ2−4に移行する。
ステップ2−4において、ランプ始動直後の専用のWテーブルを読み込み、第1半波サイクルの限流動作の目標値W1を設定する。
ステップ3−1では、設定された限流動作目標値W1に応じた信号、例えば、スイッチング素子におけるオン動作時間を変えた信号をICドライバK1,K2に出力しつつ、ステップ3−2で現時点でのランプ電圧をVla1として読み込む。
ステップ3−3で、ステップ2−3と同様の無負荷判別をし、もし、立ち消え等が起こり無負荷と判別されれば(図中の「Y」である。)、再点灯させるために、ステップ2−1へ移行する。点灯を継続していれば(図中の「N」である。)、ステップ3−4へ移行する。
ステップ3−4において、Vla1に応じて次回(第2)の半波サイクルの限流動作目標値W2をWテーブルより読み込み設定する。このとき、第1の半波サイクル時におけるランプ電圧と、第2の半波サイクル時におけるランプ電圧とでは、極性が反転するため、現在のランプ電圧の極性を見れば、次回の半波サイクルが第1か第2であるかが判定でき(ここでは、次回が第2の半波サイクルである。)、判定した次回の半波サイクルのWテーブルを読み込むことになる。なお、Wテーブルは、第1半波サイクル及び第2半波サイクルとも共通である。
ステップ3−5において、第1半波サイクル動作を完了し、極性反転の信号をICドライバK1,K2に出力する。具体的には、制御部S1は、スイッチング素子Q1のオン動作、スイッチング素子Q4のオン/オフ動作を停止する一方、スイッチング素子Q2をオン動作の信号、スイッチング素子Q3にオン/オフ動作の信号をICドライバK1,K2を介して出力する。
ステップ4−1において、ステップ3−4で読み込んだWテーブルの限流動作目標値W2に応じた信号をICドライバK1,K2に出力しつつ、ステップ4−2でランプ電圧をVla2として読み込む。
ステップ4−3で、ステップ2−3及びステップ3−3と同じように、Vla2>Vmaxの時に無負荷であると認識するような無負荷判別を行い、もし立ち消え等が起こり無負荷と判別されれば(図中の「Y」である。)、ステップ2−1へ移行する。点灯を継続していれば(図中の「N」である。)、ステップ4−4へ移行する。
ステップ4−4において、Vla2に応じて次回(第1)の第1半波サイクルの限流動作目標値W1をWテーブルから読み込み設定する。なお、次回の半波サイクルが第1か第2かは、上述と同じ、ステップ4−2で読み込んだランプ電圧Vla2の極性により判定される。
そして、ステップ4−5において、第2半波サイクル動作を完了し、極性反転の信号をICドライバK1,K2に出力し、ステップ3−1に移行する。以後、上記動作を繰り返す。
4.外管内放電状態の特徴について
本発明では、外管内放電の状態だけでなく、寿命末期時に見られる、近い内に発生する外管内放電に状態の前の状態についても検出して、これらの状態である場合にランプへの電力供給を遮断又は低減するようにしている。
なお、外管内放電前の状態の放電及び外管内放電を合せて、「外管内放電等」ということもあり、外管内放電前の状態及び外管内放電の状態を合せて、「外管内放電の状態等」ということもある。
それでは、外管内放電の状態等の特徴について説明する。
まず、外管内放電の状態の波形を、正常の点灯状態の波形と比較するために、図9(a)に、寿命末期に達していないランプが正常に点灯している状態のランプ電圧とランプ電流の波形を示す。
次に、ランプ寿命末期の一つの状態であり、外管内放電はまだ発生しておらず、ランプの立ち消えを無負荷として検出する場合のランプ電圧とランプ電流の波形を、図9(b)に示す。
なお、図9(b)に示す状態は、外管内放電前の状態に相当し、両図とも、縦方向に電圧値及び電流値を示し、横方向に時間経過を示している。
この状態での放電の特徴は、同図に示すように、電気特性ランプ点灯中にランプの立ち消えが生じると、ランプ電流が流れなくなるとともに、ランプ電圧が急激に高くなっていることである。また、電気特性な特徴としては、立ち消えにより、ランプ電圧が急激に高くなり、また、ランプ電流が略「0」になる。
図10、図11、図13は、外管内放電時のランプ電圧及びランプ電流の波形図である。
これらのランプ電圧、ランプ電流の波形図は、ランプが何らかの理由でその発光管が破損し、その後外管内放電状態になった時に測定されたものである。
なお、図中のランプ電圧Vla、ランプ電流Ilaの波形は試験バラストの出力端で測定したものである。試験に供するランプとしてフィリップス社製CDM−T150Wのランプ、試験に供するバラストとして矩形波点灯方式電子安定器(松下電工製MHC1501/24CK−2E)を使用した。
また、図10の(a)、図11の(a)、図13の(a)は、実際に測定されたランプ電圧及びランプ電流の波形であり、図10の(b)、図11の(b)、図13の(b)は、図10の(a)、図11の(a)、図13の(a)の波形の概略図で、破線にランプの正常な状態における点灯時のランプ電圧及びランプ電流の波形を示している。
図10に示す放電の特徴は、外管内放電は安定しにくく、電気特性な特徴としては、ランプ電圧の極性反転直後に急峻な電圧波形(いわゆる、「再点弧電圧」であり、図中「A」で示す。)が観測され、また、ランプ電流に関しても、極性反転直後からランプ電圧の再点弧電圧が無くなった瞬間に急峻な電流波形(いわゆる、「オーバーシュート電流」であり、図中「B」で示す。)が観測される。
なお、図10に示す外管内放電は、上述したように不安定であるが、そのなかでも比較的安定した状態であり、この後、外管内放電の立ち消えと再始動とを繰り返す状態へと変化する。
図11に示す放電の特徴は、ランプ内で生じている外管内放電中に半波放電が発生していることである。この半波放電は、図10に示す立ち消えが生じる状態に比べて、放電が継続しやすい状態にある。この電気特性の特徴は、ランプ電流Ilaが一方の半波サイクル時に略「0」となっていたり、一方の半波サイクル時のランプ電圧が他方の半波サイクル時のランプ電圧よりも高くなったりすることである。
図11を用いて説明すると、同図の(b)に示すように、全波放電では、各半波サイクルでのランプ電圧(図中のV1、V2)が略同じになるのに対して、半波放電では、図11の(b)に示すように、各半波サイクルでのランプ電圧(Vla1,Vla2)の差が大きい。
また、図10、図11の状態においては、上記に挙げた特徴以外に、ランプ電圧は、一定に保たれずに流動的、つまり、変動が大きい傾向にある。
図12は、ランプ電圧の変動を示す図である。
この図12は、例えば、各半波サイクル毎にランプ電圧値(絶対値)を測定して、それをプロットした図である。同図に、正常点灯時のランプ電圧示している。同図に示すように、正常のランプ点灯であればランプ電圧が高目でその変動が少ない(図中の「正常品」である。)のに対して、外管内放電が発生するとランプ電圧の変動が大きくなる(図中の「Vla」である。)のが分かる。つまり、不安定ながらも外管内放電が継続すると、ランプ電圧の値が上下に変動するという特徴が観察できた。なお、ここでいう「上下」とは、ランプ電圧又はランプ電流の値が高くなったり、低くなったりすることをいう。
図13に示す放電の特徴は、ランプ内の異極間の距離が最も近いランプの根元で外管内放電が発生し、放電は最も安定して継続していることである。
また、この外管内放電が安定して発生した状態での電気特性な特徴については、図10及び図11で示す急峻なランプ電圧及びランプ電流の変動が見られず、本放電でのランプ電圧は定格のランプ電圧(本実施の形態では、90(V)である。)に比べて高電圧(例えば、180(V)である。)になっている。
つまり、図13に示す状態では、ランプ電圧又はランプ電流が正常点灯時の同じような波形になるが、その電圧及び電流値とが異なる状態でアーク放電が安定して継続する。なお、この場合は、立ち消えのない放電状態である。
5.点灯装置の特徴動作について
点灯装置の制御部S1は、上記外管内放電の状態等のときに示す特有の現象(図9〜図13)に着目し、検出結果に各現象の電気特性の特徴があると、現在の放電が外管内放電の状態等と判定して、ランプへの電力供給を遮断するものである。
つまり、制御部S1は、図8のフローチャートにおいて、外管内放電状態にはなっていないが近い内に外管内放電状態になるような状態(この状態は「外管内放電前の状態」である。)或いは外管内放電状態を検出するための処理を行うフローを新たに追加することで、外管内放電前の状態又は外管内放電の状態となると、回路動作を停止又は電力の出力を低減させるように構成している。
ここで、外管内放電の状態等の発生の検出には、例えば、以下の方法がある。
a.ランプ電圧又はランプ電流の値を検出する検出手段と、検出結果からランプの立ち消えを検出してその立ち消え回数を計数する手段を備え、立ち消え回数が規定回数を超えたときに外管内放電の状態等にあると判定する方法(後述の実施例1)。
b.ランプ電圧又はランプ電流の値を検出する手段と、その検出値が設定された判断基準に対して上下する回数をカウントする手段を備え、その回数が所定回数を超えたときに外管内放電であると判定する方法(後述の実施例2)。
c.ランプ電圧又はランプ電流の値を検出する検出手段と、検出結果から半波放電となった状態の継続時間又はその回数を積算してカウントする手段を備え、カウントされた継続時間又は回数が設定値以上になったときに外管内放電等であると判定する方法(後述の実施例3)。
d.ランプ電圧又はランプ電流の値を検出する手段と、検出値が設定された下限値以下(又は上限値以上)となった状態の継続時間又はその回数を積算してカウントする手段を備え、カウントされた継続時間又は回数が設定値以上になったときに外管内放電等であると判定する方法(後述の実施例4)。
e.ランプ電圧又はランプ電流の値を検出する手段と、検出結果から、極性反転後に急峻な電気特性の変化の回数を積算してカウントする手段を備え、カウントされた回数が設定値以上になったときに外管内放電等であると判定する方法(後述の実施例6,7)。
以下、上記で説明したの各現象に基づいて、制御部が動作する例を実施例として説明する。
なお、各実施例における制御部S1は、ランプ1の電気特性を検出する検出手段と、検出された電気特性(本発明の検出結果に相当する。)から放電が外管内放電の状態等であるか否かを判定する判定手段と、現在の放電が外管内放電の状態等である判定されたときに点灯動作を停止するよう指示する指示手段とを備える。
(1)実施例1
本実施例1では、ランプの寿命末期時に発生した立ち消えを繰り返している状態、つまり、図9に示す状態のときに、回路の動作を停止させるようにしている。
本実施例1は立ち消えを繰り返す状態のランプにおいて、立ち消えによる電気特性の変化を積極的に検出するものである。具体的には、ランプが始動した後に立ち消えした場合のみ、その立ち消え回数を計数し、ある回数に達した時に点灯動作を停止させる機能を制御部S1に設けている。
具体的には、検出手段は、図3で示したランプ電圧Vlaを検出し、判定手段は、ランプ電圧Vlaの値によって図8のステップ2−3での無負荷判別と同じ判別を行い、無負荷の状態、つまり、立ち消えしていると判定すると共に、立ち消えの回数を計数して、この回数が所定回数に達すると外管内放電前の状態であると判定し、指示手段は、スイッチング素子Q1〜Q4にオフ信号を出力する。
それでは、本実施例1の動作を説明する。
図14は、実施例1における点灯装置の動作を示す。
なお、図14で示すフローは、基本的には、図8で示すフローの一部に、現在の放電が上記外管内放電前の状態であるか否かの判定をおこなうフローを挿入したものであり、図14で示すステップの番号が、図8で示すステップの番号と同じ場合には、そのステップの処理は、図8で示したステップと同処理をしている。
すなわち、図8のステップ3−3もしくは図8のステップ4−3において、無負荷であると判別された時にその回数を計数する。そして、その回数がある所定回数Aに達したときに回路動作を停止、例えば、ICドライバK1,K2に、スイッチング素子Q1〜Q4をオフのままにする信号を出すようにしている。
具体的には、図14に示すように、ステップ3−3で無負荷と判定されると(図中の「Y」である。)、ステップ3−3−1で立ち消え回数を計数する。そして、ステップ3−3−2で立ち消え回数が所定回数A未満であれば(図中の「Y」である。)、図8のステップ2−1に移行する。一方、ステップ3−3−2で立ち消え回数が所定回数A(例えば、20回)に達すると(図中の「N」である。)、外管内放電前の状態と判定し、ステップ5−1で回路動作を停止する(つまり、スイッチング素子にオフ動作を指示する)。
また、ステップ4−3で無負荷と判別されると(図中の「Y」である。)、ステップ4−3−1で立ち消え回数を計数する。そして、ステップ4−3−2で立ち消え回数が所定回数A未満であれば(図中の「Y」である。)、図8のステップ2−1に移行する。ステップ4−3−2で立ち消え回数が所定回数Aに達すると(図中の「N」である。)、外管内放電前の状態と判定し、ステップ5−1で回路動作を停止する。
ここで、立ち消え回数は、ステップ3−3−1で計数した場合、ステップ4−3−1で計数した場合に別々にカウントされるのでなく、両者同じものとして加算される。また、所定回数Aは、ここでの説明では、20回であったが、この回数Aは、20回に限定するものではなく、例えば、10回でも良い。つまり、所定回数Aは、定格ランプ電力やランプの特性、ランプのサイズ等によって適宜決定されるもので、例えば、ランプのサイズが小さい場合は、外管内放電が生じたときに口金に近いために熱が伝わりやすいために、回数Aを小さく設定したり、逆に、供給電力が小さい場合には、放電による熱量が小さいために、回数Aを大きく設定したりできる。
(2)実施例2
本実施例2では、ランプ電圧の値が上下に変動している状態、つまり、図10及び図11の波形において半波サイクル毎のランプ電圧をプロットした図12に示す状態のときに、回路の動作を停止させるようにしている。
具体的には、ランプ始動後、制御部S1において、第1半波サイクル、第2半波サイクルのそれぞれで読み込んだランプ電圧Vla1がある閾値Vref1(本発明の判断基準に相当する。)より高く、かつそれ以後に読み込んだランプ電圧Vla2、Vla1がその閾値Vref1より低くなった回数をカウントし、ある回数に達した時に点灯装置の動作を停止させている。
具体的には、判定手段は、例えば、検出したランプ電圧Vlaが、一定値である閾値Vref1に対し上下に変化した回数を計数し、その計数した回数が所定回数Bに達した時に、放電が外管内放電の状態等であると判定し、指示手段はスイッチング素子にオフ信号を出力する。
それでは、本実施例2の動作を説明する。なお、上記の閾値Vref1は、図12のVrefが対応している。
図15は、実施例2における点灯装置の動作を示す。
制御部S1は、第1半波サイクル時に検出したランプ電圧Vla1の閾値Vref1に対して上下に変化した回数を計数し、その計数した回数が所定回数Bに達した時に給電を中止するステップを、図8のステップ3−2からステップ3−5までのいずれかの間で行う。つまり、上記のステップを、ステープ3−2とステップ3−5との間のどこかに挿入すれば良く、例えば、ステップ3−2とステップ3−3の間に挿入しても良いし、ステップ3−4とステップ3−5との間に挿入しても良い。
なお、図15では、上記ステップをステップ3−2とステップの3−5とのいずれかの間で行えば良いので、ステップ3−2からステップ3−2−1に移行する矢印、ステップ3−3からステップ3−5に移行する矢印を破線で記載している。
また、同様のフローを第2半波サイクルにだけ設ける、つまり、図8のステップ4−2と4−5の間のどこかにだけ挿入することでも上記と同じ効果が得られる。さらには、同様のフローを、第1半波サイクルと第2半波サイクルとの両サイクルに設けると、より確実にランプ電圧の変動を検出することができる。
具体的には、図15に示すように、ステップ3−2で読み込んだランプ電圧Vla1に対し、ステップ3−2−1で閾値Vref1(例えば、55(V))との大小を比較する。Vla1>Vref1の場合(図中の「Y」である。)に、flag1=1を立てて(ステップ3−2−2)、ステップ3−3に移行する。
そして、第2半波サイクルが終了して、次回の第1半波サイクルに検出されたVla1に対して、ステップ3−2−1でVref1との大小を比較する。Vla1>Vref1でないとき(図中の「N」である。)、つまり、Vla1≦Vref1のときは、ステップ3−2−3でflag1=1が既に成立しているか否かを判定する。
flag=1の場合(図中の「Y」である。)、つまり、これは、ランプ電圧Vla1が閾値Vref1に対して上下に変化したことを示しており、ステップ3−2−4でVla変動回数のカウント値を増やすと共に、flag1=0とする(ステップ3−2−5)。
そして、ステップ3−2−6で、Vla1変動回数が所定回数B(例えば、60回)に達した(Vla変動回数<Bでない)と判定されたときに(図中の「N」である。)、ステップ5−1に進み、回路動作を停止するよう指示する。
上記構成により、ランプ電圧の変動を検出して、図10及び図11に代表されるように、放電が不安定ながらも外管内放電を継続する状態を検出でき、ランプ電圧Vla1の値が上下に変動するという特徴をとらえて、外管内放電の状態等を検出することができる。
ここで説明した閾値Vref1は、55(V)であったが、55(V)に限定するものではなく、例えば、60(V)でも良い。つまり、Vref1は、外管内放電時のランプ電圧によって設定され、この電圧は、電力供給線間の距離や正常時に印加されるランプ電圧等によって決まるので、実際のランプに基づいて決定すれば良い。
また、Vla変動回数に対する所定回数Bも、60回に限定するものではなく、電極や封入物等のランプ設計等により適宜決定すれば良い。
(3)実施例3
本実施例3では、外管内放電が半端状態で放電を継続している場合、つまり、図11に示す状態(図11の(a)においてランプ電流Ilaが一方の半波サイクル時に略「0」となっていたり、図11の(b)において一方の半波サイクル時のランプ電圧(Vla2)が他方の半波サイクル時のランプ電圧(Vla1)よりも高くなったりする。)のときに、回路の動作を停止させるようにしている。換言すると、本実施例3は、放電が半波状態で継続している場合において、半波状態の回数を計数して、この回数が所定回数以上となった時に回路動作を停止するものである
具体的は、判定手段は、例えば、一方の半波サイクル時のランプ電圧が他方の半波サイクル時のランプ電圧よりも高くなると傾向から、検出した一方の半波サイクルのランプ電圧Vlaと他方の半波サイクルのランプ電圧Vla2との電圧差がある閾値Vref2以上であれば、半波放電と認識して、その半波放電の回数(半波回数)が所定回数Cに達した時に、放電が外管内放電の状態であると判定し、制御部S1はスイッチング素子にオフ信号を出力する。
それでは、実施例3の動作を説明する。
図16は、実施例3における点灯装置の動作を示す。
制御部S1は、第1のサイクル時に発生している半波放電の回数を計数し、その計数した回数(図中の半波回数である。)が所定回数Cに達した時に給電を中止するステップを、図8のステップ4−2からステップ4−5までの間のどこかで行う。なお、同様のフローを第2半波サイクルにだけ設けても良く、さらには、第1及び第2半波サイクルの両方に設けると、より確実に半波放電を検出できる。
具体的には、図16に示すように、ステップ4−2でランプ電圧Vla2を読み込み、読み込んだランプ電圧Vla2とランプ電圧Vla1との差(絶対値)が閾値Vref2、例えば、20(V)以上か否かの判定をステップ4−2−1で行い、前記差が閾値Vref2以上の時に(図中の「Y」である。)、ステップ4−2−2に進んで半波回数を計数する。半波回数の計数は、具体的には、加算方式で行われる。
次に、ステップ4−2−3で半波回数と判定基準となる所定回数C(例えば、500回)とを比較して、半波回数が回数Cより大きいときに(図中の「N」である。)、ステップ5−1に進んで回路動作を停止させる。
上記の閾値Vref2は、20(V)としていたが、この値に限定するものではない。つまり、閾値Vref2は、各ランプ設計の際に正常点灯するときのランプ電圧Vla1とランプ電圧Vla2との差(絶対値)よりも大きければ良い。但し、ランプ特性(ランプ電圧のばらつき・点灯時間の経過に伴う変動)等が生じるので、この分を考慮する必要がある。
なお、正常点灯時では、図11の(b)に示すランプ電圧V1とランプ電圧V2との差が、本実施の形態の例では2(V)ぐらい(理論的には、0(v)である。)であり、図11の(a)の波形では、ランプ電圧Vla1とVla2との差が400(V)程度である。
また、ここでは、半波放電の回数を計数しているが、例えば、半波状態の時間を積算して、積算した時間がある設定時間(例えば、3秒)以上となった時に回路動作を停止させるようにしても良い。時間の積算には、上記ランプ電圧の検出期間と、半波放電と判定された回数とを掛け算することで得られる。
(4)実施例4
本実施例4では、点灯装置の出力が低ランプ電圧もしくは高ランプ電圧で継続する場合、つまり、図13に示すように、外管内放電が安定して発生し、且つ放電が継続している場合に、回路の動作を停止させるようにしている。なお、図13のランプ電圧Vla1は、正常の放電よりも高く、しかも、判定基準のVhighよりも高くなっている場合である。
本実施例4は、ランプ電圧が、正常点灯のランプ電圧に対して、低いもしくは高い電圧か否かを検出するものである。具体的には、第1半波サイクルにて検出されたランプ電圧Vla1がある設定値Vlow以下もしくは、Vla1がある設定値Vhigh以上となった回数を計数し、その計数した回数がある判定基準である所定回数D,Eに達したときに、現在の放電が外管内放電であると判定する。
なお、ここで、Vlow<Vhighである。この低ランプ電圧もしくは高ランプ電圧の検出においても、制御部S1で、ランプ電圧の高低や回数判定を行う。
それでは、本実施例4の動作を説明する。
図17は、実施例4の点灯装置の動作を示す。
制御部S1は、ステップ3−2で読み込んだランプ電圧Vla1が、Vlowよりも低い又はVhighよりも高いか否かをステップ3−2−11で判定する。
ランプ電圧Vla1が、Vhigh(例えば、140(V))よりも高いと判定されたときは、ステップ3−2−12に進み、高くなった回数(図中、「高V回数」で示している。)を計数する。そして、ステップ3−2−13で高V回数が所定回数Dより大きいか否かを判定して、大きい場合には(図中の「Y」である。)、ステップ5−1に進んで回路動作を停止する。
また、ステップ3−2−11でランプ電圧Vla1が、Vlow(例えば、55(V))よりも低いと判定されたときは、ステップ3−2−15に進み、低くなった回数(図中、「低V回数」で示している。)を計数する。そして、ステップ3−2−16で低V回数が所定回数Eより大きいか否かを判定して、大きい場合には(図中の「Y」である。)、ステップ5−1に進んで回路動作を停止する。
なお、本実施例4においても、他の実施例(1〜3)と同様に、制御部S1は、第1のサイクル時にランプ電圧が下限値よりも低くなった回数、或いは、上限値よりも高くなった回数を計数し、その計数した回数が所定回数D,E(例えば、200回)に達した時に給電を中止するステップを、図8のステップ3−2からステップ3−5までの間のどこかで行えば良い。
また、同様のフローを第2半波サイクルにおいてのみ設けても良く、さらに、第1及び第2半波サイクルの両方に設けると、より確実に低ランプ電圧、高ランプ電圧状態を検出できる。
なお、ここでは、上限値よりも大きくなった回数、又は、下限値よりも小さくなった回数を計数しているが、例えば、半波状態の時間を積算して、積算した時間がある設定時間(例えば、3秒)以上となった時に回路動作を停止させるようにしても良い。時間の積算は、例えば、上記ランプ電圧の検出期間と、半波放電と判定された回数とを掛け算することで得られる。
(5)実施例5
上記の実施例1〜4では、外管内放電等が発生したか否かの判定方法の例として説明した。しかしながら、実施例3,4の例は、正常なランプであってもランプ始動直後では、放電が不安定な状態となり、外管内放電状態であると誤認識する恐れがある。
そこで、本実施例5では、ランプ始動直後の一定時間においては、外管内放電等の発生検出を行わないようなマスク機能を追加している。ここでは、ランプ始動直後の一定時間を、制御部S1では、回数の計数を利用して判定している。
それでは、本実施例5の動作を説明する。
図18は、実施例5における点灯装置の動作を示す。
制御部S1は、実施例3におけるステップ4−2−1の前に、マスクした回数(以下、「マスク回数」という。)を計数するステップ4−2−11と、計数したマスク回数と判定基準となる所定回数Fとを比較するステップ4−2−12とを行う。
そして、ステップ4−2−12で、計数したマスク回数が所定回数Fに達していないときは(図中の「Y」である。)、まだ、ランプ始動直後であり放電が不安定であるため、外管内放電が発生しているか否かの判定をしないように、ステップ4−2−3の以降のステップ、例えば、ステップ4−3に進む。なお、マスク回数の設定値はマスクをかける時間等により適宜決定され、また、マスクをかける時間は、約5分程度が目安となるが、ランプの始動特性、始動後にランプの点灯が安定するまでの時間、ランプを始動させる際の点灯装置の動作等によって決定される。
(6)実施例6、7
まず、本実施例の放電の特徴部分等について説明する。
図19は、図10の極性反転直後の波形に相当する拡大図である。なお、図19における、横軸及び縦軸のスケールは、言うまでもなく、図10のスケールと異なる。
本放電の特徴は、実施例1で説明した放電と同じで、立ち消えと再始動を繰り返すことであり、電気的な特徴は、図19の波形から分かるように、ランプ電圧Vlaにおいて極性反転直後から所定時間、ここでは約200(μsec)の間(図19中の「T1」で示す。)に急峻な電圧変化(図10での再点弧電圧である)である瞬時電圧が現れ、その後、ランプ電流Ilaのオーバーシュート電流が短期間流れている。
本実施例(6,7)では、上述した極性反転後の瞬時電圧に着目して、当該瞬時電圧を検出するとランプの外管内放電が発生したと判定する。この判定方法について2種類の実施例(6、7)で説明する。
(6−1)実施例6
本実施例6の点灯装置は、極性反転後のランプ電圧の最大値を検出する検出手段と、検出された最大値が基準値以上のときに、ランプの現在の放電が外管内放電あると判定する判定手段と、外管内放電と判定されたときに、スイッチング素子の動作を停止するよう指示する指示手段とを備えている。
本実施の形態に係る実施例6における点灯装置の動作を図20のフローチャートと図21により説明する。なお、図21は、外管内放電時に観察される波形の概略図であり、図20は、制御部が外管内放電と判定する際のフローチャートである。
図20のフローチャートは、例えば、図8のフローチャートのステップ3−1とステップ3−2の間と、ステップ4−1とステップ4−2の間との少なく一方に挿入すれば良い。
まず、図20に示すように、極性反転直後(スイッチング素子Q2,Q3又はスイッチング素子Q1,Q4に動作開始直後)から矩形波の半波サイクルの期間よりも十分に短く且つ瞬時電圧が含まれる期間t1(例えば矩形波の周波数を170(Hz)とした場合、500(μsec)程度)中に検出されたランプ電圧からランプ瞬時電圧を読み込み(ステップ6−1)、その値をVt1として書き込む(ステップ6−2)。なお、図20中の「Vt1」は、図21中の「Vt1a」に相当している。
ランプ瞬時電圧の読み込みは、例えば、極性反転直後からの期間t1まで、ランプ電圧を検出し、検出した値の最大値をランプ瞬間電圧としている。勿論、ランプ電圧の検出間隔は、期間t1より短い。
次に予め設定しておいた閾値VpとVt1をステップ6−3で比較して、図21のaに示すように、Vt1aの方が閾値Vpよりも大きければ、つまりステップ6−3で「Y」のとき、ステップ6−4に進み、瞬間回数を計数する。
逆に、Vt1の方が閾値Vpよりも小さければ、つまりステップ6−3で「N」のとき、図8のフローチャートのステップ3−2(もしくはステップ4−2)へ移行する。このVt1の方が閾値Vpよりも小さい場合としては、図21のbのVt1bが相当する。
この動作を繰り返し、ステップ6−5で瞬間回数が所定回数G(例えば10回)になると、つまり、ステップ6−5で「Y」のとき、ステップ5−1へ進み、スイッチング素子Q1〜Q4の動作を停止させることで、ランプへの電力供給を停止する。
また、ステップ6−5で瞬間回数が所定回数G(例えば10回)に達していないと、つまり、ステップ6−5で「N」のとき、図8のフローチャートのステップ3−2(もしくはステップ4−2)へ移行する。
すなわち、極性反転後のランプ電圧Vt1(ランプ電圧瞬時値)が閾値Vp(定格ランプ電圧Vの1.5〜2倍以上に設定)を超えた回数をカウントし、越えた回数が所定回数(ここでは10回)になればランプ異常(外管内放電)と認識し、点灯装置の動作を停止するものである。
なお、閾値Vpは、ここでは、1.5〜2倍程度を想定しているが、正常点灯におけるランプ電圧の変動が小さい場合には、閾値を1.5倍よりも小さくできるし、逆に、正常点灯におけるランプ電圧の変動が大きいようであれば、閾値を2倍よりも大きく設定する必要がある。
以上の動作によりランプの放電が外管内放電の状態になったことを検出し、点灯装置の動作を停止させることによって、点灯装置およびランプソケット、配線の異常発熱を抑えることが可能となる。
(6−2)実施例7
上記の実施例6では、検出したランプ電圧の瞬間値(最大値)と、定格ランプ電圧の所定倍の値とを比較していた(すなわち、比較対象が一つの電圧値である)が、比較対象は、電圧値でなくても良く、例えば、極性反転直後から期間t1までに検出された平均値と、半波サイクルにおけるランプ電圧の平均値とを比較しても良く、さらには、実効値として比較しても良い。
すなわち、外管内放電時に観察される波形の概略図である図22に示すように、極性反転後からt1時間のランプ電圧の平均値(あるいは実効値)をPとし、これを所定倍した値(Vt2=P×K)と、半波サイクルにわたるランプ電圧の平均値(あるいは実効値)であるVavを比較して前者の方が大きい時には、当該放電が外管内放電と判別しても良い。
図23は、実施例7における制御部の動作を説明するフローチャートである。
図8に示したメインフローチャートのステップ3−1とステップ3−2、ステップ4−1とステップ4−2の間との少なくとも一方に図23のフローを挿入し、図8のステップ3−2とステップ3−3の間、ステップ4−2とステップ4−3の間であって、前記ステップ3−1とステップ3−2、ステップ4−1とステップ4−2の間との少なくとも一方に対応する間に図24のフローを追加したものである。
以下、追加したフローチャートの動作について説明する。なお、本実施例7で外管内放電の波形として図22の概略図を想定している。
まず、(例えば矩形波の周波数を170(Hz)とした場合、500(μsec)程度で良い)のランプ電圧を読み込み、マイコンによりA/D変換してその平均値(実効値)Pを算出する(ステップ6−6)。平均値Pの値をK倍(例えば、K=0.7)Lた値をVt2として書きこむ(ステップ6−7)。
次に、図24に移って、図8のフローチャートのステップ3−2(4−2)で得られたランプ電圧Vla1(Vla2)を用いて、このランプ電圧Vla1の値とVt2(極性反転後のランプ電圧の平均値PのK倍)とを比較(ステップ6−8)する。
Vt2の方が大きければ、つまり、ステップ6−8で「Y」のとき、ステップ6−9へ進み、瞬間回数を計数(1を加算)する。また、Vt2の方が小さければ、つまり、ステップ6−8で「N」のとき、図8のフローチャートのステップ3−3(もしくはステップ4−3)へ移行する。
この動作を繰り返し、ステップ6−10で瞬間回数が所定回数G(例えば10回)になると、つまり、ステップ6−10で「Y」のとき、ステップ5−1へ進み、スイッチング素子Q1〜Q4の動作を停止させることで、ランプへの電力供給を停止する。また、ステップ6−10で瞬間回数が所定回数Gに達していないと、つまり、ステップ6−10で「N」のとき、図8のフローチャートのステップ3−3(もしくはステップ4−3)へ移行する。
なお、ランプ電圧Vlaの平均値は、例えば、検出結果を加算し、加算結果を加算回数で割り算をすればえられる。また、ここでは、Kを0.7としていていたが、このKは、0.5以上1未満の範囲内であれば、極性反転直後に発生する瞬時の変化を検出できる。
(6−3)その他
実施例6及び7では、外管内放電を検出するフローを図8のステップ3−1(4−1)とステップ3−2(4−2)との間、或いは、ステップ3−2(4−2)とステップ3−3(4−3)との間に挿入していたが、これらのフローは、各半波サイクル内で行われれば良く、実施例6及び7で説明した位置に必ずしも挿入する必要はない。
(7)実施例8
実施例5では、正常な点灯をしているランプであってもランプ始動直後の放電が不安定であり、この不安定な状態を外管内放電と判定するのを防ぐために、マスク機能を有している。このマスク機能は、当然、他の実施例においても実施できる。以下、実施例6,7についてマスク機能を設けた例を実施例8として説明する。
本実施例8では、上述の図20のフローチャート又は図24のフローチャートの各々に「マスク回数書き込み」と「マスク回数<F」というフローを追加したものであり、それぞれ図25及び図26を用いて説明する。
図25のステップ16−2−1及び6−2−2、図26のステップ6−7−1及び6−7−2での「マスク回数書き込み」と「マスク回数<F」という処理は、図18のステップ4−2−11の「マスク回数書き込み」と、ステップ4−2−12の「マスク回数<F」と同じ処理であり、ランプが始動してから所定時間が経過した(マスク回数が所定回数Fに達した)か否かを判定している。すなわち所定時間が経過していなければ、瞬間回数に1が加算されることはない。
上記のマスク機能を設けることで、ランプは正常ランプの始動直後において、極性反転直後に急峻なランプ電流波形(もしくは電圧波形)が観測されることがあっても、そのモードを外管内放電ランプとして誤検出しないようにできる。なお、上記の所定時間とは、実施例5で説明したように、ランプ始動直後からランプが安定するまでの時間(5分程度)が目安とできる。
<変形例>
以上、本発明を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記の実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を実施することができる。
1.点灯装置について
上記実施の形態(実施例)の点灯装置の回路は、ランプに電力を供給できるものであれば良く、銅鉄式であっても、電子式でも矩形波点灯方式だけでなく、高周波点灯方式であっても良い。
なお、本実施例1〜5では、電気特性の実効値を用いているため、点灯回路に銅鉄式を用いる場合には実効値を検出するための手段(例えば、交流信号を波形に関係なく真の実効値に変換して直流電圧として出力するような変換器、所謂、真の実効値変換器ボードを利用することができる。)が必要となる。
さらに、実施例6、7については、電気特性としてランプ電圧を検出する場合には適用できる。これは、銅鉄式では、ランプ電流が矩形波とならないためである。
また、実施の形態における点灯回路としては、図3に示した、いわゆる、フルブリッジ形のインバータ回路を例示したが、例えば、図27の降圧チョッパ回路と低周波極性反転回路を組み合わせた、いわゆる、5石式でも良いし、図28に示す、2つのスイッチング素子と2つのコンデンサを備えた(スイッチング素子Q1がオンのときにコンデンサC4に電荷が蓄えられ、スイッチング素子Q2がオンのときにコンデンサC3に電荷が蓄えられる)、いわゆる、ハーフブリッジ形でも良い。なお、図27及び28のS0,S2はチョッパ回路の制御部、IGはイグナイタである。
2.ランプについて
(1)定格電力について
上記実施の形態では定格ランプ電力が150Wのメタルハライドランプを一例に挙げて説明したが、150Wに限らず定格ランプ電力が例えば20W〜400Wのメタルハライドランプにおいて上記と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、実施の形態での点灯装置が点灯させるランプは、外囲器がセラミック材料からなるランプであったが、他のランプ、例えば、石英ガラスからなる従来のランプであっても良い。
一般的に、定格ランプ電力が高いランプでは、電力損失が小さく発光効率が上昇する傾向にある。一方、定格ランプ電力が低い、例えば150Wのランプでは、電力損失の割合が大きく発光効率が低下する傾向にある。したがって、定格ランプ電力の値によって上記した作用効果の程度に差はあるものの、定格ランプ電力が同じ従来のランプの発光効率に比べれば、相対的にその発光効率を向上させることができる。
(2)封入物について
上記実施の形態では、ランタノイド系ハロゲン化物として、ヨウ化プラセオジウムのみ又はヨウ化セリウムのみを封入した場合について説明したが、ヨウ化プラセオジウムおよびヨウ化セリウムの両方を封入した場合はもちろんのこと、ヨウ化プラセオジウム又はヨウ化セリウムに加えてその他のランタノイド系ハロゲン化物としてランタン(La)やネオジウム(Nd)等を封入した場合でも、上記と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、ヨウ化プラセオジウム又はヨウ化セリウムのうち少なくとも一方をランタノイド系ハロゲン化物と、ヨウ化ナトリウムと、ヨウ化第二水銀又はヨウ化第一水銀を封入した場合について説明したが、所望の色温度、演色性を得るために公知の金属ハロゲン化物を適宜封入することができる。
また、上記実施の形態では、金属ハロゲン化物として金属ヨウ化物を一例として説明したが、例えば金属臭化物等の金属ハロゲン化物であっても上記と同様の作用効果を得ることができる。
(3)発光管形状について
上記実施の形態では、図1および図2に示すとおりの形状を有した発光管6を用いた場合について説明したが、例えば、図29(a)〜(f)に示すとおりの形状を有した発光管6a,6b,6c,6d,6e,6fを用いても良い。ただし、図29(a)〜(f)に示された発光管6a,6b,6c,6d,6e,6fはいずれもその発光管6a,6b,6c,6d,6e,6fの長手方向の軸(各図中、Cで示す)を中心軸とする回転体であり、またその厚みはいずれも省略されており、各図に示された発光管6a,6b,6c,6d,6e,6fにおいてその外面形状および内面形状は図示したとおりである。また、各図に示された発光管6a,6b,6c,6d,6e,6fにおいて、必要に応じて細管部を形成しても良い。
特に、図29(a)に示された発光管6aは、発光管6aの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭が楕円形である。この発光管6aは、構造が簡単なため生産コストを低くすることができるとともに、大量生産した場合、個々の発光管6aにおいて色温度のばらつきを抑えることができる。そのため、例えば天井照明等の同一空間で複数使用する場合、この発光管6aを用いた個々のランプ又は照明装置において、色温度のばらつきを目立ちにくくすることができる。
図29(b)に示された発光管6bは、発光管6bの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭が長方形である。この発光管6bの形状は、特に寿命中の色温度の変化を小さくすることができる。
図29(c)に示された発光管6cは、発光管6cの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭がその両端部で半円形であり、その半円をつなぐ部分が内側に凹んだ弓形状になっている。この発光管6cは、始動時の光立ち上がりを早くすることができ、例えば設計にもよるが定格光出力に達するまでの時間を10〜20%程度短くすることができるとともに、水平点灯時のアーク湾曲が極めて少なく、点灯時のちらつきを抑制することができる。
図29(d)に示された発光管6dは、発光管6dの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭がその両端部で半円形であり、その半円をつなぐ部分が直線状である。この発光管6dは、寿命中の色温度の変化を最も小さくすることができる。
図29(e)に示された発光管6eは、発光管6eの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭がその両端部で半円形であり、その半円をつなぐ部分が外側に膨らんだ弓形状になっている。この発光管6eも、前記発光管6aと同様に、大量生産した場合、個々の発光管6eにおいて色温度のばらつきを抑えることができる。そのため、例えば天井照明等の同一空間で複数使用する場合、この発光管6eを用いた個々のランプ又は照明装置において、色温度のばらつきを目立ちにくくすることができる。
図29(f)に示された発光管6fは、発光管6fの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭がその両端部で略台形であり、その略台形部をつなぐ部分が直線状である。この発光管6fも、前記発光管6cと同様に、始動時の光立ち上がりを早くすることができ、例えば設計にもよるが定格光出力に達するまでの時間を10〜20%程度短くすることができるとともに、水平点灯時のアーク湾曲が極めて少なく、点灯時のちらつきを抑制することができる。
なお、図29(a),(c),(e)の発光管6a,6c,6eについては、長手方向の軸に沿って内径Dが変化しているが、このような場合、一対の電極18間の中央部の内径をもって当該発光管の内径Dとする。
3.検出手段
実施例1〜8においては、ランプの電気特性変化を検出するためにランプ電圧を読み込んでいるが、この検出は当然他のランプ電気特性、例えばランプ電流で行っても良い。なお、ランプ電流の検出は、例えば、ランプに直列接続した抵抗(一定値)の両端の電圧から検出したり、さらに、図3のインダクタL1を電流変成器CT(カレントトランス)にして、2次側の電流を検出したりすることで行える。
(1)実施例1対応
上記実施例1では、ランプ電圧Vlaを検出していたが、立ち消えが発生した際にランプ電流Ilaが略「0」となるので、ランプ電流Ilaを検出手段で検出して、このランプ電流Ilaが「0」となる時間が所定時間以上継続する場合、外管内放電等が発生していると判定しても良い。
(2)実施例2対応
上記実施例2では、変動の大きいランプ電圧Vlaを検出していたが、ランプ電圧の大きいことに起因してランプ電流Ilaの変動も大きくなるので、このランプ電流Ilaを検出手段で検出して、基準値に対して上下に変動した回数から外管内放電と判定しても良い。
(3)実施例3対応
上記実施例3では、各半波サイクルでのランプ電圧Vla1、Vla2を検出して、ランプ電圧Vla1,Vla2との差が所定値以上になったときに、半波放電と判定していたが、各半波サイクルでのランプ電流を検出手段で検出して、これらの差が所定値以上になったときに、半波放電と判定しても良い。
(4)実施例4対応
上記実施例4では、各半波サイクルでのランプ電圧を検出して、測定したランプ電圧が、下限電圧よりも低い或いは上限電圧よりも高い場合に、外管内放電と判定していたが、各半波サイクルでのランプ電流を検出手段により検出して、検出したランプ電流について、所定の下限値、上限値と比較して、外管内放電か否かを判定しても良い。
(5)実施例6,7対応
上記の実施例6,7では、ランプ電圧を検出して、急峻なランプ電圧を示したとき外管内放電と判定していたが、ランプ電流についても、ランプ電圧と同様に急峻な変化が見られるため、ランプ電圧と同様に、電流を検出手段で検出して、急峻な変化があったときに外管内放電と判定しても良い。
(6)最後に
さらに、検出手段が検出する電気特性は、ランプ電圧、ランプ電流の両特性であっても良い。なお、実施の形態では、ランプ電圧に関して説明したが、ランプ電流を検出する場合には、例えば、ランプに直列接続した抵抗(一定値)の両端の電圧から検出したり、さらに、図4のインダクタL1を電流変成器CT(カレントトランス)にして、2次側の電流を検出したりすることで行える。
5.マスク機能について
実施の形態では、実施例3についてマスク機能を設け(実施例5)、実施例6,7についてマスク機能を設け(実施例8)ていたが、当然他の実施例にマスク機能を設けても良い。
6.その他
(1)実施例1についての変形例1
実施例1における無負荷判別は、ランプ電圧Vlaを検出して、当該ランプ電圧Vlaが、一定値である電圧閾値Vmaxと比較していたが、無負荷の判定基準は、一定値でなくても良い。
つまり、ランプの寿命末期に見られる立ち消えは、正常点灯時のランプ電圧よりも高い傾向にある。従って、例えば、図30に示すように、検出したランプ電圧が、正常点灯時のランプ電圧よりも高いところの立ち消え危険ソーンに入っているか否かにより無負荷判別できる。
(2)実施例2について(その1)
実施例2における判定手段は、ランプ電圧Vlaが、閾値Vrefに対して上下に変動した回数が所定回数になると、外管内放電と判定していた。つまり、判定基準である閾値Vrefは一定値であったが、例えば、所定幅を有する判定基準を用いても良い。以下、幅を有する判定基準を用いて、外管内放電の状態にあるか否かを判定する変形例2について説明する。
図31は、変形例2におけるランプ電圧の波形を示す図であり、図32は、変形例2における点灯装置の動作を示す図である。
先ず、変形例2に係るランプ電圧Vla1は、図31に示すように、上下に変動している。そして、本変形例での判定基準は、例えば、下限が50(V)、上限が55(V)の範囲、つまり、5(V)の幅(所定幅に相当する)を有する領域から上下に交互に出た回数が所定回数になると、外管内放電が生じていると判定する。
具体的には、図32に示すように、ステップ3−2でランプ電圧Vla1を読み込み、ステップ3−2−1aで所定幅を構成する上限値Vref3(55V)より大きいか否かを判定する。
ステップ3−2−1aで、ランプ電圧Vla1が上限値Vref3より大きいと判定されると(図中の「Y」である。)、実施例2と同様に、ステップ3−2−2に移行し、逆に、ランプ電圧Vla1が上限値Vref3以下の場合は(図中の「N」である。)、ステップ3−2−1bに進む。
ステップ3−2−1bでは、ランプ電圧Vla1が所定幅を構成する下限値Vref4より小さいか否かを判定する。ランプ電圧Vla1が下限値Vref4より小さいと判定されると(図中の「Y」である。)、実施例2と同様に、ステップ3−2−3に進んで、Flag1が「1」であるか否かを判定する。
なお、他のステップは、実施例2と同じであるため、その説明を省略する。また、ここでは、ランプ電圧について説明したが、ランプ電流についても実施できる(上記3.検出手段の(2)実施例2対応参照)。
上記のように判定基準に幅を持たせると、正常時の放電を、異常時な放電である外管内放電と判断するのを少なくできる。
つまり、検出する電気特性(ここでは、ランプ電圧である)にノイズが入ると電気特性が瞬間的に変動し、また、正常時の放電であっても電気特性に変動が生じるため、判定基準が一定値の場合には、これらの変動を検出してしまい、正常時の放電であっても外管内放電と判断してしまう惧れがある。これに対して、判断基準として、正常時の放電の電気特性の変動分を考慮して(例えば、5(V))、幅を持たせると、正常時の放電を外管内放電と判断する可能性を低くできる。
さらに、上記の実施例2及び本項での実施例2では、判定基準に対して上下に変動した回数で、外管内放電を判定していたが、例えば、検出した前後のランプ電圧の差を算出して、この差が所定値(例えば、5(V))以上になったときに、外管内放電と判定しても良い。
(3)実施例2について(その2)
上記実施例2では、各半波サイクル毎にランプ電圧Vla1、Vla2を検出していたが、問えば、正極のみの半波サイクルでランプ電圧Vla1を検出して、正極側のランプ電圧Vla1の変動から外管内放電を判定しても良いし、負極側のランプ電圧Vla2から外管内放電を検出しても良い。
さらに、上記の実施例2では、各半波サイクルに検出するランプ電圧は1回であったが、検出回数は、半波サイクルにつき1回でなくても良く、複数回(例えば、3回)であっても良い。当然、本項で説明した正極又は負極のみの半波サイクル中に複数回ランプ電圧Vlaを検出しても良い。また、ここでは、ランプ電圧について説明したが、ランプ電流についても実施できる。
(4)実施例4について
実施例4での判定手段は、検出結果が所定の上限値よりも大きい値となった回数又は前記検出結果が所定の下限値よりも小さい値となった回数が所定回数になったときに、現在の放電が前記外管内放電であると判定しているが、例えば、前記検出結果が所定の上限値よりも大きい値となった時間又は前記検出結果が所定の下限値よりも小さい値となった時間が所定時間以上になったときに、現在の放電が前記外管内放電であると判定しても良い。この場合、時間の検出は、例えば、この状態が連続的にメモリされた回数をカウントすることにより実施できる。
(5)最後に
実施の形態で説明した各実施例は、互いに組み合わせても良いのは言うまでもない。
また、実施の形態では、放電が外管内放電前の状態又は外管内放電の状態と判定されると、ランプへの電力の出力を停止するようにしていたが、例えば、ランプへの電力の出力を低減するようにしても良い。
本発明は、外管内放電がなされたときに、ランプの点灯を制限できる安全な照明システム又は点灯装置に利用できる。
本発明は、メタルハライドランプと点灯装置とを備える照明システムに関する。
従来から、屋内や屋外の施設等に使用されている照明システムの光源としてメタルハライドランプが使用され、近年、発光管の外囲器にセラミック材料を用いた、所謂、セラミックメタルハライドランプが使用されるようになった。
これは、外囲器にセラミック材料を用いると、外囲器に石英ガラスを用いた従来のメタルハライドランプに比して、耐熱性が高く、発光管内に封入された金属ハロゲン化物との反応も少なく、管壁負荷を上げることができる。これにより、石英ガラスを用いたメタルハライドランプよりも高い効率を得ることができる。なお、石英ガラスを用いたメタルハライドランプと区別する必要がある場合以外、セラミックメタルハライドランプを、単に、「ランプ」という。
そして、ランプにおいて、さらに、高効率化を図るために、外囲器内に金属ハロゲン化物としてセリウム(Ce)やプラセオジウム(Pr)のランタノイド系ハロゲン化物とナトリウム(Na)のハロゲン化物とを封入し、かつ比較的細長い形状の発光管(電極間の距離をL、発光管の内径をDとしたとき、L/D>4)を用いることが提案されている(例えば特許文献1参照)。なお、上記ランプでは、111(lm/W)〜177(lm/W)という高い効率が得られるとされている。
ここで、ランプの基本的な構成について説明する。
ランプは、図1に示すように、一端部が閉塞され、かつ他端部にフレア2が封着された外管3と、一部が前記フレア2に封止され、かつ一端部がフレア2を介して外管3内に引き込まれた二本の電力供給線4,5と、外管3内において前記電力供給線4,5によって支持された発光管6と、外管3の他端部に固着された口金7とを備えている。
電力供給線4,5は、口金7に接続されており、当該口金7を介して外部から給電された電力を発光管6内に配置された一対の電極に供給する機能も有している。
なお、外管3の内部は、真空(減圧)状態に保たれ、また、発光管内には、金属ハロゲン化物や始動用バッファガスが封入されている。
一方、近年、ランプを点灯させるための点灯装置は、小型化・軽量化・高機能化が求められており、従来の銅鉄式から電子式に移行しつつある。通常、ランプ用の電子式点灯装置は、所定周波数でランプにちらつき等が生じる、所謂、音響的共鳴現象を回避するために矩形波点灯方式を採用している。
矩形波点灯方式とは、ランプ電流の限流について高周波領域で行うことで限流要素の小型化を図り、その一方で高周波電流を音響的共鳴現象の生じない低周波にて極性反転させ、その高周波成分をフィルタ回路にて除去した低周波成分のみの矩形波電流をランプに供給することにより、音響的共鳴現象を回避しつつ安定なランプ点灯を可能とするものである。
また、ランプは、点灯初期からの点灯時間の経過とともに、ランプ電圧が上昇する傾向にある。通常、銅鉄式点灯装置であれば、ランプ電圧が上昇していくと、ランプの再点弧電圧が上昇し、その点灯を維持できなくなり、立ち消えを起こしていた。なお、電子式点灯装置では、ランプ電力を制御できるため、点灯時間の経過による立ち消えは発生しにくい。
特表2000−501563号公報
しかしながら、電子式点灯装置では、立ち消えを起こさない分だけ、銅鉄式点灯装置に比べて、ランプにかかる負担が大きくなり、外管内にある発光管が劣化し、その結果、発光管の封着部の気密性が低下し、発光管内の始動用バッファガスが真空の外管内に流出する、いわゆるリークという現象が起こることがある。
このようなリーク状態のランプに始動用のパルス電圧を印加した場合、ランプの電極と他の電位の導体(例えば、電力供給線)との間、又は電極以外の導体との間において、アーク放電が発生する(以下、この放電を「外管内放電」と呼ぶ。)。この外管内放電が継続すると、口金が過熱され、口金が樹脂で形成されている場合など、溶融するということもあり得た。なお、この外管内放電は銅鉄式点灯装置においても同様に起こることがある。
このような外管内放電への対策としては、外管内に窒素ガスを封入し真空でない状態にする方法や、電流ヒューズをランプ内に配置し、過電流により電流ヒューズを溶断させ供給電力を遮断する方法が知られている(特許第3126300号)。
しかし、外管内に窒素ガスを封入した場合、その真空状態時と比べ、ランプ効率の低下等の弊害があり、また、電流ヒューズを用いた場合には、過電流の電流値によって、溶断までに長時間を要したり、溶断まで至らなかったりする場合もあるため、外管内放電時に確実に電力供給を遮断することはできなかった。
特に、特許文献1に記載されたようなランプを代表とするL/D≧2なる関係式を満たすランプでは、発光管が細長い形状をしているので、必然的に電極間距離が長くなり、外管内放電が起きやすく、上記した問題が顕著に現れる傾向にある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、特にランプの寿命末期などに、外管内放電に起因して外管が破損するのを防止することができる照明システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る照明システムは、発光管が外管内に収納されているメタルハライドランプと、前記メタルハライドランプを点灯させる点灯装置とを備える照明システムであって、前記点灯装置は、前記メタルハライドランプに電力を供給する電力供給手段と、
前記メタルハライドランプの電気特性を検出する検出手段と、前記検出結果から、現在の放電が、前記外管内で且つ前記発光管の外部で発生した外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあるか否かを判定する判定手段と、前記外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態と判定したときに、前記メタルハライドランプへの電力供給を停止又は低減させるよう前記電力供給手段に指示する指示手段とを備えることを特徴としている。
ここでいう「電気特性」とは、例えば、ランプ電圧、ランプ電流、ランプ電力、力率を含む概念で、これらの上位概念として用いている。
また、「前記検出結果から、現在の放電が、前記外管内で且つ前記発光管の外部で発生した外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあるか否かを判定する」とは、例えば、実施例1から実施例4、実施例6、7で説明した判定基準によりなされ、これらの判定基準・判定内容の上位概念として用いている。
一方、前記判定手段は、前記検出結果が少なくとも正常点灯時の検出結果と異なるときに、現在の放電が前記外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあると判定することを特徴とし、また、前記判定手段は、外管内放電の状態又は外管内放電前の状態にあるときに見られる放電の特徴を基にして判定している。
前記検出手段が検出する電気特性は、ランプ電圧及びランプ電流の少なくとも1つであることを特徴としている。
一方、前記放電の特徴は、立ち消え又は再始動を繰り返すことであり、前記判定手段は、前記検出結果から立ち消え又は再始動の回数を計数して、計数した回数が所定回数になったときに、現在の放電が前記外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあると判定することを特徴とし、前記放電の特徴は、検出される電気特性の変動が大きいことであり、前記判定手段は、正常点灯時の検出結果から設定された判定基準に対して前記検出結果が前記判定基準から外れて上下に変動した回数を計数して、当該回数が所定回数になったときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴としている。
また、前記電力供給手段は、交流電力を供給し、前記放電の特徴は、半波放電することであり、前記判定手段は、前記検出結果が半波放電の特徴的な電気特性を継続的に示すときに、現在の放電が前記外管内放電の状態であると判定することを特徴としている。
さらに、前記特徴的な電気特性を継続的に示すときとは、半波放電の放電時間又は半波放電の発生回数が、所定値以上になったときであることを特徴としている。
一方、前記放電の特徴は、外管内放電が安定していることであり、前記判定手段は、前記検出結果が所定の上限値よりも大きい値となった回数又は前記検出結果が所定の下限値よりも小さい値となった回数が所定回数になったときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴とし、或いは、前記放電の特徴は、外管内放電が安定していることであり、前記判定手段は、前記検出結果が所定の上限値よりも大きい値となった時間又は前記検出結果が所定の下限値よりも小さい値となった時間が所定時間以上になったときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴としている。
前記電力供給手段は、正極及び負極の交流電力を供給し、前記検出手段は、交流電力の各極性毎で電気特性を検出し、前記判定手段は、交流電力の各極性毎で判定していることを特徴とし、また、前記電力供給手段は、正極及び負極とを反転させる交流電力を供給し、前記放電の特徴は、極性反転直後に急峻な電気特性変化が発生することであり、前記検出手段は、極性反転直後の電気特性を検出し、前記判定手段は、極性反転直後に急峻な電気特性変化が発生しているときに、現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴としている。
さらに、前記判定手段は、極性反転から所定期間後に検出した電気特性が所定値以上のときに、前記急峻な電気特性変化が発生したとすることを特徴とし、また、前記判定手段は、極性反転から所定期間後に検出した電気特性を基にして算出した平均値又は実効値が所定値以上のときに、前記急峻な電気特性変化が発生したとすることを特徴とし、さらには、前記判定手段は、極性反転直後に急峻な電気特性変化が所定回数発生しているときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴としている。
一方、前記点灯装置は、前記メタルハライドランプの点灯開始から所定時間が経過するまでは、前記判定手段が、現在の放電が外管内放電の状態又は外管内放電前の状態にあるか否かの判定をしないようにするマスク期間を有することを特徴としている。
一方、前記メタルハライドランプにおいて、前記外管内は真空排気されていることを特徴とし、また、前記メタルハライドランプにおいて、前記外管内は窒素ガスが封入されていることを特徴とし、さらには、前記メタルハライドランプにおいて、前記発光管内にはバッファガスとしてキセノンガスが封入されていること特徴としている。
また、前記メタルハライドランプにおいて、前記発光管内には前記金属ハロゲン化物として少なくともハロゲン化プラセオジウムとハロゲン化ナトリウムとが封入されていることを特徴とし、或いは、前記メタルハライドランプにおいて、前記発光管内には前記金属ハロゲン化物として少なくともハロゲン化セリウムとハロゲン化ナトリウムとが封入されていることを特徴とし、さらには、前記発光管は、内部に一対の電極を備え、発光管の内径をD(mm)、一対の電極間をL(mm)とするとき、L/D≧4なる関係式を満たすことを特徴としている。
本発明に係る照明システムは、現在の放電が外管内放電又は外管内放電の前の状態と判定されると、ランプへの給電が停止又は低減されるので、外管が破損するようなことを無くすことができる。
<実施の形態>
1.ランプについて
図1は、本発明に係る実施の形態に用いるランプの構造を示す。
本実施の形態におけるランプ1は、定格ランプ電力150Wのセラミックメタルハライドランプであり、以下、このランプ1を例にして説明する。
ランプ1は、一端部(図1では下端に相当する。)が閉塞され、他端がフレア2により封着された外管3と、フレア2を介して外管3内に引き込まれた二本の電力供給線4,5と、外管3内でこれら電力供給線4,5によって支持された発光管6と、外管3の他端部に固着された口金7とを備えている。なお、口金7には、例えば、ねじ込み式(E形)が用いられている。
外管3は、例えば、硬質ガラスやホウケイ酸ガラス等の材料で構成され、例えば、ホウケイ酸ガラスからなるフレア2により封着され、その内部は、300(K)での気圧が1×10-1(Pa)程度の真空状態にある。もちろん、必要に応じて外管3内に、例えば、窒素を封入しても良い。外管3内に窒素を封入した場合、外管内放電の発生確率を低下させることができる。
電力供給線4,5は、例えば、ニッケル又は軟鋼等の材料で構成され、その一部がフレア2により封止されることにより、一端側が外管3内に引き込まれ、また、他端が外管3の外側で口金7に接続されている。なお、他端の口金7への電気的接続は、一方の電力供給線4が口金7のアイレット部8に、他方の電力供給線5が口金7のシェル部9にそれぞれ接続されることで行われる。
また、電力供給線5のうち、外管3内に引き込まれた部分の一部には、点灯中、この電力供給線5の表面から光電子が発生しないように、例えば、酸化アルミニウムからなるチューブ10が被覆されている。さらに、電力供給線5には、外管3内を真空状態にした場合において、外管3内のガス不純物を捕捉するためにゲッター11が取り付けられている。
図2は、発光管の断面図を示す図である。
発光管6は、図2に示すように、筒状の本管部15と、当該本管部15の両端に設けられた細管部16とを備える外囲器17を有する。ここで、本管部15は、円筒部12と、当該円筒部12の両端部に形成されたテーパ部13と、当該テーパ部13における円筒部12と反対側の端部に形成されたリング部14とからなり、細管部16が、前記リング部14に、例えば、焼きばめ加工により連結されている。なお、外囲器17を構成する本管部15及び細管部16は、多結晶アルミナ材料(セラミック材料)から構成される。
なお、図2に示した例では、本管部15における円筒部12、テーパ部13及びリング部14はそれぞれ一体成形されており、繋ぎ目はない。もちろん、円筒部、テーパ部及びリング部等がそれぞれ焼きばめによって一体化されていても良い。また、本管部15と細管部16とが一体成形されていても良い。
また、外囲器17を構成する材料としては、多結晶アルミナ以外にイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、窒化アルミニウム、イットリア、又はジルコニア等の透光性セラミックを用いることができる。
発光管6内には、発光物質としての金属ハロゲン化物、始動用のバッファガス等が封入されている。具体的には、金属ハロゲン化物としては、例えば、ヨウ化プラセオジウム、ヨウ化ナトリウムが、また、バッファガスとしては、キセノンガス(Xe)が室温で20(KPa)となるようにそれぞれ封入されている。なお、金属ハロゲン化物及びバッファガス以外に、液体水銀が総量として、例えば、10(mg)封入されている。
金属ハロゲン化物としてヨウ化プラセオジウムとヨウ化ナトリウムとを用いることにより、発光効率を向上させることができる。しかしながら、ヨウ化プラセオジウムおよびヨウ化ナトリウムに代えて、ヨウ化セリウムおよびヨウ化ナトリウムを用いても、発光効率を向上させることができる。もっとも、所望の色温度、演色性を得るために上記した金属ハロゲン化物以外に、公知の金属ハロゲン化物を適宜封入することができる。
発光管6の内部には、一対の電極18が対向配置されている。
電極18は、図2に示すように、電極軸20と、当該電極軸20の先端に設けられた電極コイル21とからなり、電極軸20における電極コイル21と反対側端部が電極導入体22に取着されている。なお、電極軸20は、例えば、直径0.5(mm)のタングステン棒が用いられ、また、電極コイル21は、例えば、電極軸20と同じ材料であるタングステンが用いられている。
電極導入体22は、電極軸20が接続されている第一の部材24aと、当該第一の部材24aに連結されると共に電極供給線4,5に接続される第二の部材24bとを有している。第一の部材24aは、例えば、モリブデンや導電性サーメットから構成され、第二の部材24bは、例えば、ニオビウムから構成されている。なお、第一及び第二の部材24a,24bの直径は、例えば、0.9(mm)である。
電極18は、電極軸20が略同一軸(図2中、「C」で示す。)上であって、電極コイル21同士を対向させて、両者の間隔が所定距離となる状態で、電極導入体22が細管部16内で封着されている。
つまり、電極導入体22が細管部16内に挿通した状態で、電極導入体22の第二の部材24bと細管部16とで形成される隙間にガラスフリット23を流し込み、このガラスフリット23が硬化することで、発光管6を気密封止状に電極導入体22が細管部16に固着される。なお、本管部15における電極18が対向する部分に、放電空間19が形成される。
発光管6を構成する円筒部12の内径Dは、例えば、4(mm)であり、発光管6の内容積は、電極18が挿入された状態で、例えば、0.45(cc)である。また、発光管6の管壁負荷は、例えば、20(W/cm2)〜35(W/cm2 )の範囲内に設定されている。
さらに、発光管6内に配されている電極18間の距離(電極コイル21の先端同士の距離)Lは、例えば、32(mm)であり、L/Dは8となる。これは、ランプの高効率化を図るためであり、L/D≧2なる関係式を満たしている。なお、一層の高効率化を図るために、L/D≧4なる関係式を満たすことが好ましい。
2.点灯装置の構成について
図3は、ランプを点灯させるための点灯装置の回路構成図である。
ここで、上記構造のランプ1を図3では放電ランプLaとして表示している。
本発明に係る点灯装置は、矩形波点灯方式を採用している。これは、背景技術の欄で説明したように、音響的共鳴現象を回避するためである。
点灯装置は、図3にも示すように、交流電源Vsに接続された直流電源回路Aと、当該直流電源回路Aの出力端に接続されたインバータ回路Bとを含み、このインバータ回路Bの出力端にランプLaが接続されている。
(1)直流電源回路A
直流電源回路Aは、整流回路DB、昇圧チョッパ回路、平滑コンデンサC0とからなり、交流電源Vsの交流電圧を所定電圧値の直流電圧に整流・平滑する機能を有する。
整流回路DBは、例えば、ダイオードブリッジを用いて構成された、所謂、ブリッジ整流器である。なお、もっとも、他の電子部品、例えば、GTOサイリスタを用いた整流回路であっても良い。
昇圧チョッパ回路は、インダクタL0、スイッチング素子Q0、ダイオードD0を備え、インダクタL0、スイッチング素子Q0が直列回路を構成して、整流回路DBの両端に接続されている。また、ダイオードD0と平滑コンデンサC0は直列回路を構成して、スイッチング素子Q0に対して並列に接続されている。
スイッチング素子Q0は、例えば、N型電界効果トランジスタが用いられる。この場合は、トランジスタのベースが制御部S0に接続され、ドレインがインダクタL0とダイオードD0との間に、ソースがコンデンサC0と整流回路DBとの間に夫々接続されている。
制御部S0は、平滑コンデンサC0の両端の電圧VDCに基づいて、スイッチング素子Q0をオン/オフ制御している。
(2)インバータ回路B
インバータ回路Bは、主に、スイッチング素子Q1〜Q4、インダクタL1,L2、コンデンサC1,C2、ICドライバ(例えば、IR社製IR2308)K1,K2、制御部S1で構成される。
図3に示すように、スイッチング素子Q1,Q2は直列状態で接続され、同様に、スイッチング素子Q3,Q4も直列状態で接続されて、これらが直列電源回路Aに対して並列に接続されている。
また、インダクタL2とコンデンサC2は、後述するランプ始動時に高圧共振パルスを発生させるイグナイタ回路を構成し、インダクタL2とコンデンサC2とを直列に接続して、これらが前記スイッチング素子Q2に対して、並列に接続されている。
直列状態に接続されているインダクタL2とコンデンサC2との間と、スイッチング素子Q3,Q4との間には、ランプLaとインダクタL1とが直列状態で接続され、またインダクタL2とランプLaに対して、フィルタ用のコンデンサC1が並列に接続されている。
また、ランプLaの電圧を検出するために、ランプLaの両側(ここでは、直列接続されているインダクタL2とランプLaの両端であるが、当然ランプLaの両端でも良い。)には、直列接続された抵抗R1,R2と、同じく抵抗R3,R4がそれぞれ接続されている。制御部S1は、ランプLaのランプ電圧の検出結果に基づいて、ICドライバK1,K2を介して、スイッチング素子Q1,Q2,Q3、Q4をオン・オフ動作させる。
スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4は、例えば、N型電界効果トランジスタが用いられている。スイッチング素子Q1,Q3のソースがスイッチング素子Q2,Q4のドレインに接続され、各スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4のゲートがICドライバK1,K2に接続されている。
制御部S1は、マイコンにより構成され、また、予め設定されたランプ電圧とランプ電力の相関テーブル(以後、「Wテーブル」とする。)を有しおり、ランプ電圧を抵抗R1〜R4によって検出し、前記Wテーブルに基づいて、検出したランプ電圧に応じてスイッチング素子Q1〜Q4のオン/オフ動作を行い、ランプ1に適切な電力を供給する。
図4は、ランプ電圧とランプ電力の相関図を示す。Wテーブルは、図4に示す相関図となるような、ランプ電圧と、このランプ電圧に対応するランプ電力とをテーブルにしたものである。
ここで、ランプ1に適切な電力を供給する方法として、例えば、スイッチング素子Q3,Q4のオン動作時間を長短することで行える。
具体的には、制御部S1は、抵抗R1〜R4により分圧された電圧をマイコンによりA/D変換した値をランプ電圧として認識する。すなわち、ランプ電圧を検出するには、抵抗R2の両端電圧VR2と抵抗R4の両端電圧VR4との差の絶対値を求めることでランプ電圧値として認識する。
また、通常、電子式点灯装置においては、ランプ始動用の高圧パルス電圧を発生するイグナイタ回路を搭載しており、本点灯装置においても、スイッチング素子Q1,Q2とインダクタL2、コンデンサC2でイグナイタ回路を構成する。なお、ランプ始動時においても、スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフ動作は、ICドライバK1を介して制御部S1で行われる。
3.点灯装置の基本動作について
(1)ランプ正常点灯時について
図5は、点灯装置の正常点灯時の動作説明するための波形図であり、図6は、点灯装置の正常点灯動作時の動作説明のための図である。なお、図5には、各スイッチング素子Q1〜Q4のランプ点灯時のタイムチャートが示されている。
先ず、制御部S1は、図5に示すように、スイッチング素子Q1,Q2を数10(Hz)〜数100(Hz)の低周波でオン/オフ動作させ、一方、スイッチング素子Q3,Q4を数10(kHz)の高周波でオン/オフ動作させる。
これによって、図6に示すように、インダクタL1には電流IL1が流れ、ランプLaには、コンデンサC1によって電流IL1の高周波成分を除去したIlaのような略矩形波電流が流れる。
このようにインバータ回路Bは、ランプ電流の限流機能と、ランプに高周波成分を除去した矩形波電流の供給機能とを同時に有する。
(2)ランプ始動時について
ランプ始動時や点灯装置の出力端にランプが接続されていない状態(以後、これらの状態を併せて、「無負荷状態」とする。)のイグナイタ回路の動作について説明する。
直列に接続されたインダクタL2とコンデンサC2は、ある周波数f1の電圧を印加することにより共振(共振回路を構成する。)する。ここで、周波数f1はスイッチング素子Q1,Q2の動作機能とインダクタL2のインダクタンス、コンデンサC2の容量等を考慮して数10(kHz)〜数100(kHz)に設定される。
図7は、ランプ始動時における点灯装置の動作説明のための波形図である。
制御部S1は、スイッチング素子Q1,Q2を、図7のパルス発生区間のように、交互にオン/オフする。
これにより、スイッチング素子Q1がオンのときは、直流電源回路Aの出力電圧が、スイッチング素子Q1とインダクタL2とコンデンサC2とよりなる閉回路に印加する。一方、スイッチング素子Q2がオンのときは、スイッチング素子Q1がオンのときにコンデンサC2に蓄えられた電荷を、コンデンサC2自身とインダクタL2とスイッチング素子Q2よりなる閉回路に放出する。
以上の動作を繰り返すことで、インダクタL2とコンデンサC2の接続点に高圧共振パルス電圧を発生させる(図7の「パルス発生区間」である。)。この共振パルス電圧がランプLaの片端に印加すると、ランプ内部の電極間に絶縁破壊が引き起こり、ランプが始動する。
尚、イグナイタ動作には直接関係しないが、ランプ始動後の電流回路を形成するために、スイッチング素子Q3,Q4に関してもパルス発生区間において図7のように動作させる。
また、ランプの点灯判別をするために、例えば、数10(ms)のパルス発生区間後に半周期の期間だけ、図5に示した矩形波動作をVla判別区間として設けている。
さらに上記イグナイタ動作は、ランプの始動性とランプの電極への負担を考え、パルス発生区間を数10(ms)継続した後、数100(ms)動作停止する間欠区間を設けている。
(3)点灯装置の動作について
次に、制御部S1における上記の始動時、ランプ点灯時、無負荷時の動作について説明する。
図8は、点灯装置の動作を示すフローチャートである。以下、同図を用いて順次説明する。
無負荷動作であるランプ始動動作から、ランプ始動後の矩形波出力動作でのフローを、(1)始動動作、(2)無負荷時動作、(3)第1半波サイクル時動作、(4)第2半波サイクル時動作の4つに大別する。ここでいう「半波サイクル時」とは、ランプ電圧の極性が「正極」側、又は「負極」側のサイクルをいう。
まず、ステップ1−1で点灯装置を始動させ、ステップ2-1で、無負荷時に回路をイグナイタ動作させる信号をICドライバK1,K2に出力する。つまり、制御部S1は、図7に示すように、ICドライバK1,K2を介してスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4をオン/オフさせて、イグナイタ回路により共振パルスを発生させ、当該パルス電圧をランプLaに印加する。そして、ステップ2−2で、ランプ電圧Vla1を読み込む。このランプ電圧Vla1の読み込みは、抵抗R2の電圧VR2と抵抗R4の電圧VR4との差から認識する。
ランプ電圧Vla1の読み込みが完了すると、ステップ2−3で無負荷判別する。無負荷判別は、予め設定された電圧閾値Vmaxとランプ電圧Vla1との比較により行い、Vla1>Vmaxの場合に無負荷であると判別する。
例えば、本実施の形態で説明しているランプは、正常点灯時のランプ電圧Vlaが90(V)に設定されており、当然、無負荷動作時におけるランプ電圧Vlaは前記90(V)よりも高い。従って、ランプ電圧に対する電圧閾値Vmaxは、正常点灯時のランプ電圧よりも高く、且つ、無負荷動作時のランプ電圧より低ければ、ランプ電圧から無負荷動作であるか否かを判別できる。
電圧閾値Vmaxの値としては、点灯開始時のグロー放電中のランプ電圧を基準にでき、本実施の形態におけるランプでは、グロー放電中のランプ電圧Vlaが250〜350(V)であり、正常時におけるランプ電圧の2.5倍〜4倍程度が好ましい。
そして、ステップ2−3で無負荷であると判別されれば(図中の「Y」である。)、ランプLaが、例えば、まだ始動(点灯)していない状態であり、ステップ2−1に移行し、また、ステップ2−3で無負荷でないと判定されれば(図中の「N」である。)、この状態はランプが始動した状態であるので、ステップ2−4に移行する。
ステップ2−4において、ランプ始動直後の専用のWテーブルを読み込み、第1半波サイクルの限流動作の目標値W1を設定する。
ステップ3−1では、設定された限流動作目標値W1に応じた信号、例えば、スイッチング素子におけるオン動作時間を変えた信号をICドライバK1,K2に出力しつつ、ステップ3−2で現時点でのランプ電圧をVla1として読み込む。
ステップ3−3で、ステップ2−3と同様の無負荷判別をし、もし、立ち消え等が起こり無負荷と判別されれば(図中の「Y」である。)、再点灯させるために、ステップ2−1へ移行する。点灯を継続していれば(図中の「N」である。)、ステップ3−4へ移行する。
ステップ3−4において、Vla1に応じて次回(第2)の半波サイクルの限流動作目標値W2をWテーブルより読み込み設定する。このとき、第1の半波サイクル時におけるランプ電圧と、第2の半波サイクル時におけるランプ電圧とでは、極性が反転するため、現在のランプ電圧の極性を見れば、次回の半波サイクルが第1か第2であるかが判定でき(ここでは、次回が第2の半波サイクルである。)、判定した次回の半波サイクルのWテーブルを読み込むことになる。なお、Wテーブルは、第1半波サイクル及び第2半波サイクルとも共通である。
ステップ3−5において、第1半波サイクル動作を完了し、極性反転の信号をICドライバK1,K2に出力する。具体的には、制御部S1は、スイッチング素子Q1のオン動作、スイッチング素子Q4のオン/オフ動作を停止する一方、スイッチング素子Q2をオン動作の信号、スイッチング素子Q3にオン/オフ動作の信号をICドライバK1,K2を介して出力する。
ステップ4−1において、ステップ3−4で読み込んだWテーブルの限流動作目標値W2に応じた信号をICドライバK1,K2に出力しつつ、ステップ4−2でランプ電圧をVla2として読み込む。
ステップ4−3で、ステップ2−3及びステップ3−3と同じように、Vla2>Vmaxの時に無負荷であると認識するような無負荷判別を行い、もし立ち消え等が起こり無負荷と判別されれば(図中の「Y」である。)、ステップ2−1へ移行する。点灯を継続していれば(図中の「N」である。)、ステップ4−4へ移行する。
ステップ4−4において、Vla2に応じて次回(第1)の第1半波サイクルの限流動作目標値W1をWテーブルから読み込み設定する。なお、次回の半波サイクルが第1か第2かは、上述と同じ、ステップ4−2で読み込んだランプ電圧Vla2の極性により判定される。
そして、ステップ4−5において、第2半波サイクル動作を完了し、極性反転の信号をICドライバK1,K2に出力し、ステップ3−1に移行する。以後、上記動作を繰り返す。
4.外管内放電状態の特徴について
本発明では、外管内放電の状態だけでなく、寿命末期時に見られる、近い内に発生する外管内放電に状態の前の状態についても検出して、これらの状態である場合にランプへの電力供給を遮断又は低減するようにしている。
なお、外管内放電前の状態の放電及び外管内放電を合せて、「外管内放電等」ということもあり、外管内放電前の状態及び外管内放電の状態を合せて、「外管内放電の状態等」ということもある。
それでは、外管内放電の状態等の特徴について説明する。
まず、外管内放電の状態の波形を、正常の点灯状態の波形と比較するために、図9(a)に、寿命末期に達していないランプが正常に点灯している状態のランプ電圧とランプ電流の波形を示す。
次に、ランプ寿命末期の一つの状態であり、外管内放電はまだ発生しておらず、ランプの立ち消えを無負荷として検出する場合のランプ電圧とランプ電流の波形を、図9(b)に示す。
なお、図9(b)に示す状態は、外管内放電前の状態に相当し、両図とも、縦方向に電圧値及び電流値を示し、横方向に時間経過を示している。
この状態での放電の特徴は、同図に示すように、電気特性ランプ点灯中にランプの立ち消えが生じると、ランプ電流が流れなくなるとともに、ランプ電圧が急激に高くなっていることである。また、電気特性な特徴としては、立ち消えにより、ランプ電圧が急激に高くなり、また、ランプ電流が略「0」になる。
図10、図11、図13は、外管内放電時のランプ電圧及びランプ電流の波形図である。
これらのランプ電圧、ランプ電流の波形図は、ランプが何らかの理由でその発光管が破損し、その後外管内放電状態になった時に測定されたものである。
なお、図中のランプ電圧Vla、ランプ電流Ilaの波形は試験バラストの出力端で測定したものである。試験に供するランプとしてフィリップス社製CDM−T150Wのランプ、試験に供するバラストとして矩形波点灯方式電子安定器(松下電工製MHC1501/24CK−2E)を使用した。
また、図10の(a)、図11の(a)、図13の(a)は、実際に測定されたランプ電圧及びランプ電流の波形であり、図10の(b)、図11の(b)、図13の(b)は、図10の(a)、図11の(a)、図13の(a)の波形の概略図で、破線にランプの正常な状態における点灯時のランプ電圧及びランプ電流の波形を示している。
図10に示す放電の特徴は、外管内放電は安定しにくく、電気特性な特徴としては、ランプ電圧の極性反転直後に急峻な電圧波形(いわゆる、「再点弧電圧」であり、図中「A」で示す。)が観測され、また、ランプ電流に関しても、極性反転直後からランプ電圧の再点弧電圧が無くなった瞬間に急峻な電流波形(いわゆる、「オーバーシュート電流」であり、図中「B」で示す。)が観測される。
なお、図10に示す外管内放電は、上述したように不安定であるが、そのなかでも比較的安定した状態であり、この後、外管内放電の立ち消えと再始動とを繰り返す状態へと変化する。
図11に示す放電の特徴は、ランプ内で生じている外管内放電中に半波放電が発生していることである。この半波放電は、図10に示す立ち消えが生じる状態に比べて、放電が継続しやすい状態にある。この電気特性の特徴は、ランプ電流Ilaが一方の半波サイクル時に略「0」となっていたり、一方の半波サイクル時のランプ電圧が他方の半波サイクル時のランプ電圧よりも高くなったりすることである。
図11を用いて説明すると、同図の(b)に示すように、全波放電では、各半波サイクルでのランプ電圧(図中のV1、V2)が略同じになるのに対して、半波放電では、図11の(b)に示すように、各半波サイクルでのランプ電圧(Vla1,Vla2)の差が大きい。
また、図10、図11の状態においては、上記に挙げた特徴以外に、ランプ電圧は、一定に保たれずに流動的、つまり、変動が大きい傾向にある。
図12は、ランプ電圧の変動を示す図である。
この図12は、例えば、各半波サイクル毎にランプ電圧値(絶対値)を測定して、それをプロットした図である。同図に、正常点灯時のランプ電圧示している。同図に示すように、正常のランプ点灯であればランプ電圧が高目でその変動が少ない(図中の「正常品」である。)のに対して、外管内放電が発生するとランプ電圧の変動が大きくなる(図中の「Vla」である。)のが分かる。つまり、不安定ながらも外管内放電が継続すると、ランプ電圧の値が上下に変動するという特徴が観察できた。なお、ここでいう「上下」とは、ランプ電圧又はランプ電流の値が高くなったり、低くなったりすることをいう。
図13に示す放電の特徴は、ランプ内の異極間の距離が最も近いランプの根元で外管内放電が発生し、放電は最も安定して継続していることである。
また、この外管内放電が安定して発生した状態での電気特性な特徴については、図10及び図11で示す急峻なランプ電圧及びランプ電流の変動が見られず、本放電でのランプ電圧は定格のランプ電圧(本実施の形態では、90(V)である。)に比べて高電圧(例えば、180(V)である。)になっている。
つまり、図13に示す状態では、ランプ電圧又はランプ電流が正常点灯時の同じような波形になるが、その電圧及び電流値とが異なる状態でアーク放電が安定して継続する。なお、この場合は、立ち消えのない放電状態である。
5.点灯装置の特徴動作について
点灯装置の制御部S1は、上記外管内放電の状態等のときに示す特有の現象(図9〜図13)に着目し、検出結果に各現象の電気特性の特徴があると、現在の放電が外管内放電の状態等と判定して、ランプへの電力供給を遮断するものである。
つまり、制御部S1は、図8のフローチャートにおいて、外管内放電状態にはなっていないが近い内に外管内放電状態になるような状態(この状態は「外管内放電前の状態」である。)或いは外管内放電状態を検出するための処理を行うフローを新たに追加することで、外管内放電前の状態又は外管内放電の状態となると、回路動作を停止又は電力の出力を低減させるように構成している。
ここで、外管内放電の状態等の発生の検出には、例えば、以下の方法がある。
a.ランプ電圧又はランプ電流の値を検出する検出手段と、検出結果からランプの立ち消えを検出してその立ち消え回数を計数する手段を備え、立ち消え回数が規定回数を超えたときに外管内放電の状態等にあると判定する方法(後述の実施例1)。
b.ランプ電圧又はランプ電流の値を検出する手段と、その検出値が設定された判断基準に対して上下する回数をカウントする手段を備え、その回数が所定回数を超えたときに外管内放電であると判定する方法(後述の実施例2)。
c.ランプ電圧又はランプ電流の値を検出する検出手段と、検出結果から半波放電となった状態の継続時間又はその回数を積算してカウントする手段を備え、カウントされた継続時間又は回数が設定値以上になったときに外管内放電等であると判定する方法(後述の実施例3)。
d.ランプ電圧又はランプ電流の値を検出する手段と、検出値が設定された下限値以下(又は上限値以上)となった状態の継続時間又はその回数を積算してカウントする手段を備え、カウントされた継続時間又は回数が設定値以上になったときに外管内放電等であると判定する方法(後述の実施例4)。
e.ランプ電圧又はランプ電流の値を検出する手段と、検出結果から、極性反転後に急峻な電気特性の変化の回数を積算してカウントする手段を備え、カウントされた回数が設定値以上になったときに外管内放電等であると判定する方法(後述の実施例6,7)。
以下、上記で説明したの各現象に基づいて、制御部が動作する例を実施例として説明する。
なお、各実施例における制御部S1は、ランプ1の電気特性を検出する検出手段と、検出された電気特性(本発明の検出結果に相当する。)から放電が外管内放電の状態等であるか否かを判定する判定手段と、現在の放電が外管内放電の状態等である判定されたときに点灯動作を停止するよう指示する指示手段とを備える。
(1)実施例1
本実施例1では、ランプの寿命末期時に発生した立ち消えを繰り返している状態、つまり、図9に示す状態のときに、回路の動作を停止させるようにしている。
本実施例1は立ち消えを繰り返す状態のランプにおいて、立ち消えによる電気特性の変化を積極的に検出するものである。具体的には、ランプが始動した後に立ち消えした場合のみ、その立ち消え回数を計数し、ある回数に達した時に点灯動作を停止させる機能を制御部S1に設けている。
具体的には、検出手段は、図3で示したランプ電圧Vlaを検出し、判定手段は、ランプ電圧Vlaの値によって図8のステップ2−3での無負荷判別と同じ判別を行い、無負荷の状態、つまり、立ち消えしていると判定すると共に、立ち消えの回数を計数して、この回数が所定回数に達すると外管内放電前の状態であると判定し、指示手段は、スイッチング素子Q1〜Q4にオフ信号を出力する。
それでは、本実施例1の動作を説明する。
図14は、実施例1における点灯装置の動作を示す。
なお、図14で示すフローは、基本的には、図8で示すフローの一部に、現在の放電が上記外管内放電前の状態であるか否かの判定をおこなうフローを挿入したものであり、図14で示すステップの番号が、図8で示すステップの番号と同じ場合には、そのステップの処理は、図8で示したステップと同処理をしている。
すなわち、図8のステップ3−3もしくは図8のステップ4−3において、無負荷であると判別された時にその回数を計数する。そして、その回数がある所定回数Aに達したときに回路動作を停止、例えば、ICドライバK1,K2に、スイッチング素子Q1〜Q4をオフのままにする信号を出すようにしている。
具体的には、図14に示すように、ステップ3−3で無負荷と判定されると(図中の「Y」である。)、ステップ3−3−1で立ち消え回数を計数する。そして、ステップ3−3−2で立ち消え回数が所定回数A未満であれば(図中の「Y」である。)、図8のステップ2−1に移行する。一方、ステップ3−3−2で立ち消え回数が所定回数A(例えば、20回)に達すると(図中の「N」である。)、外管内放電前の状態と判定し、ステップ5−1で回路動作を停止する(つまり、スイッチング素子にオフ動作を指示する)。
また、ステップ4−3で無負荷と判別されると(図中の「Y」である。)、ステップ4−3−1で立ち消え回数を計数する。そして、ステップ4−3−2で立ち消え回数が所定回数A未満であれば(図中の「Y」である。)、図8のステップ2−1に移行する。ステップ4−3−2で立ち消え回数が所定回数Aに達すると(図中の「N」である。)、外管内放電前の状態と判定し、ステップ5−1で回路動作を停止する。
ここで、立ち消え回数は、ステップ3−3−1で計数した場合、ステップ4−3−1で計数した場合に別々にカウントされるのでなく、両者同じものとして加算される。また、所定回数Aは、ここでの説明では、20回であったが、この回数Aは、20回に限定するものではなく、例えば、10回でも良い。つまり、所定回数Aは、定格ランプ電力やランプの特性、ランプのサイズ等によって適宜決定されるもので、例えば、ランプのサイズが小さい場合は、外管内放電が生じたときに口金に近いために熱が伝わりやすいために、回数Aを小さく設定したり、逆に、供給電力が小さい場合には、放電による熱量が小さいために、回数Aを大きく設定したりできる。
(2)実施例2
本実施例2では、ランプ電圧の値が上下に変動している状態、つまり、図10及び図11の波形において半波サイクル毎のランプ電圧をプロットした図12に示す状態のときに、回路の動作を停止させるようにしている。
具体的には、ランプ始動後、制御部S1において、第1半波サイクル、第2半波サイクルのそれぞれで読み込んだランプ電圧Vla1がある閾値Vref1(本発明の判断基準に相当する。)より高く、かつそれ以後に読み込んだランプ電圧Vla2、Vla1がその閾値Vref1より低くなった回数をカウントし、ある回数に達した時に点灯装置の動作を停止させている。
具体的には、判定手段は、例えば、検出したランプ電圧Vlaが、一定値である閾値Vref1に対し上下に変化した回数を計数し、その計数した回数が所定回数Bに達した時に、放電が外管内放電の状態等であると判定し、指示手段はスイッチング素子にオフ信号を出力する。
それでは、本実施例2の動作を説明する。なお、上記の閾値Vref1は、図12のVrefが対応している。
図15は、実施例2における点灯装置の動作を示す。
制御部S1は、第1半波サイクル時に検出したランプ電圧Vla1の閾値Vref1に対して上下に変化した回数を計数し、その計数した回数が所定回数Bに達した時に給電を中止するステップを、図8のステップ3−2からステップ3−5までのいずれかの間で行う。つまり、上記のステップを、ステープ3−2とステップ3−5との間のどこかに挿入すれば良く、例えば、ステップ3−2とステップ3−3の間に挿入しても良いし、ステップ3−4とステップ3−5との間に挿入しても良い。
なお、図15では、上記ステップをステップ3−2とステップの3−5とのいずれかの間で行えば良いので、ステップ3−2からステップ3−2−1に移行する矢印、ステップ3−3からステップ3−5に移行する矢印を破線で記載している。
また、同様のフローを第2半波サイクルにだけ設ける、つまり、図8のステップ4−2と4−5の間のどこかにだけ挿入することでも上記と同じ効果が得られる。さらには、同様のフローを、第1半波サイクルと第2半波サイクルとの両サイクルに設けると、より確実にランプ電圧の変動を検出することができる。
具体的には、図15に示すように、ステップ3−2で読み込んだランプ電圧Vla1に対し、ステップ3−2−1で閾値Vref1(例えば、55(V))との大小を比較する。Vla1>Vref1の場合(図中の「Y」である。)に、flag1=1を立てて(ステップ3−2−2)、ステップ3−3に移行する。
そして、第2半波サイクルが終了して、次回の第1半波サイクルに検出されたVla1に対して、ステップ3−2−1でVref1との大小を比較する。Vla1>Vref1でないとき(図中の「N」である。)、つまり、Vla1≦Vref1のときは、ステップ3−2−3でflag1=1が既に成立しているか否かを判定する。
flag=1の場合(図中の「Y」である。)、つまり、これは、ランプ電圧Vla1が閾値Vref1に対して上下に変化したことを示しており、ステップ3−2−4でVla変動回数のカウント値を増やすと共に、flag1=0とする(ステップ3−2−5)。
そして、ステップ3−2−6で、Vla1変動回数が所定回数B(例えば、60回)に達した(Vla変動回数<Bでない)と判定されたときに(図中の「N」である。)、ステップ5−1に進み、回路動作を停止するよう指示する。
上記構成により、ランプ電圧の変動を検出して、図10及び図11に代表されるように、放電が不安定ながらも外管内放電を継続する状態を検出でき、ランプ電圧Vla1の値が上下に変動するという特徴をとらえて、外管内放電の状態等を検出することができる。
ここで説明した閾値Vref1は、55(V)であったが、55(V)に限定するものではなく、例えば、60(V)でも良い。つまり、Vref1は、外管内放電時のランプ電圧によって設定され、この電圧は、電力供給線間の距離や正常時に印加されるランプ電圧等によって決まるので、実際のランプに基づいて決定すれば良い。
また、Vla変動回数に対する所定回数Bも、60回に限定するものではなく、電極や封入物等のランプ設計等により適宜決定すれば良い。
(3)実施例3
本実施例3では、外管内放電が半端状態で放電を継続している場合、つまり、図11に示す状態(図11の(a)においてランプ電流Ilaが一方の半波サイクル時に略「0」となっていたり、図11の(b)において一方の半波サイクル時のランプ電圧(Vla2)が他方の半波サイクル時のランプ電圧(Vla1)よりも高くなったりする。)のときに、回路の動作を停止させるようにしている。換言すると、本実施例3は、放電が半波状態で継続している場合において、半波状態の回数を計数して、この回数が所定回数以上となった時に回路動作を停止するものである
具体的は、判定手段は、例えば、一方の半波サイクル時のランプ電圧が他方の半波サイクル時のランプ電圧よりも高くなると傾向から、検出した一方の半波サイクルのランプ電圧Vlaと他方の半波サイクルのランプ電圧Vla2との電圧差がある閾値Vref2以上であれば、半波放電と認識して、その半波放電の回数(半波回数)が所定回数Cに達した時に、放電が外管内放電の状態であると判定し、制御部S1はスイッチング素子にオフ信号を出力する。
それでは、実施例3の動作を説明する。
図16は、実施例3における点灯装置の動作を示す。
制御部S1は、第1のサイクル時に発生している半波放電の回数を計数し、その計数した回数(図中の半波回数である。)が所定回数Cに達した時に給電を中止するステップを、図8のステップ4−2からステップ4−5までの間のどこかで行う。なお、同様のフローを第2半波サイクルにだけ設けても良く、さらには、第1及び第2半波サイクルの両方に設けると、より確実に半波放電を検出できる。
具体的には、図16に示すように、ステップ4−2でランプ電圧Vla2を読み込み、読み込んだランプ電圧Vla2とランプ電圧Vla1との差(絶対値)が閾値Vref2、例えば、20(V)以上か否かの判定をステップ4−2−1で行い、前記差が閾値Vref2以上の時に(図中の「Y」である。)、ステップ4−2−2に進んで半波回数を計数する。半波回数の計数は、具体的には、加算方式で行われる。
次に、ステップ4−2−3で半波回数と判定基準となる所定回数C(例えば、500回)とを比較して、半波回数が回数Cより大きいときに(図中の「N」である。)、ステップ5−1に進んで回路動作を停止させる。
上記の閾値Vref2は、20(V)としていたが、この値に限定するものではない。つまり、閾値Vref2は、各ランプ設計の際に正常点灯するときのランプ電圧Vla1とランプ電圧Vla2との差(絶対値)よりも大きければ良い。但し、ランプ特性(ランプ電圧のばらつき・点灯時間の経過に伴う変動)等が生じるので、この分を考慮する必要がある。
なお、正常点灯時では、図11の(b)に示すランプ電圧V1とランプ電圧V2との差が、本実施の形態の例では2(V)ぐらい(理論的には、0(v)である。)であり、図11の(a)の波形では、ランプ電圧Vla1とVla2との差が400(V)程度である。
また、ここでは、半波放電の回数を計数しているが、例えば、半波状態の時間を積算して、積算した時間がある設定時間(例えば、3秒)以上となった時に回路動作を停止させるようにしても良い。時間の積算には、上記ランプ電圧の検出期間と、半波放電と判定された回数とを掛け算することで得られる。
(4)実施例4
本実施例4では、点灯装置の出力が低ランプ電圧もしくは高ランプ電圧で継続する場合、つまり、図13に示すように、外管内放電が安定して発生し、且つ放電が継続している場合に、回路の動作を停止させるようにしている。なお、図13のランプ電圧Vla1は、正常の放電よりも高く、しかも、判定基準のVhighよりも高くなっている場合である。
本実施例4は、ランプ電圧が、正常点灯のランプ電圧に対して、低いもしくは高い電圧か否かを検出するものである。具体的には、第1半波サイクルにて検出されたランプ電圧Vla1がある設定値Vlow以下もしくは、Vla1がある設定値Vhigh以上となった回数を計数し、その計数した回数がある判定基準である所定回数D,Eに達したときに、現在の放電が外管内放電であると判定する。
なお、ここで、Vlow<Vhighである。この低ランプ電圧もしくは高ランプ電圧の検出においても、制御部S1で、ランプ電圧の高低や回数判定を行う。
それでは、本実施例4の動作を説明する。
図17は、実施例4の点灯装置の動作を示す。
制御部S1は、ステップ3−2で読み込んだランプ電圧Vla1が、Vlowよりも低い又はVhighよりも高いか否かをステップ3−2−11で判定する。
ランプ電圧Vla1が、Vhigh(例えば、140(V))よりも高いと判定されたときは、ステップ3−2−12に進み、高くなった回数(図中、「高V回数」で示している。)を計数する。そして、ステップ3−2−13で高V回数が所定回数Dより大きいか否かを判定して、大きい場合には(図中の「Y」である。)、ステップ5−1に進んで回路動作を停止する。
また、ステップ3−2−11でランプ電圧Vla1が、Vlow(例えば、55(V))よりも低いと判定されたときは、ステップ3−2−15に進み、低くなった回数(図中、「低V回数」で示している。)を計数する。そして、ステップ3−2−16で低V回数が所定回数Eより大きいか否かを判定して、大きい場合には(図中の「Y」である。)、ステップ5−1に進んで回路動作を停止する。
なお、本実施例4においても、他の実施例(1〜3)と同様に、制御部S1は、第1のサイクル時にランプ電圧が下限値よりも低くなった回数、或いは、上限値よりも高くなった回数を計数し、その計数した回数が所定回数D,E(例えば、200回)に達した時に給電を中止するステップを、図8のステップ3−2からステップ3−5までの間のどこかで行えば良い。
また、同様のフローを第2半波サイクルにおいてのみ設けても良く、さらに、第1及び第2半波サイクルの両方に設けると、より確実に低ランプ電圧、高ランプ電圧状態を検出できる。
なお、ここでは、上限値よりも大きくなった回数、又は、下限値よりも小さくなった回数を計数しているが、例えば、半波状態の時間を積算して、積算した時間がある設定時間(例えば、3秒)以上となった時に回路動作を停止させるようにしても良い。時間の積算は、例えば、上記ランプ電圧の検出期間と、半波放電と判定された回数とを掛け算することで得られる。
(5)実施例5
上記の実施例1〜4では、外管内放電等が発生したか否かの判定方法の例として説明した。しかしながら、実施例3,4の例は、正常なランプであってもランプ始動直後では、放電が不安定な状態となり、外管内放電状態であると誤認識する恐れがある。
そこで、本実施例5では、ランプ始動直後の一定時間においては、外管内放電等の発生検出を行わないようなマスク機能を追加している。ここでは、ランプ始動直後の一定時間を、制御部S1では、回数の計数を利用して判定している。
それでは、本実施例5の動作を説明する。
図18は、実施例5における点灯装置の動作を示す。
制御部S1は、実施例3におけるステップ4−2−1の前に、マスクした回数(以下、「マスク回数」という。)を計数するステップ4−2−11と、計数したマスク回数と判定基準となる所定回数Fとを比較するステップ4−2−12とを行う。
そして、ステップ4−2−12で、計数したマスク回数が所定回数Fに達していないときは(図中の「Y」である。)、まだ、ランプ始動直後であり放電が不安定であるため、外管内放電が発生しているか否かの判定をしないように、ステップ4−2−3の以降のステップ、例えば、ステップ4−3に進む。なお、マスク回数の設定値はマスクをかける時間等により適宜決定され、また、マスクをかける時間は、約5分程度が目安となるが、ランプの始動特性、始動後にランプの点灯が安定するまでの時間、ランプを始動させる際の点灯装置の動作等によって決定される。
(6)実施例6、7
まず、本実施例の放電の特徴部分等について説明する。
図19は、図10の極性反転直後の波形に相当する拡大図である。なお、図19における、横軸及び縦軸のスケールは、言うまでもなく、図10のスケールと異なる。
本放電の特徴は、実施例1で説明した放電と同じで、立ち消えと再始動を繰り返すことであり、電気的な特徴は、図19の波形から分かるように、ランプ電圧Vlaにおいて極性反転直後から所定時間、ここでは約200(μsec)の間(図19中の「T1」で示す。)に急峻な電圧変化(図10での再点弧電圧である)である瞬時電圧が現れ、その後、ランプ電流Ilaのオーバーシュート電流が短期間流れている。
本実施例(6,7)では、上述した極性反転後の瞬時電圧に着目して、当該瞬時電圧を検出するとランプの外管内放電が発生したと判定する。この判定方法について2種類の実施例(6、7)で説明する。
(6−1)実施例6
本実施例6の点灯装置は、極性反転後のランプ電圧の最大値を検出する検出手段と、検出された最大値が基準値以上のときに、ランプの現在の放電が外管内放電あると判定する判定手段と、外管内放電と判定されたときに、スイッチング素子の動作を停止するよう指示する指示手段とを備えている。
本実施の形態に係る実施例6における点灯装置の動作を図20のフローチャートと図21により説明する。なお、図21は、外管内放電時に観察される波形の概略図であり、図20は、制御部が外管内放電と判定する際のフローチャートである。
図20のフローチャートは、例えば、図8のフローチャートのステップ3−1とステップ3−2の間と、ステップ4−1とステップ4−2の間との少なく一方に挿入すれば良い。
まず、図20に示すように、極性反転直後(スイッチング素子Q2,Q3又はスイッチング素子Q1,Q4に動作開始直後)から矩形波の半波サイクルの期間よりも十分に短く且つ瞬時電圧が含まれる期間t1(例えば矩形波の周波数を170(Hz)とした場合、500(μsec)程度)中に検出されたランプ電圧からランプ瞬時電圧を読み込み(ステップ6−1)、その値をVt1として書き込む(ステップ6−2)。なお、図20中の「Vt1」は、図21中の「Vt1a」に相当している。
ランプ瞬時電圧の読み込みは、例えば、極性反転直後からの期間t1まで、ランプ電圧を検出し、検出した値の最大値をランプ瞬間電圧としている。勿論、ランプ電圧の検出間隔は、期間t1より短い。
次に予め設定しておいた閾値VpとVt1をステップ6−3で比較して、図21のaに示すように、Vt1aの方が閾値Vpよりも大きければ、つまりステップ6−3で「Y」のとき、ステップ6−4に進み、瞬間回数を計数する。
逆に、Vt1の方が閾値Vpよりも小さければ、つまりステップ6−3で「N」のとき、図8のフローチャートのステップ3−2(もしくはステップ4−2)へ移行する。このVt1の方が閾値Vpよりも小さい場合としては、図21のbのVt1bが相当する。
この動作を繰り返し、ステップ6−5で瞬間回数が所定回数G(例えば10回)になると、つまり、ステップ6−5で「Y」のとき、ステップ5−1へ進み、スイッチング素子Q1〜Q4の動作を停止させることで、ランプへの電力供給を停止する。
また、ステップ6−5で瞬間回数が所定回数G(例えば10回)に達していないと、つまり、ステップ6−5で「N」のとき、図8のフローチャートのステップ3−2(もしくはステップ4−2)へ移行する。
すなわち、極性反転後のランプ電圧Vt1(ランプ電圧瞬時値)が閾値Vp(定格ランプ電圧Vの1.5〜2倍以上に設定)を超えた回数をカウントし、越えた回数が所定回数(ここでは10回)になればランプ異常(外管内放電)と認識し、点灯装置の動作を停止するものである。
なお、閾値Vpは、ここでは、1.5〜2倍程度を想定しているが、正常点灯におけるランプ電圧の変動が小さい場合には、閾値を1.5倍よりも小さくできるし、逆に、正常点灯におけるランプ電圧の変動が大きいようであれば、閾値を2倍よりも大きく設定する必要がある。
以上の動作によりランプの放電が外管内放電の状態になったことを検出し、点灯装置の動作を停止させることによって、点灯装置およびランプソケット、配線の異常発熱を抑えることが可能となる。
(6−2)実施例7
上記の実施例6では、検出したランプ電圧の瞬間値(最大値)と、定格ランプ電圧の所定倍の値とを比較していた(すなわち、比較対象が一つの電圧値である)が、比較対象は、電圧値でなくても良く、例えば、極性反転直後から期間t1までに検出された平均値と、半波サイクルにおけるランプ電圧の平均値とを比較しても良く、さらには、実効値として比較しても良い。
すなわち、外管内放電時に観察される波形の概略図である図22に示すように、極性反転後からt1時間のランプ電圧の平均値(あるいは実効値)をPとし、これを所定倍した値(Vt2=P×K)と、半波サイクルにわたるランプ電圧の平均値(あるいは実効値)であるVavを比較して前者の方が大きい時には、当該放電が外管内放電と判別しても良い。
図23は、実施例7における制御部の動作を説明するフローチャートである。
図8に示したメインフローチャートのステップ3−1とステップ3−2、ステップ4−1とステップ4−2の間との少なくとも一方に図23のフローを挿入し、図8のステップ3−2とステップ3−3の間、ステップ4−2とステップ4−3の間であって、前記ステップ3−1とステップ3−2、ステップ4−1とステップ4−2の間との少なくとも一方に対応する間に図24のフローを追加したものである。
以下、追加したフローチャートの動作について説明する。なお、本実施例7で外管内放電の波形として図22の概略図を想定している。
まず、(例えば矩形波の周波数を170(Hz)とした場合、500(μsec)程度で良い)のランプ電圧を読み込み、マイコンによりA/D変換してその平均値(実効値)Pを算出する(ステップ6−6)。平均値Pの値をK倍(例えば、K=0.7)した値をVt2として書きこむ(ステップ6−7)。
次に、図24に移って、図8のフローチャートのステップ3−2(4−2)で得られたランプ電圧Vla1(Vla2)を用いて、このランプ電圧Vla1の値とVt2(極性反転後のランプ電圧の平均値PのK倍)とを比較(ステップ6−8)する。
Vt2の方が大きければ、つまり、ステップ6−8で「Y」のとき、ステップ6−9へ進み、瞬間回数を計数(1を加算)する。また、Vt2の方が小さければ、つまり、ステップ6−8で「N」のとき、図8のフローチャートのステップ3−3(もしくはステップ4−3)へ移行する。
この動作を繰り返し、ステップ6−10で瞬間回数が所定回数G(例えば10回)になると、つまり、ステップ6−10で「Y」のとき、ステップ5−1へ進み、スイッチング素子Q1〜Q4の動作を停止させることで、ランプへの電力供給を停止する。また、ステップ6−10で瞬間回数が所定回数Gに達していないと、つまり、ステップ6−10で「N」のとき、図8のフローチャートのステップ3−3(もしくはステップ4−3)へ移行する。
なお、ランプ電圧Vlaの平均値は、例えば、検出結果を加算し、加算結果を加算回数で割り算をすればえられる。また、ここでは、Kを0.7としていていたが、このKは、0.5以上1未満の範囲内であれば、極性反転直後に発生する瞬時の変化を検出できる。
(6−3)その他
実施例6及び7では、外管内放電を検出するフローを図8のステップ3−1(4−1)とステップ3−2(4−2)との間、或いは、ステップ3−2(4−2)とステップ3−3(4−3)との間に挿入していたが、これらのフローは、各半波サイクル内で行われれば良く、実施例6及び7で説明した位置に必ずしも挿入する必要はない。
(7)実施例8
実施例5では、正常な点灯をしているランプであってもランプ始動直後の放電が不安定であり、この不安定な状態を外管内放電と判定するのを防ぐために、マスク機能を有している。このマスク機能は、当然、他の実施例においても実施できる。以下、実施例6,7についてマスク機能を設けた例を実施例8として説明する。
本実施例8では、上述の図20のフローチャート又は図24のフローチャートの各々に「マスク回数書き込み」と「マスク回数<F」というフローを追加したものであり、それぞれ図25及び図26を用いて説明する。
図25のステップ16−2−1及び6−2−2、図26のステップ6−7−1及び6−7−2での「マスク回数書き込み」と「マスク回数<F」という処理は、図18のステップ4−2−11の「マスク回数書き込み」と、ステップ4−2−12の「マスク回数<F」と同じ処理であり、ランプが始動してから所定時間が経過した(マスク回数が所定回数Fに達した)か否かを判定している。すなわち所定時間が経過していなければ、瞬間回数に1が加算されることはない。
上記のマスク機能を設けることで、ランプは正常ランプの始動直後において、極性反転直後に急峻なランプ電流波形(もしくは電圧波形)が観測されることがあっても、そのモードを外管内放電ランプとして誤検出しないようにできる。なお、上記の所定時間とは、実施例5で説明したように、ランプ始動直後からランプが安定するまでの時間(5分程度)が目安とできる。
<変形例>
以上、本発明を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記の実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を実施することができる。
1.点灯装置について
上記実施の形態(実施例)の点灯装置の回路は、ランプに電力を供給できるものであれば良く、銅鉄式であっても、電子式でも矩形波点灯方式だけでなく、高周波点灯方式であっても良い。
なお、本実施例1〜5では、電気特性の実効値を用いているため、点灯回路に銅鉄式を用いる場合には実効値を検出するための手段(例えば、交流信号を波形に関係なく真の実効値に変換して直流電圧として出力するような変換器、所謂、真の実効値変換器ボードを利用することができる。)が必要となる。
さらに、実施例6、7については、電気特性としてランプ電圧を検出する場合には適用できる。これは、銅鉄式では、ランプ電流が矩形波とならないためである。
また、実施の形態における点灯回路としては、図3に示した、いわゆる、フルブリッジ形のインバータ回路を例示したが、例えば、図27の降圧チョッパ回路と低周波極性反転回路を組み合わせた、いわゆる、5石式でも良いし、図28に示す、2つのスイッチング素子と2つのコンデンサを備えた(スイッチング素子Q1がオンのときにコンデンサC4に電荷が蓄えられ、スイッチング素子Q2がオンのときにコンデンサC3に電荷が蓄えられる)、いわゆる、ハーフブリッジ形でも良い。なお、図27及び28のS0,S2はチョッパ回路の制御部、IGはイグナイタである。
2.ランプについて
(1)定格電力について
上記実施の形態では定格ランプ電力が150Wのメタルハライドランプを一例に挙げて説明したが、150Wに限らず定格ランプ電力が例えば20W〜400Wのメタルハライドランプにおいて上記と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、実施の形態での点灯装置が点灯させるランプは、外囲器がセラミック材料からなるランプであったが、他のランプ、例えば、石英ガラスからなる従来のランプであっても良い。
一般的に、定格ランプ電力が高いランプでは、電力損失が小さく発光効率が上昇する傾向にある。一方、定格ランプ電力が低い、例えば150Wのランプでは、電力損失の割合が大きく発光効率が低下する傾向にある。したがって、定格ランプ電力の値によって上記した作用効果の程度に差はあるものの、定格ランプ電力が同じ従来のランプの発光効率に比べれば、相対的にその発光効率を向上させることができる。
(2)封入物について
上記実施の形態では、ランタノイド系ハロゲン化物として、ヨウ化プラセオジウムのみ又はヨウ化セリウムのみを封入した場合について説明したが、ヨウ化プラセオジウムおよびヨウ化セリウムの両方を封入した場合はもちろんのこと、ヨウ化プラセオジウム又はヨウ化セリウムに加えてその他のランタノイド系ハロゲン化物としてランタン(La)やネオジウム(Nd)等を封入した場合でも、上記と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、ヨウ化プラセオジウム又はヨウ化セリウムのうち少なくとも一方をランタノイド系ハロゲン化物と、ヨウ化ナトリウムと、ヨウ化第二水銀又はヨウ化第一水銀を封入した場合について説明したが、所望の色温度、演色性を得るために公知の金属ハロゲン化物を適宜封入することができる。
また、上記実施の形態では、金属ハロゲン化物として金属ヨウ化物を一例として説明したが、例えば金属臭化物等の金属ハロゲン化物であっても上記と同様の作用効果を得ることができる。
(3)発光管形状について
上記実施の形態では、図1および図2に示すとおりの形状を有した発光管6を用いた場合について説明したが、例えば、図29(a)〜(f)に示すとおりの形状を有した発光管6a,6b,6c,6d,6e,6fを用いても良い。ただし、図29(a)〜(f)に示された発光管6a,6b,6c,6d,6e,6fはいずれもその発光管6a,6b,6c,6d,6e,6fの長手方向の軸(各図中、Cで示す)を中心軸とする回転体であり、またその厚みはいずれも省略されており、各図に示された発光管6a,6b,6c,6d,6e,6fにおいてその外面形状および内面形状は図示したとおりである。また、各図に示された発光管6a,6b,6c,6d,6e,6fにおいて、必要に応じて細管部を形成しても良い。
特に、図29(a)に示された発光管6aは、発光管6aの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭が楕円形である。この発光管6aは、構造が簡単なため生産コストを低くすることができるとともに、大量生産した場合、個々の発光管6aにおいて色温度のばらつきを抑えることができる。そのため、例えば天井照明等の同一空間で複数使用する場合、この発光管6aを用いた個々のランプ又は照明装置において、色温度のばらつきを目立ちにくくすることができる。
図29(b)に示された発光管6bは、発光管6bの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭が長方形である。この発光管6bの形状は、特に寿命中の色温度の変化を小さくすることができる。
図29(c)に示された発光管6cは、発光管6cの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭がその両端部で半円形であり、その半円をつなぐ部分が内側に凹んだ弓形状になっている。この発光管6cは、始動時の光立ち上がりを早くすることができ、例えば設計にもよるが定格光出力に達するまでの時間を10〜20%程度短くすることができるとともに、水平点灯時のアーク湾曲が極めて少なく、点灯時のちらつきを抑制することができる。
図29(d)に示された発光管6dは、発光管6dの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭がその両端部で半円形であり、その半円をつなぐ部分が直線状である。この発光管6dは、寿命中の色温度の変化を最も小さくすることができる。
図29(e)に示された発光管6eは、発光管6eの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭がその両端部で半円形であり、その半円をつなぐ部分が外側に膨らんだ弓形状になっている。この発光管6eも、前記発光管6aと同様に、大量生産した場合、個々の発光管6eにおいて色温度のばらつきを抑えることができる。そのため、例えば天井照明等の同一空間で複数使用する場合、この発光管6eを用いた個々のランプ又は照明装置において、色温度のばらつきを目立ちにくくすることができる。
図29(f)に示された発光管6fは、発光管6fの長手方向の軸を含む面で切った断面の外郭がその両端部で略台形であり、その略台形部をつなぐ部分が直線状である。この発光管6fも、前記発光管6cと同様に、始動時の光立ち上がりを早くすることができ、例えば設計にもよるが定格光出力に達するまでの時間を10〜20%程度短くすることができるとともに、水平点灯時のアーク湾曲が極めて少なく、点灯時のちらつきを抑制することができる。
なお、図29(a),(c),(e)の発光管6a,6c,6eについては、長手方向の軸に沿って内径Dが変化しているが、このような場合、一対の電極18間の中央部の内径をもって当該発光管の内径Dとする。
3.検出手段
実施例1〜8においては、ランプの電気特性変化を検出するためにランプ電圧を読み込んでいるが、この検出は当然他のランプ電気特性、例えばランプ電流で行っても良い。なお、ランプ電流の検出は、例えば、ランプに直列接続した抵抗(一定値)の両端の電圧から検出したり、さらに、図3のインダクタL1を電流変成器CT(カレントトランス)にして、2次側の電流を検出したりすることで行える。
(1)実施例1対応
上記実施例1では、ランプ電圧Vlaを検出していたが、立ち消えが発生した際にランプ電流Ilaが略「0」となるので、ランプ電流Ilaを検出手段で検出して、このランプ電流Ilaが「0」となる時間が所定時間以上継続する場合、外管内放電等が発生していると判定しても良い。
(2)実施例2対応
上記実施例2では、変動の大きいランプ電圧Vlaを検出していたが、ランプ電圧の大きいことに起因してランプ電流Ilaの変動も大きくなるので、このランプ電流Ilaを検出手段で検出して、基準値に対して上下に変動した回数から外管内放電と判定しても良い。
(3)実施例3対応
上記実施例3では、各半波サイクルでのランプ電圧Vla1、Vla2を検出して、ランプ電圧Vla1,Vla2との差が所定値以上になったときに、半波放電と判定していたが、各半波サイクルでのランプ電流を検出手段で検出して、これらの差が所定値以上になったときに、半波放電と判定しても良い。
(4)実施例4対応
上記実施例4では、各半波サイクルでのランプ電圧を検出して、測定したランプ電圧が、下限電圧よりも低い或いは上限電圧よりも高い場合に、外管内放電と判定していたが、各半波サイクルでのランプ電流を検出手段により検出して、検出したランプ電流について、所定の下限値、上限値と比較して、外管内放電か否かを判定しても良い。
(5)実施例6,7対応
上記の実施例6,7では、ランプ電圧を検出して、急峻なランプ電圧を示したとき外管内放電と判定していたが、ランプ電流についても、ランプ電圧と同様に急峻な変化が見られるため、ランプ電圧と同様に、電流を検出手段で検出して、急峻な変化があったときに外管内放電と判定しても良い。
(6)最後に
さらに、検出手段が検出する電気特性は、ランプ電圧、ランプ電流の両特性であっても良い。なお、実施の形態では、ランプ電圧に関して説明したが、ランプ電流を検出する場合には、例えば、ランプに直列接続した抵抗(一定値)の両端の電圧から検出したり、さらに、図4のインダクタL1を電流変成器CT(カレントトランス)にして、2次側の電流を検出したりすることで行える。
5.マスク機能について
実施の形態では、実施例3についてマスク機能を設け(実施例5)、実施例6,7についてマスク機能を設け(実施例8)ていたが、当然他の実施例にマスク機能を設けても良い。
6.その他
(1)実施例1についての変形例1
実施例1における無負荷判別は、ランプ電圧Vlaを検出して、当該ランプ電圧Vlaが、一定値である電圧閾値Vmaxと比較していたが、無負荷の判定基準は、一定値でなくても良い。
つまり、ランプの寿命末期に見られる立ち消えは、正常点灯時のランプ電圧よりも高い傾向にある。従って、例えば、図30に示すように、検出したランプ電圧が、正常点灯時のランプ電圧よりも高いところの立ち消え危険ソーンに入っているか否かにより無負荷判別できる。
(2)実施例2について(その1)
実施例2における判定手段は、ランプ電圧Vlaが、閾値Vrefに対して上下に変動した回数が所定回数になると、外管内放電と判定していた。つまり、判定基準である閾値Vrefは一定値であったが、例えば、所定幅を有する判定基準を用いても良い。以下、幅を有する判定基準を用いて、外管内放電の状態にあるか否かを判定する変形例2について説明する。
図31は、変形例2におけるランプ電圧の波形を示す図であり、図32は、変形例2における点灯装置の動作を示す図である。
先ず、変形例2に係るランプ電圧Vla1は、図31に示すように、上下に変動している。そして、本変形例での判定基準は、例えば、下限が50(V)、上限が55(V)の範囲、つまり、5(V)の幅(所定幅に相当する)を有する領域から上下に交互に出た回数が所定回数になると、外管内放電が生じていると判定する。
具体的には、図32に示すように、ステップ3−2でランプ電圧Vla1を読み込み、ステップ3−2−1aで所定幅を構成する上限値Vref3(55V)より大きいか否かを判定する。
ステップ3−2−1aで、ランプ電圧Vla1が上限値Vref3より大きいと判定されると(図中の「Y」である。)、実施例2と同様に、ステップ3−2−2に移行し、逆に、ランプ電圧Vla1が上限値Vref3以下の場合は(図中の「N」である。)、ステップ3−2−1bに進む。
ステップ3−2−1bでは、ランプ電圧Vla1が所定幅を構成する下限値Vref4より小さいか否かを判定する。ランプ電圧Vla1が下限値Vref4より小さいと判定されると(図中の「Y」である。)、実施例2と同様に、ステップ3−2−3に進んで、Flag1が「1」であるか否かを判定する。
なお、他のステップは、実施例2と同じであるため、その説明を省略する。また、ここでは、ランプ電圧について説明したが、ランプ電流についても実施できる(上記3.検出手段の(2)実施例2対応参照)。
上記のように判定基準に幅を持たせると、正常時の放電を、異常時な放電である外管内放電と判断するのを少なくできる。
つまり、検出する電気特性(ここでは、ランプ電圧である)にノイズが入ると電気特性が瞬間的に変動し、また、正常時の放電であっても電気特性に変動が生じるため、判定基準が一定値の場合には、これらの変動を検出してしまい、正常時の放電であっても外管内放電と判断してしまう惧れがある。これに対して、判断基準として、正常時の放電の電気特性の変動分を考慮して(例えば、5(V))、幅を持たせると、正常時の放電を外管内放電と判断する可能性を低くできる。
さらに、上記の実施例2及び本項での実施例2では、判定基準に対して上下に変動した回数で、外管内放電を判定していたが、例えば、検出した前後のランプ電圧の差を算出して、この差が所定値(例えば、5(V))以上になったときに、外管内放電と判定しても良い。
(3)実施例2について(その2)
上記実施例2では、各半波サイクル毎にランプ電圧Vla1、Vla2を検出していたが、問えば、正極のみの半波サイクルでランプ電圧Vla1を検出して、正極側のランプ電圧Vla1の変動から外管内放電を判定しても良いし、負極側のランプ電圧Vla2から外管内放電を検出しても良い。
さらに、上記の実施例2では、各半波サイクルに検出するランプ電圧は1回であったが、検出回数は、半波サイクルにつき1回でなくても良く、複数回(例えば、3回)であっても良い。当然、本項で説明した正極又は負極のみの半波サイクル中に複数回ランプ電圧Vlaを検出しても良い。また、ここでは、ランプ電圧について説明したが、ランプ電流についても実施できる。
(4)実施例4について
実施例4での判定手段は、検出結果が所定の上限値よりも大きい値となった回数又は前記検出結果が所定の下限値よりも小さい値となった回数が所定回数になったときに、現在の放電が前記外管内放電であると判定しているが、例えば、前記検出結果が所定の上限値よりも大きい値となった時間又は前記検出結果が所定の下限値よりも小さい値となった時間が所定時間以上になったときに、現在の放電が前記外管内放電であると判定しても良い。この場合、時間の検出は、例えば、この状態が連続的にメモリされた回数をカウントすることにより実施できる。
(5)最後に
実施の形態で説明した各実施例は、互いに組み合わせても良いのは言うまでもない。
また、実施の形態では、放電が外管内放電前の状態又は外管内放電の状態と判定されると、ランプへの電力の出力を停止するようにしていたが、例えば、ランプへの電力の出力を低減するようにしても良い。
本発明は、外管内放電がなされたときに、ランプの点灯を制限できる安全な照明システム又は点灯装置に利用できる。
本発明に係る実施の形態に用いるランプの構造を示す。 発光管の断面図を示す図である。 ランプを点灯させるための点灯装置の回路構成図である。 ランプ電圧とランプ電力との相関図である。 点灯装置の安定点灯時における動作説明のための波形図である。 点灯装置の安定動作時における動作説明のための図である。 点灯装置の始動時における動作説明のための波形図である。 点灯装置の動作を示すフローチャートである。 正常な放電の状態及び外管内放電前の状態におけるランプ特性の波形概略図である。 外管内放電時のランプ電圧、電流波形である。 外管内放電時のランプ電圧、電流波形である。 ランプ電圧の変動を示す図である。 外管内放電時のランプ電圧、電流波形である。 実施例1における点灯装置の動作を示す。 実施例2における点灯装置の動作を示す。 実施例3における点灯装置の動作を示す。 実施例4における点灯装置の動作を示す。 実施例5における点灯装置の動作を示す。 図10の極性反転直後の波形に相当する拡大図である。 実施例6における点灯装置の動作を示す。 実施例6における外管内放電時に観察される波形の概念図である。 外管内放電時に観察される波形の概念図である。 実施例7における点灯装置の動作を示す。 実施例7における点灯装置の動作を示す。 実施例8における点灯装置の動作を示す。 実施例8における点灯装置の動作を示す。 本発明に係る点灯装置の変形例である。 本発明に係る点灯装置の変形例である。 本発明に係る発光管の変形例である。 変形例1におけるランプ特性の波形図である。 変形例2におけるランプ電圧の波形を示す図である。 変形例2における点灯装置の動作を示す図である。
符号の説明
1 ランプ
3 外管
4,5 電力供給線
6 発光管
7 口金
Q1〜Q4 スイッチング素子
S1 制御部
K1,K2 ICドライバ
La ランプ

Claims (22)

  1. 発光管が外管内に収納されているメタルハライドランプと、前記メタルハライドランプを点灯させる点灯装置とを備える照明システムであって、
    前記点灯装置は、
    前記メタルハライドランプに電力を供給する電力供給手段と、
    前記メタルハライドランプの電気特性を検出する検出手段と、
    前記検出結果から、現在の放電が、前記外管内で且つ前記発光管の外部で発生した外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあるか否かを判定する判定手段と、
    前記外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態と判定したときに、前記メタルハライドランプへの電力供給を停止又は低減させるよう前記電力供給手段に指示する指示手段と
    を備えることを特徴とする照明システム。
  2. 前記判定手段は、前記検出結果が少なくとも正常点灯時の検出結果と異なるときに、現在の放電が前記外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  3. 前記判定手段は、外管内放電の状態又は外管内放電前の状態にあるときに見られる放電の特徴を基にして判定していることを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  4. 前記検出手段が検出する電気特性は、ランプ電圧及びランプ電流の少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載の照明システム。
  5. 前記放電の特徴は、立ち消え又は再始動を繰り返すことであり、
    前記判定手段は、前記検出結果から立ち消え又は再始動の回数を計数して、計数した回数が所定回数になったときに、現在の放電が前記外管内放電の状態又は前記外管内放電前の状態にあると判定することを特徴とする請求項3に記載の照明システム。
  6. 前記放電の特徴は、検出される電気特性の変動が大きいことであり、
    前記判定手段は、正常点灯時の検出結果から設定された判定基準に対して前記検出結果が前記判定基準から外れて上下に変動した回数を計数して、当該回数が所定回数になったときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴とする請求項3に記載の照明システム。
  7. 前記電力供給手段は、交流電力を供給し、
    前記放電の特徴は、半波放電することであり、
    前記判定手段は、前記検出結果が半波放電の特徴的な電気特性を継続的に示すときに、現在の放電が前記外管内放電の状態であると判定することを特徴とする請求項3に記載の照明システム。
  8. 前記特徴的な電気特性を継続的に示すときとは、半波放電の放電時間又は半波放電の発生回数が、所定値以上になったときであることを特徴とする請求項7に記載の照明システム。
  9. 前記放電の特徴は、外管内放電が安定していることであり、
    前記判定手段は、前記検出結果が所定の上限値よりも大きい値となった回数又は前記検出結果が所定の下限値よりも小さい値となった回数が所定回数になったときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴とする請求項3に記載の照明システム。
  10. 前記放電の特徴は、外管内放電が安定していることであり、
    前記判定手段は、前記検出結果が所定の上限値よりも大きい値となった時間又は前記検出結果が所定の下限値よりも小さい値となった時間が所定時間以上になったときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴とする請求項3に記載の照明システム。
  11. 前記電力供給手段は、正極及び負極の交流電力を供給し、
    前記検出手段は、交流電力の各極性毎で電気特性を検出し、
    前記判定手段は、交流電力の各極性毎で判定していることを特徴とする請求項3に記載の照明システム。
  12. 前記電力供給手段は、正極及び負極とを反転させる交流電力を供給し、
    前記放電の特徴は、極性反転直後に急峻な電気特性変化が発生することであり、
    前記検出手段は、極性反転直後の電気特性を検出し、
    前記判定手段は、極性反転直後に急峻な電気特性変化が発生しているときに、現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴とする請求項3に記載の照明システム。
  13. 前記判定手段は、極性反転から所定期間後に検出した電気特性が所定値以上のときに、前記急峻な電気特性変化が発生したとすることを特徴とする請求項12に記載の照明システム。
  14. 前記判定手段は、極性反転から所定期間後に検出した電気特性を基にして算出した平均値又は実効値が所定値以上のときに、前記急峻な電気特性変化が発生したとすることを特徴とする請求項12に記載の照明システム。
  15. 前記判定手段は、極性反転直後に急峻な電気特性変化が所定回数発生しているときに、当該現在の放電が前記外管内放電であると判定することを特徴とする請求項12に記載の照明システム。
  16. 前記点灯装置は、
    前記メタルハライドランプの点灯開始から所定時間が経過するまでは、前記判定手段が、現在の放電が外管内放電の状態又は外管内放電前の状態にあるか否かの判定をしないようにするマスク期間を有することを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  17. 前記メタルハライドランプにおいて、前記外管内は真空排気されていることを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  18. 前記メタルハライドランプにおいて、前記外管内は窒素ガスが封入されていることを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  19. 前記メタルハライドランプにおいて、前記発光管内にはバッファガスとしてキセノンガスが封入されていること特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  20. 前記メタルハライドランプにおいて、前記発光管内には前記金属ハロゲン化物として少なくともハロゲン化プラセオジウムとハロゲン化ナトリウムとが封入されていることを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  21. 前記メタルハライドランプにおいて、前記発光管内には前記金属ハロゲン化物として少なくともハロゲン化セリウムとハロゲン化ナトリウムとが封入されていることを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  22. 前記発光管は、内部に一対の電極を備え、発光管の内径をD(mm)、一対の電極間をL(mm)とするとき、L/D≧4なる関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
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