JPWO2005093890A1 - 鉛蓄電池および鉛蓄電池の保管方法 - Google Patents
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Abstract
Description
15≦Y1/Y0×100≦60
を満たすことを特徴とする。
前記正極板および負極板の高さ寸法Y0と、前記正極板および負極板の底部から前記電解液の液面までの距離Y1とが、関係式:
30≦Y1/Y0×100≦50
を満たすのが好ましい。
前記電解液がアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫酸塩を含むのが好ましい。
前記セパレータがポリエチレンからなり、オイルを含むのが好ましい。
前記セパレータは、前記オイルを10〜30重量%含むのが好ましい。
前記セパレータが袋状であり、前記負極板を収納しているのが好ましい。
前記正極格子体は、表面の少なくとも一部に、SbおよびSnの少なくとも1種を含む鉛合金層を有するのが好ましい。
前記電槽内部の気相が不活性ガスで置換されているのが好ましい。
15≦Y1/Y0×100≦60
を満たすように電解液量を調整し、かつ電槽内部を密閉して保管することを特徴とする鉛蓄電池の保管方法に関する。
また、保管時の電解液量が少ないことにより、電池重量が低減される。また、漏液の恐れが少なくなるため、電池の運搬が容易になる。従って、電池の輸送コストや保管コスト等の流通にかかるコストを低減することができる。
電槽29は隔壁30により複数のセルに仕切られており、各セルには極板群28が1つずつ収納されている。極板群28は、Pb−Ca合金からなる正極格子体および前記正極格子体に充填された正極活物質(二酸化鉛)を含む正極板21と、Pb−Ca合金からなる負極格子体および前記負極格子体に充填された負極活物質(鉛)を含む負極板22と、正極板21と負極板22とを隔離するセパレータ23とから構成されている。極板群28は、さらに正極板21の耳部と接続された棚部24と、負極板22の耳部と接続された棚部25とを有する。
硫酸ナトリウムは電解液中に5〜20g/L程度添加するのが好ましい。硫酸ナトリウムの濃度が5g/L未満であると、添加した効果がそれほど顕著に得られない。一方、硫酸ナトリウムの濃度が20g/Lを超えると、放電特性が低下する。
電池を密閉する他の方法は、注液口38に排気口を有さない密閉栓を装着することである。
上記のような密閉効果をより大きくするために、電池内の雰囲気を窒素ガスやアルゴンガスなどの酸素を含まない不活性ガスで置換しておくのが好ましい。
工程1:電槽29内に未化成の正極板21および負極板22で構成した極板群28を収納して鉛蓄電池を構成し、注液口38から電槽29内に所定量の電解液を注液する。
未化成の正極板は、例えば、正極格子体に原料鉛粉(鉛と鉛酸化物との混合物)、硫酸、および水等を混合した正極ペーストを充填した後、熟成乾燥して得られる。また、未化成の負極板は、例えば、負極格子体に原料鉛粉(鉛と鉛酸化物との混合物)、硫酸、水、およびリグニンや硫酸バリウム等の防縮剤を混合した負極ペーストを充填した後、熟成乾燥して得られる。
工程3:工程2の後、浸漬率が15〜60%となるように、鉛蓄電池を反転させるかまたは吸出し等の方法により注液口38より電解液を電池外に排出する。
工程4:工程3の後、注液口38に排気栓35を装着し、排気栓35を覆うように粘着テープ37を貼付し、鉛蓄電池を密閉状態にする。
電池保管時の電解液中の硫酸濃度を7〜27重量%とするには、上記において化成終了時点の電解液の硫酸濃度が7〜27重量%となるよう、注液する電解液の硫酸濃度を調整すればよい。そのようにすると、後工程において硫酸濃度の調整作業が要らない。
電池を使用する際には、粘着テープ37および排気栓35を外し、注液口38から所定量の電解液を補充した後、再度排気栓35を装着すればよい。
オイルとしては、例えば、石油から揮発分、タール・ピッチ分を除去した鉱物油が用いられる。鉱物油には、例えば、密度0.85〜0.90g/cm3程度のパラフィン系(直鎖状飽和炭化水素)のものが用いられる。
袋状セパレータ23の内側に流出したオイルは、袋状セパレータ23内の電解液中に留まりやすい。したがって、負極板22を袋状セパレータ23に収納した場合のほうが、負極板22を袋状セパレータ23の外側に配置した場合と比較して、負極板22表面へのオイルの付着量が増大するため、好ましい。
正極格子体は、表面の少なくとも一部に、SbおよびSnの少なくとも1種を含む鉛合金層を有するのが好ましい。
また、電解液量は少ないため、電池が軽量化される。本発明の鉛蓄電池は密閉された状態であるため、液漏れが抑制される。従って、鉛蓄電池をより容易に輸送することができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
図3に示す正極板21を以下のように作製した。
鋳造法により得られたPb−0.06wt%Ca−1.30wt%Sn合金シートを厚さ1.1mmまで圧延し、エキスパンド加工することにより、耳部42を有する正極格子体41(縦:115mm、横:137.5mm)を得た。
一方、原料鉛粉(鉛と鉛酸化物との混合物)と水と硫酸とを重量比100:15:5の割合で加えて混練することにより、正極ペースト43を得た。
そして、正極格子体41に正極ペースト43を100g充填した後、熟成乾燥して未化成の正極板21を得た。
図4に示す負極板22を以下のように作製した。
鋳造法により得られたPb−0.06wt%Ca−0.30wt%Sn合金シートを厚さ0.7mmまで圧延し、エキスパンド加工することにより、耳部52を有する負極格子体51(縦:115mm、横137.5mm)を得た。
一方、原料鉛粉、水、硫酸、ならびに添加剤としてリグニンおよび硫酸バリウムを重量比100:15:3.5:2.5:2.5の割合で加えて混練することにより、負極ペースト53を得た。そして、負極格子体51に負極ペースト53を75g充填した後、熟成乾燥して未化成の負極板22を得た。
以下の方法により、図1に示す構造の鉛蓄電池を作製した。図1は、鉛蓄電池の一部を切り欠いた斜視図である。
上記で得られた6枚の負極板22をそれぞれ袋状セパレータ23内に収納し、これらと上記で得られた5枚の正極板21とを交互に積層することにより、正極板21および負極板22を袋状セパレータ23を介して積層した。その後、同極性の極板の耳部42および52をそれぞれ集合溶接して、棚部24および25を形成し、極板群28を得た。このとき、袋状セパレータ23には、孔径が1μm以下の微多孔性のポリエチレン製のものを用いた。極板群28を、電槽29の隔壁30によって区画された6つのセル31にそれぞれ1つずつ収納し、棚部24に連設された接続体27により隣接する極板群28を直列に接続した。なお、本実施例では、極板群間の接続は、隔壁30に設けられた透孔(図示せず)を介して行った。
浸漬率は、極板の高さY0に対する極板底部から電解液面X1までの距離Y1の割合(=Y1/Y0×100)より求めた。
反転させる時間は、浸漬率75%、60%、50%、30%および15%に対して、それぞれ15、20、30、80および180秒間であった。液面X1の位置は、電解液を排出した後、30分間経過した時点で目視により確認した。
また、電池Aおよび電池D1〜D6の電解液中にさらに硫酸ナトリウムを10g/l添加した電池A’および電池D1’〜D6’を作製した。
上記で作製した全ての電池の排気栓35をポリプロピレン樹脂からなる粘着テープ37で覆い、排気口36を封じ、電池を密封した。なお、上記の排気栓35には、電解液面の揺動によっても、容易に電解液が電池外に溢れないよう、防沫板を有するものを用いた。なお、電池A、A’および電池B1〜B4は比較例であり、電池C1〜C4、D1〜D6、D1’〜D6’、E1〜E4およびF1〜F4は実施例である。
上記の各電池を40℃恒温室中で3ヶ月間放置した。放置後、粘着テープを剥離し、排気栓を取り外して、電解液中の硫酸濃度が37重量%、電解液量が1セル当たり700ml(液面が図2中のX0の位置)となるように、注液口より電解液を補充した。
そして、25℃環境下、各電池を終止電圧10.5Vで20時間率(電流値:2.88A)放電し、残存放電持続時間を測定した。その後、各電池を25℃環境下で回復充電(定電圧充電:設定電圧14.8V、最大電流25A、充電時間12時間)した後、再び終止電圧10.5Vで20時間率放電し、回復放電持続時間を測定した。その測定結果を表1に示す。
電池D1〜D6およびD1’〜D6’の結果より、電解液中の硫酸ナトリウムの添加は、残存放電持続時間に対してはほとんど影響を与えなかったが、回復放電持続時間の増大をもたらすことがわかった。特に、保管時の電解液の硫酸濃度が7重量%以上では、硫酸濃度が低いほど、回復放電持続時間が増大する効果は大きくなることがわかった。
一方、比較例の電池Aの保管時の電解液量は1セル当たり700mlであり、硫酸濃度37重量%の電解液密度は25℃において約1.273g/mlであるため、電解液重量は電池1個当たり約5350gとなる。
したがって、本発明の鉛蓄電池では、保管時における電池重量を大幅に低減でき、輸送コストや保管コストといった流通コストを削減することができる。
さらに、電池G1〜G6の電解液を排出して、電解液量を1セル当たり245ml(浸漬率50%)としたものを電池I1〜I6とした。電池H1〜H6の電解液を排出して、電解液量を1セル当たり245ml(浸漬率50%)としたものを電池J1〜J6とした。なお、電池G1〜G6およびH1〜H6は比較例であり、電池I1〜I6およびJ1〜J6は実施例である。
上記の各電池について、実施例1と同様の方法により、6ヶ月間放置後における残存放電持続時間を測定した。その測定結果を表2に示す。
これについては以下のような理由が考えられる。袋状セパレータの外側から流出したオイルは電槽内に拡散する一方で、袋状セパレータの内側から流出したオイルがセパレータ内側に留まる。このため、袋状セパレータが負極板を収納した場合、負極板表面にオイル皮膜が形成されやすくなる。
なお、上記の実施例2では浸漬率を50%としたが、浸漬率15〜60%の範囲で実施例2と同様の効果が得られた。
上記で得られた正極格子体を用い、化成後の電解液量を1セル当たり200ml(浸漬率40%)(電池Aの電解液量の28.6重量%に相当する量)とした以外は、実施例1の電池Aと同様の方法により、電池K1を作製した。
粘着テープを貼付せず、排気栓を取り外し、開放系とした以外は実施例3と同様の方法により電池K5を作製した。
化成後に電解液を排出せずに電解液量を1セル当たり700mlとした以外は、実施例3と同様の方法により電池K6を作製した。
極板群内の全ての袋状セパレータが、負極板を収納する代わりに正極板を収納した以外は、比較例2と同様の方法により電池K7を作製した。
上記で得られた電池K1〜K7について、実施例1と同様の方法により、3ヶ月間放置後における残存放電持続時間を測定した。また、6ヶ月間放置した場合についても残存放電持続時間を同様に測定した。その測定結果を表3に示す。さらに、比較例として電池Aの測定結果も示す。
【発明の名称】鉛蓄電池および鉛蓄電池の保管方法
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛蓄電池および鉛蓄電池の保管方法に関し、更に詳しくは鉛蓄電池の保管時における電解液量の規制に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のエンジン始動用やバックアップ電源用などの様々な用途に鉛蓄電池が用いられている。鉛蓄電池はアルカリ蓄電池と比較して自己放電量が小さい。しかしながら、その流通過程で電池を長期間保管すると自己放電が進行して、電池の使用時に補充電が必要となる場合がある。したがって、鉛蓄電池において自己放電をさらに抑制することは、依然として重要な技術的課題である。
【0003】
ところで、鉛蓄電池の正極板および負極板の格子体には、主にPb−Sb系合金およびPb−Ca系合金がよく用いられる。電池の自己放電特性は格子体の合金系により変わる。Pb−Sb系合金は鋳造性や強度に優れているが、Sbの存在により自己放電量が増大する。
【0004】
このため、Pb−Sb系合金を格子体に用いた鉛蓄電池では、次のような保管方法が採られている。その一つは、極板を製造する段階で化成処理を施し乾燥させた化成済み極板を用いて組み立てられた電池を保管する方法(特許文献1参照)である。他の一つは、未化成の極板を用いて組み立てられた電池に注液し、電槽内で化成した後、電槽内の電解液を排出した電池を保管する方法である。
【0005】
Pb−Sb系合金を格子体に用いた鉛蓄電池では、上記の方法で保管し、電池を使用する直前に電解液を注液する方式を採用することにより、未使用状態の電池を長期間保管する場合に起こる自己放電を防止することができる。しかしながら、一旦注液した後の自己放電は抑制できないという問題が依然として残っている。
【0006】
一方、格子体にPb−Ca系合金を用いると、鉛蓄電池の自己放電量を、格子体にPb−Sb系合金を用いた場合の1/2〜1/3程度にまで低減することができる。しかし、電池を保管する際の環境温度が高くなると自己放電しやすくなるため、Pb−Ca系合金を用いた電池でも、保管中に自己放電が進行し、電池を使用する際には、補充電が必要となる場合がある。日本国内を例にとると、空調設備のない倉庫内で電池を長期間保管する場合、夏季には倉庫内の気温が40℃以上となることがしばしば起こり、数ヶ月毎に電池を補充電することが必要な場合がある。
【0007】
補充電する場合には、電池を一旦開梱し、補充電した後、再度梱包する作業が必要となる。このような作業は手作業とならざるを得ず、これにかかる費用、すなわち補充電設備や補充電に必要な電力などにかかる費用および時間も膨大なものがあり、電池の流通コストが増大してしまう。
【特許文献1】 特開昭52−93930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、長期保管時の自己放電を抑制し、補充電作業の頻度を低減することが可能な低コストの鉛蓄電池を提供することを目的とする。
【発明を解決しようとする手段】
【0009】
本発明は、電解液を注液することにより使用可能な鉛蓄電池であって、前記鉛蓄電池は、電槽内に、Pb−Ca系合金からなる正極格子体および前記正極格子体に保持される正極活物質を含む正極板と、Pb−Ca系合金からなる負極格子体および前記負極格子体に保持される負極活物質を含む負極板と、前記正極板と負極板とを隔離するセパレータと、硫酸からなる電解液とを収容し、前記電槽が密閉され、前記正極板および負極板の一部が電解液中に浸漬され、前記正極板および負極板の高さ寸法Y0と、前記正極板および負極板の底部から前記電解液の液面までの距離Y1とが、関係式:
15≦Y1/Y0×100≦60
を満たすことを特徴とする。
前記正極板および負極板の高さ寸法Y0と、前記正極板および負極板の底部から前記電解液の液面までの距離Y1とが、関係式:
30≦Y1/Y0×100≦50
を満たすのが好ましい。
【0010】
前記硫酸の濃度は7〜27重量%であるのが好ましい。
前記電解液がアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫酸塩を含むのが好ましい。
前記セパレータがポリエチレンからなり、オイルを含むのが好ましい。
前記セパレータは、前記オイルを10〜30重量%含むのが好ましい。
前記セパレータが袋状であり、前記負極板を収納しているのが好ましい。
前記正極格子体は、表面の少なくとも一部に、SbおよびSnの少なくとも1種を含む鉛合金層を有するのが好ましい。
前記電槽内部の気相が不活性ガスで置換されているのが好ましい。
【0011】
また、本発明は、Pb−Ca系合金からなる格子体を備える未化成の正極板および負極板、前記両極板を隔離するセパレータ、ならびに硫酸からなる電解液を具備する鉛蓄電池を電槽化成した後、電解液量を減少させて保管する鉛蓄電池の保管方法であって、前記正極板および負極板の高さ寸法Y0と、前記正極板および負極板の底部から前記電解液の液面までの距離Y1とが、関係式:
15≦Y1/Y0×100≦60
を満たすように電解液量を調整し、かつ電槽内部を密閉して保管することを特徴とする鉛蓄電池の保管方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、長期保管時に生じる自己放電を抑制することにより、補充電作業の頻度を低減するとともに、補充電の電気量を削減することができる。
また、保管時の電解液量が少ないことにより、電池重量が低減される。また、漏液の恐れが少なくなるため、電池の運搬が容易になる。従って、電池の輸送コストや保管コスト等の流通にかかるコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の鉛蓄電池は、基本的には、正極格子体および負極格子体に自己放電量の多いSbを含まないPb−Ca系合金を用いる。そして、電解液量を使用時よりも減量して正極板および負極板と電解液との接触を少なくするとともに、電槽を密閉状態にし、負極板と酸素との接触を少なくして鉛蓄電池を保管する。これにより、未使用状態の電池を長期保管する場合の自己放電を抑制する。
【0014】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の鉛蓄電池の一部を切り欠いた斜視図である。図1に示す本発明の鉛蓄電池は、未使用状態の電池を長期保管する場合の構成の一例を示すものである。
電槽29は隔壁30により複数のセルに仕切られており、各セルには極板群28が1つずつ収納されている。極板群28は、Pb−Ca合金からなる正極格子体および前記正極格子体に充填された正極活物質(二酸化鉛)を含む正極板21と、Pb−Ca合金からなる負極格子体および前記負極格子体に充填された負極活物質(鉛)を含む負極板22と、正極板21と負極板22とを隔離するセパレータ23とから構成されている。極板群28は、さらに正極板21の耳部と接続された棚部24と、負極板22の耳部と接続された棚部25とを有する。
【0015】
1つのセル内の極板群の正極側の棚部24に連設された接続体27は、隔壁30に設けられた透孔(図示せず)を介して隣接するセル内の極板群28の負極側の棚部25に連設された接続体27と接続されている。これにより、極板群28は隣接するセル内の極板群28と直列に接続されている。電槽29の一方の端部の正極側の棚部には正の極柱(図示せず)が形成され、他方の端部の負極側の棚部25には負の極柱26が形成されている。正の極柱および負の極柱26は、蓋32に設けられた正極端子33および負極端子34にそれぞれ接続されている。
【0016】
ここで、図2は図1の鉛蓄電池のセル内部を示す縦断面図である。化成時に電槽29内に注液した電解液は、化成終了後に電池を反転させたり吸い出したりする方法により所定量が排出されている。図2は、前記のようにして電解液を所定量排出して保管するときの状態を示している。各セルには、ある量の電解液が含まれ、正極板21および負極板22の一部(下部)が電解液中に浸漬されている。そして、正極板21および負極板22が電解液に浸漬される割合(以下、浸漬率と表す)は、図2に示す極板(耳部を除く)の高さ寸法Y0と極板底部から電解液面X1までの距離Y1とを用いてY1/Y0×100の式で表わされる。浸漬率(=Y1/Y0×100)が15〜60%のとき、極板と電解液とが接触する割合が少なくなり、自己放電が抑制される。
【0017】
浸漬率は小さいほど好ましい。しかし、実際には、完全に電槽29内から電解液は排出されずに、極板群28内や電槽29の内壁に残留するため、実質的に浸漬率が15%未満になるまで電解液を排出することが難しい。一方、浸漬率が60%を超えると、上記の自己放電を抑制する効果が小さくなる。
【0018】
浸漬率は30〜50%であるのがより好ましい。浸漬率が50%以下では自己放電がより抑制される。電池内部に残存する電解液は、正極板21および負極板22表面に液膜を形成する。浸漬率が30%未満になると、負極板22の表面に形成された液膜が途切れ、酸素・電解液・活物質の三相界面が形成される。この界面において活物質が不導態化しやすくなり、電池使用時の充電受入性が低下する場合がある。
【0019】
電池保管時における電解液中の硫酸の濃度は、7〜27重量%であるのが好ましい。硫酸濃度が27重量%以下のとき、電池保管時の自己放電はそれより高濃度の場合と比較して抑制される。しかし、硫酸濃度が7重量%未満になると、補充電時の充電受入性が低下する。電解液中の硫酸濃度は、自己放電および充電受入性の観点から12〜22重量%であるのがより好ましい。
【0020】
保管時の電解液は、硫酸ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫酸塩を含むのが好ましい。補充電時の充電受入性が改善され、補充電後の放電容量が増加する。
硫酸ナトリウムは電解液中に5〜20g/L程度添加するのが好ましい。硫酸ナトリウムの濃度が5g/L未満であると、添加した効果がそれほど顕著に得られない。一方、硫酸ナトリウムの濃度が20g/Lを超えると、放電特性が低下する。
【0021】
電槽29の開口部は電池内部へ電解液を注液するための注液口38を有する蓋32で覆われ、注液口38には、排気口36を有する排気栓35が装着されている。長期保管時には、排気栓35を覆うように粘着テープ37が貼付され、排気口36が塞がれている。これにより、長期保管時において電池の密閉状態が保たれる。粘着テープ37には、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などの耐酸性樹脂を用いることができる。粘着テープ37を用いる場合、排気栓35は必ずしも装着しなくてもよい。
【0022】
これにより長期保管時における電池外部から電池内部への空気(酸素)の流入が抑制され、負極活物質(スポンジ状鉛)の酸化、およびこれにより生成する酸化鉛と電解液中の硫酸との反応による硫酸鉛の生成を抑制することができる。
電池を密閉する他の方法は、注液口38に排気口を有さない密閉栓を装着することである。
上記のような密閉効果をより大きくするために、電池内の雰囲気を窒素ガスやアルゴンガスなどの酸素を含まない不活性ガスで置換しておくのが好ましい。
【0023】
上記の本発明の鉛蓄電池は、例えば、以下に示す工程1〜4の方法により得られる。
工程1:電槽29内に未化成の正極板21および負極板22で構成した極板群28を収納して鉛蓄電池を構成し、注液口38から電槽29内に所定量の電解液を注液する。
未化成の正極板は、例えば、正極格子体に原料鉛粉(鉛と鉛酸化物との混合物)、硫酸、および水等を混合した正極ペーストを充填した後、熟成乾燥して得られる。また、未化成の負極板は、例えば、負極格子体に原料鉛粉(鉛と鉛酸化物との混合物)、硫酸、水、およびリグニンや硫酸バリウム等の防縮剤を混合した負極ペーストを充填した後、熟成乾燥して得られる。
【0024】
工程2:工程1の後、鉛蓄電池を化成する。
工程3:工程2の後、浸漬率が15〜60%となるように、鉛蓄電池を反転させるかまたは吸出し等の方法により注液口38より電解液を電池外に排出する。
工程4:工程3の後、注液口38に排気栓35を装着し、排気栓35を覆うように粘着テープ37を貼付し、鉛蓄電池を密閉状態にする。
【0025】
電解液を排出後、電池をしばらく静置すると、極板群28内に含まれる電解液や電槽29の内壁に付着した電解液が電槽内の下方に移動し、正極板21および負極板22は浸漬率15〜60%の範囲で電解液中に浸漬された状態になる。
電池保管時の電解液中の硫酸濃度を7〜27重量%とするには、上記において化成終了時点の電解液の硫酸濃度が7〜27重量%となるよう、注液する電解液の硫酸濃度を調整すればよい。そのようにすると、後工程において硫酸濃度の調整作業が要らない。
【0026】
正極格子体および負極格子体にPb−Ca系合金を用いた鉛蓄電池は、自己放電を促進するSbを含まないため自己放電は抑制される。本発明では、上記のように、さらに電解液を適正な量に減らすことにより、正極板21および負極板22と電解液とが接している部分が少なくなり、長期保存時の自己放電をさらに抑制できる。
電池を使用する際には、粘着テープ37および排気栓35を外し、注液口38から所定量の電解液を補充した後、再度排気栓35を装着すればよい。
【0027】
電池使用時には、正極板21および負極板22全体が電解液に浸漬されるまで電解液を補充すればよいが、好ましくは、棚部24および棚部25を含む極板群28全体が浸漬される位置(図2中のX0)まで電解液を補充する。特に、負極側の棚部25が電解液から露出していると、その棚部25の露出部分が大気中の酸素と接触することにより、棚部25または棚部25と負極板22の耳部との接続部分が腐食する場合がある。
【0028】
セパレータ23は袋状であり、ポリエチレン樹脂を主成分とした、電解液が透過可能な孔径が0.01〜1μm程度の微多孔性シートからなる。孔径が1μmを超えると、活物質がセパレータを通過し易くなる。
【0029】
開口部を上向きにして配された袋状のセパレータ23には、開口部側に負極板22の耳部が位置するように、負極板22が収納されている。電解液とセパレータ23および電解液と負極活物質は親和性を有するため、電槽化成後に電池内の電解液を排出した後においても、セパレータ23内部には電解液が残存する。この残存した電解液の液膜が負極板22表面の一部を覆い、さらに電解液によりセパレータ23と負極板22とが密着することにより、負極板22の酸素との接触を抑制することができる。
【0030】
上記のように負極板22は電解液を保持するが、その液量は負極板22の表面に液膜を形成する程度であり、電解液量が著しく少ないため、負極活物質と電解液との接触により生じる自己放電が抑制される。
【0031】
セパレータ23は、オイルを10〜30重量%含むのが好ましい。保管時の自己放電をさらに抑制することができる。初期においてオイルはセパレータ23中に含まれるが、しだいにセパレータ23中のオイルは電解液中に流出する。この流出したオイルが負極板22の表面に付着し、負極板22と電解液との接触、または負極板22と電槽29内に滞留する酸素ガスとの接触が少なくなることにより、負極板22の自己放電が抑制されると推測される。
【0032】
セパレータ23中に含まれるオイル量は多いほど、自己放電を抑制する効果は大きくなる。しかし、セパレータ23中のオイル含有量が30重量%を超えると、電槽29内壁がオイルで汚れてしまい、電解液の液面の確認が困難となる場合がある。一方、セパレータ23中のオイル含有量が10重量%未満であると、自己放電を抑制する効果が不十分となる。
オイルとしては、例えば、石油から揮発分、タール・ピッチ分を除去した鉱物油が用いられる。鉱物油には、例えば、密度0.85〜0.90g/cm3程度のパラフィン系(直鎖状飽和炭化水素)のものが用いられる。
【0033】
電池使用時には電解液面が極板よりも上方に位置するまで電解液を補充するため、保管時に極板の表面に付着していたオイルは電池使用時には全て極板よりも上方に移動し、電解液面に膜状に広がる。したがって、電池使用時には、オイルは極板と電解液との間には存在しないため、電極反応に悪影響を及ぼさない。
袋状セパレータ23の内側に流出したオイルは、袋状セパレータ23内の電解液中に留まりやすい。したがって、負極板22を袋状セパレータ23に収納した場合のほうが、負極板22を袋状セパレータ23の外側に配置した場合と比較して、負極板22表面へのオイルの付着量が増大するため、好ましい。
【0034】
Pb−Ca系合金からなる正極格子体は、正極格子体の機械的強度が向上するため、Caを0.05〜0.1重量%含むのが好ましい。Pb−Ca系合金は、正極格子体の耐食性を改善するために、さらにSnを1.0〜2.2重量%含むのが好ましい。
正極格子体は、表面の少なくとも一部に、SbおよびSnの少なくとも1種を含む鉛合金層を有するのが好ましい。
【0035】
正極板21の電解液との接触が少ない状態で長期保管した電池を使用する際に、電解液を補充して正極板全体を電解液中に浸漬した状態にすると、正極格子体と正極活物質との界面で不働態層を形成しやすい。不働態層は、正極格子体表面に形成される硫酸鉛あるいは酸化鉛の絶縁層であり、この層が形成されると急激に充電受入性および放電容量が低下する。特に、正極格子体にPb−Ca系合金を用いた電池では、不働態層を生じやすい傾向にある。
【0036】
正極格子体が表面の少なくとも一部にSbおよびSnの少なくとも1種を含む鉛合金層を有することにより、この不働態層による電池の性能低下を抑制することができる。Snは不働態層の導電性を向上させる効果を有し、Sbは不働態層自体の生成を抑制する効果を有する。
【0037】
上記のような目的に用いられる鉛合金層は、Sbを1.0〜10重量%含むPb−Sb合金であるのが好ましい。正極活物質と正極格子体との密着性が改善され、さらにSbの一部が正極活物質中に溶出し、正極活物質粒子間の結合力が向上し、正極板の充電受入性が向上する。鉛合金層中のSbは正極格子体の表面のみに部分的に存在し、Sb量はごく微量であるため、Sbによる自己放電への影響はほとんどない。
【0038】
他の好ましい鉛合金層はSnを3〜7重量%含むPb−Sn合金である。Sn含有量が7重量%を超えると、Snによる効果は7重量%含む場合と同じであるため、高価なSnの使用量を制限する目的で鉛合金層中のSn含有量は7重量%以下とするのが好ましい。一方、Sn含有量が3重量%未満であると、Snによる効果が小さくなる。
【0039】
鉛合金層を表面に有する正極格子体は次のようにして得られる。例えば、圧延工程において、上述した格子体と同様のPb−Ca系合金材料からなる母材シートとともにSbおよびSnの少なくとも1種を含む鉛合金箔を一対の圧延ローラー間に供給して、鉛合金箔を母材シート上に圧着させることにより、母材層と鉛合金層からなる複合シートを得る。次に、この複合シートをエキスパンド加工することにより正極格子体を得る。複合シートにおける母材層の好ましい厚さは0.7〜1.3mmであり、鉛合金層の好ましい厚さは0.01〜20μmである。
【0040】
Pb−Ca系合金からなる負極格子体は、Caを0.05〜0.1重量%含むのが好ましい。負極格子体の水素過電圧を低下させることなく、負極格子体の機械的強度を向上させることができる。Pb−Ca系合金は、負極格子体の機械的強度をより向上させるために、さらにSnを0.5重量%程度含むのが好ましい。
【0041】
以上のように、本発明の鉛蓄電池は、長期保管時に生じる自己放電を抑制することができ、長期保管時に行われる補充電の頻度を少なくし、補充電にかかる費用を低減することができる。
また、電解液量は少ないため、電池が軽量化される。本発明の鉛蓄電池は密閉された状態であるため、液漏れが抑制される。従って、鉛蓄電池をより容易に輸送することができる。
【0042】
上記では、袋状セパレータが負極板を収納する構成としたが、それ以外にも、シート状セパレータを2つ折り(U字状)にし、その間に負極板を挟み込む構成としてもよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0043】
実施例1
(1)正極板の作製
図3に示す正極板21を以下のように作製した。
鋳造法により得られたPb−0.06wt%Ca−1.30wt%Sn合金シートを厚さ1.1mmまで圧延し、エキスパンド加工することにより、耳部42を有する正極格子体41(縦:115mm、横:137.5mm)を得た。
一方、原料鉛粉(鉛と鉛酸化物との混合物)と水と硫酸とを重量比100:15:5の割合で加えて混練することにより、正極ペースト43を得た。
そして、正極格子体41に正極ペースト43を100g充填した後、熟成乾燥して未化成の正極板21を得た。
【0044】
(2)負極板の作製
図4に示す負極板22を以下のように作製した。
鋳造法により得られたPb−0.06wt%Ca−0.30wt%Sn合金シートを厚さ0.7mmまで圧延し、エキスパンド加工することにより、耳部52を有する負極格子体51(縦:115mm、横137.5mm)を得た。
一方、原料鉛粉、水、硫酸、ならびに添加剤としてリグニンおよび硫酸バリウムを重量比100:15:3.5:2.5:2.5の割合で加えて混練することにより、負極ペースト53を得た。そして、負極格子体51に負極ペースト53を75g充填した後、熟成乾燥して未化成の負極板22を得た。
【0045】
(3)鉛蓄電池の作製
以下の方法により、図1に示す構造の鉛蓄電池を作製した。図1は、鉛蓄電池の一部を切り欠いた斜視図である。
上記で得られた6枚の負極板22をそれぞれ袋状セパレータ23内に収納し、これらと上記で得られた5枚の正極板21とを交互に積層することにより、正極板21および負極板22を袋状セパレータ23を介して積層した。その後、同極性の極板の耳部42および52をそれぞれ集合溶接して、棚部24および25を形成し、極板群28を得た。このとき、袋状セパレータ23には、孔径が1μm以下の微多孔性のポリエチレン製のものを用いた。極板群28を、電槽29の隔壁30によって区画された6つのセル31にそれぞれ1つずつ収納し、棚部24に連設された接続体27により隣接する極板群28を直列に接続した。なお、本実施例では、極板群間の接続は、隔壁30に設けられた透孔(図示せず)を介して行った。
【0046】
直列に接続された両端に位置する極板群28において、一方には正の極柱(図示せず)を形成し、他方には負の極柱26を形成した。そして、電槽29の開口部に蓋32を装着するとともに、蓋32に設けられた正極端子33および負極端子34と、正の極柱および負の極柱26とを溶接した。その後、蓋32に設けられた注液口38より、電解液として濃度が34重量%の硫酸を1セル当たり700ml注液し、電槽化成を行った。化成後、電池内部で発生したガスを電池外に排出するための排気口36を有する排気栓35を注液口38に装着し、JIS D5301に規定する55D23形(12V−48Ah)の始動用鉛蓄電池(以下、電池とする)を作製した。
【0047】
上記の電池作製時において、化成後の各セル内の電解液の硫酸濃度が37重量%となり、電解液量が1セル当たり700mlとなるように電解液を調整した。このときの電解液面は図2におけるX0の位置であり、正極板21、負極板22、棚部24および25はすべて電解液に浸漬された状態であった。この電池を電池A(比較例)とした。
【0048】
化成終了後、電解液の硫酸濃度や電解液量を表1に示す種々の値に調整した。
化成後に硫酸濃度を5〜37重量%の範囲で調整し、その後さらに電解液の一部を電池外に排出することにより、電解液量を表1に示す種々の値になるように調整した。電池外への電解液の排出は、電池を反転させることにより行い、電池を反転させる時間を変えて電解液の排出量を調整した。
【0049】
なお、表1中の電解液量350ml、280ml、245ml、140mlおよび70mlは、所定電解液量(700ml)のそれぞれ50重量%、40重量%、35重量%、20重量%および10重量%に相当する量であり、このときの浸漬率はそれぞれ75%、60%、50%、30%および15%である。
浸漬率は、極板の高さY0に対する極板底部から電解液面X1までの距離Y1の割合(=Y1/Y0×100)より求めた。
反転させる時間は、浸漬率75%、60%、50%、30%および15%に対して、それぞれ15、20、30、80および180秒間であった。液面X1の位置は、電解液を排出した後、30分間経過した時点で目視により確認した。
【0050】
【表1】
【0051】
上記のようにして硫酸濃度や電解液量の異なる電池B1〜B4、C1〜C4、D1〜D6、E1〜E4、F1〜F4を作製した。
また、電池Aおよび電池D1〜D6の電解液中にさらに硫酸ナトリウムを10g/l添加した電池A’および電池D1’〜D6’を作製した。
上記で作製した全ての電池の排気栓35をポリプロピレン樹脂からなる粘着テープ37で覆い、排気口36を封じ、電池を密封した。なお、上記の排気栓35には、電解液面の揺動によっても、容易に電解液が電池外に溢れないよう、防沫板を有するものを用いた。なお、電池A、A’および電池B1〜B4は比較例であり、電池C1〜C4、D1〜D6、D1’〜D6’、E1〜E4およびF1〜F4は実施例である。
【0052】
[電池の評価]
上記の各電池を40℃恒温室中で3ヶ月間放置した。放置後、粘着テープを剥離し、排気栓を取り外して、電解液中の硫酸濃度が37重量%、電解液量が1セル当たり700ml(液面が図2中のX0の位置)となるように、注液口より電解液を補充した。
そして、25℃環境下、各電池を終止電圧10.5Vで20時間率(電流値:2.88A)放電し、残存放電持続時間を測定した。その後、各電池を25℃環境下で回復充電(定電圧充電:設定電圧14.8V、最大電流25A、充電時間12時間)した後、再び終止電圧10.5Vで20時間率放電し、回復放電持続時間を測定した。その測定結果を表1に示す。
【0053】
表1から、浸漬率が15〜60%の範囲である電池C1〜C4、D1〜D6、D1’〜D6’、E1〜E4、およびF1〜F4では、40℃で3ヶ月放置後の残存放電持続時間が長いことが分かった。電解液量を制限することにより、電解液と活物質との接触面積が少なくなり、自己放電が抑制されたためであると考えられる。浸漬率が30〜50%の範囲である電池D1〜D6、D1’〜D6’およびE1〜E4では、放置後の放電特性がさらに向上した。
【0054】
電解液中の硫酸濃度が5重量%の場合では、自己放電が少ないため残存放電持続時間は長くなったが、回復放電持続時間が減少した。このため、電解液中の硫酸濃度は7重量%以上であるのが好ましい。
電池D1〜D6およびD1’〜D6’の結果より、電解液中の硫酸ナトリウムの添加は、残存放電持続時間に対してはほとんど影響を与えなかったが、回復放電持続時間の増大をもたらすことがわかった。特に、保管時の電解液の硫酸濃度が7重量%以上では、硫酸濃度が低いほど、回復放電持続時間が増大する効果は大きくなることがわかった。
【0055】
電解液量と電解液中の硫酸濃度を制限することにより自己放電を抑制する場合、硫酸イオン量が制限されるため、電池の充電受入性と、回復放電持続時間が低下する傾向にある。このような電解液量が少ない状態で硫酸ナトリウムを添加すると、硫酸イオンが補給されるため、充電受入性の低下が抑制され、回復放電持続時間が長くなる。
【0056】
また、硫酸濃度が27重量%を超えると、硫酸量が多くなり硫酸鉛が生成しやすくなるため、残存放電持続時間が短くなった。このことから、硫酸濃度は7〜27重量%が好ましいことがわかった。硫酸濃度が12〜22重量%の範囲である電池D3、D4、D3’およびD4’では、放置後の放電特性がさらに向上した。
【0057】
また、本発明の実施例の電池D3の保管時の電解液量は1セル当たり245mlである。硫酸濃度27重量%の電解液密度は25℃において約1.184g/mlであるため、電解液重量は電池1個当たり約1740gとなる。
一方、比較例の電池Aの保管時の電解液量は1セル当たり700mlであり、硫酸濃度37重量%の電解液密度は25℃において約1.273g/mlであるため、電解液重量は電池1個当たり約5350gとなる。
したがって、本発明の鉛蓄電池では、保管時における電池重量を大幅に低減でき、輸送コストや保管コストといった流通コストを削減することができる。
【0058】
実施例2
実施例1と同様の袋状セパレータに表2に示す種々の量のオイルを含ませた。表2中のオイル含有量は、オイルを含む袋状セパレータの重量に対する割合を示す。オイルには、鉱物油(出光興産(株)製のダフニーオイルCP)を用いた。オイルを含む袋状セパレータを用いた以外は、実施例1の電池Aと同様の方法により電池G2〜G6を作製した。比較例としてオイルを含ませない袋状セパレータを用いた電池G1(電池Aと同じ構成)を作製した。
【0059】
また、上記のセパレータを、負極板に収納する代わりに正極板に収納した以外は、実施例1の電池Aと同様の方法により電池H1〜H6を作製した。
さらに、電池G1〜G6の電解液を排出して、電解液量を1セル当たり245ml(浸漬率50%)としたものを電池I1〜I6とした。電池H1〜H6の電解液を排出して、電解液量を1セル当たり245ml(浸漬率50%)としたものを電池J1〜J6とした。なお、電池G1〜G6およびH1〜H6は比較例であり、電池I1〜I6およびJ1〜J6は実施例である。
【0060】
[電池の評価]
上記の各電池について、実施例1と同様の方法により、6ヶ月間放置後における残存放電持続時間を測定した。その測定結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
放置時に電池内の電解液を少なくし、かつセパレータ中にオイルを含ませた電池I2〜I6およびJ2〜J6では、電池I1およびJ1と比較して、自己放電が抑制され、残存放電持続時間が長くなった。特に、電池I3〜I6およびJ3〜J6において、放置後の放電特性がさらに向上した。一方、電解液を排出しない電池G2〜G6およびH2〜H6では、セパレータ中のオイル含有量により、残存放電持続時間が若干変化したが、電解液を排出した電池ほどの効果は得られなかった。
【0063】
このメカニズムについては定かではないが、電解液を排出することにより、露出した負極板表面に電解液中のオイルが被膜を形成し、それにより負極板と電解液および電池内に存在する酸素との接触が少なくなり、自己放電が抑制されたと推測される。
【0064】
また、袋状セパレータが負極板を収納した電池の方が、袋状セパレータが正極板を収納した電池よりも、優れた自己放電特性が得られた。
これについては以下のような理由が考えられる。袋状セパレータの外側から流出したオイルは電槽内に拡散する一方で、袋状セパレータの内側から流出したオイルがセパレータ内側に留まる。このため、袋状セパレータが負極板を収納した場合、負極板表面にオイル皮膜が形成されやすくなる。
なお、上記の実施例2では浸漬率を50%としたが、浸漬率15〜60%の範囲で実施例2と同様の効果が得られた。
【0065】
実施例3
圧延工程において、図5に示すように一対の圧延ローラー45間に、母材シート41aとともに鉛合金箔41bを供給し、圧延ローラー45により母材シート41aおよび鉛合金箔41bが同時に圧延された。これにより、母材シート41a上に鉛合金箔41bが圧着され、厚さ1.1mmの母材層の片面に厚さ20μmの鉛合金層を有する複合シートが得られた。鉛合金箔41bには、Pb−5.0wt%Sb合金を用いた。母材シート41aには、実施例1の正極格子体と同じ材料を用いた。
【0066】
この複合シートにエキスパンド加工を施すことにより正極格子体を得た。そして、この正極格子体を用いて実施例1と同様の方法により正極板を得た。この正極格子体は、図6に示すように菱形の格子の一面にPb−5wt%Sb合金層を有する。
上記で得られた正極格子体を用い、化成後の電解液量を1セル当たり200ml(浸漬率40%)(電池Aの電解液量の28.6重量%に相当する量)とした以外は、実施例1の電池Aと同様の方法により、電池K1を作製した。
【0067】
実施例4
極板群内の全ての袋状セパレータが、負極板を収納する代わりに正極板を収納した以外は、実施例3と同様の方法により電池K2を作製した。
【0068】
実施例5
実施例3の正極格子体の代わりに実施例1の正極格子体を用いた以外は、実施例3と同様の方法により電池K3を作製した。
【0069】
実施例6
排気栓および粘着テープを用いて電池を密閉する前に、電池内部の気相を窒素ガスで置換した以外は、実施例3と同様の方法により電池K4を作製した。
【0070】
比較例1
粘着テープを貼付せず、排気栓を取り外し、開放系とした以外は実施例3と同様の方法により電池K5を作製した。
【0071】
比較例2
化成後に電解液を排出せずに電解液量を1セル当たり700mlとした以外は、実施例3と同様の方法により電池K6を作製した。
【0072】
比較例3
極板群内の全ての袋状セパレータが、負極板を収納する代わりに正極板を収納した以外は、比較例2と同様の方法により電池K7を作製した。
【0073】
[電池の評価]
上記で得られた電池K1〜K7について、実施例1と同様の方法により、3ヶ月間放置後における残存放電持続時間を測定した。また、6ヶ月間放置した場合についても残存放電持続時間を同様に測定した。その測定結果を表3に示す。さらに、比較例として電池Aの測定結果も示す。
【0074】
【表3】
【0075】
3ヶ月放置後では、電解液量の少ない状態で放置した電池K1〜K5では自己放電が抑制されたため、通常の電解液量で放置した電池K6およびK7よりも残存放電持続時間は長くなった。しかし、6ヶ月放置後では、電池K3およびK5のほうが、電池K6およびK7よりも残存放電持続時間が若干短くなった。従って、6ヶ月程度放置する場合には、電池K1、K2、およびK4の構成を採用することが好ましい。
【0076】
電池AおよびK6の結果より、電池放置時に電解液を減らさない場合は、正極格子体表面の鉛合金層の有無による残存放電持続時間への影響はほとんどないことがわかった。電池K1およびK3の結果より、特に放置期間が6ヶ月の場合には、鉛合金層を正極格子体の表面に配することにより、放電特性が改善されることがわかった。
【0077】
電池K2よりも電池K1のほうが残存放電特性が良好であったことから、電解液量を少なくした電池において、さらに負極板を袋状セパレータに収納することにより、残存放電持続時間をより長くすることができることがわかった。また、電池K6およびK7の結果より、この効果は従来の電池では得られないことがわかった。
【0078】
上記の実施例3、4および6では、正極格子体の表面に形成する鉛合金層にPb−Sb合金を用いたが、Pb−5.0wt%Sn等のPb−Sn合金やPb−5.0wt%Sn−5.0wt%Sb等のPb−Sn−Sb合金を用いた場合においても実施例3、4および6と同様の効果が得られた。また、上記実施例3〜6では浸漬率を40%としたが、浸漬率15〜60%の範囲において実施例3〜6と同様の効果が得られた。
【産業上の利用の可能性】
【0079】
本発明の鉛蓄電池は、長期保管時の自己放電が抑制されるため、長期保管後の放電特性が優れており、車両のエンジン始動用やバックアップ電源用の電池として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施例における鉛蓄電池の一部を切り欠いた斜視図である。
【図2】図1の鉛蓄電池のセル内部を示す縦断面図である。
【図3】同鉛蓄電池における正極板の正面図である。
【図4】同鉛蓄電池における負極板の正面図である。
【図5】格子体を作るための複合シートを得る工程を示す図である。
【図6】表面に鉛合金層を有する正極格子体を用いた正極板の一部を示す縦断面図である。
Claims (11)
- 電解液を注液することにより使用可能な鉛蓄電池であって、
前記鉛蓄電池は、電槽内に、Pb−Ca系合金からなる正極格子体および前記正極格子体に保持される正極活物質を含む正極板と、Pb−Ca系合金からなる負極格子体および前記負極格子体に保持される負極活物質を含む負極板と、前記正極板と負極板とを隔離するセパレータと、硫酸からなる電解液とを収容し、
前記電槽が密閉され、
前記正極板および負極板の一部が電解液中に浸漬され、
前記正極板および負極板の高さ寸法Y0と、前記正極板および負極板の底部から前記電解液の液面までの距離Y1とが、関係式:
15≦Y1/Y0×100≦60
を満たすことを特徴とする鉛蓄電池。 - 前記正極板および負極板の高さ寸法Y0と、前記正極板および負極板の底部から前記電解液の液面までの距離Y1とが、関係式:
30≦Y1/Y0×100≦50
を満たすことを特徴とする請求項1記載の鉛蓄電池。 - 前記硫酸の濃度が7〜27重量%である請求項1記載の鉛蓄電池。
- 前記電解液がアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫酸塩を含む請求項1記載の鉛蓄電池。
- 前記セパレータがポリエチレンからなる請求項1記載の鉛蓄電池。
- 前記セパレータがオイルを含む請求項5記載の鉛蓄電池。
- 前記セパレータは、前記オイルを10〜30重量%含む請求項6記載の鉛蓄電池。
- 前記セパレータが袋状であり、前記負極板を収納している請求項5記載の鉛蓄電池。
- 前記正極格子体は、表面の少なくとも一部に、SbおよびSnの少なくとも1種を含む鉛合金層を有する請求項1記載の鉛蓄電池。
- 前記電槽内部の気相が不活性ガスで置換されている請求項1記載の鉛蓄電池。
- Pb−Ca系合金からなる格子体を備える未化成の正極板および負極板、前記両極板を隔離するセパレータ、ならびに硫酸からなる電解液を具備する鉛蓄電池を化成した後、電解液量を減少させて保管する鉛蓄電池の保管方法であって、
前記正極板および負極板の高さ寸法Y0と、前記正極板および負極板の底部から前記電解液の液面までの距離Y1とが、関係式:
15≦Y1/Y0×100≦60
を満たすように電解液量を調整し、かつ電槽内部を密閉して保管することを特徴とする鉛蓄電池の保管方法。
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