JPWO2005093366A1 - 曲率半径測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような検査方法としては、測定面の任意の二点以上の接触位置と、この接触位置の中心における測定面までの長さを測定し、接触位置における座標と測定面迄の長さとの関係から、測定面の曲率半径を測定することが行われている。
このような測定方法により測定面の曲率半径を測定する装置の一例として、図13に示すように一対の脚部72,73を備えた略コ字状に形成されたフレーム70の前記脚部72,73の先端を測定面に接触させると共に、このフレームの本体部分71の中央に設けられた長さセンサ75により、測定面迄の長さを測定することにより測定面の曲率を測定可能とした曲げ加工材の半径測定装置がある(特開2000−121345参照)。
また、レンズ等の光学部品の曲率半径を測定する装置として、図14に示すように3点(図中には2点のみを表示)における点接触にて測定外領域をホルダ91で支え、測定領域の頂点の位置を変位センサ95により測定し、この測定値と前記ホルダ91における点接触位置の座標から被検面の曲率半径を測定可能とした曲率半径測定システムがある(特開2000−227322参照)。
この発明の先行技術文献情報としては次のものがある。
従って、測定面の曲率半径が大きく、脚部72,73の先端間の長さがこの曲率半径よりも小さくなると、長さセンサ75により測定する測定面迄の長さが減少して測定値に誤差が生じ易くなり、また、測定面の曲率半径が脚部先端間長さ以下である場合には測定が不能となる。
一方、前掲の特開2000−227322として示した曲率半径測定装置にあっては、測定面との検知点である球94の位置を、各球94が同一円周上となるように可変に構成しているため、検査対象物のサイズ変更に対してもこの球92の位置を変更することにより測定することができるものとなっている。
しかし、前述のように、この曲率半径測定装置による曲率半径の測定は、被検面の頂点高さが被検面の曲率半径、ホルダとの検知点を通る円の直径に応じて変わることに伴い、被検面の頂点の高さから被検面の曲率半径を求めるものであるために(特開2000−227322の「0020」欄)、被検面の曲率半径の算出は、複数の変数により求める必要がある。
そのため、このような曲率半径の算出を付属の計算機等により行わせるためには、検知点の位置を変更する度にその座標を入力する必要がある。
また、正確な測定を行うためには、測定面と接触する前述の脚部72,73先端を、点として測定対象面に接触させる必要があり、そのために脚部72,73の先端が鋭利な形状となるが、このように鋭利な先端形状を有する脚部72,73の先端を測定面に接触させると、測定面が傷付くおそれがある。
また、測定面との接触を繰り返すうちに脚部72,73の先端が摩耗等すると、測定面と脚部先端との点接触が行われず、誤差が生じて測定を正確に行うことができないという欠点を有している。
また、特開2000−227322に記載の装置にあっては、測定面とホルダ91との接触を、ホルダ91に設けた球92により行うことにより、前掲の特許文献1に記載の測定装置のように鋭利に形成された先端部を測定面と接触させる場合のように、測定面を傷付けることが防止し得るものと予想されるが、図15に示すように被検面の曲率半径が変化すると、球92の表面に対する測定面の接触位置、すなわち検知点の座標にずれが生じる。また、被検面の曲率が同一であっても、検知点である球92の位置を変更する場合には、同様に検知点の座標がずれる。そして、このような座標のずれは、測定結果の誤差要因となる。
特開2000−227322に記載の装置にあっては、高精度な曲率半径の測定を行うためには、ホルダでの被検面の検知点の変化等の誤差要因を考慮した十分な対策を行うか、補正を行う必要があるとしており、特開2000−227322に記載の発明にあっては、このような誤差要因を除くために、予め曲率半径を高精度に測定してあるマスター(原器)を利用し、マスターと検査面との頂点の高さの差から被検面の曲率半径を計算する比較測定を行うものとしている(特開2000−227322の「0020」欄)。その結果、被検面の測定に多大な労力の負担を強いられるものとなっている。
また、本発明の別の目的は、測定面の曲率半径の変化等により、測定面との検知点が変化した場合であっても、これに伴う補正値等の入力を不要とした曲率半径測定方法及び測定器を提供することを目的とする。
本発明
上記目的を達成するために、本発明の曲率半径測定方法は、
測定面Wの接線に直角な対称軸BOと、該対称軸BOの一端に位置し、測定面Wと接触し、前記対称軸上で移動する中央検知点Bと、該中央検知点を対称中心として等半径の円周軌道上において二の移動検知点C,Aを移動させると共に、前記中央検知点B及び前記両移動検知点C,Aの相対的な移動に対応して変位する前記対称軸BO及び前記中央検知点Bと少なくとも前記一方の移動検知点(BC又はBA)の角度θから測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする(請求項1に対応)。
さらに、本発明の曲率半径測定方法は、
測定面Wの接線に直角な対称軸BOと、該対称軸BOの一端に位置し、測定面Wと接触し、前記対称軸上で移動する中央検知点Bと、該中央検知点を対称中心として等半径の円周軌道上において二の移動検知点C,Aを移動させると共に、前記中央検知点B及び前記両移動検知点C,Aの相対的な移動に対応して前記対称軸上で変位する変位点の変位位置Dと前記中央検知点B間(辺BD)の長さY、共に同一長さLの前記両移動検知点C,Aと前記中央検知点B間(辺BC,BA)及び共に同一長さMの前記両移動検知点C,Aと前記変位位置D間(辺CD,AD)から、前記角度θを得て測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする(請求項2に対応)。
また、本発明の曲率半径測定方法は、測定面Wの接線に直角な対称軸BOと、該対称軸BOの一端に位置し、測定面Wと接触し、前記対称軸(BO)上で移動する中央検知点Bと、該中央検知点Bを対称中心とする二の移動検知点C,Aを同期移動させると共に、前記中央検知点B及び前記両移動検知点の相対的な同期移動に対応して前記対称軸BO上で変位する変位点の変位位置Dから測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする(請求項3に対応)。
また、本発明の内径及び外径の曲率測定方法は、角度測定により
次式から成る(図2参照)
∠EBO=θ(=∠ABC/2)から求められる。すなわち、
三角形△ABOは、辺AO=BOで二等辺三角形である。
辺ABを2等分し、直交する辺EOを描くと直角三角形△EBOとなる。
辺EB(=L’)は、既知(L/2)で、
従って、辺BO(=X)は
X=L’/cosθ
求める半径(=R)は、次式
式1
X=L’/cosθ
∴ R=X±d/2
但し、辺ABの長さ=辺BCの長さ、
d:接触子21,22,23の直径(同一値) O:Rの中心
式:R=X±d/2において
±は、内径測定は+、外径測定は、−(同一式において、以下、同じ)
(請求項4に対応)
さらに、本発明の内径及び外径の曲率測定方法は、角度θを長さ測定により得ることができる。
すなわち、L:接触子連結杆(31−32)の長さが等しいとき(辺ABの長さ=辺BCの長さ)、
三角形△ABOは、辺AO=BOで二等辺三角形である。
辺ABを2等分し、直交する辺EOを描くと直角三角形△EBOとなる。
辺EB(=L’)は、既知(L/2)で、角∠EBO=θ
従って、辺BO(=X)は、
公理
M2=Y2+L2−2YLcosθ から、
すなわち、
式2
X=L’/cosθ
cosθ=(Y2+L2−M2/2YL)
X=L’/(Y2+L2−M2/2YL)
X=(YL2/Y2+L2−M2)
∴ R=X±d/2
但し、M:辺ADの長さ=辺CDの長さ
D:変位点 対称軸BO上で変位(M=辺BDの長さ)
d:接触子21,22,23の直径(同一値)(図6(B)参照)
(請求項5に対応)
本発明の具体的態様
本発明は、以上の構成及び他の以下に述べる具体的態様を有する。
また、上記測定方法は、L=Mのとき、すなわちL:接触子連結杆(31−32)間及び摺動体連結杆(41−42)の長さ(辺ABの長さ=辺BCの長さ)=(M=辺ADの長さ=辺CDの長さ)が全て同一のとき、
Y:辺BDの長さ、D:各接触子(21,22,23)の直径;同一値
X:辺AO,BO,COの長さ, O:Rの中心
θ:∠EBO=∠ABC/2 E:L/2
とすると、
X=L×L/Y
R=X+d/2
すなわち上記式2で、
式3
cosθ=(Y2+L2−M2/2YL)は、
L=Mで
cosθ=Y/2L
X=L’/cosθ=(L/2)/(Y/2L)=L2/Y
=L×L/Y
で得られる。
R=X±d/2
但し、R:求める曲率半径、L:接触子連結杆31−32間及び摺動体連結杆41−42の長さ(全て同一値);
Y:辺BDの長さ、d:接触子21,22,23の直径(同一値)
X:辺AO,BO,COの長さ, O:Rの中心(図6(A)参照)
(請求項6に対応)
また、本発明の曲率半径測定装置1の特徴は、測定面Wと接触し、該測定面Wの接線に直角な対称軸BOの一端に位置し、前記対称軸BO上で移動する中央検知点Bと、該中央検知点を対称中心として等半径の円周軌道上において二の移動検知点C,Aを移動自在に設けると共に、前記中央検知点B及び前記両移動検知点C,Aの相対的な移動に対応して変位する前記対称軸BO及び前記中央検知点Bと少なくとも前記一方の移動検知点(BC又はBA)の角度θを得る計測手段とから成る測定面の曲率半径Rを得る装置である(請求項7に対応)。
また、本発明の曲率半径測定装置1は、測定面Wと接触し、該測定面Wの接線に直角な対称軸BOの一端に位置し、前記対称軸BO上で移動する中央接触子21と、該中央接触子21の両側で、前記中央接触子21を対称中心として等半径の円周軌道上を移動可能な二の移動接触子22、23とを備え、且つ、前記対称軸BOと少なくとも一方の移動接触子22(、23)との角度θを得る計測手段とから成る測定面の曲率半径Rを得る装置である(請求項8に対応)。
前記中央検知点Bは、前記中央接触子21の軸心から成り、前記二の移動検知点A,Cは、前記円周軌道上を移動可能な移動接触子22,23の軸心から成ると共に、それぞれ同一長さのリンク機構30(31−32)を介して前記中央接触子21及び移動接触子22,23と連結することができる(請求項9に対応)。
また、本発明の曲率半径測定装置1は、測定面Wの接線に直角な対称軸BOと、該対称軸BOの一端に位置し、測定面Wと接触し、前記対称軸上で移動する中央検知点Bと、該中央検知点を対称中心として等半径の円周軌道上において二の移動検知点C,Aを移動自在に設けると共に、前記中央検知点B及び前記両移動検知点C,Aの相対的な移動に対応して前記対称軸上で変位する変位点の変位位置Dと前記中央検知点B間(辺BD)の長さY、共に同一長さLの前記両移動検知点C,Aと前記中央検知点B間(辺BC,BA)及び共に同一長さMの前記両移動検知点C,Aと前記変位位置D間(辺CD,AD)の長さを得る計測手段とから成り、前記長さから前記対称軸BOと少なくとも一方の移動接触子22(、23)との角度θを得て測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする(請求項10に対応)。
また、本発明の曲率半径測定装置1は、測定面の接線に直角な対称軸BO上に配置されるスケール10と、該スケールの一端に配置される中央検知点Bを有する中央接触子21と、該中央接触子21の両側で、前記中央検知点Bを対称中心として等半径の円周軌道上を移動自在に設けた二の移動接触子22、23とを備え、且つ、前記スケール上の中央接触子21及び前記両移動接触子22,23との相対的な同期移動に連動して前記スケール10上を変位する変位点Dと前記中央検知点Bの長さを得る計測手段とから成り、前記長さから前記対称軸BOと少なくとも一方の移動接触子22(、23)との角度θを得て測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする(請求項11に対応)。
前記中央検知点Bは、前記スケール10の一端に取り付けられた中央接触子21の軸心から成り、前記二の移動検知点A,Cは、前記円周軌道上を移動可能な移動接触子22,23の軸心から成ると共に、前記スケール上の変位点Dを有する例えば計測ユニットを備えた摺動体50を、それぞれリンク機構30,40(31−32、41−42)を介して前記中央接触子21及び移動接触子22,23と連結することができる(請求項12に対応)。
前述の構成において、前記リンク機構30,40は、前記スケール10一端の中央接触子21を対称中心とした対称位置の円周軌道上で前記二の移動接触子22,23を移動させる接触子連結杆31,32と、該接触子連結杆31,32の他端に、一端を連結され、他端を前記スケール10上を変位する変位点を成す摺動体50に連結された摺動体連結杆41,42で構成することができる(請求項13に対応)。
また、前述の構成の曲率半径測定器1において、各接触子21〜23と測定面Wとの接触部分をいずれも同一曲率の円弧状、例えば接触子21は、前記測定面の接線に直角なスケール10の一端にこれと一体に円弧状に形成し他の接触子22、23を前記円弧と同一径のローラとし、あるいは接触子21及び他の接触子22、23を共にローラで形成し、前記スケール10一端及び前記接触子連結杆31,32の一端にそれぞれ回転自在に軸着することができる(請求項14に対応)。
また、前記中央接触子21及び前記移動接触子22,23の外周面の直径方向断面形状を直線状あるいは、同一曲率の円弧状とすれば、測定面Wの断面形状に対応した正確な測定ができる(請求項15に対応)。
また、前述の接触子連結杆31,32及び又は前記摺動体連結杆41,42は、それぞれ測定面Wの反対方向に同一曲率で膨出する円弧状に形成しても良い(請求項16に対応)。
さらに、前記接触子連結杆31,32の前記中央接触子21の連結点Bから前記摺動体連結杆41,42の軸着位置A,C迄の直線長さに対し、
前記摺動体連結杆41,42の、前記接触子連結杆31,32との軸着位置A,Cから前記摺動体50との軸着位置となる変位点D迄の直線長さを長く構成することもできる(請求項17に対応)。
また、前記各構成の曲率半径測定器1において、計測した長さ(BD)又は角度データ(θ)に基づいて曲率半径Rを演算処理する手段と、これを表示するELあるいは液晶画面等を備えた表示ユニット62を前記中央接触子21上又は摺動体50上に計測ユニット60を設けても良い(請求項18に対応)。
すなわち、本発明は、測定する曲率半径Rに応じて測定面Wに対する検知点間の角度又は前記各検知点間の相対移動に伴う、対称軸上の変位点の移動長さを計測するのみで前記曲率半径が測定され、各種曲率半径Rの測定対象物に対して広範に適用することができる曲率半径測定方法及び測定器を提供することができた。
また、測定対象物の曲率半径Rは、対称軸BO及び前記中央検知点Bと少なくとも前記一方の移動検知点(BC又はBA)の角度θから、又、測定面Wの接線に直角な対称軸BOを成すスケール10上を移動した変位点Dを成す摺動体50の移動長さBDを計測するのみで簡単に求めることができ、各接触子21〜23の位置座標等を測定等することなく、前記角度θ又は前記摺動体50の移動長さBDのみを測定することにより容易に測定面Wの曲率半径Rを測定することかできる曲率半径測定方法及び測定器を提供することができた。
さらに、中央接触子21を対称中心とした同一半径の円周軌道上を、各移動接触子22,23がスケール10を測定面の接線に直角な対称軸で対称に移動する構成とすると共に、各接触子を例えばローラ等の円形又は円弧状と成し、これらの接触子21〜23の円弧の中心位置、各検知点A,B,Cにおいて前記接触子連結杆31,32を連結した構成とする場合には、これらの接触子21〜23を測定面Wに接触させた際、該接触子21〜23と測定面Wとの各接触点H,F,Gが常に測定面Wの円周の中心Oと、各接触子の中心、検知点A,B,C間を結ぶ直線上に位置するために、測定面Wとの検知点における座標ではなく、各接触子21〜23の中心、検知点A,B,Cの位置に基づいて測定面Wの曲率半径Rを求めることができ、曲率半径Rの相違による検知点の座標の変化を誤差要因として考慮することが不要となる。
また、接触子連結杆31,32の測定面W側の一辺を湾曲形状とした構成にあっては、測定対象の外径を測定する際に接触子連結杆31,32が測定面Wに接触することを防止することができ、その結果測定範囲とする曲率半径Rの範囲を拡張することができた。
さらに、前記接触子連結杆31,32の前記中央接触子21の連結点Bから前記摺動体連結杆41,42の軸着位置A,C迄の直線長さに対し、前記摺動体連結杆41,42の、前記接触子連結杆31,32との軸着位置A,Cから前記摺動体50との軸着位置D迄の直線長さを長く構成する場合には、中央接触子21と移動接触子22,23との相対的な位置関係を、前記中央接触子21の中心、検知点Bが、移動接触子22,23の中心、検知点A,Cと、摺動体50に対する摺動体連結杆41,42の軸着点Dを結ぶ三角形ACD内に位置する外径の測定位置、及び三角形ACD外に位置する内径の測定位置のいずれの位置にも変位させることができ、内径、外径のいずれの測定に対しても使用することのできる曲率半径Rの測定方法及び測定器を提供することができた。
さらに、対称軸BO及び前記中央検知点Bと少なくとも前記一方の移動検知点(BC又はBA)の角度θ又は摺動体50の基準位置からの移動長さを計測する計測ユニット60を設け、計測した長さ(BD)又は角度データ(θ)に基づいて曲率半径Rを演算処理する手段と、これを表示するELあるいは液晶画面等を備えた表示ユニット62を前記中央接触子21上又は摺動体50上に計測ユニット60を設ければ、R測定を自動で行うことができる曲率半径測定器を提供することができた。
図2(A)は、図1の曲率半径測定器による測定結果に基づく曲率半径の算出方法の一例(内径測定)を説明する説明図。図2(B)は同じく、外径測定の説明図。
図3 図1の実施形態の斜視図。
図4 曲率半径測定器の1実施形態を示す平面図。
図5 (A)は図4のII−II線断面図、(B)は、図10のII−II線断面図。
図6(A)は図4の曲率半径測定器による測定結果に基づく曲率半径の算出方法の一例を説明する説明図。(B)は、図10のごとく、L:接触子連結杆(31−32)の長さ(辺ABの長さ=辺BCの長さ)よりも摺動体連結杆(41−42)間=(M=辺ADの長さ=辺CDの長さ)が長いときの同図実施形態における曲率半径の算出方法の一例を説明する説明図。
図7 曲率半径測定器の別の実施形態を示す平面図であり、(A)〜(C)に従い、測定対象物の外径を増大した状態を示す。
図8 図7の曲率半径測定器による測定結果に基づく曲率半径の算出方法の一例を説明する説明図。
図9 図4及び図7の実施形態の斜視図。
図10 曲率半径測定器のさらに別の実施形態を示す平面図。
図11 図10の実施形態の斜視図。
図12 図10の実施形態の曲率半径測定器のさらに他の実施形態を示す概略平面図であり、(A)は内径、(B)は平面、(C)は外径の測定状態を示す。
図13 従来の曲率半径測定装置の概略説明図。
図14 従来の別の曲率半径測定装置の概略説明図。
図15 測定面Wの曲率半径の変化に伴う接触位置の座標の変化を示す説明図。
共通の構成
本発明の曲率半径測定器1は、長さ計測用の測定面の接線に直角な対称軸BOの一端に取り付けられた中央検知点Bと、この中央検知点Bを対称中心に等長さに配置された図示の実施形態にあっては、2つの移動検知点C,Aを成す移動接触子22,23とを備え、各移動接触子22,23と前記中央検知点Bを成す中央接触子21とを、接触子連結杆31,32に軸着して連結することで、各移動接触子22,23がいずれも中央接触子21Bを対称中心とした同一半径の円周軌道上を移動可能と成すと共に、前記各移動接触子22,23を、前記測定面の接線に直角な対称軸に対称に移動可能に配置している。
図示実施形態では、前記各移動接触子22,23をリンクして移動させるリンク31,32から成る機構30を設けている。
そして、前記対称軸上測定面の仮想中心Oと接触子21〜23上の検知点A,BまたはB,Cによる角度∠ABOまたは∠ABCまたは∠OBCにより、測定面Wの曲率半径Rを測定し、あるいは、対称軸上に設けたスケール10上を前記角度に対応して、変位移動する変位点たる摺動体50を設け、前記スケール10上を移動する前記摺動体50の、基準角度ないし位置からの変位点Dの変位位置ないし角度に基づいて、測定面Wの曲率半径Rを測定可能としたものである。
〔実施形態1〕
本実施形態において、図1〜図3に示す曲率半径測定器1は、測定対象の内外径を測定するための曲率半径測定器1の一例であり、図1及び図3に示すように、中央接触子21と、この中央接触子21を対称中心として等長さに配置された2個の移動接触子22,23と、前記各接触子21〜23間を連結する接触子連結杆31,32を有し、中央接触子21は、各種エンコーダ、ポテンショメータ等の既知の計測手段を備える計測ユニット60が配置されている。
各連結子の中心は、各接触子21,22,23の各検知点A,B,Cであり、辺AB=辺BC=60mmである。従って、接触子連結杆31及び32の対称軸BOに対する角度は、同一となる。なお、各接触子の直径は、20mmである。
この計測ユニット60は、図1(B)に示すように、中央接触子21が軸24を介して、一方の接触子連結杆32に、回動自在に連結されており、この接触子連結杆32の先端が前記エンコーダなどの角度検出手段等の既知の計測手段の回転軸と連動するようこれに直結しており、これにより、後述∠ABO=θを検出する。すなわち、前記角度θの変位は、対称軸BOに対して少なくとも一方の接触子連結杆32の辺ABが、中央検知点Bとの関係で対称軸BO上で変位し角度を測定面Wの曲率半径Rに対応して変化させることとなる。したがって、ここでは、変位する角度により、測定面Wの曲率半径Rを測定可能としたものである。
なお、上述のように、計測ユニット60を中央接触子21上に設けらないときは、一方の接触子連結杆と軸を共通にする1/4円弧の歯車99又は、一方の接触子連結杆に一端を連結したリンク機構を介して他端をエンコーダなどの角度検出器等既知の計測手段の軸に連結し、あるいは、図1(C)にしめすように、一方の接触子連結杆の中央接触子21側端部を延設したブラケット97上に配置し、エンコーダなどの角度検出器の軸をブラケット97背面に貫通して、軸端に設けた歯車(図1(C)紙面裏方向)を前記歯車99に噛合させる構成としてもよい。
そして、計測ユニット60には、角度θを計測すると共に、読み取られた角度データθに基づいて曲率半径Rを演算処理する手段と、これを表示するELあるいは液晶画面等を備えた表示ユニット62を設ければ好適である。なお、上記演算手段には、ABCが180°を基準として、前記角度θから内外径いずれの測定を行っているかを検知する手段を含む。
図2は、上記実施形態に基づいて、測定面Wの内外径を測定する場合を示すもので、
同図(A)について、内径の測定を説明する。あらかじめR=80mmの測定実験対象を用意した。
三角形△ABOは、辺AO=BOで二等辺三角形である。
辺ABを2等分し、直交する辺EOを描くと直角三角形△EBOとなる。
辺EB(=L’)は、既知(L/2)で、
∠EBO=θ(=∠ABC/2)から求められる。すなわち、
辺BO(=X)は
X=L’/cosθ
求める半径(=R)は、次式1
式1
X=L’/cosθ
∴ R=X+d/2
となる。
重複するが、辺ABの長さ=辺BCの長さ、
d:接触子21,22,23の直径(同一値) O:Rの中心
ここで、接触子連結杆31,32の長さは、60mm、上記測定ユニット60により得られた角度が64.623°であった。上記角度θからのRの演算は、
X=(60/2)/cos(64.623°)=69.9998 となり、
内半径:R=X+d/2
=79.9998
と、表示された。
同図(B)について、外径の測定を説明する。あらかじめR=80mmの測定実験対象を用意した。
接触子連結杆31,32の長さは、60mm、上記測定ユニット60により得られた角度が70.529°であった。
上記式1により、
X=(60/2)/cos(70.529°)=90.0009
外半径:R=X−d/2
=80.0009
であった。
〔実施形態2〕
図4(図9紙面右側)及び図5(A)に示す曲率半径測定器1は、測定対象の内径を測定するための曲率半径測定器1の一例であり、図4に示すように、所定長の棒状に形成された対称軸BO上に位置する長さ計測用のスケール10と、このスケール10の一端に取り付けられた中央接触子21と、この中央接触子21を対称中心として等しい長さに配置された2個の移動接触子22,23と、前記各接触子21〜23間を連結するリンク機構30を成す接触子連結杆(31,32)、及び、前記スケール10上を摺動変位する変位点Dたる摺動体50を備えている。
また、前記移動接触子22,23の移動に同期連動して、前記摺動体50を相対的に前記スケール10の長さ方向に摺動させると共に、前記2つの移動接触子22,23を前記スケールを対称軸として対称に移動させるリンク機構40として、一端部41a,42aが前記各移動接触子22,23を介して前記接触子連結杆31,32に軸着されていると共に、他端41b,42bが前記摺動体50に軸着された、摺動体連結杆41,42を備えている。
図示の実施形態にあっては、リンク機構30,40を成す前述の接触子連結杆31,32と、摺動体連結杆41,42とを同一長さ、同一形状とし、2つの移動接触子22,23がその可動範囲内のいずれの位置にある場合においても、接触子連結杆31,32及び摺動体連結杆41,42が常に菱形を形成するように構成しているが、接触子連結杆31,32と、摺動体連結杆41,42とは、図示のように必ずしも同一形状、同一長さに形成する必要はなく、各移動接触子22,23が中央接触子21を対称中心として同一円周軌道上を移動可能と成すと共に、スケール10を対称軸として対称に移動するものであれば、その形状、長さは異なるものとして構成しても良い。
また、図示の実施形態にあっては、摺動体連結杆41,42の一端41a,42aを前述の移動接触子22,23に軸着することにより、この移動接触子22,23を介して接触子連結杆31,32に連結しているが、この摺動体連結杆41,42の一端41a,42aは、これを直接、接触子連結杆31,32に連結するものとしても良い。
このようにして、各移動接触子及22,23び摺動体連結杆31,32;41,42に取り付けられる接触子21〜23としては、各種の形状を採用可能であるが、好ましくは、前述の移動接触子連結杆及び摺動体連結杆31,32;41,42との連結位置の中心、各検知点A,B,Cを中心とした円形又は円弧状に形成することが好ましく、本実施形態にあっては、中央接触子21を、対称軸BO上に位置するスケール10の一端に、該スケール10と一体的に形成された円弧状に形成すると共に、その中心を貫通する軸孔に挿入された軸24に接触子連結杆31,32の一端部31a,32aを連結し、前記軸24の中心、検知点Bが、中央接触子21の外径の中心となるように構成している。
また、移動接触子22,23として、中央に軸孔が形成された無端環状のローラを使用し、このローラの軸孔に挿入された軸25,26に前述の接触子連結杆31,32の他端部31B,32Bと、摺動体連結杆41,42の一端部41a,42aとをそれぞれ連結し、接触子22,23の外径が前記軸25,26の軸芯C,Aを中心とする円を成すように形成している。
これらの接触子21,22,23は、例えば測定面Wとの接触部分を断面円弧状に形成されたものとすることもできるが、本実施形態にあっては図5に示すようにその外周を扁平(直線)に形成すると共に、厚みTを比較的肉厚とすることにより、測定面Wに接触させた際にスケール10を測定面W(例えば、パイプ等円筒体内径面)に対して直交方向に容易に配置することができるように構成している。
なお、図4及び図5(A)中、60は、計測ユニットであり、前記対称軸BO、すなわち、対称軸BO上に位置するスケール10上における前記摺動体50の移動長さを測定するため摺動体50上に設けられ、これと連動してスケール10上を相対移動する。
この計測ユニット60は、基準位置(例えば、3つの接触子が同一直線上に並んだ、曲率半径Rの中心Oが無限遠点にある位置、本明細書において「基準位置」という)を示すスケール10上の位置から前記摺動体50が移動した長さから後述角度θを得、この移動長さに基づく曲率半径Rを測定する。
図示の実施形態にあっては、図5(A)に示すように、前述のスケール10の表面長さ方向にマグネットスケール11等を貼着しておくと共に、計測ユニット60に、このマグネットスケール11に磁気データとして記憶された位置情報を読み取るための位置読み取りユニット61、該位置読み取りユニット61により読み取られた位置データに基づいて曲率半径Rを演算処理し、これを表示するELあるいは液晶画面等を備えた表示ユニット62を設けている。
もっとも、この計測ユニット60は本発明の曲率半径測定器1において必ずしも必要な構成ではなく、スケール10上に摺動体50の移動長さ又はこの移動長さに基づく曲率半径Rを表示する目盛り等を表示しておき、摺動体50の移動に伴って摺動体に設けられた指針等が、この目盛り上の数値を指すように構成し、この指針による表示位置における目盛りを読み取ることにより基準位置に対する摺動体50の移動長さ、又は測定された曲率半径Rを読み取り可能としても良い。
また、同図図示の実施形態にあっては、摺動体50としてスケール10を包囲する角筒状の部材を使用しているが、2本の摺動体連結杆41,42の他端41b,42bを、共にスケール10の長さ方向に移動させることができるものであればこの形状に限定されず、例えばスケール10に形成された溝や長孔内に嵌合又は挿入された摺動体等として構成しても良く、各種形状を採用することが可能である。
以上のように構成された曲率半径測定器1の前記接触子21〜23のいずれもが測定面Wに対して接触するように、スケール10上において前述の摺動体50の位置を決定するとこの位置において、計測ユニット60が、対称軸BO上に位置するスケール10上の基準位置からの摺動体50の移動長さを測定する。
このとき、移動接触子22,23は、測定対象の測定面Wの曲率に合わせて、測定面Wの曲率半径Rが小さい場合には、移動接触子22,23間の位置を狭めることから、曲率半径Rが比較的小さい測定面Wの測定に対しても適用することができ、測定対象とする曲率半径Rは広範である。
このようにして測定された、スケール10上の摺動体50の位置に基づいて、測定面Wの曲率半径Rを算出する方法の一例につき、図6(A)を参照して説明すると、接触子連結杆31,32と、摺動体連結杆41,42とが、いずれも同一長さに形成された本実施形態の曲率半径測定器1にあっては、移動接触子23と、中央接触子21の中心、検知点間長さABと、移動接触子23の中心、検知点Aと、摺動体50に設けられた軸27の軸芯D間の長さADはいずれもその長さがLで等しく、また、三角形ABDは、角ABDと角ADBを同一角とした二等辺三角形となっている。
また、移動接触子23の中心、検知点Aと測定面Wの曲率半径Rの中心O間の長さAO、中央接触子21の中心、検知点Bと測定面Wの曲率半径Rの中心O間の長さBOは、いずれも測定面Wの曲率半径Rに対して接触子21〜23の半径分短い長さXで一定であり、三角形OABは、角OABと角OBAを同一角度とした二等辺三角形を構成している。
ここで、三角形ABDの角ABDと、三角形OABの角OBAは、同一角であることから、この2つの三角形ABD及びOABは、内角の全てを共通とする相似形であり、辺ABと、辺BDの比は、辺OAと辺ABの比と一致する。
従って、辺OAの長さXは、OA間の長さをL、BD間の長さをYとすると、
X=L×(L/Y)で表すことができる。
上記式は、一定値Lと測定値Y、すなわち、長さから直接Xを求めているが、これは、同時に前述した∠EBO=θをも得ていることになる。すなわち、
L=Mのときであるから、
(L:接触子連結杆(31−32)間及び摺動体連結杆(41−42)の長さ(辺ABの長さ=辺BCの長さ)=(M=辺ADの長さ=辺CDの長さ)が全て同一のときで、)
Y:辺BDの長さ、d:各接触子(21,22,23)の直径;同一値
X:辺AO,BO,COの長さ,O:Rの中心 θ:∠EBO=∠ABC/2 E:L/2
(図6(A)参照)とすると、
X=L×L/Y
R=X+d/2
すなわち上記式2で、
cosθ=(Y2+L2−M2/2YL)は、
L=Mで
cosθ=Y/2L
X=L’/cosθ=(L/2)/(Y/2L)=L2/Y
=L×L/Y
で得られる。
そして、測定面Wの曲率半径Rは、このLに対して接触子21〜23の半径d/2を加えた値であることから、測定面Wの曲率半径Rは、
R=X+(d/2)となる。
従って、前述の計測ユニット60等により、摺動体50の移動に伴うBD間の長さYの変化を測定することにより、測定面Wの曲率半径Rを容易に測定することができるものとなっている。
なお、接触子21〜23をローラ等の円形又は円弧状とし、これらの接触子21〜23の外径中心において接触子連結杆を連結した図示の実施形態の構成にあっては、図6(A)に示すように接触子21〜23と測定面Wとの接触点H,F,Gが、測定面Wの曲率半径Rの中心点Oと、接触子21〜23の外径中心、検知点A,B,Cとを結ぶ直線上に位置し、この位置関係は、測定面Wの曲率半径Rが変わっても変化しない。
その結果、測定面Wの曲率半径Rが変更されることにより、測定面Wに対する接触子の外周上の接触位置が移動したとしても、この変化は、測定面Wの曲率半径Rを算出する際に考慮することが不要となっている。その結果、測定面Wの曲率半径Rの変更に伴う数値補正等が不要となる。
なお、以上の説明にあっては、前述の計測ユニット60が、スケール10上における摺動体50の基準位置からの移動長さYを測定するものとして説明したが、この計測ユニット60として、測定により得たBD間の長さYとAB間の長さLとの比を求め、この求められた比に基づいて予め記憶されているL、及びdに基づいて曲率半径Rを算出するように構成しても良く、又は、測定値Yと曲率半径Rの変化の対応関係を予め記憶させておき、この対応関係に基づいて測定値Yに基づいて測定面Wの曲率半径Rを表示手段に直接表示するように構成しても良く、さらには、計測ユニットによって測定された長さYを、図示せざる計算機等に入力し、該計算機により曲率半径Rを測定するように構成しても良く、摺動体の基準位置からの移動長さYに基づいて測定面Wの曲率半径Rを求めることかできるものであれば、如何なる構成としても良い(図9)。
〔実施形態3〕
図7(図9)に示す実施形態にあっては、図4に示す本発明の曲率半径測定器1を測定対象物の外径を測定するための曲率半径測定器1として構成した例である。
図7(A)〜図7(C)に示すように、測定対象物の外径を測定するための曲率半径測定器1が、図4〜6を参照して説明した曲率半径測定器1と同様に、中央接触子21及びこの中央接触子21と等長さに配置された2つの移動接触子22,23を備えている点、前記中央接触子21が一端に取り付けられた測定面の接線に直角なスケール10を備えている点、各接触子21〜23間を連結する移動接触子連結杆31,32が設けられている点、及び、移動接触子22,23を前記スケール10を対称軸として対称に移動させるリンク機構40を備えている点において共通するが、前述のリンク機構40が、複数の摺動体連結杆43〜48の組み合わせにより構成されていると共に、中央接触子21と移動接触子22,23との相対的な位置関係が、測定対象物の外径を測定可能な範囲で変位するように構成されている点において図4〜6を参照して説明した曲率半径測定器1とは相違している。
このリンク機構40は、スケール10の他端に一端を揺動可能に連結された一組の摺動体連結杆45,46と、摺動体50に一端を揺動可能に連結された一組の摺動体連結杆43,44と、この2組の摺動体連結杆45と43及び46と44の他端を軸止した軸止位置A’,C’と前記移動接触子22,23間を連結する摺動体連結杆47,48により構成されており、スケール10上における摺動体50の移動位置に拘わらず、前記リンク機構40を構成する摺動体連結杆のうちの摺動体連結杆43,44,45,46が常に菱形を形成するように構成されていると共に、これにさらに2本の摺動体連結杆47,48を加えることで、2つの移動接触子22,23が測定面の接線に直角なスケール10を対称軸として対称に移動し、かつ、この移動接触子22,23の移動に連動して、摺動体50がスケール10上をその長さ方向に摺動するように構成されている。
また、図示の実施形態にあっては、接触子21〜23間を連結する接触子連結杆31,32の端部間長さ(直線長さ)を、前述のリンク機構40を構成する摺動体連結杆のうちの前記菱形を形成する摺動体連結杆43〜46と同一長さに形成し、移動の接触子22,23と中央接触子21間を結ぶ各線が、前記4本の摺動体連結杆のうちのいずれか2本と常に平行となるように構成している。
もっとも、この接触子連結杆31,32は、リンク機構40を構成する摺動体連結杆のうち、摺動体連結杆43〜46とは異なる長さに(例えば長く)形成しても良く、また、摺動体連結杆47,48は、移動接触子22,23を介せず、直接接触子連結杆31,32に連結する等しても良い。
なお、図示の実施形態にあっては、接触子連結杆31,32を測定面Wと同方向に湾曲させた形状とし、比較的曲率半径Rの小さな測定面Wを測定する場合であっても接触子連結杆31,32が測定面Wと接触しないように構成することで、測定可能な曲率半径Rの範囲の拡張を図っている。
以上のように構成された曲率半径測定器1において、測定面Wに接触子21〜23を接触させると、測定面Wの曲率に対応して固定用接触子と、測定用接触子との相対的な位置関係が変化する。
しかし、図7に示す実施形態にあっては、図8に示すようにリンク機構を構成する移動接触子連結杆及び摺動体連結杆により形成された菱型A’,B’,C’,Dを構成する二辺A’B’,C’Dと、移動接触子23と中央接触子21の中心、検知点間を結ぶ直線ABが平行となっているので、角A’B’Dと、角OBAは同一角度であり、前記菱型中に形成されている三角形A’B’Dと、測定面Wの曲率半径Rの中心Oを頂点とした三角形OABは、相似形となる。
従って、摺動体50の移動長さに基づいて測定された測定寸法Yと、移動接触子23と中央接触子21間を結ぶ直線ABの比を求めることにより、固定用接触子と測定用接触子間の長さLから、曲率半径Rの中心Oから固定用接触子の中心、検知点A迄の長さXを求めることができる。
そして、このXは、測定面Wの曲率半径Rに、接触子23半径(d/2)を加えたものであることから、この求められたXから、ローラの半径d/2を除すことにより測定面Wの曲率半径Rを求めることができ、これにより、測定寸法Yに基づいて、測定面Wの曲率半径Rを求めることができる。
なお、図8からも明らかなように、測定対象の外径を測定する場合においても、接触子21〜23と測定面Wとの接触点H,F,Gは、測定面Wの曲率半径Rに拘わらず常に測定面Wの曲率半径Rの中心Oと各接触子21〜23の中心、検知点A,B,C間を結ぶ直線上にあることから、測定面Wの曲率半径Rが変動した場合であっても測定面Wの接触子に対する接触位置のずれは生じず、曲率半径Rの測定に際して測定面Wの曲率半径Rの変化に伴う誤差を考慮する必要がない点については、前述の図4〜7を参照して説明した実施形態1の場合と同様である。
なお、以上の説明にあっては、図7に示す曲率半径測定器を測定対象の外径のみを測定するものとして説明したが、リンク機構40として説明した摺動体連結杆43〜48のうち、摺動体連結杆45と摺動体連結杆46の各端部に設けられた支軸に、ローラ等の接触子を取り付けて、この接触子を測定面Wに当接することにより図4〜6を参照して説明したと測定器と同様の測定器として使用することも可能である。
この場合、スケール10上に外径測定用の目盛りとは別に、内径測定用の目盛りを表示したり、又は、計測ユニット60として複数の基準位置を設定可能なものを使用し、測定対象の外径、内径のいずれを測定するかに応じてこの基準位置の切り替えを行うことにより、測定対象の外径、内径のいずれについても測定可能とすることができる。
〔実施形態4〕
図4,5及び図7を参照して説明した曲率半径測定器1にあっては、この測定器1を、測定対象の外径又は内径のいずれかを測定するものとして説明したが、測定対象の内径及び外径の双方を測定可能な曲率半径測定器を図10を参照して説明する。
図10及び図5(B)に示す曲率半径測定器1は、その基本構成を前掲の図4を参照して説明した曲率半径測定器1と共通するものであるが、図4に示す実施形態の曲率半径測定器1にあっては、接触子連結杆31,32と、リンク機構40である摺動体連結杆41,42とを同一長さに形成していたのに対し、図10及び図11に示す曲率半径測定器1にあっては、接触子連結杆31,32に対して摺動体連結杆41,42を端部間の直線長さにおいて長尺に形成し、移動接触子22,23の可動範囲を拡張することにより、測定対象の内径及び外径のいずれについても測定可能に構成したものである。
なお、図10及び図11に示す実施形態にあっては、摺動体連結杆41,42自体を接触子連結杆31,32に対して長尺に形成する構成を示しているが、これら移動接触子連結杆及び摺動体連結杆の構成は図示の例に限定されず、中央接触体21との相対的な位置関係において、移動接触体22,23が測定対象物の外形及び内径を測定可能な範囲で移動可能であればその構成は特に限定されない。
例えば、摺動体連結杆41,42の一端部41a,42aを、接触子連結杆31,32の長さ方向における中間位置に連結すると共に、この連結位置から中央接触子21の中心、検知点B間の長さに対し、摺動体連結杆41,42を長尺とすることにより、移動接触子22,23の可動範囲を測定対象物の外径及び内径の双方を測定可能な範囲とすることができる。
もっとも、測定の際の誤差を少なくするために、スケール10上を移動する摺動体50の移動長さを長くとろうとすれば、摺動体連結杆41,42の一端41a,42aは、これを接触子連結杆31,32の他端31B,32B寄りに連結することが好ましく、図示のようにこの摺動体連結杆41,42を移動接触子22,23を介して接触子連結杆31,32に連結すると共に、その長さを接触子連結杆31,32よりも長尺とすることが好ましい。
また、各接触子21〜23間を連結する接触子連結杆31,32、及び摺動体連結杆41,42をいずれもその長さ方向の中央に向かって、測定面Wより離間する方向に膨出する湾曲形状に形成することにより、測定対象の外径を測定する場合において、比較的曲率半径Rの小さな測定対象に対する測定を行った場合であっても測定面Wに移動接触子連結杆及び摺動体連結杆31,32;41,42が接触することを防止している。これにより、測定可能な曲率半径Rの範囲を拡大している。
以上のように構成された曲率半径測定器1における曲率半径Rの測定方法は、前掲の図4,図5及び図7を参照して説明した曲率半径測定器による曲率半径Rの測定方法と略同様であり、3つの接触子が同一直線上に並んだ基準位置(測定面Wの曲率半径Rの中心Oが無限遠点にある状態)から、摺動体50を中央接触体21側に近づけた状態とすることにより測定対象物の外径の測定を行うことができる。また、前述の基準位置に対して摺動体50を中央接触子21より離間する方向に移動させることにより、測定対象の内径を測定することができる。
図6(B)に示すように、例えば、接触子連結杆31,32(L)は、60mm、摺動体連結杆41,42(M)は、75mmとし、他は、前述実施形態と同様とすると、
三角形△ABOは、辺AO=辺BOで二等辺三角形となっている。辺ABを二等分し、直交する辺EOを描くと、直角三角形△EBOとなる。
辺EB(L’=L/2)は、既知で、∠EBO(θ)を算出する。
従って、
辺BO(=X)は、
X=L’/cosθ
cosθ=(Y2+L2−M2/2YL)
X=L’/(Y2+L2−M2/2YL)
X=(YL2/Y2+L2−M2)
ここでは、内径測定であり、
R=X+d/2
となる。
そこで、R=100の測定面を用意したところ、
L=60mm、M=75mm、計測ユニット中の測定したY=69.244mmのとき、
X=(69.244×602)/(69.2442+602−752)=90.00092
R=90.00092+20/2=100.00092
であった。
従って、前記実施形態と同様、前述の計測ユニット60等により、摺動体50の移動に伴うBD間の長さYの変化を測定することにより、角度θを求めたと同様の結果となり、測定面Wの曲率半径Rを容易に測定することができるものとなっている。
なお、前述の図10及び図11を参照して説明した曲率半径測定器1にあっては、これを図12(A)〜図12(C)に示すように、摺動体50に相当する部材を計測ユニット内に固定すると共に、この摺動体とスケール10との相対位置の変化により曲率半径Rを測定可能に構成する等して、比較的コンパクトなものとして構成しても良い。
以上のように、請求項の記載は、具体的な特定の方法あるいは機械のみに限定されない。代わりに、最も広いクレームは、この画期的な発明の思想又は本質を保護するように意図されている。この発明は明白に新しく有用であり。さらに、それは、全体として考慮された時、先行技術に基づいて当業者にとって明白な事項ではない。さらに、この発明の革新的な性質から、明らかに先駆的な発明である。そのため、ここでの請求項の記載は、その原則から、発明の思想を保護するのと同様、非常に広い解釈を得る権利を与えられべきものである。それは上述した発明の目的、および前述したところから明白である。
さらに、発明の範囲を離れることなく、ある変更が上記の構成に、なされ得るが、上述した説明及び図面に記載の事項は、例示的であって、限定的なものではなく、上記範囲において全て包含されるべきものである。
さらに、請求項の記載は、言語の問題として、ここに記述された発明の総括的あるいは特定的な特徴を包含するものである。
B 対称中心,中央検知点
B−O 対称軸
M 辺AD,辺CD
Y 辺BD
E 辺ABの二等分した点
O 測定面の中心(対称軸)
H,F,G (接触子21,22,23と測定面Wとの)接触点
W 測定面
1 曲率半径測定器
10 スケール
11 マグネットスケール
21 中央接触子
22,23 移動接触子
24〜27 軸
30 リンク機構
31,32 接触子連結杆
40 リンク機構
41,42 摺動体連結杆
41a,42a 一端(摺動体連結杆の)
41b,42b 他端(摺動体連結杆の)
43〜48 摺動体連結杆
50 変位点(摺動体)
60 計測ユニット
61 位置読み取りユニット
62 表示ユニット
70 フレーム
71 本体部分(フレームの)
72,73 脚部
75 長さセンサ
91 ホルダ
92 球
95 変位センサ
測定面Wの接線に直角な対称軸BO上に配置されるスケール10と,該スケールの一端に配置される中央検知点Bを有する中央接触子21と,該中央接触子21の両側で,前記中央検知点Bを対称中心として等半径の円周軌道上を移動自在に設けた二の移動接触子22,23とを備え,且つ,前記スケール上の中央接触子21及び前記両移動接触子22,23との相対的な同期移動に連動して前記スケール10上を変位する変位点Dと前記中央検知点Bの長さを得る計測手段とから成り,
前記各接触子21〜23の前記測定面Wとの接触部分をいずれも同一曲率の円弧状に形成すると共に,
前記計測手段を,前記スケール10の長さ方向に取り付けた磁気記録体と,前記磁気記録体が記憶した位置情報を読み取るための位置読み取りユニット61と,該位置読み取りユニット61により読み取られた位置データに基づいて曲率半径Rを演算処理すると共にこれを表示するELあるいは液晶画面等を備えた表示ユニット62により構成したことを特徴とする(請求項1に対応)。
前記摺動体連結杆41,42の,前記接触子連結杆31,32との軸着位置A,Cから前記摺動体50との軸着位置となる変位点D迄の直線長さを長く構成することもできる(請求項6に対応)。
本発明の曲率半径測定装置1は,長さ計測用の測定面の接線に直角な対称軸BOの一端に取り付けられた中央検知点Bと,この中央検知点Bを対称中心に等長さに配置された図示の実施形態にあっては,2つの移動検知点C,Aを成す移動接触子22,23とを備え,各移動接触子22,23と前記中央検知点Bを成す中央接触子21とを,接触子連結杆31,32に軸着して連結することで,各移動接触子22,23がいずれも中央接触子21を対称中心とした同一半径の円周軌道上を移動可能と成すと共に,前記各移動接触子22,23を,前記測定面の接線に直角な対称軸に対称に移動可能に配置している。
図1(図6紙面右側)及び図2(A)に示す曲率半径測定装置1は,測定対象の内径を測定するための曲率半径測定装置1の一例であり,図1に示すように,所定長の棒状に形成された対称軸BO上に位置する長さ計測用のスケール10と,このスケール10の一端に取り付けられた中央接触子21と,この中央接触子21を対称中心として等しい長さに配置された2個の移動接触子22,23と,前記各接触子21〜23間を連結するリンク機構30を成す接触子連結杆(31,32),及び,前記スケール10上を摺動変位する変位点Dたる摺動体50を備えている。
X=L×(L/Y) で表すことができる。
L=Mのときであるから,
(L:接触子連結杆(31−32)間及び摺動体連結杆(41−42)の長さ(辺ABの長さ=辺BCの長さ)=(M=辺ADの長さ=辺CDの長さ)が全て同一のときで,)
Y:辺BDの長さ,d:各接触子(21,22,23)の直径;同一値
X:辺AO,BO,COの長さ, O:Rの中心 θ:∠EBO=∠ABC/2 E:L/2
(図3(A)参照)とすると,
X=L×L/Y
R=X+d/2
公理
M 2 =Y 2 +L 2 −2YLcosθ から,
cosθ=(Y 2 +L 2 −M 2 )/2YL となる。
すなわち,
cosθ=(Y 2 +L 2 −M 2 )/2YL は,
L=M のとき,
cosθ=Y/2L となる。
従って,AO間の長さXは,
X=L’/cosθ=(L/2)/(Y/2L)= L2/Y
= L×L/Y
で得られる。
R=X+(d/2) となる。
図4(図6)に示す実施形態にあっては,図1に示す本発明の曲率半径測定装置1を測定対象物の外径を測定するための曲率半径測定装置1として構成した例である。
図1,2及び図4を参照して説明した曲率半径測定装置1にあっては,この測定装置1を,測定対象の外径又は内径のいずれかを測定するものとして説明したが,測定対象の内径及び外径の双方を測定可能な曲率半径測定装置を図7を参照して説明する。
三角形△ABOは,辺AO=辺BOで二等辺三角形となっている。辺ABを二等分し,直交する辺EOを描くと,直角三角形△EBOとなる。
辺EB(L’=L/2)は,既知で,∠EBO(θ)を算出する。
従って,
辺BO(=X)は,
X=L’/cosθ
cosθ= (Y 2 +L 2 −M 2 )/2YL
X=L’/(Y 2 +L 2 −M 2 )/2YL
X=(YL2/Y2+L2−M2)
ここでは,内径測定であり,
R=X+d/2
となる。
そこで,R=100の測定面を用意したところ,
L=60mm,M=75mm,計測ユニット中の測定したY=69.244mmのとき,
X=(69.244×602)/(69.2442+602−752)=90.00092
R=90.00092+20/2=100.00092
であった。
B 対称中心,中央検知点
B−O 対称軸
M 辺AD, 辺CD
Y 辺BD
E 辺ABの二等分した点
O 測定面の中心(対称軸)
H,F,G (接触子21,22,23と測定面Wとの)接触点
W 測定面
1 曲率半径測定装置
10 スケール
11 マグネットスケール
21 中央接触子
22,23 移動接触子
24〜27 軸
30 リンク機構
31,32 接触子連結杆
40 リンク機構
41,42 摺動体連結杆
41a,42a 一端(摺動体連結杆の)
41b,42b 他端(摺動体連結杆の)
43〜48 摺動体連結杆
50 変位点(摺動体)
60 計測ユニット
61 位置読み取りユニット
62 表示ユニット
70 フレーム
71 本体部分(フレームの)
72,73 脚部
75 長さセンサ
91 ホルダ
92 球
95 変位センサ
Claims (18)
- 測定面Wの接線に直角な対称軸BOと、該対称軸BOの一端に位置し、測定面Wと接触し、前記対称軸上で移動する中央検知点Bと、該中央検知点を対称中心として等半径の円周軌道上において二の移動検知点C,Aを移動させると共に、前記中央検知点B及び前記両移動検知点C,Aの相対的な移動に対応して変位する前記対称軸BO及び前記中央検知点Bと少なくとも前記一方の移動検知点(BC又はBA)の角度θから測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする曲率半径測定方法。
- 測定面Wの接線に直角な対称軸BOと、該対称軸BOの一端に位置し、測定面Wと接触し、前記対称軸上で移動する中央検知点Bと、該中央検知点を対称中心として等半径の円周軌道上において二の移動検知点C,Aを移動させると共に、前記中央検知点B及び前記両移動検知点C,Aの相対的な移動に対応して前記対称軸上で変位する変位点の変位位置Dと前記中央検知点B間(辺BD)の長さY、共に同一長さLの前記両移動検知点C,Aと前記中央検知点B間(辺BC,BA)及び共に同一長さMの前記両移動検知点C,Aと前記変位位置D間(辺CD,AD)から、前記角度θを得て測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする曲率半径測定方法。
- 測定面Wの接線に直角な対称軸BOと、該対称軸BOの一端に位置し、測定面Wと接触し、前記対称軸(BO)上で移動する中央検知点Bと、該中央検知点Bを対称中心とする二の移動検知点C,Aを同期移動させると共に、前記中央検知点B及び前記両移動検知点の相対的な同期移動に対応して前記対称軸BO上で変位する変位点の変位位置Dから測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする請求項2記載の曲率半径測定方法。
- 次式から成る1記載の曲率半径測定方法。
式1
X=L’/cosθ
∴ R=X±d/2
但し、辺ABの長さ=辺BCの長さ、
X:辺AO,BO,COの長さ
d:接触子21,22,23の直径(同一値)
O:R(求める半径)の中心
L’:辺EB(L/2)
∠EBO=θ(=∠ABC/2) - 次式から成る請求項2記載の曲率半径測定方法。
式2
X=L’/cosθ
cosθ=(Y2+L2−M2/2YL)
X=L’/(Y2+L2−M2/2YL)
X=(YL2/Y2+L2−M2)
∴ R=X±d/2
但し、M:辺ADの長さ=辺CDの長さ
D:変位点 対称軸BO上で変位(M=辺BDの長さ)
L’:辺EB(L/2)
∠EBO=θ(=∠ABC/2)
d:接触子21,22,23の直径(同一値) - 次式から成る請求項2又は3記載の曲率半径測定方法。
式3
X=L2/Y
R=X±d/2
但し、Y:辺BDの長さ、d:接触子21,22,23の直径(同一値)
L=Mのとき(M:辺ADの長さ=辺CDの長さ、L:辺AB=辺BCの長さ)
X:辺AO,BO,COの長さ
O:Rの中心 - 測定面Wと接触し、該測定面Wの接線に直角な対称軸BOの一端に位置し、前記対称軸BO上で移動する中央検知点Bと、該中央検知点を対称中心として等半径の円周軌道上において二の移動検知点C,Aを移動自在に設けると共に、前記中央検知点B及び前記両移動検知点C,Aの相対的な移動に対応して変位する前記対称軸BO及び前記中央検知点Bと少なくとも前記一方の移動検知点(BC又はBA)の角度θを得る計測手段とから成る測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする曲率半径測定装置。
- 測定面Wと接触し、該測定面Wの接線に直角な対称軸BOの一端に位置し、前記対称軸BO上で移動する中央接触子21と、該中央接触子21の両側で、前記中央接触子21を対称中心として等半径の円周軌道上を移動可能な二の移動接触子22、23とを備え、且つ、前記対称軸BOと少なくとも一方の移動接触子22(、23)との角度θを得る計測手段とから成ることを特徴とする曲率半径測定装置。
- 前記中央検知点Bは、前記中央接触子21の軸心から成り、前記二の移動検知点A,Cは、前記円周軌道上を移動可能な移動接触子22,23の軸心から成ると共に、それぞれ同一長さのリンク機構30(31−32)を介して前記中央接触子21及び移動接触子22,23と連結する請求項8記載の曲率半径測定装置。
- 測定面Wの接線に直角な対称軸BOと、該対称軸BOの一端に位置し、測定面Wと接触し、前記対称軸上で移動する中央検知点Bと、該中央検知点を対称中心として等半径の円周軌道上において二の移動検知点C,Aを移動自在に設けると共に、前記中央検知点B及び前記両移動検知点C,Aの相対的な移動に対応して前記対称軸上で変位する変位点の変位位置Dと前記中央検知点B間(辺BD)の長さY、共に同一長さLの前記両移動検知点C,Aと前記中央検知点B間(辺BC,BA)及び共に同一長さMの前記両移動検知点C,Aと前記変位位置D間(辺CD,AD)の長さを得る計測手段とから成り、前記長さから前記対称軸BOと少なくとも一方の移動接触子22(、23)との角度θを得て測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする曲率半径測定装置。
- 測定面の接線に直角な対称軸BO上に配置されるスケール10と、該スケールの一端に配置される中央検知点Bを有する中央接触子21と、該中央接触子21の両側で、前記中央検知点Bを対称中心として等半径の円周軌道上を移動自在に設けた二の移動接触子22、23とを備え、且つ、前記スケール上の中央接触子21及び前記両移動接触子22,23との相対的な同期移動に連動して前記スケール10上を変位する変位点Dと前記中央検知点Bの長さを得る計測手段とから成り、前記長さから前記対称軸BOと少なくとも一方の移動接触子22(、23)との角度θを得て測定面の曲率半径Rを得ることを特徴とする曲率半径測定装置。
- 前記中央検知点Bは、前記スケール10の一端に取り付けられた中央接触子21の軸心から成り、前記二の移動検知点A,Cは、前記円周軌道上を移動可能な移動接触子22,23の軸心から成ると共に、前記スケール上の変位点Dを有する例えば計測ユニットを備えた摺動体50を、それぞれリンク機構30,40(31−32、41−42)を介して前記中央接触子21及び移動接触子22,23と連結する請求項10又は11記載の曲率半径測定装置。
- 前記リンク機構30,40は、前記スケール10一端の中央接触子21を対称中心とした対称位置の円周軌道上で前記二の移動接触子22,23を移動させる接触子連結杆31,32と、該接触子連結杆31,32の他端に、一端を連結され、他端を前記スケール10上を変位する変位点を成す摺動体50に連結された摺動体連結杆41,42で構成した請求項12記載の曲率半径測定装置。
- 前記各接触子21〜23と測定面Wとの接触部分をいずれも同一曲率となる円弧状に形成した請求項8〜13いずれか1項記載の曲率半径測定装置。
- 前記中央接触子21及び前記移動接触子22,23の外周面の直径方向断面形状を同一曲率の円弧状とした請求項8〜13いずれか1項記載の曲率半径測定装置。
- 前記接触子連結杆31,32及び又は前記摺動体連結杆41,42は、それぞれ測定面Wの反対方向に同一曲率で膨出する円弧状である請求項9,12又は13記載の曲率半径測定装置。
- 前記接触子連結杆31,32の前記中央接触子21の連結点Bから前記摺動体連結杆41,42の軸着位置A,C迄の直線長さに対し、前記摺動体連結杆41,42の、前記接触子連結杆31,32との軸着位置A,Cから前記摺動体50との軸着位置となる変位点D迄の直線長さを長く形成した請求項9,12、13又は16記載の曲率半径測定装置。
- 前記計測した長さ(BD)又は角度データ(θ)に基づいて曲率半径Rを演算処理する手段と、これを表示するELあるいは液晶画面等を備えた表示ユニット62を前記中央接触子21上又は摺動体50上に計測ユニット60を設けて成る請求項12、13又は17記載の曲率半径測定装置。
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