JP2013079842A - 寸法測定器 - Google Patents

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Yoshihisa Tanimura
吉久 谷村
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Abstract

【課題】測定時間を短縮することができ、疲れにくく、かつ使い勝手の良い寸法測定器を提供する。
【解決手段】寸法測定器1は、一端側に被測定物Wに接触する接触子52,62がそれぞれ設けられ、他端側に保持部53,63がそれぞれ設けられた一対の挟持体5,6と、一対の挟持体5,6を相対的に回転可能とする第1の回転軸7Aと、一対の挟持体5,6の相対的な回転角を検出する角度検出装置8と、回転角に基づいて、被測定物Wの寸法を演算する演算装置2とを備える。演算装置2は、各接触子52,62の中心間の長さと回転角に基づく正弦関数の三次近似曲線との比例関係を用いて、被測定物Wの寸法を演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被測定物の寸法を測定する寸法測定器に関する。
従来、被測定物の外面寸法や内面寸法の幾何学的測定を行う小型測定器(スモールツール)として、ノギスやマイクロメータが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
このようなノギスやマイクロメータは、長い年月をかけて技術開発が行われており、高精度に被測定物の寸法を測定することができる形態と機能を持ち合わせている。
特開2008−64577号公報 特開2011−80977号公報
しかしながら、例えば、ノギスやマイクロメータの取り扱いに不慣れな使用者が当該ノギスやマイクロメータを使用する場合には、測定に比較的に多くの時間が掛かるものとなる。特に、ノギスやマイクロメータを用いて多数回の測定を行う場合には、当該使用者に長時間の作業を強いる結果となる。
ノギスやマイクロメータは、長い年月をかけて技術開発が行われ、形態や機能も成熟した域に達しており、大幅な技術的改良は困難なものである。
このため、現状のノギスやマイクロメータよりも測定時間を短縮することができ、疲れにくく、かつ使い勝手の良い寸法測定器が望まれている。
本発明の目的は、測定時間を短縮することができ、疲れにくく、かつ使い勝手の良い寸法測定器を提供することにある。
本発明の寸法測定器(第1の形態)は、一端側に被測定物に接触する接触子がそれぞれ設けられ、他端側に保持部がそれぞれ設けられた一対の挟持体と、前記一対の挟持体を相対的に回転可能とする第1の回転軸と、前記一対の挟持体の相対的な回転角を検出する角度検出装置と、前記回転角に基づいて、前記被測定物の寸法を演算する演算装置とを備え、前記演算装置は、各前記接触子の中心間の長さと前記回転角に基づく正弦関数の三次近似曲線との比例関係を用いて、前記被測定物の寸法を演算することを特徴とする。
本発明の寸法測定器(第2の形態)は、一端側に被測定物に接触する接触子がそれぞれ設けられ、他端側に保持部がそれぞれ設けられた一対の挟持体と、前記一対の挟持体を相対的に回転可能とする第1の回転軸と、前記一対の挟持体の相対的な回転角を検出する角度検出装置と、前記回転角に基づいて、前記被測定物の寸法を演算する演算装置とを備え、前記演算装置は、前記回転角に基づく正弦関数を用いて、前記被測定物の寸法を演算することを特徴とする。
本発明では、寸法測定器は、第1,第2の形態で共通して、上述した一対の挟持体及び第1の回転軸を備える。
すなわち、寸法測定器は、使用者にて一対の挟持体の各保持部が把持された状態で、各保持部が近接隔離するように操作されることで、第1の回転軸を中心として一対の挟持体が相対的に回転する所謂「鋏」と略同様の構造を有する。
そして、寸法測定器は、上述した一対の挟持体及び第1の回転軸の他、上述した角度検出装置及び演算装置を備える。
このことにより、一対の挟持体を相対的に回転させ、被測定物を一対の挟持体の各接触子で挟む、あるいは、被測定物に形成された孔の内面に各接触子を接触させれば、以下に示すように、被測定物の外面寸法や内面寸法を測定することができる。
すなわち、演算装置は、角度検出装置にて検出された一対の挟持体の相対的な回転角に基づいて、被測定物の寸法を演算する。
したがって、所謂「鋏」と同様の操作を行うことで被測定物の寸法を測定することができるので、取り扱いに不慣れな使用者であっても被測定物の寸法を容易に測定することができる。すなわち、現在のノギスやマイクロメータよりも測定時間を短縮することができ、疲れにくく、かつ使い勝手の良い寸法測定器を実現することができる。
また、第1の形態では、演算装置は、各接触子の中心間の長さと一対の挟持体の相対的な回転角に基づく正弦関数の三次近似曲線との比例関係を用いて、被測定物の寸法を演算する。
このことにより、通常、各接触子の中心間の長さは、一対の挟持体の相対的な回転角に基づく正弦関数で与えられるところ、当該正弦関数を用いなくても、被測定物の寸法に応じた各接触子の中心間の長さを正弦関数の三次近似曲線で算出することができる。
したがって、演算装置での処理構造を簡素化することができる。
本発明の寸法測定器では、前記角度検出装置は、前記一対の挟持体のいずれか一方に設けられ、目盛線からなる目盛パターンが形成された目盛基板と、前記一対の挟持体のいずれか他方に設けられ、前記一対の挟持体の相対的な回転に伴う前記目盛線の変位を検出する検出センサとを備え、前記目盛パターンは、前記第1の回転軸を中心とする回転方向に沿って延びる円弧状に形成されていることが好ましい。
本発明では、角度検出装置は、上述した目盛基板及び検出センサを備えたロータリーエンコーダで構成されている。
ところで、本発明の寸法測定器は、上述したように所謂「鋏」と同様の操作を行うことで、一対の挟持体を相対的に回転させる構成である。すなわち、一対の挟持体の相対的な回転角は、使用者の手の大きさに応じた角度となる。
このため、当該回転角を検出するための目盛パターンとしては、第1の回転軸を中心とする回転方向に沿う全周分を必要とせず、第1の回転軸を中心とする回転方向に沿って延びる部分的な円弧状パターンに形成することができる。
本発明の寸法測定器では、前記第1の回転軸は、前記一対の挟持体のいずれか一方に取り付けられ、前記一対の挟持体のいずれか他方には、前記第1の回転軸を支える第1の軸受が取り付けられていることが好ましい。
本発明では、一対の挟持体は、上述した第1の回転軸及び第1の軸受を介して相対的に回転可能に接続されている。
このことにより、被測定物の寸法を測定するにあたって、一対の挟持体をガタなく円滑に回転させることができ、安定した測定を実現することができる。
本発明の寸法測定器では、前記接触子には、被測定物に接触する平坦状の平面部が設けられていることが好ましい。
本発明では、接触子に上述した平面部が設けられているので、例えば、平坦状の外面や内面を有する被測定物の外面を各接触子(平面部)で安定に挟む、あるいは、当該被測定物の内面に各接触子(平面部)を安定に接触させることができ、被測定物の外面寸法や内面寸法を安定に測定することができる。
本発明の寸法測定器では、前記接触子には、被測定物に接触する円弧部が設けられ、前記円弧部は、前記第1の回転軸に沿う方向から見て直線状に延び、前記第1の回転軸に沿う方向に円弧形状を有することが好ましい。
本発明では、接触子に上述した円弧部が設けられているので、例えば、円筒状の被測定物の内面に対して各接触子を線接触させることが可能となり、当該被測定物の内径寸法を良好に測定することができる。
本発明の寸法測定器では、前記接触子には、被測定物に接触する円弧部が設けられ、前記円弧部は、前記第1の回転軸に沿う方向から見て円弧状に延び、前記第1の回転軸に沿う方向に円弧形状を有することが好ましい。
本発明では、接触子に上述した円弧部が設けられているので、例えば、円筒状の被測定物の内面に対して各接触子を点接触させることが可能となり、当該被測定物の内径寸法を良好に測定することができる。
本発明の寸法測定器では、前記接触子には、前記被測定物に接触する円弧部が設けられ、前記円弧部は、前記第1の回転軸に沿う方向から見て円弧状に延び、外周に向うにしたがって断面積が小さくなるテーパ形状を有することが好ましい。
ところで、被測定物によっては、傾斜加工されたものやテーパ加工されたものもある。そして、例えば、テーパ加工された被測定物では、軸方向の所定の場所で外面寸法や外径寸法、あるいは内面寸法や内径寸法を測定したい場合が発生する。
本発明では、接触子に上述した円弧部が設けられているので、当該接触子を被測定物に接触させることで、例えば、テーパ加工された被測定物における軸方向の所定の場所での外面寸法や外径寸法、あるいは内面寸法や内径寸法を良好に測定することができる。
本発明の寸法測定器では、前記挟持体は、挟持体本体と、前記挟持体本体の一端及び他端にそれぞれ設けられた前記接触子及び前記保持部とを備え、前記接触子は、前記挟持体本体に対して前記第1の回転軸に平行する第2の回転軸を介して回転可能に支持されていることが好ましい。
本発明では、接触子が上述した挟持体本体に対して回転可能に支持されているので、被測定物に対して接触子を安定に接触させることができ、被測定物を良好に測定することができる。
特に、接触子に上述した平面部や円弧部を設けた構成を採用した場合には、当該平面部や円弧部を被測定物に確実に接触させることができる。
本発明の寸法測定器では、前記挟持体は、挟持体本体と、前記挟持体本体の一端及び他端にそれぞれ設けられた前記接触子及び前記保持部とを備え、前記挟持体本体は、前記他端から前記一端側に向けて直線状に延びる腕部を備え、前記接触子は、前記挟持体本体の一端において、前記腕部における前記直線状に延びる部位を仮想的に延長させた仮想線上からずれた位置に設けられていることが好ましい。
本発明では、接触子が上述した仮想線上からずれた位置に設けられているので、被測定物の寸法を測定する際に、腕部が被測定物に接触することなく、接触子を被測定物に接触させることができる。すなわち、測定可能とする被測定物の範囲が腕部によって制限されることがない。
本発明の寸法測定器では、各前記接触子は、前記一対の挟持体を側面から見た場合に、前記第1の回転軸に沿う方向の各中心が互いに一致するように設けられていることが好ましい。
本発明では、各接触子が一対の挟持体を側面から見た場合に上述したように設けられているので、一対の挟持体を相対的に回転させ、被測定物を各接触子で挟む等を行った際に、被測定物が各接触子からの押圧力によって回転等することがない。
すなわち、被測定物を各接触子で安定に挟む、あるいは、被測定物に形成された孔の内面に各接触子を安定に接触させることができ、被測定物における所望の部位間の寸法を良好に測定することができる。
本発明の寸法測定器では、前記一対の挟持体には、各前記接触子が互いに近接する方向、または互いに離間する方向に付勢する付勢部材が取り付けられていることが好ましい。
本発明では、一対の挟持体に上述した付勢部材が取り付けられているので、当該付勢部材により、接触子間を常時、閉じた状態、または、開いた状態に設定することができる。
このため、例えば、付勢部材が接触子間を常時、閉じた状態に設定するように構成されている場合には、以下の効果がある。
すなわち、使用者は、被測定物の外面寸法や外径寸法を測定する際、付勢部材の付勢力に抗して、各保持部が離間する(各接触子が離間する)ように操作して一対の挟持体を相対的に回転させる。
そして、使用者は、接触子間に被測定物を挿入し、上記操作を止める。一対の挟持体は付勢部材にて上述したように付勢されているため、上記操作を止めることで、各接触子にて被測定物が挟まれる。
この状態で、被測定物に対して寸法測定器を移動させれば(各接触子が被測定物の外面上を摺動するように寸法測定器を移動させれば)、一対の挟持体が付勢部材にて上述したように付勢されているため、各接触子は、被測定物の外面に倣うように近接隔離する。
したがって、被測定物における種々の場所での外面寸法や外径寸法を測定する際に、各保持部を近接隔離させる操作を不要とし、操作性を向上させることができる。
第1実施形態における寸法測定器の構成を示す模式図。 第1実施形態における測定器本体の構造を示す模式図。 第1実施形態における測定器本体の構造を示す模式図。 第1実施形態における第1,第2接触子の構造を示す模式図。 第1実施形態における被測定物の寸法の測定原理を示す図。 第1実施形態における被測定物の寸法の測定原理を示す図。 第1実施形態における被測定物の寸法の測定原理を示す図。 第1実施形態における被測定物の寸法の測定原理を示す図。 第2実施形態における第1,第2接触子の構造を示す模式図。 第3実施形態における第1,第2接触子の構造を示す模式図。 アライメント誤差を説明するための図。 第6実施形態における測定器本体の構造を示す模式図。 第6実施形態における測定器本体の構造を示す模式図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔寸法測定器の構成〕
図1は、第1実施形態における寸法測定器1の構成を示す模式図である。
寸法測定器1は、被測定物Wの寸法を測定する装置であり、図1に示すように、演算装置としてのPC2と、インターフェースボックス3と、測定器本体4とを備える。
〔測定器本体の構成〕
図2及び図3は、測定器本体4の構造を示す模式図である。具体的に、図2は測定器本体4の平面図であり、図3は測定器本体4の一部を破断した側面図である。
測定器本体4は、図2または図3に示すように、使用者にて一対の挟持体5,6の各保持部53,63が把持された状態で、各保持部53,63が近接隔離するように操作されることで、第1の回転軸7Aを中心として一対の挟持体5,6が相対的に回転する所謂「鋏」と略同様の構造を有する。
なお、測定器本体4は、図2または図3に示すように、一対の挟持体5,6及び第1の回転軸7Aの他、角度検出装置8も備える。
以下では、説明の便宜上、挟持体5を第1挟持体5、挟持体6を第2挟持体6とする。
第1挟持体5は、図2または図3に示すように、第1挟持体本体51と、第1接触子52(図2)と、第1保持部53とを備える。
第1挟持体本体51は、第1腕部511と、センサ収納部512とを備える。
第1腕部511は、図2に示すように、第1保持部53が設けられた他端から、第1接触子52が設けられた一端側に向けて直線状に延びるとともに、一端側において、後述の第2接触子62側に折れ曲がって延びるように形成されている。
センサ収納部512は、第1腕部511の略中央位置に一体形成されたものであり、角度検出装置8を構成する後述の検出センサ82が収納される部分である。
図4は、第1,第2接触子52,62の構造を示す模式図である。具体的に、図4(A)は第1接触子52の構造を示す図であり、図4(B)は第2接触子62の構造を示す図である。
第1接触子52は、軸方向が第1の回転軸7Aと平行する略円筒状に形成され、測定器本体4の使用時に被測定物Wに接触する部位である。
この第1接触子52において、図2中、第2挟持体6(第2接触子62)に近接する側には、図2または図4(A)に示すように、平坦状の第1平面部52Aが設けられている。
また、第1接触子52において、図2中、第2挟持体6(第2接触子62)から離間する側には、図2または図4(A)に示すように、第1の回転軸7Aに沿う方向から見て直線状に延び、第1の回転軸7Aに沿う方向に円弧形状を有する第1円弧部52Bが設けられている。
上述した第1接触子52は、第1腕部511に対して、以下に示すように、取り付けられている。
すなわち、第1腕部511の一端側には、図2または図3に示すように、第1の回転軸7Aに平行する円柱状の第2の回転軸9Aが固定されている。
また、第1接触子52の内部には、図4(A)に示すように、第2の回転軸9Aを支える第2の軸受9Bが取り付けられている。
ここで、第2の軸受9Bは、図4(A)に示すように、転がり軸受で構成されている。
そして、第1接触子52は、第2の回転軸9A及び第2の軸受9Bを介して、第1腕部511に対して図2中、紙面奥側(図3中、下側)にずれた位置に取り付けられるとともに、第1腕部511に対して回転可能に取り付けられている。
なお、第1腕部511が上述した形状を有していることから、第1接触子52は、図2に示すように、第1腕部511における他端から一端側に向けて直線状に延びる部位を仮想的に延長させた仮想線VLからずれた位置(第2接触子62側にずれた位置)に位置付けられることとなる。
第1保持部53は、使用者が測定器本体4を把持する部分であり、使用者の手の指を挿入可能とする第1孔53Aが設けられている。
そして、第1保持部53は、第1腕部511の他端において、第1腕部511に対して図2中、紙面奥側(図3中、下側)にずれた位置に取り付けられている。
第2挟持体6は、図2または図3に示すように、第1の回転軸7Aに直交する平面(図2の紙面に平行する平面)を基準として、第1挟持体5を反転させた構造と略同様のものであり、センサ収納部512の代わりに目盛基板取付部612が設けられている点が異なるのみである。
なお、第2挟持体6の構成については、第1挟持体5の構成に対して、序数を「第1」から「第2」に変更し、符号の「5」を「6」に変更したものとする。例えば、第2挟持体6において、第1挟持体5の第1挟持体本体51に対応する構成は、第2挟持体本体61である。他も同様である。
そして、第1,第2挟持体5,6を上述したように形成することで、第1,第2接触子52,62は、測定器本体4を側面から見た場合に、図3に示すように、第1の回転軸7Aに沿う方向の各中心軸Oc1が互いに一致するように設けられる。
すなわち、第1,第2接触子52,62が近接するように第1,第2挟持体5,6を回転させると、第1,第2接触子52,62は互いに接触することとなる。
なお、第1,第2保持部53,63も同様である。
目盛基板取付部612は、軸方向が第1の回転軸7Aと平行する略円筒状に形成され、第2腕部611の略中央位置に一体形成されている。
そして、目盛基板取付部612には、角度検出装置8を構成する後述の目盛基板81が取り付けられる。
上述した第2挟持体6は、第1挟持体5に対して、以下に示すように、取り付けられている。
第1の回転軸7Aは、軸方向が図2中、紙面に直交する方向となる円柱形状を有し、第1挟持体本体51(センサ収納部512)に固定されている。
また、目盛基板取付部612の内部には、図3に示すように、第1の回転軸7Aを支える第1の軸受7Bが取り付けられている。
ここで、第1の軸受7Bは、第2の軸受9Bと同様に、転がり軸受で構成されている。
そして、第2挟持体6は、第1腕部511に対して第2腕部611が図2中、紙面奥側(図3中、下側)に位置付けられた状態で、第1の回転軸7A及び第1の軸受7Bを介して、第1挟持体5に対して回転可能に取り付けられている。
角度検出装置8は、ロータリーエンコーダで構成され、第1,第2挟持体5,6の相対的な回転角を検出するものであり、図2または図3に示すように、目盛基板81と、検出センサ82とを備える。
目盛基板81は、目盛パターン81A(図2)が形成された板体であり、目盛基板取付部612における図2中、紙面手前側(図3中、上側)の端面に取り付けられている。
すなわち、目盛基板81は、第2挟持体6とともに第1の回転軸7Aを中心として回転することとなる。
目盛パターン81Aは、具体的な図示は省略するが、第1の回転軸7Aの中心位置Oから放射状に延びる微細な目盛線で構成されている。
なお、本実施形態では、目盛パターン81Aは、図2に示すように、第1の回転軸7Aの中心位置Oを中心とする回転方向に延びる部分的な円弧状パターンに形成されている。
検出センサ82は、図3に示すように、目盛パターン81Aに対向した状態で、センサ収納部512に収納されている。
すなわち、検出センサ82は、第1挟持体5とともに第1の回転軸7Aを中心として回転することとなる。
そして、検出センサ82は、第1,第2挟持体5,6の回転に伴って検出センサ82を通過する目盛線に対応した検出信号を出力する。
〔インターフェースボックスの構成〕
インターフェースボックス3は、ケーブルを介してPC2及び検出センサ82間に接続され、検出センサ82に電力を供給するとともに、検出センサ82から出力された検出信号を処理する。
具体的に、インターフェースボックス3は、検出センサ82から出力された検出信号(正弦波信号)に対して内挿分割処理を施し、パルス列(方形波)をPC2に出力する。
〔PCの構成〕
PC2は、CPU(Central Processing Unit)及びハードディスク等を備えたパーソナルコンピュータで構成され、インターフェースボックス3から出力されたパルス列を計数し、当該計数値に応じた第1,第2挟持体5,6の相対的な回転角2θを算出する。
そして、PC2は、算出した回転角2θに基づいて、被測定物Wの寸法Lを演算し、当該寸法Lを適宜、ディスプレイ等の表示部に表示させる。
次に、被測定物Wの寸法Lの測定原理について説明する。
図5ないし図8は、被測定物Wの寸法の測定原理を示す図である。
なお、図5において、Oは、第1の回転軸7Aの中心位置(平面視(図2の状態)での中心位置)とする。また、A,Bは、第1,第2接触子52,62の中心位置(平面視(図2の状態)での中心位置)とする。さらに、2θは、角度検出装置8から出力される検出信号に基づく第1,第2挟持体5,6の相対的な回転角とする。
そして、中心位置A,B間の距離Loは、図5に示すように、中心位置Oと中心位置A,Bとの各距離R、及び回転角θを用いて、以下の式(1)で表すことができる。
〔数1〕
式(1)に示すように、距離Loは、回転角θに基づく正弦関数(sinθ)で与えられるものである。
しかし、第1実施形態では、被測定物Wの寸法Lに対応した距離Loを一定の長さまでに制限して、距離Loとsinθの三次近似曲線との比例関係を利用する。
具体的に、距離Loを一定の長さまでに制限するとき、sinθの三次近似曲線にあてはめるならば、以下の式(2)が与えられる。
〔数2〕
そして、sinθの代わりに式(2)を用いて、式(1)を書き換えれば、以下の式(3)が得られる。
〔数3〕
すなわち、距離Loは、sinθの三次近似曲線との比例関係で表せる。
第1実施形態はこのsinθの三次近似曲線を利用して距離Loを算出するもので、実際、sinθと式(2)との差を極めて小さくすることができる。
因みに、sinθとその三次近似曲線との差分ΔLoは、図6に示すように、θをθ=π/12(距離Loで約36mm)までに制限した場合、R=70mmとして高々ΔLo=±0.04μmと計算される。この値は、式(1)で距離Loを求めるために用いたθによって、式(3)の係数α、β、γ及びδを最小二乗法で決定し、両者の距離Loの差の最大値を表したものである。
実用的には本発明の測定器の製造誤差もあるので、式(3)の各係数は、本発明の寸法測定器でゲージブロックを測った場合のデータに基づき、最小二乗法で決定することもできる。
そして、被測定物Wの外面寸法Lを測定する際には、中心位置A,Bと第1,第2平面部52A,62A(第1,第2円弧部52B,62B)との距離をそれぞれrとした場合、図7に示すように、距離Loは、被測定物Wの外面寸法Lよりも2rだけ長いものとなる。
このため、被測定物Wの外面寸法Lは、以下の式(4)で表すことができる。
〔数4〕
同様に、被測定物Wの内面寸法を測定する際には、図8に示すように、距離Loは、被測定物Wの内面寸法Lよりも2rだけ短いものとなる。
このため、被測定物Wの内面寸法Lは、以下の式(5)で表すことができる。
〔数5〕
そして、PC2は、被測定物Wの外面寸法Lの測定であれば式(4)を用い、被測定物Wの内面寸法Lの測定であれば式(5)を用いて、被測定物Wの寸法Lを算出する。
なお、被測定物Wの外面寸法Lの測定であるか、あるいは、内面寸法Lの測定であるかについては、例えば、使用者がマウスやキーボード等の入力手段を用いて外面寸法Lの測定または内面寸法Lの測定である旨の情報を入力することで、PC2が当該情報を把握する構成が例示できる。
なお、距離Rや距離rの寸法には、製造誤差があり、設計値通りに仕上がっていない恐れがある。
このような場合を想定して、以下のように式(4)で算出する各寸法を校正することができる。
すなわち、予め、複数のゲージブロックを用いて外面寸法の測定を行い、複数のゲージブロックの実際の各寸法と式(4)で算出された各寸法Lとに基づいて、式(4)で算出された各寸法Lの校正値を算出しておく。
そして、PC2は、実際の測定において、校正値に基づいて、式(4)で算出した寸法Lを校正した状態で出力する。
なお、内面寸法Lの測定でも同様である。
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、寸法測定器1は、第1,第2挟持体5,6及び第1の回転軸7Aを備え、所謂「鋏」と略同様の構造を有する。
そして、寸法測定器1は、第1,第2挟持体5,6及び第1の回転軸7Aの他、角度検出装置8及びPC2を備える。
このことにより、第1,第2挟持体5,6を相対的に回転させ、被測定物Wを第1,第2接触子52,62で挟む、あるいは、被測定物Wに形成された孔の内面に第1,第2接触子52,62を接触させれば、第1,第2挟持体5,6の相対的な回転角2θに基づいて、被測定物Wの寸法Lを演算することができる。
したがって、所謂「鋏」と同様の操作を行うことで被測定物Wの寸法Lを測定することができるので、取り扱いに不慣れな使用者であっても被測定物Wの寸法Lを容易に測定することができる。すなわち、現在のノギスやマイクロメータよりも測定時間を短縮することができ、疲れにくく、かつ使い勝手の良い寸法測定器1を実現することができる。
また、PC2は、距離Loとsinθの三次近似曲線との比例関係を用いて、被測定物Wの寸法Lを演算する。
このことにより、通常、距離Loは、回転角θに基づく正弦関数で与えられる(式(1))ところ、当該正弦関数を用いなくてもsinθの三次近似曲線で、被測定物Wの寸法Lに応じた距離Loを十分な精度で算出することができる。
したがって、PC2での処理構造を簡素化することができる。
さらに、角度検出装置8は、目盛基板81及び検出センサ82を備えたロータリーエンコーダで構成されている。
ところで、本実施形態の寸法測定器1は、上述したように所謂「鋏」と同様の操作を行うことで、第1,第2挟持体5,6を相対的に回転させる構成である。すなわち、第1,第2挟持体5,6の相対的な回転角2θは、使用者の手の大きさに応じた角度である。
このため、当該回転角2θを検出するための目盛パターン81Aとしては、第1の回転軸7Aを中心とする回転方向に沿う全周分を必要とせず、第1の回転軸7Aを中心とする回転方向に沿って延びる円弧状に形成することができる。
また、第1,第2挟持体5,6は、第1の回転軸7A及び第1の軸受7Bを介して相対的に回転可能に接続されている。
このことにより、被測定物Wの寸法Lを測定するにあたって、第1,第2挟持体5,6をガタなく円滑に回転させることができ、安定した測定を実現することができる。
さらに、第1,第2接触子52,62に第1,第2平面部52A,62Aが設けられているので、例えば、平坦状の外面や内面を有する被測定物Wの外面を第1,第2接触子52,62で安定に挟む、あるいは、当該被測定物Wの内面に第1,第2接触子52,62を安定に接触させることができ、被測定物Wの外面寸法Lや内面寸法Lを安定に測定することができる。
また、第1,第2接触子52,62に第1,第2円弧部52B,62Bが設けられているので、例えば、円筒状の被測定物Wの内面に対して当該円弧部52B,62Bを線接触させることが可能となり、被測定物Wの内径寸法Lを良好に測定することができる。
本実施形態では、第1,第2接触子52,62に第1,第2平面部52A,62A及び第1,第2円弧部52B,62Bの双方が設けられているので、種々の形状の被測定物Wの寸法Lを測定することができる。
さらに、第1,第2接触子52,62が第1,第2挟持体本体51,61に対して回転可能に支持されているので、被測定物Wに対して第1,第2接触子52,62を安定に接触させることができ、被測定物Wを良好に測定することができる。
特に、本実施形態のように第1,第2接触子52,62に第1,第2平面部52A,62Aや第1,第2円弧部52B,62Bを設けた構成を採用した場合には、当該平面部52A,62Aや円弧部52B,62Bを被測定物Wに確実に接触させることができる。
また、第1,第2接触子52,62が仮想線VL上からずれた位置に設けられているので、被測定物Wの寸法Lを測定する際に、第1,第2腕部511,611が被測定物Wに接触することなく、第1,第2接触子52,62を被測定物Wに接触させることができる。すなわち、測定可能とする被測定物Wの範囲が第1,第2腕部511,611によって制限されることがない。
さらに、測定器本体4を側面から見た場合に第1,第2接触子52,62の各中心軸Oc1が互いに一致するように設けられているので、第1,第2挟持体5,6を相対的に回転させ、被測定物Wを第1,第2接触子52,62で挟む等を行った際に、被測定物Wが第1,第2接触子52,62からの押圧力によって回転等することがない。
すなわち、被測定物Wを第1,第2接触子52,62で安定に挟む、あるいは、被測定物Wに形成された孔の内面に第1,第2接触子52,62を安定に接触させることができ、被測定物Wにおける所望の部位間の寸法を良好に測定することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下では、前記第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。以下に記載する第3〜第5実施形態でも同様である。
図9は、第2実施形態における第1,第2接触子52,62の構造を示す模式図である。具体的に、図9(A)は第1接触子52の構造を示す図であり、図9(B)は第2接触子62の構造を示す図である。
第2実施形態では、図9に示すように、前記第1実施形態に対して、第2の軸受9Bが省略された点、及び第1,第2接触子52,62の構造が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。
具体的に、第2実施形態における第1,第2接触子52,62は、図9に示すように、前記第1実施形態で説明した第1,第2平面部52A,62Aが設けられておらず、略円筒状に形成されている。
また、第2実施形態における第1,第2円弧部52B,62Bは、図9に示すように、第1,第2接触子52,62の円周部分のうち、半円abc部分に設けられている。
すなわち、第2実施形態における第1,第2円弧部52B,62Bは、第1の回転軸7Aに沿う方向から見て円弧状に延び、第1の回転軸7Aに沿う方向に円弧形状を有する。
また、第2実施形態では、第1,第2接触子52,62は、前記第1実施形態で説明した第2の軸受9Bが組み込まれず、直接、第2の回転軸9Aに固定される。この場合、第2の回転軸9Aは、第1,第2挟持体本体51,61に固定されている軸であるから、単に第1,第2接触子52,62を固定する軸としての役割を果たす。
上述した第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、第1,第2円弧部52B,62Bが第1の回転軸7Aに沿う方向から見て円弧状に延び、第1の回転軸7Aに沿う方向に円弧形状を有するので、例えば、円筒状の被測定物Wの内面に対して当該円弧部52B,62Bを点接触させることが可能となり、被測定物Wの内径寸法Lを良好に測定することができる。
また、第1,第2接触子52,62の円周部分のうち、第1,第2円弧部52B,62Bを除く半円cda部分(図9)は、円筒の側面として構成されている。
このことにより、例えば、平坦状の外面や内面を有する被測定物Wの外面を第1,第2接触子52,62の半円cda部分で安定に挟む、あるいは、当該被測定物Wの内面に第1,第2接触子52,62の半円cda部分を安定に接触させることができ、被測定物Wの外面寸法や内面寸法を安定に測定することができる。
さらに、前記第1実施形態で説明した第1,第2平面部52A,62Aを設ける必要がない。また、第1,第2円弧部52B,62Bを前記第1実施形態で説明した第1,第2円弧部52B,62Bのように第1の回転軸7Aに沿う方向から見て直線状に延びるように形成する必要もない。さらに、第2の軸受9Bを設ける必要もない。
このため、製造コストを低減することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図10は、第3実施形態における第1,第2接触子52,62の構造を示す模式図である。具体的に、図10(A)は第1接触子52の構造を示す図であり、図10(B)は第2接触子62の構造を示す図である。
第3実施形態では、図10に示すように、前記第1実施形態に対して、前記第2実施形態と同様に第2の軸受9Bが省略された点、及び第1,第2接触子52,62の構造が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。
具体的に、第3実施形態における第1,第2接触子52,62は、図10に示すように、前記第1実施形態で説明した第1,第2平面部52A,62Aが設けられておらず、略円筒状に形成されている。
撚り具体的に、第1,第2接触子52,62は、外周に向うにしたがって断面積が小さくなるテーパ形状を有する算盤珠状に形成されている。
すなわち、第2実施形態における第1,第2円弧部52B,62Bは、第1,第2接触子52,62の円周部分の全体に亘って形成されている。
上述した第3実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、第1,第2接触子52,62に上述した第1,第2円弧部52B,62Bが設けられているので、第1,第2接触子52,62を被測定物Wに接触させることで、例えば、テーパ加工された被測定物における軸方向の所定の場所での外面寸法や外径寸法、あるいは内面寸法や内径寸法を良好に測定することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
前記第1実施形態では、PC2は、式(4)または式(5)により、すなわち、距離Loとsinθの三次近似曲線との比例関係(式(3))を用いて、被測定物Wの外面寸法Lまたは内面寸法Lを演算していた。
これに対して、第4実施形態では、PC2は、回転角θに基づく正弦関数(式(1))を用いて、被測定物Wの外面寸法Lまたは内面寸法Lを演算する。その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。
すなわち、第4実施形態におけるPC2は、式(1)を用いて、被測定物Wの外面寸法Lの測定の場合には以下の式(6)により、被測定物Wの内面寸法Lの測定の場合には以下の式(7)により、被測定物Wの寸法Lを演算する。
〔数6〕
〔数7〕
上述した第4実施形態のように回転角θに基づく正弦関数を用いて被測定物Wの寸法Lを演算する構成を採用した場合であっても、前記第1実施形態と同様の作用及び効果を享受できる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、前記第1実施形態に対して、PC2の構成が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。
具体的に、第5実施形態におけるPC2は、外面寸法や内面寸法を測定する際、複数回の測定により演算した各寸法Lの最小値を保持しながら、当該最小値をディスプレイ等の表示部に表示させる。
また、第5実施形態におけるPC2は、外径寸法や内径寸法を測定する際、複数回の測定により演算した各寸法Lの最大値を保持しながら、当該最大値をディスプレイ等の表示部に表示させる。
上述した第5実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
図11は、アライメント誤差を説明するための図である。
例えば、被測定物Wの外面寸法や内面寸法を測定する際、図11に示すように、中心位置A,Bを結ぶ直線Labが被測定物Wの外面や内面に対して正しく直角を成していない場合(外面や内面の法線nと平行でない場合)には、演算した寸法Lは、誤差(アライメント誤差)を含んだ値となり、正しい寸法Sよりもアライメント誤差分だけ長いものとなる。
当該アライメント誤差ΔSは、中心位置A,Bを結ぶ直線Labと被測定物Wの外面や内面の法線nとの成す角度をΔθとした場合、以下の式(8)で表される。
〔数8〕
例えば、S=50mmで、ΔS=10×10−3mm以下にするためには、式(8)により、Δθは、1.14°以下に抑えなければならない。
また、S=50mmで、ΔS=1×10−3mm以下にするためには、式(8)により、Δθは、0.36°以下に抑えなければならない。
したがって、S=50mmの寸法測定では、Δθが0.36°〜1.14°の範囲にあれば、10μm以下のアライメント誤差で測定できる。
例えば、S=25mmで、ΔS=10×10−3mm以下にするためには、式(8)により、Δθは、1.62°以下に抑えなければならない。
また、S=25mmで、ΔS=1×10−3mm以下にするためには、式(8)により、Δθは、0.58°以下に抑えなければならない。
したがって、S=25mmの寸法測定では、Δθが0.58°〜1.62°の範囲にあれば、10μm以下のアライメント誤差で測定できる。
そして、使用者は、被測定物Wの外面寸法や内面寸法を測定する際には、第1,第2保持部53,63を把持しながら、測定器本体4を回転微動させる。その間、複数回の測定により演算した各寸法Lの最小値を保持しながら、当該最小値をディスプレイ等の表示部に表示させるようにPC2を構成すれば、使用者は、複数回測定した際の寸法Lの最小値を認識できるため、当該最小値を認識しながら上記回転微動を行うことで、アライメント誤差の少ない測定を行うことができる。
なお、外径寸法や内径寸法を測定する際、演算した寸法Lにアライメント誤差が含まれている場合には、演算した寸法Lは、上記とは逆に、正しい寸法よりも短いものとなる。
したがって、PC2は、外径寸法や内径寸法を測定する際には、複数回の測定により演算した各寸法Lの最大値を保持しながら、当該最大値をディスプレイ等の表示部に表示させる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
図12及び図13は、第6実施形態における測定器本体4の構造を示す模式図である。具体的に、図12は測定器本体4の平面図であり、図13は測定器本体4の一部を破断した側面図である。
第6実施形態では、前記第1実施形態に対して、図12または図13に示すように、第1,第2挟持体5,6に付勢部材としての引っ張りバネ10が取り付けられている点が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。
具体的に、引っ張りバネ10は、第1,第2保持部53,63間に取り付けられるとともに、測定器本体4を側面から見た場合に、第1,第2保持部53,63における第1の回転軸7Aに沿う方向の各中心軸Oc2(図13)上に位置付けられる。
そして、引っ張りバネ10は、第1,第2保持部53,63が互いに近接するように付勢し、第1,第2接触子52,62間を常時、閉じた状態に設定する。
上述した第6実施形態のように引っ張りバネ10を採用すれば、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
すなわち、使用者は、被測定物Wの外面寸法や外径寸法を測定する際、引っ張りバネ10の付勢力に抗して、第1,第2保持部53,63が離間する(第1,第2接触子52,62が離間する)ように操作して第1,第2挟持体5,6を相対的に回転させる。
そして、使用者は、第1,第2接触子52,62間に被測定物Wを挿入し、上記操作を止める。第1,第2挟持体5,6は引っ張りバネ10にて上述したように付勢されているため、上記操作を止めることで、第1,第2接触子52,62にて被測定物Wが挟まれる。
この状態で、被測定物Wに対して測定器本体4を移動させれば(第1,第2接触子52,62が被測定物Wの外面上を摺動するように測定器本体4を移動させれば)、第1,第2挟持体5,6が引っ張りバネ10にて上述したように付勢されているため、第1,第2接触子52,62は、被測定物Wの外面に倣うように近接隔離する。
したがって、被測定物Wにおける種々の場所での外面寸法や外径寸法を測定する際に、第1,第2保持部53,63を近接隔離させる操作を不要し、操作性を向上させることができる。
特に、前記第5実施形態の構成に本実施形態の構成を採用すれば、以下の効果がある。
使用者は、例えば、被測定物W(球や円筒)の外径寸法を測定する際、第1保持部53と第2保持部63の間を少しずつ微妙に開きながら被測定物Wの外径の最大値を探索する必要がなくなる。つまり、被測定物Wを第1,第2接触子52,62間に押し込んで通過させるだけで外径寸法の最大値をPC2に保持させ、表示させることができる。
なお、引っ張りバネ10の代わりに圧縮バネを用いれば、第1,第2接触子52,62間を常時、開いた状態に設定することができる。この場合には、被測定物Wの内面寸法等、最小値を探索する必要がある測定の場合に役立つものである。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、第1,第2腕部511,611の一端側を折れ曲がった形状とすることで、第1,第2接触子52,62を仮想線VL上からずれた位置に位置付けていたが、これに限らない。
例えば、第1,第2腕部511,611の一端側に段差を設けた形状としたり、一端に向けて曲線状となる形状としたりすることで、第1,第2接触子52,62を仮想線VL上からずれた位置に位置付けても構わない。
前記各実施形態では、第1,第2の軸受7B,9Bは、転がり軸受で構成されていたが、これに限らず、すべり軸受等の他の軸受で構成しても構わない。
前記各実施形態では、角度検出装置8をロータリーエンコーダで構成していたが、これに限らず、静電容量センサや電気マイクロメータ等の他の角度検出装置で構成しても構わない。
前記第1実施形態では、距離Loを一定の長さまでに制限するために、回転角θをθ=π/12までに制限していたが、これに限らず、その他の角度までに制限しても構わない。例えば、回転角θをθ=π/6までに制限しても構わない。その場合、式(2)で与えられる各係数を変更し、再設定することで対応する。
前記各実施形態において、第1,第2接触子52,62の構造については、前記各実施形態で説明した構造に限らない。
例えば、前記第2実施形態では、第1,第2円弧部52B,62Bは、第1の回転軸7Aに沿う方向から見て円弧状に延び、第1の回転軸7Aに沿う方向に円弧形状を有していたが、これに限らない。例えば、第1,第2円弧部52B,62Bを、第1の回転軸7Aに沿う方向から見て円弧状に延び、第1の回転軸7Aに沿う方向に直線状となるように形成しても構わない。すなわち、第1,第2接触子52,62を単純な円筒形状としても構わない。
また、例えば、第1,第2接触子52,62を単純な球形状としても構わない。
前記第5実施形態では、引っ張りバネ10を第1,第2保持部53,63間に取り付けていたが、これに限らず、第1,第2挟持体本体51,61間であれば、その他の位置に取り付けても構わない。
本発明は、被測定物の寸法を測定する寸法測定器に利用できる。
1・・・寸法測定器
2・・・PC(演算装置)
5,6・・・第1,第2挟持体
7A・・・第1の回転軸
7B・・・第1の軸受
8・・・角度検出装置
9A・・・第2の回転軸
10・・・引っ張りバネ(付勢部材)
51,61・・・第1,第2挟持体本体
52,62・・・第1,第2接触子
53,63・・・第1,第2保持部
81・・・目盛基板
81A・・・目盛パターン
82・・・検出センサ
52A,62A・・・第1,第2平面部
52B,62B・・・第1,第2円弧部
511,611・・・第1,第2腕部

Claims (12)

  1. 一端側に被測定物に接触する接触子がそれぞれ設けられ、他端側に保持部がそれぞれ設けられた一対の挟持体と、
    前記一対の挟持体を相対的に回転可能とする第1の回転軸と、
    前記一対の挟持体の相対的な回転角を検出する角度検出装置と、
    前記回転角に基づいて、前記被測定物の寸法を演算する演算装置とを備え、
    前記演算装置は、
    各前記接触子の中心間の長さと前記回転角に基づく正弦関数の三次近似曲線との比例関係を用いて、前記被測定物の寸法を演算する
    ことを特徴とする寸法測定器。
  2. 一端側に被測定物に接触する接触子がそれぞれ設けられ、他端側に保持部がそれぞれ設けられた一対の挟持体と、
    前記一対の挟持体を相対的に回転可能とする第1の回転軸と、
    前記一対の挟持体の相対的な回転角を検出する角度検出装置と、
    前記回転角に基づいて、前記被測定物の寸法を演算する演算装置とを備え、
    前記演算装置は、
    前記回転角に基づく正弦関数を用いて、前記被測定物の寸法を演算する
    ことを特徴とする寸法測定器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の寸法測定器において、
    前記角度検出装置は、
    前記一対の挟持体のいずれか一方に設けられ、目盛線からなる目盛パターンが形成された目盛基板と、
    前記一対の挟持体のいずれか他方に設けられ、前記一対の挟持体の相対的な回転に伴う前記目盛線の変位を検出する検出センサとを備え、
    前記目盛パターンは、
    前記第1の回転軸を中心とする回転方向に沿って延びる円弧状に形成されている
    ことを特徴とする寸法測定器。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の寸法測定器において、
    前記第1の回転軸は、
    前記一対の挟持体のいずれか一方に取り付けられ、
    前記一対の挟持体のいずれか他方には、
    前記第1の回転軸を支える第1の軸受が取り付けられている
    ことを特徴とする寸法測定器。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の寸法測定器において、
    前記接触子には、
    被測定物に接触する平坦状の平面部が設けられている
    ことを特徴とする寸法測定器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の寸法測定器において、
    前記接触子には、
    被測定物に接触する円弧部が設けられ、
    前記円弧部は、
    前記第1の回転軸に沿う方向から見て直線状に延び、前記第1の回転軸に沿う方向に円弧形状を有する
    ことを特徴とする寸法測定器。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の寸法測定器において、
    前記接触子には、
    被測定物に接触する円弧部が設けられ、
    前記円弧部は、
    前記第1の回転軸に沿う方向から見て円弧状に延び、前記第1の回転軸に沿う方向に円弧形状を有する
    ことを特徴とする寸法測定器。
  8. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の寸法測定器において、
    前記接触子には、
    被測定物に接触する円弧部が設けられ、
    前記円弧部は、
    前記第1の回転軸に沿う方向から見て円弧状に延び、外周に向うにしたがって断面積が小さくなるテーパ形状を有する
    ことを特徴とする寸法測定器。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の寸法測定器において、
    前記挟持体は、
    挟持体本体と、前記挟持体本体の一端及び他端にそれぞれ設けられた前記接触子及び前記保持部とを備え、
    前記接触子は、
    前記挟持体本体に対して前記第1の回転軸に平行する第2の回転軸を介して回転可能に支持されている
    ことを特徴とする寸法測定器。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の寸法測定器において、
    前記挟持体は、
    挟持体本体と、前記挟持体本体の一端及び他端にそれぞれ設けられた前記接触子及び前記保持部とを備え、
    前記挟持体本体は、
    前記他端から前記一端側に向けて直線状に延びる腕部を備え、
    前記接触子は、
    前記挟持体本体の一端において、前記腕部における前記直線状に延びる部位を仮想的に延長させた仮想線上からずれた位置に設けられている
    ことを特徴とする寸法測定器。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の寸法測定器において、
    各前記接触子は、
    前記一対の挟持体を側面から見た場合に、前記第1の回転軸に沿う方向の各中心が互いに一致するように設けられている
    ことを特徴とする寸法測定器。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の寸法測定器において、
    前記一対の挟持体には、
    各前記接触子が互いに近接する方向、または互いに離間する方向に付勢する付勢部材が取り付けられている
    ことを特徴とする寸法測定器。
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