JPWO2005087220A1 - 抗しわ剤 - Google Patents

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Abstract

皮膚刺激性が少なく、抗しわ作用に優れた医薬であって、フェニル置換カルバモイル安息香酸(例えば又はフェニル置換カルボキサミド安息香酸を基本骨格とするレチノイド(例えば4-(2,4-ビストリメチルシリルフェニルカルボキサミド)安息香酸又は4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)カルバモイル]安息香酸など)を有効成分として含む医薬。

Description

本発明は抗しわ剤に関する。より具体的には、皮膚のしわを減少させる医薬に関するものである。
レチノールやレチナールはしわ、いぼ、湿疹、ふけなどの皮膚疾患に有効であることが知られている(欧州特許公開301033号公報、米国特許第3932665号明細書、米国特許第4934114号明細書など)。また、レチノイン酸がしわを減少させることが知られており(欧州特許公開379367号公報、Drugs and Aging, 2, pp.7-13, 1992)、この物質は光線で障害を受けた皮膚の治療のための医薬として米国で用いられている。加齢によるしわについてはレチノール、レチナール、及びレチノイン酸により治療できるとの報告がある(米国特許公開2001/53347号公報)。しかしながら、レチノイン酸は皮膚への刺激が強く、発赤や炎症性の皮膚炎を惹起することがあることから、皮膚刺激性が少ない抗しわ剤の開発が求められている。
一方、レチノイドはオール-トランス-レチノイン酸または9-シス-レチノイン酸が生理作用を発現するために必要な受容体(それぞれ3種類のサブタイプが存在する)に結合してレチノイン酸に類似する作用又はその一部の作用を発揮する化合物の総称である。これらの化合物の中にはレチノイン酸と同程度あるいはさらに強い作用を有するものもあるが、一般的には、その作用の強さに比例して皮膚刺激作用も増加する(J. Med. Chem., 32, pp.834-840, 1989)。もっとも、レチノイドの代表的な化合物である4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)カルバモイル]安息香酸などは光線による皮膚障害には無効であるとの報告がある(国際公開WO96/30009)。
本発明の課題は皮膚のしわを減少させる医薬を提供することにあり、より具体的には、皮膚刺激性が少なく、抗しわ作用に優れた医薬を提供することが本発明の課題である。
本発明者らはレチノイドの生理作用を種々検討するうち、一群のレチノイドが強い抗しわ作用を有しており、しかもそれらの皮膚刺激作用が非常に少ないことを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明により、抗しわ作用を有する医薬であって、フェニル置換カルバモイル安息香酸又はフェニル置換カルボキサミド安息香酸を基本骨格とするレチノイドを有効成分として含む医薬が提供される。この発明の好ましい態様によればレチノイドがレチノイン酸レセプター(RAR)サブタイプγに実質的に結合しないレチノイドである上記の医薬;フェニル置換カルバモイル安息香酸又はフェニル置換カルボキサミド安息香酸を基本骨格とするレチノイドが4-(2,4-ビストリメチルシリルフェニルカルボキサミド)安息香酸又は4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)カルバモイル]安息香酸である上記の医薬が提供される。
別の観点からは、上記の医薬の製造のためのフェニル置換カルバモイル安息香酸又はフェニル置換カルボキサミド安息香酸を基本骨格とするレチノイドの使用;及び皮膚のしわを減少させる方法であって、フェニル置換カルバモイル安息香酸又はフェニル置換カルボキサミド安息香酸を基本骨格とするレチノイドを皮膚に適用する工程を含む方法が本発明により提供される。
本発明の医薬は優れた抗しわ作用を有しており、レチノイン酸などの従来の薬剤に比べて皮膚刺激作用が軽減されているという特徴がある。
レチノイドのモルモット皮膚に対する累積皮膚刺激性試験(50ppm塗布)の結果(日時変化)を示した図である。 レチノイドのモルモット皮膚に対する累積皮膚刺激性試験の結果(塗布9日目)を示した図である。 角膚ターンオーバー試験の結果を示した図である。 角膚ターンオーバー試験における累積皮膚刺激性の結果を示した図である。 RA及びAm80について皮溝の深さと相関するパラメータKSDを求めた結果を示した図である。 RA及びAm80による皮膚肥厚の程度を示した図である。
本発明の医薬の有効成分としては、フェニル置換カルバモイル安息香酸又はフェニル置換カルボキサミド安息香酸を基本骨格とするレチノイドを用いることができる。フェニル置換カルバモイル安息香酸又はフェニル置換カルボキサミド安息香酸を基本骨格とするレチノイドは種々知られている。基本骨格という用語は、1又は2以上の任意の置換基が結合するための主たる化学構造を意味する。通常は、カルバモイル基又はカルボキサミド基に置換するフェニル基が1個又は2個以上の置換基を有していることが好ましい。このような置換基としては、例えば、低級アルキル基を用いることができる(本明細書において低級とは炭素数1ないし6個程度、好ましくは炭素数1ないし4個を意味する)。低級アルキル基としては直鎖又は分枝鎖のアルキル基が好ましく、より具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、又はtert- ブチル基などを挙げることができる。
また、上記のフェニル基上の置換基として、例えば、メトキシ基などの低級アルコキシ基、ハロゲン原子(ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれでもよい)、例えばトリメチルシリル基などの低級アルキル置換シリル基などを挙げることができる。カルバモイル基に置換するフェニル基としては、例えば、2ないし4個の低級アルキル基で置換されたフェニル基、あるいは1又は2個のトリ低級アルキルシリル基で置換されたフェニル基などが好ましく、2ないし4個のアルキル基で置換されたフェニル基、又は2個のトリメチルシリル基で置換されたフェニル基などがより好ましい。
上記のフェニル基上に置換する2個の低級アルキル基が隣接する場合には、それらの2つの低級アルキル基は一緒になってそれらが結合するフェニル基の環構成炭素原子とともに5員環又は6員環を1個又は2個、好ましくは1個形成してもよい。このようにして形成される環は飽和でも不飽和でもよく、環上には1又は2個以上の低級アルキル基、例えばメチル基、エチル基などが置換していてもよい。上記の形成された環上には、好ましくは2〜4個のメチル基、さらに好ましくは4個のメチル基が置換していてもよい。例えば、フェニル環上に置換する2個の隣接する低級アルキル基が一緒になって5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン環や5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8- テトラヒドロナフタレン環などが形成されることが好ましい。
本明細書において、レチノイドとはオール-トランス-レチノイン酸または9-シス-レチノイン酸が生理作用を発現するために必要な受容体に結合してレチノイン酸に類似する作用又はその一部の作用を発揮する化合物のことであり、少なくとも1種以上のレチノイド様作用、例えば、細胞分化作用、細胞増殖促進作用、及び生命維持作用などの1種以上の作用を有している化合物を意味している。レチノイドであるか否かは、M. Sporn et al., Retinoids, Academic Press, 1984に記載された種々の方法により容易に判定できる。また、レチノイドは一般的にレチノイン酸レセプター(RAR)に結合する性質を有しているが、本発明の医薬の有効成分として用いられるレチノイドはRARのサブタイプα(RARα)及びサブタイプβ(RARβ)に結合し、かつサブタイプγ(RARγ)には実質的に結合しないレチノイドであることが好ましい。レチノイン酸レセプター・サブタイプへの結合については文献記載の方法により容易に確認することができる(H. de The, and A. Dejean, "Retinoids, 10 years on", Basel, Karger, pp.2-9, 1991)。
好ましいレチノイドとしては、例えば、下記の一般式(I):
Figure 2005087220
〔式中、R1、R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、又は低級アルキル置換シリル基を示し、R1、R2、R3、R4、及びR5のうち隣接するいずれか2つの基が低級アルキル基である場合には、それらが一緒になってそれらが結合するベンゼン環上の炭素原子とともに5員環又は6員環を形成してもよく(該環は1又は2以上のアルキル基を有していてもよい)、Xは-CONH-又は-NHCO-を示す〕で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(I) において、R1、R2、R3、R4、及びR5が示す低級アルキル基としては、炭素数1ないし6個程度、好ましくは炭素数1ないし4個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用いることができる。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、又はtert- ブチル基などを用いることができる。上記の低級アルキル基上には1個又は2個以上の任意の置換基が存在していてもよい。置換基としては、例えば、水酸基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子などを例示することができる。R 1、R2、R3、R4、及びR5が示す低級アルキル置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基などを挙げることができる。
R1、R2、R3、R4、及びR5からなる群から選ばれる隣接する2つの低級アルキル基が一緒になって、それらが結合するベンゼン環上の炭素原子とともに5員環又は6員環を1個又は2個、好ましくは1個形成してもよい。このようにして形成される環は飽和、部分飽和、又は芳香族のいずれであってもよく、環上には1又は2以上のアルキル基を有していてもよい。環上に置換可能なアルキル基としては、炭素数1ないし6個程度、好ましくは炭素数1ないし4個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用いることができる。例えば、メチル基、エチル基などを用いることができ、好ましくは2〜4個のメチル基、さらに好ましくは4個のメチル基が置換していてもよい。例えば、R2及びR3が置換するベンゼン環とR2及びR3とにより、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン環や5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8- テトラヒドロナフタレン環などが形成されることが好ましい。
より具体的には、本発明の医薬の有効成分として、フェニル置換カルバモイル安息香酸又はフェニル置換カルボキサミド安息香酸を基本骨格とするレチノイドとして4-(2,4-ビストリメチルシリルフェニルカルボキサミド)安息香酸(Am555s, J. Med. Chem., 33, pp.1430-1437, 1990)又は4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)カルバモイル]安息香酸(Am80, Hashimoto, Y., Cell struct. Funct., 16, pp.113-123, 1991; Hashimoto, Y., et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 166, pp.1300-1307, 1990)を挙げることができる。レチノイドとしては遊離形態の化合物のほか、塩の形態の物質を用いてもよい。また、遊離形態又は塩の形態の物質の水和物又は溶媒和物を用いることもできる。塩の種類は特に限定されないが、例えばナトリウム塩などが好ましい。また、本発明の医薬の有効成分であるレチノイドが置換基の種類に応じて1個または2個以上の不斉炭素を有する場合には、このような不斉炭素に基づく純粋な形態の光学異性体やジアステレオ異性体などの立体異性体のほか、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などを本発明の医薬の有効成分として用いてもよい。
本発明の医薬は皮膚のしわを減少させるための医薬として有効である。しわの成因は特に限定されないが、加齢によるしわは本発明の医薬の好適な適用対象である。また、本発明の医薬は日光や薬物による皮膚障害に起因するしわや、若年性の多しわ症などにも適用可能である。
本発明の医薬の投与経路は特に限定されず、経口的又は非経口的に投与することができる。本発明の医薬としては上記のレチノイド及びその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質の1種または2種以上を用いることができる。本発明の医薬としては上記の物質それ自体を投与してもよいが、好ましくは、当業者に周知の方法によって製造可能な経口用あるいは非経口用の医薬組成物として投与することができる。経口投与に適する医薬用組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、及びシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、坐剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、軟膏剤、クリーム剤、及び貼付剤等を挙げることができる。本発明の医薬は、好ましくは非経口的に皮膚又は粘膜に対して局所投与用の外用剤の形態の医薬組成物として適用することができる。外用剤の形態の医薬組成物の種類は特に限定されないが、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、溶液剤などを例示することができる。
上記の医薬組成物は、薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物を加えて製造することができる。薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物の例としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を挙げることができる。外用剤の形態の医薬組成物は、外用剤の調製に通常用いられる製剤用添加物を用いて当業者に周知の方法で調製できる。製剤用添加物の種類は特に限定されないが、例えば、水溶性又は油性の高分子基剤、界面活性剤、pH調節剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、増粘剤、エタノールなどの有機溶媒などを例示することができ、その配合量も特に限定されず、製剤形態に応じて適宜の量を選択することが可能である。
本発明の医薬の投与量は特に限定されず、患者の体重や年齢、疾患の種類や症状、投与経路など通常考慮すべき種々の要因に応じて、適宜増減することができる。一般的には、経口投与の場合には成人一日あたり 0.01〜1,000 mg程度の範囲で用いることができるが、上記の投与量は適宜増減することができる。外用剤の形態の医薬の投与量も特に限定されないが、例えば、一日あたり局所投与量として1pg〜1 mg程度であり、症状などに応じて適宜増減することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1:皮膚刺激性
レチノイドのモルモット皮膚に対する刺激性を検討し、併せて刺激閾値とレチノイド作用閾値との関連を調べるために組織学的検査を行った。600g前後の雄性モルモット背部皮膚にレチノイン酸(RA)又はAm80(4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)カルバモイル]安息香酸)をそれぞれ1、5、10、50、及び100ppmのエタノール溶液として1日1回連日塗布した(一週につき5日)。対照として溶媒(エタノール)のみを塗布した。皮膚反応を以下に示す5段階で評価し、これらの薬剤の各濃度につきモルモット3匹を用いて平均値を算出した。
0:皮膚反応が全く認められないもの
1:微かな紅斑が認められるもの
2:明らかに紅斑が認められるもの
3:強い紅斑あるいは僅かな浮腫・痂皮を伴うもの
4:明らかな浮腫・痂皮あるいはそれ以上の変化が認められるもの
結果を図1に示す。RA及びAm80を同一濃度で比較すると、Am80ではレチノイン酸よりもはるかに皮膚反応が弱く、皮膚反応が極めて遅く発現することが確認できた。また、同一塗布期間におけるRA及びAm80の累積皮膚刺激性の濃度依存性を比較したところ、RAの刺激閾値は5ppm未満であり、濃度依存的に刺激性は増大したが、Am80はこの期間中10ppm以下では全く皮膚反応が生じなかった(図2)。塗布終了時点において組織学的所見を比較した結果を表1に示す。RAに比べてAm80は10倍濃度の塗布においても皮膚肥厚や炎症性変化の程度が軽微であった。
Figure 2005087220
例2:角層ターンオーバー試験
角層のターンオーバーに対する作用をモルモットを用いて評価した。試験3日前に脱毛ワックスを用いて脱毛した750g前後のハートレー系アルビノ雄性モルモットに5%ワセリン軟膏としたダンシルクルライドをパッチテスト用フィンチャンバーを用いて24時間閉塞塗布した後、皮膚の軟膏を拭き取った。簡易蛍光測定器を用いて338nm付近を頂点とする紫外線を照射し、ダンシルクロライドの蛍光強度を測定した。同時にダンシルクロライド末塗布部位の蛍光強度(ブランク値)も測定した。蛍光強度測定後、50ppm濃度のRA及びAm80を1日1回10μl/直径1cmに塗布した。また、測定中同時に皮膚刺激性も例1に示した基準に従って判定した。角層ターンオーバー試験の結果を図3に示す。RAが角層のターンオーバーに対して強い抑制作用を有するのに対して、Am80は角層のターンオーバーにほとんど影響を与えないことが確認できた。同時に皮膚累積刺激性を例1の基準により評価し図4に示す結果を得た。
例3:皮膚表面形状(皮溝)の平坦化作用
ヘアレスマウス(Skh-hr1、16週齢、雌性、各群5匹)を用いてRA及びAm80塗布(それぞれエタノール中0.01%)により皮膚皮溝に生じる変化を調べた。塗布は毎日1回、一週あたり5日として30日間行った。対照としてエタノールのみを塗布した。最終塗布日の翌日にシリコン系樹脂を用いて皮膚表面のレプリカを採り、画像解析装置により皮膚表面形状の特徴を表す種々のパラメータを求めた。その結果、RAの連続塗布によりレプリカ上では皮紋が消失し、表面が平坦化していく変化が認められた。Am80においても同様の作用が認められた。皮溝の深さと相間する画像解析パラメータKSD(3.9mm×3.9mm内の画素の輝度分布の分散)は薬剤塗布群で有意に減少した(図5)。また、KSDの減少と表皮肥厚とは相関しており、Am80及びRAともに明瞭な変化を与えた(図6)。
例4:線維芽細胞のEGF依存性増殖に及ぼす作用
低血清下で増殖停止している線維芽細胞の増殖は増殖因子に依存しており、EGFの添加で増殖が開始する。このEGF依存性増殖に対するRAとAm80の増殖促進効果を評価した。RAは10-6Mで最大効果(40%促進)を示し、Am80は10-8Mで最大効果(30%促進)を示した。Am80の促進効果(10%)は10-10Mでも認められた。
例5:ヒトケラチノサイドの増殖と分化に及ぼす作用
ヒト胸部皮膚より得た正常ヒトケラチノサイト(HK、クラボウ製)を培養し、2日目にRA又はAm80を添加した(ジメチルスルホキシド中0.01%)。薬剤投与後2〜13日目の細胞を試料とし、HKの増殖の指標としてDNA量、分化の指標として一次元SDS-PAGEによる分化型ケラチン(k1;68kD)と増殖型ケラチン(K16;48kD)の組成比(K1/K16)を用い、溶媒のみのコントロールとの比を1から引いた値を分化抑制率とした。Am80はRAと同様の細胞増殖抑制作用を有しており、IC50はRAが10-6〜10-7M、Am80が10-9Mであった。また、Am80はRAよりも強い細胞分化抑制作用を有しており、10-8〜10-10Mの低濃度で作用し、分化抑制率はRAの1.3〜1.7倍であった。
本発明の医薬は優れた抗しわ作用を有しており、レチノイン酸などの従来の薬剤に比べて皮膚刺激作用が軽減されているという特徴がある。

Claims (3)

  1. 抗しわ作用を有する医薬であって、フェニル置換カルバモイル安息香酸又はフェニル置換カルボキサミド安息香酸を基本骨格とするレチノイドを有効成分として含む医薬。
  2. レチノイドがレチノイン酸レセプター(RAR)サブタイプγに実質的に結合しないレチノイドである請求の範囲第1項に記載の医薬。
  3. レチノイドが4-(2,4-ビストリメチルシリルフェニルカルボキサミド)安息香酸又は4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)カルバモイル]安息香酸である請求の範囲第1項又は第2項に記載の医薬。

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